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特開2023-27763オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイ計測方法、及び半導体デバイスの製造方法
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  • 特開-オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイ計測方法、及び半導体デバイスの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027763
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイ計測方法、及び半導体デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20230222BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125758
(22)【出願日】2022-08-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0108200
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515309575
【氏名又は名称】オーロステクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ホン スンフン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヒュンジン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒュンチュル
(72)【発明者】
【氏名】ウ ジャック
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197EB03
2H197HA03
2H197JA23
(57)【要約】
【課題】オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイ計測方法、及び半導体デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、二つ以上のパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された二つ以上のパターン間の相対的なズレを決定するオーバーレイマークであって、中心部に配置される第1オーバーレイマークと、第1オーバーレイマークの上下又は左右に配置される第2オーバーレイマークと、第1オーバーレイマークを挟んで対角線上に配置される第3オーバーレイマークと第4オーバーレイマークを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つ以上のパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された二つ以上のパターン間の相対的なズレを決定するオーバーレイマークであって、
第1方向に沿って所定の間隔を置いて配置される複数の第1バーを含む第1オーバーレイ構造物と、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第2バーを含み、前記第1オーバーレイ構造物と180度回転対称をなす第2オーバーレイ構造物と、を含み、前記オーバーレイマークの中心部に配置される第1オーバーレイマーク;
前記第1オーバーレイ構造物とは前記第1方向と直交する第2方向にオフセットされ、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第3バーを含む第3オーバーレイ構造物と、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第4バーを含み、前記第1オーバーレイマークを挟んで前記第3オーバーレイ構造物と対向するように配置され、前記第3オーバーレイ構造物と180度回転対称をなす第4オーバーレイ構造物と、を含む第2オーバーレイマーク;
前記第1オーバーレイマークを挟んで第1対角線上に配置される第5オーバーレイ構造物と、第6オーバーレイ構造物と、を含み、前記第5オーバーレイ構造物と前記第6オーバーレイ構造物は180度回転対称をなし、前記第5オーバーレイ構造物は、前記第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第5バーを含み、前記第6オーバーレイ構造物は前記第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第6バーを含む第3オーバーレイマーク;及び
前記第1オーバーレイマークを挟んで前記第1対角線と交差する第2対角線上に配置される第7オーバーレイ構造物と、第8オーバーレイ構造物と、を含み、前記第7オーバーレイ構造物と前記第8オーバーレイ構造物は180度回転対称をなし、前記第7オーバーレイ構造物は、第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第7バーを含み、前記第8オーバーレイ構造物は、第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第8バーを含む第4オーバーレイマーク;を含むことを特徴とする、オーバーレイマーク。
【請求項2】
前記第1オーバーレイ構造物が、前記第2方向中心線を基準に対称をなし、隣接する前記第1バー間の間隔が互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項3】
前記第2方向中心線から離れるほど、隣接する第1バー間の間隔が狭くなることを特徴とする、請求項2に記載のオーバーレイマーク。
【請求項4】
前記第2方向中心線から離れるほど、隣接する第1バー間の間隔が広くなることを特徴とする、請求項2に記載のオーバーレイマーク。
【請求項5】
前記第1バーと前記第2バーとが前記第2方向に沿って互いに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項6】
前記オーバーレイマークはスキャナ方式の露光装置を用いて形成され、
前記第2方向は前記露光装置のスキャン方向と並んでいることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項7】
半導体素子の製造方法であって、
複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成すると同時に、オーバーレイマークを形成するステップと、
前記オーバーレイマークを用いてオーバーレイ値を測定するステップと、
