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特開2023-27906照明器具取付装置、並びにこれを備えた家具又はブース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027906
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】照明器具取付装置、並びにこれを備えた家具又はブース
(51)【国際特許分類】
   A47B 17/00 20060101AFI20230224BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20230224BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20230224BHJP
   F21V 21/096 20060101ALI20230224BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A47B17/00 B
A47B13/00 Z
A47B17/04
F21V21/096
F21V33/00 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133262
(22)【出願日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 駿
(72)【発明者】
【氏名】西田 大
(72)【発明者】
【氏名】小倉 広漢
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 真生
【テーマコード(参考)】
3B053
3K014
【Fターム(参考)】
3B053NQ07
3B053NQ08
3B053SB01
3K014PA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】照明器具の光の当たり具合を簡単かつ適切に調整できるようにした照明器具取付装置を提供する。
【解決手段】照明器具7を取り付けるための取付ベース51を備え、取付ベース51は照明器具取付け部51aと、照明器具7の発光部71を直接視認できないようにする前壁部と、照明装置7の照明光を下方に照射可能とするために下方に向く導光部とを有し、照明器具取付け部51aの奥行寸法D1または幅寸法W1は照明器具7の奥行寸法D2または幅寸法W2よりも大きく、照明器具取付け部51aの範囲内で照明器具7の取付位置が前後又は左右に移動可能とされている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具を取り付けるための取付ベースを備え、
当該取付ベースは照明器具取付け部と、照明器具の発光部を直接視認できないようにする前壁部と、照明装置の照明光を下方に照射可能とするために下方に向く導光部とを有し、
前記照明器具取付け部の奥行寸法または幅寸法は前記照明器具の奥行寸法または幅寸法よりも大きく、前記照明器具取付け部の範囲内で前記照明器具の取付位置が前後又は左右に移動可能である、ことを特徴とする照明器具取付装置。
【請求項2】
取付ベースは立面や水平面に沿って配置される、請求項1に記載の照明器具取付装置。
【請求項3】
前記前壁部の下縁部は、前壁部と直交する水平方向から見て前方から奥方に向かって斜め下方に傾斜している、請求項1又は2に記載の照明器具取付装置。
【請求項4】
前記照明器具取付け部と前記照明器具は、磁石によって吸着する、請求項1~3の何れかに記載の照明器具取付装置。
【請求項5】
取付ベースは、家具の一部に取り付けられる、請求項1~4の何れかに記載の照明器具取付装置。
【請求項6】
前記家具は、内側に居住空間を形成するブースであり、前記取付ベースがブース内に着座した利用者から見て正面パネルに沿って配置される、請求項3に記載の照明器具取付装置。
【請求項7】
前記取付ベースが、左右の側面パネルに密接又は近接させて配置される、請求項6に記載の照明器具取付装置。
【請求項8】
