(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028380
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】開閉戸装置
(51)【国際特許分類】
E05F 5/02 20060101AFI20230224BHJP
E05D 15/06 20060101ALN20230224BHJP
【FI】
E05F5/02 A
E05D15/06 119
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134050
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】船山 智
(72)【発明者】
【氏名】野口 茂
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034AA07
2E034BA02
(57)【要約】
【課題】 制動歯車とラックの噛合量を適宜に調整する。
【解決手段】 開口幅方向へ移動しながら開閉する戸体10と、戸体10の速度を減速する制動装置50とを備えた開閉戸装置において、制動装置50は、戸体10と不動部位とのうちの一方に設けられたロータリダンパーユニット51と、ロータリダンパーユニット51の制動歯車51cに噛み合うようにして前記一方に対する他方に設けられたラック52とを具備し、制動歯車51cとラック52の噛合量を調整する噛合量調整機構53を設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口幅方向へ移動しながら開閉する戸体と、前記戸体の速度を減速する制動装置とを備えた開閉戸装置において、
前記制動装置は、前記戸体と不動部位とのうちの一方に設けられたロータリダンパーユニットと、前記ロータリダンパーユニットの制動歯車に噛み合うようにして前記一方に対する他方に設けられたラックとを具備し、
前記制動歯車と前記ラックの噛合量を調整する噛合量調整機構を設けたことを特徴とすることを特徴とする開閉戸装置。
【請求項2】
前記戸体に前記ラックを設け、不動部位に前記ロータリダンパーユニットを設けた開閉戸装置であって、
前記噛合量調整機構は、前記不動部位に対する前記ロータリダンパーユニットの位置を調整可能にしていることを特徴とする請求項1記載の開閉戸装置。
【請求項3】
前記噛合量調整機構は、前記不動部位と前記ロータリダンパーユニットの間に挟み込まれたスペーサを備え、前記スペーサが着脱されることにより前記ロータリダンパーユニットの戸厚方向の位置を調整することを特徴とする請求項2記載の開閉戸装置。
【請求項4】
前記噛合量調整機構は、前記ラックの延設方向に対し傾斜するように延設されて前記不動部位に固定された傾斜ブラケットを備え、
前記傾斜ブラケットは、延設方向に間隔を置いて複数の被止着部を有し、
前記ロータリダンパーユニットは、前記複数の被止着部に対し選択的に止着されることを特徴とする請求項2記載の開閉戸装置。
【請求項5】
前記噛合量調整機構は、前記ロータリダンパーユニットを前記不動部位に対し回動するように支持し、前記ロータリダンパーユニットの前記回動により前記制動歯車と前記ラックの噛合量を変化させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の開閉戸装置。
【請求項6】
前記ロータリダンパーユニットは、前記不動部位に対し回動する回動ブラケットを具備し、
前記回動ブラケットは、前記回動の方向に沿う長孔が設けられ、前記長孔には、前記不動部位に螺合する止着具が挿通されていることを特徴とする請求項5記載の開閉戸装置。
【請求項7】
前記噛合量調整機構は、前記不動部位に固定された台座と、前記ラックに対し接近離隔する方向へスライドするように前記台座に支持されたスライド部とを備え、前記スライド部を、前記ロータリダンパーユニットと一体的に構成していることを特徴とする請求項2記載の開閉戸装置。
【請求項8】
前記スライド部は、前記ラックの延設方向に対する傾斜方向へスライドするように設けられていることを特徴とする請求項7記載の開閉戸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引戸装置や、吊戸装置、折戸装置、バランスドア等、戸体を開口幅方向へ移動させて開閉する開閉戸装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、特許文献1に記載されるように、吊車により吊持され回動しながら開口幅方向へ移動して開閉する扉体と、前記扉体の閉鎖動作に抵抗を与える制動装置とを備えたものがある。