測定されたオーバーレイ値を、複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成するための工程制御に用いるステップと、を含み、
前記オーバーレイマークは請求項1から6のいずれか一項に記載のオーバーレイマークであることを特徴とする、半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記オーバーレイマークを形成するステップは、
スキャナ方式の露光装置を用いて前記オーバーレイマークを形成するステップであり、
前記第2方向は、前記露光装置のスキャン方向と並んでいることを特徴とする、請求項7に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項9】
複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターン間のオーバーレイを測定する方法であって、
複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成すると同時に形成されたオーバーレイマーク画像を取得するステップと、
前記オーバーレイマーク画像を分析するステップと、を含み、
前記オーバーレイマークは、請求項1から6のいずれか一項に記載のオーバーレイマークであることを特徴とする、オーバーレイ測定方法。
【請求項10】
前記オーバーレイマーク画像を取得するステップは、
傾斜した光学要素を備えたオーバーレイ測定装置を用いてオーバーレイマーク画像を取得するステップであり、
前記オーバーレイマーク画像を取得するステップで、前記オーバーレイ測定装置は、前記傾斜した光学要素と前記オーバーレイマークとの距離が前記第1方向に進むほど増加又は減少し、前記第2方向に進むときには一定であるように配置されることを特徴とする、請求項9に記載のオーバーレイ測定方法。
【請求項11】
前記傾斜した光学要素がビームスプリッタであることを特徴とする、請求項10に記載のオーバーレイ測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイマーク、これを用いたオーバーレイ計測方法、及び半導体デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上には複数のパターン層が順次形成される。また、ダブルパターニングなどを介して一つの層の回路が二つのパターンに分けられて形成されたりもする。所望の半導体素子を製造するためには、これらのパターン層又は一つの層の複数のパターンが所定の位置に正確に形成されなければならない。
【0003】
したがって、複数のパターン層が正確に整列されたかを確認するために、パターン層と同時に形成されるオーバーレイマークが用いられる。
【0004】
オーバーレイマークを用いてオーバーレイを測定する方法は、次の通りである。まず、以前工程、例えばエッチング工程で形成されたパターン層に、パターン層の形成と同時にオーバーレイマークの一部である一つの構造物を形成する。そして、後続の工程、例えばフォトリソグラフィー工程で、フォトレジストにオーバーレイマークの残りの構造物を形成する。その後、オーバーレイ測定装置によって、以前工程で形成されたパターン層のオーバーレイ構造物(フォトレジスト層を透過して画像を取得)とフォトレジスト層のオーバーレイ構造物の画像を一緒に取得し、これらの画像の中心間のオフセット値を計測してオーバーレイ値を測定する。オーバーレイ値が許容範囲から外れると、フォトレジスト層を除去し、再作業を行う。
【0005】
図1は従来のオーバーレイマークの平面図である。図1に示すように、従来のオーバーレイマーク1は、4つのワーキングゾーン(working zone)セット4、5、6、7を備える。そして、それぞれのワーキングゾーンセット4、5、6、7は、互いに対角線上に配置される2つのワーキングゾーンを備える。それぞれのワーキングゾーンセット4、5、6、7は、当該ワーキングゾーンセットと共に形成されたパターン層のX軸又はY軸方向へのオーバーレイ測定に使用される。
【0006】
それぞれのワーキングゾーンは、オーバーレイマーク1の中心からオーバーレイマーク1の外郭まで一定の間隔で配置されるバーを含む。したがって、オーバーレイ測定装置を用いて、ワーキングゾーンセット4、5、6、7に属する2つのワーキングゾーンから、図2に示されているような周期的信号をそれぞれ取得することができる。図2のグラフは、例えば、図1で選択された一部の領域8から得ることができる。
【0007】
図2のグラフにおいて、ピークは、バーが配置された部分に現れる。従来のオーバーレイマーク1はバーが周期的に配置されるので、取得される信号も周期性を有する。そして、選択された2つの領域8、8'から取得した2つの周期的信号の相関分析(correlation)を介してオーバーレイを測定する。
【0008】
図2に示すように、従来のオーバーレイマーク1から取得される信号は周期性を有するので、2つの周期的信号の間に1周期以上の誤差が生じる場合には、相関分析を介して1周期以上の誤差と1周期未満の誤差を区別することが難しいという問題がある。
【0009】
また、焦点誤差及び工程の影響により周期的信号が劣化する場合、相関分析過程で精度が低下するおそれがあるという問題もある。
【0010】
また、一定の間隔でバーを配置する場合には、ピッチを減らすと、周期的信号の最大値と最小値との差(contrast)が減少するので、密度を高めて信号を強化することが難しいという問題もある。
【0011】
また、それぞれのワーキングゾーンは、オーバーレイマーク1の中心からオーバーレイマーク1の外郭までの長い領域にわたって形成されるため、オーバーレイ測定装置の傾斜した光学要素、例えばビームスプリッタによる光学収差の影響を大きく受けることができるという問題もある。特に、バーが配置される方向に沿って光学系との距離の変化が大きい、特定方向のオーバーレイ測定用ワーキングゾーンは、オーバーレイマーク1の中心に近いバーまでの光経路と、外郭に配置されたバーまでの光路間との差が大きいため、光学収差の影響を大きく受ける。
【0012】