請求項5に記載の照明器具取付装置を備えたことを特徴とする家具。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の照明器具取付装置を備えたことを特徴とするブース。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具の光の当たり具合を簡単且つ適切に調整できるようにした、照明器具取付装置、並びにこれを備えた家具又はブースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デスク等において使用する照明器具の取付装置として、例えば特許文献1に示すデスクに付帯するものが知られている。
【0003】
この照明器具取付装置は、デスク上に配置された書架を利用して照明器具を取り付けるようにしたもので、書架の上後板の中央部前面に連結ネジによって支柱が固定され、この支柱に照明器具を取り付けるようにしている。
【0004】
同文献では、照明装置を書架から取り外して机上面で単独で使用する場合についても記載されており、この場合には、支柱の下端に連結させて照明装置を机上面に立設させる連結用支柱として転用可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-034890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同文献の照明器具取付装置は、一旦照明器具を取り付けた後は、照明器具の向きを変えられない。このため、例えばPCで作業をするとき等に目線が低くなると、光が直接目に入って眩しく、作業がし難い状態になるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、照明器具の光の当たり具合を簡単かつ適切に調整できるようにした、照明器具取付装置並びにこれを備えた家具又はブースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明の照明器具取付装置は、照明器具を取り付けるための取付ベースを備え、当該取付ベースは照明器具取付け部と、照明器具の発光部を直接視認できないようにする前壁部と、照明装置の照明光を下方に照射可能とするために下方に向く導光部とを有し、照明器具取付け部の奥行寸法または幅寸法は照明器具の奥行寸法または幅寸法よりも大きく、照明器具取付け部の範囲内で照明器具の取付位置が前後又は左右に移動可能である、ことを特徴とする。
【0010】
このように構成すれば、照明器具の取付位置を移動させることで、前壁部による照明光の遮られ方が変化するため、利用者の好みに合わせた調整を行うことができる。また、首振り式の電気スタンドのように大きな動作空間を必要としないため、限られた場所に有効に設置することができる。
【0011】
本発明は、取付ベースが立面や水平面に沿って配置される場合に特に有効となる。
【0012】
照明光を的確に遮るためには、前壁部の下縁部は、前壁部と直交する水平方向から見て前方から奥方に向かって斜め下方に傾斜していることが望ましい。
【0013】
取付位置を自由に移動可能とするためには、照明器具取付部と照明器具が磁石によって吸着する構成とすることが望ましい。
【0014】
本発明の取付ベースは家具の一部に取り付ける場合に有効となる。
【0015】
その場合の家具は、内側に居住空間を形成するブースであり、取付ベースがブース内に着座した利用者から見て正面パネルに沿って配置されることが好適である。
【0016】
特に取付ベースは、左右の側面パネルに密接又は近接させて配置される場合に効果的である。
【0017】
本発明は、以上のような構成であるから、この照明器具取付装置を備えた家具、とりわけブースは極めて使い勝手の良いものになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上説明した構成であるから、照明器具の光の当たり具合を簡単かつ適切に調整でき、特に限られたスペースに照明器具を取り付ける際に効果的な、照明器具取付装置並びにこれを備えた家具又はブースを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態におけるブースユニットに使用する第1のブース1の斜視図。
図2図1の分解斜視図。
図3】第1のブースの平面図。
図4】同底面図。
図5】本実施形態におけるブースユニットに使用する第2のブース2の斜視図。
図6】第2のブースの平面図。
図7】同底面図。
図8】第1のブースと第2のブースを組み合わせて構成されるブースユニットの一例を示す図。
図9】同ブースに適用する照明器具取付装置を照明器具等と共に示す斜視図。
図10】照明器具取付装置に照明器具を取付けた状態を示す斜め下方斜視図。
