(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028071
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】内外装材、および内外装基材の補強方法
(51)【国際特許分類】
B32B 5/28 20060101AFI20230224BHJP
C08G 59/14 20060101ALI20230224BHJP
C08J 5/04 20060101ALI20230224BHJP
B32B 27/38 20060101ALI20230224BHJP
C09D 163/02 20060101ALI20230224BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20230224BHJP
E04D 3/35 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
B32B5/28
C08G59/14
C08J5/04 CFC
B32B27/38
C09D163/02
C09D7/63
E04D3/35 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133545
(22)【出願日】2021-08-18
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.カラーベスト
2.コロニアル
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】奥田 章子
(72)【発明者】
【氏名】森田 敦
(72)【発明者】
【氏名】片岡 弘安
(72)【発明者】
【氏名】高橋 晃一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 栄喜
【テーマコード(参考)】
2E108
4F072
4F100
4J036
4J038
【Fターム(参考)】
2E108CC02
2E108CC03
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4J038PC04
(57)【要約】
【課題】内外装材の強度を高める内外装材、および内外装基材の補強方法を提供する。
【解決手段】非極性官能基を付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂である主剤と、硬化剤と、を含む二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物である塗布層13と、当該塗布層13が密着されている内外装基材11とを備える。塗布層13は、二液反応硬化型エポキシ樹脂が補強繊維12に含浸された状態で内外装基材11に密着されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内外装基材と、
前記内外装基材に密着した塗布層と補強繊維との複合体である補強層と、を備え、
前記塗布層は、
非極性官能基を付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂である主剤と、
硬化剤と、を含む二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物であり、
前記二液反応硬化型エポキシ樹脂が前記補強繊維に含浸した状態で前記内外装基材に密着しており、
前記補強繊維は、立毛布帛ネット、不織布ネット、ループ付きネット、および、六角網目ネットのいずれか1つである
内外装材。
【請求項2】
前記硬化剤は、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、および酸無水物系硬化剤からなる群の少なくとも1種である
請求項1に記載の内外装材。
【請求項3】
前記非極性官能基は、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の複合変性によって前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂に付加されている
請求項1または2に記載の内外装材。
【請求項4】
前記塗布層は、プライマー層を含まない単層構造体として前記内外装基材に密着している
請求項1から3のいずれか一項に記載の内外装材。
【請求項5】
内外装基材に、プライマー層を形成することなく、前記内外装基材上で二液反応硬化型エポキシ樹脂を補強繊維に含浸させることを含み、
前記二液反応硬化型エポキシ樹脂は、
非極性官能基を付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂である主剤と、
硬化剤と、を含み、
前記補強繊維は、立毛布帛ネット、不織布ネット、ループ付きネット、および、六角網目ネットのいずれか1つである
内外装基材の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内外装材、および内外装基材の補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
