(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027766
(43)【公開日】2023-03-02
(54)【発明の名称】車両部品組立システム及び組立方法
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20230222BHJP
B62D 65/18 20060101ALI20230222BHJP
B62D 65/02 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B23P21/00 303B
B62D65/18 D
B62D65/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126372
(22)【出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0108251
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジ ウン
【テーマコード(参考)】
3C030
3D114
【Fターム(参考)】
3C030AA23
3C030BC16
3C030BC31
3C030CC02
3D114AA03
3D114AA12
3D114BA40
3D114CA05
3D114DA11
3D114EA11
3D114FA16
3D114GA02
3D114GA13
3D114GA15
3D114JA15
(57)【要約】
【課題】様々な車両部品を多種の車種に合わせて組み立てできる車両部品組立システム及び組立方法を提供する。
【解決手段】本発明による車両部品組立システムは、積載された車両部品及び車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影する撮影部と、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所に移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てる組立ロボットと、撮影部の車両部品画像を分析して、組立ロボットが積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、車両の組立箇所画像を分析して、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御する制御部と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載された車両部品、及び前記車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影する撮影部と、
積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てる組立ロボットと、
撮影部の車両部品画像を分析して、組立ロボットが積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、車両の組立箇所画像を分析して、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御する制御部と、を含むことを特徴とする車両部品組立システム。
【請求項2】
制御部は、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して、車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報に基づいて、予め設定された基準ローディング情報及び基準組立情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットを制御することを特徴とする請求項1に記載の車両部品組立システム。
【請求項3】
組立ロボットは、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させるローディングロボットと、ボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを組立箇所に位置させてハードウェアにトルクを加えることにより、移動した車両部品を組立箇所に組み立てる締結ロボットと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両部品組立システム。
【請求項4】
制御部は、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に基づいて基準ローディング箇所及び基準組立箇所との誤差を算出し、算出された誤差に基づいてローディングロボット及び締結ロボットのそれぞれの移動経路を導出して、導出された移動経路に基づいてローディングロボット及び締結ロボットの駆動を制御することを特徴とする請求項3に記載の車両部品組立システム。
【請求項5】
制御部は、車両の組立箇所画像を分析して、前記ローディング箇所に車両部品がロードされた状態で組立箇所にハードウェアを締結して組み立てる場合、ハードウェアの締結箇所に関する締結情報を算出し、算出された締結情報に基づいて、予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することを特徴とする請求項4に記載の車両部品組立システム。
【請求項6】
ローディングロボットは、積載された車両部品を吸着する吸着部と、吸着部に吸着力を生成する真空ブロワーと、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の車両部品組立システム。
【請求項7】
ローディングロボットは、吸着部を移動させるサーボモータと、車種別に異なる吸着部の吸着位置の入力を受けてサーボモータを駆動する精密移動装置と、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の車両部品組立システム。
【請求項8】
制御部は、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品にボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種のハードウェアを締結して組み立てたかを検査する締結検査部をさらに含み、
締結検査部は、前記車両部品が組み立てられた車両の組立状態に対する多角度からの画像を撮影部で撮影するように制御し、撮影部で取得した多角度からの画像を処理してハードウェアの締結検査結果に関する締結検査情報を生成し、締結検査情報と予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両部品組立システム。
【請求項9】
撮影部が、積載された車両部品、及び前記車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影するステップと、
組立ロボットが、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てるステップと、
