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特開2023-27758電気コネクタのためのコンポーネントとしてのプラグまたはソケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027758
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】電気コネクタのためのコンポーネントとしてのプラグまたはソケット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6586 20110101AFI20230222BHJP
【FI】
H01R13/6586
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022122443
(22)【出願日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】21191664.8
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】515120213
【氏名又は名称】オーデーウー ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・シブッチャー
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC21
5E021LA09
5E021LA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気コネクタのためのコンポーネント、およびコンパクトな設計での外乱のない単一のコネクタにおいて、いくつかのデータプロトコル、電気信号およびエネルギーの少なくとも一つの伝達を可能にする電気コネクタを提供する。
【解決手段】電気コネクタのためのコンポーネント1は、ハウジング3と、複数の電気接点要素と、を備え、電気接点要素の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネントへの接続のためにハウジング3の一端でアクセス可能である。電気接点要素は、互いに分離しているとともに互いに対してシールドされている少なくとも2つのセグメント4に配置される。セグメント4の各々の外形は、少なくとも2つの脚と、一方の脚の一端から他方の脚の一端まで延びる基部側面と、を有し、各セグメント4の少なくとも1つの脚は、基部側面に対して30°から80°または100°から150°の内角をなす。セグメント4は、一列に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(3)と、複数の電気接点要素(10)と、を備え、前記電気接点要素(10)の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネントへの接続のために前記ハウジング(3)の一端でアクセス可能である、電気コネクタのためのコンポーネント(1)であって、
前記電気接点要素(10)は、互いに分離しているとともに互いに対してシールドされている少なくとも2つのセグメント(4)に配置され、前記少なくとも2つのセグメント(4)の各々の外形は、少なくとも2つの脚(11)と、一方の脚(11a)の一端から他方の脚(11b)の一端まで延びる基部側面(12)と、を有し、各セグメントの少なくとも1つの脚は、前記基部側面(12)に対して30°から80°または100°から150°の内角をなしており、前記セグメント(4)は、シールディングが隣り合うセグメント(4)の前記脚(11)間に設けられた状態で、一列に配置される、コンポーネント(1)。
【請求項2】
前記セグメントのうちの少なくとも1つの前記外形は、ほぼ三角形である、請求項1に記載のコンポーネント(1)。
【請求項3】
少なくとも1つのセグメントの前記外形は、ほぼ台形、ほぼ変形台形、ほぼ平行四辺形またはほぼ変形平行四辺形である、請求項1または2に記載のコンポーネント(1)。
【請求項4】
前記セグメント(4)は、少なくとも2つの平行の列に配置される、請求項1に記載のコンポーネント(1)。
【請求項5】
一列の中で隣り合うセグメント(4)は、それぞれの向きを交互にして配置される、請求項1または2に記載のコンポーネント(1)。
【請求項6】
ハウジング(3)と、複数の電気接点要素(10)と、を備え、前記電気接点要素(10)の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネントへの接続のために前記ハウジング(3)の一端でアクセス可能である、電気コネクタのためのコンポーネント(1)であって、
前記電気接点要素(10)は、互いに分離しているとともに互いに対してシールドされている少なくとも2つのセグメント(4)に配置され、前記少なくとも2つのセグメント(4)の各々の外形は、少なくとも2つの脚(11)と、一方の脚(11a)の一端から他方の脚(11b)の一端まで延びる基部側面(12)と、を有し、前記脚同士は、前記基部側面(12)とは反対側の端に20°から150°の内角(13)をなし、前記セグメント(4)は、前記セグメント(4)の外側にある共通の中心点の周りに配置され、前記セグメント(4)の前記基部側面は、前記中心点から遠ざかる外側に向いている、コンポーネント(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのセグメントの前記外形は、ほぼ三角形、ほぼ台形またはほぼ変形台形である、請求項6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項8】
前記セグメント(4)は、三角形格子のほぼ格子点上に配置された少なくとも3つの電気接点要素(10)をそれぞれ有する、請求項1から7のいずれか1項に記載のコンポーネント(1)。
【請求項9】
1つのセグメント(4)内の最も近い隣接した電気接点要素(10)間の距離は、前記電気接点要素(10)の外径の0.2倍から2倍の間に相当する、請求項1から8のいずれか1項に記載のコンポーネント(1)。
【請求項10】
前記セグメント(4)の前記外形は、前記セグメント(4)に配置された前記電気接点要素(10)を囲むエンベロープに対応する、請求項1から9のいずれか1項に記載のコンポーネント(1)。
