(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027880
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】歯間ブラシ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61C 15/02 20060101AFI20230224BHJP
A46B 3/18 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A61C15/02 501
A46B3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133216
(22)【出願日】2021-08-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)https://www.planet-service.jp/SinglePortal/ ウェブサイトの掲載日 :令和3年7月12日 (2)2021年秋冬新製品カタログ、12-13,117頁、株式会社プラネット 発行日 :令和3年7月19日
(71)【出願人】
【識別番号】592199869
【氏名又は名称】エビス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(72)【発明者】
【氏名】乾 正孝
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA03
3B202AB19
3B202BA03
3B202DB00
3B202EG10
(57)【要約】
【課題】ブラシ部とハンドル部とが十分な強度で接合されており、また、ワイヤー部が使用者を傷付けることがない、歯間ブラシを、提供すること。
【解決手段】樹脂材料で構成されたハンドル部1と、ハンドル部1の前端100に接合されたブラシ部2と、を備えた歯間ブラシ10において、ブラシ部2は、ワイヤー部21と、ワイヤー部21の前部に設けられた毛束部22と、を有しており、ワイヤー部21の後部23がハンドル部1の前端部11に埋設されることによってハンドル部1に接合されており、ハンドル部1は、埋設されたワイヤー部21の後部23の後端231の近傍に、且つ、ワイヤー部21の後端231よりも後方に、且つ、幅方向略中央に、且つ、ワイヤー部21の後端231と対峙するように延びた、貫通した孔3を、有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料で構成されたハンドル部と、
前記ハンドル部の前端に接合されたブラシ部と、
を備えた歯間ブラシにおいて、
前記ブラシ部は、ワイヤー部と、前記ワイヤー部の前部に設けられた毛束部と、を有しており、前記ワイヤー部の後部が前記ハンドル部の前端部に埋設されることによって前記ハンドル部に接合されており、
前記ハンドル部は、埋設された前記ワイヤー部の前記後部の後端の近傍に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端よりも後方に、且つ、幅方向略中央に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端と対峙するように延びた、孔を、有している、
ことを特徴とする、歯間ブラシ。
【請求項2】
樹脂材料で構成されたハンドル部と、
ワイヤー部と前記ワイヤー部の前部に設けられた毛束部とを有しており、前記ハンドル部の前端に接合された、ブラシ部と、
を備えた歯間ブラシを、製造する方法において、
前記ブラシ部の前記ワイヤー部の後部を固定型と可動型とで成形空間内に保持した状態で、溶融樹脂材料を後方から前記成形空間に射出する、成形工程を、有しており、
前記成形工程で用いる前記固定型及び/又は前記可動型が、前記ハンドル部に孔を形成するためのピン部を有しており、前記ピン部は、前記成形空間に保持された状態の前記ワイヤー部の後端の近傍に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端よりも後方に、且つ、前記成形空間の幅方向略中央に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端と対峙するように延びて、設けられている、
ことを特徴とする、歯間ブラシの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯間の清掃に使用される歯間ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般の歯間ブラシは、樹脂材料で構成されたハンドル部と、ハンドル部の前端に接合されたブラシ部と、を備えている。ブラシ部は、ワイヤー部と、ワイヤー部の前部に設けられた毛束部と、を有している。そして、ブラシ部は、ワイヤー部の後部がハンドル部の前端部に埋設されることによってハンドル部に接合されている。そのような歯間ブラシは、例えば、特許文献1、2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-313944号公報