制御部が、車両部品画像を分析して、積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、車両の組立箇所画像を分析して、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御するステップと、を含むことを特徴とする車両部品組立方法。
【請求項10】
制御するステップで、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して、車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報に基づいて、予め設定された基準ローディング情報及び基準組立情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットを制御することを特徴とする請求項9に記載の車両部品組立方法。
【請求項11】
制御するステップの後、締結検査部が、前記車両部品が組み立てられた車両の組立状態に対する多角度からの画像を撮影するように撮影部を制御し、撮影部で取得した多角度からの画像を処理してハードウェアの締結検査結果に関する締結検査情報を生成し、締結検査情報と予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することを特徴とする請求項9に記載の車両部品組立方法。
【請求項12】
組み立てるステップで、ローディングロボットが、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させ、締結ロボットが、ボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを組立箇所に位置させてハードウェアにトルクを印加することにより、移動した車両部品を組立箇所に組み立てることを特徴とする請求項9に記載の車両部品組立方法。
【請求項13】
制御するステップで、車両の組立箇所画像を分析して、前記ローディング箇所に車両部品がロードされた状態で組立箇所にハードウェアを締結して組み立てる場合、ハードウェアの締結箇所に関する締結情報を算出し、算出された締結情報に基づいて、予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することを特徴とする請求項12に記載の車両部品組立方法。
【請求項14】
制御するステップで、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に基づいて、基準ローディング箇所及び基準組立箇所との誤差を算出し、算出された誤差に基づいてローディングロボット及び締結ロボットのそれぞれの移動経路を導出して、導出された移動経路に基づいてローディングロボット及び締結ロボットの駆動を制御することを特徴とする請求項9に記載の車両部品組立方法。
【請求項15】
組み立てるステップで、ローディングロボットが、車種別に異なる吸着部の吸着位置の入力を受けて吸着位置までサーボモータを駆動し、真空ブロワーが、吸着位置に位置した吸着部に吸着力を生成することを特徴とする請求項12に記載の車両部品組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両部品組立システム及び組立方法に係り、より詳細には、車両のアンダーカバーのように材質及び形状が様々である車種部品を多様な車種ごとに個別に作業者が手動で装着して組み立てる場合に発生しうる組立品質の不均一を解消するために3Dスキャンなどを活用することにより、多様な車種と車両部品のばらつきを補正し、これにより作業者のオーバーヘッド作業による負担を軽減し且つ均一な装着品質を維持する車両部品組立システム及び組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボルト、ナット、及びクリップを含むハードウェアは、2つ以上の部品を結合するために広く用いられる機械要素である。一般に、これらの締結工程は、ハードウェアとこれにより結合されるアンダーカバーの両位置を一致させた後、作業者が締結工具でナット又はクリップをボルト方向に回転させることにより行われる。このように前記ハードウェアをアンダーカバーに自動的に締結する装置は、これらを組み立てて生産される完成品の製作に不可欠である。ただし、前記ハードウェアをアンダーカバーに締結する作業は、その下部の位置を定位置に位置させることから容易ではない。
【0003】
その理由は、様々な完成品を一つの工程で組み立てる過程で、その完成品の形態及び当該種類ごとに構成される装置構成に差があり、それにより完成品の各装置を締結するハードウェアの組立位置、並びにアンダーカバーの材質、形状及び大きさも異なるためである。それだけでなく、上述した締結過程を作業者が直接実行する場合、そのミスにより不良が発生することもあり、生産性も保障され難い。よって、前記組立工程の自動化が至急である。上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景を理解するためのもので、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2012-0033831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、車両のアンダーカバーのように材質及び形状が様々である車種部品を多様な車種ごとに個別に作業者が手動で装着して組み立てる場合に発生しうる組立品質の不均一を解消するために3Dスキャンなどを活用することにより、多様な車種と車両部品のばらつきを補正し、これにより作業者のオーバーヘッド作業による負担を軽減し且つ均一な装着品質を維持する車両部品組立システム及び組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による車両部品組立システムは、積載された車両部品、及び前記車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影する撮影部と、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所に移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てる組立ロボットと、撮影部の車両部品画像を分析して、組立ロボットが積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、車両の組立箇所画像を分析して、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御する制御部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
制御部は、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報に基づいて、予め設定された基準ローディング情報及び基準組立情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットを制御することができる。
