(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028328
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】育成支援装置、育成支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20230224BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021133962
(22)【出願日】2021-08-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】518031170
【氏名又は名称】ウミトロン ピーティーイー エルティーディー
(71)【出願人】
【識別番号】516366227
【氏名又は名称】ウミトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】要求仕様に合致する水産資源の育成のための育成原料情報を容易に取得する育成支援装置、育成支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】育成支援システムを構成する育成支援装置1において、水産資源の品質または生育コスト又は生産量のうちの要求仕様を特定する1以上の仕様情報を用いて、水産資源を育成する際に使用される育成原料に関する1以上の育成原料情報を取得する元になる元情報が格納される元情報格納部111、水産資源に対する1以上の仕様情報を受け付ける仕様受付部121、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する原料取得部132及び原料取得部132が取得した1以上の育成原料情報を出力する育成原料出力部141を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水産資源の品質または生育コストまたは生産量のうちの要求仕様を特定する1以上の仕様情報を用いて、当該水産資源を育成する際に使用される育成原料に関する1以上の育成原料情報を取得する元になる元情報が格納される元情報格納部と、
水産資源に対する1以上の仕様情報を受け付ける仕様受付部と、
前記仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と前記元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する原料取得部と、
前記原料取得部が取得した1以上の育成原料情報を出力する育成原料出力部とを具備する育成支援装置。
【請求項2】
前記元情報が有する1以上の育成原料情報は、餌の給餌パターンを識別する給餌パターン識別子を有し、
前記原料取得部が取得する1以上の育成原料情報は、給餌パターン識別子を有する、請求項1記載の育成支援装置。
【請求項3】
前記元情報は、
1以上の仕様情報を用いて、出荷前の水産資源に対する作業に関する作業情報を取得する元になる情報であり、
前記仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と前記元情報とを用いて、1以上の作業情報を取得する作業情報取得部と、
前記作業情報取得部が取得した1以上の作業情報を出力する作業情報出力部とをさらに具備する請求項1または請求項2記載の育成支援装置。
【請求項4】
前記出力部が出力する1以上の育成原料情報は、育成原料 を特定する育成原料識別子を有し、
前記出力部が出力する 育成原料識別子により識別される育成原料 を発注する発注部をさらに具備する請求項1から請求項3いずれか一項に記載の育成支援装置。
【請求項5】
前記出力部が出力する1以上の育成原料情報は、餌を特定する餌識別子を有し、
前記餌識別子で識別される餌を自動給餌する給餌部をさらに具備する請求項1から請求項4いずれか一項に記載の育成支援装置。
【請求項6】
前記1以上の仕様情報に対応する水産資源の販売を支援する販売支援処理を行う販売支援部をさらに具備する請求項1から請求項5いずれか一項に記載の育成支援装置。
【請求項7】
前記販売支援部は、
前記1以上の仕様情報のうちの少なくとも一部の情報と前記水産資源を識別する水産資源識別子とを含むレコメンド情報を構成し、当該レコメンド情報を送信するレコメンド処理を行う、請求項6記載の育成支援装置。
【請求項8】
前記販売支援部は、
前記水産資源の販売先を特定する販売先情報を取得し、当該販売先情報を用いた販売支援処理を行う、請求項5記載の育成支援装置。
【請求項9】
前記水産資源の育成結果に関する評価を特定する評価情報を受け付ける評価受付部と、
前記評価情報に応じて、前記元情報を変更する改善部とをさらに具備する請求項1から請求項8いずれか一項に記載の育成支援装置。
【請求項10】
前記仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報および前記原料取得部が取得した1以上の育成原料情報のうちの1以上の情報を用いたレポートを構成するレポート構成部と、
前記レポートを出力するレポート出力部とをさらに具備する請求項1から請求項9いずれか一項に記載の育成支援装置。
【請求項11】
前記元情報は、
水産資源の育成の環境に関する環境情報または水産資源の属性値である1以上の付加情報と、前記1以上の仕様情報とを用いて、前記1以上の育成原料情報を取得する元になる情報であり、
環境情報または水産資源の属性値である1以上の付加情報を取得する付加情報取得部をさらに具備し、
前記原料取得部は、
前記仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と前記付加情報取得部が取得した1以上の付加情報と前記元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する、請求項1から請求項10いずれか一項に記載の育成支援装置。
【請求項12】
前記仕様受付部は、
必須の要求仕様を特定する必須仕様情報と、必須ではない要求仕様を特定する任意仕様情報とを受け付け、
前記原料取得部は、
前記必須仕様情報が特定する必須の要求仕様を満たす1以上の育成原料情報を、前記必須仕様情報と前記任意仕様情報と前記元情報とを用いて取得する、請求項1から請求項11いずれか一項に記載の育成支援装置。
【請求項13】
水産資源の品質または生育コストまたは生産量のうちの要求仕様を特定する1以上の仕様情報を用いて、当該水産資源を育成する際に使用される育成原料に関する1以上の育成原料情報を取得する元になる元情報が格納される元情報格納部と、仕様受付部と、原料取得部と、育成原料出力部とにより実現される育成支援方法であって、
前記仕様受付部が、水産資源に対する1以上の仕様情報を受け付ける仕様受付ステップと、
前記原料取得部が、前記仕様受付ステップで受け付けられた1以上の仕様情報と前記元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する原料取得ステップと、
前記育成原料出力部が、前記原料取得ステップで取得された1以上の育成原料情報を出力する育成原料出力ステップとを具備する育成支援方法。
【請求項14】
水産資源の品質または生育コストまたは生産量のうちの要求仕様を特定する1以上の仕様情報を用いて、当該水産資源を育成する際に使用される育成原料に関する1以上の育成原料情報を取得する元になる元情報が格納される元情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、
水産資源に対する1以上の仕様情報を受け付ける仕様受付部と、
前記仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と前記元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する原料取得部と、
前記原料取得部が取得した1以上の育成原料情報を出力する育成原料出力部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水産資源の育成を支援するための情報を取得する育成支援装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特定の生産元で生産された農畜水産物を用いた料理の購入に応じて提供された、該料理に含まれる農畜水産物の育成情報の配信サービスへのアクセス情報に基づいて該配信サービスへアクセスした端末のアドレス情報を取得する処理を実行させる技術や、農畜水産物の育成情報を収集し、収集した育成情報に基づいて、端末に農畜水産物の成長過程を段階的に通知する処理を実行させる技術があった。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術において、要求仕様に合致する水産資源の育成のための育成原料情報を容易に取得できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の育成支援装置は、水産資源の品質または生育コストまたは生産量のうちの要求仕様を特定する1以上の仕様情報を用いて、水産資源を育成する際に使用される育成原料に関する1以上の育成原料情報を取得する元になる元情報が格納される元情報格納部と、水産資源に対する1以上の仕様情報を受け付ける仕様受付部と、仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する原料取得部と、原料取得部が取得した1以上の育成原料情報を出力する育成原料出力部とを具備する育成支援装置である。
【0006】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源の育成のための育成原料情報を容易に取得できる。
【0007】
また、本第二の発明の育成支援装置は、第一の発明に対して、元情報が有する1以上の育成原料情報は、餌の給餌パターンを識別する給餌パターン識別子を有し、原料取得部が取得する1以上の育成原料情報は、給餌パターン識別子を有する、育成支援装置である。
【0008】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源の育成のための給餌パターンの情報を容易に取得できる。
【0009】
また、本第三の発明の育成支援装置は、第一または第二の発明に対して、元情報は、1以上の仕様情報を用いて、出荷前の水産資源に対する作業に関する作業情報を取得する元になる情報であり、仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と元情報とを用いて、1以上の作業情報を取得する作業情報取得部と、作業情報取得部が取得した1以上の作業情報を出力する作業情報出力部とをさらに具備する育成支援装置である。
【0010】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源を得るための作業情報を取得できる。
【0011】
また、本第四の発明の育成支援装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、出力部が出力する1以上の育成原料情報は、育成原料 を特定する育成原料 識別子を有し、出力部が出力する育成原料 識別子により識別される育成原料 を発注する発注部をさらに具備する育成支援装置である。
【0012】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源の育成のための餌を自動発注できる。
【0013】
また、本第五の発明の育成支援装置は、第一から第四いずれか1つの発明に対して、出力部が出力する1以上の育成原料情報は、餌を特定する餌識別子を有し、餌識別子で識別される餌を自動給餌する給餌部をさらに具備する育成支援装置である。
【0014】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源の育成のための餌を自動給餌できる。
【0015】
また、本第六の発明の育成支援装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、1以上の仕様情報に対応する水産資源の販売を支援する販売支援処理を行う販売支援部をさらに具備する育成支援装置である。
【0016】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源を育成した後に、当該水産資源の販売支援が可能となる。
【0017】
また、本第七の発明の育成支援装置は、第六の発明に対して、販売支援部は、1以上の仕様情報のうちの少なくとも一部の情報と水産資源を識別する水産資源識別子とを含むレコメンド情報を構成し、レコメンド情報を送信するレコメンド処理を行う、育成支援装置である。
【0018】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源を育成した後に、当該水産資源の販売のレコメンドを行える。
【0019】
また、本第八の発明の育成支援装置は、第五の発明に対して、販売支援部は、水産資源の販売先を特定する販売先情報を取得し、販売先情報を用いた販売支援処理を行う、育成支援装置である。
【0020】
かかる構成により、要求仕様に合致する水産資源を育成した後に、当該水産資源を自動的に販売するための処理を行える。
【0021】
また、本第九の発明の育成支援装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、 水産資源の育成結果に関する評価を特定する評価情報を受け付ける評価受付部と、評価情報に応じて、元情報を変更する改善部とをさらに具備する育成支援装置である。
【0022】
かかる構成により、育成した水産資源に対する評価情報を用いて、元情報を変更できる。
【0023】
また、本第十の発明の育成支援装置は、第一から第九いずれか1つの発明に対して、仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報および原料取得部が取得した1以上の育成原料情報のうちの1以上の情報を用いたレポートを構成するレポート構成部と、レポートを出力するレポート出力部とをさらに具備する育成支援装置である。
【0024】