【特許文献2】特開2018-068515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような歯間ブラシにおいては、ハンドル部とブラシ部とは、通常は、インサート成形によって接合されている。しかしながら、インサート成形においては、成形空間内に射出された溶融樹脂材料の流圧が、ワイヤー部の後端近傍に不規則に加わるために、ワイヤー部の後端が規定の位置からずれた状態のままで、樹脂が硬化してハンドル部が成形されることがある。その結果、ワイヤー部の後端がずれた状態の歯間ブラシが得られることとなる。そのような歯間ブラシには、次のような不具合がある。
【0005】
(1)ブラシ部とハンドル部とが十分な強度で接合されていない恐れがある。すなわち、歯間ブラシの耐久性が悪い。
【0006】
(2)ハンドル部が細い場合には、ワイヤー部の後端がハンドル部の外に突き出る恐れがある。そのような歯間ブラシは、使用者を傷付ける恐れがある。
【0007】
本発明は、ブラシ部とハンドル部とが十分な強度で接合されており、また、ワイヤー部が使用者を傷付けることがない、歯間ブラシを、提供すること、及び、そのような歯間ブラシを得ることができる製造方法を、提供すること、を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様は、
樹脂材料で構成されたハンドル部と、
前記ハンドル部の前端に接合されたブラシ部と、
を備えた歯間ブラシにおいて、
前記ブラシ部は、ワイヤー部と、前記ワイヤー部の前部に設けられた毛束部と、を有しており、前記ワイヤー部の後部が前記ハンドル部の前端部に埋設されることによって前記ハンドル部に接合されており、
前記ハンドル部は、埋設された前記ワイヤー部の前記後部の後端の近傍に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端よりも後方に、且つ、幅方向略中央に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端と対峙するように延びた、孔を、有している、
ことを特徴としている。
【0009】
本発明の第2態様は、
樹脂材料で構成されたハンドル部と、
ワイヤー部と前記ワイヤー部の前部に設けられた毛束部とを有しており、前記ハンドル部の前端に接合された、ブラシ部と、
を備えた歯間ブラシを、製造する方法において、
前記ブラシ部の前記ワイヤー部の後部を固定型と可動型とで成形空間内に保持した状態で、溶融樹脂材料を後方から前記成形空間に射出する、成形工程を、有しており、
前記成形工程で用いる前記固定型及び/又は前記可動型が、前記ハンドル部に孔を形成するためのピン部を有しており、前記ピン部は、前記成形空間に保持された状態の前記ワイヤー部の後端の近傍に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端よりも後方に、且つ、前記成形空間の幅方向略中央に、且つ、前記ワイヤー部の前記後端と対峙するように延びて、設けられている、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の歯間ブラシは、ワイヤー部の後端がハンドル部の規定の幅方向中央位置に維持されているので、高い耐久性及び高い安全性を有することができる。
【0011】
本発明の歯間ブラシの製造方法によれば、ワイヤー部の後端がハンドル部の規定の幅方向中央位置に維持された、歯間ブラシを、得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の歯間ブラシの平面図である。
【
図4】本実施形態の歯間ブラシの製造方法の一工程を示す縦断面図である。
【
図5】
図4の工程に続く工程を示す縦断面図である。
【
図6】
図5の工程に続く工程を示す縦断面図である。
【
図7】
図6の工程に続く工程を示す縦断面図である。
【
図8】
図6の可動成形金型のVIII矢視図である。
【
図9】成形工程における溶融樹脂材料の流れを示す横断面部分図である。
【
図10】貫通した孔の別の例を示す横断面部分図である。
【
図11】貫通した孔の更に別の例を示す横断面部分図である。
【
図12】別の例のピン部を含む成形金型を示す縦断面図である。
【
図14】別の例の型体を用いた、歯間ブラシの製造方法の、一工程を示す縦断面図である。
【
図16】別の例のピン部を含む型体を示す縦断面図である。
【
図18】別の例の孔を有する歯間ブラシの、
図3に相当する図である。
【
図19】更に別の例のピン部を含む成形金型を示す縦断面図である。
【
図21】更に別の例のピン部を含む型体を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態の歯間ブラシの平面図である。
図2は、
図1の歯間ブラシの平面断面図である。
図3は、
図1のIII矢視部分断面図である。歯間ブラシ10は、使用時に使用者が手で把持する部分であるハンドル部1と、歯間に挿し込んで歯間を清掃する部分であるブラシ部2と、を備えている。
【0014】
ハンドル部1は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂材料で構成されている。ブラシ部2は、ワイヤー部21と、ワイヤー部21の前部に設けられた毛束部22と、を有している。なお、ワイヤー部21の後部23は、毛束の無い部分である。ブラシ部2は、ワイヤー部21の後部23がハンドル部1の前部11に埋設されることによってハンドル部1の前端100に接合されている。ハンドル部1の前部11の前端部111は、細くなっている。
【0015】