【0008】
組立ロボットは、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させるローディングロボットと、ボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを組立箇所に位置させてハードウェアにトルクを加えることにより、移動した車両部品を組立箇所に組み立てる締結ロボットと、を含むことができる。
【0009】
制御部は、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に基づいて基準ローディング箇所及び基準組立箇所との誤差を算出し、算出された誤差に基づいてローディングロボット及び締結ロボットのそれぞれの移動経路を導出して、導出された移動経路に基づいてローディングロボット及び締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0010】
制御部は、車両の組立箇所画像を分析して、前記ローディング箇所に車両部品がロードされた状態で組立箇所にハードウェアを締結して組み立てる場合、ハードウェアの締結箇所に関する締結情報を算出し、算出された締結情報に基づいて、予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0011】
ローディングロボットは、積載された車両部品を吸着する吸着部と、吸着部に吸着力を生成する真空ブロワーと、をさらに含むことができる。
【0012】
ローディングロボットは、吸着部を移動させるサーボモータと、車種別に異なる吸着部の吸着位置の入力を受けてサーボモータを駆動する精密移動装置と、をさらに含むことができる。
【0013】
制御部は、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品にボルト、ナット又はクリップのうちの少なくとも1種のハードウェアを締結して組み立てたかを検査する締結検査部をさらに含み、締結検査部は、前記車両部品が組み立てられた車両の組立状態に対する多角度からの画像を撮影部で撮影するように制御し、撮影部で取得した多角度からの画像を処理してハードウェアの締結検査結果に関する締結検査情報を生成し、締結検査情報と予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットの駆動を制御することができる。
【0014】
本発明による車両部品の組立方法は、撮影部が、積載された車両部品及び前記車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影するステップと、組立ロボットが、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所に移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てるステップと、制御部が、車両部品画像を分析して、積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、車両の組立箇所画像を分析して、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
制御するステップで、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報に基づいて、予め設定された基準ローディング情報及び基準組立情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットを制御することができる。
【0016】
制御するステップの後、締結検査部が、前記車両部品が組み立てられた車両の組立状態に対する多角度からの画像を撮影するように撮影部を制御し、撮影部で取得した多角度からの画像を処理してハードウェアの締結検査結果に関する締結検査情報を生成し、締結検査情報と予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0017】
組み立てるステップで、ローディングロボットが、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させ、締結ロボットが、ボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを組立箇所に位置させてハードウェアにトルクを印加することにより、移動した車両部品を組立箇所に組み立てることができる。
【0018】
制御するステップで、車両の組立箇所画像を分析して、前記ローディング箇所に車両部品がロードされた状態で組立箇所にハードウェアを締結して組み立てる場合、ハードウェアの締結箇所に関する締結情報を算出し、算出された締結情報に基づいて、予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0019】
制御するステップで、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に基づいて基準ローディング箇所及び基準組立箇所との誤差を算出し、算出された誤差に基づいてローディングロボット及び締結ロボットのそれぞれの移動経路を導出して、導出された移動経路に基づいてローディングロボット及び締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0020】
組み立てるステップで、ローディングロボットが、車種別に異なる吸着部の吸着位置の入力を受けて吸着位置までサーボモータを駆動し、真空ブロワーが、吸着位置に位置した吸着部に吸着力を生成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の車両部品組立システム及び組立方法によれば、車両のアンダーカバーのように材質及び形状が様々である車両部品を多様な車種ごとに個別に作業者が手動で装着して組み立てる場合に発生しうる組立品質の不均一を解消するために3Dスキャンなどを活用することにより、多様な車種と車両部品のばらつきを補正し、これにより作業者のオーバーヘッド作業による負担を軽減し且つ均一な装着品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態による車両部品組立システムのブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による車両部品組立システムが実現されるメカニズムを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディングメカニズムを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディング部を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による車両部品組立システムを介して締結されるメカニズムを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディング箇所を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による車両部品組立システムの車両部品組立箇所を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態による車両部品組立システムのハードウェア締結箇所を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による車両部品組立システムの組立箇所撮影画像を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態による車両部品組立方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態は、例示されたものであり、様々な形態で実施でき、この実施形態に限定されるものではない。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのブロック図、
