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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028377
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20230224BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
H04N1/00 567M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134044
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】角田 裕俊
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB30
5C062AB32
5C062AC02
5C062AC65
5C062AD01
5C062AD06
5C062BA01
5C072AA01
5C072BA01
5C072CA05
5C072CA09
5C072DA02
5C072DA21
5C072DA25
5C072EA05
5C072EA06
5C072EA07
5C072LA15
5C072NA01
5C072RA01
5C072RA16
5C072WA02
(57)【要約】
【課題】撮像部と対向して移動可能に配置されたユニットに裏当てが設けられた媒体搬送装置において、装置サイズをより小さくすることを可能とする。
【解決手段】媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送部と、第1ユニットと、第1ユニットと対向して配置された第2ユニットと、第1ユニットに設けられ、且つ、搬送部によって搬送された媒体を撮像する撮像部と、対向面を有し、且つ、対向面が撮像部と対向する対向位置と、対向面が対向位置から外れた非対向位置との間で回転可能に、第2ユニットに設けられた裏当てと、第2ユニットが媒体搬送面と直交する方向に移動するように、第2ユニットを媒体搬送面と直交する方向にスライド移動可能に案内する案内部と、裏当てを回転可能に支持する支持部と、を有し、支持部は、案内部内に配置される。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送部と、
第1ユニットと、
前記第1ユニットと対向して配置された第2ユニットと、
前記第1ユニットに設けられ、且つ、前記搬送部によって搬送された媒体を撮像する撮像部と、
対向面を有し、且つ、前記対向面が前記撮像部と対向する対向位置と、前記対向面が前記対向位置から外れた非対向位置との間で回転可能に、前記第2ユニットに設けられた裏当てと、
前記第2ユニットが媒体搬送面と直交する方向に移動するように、前記第2ユニットを媒体搬送面と直交する方向にスライド移動可能に案内する案内部と、
前記裏当てを回転可能に支持する支持部と、を有し、
前記支持部は、前記案内部内に配置される、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第2ユニットの媒体搬送方向と直交する方向の一端に設けられ、内部に前記支持部が配置され、且つ、前記案内部により案内される第1係合部と、
前記第2ユニットの媒体搬送方向と直交する方向の他端に設けられた第2係合部と、
前記第2係合部を媒体搬送面と直交する方向にスライド移動可能に支持する第2案内部と、をさらに有し、
前記第2係合部の上端と下端の間の距離は、前記第1係合部の上端と下端の間の距離より大きくなるように設定される、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第2ユニットに設けられ、内部に前記支持部が配置され、且つ、前記案内部により案内される第3係合部と、
前記第2ユニットに、且つ、前記第3係合部の上方又は下方に設けられ、前記案内部により案内される第4係合部と、をさらに有する請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記第2ユニットに設けられ、内部に前記支持部が配置され、且つ、前記案内部により案内される係合部をさらに有し、
前記係合部は、媒体搬送面と直交する方向の長さが媒体搬送方向の長さより長くなるように設けられる、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第2ユニットに設けられ、内部に前記支持部が配置され、且つ、前記案内部により案内される係合部をさらに有し、
前記係合部は、媒体搬送方向において、前記第2ユニットの下流側の端部より上流側の端部に近い位置に配置される、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置に関し、特に、媒体を搬送して撮像する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体を搬送しながら撮像するスキャナ装置等の媒体搬送装置では、様々な厚さの媒体を良好に撮像することが求められている。そのために、媒体を撮像する撮像部と対向して配置されたユニットが、媒体の厚さに応じて移動可能に配置された媒体搬送装置が開発されている。一般に、このような媒体搬送装置では撮像部と対向して配置されたユニットに裏当てが設けられ、媒体搬送装置は、裏当ての位置を切り替えることにより、媒体の背景色を白色又は黒色に変更する機能を有している。
【0003】
原稿を撮像する撮像部と、白色を有する対向面を有する裏当てと、を有する画像読取装置が開示されている(特許文献1を参照)。この画像読取装置は、裏当てを、対向面を撮像部と対向させて撮像部が白基準画像を取得可能な対向位置と、対向面を対向位置から外して撮像部が黒基準画像を取得可能な非対向位置との間で切り替える。
【0004】
搬送路に沿って装着されるセンサケース内で原稿の搬送方向に移動可能に設けられ、原稿の一方面を読み取る読取センサと、搬送路を挟んで読取センサに対向して設けられた背景部材と、を有する画像読取装置が開示されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-98614号公報
【特許文献2】特開2017-98717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
撮像部と対向して移動可能に配置されたユニットに裏当てが設けられた媒体搬送装置において、装置サイズをより小さくすることが望まれている。
【0007】
本発明の目的は、撮像部と対向して移動可能に配置されたユニットに裏当てが設けられた媒体搬送装置において、装置サイズをより小さくすることを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体を搬送する搬送部と、第1ユニットと、第1ユニットと対向して配置された第2ユニットと、第1ユニットに設けられ、且つ、搬送部によって搬送された媒体を撮像する撮像部と、対向面を有し、且つ、対向面が撮像部と対向する対向位置と、対向面が対向位置から外れた非対向位置との間で回転可能に、第2ユニットに設けられた裏当てと、第2ユニットが媒体搬送面と直交する方向に移動するように、第2ユニットを媒体搬送面と直交する方向にスライド移動可能に案内する案内部と、裏当てを回転可能に支持する支持部と、を有し、支持部は、案内部内に配置される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮像部と対向して移動可能に配置されたユニットに裏当てが設けられた媒体搬送装置において、装置サイズをより小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3】撮像ユニット116について説明するための模式図である。
図4】撮像ユニット116について説明するための模式図である。