図11】照明器具取付装置による照明の調節機能を示す図。
図12】照明器具取付装置による照明の調節機能を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本実施形態におけるブースユニットに使用する第1のブース1の斜視図、図2図1の分解斜視図、図3は第1のブースの平面図、図4は同底面図である。図5は本実施形態におけるブースユニットに使用する第2のブース2の斜視図、図6は第2のブースの平面図、図7は同底面図である。図8は第1のブースと第2のブースを組み合わせて構成されるブースユニットの一例を示す図である。
【0022】
第1のブース1及び第2のブース2は、単独使用できるほか、図8(a)~(b)に示すように第1のブース1に第2のブース2を隣接配置して使用すること等も可能とされている。
【0023】
図1図4に示す第1のブース1は、対向して配置される一対の側面パネル11、12と、これらの側面パネル11、12の一端部11a、12a間に接続される正面パネル13とを含むブース本体パネル10を主体とし、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。側面パネル11、12の他端部11b、12b間は、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OP1とされる。
【0024】
側面パネル11、12及び正面パネル13を構成するパネル体11P、12P、13Pは、ペーパーハニカム等の軽量芯材の両面に面材を貼り合わせたものを張地で覆うことによって構成される。正面パネル13は縦長矩形状をなす。側面パネル11、12は、正面パネル13側の一端部11a、12aが鉛直に延びるのに対して、開口OP1側の他端部11b、12bは、略鉛直に延びる上端部11b1、12b1と、この上端部11b1、12b1の下に連なり床に向かうにつれて正面パネル13に近づくように傾斜する傾斜端部11b2、12b2とを含んで構成される矩形に近い形状をなす。
【0025】
正面パネル13及び側面パネル11、12は同一高さに寸法に設定され、一対の側面パネル11、12は同一形状に設定されている。厚み寸法は正面パネル13、側面パネル11、12ともに同一である。
【0026】
正面パネル13と側面パネル11、12の突き合わせコーナー部分の上端部13c-11c間、13c-12c間は、簡易連結手段として平面視L字状の連結具101をボルト101aで止着することによって連結される。正面パネル13と側面パネル11、12の突き合わせコーナー部分の下端部13d-11d間、13d-12d間は、簡易連結手段として底面視L字状の連結具102をボルト102aで止着することによって連結される。正面パネル13の下端部13dにおける左右2箇所、及び、側面パネル11、12の下端部11d、12dにおける前後2箇所には、接地部材として接地高さを調整するアジャスタ103が取り付けられている。
【0027】
第1のブース1には、正面パネル13及び一対の側面パネル11、12を含むブース本体パネル10の内側のパネル面10xに沿って天板14が配置される。天板14の取り付けのために、図4に示すように、正面パネル13と一方の側面パネル11を接続する位置に第1のブラケット141を備え、正面パネル13と他方の側面パネル12を接続する位置に第2のブラケット142を備えるとともに、天板14の使用端14bに近い位置に側面パネル12に接続された第3のブラケット143を備えている。そして、利用者から見て天板14の奥端部14a側のコーナー部14a1、14a2を第1、第2のブラケット141、142に支持させ、天板14の使用端部14b側のコーナー部14b1、14b2を第3のブラケット144、144に支持させた状態で、下面からボルト止めしている。
【0028】
第1のブラケット141は、矩形状の平板141aの2辺に立面141b、141cを有したもので、その立面141b、141cが正面パネル13と側面パネル11、12のパネル面に設けたインサートナットにボルトを用いて締結されている(不図示)。
【0029】
第2のブラケット142は、矩形状の平板142aの2辺に立面142b、142cを有したもので、その立面142b、142cが正面パネル13と側面パネル11、12のパネル面に設けたインサートナットにボルトを用いて締結されている(不図示)。
【0030】
第3のブラケット143は、矩形状の平板143aの1辺に立面143bを有したもので、その立面143bが側面パネル11、12のパネル面に設けたインサートナットにボルトを用いて締結されている(不図示)。
