(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027934
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】棚装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/14 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
B65G1/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133307
(22)【出願日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】井ノ本 武
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022MM04
3F022MM11
3F022MM17
(57)【要約】
【課題】中間棚の広がりを容易に小さくできるようにすることを目的とする。
【解決手段】棚装置は、棚本体と、棚本体の上下方向中間位置に支持された中間棚50と、を備え、中間棚50は、第1棚52と、第2棚60とを有し、第2棚60は、第1棚52に対して水平方向に隣接する展開位置P1と、少なくとも一部が第1棚52に鉛直方向に重なる重ね合せ位置P2との間で、スライド移動可能に支持されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚本体と、
前記棚本体の上下方向中間位置に支持された中間棚と、
を備え、
前記中間棚は、第1棚と、第2棚とを有し、
前記第2棚は、前記第1棚に対して水平方向に隣接する展開位置と、少なくとも一部が前記第1棚に鉛直方向に重なる重ね合せ位置との間で、スライド移動可能に支持されている、棚装置。
【請求項2】
請求項1に記載の棚装置であって、
前記第2棚の両側部のそれぞれは、被ガイド部を有し、
前記第2棚の両側部の被ガイド部を案内する一対の案内部材を備え、
前記一対の案内部材のそれぞれは、前記第1棚に対して水平方向延長上で前記被ガイド部を支持する第1支持部と、前記第1棚に対して上又は下にずれた位置で前記被ガイド部を支持する第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部との間で水平方向に対して傾斜するように延在する傾斜部とを含むレールを有する、棚装置。
【請求項3】
請求項2に記載の棚装置であって、
前記被ガイド部は、後側被ガイド部と、前記展開位置において前記第1棚から前記後側被ガイド部よりも離れて位置する手前側被ガイド部とを有し、
前記一対の案内部材のそれぞれは、前記レールとして、前記後側被ガイド部を案内する後側レールと、前記第1棚から前記後側レールよりも離れた位置で前記手前側被ガイド部を案内する手前側レールとを有する、棚装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の棚装置であって、
前記案内部材は、前記第2棚のうちの後側部分と手前側部分とが異なるタイミングで上下変位するように、前記被ガイド部を案内する、棚装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の棚装置であって、
前記被ガイド部は、前記レール上を転動可能な転動体を有し、
前記レールに、前記第2棚が前記重ね合せ位置に位置する状態で、前記転動体が部分的に係合する係合部が形成されている、棚装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の棚装置であって、
前記第2棚は、その手前側部分において前記第2棚を移動させる際に指をかける指かけ部を有する、棚装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の棚装置であって、
前記棚本体は、前記第1棚に対して前記展開位置において前記第2棚が位置する側に物出入用開口を有する、棚装置。
【請求項8】
請求項7に記載の棚装置であって、
前記物出入用開口を開放させた状態と前記物出入用開口を閉じた状態とに切替え可能な脱落抑制部材をさらに備える棚装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の棚装置であって、
前記棚本体は、床面に対して移動可能に配置されている、棚装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の棚装置であって、
前記棚本体は、床面に載置された状態において無人搬送車の高さ以上の高さに固定受部を有する、棚装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、物を収納するための棚に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の運搬用のカゴ車では、棚板が取付軸によって背枠に対して回動可能に支持されている。特許文献1に開示の技術によると、棚板を上回動することによって、水平方向における棚板の広がりが小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術によると、棚板を大きく持上げる必要がある。このため、棚板を収納形態とする作業が面倒である。