前記制動装置は、歯部を下方へ向けた大径状の制動歯車と、前記制動歯車に噛み合うように前記扉体に固定されたラックとを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によれば、各部の寸法誤差等によって、制動歯車とラックの噛合量がばらつく場合がある。前記噛合量が小さすぎる場合には、歯飛びを生じるおそれがあり、前記噛合量が大きすぎる場合には、制動歯車の回転抵抗が大きくなりすぎてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
開口幅方向へ移動しながら開閉する戸体と、前記戸体の速度を減速する制動装置とを備えた開閉戸装置において、前記制動装置は、前記戸体と不動部位とのうちの一方に設けられたロータリダンパーユニットと、前記ロータリダンパーユニットの制動歯車に噛み合うようにして前記一方に対する他方に設けられたラックとを具備し、前記制動歯車と前記ラックの噛合量を調整する噛合量調整機構を設けたことを特徴とすることを特徴とする開閉戸装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、制動歯車とラックの噛合量を適宜に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る開閉戸装置の一例について、戸体が全閉した状態を示す正面図である。
【
図2】本発明に係る開閉戸装置の一例について、戸体が全開した状態を示す正面図である。
【
図3】同開閉戸装置の全閉状態の要部拡大正面図であり、上下方向の中間部分を省略し、戸体の一部を切欠している。
【
図4】ロータリダンパーユニットの取り付け部分を拡大して示す正面図であり、表側カバー部材は省いている。
【
図5】同開閉戸装置について、ロータリダンパーユニットとラックが係合した状態を下方から視た図である。
【
図7】本発明に係る開閉戸装置の他例について、ロータリダンパーユニットとラックが係合した状態を下方から視た図である。
【
図9】本発明に係る開閉戸装置の他例について、ロータリダンパーユニットとラックが係合した状態を下方から視た図である。
【
図10】
図9に示す開閉装置の要部縦断面図である。
【
図11】本発明に係る開閉戸装置の他例について、ロータリダンパーユニットとラックが係合した状態を下方から視た図である。
【
図13】本発明に係る開閉戸装置の他例について、ロータリダンパーユニットとラックが係合した状態を下方から視た図である。
【
図15】本発明に係る開閉戸装置の他例について、ロータリダンパーユニットとラックが係合した状態を下方から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、開口幅方向へ移動しながら開閉する戸体と、前記戸体の速度を減速する制動装置とを備えた開閉戸装置において、前記制動装置は、前記戸体と不動部位とのうちの一方に設けられたロータリダンパーユニットと、前記ロータリダンパーユニットの制動歯車に噛み合うようにして前記一方に対する他方に設けられたラックとを具備し、前記制動歯車と前記ラックの噛合量を調整する噛合量調整機構を設けた(
図1~
図16参照)。
【0009】
第二の特徴は、前記戸体に前記ラックを設け、不動部位に前記ロータリダンパーユニットを設けた開閉戸装置であって、前記噛合量調整機構は、前記不動部位に対する前記ロータリダンパーユニットの位置を調整可能にしている(
図6~
図16参照)。
【0010】
第三の特徴として、前記噛合量調整機構は、前記不動部位と前記ロータリダンパーユニットの間に挟み込まれたスペーサを備え、前記スペーサが着脱されることにより前記ロータリダンパーユニットの戸厚方向の位置を調整する(
図4~
図6参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記噛合量調整機構は、前記ラックの延設方向に対し傾斜するように延設されて前記不動部位に固定された傾斜ブラケットを備え、前記傾斜ブラケットは、延設方向に間隔を置いて複数の被止着部を有し、前記ロータリダンパーユニットは、前記複数の被止着部に対し選択的に止着される(
図7~
図8参照)。
【0012】
第五の特徴として、前記噛合量調整機構は、前記ロータリダンパーユニットを前記不動部位に対し回動するように支持し、前記ロータリダンパーユニットの前記回動により前記制動歯車と前記ラックの噛合量を変化させるようにした(
図9~
図12参照)。
【0013】
第六の特徴として、前記ロータリダンパーユニットは、前記不動部位に対し回動する回動ブラケットを具備し、前記回動ブラケットは、前記回動の方向に沿う長孔が設けられ、前記長孔には、前記不動部位に螺合する止着具が挿通されている(
図9~
図12参照)。
【0014】
第七の特徴として、前記噛合量調整機構は、前記不動部位に固定された台座と、前記ラックに対し接近離隔する方向へスライドするように前記台座に支持されたスライド部とを備え、前記スライド部を、前記ロータリダンパーユニットと一体的に構成している(