耐熱性や耐火性に優れたスレート材などのセメント基材は、屋根材や外壁材などの内外装材の基材である内外装基材に採用される。加熱硬化を要しない二液反応硬化型エポキシ樹脂は、大型の構造物に採用された内外装基材の塗装仕上げに適用される(例えば、特許文献1を参照)。内外装基材を塗装仕上げする一つの方法は、二液型水性エポキシ樹脂製のプライマー層を形成すること、および、水硬化性セメントモルタル製のモルタル層をプライマー層に上塗りすることを含む(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/137636号
【特許文献2】特開2009-256133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内外装材において強度が不足したり欠陥が認められたりする場合には、内外装基材の表面に硬い樹脂をさらに塗布して内外装材の強度を補うことが行われる。一方で、単に硬い樹脂を用いる内外装基材の補強に際しては、硬い樹脂からなる塗布層そのものに割れを生じさせるおそれが潜在している。結局のところ、上述した内外装材の分野においては、内外装材の強度をさらに高めることが依然として強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための内外装材は、内外装基材と、前記内外装基材に密着された塗布層と補強繊維との複合体である補強層と、を備え、前記塗布層は、非極性官能基を付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂である主剤と、硬化剤と、を含む二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物であり、前記二液反応硬化型エポキシ樹脂が前記補強繊維に含浸した状態で前記内外装基材に密着しており、前記補強繊維は、立毛布帛ネット、不織布ネット、ループ付きネット、および、六角網目ネットのいずれか1つである。
【0006】
上記内外装材によれば、非極性官能基が付加されていないビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤に採用する場合と比べて、主剤同士の分子間結合が弱められる。結果として、二液反応硬化型エポキシ樹脂が適用される表面での硬化物の微粒子化が促されて、当該表面での硬化物の追従性、密着性、および被覆性が高められる。これにより、二液反応硬化型エポキシ樹脂によって内外装材の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高めることが可能となる。なお、上記二液反応硬化型エポキシ樹脂は、ボード張りやタイル下地に適用することも、プレキャストコンクリート製部材の欠けの補修に適用することも可能であって、各適用対象において強度を高めることが可能でもある。そして、立毛布帛ネット、不織布ネット、ループ付きネット、および、六角網目ネットのいずれか1つである補強繊維に含浸された状態での硬化物、および補強繊維から構成される補強層によって、内外装基材が被覆されている。これにより、内外装基材と補強層との密着性を硬化物によって高め、かつ二液反応硬化型エポキシ樹脂の強度を補強繊維によって高めることが可能であるから、内外装材の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度をさらに高めることが可能ともなる。また、補強層および仕上層が基材の動きや基材に発生した亀裂(ひび割れ)に対して、より追従しやすくなる。
【0007】
上記内外装材において、前記硬化剤は、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、および酸無水物系硬化剤からなる群の少なくとも1種でもよい。
上記内外装材によれば、ポリチオール系エポキシ硬化剤を備える構成と比べて、ポリチオール系エポキシ硬化剤の高い反応性に起因した保存時の不安定化を抑えることが可能ともなる。そして、内外装材の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高めることの実効性を高めることが可能となる。
【0008】
上記内外装材において、前記非極性官能基は、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の複合変性によって前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂に付加されてもよい。
上記内外装材によれば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主たる骨格とした硬化物の特性である耐久性や耐候性を維持することの実効性を高めることが可能もなる。
【0009】
上記内外装材において、前記塗布層は、プライマー層を含まない単層構造体として前記内外装基材に密着されてもよい。プライマー層の一例は、内外装基材の塗装仕上げにおけるプライマー層である。