【0031】
このように正面パネル13及び一対の側面パネル11、12に天板14を連結することによって、ブース1の強度が確保されている。
【0032】
なお、天板14の取付状態で、その奥端部14aと正面パネル13の内側のパネル面との間には隙間Δ1が設けてあり、第1、第2のブラケット141、142の平板141a、142aのコーナー部には鉛直方向に貫通する貫通孔141d、142dが設けてある。
【0033】
一方、図5図7に示す第2のブース2は、1つの側面パネル21と、この側面パネル21の一端部21aに接続される正面パネル23とを含むブース本体パネル20を主体する。側面パネル21と対向する側には側面パネルが設けられておらず開放部22とされている。この開放部22の下方には天板24を支持する天板脚としての脚パネル240が配置される。第2のブース2は、正面パネル23、側面パネル21及び脚パネル240がコ字型に接続されることによって自立可能とされている。
【0034】
この開放部22は、例えば図5及び図8(a)、(b)で示すように第1のブース1の側面パネル11に閉止され、或いは図8(c)に示すように壁Wに閉止されることによって、平面視コ字型のブース内部空間S2を形成し、居住空間とすることができる。第2のブース2の開放部22は、他の第2のブース2の側面パネル21によって閉止することによってもブース内空間S2が形成される。
【0035】
側面パネル21の他端部21bと第1のブース1の側面パネル11の他端部11bとの間(或いは側面パネル21の他端部21bと壁Wとの間、或いは側面パネル21の他端部21bと他の第2ブース2の側面パネル21の他端部21bとの間)は、ブース内空間Sに利用者が出入りするための開口OP2とすることができる。
【0036】
正面パネル23、側面パネル21及び脚パネル240を構成するパネル体23P、21P、240Pは、ペーパーハニカム等の軽量芯材の両面に面材を貼り合わせたものを張地で覆うことによって構成される。正面パネル23は縦長矩形状をなしている。側面パネル21は、正面パネル23側の一端部21aが略鉛直に延びるのに対して、他端部21bは、略鉛直に延びる上端部21b1と、この上端部21bの下に連なり床に向かうにつれて正面パネル21に近づくように傾斜する傾斜端部21b2とを含んで構成される矩形に近い形状をなしている。
【0037】
正面パネル23及び側面パネル21は同一高さに寸法に設定されている。脚パネル240の前方寸法は側面パネル21の前後寸法よりも小さく設定される。厚み寸法は正面パネル23、側面パネル21、脚パネル240とも同一である。
【0038】
正面パネル23と側面パネル21の突き合わせコーナー部分の上端部23c-21c間は、簡易連結手段として平面視L字状の連結具201をボルト201aで止着することによって連結される。正面パネル23と側面パネル21の突き合わせコーナー部分の下端部23d-21d間、及び、正面パネル23と脚パネル240の突き合わせコーナー部分の下端部23d-240d間は、簡易連結手段として底面視L字状の連結具202をボルト202aで止着することによって連結される。正面パネル23の下端部23dにおける左右2箇所、側面パネル21の下端部21dにおける前後2箇所、脚パネル240の下端部240dにおける前後2箇所には、接地部材として接地高さを調整するアジャスタ203が取り付けられている。
【0039】
第2のブース2には、正面パネル23及び1つの側面パネル21を含むブース本体パネル20の内側のパネル面20xに沿って天板24が配置される。脚パネル240は、外面240sを天板24の側端面24sに合致させて天板下面に配置される。天板取り付けのために、正面パネル23と側面パネル21を接続する位置に第1のブラケット241を備え、正面パネル23と脚パネル240を接続する位置に第2のブラケット242を備えるとともに、天板24の使用端24bに近い位置に側面パネル21及び脚パネル240に接続された第3のブラケット143を備えている。そして、利用者から見て天板24の奥端部24a側のコーナー部24a1、24a2を第1、第2のブラケット241、242に支持させ、天板24の使用端部24b側のコーナー部24b1、24b2を側面パネル21と脚パネル240に接続した第3のブラケット143、143に支持させた状態で、下面からボルト止めしている。
【0040】
