(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028249
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、コミュニケーション方法、及び情報処理端末
(51)【国際特許分類】
A63F 13/87 20140101AFI20230224BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20230224BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230224BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20230224BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20230224BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230224BHJP
G06F 40/58 20200101ALI20230224BHJP
【FI】
A63F13/87
A63F13/54
A63F13/53
A63F13/30
A63F13/69 500
A63F13/79 500
A63F13/79
G06F40/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133831
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】正津 夕紀
(72)【発明者】
【氏名】坊迫 春萌
【テーマコード(参考)】
5B091
【Fターム(参考)】
5B091AA01
5B091AA03
5B091CD15
(57)【要約】
【課題】使用する言語が異なるプレイヤ同士のチャット機能による情報交換を促進すること。
【解決手段】複数のプレイヤがそれぞれ操作する複数の情報処理端末が、チャット機能を複数のプレイヤに提供する情報処理システムであって、チャット機能によるチャット内容を翻訳する翻訳処理部と、チャット内容を音声で再生又は文字で表示するチャット処理部と、チャット内容を発言した第1のプレイヤが使用する第1の言語と、チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが使用する第2の言語と、が異なる場合に、第1のプレイヤ及び第2のプレイヤに特典を付与する特典付与部と、を有する情報処理システムが提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤがそれぞれ操作する複数の情報処理端末が、チャット機能を前記複数のプレイヤに提供する情報処理システムであって、
前記チャット機能によるチャット内容を翻訳する翻訳処理部と、
前記チャット内容を音声で再生又は文字で表示するチャット処理部と、
前記チャット内容を発言した第1のプレイヤが使用する第1の言語と、前記チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが使用する第2の言語と、が異なる場合に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤに特典を付与する特典付与部と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記特典付与部は、前記第1のプレイヤが所属する国家又は地域の第1の文化と、前記第2のプレイヤが所属する国家又は地域の第2の文化と、が異なる場合に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤに特典を付与する
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記特典付与部は、前記特典として、前記第1のプレイヤ及び第2のプレイヤが所属するグループに特典を付与する
請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記翻訳処理部は、前記情報処理端末と通信可能な翻訳機により実現される
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記翻訳処理部は、前記情報処理端末に搭載された翻訳プログラムにより実現される
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
複数のプレイヤがそれぞれ操作する複数の情報処理端末が、チャット機能を前記複数のプレイヤに提供する情報処理システムのコミュニケーション方法であって、
前記チャット機能によるチャット内容を翻訳する翻訳ステップと、
前記チャット内容を音声で再生又は文字で表示するチャット処理ステップと、
前記チャット内容を発言した第1のプレイヤが使用する第1の言語と、前記チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが使用する第2の言語と、が異なる場合に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤに特典を付与する特典付与ステップと、
を有するコミュニケーション方法。
【請求項7】
他のプレイヤが操作する情報処理端末が通信可能に接続され、チャット機能により前記他のプレイヤとコミュニケーションが可能な情報処理端末であって、
前記チャット機能によるチャット内容を翻訳する翻訳処理部と、
前記チャット内容を音声で再生又は文字で表示するチャット処理部と、