【請求項11】
前記セグメント(4)の前記外形は、同一である、請求項1から10のいずれか1項に記載のコンポーネント(1)。
【請求項12】
セグメント(4)の個数は奇数であり、前記ハウジング(3)の面の外側形状は、全てのセグメント(4)を囲むエンベロープに対応する、請求項1から11のいずれか1項に記載のコンポーネント(1)。
【請求項13】
前記コンポーネントが、プラグ、ソケット、あるいは、プラグおよびソケットの少なくとも一方の組合せである、請求項1から12のいずれか1項に記載のコンポーネント(1)。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか1項に記載のコンポーネントと、嵌め合いコネクタコンポーネント(2)と、を備えた電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグまたはソケットなどの電気コネクタのためのコンポーネントに関する。本発明は、電気コネクタにも関する。
【背景技術】
【0002】
電気信号を伝達するための多くの用途では、特定のケーブルによって伝達される信号と他のケーブルによって伝達される信号などの外部信号との間の干渉を避けるために、シールドケーブルが用いられる。接続の箇所でも漏れや干渉が避けられるように、そのようなケーブル同士を接続するために、シールド付きコネクタが使用される。相互干渉、例えばクロストークからそれらをシールドし、保護することによって、異なる電気信号、データプロトコル、または通電導体の分離を実現するいくつかの構造的な解決手段が当業界で知られている。
【0003】
文献の米国特許第5,304,964A号は、長方形空洞を備えたレセプタクル、および空洞内に配置される標準規格のプラグを備えるコネクタを開示する。導電性レセプタクルは、接地され、互いに対するおよび環境に対する電磁障害および高周波障害を考慮して2つのプラグがシールドされるように2つの空洞の間にスペーサを含む。同様のコネクタは、中国特許出願CN104124575Aにより知られている。
【0004】
コネクタの異なる設計が、米国特許第9,306,312(B2)号に開示されており、これは、高速データ転送の性能を改善するために接触密度を増大させるようにそれぞれ設計された嵌め合いピンおよびソケットコネクタを含む電気コネクタシステムを示す。コネクタは、プラグ挿入物を通って軸方向に延びる複数の接点受入れ空洞を有する導電性プラグ挿入物と、各シースが一対の電気接点を離間した関係で持っている複数の電気絶縁シースと、複数の導電性シールドフェルールと、導電性シールドハウジングを通って軸方向に延びるフェルール受入れ空洞を有する導電性シールドハウジングを備えている。コネクタは、一団にまとまった相互位置合わせされた構成に複数のピンまたはソケット接点を保持する特徴と、干渉およびクロストークを減少させるように互いから接点のグループをシールドする特徴と、を含む。一例として、8つのピンからなる4グループを有するコネクタシステムがそれぞれ示されており、空洞およびシースは円形である。
【0005】
電気接点要素の2つ以上のシールドされたセグメントを有する市販のプラグコネクタは、上述した先行技術文献に開示されるように長方形タイプまたは円形タイプのどちらかである。知られているプラグコネクタは、多くの異なる用途に使用されるが、それらの使用へ限定がある。特に、コネクタの構造的設計により、それらは、利用できる設置スペースが限られる用途では不適切であり得る。
【発明の概要】
【0006】
〔本発明の目的〕
本発明の目的は、電気コネクタのためのプラグまたはソケットなどの改善されたコンポーネント、および当業界で知られているコンポーネントの欠点を克服するそれぞれの電気コネクタを提供することである。詳細には、本発明は、電気コネクタのためのコンポーネント、およびコンパクトな設計での外乱のない単一のコネクタにおいて、いくつかのデータプロトコル、電気信号およびエネルギーの少なくとも一つの伝達を可能にする電気コネクタを提供しようとするものである。
【0007】
〔本発明による解決手段〕
以下において、1つの(冠詞「a」および「the」を含む)、または2つ以上の対象の任意の言及は、他に明確に述べられていない場合、本発明においてさらなるそのような対象の存在を除外しないように理解されることを意味している。特許請求の範囲における参照番号は、限定することを意味しているものではなく、特許請求の範囲の読みやすさを改善するように働くものにすぎない。
【0008】
本発明の一態様によれば、課題は、請求項1に記載の特徴を有する電気コネクタのためのコンポーネントによって解決される。電気コネクタのためのコンポーネントは、ハウジングと、複数の電気接点要素と、を備え、電気接点要素の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネントへの接続のためにハウジングの一端でアクセス可能であり、電気接点要素は、互いに分離しているとともに互いに対してシールドされている少なくとも2つのセグメントに配置される。少なくとも2つのセグメントの各々の外形は、少なくとも2つの脚と、一方の脚の一端から他方の脚の一端まで延びる基部側面と、を有し、各セグメントの少なくとも1つの脚は、基部側面に対して30°から80°または100°から150°の内角をなす。少なくとも2つのセグメントは、シールディングが隣り合うセグメントの脚間に設けられた状態で、一列に配置される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、課題は、請求項6に記載の特徴を有する電気コネクタのためのコンポーネントによって解決される。電気コネクタのためのコンポーネントは、ハウジングと、複数の電気接点要素と、を備え、電気接点要素の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネントへの接続のためにハウジングの一端でアクセス可能であり、電気接点要素は、互いに分離しているとともに互いに対してシールドされている少なくとも2つのセグメント、好ましくは少なくとも3つのセグメントに配置される。少なくとも2つのセグメントの各々の外形は、少なくとも2つの脚と、一方の脚の一端から他方の脚の一端まで延びる基部側面と、を有し、脚同士は、基部側面とは反対側の端に20°から150°の内角をなす。少なくとも2つのセグメントは、セグメントの外側にある共通の中心点の周りに配置され、セグメントの基部側面は、中心点から遠ざかる外側に向いている。この実施形態は、円形または楕円形のコネクタフェースを有するコンポーネントおよびコネクタに特によく適している。セグメントの外形の脚間の角度は、必要とされるセグメントの個数および利用可能な設置スペースに調整されることが可能である。
