(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027691
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】水洗大便器
(51)【国際特許分類】
E03D 11/10 20060101AFI20230222BHJP
E03D 11/13 20060101ALI20230222BHJP
E03D 11/14 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
E03D11/10
E03D11/13
E03D11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132957
(22)【出願日】2021-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丸山 貴広
(72)【発明者】
【氏名】安達 善勝
(72)【発明者】
【氏名】高野 聡士
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD00
2D039AD04
2D039CB02
2D039DB07
(57)【要約】
【課題】前出の小さい耐火仕様の水洗大便器を提供することを目的とする。
【解決手段】実施形態に係る水洗大便器は、汚物を受けるボウル面と、ボウル部の底部から延びる排水トラップ管路と、を有する便器本体と、排水トラップ管路の下流側に配置され、排水トラップ管路と排水管とを接続する排水ソケットと、排水管に取り付けられる不燃材料の遮蔽部材と、を備え、排水ソケットは、排水管と接続する挿入筒を有し、便器本体は、便器本体の後面を開口させ、排水管又は排水ソケットを通すための台座部を有し、遮蔽部材は、台座部が形成する便器本体の開口を塞ぐ不燃材料で構成された遮蔽部材本体と、排水管に遮蔽部材本体を組み付けるための取付穴と、取付穴に内包される、排水管挿入筒と遮蔽部材本体とを水密に接続するための不燃材料で構成された第1シール部材と、を有し、遮蔽部材本体は、取付穴の形状を変形可能に構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚物を受けるボウル面と、前記ボウル部の底部から延びる排水トラップ管路と、を有する便器本体と、
前記排水トラップ管路の下流側に配置され、前記排水トラップ管路と排水管とを接続する排水ソケットと、
前記排水管に取り付けられる不燃材料の遮蔽部材と、を備え、
前記排水ソケットは、前記排水管と接続する挿入筒を有し、
前記便器本体は、前記便器本体の後面を開口させ、前記排水管又は前記排水ソケットを通すための台座部を有し、
前記遮蔽部材は、前記台座部が形成する前記便器本体の開口を塞ぐ不燃材料で構成された遮蔽部材本体と、
前記排水管に前記遮蔽部材本体を組み付けるための取付穴と、
前記取付穴に内包される、前記排水管挿入筒と前記遮蔽部材本体とを水密に接続するための不燃材料で構成された第1シール部材と、を有し、
前記遮蔽部材本体は、前記取付穴の形状を変形可能に構成されることを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
前記遮蔽部材本体は、第1遮蔽部材本体と第2遮蔽部材本体の2つの部材になるよう分離、または、前記第1遮蔽部材と前記第2遮蔽部材本体の一点が接続された状態で互いが離反可能に構成されることを特徴とする請求項1記載の水洗大便器。
【請求項3】
前記第1遮蔽部材本体と前記第2遮蔽部材本体の接合面の同一平面は、前記遮蔽部材が前記排水管に組付けられた状態において、前記取付穴の中心を通るよう形成されていることを特徴とする請求項2記載の水洗大便器。
【請求項4】
前記遮蔽部材はさらに、前記台座部と前記遮蔽部材とを当接するための第2シール部材を備え、