図13~
図16参照)。
【0015】
第八の特徴として、前記スライド部は、前記ラックの延設方向に対する傾斜方向へスライドするように設けられている(
図15~
図16参照)。
【0016】
<第一の実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、「見付け方向」とは、枠体の横幅方向(
図1によれば左右方向)を意味する。また、「見込み方向」とは、「見付け方向」に略直交する枠の厚みの方向を意味する。
また、「開口幅方向」とは、戸体により開閉される開口部の横幅方向を意味し、本実施態様によれば、「見付け方向」と同方向である。
また、「戸厚方向」とは、戸体の厚みの方向を意味し、本実施態様によれば、「見込み方向」と同方向である。
【0017】
開閉戸装置1は、建築物等の躯体壁部を縦長矩形状に貫通している開口部Aを横幅方向へ開閉するように構成される(
図1及び
図2参照)。
この開閉戸装置1は、開口部Aを開閉するように開口幅方向への移動する戸体10と、戸体10の戸先に対向する戸先側縦枠20と、戸体10を下方側で開閉方向へ案内する下レール31と、戸体10の上端側を覆う無目40とを備えた引戸装置である。無目40内には、戸体10の閉鎖速度を減速する制動装置50が設けられる。また、戸体10内上部の戸尻側には、開放状態の戸体10を閉鎖方向へ牽引して自動閉鎖する自動閉鎖装置60が設けられる(
図3参照)。
【0018】
戸体10は、戸厚方向に間隔を置いて略平行する表板11及び裏板12(
図6参照)と、これら表板11及び裏板12をその内側で一体に固定する複数の骨材とを備える。
【0019】
前記複数の骨材のうち、最上端側の骨材は、戸体10の横幅方向の略全長にわたる横骨材13である。この横骨材13は、
図6に示す一例によれば、縦断面クランク状に形成される。
この横骨材13の上面には、ブラケット54を介して、制動装置50を構成するラック52や、戸体10を吊持して無目40内の上レール46上を転動する吊車14等が支持される。
【0020】
吊車14は、戸厚方向の軸を中心に回転するようにブラケット15等を介して戸体10における戸先側の上端に支持され、戸体10から上方へ突出して上レール46に対し転動自在に掛合している。
【0021】
また、戸体10の下端側には、戸幅方向へわたって下方を開口した凹溝16が設けられる(
図3参照)。この凹溝16内には、戸体10の戸尻側部分から下方へ突出するように下車17が支持される。
この下車17は、凹溝16内面に固定された軸受けブラケット17aにより回転自在に支持され、下レール31上を転動する。
【0022】
なお、
図1及び
図2中の符号18は、戸体10を開閉操作するための取手、符号19は、施錠装置の鍵穴又はサムターンである。
【0023】
戸先側縦枠20は、上下方向へ連続する長尺な柱状の部材であり、開口部Aの左縁に沿うようにして躯体壁面に固定される。
この戸先側縦枠20は、戸体10の戸先部を嵌め合わせるように、戸体10に対向する面に上下方向へ連続する凹溝を有する。
【0024】
下レール31は、戸体10の下方側不動面F(例えば、床面や地面、沓摺等)に固定されている。この下レール31は、下方側不動面Fから突出して戸体開閉方向へ連続する長尺状に延設される。
この下レール31の一端側は、全閉位置(
図1参照)にある戸体10の戸尻寄りであって下車17よりも戸先側に位置し、同下レール31の他端側は、全開位置(
図2参照)にある戸体10の戸尻寄りであって下車17よりも戸尻側に位置する。
【0025】
また、下方側不動面F上において、下レール31よりも戸先側には、下側振れ止め部材32が設けられる。この下側振れ止め部材32は、上下方向の軸を中心に回転するように下方側不動面F上に支持されたローラであり、凹溝16内に遊嵌されて、戸体10の下端側が戸厚方向へ振れるのを抑制する。
【0026】
無目40は、全閉状態の戸体10の上端側部分を、その開閉方向の全長にわたって覆うように横幅方向へわたる長尺状に構成される。
この無目40は、
図6に示すように、上レール46及びロータリダンパーユニット51等を支持する基部材41、この基部材41を壁部Wに止着するための止着ブラケット42、戸体10の上端部及び上レール46等を覆う天板43、戸体10上端側及び吊車14等を表側から覆う着脱可能な表側カバー部材44、ロータリダンパーユニット51を背部(屋内側)から覆う裏側カバー部材45等を具備している。
【0027】
なお、
図6中、符号21は、開口部Aの戸尻側の縁部を上下方向へわたって覆う縦額縁部材、符号22は、開口部Aの上側の縁部を覆う上額縁部材、符号23は、戸体10の上端側裏面に対し、開閉方向へわたって弾性的に接触する気密材である。
