(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023027964
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/50 20220101AFI20230224BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20230224BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230224BHJP
H04L 51/00 20220101ALI20230224BHJP
【FI】
H04L67/50
G16Y40/20
G06Q50/10
H04L51/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133359
(22)【出願日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】切通 恵介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】内藤 理大
(72)【発明者】
【氏名】小川 通公
(72)【発明者】
【氏名】丹野 良介
(72)【発明者】
【氏名】坂本 悠記
(72)【発明者】
【氏名】小澤 暖
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】データ分析に関する情報を複数のユーザで容易に共有すること。
【解決手段】情報処理装置100は、接続元のカードから入力されたデータに対してデータ処理を実行し、データ処理の結果を接続先のカードに出力する複数のカードを有するグラフを表示する表示制御部152と、表示制御部152に表示されたグラフに関連する領域に対するコメントの入力を受け付けた場合に、グラフに関連するユーザの端末装置に、入力されたコメントの情報を通知する通知部153とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続元のカードから入力されたデータに対してデータ処理を実行し、データ処理の結果を接続先のカードに出力する複数のカードを有するグラフを表示する表示制御部と、
前記表示制御部に表示された前記グラフに関連する領域に対するコメントの入力を受け付けた場合に、前記グラフに関連するユーザの端末装置に、入力されたコメントの情報を通知する通知部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記表示制御部に表示された前記グラフに含まれる前記複数のカードのうち、いずれかのカードに対するコメントの入力を受け付けた場合に、前記グラフに関連するユーザの端末装置に、入力されたコメントの情報と、コメントの入力対象となるカードの位置情報を更に前記ユーザの端末装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、カードの指定を受け付けた場合に、指定されたカードに入力されたデータ、または、指定されたカードのデータ処理の結果を表示する処理を更に実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記グラフに関連するユーザの端末装置からの前記コメントに対するアクセス結果を基にして、前記コメントにアクセスしたユーザを特定し、前記コメントにアクセスしたユーザの情報と、前記コメントにアクセスしていないユーザの情報とを更に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記コメントに関連する統計量を算出し、前記統計量を更に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
接続元のカードから入力されたデータに対してデータ処理を実行し、データ処理の結果を接続先のカードに出力する複数のカードを有するグラフを表示する表示制御工程と、
前記表示制御工程により表示された前記グラフに関連する領域に対するコメントの入力を受け付けた場合に、前記グラフに関連するユーザの端末装置に、入力されたコメントの情報を通知する通知工程と
を含んだことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
接続元のカードから入力されたデータに対してデータ処理を実行し、データ処理の結果を接続先のカードに出力する複数のカードを有するグラフを表示する表示制御ステップと、
前記表示制御ステップにより表示された前記グラフに関連する領域に対するコメントの入力を受け付けた場合に、前記グラフに関連するユーザの端末装置に、入力されたコメントの情報を通知する通知ステップと
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場等で稼働するシステムにセンサを設置して時系列データを計測し、計測した時系列データを分析することで、システムに発生した異常の原因や、システムの改善に役立てている。一般的に、データ分析は、AI(Artificial Intelligence)に時系列データを入力して分析を行う分析者だけで完結せず、専門家や、意思決定者がそれぞれコミュニケーションを取りながら、実行される。
【0003】
専門家は、AIに関する専門知識は有さないものの、センサが測定する時系列データ自体には詳しく、時系列データを参照しながらシステムを運用する運用者であり、システムに関する課題を把握している。意志決定者は、工場長等に相当し、データの分析結果を参考にして、システムの構成や、システムの制御を変更する等の各種の意思決定を行う。
【0004】