前記チャット内容を発言した第1のプレイヤが使用する第1の言語と、前記チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが使用する第2の言語と、が異なる場合に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤに特典を付与する特典付与部と、
を有する情報処理端末。
【請求項8】
他のプレイヤが操作する情報処理端末が通信可能に接続され、チャット機能により前記他のプレイヤとコミュニケーションが可能な情報処理端末であって、
前記チャット機能によるチャット内容を翻訳する翻訳機と連携する連携処理部と、
前記チャット内容を音声で再生又は文字で表示するチャット処理部と、
前記チャット内容を発言した第1のプレイヤが使用する第1の言語と、前記チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが使用する第2の言語と、が異なる場合に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤに特典を付与する特典付与部と、
を有する情報処理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、コミュニケーション方法、及び情報処理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが協力してプレイする協力プレイゲームでは、例えばチャットを利用して情報交換を行い、他のユーザとのコミュニケーションを図っていた(例えば特許文献1参照)。複数のユーザが情報交換を行うチャット機能には、テキストによりチャット内容をやり取りするテキストチャット機能、又は音声によりチャット内容をやり取りするボイスチャット機能があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばワールドワイドなオンラインゲームなど、複数のプレイヤにチャット機能を提供する情報処理システムでは、使用する言語や文化が異なるプレイヤであってもチャット機能により情報交換を行うことができる。しかし、複数のプレイヤにチャット機能を提供する情報処理システムでは、意思疎通が困難であるために、使用する言語や文化が異なるプレイヤとの情報交換が避けられる傾向にあった。
【0005】
例えば複数のプレイヤにチャット機能を提供する情報処理システムの一例である大人数参加型のMMO(Massively Multiplayer Online)ゲームでは、同時にプレイするプレイヤの人数の確保が課題の一つである。したがって、MMOゲームでは、使用する言語や文化が異なるプレイヤとの情報交換の障壁を無くすことで、使用する言語や文化が異なるプレイヤ同士のチャット機能による情報交換を促進させ、ゲームを活性化することが期待される。なお、特許文献1は、チャット内容を翻訳機により翻訳してコミュニケーションを図ることについて記載されたものではない。
【0006】
本開示は、使用する言語が異なるプレイヤ同士のチャット機能による情報交換を促進することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、複数のプレイヤがそれぞれ操作する複数の情報処理端末が、チャット機能を前記複数のプレイヤに提供する情報処理システムであって、前記チャット機能によるチャット内容を翻訳する翻訳処理部と、前記チャット内容を音声で再生又は文字で表示するチャット処理部と、前記チャット内容を発言した第1のプレイヤが使用する第1の言語と、前記チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが使用する第2の言語と、が異なる場合に、前記第1のプレイヤ及び前記第2のプレイヤに特典を付与する特典付与部と、を有する情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、使用する言語が異なるプレイヤ同士のチャット機能による情報交換を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理端末及び翻訳機の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0011】
[システム構成]
まず、一実施形態に係るコミュニケーション方法を実現する情報処理システムの一例として、ゲームシステムの例を説明する。なお、一実施形態に係るコミュニケーション方法を実現する情報処理システムは、ゲームシステム以外でもよく、例えばソーシャルネットワーキングサービス(SNS)システムであってもよい。
【0012】
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1に示した本実施形態の情報処理システム1は、サーバ装置10、情報処理端末12a~12c、翻訳機14a~14b、及びデータ通信用のネットワーク18を有する構成である。ネットワーク18は、LAN(Local Area Network)、インターネット、又は通信網などである。
【0013】
翻訳機14aは情報処理端末12aと通信可能に接続されている。翻訳機14bは情報処理端末12bと通信可能に接続されている。なお、以下では翻訳機14a及び14bを翻訳機14と総称する場合がある。翻訳機14は、有線又は無線により情報処理端末12a又は12bと通信可能に接続される。例えば翻訳機14は、Bluetooth(登録商標)やWifi(登録商標)などの近距離無線通信を利用して、情報処理端末12a又は12bと通信を行う。
【0014】
