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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028197
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】マッサージチェアの作動制御システム
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/32 20060101AFI20230224BHJP
   G07F 7/02 20060101ALI20230224BHJP
   G06Q 20/16 20120101ALI20230224BHJP
【FI】
G07F17/32
G07F7/02 Z
G06Q20/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133753
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】504229206
【氏名又は名称】株式会社相生電子
(74)【代理人】
【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟
(72)【発明者】
【氏名】城田 充晴
(72)【発明者】
【氏名】城田 裕之
【テーマコード(参考)】
3E044
3E048
5L055
【Fターム(参考)】
3E044AA20
3E044BA01
3E044BA10
3E044DE02
3E048BA01
3E048BA06
5L055AA35
(57)【要約】
【課題】コイン決済によって利用される複数の業務用のマッサージチェアを、集中的に管理できるように簡便に構成でき、キャッシュレス決済を行うシステムと併用することができるマッサージチェアの作動制御システムを提供する。
【解決手段】マッサージチェア1の動作を制御する動作制御手段11を備えるマッサージチェア本体10と、携帯電波網40を介して通信するように、動作制御手段11に接続されたネットワークユニット20と、該ネットワークユニット20の複数と携帯電波網40によって通信されることで、複数のマッサージチェア本体10の稼働について管理を行うと共に、インターネット網50に接続されているホストサーバー60と、コインが投入されることで決済がなされるように設けられ、ネットワークユニット20や動作制御手段11に接続され、投入されたコインに係る情報を発信するコインメック35とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の業務用のマッサージチェアを、通信手段を介して集中的に管理し、コイン決済によって利用されるマッサージチェアの作動制御システムであって、
前記マッサージチェアの動作を制御する動作制御手段を備えるマッサージチェア本体と、
携帯電波網を介して通信するように、前記動作制御手段に接続されたネットワークユニットと、
該ネットワークユニットの複数と前記携帯電波網によって通信されることで、複数の前記マッサージチェア本体の稼働について管理を行うと共に、インターネット網に接続されているホストサーバーと、
コインが投入されることで決済がなされるように設けられ、前記ネットワークユニットや前記動作制御手段に接続され、投入されたコインに係る情報を発信するコインメックとを備えることを特徴とするマッサージチェアの作動制御システム。
【請求項2】
複数の業務用のマッサージチェアを、通信手段を介して集中的に管理し、コイン決済又はキャッシュレス決済によって利用されるマッサージチェアの作動制御システムであって、
前記マッサージチェアの動作を制御する動作制御手段を備えるマッサージチェア本体と、
携帯電波網を介して通信するように、前記動作制御手段に接続されたネットワークユニットと、
該ネットワークユニットの複数と前記携帯電波網によって通信されることで、複数の前記マッサージチェア本体の稼働について管理を行うと共に、インターネット網に接続されているホストサーバーと、
コインが投入されることで決済がなされるように設けられ、前記ネットワークユニットや前記動作制御手段に接続され、投入されたコインに係る情報を発信するコインメックと、
前記マッサージチェア本体に付属するように配され、該マッサージチェア本体に係る識別情報と共にキャッシュレス決済に関する情報を表示するQRコード(登録商標)と、
該QRコード(登録商標)を読み込んで、該マッサージチェア本体に係る識別情報を送信すると共にキャッシュレス決済に関する情報を通信できるように、インターネット網に接続する携帯電話と、