【0010】
本発明の文脈では、電気コネクタの「コンポーネント」は、コンポーネントの電気接点要素と嵌め合いコンポーネントの対応する嵌め合い電気接点要素との間の電気接続を実現するために、やはり電気コネクタの嵌め合いコンポーネントとの嵌め合いをすることができるデバイスである。本発明は、電気接点に加えて、電気コネクタは、コンポーネントから嵌め合いコンポーネントへ、光、ならびに、冷却液等の液体および空気等の気体を含む流体の少なくとも1つを移送するための端子も備える実施形態も包含する。
【0011】
本発明の文脈では、「セグメント」は、それぞれ複数の電気接点要素を包含する。要素の個数、およびセグメント内部のその配置に応じて、セグメントの外形は、異なる形態を有することができる。正方形でないおよび円形でない本発明による形態は、一方では、セグメントの内部の電気接点要素の配置に対して大きい設計の柔軟性をもたらし、互いに対するセグメントの配置にも、大きい設計の柔軟性をもたらす。
【0012】
互いに対して「シールドされている」2つのセグメントは、シールディングがこれらのセグメント間に設けられていることを意味する。本発明の文脈における「シールディング」は、電磁場を少なくとも部分的に阻止するための障壁である。シールディングの実現可能な利点は、セグメントの内部の高周波、電磁場および静電場の少なくとも1つと隣り合うセグメントの内部の高周波、電磁場および静電場の少なくとも1つとが結合あるいは干渉することを、低減し、あるいは、回避できるという点にある。
【0013】
有利な点は、本発明による、少なくとも2つのセグメント内の電気接点要素の配置およびセグメントの外形の組合せを用いて、コンパクトな設計での外乱のない単一のコネクタにおいて、いくつかのデータプロトコル、電気信号およびエネルギーの少なくとも1つを伝達することができる電気コネクタを作り出すことができる点にある。特に有利な点は、直交しない内角により、セグメント内の接点要素をより高密度に詰めることが可能であることと、セグメント内の接点要素の個数を最大化可能であることと、接点要素間の間隔を最適化可能であることと、の少なくとも1つが実現可能な点にある。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、課題は、本発明によるコンポーネントを備える電気コネクタによって解決される。本発明の全ての態様は、本発明によるセグメントに加えて、さらなる接点要素、またはシールドされていてもよくまたはされていなくてもよい接点要素の配置を含む実施形態も包含する。
【0015】
〔本発明の好適な実施形態〕
単独または組合せで適用され得る本発明の好適な特徴は、以下におよび従属請求項に説明される。
【0016】
本発明によるコンポーネントは、少なくとも2つのセグメントに配置される複数の電気接点要素を含む。コンポーネントは、等しい個数または等しくない個数の電気接点要素を有する3つ以上のセグメントを備えることができる。さらなるセグメントは、例えば、要素によって伝達されるエネルギー、信号およびデータプロトコルの少なくとも1つに応じて、たった1つの要素を備えてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、1つまたは全てのセグメント内の全ての接点要素は、同一の設計である。しかしながら、本発明は、接点要素が、セグメント間で、または、同じセグメント内で、均一でない設計である、すなわち、設計を異にする、実施形態も含む。
【0017】
電気接点要素は、当業界で知られている電気信号、データプロトコルおよびエネルギーの少なくとも1つの伝達に適切な任意の形態、例えば、ポゴピンを含むピン、ラメラスリーブ(lamella sleeve)を含むスリーブ、圧縮ばね接点、または、接触場を有することができる。例えば同軸要素の場合には、これらは、ペアまたは単独で配置することができる。1つのセグメント内の要素は、要素によって伝達される、エネルギー、信号、およびデータプロトコルの少なくとも1つに応じて、同じタイプまたは異なるタイプとすることができる。
【0018】
電気接点要素は、エネルギー、信号、および、当業界で知られている任意のデータプロトコル(例えば、HDMI(登録商標)ビデオプロトコル、MIPIビデオプロトコル、DisplayPortビデオプロトコル、Firewire、eSata、DVI、PCIE、USBまたはイーサネットプロトコル)のうち少なくとも1つを伝達するように構成することができる。電気接点要素は、あるセグメントでは1つのプロトコルを伝送し、同じセグメントで2つ以上のプロトコルを伝送し、いくつかのセグメント間で1つのプロトコルを分割し、あるいは、これらの選択肢の任意の可能な組合わせとしたものとするように構成することができる。適切なピン構成は、グラウンドに接続される接点要素または全く接続されない接点要素を含むこともできる。
【0019】
いくつかの実施形態では、セグメントのうちの少なくとも1つのセグメント、好ましくは2つ、より好ましくは全てのセグメント、の外形は、ほぼ三角形であり、例えば、ほぼ二等辺三角形である。この場合には、少なくとも1つのセグメントの輪郭は、2つの脚および1つの基部を備える。いくつかの実施形態では、セグメントのうちの少なくとも1つ(好ましくは2つ、より好ましくは全て)の外形は、ほぼ台形、ほぼ変形台形、ほぼ平行四辺形、または、ほぼ変形平行四辺形(形状は二等辺となり得る)である。これらの場合には、少なくとも1つのセグメントの輪郭は、2つの脚と、基部と、好ましくは、基部に実質的に平行に延びる別の側面と、を備える。コンポーネントが細長い場合、好ましくは、セグメントの基部は、コンポーネントの長手方向に延びる。
【0020】
本発明の文脈では、「ほぼ」三角形、「ほぼ」台形、「ほぼ」変形台形、「ほぼ」平行四辺形または「ほぼ」変形平行四辺形は、輪郭のコーナが、丸み付きであってもよく、面取りされてもよく、または、その他の形で前述の種類の正確な形状の形態から逸脱していてもよいことを意味する。「変形」台形および「変形」平行四辺形の形状は、輪郭の脚が、基部に対して非直交角度であるが、互いに平行でないことを意味する。さらに、「変形」三角形、「変形」台形および「変形」平行四辺形には、少なくとも1つの辺、より多くの辺、または全ての辺が、曲がっている、好ましくはほんのわずかに曲がっているものが含まれる。それらの実施形態については、角度は、弦(chord)に対して測定され得る。
