IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社MRSの特許一覧

特開2023-28180情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
<>
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図3
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図4
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図5
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図6
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図7
  • 特開-情報処理装置、プログラム及び情報処理方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028180
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20230224BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20230224BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20230224BHJP
   G10L 13/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
G06F16/90 100
G10L15/00 200A
G10L13/00 100K
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133723
(22)【出願日】2021-08-18
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】514042303
【氏名又は名称】株式会社MRS
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】眞野 篤師
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】質問を自動で生成することができる情報処理装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、取得部と、抽出部と、生成部と、記憶制御部とを備える。取得部は、第1質問情報に対する回答情報を取得する。抽出部は、特徴となるデータを示す特徴データを回答情報から抽出する。生成部は、特徴データと、参照情報とに基づいて、第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成する。参照情報は、特徴データと、第1質問情報との関係を示す情報である。記憶制御部は、第2質問情報を記憶するように制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
取得部と、抽出部と、生成部と、記憶制御部とを備え、
前記取得部は、第1質問情報に対する回答情報を取得し、
前記抽出部は、特徴となるデータを示す特徴データを前記回答情報から抽出し、
前記生成部は、前記特徴データと、参照情報とに基づいて、前記第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成し、
前記参照情報は、前記特徴データと、前記第1質問情報との関係を示す情報であり、
前記記憶制御部は、前記第2質問情報を記憶するように制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、前記特徴データと、前記第1質問情報との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
学習部を備え、
前記学習部は、前記特徴データと、前記第2質問情報との関係を教師データとして、前記学習済みモデルを生成又は更新する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記取得部は、Webサイトから前記回答情報を取得する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記取得部は、電話網を介して前記回答情報を取得する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
変換部を備え、
前記変換部は、音声データから構成される前記回答情報をテキストデータに変換する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
変換部と、出力部とを備え、
前記変換部は、テキストデータから構成される前記第2質問情報を音声データに変換し、
前記出力部は、電話網を介して前記第2質問情報を音声出力する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記抽出部は、前記回答情報に対してテキストマイニングによる分析を行う、
情報処理装置。
【請求項9】
プログラムであって、
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる、
プログラム。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
取得工程と、抽出工程と、生成工程と、記憶制御工程とを備え、
前記取得工程では、第1質問情報に対する回答情報を取得し、
前記抽出工程では、特徴となるデータを示す特徴データを前記回答情報から抽出し、
前記生成工程では、前記特徴データと、参照情報とに基づいて、前記第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成し、
前記参照情報は、前記特徴データと、前記第1質問情報との関係を示す情報であり、
前記記憶制御工程では、前記第2質問情報を記憶するように制御する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電話によるアンケート調査を実施するための方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6034988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、アンケート調査に利用する質問をユーザが作成する必要があるため、適切な質問を用いてアンケート調査を実施することが困難であった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、質問を自動で生成することができる情報処理装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、取得部と、抽出部と、生成部と、記憶制御部とを備える。取得部は、第1質問情報に対する回答情報を取得する。抽出部は、特徴となるデータを示す特徴データを回答情報から抽出する。生成部は、特徴データと、参照情報とに基づいて、第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成する。参照情報は、特徴データと、第1質問情報との関係を示す情報である。記憶制御部は、第2質問情報を記憶するように制御する。
【0007】
上記の開示によれば、質問を自動で生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム300を表す構成図である。