かかる構成により、仕様情報または育成原料情報を用いた水産資源の育成に関するレポートが作成できる。
【0025】
また、本第十一の発明の育成支援装置は、第一から第十いずれか1つの発明に対して、元情報は、水産資源の育成の環境に関する環境情報または水産資源の属性値である1以上の付加情報と、1以上の仕様情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する元になる情報であり、環境情報または水産資源の属性値である1以上の付加情報を取得する付加情報取得部をさらに具備し、原料取得部は、仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部が取得した1以上の付加情報と元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する、育成支援装置である。
【0026】
かかる構成により、付加情報にも基づいて、適切な育成原料情報を容易に取得できる。
【0027】
また、本第十二の発明の育成支援装置は、第一から第十一いずれか1つの発明に対して、仕様受付部は、必須の要求仕様を特定する必須仕様情報と、必須ではない要求仕様を特定する任意仕様情報とを受け付け、原料取得部は、必須仕様情報が特定する必須の要求仕様を満たす1以上の育成原料情報を、必須仕様情報と任意仕様情報と元情報とを用いて取得する、育成支援装置である。
【0028】
かかる構成により、必須の要求仕様と必須ではない要求仕様の両方を考慮して、適切な育成原料情報を容易に取得できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明による育成支援装置によれば、要求仕様に合致する水産資源の育成のための育成原料情報を容易に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】実施の形態1における育成支援システムAの概念図
【
図3】同育成支援装置1の動作例について説明するフローチャート
【
図4】同原料情報取得処理の例について説明するフローチャート
【
図5】同作業情報取得処理の例について説明するフローチャート
【
図6】同改善処理の例について説明するフローチャート
【
図7】同給餌処理の例について説明するフローチャート
【
図8】同販売支援処理の例について説明するフローチャート
【
図9】同レポート送信処理の例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、育成支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態において、水産資源の品質、生育コスト、または生産量に関する要求仕様のうちの1以上の要求仕様を受け付け、当該1以上の要求仕様に対応する育成原料に関する情報を取得し、出力する育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。なお、要求仕様は、必須の要求仕様と任意の要求仕様とがあり得ることは好適であるが、必須の要求仕様だけでも良く、任意の要求仕様だけでも良い。
【0033】
また、本実施の形態において、要求仕様に合致する水産資源を得るための作業情報を取得し、出力する育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。
【0034】
また、本実施の形態において、育成原料となる餌の自動発注を行う育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。
【0035】
また、本実施の形態において、育成原料となる餌の自動給餌を行う育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。
【0036】
また、本実施の形態において、要求仕様に合致する水産資源の販売支援を行う育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。
【0037】
また、本実施の形態において、水産資源に対する評価のフィードバックによる育成原料等の改善支援を行う育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。
【0038】
また、本実施の形態において、水産資源に関するレポートを作成する機能を有する育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。
【0039】
さらに、本実施の形態において、例えば、季節、魚齢等の付加情報に基づいても、取得する育成原料情報が変化する育成支援装置を具備する育成支援システムについて説明する。
【0040】
図1は、本実施の形態における育成支援システムAの概念図である。育成支援システムAは、育成支援装置1、および1または2以上の端末装置2を備える。
【0041】
育成支援装置1は、1以上の育成原料情報を出力する装置である。育成支援装置1は、例えば、ASPのサーバ、クラウドサーバ等である。但し、育成支援装置1の種類は問わない。なお、育成支援装置1は、スタンドアロンの装置でも良い。
【0042】
端末装置2は、ユーザが使用する端末である。端末装置2は、例えば、いわゆるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であり、その種類は問わない。
【0043】
育成支援装置1と1以上の各端末装置2とは、インターネット等のネットワークにより、通信可能である。
【0044】
図2は、本実施の形態における育成支援システムAのブロック図である。
【0045】
育成支援装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。
【0046】
格納部11は、元情報格納部111を備える。
【0047】
受付部12は、仕様受付部121、および評価受付部122を備える。
【0048】
処理部13は、付加情報取得部131、原料取得部132、作業情報取得部133、改善部134、発注部135、給餌部136、販売支援部137、およびレポート構成部138を備える。
【0049】
出力部14は、育成原料出力部141、作業情報出力部142、およびレポート出力部143を備える。
【0050】
端末装置2は、端末格納部21、端末受付部22、端末処理部23、端末送信部24、端末受信部25、および端末出力部26を備える。
【0051】
育成支援装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、例えば、後述する元情報、送信先識別子、販売先情報である。
【0052】
送信先識別子は、後述するレコメンド情報または後述する販売時期通知情報等の送信先を識別する情報である。送信先識別子は、例えば、メールアドレス、電話番号、ユーザIDである。ユーザIDは、例えば、レコメンド情報や販売時期通知情報をダウンロード可能なウェブサイトへのログインIDである。ユーザIDは、例えば、レコメンド情報や販売時期通知情報を取得できるアプリケーションへのログインIDである。
【0053】
送信先識別子は、例えば、水産資源識別子に対応付いている。送信先識別子は、例えば、水産資源識別子と1以上の仕様情報とに対応付いている。
【0054】
販売先情報は、水産資源の販売先を特定する情報である。販売先情報は、例えば、水産資源識別子に対応付いている。販売先情報は、例えば、水産資源識別子と1以上の仕様情報とに対応付いている。販売先情報は、販売先の名前(例えば、企業名)、販売先の送信先識別子である。
【0055】
元情報格納部111には、1または2以上の元情報が格納される。元情報とは、1以上の仕様情報を用いて、1または2以上の育成原料情報を取得する元になる情報である。元情報は、1以上の仕様情報を用いて、1または2以上の作業情報を取得する元になる情報でも良い。元情報は、1以上の仕様情報を用いて、1以上の育成原料情報および1以上の作業情報を取得する元になる情報でも良い。作業情報は、例えば、出荷前の水産資源に対する作業に関する情報、物流に関する情報 、水揚げ前の作業に関する情報である。出荷前の水産資源に対する作業に関する情報 は、例えば、「水揚げ後、ストレスを掛けないように即座に締め作業を実施することを示す情報」「締めの際、一定基準以上の血抜きを行うことを示す情報」「提供する加工状態を特定する情報(例えば、冷凍可能な皮付きフィレでの提供を示す情報、味付け済みで焼くだけの状態で提供することを示す情報)」である。物流に関する情報は、例えば、「活魚での輸送を行う旨の情報」「魚のドリップ等をできる限り防ぐ輸送を行う旨の情報」「温度をコントロールして輸送を行う旨の情報」である。「魚のドリップ等をできる限り防ぐ輸送を行う旨の情報」は、さらに具体的には、例えば、「塩水の氷を使った輸送を行う旨の情報」である。「温度をコントロールして輸送を行う旨の情報」は、さらに具体的には、例えば、「魚が氷結しない最低温度帯である-1度で輸送することを示す情報」「食品表示法の保存方法に基づく、10度以下で輸送することを示す情報」である。
【0056】
作業情報は、例えば、作業識別子を有する。作業識別子は、出荷前の水産資源に対する作業を識別する情報である。作業識別子は、例えば、「1」「2」である。例えば、「1」は「水揚げ後、ストレスを掛けないように即座に締め作業を実施すること」、「2」は「締めの際、一定基準以上の血抜きを行うこと」である。
【0057】
なお、元情報は、例えば、学習器、対応表、演算式の3種類のうちのいずれか、または3種類のうちの2種類以上の組み合わせである。
(1)学習器
【0058】
元情報の一例である学習器は、2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理により、得られたデータである。教師データは、例えば、1以上の説明変数の値と、1以上の目的変数の値とを有するデータである。教師データを構成する1以上の説明変数の各値は、例えば、1以上の仕様情報、1以上の付加情報を用いて取得されるデータである。教師データを構成する1以上の説明変数の各値は、1以上の仕様情報と1以上の付加情報のうちの1以上の情報でも良い。また、教師データを構成する1以上の目的変数の各値は、1以上の育成原料情報、1以上の作業情報のうちの1以上の情報である。なお、学習器は、学習モデル、分類器と言って も良い。
【0059】
また、元情報の一例である学習器は、教師データなし学習により構成されても良い。つまり、図示しない学習器構成部は、1または2以上の説明変数の値(通常、ベクトル)をクラスタリングし、1以上の説明変数の値とクラス識別子とを対応付けて、教師データを構成する。そして、学習器構成部は、構成した2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理により、学習器を構成する。なお、かかる学習器は、1以上の説明変数の値を用いて、クラス識別子を出力するための学習器である。また、クラス識別子は、クラスを識別する情報であり、例えば、育成原料情報または作業情報に対応付く情報である。
【0060】
また、予め決められた構成条件を満たした場合に、学習器が再構築されることは好適である。構成条件は、例えば、教師データの数に基づく条件、経過時間に基づく条件である。教師データの数に基づく条件は、例えば、前回の学習器の構成時に対して追加された教師データが閾値以上または閾値より多くなったこと、教師データの合計数が閾値以上または閾値より多くなったことである。経過時間に基づく条件は、前回の学習器の構成時に対して閾値以上または閾値より長く、時間が経過したことである。
【0061】
また、予測処理において、学習器に代えて、VAEやGANのような生成モデルを使用しても良い。
【0062】
また、機械学習の学習処理または予測処理は、例えば、深層学習、ランダムフォレスト、決定木、SVM、SVR等が利用可能であるが、その他の手法でも良く、機械学習の手法は問わない。また、機械学習の学習処理または予測処理のモジュールは、例えば、Tensorflowのライブラリ、sklearn 、fasttext、R言語のランダムフォレストのライブラリ、TinySVM等であるが、問わない。
(2)対応表
【0063】
元情報の一例である対応表は、2以上の対応情報を有する。対応情報は、1以上の説明変数の値と、1以上の目的変数の値との対応を取るための情報である。対応情報は、例えば、1以上の仕様情報、1以上の付加情報を用いて取得される各データを要素とするベクトルと、1以上の育成原料情報とを有する情報である。対応情報は、例えば、1以上の仕様情報、1以上の付加情報を用いて取得される各データを要素とするベクトルと、1以上の作業情報とを有する情報である。対応情報は、例えば、1以上の仕様情報、1以上の付加情報を用いて取得される各データを要素とするベクトルと、1以上の育成原料情報と1以上の作業情報とを有する情報である。
(3)演算式
【0064】
元情報の一例である演算式は、1以上の説明変数の値をパラメータとして、通常、1つの目的変数の値を取得する演算式である。演算式は、1以上の仕様情報と1以上の付加情報のうちの1以上の各情報をパラメータとして、1以上の育成原料情報と1以上の作業情報のうちの一の情報を取得する式である。
(4)協調フィルタリングで使用される情報
【0065】
元情報の一例である協調フィルタリングで使用される情報は、例えば、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが選択した育成原料情報との集合、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが入力した1以上の仕様情報と当該ユーザが選択した育成原料情報との集合、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが選択した作業情報との集合、またはユーザの1以上の属性値と当該ユーザが入力した1以上の仕様情報と当該ユーザが選択した作業情報との集合である。
【0066】
なお、元情報は、後述する元情報生産装置3が取得した情報である。
【0067】
仕様情報は、水産資源の品質または生育コストまたは生産量に関する要求仕様を特定する情報である。水産資源は、海洋や陸水(河川、湖沼)に生息している生物のうち人間が 食料あるいはその他の目的で利用する生物である。水産資源は、例えば、魚、貝、昆布である。