【0005】
そこで、本開示は、中間棚の広がりを容易に小さくできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、棚装置は、棚本体と、前記棚本体の上下方向中間位置に支持された中間棚と、を備え、前記中間棚は、第1棚と、第2棚とを有し、前記第2棚は、前記第1棚に対して水平方向に隣接する展開位置と、少なくとも一部が前記第1棚に鉛直方向に重なる重ね合せ位置との間で、スライド移動可能に支持されている。
【発明の効果】
【0007】
この棚装置によると、第2棚をスライド移動させることで、第2棚が展開位置から重ね合せ位置に容易に移動する。このため、中間棚の広がりを容易に小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】脱落抑制部材の他側部及び前側縦フレームを示す正面図である。
【
図6】脱落抑制部材の他側部及び前側縦フレームを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
{実施形態}
<全体構成>
以下、実施形態に係る棚装置について説明する。
図1は棚装置20を示す正面図であり、
図2は棚装置20を示す側面図である。
【0010】
棚装置20は、物10を格納する装置である。棚装置20は、例えば、倉庫、工場において用いられてもよい。棚装置20は、物10を格納した状態で、移動可能であってもよい。
【0011】
棚装置20は、棚本体22と、中間棚50とを備える。棚本体22は、本棚装置20において各部を支える部分である。中間棚50は、棚本体22によって、当該棚本体22の上下方向中間位置に支持されている。中間棚50の支持高さは、床面16から上方に離れた位置である。
【0012】
中間棚50は第1棚52と第2棚60とを有する。第1棚52は、棚本体22によって一定位置に支持されている。第2棚60は棚本体22によって展開位置P1(
図2において点線で示される第2棚60参照)と重ね合せ位置P2(
図2において二点鎖線で示される第2棚60参照)との間でスライド移動可能に支持されている。
【0013】
展開位置P1においては、第2棚60は第1棚52に対して水平方向に隣接している。このため、第1棚52の上面と第2棚60の上面とによって、広い載置面が形成される。なお、展開位置P1において、第1棚52と第2棚60とは接していてもよいし、接していなくてもよい。
【0014】
重ね合せ位置P2においては、鉛直方向において第2棚60の少なくとも一部が第1棚52に重なる。このため、棚装置20内において、中間棚50によって上下に分断されず、上下に連続する格納空間が形成される。当該上下に連続する格納空間を利用して長尺な物10(
図2参照)を格納することができる。
【0015】
第2棚60を展開位置P1に位置させた状態は、広い載置面を利用して物を多数格納するのに適し、第2棚60を重ね合せ位置P2に位置させた状態は、長尺な物10を格納するのに適する。中間棚50の一例が後により具体的に説明される。
【0016】
棚本体22は、例えば、金属によって構成されており、複数の縦フレーム24、25と、複数の横フレーム28a、28b、29a、29b、29cとを有する。横フレーム28a、28b、29a、29b、29cが複数の縦フレーム24、25を連結した状態に保つことで、棚本体22が中間棚50を支持可能な枠状に保たれる。各要素の連結固定は、ネジ止、溶接、嵌込構造等によってなされる。
【0017】
本実施形態では、4つの縦フレーム24、25が平面視において方形の4つの頂点位置に配置される。縦フレーム24、25のうちの隣合う2つを前側縦フレーム24とし、他に隣合う2つを後側縦フレーム25とする。以下の説明において、便宜上、棚装置20、棚本体22等の説明に関しても、前側縦フレーム24側を前側、後側縦フレーム25側を後ろ側という場合がある。
【0018】
横フレーム28a、28bは、縦フレーム24、25の上端部同士を連結する。横フレーム28a、28bは、後側横フレーム28aと、一対の側横フレーム28bとを有している。後側横フレーム28aが2つの後側縦フレーム25の上端部を連結している。一対の側横フレーム28bは、2つの後側縦フレーム25のそれぞれの上端部を、他の前側縦フレーム24の上端部に連結している。本実施形態では、2つの前側縦フレーム24は連結されていないが、横フレームによって連結されていてもよい。
【0019】
横フレーム29a、29b、29cは、縦フレーム24、25のうち下端部に近い部分同士を連結する。横フレーム29a、29b、29cは、後側横フレーム29aと、一対の側横フレーム29bと、前側横フレーム29cを有している。後側横フレーム29aが2つの後側縦フレーム25の下端寄り部分を連結している。一対の側横フレーム29bは、2つの後側縦フレーム25のそれぞれの下端寄り部分を、他の前側縦フレーム24の下端寄り部分に連結している。前側横フレーム29cが2つの前側縦フレーム24の下端寄り部分を連結している。
【0020】
これにより、4つの縦フレーム24、25と、複数の横フレーム28a、28b、29a、29b、29cとが、直方体の辺の前部又は一部に沿って配置される枠状に組立てられる。
【0021】
