(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028204
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】ウォーターサーバ、通信モジュール、及びアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
B67D3/00 Z
B67D3/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133764
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】庄野 幸司
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB01
3E082CC01
3E082CC03
3E082DD01
3E082EE01
3E082EE05
3E082FF01
(57)【要約】
【課題】コンピュータサーバ又は携帯端末を用いて各々のユーザの好みに合わせてウォーターサーバを調整することができるウォーターサーバを提供する。
【解決手段】ウォーターサーバ1は、ウォーターサーバ本体10の動作を制御する制御部50と、スマートフォン3から発信されてウォーターサーバ本体10を動作させるときの動作条件の設定値を変更する第1変更信号、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更する第2変更信号、又はウォーターサーバ本体10の出力を変更する第3変更信号を受信可能な通信モジュール2と、を備え、制御部50は、通信モジュール2が第1変更信号又は第2変更信号を受信した場合、第1変更信号又は第2変更信号に基づく機能を発揮してウォーターサーバ本体10の動作を制御し、通信モジュール2が第3変更信号を受信した場合、第3変更信号に基づく機能を発揮してウォーターサーバ本体10の動作を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターサーバ本体に設けられ、前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する制御部と、
前記制御部に接続自在であり、前記ウォーターサーバ本体の外部のコンピュータサーバ、及び前記ウォーターサーバ本体の外部の携帯端末の少なくともいずれか一方から発信されて前記ウォーターサーバ本体を動作させるときの動作条件の設定値を変更するための第1変更信号、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更するための第2変更信号、又は前記ウォーターサーバ本体の出力を変更するための第3変更信号を受信可能な通信モジュールと、
を備え、
前記制御部は、
前記通信モジュールが前記第1変更信号を受信するように構成され前記第1変更信号を受信した場合には、前記第1変更信号に基づいて、前記動作条件の設定値を変更し、
前記通信モジュールが前記第2変更信号を受信するように構成され前記第2変更信号を受信した場合には、前記第2変更信号に基づいて、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態への変更をし、
前記通信モジュールが前記第3変更信号を受信するように構成され前記第3変更信号を受信した場合には、前記第3変更信号に基づいて、前記ウォーターサーバ本体の出力を変更し、
前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する、ことを特徴とするウォーターサーバ。
【請求項2】
前記第3変更信号は、飲料水の出水量を設定する信号を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のウォーターサーバ。
【請求項3】
前記第1変更信号は、冷水の温度及び温水の温度の少なくとも一方を変更する信号を有する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウォーターサーバ。
【請求項4】
前記第3変更信号は、冷水及び温水を混ぜ合わせるときの冷水の温度及び量、並びに温水の温度及び量を設定することにより変更する信号である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のウォーターサーバ。
【請求項5】
前記第3変更信号は、ドリップコーヒーを作るときのコーヒー豆に対する温水の出水制御についての信号であって、1回目の温水の出水量、コーヒー豆を蒸らす蒸らし時間、2回目以降の1回当たりの温水の出水量、2回目以降の温水の出水のインターバル、及び作る予定のコーヒーの量を設定する信号を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のウォーターサーバ。
【請求項6】
前記通信モジュールは、前記コンピュータサーバに対して、前記ウォーターサーバ本体の動作履歴及び環境情報を発信可能に構成され、
前記動作履歴及び前記環境情報には、前記ウォーターサーバ本体が飲料水を供給する供給履歴の信号、前記ウォーターサーバ本体が配置される部屋の室温の信号、前記ウォーターサーバ本体の冷水タンクの内部の温度信号、前記ウォーターサーバ本体の温水タンクの内部の温度信号、又は前記ウォーターサーバ本体のスイッチの操作履歴の信号が含まれる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のウォーターサーバ。
【請求項7】
前記第1変更信号は、飲料水の設定温度の変更の信号、設定されているUV照射のタイミングの変更の信号、飲料水を補給する警告の周期、又は飲料水を補給する警告の回数の変更の信号を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のウォーターサーバ。
【請求項8】
前記第2変更信号は、飲料水ボトルを前記ウォーターサーバ本体に差し込む差込口の清掃時期を通知する清掃時期信号、又は前記ウォーターサーバ本体の点検時期を通知するメンテナンス時期信号を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のウォーターサーバ。
【請求項9】
ウォーターサーバ本体に設けられて前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する制御部に接続自在であり、前記ウォーターサーバ本体の外部のコンピュータサーバ、及び前記ウォーターサーバ本体の外部の携帯端末の少なくともいずれか一方から発信されて前記ウォーターサーバ本体を動作させるときの動作条件の設定値を変更するための第1変更信号、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更するための第2変更信号、又は前記ウォーターサーバ本体の出力を変更するための第3変更信号を受信することを特徴とする通信モジュール。
【請求項10】
ウォーターサーバ本体の外部の携帯端末にインストールするアプリケーションプログラムであって、
前記携帯端末により、前記ウォーターサーバ本体に設けられて前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する制御部に接続された通信モジュールに対して、前記ウォーターサーバ本体を動作させるときの動作条件の設定値を変更するための第1変更信号、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更するための第2変更信号、又は前記ウォーターサーバ本体の出力を変更するための第3変更信号を発信させ、