【0068】
仕様情報は、例えば、品質仕様情報、コスト仕様情報、または生産量仕様情報である。品質仕様情報は、水産資源の品質に関する仕様を特定する情報である。品質仕様情報は、例えば、品質面仕様情報、または量・形態面仕様情報である。品質面仕様情報は、水産資源の純粋な品質に関する仕様を特定する情報である。形態面仕様情報は、水産資源の提供形態に関する仕様を特定する情報である。品質面仕様情報は、例えば、おいしさ仕様情報、健康仕様情報、安心仕様情報、または社会性仕様情報である。量・形態面仕様情報は、例えば、量仕様情報、属性仕様情報、一次加工仕様情報、または二次加工仕様情報である。コスト仕様情報は、水産資源のコストに関する仕様を特定する情報である。生産量仕様情報は、水産資源の生産量に関する仕様を特定する情報である。
【0069】
おいしさ仕様情報は、例えば、身質の硬さを特定する情報(例えば、硬さのレベルを示す情報)、鮮度を特定する情報、脂のノリ具合を特定する情報、旨味または甘みを特定する情報、魚の臭みの具合を特定する情報である。
【0070】
健康仕様情報は、例えば、DHA含有率、EPA含有率である。
【0071】
安心仕様情報は、例えば、生産者の透明性の有無を示す情報、生育環境の透明性の有無を示す情報、生育原料(例えば、種苗、餌、医薬品)の透明性の有無を示す情報、アニサキスフリーであることを示す情報、水銀含有率である。
【0072】
社会性仕様情報は、例えば、サステナビリティやSDGsへの配慮の有無または配慮の程度を特定する情報、規制をクリアしているか否かを示す情報、認証取得の有無を示す情報である。なお、規制は、例えば、動物用医薬品及び医薬品の使用の規制に関する省令、欧州等の各地域や国による食品輸入規制である。認証は、例えば、ASC認証である。
【0073】
量仕様情報は、例えば、単位期間の仕入れ量を特定する情報である。なお、単位期間は、例えば、1日、1ヶ月、1年等であり、問わない。
【0074】
属性仕様情報は、例えば、水産資源のサイズを特定する情報である。属性仕様情報は、例えば、魚体サイズが「1尾1kg以上」「1尾2kg以上」である。
【0075】
一次加工仕様情報は、骨取りの有無を示す情報、ラウンドであるか否かを示す情報、フィレであるか否かを示す情報、切り身であるか否かを示す情報、刺身であるか否かを示す情報、提供形態(例えば、ラウンド、フィレ、切り身、刺身のうちのいずれかであるか)を示す情報である。
【0076】
二次加工仕様情報は、例えば、味付けを特定する情報、ミールキットを特定する情報、レシピの有無を特定する情報である。
【0077】
コスト仕様情報は、例えば、一回あたりの希望購入単価を特定する情報、特売時の希望購入単価を特定する情報、ボリュームディスカウントの有無または割合を特定する情報、長期契約価格を特定する情報、スポット契約価格を特定する情報である。
【0078】
生産量仕様情報は、例えば、一回あたりの希望購入量を特定する情報、単位期間(例えば、1ヶ月、1年)の希望購入量を特定する情報である。
【0079】
育成原料情報とは、水産資源を育成する際に使用される育成原料に関する情報である。育成原料とは、例えば、餌、種苗、餌に加える配合物、薬品、ワクチンである。育成原料情報は、例えば、給餌情報、投下情報、餌情報、配合物情報、種苗情報、ワクチン情報、薬品情報である。なお、育成原料情報は、育成原料を識別する育成原料識別子に対応付いていることは好適である。育成原料識別子に対応付いていることは育成原料識別子を含むことでも良い。
【0080】
給餌情報は、給餌に関する情報であり、例えば、給餌パターン識別子、給餌制御方法情報である。
【0081】
給餌パターン識別子は、給餌パターンを識別する情報である。給餌パターン識別子は、例えば、ID、パターン名である。給餌パターンとは、魚等の水産資源に対して餌を与える時刻、餌を与える時間、餌の量のうちの1以上の情報の組の2以上の集合である。給餌パターンは、例えば、「<給餌頻度>連日給餌 <日間給餌回数>3 <給餌時間帯>7時0分,12時0分,18時30分 <給餌速度>X <給餌長さ>60秒 <給餌範囲>落下給餌」である。なお、給餌パターン識別子は、給餌制御方法情報のセットを特定する情報でも良い。
【0082】
給餌制御方法情報は、給餌の制御方法を特定する情報である。給餌制御方法情報は、例えば、給餌頻度情報、給餌回数情報、給餌時間帯情報、給餌量情報、給餌範囲情報である。給餌頻度情報は、給餌頻度を特定する情報であり、例えば、「連日給餌」「隔日給餌」「週2回給餌」等のうちのいずれかを示す情報である。給餌回数情報は、単位期間(例えば、1日)における給餌回数を特定する情報(例えば、「3回」)である。給餌時間帯情報は、給餌する時間帯を特定する情報であり、例えば、「6時0分」「12時30分」「日没後」である。給餌量情報は、給餌量に関係する情報であり、例えば、給餌速度情報、給餌長さ情報である。給餌速度情報は、給餌する速度を特定する情報である。給餌する時間の長さを特定する情報であり、例えば、一回あたりの給餌秒数、給餌を停止する秒数、給餌の周期を特定する情報である。給餌範囲情報は、給餌範囲を特定する情報であり、例えば、「落下給餌」または「射出装置」である。
【0083】
投下情報は、配合物、ワクチン、または薬品についての投下に関する情報である。投下情報は、例えば、投下パターン識別子、投下制御方法情報である。投下パターン識別子は、配合物等の投下パターンを識別する情報である。投下パターン識別子は、例えば、ID、パターン名である。投下パターンとは、魚等の水産資源に対して配合物またはワクチン等を与える時刻、配合物等を与える時間、配合物等の量のうちの1以上の情報の組の2以上の集合である。
【0084】
餌情報は、餌に関する情報であり、例えば、餌識別子、成分比率情報、物質特性情報、原料情報、価格情報である。
【0085】
餌識別子は、餌を識別する情報である。餌識別子は、例えば、ID、餌の名前である。
【0086】
種苗識別子は、種苗を識別する情報である。種苗識別子は、例えば、ID、種苗の名前である。種苗とは、例えば、魚の種苗である。
【0087】
成分比率情報は、餌の成分比率に関する情報であり、例えば、魚粉率、魚粉率の範囲を特定する情報、魚油含有量、魚油含有量のレベルを特定する情報、脂肪率、脂肪率のレベルを特定する情報、CP比(カロリー・プロテイン比 脂質とタンパク)、CP比のレベルを特定する情報である。
【0088】
物質特性情報は、物質特性に関する情報であり、硬度、硬度のレベルを特定する情報、嵩比重、嵩比重のレベルを特定する情報、成形方法(EP/DP)を特定する情報、大きさ、大きさのレベルを特定する情報である。
【0089】
原料情報は、餌の原料に関する情報であり、例えば、餌の原料を特定する情報、魚粉原料魚種、魚粉原料産地、漁獲方法を特定する情報、大豆原料種、大豆原料産地、大豆の生育方法を特定する情報、魚粉や大豆以外の淡白源を利用する場合の原料を特定する情報、 抗酸化作用食材であるか否かを示す情報、強い香りの食材であるか否かを示す情報、アスタキサンチン含有食材であるか否かを示す情報、化学品(薬品)添加の有無を示す情報、栄養剤の添加の有無を示す情報、添加した栄養剤を特定する情報、微生物の配合の有無を示す情報、配合した微生物を特定する情報である。
【0090】
価格情報は、価格に関する情報であり、例えば、単価、契約形態を特定する情報(例えば、ボリュームディスカウントの有無、長期契約の有無)、長期契約価格、スポット契約価格である。
【0091】
配合物情報は、餌に加える配合物に関する情報であり、例えば、配合物識別子、成分比率情報、物質特性情報、原料情報、価格情報である。
【0092】
配合物識別子は、餌に加える配合物を識別子する情報である。配合物識別子は、例えば、ID、配合物の名前である。配合物情報が有する成分比率情報、物質特性情報、原料情報、価格情報は、餌情報が有する各情報と同じであるので、説明を省略する。
【0093】
種苗情報は、種苗に関する情報であり、例えば、種苗識別子、原料由来情報、品種情報、仕入れ情報、親魚情報、飼育成績情報、育成環境情報、処理情報、出荷時期情報、価格情報である。
【0094】
種苗識別子は、種苗を識別する情報であり、例えば、ID、種苗名である。
【0095】
原料由来情報は、天然種苗生産であるか否かを示す情報、人工種苗生産を特定する情報(例えば、交雑であるか否かを示す情報、品種改良したか否かを示す情報)、バイテクノロジーに関する情報(例えば、遺伝子組み換えをしたか否かを示す情報、ゲノム編集をしたか否かを示す情報)である。
【0096】
品種情報は、種苗の品種に関する情報であり、例えば、分類を特定する情報、生息域を特定する情報である。
【0097】
仕入れ情報は、仕入元を特定する情報であり、例えば、仕入元のID、会社名である。
【0098】
親魚情報は、親魚に関する情報であり、例えば、天然または品種改良であるか否かを示す情報、採卵成績を特定する情報、人工授精か人工催熟か自然産卵かを特定する情報、過去の産卵回数である。
【0099】
飼育成績情報は、仔魚・中間育成時の飼育成績に関する情報であり、例えば、孵化率、奇形率、成長率、歩留まりである。
【0100】
育成環境情報は、中間魚の育成環境に関する情報であり、例えば、水温推移に関する情報、DO推移に関する情報、塩分濃度推移に関する情報である。
【0101】
処理情報は、殺菌処理海水を使用したか否かを示す情報、低温殺菌処理の飼料を使用したか否かを示す情報、飼料履歴を示す情報(ワムシ、アルテミア、配合飼料など)である。
【0102】
出荷時期情報は、出荷時期を特定する情報であり、例えば、「春出荷」「夏出荷」であえる。
【0103】
価格情報は、価格に関する情報であり、例えば、単価、契約形態を特定する情報、長期契約価格、スポット契約価格である。
【0104】
ワクチン情報は、ワクチンに関する情報であり、例えば、ワクチン識別子、トレーサビリティ情報、価格情報である。
【0105】
ワクチン識別子は、ワクチンを識別子する情報である。ワクチン識別子は、例えば、ID、ワクチンの名前である。
【0106】
ワクチンのトレーサビリティ情報は、ワクチンのトレーサビリティに関する情報であり、例えば、細菌培養材料を特定する情報、細菌培養材料培地を特定する情報、各国法令上の使用承認の有無を示す情報である。
【0107】
価格情報は、価格に関する情報であり、例えば、単価、契約形態を特定する情報、長期契約価格、スポット契約価格である。
【0108】
薬品情報は、薬品に関する情報であり、例えば、薬品識別子、トレーサビリティ情報、価格情報、薬品の種類情報である。薬品の種類情報は、例えば、「抗生物質」「合成抗菌剤」「駆虫剤」「ビタミン剤」「消毒剤」である。薬品識別子は、薬品を識別子する情報である。薬品識別子は、例えば、ID、薬品物の名前である。
【0109】
元情報は、1以上の付加情報と、1以上の仕様情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する元になる情報であっても良い。
【0110】
付加情報は、環境情報または水産資源の属性値である。環境情報は、水産資源の育成の環境に関する情報であり、例えば、水温、DO(溶存酸素量)、海水の塩分濃度、プランクトン濃度、潮流に関する情報(例えば、潮通しの良さの程度を特定する情報)、季節を特定する情報(例えば、「夏」「冬」)、魚齢、給餌中の様子に関する情報(例えば、食欲レベル、水中での餌の検知数、餌を投下してから魚が反応するまでの時間)、季節、天気、気温である。水産資源の属性値は、例えば、水産資源の年齢、育成の段階を特定する情報(例えば、稚魚、若魚、未成魚、成魚)、魚体の大きさ、魚体の肥満率である。
【0111】
受付部12は、各種の指示や情報等を受け付ける。各種の指示や情報等は、例えば、後述する仕様情報、後述する評価情報である。ここで、受け付けとは、通常、端末装置2からの受信であるが、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念であっても良い。
【0112】
仕様受付部121は、水産資源に対する1以上の仕様情報を受け付ける。仕様受付部121が1以上の仕様情報の受け付け方は問わない。1以上の仕様情報は、例えば、ユーザのアンケートに対する回答に基づく仕様情報である。1以上の仕様情報は、例えば、ユーザが選択した識別子(ID)に対応する仕様情報である。かかる場合、1以上の仕様情報のセットに識別子が対応付いている。
【0113】
仕様受付部121は、必須仕様情報と任意仕様情報とを受け付けることは好適である。ただし、仕様受付部121が受け付ける1以上の仕様情報は、例えば、必須仕様情報のみでも良いし、任意仕様情報のみでも良い。
【0114】
必須仕様情報とは、必須の要求仕様を特定する情報である。必須仕様情報は、例えば、規制をクリアしていることであるが、その内容は問わない。任意仕様情報とは、必須ではない要求仕様を特定する情報である。
【0115】
評価受付部122は、評価情報を受け付ける。評価情報は、水産資源の育成結果に関する評価を特定する情報である。評価情報は、水産資源の育成結果である水産資源のボリューム、育成に要したコスト等に対する評価を特定する情報も含まれる。
評価受付部122が受け付ける評価情報は、通常、水産資源を識別する水産資源識別子に対応付いている。評価情報は、通常、水産資源の育成結果に対応する水産資源の水産資源識別子と1以上の仕様情報とに対応付いている。評価情報は、例えば、1から5の5段階(例えば、「1:全く良くない」「2:良くない」「3:普通」「4:良い」「5:大変良い」)のうちのいずれかを示す情報、1から10の10段階のうちのいずれかを示す情報、「A:良い」「B:普通」「C:悪い」のうちのいずれかの情報である。
【0116】
評価受付部122は、水産資源(例えば、水揚げした魚)を撮影した画像データを画像解析して、評価情報を取得しても良い。また、評価受付部122は、水産資源に対して、センサーにより、評価情報を取得しても良い。なお、かかる評価情報は、例えば、身の硬さ、大きさ、重さである。また、かかる評価情報は、例えば、身の硬さに対応する評価値、大きさに対応する評価値、重さに対応する評価値である。評価値は、例えば、1から5の5段階(例えば、「1:全く良くない」「2:良くない」「3:普通」「4:良い」「5:大変良い」)のうちのいずれかを示す情報、1から10の10段階のうちのいずれかを示す情報、「A:良い」「B:普通」「C:悪い」のうちのいずれかの情報である。