棚本体22が上記のように長尺なフレームによって構成されることは必須ではない。例えば、棚本体は、棒を並列配置又は縦横に組合わせた格子状の部材、長尺なフレーム及び板の少なくとも1つによって構成されてもよい。棚本体が金属製であることは必須ではなく、木製であってもよい。
【0022】
棚本体22は、ネジ等によって床面16に固定されず、床面16に対して移動可能に配置される。例えば、4つの縦フレーム24、25の下端が床面16上に置かれる。4つの縦フレーム24、25の下端を床面16から上方に離すことによって、棚本体22は床面16の上方において水平方向に移動可能である。例えば、4つの縦フレーム24、25の下端にキャスタが取付けられていてもよい。この場合、当該キャスタの転動体が床面16上を転がることで、棚本体22が床面16上を移動することができる。
【0023】
棚本体22は、固定受部30を有していてもよい。固定受部30は、例えば、固定板であり、上記4つの縦フレーム24、25の長手方向中間部に水平方向に沿った姿勢で固定される。固定受部30の高さは、縦フレーム24、25の下端よりも上方であって、中間棚50よりも下方である。
【0024】
本棚装置20が無人搬送車(AGV)80によって搬送される場合、固定受部30の高さは、棚本体22が床面16上に載置された状態において当該無人搬送車80の高さ以上に設定されていてもよい。
【0025】
無人搬送車80の一例について説明しておく。無人搬送車80は、例えば、床面16上を走行可能な走行車82と、当該走行車82の上に昇降駆動可能に支持された台84とを備える。無人搬送車80の高さは、台84が下降した状態における高さである。台84を下降させた状態で無人搬送車80が上記固定受部30の下方に走行移動することができる。無人搬送車80が固定受部30の下方位置に位置する状態で、台84が上昇すると、当該台84の上面が固定受部30の下面に接触して、固定受部30を持上げることができる。固定受部30が持上げられると、棚本体22が床面16から浮いた状態となる。この状態で無人搬送車80が走行することで、棚装置20が他の場所に搬送される。
【0026】
上記固定受部30の上面には、物10が載置されてもよい。この観点からすると、固定受部30は、中間棚50の下方位置する下側固定棚である。固定受部30が板であることは必須ではなく、例えば、棒が並列配置された又は縦横に組合わされた格子状の部材であってもよい。
【0027】
棚装置20は、仕切36、38を有する。仕切36、38は、棚本体22内の収納空間とその外部とを仕切る仕切部材である。本実施形態では、中間棚50と固定受部30との間に仕切36が設けられる。仕切36は、2つの後側縦フレーム25の間と、2つ後側縦フレーム25と2つ前側縦フレーム24との各間とに設けられる。仕切36は、例えば、金属板であってもよい。中間棚50の上方に仕切38が設けられる。仕切38は、2つの後側縦フレーム25の間と、2つ後側縦フレーム25と2つ前側縦フレーム24との各間とに設けられる。仕切38は、プラスチック段ボールと呼ばれる部材のように、中空空間が形成された板状部材であってもよい。仕切36、38のうちの少なくとも1つが、中空空間が形成された板状部材であれば、軽量化を図りつつ、収納空間と外部空間とを仕切ることができる。
【0028】
仕切36、38が板材である必要は無く、棒を並列配置又は縦横に組合わせた格子状の部材、網等であってもよい。仕切36、38の一部又は全部が省略されてもよい。
【0029】
棚本体22のうち2つの前側縦フレーム24間は、仕切36、38によって閉ざされず、外方に開口する物出入用開口23とされている。この物出入用開口23を通じて、外部から内部の格納空間に物が格納され、又は、格納空間から外部へ物が取出される。
【0030】
本実施形態では、棚装置20は、脱落抑制部材40を備える。脱落抑制部材40は、物出入用開口23を開放させた状態と物出入用開口23を閉じた状態とに切替え可能に構成される。脱落抑制部材40について後でより具体的に説明する。
【0031】
<中間棚>
中間棚50の一例についてより具体的に説明する。
図3は中間棚50を示す概略側面図である。
図3では第1棚52から分離した第2棚60が実線で示され、第1棚52と組合わされた第2棚60が二点鎖線で示されている。
図4は第2棚60の動作を示す説明図である。
【0032】
図1から
図4に示すように、中間棚50は、第1棚52と第2棚60と一対の案内部材70とを備える。第1棚52は棚本体22に対して一定の位置に位置する固定棚である。第2棚60は、第1棚52に対して展開位置P1と重ね合せ位置P2との間で移動可能な可動棚である。一対の案内部材70は、第2棚60を展開位置P1と重ね合せ位置P2との間で案内する部材である。
【0033】
本実施形態では、棚本体22は、一対の中間支持板32を有する。中間支持板32は、例えば、方形状の金属板である。中間支持板32は、前側縦フレーム24の長手方向中間部と後側縦フレーム25の長手方向中間部との間に鉛直姿勢で掛渡すように、前側縦フレーム24と後側縦フレーム25とにねじ止等によって固定されている。
【0034】
第1棚52は、金属等によって形成された板状部材である。第1棚52は、一対の中間支持板32間であって後ろ寄りの位置に水平姿勢で掛渡すようにして、当該一対の中間支持板32に固定されている。中間支持板32に対する第1棚52の固定は、ネジ止、溶接又は嵌込構造等によってなされ得る。第1棚52が板状部材であることは必須ではなく、格子状の部材、網状の部材等であってもよい。