そして、ハンドル部1は、貫通した孔3を有している。孔3は、ハンドル部1を厚さ方向Tに(すなわち上下方向に)貫通している。孔3は、埋設されたワイヤー部21の後部23の後端231の近傍に、且つ、ワイヤー部21の後端231よりも後方に、且つ、ハンドル部1の幅方向Wの中央に、且つ、ワイヤー部21の後端231と対峙するように延びて、形成されている。
【0016】
孔3の平面視形状すなわち横断面形状は、後方に向けて突出した凸形である。この凸形は、更には、前後方向の中心線O-O(
図1)を基準として幅方向両側に均等な形状であるのが、好ましい。本実施形態では、この凸形は、
図1に示されるような半円形である。孔3は、円弧部301側が後方に向いている。
【0017】
次に、本実施形態の歯間ブラシ10の製造方法について、説明する。
【0018】
(1)まず、ブラシ部2を作製する。
(1-1)ステンレス、コバルトなどの1本の金属ワイヤーを2つ折りにして、重ね合わせる。
(1-2)重ね合わされた金属ワイヤーの、折り返し側の部分の間に、ナイロンなどの毛を挟み込む。すなわち、重ね合わされた金属ワイヤーの、折り返しとは反対側の部分には、毛を挟み込まない。
(1-3)そして、重ね合わされている金属ワイヤーを、捻る。これにより、ブラシ部2が得られる。
【0019】
(2)次に、
図4に示されるように、ブラシ部2を固定保持型41に配置する。そして、固定保持型41に可動保持型42を合わせる。これにより、
図5に示されるように、ブラシ部2を保持した保持型40を構成する。なお、ワイヤー部21の、毛束の無い部分すなわち後部23は、保持型40から出ている。
【0020】
(3)そして、成形工程を実施する。すなわち、ブラシ部2をハンドル部1に接合すると同時にハンドル部1を作製する。これは、インサート成形によって行う。
【0021】
(3-1)
図6に示されるように、ワイヤー部21の後部23が固定成形金型51内に配置されるように、保持型40を固定成形金型51に当接させる。そして、可動成形金型52を固定成形金型51に合わせる。これにより、
図7に示されるように、閉じた成形金型50を構成する。
【0022】
なお、可動成形金型52は、ハンドル部1に貫通した孔3を形成するためのピン部53を有している。
図8は、
図6の可動成形金型52のVIII矢視図である。ピン部53は、固定成形金型51内に(すなわち成形空間500内に)配置されたワイヤー部21の後部23の後端231の近傍に、且つ、ワイヤー部21の後端231よりも後方に、且つ、幅方向Wの中央に、且つ、ワイヤー部21の後端231と対峙するように延びて、設けられている。ピン部53の横断面形状は、孔3の横断面形状と同じであり、後方に向けて突出した凸形である。ここでは、ピン部53の横断面形状は、
図1の孔3と同じ半円形である。ピン部53は、円弧部531側が後方に向いている。
【0023】
ワイヤー部21の後端231とピン部53の面部532との間の距離L(
図7)は、1mm程度が好ましい。また、ピン部53の幅方向寸法W1は、成形空間500の幅方向寸法W0の、30~50%が好ましい。例えば、幅方向寸法W0が4mmの場合、ピン部53の幅方向寸法W1は1.3mmが好ましい。なお、成形空間500は、固定成形金型51の成形空間501と可動成形金型52の成形空間502とからなっており、成形空間500の幅方向寸法W0は、成形空間501、502の幅方向寸法と同じである。
【0024】
(3-2)溶融した、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂材料、すなわち、溶融樹脂材料を、成形金型50のゲート部510から成形空間500内に射出する。
【0025】
(3-3)射出終了後、樹脂材料が硬化するまで、成形金型50を冷却する。
【0026】
(3-4)保持型40及び成形金型50を開き、成形品を取り出し、ゲート部510に起因して成形品の後端に残っている硬化樹脂を、除去する。これにより、本実施形態の歯間ブラシ10が得られる。
【0027】
なお、一般に、成形作業は、固定型に可動型を合わせて行われるが、本実施形態において、固定保持型41及び固定成形金型51は、それぞれ、固定型の一部であり、可動保持型42及び可動成形金型52は、それぞれ、可動型の一部である。
【0028】
上記製造方法においては、成形空間500内に射出された溶融樹脂材料は、
図9の矢印に示されるように、ピン部53の円弧部531に当たって左右(すなわち幅方向両側)に均等に分かれながら、前方へ流れて行き、ワイヤー部21の後端231近傍に対して、幅方向両側から均等に衝突する。すなわち、成形工程において、ワイヤー部21の後端231近傍は、溶融樹脂材料の流圧を幅方向両側から均等に受ける。したがって、成形工程の際に、ワイヤー部21の後端231が規定の幅方向中央位置からずれることはない。
【0029】
したがって、上記製造方法によれば、ワイヤー部21の後端231がハンドル部1の規定の幅方向中央位置に維持された、歯間ブラシ10を、得ることができる。
【0030】
そして、上記構成の歯間ブラシ10は、ワイヤー部21の後端231がハンドル部1の規定の幅方向中央位置に維持されているので、次のような作用効果を発揮できる。
【0031】
(a)ブラシ部2とハンドル部1とが十分な強度で接合されている。よって、高い耐久性を有することができる。
【0032】
(b)ハンドル部1が細い場合であっても、ワイヤー部21の後端231がハンドル部1の外に突き出していない。よって、ワイヤー部21が使用者を傷付けることがない。すなわち、高い安全性を有することができる。
【0033】
(実施例)