前記第2シール部材は、第1第2シール部材と第2第2シール部材の2つの部材になるよう構成され、前記第2シール部材は前記平面を除く、前記遮蔽部材本体の周縁に配置され、前記第1遮蔽部材本体と前記第2遮蔽部材本体の接合面は、前記第1第2シール部材と前記第2第2シール部材の接合面は同一平面であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の水洗大便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水洗大便器の排水ソケット及び壁用排水管と連接された、不燃材料で構成された遮蔽部材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。遮蔽部材は本体が略縦長短形状であり、排水ソケットの排水管と接続する流出管路に円形状の挿通口を有する。この耐火使用の水洗大便器における排水管と排水ソケットの施工手順を説明する。先ず、遮蔽部材の挿通口を排水ソケットの流出管路に通すよう組付ける。次に、排水ソケットを移動させ、床面より上方で横方向に延びる排水管の上流端開口に、遮蔽部材の排水管側面にある不燃材料で構成されたリング状のシール部材を水洗大便器の前後方向に潰すよう当接させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の水洗大便器では、遮蔽部材本体の後面にシール部材を備え、前後方向に潰すよう当接させることから、壁面から水洗大便器の前端までの長さ、いわゆる前出が大きくなってしまう。便器本体側で前出を小さくする場合、ボウル面が小さくなることから、使用者の使い勝手や、洗浄性に制限が出る恐れがある。
【0005】
本実施形態の一態様は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、前出の小さい耐火仕様の水洗大便器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る水洗大便器は、汚物を受けるボウル面と、ボウル部の底部から延びる排水トラップ管路と、を有する便器本体と、排水トラップ管路の下流側に配置され、排水トラップ管路と排水管とを接続する排水ソケットと、排水管に取り付けられる不燃材料の遮蔽部材と、を備え、排水ソケットは、排水管と接続する挿入筒を有し、便器本体は、便器本体の後面を開口させ、排水管又は排水ソケットを通すための台座部を有し、遮蔽部材は、台座部が形成する便器本体の開口を塞ぐ不燃材料で構成された遮蔽部材本体と、排水管に遮蔽部材本体を組み付けるための取付穴と、取付穴に内包される、排水管挿入筒と遮蔽部材本体とを水密に接続するための不燃材料で構成された第1シール部材と、を有し、遮蔽部材本体は、取付穴の形状を変形可能に構成されることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、遮蔽部材を排水ソケットに取り付ける際に、第1シール部材を水洗大便器に対して前後方向に対して押しつぶすのではなく、地面と垂直平面の押圧ベクトルで第1シール部材を潰すことができる。これにより、壁面から水洗大便器の前端までの長さを小さくすることができる。
【0008】
また、遮蔽部材本体は、第1遮蔽部材本体と第2遮蔽部材本体の2つの部材になるよう分離、または、第1遮蔽部材と第2遮蔽部材本体の一点が接続された状態で互いが離反可能に構成されることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、遮蔽部材を排水ソケットに取り付ける際に、第1シール部材を水洗大便器に対して前後方向に対して押しつぶすのではなく、地面と垂直平面の押圧ベクトルで第1シール部材を潰すことができる。これにより、壁面から水洗大便器の前端までの長さを小さくすることができる。
【0010】
また、第1遮蔽部材本体と第2遮蔽部材本体の接合面の同一平面は、遮蔽部材が排水管に組付けられた状態において、取付穴の中心を通るよう形成されていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、施工者が遮蔽部材を排水ソケットに組付ける際、取付穴の中心に向かって力を加えやすい。これにより、施工者の負荷を軽減しつつ、排水ソケットと遮蔽部材の適切なシールを可能にし、壁面から水洗大便器の前端までの長さを小さくすることができる。
【0012】
