(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028396
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】穀物乾燥機の選定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20230224BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230224BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/06 322
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134076
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛起
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049BB24
(57)【要約】
【課題】お客様の要望する穀物乾燥機の情報と設置空間等の情報を入力することで、設置空間に合った最適な穀物乾燥機を選定すること。
【解決手段】サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システムであって、サーバは、情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、演算部は、情報端末から入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、入力情報取得部によって取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記仕様情報に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う穀物乾燥機選定部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システムであって、
前記サーバは、前記情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、
前記演算部は、
前記情報端末から入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、
前記入力情報取得部によって取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、
前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記仕様情報に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う穀物乾燥機選定部と、を備えたことを特徴とする、穀物乾燥機の選定システム。
【請求項2】
前記データベースに記憶される筐体製品情報には、少なくとも穀物乾燥機の標準寸法、又は容量情報のいずれかを含み、
前記入力情報取得部によって取得される仕様情報には、穀物乾燥機の据付空間に関する第1寸法情報又は、穀物乾燥機の容量に関する情報が含まれ、
前記演算部は、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定するための処理を実行してなる、請求項1に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【請求項3】
前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う、請求項2に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【請求項4】
前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、取得した仕様情報にオプション品が有るか否かを判定し、前記判定にてオプション品が有りとの判定時には、オプション品有りと無しの2パターンで穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して設置可能な最大容量の穀物乾燥機の選定を行う請求項2又は3に記載の穀物乾燥機の選定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、穀物乾燥機において、納屋のサイズや穀物乾燥機の容量などを入力することで、設置空間に合わせた最適な穀物乾燥機を提案可能な穀物乾燥機の選定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各農家の納屋に設置して使用される穀物乾燥機が知られている。穀物乾燥機は、張り込める籾の量により穀物乾燥機容量が異なるが、籾を乾燥する穀物乾燥機本体については穀物乾燥機容量に関係なく同一サイズ(高さ、幅、奥行)となっており、穀物乾燥機の容量を増やすには、前記穀物乾燥機本体に重設されたタンク部の高さを高さ方向に伸ばしてタンク容量を増やすのが一般的である。農家用の穀物乾燥機は、前記タンク容量の多寡により、15石、20石、25石、28石、~50石等の型式が設定されている。そして、例えば、特許文献1に開示されている穀物乾燥機では、納屋の天井部の梁などの障害物を避けるため、排塵機の取付位置を変更できるように工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された穀物乾燥機では、排塵機の取付位置を変更して梁などの障害物を避けるように構成している。しかしながら、納屋に設置可能な穀物乾燥機の容量は高さ方向の寸法によりほぼ決まってしまう。このため、排塵機の取付位置の変更だけではお客様が要望する容量の穀物乾燥機の高さ寸法が納屋の天井部の高さ寸法を上回り、そのままでは設置できないといった問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、お客様の要望する穀物乾燥機の情報と設置空間等の情報を入力することで、設置空間に合った最適な穀物乾燥機を選定することである。さらに標準仕様の穀物乾燥機が設置できない場合には、穀物乾燥機の全高(高さ方向)、全長(奥行方向)を変更可能とし、それぞれの納屋の設置空間に合わせた、特別仕様の穀物乾燥機を選定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、サーバと情報端末とを備え、これらを通信接続させた穀物乾燥機の選定システムであって、前記サーバは、前記情報端末から入力されたデータを演算処理する演算部と、穀物乾燥機の複数種類の筐体製品情報を予め記憶したデータベースと、を備え、前記演算部は、
