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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028044
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】積層造形方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 10/47 20210101AFI20230224BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20230224BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20230224BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230224BHJP
【FI】
B22F10/47
B22F10/28
B22F3/16
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133487
(22)【出願日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】初田 光嶺
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018AA06
4K018AA14
4K018AA33
4K018AA34
4K018BA03
4K018BA08
4K018BA16
4K018BA17
(57)【要約】
【課題】リコート動作によってサポート部を崩壊させることなく、サポート部によってオーバーハング部を十分に支持し、造形後にサポート部を容易に除去することが可能な積層造形物を製造すること。
【解決手段】リコータ17を造形部13上で移動させて造形部13に金属粉末23の層を形成するリコート工程と、造形部13に敷設された金属粉末23を選択的に溶融接合させる溶融接合工程と、を繰り返し、溶融結合体25を順次に積層してオーバーハング部31を有する積層造形物33を造形する。溶融接合工程において、平面視において、互いに平行な複数の第1の壁部41と、互いに平行な複数の第2の壁部43とを互いに交差させた格子状のサポート部40を、第1の壁部41及び第2の壁部43がリコート工程におけるリコータ17の移動方向であるリコート方向S1に対して45°以下となるように形成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リコータを造形部上で移動させて前記造形部に金属粉末の層を形成するリコート工程と、前記造形部に敷設された金属粉末を選択的に溶融接合させる溶融接合工程と、を繰り返し、溶融結合体を順次に積層してオーバーハング部を有する積層造形物を造形する積層造形方法であって、
前記溶融接合工程において、
前記オーバーハング部を支持し、平面視において、互いに平行な複数の第1の壁部と、互いに平行な複数の第2の壁部とを互いに交差させた格子状のサポート部を、前記第1の壁部及び前記第2の壁部が前記リコート工程における前記リコータの移動方向であるリコート方向に対して45°以下となるように形成する、
積層造形方法。
【請求項2】
前記溶融接合工程において、前記第1の壁部及び前記第2の壁部における少なくとも前記リコート方向の後方側の端部に他の部分よりも厚い厚肉部を形成する、
請求項1に記載の積層造形方法。
【請求項3】
前記リコート工程において、前記リコータを前記造形部上で往復移動させて前記造形部に前記金属粉末の層を形成し、
前記溶融接合工程において、前記第1の壁部及び前記第2の壁部における前記リコータを往復移動させる際のそれぞれの前記リコート方向の後方側の端部に他の部分よりも厚い厚肉部を形成する、
請求項1に記載の積層造形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層造形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属粉末を用いて積層造形物を製造する積層造形方法が知られている。この積層造形方法には、粉末床溶融結合(Powder bed fusion)が採用された代表的なものとして、電子ビームを用いて粉末を溶融させる電子ビーム溶融法(EBM:Electron Beam Melting)と、レーザ光を用いて粉末を溶融させるレーザ溶融法(SLM:Selective Laser Melting)とが挙げられる。
【0003】
このような粉末床溶融結合方式による積層造形方法では、下方に成形層が形成されていないオーバーハング部を備える積層造形物を造形する場合に、オーバーハング部が重力等によって変形しないように、オーバーハング部を下方から支持するサポート部が必要となる。
【0004】
特許文献1には、サポート部を菱形の格子状に造形し、積層造形物の造形後におけるサポート部の除去性能を向上させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-135548号公報(段落[0045])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、オーバーハング部を支持するサポート部としては、全体の熱変形を抑えつつオーバーハング部を良好に支持し、造形後に容易に除去できることが要求される。