図5】(A)、(B)は、第2裏当て部材124bについて説明するための模式図である。
図6】第2支持部材133等について説明するための模式図である。
図7】第3支持部材136等について説明するための模式図である。
図8】第2カム部材134等について説明するための模式図である。
図9】第2カム部材134等について説明するための模式図である。
図10】第2撮像ユニット116b等について説明するための模式図である。
図11】第2撮像ユニット116bについて説明するための模式図である。
図12】第2カム部材134の動作について説明するための模式図である。
図13】第2カム部材134の動作について説明するための模式図である。
図14】第1案内部材102bについて説明するための模式図である。
図15】第2案内部材102cについて説明するための模式図である。
図16】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図17】記憶装置160及び処理回路170の概略構成を示す図である。
図18】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図19】他の第2撮像ユニット216bについて説明するための模式図である。
図20】他の第2撮像ユニット316bについて説明するための模式図である。
図21】他の第2撮像ユニット416bについて説明するための模式図である。
図22】他の処理回路570の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0012】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、プラスチックカード、パスポート又は冊子等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
【0013】
媒体搬送装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。図1において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は媒体搬送方向A1と直交する幅方向を示し、矢印A3は媒体搬送面と直交する高さ方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0014】
上側筐体102は、媒体搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、下側筐体101に係合している。載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。なお、排出台104は、上側筐体102に係合していてもよい。
【0015】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0016】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0017】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、撮像ユニット116、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118等を有している。給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117又は第2排出ローラ118は、媒体を搬送する搬送部の一例である。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。
【0018】
下側筐体101の上面は媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。下側ガイド101a又は上側ガイド102aは、媒体を搬送する媒体搬送面を形成する。
【0019】
媒体センサ111は、給送ローラ112及び分離ローラ113より上流側に配置される。媒体センサ111は、接触検出センサを有し、載置台103に媒体が載置されているか否かを検出する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0020】
給送ローラ112は、下側筐体101に設けられ、載置台103に載置された媒体を下側から順に分離して給送する。分離ローラ113は、いわゆるブレーキローラ又はリタードローラであり、上側筐体102に設けられ、給送ローラ112と対向して配置され、媒体給送方向の反対方向に回転する。
【0021】
第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、給送ローラ112及び分離ローラ113より下流側且つ撮像ユニット116より上流側に設けられる。第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115は、それぞれ上側筐体102及び下側筐体101に相互に対向して設けられ、給送ローラ112及び分離ローラ113によって給送された媒体を撮像ユニット116に搬送する。
【0022】
撮像ユニット116は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115より下流側且つ第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118より上流側に配置される。撮像ユニット116は、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像ユニット116a、第2撮像ユニット116b及び撮像ユニットガイド116cを含む。
【0023】
第1撮像ユニット116aは、第1ユニットの一例であり、下側筐体101に設けられる。第2撮像ユニット116bは、第2ユニットの一例であり、上側筐体102に、第1撮像ユニット116aと対向して配置される。撮像ユニットガイド116cは、第2撮像ユニット116bの上流側の外側に設けられる。撮像ユニットガイド116cは、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115により搬送された媒体の先端を第1撮像ユニット116aと第2撮像ユニット116bの間に案内する。
【0024】
第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118は、撮像ユニット116より下流側に設けられる。第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118は、それぞれ上側筐体102及び下側筐体101に相互に対向して設けられ、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115により搬送され、撮像ユニット116により撮像された媒体を排出台104に排出する。
【0025】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ112が図2の矢印A4の方向に回転することによって、下側ガイド101aと上側ガイド102aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。分離ローラ113は、媒体給送時、矢印A5の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ112及び分離ローラ113の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ112と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0026】