前記制御部により、前記通信モジュールから前記第1変更信号を受信するように構成され前記第1変更信号を受信した場合には前記第1変更信号に基づいて、前記動作条件の設定値を変更し、前記通信モジュールが前記第2変更信号を受信するように構成され前記第2変更信号を受信した場合には、前記第2変更信号に基づいて、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態への変更をし、前記通信モジュールが前記第3変更信号を受信するように構成され前記第3変更信号を受信した場合には、前記第3変更信号に基づいて、前記ウォーターサーバ本体の出力を変更し、前記ウォーターサーバ本体の動作を制御させることを、前記携帯端末が内蔵するコンピュータに実行させることを特徴とするアプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーターサーバ、通信モジュール、及びアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のウォーターサーバは、水に対して、粉ミルク等の補助飲料添加物を混合した飲料水を供給可能なものである。そして、このウォーターサーバは、水や補助飲料添加物の保管量が少なくなった場合に、スマートフォン等の携帯端末を介して、外部の管理センター等のコンピュータサーバにその情報を送信する。そして、コンピュータサーバは、配送業者を利用して、水や補助飲料添加物をウォーターサーバに補充する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のウォーターサーバは、携帯端末やコンピュータサーバを用いていても、ウォーターサーバの飲料水及び補助飲料添加物を補充するために用いられることに留まっている。このような補充のみでは、各々のユーザの好みに合わせてウォーターサーバを調整することができない。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、コンピュータサーバ又は携帯端末を用いて各々のユーザの好みに合わせてウォーターサーバを調整することができるウォーターサーバ、通信モジュール、アプリケーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るウォーターサーバは、ウォーターサーバ本体に設けられ、前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する制御部と、前記制御部に接続自在であり、前記ウォーターサーバ本体の外部のコンピュータサーバ、及び前記ウォーターサーバ本体の外部の携帯端末の少なくともいずれか一方から発信されて前記ウォーターサーバ本体を動作させるときの動作条件の設定値を変更するための第1変更信号、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更するための第2変更信号、又は前記ウォーターサーバ本体の出力を変更するための第3変更信号を受信可能な通信モジュールと、を備え、前記制御部は、前記通信モジュールが前記第1変更信号を受信するように構成され前記第1変更信号を受信した場合には、前記第1変更信号に基づいて、前記動作条件の設定値を変更し、前記通信モジュールが前記第2変更信号を受信するように構成され前記第2変更信号を受信した場合には、前記第2変更信号に基づいて、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態への変更をし、前記通信モジュールが前記第3変更信号を受信するように構成され前記第3変更信号を受信した場合には、前記第3変更信号に基づいて、前記ウォーターサーバ本体の出力を変更し、前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る通信モジュールは、ウォーターサーバ本体に設けられて前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する制御部に接続自在であり、前記ウォーターサーバ本体の外部のコンピュータサーバ、及び前記ウォーターサーバ本体の外部の携帯端末の少なくともいずれか一方から発信されて前記ウォーターサーバ本体を動作させるときの動作条件の設定値を変更するための第1変更信号、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更するための第2変更信号、又は前記ウォーターサーバ本体の出力を変更するための第3変更信号を受信することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るアプリケーションプログラムは、ウォーターサーバ本体の外部の携帯端末にインストールするアプリケーションプログラムであって、前記携帯端末により、前記ウォーターサーバ本体に設けられて前記ウォーターサーバ本体の動作を制御する制御部に接続された通信モジュールに対して、前記ウォーターサーバ本体を動作させるときの動作条件の設定値を変更するための第1変更信号、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更するための第2変更信号、又は前記ウォーターサーバ本体の出力を変更するための第3変更信号を発信させ、前記制御部は、前記通信モジュールから前記第1変更信号を受信するように構成され前記第1変更信号を受信した場合には前記第1変更信号に基づいて、前記動作条件の設定値を変更し、前記通信モジュールが前記第2変更信号を受信するように構成され前記第2変更信号を受信した場合には、前記第2変更信号に基づいて、無効化されている機能の無効化状態から有効化状態への変更をし、前記通信モジュールが前記第3変更信号を受信するように構成され前記第3変更信号を受信した場合には、前記第3変更信号に基づいて、前記ウォーターサーバ本体の出力を変更し、前記ウォーターサーバ本体の動作を制御させることを、前記携帯端末が内蔵するコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンピュータサーバ又は携帯端末を用いて各々のユーザの好みに合わせてウォーターサーバを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るウォーターサーバシステムを示す概略図である。
【
図2】ウォーターサーバの内部の概要を示す構成図である。
【
図4】ウォーターサーバの制御構成を示すブロック図である。
【
図5】(a)は、スマートフォンのメインメニューの表示を示す図である。(b)は、通常時の冷水温度、通常時の温水温度、省エネ時の冷水温度、省エネ時の温水温度の初期設定の状態を示す図である。(c)は、その他の項目の設定画面の図である。(d)は、省エネモードの設定画面の図である。
【
図6】(a)は、定量出水時の変更後の出水量を示す図である。(b)は、定量・定温度出水時の変更後の出水量・出水温度を示す図である。(c)は、ドリップモード時の変更後の数量を示す図である。(d)は、ドリップモード時の変更後のドリップ条件を示す図である。
【
図7】ウォーターサーバの制御過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用される。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るウォーターサーバ1を含むウォーターサーバシステム100の構成を示す図である。
図1に示すウォーターサーバシステム100は、ウォーターサーバ1と、通信モジュール2と、スマートフォン3(携帯端末)と、管理センター4(コンピュータサーバ)と、を有する。
【0013】
ウォーターサーバ1は、外観視して略四角柱形状となるウォーターサーバ本体10と、ウォーターサーバ本体10の上部に載置される飲料水ボトル90と、を有する。飲料水ボトル90は、ウォーターサーバ本体10のトップカバー41に載置されている。ウォーターサーバ1は、ウォーターサーバ本体10の筐体の前面側に供給ノズル20と、操作パネル30と、容器載置部40と、制御部50と、を有する。供給ノズル20は、ウォーターサーバ本体10の筐体の前面から奥まるように形成された凹部11の一部に形成され、ユーザの操作パネル30への操作に応じて飲料水を出水する出水口として機能するものである。操作パネル30は、ユーザからの操作を受け付けるパネルであって、例えば冷水の出水操作、温水の出水操作、温水の加熱操作等、種々の操作が可能となっている。
【0014】