該携帯電話からの前記識別情報やキャッシュレス決済に関する情報を受けて、前記ホストサーバーからの情報に基づき、前記QRコード(登録商標)に対応したマッサージチェア本体について、キャッシュレス決済を行うようにインターネット網に接続されているキャッシュレス決済会社サーバーとを備えることを特徴とするマッサージチェアの作動制御システム。
【請求項3】
前記コインメックにコインが投入された場合に、前記コイン決済を前記キャッシュレス決済に優先するように、前記コインメックから前記キャッシュレス決済を停止する信号が発信されることを特徴とする請求項2記載のマッサージチェアの作動制御システム。
【請求項4】
前記マッサージチェア本体の作動状況の情報を収集管理できるように、マッサージ機管理用コンピュータが前記インターネット網に接続されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のマッサージチェアの作動制御システム。
【請求項5】
前記マッサージチェア本体の動作制御手段の設定を変更できるように、システム管理設定用コンピュータが前記インターネット網に接続されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のマッサージチェアの作動制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の業務用のマッサージチェアを、通信手段を介して集中的に管理し、コイン決済によって利用されるマッサージチェアの作動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マッサージチェアの作動制御システムとしては、個別にIDコードが設定されたリストバンドと、時間貸し機器(マッサージやゲーム機器等)毎に設けられたIDコードを読み取るリーダライタを駆動制御し、且つ、そのIDコードと時間貸し機器の識別情報をコンピュータ機器に送信する制御部と、コンピュータ機器でIDコードと時間貸し機器識別情報から時間貸し機器の使用可否判定と、使用料金の課金を行う時間貸し機器の課金システム(特許文献1参照)が提案されている。
【0003】
また、従来、他のマッサージチェアの作動制御システムとしては、バーコードリーダと、このリーダを始動させる自己復帰の読み取り開始スイッチと、前記マッサージ部材用電源リレーの収納ボックスとを電動マッサージ機の脇に隣設する一方、電源リレーの制御用タイマー回路とバーコード照合部とを他所に設置し、この照合部で前記リーダから読み出したバーコードと特定バーコードとを照合し、この照合完了出力で照合結果の如何に拘らず、前記リーダの読み取り作動を停止させると共に、照合結果が合致したとき、この合致出力で前記タイマー回路を始動させ、前記ボックス内の電源リレーをオン状態にすることで、電動マッサージ機を駆動可能にした電動マッサージ機の動作制御手段(特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
また、先に、キャッシュレス決済を行うことができるマッサージチェアの作動制御システムとして、動作制御手段を備えるマッサージチェア本体と、動作制御手段に接続されて設けられたネットワークユニットと、ネットワークユニットの複数と携帯電波網によって通信できると共に、インターネット網に接続されているホストサーバーと、マッサージチェア本体に付属するように配され、マッサージチェア本体に係る識別情報等を表示するQRコード(登録商標)と、QRコード(登録商標)を読み込んで通信するように、インターネット網に接続する携帯電話と、携帯電話からの前記識別情報等を受けて、キャッシュレス決済を行うようにインターネット網に接続されているキャッシュレス決済会社サーバーとを備える(特許文献3参照)ものが、本出願人によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-139270号公報(第1頁)
【特許文献2】実用新案登録第3116119号公報(第1頁)
【特許文献3】特開2021-9661号公報(第1頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マッサージチェアの作動制御システムに関して解決しようとする問題点は、キャッシュレス決済を行うシステムでは情報処理技術を用いて集中管理を行う方法が提案されているが、コイン決済によって利用される複数の業務用のマッサージチェアを、集中的に管理できるように簡便に構成できるものであって、キャッシュレス決済を行うシステムと併用することが可能なものが、具体的に提案されていないことにある。
【0007】