媒体は、下側ガイド101aと上側ガイド102aによりガイドされながら、第1搬送ローラ114と第2搬送ローラ115の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115がそれぞれ矢印A6及び矢印A7の方向に回転することによって、第1撮像ユニット116aと第2撮像ユニット116bの間に送り込まれる。第1撮像ユニット116a及び第2撮像ユニット116bにより読み取られた媒体は、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118がそれぞれ矢印A8及び矢印A9の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0027】
図3及び図4は、撮像ユニット116について説明するための模式図である。
【0028】
図3及び図4に示すように、第1撮像ユニット116aには、第1光透過部材121a、第1光源122a、第1撮像センサ123a、第1裏当て部材124a及び第1壁部材125a等が設けられる。第2撮像ユニット116bには、第2光透過部材121b、第2光源122b、第2撮像センサ123b、第2裏当て部材124b及び第2壁部材125b等が設けられる。
【0029】
第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bは、透明のガラスにより形成される。なお、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bは、透明のプラスチック等により形成されてもよい。第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bは、媒体搬送面を形成する。
【0030】
第1光源122aは、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第2裏当て部材124bの反対側に設けられる。第1光源122aは、LED(Light Emitting Diode)を有する。第1光源122aは、撮像ユニット116の位置に搬送された媒体の表面(媒体が搬送されていない場合は対向する第2撮像ユニット116bの第2裏当て部材124b又は第2壁部材125b)に向けて光を照射する。
【0031】
同様に、第2光源122bは、第2光透過部材121b及び第1光透過部材121aを挟んで第1裏当て部材124aの反対側に設けられる。第2光源122bは、LEDを有する。第2光源122bは、撮像ユニット116の位置に搬送された媒体の裏面(媒体が搬送されていない場合は対向する第1撮像ユニット116aの第1裏当て部材124a又は第1壁部材125a)に向けて光を照射する。
【0032】
第1撮像センサ123aは、撮像部の一例であり、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第2裏当て部材124bの反対側に設けられる。第1撮像センサ123aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像センサ123aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像センサ123aは、撮像位置L1において、搬送部によって搬送された媒体の表面及び媒体の周囲を撮像した入力画像を生成して出力する。また、第1撮像センサ123aは、媒体が搬送されていない場合、第2裏当て部材124bを撮像した基準画像を生成して出力する。
【0033】
同様に、第2撮像センサ123bは、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを挟んで第1裏当て部材124aの反対側に設けられる。第2撮像センサ123bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像センサ123bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル変換するA/D変換器とを有する。第2撮像センサ123bは、撮像位置L2において、搬送部によって搬送された媒体の裏面及び媒体の周囲を撮像した入力画像を生成して出力する。また、第2撮像センサ123bは、媒体が搬送されていない場合、第1裏当て部材124aを撮像した基準画像を生成して出力する。
【0034】
なお、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。また、第2光源122b、第2撮像センサ123b、第1裏当て部材124a及び第1壁部材125aのセットは省略されてもよい。
【0035】
第1裏当て部材124aは、第1光透過部材121aの下方に且つ第2光源122b及び第2撮像センサ123bと対向する位置に設けられる。第1裏当て部材124aは、第2撮像センサ123bと対向する第1対向面126aを有する。第1対向面126aは、例えば白色を有し、第1対向面126aが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。なお、第1対向面126aは、黒色以外の色を有していればよく、白色以外の色を有していてもよい。第1裏当て部材124aは、第1回転軸127aを中心として回転可能に支持され、後述する第1モータからの駆動力によって回転する。第1裏当て部材124aは、第1対向面126aが第2撮像センサ123bと対向する対向位置(図3に示す位置)と、第1対向面126aが対向位置から外れた非対向位置(図4に示す位置)との間で回転可能に設けられる。
【0036】
第2裏当て部材124bは、裏当ての一例であり、第2光透過部材121bの上方に且つ第1光源122a及び第1撮像センサ123aと対向する位置に設けられる。第2裏当て部材124bは、第1撮像センサ123aと対向する第2対向面126bを有している。第2対向面126bは、対向面の一例であり、例えば白色を有し、第2対向面126bが撮像された画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行うための白基準部材として機能する。なお、第2対向面126bは、黒色以外の色を有していればよく、白色以外の色を有していてもよい。第2裏当て部材124bは、第2回転軸127bを中心として回転可能に支持され、第1モータからの駆動力によって回転する。第2裏当て部材124bは、第2対向面126bが第1撮像センサ123aと対向する対向位置(図3に示す位置)と、第2対向面126bが対向位置から外れた非対向位置(図4に示す位置)との間で回転可能に設けられる。
【0037】
第1壁部材125aは、第1裏当て部材124aが非対向位置に配置されたときに、第2撮像センサ123bと対向する位置に設けられる。第1壁部材125aの第2撮像センサ123bと対向する面は、黒色等の第1対向面126aと異なる色を有する。
【0038】
同様に、第2壁部材125bは、第2裏当て部材124bが非対向位置に配置されたときに、第1撮像センサ123aと対向する位置に設けられる。第2壁部材125bの第1撮像センサ123aと対向する面は、黒色等の第2対向面126bと異なる色を有する。
【0039】
以下では、第1光透過部材121a及び第2光透過部材121bを総じて光透過部材121と称する場合がある。また、第1光源122a及び第2光源122bを総じて光源122と称する場合がある。第1撮像センサ123a及び第2撮像センサ123bを総じて撮像センサ123と称する場合がある。また、第1裏当て部材124a及び第2裏当て部材124bを総じて裏当て部材124と称する場合がある。また、第1壁部材125a及び第2壁部材125bを総じて壁部材125と称する場合がある。また、第1対向面126a及び第2対向面126bを総じて対向面126と称する場合がある。
【0040】