上記内外装材によれば、内外装基材の補強に要する負荷を軽減することが可能ともなる。
【0010】
上記課題を解決するための内外装基材の補強方法は、内外装基材に、プライマー層を形成することなく、前記内外装基材上で二液反応硬化型エポキシ樹脂を補強繊維に含浸させることを含み、前記二液反応硬化型エポキシ樹脂は、非極性官能基を付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂である主剤と、硬化剤と、を含み、前記補強繊維は、立毛布帛ネット、不織布ネット、ループ付きネット、および、六角網目ネットのいずれか1つである。
【0011】
上記内外装基材の補強方法によれば、プライマー層を形成する工程を要しない分だけ、内外装基材の補強に要する負荷を軽減することが可能となる。そして、上記二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物で内外装基材の表面を被覆することによって、内外装材の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高めることが可能となる。つまり、硬化性樹脂組成物はプライマー層としての機能を兼ね備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】内外装材の一実施形態における内外装材の断面図。
【
図2】内外装基材の補強方法の一実施形態における一工程を示す断面図。
【
図3】内外装基材の補強方法の一実施形態における一工程を示す断面図。
【
図4】二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化前における構造モデルを示す模式図。
【
図5】二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化後における構造モデルを示す模式図。
【
図6】二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化後における被覆モデルを示す模式図。
【
図7】内外装材の曲げ破壊荷重試験におけるストロークと荷重との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1から
図7を参照し、内外装材、および内外装基材の補強方法の一実施形態を説明する。まず、内外装材の構成を説明し、次に、内外装基材の補強方法を説明し、次いで、補強方法に用いる二液反応硬化型エポキシ樹脂の構成を説明する。
【0014】
[内外装材]
図1を参照して内外装材を説明する。内外装材は、内外装基材11、補強繊維12、および塗布層13を備える。塗布層13は、プライマー層を備えないノンプライマー構造を有する単層構造体である。補強繊維12は、塗布層13に覆われている。内蔵部材は、耐候性を高めることを目的として、塗布層13を覆う上塗り層を備えてもよい。上塗り層は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂を塗布層13に上塗りすることによって形成される。
【0015】
補強繊維12と塗布層13との複合体は、内外装基材11を補強する補強層である。補強層は、内外装基材11に塗着されている。塗布層13は、二液反応硬化型エポキシ樹脂を補強繊維12に含浸された状態で内外装基材11に密着されている。
【0016】
内外装基材11の一例は、セメント基材である。内外装基材11は、金属基材でもよいし、木質基材でもよいし、石材でもよい。セメント基材は、石綿スレートなどの波状スレート、カラーベストなどの平型化粧スレート、コロニアル板などのスレート材、あるいはケイ酸カルシウムボード、せっこうボードを含む。内外装基材11は、プレキャストコンクリート製カーテンウォールなどのコンクリート製の部材でもよい。コンクリートは、繊維や樹脂を含有した補強コンクリートを含む。金属製基材は、ステンレス基材、アルミニウム基材、鉄アルミ亜鉛合金基材を含む。木質系基材は、無垢材、集成材、積層材、合板、木質ボードを含む。
【0017】
補強繊維12は、内外装基材11の表面を被覆する。補強繊維12は、織られた繊維からなる層状部材でもよいし、編まれた繊維からなる層状部材でもよい。補強繊維12は、ニットループなどのループ状の繊維がシートやマットに編み込まれた層状部材でもよい。補強繊維12に含浸された二液反応硬化型エポキシ樹脂は、補強層の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高める。
【0018】
補強繊維12は、立毛布帛ネット、不織布ネット、ループ付きネット、および、六角網目ネットのいずれか1つである。なお、
図1は、補強繊維12がループ付きネットである例を示す。
立毛布帛ネットは、網状の布帛ネットに立毛部を備える。立毛部は、カットパイルによって形成され、繊維の先端が裁断されている。不織布ネットは、基布である不織布に、不織布に編み込まれた糸を備える。糸は、ニードルパンチ法やステッチボンド法を用いて不織布に編み込まれ、これにより、不織布を立毛させる。ループ付きネットは、網状の基材シートにループ状の繊維を備える。ループ状の繊維は、基材シートの片面、あるいは両面に植設されている。六角網目ネットは、網目あるいは織り目の開口部が六角形状を有する亀甲形ネットである。