容器載置部40は、供給ノズル20から供給される飲料水を受ける飲料容器が載置されるものであって、供給ノズル20の下側の所定高さ箇所に設けられている。容器載置部40は、その一部が凹部11内に収まっており、他の部分がウォーターサーバ本体10の筐体の前方に突出した状態で設置されている。なお、本実施形態において飲料容器とは、コップやグラス等の飲料を飲むための容器の他、炊飯釜、鍋、急須、水筒及びペットボトル等も含まれる。制御部50は、通信モジュール2が受信したウォーターサーバ本体10を動作させる信号を受信して、ウォーターサーバ本体10の動作を制御する。
【0015】
通信モジュール2は、ウォーターサーバ本体10に接続自在な通信機器であって、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)により、管理センター4やスマートフォン3(またはタブレット端末)に接続される。通信モジュール2は、管理センター4又はスマートフォン3で設定された任意のデータを受信可能であり、受信したデータを制御部50に送信する。
【0016】
スマートフォン3は、ウォーターサーバ本体10の外部に配置され、画面に表示されるアプリアイコン3aと、アプリアイコン3aに対応するアプリケーションプログラム3Aと、を有する。アプリケーションプログラム3Aは、スマートフォン3に内蔵されたコンピュータに実行される。ユーザがアプリアイコン3aを操作すると、アプリケーションプログラム3Aがウォーターサーバ1を動作させるための信号を通信モジュール2に送信する。スマートフォン3と通信モジュール2との間は、例えばBluetoothにより接続される。
【0017】
管理センター4は、ユーザの連絡を受けてウォーターサーバ1を動作させるための信号を通信モジュール2に送信する。管理センター4と通信モジュール2との間は、例えばWi-Fiにより接続される。
【0018】
図2は、
図1に示したウォーターサーバ1の内部の概要を示す構成図である。
図3は、操作パネル30の正面図である。
図1に示すウォーターサーバ本体10の筐体の内部に、
図2に示す導水路Rと、冷水タンクT1と、仕切り板35と、冷水用電磁弁91と、温水タンクT2と、温水用電磁弁92と、常温水用電磁弁93と、管94と、管95と、管96と、を備えている。導水路Rは、飲料水ボトル90の飲料水を冷水タンクT1へと導く。
【0019】
冷水タンクT1は、飲料水ボトル90から飲料水を導入して貯留するタンクである。冷水タンクT1には、冷却器Gが設けられており、冷水タンクT1内に導入された常温の飲料水が冷却器Gによって冷却されて冷水化される。
【0020】
仕切り板35は、冷水タンクT1の内部を上下に仕切る。仕切り板35は、冷水タンクT1の内部の飲料水について、冷却器Gによって冷却され難い上層(常温水の部分)と、冷却器Gによって冷却される下層(冷水の部分)とに分ける。
【0021】
冷水用電磁弁91は、冷水タンクT1と出水口とを接続する管94(流路)に設けられている。冷水用電磁弁91は、
図3を参照しつつ後述するが、回転ダイヤル31aにより冷水表示部32aが選択されて給水決定ボタン31bが押下される動作がなされると、開状態となって
図2の管94を開放し、冷水を出水する。
【0022】
温水タンクT2は、配管を通じて冷水タンクT1の下方に接続されており、冷水タンクT1からの飲料水を導入して貯留するタンクである。この温水タンクT2の内部にはヒータH等の加熱機構が設けられており、温水タンクT2内の飲料水はヒータHによって加熱されて温水化される。温水タンクT2は、冷水タンクT1の上層(常温水の部分)からの飲料水を導入する。
【0023】
温水用電磁弁92は、温水タンクT2と出水口とを接続する管95(流路)に設けられている。温水用電磁弁92は、
図3を参照しつつ後述するが、回転ダイヤル31aにより温水表示部32bが選択されてロック解除ボタン31cの押下によるロック解除後に給水決定ボタン31bが押下される動作がなされると、開状態となって
図2の管95を開放し、温水を出水する。
【0024】
常温水用電磁弁93は、冷水タンクT1の仕切り板35より上方のエリアと出水口とを接続する管96(流路)に設けられている。常温水用電磁弁93は、
図3を参照しつつ後述するが、回転ダイヤル31aにより常温水表示部32cが選択されて給水決定ボタン31bが押下される動作がなされると、開状態となって
図2の管96を開放し、常温水を出水する。
【0025】
次に、
図3を参照しつつ、操作パネル30について説明する。操作部31は、ユーザからの操作を受け付けるものである。
【0026】
表示部32は、ウォーターサーバ1が備える複数の機能を表示するとともに、この複数の機能の中で現在選択されている機能を表示するものである。本実施形態において、ウォーターサーバ1は、冷水機能、温水機能、常温水機能、省エネ機能、UV殺菌機能、加熱機能及び水分補給警報機能を含む7つの機能を備えている。表示部32は、これらの7つの機能と対応して、冷水表示部32a、温水表示部32b、常温水表示部32c、省エネ表示部32d、UV殺菌表示部32e、加熱表示部32f及び水分補給表示部32gを備えている。個々の表示部32a~32gは、操作パネル30上に描画されたアイコンと、操作パネル30の裏面に配置されて、当該操作パネル30を透過照明する光源(不図示)とで構成されている。
【0027】
ここから、操作部31について詳述する。回転ダイヤル31aは、円筒形状の操作部材であって、その中心軸を中心に回転可能に操作パネル30上に配置されている。この回転ダイヤル31aの周囲には、各機能の表示部32a~32gが周方向に沿って所定のピッチで配置されている。回転ダイヤル31aは、各表示部32a~32gのいずれか1つを選択するように回転操作を行うことができる。回転ダイヤル31aを回転操作し、複数の表示部32a~32gの中から1つの表示部32a~32gを選択することで、その表示部32a~32gに対応する機能を選択することができる。また、回転ダイヤル31aにより選択された表示部32a~32gは、光源が点灯し、他の表示部32a~32gは、光源が消灯する。
【0028】
給水決定ボタン31bは、冷水タンクT1に導入された飲料水(冷水)を出水するために冷水用電磁弁91(
図2参照)を開状態にし、温水タンクT2に導入された飲料水(温水)を出水するために温水用電磁弁92(
図2参照)を開状態にするためのものである。また、給水決定ボタン31bは、冷水タンクT1内の飲料水(常温水)を出水するために常温水用電磁弁93(
図2参照)を開状態にするためのものである。さらに、給水決定ボタン31bは、光源が点灯している表示部32a~32gに対応する機能を実行するためのものである。
【0029】
例えば回転ダイヤル31aにより冷水表示部32aが選択されているときに給水決定ボタン31bが操作されると、供給ノズル20(
図1参照)から冷水が供給される。温水表示部32b又は常温水表示部32cが選択されているときも同様で、給水決定ボタン31bが操作されると、供給ノズル20から温水又は常温水が供給される。
【0030】
ロック解除ボタン31cは、温水タンクT2に導入された飲料水の出水を制限するロック状態を解除可能なものである。ロック状態とは、温水表示部32bが選択されているときに給水決定ボタン31bを操作しても出水を禁止する状態である。なお、ウォーターサーバ1は、最後に使用した後所定時間を経過すると、ロック状態になる。ユーザは、回転ダイヤル31aにより温水表示部32bを選択してロック解除ボタン31cを押下することによりロック解除状態にし、給水決定ボタン31bを押下することにより温水用電磁弁92を開状態にして温水を給水することができる。
【0031】
ここから、表示部32の残りの部分について述べる。省エネ表示部32dが選択されているときに給水決定ボタン31bが操作されると、省エネ機能が実行される。省エネ機能は、ウォーターサーバ1を省エネモードで運転させる機能である。
【0032】
UV殺菌表示部32eが選択されているときに給水決定ボタン31bが操作されると、UV殺菌機能が実行される。UV殺菌機能は、冷水タンクT1をUV殺菌させる機能である。UV殺菌機能が実行されると、冷水タンクT1内の冷水を殺菌するためのUV-LED(紫外線LED:Light Emitting Diode)ライトを点灯させる処理が実施され、これにより冷水タンクT1の殺菌が行われる。
【0033】