図3に示すように裏当て部材124が対向位置に配置された場合、光源122から放射された光は、媒体が存在しない領域において、裏当て部材124の対向面126で反射し、撮像センサ123に結像する。この際に生成される画像信号に基づく画像において、媒体が存在しない領域に対応する画素は白色を有する。一方、図4に示すように裏当て部材124が非対向位置に配置された場合、光源122から放射された光は、壁部材125で反射し、撮像センサ123に結像する。この際に生成される画像信号に基づく画像において、媒体が存在しない領域に対応する画素は黒色を有する。
【0041】
図5(A)、(B)は、第2裏当て部材124bについて説明するための模式図である。図5(A)は、第2裏当て部材124bの斜視図であり、図5(B)は、第2裏当て部材124bの分解図である。
【0042】
図5(A)、(B)に示すように、第2裏当て部材124bは、板部材131、シート部材132、第2支持部材133、第2カム部材134、ばね部材135及び第3支持部材136等を有する。
【0043】
板部材131は、幅方向A2から見た断面が凹形を有し、且つ、幅方向A2に沿って延伸するように設けられた板状の部材である。
【0044】
シート部材132は、一方の面が第2対向面126bを有し、他方の面が接着面を有するシールであり、幅方向A2に沿って延伸するように設けられる。シート部材132の接着面が板部材131の底面に貼り付けられることにより、板部材131の底面に第2対向面126bが設けられる。
【0045】
第2支持部材133は、幅方向A2において板部材131の一方の端部に取り付けられ、板部材131を回転可能に支持する。これにより、第2支持部材133は、第2裏当て部材124bを回転可能に支持する。
【0046】
第2カム部材134は、後述する第1モータからの駆動力によって回転するように設けられる。第2カム部材134は、第2カム部材134の回転に伴って第2支持部材133が回転するように、第2支持部材133に取り付けられる。第2支持部材133及び第2カム部材134は、支持部の一例である。
【0047】
ばね部材135は、ねじリコイルばね等である。ばね部材135は、一端が上側筐体102に、他端が第2カム部材134に取り付けられ、第2カム部材134に対して、第1モータからの駆動力によって回転する方向と反対方向に回転する力を加える。
【0048】
第3支持部材136は、第2支持部の一例である。第3支持部材136は、板部材131の幅方向A2における第2支持部材133と反対側の端部に取り付けられ、板部材131を支持する。
【0049】
図6は、板部材131及び第2支持部材133について説明するための模式図である。図6は、板部材131及び第2支持部材133を第2支持部材133側から見た斜視図である。
【0050】
図6に示すように、板部材131は、第1凹部131a及び第1穴部131bを有する。一方、第2支持部材133は、第1突起部133a、第1爪部133b及び第1軸部133cを有する。第1突起部133aが第1凹部131aに嵌合されることにより、第2支持部材133が板部材131に対して位置決めされ、第1爪部133bが第1穴部131bに係合されることにより、第2支持部材133が板部材131に取り付けられる。第1軸部133cには、後述する第2カム部材134の軸部が嵌合される。
【0051】
図7は、板部材131及び第3支持部材136について説明するための模式図である。図7は、板部材131及び第3支持部材136を第3支持部材136側から見た斜視図である。
【0052】
図7に示すように、板部材131は、第2凹部131c及び第2穴部131dをさらに有する。一方、第3支持部材136は、第2突起部136a、第2爪部136b及び第2軸部136cを有する。第2突起部136aが第2凹部131cに嵌合されることにより、第3支持部材136が板部材131に対して位置決めされ、第2爪部136bが第2穴部131dに係合されることにより、第3支持部材136が板部材131に取り付けられる。第2軸部136cは、第2支持部材133の第1軸部133cと同軸上に設けられ、第2撮像ユニット116bの幅方向A2における第3支持部材136側の端部に形成された穴部に係合される。
【0053】
図8及び図9は、第2撮像ユニット116b及び第2カム部材134について説明するための模式図である。図8は、第2撮像ユニット116b及び第2カム部材134を第2支持部材133側から見た斜視図であり、図9は、第2撮像ユニット116b及び第2カム部材134の分解図である。
【0054】
図8及び図9に示すように、第2撮像ユニット116bは、突起部116d及び第1係合部材116e等を有する。
【0055】
突起部116dは、第2撮像ユニット116bの幅方向A2における一方の端部(第2支持部材133側の端部)に設けられる。突起部116dの内側には幅方向A2にわたって第2撮像ユニット116bの壁部を貫通する貫通孔が形成される。第2支持部材133は、第1軸部133cが突起部116dの貫通孔と対向するように配置される。
【0056】
第1係合部材116eは、第1係合部及び係合部の一例であり、プラスチック部材等の摺動性が高い部材で形成され、突起部116dを覆うように、突起部116dの外周面に係合される。第1係合部材116eは、後述する第1案内部材に対して摺動するように設けられる。第1係合部材116eが第2撮像ユニット116bと別個の部材で形成されることにより、媒体搬送装置100は、第1係合部材116eが第1案内部材との間の摩擦によって損傷した場合でも、部品交換によって安価に復旧可能となる。なお、第1係合部材116eは、第2撮像ユニット116bと一体の部材で形成されてもよい。
【0057】
第2カム部材134は、回転部134a、第3軸部134b及び嵌合部134c等を有する。回転部134aは、第3軸部134bの幅方向A2における一方の端部(外側の端部)に取り付けられ、第3軸部134bを中心として回転可能に設けられる。嵌合部134cは、第3軸部134bの幅方向A2における他方の端部(内側の端部)に形成され、第2支持部材133の第1軸部133cと嵌合する形状を有する。嵌合部134cは、第1係合部材116e及び突起部116dの内側を通って第2支持部材133の第1軸部133cと嵌合される。これにより、第1係合部材116eの内部に第2カム部材134の第3軸部134bが配置され、第2裏当て部材124bは第2カム部材134の回転に伴って回転するように設けられる。
【0058】
図10は、第2撮像ユニット116b及び第3支持部材136について説明するための模式図である。図10は、第2撮像ユニット116bを第3支持部材136側から見た斜視図である。
【0059】
図10に示すように、第2撮像ユニット116bは、第3穴部116f及び第2係合部材116g等をさらに有する。
【0060】
第3穴部116fは、第2撮像ユニット116bの幅方向A2における第2支持部材133側の端部と反対側の端部(第3支持部材136側の端部)に設けられる。第3穴部116fに第3支持部材136の第2軸部136cが係合されることにより、第2撮像ユニット116bは、第3支持部材136を回転可能に支持する。
【0061】
第2係合部材116gは、第2係合部の一例であり、角に丸みを有する矩形形状を有するボスである。第2係合部材116gは、矩形形状を有することにより、折れの発生を抑制することが可能となる。なお、第2係合部材116gは、円形状を有してもよい。第2係合部材116gは、プラスチック部材等の摺動性が高い部材で形成される。第2係合部材116gは、第2撮像ユニット116bの幅方向A2における第2支持部材133側の端部と反対側の端部(第3支持部材136側の端部)に設けられる。即ち、第1係合部材116eは、第2撮像ユニット116bの媒体搬送方向と直交する幅方向A2の一端に設けられ、第2係合部材116gは、第2撮像ユニット116bの媒体搬送方向と直交する幅方向A2の他端に設けられる。
【0062】