【0035】
第2棚60は、第2棚本体部62と、被ガイド部64a、64bとを有する。第2棚本体部62は、金属等によって形成された板状部材であり、一対の中間支持板32間に水平姿勢で掛渡すように配置される部分である。第2棚本体部62は、板状部材であることは必須ではなく、格子状の部材、網状の部材等であってもよい。
【0036】
被ガイド部64a、64bは、第2棚本体部62の長手方向両端部、即ち、棚本体22の幅方向両端部に設けられる。被ガイド部64a、64bは、案内部材70によって案内される部分である。本実施形態では、被ガイド部64a、64bは、棚本体22の幅方向に沿う回転軸周りに回転可能に支持された転動体である。転動体は車輪であってもよいし、球体であってもよい。被ガイド部64a、64bは、第2棚本体部62のそれぞれの側部において、前後方向に間隔をあけて複数(本実施形態では2つ)設けられる。被ガイド部64a、64bのうち、前寄りに設けられるものを手前側被ガイド部64a、後寄りに設けられるものを後側被ガイド部64bという場合がある。第2棚60が展開位置P1に位置する状態において、手前側被ガイド部64aは、後側被ガイド部64bから前側に離れて位置する。
【0037】
被ガイド部が転動体であることは必須ではない。被ガイド部の一部又は全部は、転動体ではない、金属部分、樹脂部分であってもよい。この場合、被ガイド部の表面の摩擦係数が第2棚本体部62の表面の摩擦係数よりも低くなるように、被ガイド部の構成材料が選定され、又は、被ガイド部の表面が加工されていてもよい。
【0038】
第2棚60は、その手前側部分において第2棚60を移動させる際に指をかける指かけ部68を有する。指かけ部68は、作業者の手によって第2棚60を手前に引っ張る力を容易に加えることができるように、後側に向く面68fを有しているとよい。例えば、指かけ部68は、第2棚60の前部から下方に突出する突出部であってもよい。指かけ部68は、第2棚60の幅方向全体に設けられてもよいし、部分的に設けられてもよい。指かけ部68は、第2棚60を構成する金属板を部分的に曲げて形成した部分であってもよいし、別途取付けられた取っ手であってもよい。指かけ部は、第2棚60の表面から凹む凹部であってもよい。
【0039】
本実施形態では、一対の案内部材70のそれぞれは、後側レール75と手前側レール71とを有している。後側レール75は後側被ガイド部64bを案内するレールである。手前側レール71は、上記第1棚52に対して後側レール75よりも離れて位置し、上記手前側被ガイド部64aを案内するレールである。本実施形態では、転動体が手前側レール71及び後側レール75上を転動する。
【0040】
より具体的には、後側レール75は、第1支持部76と、第2支持部77と、傾斜部78とを備える。第1支持部76と、第2支持部77と、傾斜部78とは、1枚の金属板の曲げ加工によって形成されていてもよいし、複数の金属板の組合せによって構成されてもよい。第1支持部76は、第1棚52の前方において前後方向に沿って延びる上側案内面を有している。第1支持部76によって、後側被ガイド部64bが第1棚52の水平方向延長上で水平方向に沿って移動可能に支持される。
【0041】
第2支持部77は、第1棚52の上方であって第1支持部76よりも後方に離れた位置で、前後方向に沿って延びる上側案内面を有している。第2支持部77は、第1支持部76に対して上方にずれて位置している。第2支持部77によって後側被ガイド部64bが第1棚52の上方向にずれた位置で前後方向に沿って移動可能に支持される。
【0042】
傾斜部78は、第1支持部76と第2支持部77との間で水平方向に沿って傾斜するように延在する。本実施形態では、第2支持部77が第1支持部76に対して上方にずれていることから、傾斜部78は、第1支持部76から第2支持部77に向けて上側に傾斜している。
【0043】
上記後側レール75に、第2棚60が重ね合せ位置P2に位置する状態で、後側被ガイド部64bが部分的に係合する係合部75hが形成されている。係合部75hは、例えば、後側被ガイド部64bとしての転動体の一部が嵌る孔であり、第2支持部77の後端部に形成されている。後側被ガイド部64bが部分的に係合部75hに嵌ることで、第2棚60が重ね合せ位置P2で停止する。また、後側被ガイド部64bは係合部75hに部分的に嵌っているため、後側被ガイド部64bが当該係合部75hから脱する力を第2棚60に作用させることで、第2棚60が重ね合せ位置P2から展開位置P1に向けて移動することができる。係合部75hは孔である必要は無く、例えば、前後方向において間隔をあけて位置する2つの凸部を有する構成であり、当該2つの凸部の間に転動体が嵌って係合してもよい。
【0044】
なお、手前側レール71にも、上記係合部75hと同様に手前側被ガイド部64aが部分的に係合する係合部が形成されてもよい。
【0045】
また、第2支持部77の後端縁には上方に突出するストッパ77Pが形成されている。後側被ガイド部64bが上記係合部75hを後側に越えると、後側被ガイド部64bがストッパ77Pにあたって過度に後方に移動することが抑制される。
【0046】