補強繊維12においてネットが形成する網目は、補強繊維12の厚み方向において塗布層13に内外装基材11の表面を露出する。補強繊維12においてネットが形成する網目は、塗布層13を形成する二液反応硬化型エポキシ樹脂が通りやすいように、例えば9mm
2以上の大きさを有する。塗布層13を形成する二液反応硬化型エポキシ樹脂は、補強繊維12においてネットが形成する網目を通して内外装基材11の表面に接合される。
補強繊維12を構成する繊維は、有機繊維でもよいし、無機繊維でもよい。補強繊維12を構成する繊維は、例えば合成繊維、アセテート系の半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、アラミド繊維、高強力ポリエチレン繊維、ポリベンザゾール繊維、炭素繊維、ボロン繊維などの強化繊維、綿、麻からなる群から選択される少なくとも一種である。合成繊維を構成する材料は、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリビニールアルコール、ナイロン、アクリルからなる群から選択される少なくとも一種である。補強繊維12を構成する繊維は、モノフィラメントでもよいし、マルチフィラメントでもよい。
補強繊維12を構成する基材シートは、緯編、経編などの編み物でもよいし、平織、綾織、朱子織などの織物でもよい。塗布層13を形成する二液反応硬化型エポキシ樹脂は、補強繊維12における基材シートや不織布を通過する。補強繊維12における立毛部やループ状の繊維は、塗布層13に対するアンカー効果、さらには塗布層13から露出する部分を備える場合には、上塗り層に対するアンカー効果を高める。不織布に編み込まれる糸は、不織布の目付に依存して塗布層13に凹凸が生じることを抑え、塗布層13の面精度を高める。
【0019】
塗布層13は、内外装基材11の表面を被覆する。塗布層13は、二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物である。二液反応硬化型エポキシ樹脂は、主剤と硬化剤とを塗布の直前に混合することによって調整される。
【0020】
塗布層13は、内外装基材11と補強繊維12とを接合する。塗布層13は、補強繊維12を構成する繊維の全体を被覆してもよいし、補強繊維12を構成する繊維の一部を塗布層13のなかから露出させてもよい。内外装基材11が繊維や粉体を飛散させる石綿スレートなどである場合、塗布層13は、内外装基材11の表面からそれらが飛散することを封じ込める。
【0021】
塗布層13の形成に用いられる二液反応硬化型エポキシ樹脂は、補強繊維12に含浸される程度の粘度を有する。補強繊維12がループ状の繊維を備える場合、ループのなかに流れ込む程度の粘度を有した二液反応硬化型エポキシ樹脂が塗布層13の形成に用いられる。
【0022】
[内外装基材の補強方法]
図2および
図3を参照して内外装基材の補強方法を説明する。
内外装基材の補強方法は、内外装基材11の表面に二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する工程を備える。内外装基材の補強方法は、二液反応硬化型エポキシ樹脂の塗布に先駆けて、内外装基材11の表面の清掃、目粗し、洗浄などの前処理工程を備えてもよい。また、内外装基材の補強方法は、内外装基材11の表面に補強繊維12を張り付ける工程と、補強繊維12の表面に二液反応硬化型エポキシ樹脂をさらに塗布する工程とを備えてもよい。
【0023】
内外装基材11における表面の前処理方法は、ウエス拭き、水洗や高圧水による水洗、電動ブラシやディスクサンダーなどの電動工具による清掃や目粗し、あるいはブラスト処理などである。表面の洗浄は、表面に密着した汚れを除去すると共に、基材の劣化部分や表面において劣化した先の塗布層を除去する。
【0024】
図2が示すように、二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する工程は、内外装基材11の表面に二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布し、これによって、第1塗布層13Aを形成することである。さらに、
図3が示すように、硬化する前の第1塗布層13Aに補強繊維12が張り付けられる。そして、二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する工程は、当該補強繊維12に二液反応硬化型エポキシ樹脂を含浸させて、これによって、第2塗布層13Bを形成することを含む。第1塗布層13Aを形成するための二液反応硬化型エポキシ樹脂と、第2塗布層13Bを形成するための二液硬化型エポキシ樹脂とは、相互に同一の主剤、および相互に同一の硬化剤を含む。
【0025】