【0028】
基部材41は、全閉位置にある戸体10に対し、その裏側(屋内側)に所定の間隔を置いて位置する。この基部材41は、略鉛直な平板状の基板部41aを有する。この基板部41aは、開口幅方向へわたって長尺状に連続している。
基板部41aには、その表側の面に、上レール46が止着される。そして、基板部41a表面において、上レール46よりも下側には、切欠部41a1が設けられる。この基板部41aには、ロータリダンパーユニット51が装着される。
【0029】
基部材41の上端側は、適宜形状に曲げられ、止着ブラケット42及び天板43等に一体的に固定される。そして、止着ブラケット42は、壁部Wに固定される。したがって、この基部材41は、開口幅方向へ移動する戸体10に対し不動な不動部位として機能する。
なお、基部材41を止着ブラケット42等に止着する手段や、止着ブラケット42を壁部Wに固定する手段は、ねじ止めや、リベット止め、溶接等の周知の固定手段とすればよい。
【0030】
天板43及び表側カバー部材44は、全閉状態の戸体10の上端側を覆うようにして開閉方向へ長尺状に設けられる。
【0031】
裏側カバー部材45は、制動装置50の背部側(裏側)に開閉方向へわたって設けられ、壁部Wの表面が経年劣化等により崩れた場合に、その崩壊等による異物が、後述する制動装置50等に付着するのを阻む(
図6参照)。
図示例の裏側カバー部材45は、ロータリダンパーユニット51の背部を後方から天側へわたって覆う縦断面逆L字状に形成される。
この裏側カバー部材45は、少なくとも、制動装置50の背部側に位置するように部分的に設ければよいが、無目40の横幅方向の全長にわたるように設けてもよい。
【0032】
なお、基部材41、止着ブラケット42、天板43、表側カバー部材44、裏側カバー部材45等、無目40の外側部分を構成する複数の部材は、その一部または全部を一体に構成することが可能である。
【0033】
また、壁部Wは、当該開閉戸装置1の設置対象となる建築物等の躯体の壁である。この壁部Wには、裏側カバー部材45に嵌り合うように切欠部w1が部分的に形成される。なお、裏側カバー部材45の屋内側への突出量を小さくして、切欠部w1を省くことも可能である。
【0034】
基部材41には、この基部材41から戸厚方向の一方側(図示例によれば屋外側)へ突出するとともに開口幅方向へ連続するように、上レール46が設けられる。
上レール46は、略L字状の縦断面を開口幅方向へ連続した長尺状の部材であり、垂直状の一片部を基部材41に止着するとともに、基部材41から水平状に突出する他片部に、吊車14を載置し係合している(
図6参照)。
この上レール46の長さは、戸体10の開閉動作に伴って吊車14が移動する範囲を含むように設定される。
【0035】
制動装置50は、制動歯車51cの歯部を側方へ向けて不動部位(図示例によれば基部材41)に設けられたロータリダンパーユニット51と、制動歯車51cの歯部に噛み合うように戸体10に設けられたラック52とを具備する。
ロータリダンパーユニット51と前記不動部位の間には、制動歯車51cとラック52の噛合量を調整する噛合量調整機構53が設けられる。
【0036】
ロータリダンパーユニット51は、ケーシング51aと、ケーシング51aから下方側へ突出した回転軸51bと、回転軸51bに固定された制動歯車51cと、ケーシング51aの上方側に露出した回転抵抗調整部材51dと、ケーシング51aを不動部位に取り付けるためのブラケット51fとを備え、回転抵抗調整部材51dの回転量(回転角度)に応じて回転軸51bの回転抵抗を調整するように構成される(
図4~
図6参照)。
【0037】
ケーシング51aの内部には、回転軸51bと一体的に回転するロータや、このロータに回転抵抗を加える粘性流体、回転抵抗調整部材51dの回転操作量に応じて前記回転抵抗を調整する機構等が設けられる。この機構は、回転軸51bの一方向(図示例によれば、戸体10の閉鎖方向に対応する方向)の回転に抵抗を与え、同回転軸51bが逆方向へ回転する際には前記抵抗を解除する。これらの構成には、周知構造のワンウェイタイプのロータリダンパー機構を適用することが可能である。
【0038】
制動歯車51cは、外周に歯部を有する平歯車状に形成される。この制動歯車51cの歯部は、ラック52の歯部に噛み合う。
【0039】
回転抵抗調整部材51dは、その中心部が軸状部材を介してケーシング51a内の図示しない回転抵抗調整機構に接続されている。この回転抵抗調整部材51dは、一方向への回転量に応じて、回転軸51bの回転抵抗を徐々に大きくし、他方向への回転量に応じて、回転軸51bの回転抵抗を徐々に小さくするように構成される。
この回転抵抗調整部材51dは、ケーシング51aの上方側に位置し、制動歯車51cよりも径方向へ大きく、且つケーシング51aの円筒状の外周面よりも径方向へ大きい略円盤状に形成されている。