前記情報端末から入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得する入力情報取得部と、前記入力情報取得部によって取得された仕様情報に基づいて穀物乾燥機の設置の可否を判定する設置可否判定部と、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記仕様情報に対して最適な穀物乾燥機の選定を行う穀物乾燥機選定部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記データベースに記憶される筐体製品情報には、少なくとも穀物乾燥機の標準寸法、又は容量情報のいずれかを含み、前記入力情報取得部によって取得される仕様情報には、穀物乾燥機の据付空間に関する第1寸法情報又は、穀物乾燥機の容量に関する情報が含まれ、前記演算部は、前記設置可否判定部の判定結果に基づいて、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定するための処理を実行することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して最適な穀物乾燥機の選定を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理は、取得した仕様情報にオプション品が有るか否かを判定し、前記判定にてオプション品が有りとの判定時には、オプション品有りと無しの2パターンで穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更し、前記据付空間に対して設置可能な最大容量の穀物乾燥機の選定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、サーバにPCやスマートフォン等の端末でアクセスし、穀物乾燥機の選定システムを使用して、穀物乾燥機を設置する設置空間の寸法情報や希望する穀物乾燥機の容量などの仕様情報を入力することにより、設置空間に合わせた最適な穀物乾燥機が選定され、選定された穀物乾燥機に合わせた部品リストも作成してくれるので、営業担当者が都度、機種リスト等を確認して必要部品リストや見積もりを作成する必要がなくなり、客先で迅速に機器の提示をすることが可能となる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、穀物乾燥機の筐体製品情報(標準寸法、容量)と入力された仕様情報(据付空間の寸法、容量)から、演算部が穀物乾燥機の設置可否判断を行い、設置可否判断の結果から据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定するための処理を行うことが可能となる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、前記最適な穀物乾燥機を選定するための処理では、穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更することで、据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定することが可能となる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、取得した仕様情報にオプション品が有るか否かを判定し、オプション品が有りとの判定時には、オプション品有りと無しの2パターンで穀物乾燥機の高さ方向又は奥行方向の少なくともいずれか一方の寸法を変更することで、据付空間に対して最適な穀物乾燥機を選定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る穀物乾燥機の選定システムのシステム構成を示す概略図である。
【
図2】穀物乾燥機の選定システムのフローを説明するためのフロー図である。
【
図3】穀物乾燥機の選定システムの入力画面の画面構成について説明するための概略図である。
【
図4】第1選定システムの選定方法の詳細を示すフロー図である。
【
図5】第2選定システムの選定方法の詳細を示すフロー図である。
【
図6】穀物乾燥機の選定システムの出力画面の画面構成について説明するための概略図である。
【
図7】穀物乾燥機の選定システムの見積画面ついて説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る穀物乾燥機の選定システムのシステム構成を示す概略図である。本実施形態の穀物乾燥機の選定システム1は情報端末2とサーバ10とを用いて構成されている。
図1に示すように、本実施形態の穀物乾燥機の選定システム1は、情報端末2とサーバ10とが通信部12を通して通信可能に構成されている。具体的には、情報端末2の入力部11で入力された穀物乾燥機の仕様情報をサーバ10の演算部100で受信し、受信した仕様情報に基づいて穀物乾燥機を選定し、情報端末2の出力部13に選定結果60を表示するように構成されている。
【0016】