たとえば、分析者、専門家、意思決定者の間でメールをやり取りして、打合せ日等を設定し、コミュニケーションを行うことで、データ分析を進めている。分析者は、専門家や意思決定者の理解を助けるために、報告資料を作成する場合もある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“ReNom”、[online]、[2021年8月6日検索]、インターネット<https://gridpredict.jp/our_services/renom/>
【非特許文献2】“Neural Network Console”、[online]、[2021年8月6日検索]、インターネット<https://dl.sony.com/ja/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術では、データ分析に関する情報を複数のユーザで容易に共有することができないという問題がある。
【0007】
たとえば、効率的かつ正しいデータ分析を行うためには、複数のユーザ間で迅速に情報共有を行うことが望ましいが、報告資料の作成や打合せ日の設定するために手間や時間を要し、迅速に情報共有を行うことができていない。また、ユーザ間で情報共有のツールとして、既存のチャットツールや、メールを利用すると、分析内容を確認しながらコミュニケーションを取ることができず、各ユーザ間で意図が通じにくい。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、データ分析に関する情報を複数のユーザで容易に共有することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、接続元のカードから入力されたデータに対してデータ処理を実行し、データ処理の結果を接続先のカードに出力する複数のカードを有するグラフを表示する表示制御部と、前記表示制御部に表示された前記グラフに関連する領域に対するコメントの入力を受け付けた場合に、前記グラフに関連するユーザの端末装置に、入力されたコメントの情報を通知する通知部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、データ分析に関する情報を複数のユーザで容易に共有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、キャンバスデータの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、コメント機能を説明するための図である。
【
図4】
図4は、情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、ユーザテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、キャンバステーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、表示制御部が表示するウィンドウの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、情報処理プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例0013】
図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
図1に示すように、このシステムは、情報処理装置100と、端末装置10a,10b,10cとを有する。情報処理装置100と、端末装置10a~10cは、ネットワーク5を介して相互に接続される。システムは、他の端末装置を有していてもよい。
【0014】
端末装置10a~10cは、各種のユーザが利用する端末装置であり、PC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等に対応する。本実施例では、ユーザには、分析者、専門家、意思決定者が含まれるものとするが、これに限定されるものではない。
【0015】
ユーザUA(分析者)が利用する端末装置を、端末装置10aとする。ユーザUB(専門家)が利用する端末装置10bとする。ユーザUC(意志決定者)が利用する端末装置を、端末装置10cとする。以下の説明では、端末装置10a~10cを特に区別しない場合、「端末装置10」と表記する。また、ユーザUA~UCを特に区別しない場合、「ユーザ」と表記する。
【0016】
情報処理装置100は、Node-AI等のデータ分析ツールの機能を有する。ユーザUAは、端末装置10aを操作して、情報処理装置100のデータ分析ツールを実行し、キャンバスデータを生成する。Node-AIでは、コーディングレスで、データに対する処理のパイプラインを設計できるFlowbased programmingを採用する。Nodee-AIでは、処理したいデータと各処理が実行できる関数を繋ぎ合わせることで、直感的にデータに対する処理のパイプラインを記述することができる。本実施例では、データに対する所定の処理を実行する関数を「カード」と表記する。また、パイプラインが記述されたデータを「キャンバスデータ」と表記する。
【0017】
図2は、キャンバスデータの一例を示す図である。
図2に示す例では、キャンバスデータ50には、複数のカード50a,50b,50c,50d,50e,50f,50g,50hが含まれ、相互に接続される。カード50a~50hは、所定のデータ処理を実行する関数に対応する。相互に接続されたカード50a~50hの情報は「グラフ」に対応する。
【0018】
カード50aは、処理対象となるデータを指定するカードである。カード50bは、カード50aの処理結果を入力として、データ処理(移動平均(後方))を実行し、処理結果を出力する。カード50cは、カード50bの処理結果を入力として、データ処理(移動平均(中央))を実行し、処理結果を出力する。