第1のブラケット241は、矩形状の平板241aの2辺に立面241b、241cを有したもので、その立面241b、241cが正面パネル23と側面パネル21のパネル面に設けたインサートナットにボルトを用いて締結されている(不図示)。
【0041】
第2のブラケット242は、矩形状の平板142aの2辺に立面242b、242cを有したもので、その立面242b、242cが正面パネル23と脚パネル240のパネル面に設けたインサートナットにボルトを用いて締結されている(不図示)。
【0042】
第3のブラケット243は、矩形状の平板243aの1辺に立面243bを有したもので、その立面243bが側面パネル21のパネル面に設けたインサートナットにボルトを用いて締結されている(不図示)。
【0043】
このように正面パネル23、側面パネル21及び脚パネル240を連結することによって、ブース2の強度が確保されている。
【0044】
なお、天板24の取付状態で、その奥端部24aと正面パネル23の内側のパネル面との間には隙間Δ2が設けてあり、第1、第2のブラケット241、242の平板241a、242aのコーナー部には鉛直方向に貫通する貫通孔241d、242dが設けてある。
【0045】
第1のブース1の正面パネル13と第2のブース2の正面パネル23のパネル体13P、23Pには共通のパネル体が用いてあり、第1のブース1の側面パネル11、12と第2のブース2の側面パネル11のパネル体11P、12P、21Pにも共通のパネル体が用いてある。第1のブース1の天板14と第2のブース2の天板24にも共通の面板が用いてある。第1のブース1に用いられている第1、第2のブラケット141、142と第2のブース2に用いられている第1、第2のブラケット241、242は共通のものである。第1のブース1に用いられている第3ブラケット143と第2のブース2に用いられている第3ブラケット243も共通のものである。
【0046】
第1、第2のブース1、2には、必要に応じて背面パネル3が取り付け可能とされている。例えば。図1に示す第1のブース1では、背面パネル3は、側面パネル21のうち正面パネル13に接続される一端部11aと反対側の他端部11bから正面パネル13と相対する位置に向かって延びる位置に取り付けられる。
【0047】
背面パネル3は、ブース内空間S1への出入口となる開口OP1を一部閉塞することで、ブース内空間S1を利用する利用者の背面からの視線を遮断する。背面パネル3を構成するパネル体3Pは、概略矩形板状のもので、ペーパーハニカム等の軽量芯材の両面に面材を貼り合わせたものを張地で覆うことによって構成される。
【0048】
背面パネル3は、一側縁3aを取付具31を介して一方の側面パネル11の他端部11bに鉛直姿勢で取り付けられる。平面視において背面パネル3は、当該他端部11bから他方の側面パネル12に向かうにつれて正面パネル13から離れる方向に傾斜した状態で取り付けられる。背面パネル3の高さ寸法は、側面パネル11の他端部11bの上端部11b1の長さに対応するもので、下端部3bは床面から上方に離間した位置に配置され、背面パネル3の下方は開放部OP1の開放状態がそのまま維持される。この実施形態で下端部3bの位置は、側面パネル11の高さ方向の中央よりもやや上の位置に設定されている。この位置は、天板面よりもやや高く、したがって椅子の出し入れ時に少なくとも座が背面パネル3と緩衝しない高さ関係にある。背面パネル3は、図3に想像線で示すように、一側縁3aを他方の側面パネル12の他端部12b側に同じ取付具31を介して付け替えることもできるようにされている。
【0049】
図5に示す第2のブース2においても、背面パネル3は同じ取付具31を用いて同じ状態で側面パネル21への取り付けが可能とされている。
【0050】
なお、本実施形態のブースユニットを構成する第1、第2のブース1、2には、ブース内空間S1、S2での執務や作業の便に資するために、オプション部材として、共通の携帯端末の立て掛け部4や、照明器具取付装置5等が設けられている。携帯端末の立て掛け部4や照明器具取付装置5は、それぞれ取付具104、105を介して正面パネル13、23に取り付けられ、側面パネル11、12、21、或いは脚パネル240に依存しない取付状態となっている。符号6で示すものはオプション部材たるカップホルダであり、ブラケット143、243を天板14、24に止着する際に共締めされる。
【0051】