そこで本発明の目的は、コイン決済によって利用される複数の業務用のマッサージチェアを、集中的に管理できるように簡便に構成でき、キャッシュレス決済を行うシステムと併用することができるマッサージチェアの作動制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかるマッサージチェアの作動制御システムの一形態によれば、複数の業務用のマッサージチェアを、通信手段を介して集中的に管理し、コイン決済によって利用されるマッサージチェアの作動制御システムであって、前記マッサージチェアの動作を制御する動作制御手段を備えるマッサージチェア本体と、携帯電波網を介して通信するように、前記動作制御手段に接続されたネットワークユニットと、該ネットワークユニットの複数と前記携帯電波網によって通信されることで、複数の前記マッサージチェア本体の稼働について管理を行うと共に、インターネット網に接続されているホストサーバーと、コインが投入されることで決済がなされるように設けられ、前記ネットワークユニットや前記動作制御手段に接続され、投入されたコインに係る情報を発信するコインメックとを備える。
【0009】
本発明にかかるマッサージチェアの作動制御システムの一形態によれば、複数の業務用のマッサージチェアを、通信手段を介して集中的に管理し、コイン決済又はキャッシュレス決済によって利用されるマッサージチェアの作動制御システムであって、前記マッサージチェアの動作を制御する動作制御手段を備えるマッサージチェア本体と、携帯電波網を介して通信するように、前記動作制御手段に接続されたネットワークユニットと、該ネットワークユニットの複数と前記携帯電波網によって通信されることで、複数の前記マッサージチェア本体の稼働について管理を行うと共に、インターネット網に接続されているホストサーバーと、コインが投入されることで決済がなされるように設けられ、前記ネットワークユニットや前記動作制御手段に接続され、投入されたコインに係る情報を発信するコインメックと、前記マッサージチェア本体に付属するように配され、該マッサージチェア本体に係る識別情報と共にキャッシュレス決済に関する情報を表示するQRコード(登録商標)と、該QRコード(登録商標)を読み込んで、該マッサージチェア本体に係る識別情報を送信すると共にキャッシュレス決済に関する情報を通信できるように、インターネット網に接続する携帯電話と、該携帯電話からの前記識別情報やキャッシュレス決済に関する情報を受けて、前記ホストサーバーからの情報に基づき、前記QRコード(登録商標)に対応したマッサージチェア本体について、キャッシュレス決済を行うようにインターネット網に接続されているキャッシュレス決済会社サーバーとを備える。
【0010】
また、本発明にかかるマッサージチェアの作動制御システムの一形態によれば、前記コインメックにコインが投入された場合に、前記コイン決済を前記キャッシュレス決済に優先するように、前記コインメックから前記キャッシュレス決済を停止する信号が発信されることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明にかかるマッサージチェアの作動制御システムの一形態によれば、前記マッサージチェア本体の作動状況の情報を収集管理できるように、マッサージ機管理用コンピュータが前記インターネット網に接続されていることを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明にかかるマッサージチェアの作動制御システムの一形態によれば、前記マッサージチェア本体の動作制御手段の設定を変更できるように、システム管理設定用コンピュータが前記インターネット網に接続されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のマッサージチェアの作動制御システムによれば、コイン決済によって利用される複数の業務用のマッサージチェアを、集中的に管理できるように簡便に構成できるものであって、キャッシュレス決済を行うシステムと併用することができるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るマッサージチェアの作動制御システムの形態例を示すブロック図である。
図2】本発明に係るマッサージチェアの形態例の外観を示す斜視図である。
図3】本発明に係るマッサージチェアの作動制御システムのシステム制御のうちの取引フローの態様例を示すフローチャート図である。
図4】本発明に係るマッサージチェアの作動制御システムのシステム制御のうちの設定コンピュータからのデータ書き込みの態様例を示すフローチャート図である。
図5】本発明に係るマッサージチェアの作動制御システムのシステム制御のうちのクライアントからのデータ読み込みの態様例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るマッサージチェアの作動制御システムの最良の形態例を、添付図面(図1~5)に基づいて詳細に説明する。