また、スキャナ(scanner)方式の露光装備を用いてオーバーレイマーク1を形成する場合、スキャン方向に沿って配置されるバーは、バラツキが小さく、スキャン方向と直交する方向に沿って配置されるバーは、バラツキが大きいが、従来のオーバーレイマーク1は、スキャン方向に関係なくワーキングゾーンが配置されるので、スキャン方向と直交する方向に沿って配置されるバーのバラツキがオーバーレイ測定段階においても影響を与えるおそれがあるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】日本国特許第5180419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、隣接するバー間の間隔以上の大単位オーバーレイ誤差を容易に確認して半導体製造工程における予想外の事故を容易に感知することができるオーバーレイマークを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、焦点誤差及び工程の影響による信号劣化の影響を最小限に抑えることができるオーバーレイマークを提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、単色収差の影響を最小限に抑えることができるオーバーレイマークを提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、面積の小さいオーバーレイマークを提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、このようなオーバーレイマークを用いたオーバーレイ計測方法、及び半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明は、二つ以上のパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された二つ以上のパターン間の相対的なズレを決定するオーバーレイマークであって、第1から第4オーバーレイマークを含むオーバーレイマークを提供する。
【0020】
第1オーバーレイマークは、第1方向に所定の間隔を置いて配置される複数の第1バーを含む第1オーバーレイ構造物と、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第2バーを含み、前記第1オーバーレイ構造物と180度回転対称をなす第2オーバーレイ構造物と、を含み、前記オーバーレイマークの中心部に配置される。
【0021】
第2オーバーレイマークは、前記第1オーバーレイ構造物とは前記第1方向と直交する第2方向にオフセットされ、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第3バーを含む第3オーバーレイ構造物と、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第4バーを含み、前記第1オーバーレイマークを挟んで前記第3オーバーレイ構造物と対向するように配置され、前記第3オーバーレイ構造物と180度回転対称をなす第4オーバーレイ構造物と、を含む。
【0022】
第3オーバーレイマークは、前記第1オーバーレイマークを挟んで第1対角線上に配置される第5オーバーレイ構造物と、第6オーバーレイ構造物とを含み、前記第5オーバーレイ構造物と前記第6オーバーレイ構造物は180度回転対称をなし、前記第5オーバーレイ構造物は、前記第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第5バーを含み、前記第6オーバーレイ構造物は、前記第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第6バーを含む。
【0023】
第4オーバーレイマークは、前記第1オーバーレイマークを挟んで前記第1対角線と交差する第2対角線上に配置される第7オーバーレイ構造物と、第8オーバーレイ構造物とを含み、前記第7オーバーレイ構造物と前記第8オーバーレイ構造物は180度回転対称をなし、前記第7オーバーレイ構造物は、第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第7バーを含み、前記第8オーバーレイ構造物は、第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第8バーを含む。
【0024】
また、本発明は、前記第1オーバーレイ構造物が、前記第2方向中心線を基準に対称をなし、隣接する前記第1バー間の間隔が互いに異なることを特徴とする、オーバーレイマークを提供する。
【0025】
また、本発明は、前記第2方向中心線から離れるほど、隣接する第1バー間の間隔が狭くなることを特徴とする、オーバーレイマークを提供する。
【0026】
また、本発明は、前記第2方向中心線から離れるほど、隣接する第1バー間の間隔が広くなることを特徴とする、オーバーレイマークを提供する。
【0027】
また、本発明は、前記第1バーと前記第2バーとが前記第2方向に沿って互いに連結されていることを特徴とする、オーバーレイマークを提供する。
【0028】
また、本発明は、前記オーバーレイマークはスキャナ方式の露光装置を用いて形成され、前記第2方向は前記露光装置のスキャン方向と並んでいることを特徴とする、オーバーレイマークを提供する。
【0029】
また、本発明は、半導体素子の製造方法であって、複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成すると同時に、オーバーレイマークを形成するステップと、前記オーバーレイマークを用いてオーバーレイ値を測定するステップと、測定されたオーバーレイ値を、複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成するための工程制御に用いるステップと、を含み、前記オーバーレイマークは、上述したオーバーレイマークであることを特徴とする、半導体素子の製造方法を提供する。
【0030】
また、本発明は、前記オーバーレイマークを形成するステップが、スキャナ方式の露光装置を用いて前記オーバーレイマークを形成するステップであり、前記第2方向は、前記露光装置のスキャン方向と並んでいることを特徴とする、半導体素子の製造方法を提供する。
【0031】
また、本発明は、複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターン間のオーバーレイを測定する方法であって、複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成すると同時に形成されたオーバーレイマーク画像を取得するステップと、前記オーバーレイマーク画像を分析するステップと、を含み、前記オーバーレイマークは、 上述したオーバーレイマークであることを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【0032】
また、本発明は、オーバーレイマーク画像を取得するステップが、傾斜した光学要素を備えたオーバーレイ測定装置を用いてオーバーレイマーク画像を取得するステップであり、前記オーバーレイマーク画像を取得するステップで、前記オーバーレイ測定装置は、前記傾斜した光学系と前記オーバーレイマークとの距離が前記第1方向に進むほど増加又は減少し、前記第2方向に進むときには一定であるように配置されることを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【0033】