【0021】
セグメントごとに、少なくとも1つの脚(好ましくは両脚)が基部側面に対してなす内角は、30°から80°の間、より好ましくは40°から75°の間、さらに好ましくは50°から70°の間(例えば約60°)であるか、あるいは、100°から150°の間、より好ましくは115°から140°の間、さらに好ましくは110°から130°の間(例えば約120°)である。セグメントの外形が、ほぼ三角形、ほぼ台形またはほぼ変形台形である場合、脚は、好ましくは20°から120°、より好ましくは30°から110°、さらに好ましくは40°から100°(例えば互いに対して約60°)の内角をなす。
【0022】
一列に配置されたセグメントを有するコンポーネントの好適な実施形態では、セグメントは、少なくとも2つの平行の列に配置される。コンポーネントは、エネルギー、信号およびデータ伝達の少なくとも1つ、ならびに、利用できる設置スペースの要件に応じて、並列な要素または単一の要素でさらなる列を含むことができる。本発明は、セグメントの1つまたは複数が2つ以上の列にわたる実施形態も含む。1列の少なくとも1つのセグメント、好ましくは全てのセグメントは、基部において別の列のセグメントに隣り合うことが好ましい。好ましくは、シールディングが、異なる列のセグメント間に設けられる。
【0023】
一列の中の隣り合うセグメントがそれぞれの向きを交互にして配置されることは、これらの実施形態にとってさらに好適である。一例として、隣り合うセグメントは、約180°だけずれて配置されてもよく、これは、隣り合うセグメントの基部側面が、列の上側と下側の間で交互になっていることを意味する。
【0024】
これらの実施形態は、コネクタの平らで細長いコンポーネントに特によく適している。一列のセグメントの交互の向きで組み合わされたセグメントの外形の形態は、電気コネクタのためのコンポーネントのコンパクトな設計を可能にする。
【0025】
電気接点要素は、所望のデータプロトコル、他の電気信号、およびエネルギーの少なくとも1つを伝達するのに適切である任意の個数および順序でセグメントに配置することができる。
【0026】
本発明によるコンポーネントの好適な実施形態では、セグメントは、少なくとも3つの電気接点要素、より好ましくは少なくとも4つの、より好ましくは少なくとも6つの、より好ましくは少なくとも8つの電気接点要素、特に少なくとも16個の電気接点要素をそれぞれ有する。
【0027】
好ましくは、各セグメントにおいて、少なくともいくつか(好ましくは大部分、より好ましくは全て)の電気接点要素が、少なくとも近似的に、三角形グリッドの格子点上に、より好ましくは六角格子の格子点上に配置される。本発明の文脈では、「六角格子」は、等しい球の最密充填により知られている格子に類似し、非直交かつ非円形の格子として理解されたい。より好ましくは、格子は、基部の方向に対して直交せず、円でない。「格子点」は、格子の交点として理解されたい。格子点上の接触面の配置に関しての用語「近似的に」は、厳密に数学的意味で格子点上に正確に接触面が配置される必要はないことを意味する。接触面は、それらが実質的に直交する格子に対応する配置を形成しない限り、数学的格子点から逸脱し得る。三角または六角格子の格子点上へ正確にまたは近似的に接触面を配置することは、直交または円形の設計による配置よりも、要素間の距離に関して妥協することなくより多くの電気接点要素をセグメントに配置可能であるという利点を有することができる。
【0028】
必要に応じて、セグメント内の要素の少なくともいくつか(好ましくは大部分、より好ましくは全て)は、全ての格子点が要素によって占められるとは限らないという意味において疎な六角格子上に配置され得る。六角形配置および他の幾何学的もしくは任意の配置の組合せが、本発明によって包含される。例えば、いくつかの電気接点要素が六角格子の格子点上へ近似的に配置されているセグメントは、格子の外側に配置されるさらなる要素を有することができ、例えば、同軸要素が、セグメントの基部側面とは反対側の角度で配置される。
【0029】
好適な実施形態では、少なくとも3つの電気接点要素は、少なくとも1つ、好ましくは大部分の、より好ましくは全ての要素について、2つの最も近い隣り合う要素まで延びるベクトルの最小角度が、80°未満、好ましくは70°未満(例えば約60°)となるように配置される。セグメント内に少なくとも3つの電気接点要素を有する好適な実施形態では、要素は、少なくとも1つの、好ましくは大部分の、より好ましくは全ての要素について、2番目に最も近い要素が、最も近い要素の1.4倍未満、好ましくは1.3倍未満、より好ましくは1.2倍未満(例えば約1.1倍未満)離れるように配置される。
【0030】
本発明によるコンポーネントの好適な実施形態では、1つのセグメント内の最も近い隣接する電気接点要素間、例えばコンタクトピンまたはコンタクトスリーブ間の自由距離(free distance)は、電気接点要素の外径の2倍未満、より好ましくは1.5倍未満、さらに好ましくは1.2倍未満である。外径は、嵌め合いの方向に直角である平面内で測定される。1つのセグメント内の最も近い隣接した電気接点要素間の自由距離は、電気接点要素の外径の0.2倍大きい、より好ましくは0.5倍大きい、さらに好ましくは0.7倍大きいことが好ましい。この比は、信号伝達における干渉または他の外乱を避けるのに十分大きい利用可能なセグメントの面積および距離内で多数の要素間で良好な折り合いをもたらす。
【0031】
さらなる好適な実施形態では、接点要素の外径は、0.3mmよりも大きい、より好ましくは0.5mmよりも大きい、またはさらに好ましくは0.6mm以上である。好ましくは接点要素の外径は、2mmよりも小さい、より好ましくは1.5mmよりも小さい、またはさらに好ましくは1mmよりも小さい。好ましくは最も近い隣接した接点間の自由距離は、0.2mmよりも大きい、より好ましくは0.3mmよりも大きい、およびさらに好ましくは0.4mmよりも大きい。好ましくは最も近い隣接した接点間の自由距離は、1.5mmよりも小さい、より好ましくは1.2mmよりも小さい、およびさらに好ましくは1mmよりも小さい。