【0117】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、付加情報取得部131、原料取得部132、作業情報取得部133、改善部134、発注部135、給餌部136、販売支援部137、レポート構成部138が行う処理である。
【0118】
付加情報取得部131は、1以上の付加情報を取得する。付加情報とは、原料取得部132が育成原料情報を取得する際に使用される仕様情報以外の情報である。付加情報は、例えば、環境情報または水産資源の属性値である。
【0119】
付加情報取得部131は、例えば、端末装置2から送信された付加情報を受信する。付加情報取得部131は、例えば、水産資源の1以上の属性値を端末装置2から受信する。付加情報取得部131は、例えば、図示しないサーバから付加情報を取得する。付加情報取得部131は、例えば、季節、天気、天候、気温等を格納しているサーバから、季節、天気、天候、気温等を取得する。
【0120】
付加情報取得部131は、例えば、図示しないサーバまたは給餌装置等から受信された画像を解析し、給餌中の様子に関する情報や水産資源の属性値を取得する。なお、かかる画像は、水産資源に対する給餌の開始後に、水産資源または水産資源の生簀を撮影した画像である。また、かかる付加情報取得部131の画像解析技術は、公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0121】
原料取得部132は、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と元情報格納部111の元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する。
【0122】
原料取得部132は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報と元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する。
【0123】
原料取得部132は、例えば、必須仕様情報が特定する必須の要求仕様を満たす1以上の育成原料情報を、必須仕様情報と任意仕様情報と元情報とを用いて取得する。
【0124】
原料取得部132は、例えば、以下の4 つのアルゴリズムのうちの一のアルゴリズムにより、1以上の育成原料情報を取得する。4 つのアルゴリズムとは、機械学習式を用いる方法、対応表式を用いる方法、演算式を用いる方法、協調フィルタリングを用いる方法である。以下、各々の方法について説明する。
(1)機械学習式を用いる方法
【0125】
原料取得部132は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報を用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。原料取得部132は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報とを用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。
【0126】
次に、原料取得部132は、当該ベクトルと元情報格納部111の学習器とを、機械学習の予測モジュールに与えて、当該モジュールを実行し、1以上の育成原料情報を取得する。
【0127】
なお、原料取得部132は、当該ベクトルと元情報格納部111の学習器とを、機械学習の予測モジュールに与えて、当該モジュールを実行し、1以上の育成原料情報および1以上の作業情報を取得しても良い。つまり、育成原料情報と作業情報とは、一緒に取得されても良い。
(2)対応表を用いる方法
【0128】
原料取得部132は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報を用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。原料取得部132は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報とを用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。
【0129】
次に、原料取得部132は、例えば、当該ベクトルと最も類似するベクトルを有する対応情報を決定する。そして、原料取得部132は、例えば、当該対応情報が有する1以上の育成原料情報を取得する。なお、原料取得部132は、当該対応情報が有する1以上の育成原料情報および1以上の作業情報を取得しても良い。
【0130】
また、原料取得部132は、当該ベクトルと類似条件を満たすベクトルを有する2以上の対応情報を決定しても良い。
【0131】
かかる場合、原料取得部132は、例えば、当該2以上の各対応情報が有する1以上の育成原料情報(育成原料集合)を取得する。そして、原料取得部132は、例えば、2以上の育成原料集合が有する各育成原料情報の代表値(例えば、平均値、最大値、多数決による値)を取得する。
【0132】
また、原料取得部132は、例えば、当該2以上の各対応情報が有する育成原料集合と作業情報集合を取得する。そして、原料取得部132は、例えば、2以上の育成原料集合と作業情報集合が有する各情報の代表値(例えば、平均値、最大値、多数決による値)を取得する。
(3)演算式を用いる方法
【0133】
原料取得部132は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報を用いて、演算式に代入する1以上のパラメータを取得する。原料取得部132は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報とを用いて、演算式に代入する1以上のパラメータを取得する。
【0134】
次に、原料取得部132は、例えば、取得した1以上の各パラメータを演算式に与えて、当該演算式を実行し、育成原料情報を取得する。
【0135】
原料取得部132は、例えば、育成原料情報ごとに異なる演算式を用いて、育成原料情報を取得する。原料取得部132は、例えば、育成原料情報ごとに異なる演算式および異なる1以上のパラメータを用いて、育成原料情報を取得する。
【0136】
仕様受付部121が仕様情報「<希望価格>a(例えば、「1kgあたり1000円以内」) <希望調達量>B(例えば、「30,000尾」) <希望魚体サイズ>b(例えば、「1.5kg/尾」) <魚粉比率>10%以下 <社会性:持続可能性に配慮された餌で育てられている>1 <社会性:魚粉の調達を乱獲されていない原料>1」を受け付けた、とする。次に、原料取得部132は、例えば、仕様情報「<希望価格>a(例えば、「1kgあたり1000円以内」) <希望調達量>B(例えば、「30,000尾」) <希望魚体サイズ>b(例えば、「1.5kg/尾」)」を用いて、演算式「希望予算=希望調達量*希望魚体サイズ*希望価格」を用いて、パラメータ1「<
希望予算>A(例えば、「A=30,000尾*1.5kg/尾*1000円」)を算出する。
【0137】
次に、原料取得部132は、例えば、演算式「餌の単価(y)=f(x)+定数α」を用いて、関数fに魚粉比率(例えば、「0.1(10%)」)を代入し、パラメータ2「餌の価格(y)」を算出する。
【0138】
また、原料取得部132は、演算式「理論総餌量Y(kg)=F(1/x)*希望調達量*希望魚体サイズ」と演算式「F(1/x)」とに、x(魚粉比率(例えば、0.1))とB(
希望調達量)
とb(希望魚体サイズ)とを代入し、理論総餌量Yを算出する。
【0139】
次に、原料取得部132は、演算式「給餌コストz(円)=理論総餌量Y (kg)*餌の単価y(円/kg)」に理論総餌量Yと餌の単価yとを代入し、給餌コストzを算出する。
【0140】
次に、原料取得部132は、演算式「生産コストZ(円)=給餌コストz*定数β(例えば、β=2,β1.7)」に給餌コストzを代入し、生産コストZを算出する。
【0141】
次に、原料取得部132は、演算式「売値R=Z(1-r)[rは設定粗利]」により、売値を算出する。
【0142】
次に、原料取得部132は、仕様情報である「0.1以下の魚粉比率」であり、「売値R<=希望予算A」を満たす魚粉比率xの範囲(例えば、「x1<=魚粉比率<=0.1」を取得する。
【0143】
次に、原料取得部132は、魚粉比率xの範囲、餌の単価y(円/kg)、および要求仕様の「<社会性:持続可能性に配慮された餌で育てられている>1」および「<社会性:魚粉の調達を乱獲されていない原料>1」を満たす餌の餌識別子を、図示しない餌管理表から取得する。なお、餌管理表は、「餌識別子,魚粉比率x,餌の単価y,持続可能性に配慮された餌で育てられているか否か(値「1」または「0」),魚粉の調達を乱獲されていない原料であるか否か(値「1」または「0」)」,餌の製造元を含む2以上のレコードを有する表である。餌管理表は、例えば、格納部11に格納されている。
【0144】
また、原料取得部132は、餌識別子と希望調達量Bと希望魚体サイズbとに対応する育成原料(通常、餌)の投下パターンの識別子を、投下パターン管理表から取得する。投下パターン管理表は、例えば、「餌識別子,調達量の幅,魚体サイズの幅,投下パターン識別子(給餌パターン識別子と言っても良い)」を有する2以上のレコードを有する表である。投下パターン管理表は、例えば、格納部11に格納されている。
【0145】
なお、原料取得部132が演算式を用いて取得した魚粉比率xの範囲、餌識別子、投下パターン識別子は、育成原料情報の例である。
(4)協調フィルタリングを用いる方法
【0146】
原料取得部132は、例えば、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが選択した育成原料情報との集合を用いて、1以上の仕様情報を入力したユーザの1以上の属性値に対応する育成原料情報を取得する。
【0147】
原料取得部132は、例えば、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが入力した1以上の仕様情報と当該ユーザが選択した育成原料情報との集合を用いて、1以上の仕様情報を入力したユーザの1以上の属性値と当該入力した1以上の仕様情報とに対応する育成原料情報を取得する。
【0148】
作業情報取得部133は、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と元情報とを用いて、1以上の作業情報を取得する。
【0149】
作業情報取得部133は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報と元情報とを用いて、1以上の作業情報を取得する。
【0150】
作業情報取得部133は、例えば、以下の4 つのアルゴリズムのうちの一のアルゴリズムにより、1以上の作業情報を取得する。4 つのアルゴリズムとは、機械学習式を用いる方法、対応表式を用いる方法、演算式を用いる方法、協調フィルタリングを用いる方法である。以下、各々の方法について説明する。
(1)機械学習式を用いる方法
【0151】
作業情報取得部133は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報を用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。作業情報取得部133は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報とを用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。
【0152】
次に、作業情報取得部133は、当該ベクトルと元情報格納部111の学習器とを、機械学習の予測モジュールに与えて、当該モジュールを実行し、1以上の作業情報を取得する。
(2)対応表を用いる方法
【0153】
作業情報取得部133は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報を用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。作業情報取得部133は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報とを用いて、2以上の要素からなるベクトルを構成する。
【0154】
次に、作業情報取得部133は、例えば、当該ベクトルと最も類似するベクトルを有する対応情報を決定する。そして、作業情報取得部133は、例えば、当該対応情報が有する1以上の作業情報を取得する。
【0155】
また、作業情報取得部133は、当該ベクトルと類似条件を満たすベクトルを有する2以上の対応情報を決定しても良い。
【0156】
かかる場合、作業情報取得部133は、例えば、当該2以上の各対応情報が有する1以上の作業情報(作業情報集合)を取得する。そして、作業情報取得部133は、例えば、2以上の作業情報集合が有する各作業情報の代表値(例えば、平均値、最大値、多数決による値)を取得する。
(3)演算式を用いる方法
【0157】
作業情報取得部133は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報を用いて、演算式に代入する1以上のパラメータを取得する。作業情報取得部133は、例えば、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報と付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報とを用いて、演算式に代入する1以上のパラメータを取得する。
【0158】
次に、作業情報取得部133は、例えば、取得した1以上の各パラメータを演算式に与えて、当該演算式を実行し、作業情報を取得する。
【0159】
作業情報取得部133は、例えば、作業情報ごとに異なる演算式を用いて、作業情報を取得する。作業情報取得部133は、例えば、作業情報ごとに異なる演算式および異なる1以上のパラメータを用いて、作業情報を取得する。
(4)協調フィルタリングを用いる方法
【0160】