図において各パネルにはインサートナットを示す孔が記載されているが、この孔は張地で覆われており、ボルト使用時に張地を貫通させることによってインサートナットへの締結が行われる。天板14、24の下面の孔は当初より開いている。
【0052】
照明器具取付装置5については、ブース内空間S1、S2という限られたスペースにおいて照明を適切に調節できることが望まれる。そこで、本実施形態は図9及び図10等に示す取付ベース51を採用し、この取付ベース51に照明器具7を取り付ける際の取付位置を変更可能とすることで、照明器具7の光の当たり具合を簡単且つ適切に調節できるようにしている。
【0053】
この取付ベース51は、照明器具取付け部51aと、照明器具7の発光部71を直接視認できないようにする前壁部51bと、照明装置7の照明光を下方に照射可能とするために下方に向く導光部51cとを有している。
【0054】
取付ベース51は、板金素材を塑性変形加工したもので、頂壁部51dの下面を照明器具取付け部51aとしている。頂壁部51dの前後縁には、それぞれ前壁部51b及び後壁部51eが連なるように形成されている。後壁部51eはほぼ鉛直に垂下している。前壁部51bは、後壁部51eとともにほぼ垂直に同寸法だけ垂下する垂下部51b1と、この垂下部51b1の下方に連なる下縁部51b2とを有している。下縁部51b2は、前壁部51bの垂下部51b1と直交する水平方向(矢視A方向)から見て前方から奥方に向かって斜め下方に傾斜している。
【0055】
前壁部51bは板金であって光を通さないため、照明装置7から出る光を遮断する役割をなしている。
【0056】
導光部51cは、前壁部51bの下縁部51b2の下端51b2xから後壁部51eの下端51exまでの開放部すなわち空隙よりなっている。勿論、導光部51cは光を通すことができればガラスやアクリル板などによる透明部又は半透明部としても構わない。
【0057】
一方、照明器具7は、直方体状のケース72と、このケース72内に配置され発光面71aをケース72の下面72aに略面一に連ねて配置した前記発光部71とを備える。
【0058】
ケース72の上面には磁石73が取り付けられており、この磁石73が取付ベース51の頂壁部51dの下面に位置する照明器具取付け部51aに吸着することで、照明器具7が照明器具取付装置5の取付ベース51に取り付けられる。
【0059】
前壁部51bの鉛直部51b1の高さ寸法H11、及び後壁部51eの高さ寸法H12は、照明器具7の厚み寸法H2以上であり、前壁部51bの下縁部51b2は照明器具7の発光部71の発光面71aよりも低い位置にある。
【0060】
頂壁部51dの下面に設定された照明器具取付け部51aの奥行寸法D1または幅寸法W1は、照明器具7の奥行寸法D2または幅寸法W2よりも大きく、本実施形態では略2倍程度であり、照明器具取付け部51aの範囲内で照明器具7の取付位置が前後又は左右に移動可能とされる。
【0061】
幅寸法W1については、図2に示した第1のブース(コ型ブース)1においては左右の側面パネル11、12の内法寸法にほぼ等しく、図5に示した第2のブース(L型ブース)2においては、開放部22を第1のブース(コ型ブース)1の側面パネル11で閉止したときの左右の側面パネル21、11の内法寸法にほぼ等しい。照明器具取付装置5は正面パネル13、23に付帯して取り付けられるため、レイアウト変更の際に照明器具取付装置5を取り外す必要がない。
【0062】
照明器具7は、発光部71の隣にON/OFFスイッチ75を備えており、その近傍から配線74が引き出されている。
【0063】
取付ベース51は、後壁部51eを貫通した取付具たるねじ105´によって正面パネル13、23にねじ止めされる。その際、ダクト105が鉛直方向に延びる状態で取付ベース51の幅寸法内に配置され、取付ベース51と共にねじ105´によって正面パネル13、23に取付けられる。照明器具7の配線74はこのダクト105内に収容される。
【0064】
照明器具7は、照明器具取付け部51aの範囲内で取付位置が前後又は左右に移動可能とされる。
【0065】
例えば、図11(a)は照明装置7を照明装置取付け部51aの奥行に移動させた場合を示している。この場合の照明装置7による直接的な照明範囲の上端を示す線L1は、前壁部51b(特に下縁部51b2)が無かったとした場合の照明範囲の上端を示す線L2に対して、着座した利用者Uの目に照明装置7の光が直接入らない程度に下がっている。
【0066】