図1の情報処理端末12aはプレイヤAに操作される。情報処理端末12bはプレイヤBに操作される。情報処理端末12cはプレイヤCに操作される。
図1の情報処理システム1はプレイヤA~Cが発言したチャット内容を情報処理端末12a~12cが送受信することで、プレイヤA~Cにチャット機能を提供する。チャット内容の送受信は、サーバ装置10を介して行うようにしてもよいし、サーバ装置10を介さずに行うようにしてもよい。
【0015】
情報処理端末12aは、翻訳機14aと連携し、翻訳機14aの翻訳機能でチャット内容の翻訳を行う。情報処理端末12bは、翻訳機14bと連携し、翻訳機14bの翻訳機能でチャット内容の翻訳を行う。また、情報処理端末12cは、情報処理端末12cに搭載された翻訳プログラムを実行することにより実現する翻訳機能で、チャット内容の翻訳を行う。なお、情報処理端末12a~12cはサーバ装置10に搭載された翻訳プログラムにより実現される翻訳機能で、チャット内容の翻訳を行うようにしてもよい。
【0016】
翻訳機14は、例えば翻訳機能を有するハンディタイプの専用端末であっても、翻訳プログラムをインストールした汎用端末であってもよい。翻訳機14は、プレイヤの近くに置いて使用するものであっても、ヘッドセットなどに装着して使用するクリップ側のものであってもよい。翻訳機能は、既存技術を利用することができ、例えば国際公開番号「WO2019/111346」に記載の技術を利用して実現できる。
【0017】
情報処理端末12a~12cは、プレイヤA~Cが操作するコンピュータである。情報処理端末12a~12cは、PC、タブレット端末、スマートフォン端末、ゲーム機器などである。情報処理端末12a~12cは、プレイヤA~Cからの操作を、例えばタッチパネル、コントローラ、マウス、又はキーボード等で受け付けて、操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を表示する。
【0018】
また、サーバ装置10はコンピュータにより実現できる。サーバ装置10は情報処理端末12a~12cとの間でデータを送受信することにより、情報処理端末12a~12cが受け付けたプレイヤA~Cの操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を情報処理端末12a~12cに提供する。
【0019】
サーバ装置10はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1のサーバ装置10の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ装置10は情報処理端末12a~12cへのプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理、プレイヤA~Cのログイン処理、各種データベースを管理する処理などに利用してもよい。
【0020】
なお、
図1のシステム構成は一例である。以下の説明では、情報処理端末12a~12cを、情報処理端末12と総称する場合がある。サーバ装置10の機能の少なくとも一部は情報処理端末12の機能として実現する構成であってもよい。情報処理端末12の機能の一部は、サーバ装置10の機能として実現する構成であってもよい。また、
図1の情報処理端末12の個数は、3つに限定されるものではなく、2つ、又は4つ以上であってもよい。
【0021】
[ハードウェア構成]
本実施形態に係る情報処理端末12は、例えば
図2に示す構成のコンピュータ500により実現される。また、サーバ装置10も同様に、例えば
図2に示す構成のコンピュータ500により実現される。
図2は本実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0022】
図2のコンピュータ500は、例えばCPU(Central Processing Unit)100、記憶装置102、通信装置104、入力装置106、及び出力装置108を有する。CPU100はプログラムに従ってコンピュータ500を制御する。また、記憶装置102は例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。記憶装置102はCPU100で実行するプログラム及びデータを記憶する。
【0023】
通信装置104は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置106は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、出力装置108はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルは入力装置106の一例であるタッチパッドと出力装置108の一例であるディスプレイとを組み合わせることで実現される。
図2のハードウェア構成は一例である。
【0024】
[機能ブロック]
以下では、翻訳機14と連携し、翻訳機14の翻訳機能でチャット内容の翻訳を行う場合の機能ブロックと、搭載された翻訳プログラムを実行することにより実現する翻訳機能でチャット内容の翻訳を行う場合の機能ブロックと、を分けて説明する。
【0025】
例えば翻訳機14と連携し、翻訳機14の翻訳機能でチャット内容の翻訳を行う場合の機能ブロックは、
図3に示すようになる。
図3は、本実施形態に係る情報処理端末及び翻訳機の機能構成の一例を示す図である。なお、
図3の機能構成は一例であって、例えば
図3に示した情報処理端末12の機能構成の少なくとも一部を翻訳機14又はサーバ装置10に設け、連携して処理を行うようにしてもよい。
【0026】