【0040】
なお、
図5中、符号51d1は、回転抵抗調整部材51dの回転量の目安となる目盛りである。
また、符号51d4は、回転抵抗調整部材51dに設けられた突状の規制部である。この規制部51d4は、回転抵抗調整部材51dが所定量回転した際に、ブラケット51fに当接して、回転抵抗調整部材51dの回転量を規制する。
【0041】
また、ブラケット51fは、ケーシング51aに止着されるケース側止着片部51f1と、基部材41に対し噛合量調整機構53を介して止着される基部側止着片部51f2とを一体に有する(
図4~
図7参照)。
【0042】
なお、
図4中、符号51gは、ケーシング51aとブラケット51fの間に、回転抵抗調整部材51dを回転可能にする隙間を確保するための筒状のスペーサである。
また、符号51hは、ケーシング51aのフランジ状部分及びスペーサ51gに挿通されてブラケット51fに止着されることで、ケーシング51aをブラケット51fに固定する止着具(例えば、ボルトやネジ、リベット等)である。
【0043】
基部側止着片部51f2には、螺合部材51jが複数挿通される。これら螺合部材51jは、後述するスペーサ53aに嵌り合うとともに、基部材41の基板部41aに螺合する。
【0044】
ラック52は、直線状に配設された歯部を制動歯車51c側へ向けて、戸体10裏面の上方側であって吊車14よりも戸尻側に固定される。
詳細に説明すれば、
図6に示すように、戸体10の上端部には、開口幅方向へ連続するブラケット54が固定され、このブラケット54に、ラック52が嵌合固定されている。
なお、他例としては、ラック52を戸体10の上端に直接固定した態様や、ラック52を戸体10の裏面に直接または間接的に固定した態様等とすることも可能である。
【0045】
噛合量調整機構53は、不動部位である基部材41とロータリダンパーユニット51のブラケット51fの間に、単数又は複数のスペーサ53aを挟み込んで構成される(
図4~
図6参照)。
この噛合量調整機構53は、スペーサ53aが着脱されることにより、ロータリダンパーユニット51の見込み方向の位置を調整する。
【0046】
スペーサ53aは、基部材41とブラケット51fの基部側止着片部51f2との間に対し、戸先方向側から戸尻方向へ向けて挿し込まれるように略平板状に形成され、その挿込み方向側の部分に、複数(図示例によれば二つ)の螺合部材51jのネジ軸に嵌り合う切欠部53a1を有し、前記挿込み方向と逆側の端部に、基部側止着片部51f2の端部に接するようにL字状に曲げられた位置決め片部53a2を有する(
図4参照)。
【0047】
また、自動閉鎖装置60は、一端側を無目40内の不動部位に止着したワイヤー61の他端側を、ぜんまいばねを内在するリール62によって巻き取るように構成される(
図3参照)。
この自動閉鎖装置60によれば、開放状態にある戸体10が、全開位置(
図2参照)から全閉位置(
図1参照)まで自動的に閉鎖動作する。
【0048】
なお、
図3中、符号71は、ワイヤー61の一端側が止着される不動部位である止着部、符号72は、戸体10の上方側が厚さ方向へ振れるのを防ぐ振れ止め部材、符号73は、戸体10が全開した際に吊車14のブラケット15を受ける戸当たり部材である。これら止着部71、振れ止め部材72及び戸当たり部材73は、一体的なアッセンブリとして構成され、基部材41に固定されている。
【0049】
よって、上記構成の開閉戸装置1によれば、制動歯車51cとラック52の噛み合い加減を、スペーサ53aの抜き差しにより容易に調整することができる。
すなわち、螺合部材51jを緩めてスペーサ53aを適宜枚数外せば、制動歯車51cとラック52の間隔が縮まるので、これらをより深く噛合わせることができ、逆に、スペーサ53aを適宜枚数増やせば、制動歯車51cとラック52の間隔が拡がるので、これらをより浅く噛合わせることができる。
そして、このような調整をすれば、制動歯車51cとラック52の噛み合いによる抵抗が大きくなりすぎたり、制動歯車51cとラック52間で歯飛びを生じたりするのを防ぐことができる。
【0050】
<第二の実施態様>
次に、本発明に係る他の実施態様について説明する。以下に示す実施態様は、上記開閉戸装置1について、制動装置50の噛合量調整機構53を、他の構成の噛合量調整機構に変更したものであるため、主にその変更部分を詳細に説明する。また、以下の説明において、上記実施態様と略同様に機能する部分については、同様の符号を付けて、詳細な説明を適宜省略する。
【0051】
図7及び
図8に示す噛合量調整機構55は、ラック52の延設方向に対し傾斜するように延設されて不動部位である基部材41に固定された傾斜ブラケット55aを備え、この傾斜ブラケット55aに対するブラケット51iの止着位置により、ロータリダンパーユニット51の見込み方向の位置が変化するようにしている。