二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布することは、1回の塗布あたりに塗布量が100g/m2以上10kg/m2以下となるように、好ましくは300g/m2以上3kg/m2以下となるように、二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する。二液反応硬化型エポキシ樹脂の塗布量は、内外装材に求められる強度に基づいて変更されてもよいし、内外装基材11の劣化の度合いに基づいて変更されてもよい。二液反応硬化型エポキシ樹脂の塗布量は、補強繊維12の種類や厚みに基づいて変更されてもよいし、二液反応硬化型エポキシ樹脂の種類に基づいて変更されてもよい。
【0026】
補強繊維12を張り付ける工程は、第1塗布層13Aの上に補強繊維12を配置する。内外装基材11が欠損していない状態であれ、内外装基材11の一部が欠損している状態であれ、補強繊維12を張り付けることは、補強繊維12を張り付けて二段階増し塗りすることで、内外装材の強度を高めると共に、内外装材の補修を可能ともする。そして、二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する工程は、プライマー層を用いることなく、塗布層13と補強繊維12との間に高い密着力を発現させて、内外装基材11の表面に補強繊維12を付着させる。また、二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する工程は、補強繊維12を用いる場合であれ、補強繊維12を用いない場合であれ、内外装基材11の表面と補強層との密着性を高めることを可能とする。
【0027】
なお、補強繊維12において立毛部やループ状の繊維が基材シートの両面に植設される構成であれば、内外装基材11と補強繊維12との接合強度が一層に高められる。また、金属製の内外装基材11において錆が発生していても、脆弱な錆をおおよそ除去することによって、内外装基材11の表面に補強層を接着することは可能である。そして、内外装基材11と補強層との間の高い密着力によって、あらたな錆が発生すること、および錆がさらに進行することを抑えることが可能となる。
【0028】
[二液反応硬化型エポキシ樹脂]
図4から
図6を参照し、一実施形態における二液反応硬化型エポキシ樹脂を説明する。二液反応硬化型エポキシ樹脂は、下記〔A〕~〔C〕を含む。二液反応硬化型エポキシ樹脂は、下記〔A〕~〔C〕の他に〔D〕添加剤を含むこともできる。
〔A〕主剤
〔B〕硬化剤
〔C〕媒質
【0029】
〔A〕主剤は、非極性官能基を付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
〔A〕主剤に対する〔B〕硬化剤の配合比は、〔A〕主剤におけるエポキシ基の1モルに対して0.8当量以上1.2当量以下である。〔A〕主剤に対する〔B〕硬化剤の配合比が0.8当量以上であれば、塗布層13のなかの架橋密度を高めて、塗布層13における曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度などの強度を高めることが可能となる。そして、内外装材の割れを抑えることが可能となる。〔A〕主剤に対する〔B〕硬化剤の配合比が1.2当量以下であれば、〔B〕硬化剤の未反応分が増えることを抑えて、塗布層13における曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度などの強度が低下することを抑えることが可能となる。
【0030】
二液反応硬化型エポキシ樹脂の100質量部に対する〔A〕主剤の配合比は、60質量部以上95質量部以下でもよい。二液反応硬化型エポキシ樹脂の100質量部に対する〔A〕主剤の配合比は、好ましくは70質量部以上90質量部以下である。〔A〕主剤の含有量が60質量部以上であれば、二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物における曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高めることが可能となる。〔A〕主剤の含有量が95質量部以下であれば、二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物における耐熱性を高めることが可能となる。
【0031】
図4が示すように、硬化前における〔A〕主剤の分子構造は、主鎖21を構成するビスフェノールA型エポキシ樹脂と、主鎖21に付加された非極性官能基22とを備える。主鎖21は、1分子中に2個以上のグリシジル基を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂である。非極性官能基22は、主鎖21を非極性化するための複合変性を経て、〔A〕主剤に付加される。主鎖21を非極性化するための複合変性の一例は、主鎖21のアルコール性水酸基との脱水縮合である。
【0032】
エポキシ当量は、エポキシ基1モル当たりの質量(g/eq)である。〔A〕主剤のエポキシ当量は、適宜変更することができる。エポキシ当量は、200g/eq以上4000g/eq以下であってもよいし、1000g/eq以上3000g/eq以下であってもよい。エポキシ当量が200g/eq以上であれば、高い加工性、耐食性、および硬化性が得られる。他方、エポキシ当量が4000g/eq以下であれば、適切な粘度による媒質のなかでの媒質希釈性、浸透性、および加工性が得られる。