作業情報取得部133は、例えば、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが選択した作業情報との集合を用いて、1以上の仕様情報を入力したユーザの1以上の属性値に対応する作業情報を取得する。
【0161】
作業情報取得部133は、例えば、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが入力した1以上の仕様情報と当該ユーザが選択した作業情報との集合を用いて、1以上の仕様情報を入力したユーザの1以上の属性値と当該入力した1以上の仕様情報とに対応する作業情報を取得する。
【0162】
改善部134は、評価受付部122が受け付けた評価情報に応じて、元情報を変更する。
【0163】
受け付けられた評価情報が第一変更条件を満たすほど低い評価の場合、改善部134は、例えば、当該評価情報に対応する教師データを削除し、新たな元情報を取得する。かかる場合、改善部134は、例えば、3以上の教師データの集合から、当該評価情報に対応する教師データを削除し、残った2以上の教師データを機械学習の学習モジュールに与え、当該モジュールを実行し、新たな学習器を取得し、元情報格納部111に蓄積する。なお、かかる機械学習の学習処理は、後述する元情報生産装置3の学習処理と同じである。また、改善部134は、例えば、かかる場合、対応表から、当該評価情報に対応する教師データ(ここでは、対応情報と同じ)を削除する。
【0164】
改善部134は、例えば、評価情報が示す評価が第一変更条件を満たすほど低い評価の場合、当該評価情報に対応する教師データの重みを小さくして、新たな元情報を取得する。第一変更条件は、例えば、評価情報が示す評価が閾値以下または閾値未満である。第一変更条件は、例えば、2以上の評価情報の代表値(例えば、平均値、中央値)が、閾値以下または閾値未満である。
【0165】
改善部134は、例えば、かかる場合、当該評価情報に対応する教師データが有する各値の重みを元の重みより小さくし(影響度を小さくし)、他の教師データの重みは変更せずに、2以上の教師データが有する1以上の仕様情報を入力とし、2以上の教師データが有する育成原料情報または作業情報を算出する演算式を、例えば、最小二乗法により、取得する。なお、1以上の仕様情報を入力とし、育成原料情報または作業情報を算出する演算式を取得するアルゴリズムは問わない。また、かかる場合、改善部134は、例えば、2以上の教師データの中の評価が第一変更条件を満たさない、高い評価の教師データの数を増加させて(例えば、一つコピーして生成し、同じ教師データを2つにして)、増加させた教師データを含むすべての教師データを機械学習の学習モジュールに与え、当該モジュールを実行し、新たな学習器を取得する。
【0166】
なお、教師データは、元情報を構成する情報である。教師データは、1以上の仕様情報と1以上の育成原料情報とを有する。教師データは、1以上の付加情報を有しても良い。また、教師データは、1以上の作業情報を有しても良い。
【0167】
改善部134は、例えば、評価情報が示す評価が第二変更条件を満たすほど高い評価の場合、当該評価情報に対応する教師データの重みを大きくして、新たな元情報を取得する。第二変更条件は、例えば、評価情報が示す評価が閾値以上または閾値より大きいことである。第二変更条件は、例えば、2以上の評価情報の代表値(例えば、平均値、中央値)が、閾値以上または閾値より大きいことである。
【0168】
改善部134は、例えば、評価情報が示す評価が第二変更条件を満たすほど高い評価の場合、当該評価情報に対応する教師データの重みを大きくして、新たな元情報を取得する。かかる場合、改善部134は、例えば、2以上の教師データの中の評価が第二変更条件を満たす、高い評価の教師データの数を増加させて(例えば、2つコピーして生成し、同じ教師データを3つにして)、増加させた教師データを含むすべての教師データを機械学習の学習モジュールに与え、当該モジュールを実行し、新たな学習器を取得する。
【0169】
改善部134は、例えば、対象となるユーザの1以上の属性値と類似条件を満たす1以上の属性値に対応する1以上の他のユーザの評価情報に対応する教師データの重みを大きくして、新たな元情報を取得する。そして、改善部134は、かかる教師データを機械学習の学習モジュールに与え、当該モジュールを実行し、新たな学習器を取得しても良い。
【0170】
改善部134は、例えば、ユーザの1以上の属性値の2以上の各条件ごとに、当該条件に合致するユーザの評価情報に対応する教師データのみを取得し、当該取得した教師データのみを用いて、条件ごとに学習器を取得しても良い。
【0171】
発注部135は、出力部14が出力する育成原料 識別子により識別される育成原料 を発注する。発注することは、発注のための処理を行うことである。発注のための処理は、例えば、発注先に発注内容を特定する発注情報を送信すること、発注のための用紙を印刷することである。なお、育成原料識別子は、例えば、餌識別子、ワクチン識別子、薬品識別子である。
【0172】
発注部135は、出力部14が出力する1以上の育成原料情報を用いて、育成原料 を発注する。1以上の育成原料情報が、育成原料 識別子と育成原料 量情報とを含む場合、発注部135は、当該育成原料 識別子により識別される餌を、当該育成原料 量情報を用いて取得された量の分を、発注するための処理を行う。なお、育成原料 量情報を用いて取得された量は、育成原料 量情報が示す量であっても良いし、育成原料 量情報を固定値で割った、単位期間において消費される育成原料 の量でも良い。なお、育成原料 量情報は、育成原料 の量を特定する情報である。育成原料量情報は、例えば、餌の量を特定する餌量情報、ワクチンの量を特定するワクチン量情報、薬品の量を特定する薬品量情報である。
【0173】
給餌部136は、出力部14が出力する餌識別子で識別される餌を自動給餌する。自動給餌することは、例えば、図示しない自動給餌機に、給餌する指示を送信することである。また、給餌部136が自動給餌機を具備する場合、自動給餌することは、自動給餌機を動作させることである。
【0174】
給餌部136は、原料取得部132が取得した給餌パターン識別子で識別される給餌パターンに従った給餌を行うことは好適である。給餌部136は、例えば、当該給餌パターンに対応する時および回数に従った自動給餌を行う。
【0175】
なお、給餌部136は、出力部14が出力する育成原料識別子で識別される育成原料を自動投下しても良い。かかる場合、給餌部136は、投下部と言っても良い。投下部は、原料取得部132が取得した投下パターン識別子で識別される投下パターンに従った育成原料の投下を行うことは好適である。投下部は、は、例えば、当該投下パターンに対応する時および回数に従った育成原料の自動投下を行う。
【0176】
販売支援部137は、1以上の仕様情報に対応する水産資源の販売を支援する販売支援処理を行う。販売支援処理とは、例えば、以下のレコメンド処理、ウェブページ掲載処理、販売時期通知処理、販売完了処理である。
【0177】
販売支援部137は、例えば、レコメンド処理を行う。つまり、販売支援部137は、1以上の仕様情報のうちの少なくとも一部の情報と水産資源を識別する水産資源識別子とを含むレコメンド情報を構成する。また、販売支援部137は、1以上の付加情報をも有するレコメンド情報を構成しても良い。
【0178】
次に、販売支援部137は、当該レコメンド情報を送信する。なお、レコメンド情報の送信先は、問わない。レコメンド情報の送信先は、例えば、1以上の仕様情報のうちの少なくとも一部の情報と水産資源識別子とに対応する1以上の送信先識別子で識別される送信先である。
【0179】
販売支援部137は、例えば、ウェブページ掲載処理を行う。つまり、販売支援部137は、1以上の仕様情報のうちの少なくとも一部の情報と水産資源識別子とを含む情報であり、水産資源の販売のための情報を、予め決められたウェブページに掲載する処理を行う。予め決められたウェブページは、育成支援装置1の格納部11に格納されているページでも良いし、外部の図示しないウェブサイトのページでも良い。また、ウェブページ掲載処理は、ウェブページが格納されているサーバに、掲載される情報を送信したり、書き込んだりする処理である。
【0180】
販売支援部137は、例えば、販売時期通知処理を行う。つまり、販売支援部137は、1以上の仕様情報に対応する水産資源の販売時期を取得し、当該販売時期と水産資源識別子とを含む販売時期通知情報を構成し、当該販売時期通知情報を送信したり、予め決められたウェブページに掲載したりする処理を行う。なお、販売時期通知情報の送信先は問わない。また、水産資源の販売時期の取得方法は問わない。販売支援部137は、例えば、水産資源識別子に対応する育成期間の情報を格納部11から取得し、当該育成期間と育成開始時期の情報を用いて、水産資源の販売時期を取得する。
【0181】
販売支援部137は、例えば、販売完了処理を行う。つまり、販売支援部137は、例えば、原料取得部132が取得した水産資源識別子と対になる販売先情報を取得し、当該販売先情報が特定する販売先に、水産資源識別子で識別する水産資源の販売のための処理を行う。かかる処理は、販売先情報の出力、販売先情報である販売先の送信先識別子で識別される送信先への水産資源識別子を含む情報(例えば、出荷の通知)の送信である。
【0182】
レポート構成部138は、仕様受付部121が受け付けた1以上の仕様情報および原料取得部132が取得した1以上の育成原料情報のうちの1以上の情報を用いたレポートを構成する。レポートは、付加情報取得部131が取得した1以上の付加情報を有しても良い。レポートは、作業情報取得部133が取得した1以上の作業情報を有しても良い。なお、レポートの構造や表示態様は問わない。
【0183】
レポート構成部138がレポートを構成するタイミングやトリガーは問わない。レポート構成部138は、例えば、仕様受付部121が1以上の仕様情報を受け付けた場合、販売支援部137がレコメンド情報を構成した場合、販売支援部137がウェブサイト掲載処理を行った場合に、当該1以上の仕様情報やレコメンド情報やウェブサイトに掲載される情報に対応するレポートを構成する。
【0184】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、1以上の育成原料情報、レポートである。また、ここで、出力とは、通常、端末装置2への送信であるが、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念であっても良い。
【0185】
育成原料出力部141は、原料取得部132が取得した1以上の育成原料情報を出力する。育成原料出力部141は、例えば、改善部134、発注部135、給餌部136、販売支援部137、またはレポート構成部138に、1以上の育成原料情報を渡す。育成原料出力部141は、例えば、1以上の育成原料情報を端末装置2に送信する。
作業情報出力部142は、作業情報取得部133が取得した1以上の作業情報を出力する。作業情報出力部142は、例えば、改善部134、発注部135、給餌部136、販売支援部137、またはレポート構成部138に、1以上の作業情報を渡す。作業情報出力部142は、例えば、1以上の作業情報を端末装置2に送信する。
【0186】
レポート出力部143は、レポート構成部138が構成したレポートを出力する。レポート出力部143は、例えば、レポートを端末装置2に送信する。
【0187】
端末装置2を構成する端末格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、ユーザ識別子、1以上の仕様情報である。
【0188】
端末受付部22は、ユーザから指示や情報等の入力を受け付ける。指示や情報等とは、例えば、1以上の仕様情報、レポート出力指示である。
【0189】
端末処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、端末受付部22が受け付けた指示や情報等を、送信する構造の指示や情報等に変更する処理、端末受信部25が受信した情報を出力する構造に変更する処理等である。
【0190】
端末送信部24は、各種の情報や指示等を送信する。各種の情報や指示等とは、例えば、1以上の仕様情報、レポート出力指示である。
【0191】
端末受信部25は、各種の情報を受信する。各種の情報とは、例えば、1以上の育成原料情報、レコメンド情報、発注情報、販売時期通知情報である。
【0192】
端末出力部26は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、1以上の育成原料情報、レコメンド情報、発注情報、販売時期通知情報である。
【0193】
ここで、出力とは、通常、ディスプレイへの表示であるが、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である、と考えても良い。
【0194】
格納部11、元情報格納部111、端末格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0195】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0196】
受付部12、仕様受付部121、評価受付部122、端末受信部25は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。
【0197】
処理部13、付加情報取得部131、原料取得部132、作業情報取得部133、改善部134、発注部135、給餌部136、販売支援部137、レポート構成部138、端末処理部23は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0198】
出力部14、育成原料出力部141、作業情報出力部142、レポート出力部143、端末送信部24は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。なお、発注部135、販売支援部137も、無線または有線の通信手段で実現されても良い。
【0199】
端末受付部22は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0200】