図10に示す例では、二つの第2係合部材116gが媒体搬送面と直交する高さ方向A3に間隔を空けて並べて配置される。上側に配置された第2係合部材116gの上端と下側に配置された第2係合部材116gの下端の間の距離は、第1係合部材116eの上端と下端の間の距離より大きくなるように設定される。なお、第2係合部材として、一つの第2係合部材のみが配置されてもよい。その場合、その一つの第2係合部材の上端と下端の間の距離は、第1係合部材116eの上端と下端の間の距離より大きくなるように設定される。また、第2係合部材として、三つ以上の第2係合部材が配置されてもよい。その場合、最も上側に配置された第2係合部材の上端と最も下側に配置された第2係合部材の下端の間の距離は、第1係合部材116eの上端と下端の間の距離より大きくなるように設定される。
【0063】
第2係合部材116gは、後述する第2案内部材に対して摺動するように設けられる。第2係合部材116gが第2撮像ユニット116bと別個の部材で形成されることにより、媒体搬送装置100は、第2係合部材116gが第2案内部材との間の摩擦によって損傷した場合でも、部品交換によって安価に復旧可能となる。なお、第2係合部材116gは、第2撮像ユニット116bと一体の部材で形成されてもよい。
【0064】
図11は、第2撮像ユニット116bについて説明するための模式図である。図11は、第2撮像ユニット116b全体の斜視図である。
【0065】
図11に示すように、第2撮像ユニット116bは、弾性部材116hをさらに有する。弾性部材116hは、圧縮コイルばね等のばね部材であり、一端が第2撮像ユニット116bの上面に取り付けられ、他端が上側筐体102に支持されるように設けられる。第2撮像ユニット116bは、弾性部材116hにより第1撮像ユニット116a側に向かう方向に付勢されている。なお、弾性部材116hは、板ばね等の他のばね部材、又は、ゴム部材でもよい。
【0066】
第2撮像ユニット116bは、搬送される媒体の厚さによって高さ方向A3に移動する、いわゆるオートギャップ機構を有する。第2撮像ユニット116bは、弾性部材116hにより、第2撮像ユニット116bと第1撮像ユニット116aの間の距離が十分に小さくなるように配置される。これにより、PPC用紙又は薄紙等の薄い媒体が搬送される場合、撮像位置において媒体から撮像センサ123までの距離は一定となる。したがって、被写界深度が浅い等倍光学系タイプのCISが用いられる場合でも、ピントずれの発生が抑制され、撮像センサ123は、安定した画像を取得することができる。一方、厚紙、冊子又はパスポートのように、第2撮像ユニット116bと第1撮像ユニット116aの間の距離より厚い媒体が搬送される場合、第2撮像ユニット116bは、媒体の厚みによって押し上げられる。そのため、厚い媒体は、第1撮像ユニット116aと第2撮像ユニット116bの間に良好に導かれる。
【0067】
図11に示すように、第1係合部材116eは、媒体搬送方向A1において、第2撮像ユニット116bの下流側の端部P1と上流側の端部P2の中心位置P3より上流側に配置される。即ち、第1係合部材116eは、媒体搬送方向A1において、第2撮像ユニット116bの下流側の端部P1より上流側の端部P2に近い位置に配置される。
【0068】
媒体搬送装置100において、厚い媒体が高速に搬送される場合、媒体は、撮像ユニットガイド116cに勢いよく衝突し、第2撮像ユニット116bに対して、媒体搬送方向A1の下流側に向かう衝撃力を与える。媒体による衝撃力により、第2撮像ユニット116bには、上側筐体102に支持される第1係合部材116eの配置位置を中心として下流側且つ下方側に向けて揺動する揺動力が加えられる。上記したように、第2撮像ユニット116bは媒体の厚みによって押し上げられるが、この揺動力により、第2撮像ユニット116bには、上昇しながら回転する、いわゆるコジリ力が発生する。このコジリ力によって、第1係合部材116eが第1案内部材に引っ掛かり、第2撮像ユニット116bのスムーズな上昇が阻害され、媒体の搬送負荷が増大する。
【0069】
媒体搬送装置100では、第1係合部材116eが上流側に配置される。これにより、高速に搬送された厚い媒体により第2撮像ユニット116bに衝撃力が与えられた場合に、第2撮像ユニット116bに与えられる回転モーメントが低下する(第2撮像ユニット116bが揺動する揺動半径が小さくなる)。そのため、第2撮像ユニット116bに加えられる揺動力が小さくなり、第2撮像ユニット116bの上昇に対するコジリ力が小さくなる。したがって、媒体搬送装置100は、第1係合部材116eを第1案内部材に沿ってスムーズに上昇させ、媒体の搬送負荷の増大を抑制することが可能となる。したがって、媒体搬送装置100は、厚い媒体を良好に高速搬送することが可能となる。また、媒体搬送装置100は、媒体の搬送負荷の増大を抑制することにより、媒体のジャム又は入力画像内の媒体の間延び等の発生を抑制することが可能となる。さらに、媒体搬送装置100は、媒体の搬送負荷の増大を抑制することにより、搬送トルクの増大を抑制することが可能となり、消費電力の増大を抑制することが可能となる。
【0070】
なお、第1係合部材116eは、媒体搬送方向A1において、第2撮像ユニット116bの重心位置より上流側に配置されてもよい。その場合も、媒体搬送装置100は、厚い媒体を良好に高速搬送することが可能となる。
【0071】
図12及び図13は、第2カム部材134の動作について説明するための模式図である。図12及び図13は、撮像ユニット116の周辺を側方から見た模式図である。図12は、裏当て部材124が対向位置に配置された状態の撮像ユニット116を示し、図13は、裏当て部材124が非対向位置に配置された状態の撮像ユニット116を示す。
【0072】
図12及び図13に示すように、媒体搬送装置100は、第1支持部材141、第1カム部材142、第1モータ143、ギア144、第3カム部材145及びアーム部材146等をさらに有する。
【0073】
第1支持部材141は、幅方向A2において第1裏当て部材124aの一方の端部(第2支持部材133側の端部)に取り付けられ、第1裏当て部材124aを回転可能に支持する。
【0074】
第1カム部材142は、第1モータ143からの駆動力によって回転するように設けられる。第1カム部材142は、第1カム部材142の回転に伴って第1支持部材141が回転するように、第1支持部材141に取り付けられる。第1カム部材142は、アーム部材146と係合する突起部142aを有する。
【0075】
第1モータ143は、後述する処理回路からの制御信号に従って回転し、第1裏当て部材124a及び第2裏当て部材124bを回転させて非対向位置に配置させるための駆動力を発生させる。
【0076】
ギア144は、第1モータ143の回転軸に設けられたギア部143aと歯合する第1ギア部144aと、第3カム部材145と歯合する第2ギア部144bとを有し、第1モータ143からの駆動力に従って回転する。
【0077】
第3カム部材145は、ギア144の第2ギア部144bと歯合するギア部145aを有し、ギア144の回転に伴って回転する。また、第3カム部材145は、アーム部材146と係合する突起部145bを有し、ギア144の回転に伴って回転することにより、アーム部材146を高さ方向A3にスライド移動させる。
【0078】
アーム部材146は、媒体搬送方向A1に沿って延伸し且つ第3カム部材145の突起部145bと係合するレール部146aを有し、第3カム部材145の回転に伴って高さ方向A3にスライド移動する。また、アーム部材146は、上面部146bと、高さ方向A3に沿って延伸する凹部146cに設けられた底面部146dと、を有する。上面部146bは、アーム部材146の上昇に伴って上昇し、第2カム部材134の回転部134aと当接して第2カム部材134を回転させる。底面部146dは、アーム部材146の上昇に伴って上昇し、第1カム部材142の突起部142aと当接して第1カム部材142を回転させる。
【0079】