上記製造方法によって得られた歯間ブラシ10のハンドル部1を、ワイヤー部21の後端231が露出するまで、孔3の箇所から削り、後端231の位置を確認したところ、後端231は、ハンドル部1の幅方向中央に位置していた。
【0034】
(比較例)
ピン部53の無い成形金型50を用い、その他は上記製造方法と同様に実施して、歯間ブラシを得た。そして、ハンドル部を削ってワイヤー部の後端の位置を確認したところ、後端は、ハンドル部の幅方向外側に偏って位置していた。
【0035】
[変形構成]
(1)孔3の横断面形状は、上記実施形態の半円形に限るものではなく、後方に向けて突出した凸形であれば他の形状でもよい。更に、孔3の横断面形状は、前後方向の中心線O-Oを基準として幅方向両側に均等な形状であるのが、好ましい。例えば、次の形状でもよい。なお、ピン部53の横断面形状も、孔3の横断面形状と同じである。
【0036】
(1-1)
図10に示されるような二等辺三角形でもよい。
図10では、孔3の頂点302が後方に向いている。また、
図10の孔3は、前後方向の中心線O-Oを基準として幅方向両側に均等な形状を、有している。
図10の孔3を形成するためのピン部53の横断面形状は、
図10の二等辺三角形と同じである。
【0037】
(1-2)
図11に示されるようなハート形でもよい。
図11では、孔3の基点303が後方に向いている。また、
図11の孔3は、前後方向の中心線O-Oを基準として幅方向両側に均等な形状を、有している。
図11の孔3を形成するためのピン部53の横断面形状は、
図11のハート形と同じである。
【0038】
(2)ピン部53は、可動成形金型52ではなく、固定成形金型51に設けてもよい。
【0039】
(3)ピン部53は、可動成形金型52と固定成形金型51とに、分割して設けてもよい。この場合は、
図12に示されるよう、固定成形金型51と可動成形金型52とを合わせたときに、固定成形金型51に設けられたピン部分535と可動成形金型52に設けられたピン部分536とが一体的に連続して、ピン部53を構成するようになっている。
図13は、
図12のXIII矢視図である。
【0040】
(4)ハンドル部1における孔3の幅方向の位置、及び、ピン部53の幅方向の位置は、厳密な中央でなくてもよく、略中央でもよい。
【0041】
(5)上記実施形態の製造方法では、保持型40と成形金型50とが別体である型体を用いているが、本発明の製造方法は、保持型40と成形金型50とが一体である型体を用いてもよい。具体的には、
図14に示されるような型体60を用いることができる。型体60は、
図7に示される固定保持型41と固定成形金型51とが一体となった固定型61と、
図7に示される可動保持型42と可動成形金型52とが一体となった可動型62とからなっており、その他は、
図7に示される型体と同じである。
図15は、可動型62のXV矢視図である。ピン部53は、可動型62に設けられているが、固定型61に設けてもよい。型体60を用いた場合には、ブラシ部2を固定型61に配置した後に、可動型62を固定型61に合わせるだけでよいので、成形工程の準備作業効率を向上できる。
【0042】
更に、ピン部53は、固定型61と可動型62とに、分割して設けてもよい。この場合は、
図16に示されるよう、固定型61と可動型62とを合わせたときに、固定型61に設けられたピン部分535と可動型62に設けられたピン部分536とが一体的に連続して、ピン部53を構成するようになっている。
図17は、
図16のXVII矢視図である。
【0043】
(6)孔3は、
図18に示されるように、ハンドル部1を貫通していなくてもよい。すなわち、非貫通の孔30でもよい。但し、非貫通の孔30は、貫通した孔3の場合と同じく、埋設されたワイヤー部21の後部23の後端231の近傍に、且つ、ワイヤー部21の後端231よりも後方に、且つ、ハンドル部1の幅方向Wの中央に、且つ、ワイヤー部21の後端231と対峙するように延びて、形成されている。孔30は、ワイヤー部21の後端231と対峙している。このような孔30は、
図19に示されるように、可動成形金型52に設けられたピン部530によって形成できる。ピン部530は、成形型50を構成した時に固定成形金型51の内面511に届かない長さを、有しているが、ピン部53と同じく、成形空間500内に配置されたワイヤー部21の後部23の後端231の近傍に、且つ、ワイヤー部21の後端231よりも後方に、且つ、幅方向Wの中央に、且つ、ワイヤー部21の後端231と対峙するように延びて、設けられている。
図20は、
図19のXX矢視図である。
【0044】
なお、ピン部530は、固定成形金型51に設けてもよい。
【0045】
また、ピン部530は、
図21に示されるように、成形型50ではなく、型体60の可動型62に設けてもよい。
図22は、
図21のXXII矢視図である。なお、ピン部530は、型体60の固定型61に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の歯間ブラシは、高い耐久性及び高い安全性を有するので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0047】
1 ハンドル部
2 ブラシ部
21 ワイヤー部
22 毛束部
23 (ワイヤー部の)後部
231 (ワイヤー部の)後端
3、30 孔
10 歯間ブラシ
51 固定成形金型
52 可動成形金型
61 固定型
62 可動型
100 (ハンドル部の)前端
500 成形空間