図3の情報処理端末12は、制御部200、操作受付部202、出力制御部204、通信部206、及び記憶部210を有する。記憶部210は、ゲームプログラム212、プレイヤテーブル214、及び文化テーブル216を記憶する。記憶部210は記憶装置102で実現してもよいし、ネットワーク18等を介して接続された記憶装置により実現してもよい。
【0027】
ゲームプログラム212は、CPU100が実行するゲーム処理及びチャット処理のプログラムの一例である。プレイヤテーブル214は、プレイヤが使用する言語、プレイヤが所属する国家や地域などのプレイヤに関する情報を後述のように記憶している。プレイヤが使用する言語は、例えば母国語である。文化テーブル216は、国家や地域の文化に関する情報を後述のように記憶している。
【0028】
本実施形態では、プレイヤがゲームをしながらチャット機能を利用して他のプレイヤとコミュニケーションを図る場合に、チャット内容を翻訳機14により翻訳することができるようにしたことで、使用する言語が異なるプレイヤ間であってもコミュニケーションを図ることが可能となっている。しかし、チャット内容を翻訳機14により翻訳することにより行うコミュニケーションは、母国語などの使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、が同じプレイヤ間の意思疎通よりも難しく、避けられる傾向がある。
【0029】
そこで、本実施形態では、使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、の異なるプレイヤ同士でチャット機能によりコミュニケーションが行われた場合に、プレイヤに特典を付与することで、使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、の異なるプレイヤ同士によるコミュニケーションを促進させる。
【0030】
したがって、本実施形態によれば、使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、の異なるプレイヤ同士によるコミュニケーションを促進させることができるので、協力プレイが促進され、協力プレイゲームが活性化される。
【0031】
制御部200は情報処理端末12の全体の制御を行う。情報処理端末12の全体の制御には、プレイヤから実行中のゲームに対する操作を受け付け、操作に応じたゲームの画像を生成して表示するゲーム処理が含まれる。また、情報処理端末12の全体の制御には複数のプレイヤに対してチャット機能を提供するための処理が含まれる。また、情報処理端末12の全体の制御には、使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、の異なるプレイヤ同士でチャット機能によりコミュニケーションが行われた場合に、プレイヤに特典を付与する処理が含まれる。
【0032】
制御部200は、CPU100がゲームプログラム212などのプログラムに記載された処理を実行することにより実現される。
図3の制御部200は、ゲーム制御部230及び情報処理端末側連携処理部232を有する構成である。ゲーム制御部230はゲーム処理及びチャット処理などのゲームに関する処理を行う。また、情報処理端末側連携処理部232は翻訳機14との連携に関する処理を行う。
【0033】
例えばゲーム制御部230はゲーム処理を実行し、実行中のゲーム処理に従ってゲームの画像を生成し、ゲームの画面として出力装置108に表示させる。また、ゲーム制御部230はプレイヤに対してチャット機能を提供するためのチャット処理を実行する。プレイヤの発言したチャット内容の翻訳が必要であれば、ゲーム制御部230は翻訳機14と連携する情報処理端末側連携処理部232を介して、チャット内容の翻訳を翻訳機14に行わせることができる。さらに、ゲーム制御部230は、使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、の異なるプレイヤ同士でチャット機能によりコミュニケーションが行われた場合に、プレイヤに特典を付与する処理を行うことができる。
【0034】
図3のゲーム制御部230は、チャット処理部240、画像生成部242、特典付与部244、及びグループ処理部246を有する構成である。
【0035】
チャット処理部240はプレイヤから音声によるチャット内容の発言を受け付け、他のプレイヤの情報処理端末12にチャット内容を送信する。チャット処理部240は他のプレイヤから発言されたチャット内容を受信する。チャット処理部240はチャット内容を必要に応じて翻訳機14に翻訳させる。また、チャット処理部240は、翻訳機14に翻訳されたチャット内容を、音声で再生又は文字で表示する。画像生成部242はゲーム処理及びチャット処理に従って、ゲーム及びチャットの画像を生成する。
【0036】
特典付与部244は、使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、の異なるプレイヤ同士でチャット機能によりコミュニケーションが行われた場合に、プレイヤに特典を付与する処理を行う。
【0037】
例えば特典付与部244は、チャット内容を発言した第1のプレイヤが使用している言語と、チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが使用している言語と、が異なっている場合に、第1のプレイヤと第2のプレイヤとに特典を付与する。また、特典付与部244はチャット内容を発言した第1のプレイヤが所属する国家や地域の文化と、チャット内容を再生又は表示する第2のプレイヤが所属する国家や地域の文化と、が異なっている場合に、第1のプレイヤと第2のプレイヤとに特典を付与する。