端末出力部26は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。端末出力部26は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0201】
次に、育成支援システムAの動作例について説明する。まず、育成支援装置1の動作例について、
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0202】
(ステップS301)仕様受付部121は、1以上の仕様情報を受け付けたか否かを判断する。仕様情報を受け付けた場合はステップS302に行き、受け付けなかった場合はステップS312に行く。
【0203】
(ステップS302)付加情報取得部131は、1以上の付加情報を取得する。
【0204】
(ステップS303)原料取得部132は、1以上の育成原料情報を取得する。かかる原料情報取得処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0205】
(ステップS304)作業情報取得部133は、1以上の作業情報を取得する。かかる作業情報取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0206】
(ステップS305)処理部13は、ステップS303で取得した1以上の育成原料情報、ステップS304で取得した1以上の作業情報を用いて、出力する情報を構成する。出力部14は、当該情報を出力する。なお、ここでの出力は、例えば、ステップS301で受け付けられた1以上の仕様情報と対応付けられた蓄積、1以上の仕様情報を送信してきた端末装置2への送信である。
【0207】
(ステップS306)発注部135は、ステップS303で取得された育成原料情報が有する餌識別子で識別される餌の発注を行うか否かを判断する。餌の発注を行う場合はステップS307に行き、餌の発注を行わない場合はステップS309に行く。
【0208】
なお、発注部135は、常に餌の発注を行うと判断しても良い。また、発注部135は、例えば、ステップS301において、発注指示が受信されている場合に、餌の発注を行うと判断しても良い。また、発注部135は、例えば、図示しない格納部に餌の在庫情報が格納されており、かかる餌の在庫情報を参照し、餌識別子で識別される餌が、ステップS303で取得された育成原料情報が有する餌量情報が示す量の分以上の量が存在するか否かを判断し、存在しない場合に、餌の発注を行うと判断しても良い。
【0209】
(ステップS307)発注部135は、ステップS303で取得された育成原料情報が有する情報であり、発注のために使用する情報である餌識別子等を取得する。餌識別子等とは、例えば、餌識別子と餌量情報である。
【0210】
(ステップS308)発注部135は、ステップS307で取得した餌識別子等を用いて発注処理を行う。
【0211】
(ステップS309)レポート構成部138は、レポートを構成するか否かを判断する。レポートを構成する場合はステップS310に行き、レポートを構成しない場合はステップS301に戻る。
【0212】
なお、レポート構成部138は、常にレポートを構成すると判断しても良いし、ステップS301で特定の仕様情報が受け付けられた場合にレポートを構成すると判断しても良いし、ステップS303で特定の育成原料情報が取得できた場合にレポートを構成すると判断しても良いし、ステップS303で特定の作業情報が取得できた場合にレポートを構成すると判断しても良い。つまり、レポートを構成するための条件は問わない。
【0213】
(ステップS310)レポート構成部138は、レポートを構成するために使用する情報を取得する。次に、レポート構成部138は、当該情報を用いて、レポートを構成する。なお、レポートを構成するために使用する情報は、例えば、1以上の仕様情報、1以上の付加情報、1以上の育成原料情報、1以上の作業情報のうちの1以上の情報である。
【0214】
(ステップS311)レポート出力部143は、レポートを送信する送信先を識別する送信先識別子を取得する。レポート出力部143は、当該送信先識別子で識別される送信先に、構成されたレポートを送信する。ステップS301に戻る。
【0215】
(ステップS312)評価受付部122は、評価情報を受け付けたか否かを判断する。評価情報を受け付けた場合はステップS313に行き、評価情報を受け付けなかった場合はステップS314に行く。なお、評価情報は、例えば、水産資源識別子と1以上の仕様情報とに対応付いている。
【0216】
(ステップS313)処理部13は、ステップS312で受け付けられた評価情報を、当該評価情報に対応する1以上の仕様情報と1以上の育成原料情報とに対応付けて、格納部11に蓄積する。ステップS301に戻る。なお、評価情報は、さらに、1以上の付加情報、1以上の作業情報に対応付けて、蓄積されても良い。
【0217】
(ステップS314)処理部13は、元情報の改善処理を行うか否かを判断する。改善処理を行う場合はステップS315に行き、改善処理を行わない場合はステップS316に行く。なお、処理部13は、常に改善処理を行うと判断しても良いし、閾値以上の評価情報が格納された場合に改善処理を行うと判断しても良い。改善処理を行うタイミングやトリガーは問わない。
【0218】
(ステップS315)改善部134は、評価情報を用いて、元情報の改善処理を行う。ステップS301に戻る。かかる改善処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0219】
(ステップS316)給餌部136は、給餌処理を行う。給餌処理の例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0220】
(ステップS317)販売支援部137は、販売支援処理を行う。販売支援処理の例について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0221】
(ステップS318)レポート構成部138等は、レポート送信処理を行う。レポート送信処理の例について、
図9のフローチャートを用いて説明する。ステップS301に戻る。
【0222】
なお、
図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0223】
次に、ステップS303の原料情報取得処理の例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0224】
(ステップS401)原料取得部132は、カウンタiに1を代入する。
【0225】
(ステップS402)原料取得部132は、一度に取得できるi番目の育成原料情報のセットが存在するか否かを判断する。i番目の育成原料情報のセットが存在する場合はステップS403に行き、存在しない場合はステップS406に行く。育成原料情報のセットとは、1または2以上の育成原料情報である。
【0226】
(ステップS403)原料取得部132は、i番目の育成原料情報のセットを取得する際に使用する1以上の仕様情報等を取得する。1以上の仕様情報等とは、1つの仕様情報を少なくとも含み、1以上の仕様情報と1以上の付加情報のうちの1以上の情報である。
【0227】
(ステップS404)原料取得部132は、ステップS403で取得した1以上の仕様情報等と、i番目の育成原料情報のセットに対応する元情報とを用いて、育成原料情報のセットを取得し、当該セットを図示しないバッファに一時蓄積する。なお、i番目の育成原料情報のセットに対応する元情報は、元情報格納部111に格納されている。
【0228】
(ステップS405)原料取得部132は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS402に戻る。
【0229】
(ステップS406)原料取得部132は、ステップS404で図示しないバッファに蓄積された1以上の育成原料情報を用いて、出力する1以上の育成原料情報を構成する。上位処理にリターンする。
【0230】
なお、
図4のフローチャートにおいて、育成原料情報のセットと同時に、作業情報のセットを取得しても良い。
【0231】
次に、ステップS304の作業取得処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0232】
(ステップS501)作業情報取得部133は、カウンタiに1を代入する。
【0233】
(ステップS502)作業情報取得部133は、一度に取得できるi番目の作業情報のセットが存在するか否かを判断する。i番目の作業情報のセットが存在する場合はステップS503に行き、存在しない場合はステップS506に行く。作業情報のセットとは、1または2以上の作業情報である。
【0234】
(ステップS503)作業情報取得部133は、i番目の作業情報のセットを取得する際に使用する1以上の仕様情報等を取得する。1以上の仕様情報等とは、1つの仕様情報を少なくとも含み、1以上の仕様情報と1以上の付加情報のうちの1以上の情報である。
【0235】
(ステップS504)作業情報取得部133は、ステップS503で取得した1以上の仕様情報等と、i番目の作業情報のセットに対応する元情報とを用いて、作業情報のセットを取得し、当該セットを図示しないバッファに一時蓄積する。
【0236】
(ステップS505)作業情報取得部133は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS502に戻る。
【0237】
(ステップS506)作業情報取得部133は、ステップS504で図示しないバッファに蓄積された1以上の作業情報を用いて、出力する1以上の作業情報を構成する。上位処理にリターンする。
【0238】
次に、ステップS315改善処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0239】
(ステップS601)改善部134は、カウンタiに1を代入する。
【0240】
(ステップS602)改善部134は、改善対象のi番目の元情報が存在するか否かを判断する。i番目の元情報が存在する場合はステップS603に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0241】
(ステップS603)改善部134は、カウンタjに1を代入する。
【0242】
(ステップS604)改善部134は、j番目の評価情報が格納部11に存在するか否かを判断する。j番目の評価情報が存在する場合はステップS605に行き、存在しない場合はステップS609に行く。
【0243】
(ステップS605)改善部134は、j番目の評価情報を格納部11から取得する。
【0244】
(ステップS606)改善部134は、ステップS605で取得した評価情報が、i番目の元情報を変更するための条件(第一変更条件または第二変更条件)を満たすか否かを判断する。条件を満たす場合はステップS607に行き、条件を満たさない場合はステップS608に行く。
【0245】
(ステップS607)改善部134は、j番目の評価情報に対応する教師データに対して、変更を加える。なお、変更を加えることは、当該教師データを削除したり、重みを増加させるために複写したり、重みを変更したりすること等である。なお、元情報を構成するための教師データは、例えば、格納部11に格納されている、とする。
【0246】
(ステップS608)改善部134は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS604に戻る。
【0247】
(ステップS609)改善部134は、ステップS607において変更が加えられた教師データを含む教師データの集合を用いて、元情報を取得する。改善部134は、後述する元情報取得部33と同じ動作を行い、元情報を取得することは好適である。
【0248】
(ステップS610)改善部134は、ステップS609で取得した元情報を元情報格納部111に蓄積する。なお、改善部134は、古い元情報に上書きして、ステップS609で取得した元情報を蓄積することは好適である。
【0249】
(ステップS611)改善部134は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS602に戻る。
【0250】
次に、ステップS316の給餌処理の例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0251】
(ステップS701)給餌部136は、カウンタiに1を代入する。
【0252】
(ステップS702)給餌部136は、原料取得部132が取得した給餌パターン識別子の中で、i番目の給餌パターン識別子が存在するか否かを判断する。i番目の給餌パターン識別子が存在する場合はステップS703に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0253】
(ステップS703)給餌部136は、図示しない時計から現在時刻を取得する。
【0254】
(ステップS704)給餌部136は、i番目の給餌パターン識別子に対応する給餌の時が、ステップS703で取得した現在時刻に合致するか否かを判断する。合致する場合はステップS705に行き、合致しない場合はステップS707に行く。なお、合致する場合は、給餌を行う場合である。
【0255】
(ステップS705)給餌部136は、i番目の給餌パターン識別子に対応する情報であり、給餌に使用する情報を取得する。かかる情報は、通常、餌識別子を含む。かかる情報は、例えば、餌量情報を含む。
【0256】
(ステップS706)給餌部136は、ステップS705で取得した情報を用いて、給餌のための処理を行う。給餌のための処理は、例えば、自動給餌機に給餌の指示を送信する処理、自動給餌機を動作させる処理である。
【0257】
(ステップS707)給餌部136は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS702に戻る。
【0258】
次に、ステップS317の販売支援処理の例について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0259】
(ステップS801)販売支援部137は、カウンタiに1を代入する。
【0260】