【0007】
特許文献1に記載のサポート部では、除去性能を向上させることが可能であるが、造形部に金属粉末の薄層を形成するリコータが移動する際に、このリコータのリコート動作によって崩壊してしまうおそれがある。
【0008】
そこで本発明は、リコート動作によってサポート部を崩壊させることなく、サポート部によってオーバーハング部を十分に支持し、造形後にサポート部を容易に除去することが可能な積層造形物を製造する製造積層造形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は下記の構成からなる。
リコータを造形部上で移動させて前記造形部に金属粉末の層を形成するリコート工程と、前記造形部に敷設された金属粉末を選択的に溶融接合させる溶融接合工程と、を繰り返し、溶融結合体を順次に積層してオーバーハング部を有する積層造形物を造形する積層造形方法であって、
前記溶融接合工程において、
前記オーバーハング部を支持し、平面視において、互いに平行な複数の第1の壁部と、互いに平行な複数の第2の壁部とを互いに交差させた格子状のサポート部を、前記第1の壁部及び前記第2の壁部が前記リコート工程における前記リコータの移動方向であるリコート方向に対して45°以下となるように形成する、
積層造形方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リコート動作によってサポート部を崩壊させることなく、サポート部によってオーバーハング部を十分に支持し、造形後にサポート部を容易に除去することが可能な積層造形物を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、積層造形装置の概略構成図である。
図2図2は、積層造形物の製造工程を(A)~(F)に示す工程説明図である。
図3図3は、オーバーハング部を有する積層造形物の形状を示す概略構成図である。
図4図4は、オーバーハング部を支持するサポート部を説明する斜視図である。
図5図5は、リコート方向に対する第1の壁部及び第2の壁部の角度を説明するサポート部の一部の概略平面図である。
図6図6は、第1の壁部及び第2の壁部からなるサポート部の一部の概略平面図である。
図7図7は、第1の壁部及び第2の壁部からなるサポート部の一部の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
ここでは、粉末床溶融結合方式のレーザ溶融法による積層造形装置について説明するが、以下に示す積層造形装置の構成は一例であり、本発明はこれに限らない。
【0013】
<積層造形装置>
図1は、積層造形装置の概略構成図である。
積層造形装置100は、ハウジング11に設けられた造形部13と、パウダーポッド15と、リコータ17と、レーザ出力部19とを備える。造形部13は、ハウジング11に形成されたスライド孔11a内に昇降自在に配置されたベースプレート21を有する。ベースプレート21は、不図示の上下方向駆動機構によってスライド孔11a内で昇降駆動される。ベースプレート21は、ハウジング11の上方からの平面視で長方形であり、その上面が平坦面にされている。
【0014】
パウダーポッド15は、ハウジング11の上方に設けられ、金属粉末23を貯留する。また、パウダーポッド15は、金属粉末23を下方に排出する不図示のノズルを有する。
【0015】
リコータ17は、ハウジング11上に配置され、不図示の水平方向駆動機構によって、パウダーポッド15の下方から造形部13までの間を含む領域を、水平方向(矢印S方向)に移動自在となっている。リコータ17は、水平移動方向に交差する方向(図1の奥行き方向)に延びる細長状であって、水平移動によってベースプレート21の全面を走査可能な奥行き長さに形成される。リコータ17は、パウダーポッド15から装填された金属粉末23を造形部13に供給し、これにより、ベースプレート21上に金属粉末23の層を形成する。
【0016】
レーザ出力部19は、入力された3次元形状データに応じて、レーザ光LBを造形部13に向けて照射する。レーザ光LBの走査軌跡は、造形する積層造形物の形状に応じて予め設定されており、レーザ出力部19は、設定された走査軌跡に沿ってレーザ光LBを走査する。レーザ光LBは、金属粉末23の溶融熱源であり、レーザ光LBの照射領域内の金属粉末23を選択的に溶融接合させ、溶融結合体25を形成する。この溶融結合体25を順次に積層することで積層造形物が得られる。
【0017】
ここで、本明細書では、図1に示す上下方向をZ方向、リコータ17の移動方向をX方向、また、X方向及びZ方向に直交する奥行き方向をY方向と定義する。なお、リコータ17の移動方向は必ずしも水平方向に限らず、積層造形装置100の構造等に応じて適宜設定される。
【0018】
金属粉末23としては、例えば、合金工具鋼材(SKD)、アルミ、ステンレス鋼材、又はチタン等の粉末材料を用いることができる。
【0019】
<積層造形装置による基本的な造形手順>
次に、上記構成の積層造形装置100による積層造形物の基本的な造形手順を説明する。