【0038】
グループ処理部246は、ゲーム内において、プレイヤが他のプレイヤと協力プレイを行うために所属するグループに関する処理を行う。グループは、例えばゲームによって呼び方が異なるが、パーティ、ギルド、チーム、サークル、軍団など、協力プレイのためのプレイヤの集まりであればよい。グループ処理部246は、グループに所属するプレイヤであって、使用する言語、又は所属する国家や地域の文化、の異なるプレイヤ同士で協力プレイを行った場合に、そのプレイヤの所属するグループに特典を付与するようにしてもよい。例えばグループに付与される特典は、グループと対応付けられた値(グループの攻撃力、防御力、耐性など)の増加などの有利な効果である。
【0039】
操作受付部202は入力装置106に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。出力制御部204は制御部200の制御に従って各種画面を出力装置108に表示する。操作受付部202はCPU100がプログラムに従って入力装置106を制御することにより実現される。また、出力制御部204は、CPU100がプログラムに従って出力装置108を制御することにより実現される。
【0040】
入力装置106に対するプレイヤの各種操作とは、CPU100に処理を実行させるためにプレイヤが操作受付部202を操る操作をいう。出力制御部204は、制御部200の制御に従い、各種画面の表示と音の出力とを行う。通信部206は、通信に関する処理を行う。通信部206はCPU100がプログラムを実行し、プログラムに従って通信装置104を制御することにより実現される。
【0041】
図3の翻訳機14は、翻訳処理部250、翻訳結果出力部252、及び翻訳機側連携処理部254を有する。翻訳処理部250はチャット機能によるチャット内容を翻訳する処理を実行する。翻訳結果出力部252は翻訳したチャット内容を情報処理端末12に出力する。翻訳機側連携処理部254は情報処理端末12との連携に関する処理を行う。例えば翻訳機14は情報処理端末12と連携する翻訳機側連携処理部254を介してチャット内容の翻訳を行う。
【0042】
次に、搭載された翻訳プログラムを実行することにより実現する翻訳機能でチャット内容の翻訳を行う場合の機能ブロックを説明する。搭載された翻訳プログラムを実行することにより実現する翻訳機能でチャット内容の翻訳を行う場合の機能ブロックは、
図4に示すようになる。
図4は本実施形態に係る情報処理端末の機能構成の一例を示す図である。なお、
図4の機能構成は一例であって、例えば
図4に示した情報処理端末12の機能構成の少なくとも一部をサーバ装置10に設け、連携して処理を行うようにしてもよい。
【0043】
図4の情報処理端末12は、制御部200、操作受付部202、出力制御部204、通信部206、及び記憶部210を有する。なお、
図4の情報処理端末12の機能構成は
図3の情報処理端末12の機能構成と一部を除いて同様であるため、同一部分について適宜説明を省略する。
図4の情報処理端末12は、
図3の情報処理端末12の情報処理端末側連携処理部232が翻訳処理部234に置き換えられた構成である。
【0044】
例えばゲーム制御部230はプレイヤに対してチャット機能を提供するためのチャット処理を実行する。プレイヤの発言したチャット内容の翻訳が必要であれば、ゲーム制御部230はチャット内容の翻訳を翻訳処理部234に行わせることができる。チャット処理部240はチャット内容を必要に応じて翻訳処理部234に翻訳させる。その他の機能構成は、
図3の機能構成と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
図5はプレイヤテーブルの一例の構成図である。プレイヤテーブル214は、プレイヤが使用する言語、プレイヤが所属する国家又は地域などのプレイヤに関する情報として例えば
図5に示すような情報を記憶している。
図5のプレイヤテーブル214は、プレイヤ名、使用言語、及び国家又は地域、を対応付けて記憶している。
【0046】
プレイヤ名は、プレイヤを識別する情報の一例である。使用言語は、プレイヤが使用している言語を識別する情報の一例である。国家又は地域はプレイヤが所属する国家又は地域を識別する情報の一例である。
図5のプレイヤテーブルに記憶された情報を利用することで、情報処理端末12は、チャット内容を発言したプレイヤとチャット内容を再生又は表示するプレイヤとの言語の違いを判別できる。また、
図5のプレイヤテーブルに記憶された情報を利用することで、情報処理端末12は、チャット内容を発言したプレイヤが所属する国家又は地域と、チャット内容を再生又は表示するプレイヤが所属している国家又は地域と、を判別できる。
【0047】
図6は文化テーブルの一例の構成図である。文化テーブル216は国家又は地域などの文化に関する情報として例えば
図6に示すような情報を記憶している。
図6の文化テーブル216は、国家又は地域と、文化とを対応付けて記憶している。文化は、プレイヤが所属する国家又は地域の中で共有される考え方や価値基準の体系であり、風習、伝統、又は価値観などである。
図6の文化テーブル216は一例であって、国家又は地域と、文化の構成要素(衣、食、住、制度など)とを対応付けて記憶してもよい。
【0048】
図5のプレイヤテーブル214及び
図6の文化テーブル216に記憶された情報を利用することで、情報処理端末12は、プレイヤが所属している国家又は地域の文化を判別できる。
【0049】
[処理]
以下では、本実施形態に係る情報処理システム1においてプレイヤがゲームをしながらチャット機能を利用して他のプレイヤとコミュニケーションを図る例を説明する。ここでは