図2】情報処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置100(制御部110)によって実現される機能を示すブロック図である。
図4】情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図5】情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示す具体例である。
図6】情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示す具体例である。
図7】情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示す具体例である。
図8】情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示す具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
第1節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム300
図1は、本実施形態に係る情報処理システム300を表す構成図である。情報処理システム300は、情報処理装置100と、ユーザ機器200とを備え、これらが、インターネット又は電話網等の通信網を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。ここで、情報処理システム300に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。
【0015】
ユーザ機器200は、例えば、固定電話機、携帯電話機、スマートフォン等の通話機能を有する機器、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末等の通信機能を有する機器であってもよい。本実施形態では、ユーザ機器200は、通話機能を有する機器として説明する。
【0016】
1.2 情報処理装置100
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、制御部110と、記憶部120と、表示情報生成部130と、入力受付部140と、通信部150とを有し、これらの構成要素が情報処理装置100の内部において通信バス160を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
制御部110は、情報処理装置100に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部110は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部110は、記憶部120に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置100に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部120に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部110によって具体的に実現されることで、制御部110に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部110は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部110を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0018】
記憶部120は、情報処理装置100の情報処理に必要な様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部110によって実行される情報処理装置100に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0019】
表示情報生成部130は、テキスト、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスに表示する情報を生成する。
【0020】
入力受付部140は、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等から入力される信号を受け付ける。ユーザによってなされた操作入力は、命令信号として、通信バス160を介して制御部110に転送される。そして、制御部110は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0021】
通信部150は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、5G/LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置100は、通信部150を介して、ユーザ機器200と通信網を介して種々の情報を通信する。
【0022】
2.機能構成
第2節では、本実施形態の機能構成について説明する。この機能構成は、記憶部120に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部110によって具体的に実現されることで、制御部110に含まれる各機能部として実現されうる。
【0023】
図3は、情報処理装置100(制御部110)によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理装置100(制御部110)は、取得部111と、抽出部112と、生成部113と、記憶制御部114と、学習部115と、変換部116と、出力部117とを備える。
【0024】
取得部111は、種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部111は、情報処理装置100から発信された第1質問情報に対する回答情報を取得する。
【0025】
抽出部112は、種々の情報を抽出するように構成される。例えば、抽出部112は、取得した回答情報に対してテキストマイニング等の分析手法を利用して、特徴となるデータを抽出する。
【0026】
生成部113は、種々の情報を生成するように構成される。例えば、生成部113は、特徴となるデータと、参照情報とに基づいて、前述の第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成する。参照情報は、特徴となるデータと、第1質問情報との関係を示す情報である。
【0027】
記憶制御部114は、種々の情報を記憶するように制御する。例えば、記憶制御部114は、第2質問情報を記憶するように制御する。
【0028】
学習部115は、種々の情報を機械学習するように構成される。例えば、学習部115は、特徴となるデータと、第2質問情報との関係を教師データとして、機械学習を実行する。ここで、機械学習のアルゴリズムは特に限定されず、k近傍法、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、トピックモデル、混合ガウスモデル等が適宜採用されればよい。
【0029】
変換部116は、種々の情報を変換するように構成される。例えば、変換部116は、テキストデータから構成される第2質問情報を音声データに変換する。
【0030】
出力部117は、種々の情報を出力するように構成される。例えば、出力部117は、電話網を介して第2質問情報を音声出力する。
【0031】