このとき、例えば携帯端末の立て掛け部4にスマートフォンMを置いてWEB会議を行えば、比較的顔に近い位置まで照明光が当たるため、机上の反射光L3も手伝って、WEB会議で自分の顔を相手方に視認させ易くなる。
【0067】
また、図11(b)は照明装置7を照明装置取付け部51aの前方に移動させた場合を示している。この場合の照明装置7による直接的な照明範囲の上端を示す線L4は、前壁部51b(特に下縁部51b2)が無かったとした場合の照明範囲の上端を示す線L5に対して、着座した利用者Uの目に照明装置7の光が直接入らないだけでなく、前壁部51b(特に下縁51b2)による遮光範囲が増えて利用者Uの手元に照明光が集中する程度にまで下がっている。
【0068】
このとき、机上のPC作業を行えば、キーボードや周辺の資料が適切に照らされるため、作業が行い易くなる。
【0069】
さらに、図12(a)は照明装置7を照明装置取付部51aの幅方向中央部に配置した例であり、幅方向中央が照らされるため、天板14(24)の中央に着座した利用者UがPC作業等を行い易くなる。
【0070】
一方、図12(b)は照明装置7を照明装置取付部51aの幅方向左端に配置した例であり、左端が照明器具7によって重点的に照らされるため、携帯端末の立て掛け部4に配置したスマートフォンMに向かって着座した利用者UがWEB会議を行い易くなる。
【0071】
以上のように、本実施形態の照明器具取付装置5は、照明器具7を取り付けるための取付ベース51を備え、取付ベース51は照明器具取付け部51aと、照明器具7の発光部71を直接視認できないようにする前壁部51bと、照明装置7の照明光を下方に照射可能とするために下方に向く導光部51cとを有し、照明器具取付け部51aの奥行寸法D1または幅寸法W1は照明器具7の奥行寸法D2または幅寸法W2よりも大きく、照明器具取付け部51aの範囲内で照明器具7の取付位置が前後又は左右に移動可能とされたものである。
【0072】
このように、照明器具7の取付位置を移動させることで、前壁部51bによる照明光の遮られ方が変化するため、利用者Uの好みに合わせた調整を行うことができる。また、首振り式の電気スタンドのように大きな動作空間を必要としないため、限られた場所に照明器具7を有効に設置することができる。
【0073】
特に、取付ベース51は立面である正面パネル14(24)に沿って配置しているが、このように立面に近い位置に照明器具を配置する場合は照明器具の首振り等が難しいことに鑑みれば、上記の照明器具取付装置5は特に構造的に有利なものとなる。このような効果は、取付ベース51を水平面に沿って配置する場合も同様である。
【0074】
また、前壁部51bの下縁部51b2は、前壁部51bの垂下部51b1と直交する水平方向から見て前方から奥方に向かって斜め下方に傾斜しているため、照明光を的確に遮ることができる。
【0075】
また、照明器具取付け部51aと照明器具7は、磁石73によって吸着するように構成しているので、照明器具7の取付位置を自由に移動させることができる。
【0076】
また、取付ベース51は、立面や水平面に沿うだけなので、家具の一部を取付場所とし易いものとなる。
【0077】
特に本実施形態の家具は、内側に居住空間を形成するブース1、2であり、取付ベース51がブース1,2内に着座した利用者Uから見て正面パネル14(24)に沿って配置されるものであり、限られた空間であっても照明器具7による照明光を適切に調節することができる。
【0078】
加えて取付ベース51が、左右の側面パネル11、12(21,11)に密接又は近接させて配置されるものであり、更に限られた取付状態にあっても照明器具7による照明光を適切に調節することができる。
【0079】
そして、このような照明器具取付装置5を備えた家具であれば、簡単に照明調節機能を備えることができる。
【0080】
特に、本実施形態の家具はブース1、2であり、限られた空間で簡単且つ適切に照明調節機能を備えることができる。
【符号の説明】
【0081】
1、2…家具(ブース)
5…照明器具取付装置
7…照明器具
11、21、21…側面パネル
14、24…立面(正面パネル)
51…取付ベース
51a…照明器具取付け部
51b…前壁部
51b1…垂下部
51b2…下縁部
51c…導光部
73…磁石
D1…照明器具取付け部の奥行寸法
D2…照明器具の奥行寸法
W1…照明器具取付け部の幅寸法
W2…照明器具の幅寸法

図1
図2
図3
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図12