図2は、積層造形物の製造工程を(A)~(F)に示す工程説明図である。以下に説明する各工程の動作は、CPU、メモリ、又はストレージ等を備えるコンピュータ装置からなる不図示の制御部からの指令により行われる。
【0020】
まず、図2の(A)に示すように、リコータ17をパウダーポッド15の下方に配置して、パウダーポッド15から所定量の金属粉末23をリコータ17に供給する。そして、ベースプレート21をΔtだけ降下させ、ハウジング11の上面とベースプレート21の上面との間に厚さΔtの段差を形成する。
【0021】
次に、(B)に示すように、リコータ17をパウダーポッド15の下方から造形部13に向けて移動させる。これにより、リコータ17から金属粉末23が流れ落ち、ベースプレート21上に、金属粉末23の薄層が敷設される(リコート工程)。
【0022】
その後、(C)に示すように、レーザ出力部19が、ベースプレート21上に敷設された薄層の金属粉末23に向けてレーザ光LBを照射する。レーザ光LBは、目標形状の3次元形状データに応じて、薄層の金属粉末23の所定の位置へ選択的に照射される。レーザ光LBが照射された領域では、薄層の金属粉末23が溶融して1層分の溶融結合体25が形成される(溶融接合工程)。
【0023】
さらに、(D)に示すように、ベースプレート21を更にΔtだけ降下させ、ハウジング11の上面とベースプレート21上の金属粉末23の薄層との間に厚さΔtの段差を形成する。そして、(E)に示すように、リコータ17を移動先からパウダーポッド15側に移動させ、段差内に金属粉末23の薄層を形成する(リコート工程)。その後、(F)に示すように、形成された薄層に向けてレーザ出力部19から3次元形状データに応じたレーザ光LBを照射する(溶融接合工程)。
【0024】
上記の金属粉末23の敷設(リコート工程)とレーザ光LBの照射(溶融接合工程)とを繰り返し、造形部13で溶融結合体25を順次に積層することで、3次元形状データに応じた形状の積層造形物が得られる。
【0025】
<オーバーハング部を有する積層造形物の造形>
粉末床溶融結合方式によりオーバーハング部を形成する場合がある。
図3は、オーバーハング部31を有する積層造形物33の形状を示す概略構成図である。
【0026】
積層造形物33は、柱部35と、柱部35の上部から側方に向けて延出されたオーバーハング部31とを有する。このような積層造形物33を造形する際には、オーバーハング部31の形状を崩さないように造形することが必要となる。
【0027】
このため、図4に示すように、オーバーハング部31を有する積層造形物33を造形する際に、オーバーハング部31を下方から支持するサポート部40を柱部35とともに造形する。そして、造形した柱部35及びサポート部40の上部にオーバーハング部31を造形し、サポート部40が一体に設けられた積層造形物33を造形する。その後、この積層造形物33からサポート部40を除去する。
【0028】
このサポート部40は、複数の第1の壁部41と、複数の第2の壁部43とを有している。第1の壁部41同士は、互いに平行に配置され、第2の壁部43同士は互いに平行に配置されている。これらの第1の壁部41と第2の壁部43とは、それぞれ異なる方向に延在されて互いに交差されている。これにより、サポート部40は、平面視において、第1の壁部41と第2の壁部43とが交差された菱形の格子状に形成されている。
【0029】
このようなサポート部40によれば、第1の壁部41と第2の壁部43とを互いに交差させて菱形の格子状に形成することで、全体の熱変形を抑えつつオーバーハング部31を良好に支持することができ、しかも、積層造形物33の造形後に容易に除去することが可能である。
【0030】
しかし、サポート部40を造形する際に、リコータ17を移動させて造形部13に金属粉末の薄層を形成するリコート動作が行われると、サポート部40の既に形成した部分がリコータ17から受ける力によって崩壊してしまうおそれがある。このため、本実施形態では、造形後に容易に除去することが可能なサポート部40を、崩壊を抑えつつ造形する。
【0031】
具体的には、図5に示すように、リコータ17の移動方向であるリコート方向S1に対する第1の壁部41の角度θ1及び第2の壁部43の角度θ2がそれぞれ45°以下の角度となるようにサポート部40を形成する。
【0032】
このように、リコート方向S1に対する第1の壁部41の角度θ1及び第2の壁部43の角度θ2が45°以下となるように形成することで、リコート工程時にリコータ17から受ける力を受け流すことができる。
【0033】
以上、説明したように、本構成の積層造形方法によれば、オーバーハング部31を支持するサポート部40として、平面視において、互いに平行な複数の第1の壁部41と、互いに平行な複数の第2の壁部43とを互いに交差させた格子状のサポート部40を形成する。このように、複数の第1の壁部41と複数の第2の壁部43とを互いに交差させた格子状のサポート部40は、全体の熱変形を抑えつつオーバーハング部31を良好に支持し、造形後に容易に除去できる。
【0034】
また、第1の壁部41及び第2の壁部43をリコート方向S1に対して45°以下となるように形成することで、リコート工程時にリコータ17から受ける力を受け流することができる。なお、第1の壁部41及び第2の壁部43のリコート方向S1に対する角度θ1,θ2は、30°以下とするのがより好ましい。