図2は本発明の一実施形態による車両部品組立システムが実現されるメカニズムを示す図、
図3は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディングメカニズムを示す図、
図4は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディング部を示す図、
図5は本発明の一実施形態による車両部品組立システムを介して締結されるメカニズムを示す図、
図6は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディング箇所を示す図、
図7は本発明の一実施形態による車両部品組立システムの車両部品組立箇所を示す図、
図8は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのハードウェア締結箇所を示す図、
図9は本発明の一実施形態による車両部品組立システムの組立箇所撮影画像を示す図、
図10は本発明の一実施形態による車両部品組立方法を示すフローチャートである。
【0025】
図1は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのブロック図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による車両部品組立システムは、積載された車両部品、及び車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影する撮影部Iと、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所に移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てる組立ロボットRと、撮影部の車両部品画像を分析して、組立ロボットが積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、車両の組立箇所画像を分析して、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御する制御部Cと、を含む。
【0026】
図1に示すように、撮影部Iは、積載された車両部品、及び車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影する。ここで、車両部品は、組立セル(Cell:車両の組立工程を行う空間)にある物流空間に積載されることができ、或いは車両の工程の順序に従って提供される物流移動経路を介して物流を移動させる移動ロボット(AGV:Automated Guided Vehicle)を介して移動して積載されることができる。そして、撮影部は、このような車両部品の積載状態に関する画像、組立ロボットにロードされる前後に積載された車両部品に関する画像、車両部品が組み立てられる車両の組立箇所に関する画像、及びローディング箇所にロードされた車両部品を組み立てるボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを締結して組み立てる場合、締結される前後の車両の組立箇所に関する画像などを撮影する。
【0027】
図1に示すように、組立ロボットRは、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てる。組立工程の自動化のために、ローディング/移動/組立/締結の全ての過程は、組立ロボットとこれを駆動する駆動部(図示せず)及びこれを制御する制御部Cを介して行われるようにする。
【0028】
図1に示すように、制御部Cは、撮影部の車両部品画像を分析する分析部Aを含むことができる。分析部Aは、車両と車両部品の種類を特定した状態で車両及び車両部品に関するデータベースから抽出して分析することができる。或いは、車両又は車両部品を多角度から撮影した画像をディープラーニング技法や学習ベース画像処理技法、非学習ベース画像処理技法などのアルゴリズムに基づいて学習して抽出した車両と車両部品の種類、それに対応する車両部品を車両に組み立てる位置や組立ロボットの移動経路及び移動量を含む移動ベクトル、ローディング箇所又は組立箇所、締結箇所、及び締結ハードウェアなどを特徴付ける特徴点に関する情報である。
【0029】
図1に示すように、制御部Cは、分析部で処理した情報に基づいて、組立ロボットが積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御する。ここで、制御部は、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報に基づいて、予め設定された基準ローディング情報及び基準組立情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットを制御することができる。すなわち、誤差を補正する方式で組立ロボットを制御することができる。
【0030】
図2は本発明の一実施形態による車両部品組立システムが実現される機構を示す図である。
図2を参照すると、組立ロボットは、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させるローディングロボットと、ボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを組立箇所に位置させてハードウェアにトルクを加えることにより、移動した車両部品を組立箇所に組み立てる締結ロボットと、を含むことができる。
【0031】
図2に示すように、車両部品の組立工程を行う組立ロボットは、大きく、積載された車両部品をロードするローディング部100と、ハードウェアの供給を自動的に受け、自動的に締結する自動締結部200と、ハードウェアを締結して、積載された車両部品を車両の特定の位置に組み立てるためにローディング/移動/組立/締結/検査状態を撮影するビジョン部300と、を備える。ローディング部は、ローディングロボットが実現することができる。自動締結部は、ハードウェアを自動的に締結部に供給する供給部と、供給部を介して供給されたハードウェアを締結位置に締結することができるようにトルク印加部に位置させる締結部と、を含むことができる。