加熱表示部32fが選択されているときに給水決定ボタン31bが操作されると、加熱機能が実行される。加熱機能は、温水タンクT2内の温水の加熱を行う機能である。加熱が実行されると、例えば通常は80℃程度の温水タンクT2内の温水を90℃以上に昇温させる処理が実施される。
【0034】
水分補給表示部32gが選択されているときに給水決定ボタン31bが操作されると、警報機能モードが実行される。警報機能モードは、熱中症の可能性を判断して警告を行う処理をして、ユーザに水分摂取を促すモードである。
【0035】
スピーカ33は、音声を発生する機器であり、気温が高いから冷水を飲みましょうといった指示内容、及び気温が高いから熱中症に気を付けましょうといった警告内容等をユーザに報知する。
【0036】
図4は、ウォーターサーバシステム100の制御構成を示すブロック図である。まず、
図4を参照しつつ、制御部50について説明する。制御部50は、ウォーターサーバ本体10に設けられ、ウォーターサーバ本体10の動作を制御する部位である。特に本実施形態に係る制御部50は、通信モジュール2が第1変更信号、第2変更信号、及び第3変更信号の少なくともいずれかを受信した場合には、その第1変更信号、第2変更信号、及び第3変更信号の少なくともいずれかに基づく変更を行い、変更後の内容でウォーターサーバ本体10の動作を制御するようになっている。第1変更信号は、飲料水の給水条件の数値等のウォーターサーバ本体10を動作させるときの動作条件の設定値を変更するための信号である。第2変更信号は、ウォーターサーバ本体10において無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更(有効化)するため信号である。第3変更信号は、ウォーターサーバ本体10の出力を変更するため信号である。
【0037】
このため、制御部50は、通信モジュール2から第1変更信号を受信した場合、飲料水の給水条件の数値(動作条件の設定値)について変更し、変更後の給水条件の数値(動作条件の設定値)でウォーターサーバ本体10を給水制御する。その他、制御部50は、通信モジュール2から第1変更信号を受信した場合、UV照射及び停止の条件の変更、警告の条件の変更といったウォーターサーバ本体10を動作させるときの動作条件の設定値を変更して、ウォーターサーバ本体10を制御する。第1変更信号は、設定モード中に送信されるものである。
【0038】
また、制御部50は、通信モジュール2から第2変更信号を受信した場合、無効化されている機能を有効化して、有効化した機能に基づく制御を実行する。第2変更信号には、後述するノンスピル清掃時期に通知されるものと、メンテナンス時期に通知されるものと、がある。
【0039】
制御部50は、通信モジュール2から第3変更信号を受信した場合、ウォーターサーバ本体10の出力を変更(電磁弁出力、ヒータON及びOFF等)する制御を実行する。第3変更信号は、拡張モード中に送信されるものである。例えば、ヒータについては、以下のことが言える。第1変更信号は、ヒータHがオンする温度を変更したりオフする温度を変更したりする信号であり、制御部50は、そのような第1変更信号を受信すると、ヒータHがオンする温度を変更したりオフする温度を変更したりする。なお、この場合には、制御部50は、ヒータHが変更後の温度に到達したときに、ヒータHをオン又はオフさせるが、これは、第1変更信号や第3変更信号によるものではない。これに対して、第3変更信号は、ヒータHをオンさせたりオフさせたりする信号であり、制御部50は、そのような第3変更信号を受信すると、ヒータHをオンさせたりオフさせたりする。
【0040】
弁制御部51は、冷水用電磁弁91、温水用電磁弁92、及び常温水用電磁弁93の開閉動作を制御する部位である。弁制御部51は、冷水の給水指示に基づいて冷水用電磁弁91の開閉動作を制御し、温水の給水指示に基づいて温水用電磁弁92の開閉動作を制御する。さらに、弁制御部51は、常温水の給水指示に基づいて常温水用電磁弁93の開閉動作を制御する。
【0041】
次に、設定モードのときに送信される第1変更信号、無効化状態から有効化状態にするときに送信される第2変更信号、拡張モードのときに送信される第3変更信号について、以下説明する。設定モードのときに送信される第1変更信号は、ウォーターサーバ本体10の制御部50が有する設定を変更するために、スマートフォン3から発信される信号である。設定モード信号は、基本的には、ユーザのスマートフォン3の画面から設定して発信可能であるが、ユーザがスマートフォン3の画面からの設定が分からない場合に管理センター4(
図1参照)で設定して発信可能でもある。
【0042】
設定モードのときに送信される第1変更信号には、通常時の冷水温度、通常時の温水温度、省エネ時の冷水温度、省エネ時の温水温度の設定信号(
図5(b)参照)、ヒータHの加熱温度上限の設定信号、UV殺菌のUV照射時間の設定信号、UV殺菌のUV停止時間の設定信号、水分補給警告の閾値の設定信号、水分補給警告の警告周期の設定信号、水分補給警告の回数の設定信号(
図5(c)参照)、がある。
【0043】
図5(a)は、スマートフォン3のメインメニュー300の表示を示す図である。
図5(b)は、通常時の冷水温度、通常時の温水温度、省エネ時の冷水温度、省エネ時の温水温度の初期設定の状態を示す図である。通常時の冷水温度、通常時の温水温度、省エネ時の冷水温度、省エネ時の温水温度の設定信号は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、及び、
図5(a)に示すメインメニュー300の詳細設定ボタン310の押下の順に行われ、これにより
図5(b)に示す温度設定画面311が開かれる。
【0044】
図5(b)に示す温度設定画面311では、初期的に8℃冷却器ON、2℃冷却器OFFとの通常時の温度設定が入力されており、8℃で冷却器Gがオンし、2℃で冷却器Gがオフする設定となっている。また、
図5(b)に示す温度設定画面311では、初期的に75℃ヒータON、85℃ヒータOFFとの通常時の温度設定が入力されており、75℃でヒータHがオンし、85℃でヒータHがオフする設定となっている。
【0045】
また、
図5(b)に示す温度設定画面311では、初期的に16℃冷却器ON、8℃冷却器OFFとの省エネ時の温度設定が入力されており、16℃で冷却器Gがオンし、8℃で冷却器Gがオフする設定となっている。また、
図5(b)に示す温度設定画面311では、初期的に65℃ヒータON、75℃ヒータOFFとの省エネ時の温度設定が入力されており、65℃でヒータHがオンし、75℃でヒータHがオフする設定となっている。なお、常温水については、そのままであるため、設定項目はない。
【0046】
このような設定済みである温度の数値を変更し入力ボタン36が押下されることで、スマートフォン3は、
図1に示すアプリケーションプログラム3Aの制御により、第1変更信号を通信モジュール2に送信する。制御部50は、このような第1変更信号を通信モジュール2から受信すると、冷水タンクT1(
図2参照)内の冷水温度や温水タンクT2(
図2参照)内の温水温度が設定温度となるように冷却器G(
図2参照)又はヒータH(
図2参照)を制御する。
【0047】
なお、上記において温度設定画面311では、冷水タンクT1内の冷水温度と温水タンクT2内の温水温度との両方を変更可能であるものとして説明したが、これに限らず、いずれか一方だけを変更可能であってもよい。また、温度設定画面311では、通常時と省エネ時とのうち、通常時の冷水温度だけ変更可能であったり、省エネ時の温水温度だけ変更可能であったりされていてもよい。
【0048】
図5(c)は、その他の設定項目を表示する画面の図である。ヒータHの加熱温度上限の設定信号、UV殺菌のUV照射時間の設定信号、UV殺菌のUV停止時間の設定信号、水分補給警告の閾値の設定信号、水分補給警告の周期の設定信号、及び、水分補給警告の回数の設定信号についても、上記と同様に、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。すなわち、温度設定画面311のNEXTボタン37(
図5(b)参照)を押すとその他の項目の設定画面312(
図5(c)参照)が開かれ、その画面内において温度の数値や時間の数値等が初期的に入力されているものから変更のうえ入力ボタン36が押下されることで、スマートフォン3は第1変更信号を通信モジュール2に送信する。