【0033】
〔A〕主剤を構成する主鎖21は、液状エポキシ樹脂でもよいし、固形エポキシ樹脂でもよい。主鎖21においてビスフェノールA骨格が繰り返される数は、1以上10以下でもよい。ビスフェノールA骨格の繰り返される数は、二液反応硬化型エポキシ樹脂に求められる粘度に基づいて適宜設定される。ビスフェノールA骨格の繰り返される数が1以上3以下であれば、〔A〕主剤は常温で液体であり、ビスフェノールA骨格の繰り返される数が3以上10以下であれば、〔A〕主剤は常温で固体である。
【0034】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、例えば、エピクロン(登録商標)850(DIC株式会社製)、エポトート(登録商標)YD-128(新日鐵住金化学株式会社製)、DER-331、DER-332(以上、ダウケミカル日本株式会社製)、EPON825、jER826、jER827、jER828(以上、三菱ケミカル株式会社製)である。
【0035】
〔A〕主剤の一例は、下記式(1)によって示される。〔A〕主剤の一例は、ビスフェノールA骨格を繰り返し単位に含む。
式(1)においてR0は、それぞれが独立に、水素原子または炭素数が1以上10以下のアルキル基である。式(1)においてmは1以上の整数である。式(1)においてnは1以上の整数である。式(1)においてR1は、官能基のなかで双極子モーメントが十分に小さい、非極性官能基22である。R1は、ブチル基やオクチル基などの炭素数が3以上10以下の鎖状アルキル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基、フェニル基、ジフェニル基からなる群から選択されるいずれか1つである。
【0036】
【化1】
図5が示すように、二液反応硬化型エポキシ樹脂の硬化物における〔A〕主剤の分子構造は、主鎖21と側鎖とを相互作用を通じて絡めるような球形状を有する。なお、〔A〕主剤において非極性官能基22が付加されていない従来の二液反応硬化型エポキシ樹脂では、さらに1つの〔A〕主剤と他の〔A〕主剤とが分子間の相互作用を通じて絡まる。結果として、硬化物における〔A〕主剤の粒子直径は、50μm以上100μm以下にまで達している。
【0037】
一方、〔A〕主剤において非極性官能基22が付加されている場合、相互に隣り合う〔A〕主剤の間で、非極性官能基22が近づくことに反発する。これにより、1つの〔A〕主剤と他の〔A〕主剤との相互作用を通じた絡まりが生じがたく、硬化物において〔A〕主剤が微粒子化する。そして、硬化物における〔A〕主剤の粒子直径は、5nm以上80nm以下のように、非極性官能基22を付加されていない構成と比べて、1万分の1程度にまで縮小する。
【0038】
図6が示すように、内外装基材11の表面は、微小な凹凸を含む凹凸面である。内外装基材11の表面における微小な凹凸は、内外装基材11の表面と補強層との間に隙間を形成し、内外装基材11の表面と補強層との間の密着性を低下させる要因となり得る。この点、非極性官能基22の付加によって微粒子化された〔A〕主剤を含む硬化物13Mは、内外装基材11の表面に追従し、当該表面と補強層との密着性、および補強層による被覆性を高める。加えて、非極性官能基22の付加によって微粒子化された硬化物13Mは、補強層における曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高めもする。すなわち、非極性官能基22の付加された二液反応硬化型エポキシ樹脂は、高い強度を有し、かつ高い変形の追従性も有することとなる。
【0039】
〔B〕硬化剤は、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、および酸無水物系硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種である。硬化剤は、チオール系硬化剤でもよい。
【0040】
アミン系硬化剤は、ポリアミドアミン系硬化剤、およびポリアミド樹脂含有ワニスを含む。アミン系硬化剤は、脂肪族アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、変性アミン系硬化剤、ポリアミドアミン、二級アミン系硬化剤、および三級アミン系硬化剤からなる群から選択される少なくとも1種である。脂肪側アミン系硬化剤は、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリプロピレントリアミンである。芳香族アミン系硬化剤は、例えば、芳香族ジアミノジフェニルメタン化合物、2,4-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノベンゼン、1,3-ジアミノベンゼンなどである。
【0041】
イミダゾール系硬化剤は、例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾールなどである。ポリメルカプタン系硬化剤は、例えば、液状のポリメルカプタン、ポリスルフィド樹脂である。