【0032】
図3は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディングメカニズムを示す図である。
図3を参照すると、ビジョン部300は、撮影部と、撮影部を固定するロボットアームなどのグリッパを備える固定部と、撮影部の焦点を調整する調整部と、を含むことができる。ビジョン部300に含まれた撮影部は、保管所に積載された車両部品をロードする前の画像を撮影する。制御部は、撮影された画像を処理して、ローディング部100が同一の位置にロードできるように制御する。
図3に示すように、ローディングロボットは、積載された車両部品を吸着する方式でロードし、吸着された車両部品を同一の位置にロードするために吸着位置も制御することができる。
【0033】
図4は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディング部を示す図である。
図4を参照すると、ローディング部100は、ローディングロボットを含み、ローディングロボットは、積載された車両部品を吸着する吸着部120と、吸着部に吸着力を生成する真空ブロワー110とをさらに含むことができる。そして、ローディングロボットは、吸着部を移動させるサーボモータと、車種別に異なる吸着部の吸着位置の入力を受けてサーボモータを駆動する精密移動装置130と、をさらに含むことができる。また、ローディングロボットは、吸着部に付設され、車両部品が吸着部の吸着位置で遊動しないように吸着された車両部品を支持する形状規制装置をさらに含むことができる。吸着部120は、吸着カップ、及び吸着カップに備えられるばねを含むことができ、車両部品の屈曲に対応するために、吸着カップ及びばねはスイベル回転構造で構成できる。
【0034】
図5は本発明の一実施形態による車両部品組立システムを介して締結されるメカニズムを示す図である。
図5を参照すると、ハードウェアの供給を自動的に受け、自動的に締結する自動締結部200は、ハードウェアを自動的に締結部に供給する供給部と、供給部を介して供給されたハードウェアを締結位置に締結することができるようにトルク印加部に位置させる締結部210と、を含むことができる。
【0035】
図5に示すように、車両の下部に組み立てられる車両部品をハードウェアの締結によって組み立てる場合、車両が上部に固定できるようにするハンガー部が組立工程内に備えられることができる。上部に固定された車両の下部に組み立てられる車両部品を自動的に締結するために、自動締結部200は、ハードウェアの供給を、供給部を介して自動的に受けることができる。自動締結部200は、供給部を介して供給されたハードウェアがトルク印加のためのトルク印加部によって締結位置に締結できるようにする。
【0036】
図6は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのローディング箇所を示す図である。
図6を参照すると、制御部は、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に基づいて基準ローディング箇所及び基準組立箇所との誤差を算出し、算出された誤差に基づいてローディングロボット及び締結ロボットのそれぞれの移動経路を導出して、導出された移動経路に基づいてローディングロボット及び締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0037】
図6に示すように、撮影部は、車両部品を平面視で撮影する。撮影して生成された車両部品画像から、制御部は、特徴点などを抽出して、ローディング箇所に関するローディング情報を算出する。そして、制御部は、既に保存された基準となる車両部品画像から抽出した基準ローディング箇所とローディング情報とを比較し、これに基づいて基準ローディング箇所にローディング箇所を補正する方向にローディングロボットの駆動を制御する。特に、駆動は、ローディングロボットが車両部品をロードする前に移動経路及び移動量を制御する方式で行われることができる。
【0038】
図7は本発明の一実施形態による車両部品組立システムの車両部品組立箇所を示す図である。
図7を参照すると、制御部は、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に基づいて基準ローディング箇所及び基準組立箇所との誤差を算出し、算出された誤差に基づいてローディングロボット及び締結ロボットのそれぞれの移動経路を導出して、導出された移動経路に基づいてローディングロボット及び締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0039】
図7に示すように、撮影部は、車両部品が車両の下部に組み立てられる部分を底面から撮影する。撮影して生成された組立箇所画像から、制御部は、特徴点などを抽出して組立箇所に関する組立情報を算出する。そして、制御部は、既に保存された基準となる車両下部画像から抽出した基準組立箇所と組立情報とを比較し、これに基づいて基準組立箇所に組立箇所を補正する方向に組立ロボットの駆動を制御する。特に、駆動は、組立ロボットが車両部品を組み立てる前に移動経路及び移動量を制御する方式で行われることができる。
【0040】
制御部は、車両の組立箇所画像を分析して、ローディング箇所に車両部品がロードされた状態で組立箇所にハードウェアを締結して組み立てる場合、ハードウェアの締結箇所に関する締結情報を算出し、算出された締結情報に基づいて、予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0041】
図8は本発明の一実施形態による車両部品組立システムのハードウェア締結箇所を示す図である。
図8を参照すると、制御部は、車両の組立箇所画像を分析して車両部品の組立箇所に関する組立情報を算出し、算出された車両部品の組立箇所に基づいて基準組立箇所との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットのそれぞれの移動経路を導出して、導出された移動経路に基づいて締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0042】
図8に示すように、撮影部は、ハードウェアのうち、締結ホールを含むナットが締結される部分を車両の底面から撮影する。撮影して生成された締結ホールを含む組立箇所画像から、制御部は、特徴点などを抽出して、ハードウェアの締結箇所及び組立箇所に関する締結情報を算出する。そして、制御部は、既に保存された基準となる車両下部画像から抽出した基準締結箇所と締結情報とを比較し、これに基づいて基準締結箇所に締結箇所を補正する方向に締結ロボットの駆動を制御する。特に、駆動は、締結ロボットが車両部品をハードウェアで締結する前に移動経路及び移動量を制御する方式で行われることができる。
【0043】
図9は本発明の一実施形態による車両部品組立システムの組立箇所撮影画像を示す図である。