情報端末2は、PC、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であり、情報端末2に備えられる入力部11はマウス、キーボードやタッチパネルなどである。また情報端末2は通信部12を備え、インターネット等のネットワークを通してサーバ10と接続される。出力部13は端末に備えられるディスプレイなどであるが、通信部12を通して、プリンタと接続することにより、印刷するなどして出力することも可能である。
【0017】
本実施形態の穀物乾燥機の選定システム1のサーバ10は、演算部100とデータベース150とを備えている。演算部100は、情報端末2の入力部11により入力された穀物乾燥機の仕様情報を取得するための入力情報取得部101を備え、さらに取得した仕様情報を一時的に記憶する記憶手段102、取得した仕様情報に基づき穀物乾燥機が納屋などに設置可能で有るか否かを判定するための設置可否判定部103、前記設置可否判定部103の設置可否判定結果から設置可能な穀物乾燥機を選定するための穀物乾燥機選定部104、及び選定結果を情報端末2に出力するための選定結果出力部105を備えて構成される。
【0018】
データベース150は複数の標準仕様の穀物乾燥機の基本情報(型式、定格電圧、寸法情報など)を収集した穀物乾燥機情報151(「筐体製品情報」ともいう)と、穀物乾燥機に必要な昇降機、送風機などの付帯品やオプション品であるスロワやトップセパレータなどの情報からなるパーツ情報152とから構成される。
【0019】
次に、
図2および
図3に基づいて、本実施形態の穀物乾燥機の選定システムの動作フローについて詳細に説明する。
本実施形態の穀物乾燥機の選定システムでは、まず、情報端末2から穀物乾燥機の選定システムを起動させる。すると、穀物乾燥機の仕様条件を入力するための入力画面30(
図3参照)に遷移し、情報端末2の出力部13に表示される(
図2のステップS001)。
【0020】
入力画面30では、穀物乾燥機を選定するために必要となる仕様情報を入力するよう促される。使用者は入力画面30に、要望する穀物乾燥機の容量情報31、穀物乾燥機が設置される据付空間となる第1寸法情報(高さ、幅、奥行の寸法)32、設置する穀物乾燥機の前段に設けられる、例えば、石抜機や粗選機などの前段設置の第1機器情報33、穀物乾燥機の後段に設けられる、例えば、タンクや搬送機などの後段設置の第2機器情報34、オプション情報36、施設搬入口となる第2寸法情報37などについて入力する。これらの入力情報は、後述する穀物乾燥機の設置判定処理で用いられる。
【0021】
その他、昇降機、昇降機排出方法、送風機、送風機取付方法、張込条件、張込方法などに関する付帯品情報35を選択して入力する(
図2のステップS002)。これら入力する項目についてはラジオボタンやリストを用いて複数の項目から1つの項目を選択する選択形式でもよく、情報端末2の入力部11を用いて入力フォームに数値や文字を直接入力する方式でも良い。
【0022】
入力項目については、穀物乾燥機の前後に設置されている機器の種類によって、例えば、昇降機の設置位置や排出方法などが限定されることにより選択できなくなる項目がある場合には、選択ボタンを選べないようにすることもできる。
【0023】
使用者によって入力された穀物乾燥機の仕様情報は、入力画面30に表示されている選定処理実施ボタン38を押下することにより、通信部12(
図1を参照)を経由してサーバ10の演算部100内の入力情報取得部101に取得される(
図2のステップS003)。
【0024】
取得された穀物乾燥機の仕様情報を基に、演算部100の設置可否判定部103では、記憶情報102に記憶された各寸法情報と、入力された設置空間寸法とを対比することによって、設置空間となる第1寸法情報32に、まずは基本寸法(以下「標準仕様」という。)の穀物乾燥機が設置可能か否かの判定が行われる(
図2のステップS004)。
【0025】
設置可否判定部103では、記憶部102に記憶された設置空間となる第1寸法情報32に標準仕様の穀物乾燥機が設置可能か否か、また搬送する際の梱包サイズで施設搬入口となる第2寸法情報37に梱包物が搬入可能か否か、について判定を行う。穀物乾燥機の標準仕様はデータベース150に穀物乾燥機情報151として記憶されているため、穀物乾燥機の標準仕様の寸法と仕様情報に入力された設置空間となる第1寸法情報32の寸法を比較して設置可否の判断を行う。この時、設置空間となる第1寸法32の幅方向の寸法、奥行方向の寸法については、メンテナンス空間寸法(機器の仕様に記載)を除いた寸法で判定を行う。
【0026】
施設搬入口となる第2寸法情報37については、搬送時に分解されるそれぞれの梱包物の梱包サイズの最小サイズを施設搬入口となる第2寸法情報37と比較することで、搬入口から搬入可能であるか否かを判定する。
【0027】
基本寸法設置可否判定処理(
図2のステップS004)の結果、仕様情報に入力された希望する容量の標準仕様の穀物乾燥機が設置可能(
図2のステップS004がYesの場合)との判定になった場合、穀物乾燥機選定部104によってデータベース150に記憶された穀物乾燥機情報151の中から該当する穀物乾燥機を選定する(
図2のステップS005)。選定された穀物乾燥機は選定結果出力部105によって情報端末2の出力部13に表示される。出力部13に表示される選定結果は
図6に示すように、出力結果60として表示される。設置可能となる穀物乾燥機が複数種類選定できる場合は、すべての機種について出力結果60を表示する。
【0028】
基本寸法設置可否判定処理(
図2のステップS004)の結果、仕様情報に入力された希望する容量の標準仕様の穀物乾燥機が設置不可(
図2のステップS004がNoの場合)との判定になった場合、標準仕様の穀物乾燥機の高さ方向及び/又は奥行方向の寸法を変更することで、希望する容量となる穀物乾燥機が設置可能であるか判定を行う(
図2のステップS006)。
【0029】