【0042】
酸無水物系硬化剤は、無水フタル酸化合物、およびカルボン酸無水物からなる群から選択される少なくとも1種である。無水フタル酸化合物は、例えば、3,4-ジメチル-6-(2-メチル-1-プロペニル)-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などである。カルボン酸無水物は、1-イソプロピル-4-メチル-ビシクロ[2.2.2]オクト-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物である。
【0043】
〔C〕媒質は、二液反応硬化型エポキシ樹脂と硬化剤との混合を容易なものとする。〔C〕媒質は、単一の液体からなる溶媒でもよいし、2種類以上の液体の混合物である混合溶媒でもよい。〔C〕媒質は、有機溶媒でもよいし、有機溶剤でもよいし、有機分散媒でもよい。媒質は、脂肪族または芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、エステル類、アルコールエーテル類からなる群から選択される少なくとも1種でもよい。
【0044】
[添加剤]
添加剤は、例えば、硬化促進剤、反応性希釈剤、重合開始剤、粘度調整剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、沈殿防止剤、安定剤、防錆剤、蛍光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤である。添加剤は、例えば、繊維径樹脂、無機充填材、無機着色材である。
【0045】
硬化促進剤は、二液反応硬化型エポキシ樹脂における硬化反応を促進させる。硬化促進剤は、例えば、トリフェニルホスフィンやトリブチルホスフィンなどのリン系化合物、トリエチルアミンやベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン化合物、2-メチルイミダゾールや2-エチル4-メチルイミダゾールなどのイミダゾールである。
【0046】
反応性希釈剤は、二液反応硬化型エポキシ樹脂の特性を損なうことなく、二液反応硬化型エポキシ樹脂の粘度を低める。反応性希釈剤は、モノエポキシ化合物でもよい。モノエポキシ化合物は、例えば、アルキルモノグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテルである。
【0047】
無機充填材は、例えば、溶融シリカや結晶性シリカなどのシリカ類、酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、窒化ケイ素、酸化珪素、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムである。着色材は、例えば、酸化チタン、黄色酸化鉄、カーボンブラックである。
【0048】
[実施例]
ループ状の無機繊維が網状の基材シートにおける片面に編み込まれた層状部材をループ付きネットの補強繊維の一例として波形屋根用スレートの表面に配置し、塗布量が750g/m2となるように、二液反応硬化型エポキシ樹脂を層状部材に含浸されるように塗布して実施例の内外装材を形成した。この際、二液反応硬化型エポキシ樹脂を構成する主剤の非極性官能基をオクチル基とした。また、二液反応硬化型エポキシ樹脂を構成する硬化剤としてアミン系硬化剤を用いた。
【0049】
そして、実施例の内外装材について、JIS A 5423:2013に準拠した方法を用いて曲げ破壊荷重試験を行い、実施例の最大荷重を測定した。また、JIS A 1106に準拠した方法を用い、内外装材の曲げ強度(N/mm2)を測定した。また、実施例の二液反応硬化型エポキシ樹脂を用いて作成した硬化物の樹脂片について、JIS K 7181に準拠した方法を用い、樹脂片における圧縮強さ(N/mm2)を測定した。さらに、実施例の二液反応硬化型エポキシ樹脂を用いて作成した硬化物の樹脂片について、JIS K 7161に準拠した方法を用い、樹脂片における引張り強さ(N/mm2)を測定した。
【0050】
波形屋根用スレートの表面に塗布量が750g/m2となるように高強度構造補強用エポキシ樹脂を塗布して比較例の内外装材を形成した。この際、高強度構造補強用エポキシ樹脂を構成する主剤として、二液反応硬化型エポキシ樹脂と同じく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であって、非極性官能基が修飾されていない樹脂を用いた。
【0051】
そして、比較例の内外装材について、JIS A 5423:2013に準拠した方法を用いて曲げ破壊荷重試験を行い、比較例の最大荷重を測定した。また、比較例の内外装材について、JIS A 1106に準拠した方法を用い、内外装材の曲げ強度(N/mm2)を測定した。また、比較例の二液反応硬化型エポキシ樹脂を用いて作成した硬化物の樹脂片について、JIS K 7181に準拠した方法を用い、樹脂片における圧縮強さ(N/mm2)を測定した。さらに、比較例の二液反応硬化型エポキシ樹脂を用いて作成した硬化物の樹脂片について、JIS K 7161に準拠した方法を用い、樹脂片の引張り強さ(N/mm2)を測定した。