【0049】
例えば、ヒータ加熱温度上限設定の項目で入力されている90℃を変更した第1変更信号を通信モジュール2に送信する。また、UV殺菌のUV照射時間設定の項目で入力されている24時間UV照射を変更した第1変更信号を通信モジュール2に送信する。また、UV殺菌のUV停止時間設定の項目で入力されている24時間UV停止を変更した第1変更信号を通信モジュール2に送信する。また、例えば、水分補給警告の閾値設定の項目で入力されているWBGT値を変更した第1変更信号を通信モジュール2に送信し、水分補給警告の周期設定の項目で入力されている1時間おきを変更した第1変更信号を通信モジュール2に送信し、水分補給警告の回数設定の項目で入力されている3回を変更した第1変更信号を通信モジュール2に送信する。
【0050】
省エネモードは、ウォーターサーバ本体10を省エネモードの詳細を設定するためのモードである。省エネモード設定信号(第1変更信号)は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、及び、
図5(a)に示すメインメニュー300の省エネモードボタン380の押下の順に行われ、これにより省エネモード時の省エネモードの設定画面381が開かれる。
【0051】
図5(d)は、省エネモードの設定画面381の図である。省エネモードの設定画面381では、省エネモードの時間の設定、省エネモードを通信モジュール2の非接続時に設定、省エネモードを生活パターンによって自動設定が入力可能である。前述の省エネモードの時間の設定については、例えば、23時~6時に設定することができる。また、省エネモードの設定画面381では、省エネモードでの冷却器Gの「ON」又は「OFF」の設定が入力可能であり、省エネモードにおいて冷却器Gを「OFF」に設定可能である。省エネモードの設定画面381では、省エネモードでのヒータHの「ON」又は「OFF」の設定が入力可能であり、省エネモードにおいてヒータHを「OFF」に設定可能である。冷却器Gだけを「OFF」に設定しても良く、ヒータHだけを「OFF」に設定しても良く、冷却器G及びヒータHの両方を「OFF」に設定しても良い。制御部50は、その変更信号(第1変更信号)に基づいて、省エネモードを設定する。
【0052】
次に、拡張モードのときに送信される第3変更信号について説明する。拡張モードのときに送信される第3変更信号には、定量出水時の出水量の変更信号、定量・定温度出水時の出水量・出水温度の変更信号、ドリップモード信号、カップ麺モード信号、お米モード信号、メモリモード信号がある。拡張モードのときに送信される第3変更信号は、通信モジュール2に一時的に記録されて制御部50の出力を制御する。第3変更信号の指令を実行した後に、その記録は消去される。
【0053】
図6(a)は、定量出水時の変更後の出水量を示す図である。定量出水時の出水量の変更信号は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、及び、
図5(a)に示すメインメニュー300の定量出水ボタン320の押下の順に行われ、これにより
図6(a)に示す定量出水時の出水量変更画面321が開かれる。
【0054】
図6(a)に示す出水量変更画面321では、初期的に定量の出水量の欄321aに例えば250ml(不図示)が入力されており、後発的に定量出水量の欄321aに例えば100mlが入力されることで、定量の出水量が変更される。定量の出水量は、出水量増減ボタン321bにより10mlずつ増減できるようになっている。出水するときには、冷水用のコールドボタン321cと、常温水用のノーマルボタン321dと、温水用のホットボタン321eと、のいずれかを押下する。例えば、ユーザは、出水量変更画面321において、出水量の項目で100mlを入力して、コールドボタン321cを押して、定量の冷水を出水する。例えば、弁制御部51は、冷水用電磁弁91を3秒開いて閉じ、100mlの冷水を出水させる。
【0055】
出水量変更画面321でコールドボタン321cが押下されることで、スマートフォン3は、
図1に示すアプリケーションプログラム3Aの制御により、第3変更信号を、通信モジュール2に送信する。通信モジュール2は、制御部50の弁制御部51へ、冷水の出水量を100mlに変更して出水するように冷水用電磁弁91(
図2参照)を制御する。
【0056】
図6(b)は、定量・定温度出水時の変更後の出水量・出水温度を示す図である。定量・定温度出水時の出水量の変更信号及び出水温度の変更信号は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、及び、
図5(a)に示すメインメニュー300の定量・定温度出水ボタン330の押下の順に行われ、これにより
図6(b)に示す定量・定温度出水時の出水量・出水温度変更画面331が開かれる。
【0057】
図6(b)に示す出水量・出水温度変更画面331では、前述したように初期的に定量の出水量の欄321aに例えば250ml(不図示)が入力されており、後発的に定量出水量の欄321aに例えば150mlが入力されることで、定量の出水量が変更される。また、初期的に定温度の出水温度の欄331aに例えば10℃(不図示)が入力されており、後発的に定温度の出水温度の欄331aに例えば50℃が入力されることで、定温度の出水温度が変更される。定温度の出水温度は、出水温度上下ボタン331bにより5℃ずつ上げ下げできるようになっている。出水するときには、出水ボタン331c(
図6(b)中「POUR」と記載)を押下する。
【0058】
出水量・出水温度変更画面331で出水ボタン331cが押されることで、スマートフォン3は、
図1に示すアプリケーションプログラム3Aの制御により、第3変更信号を、通信モジュール2に送信する。通信モジュール2は、制御部50の弁制御部51を制御し、冷水タンクT1(
図2参照)の冷水を出水する冷水用電磁弁91(
図2参照)及び温水タンクT2(
図2参照)の温水を出水する温水用電磁弁92(
図2参照)を開かせて冷水と温水とを混ぜ合わせて50℃の温水を出水する。
【0059】
ここで、制御部50は、冷水タンクT1の冷水温度及び温水タンクT2の温水温度をどのような分量で混ぜ合わせれば、ユーザが変更しようとする変更後の水温になるのかを計算して求める。一例を挙げると、ユーザが50℃で150mlの飲料水を指定している場合には、制御部50は、温水タンクT2の80℃のL[ml]の温水と、冷水タンクT1の5℃の(150-L)[ml]の冷水とを混ぜ合わせれば良い。この場合に、L[ml]=90[ml]となり、制御部50は、温水タンクT2の80℃の90[ml]の温水と、冷水タンクT1の5℃の60[ml]の冷水とを混ぜ合わせれば良いことを計算して求める。そして、制御部50は、ユーザの変更後の水温となるように、冷水用電磁弁91及び温水用電磁弁92の開時間を弁制御部51に指示する。これにより、弁制御部51は、冷水用電磁弁91及び温水用電磁弁92を開閉制御して、ユーザが望む温度の飲料水を出水させる。
【0060】
なお、温水と冷水とを混ぜ合わせるのではなく、温水と常温水とを混ぜ合わせたり、冷水と常温水とを混ぜ合わせたりする混ぜ方であっても良い。例えば、80℃の温水と25℃の常温水とを混ぜ合わせて、50℃の温水を得ても良い。このようなことから、制御部50は、ユーザの設定水温となるように、電磁弁91~93の開時間を弁制御部51に指示する。これにより、弁制御部51は、電磁弁91~93を開閉制御して、ユーザが望む温度の飲料水を出水させる。
【0061】
図6(c)は、ドリップモード時の変更後の数量を示す図である。ドリップモード時のドリップモード画面341には、数量選択欄341aと、増加ボタン341bと、減少ボタン341cと、ドリップボタン341dと、設定ボタン341eと、が設けられている。数量選択欄341aは、ドリップコーヒーの数量(杯数)を選択するための欄である。増加ボタン341bは、数量選択欄341aの数量を1杯ずつ増加させるためのボタンである。減少ボタン341cは、数量選択欄341aの数量を1杯ずつ減少させるためのボタンである。ドリップボタン341d(