(ステップS802)販売支援部137は、i番目の販売対象が存在するか否かを判断する。i番目の販売対象が存在する場合はステップS803に行き、i番目の販売対象が存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0261】
(ステップS803)販売支援部137は、i番目の販売対象がレコメンドの対象であるか否かを判断する。レコメンドの対象である場合はステップS804に行き、レコメンドの対象でない場合はステップS807に行く。
【0262】
なお、販売支援部137は、すべての販売対象がレコメンドの対象であると判断しても良いし、販売対象の水産資源の水産資源識別子が、レコメンドの対象として格納部11に格納されている情報である場合にレコメンドの対象であると判断しても良い。つまり、レコメンドの対象であると判断するための条件は問わない。
【0263】
(ステップS804)販売支援部137は、i番目の販売対象のレコメンドに用いる1以上の情報を、i番目の販売対象に対応する1以上の仕様情報等から取得する。販売支援部137は、当該1以上の情報を用いて、レコメンド情報を構成する。
【0264】
(ステップS805)販売支援部137は、販売支援部137は、i番目の販売対象に対応する1以上の送信先識別子を格納部11から取得する。
【0265】
(ステップS806)販売支援部137は、ステップS805で取得した1以上の各送信先識別子に対応する送信先に、ステップS804で構成したレコメンド情報を送信する。
【0266】
(ステップS807)販売支援部137は、i番目の販売対象がウェブサイトへの掲載の対象であるか否かを判断する。掲載の対象である場合はステップS808に行き、掲載の対象でない場合はステップS810に行く。
【0267】
なお、販売支援部137は、すべての販売対象がウェブサイトへの掲載の対象であると判断しても良いし、販売対象の水産資源の水産資源識別子が、ウェブサイトへの掲載の対象として格納部11に格納されている情報である場合にウェブサイトへの掲載の対象であると判断しても良い。つまり、ウェブサイトへの掲載の対象であると判断するための条件は問わない。
【0268】
(ステップS808)販売支援部137は、i番目の販売対象の掲載に用いる1以上の情報を、i番目の販売対象に対応する1以上の仕様情報等から取得する。販売支援部137は、当該1以上の情報を用いて、掲載する情報を構成する。
【0269】
(ステップS809)販売支援部137は、ステップS808で構成した掲載する情報を用いて、ウェブページ掲載処理を行う。なお、ウェブサイトへの掲載のための処理は、公知技術である。
【0270】
(ステップS810)販売支援部137は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS802に戻る。
【0271】
次に、ステップS318のレポート送信処理の例について、
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0272】
(ステップS901)レポート構成部138は、カウンタiに1を代入する。
【0273】
(ステップS902)レポート構成部138は、i番目のレポートの対象が存在するか否かを判断する。i番目のレポートの対象が存在する場合はステップS903に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0274】
(ステップS903)レポート構成部138は、i番目のレポートに用いる1以上の情報を取得する。なお、1以上の情報は、例えば、1以上の仕様情報、1以上の付加情報、1以上の育成原料情報、1以上の作業情報のうちの情報である。
【0275】
(ステップS904)レポート構成部138は、ステップS903で取得した1以上の情報を用いて、レポートを構成する。
【0276】
(ステップS905)レポート出力部143は、i番目のレポートを送信する先を識別する1以上の送信先識別子を格納部11から取得する。
【0277】
(ステップS906)レポート出力部143は、ステップS904で構成されたレポートを、ステップS905で取得された1以上の各送信先識別子で識別される送信先に送信する。
【0278】
(ステップS907)レポート構成部138は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS902に戻る。
【0279】
次に、元情報を取得する元情報生産装置3について説明する。
図10は、元情報生産装置3のブロック図である。なお、育成支援システムAは、元情報生産装置3を具備しても良い。
【0280】
元情報生産装置3は、教師データ格納部31、生成情報格納部32、元情報取得部33、元情報蓄積部34を有する。
【0281】
教師データ格納部31には、2以上の教師データが格納され得る。教師データは、元情報を構成する元になる情報である。
【0282】
教師データは、1以上の説明変数の値と、1以上の目的変数の値とを有するデータである。教師データを構成する説明変数の値は、例えば、1以上の仕様情報を用いて取得される情報、1以上の付加情報を用いて取得される情報である。教師データを構成する説明変数の値は、例えば、1以上の仕様情報と1以上の付加情報のうちの一の情報でも良い。教師データを構成する説明変数の値は、評価情報を含んでも良い。また、教師データを構成する目的変数の値は、例えば、1以上の育成原料情報、1以上の作業情報のうちの1または2種類以上 の情報である。教師データを構成する目的変数の値は、評価情報を含んでも良い。評価情報とは、ユーザの評価を特定する情報であり、例えば、育成原料情報に対する評価の情報、作業情報に対する評価の情報である。評価情報は、例えば、5段階評価の中の一の数値、ABCの3段階評価の中のいずれかの文字、100点満点での評価の値であるが、評価情報の範囲、記載等は問わない。
【0283】
生成情報格納部32には、1以上の生成情報が格納される。生成情報は、元情報を生成するための情報である。生成情報は、特定情報を有する。特定情報は、元情報を用いて取得される育成原料情報を特定する情報、または元情報を用いて取得される作業情報を特定する情報である。生成情報は、元情報の種類を特定する種類情報を有しても良い。種類情報は、例えば、「学習器」「演算式」「対応表」のいずれかである。生成情報は、元情報を取得する際のアルゴリズムを特定するアルゴリズム情報を有しても良い。アルゴリズム情報は、モジュールを特定する情報でも良い。生成情報は、元情報を取得する際に使用する仕様情報を特定する仕様情報特定情報を有しても良い。
【0284】
なお、教師データ格納部31、生成情報格納部32に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が教師データ格納部31等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が教師データ格納部31等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が教師データ格納部31等で記憶されるようになってもよい。
【0285】
教師データ格納部31、生成情報格納部32は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0286】
元情報取得部33は、教師データ格納部31の2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データを用いて、元情報を取得する。また、元情報取得部33が元情報を取得するトリガーは問わない。例えば、元情報生産装置3が元情報の作成指示を受け付けた場合に、元情報取得部33が元情報を取得しても良いし、教師データが閾値以上になった場合に元情報を取得しても良い。
【0287】
元情報取得部33は、例えば、2以上の教師データを用いて、特定情報が特定する育成原料情報または作業情報を取得するための元情報を取得する。元情報取得部33は、例えば、アルゴリズム情報により特定されるアルゴリズムにより、2以上の各教師データの中の1以上の仕様情報であり、仕様情報特定情報により特定される1以上の仕様情報を用いて、特定情報が特定する育成原料情報または作業情報を取得するための元情報であり、種類情報により特定される種類の元情報を取得する。
【0288】
以下、元情報が学習器、対応表、演算式の各々の場合について、元情報取得部33の動作について説明する。なお、元情報取得部33は、学習器、対応表、演算式のうち、2種類以上の元情報を取得しても良い。
(1)元情報が学習器である場合
【0289】
元情報取得部33は、教師データ格納部31の2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データに対して、機械学習の学習処理を行い、学習器を取得する。さらに具体的には、元情報取得部33は、教師データ格納部31の2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データを、機械学習の学習処理を行うモジュールに与え、当該モジュールを実行し、学習器を取得する。なお、上述した通り、機械学習の学習処理のアルゴリズムや、使用するモジュールは問わない。また、教師データを構成する情報は、学習器に応じて異なっても良い。元情報取得部33は、取得する育成原料情報に応じて、異なる学習器を取得しても良い。
【0290】
元情報取得部33は、ユーザの1以上の属性値の2以上の各条件ごとに、当該条件に合致するユーザの評価情報に対応する教師データのみを取得し、当該取得した教師データのみを用いて、条件ごとに学習器を取得しても良い。
(2)元情報が対応表である場合
【0291】
元情報取得部33は、教師データ格納部31の2以上の各教師データを対応情報とする対応表を構成する。対応情報は、2以上の各説明変数の値を要素とするベクトルと、1または2以上の目的変数の値の組とを対応付ける情報である。対応情報は、例えば、2以上の各説明変数の値を要素とするベクトルと、1以上の目的変数の値の組とを有する情報である。なお、元情報取得部33は、取得する育成原料情報に応じて、異なる対応表を取得しても良い。
(3)元情報が演算式である場合
【0292】
元情報取得部33は、教師データ格納部31の2以上の各教師データが有する1以上の説明変数の値(例えば、水産資源のサイズ、購入量)を入力とし、2以上の各教師データが有する目的変数の値(例えば、餌の量)を出力する演算式を取得する。元情報取得部33は、例えば、線形回帰分析または非線形回帰分析により、演算式を取得する。
【0293】
元情報取得部33は、2以上の各目的変数ごとに、異なる演算式を取得することは好適である。元情報取得部33は、2以上の各目的変数ごとに、異なる1以上の説明変数の値を用いて、異なる演算式を取得しても良い。
【0294】
なお、元情報取得部33は、教師データ格納部31の2以上の各教師データを用いて、協調フィルタリングのために使用するための情報を取得しても良い。かかる情報は、例えば、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが選択した育成原料情報との集合、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが入力した1以上の仕様情報と当該ユーザが選択した育成原料情報との集合、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが選択した作業情報との集合、ユーザの1以上の属性値と当該ユーザが入力した1以上の仕様情報と当該ユーザが選択した作業情報との集合である。
【0295】
元情報蓄積部34は、元情報取得部33が取得した元情報を蓄積する。元情報蓄積部34は、例えば、1以上の説明変数または/および1以上の目的変数に対応付けて、元情報を蓄積する。元情報の蓄積先は問わない。元情報蓄積部34は、例えば、教師データ格納部31または育成支援装置1の元情報格納部111に元情報を蓄積する。
【0296】
元情報取得部33、元情報蓄積部34は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。元情報取得部33等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0297】
以下、本実施の形態における育成支援システムAの具体的な動作例について説明する。まず、元情報生産装置3の動作例について説明する。
【0298】
元情報生産装置3の教師データ格納部31には、
図11に示す多数の教師データを管理する教師データ管理表が格納されている。教師データ管理表は、「ID」と教師データとを有する。「ID」は、教師データ管理表のレコードを識別する情報である。教師データは、「仕様情報」「育成原料情報」「作業情報」を有する。教師データ管理表には、X(例えば、1万レコード)の教師データが格納されている。教師データは、ここでは、1以上の仕様情報と1以上の育成原料情報と1以上の作業情報とを有する。
【0299】
また、元情報生産装置3の生成情報格納部32には、
図12に示す生成情報管理表が格納されている。生成情報管理表は、「ID」「特定情報」「種類情報」「アルゴリズム情報」「仕様情報特定情報」を有する1以上のレコードを管理する。「ID」は、レコードを識別する情報である。
【0300】
かかる状況において、元情報生産装置3の動作例について、以下の3つの例を説明する。
【0301】
(具体例1)
元情報取得部33は、
図12の生成情報管理表の「ID=1」のレコードを参照し、給餌パターン識別子を取得するための元情報を以下のように取得する。つまり、元情報取得部33は、「種類情報=学習器」「アルゴリズム情報=深層学習」「仕様情報特定情報=品質面情報」を生成情報管理表から読み出し、
図11に示す教師データの各レコードから品質面情報に含まれる各属性値を説明変数として取得する。また、元情報取得部33は、
図11に示す教師データの各レコードから給餌パターン識別子を目的変数として取得する。次に、元情報生産装置3は、品質面情報と給餌パターン識別子との組(教師データ)を、X組構成する。次に、元情報生産装置3は、かかるX組の情報を、深層学習の学習処理を行うモジュールに与え、当該モジュールを実行し、学習器を取得する。
【0302】