【0052】
実施例の内外装材を用いた曲げ破壊荷重試験結果、および比較例の内外装材を用いた曲げ破壊荷重試験結果におけるストロークと荷重との関係を
図7に示す。
図7が示すように、比較例の最大荷重は2804Nである一方、実施例の最大荷重は7557Nと非常に高い値であることが認められた。
【0053】
実施例の曲げ強度は66.6(N/mm2)であり、比較例の曲げ強度は40(N/mm2)であり、これにより、実施例の内外装材において高い曲げ強度が認められた。
実施例の圧縮強さは90.4(N/mm2)であり、比較例の曲げ強度は70(N/mm2)であり、これにより、実施例の内外装材において高い圧縮強さが認められた。
【0054】
実施例の引張り強さは72.8(N/mm2)であり、比較例の引張り強さは30(N/mm2)であり、これにより、実施例の内外装材において高い引張り強さが認められた。
【0055】
以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)〔A〕主剤として非極性官能基22が付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂を備えるため、内外装基材11の表面での硬化物の微粒子化が促されて、当該表面での硬化物の追従性、密着性、および被覆性が高められる。これにより、二液反応硬化型エポキシ樹脂によって内外装材の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高めることが可能となる。
【0056】
(2)〔B〕硬化剤としてポリチオール系エポキシ硬化剤を含まないため、硬化剤の高い反応性に起因した保存時の不安定化を抑えることが可能ともなる。そして、内外装材の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度を高めることの実効性を高めることが可能となる。
【0057】
(3)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の複合変性によって非極性官能基22を付加するため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主たる骨格とした硬化物の特性である耐久性や耐候性を維持することの実効性を高めることが可能もなる。
【0058】
(4)補強層が補強繊維12を備える場合、二液反応硬化型エポキシ樹脂の強度を補強繊維12によって高めることが可能であるから、内外装材の曲げ強度、圧縮強度、および引張り強度をさらに高めることが可能ともなる。また、補強層および補強層に重ねられる仕上層が基材の動きや基材に発生した亀裂(ひび割れ)に対して、より追従しやすくなる。
【0059】
(5)塗布層13がプライマー層を含まない単層構造体であるから、内外装基材の補強に要する負荷を軽減することが可能ともなる。また、工期短縮、コスト削減にも寄与する。
(6)二液反応硬化型エポキシ樹脂を補強繊維12に含浸された状態で二液反応硬化型エポキシ樹脂を内外装基材11に密着させる場合、二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する作業のなかに、二液反応硬化型エポキシ樹脂の強度を補強繊維12によって高める作業を含めることが可能ともなる。これにより、補強に要する作業を簡素化することも可能ともなる。
【0060】
(7)内外装材の改修において劣化した塗布層13や錆が完全に除去されない場合であっても、二液反応硬化型エポキシ樹脂が備える高い密着性は、あらたな塗布層13のはく離を抑えることを可能とする。また、入り隅などにおいて錆が残る場合であっても、内外装基材11の腐食が進むことを抑えることが可能となるから、改修における施工性を大幅に向上させることが可能ともなる。
【0061】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。
・二液反応硬化型エポキシ樹脂に保存時の安定性が求められない場合、〔B〕硬化剤にポリチオール系エポキシ硬化剤を含めることも可能である。
【0062】
・〔A〕主剤を含む二液反応硬化型エポキシ樹脂から形成された第1塗布層13Aを当該二液反応硬化型エポキシ樹脂以外から形成される塗布層に対するプライマー層に適用してもよい。
【0063】
・内外装材は、内外装基材11と補強繊維12とが一体化された構成であってもよい。この際、内外装基材の補強方法は、内外装基材11の表面に補強繊維12を張り付ける工程を割愛し、内外装基材11と一体化された補強繊維12に二液反応硬化型エポキシ樹脂を塗布する。塗布層13は、内外装基材11と補強繊維12との間に介在せず、内外装基材11とそれと一体化した補強繊維12を構成する繊維の全体、あるいは補強繊維12を構成する繊維の一部を被覆する。
【符号の説明】
【0064】
11…内外装基材、12…補強繊維、13…塗布層、13M…硬化物、21…主鎖、22…非極性官能基。