図6(c)中「DRIP」と記載)は、ドリップを開始するためのボタンである。ドリップボタン341dが押されると、ドリップモードが開始する。設定ボタン341eは、ドリップ条件を変更して設定するためのボタンである。設定ボタン341eが押されると、ドリップモード時のドリップ条件の変更画面342に切り替わる。
【0062】
図6(d)は、ドリップモード時の変更後のドリップ条件を示す図である。ドリップモードは、ドリップコーヒーを作るモードであり、ドリップコーヒーを作る際の蒸らし時間や飲料水の量を調整するモードである。ドリップモード変更信号(第3変更信号)は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、
図5(a)に示すメインメニュー300のドリップモードボタン340の押下、及び
図6(c)に示す設定ボタン341eの押下の順に行われ、これにより
図6(d)に示すドリップモード時のドリップ条件の変更画面342が開かれる。
【0063】
図6(d)に示すドリップ条件の変更画面342では、初期的に入力されていたものが、後発的に(1)1回目の温水の出水量(例として20ml、第1出水量欄342a参照)と、(2)コーヒー豆を蒸らす蒸らし時間(例として20秒、蒸らし時間欄342b参照)と、(3)2回目以降の1回当たりの温水の出水量(例として30ml、第2出水量欄342c参照)と、(4)2回目以降の温水の出水のインターバル(例として3秒、インターバル欄342d参照)と、(5)作る予定のコーヒーの量(例として170ml、予定量欄342e参照)というように入力されることで、ドリップモード時の出水量が変更される。これらのドリップ条件は確定ボタン38の押下により確定される。そして、ドリップ条件の変更画面342からドリップモード画面341に移行する。その後、出水するときには、ドリップモード画面341においてドリップボタン341dを押下する。
【0064】
ドリップモード画面341でドリップボタン341dが押下されることで、スマートフォン3は、
図1に示すアプリケーションプログラム3Aの制御により、第3変更信号を、通信モジュール2に送信する。通信モジュール2は、
図4に示す制御部50の弁制御部51を制御して、コーヒー豆をセットした容器のコーヒー豆部分に対して、(1)温水用電磁弁92を開いて温水20mlを出水し、(2)温水用電磁弁92を閉じて20秒蒸らす。それから、制御部50は、(3)温水用電磁弁92を開いて温水30mlを出水し、(4)温水用電磁弁92を閉じてインターバル3秒を待つ。その後、制御部50は、(3)温水用電磁弁92を開いた温水30mlを出水と(4)温水用電磁弁92を閉じてインターバル3秒の待ちとを5回繰り返す。これにより、制御部50は、ドリップコーヒーの蒸らしからドリップまでを自動で170ml分作る。
【0065】
カップ麺モードは、カップ麺を作るモードであり、特定のカップ麺の銘柄に対応する温水の量を調整するモードである。カップ麺モード変更信号(第3変更信号)は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、及び、
図5(a)に示すメインメニュー300のカップ麺モードボタン350の押下の順に行われ、これにより図示しないカップ麺モード時のカップ麺モード変更画面が開かれる。
【0066】
図示しないカップ麺モード変更画面では、初期的にカップ麺の銘柄が入力されており、後発的に他のカップ麺の銘柄が入力されることで、カップ麺モード時の出水条件が変更される。出水するときには、図示しない出水ボタンを押下する。図示しないカップ麺モード変更画面には、濃いめ、薄めが入力可能である。濃いめが入力されると温水が少なく出水され、薄めが入力されると温水が多く出水され、カップ麺のスープの濃いめ、薄めが調整可能である。
【0067】
カップ麺モード変更画面で出水ボタンが押下されることで、スマートフォン3は、
図1に示すアプリケーションプログラム3Aの制御により、第3変更信号を、通信モジュール2に送信する。通信モジュール2は、制御部50によりヒータHをオンになるように制御して温水タンクT2内の温水温度を上限(例えば100℃)まで昇温させてヒータHをオフになるように制御し、昇温後、
図4に示す弁制御部51を制御して、容器載置部40(
図1参照)に載置されたカップ麺に対して、変更後の銘柄のカップ麺の湯容量に応じた出水をする。このときに薄めが入力されているのであれば、温水が多く出水される。次いで、スマートフォン3の画面には、蓋を閉めるように警告する表示がされ、タイマー時間に出来上がりを知らせる表示がされる。これにより、カップ麺モードでカップ麺が作られる。
【0068】
お米モードは、お米を炊くときのモードである。お米モード変更信号(第3変更信号)は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、及び、
図5(a)に示すメインメニュー300のお米モードボタン360の押下の順に行われ、これにより図示しないお米モード時のお米モード変更画面が開かれる。
【0069】
図示しないお米モード変更画面では、初期的にお米の炊き加減(例えば「かため」「普通」「やわらかめ」「おかゆ」等)、お米の銘柄、又はお米の量が入力されており、後発的に他のお米の炊き加減(例えば「かため」「普通」「やわらかめ」「おかゆ」等)、お米の銘柄、又はお米の量が入力されることで、お米モード時の出水条件が変更される。出水するときには、図示しない出水ボタンを押下する。
【0070】
図示しないお米モード変更画面で出水ボタンが押下されることで、スマートフォン3は、
図1に示すアプリケーションプログラム3Aの制御により、第3変更信号を、通信モジュール2に送信する。通信モジュール2は、
図4に示す制御部50の弁制御部51を制御して、容器載置部40(
図1参照)に載置された炊飯窯に対して、変更後のお米の炊き加減、お米の銘柄、又はお米の量に応じた最適な温度に調整された水を出水する。なお、お米の炊き加減については、ある銘柄において白米1合当たり、かために炊く場合に水180cc、普通炊きの場合に水200cc、やわらかめに炊く場合に水250cc、おかゆを炊く場合に水900ccといったデータを記憶している。また、制御部50は、浸水時間タイマーを動作させて浸水時間が終了したときに、これを通知する。以上により、お米を炊く前の準備ができる。
【0071】
メモリモードは、ユーザが普段作るものに出水させる温度及び出水量を調整するモードある。メモリモード変更信号(第3変更信号)は、スマートフォン3を操作することによってウォーターサーバ1に送信される。操作については、スマートフォン3(
図1参照)のアプリアイコン3a(
図1参照)の押下、及び、
図5(a)に示すメインメニュー300のメモリモードボタン370の押下の順に行われ、これにより図示しないメモリモード時のメモリモード変更画面が開かれる。
【0072】
図示しないメモリモード変更画面では、初期的に普段作るものに出水する温水の出水量及び温度が入力されており、後発的に普段作るものに出水する温水の出水量及び温度に入力されることで、メモリモード時の出水条件が変更される。出水するときには、図示しない出水ボタンを押下する。なお、普段作るものとしては、普段飲む水(白湯)、スープ、みそ汁、お茶、水割り、お湯割りが挙げられる。特に出水量についてはユーザが計量カップ等で測定した量の温水の量が設定されることとなる。
【0073】
図示しないメモリモード変更画面で出水ボタンが押下されることで、スマートフォン3は、
図1に示すアプリケーションプログラム3Aの制御により、第3変更信号を、通信モジュール2に送信する。通信モジュール2は、制御部50により容器載置部40(
図1参照)に載置されたお椀等に対して、変更後の温度及び出水量となるようにヒータHを制御して温水温度を調整しつつ温水用電磁弁92を制御して出水する。これにより、メモリモードで、スープ、みそ汁、お茶、水割り、お湯割り等が作られる。
【0074】