【0032】
セグメントの外形がセグメント内に配置された電気接点要素の周りのエンベロープに対応することがさらに好ましい。本実施形態による外形は、所望のエネルギー、信号およびデータプロトコルの少なくとも1つの伝達の実現に必要なスペースを最小にし、電気コネクタのコンパクトで最小主義的な設計を促進する。
【0033】
コンポーネント内のセグメントは、同じ形状または異なる形状、例えば、不等辺四辺形の形状の外形を有する第1のセグメント、および三角形の形状の外形を有する隣り合う第2のセグメントであってもよい。これらの輪郭は、セグメントのコンパクトな配置、したがって電気コネクタの最小主義設計に特によく適している。
【0034】
本発明によるコンポーネントは、本発明による輪郭を有さない追加の接点要素または接点要素の配置を含むこともできる。そのようなセグメントは、例えば、同軸接続のための要素を含む円形セグメント、または長方形セグメントであり得る。本発明の形態を有する少なくとも2つのセグメントと組み合わされても、この配置は、当業界で知られているコネクタほど設置スペースをやはり必要としない。
【0035】
有利には、セグメントの周りのハウジングの面の外側形状は、全てのセグメントの周りのエンベロープに対応し、これはコンポーネントまたはコネクタのコンパクトな設計を可能にする。さらなる好適な実施形態では、一列のセグメントの個数は、奇数、例えば3、5、7、9、または11である。好ましくは、ハウジングの面の外側形状は、全てのセグメントの周りのエンベロープに対応する。好ましくは、セグメントの外形の形態、ハウジングの面の外側形状は、長方形以外の形状を有し、特に好ましくは、それは、例えば、平行四辺形であるように、180°の角度に関して回転対称ではない。したがって、ハウジング単独の外側形状から、コネクタを嵌め合いソケットコネクタにプラグ接続する方向が与えられる。この場合には誤った向きにコネクタをプラグ接続する可能性はない。
【0036】
本発明によるコンポーネントは、プラグ、ソケットまたはプラグとソケットの組合せを表すセグメントを含み得る。セグメント内の要素は、プラグ型、ソケット型、またはそれらの組合せとすることもできる。好適な実施形態では、コンポーネントは、プラグ、ソケット、あるいは、プラグおよびソケットの少なくとも一方の組合せである。本発明による少なくとも1つのコンポーネントを含む電気コネクタは、プラグ、ソケット、あるいは、プラグおよびソケットの少なくとも一方の組合せとすることがさらに好ましい。
【0037】
本発明によれば、少なくとも2つのセグメントは、互いに対してシールドされる。シールディングは、セグメント内の接点要素によって伝達される、それぞれのエネルギー、信号およびデータプロトコルの少なくとも1つに関して、シールディングに関する要件を満たすのに適切で、当該技術分野で既知の任意の手段によって与えられ得る。好適な変形例では、シールディングは、隣り合うセグメント間の伝導性金属シート、薄板、メッシュ、格子またはフォームによって与えられる。好ましくは、シールディングは、2つの隣り合うセグメントを分離する境界の長さの少なくとも一部に沿って、より好ましくは互いに対してシールドされている2つの隣り合うセグメントを分離する境界のほぼ全長に沿って延びる。また、好適なシールディングは、コンポーネントのコネクタフェースに直角な方向、および、コンポーネントの嵌め合いの方向、の少なくとも一方に延びる。
【0038】
本発明による好適なコネクタでは、コンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントが嵌め合わされるときに、少なくとも1つの、好ましくは全てのセグメントにおいて、コンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントのシールディングは、互いに相補する。この文脈では、「相補」は、コンポーネントがシールディングを与えない隣り合うセグメント間の少なくとも1つの位置において、前記嵌め合いコンポーネントが、シールディングを与え、またはその逆も同じであることを意味する。例えば、コンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントの一方におけるシールディングが、隣り合うセグメント間の境界に沿った位置で間隙を有する場合、コンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントの他方は、間隙を閉じるようにこの位置にシールディングを与える。代替として、または加えて、コンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントの一方のシールディングは、コネクタフェースに直角な第1の量だけまたは嵌め合いの方向に延びることができ、コンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントの他方のシールディングは、コネクタフェースに同様に直角の第2の量だけまたは嵌め合いの方向に延びることができ、それによって、組み合わされたコンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントのシールディングは、コネクタフェースに直角なまたは嵌め合いの方向の第1および第2の量よりも大きい量だけ延びる。この場合には、好ましくはコンポーネントおよび嵌め合いコンポーネントのシールディングは、それらのそれぞれの嵌め合いの方向にその前縁で互いに当接する。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、セグメントは、本発明によるコンポーネントを形成するように組み立てられる個々要素、例えば挿入物である。特に好ましくは、そのような実施形態では、要素は、セグメントが複数の構成で組み立てることができるようにモジュールである。本発明の他の実施形態では、セグメントは、単一の要素を構成する。
【0040】
好適なシールディングは、電磁放射、特に好ましくは高周波(HF)電磁放射を少なくとも一部阻止するのに有効である。コンポーネントの2つのセグメント間の好適なシールディングは、コンポーネントのこれらの2つのセグメントの第1のものにおいて移送されるHDMI(登録商標)ビデオ信号、MIPIビデオ信号、DisplayPortビデオ信号、Firewire、eSata、DVI PCIE信号、USB、またはイーサネット信号、およびこれらの2つのセグメントの第2のものにおいて移送される任意の組合せにおける前述の種類の1つの信号などの信号間の干渉を減少または防止することができる。