図9を参照すると、制御部は、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品にボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種のハードウェアを締結して組み立てたかを検査する締結検査部をさらに含み、締結検査部は、車両部品が組み立てられた車両の組立状態に対する多角度からの画像を撮影部で撮影するように制御し、撮影部で取得した多角度からの画像を処理してハードウェアの締結検査結果に関する締結検査情報を生成し、締結検査情報と予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットの駆動を制御することができる。
【0044】
図9に示すように、締結検査部は、ハードウェアが締結される締結ホールHに該当車両部品が組み立てられた車両の組立状態に対して4つの角度から撮影部で撮影するように制御することができる。締結検査部は、撮影部で取得した多角度からの画像を併合してポイントクラウド画像を生成する。すなわち、締結検査部は、ポイントごとにハードウェアとしてのボルトの傾きや締結されたエッジの曲げ形状に関する座標値を抽出することができるようにする。したがって、
図9に示された本発明の一実施形態による車両部品組立システムにおいて、締結検査部は、4つの角度から撮影した画像を併合すると、見る角度に応じて異なる物体の形状に対して結合部位の正確な形状の座標値を抽出して、ハードウェア締結が欠けているか、締結が正確に行われたかを検査し、これにより車両部品の装着品質をより均一に管理することができる。
【0045】
図10は本発明の一実施形態による車両部品組立方法を示すフローチャートである。
図10を参照すると、本発明による車両部品の組立方法は、撮影部が、積載された車両部品及び車両部品が組み立てられる車両の組立箇所を撮影するステップ(S100)と、組立ロボットが、積載された車両部品をロードし(S200)、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させ、車両部品を組立箇所に組み立てるステップ(S300)と、制御部が、車両部品画像を分析して(S400)、積載された車両部品の同一箇所をロードするように組立ロボットを制御し、車両の組立箇所画像を分析して、組立ロボットが車両の組立箇所に正確に車両部品を組み立てるように制御するステップ(S500)と、を含む。
【0046】
制御するステップ(S500)で、撮影部の車両部品画像及び車両の組立箇所画像を分析して車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報を算出し、算出された車両部品のローディング箇所及び組立箇所に関するローディング情報及び組立情報に基づいて、予め設定された基準ローディング情報及び基準組立情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて組立ロボットを制御することができる。制御するステップ(S500)の後、締結検査部が、車両部品が組み立てられた車両の組立状態に対する多角度からの画像を撮影するように撮影部を制御し、撮影部で取得した多角度からの画像を処理してハードウェアの締結検査結果に関する締結検査情報を生成し、締結検査情報と予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0047】
組み立てるステップ(S300)で、ローディングロボットが、積載された車両部品をロードし、ロードされた車両部品を車両の組立箇所へ移動させ、締結ロボットが、ボルト、ナット及びクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを組立箇所に位置させてハードウェアにトルクを印加することにより、移動した車両部品を組立箇所に組み立てることができる。制御するステップ(S500)で、車両の組立箇所画像を分析して、ローディング箇所に車両部品がロードされた状態で組立箇所にハードウェアを締結して組み立てる場合、ハードウェアの締結箇所に関する締結情報を算出し、算出された締結情報に基づいて、予め設定された基準締結情報との誤差を算出し、算出された誤差に基づいて締結ロボットの駆動を制御することができる。
【0048】
組み立てるステップ(S300)で、ローディングロボットが、車種別に異なる吸着部の吸着位置の入力を受けて吸着位置までサーボモータを駆動し、真空ブロワーが、吸着位置に位置した吸着部に吸着力を生成することができる。
【0049】
一方、本実施形態の「~部」は、それぞれ又は組み合わされたソフトウェアとハードウェアの組み合わせからなってもよい。また、本実施形態の「~部」は、コンピュータ可読記憶媒体に含まれていてもよい。また、本実施形態の「~部」は、複数のハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせにその一部が分散して分布されてもよい。また、本実施形態の「~部」は、1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するようにハードウェアで構成でき、その逆も同様である。また、本実施形態の「誤差に基づいて組立ロボットを制御」する方式は、PD、PI、PID制御などの基本制御、フィードフォワード経路とフィードバック経路にそれぞれ異なる制御器を置く二自由度制御(two-degree-of-freedom control)であって、PI-D制御、PI-PD制御など、lag補償制御、lead-lag補償制御、これらの直列補償(series compensation)又は並列補償(parallel compemsatopm)、コンプライアンス制御などを含む。
【0050】
以上、本発明の特定の実施形態に関連して図示し説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想から逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変更を加え得ることは、技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。したがって、本発明の一実施形態の「~部」又は「~ステップ」は、互いに異なる本発明の一実施形態の「~部」又は「~ステップ」と組み合わせて新しい一実施形態を構成することができる。例えば、本発明の一実施形態の車両部品組立システムにおいて、ローディングロボットは、積載された車両部品を吸着する吸着部と、吸着部に吸着力を生成する真空ブロワーと、をさらに含み、これに加えて、吸着部を移動させるサーボモータと、車種別に異なる吸着部の吸着位置の入力を受けてサーボモータを駆動する精密移動装置と、をさらに含む新しい一実施形態を構成することができる。
【符号の説明】
【0051】
A 分析部
C 制御部
I 撮影部
T 締結検査部
R 組立ロボット
U アンダーカバー
H 締結ホール
100 ローディング部
110 真空発生部
111 真空ブロワー
120 吸着部
123 形状規制装置
130 精密移動装置
200 自動締結部
210 締結部
220 供給部
300 ビジョン部