図4に示すデータ取得部55は、ウォーターサーバ本体10が飲料水を供給するときの供給履歴のデータ、ウォーターサーバ本体10が配置される部屋の室温、湿度のデータ、ウォーターサーバ本体10の冷水タンクT1の内部の温度のデータを、取得する部位である。または、データ取得部55は、ウォーターサーバ本体10の温水タンクの内部の温度のデータ、ウォーターサーバ1のスイッチの操作履歴のデータを、取得する部位である。データ取得部55は、その他、ウォーターサーバ本体10の累積動作時間のデータ、冷水用電磁弁91の動作時間と開閉回数のデータ、温水用電磁弁92の動作時間と開閉回数のデータ、常温水用電磁弁93の動作時間と開閉回数のデータ、冷却器Gの動作回数と動作時間のデータ、ヒータHの動作回数と動作時間のデータを取得可能である。データ取得部55は、取得した信号を、通信モジュール2によって、管理センター4又はスマートフォン3に発信する。
【0075】
次に、第2変更信号について説明する。第2変更信号は、ノンスピル清掃時期に通知されるものと、メンテナンス時期に通知されるものと、を有する。ノンスピル清掃時期に通知される第2変更信号は、隠し機能の有効化若しくは無効化をする信号である。メンテナンス時期に通知される第2変更信号は、隠し機能の有効化若しくは無効化をする信号である。
【0076】
ノンスピル清掃時期の通知、及びメンテナンス時期の通知のような通知は、スマートフォン3を用いる本実施形態の場合においてスマートフォン3において通知可能なため、不要の機能と言える可能性もある。但し、ウォーターサーバ本体10の変更を長期に亘って行うことがないようなユーザの場合には、機能の有効化を設定しておくと、
図1に示す管理センター4が履歴データに基づいて、ノンスピル清掃時期の通知、及びメンテナンス時期の通知を適宜行う。なお、ここでいうノンスピルとは、飲料水ボトル90を取り付けるためのウォーターサーバ本体10の接合部分をいい、ノンスピル清掃とは、この接合部分の周囲の差込口99(
図2参照)を、飲料水ボトル90の交換の際に、キッチンペーパー等で拭き取り、市販のアルコール除菌剤等により消毒する等のことをいう。
【0077】
その他、管理センター4がするサービスとしては、以下のものがある。
(1)履歴データから出水量を算出し、飲料水ボトル90が空に近づくと、ウォーターサーバ1から飲料水ボトル90の自動発注を受け、ユーザの在宅時間を確認して、配送業者に配送のタイミングを通知する。
(2)ユーザの使用状況を踏まえた関連商品の斡旋(広告)をする。
(3)ユーザの使用状況を踏まえた割引制度を適用する。例えば、冬は「お湯割り」(温水を多く飲んだための割引)をする。夏は「水割り」(暑くて水を多く飲んだための割引)をする。その他、「省エネ割り」(常温水を多く使って電気をあまり使っていないので省エネに貢献したために割引)をする。
(4)電気代の目安を表示する。例えば、月毎又は週毎に電気代が少なく済んだ省エネランキングを表示する。
(5)薬の服用時間をお知らせする。
(6)高齢者の見守りをする。
(7)遠隔設定サービスを行う。例えば、設定方法が分からない高齢者等をサポートする。
(8)リアルタイムな故障診断を行う。これにより、コールセンターの業務の円滑化が図られる。
(9)機能のアップデートを行う。通信で、機能の追加やアップデートを行う。
【0078】
次に、スマートフォン3へのアプリケーションプログラム3Aのダウンロード方法や管理センター4との通信の詳細について説明する。
図4のように、スマートフォン3は、アプリストア6にアプリケーションプログラム3Aをダウンロードすることを要求する。そうすると、アプリストア6は、スマートフォン3にアプリケーションプログラム3Aをダウンロードさせて、アプリケーションプログラム3Aをスマートフォン3にインストールさせる。
【0079】
管理センター4は、直接にスマートフォン3と情報を交換する場合と、クラウド5を介してスマートフォン3と情報交換する場合と、がある。クラウド5を介する場合には、管理センター4からクラウド5に要求信号が送信され、スマートフォン3からクラウド5にデータが送信されたデータに基づいて、クラウド5から管理センター4にデータの分析結果やアラートが送信される。
【0080】
例えば、スマートフォン3がウォーターサーバ1の制御部50に履歴データを管理センター4に送信するように要求する場合には、スマートフォン3が要求信号を通信モジュール2に送信し、通信モジュール2が要求信号を制御部50に送信する。制御部50は、通信モジュール2に履歴データを応答信号として送信する。通信モジュール2がスマートフォン3に履歴データを応答信号として送信する。スマートフォン3が管理センター4に履歴データを応答信号として送信する。
【0081】
次に、
図7を参照しつつ、本実施形態に係るウォーターサーバ1の通信モジュール2の制御過程について説明する。
図7は、通信モジュール2の制御過程を示すフローチャートである。前提として、スマートフォン3にアプリケーションプログラム3Aがインストールされ、通信モジュール2がウォーターサーバ本体10に接続され、スマートフォン3が通信モジュール2とペアリングされる。
【0082】
通信モジュール2は、タイマーをスタートさせる(S1)。通信モジュール2は、管理センター4から変更信号による要求があったか否かを判断する(S2)。管理センター4から変更信号による要求があった場合(S2:YES)、通信モジュール2は、管理センター4からの要求事項をスマートフォン3経由で受信する(S4)。管理センター4から変更信号による要求がない場合(S2:NO)、通信モジュール2は、スマートフォン3からの変更信号による要求があったか否かを判断する(S3)。スマートフォン3からの変更信号による要求があった場合(S3:YES)、通信モジュール2は、スマートフォンからの要求事項を受信する(S4)。
【0083】
通信モジュール2は、要求事項の信号が第3変更信号のものかを判断する(S5)。要求事項の信号が第3変更信号のものであった場合(S5:YES)、通信モジュール2は、拡張モード制御を実行する(S6)。このとき、通信モジュール2は、制御部50を制御しウォーターサーバ本体10の出力を制御する。要求事項の信号が第3変更信号のものでない場合(S5:NO)、通信モジュール2は、第1変更信号又は第2変更信号を制御部50に送信する。そして、制御部50は、ウォーターサーバ本体10において設定モード制御(ウォーターサーバ本体10の動作条件の設定値の変更)又は機能の有効化制御(機能の無効化状態から有効化状態への変更)を行う(S7)。通信モジュール2は、S6又はS7の制御過程の後、S2の制御過程に戻る。
【0084】
スマートフォン3からの変更信号による要求がない場合(S3:NO)、通信モジュール2は、タイマーが例えば5分経過したか否かを判断する(S8)。タイマーが5分経過した場合には(S8:YES)、通信モジュール2は制御部50から得た、ウォーターサーバ1の履歴データをクラウド5に送信し(S9)、タイマーをリセットし(S10)、制御を終了する。タイマーが5分経過していない場合には(S8:NO)、通信モジュール2は、S2の制御過程に戻る。
【0085】
以上で説明した構成によれば、制御部50は、第1変更信号に基づいてウォーターサーバ本体10を動作させるときの動作条件の設定値を変更し、第2変更信号に基づいて無効化されている機能の無効化状態から有効化状態へ変更し、又は第3変更信号に基づいて前記ウォーターサーバ本体の出力を変更してウォーターサーバ本体10の動作を制御する。そのため、従来の機種ではウォーターサーバ本体10を動作させるときの動作条件の設定値が固定されていたものに対して、ウォーターサーバ本体10を動作させるときの動作条件の設定値が変更されたものを用いてウォーターサーバの動作を制御することができる。または、従来の機種ではなかった機能であっても、無効化された機能の無効化状態から有効化状態への変更をしてウォーターサーバの動作を制御することができる。または、従来の機種ではウォーターサーバ本体10の出力が固定されていたものに対して、ウォーターサーバ本体10の出力が変更されたものを用いてウォーターサーバの動作を制御することができる。その結果、管理センター4又はスマートフォン3を用いて各々のユーザの好みに合わせてウォーターサーバ1を調整することができる。
【0086】
また、広告配信サービスを適用してサービス対価を得ることも可能である。例えば、自社の製品を広告することによる利益だけでなく競合しない分野の他社の製品を広告することによる広告収入を得ることも可能である。なお、前述した割引制度(お湯割り、水割り、省エネ割)の割引クーポンをユーザに探させることにより探す過程で種々の広告を見てもらう等の広告サービスでも良い。