また、本発明は、前記傾斜した光学要素がビームスプリッタであることを特徴とする、オーバーレイ測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によるオーバーレイマークは、バー間の間隔が互いに異なるため、隣接するバー間の間隔以上の大単位オーバーレイ誤差が生じる場合に容易に確認することができるという利点がある。よって、半導体製造工程で発生した予想外の事項を感知することができる。
【0035】
また、本発明は、バー間の間隔を互いに異ならせ、信号密度に差異を与えることにより、焦点誤差及び工程影響による信号劣化を最小化に抑えることができるという利点がある。
【0036】
また、本発明は、単色収差の影響を最小限に抑えることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来のオーバーレイマークの平面図である。
図2図1に示されているオーバーレイマークの一つのワーキングゾーンから取得された信号を示す。
図3】本発明によるオーバーレイマークの一実施形態の平面図である。
図4】オーバーレイマーク画像取得ステップを説明するための図である。
図5図3に示されているオーバーレイマークから取得された信号を示す。
図6】及び
図7】本発明によるオーバーレイマークの一実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲は、後述する実施形態に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施形態は、当技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状などは、より明確な説明を強調するために誇張されたものであり、図面において同一の符号で表示された要素は、同一の要素を意味する。
【0039】
図3は本発明によるオーバーレイマークの一実施形態の平面図である。図3は第1オーバーレイマーク100、第2オーバーレイマーク200、第3オーバーレイマーク300及び第4オーバーレイマーク400が全て整列された状態を示す。整列された状態なので、第1から第4オーバーレイマーク100、200、300、400の対称中心が互いに一致する。オーバーレイ誤差がある場合には、第1から第4オーバーレイマーク100、200、300、400のうち、互いに異なるパターン層と共に形成されたマークの対称中心が互いに一致しない。
【0040】
図3では、第1から第4オーバーレイマーク100、200、300、400を互いに区別するために、互いに異なるハッチング(hatching)パターンを用いて表示した。使用されたハッチングパターンは、第1から第4オーバーレイマーク100、200,300、400を容易に区別するためのものに過ぎず、第1から第4オーバーレイマーク100、200、300、400の形態とは関係ない。
【0041】
図3を参照すると、本発明によるオーバーレイマーク10の一実施形態は、第1から第4オーバーレイマーク100、200、300、400を含む。本実施形態のオーバーレイマーク10は、半導体ウエハーのスクライブレーンに形成され、半導体ウエハー上の二つ以上のパターン層間又は単一層上の二つ以上のパターン間のオーバーレイを測定するために提供できる。
【0042】
互いに異なる2つのパターン層間のオーバーレイ測定に活用される場合には、例えば、第1オーバーレイマーク100と第3オーバーレイマーク300は、第1パターン層と共に形成され、第2オーバーレイマーク200と第4オーバーレイマーク400は、第2パターン層と共に形成できる。また、第1オーバーレイマーク100と第4オーバーレイマーク400は第1パターン層と共に形成され、第2オーバーレイマーク200と第3オーバーレイマーク300は第2パターン層と共に形成されることもできる。
【0043】
このような場合、第1パターン層と第2パターン層間の第1方向オーバーレイ値と、第1方向と直交する第2方向オーバーレイ値を測定することができる。第1方向は、X軸方向又はY軸方向であり得る。本実施形態では、第1方向がX軸方向、第2方向がY軸方向となる。
【0044】
そして、同一層の互いに異なるパターン、例えば、ダブルパターニング工程で形成される2つのパターン間のオーバーレイ測定に活用される場合には、第1オーバーレイマーク100と第3オーバーレイマーク300は第1パターンと共に形成され、第2オーバーレイマーク200と第4オーバーレイマーク400は第2パターンと共に形成されることができる。また、第1オーバーレイマーク100と第4オーバーレイマイク400は第1パターンと共に形成され、第2オーバーレイマーク200と第3オーバーレイマーク300は第2パターンと共に形成されることもできる。
【0045】
互いに異なる3つのパターン層間のオーバーレイ測定に活用される場合には、例えば、第1オーバーレイマーク100と第3オーバーレイマーク300は第1パターン層と共に形成され、第2オーバーレイマーク200と第4オーバーレイマーク400はそれぞれ第2パターン層と第3パターン層と共に形成されることができる。このような場合には、第1パターン層と第2パターン層間のX軸方向オーバーレイ値と、第1パターン層と第3パターン層間のY軸方向オーバーレイ値を測定することができ、第1パターン層と第2パターン層間のY軸方向オーバーレイ値と、第1パターン層と第3パターン層間のX軸方向オーバーレイ値は測定することができない。
【0046】
以下では、便宜のために、互いに異なる2つのパターン層間のオーバーレイ測定を基準に説明する。
【0047】
図3に示されているように、第1オーバーレイマーク100は、オーバーレイマーク10の中心部に配置される。第1オーバーレイマーク100は、第1オーバーレイ構造物110と第2オーバーレイ構造物120を含む。第1オーバーレイマーク100は、第1オーバーレイマーク100の対称中心を基準に180度回転対称をなす。
【0048】
本実施形態において、第1オーバーレイ構造物110と第2オーバーレイ構造物120は、第1オーバーレイマーク100のX軸方向の中心を見つけるために使用される。
【0049】
第1オーバーレイ構造物110は、Y軸方向に長く形成された複数の第1バー112を含む。第1バー112は、X軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第1オーバーレイ構造物110は、第1オーバーレイマーク100の中心を通るY軸方向中心線(Y軸と一致する)を基準に対称をなす。第1バー112は、Y軸方向中心線から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0050】
第2オーバーレイ構造物120も、Y軸方向に長く形成された複数の第2バー122を含む。第2バー122は、X軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第2オーバーレイ構造物120は、第1オーバーレイマーク100の中心を通るY軸方向中心線(Y軸と一致する)を基準に対称をなす。第2バー122は、Y軸方向中心線から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0051】