【0052】
傾斜ブラケット55aが止着される基部材47は、上部側に、上レール46が止着される基板部47aを有し、この基板部47aよりも下側に、ロータリダンパーユニット51を止着するための止着片部47bを有する(
図8参照)。
【0053】
基板部47aは、上レール46に沿って、長尺な鉛直平板状に形成される。
止着片部47bは、基板部47aの下側を屋内側へクランク状に曲げることで、鉛直な平板状に形成される。この止着片部47bは、開口幅方向において部分的に形成してもよいし、基板部47aの全長にわたって形成してもよい。
【0054】
傾斜ブラケット55aは、ラック52の延設方向に対し傾斜する傾斜片55a1の一端側と他端側を、止着具(例えば、ネジやボルト、リベット等)により、基部材47に止着している。
【0055】
傾斜片55a1には、その延設方向に間隔を置いて複数の被止着部55a11が設けられる。
各被止着部55a11は、ブラケット51iに挿通される着脱可能な止着具55b(例えば、ネジやボルト等)のネジ部を螺合可能なネジ孔である。
【0056】
ブラケット51iは、ロータリダンパーユニット51のケーシング51aに止着される水平状のケース側止着片部51i1と、基板部47aに対し噛合量調整機構55を介して止着される鉛直状の基部側止着片部51i2とを一体に有する。
基部側止着片部51i2には、止着具55bを挿通するための長孔51i21が、被止着部55a11に沿う長尺状に設けられる。したがって、止着具55bは、長孔51i21に沿って、傾斜ブラケット55aの延設方向へ移動可能である。
【0057】
ブラケット51iを有するロータリダンパーユニット51は、複数の被止着部55a11に対し選択的に止着される(
図7参照)。
【0058】
よって、
図7及び
図8に示す噛合量調整機構55によれば、ブラケット51iを複数の被止着部55a11に対し選択的に止着することで、ロータリダンパーユニット51におけるラック52に対する接近離隔方向の位置を、精度よく調整することができる。
すなわち、仮にラック52対し直交する見込み方向(
図7によれば左右方向)に、選択可能な複数の止着孔を設けるようにした場合には、隣接する止着孔のピッチが広くなりすぎてしまい、ロータリダンパーユニット51の位置調整を精細に行うことができない。しかしながら、上記構成によれば、傾斜片55a1上に複数の被止着部55a11を設けており、しかも、ロータリダンパーユニット51を傾斜ブラケット55aに止着する止着具55bが、長孔51i21内で移動可能なため、ロータリダンパーユニット51を細かく位置調整することができる。
【0059】
なお、
図7に示す一例では、回転抵抗調整部材51dを省いているが、上記実施態様と同様にして回転抵抗調整部材51dを設けることが可能である。
【0060】
<第三の実施態様>
図9及び
図10に示す噛合量調整機構56は、ロータリダンパーユニット51を不動部位である基部材48に対し回動するように支持し、ロータリダンパーユニット51の前記回動により制動歯車51cとラック52の噛合量を変化させるようにしている。
【0061】
基部材48は、その下端側に略水平な被止着片部48aを有する。
噛合量調整機構56のロータリダンパーユニット51は、そのケーシング51aを、回動ブラケット51kにより被止着片部48aに止着している(
図10参照)。
【0062】
回動ブラケット51kは、被止着片部48aに重ね合わせられた平板状の部材であり、その一端側にケーシング51aを止着固定している。
この回動ブラケット51kには、円形の軸支孔51k1と、この軸支孔51k1を中心にした回動方向に沿う略円弧状の長孔51k2とが設けられる。
【0063】
軸支孔51k1には、一端側を被止着片部48aに固定した軸状部材51k3が、回転自在に挿通される。
また、長孔51k2には、一端側を被止着片部48aに固定した止着具51k4が、該長孔51k2の長手方向へ移動自在に挿通される。
これら軸状部材51k3及び止着具51k4は、図示例によれば、何れも頭部を有するボルト又はネジであり、その頭部を回動ブラケット51kの下面に掛止して、被止着片部48aに螺合され、締め付けられている。
【0064】
よって、
図9及び
図10に示す噛合量調整機構56によれば、止着具51k4を緩めて、回動ブラケット51kを含むロータリダンパーユニット51全体を回動させることができ、この回動によって、制動歯車51cとラック52の距離を変化させて、その噛合量を適宜に調整することができる。
特に、この噛合量調整機構56では、軸状部材51k3を支点にした回転運動によってロータリダンパーユニット51全体を回動させているため、移動時のがたつきが比較的小さく、噛合量の調整作業を速やか且つ高精度に行うことができる。