【0041】
ハウジングも、セグメントが互いに対しておよび環境に対してシールドされるようにその外部環境に対してシールドされることがさらに好ましい。好適な実施形態では、ハウジングは、セグメントを取り囲み、導電性材料、好ましくは金属で作製される。有利には、ハウジングは、例えば、ハウジングの一方の側から他方の側まで延び、セグメントのための空洞を形成するウェブによって、セグメントを全てのセグメントの周りの周方向に取り囲むだけでなく、単一のセグメントも取り囲む。組み立てられた状態では、ウェブは、それらのそれぞれの脚間の隣り合うセグメントを空間的に分離しおよびシールドする。2列以上で配置されるセグメントを有する実施形態については、好ましくは、シールディングは、ハウジングの一端からハウジングの他端まで延びる例えばハウジングのウェブによって列間にも設けられる。好ましくは、ハウジングのシールディング部分は、接地される。
【0042】
ハウジング内のセグメントの周りおよびそれらの間のシールディングは、異なるやり方で実現することが可能である。一変形例では、ハウジングは、モノリシックに製造され、例えば、固体材料から機械加工され、鋳造され、または付加製造法によって生産される。別の変形例では、ハウジングおよびシールディングコンポーネント、例えばウェブは、別々の部品として製造され、続いて、例えば、溶接、はんだ付け、接着または機械的嵌合(例えば、圧入)で一緒に接合される。
【0043】
3つ以上のセグメントを有する実施形態については、エネルギー、信号およびデータプロトコルの少なくとも1つの伝達についての要件に応じて、必ずしもセグメントの全てが、互いに対してシールドされる必要はない。
【0044】
セグメント間のシールディングが機械的に安定したやり方で実現されることがさらに好ましい。一例は、隣接したセグメント間のハウジングのウェブである。好ましくは、それらのウェブは、コネクタフェースの方向に延び、コネクタフェースの方向に1つまたは複数のセグメントの電気的接点要素を少なくとも部分的に包含する。シールディング効果を除いて、本実施形態は、セグメント内の電気接点要素が、機械的摩耗または変形に対して保護されるという利点を有する。
【0045】
電磁外乱または電磁干渉に対して十分かつ信頼可能なシールディングがコンポーネントのコンパクト設計に与えられることが、本発明によるセグメント間のシールディングの利点である。
【0046】
以下において、発明のさらなる好適な実施形態が、例によって示される。ただし、本発明は、これらの例に限定されない。
【0047】
図面は、以下のものを概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】コネクタコンポーネント(右)および嵌め合いコネクタコンポーネント(左)を備えるコネクタの斜視図である。
図2図1によるコネクタコンポーネントの分解組立図である。
図3図1による嵌め合いコネクタコンポーネントの分解組立図である。
図4】電気接点要素を有するセグメントの図である。
図5図4による5つのセグメントを有する図2によるコネクタコンポーネントのコネクタフェースの正面図である。
図6図1による接続されたコネクタコンポーネント、および嵌め合いコネクタコンポーネントの断面図である。
図7図6の詳細図である。
図8】セグメントの例示的な配置の概略図である。
図9】代替のコネクタコンポーネントのコネクタフェースの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の好適な実施形態にかかる以下の説明において、同一の参照番号は、同一または類似のコンポーネントを指す。
【0050】
図1は、プラグの形態のコネクタコンポーネント1(右)、および嵌め合いソケットの形態の嵌め合いコネクタコンポーネント2(左)を備えるコネクタの斜視図である。以下、コネクタコンポーネント1は、「コネクタプラグ」とも呼ばれるのに対して、以下、嵌め合いコネクタコンポーネント2は、「コネクタソケット」と呼ぶ。図2および図3は、それぞれ、コネクタプラグ1および嵌め合いコネクタソケット2の分解組立図を示す。
【0051】
図1および図2に示されたコネクタプラグ1は、コネクタフェースに丸み付きコーナを備えた等脚台形の形態の5つの穴を有する前部ハウジング3を備える。穴は、一列に配置されており、隣接した穴は180°だけ回転させられている。ハウジング3の面、すなわち、コネクタフェースの外側形状は、全ての穴を囲むエンベロープに対応し、丸み付きコーナを有する等脚台形を形成する。
【0052】
電気接点要素10を有する5つのセグメント4は、ポッティング5によって固定化およびシールされる挿入物として設けられる。セグメント4は、コネクタの装着状態で前部ハウジング3によって閉じ込められる。電気接点要素10の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネント2に接続するために穴を通じてアクセス可能である。前部ハウジング3の穴は、接地されているとともに電磁障害または他の障害に対するシールドとして働くウェブによって分離される。したがって、5つのセグメント4は、互いから空間的に分離され、互いに対してシールドされる。図では、ウェブは、脚の全長に沿って延び、それによってセグメントを完全に分離するが、代替の実施形態では、ウェブは中断され得る。
【0053】
ケーブル9は、コネクタコンポーネント1に接続され、後部シェル6によって取り囲まれ、後部シェル6上で圧着スリーブ7を用いて固定される。後部ハウジング8は、オーバーモールドによって前部ハウジング3に取り付けられ、後部シェル6、圧着スリーブ7、ポッティング5、および電気接点要素10を有するセグメント4を取り囲む。
【0054】
図1および図3に示されたソケットコネクタコンポーネント2は、丸み付きコーナを有する等脚台形の形態で5つの穴を有する前部ハウジング3を備える。穴は、一列に配置されており、隣接した穴は180°だけ回転させられている。穴は、前部ハウジング3の背面上に配置され、コネクタフェースは、全ての穴を含む1つの大きい開口部であり、嵌め合いプラグコネクタ1を受け入れることができる。ハウジング3、すなわち、コネクタフェースの面の外側形状は、全ての穴を囲むエンベロープに対応し、丸み付きコーナを有する等脚台形を形成する。