3.情報処理方法
第3節では、情報処理装置100の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法である。この情報処理方法は、取得工程と、抽出工程と、生成工程と、記憶制御工程とを備える。取得工程では、第1質問情報に対する回答情報を取得する。抽出工程では、特徴となるデータを示す特徴データを回答情報から抽出する。生成工程では、特徴データと、参照情報とに基づいて、第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成する。参照情報は、特徴データと、第1質問情報との関係を示す情報である。記憶制御工程では、第2質問情報を記憶するように制御する。
【0032】
図4は、情報処理装置100によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。本実施形態では、情報処理装置100と、ユーザ機器200とは、電話網を通じて接続されているものとする。また、本実施形態では、選挙についての世論調査を行うために、情報処理装置100を実行するものとする。
【0033】
情報処理装置100は、ユーザ機器200に第1質問情報を発信する(アクティビティA110)。すなわち、制御部110は、記憶部120に記憶された第1質問情報を読み出し、発信処理を実行することで、ユーザ機器200に第1質問情報を発信する。
【0034】
続いて、取得部111は、第1質問情報に対する回答情報を取得する(アクティビティA120)。本実施形態では、取得部111は、電話網を介して回答情報を取得する。すなわち、通信部150が回答情報を着信し、制御部110が、着信した回答情報を記憶部120に書き出す。
【0035】
図5は、情報処理装置100とユーザ機器200との間の情報のやり取りを示す図である。情報処理装置100は、「あなたが、今回の選挙で、重視する政策を教えてください。」との第1質問情報を、ユーザ機器200に発信する。この第1質問情報を着信したユーザは、「消費税政策です。消費税増税により、負担が増えるからです。」との回答情報を、ユーザ機器200に吹き込む。そして、情報処理装置100は、この回答情報を、電話網を介して取得する。
【0036】
電話網を介して回答情報を取得することによれば、回答情報を提供したユーザの情報を追うことが可能となる。したがって、回答情報と、該回答情報を提供したユーザの情報とを紐付けて分析することで、回答情報をクラスタリングすることができる。
【0037】
続いて、変換部116は、音声データから構成される回答情報をテキストデータに変換する(アクティビティA130)。すなわち、制御部110は、記憶部120に記憶された音声認識プログラムを読み出し、変換処理を実行することで、音声データから構成される回答情報をテキストデータに変換する。ここで、音声認識プログラムは、Siri(登録商標)、Cortana(登録商標)、VisualVoice(登録商標)等、公知のものであってもよい。
【0038】
アクティビティA130によれば、回答情報を分析しやすい形式に変換することで、容易に情報を取り扱うことができる。
【0039】
続いて、抽出部112は、特徴となるデータを示す特徴データを回答情報から抽出する(アクティビティA140)。本実施形態では、抽出部112は、回答情報に対してテキストマイニングによる分析を行う。すなわち、制御部110は、テキストデータから構成される回答情報に対して、テキストマイニングによる分析を行って特徴データを抽出し、この特徴データを記憶部120に書き出す。
【0040】
図6は、回答情報から特徴データを抽出する一例を示す図である。情報処理装置100は、テキストデータに変換された回答情報に対して、テキストマイニングによる分析を行う。テキストマイニングによる分析手法は、センチメント分析、対応分析、主成分分析等、公知のものであってもよい。
【0041】
ここで、抽出部112が回答情報から特徴データを抽出する手順について説明する。まず、抽出部112は、回答情報を単語単位に分割し、過去形などの変化を現在形に戻す(形態素解析)。続いて、抽出部112は、単語間の意味的なつながりをみる(構文解析)。続いて、抽出部112は、単語同士の意味の関係を調べる(意味解析)。続いて、抽出部112は、複数の文にまたがる単語の関係性の選択や意味解析を行う(文脈解析)。以上の自然言語処理を行った上で、抽出部112は、第1質問情報(本実施形態では、選挙)に対する重要度や関連度が高い単語を特徴データとして抽出する。
【0042】
図6において、抽出部112は、「消費税」、「増税」、「負担」、「家計」の4つの単語を特徴データとして抽出した。ここで、「家計」は、回答情報には含まれない単語であるが、「消費税」、「増税」、「負担」に関連が深い単語として抽出された。このように、抽出部112は、回答情報には含まれない単語であっても、第1質問情報や回答情報に関連が深い単語も特徴データとして抽出するようにしてもよい。これによれば、単語が省略された回答情報についても、有用な回答情報として取り扱うことが可能となる。
【0043】
回答情報に対してテキストマイニングによる分析を行うことによれば、回答のポジネガ判定や単語の出現頻度の集計等を行うことにより、回答情報を提供したユーザの本音を分析することができる。したがって、ユーザの本音に基づいた新たな質問情報を生成することができるため、より良質な質問情報を生成することにつながる。
【0044】
続いて、制御部110は、特徴データを参照情報に入力する(アクティビティA150)。参照情報は、特徴データと、第1質問情報との関係を示す情報であればよく、例えば、ルックアップテーブル、関数、数理モデル等であってもよいが、好ましくは、特徴データと、第1質問情報との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである。本実施形態では、参照情報を学習済みモデルとして説明する。
【0045】
参照情報として学習済みモデルを用いることで、良質な第2質問情報の生成を実現することができる。
【0046】
続いて、生成部113は、特徴データと、学習済みモデルとに基づいて、第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成する(アクティビティA160)。すなわち、制御部110は、記憶部120に記憶された、特徴データと、学習済みモデルとを読み出し、生成処理を実行することで、第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成する。
【0047】
図7は、特徴データと、学習済みモデルとに基づいて、第2質問情報を生成する一例を示す図である。生成部113は、「消費税」、「増税」、「負担」、「家計」から構成される特徴データを学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、入力された特徴データに基づいて内部処理をし、第2質問情報を出力する。
【0048】
ここで示すように、ある質問について世論調査を行った結果、取得した複数の回答情報に一定の傾向が見られる場合、その傾向に基づいて質問を変更したほうが、所望の回答情報を得られる場合がある。一例として、元の質問(第1質問情報)は、今回の選挙で重視する政策全般を問うものであるが、消費税政策に言及する回答情報を多く取得した結果、変更後の質問(第2質問情報)は、今回の選挙で重視する「税制に対する」政策を問うものとなった。このように、情報処理装置100は、回答情報に応じて、質問情報をブラッシュアップすることができる。
【0049】
続いて、記憶制御部114は、第2質問情報を記憶するように制御する(アクティビティA170)。すなわち、制御部110は、生成した第2質問情報を記憶部120に記憶させるように制御する。