【0019】
カード50dは、カード50bの処理結果を入力として、データ分割を実行し、処理結果を出力する。カード50e,50gは、カード50dの処理結果を入力として、データ処理(正規化)を実行し、処理結果を出力する。
【0020】
カード50fは、カード50eの処理結果を入力として、データ処理(時間窓切り出し)を実行し、処理結果を出力する。カード50hは、カード50eの処理結果を入力として、データ処理(時間窓切り出し)を実行し、処理結果を出力する。
【0021】
図2で説明した例では、キャンバスデータ50において、カード50a~50hを示したが、他のデータ処理を実行するカードが含まれていてもよい。他のデータ処理には、線形モデルに関するデータ処理、機械学習モデルに関するデータ処理、各モデルに対する機械学習を実行するデータ処理、データの評価を行うデータ処理等が含まれる。
【0022】
たとえば、ユーザUAは、端末装置10aを操作して、カード50aに時系列データを指定すると、時系列データが、カード50bに入力され、以降の各カードにおいて、カード固有のデータ処理が実行され、時系列データに対するデータ分析が実行される。
【0023】
情報処理装置100は、端末装置10からアクセスを受け付け、キャンバスデータ50の表示要求を受け付けた場合に、キャンバスデータ50を要求元の端末装置10に表示させる。
【0024】
情報処理装置100は、コメント機能を有しており、キャンバスデータ50に含まれる各カード50a~50hのうち、いずれかのカードに対するコメントの入力を受け付けた場合に、キャンバスデータ50に関連するユーザの端末装置に、入力されたコメントの情報を通知する。
【0025】
図3は、コメント機能を説明するための図である。端末装置10のユーザは、情報処理装置100にアクセスし、表示要求を行うことで、キャンバスデータ50を参照する。ユーザは、キャンバスデータ50に含まれる各カード50a~50hのうち、いずれかのカードを指定して、コメントを入力する。
図3に示す例では、ユーザは、端末装置10を操作して、カード50bを指定し、コメントC1を入力した例を示している。なお、カード50bには、過去にコメントC2,C3が入力されており、ユーザは参照可能である。
【0026】
ここでは、ユーザが、キャンバスデータ50に含まれるカードのいずれかを指定して、コメントを入力する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、キャンバスデータ50に関連する領域に対しても、コメントを入力することが可能である。たとえば、ユーザは、キャンバスデータ50のカード以外のスペースを指定して、コメントを入力してもよいし、カードを選択することで表示される詳細画面等に、コメントを入力してもよい。
【0027】
情報処理装置100は、カード50bに対して、新規のコメントC1の入力を受け付けると、キャンバスデータ50に関連するユーザを特定し、特定したユーザの端末装置10にコメントデータを通知する。たとえば、ユーザUAの端末装置10aから、カード50bに対するコメントC1の入力を受け付け、キャンバスデータ50に関連するユーザを、ユーザUA,UB,UCとする。この場合には、情報処理装置100は、ユーザUA,UB,UCの端末装置10a~10cに、コメントC1のコメントデータを通知する。情報処理装置100は、コメントC1を入力したユーザUAの端末装置10aを、コメントデータの通知先から除外してもよい。
【0028】
コメントデータには、コメント(コメントのテキストデータ)に加えて、コメントの入力対象となるカードのURL(Uniform Resource Locator)が含まれる。URLは、キャンバスデータ50におけるカードの位置情報を示すものである。なお、コメントデータは、カードのURLの他に、コメントの入力箇所を示すURLや、コメント一覧へ遷移するためのURLを含んでいてもよい。
【0029】
たとえば、情報処理装置100は、カード50bに対して、新規のコメントC1の入力を受け付けると、コメントC1に加えて、コメントC1の入力対象となるカード50bのURLをコメントデータに設定する。情報処理装置100は、端末装置10を操作するユーザから、カード50bのURLの選択を受け付けると、端末装置10に、キャンバスデータ50を表示させ、カード50a~50hのうち、選択されたカード50bを強調表示する。情報処理装置100は、どのように強調表示を行ってもよい。たとえば、情報処理装置100は、カード50a~50hのうち、選択されたURLに対応するカード50bを、表示画面の中心等、予め設定された領域に配置して表示してもよいし、色や枠等を付与して、強調表示を行ってもよい。
【0030】
情報処理装置100は、キャンバスデータ50に対する表示要求を受け付けた場合には、キャンバスデータ50の表示要求を行った端末装置10に表示させる。情報処理装置100は、端末装置10を操作するユーザにより、カードの選択を受け付けた場合には、カードに入力されたコメントを表示する。たとえば、情報処理装置100は、コメントC1,C2,C3が入力されたカード50bが選択された場合、
図3に示したように、カード50bに対応付けて、コメントC1,C2,C3を表示させる。
【0031】
上記のように、情報処理装置100は、端末装置10にキャンバスデータ50を表示し、キャンバスデータ50に含まれるカード50a~50hのうち、いずれかのカードに対するコメントの入力を受け付けた場合に、キャンバスデータ50に関連するユーザの端末装置10に、入力されたコメントに関するコメントデータを通知する。これによって、データ分析に関する情報を複数のユーザで容易に共有することができる。また、打ち合わせの事前設定や、資料作成のコストが少なくなり、フィードバックループが早くなる。