【0087】
また、安否確認サービスを適用してサービス対価を得ることも可能である。例えば、高齢の親を持つ子である成人Aが、ウォーターサーバ1から高齢の親が飲料水を飲む度に飲んだ時間や量を、子である成人Aのスマートフォンに通知される。
【0088】
なお、従来では、ユーザは、ウォーターサーバのインターフェースを変更できないために、既存の機能しか利用できなかった。また、従来では、ユーザは、温度設定が変更できないために、温水を出水した後に冷水を出水して双方を混ぜ合わせて好みの温度に調整するケースがあった。
【0089】
第3変更信号は、飲料水の出水量を設定する信号を有する。そのため、従来のウォーターサーバでは、飲料水を定量で出水する出水量をユーザが設定することができなかったが、本実施形態のウォーターサーバ1によれば、飲料水を定量で出水する出水量をユーザが設定することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0090】
第1変更信号は、冷水の温度及び温水の温度の少なくとも一方を変更する信号を有する。従来のウォーターサーバでは、冷水については、通常時約6℃、省エネ時約12℃で出水するように設定されていて、冷水の温度変更をする機能がなかったが、本実施形態のウォーターサーバ1によれば、ユーザは、温度設定画面311により冷水を所望の温度に変更することができる。また、従来のウォーターサーバでは、温水については、通常時約80℃、省エネ時約68℃で出水するように設定されていて、温水の温度変更をする機能がなかったが、本実施形態のウォーターサーバ1によれば、ユーザは、温度設定画面311により温水を所望の温度に変更することができる。
【0091】
第3変更信号は、冷水及び温水を混ぜ合わせるときの冷水の温度及び量、並びに温水の温度及び量を設定することにより変更する信号を有する。そのため、従来のウォーターサーバでは、ユーザが冷水と温水を別々に給水して自分で混ぜ合わせて所望の温度及び量の飲料水を作る必要があったが、本実施形態のウォーターサーバ1によれば、そのような混ぜ合わせを自動で行うことができる。
【0092】
第3変更信号は、ドリップコーヒーを作るときのコーヒー豆に対する温水の出水制御についての信号であって、1回目の温水の出水量、コーヒー豆を蒸らす蒸らし時間、2回目以降の1回当たりの温水の出水量、2回目以降の温水の出水のインターバル、及び作る予定のコーヒーの量を設定する信号である。そのため、従来のウォーターサーバでは、ドリップコーヒーを作る機能は無く、ユーザは、自ら回転ダイヤル31aを回転して温水表示部32bに合わせ、給水決定ボタン31bを押す動作を調整する必要があったが、本実施形態のウォーターサーバ1によれば、ドリップコーヒーを自動で作ることができる。また、ユーザの好みでドリップコーヒーの風味を調整することができる。
【0093】
通信モジュール2は、管理センター4に対してウォーターサーバ本体10の動作履歴及び環境情報を発信可能に構成されている。そして、動作履歴及び環境情報には、ウォーターサーバ本体10が飲料水を供給する供給履歴の信号、ウォーターサーバ本体10が配置される部屋の室温、湿度の信号、若しくはウォーターサーバ本体10の冷水タンクT1の内部の温度信号が含まれる。または、動作履歴及び環境情報には、ウォーターサーバ本体10の温水タンクT2の内部の温度信号、又はウォーターサーバ本体10のスイッチの操作履歴が含まれる。このため、製造元又はサービス提供元は、ウォーターサーバ1の動作履歴、ウォーターサーバ1に対するユーザの操作履歴、冷水タンクT1の環境情報を定期的に収集し、ユーザからのクレームの確認及び対応をし、新たなサービスに利用することができる。
【0094】
新たなサービスには、例えば、飲料水自動配送サービスや見守りサービス等ある。飲料水自動配送サービスは、履歴データから飲料水の出水量を算出し、飲料水ボトル90のストックが無くなる前に飲料水ボトル90を自動で配送するサービスである。また、見守りサービスは、所定時間タンク内の水が使用されなかった場合に、タイムスタンプを記録しつつ警告するサービスである。従来では、ウォーターサーバの動作履歴又は操作履歴に応じたサービス展開ができていなかった。
【0095】
第1変更信号は、飲料水の設定温度の変更の信号、設定されているUV照射のタイミングの変更の信号、飲料水を補給する警告の周期、又は飲料水を補給する警告の回数の変更の信号を有する。こうした構成によれば、ウォーターサーバ1の操作能力を容易に微調整することができる。
【0096】
第2変更信号は、飲料水ボトルをウォーターサーバ本体10に差し込む差込口99(
図2参照)の清掃時期を通知する清掃時期信号、又はウォーターサーバ本体10の点検時期を通知するメンテナンス時期信号を有する。こうした構成によれば、ウォーターサーバ本体10の変更を長期に亘って行っていない場合に、管理センター4がウォーターサーバ本体10の履歴データに基づいて、ノンスピル清掃時期の通知、及びメンテナンス時期の通知を適宜行うため、ユーザによるウォーターサーバ本体10の清掃及び点検に関する注意負担が低減される。
【0097】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0098】
本実施形態では、スマートフォン3によりウォーターサーバ1の動作を制御する構成であったが、これに限定されなくても良い。例えば、高齢者の中には、自分で設定できず、カスタマーセンターに変更内容を知らせて、管理センター4が通信モジュール2に変更内容を発信する構成であっても良い。この場合には、例えば、
図4に示されるように、管理センター4が通信モジュール2にウォーターサーバ1の動作条件の変更の要求信号を送信し、通信モジュール2が管理センター4にウォーターサーバ1の動作条件の変更をしたことを応答信号として送信する。
【0099】
本実施形態では、スマートフォン3の画面をタップすることによりウォーターサーバ1の動作を制御していたが、これに限定されなくても良い。スマートフォン3にSiri(登録商標)等を用いて音声制御する構成であっても良い。
【0100】
本実施形態では、通信モジュール2は、Bluetoothであったが、Wi-Fiであっても良い。この場合には、スマートフォン3が必要なく、管理センター4は通信モジュール2と直接に信号を送受信する。
【符号の説明】
【0101】
1 :ウォーターサーバ
2 :通信モジュール
3 :スマートフォン(携帯端末)
3a :アプリアイコン
3A :アプリケーションプログラム
4 :管理センター(コンピュータサーバ)
5 :クラウド
6 :アプリストア
10 :ウォーターサーバ本体
30 :操作パネル
31 :操作部
31a :回転ダイヤル
31b :給水決定ボタン
31c :ロック解除ボタン
32 :表示部
33 :スピーカ
35 :仕切り板
36 :入力ボタン
38 :確定ボタン
40 :容器載置部
50 :制御部
51 :弁制御部
55 :データ取得部
90 :飲料水ボトル
99 :差込口
100 :ウォーターサーバシステム
300 :メインメニュー
310 :詳細設定ボタン
311 :温度設定画面
312 :その他の項目の設定画面
320 :定量出水ボタン
321 :出水量変更画面
321a:定量出水量の欄
321b:出水量増減ボタン
321c:コールドボタン
321d:ノーマルボタン
321e:ホットボタン
331 :出水量・出水温度変更画面
331a:出水温度の欄
331b:出水温度上下ボタン
331c:出水ボタン
340 :ドリップモードボタン
341 :ドリップモード画面
341a:数量選択欄
341b:増加ボタン
341c:減少ボタン
341d:ドリップボタン
341e:設定ボタン
342 :ドリップ条件の変更画面
342a:第1出水量欄
342b:蒸らし時間欄
342c:第2出水量欄
342d:インターバル欄
342e:予定量欄
350 :カップ麺モードボタン
360 :お米モードボタン
370 :メモリモードボタン
380 :省エネモードボタン
381 :省エネモードの設定画面
G :冷却器
H :ヒータ
T1 :冷水タンク
T2 :温水タンク