本形態例のマッサージチェアの作動制御システムは、複数の業務用のマッサージチェア1を、通信手段を介して集中的に管理でき、使用者がコイン決済又はキャッシュレス決済によって利用できるものである。このマッサージチェアの作動制御システムは、コイン決済システムとキャッシュレス決済システムとを併用でき、複数の業務用のマッサージチェア1を、情報処理技術によって通信手段を介して個々に又は一括に管理できるものである。なお、このシステムにおけるコイン決済システムとは、コインのみによる課金システムに加えて、紙幣を含む現金課金システムを排除するものではない。すなわち、図示した形態例では、コインメック(硬貨処理装置)35を用いた状態を示しているが、これに紙幣を処理する機能を併設することで、現金処理装置としてもよいのは勿論である。
【0016】
図1に示すように、マッサージチェア本体10は、業務用のマッサージチェア1(外観は図2を参照)に組み込まれて電動で稼働するように設けられた複数の動作駆動装置(肩部、腰部、腕部、脚部等に対応する各揉みほぐし装置)について、それらの駆動を集中的にプログラム制御する動作制御手段11を備える。この動作制御手段11としては、マッサージチェア基板11a、各負荷入出力記憶部11b、各状態管理記憶部11d及び設定・確認端末コントローラー11cを構成要素として備える。マッサージチェア基板11aには、マッサージの複数のプログラムコース(揉みほぐしについて、各動作駆動装置の選択、駆動強度、時間などの複数の要素からなる動作パターンを組み合わせたコースのメニュー)の情報が格納された各負荷入出力記憶部11bが接続されており、それらのプログラムコースが、設定・確認端末コントローラー11cによって選択できるようになっている。また、各状態管理記憶部11dは、各状態管理の情報が格納され、その情報がネットワークユニット20を介してホストサーバー60に送信できるようになっている。なお、設定・確認端末コントローラー11cは、マッサージチェア基板11aと、ケーブルで繋がる有線式でもよいし、無線のリモコンでもよいのは勿論である。
【0017】
ネットワークユニット20は、マッサージチェア1が携帯電波網40を介して通信できるように、動作制御手段11の構成要素であるマッサージチェア基板11aに接続されて設けられている。このネットワークユニット20は、図1に示すように、データ通信端末21、SIMカード22、情報収集回路23、及びインターフェース回路24を構成要素として備えている。このネットワークユニット20によれば、携帯電話通信と同様に、携帯電波網40によって、ホストサーバー60とは閉域ネットワークの状態で通信でき、マッサージチェア1の動作制御手段(マッサージチェア基板11a)が外部と接続できる構成になっている。
【0018】
また、図1に示すように、このネットワークユニット(QR決済用ネットワークユニット)20とマッサージチェア本体10のマッサージチェア基板11aとは、ネットワークユニット20のインターフェース回路24と、マッサージチェア基板11aに設けられたインターフェース回路とによって接続され、その二つのインターフェース回路によって信号のやり取りがなされるように構成されている。その信号は、図1に示すように、マッサージチェア本体10からネットワークユニット20への入力信号として、運転許可信号、コイン使用中QR決済不許可信号、定期情報取得、要求された情報取得などの情報が送信される。また、ネットワークユニット20からマッサージチェア本体10への出力信号として、運転指令、コイン決済又はQR決済の運転情報、情報取得信号、設定値及び動作ソフト書き換えなどの情報が送信される。
【0019】
ホストサーバー60は、ネットワークユニット20の複数と、携帯電波網40によって通信されることで、閉域ネットワークとして、個々のマッサージチェア本体10の稼働などについて集中的に管理を行うことができる。また、図1に示すように、このホストサーバー60は、インターネット網50に接続されている
【0020】
そして、図1に示すように、コインメック35が、コインが投入されることで決済がなされるように設けられ、ネットワークユニット20や動作制御手段(マッサージチェア基板11a)に接続され、投入されたコインに係る情報を発信するように設けられている。なお、このコインメック35は、そのコインに係る情報が、マッサージチェア機能により、直接にマッサージチェア基板11aのインターフェース回路を介してマッサージチェア本体10の側に入る場合と、インターフェース回路24を介してネットワークユニット20の側に入る場合がある。