また、遮蔽部材はさらに、台座部と遮蔽部材とを当接するための第2シール部材を備え、第2シール部材は、第1第2シール部材と第2第2シール部材の2つの部材になるよう構成され、第2シール部材は平面を除く、遮蔽部材本体の周縁に配置され、第1遮蔽部材本体と前記第2遮蔽部材本体の接合面は、第1第2シール部材と第2第2シール部材の接合面は同一平面であることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、遮蔽部材を結合させた際、遮蔽部材の平面部を除く周縁を第2シール部材で覆いつつ、第2シール部材が飛び出したり、たわみが発生することを抑制することが可能である。これにより、便器本体と遮蔽部材を適切にシールすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前出の小さい耐火仕様の水洗大便器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る水洗大便器の後方斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る遮蔽部材の斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る排水ソケットと排水管の斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る遮蔽部材近傍をクローズアップした水洗大便器の後方斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る水洗大便器の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して第1実施形態に係る水洗大便器1の概要について説明する。
図1は、第1実施形態に係る水洗大便器1を示す後方斜視図である。
【0017】
なお、
図1を含む各図には、説明の便宜上、鉛直上向き(上方)を正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を示している場合がある。この場合、X軸の正方向を左方、X軸の負方向を右方、Y軸の正方向を前方、Y軸の負方向を後方、Z軸の正方向を上方、Z軸の負方向を下方と規定し、また、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という。なお、左右方向は、水洗大便器1の幅方向である。
【0018】
図1に示すように、水洗大便器1は、便器本体3と、機能部(図示せず)と、衛生洗浄装置(図示せず)と、便座部(図示せず)と、遮蔽部材7と、を備える。便器本体3は、陶器製である。なお、便器本体3は、陶器製に限定されず、たとえば、樹脂製のものや、陶器と樹脂とを組み合わせたものであってもよい。
【0019】
便器本体3は、ボウル部9、台座部11、および排水トラップ管路13(
図5参照)を有する。ボウル部9は、排水トラップ管路13、排水ソケット5(
図5参照)、排水管15の順に上流から接続されており、ボウル部9から排出された洗浄水は排水トラップ管路13、排水ソケット5、排水管15の順に流れる。また、開口を有する台座部11は便器本体3の後面の下端に設けられている。台座部11には遮蔽部材7が開口にはめ込まれるよう設けられ、遮蔽部材7は排水管15の一部を覆う。排水ソケット5と遮蔽部材7についての詳細構造については後述する。
【0020】
便器本体3の後方には、機能部が設けられる。機能部は、便器本体3のボウル部や衛生洗浄装置に給水を行う。機能部は、貯水タンク(図示せず)、および加圧ポンプ(図示せず)などを含む。機能部は、給水に関し、貯水タンクに貯水された洗浄水を加圧ポンプによって加圧して、大流量でジェット吐水口(図示せず)からボウル部へ吐出させる。
【0021】
衛生洗浄装置には、ボウル部9の上方の使用者の局部に向けて洗浄水を噴射するノズル装置(図示せず)を含む局部洗浄装置(図示せず)が設けられる。また、衛生洗浄装置には、局部洗浄装置に供給される洗浄水を貯水する貯水部(図示せず)、貯水部内の洗浄水を適温に温めて温水にする加熱器(図示せず)、換気ファン(図示せず)、脱臭ファン(図示せず)、温風ファン(図示せず)、およびこれら各部を制御する制御部(図示せず)などが設けられる。
【0022】
便座部は、便器本体3の上部に配置され、使用者が水洗大便器1を使用する場合に着座するものである。便座部は、後方側を支点として回動することで、開閉可能である。