本実施形態において、第1バー112と第2バー122は、Y軸方向に互いに連結されているが、第1バー112と第2バー122は、互いに分離されることもできる。
【0052】
第1バー112と第2バー122はそれぞれ9つであると図示されているが、2つから8つであってもよく、10個以上であってもよい。
【0053】
第2オーバーレイマーク200は、第3オーバーレイ構造物210と第4オーバーレイ構造物220とを含む。第2オーバーレイマーク200は、第2オーバーレイマーク200の対称中心を基準に180度回転対称をなす。第3オーバーレイ構造物210と第4オーバーレイ構造物220は、第1オーバーレイマーク100を挟んで上下に配置される。第2オーバーレイマーク200は、第1オーバーレイマーク100とは異なるパターン層に形成される。
【0054】
本実施形態において、第3オーバーレイ構造物210と第4オーバーレイ構造物220は、第2オーバーレイマーク200のX軸方向の中心を見つけるために使用される。そして、第1オーバーレイマーク100と第2オーバーレイマーク200は、互いに異なるパターン層間のX軸方向オーバーレイの測定に使用される。
【0055】
第3オーバーレイ構造物210は、Y軸方向に長く形成された複数の第3バー212を含む。第3バー212は、X軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第3オーバーレイ構造物210は、第3オーバーレイ構造物210の中心を通るY軸方向中心線(Y軸と一致する)を基準に対称をなす。第3バー212は、Y軸方向中心線から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0056】
第4オーバーレイ構造物220も、Y軸方向に長く形成された複数の第4バー222を含む。第4バー222は、X軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第4オーバーレイ構造物220は、第4オーバーレイ構造物220の中心を通るY軸方向中心線(Y軸と一致する)を基準に対称をなす。第4バー222は、Y軸方向中心線から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0057】
第3バー212と第4バー222はそれぞれ9つであると図示されているが、2つから8つであってもよく、10個以上であってもよい。
【0058】
第3バー212及び第4バー222と第1バー112及び第2バー122の個数と間隔が同一であると図示されているが、個数と間隔が互いに異なってもよい。
【0059】
第3オーバーレイマーク300は、第5オーバーレイ構造物310と第6オーバーレイ構造物320とを含む。第3オーバーレイマーク300は、第3オーバーレイマーク300の対称中心を基準として180度回転対称をなす。第5オーバーレイ構造物310と第6オーバーレイ構造物320は、第1オーバーレイマーク100を挟んで第1対角線上に配置される。つまり、図3において、第5オーバーレイ構造物310は右上端に配置され、第6オーバーレイ構造物320は左下端に配置される。
【0060】
本実施形態において、第3オーバーレイマーク300は、第1オーバーレイマーク100と同じパターン層に形成されることができる。
【0061】
第5オーバーレイ構造物310は、X軸方向に長く形成された複数の第5バー312を含む。第5バー312は、Y軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第5オーバーレイ構造物310は、第5オーバーレイ構造物310のX軸方向中心線315を基準に対称をなす。第5バー312は、X軸方向中心線315から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0062】
第6オーバーレイ構造物320も、X軸方向に長く形成された複数の第6バー322を含む。第6バー322は、Y軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第6オーバーレイ構造物は、第6オーバーレイ構造物320のX軸方向中心線325を基準に対称をなす。第6バーは、X軸方向中心線325から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0063】
第5バー312及び第6バー322はそれぞれ9つであると図示されているが、2つから8つであってもよく、10個以上であってもよい。
【0064】
第4オーバーレイマーク400は、第7オーバーレイ構造物410と第8オーバーレイ構造物420とを含む。第4オーバーレイマーク400は、第4オーバーレイマーク400の対称中心を基準として180度回転対称をなす。第7オーバーレイ構造物410と第8オーバーレイ構造物420は、第1オーバーレイマーク100を挟んで第2対角線上に配置される。第1対角線と第2対角線は互いに交差する。図3において、第7オーバーレイ構造物410は左上端に配置され、第8オーバーレイ構造物420は右下端に配置される。
【0065】
本実施形態において、第4オーバーレイマーク400は第2オーバーレイマーク200と同じパターン層に形成されることができる。第4オーバーレイマーク400は、第3オーバーレイマーク300とは異なる層に形成される。
【0066】
本実施形態において、第7オーバーレイ構造物410と第8オーバーレイ構造物420は、第4オーバーレイマーク400のY軸方向中心を見つけるために使用される。そして、第3オーバーレイマーク300と第4オーバーレイマーク400は、互いに異なるパターン層間のY軸方向オーバーレイの測定に使用される。
【0067】
第7オーバーレイ構造物410は、X軸方向に長く形成された複数の第7バー412を含む。第7バー412は、Y軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第7オーバーレイ構造物410は、第7オーバーレイ構造物410のX軸方向中心線415を基準に対称をなす。第7バー412は、X軸方向中心線415から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0068】
第8オーバーレイ構造物420も、X軸方向に長く形成された複数の第8バー422を含む。第8バー422は、Y軸方向に沿って所定の間隔で配置される。第8オーバーレイ構造物420は、第8オーバーレイ構造物420のX軸方向中心線425を基準に対称をなす。第8バー422は、X軸方向中心線425から離れるほど間隔が狭くなるように配置される。
【0069】
第7バー412及び第8バー422はそれぞれ9つであると図示されているが、2つから8つであってもよく、10個以上であってもよい。
【0070】