【0021】
このように、マッサージチェア本体10、ネットワークユニット20、ホストサーバー及びコインメック35を備えるマッサージチェアの作動制御システムによれば、コイン決済によって利用される複数の業務用のマッサージチェアを、集中的に管理できるように簡便に構成できるものであって、キャッシュレス決済を行うシステムと併用することができるという特別有利な効果を奏する。
【0022】
なお、本発明の形態例としては、コインメック35のコインに係るカウント信号(パルス)が、マッサージチェア本体10(マッサージチェア基盤11a)に入った後に、ネットワークユニット20を介してホストサーバー60へ送信するシステムとすることができる。これによれば、マッサージチェア本体10とホストサーバー60とで管理されるカウントは同じになり、カウントのずれが生じることはない。ところで、従来のコインメック35のコインに係るカウント信号(パルス)が、マッサージチェア本体10に出力されるところを、ネットワークユニット20が中継し、そのパルスを監視、取得してホストサーバー60に送るシステムの場合、それぞれがカウントしていることになるため、カウントがずれることがある。これに対して、本発明の形態例では、そのようなカウントのずれを防止できる。
【0023】
15はQRコード(登録商標)(マトリックス型二次元コード)であり、マッサージチェア本体10に付属するように配され、そのマッサージチェア本体10に係る識別情報と共にキャッシュレス決済に関する情報を表示するものになっている。
【0024】
30は携帯電話であり、QRコード(登録商標)15を読み込んで、マッサージチェア本体10に係る識別情報を送信すると共にキャッシュレス決済に関する情報を通信できるように、インターネット網50に接続する。なお、携帯電話30によるインターネット網50との接続は、携帯電波網を介してなされてもよいし、Wi‐Fi(ワイファイ)などの通信手段を介して行われてもよい。
【0025】
70はキャッシュレス決済会社サーバー(例えば図1に示すようなキャッシュレスカード決済会社サーバー)であり、携帯電話30からのマッサージチェア本体10に係る識別情報やキャッシュレス決済に関する情報を受けて、ホストサーバー60からの情報に基づき、QRコード(登録商標)15に対応したマッサージチェア本体10について、キャッシュレス決済を行うようにインターネット網50に接続されている。
【0026】
本形態例にかかるマッサージチェアの作動制御システムによれば、コイン決済システムとキャッシュレス決済システムとを併用でき、コイン決済又はキャッシュレス決済によってマッサージチェア1を利用できるものである。そして、本形態例にかかるキャッシュレス決済システムによれば、携帯電話30を好適に利用して利便性の高いキャッシュレス決済を行うことができるという特別有利な効果を奏することができる。すなわち、本形態例によれば、キャッシュレス決済を選択した場合、使用者は現代の携帯必需品となっている携帯電話のみを所持すれば良く、従来のシステムのような使用者側がリストバンド形式やカード形式などの携帯識別手段を所持することは不要となる。そして、例えば、リストバンド形式によって温泉施設などの特定の施設内で利用されるシステムの場合では、その施設の利用後の退場する際に別途精算手続きを要することや、プリペイド方式のカード形式のように事前の手続きを要する場合とは異なって、一つの手続き操作で容易に決済を完了させることができ、利便性を高めることができる。
【0027】
また、本形態例によれば、マッサージチェア側にはQRコード(登録商標)のみを配すればよく、従来のシステムにおいてマッサージチェア側に設けられる読み取り手段が不要になり、システムの複雑化を回避できる。本発明の対象となる装置は、本形態例のような業務用として設置されるマッサージチェア1のように、温泉場や娯楽場などの不特定な者に供される施設に固定されるものであって、移動されたり消費されたりされる商品ではなく、繰り返し利用されるものである。すなわち、その装置とその装置によって提供されるサービスの情報は、一つのQRコード(登録商標)などによる識別コードによって特定することができるものである。そのような装置に対して、本発明によれば、その装置の利用に伴って生じる決済について、キャッシュレス化を好適に実現でき、より利便性を高めることができるという特別顕著な利点がある。
【0028】