【0023】
蓋部は、便座部と同様、便器本体3の上部に配置され、便器本体3のボウル部9を含む上面を上方から覆うものである。蓋部は、便座部と同様、後方側を支点として回動することで、開閉可能である。なお、蓋部は、閉じた状態では、便器本体3の上面を上方から覆うとともに、便座部を上方から覆う。
【0024】
ボウル部9は、汚物を受ける部位であり、凹状に形成される。ボウル部の上縁部にはリム部17が形成される。リム部17は、洗浄水を吐水するリム吐水口19を有する。リム部17は、リム吐水口19から吐水された洗浄水がボウル部9の上縁部に沿って流れ、ボウル部9内に旋回流を形成する。なお、リム吐水口19には、上流側に形成された導水路(不図示)が接続されており、洗浄水供給装置(図示せず)からの洗浄水が導水路を介して供給される。
【0025】
次に、
図2を参照して遮蔽部材7の詳細構造について説明する。
図2は、第1実施形態に係る遮蔽部材7の斜視図である。
【0026】
遮蔽部材7は、中心に円形の取付穴7aを有する遮蔽部材本体7bを備える。さらに、取付穴7aの内部には中空の円状である第1シール部材7cを備え、遮蔽部材本体7bの下面を除く周縁には、台座部11と接続する第2シール部材7dを備える。遮蔽部材本体7bには、排水ソケット5と接続する、遮蔽部材本体7bから前方向かってに延びる取付部7eを備える。取付部7eの先端近傍はねじ穴7jを有する。また、遮蔽部材本体7bの後面上端には後方に延びる突起部7fを有している。
【0027】
遮蔽部材本体7bは、後面視、及び前面視で、上方に向かって凸の略円弧形状をしている。また、遮蔽部材本体7bは、幅方向の中心線を基端として、第1遮蔽部材本体7b1と第2遮蔽部材本体7b2に、幅方向に分離可能な構成をしている。また、突起部7fも分離する構成をしている。このような構成によれば、施工者が遮蔽部材7を排水ソケット5に組付ける際、取付穴7aの中心に向かって力を加えやすい。これにより、施工者の負荷を軽減しつつ、排水ソケット5と遮蔽部材7の適切なシールを可能にし、壁面から水洗大便器1の前端までの長さを小さくすることができる。
また、遮蔽部材本体7bは、ステンレスのような耐火性を備える金属鉄板によって構成されている。
【0028】
第2シール部材7dは、遮蔽部材本体7bと同様に幅方向の中心線を基端として、第1第2シール部材7d1と第2第2シール部材7d2に幅方向に分離可能な構成をしている。第1シール部材7c、及び第2シール部材7dはロックウールやグラスウールのような耐火性を備える軟質のスポンジ状シール材である。
【0029】
次に、
図3を参照して排水ソケット5の詳細構造について説明する。
図3は、第1実施形態に係る排水ソケット5と排水管15の斜視図である。
【0030】
排水ソケット5は、排水トラップ管路13と接続する入水孔5aと、入水孔5aから流入した洗浄水を後方に方向を変更する屈曲部5bと、上流側が屈曲部5bと接続され、下流側が排水管15と接続される挿入筒5cと、排水ソケット5を地面と固定するための台座板5dと、を備えている。
入水孔5aは、上方から洗浄水が流入するよう円状に開口されており、下流側に向かって流水面積が小さくなるよう構成されている。屈曲部5bは、上流側が上向きに開口しており、流路途中、直角に屈曲して後方に向かって延びている。屈曲部5bは、下端が側面視で下に凸の略円弧形状をしている。挿入筒5cは、上流側が前方に向かって開口しており、下流側に向かって流路面積が小さくなるよう構成されている。また、挿入筒5cの上流側は耐火性能を向上させるため2層構造となっている。
【0031】
次に、
図4、
図5を参照して、排水ソケット5と遮蔽部材7との取付、及び排水ソケット5と排水管15との取付について説明する。
図4は、第1実施形態に係る遮蔽部材7近傍をクローズアップした水洗大便器1の後方斜視図である。
図5は、第1実施形態に係る水洗大便器1の側面断面図である。
【0032】
初めに、排水管15と遮蔽部材7の取付について説明する。分離した遮蔽部材本体7bに、第1シール部材7cと、分離した第2シール部材7dを取り付けておく。取り付けた状態において、分離した遮蔽部材本体7bと第2シール部材7dの、片側の遮蔽部材7と接合する接合面7gは同一平面となっている。