次に、元情報蓄積部34は、元情報取得部33が取得した学習器を、生成情報の「ID=1」に対応付けて蓄積する。生成情報の「ID=1」に対応付けることは、特定情報「給餌パターン識別子」、「仕様情報特定情報=品質面情報」等に対応付けることである。
【0303】
(具体例2)
元情報取得部33は、生成情報管理表の「ID=2」のレコードを参照し、給餌量情報を取得するための元情報を以下のように取得する。つまり、元情報取得部33は、「種類情報=演算式」「アルゴリズム情報=線形回帰分析」「仕様情報特定情報=量仕様情報、属性仕様情報」を生成情報管理表から読み出し、
図11に示す教師データの各レコードから「量仕様情報、属性仕様情報」と、給餌量情報とを取得する。そして、元情報取得部33は、(量仕様情報,属性仕様情報、給餌量情報)の組「(A1,1kg,F1)(A2,2kg,F2)・・・(AX,3kg,FX)」を取得する。
【0304】
次に、元情報取得部33は、(量仕様情報,属性仕様情報)をパラメータとして、(給餌量情報)を出力するための演算式「給餌量情報=f(量仕様情報,属性仕様情報)」を、「(A1,1kg,F1)(A2,2kg,F2)・・・(AX,3kg,FX)」を用いて、最小二乗法により、取得する。
【0305】
次に、元情報蓄積部34は、元情報取得部33が取得した演算式「給餌量情報=f(量仕様情報,属性仕様情報)」を、生成情報の「ID=2」に対応付けて蓄積する。
【0306】
(具体例3)
元情報取得部33は、生成情報管理表の「ID=56」のレコードを参照し、餌識別子を取得するための元情報を以下のように取得する。つまり、元情報取得部33は、「種類情報=対応表」「仕様情報特定情報=仕様情報」を生成情報管理表から読み出する。次に、元情報取得部33は、
図11に示す教師データの各レコードから仕様情報と餌識別子とを取得する。そして、元情報取得部33は、教師データごとに、仕様情報を構成する各情報を要素とするベクトルと、餌識別子とを有する対応情報を構成する。次に、元情報取得部33は、X組の対応情報を有する対応表を構成する。かかる対応表の例は、
図13である。
【0307】
次に、元情報蓄積部34は、元情報取得部33が取得した
図13の対応表を、生成情報の「ID=56」に対応付けて蓄積する。
【0308】
なお、元情報生産装置3は、
図12の生成情報管理表の他の各レコードも参照し、特定情報が示す育成原料情報または作業情報を取得するための元情報を構成し、各レコードに対応付けて蓄積する。
【0309】
次に、育成支援装置1の具体的な動作例について、具体例4を用いて説明する。なお、育成支援装置1の元情報格納部111には、上記の具体例1における処理により作成された学習器、具体例2における処理により作成された演算式「給餌量情報=f(量仕様情報,属性仕様情報)」、具体例3における処理により作成された
図13の対応表等の元情報が格納されている、とする。
【0310】
また、育成支援装置1の格納部11には、
図12に示す管理表が格納されている。かかる管理表は、育成原料情報または作業情報を取得するために用いられる表である。
【0311】
(具体例4)
端末装置2のユーザは、端末装置2に対して、1以上の仕様情報と要求情報とを入力した、とする。ここでの1以上の仕様情報は、
図13の仕様情報ベクトルに変換可能な情報である、とする。仕様情報ベクトルは、1以上の各仕様情報を要素とするベクトルである。また、要求情報は、ユーザが必要な育成原料情報または作業情報を特定する情報であり、ここでは「給餌パターン識別子」「給餌量情報」「餌識別子」であった、とする。
【0312】
次に、端末装置2の端末受付部22は、1以上の仕様情報と、要求情報(「給餌パターン識別子」「給餌量情報」「餌識別子」)とを受け付ける。次に、端末処理部23は、受け付けられた1以上の仕様情報から仕様情報ベクトルを構成する。次に、端末送信部24は、当該仕様情報ベクトルと要求情報とを育成支援装置1に送信する。
【0313】
次に、育成支援装置1の仕様受付部121は、仕様情報ベクトルと要求情報(「給餌パターン識別子」「給餌量情報」「餌識別子」)とを受信する。
【0314】
次に、原料取得部132は、要求情報「給餌パターン識別子」を取得する。そして、給餌パターン識別子を取得するために、原料取得部132は、
図12の表を参照し、特定情報「給餌パターン識別子」を含むレコードにおける「種類情報=学習器」「アルゴリズム情報=深層学習」「仕様情報特定情報=品質面情報」を取得する。
【0315】
次に、原料取得部132は、「種類情報=学習器」を参照し、特定情報「給餌パターン識別子」と対になる学習器を元情報格納部111から取得する。次に、原料取得部132は、「仕様情報特定情報=品質面情報」を参照し、受信された仕様情報ベクトルから、品質面情報に対応する要素(例えば、「硬さレベル」「脂ノリレベル」)の値を取得する。次に、原料取得部132は、「アルゴリズム情報=深層学習」を参照し、品質面情報に対応する各要素の値と、学習器とを、深層学習の予測処理のモジュールに与え、当該モジュールを実行し、給餌パターン識別子「P5」を取得した、とする。
【0316】
また、原料取得部132は、要求情報「給餌量情報」を取得する。そして、給餌量情報を取得するために、原料取得部132は、
図12の表を参照し、特定情報「給餌量情報」を含むレコードにおける「種類情報=演算式」「アルゴリズム情報=線形回帰分析」「仕様情報特定情報=量仕様情報、属性仕様情報」を取得する。
【0317】
次に、原料取得部132は、「種類情報=演算式」を参照し、特定情報「給餌量情報」と対になる演算式「給餌量情報=f(量仕様情報,属性仕様情報)」を元情報格納部111から取得する。次に、原料取得部132は、「仕様情報特定情報=量仕様情報、属性仕様情報」を参照し、受信された仕様情報ベクトルから量仕様情報と属性仕様情報とを取得する。次に、原料取得部132は、演算式「給餌量情報=f(量仕様情報,属性仕様情報)」に、仕様情報ベクトルから取得した量仕様情報と属性仕様情報とを代入し、当該演算式を実行し、給餌量情報「F8」を取得した、とする。
【0318】
また、原料取得部132は、要求情報「餌識別子」を取得する。そして、餌識別子を取得するために、原料取得部132は、
図12の表を参照し、特定情報「給餌量情報」を含むレコードにおける「種類情報=対応表」「仕様情報特定情報=仕様情報」を取得する。
【0319】
次に、原料取得部132は、「仕様情報特定情報=仕様情報」を参照し、受信された仕様情報ベクトルを取得する。次に、原料取得部132は、「種類情報=対応表」を参照し、「給餌量情報」と対になる
図13の対応表から、当該取得した仕様情報ベクトルに最も距離が小さい(類似度が大きい)仕様情報ベクトルを検知する。次に、原料取得部132は、当該検知した仕様情報ベクトルと対になる餌識別子「f6」を取得した、とする。
【0320】
次に、育成原料出力部141は、取得された給餌パターン識別子「P5」、給餌量情報「F8」、餌識別子「f6」を、端末装置2に送信する。
【0321】
次に、端末装置2は、給餌パターン識別子「P5」、給餌量情報「F8」、餌識別子「f6」を受信し、出力する。
【0322】
また、発注部135は、給餌量情報「F8」、餌識別子「f6」を用いて、発注処理を行う。なお、ここでの発注処理は、例えば、餌識別子「f6」により識別される餌を、給餌量情報「F8」をパラメータとする増加関数により取得される発注量だけ、自動発注する処理である。
【0323】
また、レポート構成部138は、仕様受付部121により受信された仕様情報ベクトルが有するいずれかの要素の値と、取得された給餌パターン識別子「P5」、給餌量情報「F8」、餌識別子「f6」とを含むレポートを構成する。
【0324】
次に、レポート出力部143は、当該レポートを、端末装置2に送信する。また、レポート出力部143は、当該レポートを、格納部11に蓄積する。なお、レポートが蓄積されることにより、例えば、いつでも、いかなるユーザも、レポートを見ることができるようになる。
【0325】
次に、端末装置2は、当該レポートを受信し、出力する。
【0326】
以上、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源の育成のための育成原料情報を容易に取得できる。
【0327】
また、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源の育成のための給餌パターンの情報を容易に取得できる。
【0328】
また、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源を得るための作業情報を取得できる。
【0329】
また、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源の育成のための餌を自動発注できる。
【0330】
また、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源の育成のための餌を自動給餌できる。
【0331】
また、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源を育成した後に、当該水産資源の販売支援が可能となる。
【0332】
また、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源を育成した後に、当該水産資源の販売のレコメンドを行える。
【0333】
また、本実施の形態によれば、要求仕様に合致する水産資源を育成した後に、当該水産資源を自動的に販売するための処理を行える。
【0334】
また、本実施の形態によれば、育成した水産資源に対する評価情報を用いて、元情報を変更できる。
【0335】
また、本実施の形態によれば、仕様情報または育成原料情報を用いた水産資源の育成に関するレポートが作成できる。
【0336】
また、本実施の形態によれば、付加情報にも基づいて、適切な育成原料情報を容易に取得できる。
【0337】
さらに、本実施の形態によれば、必須の要求仕様と必須ではない要求仕様の両方を考慮して、適切な育成原料情報を容易に取得できる。
【0338】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における育成支援装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、水産資源の品質または生育コストまたは生産量のうちの要求仕様を特定する1以上の仕様情報を用いて、当該水産資源を育成する際に使用される育成原料に関する1以上の育成原料情報を取得する元になる元情報が格納される元情報格納部にアクセス可能なコンピュータを、水産資源に対する1以上の仕様情報を受け付ける仕様受付部と、前記仕様受付部が受け付けた1以上の仕様情報と前記元情報とを用いて、1以上の育成原料情報を取得する原料取得部と、前記原料取得部が取得した1以上の育成原料情報を出力する育成原料出力部として機能させるためのプログラムである。
【0339】
また、本実施の形態における元情報生産装置3を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、2以上の教師データが格納される教師データ格納部にアクセス可能なコンピュータを、前記教師データ格納部の2以上の教師データを取得し、当該2以上の教師データを用いて、元情報を取得する元情報取得部と、前記元情報取得部が取得した元情報を蓄積する元情報蓄積部として機能させるためのプログラムである。
【0340】
また、
図14は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の育成支援装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図14は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図15は、システム300のブロック図である。
【0341】
図14において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0342】
図15において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0343】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の育成支援装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0344】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の育成支援装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0345】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0346】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0347】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0348】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0349】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0350】
以上のように、本発明にかかる育成支援装置1は、要求仕様に合致する水産資源の育成のための育成原料情報を容易に取得できるという効果を有し、育成支援を行うサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0351】
1 育成支援装置
2 端末装置
3 元情報生産装置
11 格納部
12 受付部
13 処理部
14 出力部
21 端末格納部
22 端末受付部
23 端末処理部
24 端末送信部
25 端末受信部
26 端末出力部
31 教師データ格納部
32 生成情報格納部
33 元情報取得部
34 元情報蓄積部
111 元情報格納部
121 仕様受付部
122 評価受付部
131 付加情報取得部
132 原料取得部
133 作業情報取得部
134 改善部
135 発注部
136 給餌部
137 販売支援部
138 レポート構成部
141 育成原料出力部
142 作業情報出力部
143 レポート出力部