図12に示す状態では、第2カム部材134の回転部134aは、アーム部材146と当接しておらず、ばね部材135により矢印A11の方向に付勢されている。また、第1カム部材142の突起部142aは、アーム部材146の底面部146dと当接しておらず、ばね部材135と同様のばね部材により矢印A12の方向に付勢されている。この状態において、第1裏当て部材124a及び第2裏当て部材124bは、図3に示す対向位置に配置されている。
【0080】
一方、図13に示すように、第1モータ143が駆動力を発生し、第1モータ143の回転軸が矢印A13の方向に回転すると、ギア144が矢印A14の方向に回転し、第3カム部材145が矢印A15の方向に回転する。これにより、第3カム部材145の突起部145bは左上方に向かって移動し、突起部145bがレール部146aに沿って左方に移動できるように、アーム部材146は矢印A16の方向(上方)に向かって移動する。アーム部材146の上面部146bは第2カム部材134の回転部134aと当接し、第2カム部材134をばね部材135による付勢力に逆らって矢印A11の反対方向に回転させる。また、アーム部材146の底面部146dは、第1カム部材142の突起部142aと当接して第1カム部材142をばね部材による付勢力に逆らって矢印A12の反対方向に回転させる。これにより、第1裏当て部材124a及び第2裏当て部材124bは、図4に示す非対向位置に配置される。
【0081】
図14は、第1案内部材102bについて説明するための模式図である。図14は、第2撮像ユニット116bの第1係合部材116e側の端部の周辺を示す斜視図である。
【0082】
図14に示すように、上側筐体102は、第1案内部材102bを有する。第1案内部材102bは、案内部の一例であり、媒体搬送路の幅方向A2における第1係合部材116e側の端部に、媒体搬送面と直交する高さ方向A3に延伸するように形成されたレールである。第1案内部材102bには、第1係合部材116eが、第1案内部材102bに沿ってスライド移動可能に係合される。これにより、第1係合部材116eは、第1案内部材102bにより、媒体搬送面と直交する高さ方向A3に沿って案内される。第1案内部材102bは、第2撮像ユニット116bが媒体搬送面と直交する高さ方向A3に移動するように、第2撮像ユニット116bを媒体搬送面と直交する高さ方向A3にスライド移動可能に案内する。また、第1係合部材116eの内部に配置された第2カム部材134は、第1案内部材102b内に配置される。
【0083】
図15は、第2案内部材102cについて説明するための模式図である。図15は、第2撮像ユニット116bの第2係合部材116g側の端部の周辺を示す斜視図である。
【0084】
図15に示すように、上側筐体102は、第2案内部材102cをさらに有する。第2案内部材102cは、第2案内部の一例であり、媒体搬送路の幅方向A2における第2係合部材116g側の端部に、媒体搬送面と直交する高さ方向A3に延伸するように形成されたレールである。第2案内部材102cには、第2係合部材116gが、第2案内部材102cに沿ってスライド移動可能に係合される。これにより、第2案内部材102cは、第2係合部材116gを、媒体搬送面と直交する高さ方向A3にスライド移動可能に支持する。第2案内部材102cは、第2撮像ユニット116bが媒体搬送面と直交する高さ方向A3に移動するように、第2撮像ユニット116bを媒体搬送面と直交する高さ方向A3にスライド移動可能に案内する。また、第2裏当て部材124bの回転軸である第3支持部材136は、第2係合部材116g及び第2案内部材102c内に配置されない。なお、第3支持部材136は、第2係合部材116g及び第2案内部材102c内に配置されるように設けられてもよい。
【0085】
上記したように、厚い媒体が搬送される場合、第2撮像ユニット116bが媒体の厚みによって押し上げられる。これに伴い、第2カム部材134が内部に配置された第1係合部材116eは、第1案内部材102bに沿って上方にスライド移動する。即ち、第2裏当て部材124bの回転支点は、第2撮像ユニット116bのスライド移動のためのレール内に配置される。
【0086】
仮に、裏当て部材の回転支点が撮像ユニットのスライド移動のためのレール外に配置される場合、回転支点及びレールが相互に干渉し合わないように、回転支点及びレールを離間させる必要がある。撮像ユニットを良好にスライド移動させるためには、レールは、媒体搬送方向において撮像ユニットの中央位置付近に配置されることが好ましい。裏当て部材を良好に回転させるためには、裏当て部材を回転させるための支持部材及びカム部材はある程度の大きさを有する必要がある。そのため、支持部材及びカム部材と、レールとが当接しないように、回転支点は撮像ユニットの中央位置から十分に離れた位置に配置される必要があり、撮像ユニットはある程度の大きさを有する必要がある。しかしながら、撮像ユニットを大きくすると、装置サイズが大きくなるとともに、撮像ユニットを押し上げるために必要な力が大きくなるため、媒体の搬送に伴う搬送負荷が増大する。
【0087】
媒体搬送装置100では、第2裏当て部材124bの回転支点が、第2撮像ユニット116bのスライド移動のためのレール内に配置されるため、第2撮像ユニット116bを小さくすることが可能となる。これにより、媒体搬送装置100は、装置サイズをより小さくすることが可能となるとともに、媒体の搬送に伴う搬送負荷の増大を抑制し、媒体を良好に搬送することが可能となる。
【0088】
なお、第2撮像ユニット116bを安定してスライド移動させるためには、第1案内部材102bに当接して案内される第1係合部材116eの高さ方向A3におけるサイズを大きくする必要がある。しかしながら、第2裏当て部材124bを回転可能に支持する第2カム部材134の第3軸部134bは、円柱形状を有しており、第3軸部134bを覆う第1係合部材116eは円柱形状を有している。
【0089】
上記したように、媒体搬送装置100では、第2撮像ユニット116bにおいて第1係合部材116eの反対側に配置された第2係合部材116gが第2案内部材102cに沿ってスライド移動するように設けられている。第2係合部材116gの上端と下端の間の距離は、第1係合部材116eの上端と下端の間の距離より大きくなるように設定される。これにより、媒体搬送装置100は、幅方向A2において第1係合部材116eの反対側に設けられた第2係合部材116gによって、第2撮像ユニット116bを安定してスライド移動させることが可能となる。
【0090】
また、媒体搬送装置100では、第2撮像ユニット116bにおいて幅方向A2の両端に設けられた二つの係合部材のうち、一方の第2係合部材116gの高さ方向A3の長さのみを長くし、他方の第1係合部材116eの高さ方向A3の長さを短くしている。これにより、媒体搬送装置100は、第2撮像ユニット116bが幅方向A2の両方の端部において各案内部材と当接する領域の面積を小さくし、第2撮像ユニット116bと各案内部材との間の摺動負荷を低減できる。そのため、媒体搬送装置100は、第2撮像ユニット116bの樹脂成型による離型捻じれ又は寸法不良等が発生した場合でも、第2撮像ユニット116bと各案内部材との間の摺動負荷を低減できる。したがって、媒体搬送装置100は、第2撮像ユニット116bを良好にスライド移動させることが可能となる。
【0091】
図16は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0092】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、第2モータ151、インタフェース装置152、記憶装置160及び処理回路170等をさらに有する。
【0093】
第2モータ151は、一又は複数のモータを有し、処理回路170からの制御信号によって、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118を回転させて媒体を搬送させる。なお、第1搬送ローラ114及び第2搬送ローラ115のうちの一方のローラは他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。また、第1排出ローラ117及び第2排出ローラ118のうちの一方のローラは、他方のローラに従動回転する従動ローラでもよい。