以下では、図3に示されているオーバーレイマーク10を用いたオーバーレイ計測方法について説明する。オーバーレイ計測方法は、オーバーレイマーク10の画像を取得するステップと、オーバーレイマーク10の画像を分析するステップと、を含む。オーバーレイマーク10は、二つの連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された二つのパターンを形成すると同時に形成される。
【0071】
オーバーレイマーク10の画像を取得するステップは、一般に、オーバーレイ測定装置を用いて第1から第4オーバーレイマーク100、200、300、400の画像を一度に取得するステップである。
【0072】
本ステップは、傾斜した光学要素と、レンズL、オーバーレイマーク10が形成されたデバイスDを支持するステージSなどを備えたオーバーレイ測定装置を用いて、オーバーレイマーク画像を取得するステップであり得る。傾斜した光学要素は、例えば、ビームスプリッタ(BS)であってもよい。
【0073】
図4は、オーバーレイマーク画像取得ステップを説明するために、オーバーレイ測定装置の一例の一部を示す図である。図4に示すように、本ステップにおいて、オーバーレイ測定装置は、傾斜した光学要素であるビームスプリッタBSとオーバーレイマーク10が形成されたデバイスDとの距離が、第1オーバーレイマーク100と第2オーバーレイマーク200のバー112、212が配置される方向であるX軸方向に進むほど増加又は減少し、Y軸方向に進むときには一定であるように配置されることが好ましい。すなわち、ビームスプリッタBSは、X軸に対して傾斜するように配置される。
【0074】
このようにオーバーレイ測定装置を配置した状態でオーバーレイマーク画像を取得すると、光学収差の影響を低減することができるという利点がある。第1オーバーレイマーク100と第2オーバーレイマーク200のバー112、122、212、222は、X軸方向を基準にオーバーレイマーク10の中心部にのみ形成されるためである。
【0075】
オーバーレイマーク10の総面積が、図1に示されている従来のオーバーレイマーク1と同一であれば、第1オーバーレイマーク100と第2オーバーレイマーク200のX軸方向の両端に配置されるバー間の距離(第1オーバーレイマーク100と第2オーバーレイマーク200のX軸方向の幅)が、従来のオーバーレイマーク1に比べて相対的に短い。
【0076】
したがって、両端に配置されるバーと傾斜した光学要素であるビームスプリッタBSとのZ軸方向距離の差が、従来のオーバーレイマーク1に比べては小さくなる。よって、傾斜した光学要素との距離差による光学収差の影響が最小限に抑えられる。
【0077】
第3オーバーレイマーク300と第4オーバーレイマーク400のバー312、322、412、422は、Y軸方向を基準にオーバーレイマーク10の全領域に形成されるが、傾斜した光学要素であるビームスプリッタBSは、Y軸に対しては傾斜するように配置されないため、Y軸方向への歪曲が少ないので、第3オーバーレイマーク300と第4オーバーレイマーク400のバー312、322、412、422は、傾斜した光学要素による光学収差の影響をほとんど受けない。
【0078】
本発明では、一方の方向(図3では、X軸方向)に配置されるバー112、122、212、222を中心部に寄せ付けて配置し、オーバーレイマーク10の画像を取得するときにこれを考慮して、傾斜した光学要素であるビームスプリッタBSがその方向の軸(図3及び図4ではX軸)と角度をなすようにオーバーレイ測定装置を配置することにより、光学収差の影響を最小限に抑える。
【0079】
オーバーレイマーク10の画像を分析するステップは、取得されたオーバーレイマーク画像における第1オーバーレイマーク100のX軸方向中心と第2オーバーレイマーク200のX軸方向中心とのオフセットを測定するステップと、第3オーバーレイマーク300のY軸方向中心と第4オーバーレイマーク400のY軸方向中心とのオフセットを測定するステップと、を含むことができる。
【0080】
第1オーバーレイマーク100のX軸方向中心と第2オーバーレイマーク200のX軸方向中心とのオフセットを測定するステップは、以下のステップを含むことができる。
【0081】
まず、第1オーバーレイマーク100の中心のX値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のX値との差を求める(S11)。
【0082】
図3に示すように、取得されたオーバーレイマーク画像から第1オーバーレイ構造物110の一部領域Aを選択する。そして、取得されたオーバーレイマーク画像の中心を基準として180度対称となる領域Aも選択する。この領域Aは第2オーバーレイ構造物120に位置する。
【0083】
そして、選択された2つの領域A、Aの二次元画像をそれぞれ一次元にプロジェクションする。すなわち、二次元画像において同一のX値を有する画素のグレー値を全て加算するか、グレー値の平均を求めるか、或いはグレー値を正規化する。
【0084】
すると、図5に示すように、X値によるグレー値の変化を示すグラフを描くことができる。縦バーのグレー値は縦バー間の空間のグレー値と差異があるので、図5に示されているグラフを得ることができる。
【0085】
図5から分かるように、取得されたグラフは、ピーク間の間隔が一定ではない。したがって、図2に示されているピーク間の間隔が一定である周期的なグラフを提供する、図示された従来のオーバーレイマーク1とは異なり、オーバーレイ誤差が1周期以上である場合にも、誤差を検出することができるという利点がある。
【0086】
また、信号が劣化する場合に相関分析過程で精度が低下するという従来の問題点も、ある程度改善が可能である。
【0087】
また、バー間の間隔を減らしても、信号の最大値と最小値との差(contrast)が減少しないため、バーの密度を高めて信号を強化することができるという利点もある。
【0088】
また、グラフ全体を比較することなく、個別ピークを互いに比較する方法でオーバーレイを測定することもできるという利点もある。
【0089】
もし第1オーバーレイマーク100の中心のX値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のX値とが同一であれば、2つのグラフは同じ形態でなければならない。もし第1オーバーレイマーク100の中心のX値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のX値とが同一でなければ、1つのグラフは、他のグラフに対してX軸方向にオフセットされた形態となる。このときのオフセット値は、第1オーバーレイマーク100の中心のX値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のX値との差を示す。
【0090】
次に、同じ方法で第2オーバーレイマーク200の中心のX値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のX値との差を求める(S12)。
【0091】