【0065】
<第四の実施態様>
図11及び
図12に示す噛合量調整機構57は、ロータリダンパーユニット51を、不動部位である基部材47及び台座51m1に対し、回動するように支持し、ロータリダンパーユニット51の前記回動により制動歯車51cとラック52の噛合量を変化させるようにしている。
【0066】
台座51m1は、垂直状の一片部と水平状の他片部を有するLアングル状に形成され、前記一片部が、止着具(ネジやボルト等)によって、基部材47に対し着脱可能に止着されている。
【0067】
この噛合量調整機構57のロータリダンパーユニット51は、台座51m1に対し回動可能に装着された回動ブラケット51m2を具備している。
【0068】
回動ブラケット51m2は、一端側を台座51m1の水平状の下面に重ね合わせるとともに、その他端側を、ケーシング51aに止着固定している。
この回動ブラケット51m2の前記一端側には、円形の軸支孔51m21と、この軸支孔51m21を中心にした回動方向に沿う略円弧状の長孔51m22とが設けられる。
【0069】
軸支孔51m21には、一端側を台座51m1に固定した軸状部材51m3が、回転自在に挿通される。
また、長孔51m22には、一端側を台座51m1に固定した止着具51m4が、該長孔51m22の長手方向へ移動自在に挿通される。
これら軸状部材51m3及び止着具51m4は、図示例によれば、何れも頭部を有するボルト又はネジであり、その頭部を回動ブラケット51m2の下面に掛止して、台座51m1に螺合され、締め付けられている。
【0070】
よって、
図11及び
図12に示す噛合量調整機構57によれば、止着具51m4を緩めて、回動ブラケット51m2を含むロータリダンパーユニット51全体を回動させて、制動歯車51cとラック52の噛合量を適宜に調整することができ、前記回動の際のがたつきが比較的小さいので、作業性が良好である。
【0071】
<第五の実施態様>
図13及び
図14に示す噛合量調整機構58は、不動部位である基部材47に固定された台座58aと、ラック52に対し接近離隔する方向へスライドするように台座58aに支持されたスライド部58bとを備え、スライド部58bを、ロータリダンパーユニット51に一体的に構成している。
【0072】
台座58aは、略水平な平板部58a1と、この平板部58a1の一端側で下方へ曲げられた一片部58a2と、同平板部58a1の他端側で下方へ曲げられた他片部58a3とを有する断面コ字状の部材である。
一片部58a2は、ネジやボルト等の止着具によって基部材47に対し着脱可能に止着される。
他片部58a3には、調整用螺合部材58cが複数挿通される。これら調整用螺合部材58cは、図示例によれば、ネジ又はボルトである。
【0073】
スライド部58bは、略水平な平板部58b1と、この平板部58b1の一端側で下方へ曲げられた一片部58b2と、同平板部58b1の他端側で下方へ曲げられた他片部58b3とを一体に有し、平板部58a1内に位置する。
【0074】
平板部58b1は、見付け方向の一端側にケーシング51aを止着固定するとともに、その逆側の部分を、台座58aに対し見込み方向へ移動するように係合している。
詳細に説明すれば、この平板部58b1の前記逆側の部分には、見込み方向の長孔58b11が設けられる。この長孔58b11は、見付け方向に並ぶように複数設けられる。各長孔58b11には、軸状支持部材51b12が、長孔58b11の長手方向へ移動可能に挿通される。
【0075】
軸状支持部材51b12は、図示例によれば、ボルト又はネジであり、その頭部を平板部58b1に掛合して、台座58aの平板部58a1に螺合される。
【0076】
一片部58b2は、補強用の曲げ片であり、省くことも可能である。
他片部58b3には、台座58aの他片部58a3に挿通された調整用螺合部材58cのネジ部が螺合している。
【0077】
よって、
図13及び
図14に示す噛合量調整機構58によれば、軸状支持部材51b12を緩めて、複数の調整用螺合部材58cを適宜に回転させれば、スライド部58bを含むロータリダンパーユニット51の見込み方向の位置を変更可能であり、この位置変更の後、軸状支持部材51b12を締め付けて、スライド部58bを固定することができる。
【0078】
<第六の実施態様>
図15及び
図16に示す噛合量調整機構59は、不動部位である基部材47に固定された台座59aと、ロータリダンパーユニット51と一体的なスライド部59bとを具備し、スライド部59bをラック52の延設方向に対する傾斜方向へスライドするように構成している。
【0079】
台座59aは、略垂直な止着片部59a1と略水平な平板部59a2とを有する断面略L字状の部材であり、止着片部59a1が、ボルトやネジ等の止着具によって基部材47に対し着脱可能に止着されている。