手前側レール71は、第1支持部72と、第2支持部73と、傾斜部74とを備える。第1支持部72と、第2支持部73と、傾斜部74とは、1枚の金属板の曲げ加工によって形成されていてもよいし、複数の金属板の組合せによって構成されてもよい。第1支持部72は、上記第1支持部76の前方延長上において前後方向に沿って延びる上側案内面を有している。第1支持部72によって、後側被ガイド部64bよりも前方で、手前側被ガイド部64aが第1棚52の水平方向延長上で水平方向に沿って移動可能に支持される。
【0047】
第2支持部73は、上記第2支持部77の前方延長上であって第1支持部72よりも後方に離れた位置で、前後方向に沿って延びる上側案内面を有している。第2支持部73は、第1支持部72に対して上方にずれて位置している。第2支持部73は、手前側レール71の傾斜部74と後側レール75の傾斜部78との間に位置する。第2支持部73によって手前側被ガイド部64aが後側被ガイド部64bよりも前方でかつ第1棚52の上方向にずれた位置で前後方向に沿って移動可能に支持される。
【0048】
傾斜部74は、第1支持部72と第2支持部73との間で水平方向に沿って傾斜するように延在する。本実施形態では、第2支持部73が第1支持部72に対して上方にずれていることから、傾斜部74は、第1支持部72から第2支持部73に向けて上側に傾斜している。
【0049】
上記手前側レール71に、第2棚60が展開位置P1に位置する状態で、手前側被ガイド部64aが部分的に係合する係合部71hが形成されている。係合部71hは、例えば、上記係合部75hと同様に、手前側被ガイド部64aとしての転動体の一部が嵌る孔であってもよい。係合部71hは、第1支持部72に形成されている。
【0050】
後側レール75と手前側レール71とは、棚本体22の側方から見て同じ形状の上側案内面を有していてもよい。例えば、傾斜部74、78は、同じ傾斜角度であってもよい。この場合、後側被ガイド部64bと手前側被ガイド部64aとを同じような経路で案内することができる。
【0051】
本実施形態のように、後側被ガイド部64bを後側レール75によって案内し、手前側被ガイド部64aを手前側レール71によって案内することで、後側被ガイド部64bを上下に変位させる位置と、手前側被ガイド部64aを上下に変位させる位置とを自由に設定することができる。
【0052】
例えば、本実施形態では、手前側被ガイド部64aを上下に変位させる傾斜部74が、後側被ガイド部64bを上下に変位させる傾斜部78より前方に離れて位置する。このため、第2棚60が第1棚52上に近づく際において、手前側被ガイド部64aが早期に上方に変位し、第1棚52に対して水平な姿勢となる。これにより、第2棚60が第1棚52に近づいた状態では、第2棚60は傾き難くなり、第2棚60を第1棚52に干渉させずに円滑に移動させることができる。
【0053】
なお、第2棚60が第1棚52近くで傾いていると、その方向きによっては第2棚60の下面が第1棚52の前方縁に干渉する可能性がある。例えば、第2棚60の前後方向中間部に幅方向に沿って延びる補強部60rが存在する可能性がある。当該補強部60rは、第2棚60の下方に突出するため、当該補強部52rが第1棚に干渉する可能性がある。本実施形態では、第1棚52近くで第2棚60が水平に保たれ易いため、第1棚52と第2棚60との干渉が有効に抑制される。
【0054】
手前側被ガイド部64aが上下に変位するタイミングと後側被ガイド部64bが上下に変位するタイミングとは、手前側被ガイド部64aと後側被ガイド部64bとの間隔と、傾斜部74、78の間隔とを調整することによって適宜設定され得る。例えば、手前側被ガイド部64aと後側被ガイド部64bとの間隔と、傾斜部74、78の間隔とを同じに設定すれば、手前側被ガイド部64aと後側被ガイド部64bとが同時に上下に変位する。これにより、第2棚60が水平状態を保って上下に変位し、第1棚52に対してより干渉し難くなる。
【0055】
上記手前側レール71及び後側レール75は、中間支持板32に対してネジ止、溶接、嵌込構造等によって固定される。手前側レール71及び後側レール75のうち中間支持板32とは反対側の縁には、手前側被ガイド部64a又は後側被ガイド部64bの脱落を抑制する縁部71a、75aが上方に向けて突出していてもよい。
【0056】
手前側レール71及び後側レール75の上方には、上側規制片79が設けられてもよい。本実施形態では、後側レール75の第2支持部77の上方に間隔をあけて上側規制片79が設けられる。上側規制片79は、前後方向に沿って延びるように、中間支持板32にねじ止等によって固定されている。上側規制片79によって、第2支持部77上の後側被ガイド部64bが上方に抜けることが抑制される。
【0057】
第2棚60の動作について説明する。第2棚60が展開位置P1に位置する状態では、手前側被ガイド部64aが手前側レール71の第1支持部72上に位置している(
図4において実線で示す第2棚60参照)。この状態で、手前側被ガイド部64aが係合部71hに係合していてもよい。後側被ガイド部64bが後側レール75の第1支持部76の後端部に位置している。この状態では、第1棚52の上面の前方延長上に第2棚60の上面が位置する。このため、第1棚52と第2棚60との全体を利用して、棚装置20に物を格納することができる。
【0058】