【0032】
情報処理装置100は、分析者以外のユーザであってもデータ処理の流れを把握可能なキャンバスデータ50(パイプライン)を、端末装置10に表示させるため、専門家、意思決定者の理解を促すことができる。キャンバスデータ50自体を、報告資料として利用できる。
【0033】
次に、
図1に示した情報処理装置100の構成の一例について説明する。
図4は、情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、この情報処理装置100は、通信制御部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0034】
通信制御部110は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線(ネットワーク5)を介した外部の端末装置10と制御部150との通信を制御する。通信制御部110は、他の外部装置と通信を実行してもよい。
【0035】
入力部120は、キーボードやマウス等の入力デバイスを用いて実現され、操作者による入力操作に対応して、制御部150に対して処理開始などの各種指示情報を入力する。
【0036】
表示部130は、制御部150から取得した情報を出力する出力デバイスであり、液晶ディスプレイなどの表示装置、プリンター等の印刷装置等によって実現される。
【0037】
記憶部140は、時系列データ141と、ユーザテーブル142と、キャンバステーブル143とを有する。記憶部140は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0038】
時系列データ141は、工場等から収集されるセンサデータ等に基づいて、所定時刻ごとに、データ間の因果関係を推定したデータである。時系列データ141は、
図2で説明したキャンバスデータ50のカード50aに入力するデータとして指定されることで、以降のカードに対応する所定の処理が実行され、データ分析がなされる。
【0039】
ユーザテーブル142は、ユーザに関する各種のデータを保持するテーブルである。
図5は、ユーザテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザテーブル142は、ユーザ識別情報と、氏名と、メールアドレスとをそれぞれ対応付ける。本実施例では、メールで通知する場合を想定して説明を行うが、これに限定されるものではなく、チャットツールや、SMS(Short Message Service)等を用いて、通知を行ってもよい。
【0040】
ユーザ識別情報は、ユーザを一意に識別する情報である。氏名はユーザの氏名である。メールアドレスは、ユーザ識別情報によって識別されるユーザに割り当てられたメールアドレスである。
【0041】
キャンバステーブル143は、キャンパスデータや、キャンパスデータに関連するユーザのデータを保持するテーブルである。
図6は、キャンバステーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6に示すように、このキャンバステーブル143は、キャンバス識別情報と、キャンバスデータと、関連ユーザとを対応付ける。
【0042】
キャンバス識別情報は、キャンバスデータを一意に識別する情報である。キャンバスデータは、
図2で説明したキャンバスデータ50に対応し、複数のカードのデータが含まれる。各カードには、データ処理を実行するための関数プログラムおよび関数のパラメータが設定される。パラメータは、ユーザによって、適宜変更可能である。
【0043】
また、
図3で説明したように、カードに対するコメントが入力されると、カードに対応付けてコメントが登録される。キャンバスデータの各カードには、URLが設定され、一意に識別可能とする。関連ユーザは、キャンバスデータに関連する(アクセス権限を有する)ユーザのユーザ識別情報が含まれる。図示を省略するが、キャンバスデータのカードに入力されたコメントについて、関連するユーザのユーザ識別情報毎にコメントを参照したか否かのフラグが設定されているものとする。
【0044】
図4の説明に戻る。制御部150は、取得部151と、表示制御部152と、通知部153とを有する。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)等に対応する。
【0045】
取得部151は、各種のデータを取得する。たとえば、取得部151は、外部装置等から、時系列データ141を取得した場合、取得した時系列データ141を、記憶部140に登録する。なお、ユーザUB(専門家)が、端末装置10bを操作して、時系列データ141を情報処理装置100に送信してもよい。また、取得部151は、ユーザテーブル142に関するデータや、キャンバステーブル143に関するデータを取得し、ユーザテーブル142、キャンバステーブル143を更新してもよい。
【0046】
表示制御部152は、端末装置10から表示要求のデータを受け付けた場合に、該当するキャンバスデータを要求元の端末装置10に表示させる。以下の説明では、表示要求のデータを「表示要求データ」と表記する。表示要求のデータには、ユーザ識別情報、キャンバス識別情報が含まれる。
【0047】
たとえば、表示制御部152は、キャンバステーブル143を参照し、キャンバス識別情報に対応する関連ユーザを特定し、特定した関連ユーザに、表示要求データのユーザ識別情報が含まれるか否かを判定する。表示制御部152は、関連ユーザに、表示要求データのユーザ識別情報が含まれる場合に、キャンバス識別情報に対応するキャンバスデータを、表示要求データの送信元となる端末装置10に表示させる。
【0048】