【0035】
このように、本構成の積層造形方法によれば、リコート動作によってサポート部40を崩壊させることなく、サポート部40によってオーバーハング部31を十分に支持し、造形後にサポート部40を容易に除去することができる。
【0036】
ところで、リコータ17を移動させて造形部13に金属粉末23の薄層を形成する場合、サポート部40は、特にリコート方向S1の後方側の端部で大きな力を受けて崩壊するおそれがある。
【0037】
このため、図6に示すように、第1の壁部41及び第2の壁部43における少なくともリコート方向S1の後方側の端部に他の部分よりも厚い厚肉部45,47を形成するのが好ましい。
【0038】
このように、第1の壁部41及び第2の壁部43における少なくともリコート方向S1の後方側の端部の肉厚を他の部分よりも厚く形成することにより、造形後における良好な除去性を確保しつつ、特に崩壊しやすい第1の壁部41及び第2の壁部43におけるリコート方向S1の後方側の端部の強度を高めることができる。
【0039】
また、リコート工程において、リコータ17を造形部13上で往復移動させて造形部13に金属粉末23の薄層を形成してもよい。
【0040】
この場合、図7に示すように、溶融接合工程において、第1の壁部41及び第2の壁部43におけるリコータ17を往復移動させる際のそれぞれのリコート方向S1,S2の後方側の端部に他の部分よりも厚い厚肉部45,47を形成する。
【0041】
このようにすると、リコータ17を造形部13上で往復移動させる場合においても、造形後における良好な除去性を確保しつつ、特に崩壊しやすい第1の壁部41及び第2の壁部43におけるリコート方向S1,S2の後方側の端部の強度を高めることができる。
【0042】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせること、及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0043】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) リコータを造形部上で移動させて前記造形部に金属粉末の層を形成するリコート工程と、前記造形部に敷設された金属粉末を選択的に溶融接合させる溶融接合工程と、を繰り返し、溶融結合体を順次に積層してオーバーハング部を有する積層造形物を造形する積層造形方法であって、
前記溶融接合工程において、
前記オーバーハング部を支持し、平面視において、互いに平行な複数の第1の壁部と、互いに平行な複数の第2の壁部とを互いに交差させた格子状のサポート部を、前記第1の壁部及び前記第2の壁部が前記リコート工程における前記リコータの移動方向であるリコート方向に対して45°以下となるように形成する、積層造形方法。
この構成の積層造形方法によれば、オーバーハング部を支持するサポート部として、平面視において、互いに平行な複数の第1の壁部と、互いに平行な複数の第2の壁部とを互いに交差させた格子状のサポート部を形成する。このように、複数の第1の壁部と複数の第2の壁部とを互いに交差させた格子状のサポート部は、全体の熱変形を抑えつつオーバーハング部を良好に支持し、造形後に容易に除去できる。
また、第1の壁部及び第2の壁部をリコート方向に対して45°以下となるように形成することで、リコート工程時にリコータから受ける力を受け流することができる。
このように、本構成によれば、リコート動作によってサポート部を崩壊させることなく、サポート部によってオーバーハング部を十分に支持し、造形後にサポート部を容易に除去することができる。
【0044】
(2) 前記溶融接合工程において、前記第1の壁部及び前記第2の壁部における少なくとも前記リコート方向の後方側の端部に他の部分よりも厚い厚肉部を形成する、(1)に記載の積層造形方法。
この構成の積層造形方法によれば、第1の壁部及び第2の壁部における少なくともリコート方向の後方側の端部の肉厚を他の部分よりも厚く形成することにより、造形後における良好な除去性を確保しつつ、特に崩壊しやすい第1の壁部及び第2の壁部におけるリコート方向の後方側の端部の強度を高めることができる。
【0045】
(3) 前記リコート工程において、前記リコータを前記造形部上で往復移動させて前記造形部に前記金属粉末の層を形成し、
前記溶融接合工程において、前記第1の壁部及び前記第2の壁部における前記リコータを往復移動させる際のそれぞれの前記リコート方向の後方側の端部に他の部分よりも厚い厚肉部を形成する、(1)に記載の積層造形方法。
この構成の積層造形方法によれば、リコート工程において、リコータを造形部上で往復移動させて薄層を形成する場合においても、造形後における良好な除去性を確保しつつ、特に崩壊しやすい第1の壁部及び第2の壁部におけるそれぞれのリコート方向の後方側の端部の強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0046】
13 造形部
17 リコータ
23 金属粉末
31 オーバーハング部
33 積層造形物
40 サポート部
41 第1の壁部
43 第2の壁部
45,47 厚肉部
S1,S2 リコート方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7