上記状態から第2棚60を後に向って押すと、手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bが第1支持部72、76上を移動して傾斜部74、78に達する。さらに第2棚60を押すと、手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bが傾斜部74、78に沿って斜め上方に移動し、第1棚52よりも上方に移動する。手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bが傾斜部74、78から第2支持部73、77に達すると、当該第2支持部73、77に沿って後方に水平移動する。
【0059】
第2棚60の少なくとも一部が第1棚52の上に重なり合い、重ね合せ位置P2に達する。この状態で、後側被ガイド部64bが係合部75hに係合した状態となってもよい。第2棚60が重ね合せ位置P2に位置する状態では、棚本体22の格納空間において第1棚52及び第2棚60の前方に、上下方向に繋がる大きい空間が形成される。当該空間に上下方向に立てかけるようにして長尺な物を格納することができる。棚本体22は、第1棚52に対して展開位置P1において第2棚60が位置する側に物出入用開口23を有するため、上記上下方向に広がる空間は当該物出入用開口23に繋がる。
【0060】
当該状態から例えば指かけ部68を利用して作業者が第2棚60を手前側に引っ張る。すると、後側被ガイド部64bが係合部75hから脱し、手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bが手前側レール71及び後側レール75に沿って、上記とは逆に移動する。そして、第2棚60が展開位置P1に戻ることができる。
【0061】
<脱落抑制部材>
脱落抑制部材40について説明する。
図5は脱落抑制部材40の他側部及び前側縦フレーム24を示す正面図であり、
図6は脱落抑制部材40の他側部及び前側縦フレーム24を示す側面図である。
図1、
図2、
図5及び
図6に示すように、脱落抑制部材40は、棚本体22のうち物出入用開口23側に設けられている。脱落抑制部材40は、例えば、物出入用開口23に応じた形状の繊維製の網である。脱落抑制部材40の一側部が一方の前側縦フレーム24にねじ止等によって固定される。脱落抑制部材40の他側部が他方の前側縦フレーム24に取外し可能に取付けられる。
【0062】
脱落抑制部材40の他側部が他方の前側縦フレーム24から取外された状態では、脱落抑制部材40が変形して物出入用開口23を開放させることができる。脱落抑制部材40の他側部が他方の前側縦フレーム24に取付けられた状態では、脱落抑制部材40が2つの前側縦フレーム24間に広がって物出入用開口23を閉じることができる。
【0063】
例えば、脱落抑制部材40の他側部は前側縦フレーム24に対して次のように取外し可能に取付けられる。例えば、脱落抑制部材40の一側部に帯状の補強部材42が設けられる。補強部材42は、脱落抑制部材40を構成する繊維製の網よりも剛性を有しており、脱落抑制部材40の他側部を上下方向に沿う状態に保つことができる。
【0064】
補強部材42にU字状の取っ手部44が固定される。補強部材42に取付孔42hが形成される。取付孔42hは円形状の孔の上側に当該孔の直径よりも細い幅のスリットが連なる鍵孔状に形成されている。前側縦フレーム24の前面に頭部を有するネジSが設けられる。ネジSの頭部は、前側縦フレーム24の前面から離れている。
【0065】
また、補強部材42の上に引っ掛け片43が連結される。引っ掛け片43の上部は、上方に凸となり下側に凹むV字状に形成されている。また、前側縦フレーム24の上端部に被引っ掛け部26が設けられる。被引っ掛け部26は、前側縦フレーム24の前面に沿う前板部26a及び前板部26aの両側縁から後方に向う一側の側板部26bを有している。
【0066】
そして、補強部材42を前側縦フレーム24の前面に沿って配置する。この際、引っ掛け片43を上記一対の側板部26bの間で前板部26aの上縁に引っ掛ける。同時に、ネジSの頭部を取付孔42hの円形孔部分に通した後、補強部材42を下方にずらしてネジSの軸部を取付孔42hのスリット部分に配置する。これにより、引っ掛け片43が被引っ掛け部26に引っ掛ると共に、ネジSの頭部が取付孔42hに係止して、補強部材42が前側縦フレーム24に沿って取付けられる。すると、脱落抑制部材40が一対の前側縦フレーム24の間で物出入用開口23を閉じることができる。
【0067】
上記状態から取っ手部44を持って補強部材42を前側縦フレーム24の上方にずらしつつ、当該前側縦フレーム24から前側に離す。すると、ネジSの軸部が取付孔42hの円形状の孔部分に相対移動して当該孔分を通って取付孔42hから脱することができる。また、引っ掛け片43も、被引っ掛け部26の斜め上方に外れることができる。
【0068】
脱落抑制部材40の一側部が固定された前側縦フレーム24の上端部に上記被引っ掛け部26が設けられてもよい。この場合、脱落抑制部材40の網部分を変形させて、補強部材42の引っ掛け片43を、当該脱落抑制部材40の一側部が固定された側の被引っ掛け部26に引っ掛けることができる。これにより、物出入用開口23を開口させた状態に保った状態で、脱落抑制部材40が物の出入れの邪魔になり難いようにすることができる。
【0069】
<効果等>