図1の情報処理システム1の例を説明する。なお、プレイヤA~Cが使用する言語及びプレイヤA~Cが所属する国家又は地域は異なるものとする。また、ここではチャット内容の再生及び表示のうち、再生の例を説明する。
【0050】
図7は本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。例えばプレイヤA~Cはプレイ中のゲームにおいてコミュニケーションを図るため、ステップS10においてチャットを開始する。情報処理端末12a~12cは、ステップS22でチャットが終了と判定するまでステップS12~S20の処理を繰り返す。
【0051】
プレイヤA~Cは、他のプレイヤとコミュニケーションを図りたい内容があれば、その内容(チャット内容)をマイクなどの入力装置106から音声で発言する。ここではプレイヤAがチャット内容を発言し、プレイヤBがチャット内容を再生するものとして説明を続ける。プレイヤAにより発言されたチャット内容は、情報処理端末12aから情報処理端末12bに送信される。
【0052】
ステップS12において、情報処理端末12bは情報処理端末12aからのチャット内容の受信によりプレイヤAの発言があったと判定して、ステップS14~S20の処理を行う。なお、情報処理端末12bは、他の情報処理端末12からのチャット内容の受信がなければ、他のプレイヤによる発言がなかったと判定し、ステップS14~S20の処理をスキップする。
【0053】
ステップS14において情報処理端末12bは翻訳機14bと連携し、プレイヤAが発言したチャット内容の翻訳を翻訳機14bの翻訳機能で行う。ステップS16において情報処理端末12bはステップS14で翻訳したチャット内容を、音声で再生する。
【0054】
ステップS18において、情報処理端末12bはチャット内容を発言したプレイヤAが使用する言語とチャット内容を再生したプレイヤBが使用する言語との同異を、プレイヤテーブル214を参照して特定する。なお、ステップS18のプレイヤA及びBが使用する言語の判別は、
図5のプレイヤテーブル214に設定されている情報に基づいて行ってもよいし、翻訳機能が行ってもよい。
【0055】
チャット内容を発言したプレイヤAが使用する言語とチャット内容を再生したプレイヤBが使用する言語とが異なっていれば、情報処理端末12bはステップS20においてプレイヤBにゲーム内において特典を付与する。同様に、情報処理端末12aはプレイヤAにゲーム内において特典を付与する。プレイヤA及びBに付与する特典は、ゲーム内で使用可能なアイテム、ポイント、通貨、キャラクタ、経験値などである。なお、ステップS20において付与する特典は、プレイヤA及びBが所属しているギルドなどのグループに対して付与する特典であってもよい。
【0056】
このように、本実施形態では、使用する言語が異なるプレイヤ間でチャット機能によるコミュニケーションを図ることで特典が付与される。したがって、本実施形態では使用する言語の異なるプレイヤ間でチャットによるコミュニケーションの促進が期待できる。
【0057】
図8は本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のフローチャートである。
図8のフローチャートの処理は、
図7と一部を除いて同様であるため、同一部分の説明を適宜省略する。
【0058】
ステップS30~S36の処理は、
図7のステップS10~16の処理と同様であるため、説明を省略する。ステップS38において、情報処理端末12bはチャット内容を発言したプレイヤAが所属する国家又は地域の文化とチャット内容を再生したプレイヤBが所属する国家又は地域の文化との同異を、プレイヤテーブル214及び文化テーブル215を参照して特定する。
【0059】
プレイヤAが所属する国家又は地域の文化とチャット内容を再生したプレイヤBが所属する国家又は地域の文化とが異なっていれば、情報処理端末12bはステップS40においてプレイヤBにゲーム内において特典を付与する。同様に、情報処理端末12aはプレイヤAにゲーム内において特典を付与する。なお、ステップS40において付与する特典はプレイヤA及びBが所属しているギルドなどのグループに対して付与する特典であってもよい。
【0060】
なお、
図6の文化テーブル216が、国家又は地域と、文化の構成要素とを対応付けて記憶するものである場合、情報処理端末12bはチャット内容を発言したプレイヤAが所属する国家又は地域の文化とチャット内容を再生したプレイヤBが所属する国家又は地域の文化との同異を、文化の構成要素の一致数又は一致割合など、一致の程度で特定するようにしてもよい。
【0061】
このように、本実施形態では、所属する国家又は地域の文化が異なるプレイヤA及びBでチャット機能によるコミュニケーションを図ることにより、プレイヤA及びBに特典が付与される。したがって、本実施形態では所属している国家又は地域の文化の異なるプレイヤ間でチャットによるコミュニケーションの促進が期待できる。
【0062】
開示した一実施形態の情報処理システム1は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲、及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 情報処理システム
10 サーバ装置
12a~12c 情報処理端末
14a~14b 翻訳機
232 情報処理端末側連携処理部
234 翻訳処理部
240 チャット処理部
244 特典付与部
246 グループ処理部
250 翻訳処理部
254 翻訳機側連携処理部