【0050】
続いて、学習部115は、特徴データと、第2質問情報との関係を教師データとして、学習済みモデルを生成又は更新する(アクティビティA180)。すなわち、制御部110は、記憶部120に記憶された、特徴データと、第2質問情報とを読み出し、機械学習処理を実行することで、学習済みモデルを生成又は更新する。
【0051】
アクティビティA180によれば、実データを教師データとするため、例えば所定のテーマに特化して学習させた学習済みモデルを生成することができ、良質な第2質問情報の生成の精度をさらに高めることができる。
【0052】
続いて、変換部116は、テキストデータから構成される第2質問情報を音声データに変換する(アクティビティA190)。すなわち、制御部110は、記憶部120に記憶されたテキスト音声合成プログラムを読み出し、変換処理を実行することで、テキストデータから構成される第2質問情報を音声データに変換する。ここで、テキスト音声合成プログラムは、Siri(登録商標)、Cortana(登録商標)、Google アシスタント(商標)等、公知のものであってもよい。
【0053】
続いて、出力部117は、電話網を介して第2質問情報を音声出力する(アクティビティA200)。すなわち、制御部110は、記憶部120に記憶されている第2質問情報を読み出し、発信処理を実行することで、ユーザ機器200に第2質問情報を発信する。
【0054】
アクティビティA200によれば、好適にオートコール・アンケートを実施することができる。また、ターゲットとなるユーザを特定して第2質問情報を出力することで、所定のターゲット層からの回答情報を取得することができる。したがって、所定のターゲット層に特化した質問情報を生成することができる。
【0055】
図8は、情報処理装置100とユーザ機器200との間の情報のやり取りを示す図である。情報処理装置100は、新たな質問である「あなたが、今回の選挙で、重視する、税制に対する政策を教えてください。」との第2質問情報を、ユーザ機器200に発信する。この第2質問情報を着信したユーザは、「新型コロナ税特法のような、新型コロナウイルス感染症による影響を緩和できる税制政策を重視します。」との回答情報を、ユーザ機器200に吹き込む。そして、情報処理装置100は、この回答情報を取得する。
【0056】
図8で挙げた例のように、第2質問情報に対する回答情報は、第1質問情報に対する回答情報に比べて、税制政策に踏み込んだ内容となっている。情報処理装置100は、この回答情報に基づいて、新たな質問情報を生成する。これにより、回答情報に応じた適切な質問情報を生成することができる。
【0057】
本実施形態によれば、適切な質問情報を自動で生成することができる。すなわち、質問情報の質を向上させて、取得する回答情報の質を向上させることができる。この回答情報を分析することにより、選挙結果の将来予測や、市場動向の予測を高精度に実行することができる。
【0058】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、情報処理装置100の各部としてコンピュータを機能させる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0060】
第1変形例として、取得部111は、Webサイトから回答情報を取得してもよい。ここでWebサイトは、SNS(Social Networking Service)、及びブログを含む。選挙の世論調査を行う場合、取得部111は、インターネット上の各Webサイトをクローリングし、対象とする選挙についての記載事項を取得する。
【0061】
第1変形例によれば、回答情報を大量に取得することができるため、学習済みモデルに機械学習させることにより、良質な第2質問情報を生成する精度をさらに高めることができる。
【0062】
第2変形例として、抽出部112は、数値データや記号データから構成される回答情報に対して、データマイニングによる分析を行ってもよい。
【0063】
第2変形例によれば、様々なデータ形式に対応して回答情報を分析することができる。
【0064】
第3変形例として、情報処理装置100は、顧客ニーズを分析するために実行してもよい。
【0065】
第3変形例によれば、顧客にアンケートを実施して顧客の声を分析することで、需要予測や品質改善に活用することができる。
【0066】
第4変形例として、情報処理装置100は、回答情報を取得するごとに第2質問情報を生成してもよいし、所定数以上の回答情報を取得した上で、これらの回答情報に基づいて第2質問情報を生成してもよい。
【0067】
第4変形例によれば、任意のタイミングで第2質問情報を生成することができる。
【0068】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記参照情報は、前記特徴データと、前記第1質問情報との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである、情報処理装置。
前記情報処理装置において、学習部を備え、前記学習部は、前記特徴データと、前記第2質問情報との関係を教師データとして、前記学習済みモデルを生成又は更新する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記取得部は、Webサイトから前記回答情報を取得する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記取得部は、電話網を介して前記回答情報を取得する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、変換部を備え、前記変換部は、音声データから構成される前記回答情報をテキストデータに変換する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、変換部と、出力部とを備え、前記変換部は、テキストデータから構成される前記第2質問情報を音声データに変換し、前記出力部は、電話網を介して前記第2質問情報を音声出力する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記抽出部は、前記回答情報に対してテキストマイニングによる分析を行う、情報処理装置。
プログラムであって、前記情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる、プログラム。
コンピュータが実行する情報処理方法であって、取得工程と、抽出工程と、生成工程と、記憶制御工程とを備え、前記取得工程では、第1質問情報に対する回答情報を取得し、前記抽出工程では、特徴となるデータを示す特徴データを前記回答情報から抽出し、前記生成工程では、前記特徴データと、参照情報とに基づいて、前記第1質問情報とは異なる第2質問情報を生成し、前記参照情報は、前記特徴データと、前記第1質問情報との関係を示す情報であり、前記記憶制御工程では、前記第2質問情報を記憶するように制御する、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0069】
100 :情報処理装置
110 :制御部
111 :取得部
112 :抽出部
113 :生成部
114 :記憶制御部
115 :学習部
116 :変換部
117 :出力部
120 :記憶部
130 :表示情報生成部
140 :入力受付部
150 :通信部
160 :通信バス
200 :ユーザ機器
300 :情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8