以上のように構成された棚装置20によると、第2棚60の重さが案内部材70によって支えられた状態で案内部材70によってスライド移動する。このため、第2棚60が展開位置P1から重ね合せ位置P2に容易に移動する。これにより、棚を持上げたり、傾けたりする場合と比較して、中間棚50の広がりを容易に小さくできる。
【0070】
また、第2棚60の被ガイド部64a、64bは、第1支持部72、76から傾斜部74、78を経て第2支持部73、77に移動し、又は、その逆に移動することで、第2棚60が展開位置P1と重ね合せ位置P2との間で円滑に移動することができる。
【0071】
また、手前側被ガイド部64aが手前側レール71によって案内され、後側被ガイド部64bが後側レール75によって案内される。このため、第1棚52から後側レール75よりも離れた位置で手前側レール71によって手前側被ガイド部64aを案内することができる。これにより、第2棚60を移動させる際に、第2棚60のうちの手前側部分を早めに上に変位させることができる。これにより、第1棚52に近い位置で第2棚60が傾き難くなり、第2棚60を第1棚52に干渉させずに円滑に移動させることができる。
【0072】
また、後側被ガイド部64bである転動体が部分的に係合部75hに係合することで、第2棚60が重ね合せ位置P2で停止することができる。また、第2棚60に前方向への力を加えれば、後側被ガイド部64bである転動体が係合部75hから脱して移動することができる。
【0073】
また、第2棚60は指かけ部68を有するため、当該指かけ部68を利用して第2棚60を重ね合せ位置P2から展開位置P1に向けて容易に引出すことができる。
【0074】
また、棚本体22は、第1棚52に対して展開位置P1において第2棚60が位置する側に物出入用開口23を有するため、第2棚60が重ね合せ位置に移動することによって空いたスペースに、物出入用開口23を通じて、物を出し入れし易い。
【0075】
また、物出入用開口23を開放させた状態と物出入用開口23を閉じた状態とに切替え可能な脱落抑制部材40をさらに備えるため、棚本体22内の物が脱落し難くなる。
【0076】
また、棚本体22は移動可能であるため、棚装置20を、内部の物を移動させるための棚として利用できる。
【0077】
また、棚本体22は、固定受部30を備えるため、無人搬送車80が固定受部30を持上げることによって、棚装置20の全体を持上げて当該棚装置20を容易に移動させることができる。
【0078】
{変形例}
上記実施形態では、手前側被ガイド部64aが手前側レール71によって案内され、後側被ガイド部64bが後側レール75によって案内される場合が説明された。しかしながら、
図7に示す変形例のように、手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bが同じレール175によって案内されてもよい。本例では、実施形態における手前側レール71が省略されている。レール175は、第1支持部76に対応する第1支持部176、第2支持部77に対応する第2支持部177及び傾斜部78に対応する傾斜部178を有している。第1支持部176及び第2支持部177のそれぞれは、手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bの間隔よりも大きい前後長を有している。このため、手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bは、同時に第1支持部176上に位置して第1棚52の前方延長上に位置することができる。また、手前側被ガイド部64a及び後側被ガイド部64bは、同時に第2支持部177上に位置して、第1棚52の上方に水平姿勢で位置することができる。
【0079】
本例のようにレール175を有する案内部材170は、第2棚60のうちの後側部分と手前側部分とが異なるタイミングで上下変位するように、被ガイド部64a、64bを案内する。このため、第2棚60の前後部分を順次上下変位させることができ、当該上下変位する際の衝撃を小さくできる。また、上下変位する際に発生する音も小さくすることができる。
【0080】
なお、上記実施形態において、手前側レール71における傾斜部74と後側レール75における傾斜部78との間隔を、被ガイド部64a、64bの距離と異ならせることによっても、第2棚60のうちの後側部分と手前側部分とを異なるタイミングで上下変位させることができる。
【0081】
上記実施形態では、案内部材70が棚本体22に支持される場合が説明された。しかしながら、案内部材70は、第1棚52に設けられてもよい。例えば、上記案内部材が第1棚52によって支持されていてもよい。また、例えば、第1棚に第2棚を案内するガイド面が直接形成されてもよい。
【0082】
脱落抑制部材が繊維製である必要は無く、例えば、樹脂製、金属製又は木製であってもよい。また、脱落抑制部材が網であることは必須ではなく、板又は格子状の部材であってもよい。この場合、脱落抑制部材は、ヒンジを介して棚本体に開閉可能に支持されてもよい。脱落抑制部材は、棚本体に引っ掛けられたり、巻付けられたりするベルト又は紐であってもよい。
【0083】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0084】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0085】
本開示は下記の各態様を開示する。
【0086】