【0080】
平板部59a2の下面には、ロータリダンパーユニット51のスライド方向に対し直交する方向に間隔を置いて、略平行に、二つのガイド片59a22が固定されている。各ガイド片59a22は、平面視矩形状の平板状部材である。
【0081】
スライド部59bは、略水平な平板部59b1と、この平板部59b1の一端側で下方へ曲げられた一片部59b2と、同平板部59b1の他端側で下方へ曲げられた他片部59b3とを一体に有する。
平板部59b1は、一端側を台座59aの平板部59a2に重ね合わせるとともに、その他端側を、ケーシング51aに固定している。
一片部59b2と他片部59b3は、両ガイド片59a22,59a22の間に重なり合うようにして位置する。
【0082】
平板部59b1には、ラック52の延設方向に対し傾斜する方向へ長尺な長孔59b11が設けられる。
この長孔59b11には、複数(図示例によれば二つ)の軸状支持部材59b12が挿通される。
各軸状支持部材59b12は、図示例によれば、ネジ又はボルトであり、その頭部をスライド部59b下面に掛止して、台座59aの平板部59a2に螺合される。
【0083】
よって、
図15及び
図16に示す噛合量調整機構59によれば、複数の軸状支持部材59b12を緩めて、スライド部59bを含むロータリダンパーユニット51を、ラック52の延設方向に対する傾斜方向へ移動させて、制動歯車51cをラック52に対し接近離間させることができ、前記傾斜方向の移動により、制動歯車51cとラック52の噛合量をきめ細かく調整することができる。
前記移動の後は、軸状支持部材59b12を締め付けて、スライド部59bを固定すればよい。
【0084】
<その他の変形例>
上記実施態様によれば、上下方向の軸を中心に回転する制動歯車51cを、その側方側のラック52に噛合わせるようにした制動装置に対し、上記噛合量調整機構を設けたが、他例としては、水平方向の軸を中心に回転する制動歯車をラックに噛合わせるにした制動装置に対し、上記構造の噛合量調整機構を設けることも可能である。
【0085】
また、上記開閉戸装置1(
図1参照)によれば、ロータリダンパーユニット51を、閉鎖状態の戸体10の戸尻寄りに対応して配置したが、このロータリダンパーユニット51は、吊車14よりも戸尻側に位置すれば、閉鎖状態の戸体10の中央寄り又は戸先寄りに対応して配置することも可能である。
【0086】
また、上記実施態様によれば、戸体10の閉鎖速度を減速するように制動装置50を設けたが、他例としては、戸体10の開放速度を減速する態様や、戸体10の閉鎖速度と開放速度の双方を減速する態様とすることも可能である。
戸体10の開放速度を減速する態様は、ロータリダンパーユニット51に、上記とは逆方向で回転抵抗を発生するワンウェイタイプのロータリダンパー機構を用いればよい。
戸体10の閉鎖速度と開放速度の双方を減速する態様は、ロータリダンパーユニット51に、双方向で回転抵抗を発生するロータリダンパー機構を用いればよい。
【0087】
また、上記実施態様によれば、ロータリダンパーユニット51を不動部位に設けるとともに、ラック52を戸体10に設けたが、他例としては、これとは逆に、ラック52を不動部位に設けるとともに、ロータリダンパーユニット51を戸体10に設けることも可能である。
【0088】
また、上記実施態様によれば、ロータリダンパーユニット51とラック52をそれぞれ、一つずつ設けたが、他例としては、これらのうちの一方又は双方を開口幅方向へ複数設けることも可能である。このようにすれば、制動範囲を長くすることができる上、例えば、ロータリダンパーユニット51を開口幅方向へ間隔を置いて二つ設けて、閉鎖動作の初期で制動をかけ中期では制動を解除し後期で再度制動をかける等、より好適な閉鎖動作が可能になる。
【0089】
また、上記実施態様によれば、戸体10を上レール46と下レール31等により案内して開口幅方向へ開閉動作する引戸装置を構成したが、上述した制動装置50等の基本構造は、戸体を上レールと下レールのうちの一方のみにより案内して開口幅方向へ開閉動作する引戸装置や、戸体を折り曲げたり展開したりして開閉動作する折戸装置、戸先側の戸体を回動しながら開口幅方向へ移動させて開閉動作するようにしたバランスドア装置等、戸体を開口幅方向へ移動させて開閉する図示例以外の開閉戸装置に適用することが可能である。
【0090】
また、本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0091】
1:開閉戸装置
10:戸体
41,47,48:基部材
41a:基板部
50:制動装置
51:ロータリダンパーユニット
51c:制動歯車
51k,51m2:回動ブラケット
52:ラック
53,55~59:噛合量調整機構
53a:スペーサ
55a:傾斜ブラケット
58b,59b:スライド部