表示制御部152は、キャンバスデータを、端末装置10に表示させている間に、キャンバスデータに含まれるカードの指定を受け付け、コメントが入力された場合には、指定されたコメントを、指定されたカードと対応付けて表示させる。
【0049】
たとえば、表示制御部152は、端末装置10から、
図2に示すキャンバスデータ50を識別するキャンバス識別情報の表示要求データを受け付けた場合には、キャンバスデータ50を端末装置10に表示させる。また、表示制御部152は、カード50bの指定を受け付け、コメントC1の入力を受け付けた場合には、カード50bと、コメントC1とを対応付けて、キャンバスデータ50に登録する。
【0050】
表示制御部152は、端末装置10に、キャンバスデータ50を表示し、いずれかのカードの選択を受け付け、選択されたカードに、コメントが登録されている場合には、カードに登録されたコメントを表示させる。たとえば、表示制御部152は、キャンバスデータ50のカード50bが選択され、カード50bに関連付けてコメントC1、C2、C3が登録されている場合、
図3で説明したように、コメントC1、C2、C3を表示する。
【0051】
表示制御部152は、表示要求データに含まれるユーザ識別情報を基にして、ユーザ識別情報毎に、各コメントを参照したか否かのフラグを設定する。表示制御部152は、端末装置10に、キャンバスデータ50を表示する場合に、ユーザ識別情報に対応する各コメントのフラグを基にして、未参照のコメントがあるか否かの情報を表示する。表示制御部152は、キャンバスデータ50の関連ユーザのうち、コメントにアクセスしたユーザ識別情報と、コメントにアクセスしてないユーザ識別情報を視覚可能に表示してもよい。
【0052】
表示制御部152は、端末装置10を操作するユーザから、カードのURLの選択を受け付けた場合には、端末装置10に、キャンバスデータ50を表示させ、URLに対応するカードを強調表示する。
【0053】
また、表示制御部152は、端末装置10に、キャンバスデータ50を表示し、いずれかのカードの選択を受け付けた場合に、カードに設定されたパラメータや、カードに入力されたデータ、カードの処理結果となるデータを表示してもよい。たとえば、表示制御部152は、カード50bのデータ表示要求を受け付けた場合には、
図7に示すようなウィンドウ20を表示する。
【0054】
図7は、表示制御部が表示するウィンドウの一例を示す。
図7に示す例では、縦軸をデータの値、横軸を日時とするグラフがウィンドウ20表示されている。このようなウィンドウ20を表示することで、ユーザは、Node-AI上で、各種のデータを確認できるため、詳細な議論を行いやすい。
【0055】
通知部153は、表示制御部152と協働し、キャンバスデータ50のカードに対して、コメントの入力を受け付けた場合に、コメントデータを端末装置10に通知する。通知部153の処理を、
図3を用いて説明する。通知部153は、カード50bに対して、新規のコメントC1の入力を受け付けると、キャンバスデータ50に関連するユーザ識別情報を、キャンバスデータ50のキャンバス識別情報と、キャンバステーブル143とを基にして特定する。
【0056】
通知部153は、特定したユーザ識別情報と、ユーザテーブル142とを基にして、ユーザ識別情報に対応するメールアドレスを特定する。通知部153は、特定したメールアドレスを送信先として、コメントデータを通知する。通知部153は、コメントが入力されたカードのURLをコメントデータに設定してよい。
【0057】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の処理手順の一例について説明する。
図8は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、情報処理装置100の表示制御部152は、端末装置10から表示要求データを受信する(ステップS101)。
【0058】
表示制御部152は、表示要求データのキャンバス識別情報に対応するキャンバスデータを、端末装置に送信して表示させる(ステップS102)。表示制御部152は、端末装置10から、コメントの入力を受け付けない場合には(ステップS103,No)、ステップS107に移行する。表示制御部152は、端末装置10から、コメントの入力を受け付けた場合には(ステップS103,Yes)、ステップS104に移行する。
【0059】
情報処理装置100の通知部153は、キャンバステーブル143を基にして、キャンバスデータに関連するユーザ識別情報を特定する(ステップS104)。通知部153は、ユーザテーブル142を基にして、特定したユーザ識別情報に対応するメールアドレスを特定する(ステップS105)。
【0060】
通知部153は、コメントデータを生成し、特定したメールアドレス宛にコメントデータを送信する(ステップS106)。
【0061】
情報処理装置100は、処理を継続する場合には(ステップS107,Yes)、ステップS101に移行する。情報処理装置100は、処理を継続しない場合には(ステップS107,No)、処理を終了する。
【0062】
上記のように、本実施例に係る情報処理装置100は、端末装置10にキャンバスデータ50を表示し、キャンバスデータ50に含まれる複数のカードのうち、いずれかのカードに対するコメントの入力を受け付けた場合に、キャンバスデータ50に関連するユーザの端末装置10に、入力されたコメントに関するコメントデータを通知する。これによって、データ分析に関する情報を複数のユーザで容易に共有することができる。
【0063】
情報処理装置100は、コメントデータに、カードのURL(位置情報)を設定して、端末装置10に通知する。これによって、コメントが入力されたカードを容易に特定することが可能となる。
【0064】