【0094】
インタフェース装置152は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置152の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース装置とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。通信部は、有線LAN等の通信プロトコルに従って、有線通信回線を通じて信号の送受信を行うための有線通信インタフェース装置を有してもよい。
【0095】
記憶装置160は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置160には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置160にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0096】
処理回路170は、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路170として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0097】
処理回路170は、操作装置105、表示装置106、媒体センサ111、撮像センサ123、第1モータ143、第2モータ151、インタフェース装置152及び記憶装置160等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路170は、媒体センサ111から受信した媒体信号に基づいて、第1モータ143、第2モータ151の駆動制御、撮像センサ123の撮像制御等を行い、撮像センサ123から入力画像を取得し、インタフェース装置152を介して情報処理装置に送信する。
【0098】
図17は、記憶装置160及び処理回路170の概略構成を示す図である。
【0099】
図17に示すように、記憶装置160には、制御プログラム161及び画像取得プログラム162等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路170は、記憶装置160に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、処理回路170は、制御部171及び画像取得部172として機能する。
【0100】
図18は、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0101】
以下、図18に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置160に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路170により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0102】
最初に、制御部171は、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105又はインタフェース装置152から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0103】
次に、制御部171は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部171は、一連のステップを終了する。
【0104】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部171は、第1モータ143を制御し、裏当て部材124を対向位置に配置させる(ステップS103)。
【0105】
次に、画像取得部172は、撮像センサ123に裏当て部材124を撮像させて、撮像センサ123から基準画像を取得する(ステップS104)。
【0106】
次に、制御部171は、第1モータ143を制御し、裏当て部材124を、対向位置又は非対向位置のうち利用者により指定された指定位置に配置させる(ステップS105)。指定位置は、媒体読取処理が実行される前に、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて指定され、記憶装置160に予め設定される。媒体搬送装置100は、裏当て部材124を対向位置に配置させることにより、入力画像内の背景を白色とすることが可能となり、背景が際立っていない画像を取得することが可能となる。一方、媒体搬送装置100は、裏当て部材124を非対向位置に配置させることにより、入力画像内の背景を黒色とすることが可能となり、入力画像から白色を有する媒体をより正確にクロッピングすることが可能となる。
【0107】
次に、制御部171は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び/又は第2排出ローラ118を回転させる(ステップS106)。制御部171は、第2モータ151を駆動して、各ローラを回転させ、媒体を搬送させる。
【0108】
次に、画像取得部172は、撮像センサ123に媒体を撮像させて、撮像センサ123から入力画像を取得する(ステップS107)。
【0109】
次に、画像取得部172は、ステップS104で取得した基準画像を用いて、取得した入力画像を補正する(ステップS108)。画像取得部172は、公知の画像処理技術を利用し、基準画像を用いて入力画像に対してシェーディング補正を行う。
【0110】
次に、画像取得部172は、補正した入力画像を、インタフェース装置152を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS109)。
【0111】
次に、制御部171は、媒体センサ111から受信する媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS110)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部171は、処理をステップS107へ戻し、ステップS107~S110の処理を繰り返す。
【0112】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部171は、給送ローラ112、分離ローラ113、第1搬送ローラ114、第2搬送ローラ115、第1排出ローラ117及び/又は第2排出ローラ118を停止させる(ステップS111)。制御部171は、各ローラを停止させるように第2モータ151を制御し、一連のステップを終了する。
【0113】
以上詳述したように、媒体搬送装置100では、第2撮像ユニット116bを上下にスライド移動させるための第1係合部材116e内に第2裏当て部材124bの回転軸が配置される。これにより、媒体搬送装置100は、第2撮像ユニット116bのオートギャップ機構と第2裏当て部材124bの回転機構とを共通化することが可能となった。したがって、第1撮像センサ123aと対向して移動可能に配置された第2撮像ユニット116bに第2裏当て部材124bが設けられた媒体搬送装置100において、装置サイズをより小さくすることが可能となった。
【0114】
図19は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における第2撮像ユニット216bについて説明するための模式図である。
【0115】
図19に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第2撮像ユニット116bの代わりに第2撮像ユニット216bを有する。
【0116】