次に、先に求めた第1オーバーレイマーク100の中心のX値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のX値との差、及び第2オーバーレイマーク200の中心のX値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のX値との差を用いて、X軸方向のオーバーレイ値を求める(S13)。
【0092】
次に、同じ方法で、第3オーバーレイマーク300の中心のY軸と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のY軸との差を求める(S14)。そして、第4オーバーレイマーク400の中心のY軸と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のY軸との差を求める(S15)。
【0093】
次に、先に求めた第3オーバーレイマーク300の中心のY軸と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のY値との差、及び第4オーバーレイマーク400の中心のY値と取得されたオーバーレイマーク画像の中心のY軸との差を用いて、Y軸方向のオーバーレイ値を求める(S16)。
【0094】
以下では、図3に示されている、オーバーレイマーク10を用いた半導体素子の製造方法について説明する。オーバーレイマーク10を用いた半導体素子の製造方法は、オーバーレイマーク10を形成するステップから始まる。二つの連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された二つのパターンを形成すると同時に、オーバーレイマーク10を形成する。
【0095】
オーバーレイマーク10を形成するステップは、スキャナ方式の露光装置を用いてオーバーレイマーク10を形成するステップであり得る。このとき、露光装置のスキャン方向は、中心部に配置される第1オーバーレイマーク100と第2オーバーレイマーク220のバー112、122、212、222の長さ方向(図3では、Y軸方向)と並んでいることが好ましい。露光装置のスキャン方向には等速制御することができるため、バー112、122、212、222のY軸方向への歪曲は大きくないが、X軸方向に歪曲が発生する可能性があるので、スキャン方向に対して垂直なX軸方向に沿って配置されるバー112、122、212、222は、中心部に配置して歪曲を最小限に抑えることが好ましいためである。
【0096】
次に、オーバーレイマーク10を用いてオーバーレイ値を測定する。オーバーレイ値を測定するステップは、上述したオーバーレイ計測方法と同様である。
【0097】
最後に、測定されたオーバーレイ値を、二つの連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された二つのパターンを形成するための工程制御に用いる。すなわち、導出されたオーバーレイを工程制御に活用して、連続するパターン層又は二つのパターンが所定の位置に形成されるようにする。
【0098】
図6及び図7は本発明によるオーバーレイマークの一実施形態の平面図である。
【0099】
図6に示されているオーバーレイマーク20は、第1から第4オーバーレイマーク500、600、700、800を含む。第1オーバーレイマーク500は、中心部に配置される第1オーバーレイ構造物510と第2オーバーレイ構造物520を含む。第2オーバーレイマーク600は、第1オーバーレイマーク500の上下にそれぞれ配置される第3オーバーレイ構造物610と第4オーバーレイ構造物620を含む。第3オーバーレイマーク700は、第1オーバーレイマーク500を挟んで対角線上に配置される第5オーバーレイ構造物710と第6オーバーレイ構造物720を含む。最後に、第4オーバーレイマーク800は、第1オーバーレイマーク500を挟んで対角線上に配置される第7オーバーレイ構造物810と第8オーバーレイ構造物820を含む。
【0100】
オーバーレイマーク20は、X軸方向に沿って配置されるバー512、522、612、622は、Y軸方向中心線から離れるほど、隣接するバー512、522、612、622間の間隔が狭くなり、Y軸方向に沿って配置されるバー712、722、812、822は、X軸方向中心線715、725、815、825から離れるほど、隣接するバー712、722、812、822間の間隔が狭くなるという点で、図3に示されている実施形態とは差異がある。また、第1バー712と第2バー722が分離されているという点においても、図3に示されている実施形態とは差異がある。第1バー712と第2バー722は、図3に示されている実施形態と同様に互いに連結されてもよい。
【0101】
図7に示されているオーバーレイマーク30は、第1から第4オーバーレイマーク900、1000、1100、1200を含む。第1オーバーレイマーク900は、中心部に配置される第1オーバーレイ構造物910と第2オーバーレイ構造物920を含む。第2オーバーレイマーク1000は、第1オーバーレイマーク900の左右にそれぞれ配置される第3オーバーレイ構造物1010と第4オーバーレイ構造物1020を含む。そして、第3オーバーレイマーク1100は、第1オーバーレイマーク500を挟んで対角線上に配置される第5オーバーレイ構造物1110と第6オーバーレイ構造物1120を含む。最後に、第4オーバーレイマーク1200は、第1オーバーレイマーク500を挟んで対角線上に配置される第7オーバーレイ構造物1210と第8オーバーレイ構造物1220を含む。
【0102】
図7に示されているオーバーレイマーク30は、図3に示されている実施形態とは異なり、第1方向がY軸方向となり、第2方向がX軸方向となる。本実施形態は、露光装置のスキャン方向がY軸方向である場合に使用することができる。本実施形態のオーバーレイマーク30を使用する場合には、オーバーレイマーク30の画像取得段階で、傾斜した光学要素がY軸方向に対して傾くようにオーバーレイ測定装置を配置することが好ましい。
【0103】
以上説明した実施形態は、本発明の好適な実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と特許請求の範囲内で当該分野における当業者によって様々な変更、変形または置換が可能であり、それらの実施形態も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0104】
10、20、30 オーバーレイマーク
100、500、900 第1オーバーレイマーク
110、510、910 第1オーバーレイ構造物
120、520、920 第2オーバーレイ構造物
200、600、1000 第2オーバーレイマーク
210、610、1010 第3オーバーレイ構造物
220、620、1020 第4オーバーレイ構造物
300、700、1100 第3オーバーレイマーク
310、710、1110 第5オーバーレイ構造物