情報処理装置100は、カードの指定を受け付けた場合に、カードに入力されるデータ、カードのデータ処理の結果を示すデータを表示する。これによって、カードに入力される前のデータと、データ処理毎のデータとを容易に確認することができる。
【0065】
情報処理装置100は、キャンバスデータ50のコメントにアクセスしたユーザを特定し、コメントにアクセスしたユーザ識別情報と、コメントにアクセスしていないユーザ識別情報とを更に表示する。これによって、関連するユーザに関するコメントの参照状況を容易に特定することができる。
【0066】
ところで、上述した情報処理装置100の処理の内容は一例であり、情報処理装置100は、その他の処理を更に実行してもよい。以下では、情報処理装置100のその他の処理(1)、(2)について説明する。
【0067】
情報処理装置100のその他の処理(1)について説明する。情報処理装置100の表示制御部152は、キャンバスデータ50を表示し、キャンバスデータ50に含まれるカードが選択された場合に、選択したカードに入力されたコメントを表示していたが、これに限定されるものではない。表示制御部152は、端末装置10から全コメント表示要求を受け付けた場合に、キャンバスデータ50に含まれる全カードに設定された各コメントを一覧表示する。表示制御部152は、コメントの一覧表示を行うとともに、キーワード検索機能を提供する。たとえば、表示制御部152は、所定のキーワードが指定された場合に、一覧表示された各コメントのキーワードを走査して、指定されたキーワードを検索し、検索結果を表示する。これによって、ユーザは容易にコメントを参照することができる。
【0068】
情報処理装置100のその他の処理(2)について説明する。情報処理装置100の表示制御部152は、端末装置10からの各コメントに関するアクセス回数を計数し、コメント毎のアクセス回数を更に表示してもよい。これによって、キャンバスデータ50に対応するプロジェクトの議論が進んでいるか否かを把握することができる。たとえば、アクセス回数の多いカードは、複数のユーザ間で、議論がよくされていることを示す。なお、情報処理装置100は、コメント毎のアクセス回数の他にも、コメントに関するリアクション回数、1カード毎のコメント数、スレッド参加者等の情報を、コメントに関する統計量として算出し、表示してもよい。リアクションとは、コメントに対する「いいね」や、チャットツールのスタンプ等が含まれる。
【0069】
続いて、情報処理プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図9は、情報処理プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、たとえば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0070】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM1012を含む。ROM1011は、たとえば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1031に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1041に接続される。ディスクドライブ1041には、たとえば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース1050には、たとえば、マウス1051およびキーボード1052が接続される。ビデオアダプタ1060には、たとえば、ディスプレイ1061が接続される。
【0071】
ここで、ハードディスクドライブ1031は、たとえば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094を記憶する。上記実施形態で説明した各情報は、たとえばハードディスクドライブ1031やメモリ1010に記憶される。
【0072】
また、情報処理プログラムは、たとえば、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュール1093として、ハードディスクドライブ1031に記憶される。具体的には、上記実施形態で説明した情報処理装置100が実行する各処理が記述されたプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1031に記憶される。
【0073】
また、情報処理プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータ1094として、たとえば、ハードディスクドライブ1031に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1031に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した各手順を実行する。
【0074】
なお、情報処理プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1031に記憶される場合に限られず、たとえば、着脱可能な記憶媒体に記憶されて、ディスクドライブ1041等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、情報処理プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、LANやWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0075】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。