本形態例では、QRコード(登録商標)15を、マッサージチェア1の利用者が見易い部分の表面に、例えば貼り付けることで表示するように配置することで、マッサージチェア1に付属させたが、本発明はこれに限らず、QRコード(登録商標)15を、プレート又はシート状の部材に表示したものを、容易に離脱しないように装着することで、マッサージチェア1に付属させる形態に配してもよい。このようにQRコード(登録商標)15を配した本発明は、本実施例のような一つの業務用のマッサージチェア1に一つのQRコード(登録商標)15を付すことで、選択したマッサージのプログラムコース(各揉みほぐしコースのメニュー)が異なっても、定額(一律の課金)の決済を行うという課金システムにおいて、シンプルで有効に機能できる特性を有している。また、図1に示した本形態例では、一つのマッサージチェア1に対して、一つのQRコード(登録商標)15を配する場合を示したが、本発明はこれに限らず、複数のQRコード(登録商標)15を配しておいて、それらのQRコード(登録商標)15を選択的に読み込むことで、マッサージのプログラムコース(各揉みほぐしコースのメニュー)を選択して作動させるようにすることも可能である。なお、識別コードを搭載できる媒体としては、ICチップなども考えられるが、携帯電話30の画像処理による読み取り機能を利用することを前提とすると、QRコード(登録商標)15を利用することにメリットがある。
【0029】
そして、本形態例によれば、コインメック(硬貨処理装置)35にコインが投入された場合に、コイン決済をキャッシュレス決済に優先するように、コインメック35からキャッシュレス決済を停止する信号が発信されるようになっている。これによれば、具体例として例えば、コイン決済で料金が200円と設定された場合であって、先にコインで100円をコインメックに投入したときは、コイン決済が優先され、その後にキャッシュレスで決済しようとしてもエラー判断となり、投入したコイン(100円)が無駄にならないように制御することができる。
【0030】
また、本形態例では、ホストサーバー60からの情報の一つが、業務用のマッサージチェア1の動作実行が可能であるか否かの判断に関するものとなっている。
これによれば、業務用のマッサージチェア1が動作できない状態である場合を適切に判断し、動作ができない場合或いは動作ができなかった場合は課金がなされないように、適切に処理することができ、利用者は業務用のマッサージチェア1を適切に利用することができる。
【0031】
また、本形態例では、ホストサーバー60による個々の業務用のマッサージチェア1の稼働についての管理が、その業務用のマッサージチェア1の電源スイッチ(図示せず)の入切(オン・オフ)に関するものとすることができる。
これによれば、業務用のマッサージチェア1を課金管理が、電源スイッチの入切に関する作動制御とすることができ、シンプルな制御でよく、利用者にとっても分かり易く利用し易いものとすることができる。なお、電源スイッチの入切に関する作動制御とは、例えば、時間貸し課金に対応する制御や、プログラムコース(各揉みほぐしコースのメニュー)の実行完結に対応して課金するように制御するものとすることができる。
【0032】
また、本形態例では、マッサージチェア本体10の作動状況の情報を収集管理できるように、マッサージ機管理用コンピュータ80がインターネット網50に接続されている構成となっている。
これによれば、複数の業務用のマッサージチェアについて、マッサージ機管理用コンピュータ80(例えば図1に示すような複数のマッサージ機管理会社・クライアントコンピュータ)によって、個々又は一括で、集中的に効率よく管理でき、稼働状況を適切に把握できることから、管理業務、及び稼働効率の向上などの営業戦略にかかる業務の生産性を著しく高めることができる。
【0033】
そして、本形態例のマッサージ機管理用コンピュータ80によれば、キャッシュレス決済に関する管理に加えて、コイン決済に関する管理についても、キャッシュレス決済に関する管理と同様に行うことができるシステムになっている。その管理項目としては、売上コインの枚数確認をはじめとするコイン決済による売上の管理、売上積算や稼働積算時間の管理によるメンテナンス時期の管理、利用者の操作情報(実績記録)の収集によるデータベースを介してマッサージのプログラムコースにかかる選択や設定のための情報管理などがある。これによれば、売上の管理と共に売上向上のための情報を適切に得ることができる。
【0034】
さらにコイン決済に関する管理の具体例としては、例えば、コインメックのコイン箱に収容されたコインの数を管理することで、コイン箱が一杯になって稼働できなくなることを防止するように、そのコイン箱の状況(蓄積されたコインの数など)を知らせることや、コイン箱の状況を予測することができ、管理業務を効率化できる。また、コイン決済及びキャッシュレス決済に共通する管理の具体例としては、例えば、利用者(顧客)によって最も頻繁に選択されるプログラムコース(各揉みほぐしコースのメニュー)を、逐次又は所要のタイミングで、設定・確認端末コントローラー11cなどの表示手段のトップ画面に、お勧めメニューとして表示することや、プログラムコースの利用頻度に関する情報を例えば順位付けして表示することで、顧客の利便に供することができる。