320、720、1120 第6オーバーレイ構造物
400、800、1200 第4オーバーレイマーク
410、810、1210 第7オーバーレイ構造物
420、820、1220 第8オーバーレイ構造物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-01-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つ以上のパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された二つ以上のパターン間の相対的なズレを決定するオーバーレイマークであって、
第1方向に沿って所定の間隔を置いて配置される複数の第1バーを含む第1オーバーレイ構造物と、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第2バーを含み、前記第1オーバーレイ構造物と180度回転対称をなす第2オーバーレイ構造物と、を含み、前記オーバーレイマークの中心部に配置される第1オーバーレイマーク;
前記第1オーバーレイ構造物とは前記第1方向と直交する第2方向にオフセットされ、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第3バーを含む第3オーバーレイ構造物と、前記第1方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第4バーを含み、前記第1オーバーレイマーク全体を挟んで前記第3オーバーレイ構造物と対向するように配置され、前記第3オーバーレイ構造物と180度回転対称をなす第4オーバーレイ構造物と、を含む第2オーバーレイマーク;
前記第1オーバーレイマークを挟んで第1対角線上に配置される第5オーバーレイ構造物と、第6オーバーレイ構造物と、を含み、前記第5オーバーレイ構造物と前記第6オーバーレイ構造物は180度回転対称をなし、前記第5オーバーレイ構造物は、前記第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第5バーを含み、前記第6オーバーレイ構造物は前記第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第6バーを含む第3オーバーレイマーク;及び
前記第1オーバーレイマークを挟んで前記第1対角線と交差する第2対角線上に配置される第7オーバーレイ構造物と、第8オーバーレイ構造物と、を含み、前記第7オーバーレイ構造物と前記第8オーバーレイ構造物は180度回転対称をなし、前記第7オーバーレイ構造物は、第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第7バーを含み、前記第8オーバーレイ構造物は、第2方向に沿って所定の間隔で配置される複数の第8バーを含む第4オーバーレイマーク;を含み、
前記第1オーバーレイマークは第2方向に延びる第1の中心線を基準にして対称であり、前記第2オーバーレイマークは第2方向に延びる第2の中心線を基準にして対称であり、前記相対的なズレがゼロの場合、前記第2の中心線は前記第1の中心線の延長上に位置することを特徴とするオーバーレイマーク。
【請求項2】
前記第1オーバーレイ構造物が、前記第2方向中心線を基準に対称をなし、隣接する前記第1バー間の間隔が互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項3】
前記第2方向中心線から離れるほど、隣接する第1バー間の間隔が狭くなることを特徴とする、請求項2に記載のオーバーレイマーク。
【請求項4】
前記第2方向中心線から離れるほど、隣接する第1バー間の間隔が広くなることを特徴とする、請求項2に記載のオーバーレイマーク。
【請求項5】
前記第1バーと前記第2バーとが前記第2方向に沿って互いに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項6】
前記オーバーレイマークはスキャナ方式の露光装置を用いて形成され、
前記第2方向は前記露光装置のスキャン方向と並んでいることを特徴とする、請求項1に記載のオーバーレイマーク。
【請求項7】
半導体素子の製造方法であって、
複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成すると同時に、オーバーレイマークを形成するステップと、
前記オーバーレイマークを用いてオーバーレイ値を測定するステップと、
測定されたオーバーレイ値を、複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成するための工程制御に用いるステップと、を含み、
前記オーバーレイマークは請求項1~6のいずれか一項に記載のオーバーレイマークであることを特徴とする、半導体素子の製造方法。
【請求項8】
前記オーバーレイマークを形成するステップは、
スキャナ方式の露光装置を用いて前記オーバーレイマークを形成するステップであり、
前記第2方向は、前記露光装置のスキャン方向と並んでいることを特徴とする、請求項7に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項9】
複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターン間のオーバーレイを測定する方法であって、
複数の連続するパターン層又は一つのパターン層に別々に形成された複数のパターンを形成すると同時に形成されたオーバーレイマーク画像を取得するステップと、
前記オーバーレイマーク画像を分析するステップと、を含み、
前記オーバーレイマークは、請求項1~6のいずれか一項に記載のオーバーレイマークであることを特徴とする、オーバーレイ測定方法。
【請求項10】
前記オーバーレイマーク画像を取得するステップは、
傾斜した光学要素を備えたオーバーレイ測定装置を用いてオーバーレイマーク画像を取得するステップであり、
前記オーバーレイマーク画像を取得するステップで、前記オーバーレイ測定装置は、前記傾斜した光学要素と前記オーバーレイマークとの距離が前記第1方向に進むほど増加又は減少し、前記第2方向に進むときには一定であるように配置されることを特徴とする、請求項9に記載のオーバーレイ測定方法。
【請求項11】
前記傾斜した光学要素がビームスプリッタであることを特徴とする、請求項10に記載のオーバーレイ測定方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
オーバーレイマーク20は、X軸方向に沿って配置されるバー512、522、612、622は、Y軸方向中心線から離れるほど、隣接するバー512、522、612、622間の間隔が狭くなり、Y軸方向に沿って配置されるバー712、722、812、822は、X軸方向中心線715、725、815、825から離れるほど、隣接するバー712、722、812、822間の間隔が狭くなる。