【0055】
電気接点要素を有する5つのセグメント4は、ポッティング5によって固定化およびシールされる挿入物として設けられる。セグメント4は、コネクタの装着状態で前部ハウジング3によって閉じ込められる。電気接点要素の端部は、嵌め合いコネクタへの接続のために穴を通じてアクセス可能である。前部ハウジング3の穴は、接地されているとともに電磁障害または他の障害に対するシールドとして働くウェブによって分離される。したがって、5つの挿入物4は、互いから空間的に分離され、互いに対してシールドされる。再び、図では、ウェブは、脚の全長に沿って延び、それによってセグメントを完全に分離するが、代替の実施形態では、ウェブは中断され得る。
【0056】
コネクタコンポーネント1および嵌め合いコネクタコンポーネント2が嵌め合わされるとき、組合せにおいて、シールディングがそれらの全長に沿って嵌め合わされたコネクタ要素10をシールドするように、コンポーネント1,2のシールディングは、嵌め合いの方向におけるそれらの前縁で互いに当接する。
【0057】
ケーブル9は、嵌め合いコネクタコンポーネントに接続され、後部シェル6によって取り囲まれ、後部シェル6上で圧着スリーブ7を用いて固定される。後部ハウジング8は、前部ハウジング3に取り付けられ、後部シェル6、圧着スリーブ7、ポッティング5、および電気接点要素10を有するセグメント4を取り囲む。
【0058】
図4は、16個の電気接点要素10を有するセグメント4を正面図に示す。要素10は、例えば、プラグコネクタのための雄ピン、またはソケットコネクタのための雌ピンであり得る。要素10の接触面は、それらがほぼ六角格子の格子点上にあるように配置される。図4に示された例では、要素10は、セグメントの中央部で縦方向垂直軸に対して対称的に配置される。要素10は、下から上へ、3つのグループで配置される。第1のグループは4つの要素10を含み、そのうちの2つは、対称軸上に位置する。さらなる一対の要素10は、軸上の2つの要素の間の垂直空間の中間の軸の左および右に位置する。第2のグループは6つの要素10を含み、どれも対称軸上に位置しない。一対の要素10は、軸の左および右に位置し、2つのさらなる要素10が、さらに左および右のそれぞれに位置する。垂直方向において、2つのさらなる要素10は、2つの内側の要素10の上下に位置し、これにより、2つの内側の要素10は、2つの外側の要素10の間の垂直空間に位置する。第3のグループは、6つの要素を含み、そのうち2つは、対称軸上に位置する。2つのさらなる要素が、軸上の2つの要素の間の垂直空間の中間の軸の左および右のそれぞれに位置する。セグメント内の隣接した電気接点要素10の間の距離は、電気接点要素10の外径の約0.8倍に相当する。
【0059】
セグメントの外形は、セグメント内に配置された電気接点要素10の周りのエンベロープに対応し、丸み付きコーナを有するほぼ不等辺四辺形の形状を有する。それは、2つの脚11a,11bと、一方の脚11aの一端から他方の脚11bの一端まで延びる基部側面12と、を有する。脚11および基部側面12は、図4に破線によって示されている。脚11aおよび11bは、基部側面12とは反対側の端に45°の角度13をなす。
【0060】
図5は、図4による5つのセグメントが前部ハウジング3に埋め込まれている、図2によるコネクタコンポーネントのコネクタフェースの正面図を示す。5つのセグメント4aから4eは、それらの電気接点要素の個数、およびそれらのセグメントにおける配置に関して同一である。セグメントは、一列に配置され、隣接したセグメント4a/4b、4b/4c、4c/4dおよび4d/4eは、180°だけずらされている。セグメントは、それらの脚で互いに隣接し、隣接する脚の各ペア間において前部ハウジング3のウェブが干渉に対するシールドとして働く。
【0061】
外形の組合せ、およびセグメントの配置、およびセグメント間のシールディングは、コンパクトな設計での外乱または干渉のない単一のコネクタにおいて、いくつかのデータプロトコル、電気信号、および、エネルギーの少なくとも1つの伝達を可能にする電気コネクタのためのコンポーネントを提供する。
【0062】
図6は、接続された状態のプラグコネクタ1およびソケットコネクタ2の断面図を示す。図7は、コネクタフェースの接続をより詳細に示す。プラグコネクタ1は、ソケットコネクタ2に完全に挿入されている。プラグコネクタは、2つの周方向の溝を備える。溝の一方には、コイルばね14が配置されている。他方の溝は、リングシール15を収容する。ソケットコネクタ2は、コイルばねとの係合のために周方向の凹部を備える。コイルばね14は、ソケットコネクタ2の内部でプラグコネクタ1の位置を固定し、プラグコネクタ1が意図せずに滑り落ちるのを防ぎ、シールディング接点として働く。シール15は、水、塵埃または他の汚染物が前部ハウジング3の内側部分ひいては電気接点要素10に入るのを防ぐ。
【0063】
図8は、正面図におけるセグメントの例示的な配置の概略図を示す。例A,BおよびCでは、セグメントは、一列に配置され、隣接したセグメントは、180°だけオフセットされる。例EおよびFでは、セグメントは2つの平行な列に配置され、例Dでは、例Eによる2列の上に、さらなるセグメントが第3の列として追加される。いずれの場合でも、一列の中の隣接したセグメントは、180°だけ回転して配置される。
【0064】
別のコネクタコンポーネントが、図9に示されている。別のコネクタコンポーネントは、左から右へ、図4に示されたセグメント4aと同一であるほぼ台形の第1セグメント4aと、ほぼ平行四辺形である第2のセグメント4fと、を備える。第2のセグメント4fは、ほぼ六角格子状に配置された71個の同一の信号接点10と、第2のセグメント4fの対角に2つずつの4つの大型接点10aと、を有する。第2のセグメント4fの右には、同軸コネクタがあり、そのさらに右に、圧縮空気の供給用の端子がある。第2のセグメント4fの外形は、第2のセグメント4fに配置された電気接点要素10,10aの周りのエンベロープに対応し、丸み付きコーナを有するほぼ平行四辺形の形状を有する。それは、2つの脚11c,11d、ならびに、基部側面12aおよび基部側面12aに平行な別の側面12bを有している。側面12a,12bのそれぞれは、一方の脚11cの一端から他方の脚11dの一端まで延びる。脚11c,11dは、基部側面12aに対してそれぞれ45°および135°の角度をなす。