【0035】
また、本形態例では、マッサージチェア本体10の動作制御手段11の設定を変更できるように、システム管理設定用コンピュータ90がインターネット網50に接続されている構成となっている。
これによれば、複数の業務用のマッサージチェアにおける動作のプログラムコースなどを含む動作設定について、システム管理設定用コンピュータ90(例えば図1に示すようなシステム管理会社・設定用コンピュータ)によって、個々又は一括で、集中的に変更できるなど、効率的な管理が可能であり、利用者に対して、より良いサービスを簡単且つ迅速に効率よく提供できる。
【0036】
そして、本形態例のシステム管理設定用コンピュータ90によれば、キャッシュレス決済を採用したマッサージチェアの作動制御システムの設定管理に加えて、コイン決済を採用したマッサージチェアの作動制御システムの設定管理についても同様に行うことができるシステムになっている。その設定管理によれば、例えば、プログラムコースの動作内容の変更(各マッサージチェアへの動作ソフトの書き替え)や、キャンペーンで一時的に料金を変更するなどを含めて料金設定の変更を遠隔操作で行うことができる。なお、このようなシステム管理設定用コンピュータ90による管理機能の少なくとも一部を、マッサージ機管理用コンピュータ80に持たせることも可能である。
【0037】
ところで、本形態例のキャッシュレス決済については、一つの優れたシステムとして、QRコード(登録商標)を用いたシステムを例示したが、コイン決済と併用できるシステムとしては、クレジットカードなどの他のキャッシュレス決済のシステムを利用してもよいのは勿論である。
【0038】
次に図3~5に示すフローチャート図に基づいて、本発明にかかるマッサージチェアの作動制御システムの動作例を説明する。
【0039】
「取引フロー」について、図3に基づいて説明する。先ず、キャッシュレス決済によるマッサージチェアの作動制御システムの動作例を説明する。
携帯電話30で画像処理によってQRコード(登録商標)15が読込まれると、以下順次自動的に、QR決済会社サーバー70に情報送信がなされ、QR決済会社サーバー70からホストサーバー60に決済情報(可否)を送信する。次いで、ホストサーバー60からネットワークユニット20に受入れ可否の判定要求の送信がなされ、ネットワークユニット20からマッサージチェア1に受入れ可否の判定要求の送信がなされると、マッサージチェア本体10からマッサージチェアの動作実行OKか否かの返信がなされ、ネットワークユニット20からホストサーバー60に可否の返信がなされる。次いで、マッサージチェアの動作実行がOKと判断された場合は、ホストサーバー60からQR決済会社サーバー70に決済の確定処理の送信がなされ、マッサージチェアのコインの受け入れがブロックされてキャッシュレス決済がコイン決済に優先されることになり、QR決済会社サーバー70からホストサーバー60に決済情報(確定)を送信する。次いで、ホストサーバー60からマッサージチェア(ネットワークユニット20)に動作指令の送信がなされ、マッサージチェア(ネットワークユニット20)でデータ受信がされ、マッサージチェアの動作実行が指令される。すると、マッサージチェア(ネットワークユニット20)からホストサーバー60に動作可否の状態を送信し、ホストサーバー60でデータ受信がなされ、マッサージチェア動作が正常になされたもの(OK)と判断されると、処理終了となる。
【0040】
また、ネットワークユニット20からホストサーバー60に可否の返信がなされる際に、マッサージチェアの動作実行がNG(不可)と判断された場合は、ホストサーバー60からQR決済会社サーバー70に取引不可能の情報を送信し、次いで、QR決済会社サーバー70からホストサーバー60に返金情報の送信がなされ、処理終了となる。
また、マッサージチェア動作が不正常になされたもの(NG)と判断されると、ネットワークユニット20経由でホストサーバーからQR決済会社サーバー70に決済の返金処理の送信がなされ、次いで、QR決済会社サーバー70からホストサーバー60に返金情報の送信がなされ、処理終了となる。
【0041】
次に、コイン決済によるマッサージチェアの作動制御システムの動作例を説明する。