第2撮像ユニット216bは、第2撮像ユニット116bと同様の構成を有する。但し、第2撮像ユニット216bは、第1係合部材116eの代わりに第1係合部材216eを有する。第1係合部材216eは、係合部の一例であり、第1係合部材116eと同様に、第2撮像ユニット216bの幅方向A2の一端に設けられ、内部に第2カム部材134が配置され、且つ、第1案内部材102bにより案内される。但し、第1係合部材216eは、媒体搬送面と直交する高さ方向A3の長さが媒体搬送方向A1の長さより長くなるように設けられる。これにより、媒体搬送装置は、第1係合部材216eによって、第2撮像ユニット216bを安定してスライド移動させることが可能となる。
【0117】
なお、この場合、第2撮像ユニット216bにおいて第1係合部材216eの反対側に設けられた第2係合部材は、円柱形状に、即ち高さ方向A3の長さが媒体搬送方向A1の長さと略同一となるように設けられてもよい。即ち、第2係合部材の上端と下端の間の距離は、第1係合部材216eの上端と下端の間の距離より短くなるように設定されてもよい。これにより、媒体搬送装置は、第2撮像ユニット216bが幅方向A2の両方の端部において各案内部材と当接する領域の面積を小さくし、第2撮像ユニット216bと各案内部材との間の摺動負荷を低減できる。したがって、媒体搬送装置は、第2撮像ユニット216bを良好にスライド移動させることが可能となる。
【0118】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第1係合部材216eの高さ方向A3の長さが媒体搬送方向A1の長さより長くなるように設けられる場合も、装置サイズをより小さくすることが可能となった。
【0119】
図20は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における第2撮像ユニット316bについて説明するための模式図である。
【0120】
図20に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第2撮像ユニット116bの代わりに第2撮像ユニット316bを有する。
【0121】
第2撮像ユニット316bは、第2撮像ユニット116bと同様の構成を有する。但し、第2撮像ユニット316bは、第1係合部材116eの代わりに第3係合部材316e及び第4係合部材316iを有する。第3係合部材316eは、第3係合部の一例であり、第1係合部材116eと同様に、第2撮像ユニット316bの幅方向A2の一端に設けられ、内部に第2カム部材134が配置され、且つ、第1案内部材102bにより案内される。一方、第4係合部材316iは、第4係合部の一例であり、第2撮像ユニット316bの幅方向A2の一端に且つ第3係合部材316eの上方に設けられ、且つ、第1案内部材102bにより案内される。第4係合部材316iの内部には第2カム部材134が配置されない。これにより、媒体搬送装置は、第3係合部材316e及び第4係合部材316iによって、第2撮像ユニット316bを安定してスライド移動させることが可能となる。
【0122】
なお、この場合、第2撮像ユニット316bにおいて第3係合部材316e及び第4係合部材316iの反対側に設けられた第2係合部材は、円柱形状に、即ち高さ方向A3の長さが媒体搬送方向A1の長さと略同一となるように設けられてもよい。即ち、第2係合部材の上端と下端の間の距離は、第3係合部材316eの下端と第4係合部材316iの上端の間の距離より短くなるように設定されてもよい。これにより、媒体搬送装置は、第2撮像ユニット316bが幅方向A2の両方の端部において各案内部材と当接する領域の面積を小さくし、第2撮像ユニット316bと各案内部材との間の摺動負荷を低減できる。したがって、媒体搬送装置は、第2撮像ユニット316bを良好にスライド移動させることが可能となる。
【0123】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第3係合部材316eの上方に第4係合部材316iが設けられる場合も、装置サイズをより小さくすることが可能となった。
【0124】
図21は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における第2撮像ユニット416bについて説明するための模式図である。
【0125】
図21に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第2撮像ユニット116bの代わりに第2撮像ユニット416bを有する。
【0126】
第2撮像ユニット416bは、第2撮像ユニット116bと同様の構成を有する。但し、第2撮像ユニット416bは、第1係合部材116eの代わりに第3係合部材416e及び第4係合部材416iを有する。第3係合部材416e及び第4係合部材416iは、それぞれ第3係合部材316e及び第4係合部材316iと同様の構成を有する。但し、第4係合部材416iは、第3係合部材416eの下方に設けられる。
【0127】
なお、この場合も、第2撮像ユニット416bにおいて第3係合部材416e及び第4係合部材416iの反対側に設けられた第2係合部材は、高さ方向A3の長さが媒体搬送方向A1の長さと略同一となるように設けられてもよい。即ち、第2係合部材の上端と下端の間の距離は、第3係合部材416eの上端と第4係合部材416iの下端の間の距離より短くなるように設定されてもよい。
【0128】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第3係合部材416eの下方に第4係合部材416iが設けられる場合も、装置サイズをより小さくすることが可能となった。
【0129】
図22は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路570の概略構成を示す図である。処理回路570は、媒体搬送装置100の処理回路170の代わりに使用され、処理回路170の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路570は、制御回路571及び画像取得回路572等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0130】
制御回路571は、制御部の一例であり、制御部171と同様の機能を有する。制御回路571は、操作装置105又はインタフェース装置152から操作信号を、媒体センサ111から媒体信号を受信し、受信した各情報に基づいて第1モータ143及び第2モータ151を制御する。
【0131】
画像取得回路572は、画像取得部の一例であり、画像取得部172と同様の機能を有する。画像取得回路572は、撮像センサ123から入力画像を取得し、取得した入力画像を補正してインタフェース装置152に出力する。
【0132】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路570を用いる場合も、装置サイズをより小さくすることが可能となった。
【0133】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、第1撮像ユニットが上側筐体102に設けられ、第2撮像ユニットが下側筐体101に、搬送される媒体の厚みに応じて移動可能に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0134】
100 媒体搬送装置、102b 第1案内部材、102c 第2案内部材、116a 第1撮像ユニット、116b 第2撮像ユニット、116e 第1係合部材、116g 第2係合部材、123a 第1撮像センサ、124b 第2裏当て部材、126b 第2対向面、133 第2支持部材、136 第3支持部材、216e 第1係合部材、316e 第3係合部材、316i 第4係合部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22