【0065】
上記の例は、任意の構成で組み合わされてもよく、任意の追加の要素または特徴と結合されてもよい。本発明は、上記の例に示された設計に限定されない。本発明によるコンポーネントおよびコネクタのさらなる実施形態は、例えば、プラグとプラグ、プラグとソケット、ソケットとソケットの組合せを含む。ケーブルとケーブルの組立体を示す例の他に、他の設計、例えば、ケーブルとデバイスの組立体、またはデバイスとデバイスの組立体も可能である。幾何学的設計も、例に示されたコネクタに限定されない。例えば、ケーブル軸およびコネクタフェースに直角の軸が180°以外の角度、例えば、45°または90°をなす設計が可能である。さらなる一例は、それぞれの端面に直角の軸が90°の角度を有するという意味においてハウジングが直角の形態を有する、一端にプラグコネクタを有するとともに他端にソケットコネクタを有するハウジングである。
【0066】
上記の明細書、特許請求の範囲、および図に記載されたような特徴は、本発明の様々な実施形態を実現するために、個々に関連があってもよく、または任意の組合せであってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 コネクタコンポーネント
2 嵌め合いコネクタコンポーネント
3 前部ハウジング
4 挿入物、セグメント
5 ポッティング
6 後部シェル
7 圧着スリーブ
8 オーバーモールド
9 ケーブル
10 電気接点要素
11 脚
12 基部側面
13 脚間の角度
14 コイルばね
15 シール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(3)と、複数の電気接点要素(10)と、を備え、前記電気接点要素(10)の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネントへの接続のために前記ハウジング(3)の一端でアクセス可能である、電気コネクタのためのコンポーネント(1)であって、
前記電気接点要素(10)は、互いに分離しているとともに互いに対してシールドされている少なくとも2つのセグメント(4)に配置され、前記少なくとも2つのセグメント(4)の各々の外形は、少なくとも2つの脚(11)と、一方の脚(11a)の一端から他方の脚(11b)の一端まで延びる基部側面(12)と、を有し、各セグメントの少なくとも1つの脚は、前記基部側面(12)に対して30°から80°または100°から150°の内角をなしており、前記セグメント(4)は、シールディングが隣り合うセグメント(4)の前記脚(11)間に設けられた状態で、一列に配置される、コンポーネント(1)。
【請求項2】
前記セグメントのうちの少なくとも1つの前記外形は、ほぼ三角形である、請求項1に記載のコンポーネント(1)。
【請求項3】
少なくとも1つのセグメントの前記外形は、ほぼ台形、ほぼ変形台形、ほぼ平行四辺形またはほぼ変形平行四辺形である、請求項1または2に記載のコンポーネント(1)。
【請求項4】
前記セグメント(4)は、少なくとも2つの平行の列に配置される、請求項1に記載のコンポーネント(1)。
【請求項5】
一列の中で隣り合うセグメント(4)は、それぞれの向きを交互にして配置される、請求項1または2に記載のコンポーネント(1)。
【請求項6】
ハウジング(3)と、複数の電気接点要素(10)と、を備え、前記電気接点要素(10)の端部は、嵌め合いコネクタコンポーネントへの接続のために前記ハウジング(3)の一端でアクセス可能である、電気コネクタのためのコンポーネント(1)であって、
前記電気接点要素(10)は、互いに分離しているとともに互いに対してシールドされている少なくとも2つのセグメント(4)に配置され、前記少なくとも2つのセグメント(4)の各々の外形は、少なくとも2つの脚(11)と、一方の脚(11a)の一端から他方の脚(11b)の一端まで延びる基部側面(12)と、を有し、前記脚同士は、前記基部側面(12)とは反対側の端に20°から150°の内角(13)をなし、前記セグメント(4)は、前記セグメント(4)の外側にある共通の中心点の周りに配置され、前記セグメント(4)の前記基部側面は、前記中心点から遠ざかる外側に向いている、コンポーネント(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのセグメントの前記外形は、ほぼ三角形、ほぼ台形またはほぼ変形台形である、請求項6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項8】
前記セグメント(4)は、三角形格子のほぼ格子点上に配置された少なくとも3つの電気接点要素(10)をそれぞれ有する、請求項1または6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項9】
1つのセグメント(4)内の最も近い隣接した電気接点要素(10)間の距離は、前記電気接点要素(10)の外径の0.2倍から2倍の間に相当する、請求項1または6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項10】
前記セグメント(4)の前記外形は、前記セグメント(4)に配置された前記電気接点要素(10)を囲むエンベロープに対応する、請求項1または6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項11】
前記セグメント(4)の前記外形は、同一である、請求項1または6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項12】
セグメント(4)の個数は奇数であり、前記ハウジング(3)の面の外側形状は、全てのセグメント(4)を囲むエンベロープに対応する、請求項1または6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項13】
前記コンポーネントが、プラグ、ソケット、あるいは、プラグおよびソケットの少なくとも一方の組合せである、請求項1または6に記載のコンポーネント(1)。
【請求項14】
請求項1または6に記載のコンポーネントと、嵌め合いコネクタコンポーネント(2)と、を備えた電気コネクタ。
【外国語明細書】