コインメック35にコインが投入されると、「QR決済装置に使用停止(NG)信号」が送信されてコイン決済がキャッシュレス決済に優先されることになり、設定された料金分(設定枚数)のコインが投入されるまで「コイン入力待ち」となる。次いで、設定枚数のコインが投入された「設定枚数達成」の状態となると、コインメックに設けられているコインブロッカーによって、マッサージチェアのコイン受け入れがブロックされて、過剰にコインが投入されることを阻止すると共に、設定・確認端末コントローラー11cによって操作が可能となり、マッサージチェアの動作が実行される。すると、マッサージチェア(ネットワークユニット20)からホストサーバー60に動作状況を送信し、ホストサーバー60でデータ受信がなされて管理情報が伝達され、処理終了となる。
【0042】
次に、図4に基づいて、「クライアントからのデータ読込み」について説明する。
開始(START)で、マッサージ機管理用コンピュータ80からデータ取得要求がなされると、1)ネットワークユニット20へデータ取得要求の送信がなされ、次いで、2)ネットワークユニット20から機器へデータ取得要求の送信がなされ、これに対応して、3)機器からネットワークユニット20へ要求データ送信がされる。すると、ネットワークユニット20にて4)取得データは履歴用OR設定であるか否かの判断がなされ、NOであれば、6)取得データを要求元へ送信されて終了(END)となる。また、ネットワークユニット20にて取得データは履歴用OR設定であるか否かの判断がなされ、YESであれば、「5」取得データでDBの更新処理」がなされ、次いで、取得データを要求元へ送信されて終了(END)となる。なお、「取得データでDBの更新処理」で、各履歴用データ及び機器設定値情報については、データ取得要求毎にDBへ反映する。また、日次処理、イベント処理(定時)についてはフロー2)よりSTARTする。
【0043】
次に、図5に基づいて、「設定コンピュータからのデータ書込み」について説明する。
開始(START)で、システム管理設定用コンピュータ90からデータ設定要求がなされると、ネットワークユニット20へデータ設定要求(設定値)の送信がなされ、次いで、ネットワークユニット20から機器へデータ設定要求(設定値)の送信がなされ、機器側にて設定値の設定が行われ、機器からネットワークユニット20へ設定結果の送信がなされ、次いで、設定結果を要求元(システム管理設定用コンピュータ90)へ送信して終了(END)となる。
【0044】
また、本発明に係るマッサージチェア本体10において、人を感知できるセンサー及び音声発生手段が動作制御手段11に接続されて配され、前記センサーからの情報に基づいて前記音声発生手段によって音声ガイダンスを発するように制御される構成とすることができる。
【0045】
すなわち、マッサージチェア本体10に人感センサーなどの人を感知できるセンサー及び音声発生手段を配し、該人感センサーからの情報に基づいて、動作制御手段11の前記マッサージチェア基盤11aによって制御される音声ガイダンスの機能を持たせても良い。この音声ガイダンスによれば、例えば、利用者が着座した際にマッサージチェアの利用方法について、その操作方法や注意事項を逐次にアナウンスすることや、マッサージチェアのサービスの終了を知らせること(例えば、利用者が眠ってしまった場合には、所定の時間を空けて繰り返し終了のアナウンスをすること)などを行わせることができる。
【0046】
また、設定・確認端末コントローラー11cに設けられた表示画面には、マッサージに係るメニュー情報や、操作・作動情報などのマッサージチェアに係る情報が表示されることを基本とするが、これに加えて、種々のコマーシャル情報など、マッサージチェアの情報以外の情報を表示するようにプログラムしても良いのは勿論である。
【0047】
さらに、前述の人感センサーで利用者を感知した場合や、利用者が設定・確認端末コントローラー11cを操作した場合などに、その端末コントローラー11cの表示画面に、前述したQRコード(登録商標)15を適宜に表示することで、QRコード(登録商標)15をマッサージチェア本体10に付属するように配しても良い。
【0048】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0049】
1 マッサージチェア
10 マッサージチェア本体
11 動作制御手段
11a マッサージチェア基盤
11b 各負荷入力
11c 設定・確認端末コントローラー
15 QRコード(登録商標)
20 ネットワークユニット
21 データ通信端末
22 SIMカード
23 情報収集回路
24 インターフェース回路
30 携帯電話
35 コインメック
40 携帯電波網
50 インターネット網
60 ホストサーバー
70 キャッシュレス決済会社サーバー(QR決済会社サーバー)
80 マッサージ機管理用コンピュータ
90 システム管理設定用コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5