次に、分離した遮蔽部材7を排水管15に組み付ける。第1シール部材7cに排水管15を通し、第1シール部材7cを潰すよう、第1遮蔽部材本体7b1と第2遮蔽部材本体7b2で挟み込む。突起部7fが適切に合わさったことを確認し、突起部7fに後方から中空の接合部材7hを通して、第1遮蔽部材本体7b1と第2遮蔽部材本体7b2とを固定する。
このような構成によれば、遮蔽部材7を排水管15に取り付ける際に、分離された遮蔽部材本体7bを結合するように取り付けられるため、第1シール部材7cを水洗大便器1に対して前後方向に対して押しつぶすのではなく、地面と垂直平面の押圧ベクトルで第1シール部材7cを潰すことができる。これにより、壁面から水洗大便器1の前端までの長さを小さくすることができる。
また、このような構成によれば、取付穴7aの内周辺全体を第1シール部材で覆いつつ、第1シール部材7cが飛び出したり、たわみが発生することを抑制することが可能である。これにより、排水ソケット5と遮蔽部材7を適切にシールしつつ、壁面から水洗大便器1の前端までの長さを小さくすることができる。
【0033】
次に、排水ソケット5と排水管15とを接続し、排水ソケット5取付部7eのねじ穴7jを台座板5dの穴(図示せず)に合わせ、上方からねじ(図示せず)を通して固定する。排水ソケット5と排水管15とを接続することで、水洗大便器1の排出動作を可能とする。
排水管15と排水ソケット5は、水洗大便器1と遮蔽部材7で覆われた空間の中で接続しているため、耐火性能を備えることができる。また、排水管15の高さや前後方向の奥行きに合わせて容易に調整を行い、耐火性能を高めることができる。
【0034】
次に、便器本体3を遮蔽部材7の第2シール部材7dの上方から押し潰してシールするよう上方から押し下げながら、排水トラップ管路13と排水ソケット5を接続し、排水トラップ管路13から排水管15までの排水経路の連通を可能とする。
このような構成によれば、遮蔽部材7を結合させた際、遮蔽部材7の平面部7iを除く周縁を第2シール部材7dで覆いつつ、第2シール部材7dが飛び出したり、たわみが発生することを抑制することが可能である。これにより、便器本体3と遮蔽部材7を適切にシールすることができる。
【0035】
次に、第2実施形態に係る水洗大便器1の概要について説明する。
【0036】
第2実施形態に係る水洗大便器(不図示)は、第1実施形態に係る水洗大便器1と、遮蔽部材(不図示)の構造が異なり、これに伴う排水管(不図示)への取付方法が異なる。
【0037】
第2実施形態に係る遮蔽部材は、遮蔽部材本体(不図示)の上方端に回動可能なヒンジ(不図示)が設けられており、第1遮蔽部材本体(不図示)と第2遮蔽部材本体(不図示)が完全に分離せず、ヒンジを起点に互いが離反、接近するように第1遮蔽部材と第2遮蔽部材は接続されている。
【0038】
遮蔽部材を排水管に取り付ける際、第1シール部材(不図示)に排水管を通し、第1シール部材を潰すよう、ヒンジを起点に第1遮蔽部材本体と第2遮蔽部材本体を接近させ、第1遮蔽部材本体と第2遮蔽部材本体とを接合する。遮蔽部材本体が有する突起部(不図示)が適切に合わさったことを確認し、突起部に後方から中空の接合部材(不図示)を通して、第1遮蔽部材と第2遮蔽部材とを固定する。
このような構成によれば、遮蔽部材を排水管15に取り付ける際に、分離された遮蔽部材本体を結合するように取り付けられるため、第1シール部材を水洗大便器に対して前後方向に対して押しつぶすのではなく、地面と垂直平面の押圧ベクトルで第1シール部材を潰すことができる。これにより、壁面から水洗大便器の前端までの長さを小さくすることができる。
【0039】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 水洗大便器
3 便器本体
5 排水ソケット
5a 入水孔
5b 屈曲部
5c 挿入筒
5d 台座板
7 遮蔽部材
7a 取付穴
7b 遮蔽部材本体
7b1 第1遮蔽部材本体
7b2 第2遮蔽部材本体
7c 第1シール部材
7d 第2シール部材
7d1 第1第2シール部材
7d2 第2第2シール部材
7e 取付部
7f 突起部
7g 接合面
7h 接合部材
7j ねじ穴
9 ボウル部
11 台座部
13 排水トラップ管路
15 排水管
17 リム部
19 リム吐水口