第1の態様に係る棚装置は、棚本体と、前記棚本体の上下方向中間位置に支持された中間棚と、を備え、前記中間棚は、第1棚と、第2棚とを有し、前記第2棚は、前記第1棚に対して水平方向に隣接する展開位置と、少なくとも一部が前記第1棚に鉛直方向に重なる重ね合せ位置との間で、スライド移動可能に支持されているものである。
【0087】
この棚装置によると、第2棚をスライド移動させることで、第2棚が展開位置から重ね合せ位置に容易に移動する。このため、中間棚の広がりを容易に小さくできる。
【0088】
第2の態様は、第1の態様に係る棚装置であって、前記第2棚の両側部のそれぞれは、被ガイド部を有し、前記第2棚の両側部の被ガイド部を案内する一対の案内部材を備え、前記一対の案内部材のそれぞれは、前記第1棚に対して水平方向延長上で前記被ガイド部を支持する第1支持部と、前記第1棚に対して上又は下にずれた位置で前記被ガイド部を支持する第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部との間で水平方向に対して傾斜するように延在する傾斜部とを含むレールを有する。
【0089】
この場合、第2棚の両側部が傾斜部を含むレールに沿って移動することで、第2棚が展開位置と重ね合せ位置との間で円滑に移動することができる。
【0090】
第3の態様は、第2の態様に係る棚装置であって、前記被ガイド部は、後側被ガイド部と、前記展開位置において前記第1棚から前記後側被ガイド部よりも離れて位置する手前側被ガイド部とを有し、前記一対の案内部材のそれぞれは、前記レールとして、前記後側被ガイド部を案内する後側レールと、前記第1棚から前記後側レールよりも離れた位置で前記手前側被ガイド部を案内する手前側レールとを有する。
【0091】
この場合、第1棚から前記後側レールよりも離れた位置で前記手前側レールによって手前側被ガイド部を案内することによって、第2棚を移動させる際に、第2棚のうち手前側部分を早めに上下方向に変位させることができる。これにより、第1棚に近い位置で第2棚が傾き難くなり、第2棚を第1棚に干渉させずに円滑に移動できる。
【0092】
第4の態様は、第2又は第3の態様に係る棚装置であって、前記案内部材は、前記第2棚のうちの後側部分と手前側部分とが異なるタイミングで上下変位するように、前記被ガイド部を案内する。
【0093】
これにより、第2棚の後側部分と手前側部分とは異なるタイミングで上下変位するため、第2棚が上下変位する際の衝撃が小さくなる。
【0094】
第5の態様は、第2から第4のいずれか1つの態様に係る棚装置であって、前記被ガイド部は、前記レール上を転動可能な転動体を有し、前記レールに、前記第2棚が前記重ね合せ位置に位置する状態で、前記転動体が部分的に係合する係合部が形成されているものである。
【0095】
この場合、転動体が部分的に係合部に係合することで、第2棚が重ね合せ位置で停止する。第2棚に水平方向の力を加えれば、転動体が係合部から移動することができる。
【0096】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る棚装置であって、前記第2棚は、その手前側部分において前記第2棚を移動させる際に指をかける指かけ部を有する。
【0097】
これにより、指かけ部を利用して第2棚を重ね合せ位置から展開位置に容易に引出すことができる。
【0098】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る棚装置であって、前記棚本体は、前記第1棚に対して前記展開位置において前記第2棚が位置する側に物出入用開口を有する。
【0099】
これにより、第2棚が重ね合せ位置に移動することによって空いたスペースに、物出入用開口を通じて、物を出し入れし易い。
【0100】
第8の態様は、第7の態様に係る棚装置であって、前記物出入用開口を開放させた状態と前記物出入用開口を閉じた状態とに切替え可能な脱落抑制部材をさらに備える。
【0101】
この場合、脱落抑制部材によって、棚本体内の物が脱落し難くなる。
【0102】
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る棚装置であって、前記棚本体は、床面に対して移動可能に配置されているものである。
【0103】
これにより、棚装置を、内部の物を移動させるための棚として利用できる。
【0104】
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る棚装置であって、前記棚本体は、床面に載置された状態において無人搬送車の高さ以上の高さに固定受部を有する。
【0105】
これにより、床面を走行する無人搬送車が、床と固定受部との間に入り込むことができる。無人搬送車は、固定受部を持上げることによって、棚装置全体を持上げて、当該棚装置を移動させることができる。
【符号の説明】
【0106】
16 床面
20 棚装置
22 棚本体
23 物出入用開口
30 固定受部
40 脱落抑制部材
50 中間棚
52 第1棚
60 第2棚
64a 手前側被ガイド部
64b 後側被ガイド部
68 指かけ部
70、170 案内部材
71 手前側レール
71h 係合部
72、76、176 第1支持部
73、77、177 第2支持部
74、78、178 傾斜部
75 後側レール
80 無人搬送車
175 レール
P1 展開位置
P2 合せ位置