寸法変更による穀物乾燥機の設置判定処理については、演算部100の設置可否判定部103にて行う。設置可否判定部103では穀物乾燥機の寸法を変更しながら穀物乾燥機の容量の計算を行う。穀物乾燥機の標準寸法情報は、データベース150の穀物乾燥機情報151に記憶されている。穀物乾燥機情報151は、標準寸法の情報以外に、変更可能な寸法幅についても機種ごとに記憶されている。まず、奥行方向に変更できる寸法幅については、穀物乾燥機本体内部へ乾燥風を送風するためのファンが設けられており、前記ファンの送風能力の上限を超えることがないよう変更できる寸法幅が決められている。
【0030】
次に、高さ方向に変更できる寸法幅については、穀物乾燥機内部に張り込む籾の総重量が穀物乾燥機本体の耐荷重を超えることがないよう規定される。籾重量は刈取り直後の水分値が最も高く、この時点の重量を想定するのがよい。例えば、刈取り直後の籾の水分値が30%(W.b.)時の重量で換算して、耐荷重の上限となる容量を計算するとよい。計算された前記容量となる寸法まで、高さ方向は変更可能となる。そのため、奥行き方向の寸法により高さ方向の変更できる寸法幅は変わってくる。設置可否判定部103では、入力された据付空間となる第1寸法情報32の範囲内で、固定値である穀物乾燥機の幅寸法と、奥行寸法(変更幅が決められた変数Y)と、高さ寸法(変更幅が動く変数X)から希望する容量の穀物乾燥機が設置可能か否かについての判定を行う。
【0031】
穀物乾燥機の寸法を変更することで、希望する容量の穀物乾燥機が設置可能となった場合(
図2のステップS006がYesの場合)には、第1選定処理(
図2のステップS007)に至り、穀物乾燥機の選定を行う(
図2のステップS007)。
【0032】
ここで第1選定処理について、
図4に基づいて詳細に説明する。
第1選定処理では、標準仕様の穀物乾燥機は設置できないが、穀物乾燥機の寸法を変更することにより希望する容量の穀物乾燥機が設置可能であるため、設置する穀物乾燥機の寸法を選定することとなる。
【0033】
まず、第一選定処理では、寸法変更による穀物乾燥機設置判定処理(
図2のステップS006)において、高さ方向の寸法のみ変更することで設置可能となった穀物乾燥機が有ったか否かを判定する(
図4のステップS011)。高さ方向の寸法のみ変更することで設置可能となる穀物乾燥機があった場合(
図4のステップS011がYesの場合)、穀物乾燥機選定部104において高さ寸法を変更した穀物乾燥機を選定し、これを情報端末2の出力部13に選定結果60(
図6参照)として出力される(
図2のステップS009)。
【0034】
高さ方向のみ寸法を変更した穀物乾燥機を選定する理由は以下のとおりである。すなわち、高さ方向のみに寸法を変更する場合、穀物乾燥機本体のサイズを変更することなく、穀物乾燥機上部のタンク部のみを高さ方向に延ばすことで設置することが可能となるからである。これにより、標準仕様の穀物乾燥機と共通で使用できる部品が多くなり、奥行方向に寸法を変更するよりも費用を安価にサイズ変更することができる。
【0035】
寸法変更による穀物乾燥機設置判定処理(
図2のステップS006)において、高さ方向の寸法のみ変更し、設置可能となった穀物乾燥機が無かった場合(
図2のステップS011がNoの場合)、穀物乾燥機選定部104において、高さ寸法及び奥行き寸法を変更した穀物乾燥機を選定する(
図4のステップS012)。選定された穀物乾燥機は選定結果出力部105によって、情報端末2の出力部13に選定結果60(
図6参照)として出力される(
図2のステップS009)。
【0036】
穀物乾燥機の寸法を変更しても、希望する容量の穀物乾燥機が設置不可となった場合(
図2のステップS006がNoの場合)には、第2選定処理に至り、穀物乾燥機の選定を行う(
図2のステップS008)。
【0037】
ここで第2選定処理について、
図5に基づいて詳細に説明する。
第2選定処理では、入力画面30(
図3参照)に入力された仕様条件の穀物乾燥機は寸法を変更しても設置不可との判定となるため、入力画面30に入力された、据付空間となる第1寸法情報32に設置可能となる最大寸法の穀物乾燥機を選定する。
【0038】
第2選定処理では、まず、オプション有無判定を行う(
図5のステップS021)。これは、スロワ、トップセパレータのオプション品が入力画面30のオプション36で選択されているか否かについて判定を行う。スロワ、トップセパレータのオプション品は、設置することにより穀物乾燥機の寸法サイズが変更されるため、オプションとして選択されているか否かを判定する。
【0039】
オプション有無判定の結果、オプション有りとの判定になった場合(
図5のステップS021でYesの場合)、オプションを取付けた状態と、オプションを取外した状態の2パターンで設置可能な穀物乾燥機を選定する(
図5のステップS022)。オプションを取付けた状態の穀物乾燥機の寸法は、寸法変更による穀物乾燥機設置判定処理(
図2のステップS006)において計算された設置可能な最大容量の穀物乾燥機が選定される。オプションを取外した状態の穀物乾燥機の寸法は、演算部100の設置可否判定部103にて設置可能となる穀物乾燥機の寸法(最大容量は希望容量とする)を計算し、計算された設置可能な最大容量の穀物乾燥機となる寸法の穀物乾燥機が選定される。選定されたオプション有りとオプション無しの2パターンの穀物乾燥機が選定結果出力部105によって、情報端末2の出力部13に選定結果60として出力される(
図2のステップS009)。
【0040】
オプション有無判定の結果でオプション有りとの判定になった場合、入力画面30に入力された仕様情報から、演算部100の設置可否判定部103では、オプション有りの寸法で設置可否判定を行っている。しかしながら、オプションを取外すことによって、希望する容量の穀物乾燥機が設置できる可能性もある。そのため、オプション有無の2パターンで設置可能な穀物乾燥機を選定することにより、使用者に選択肢を与えることが可能となる。
【0041】
第2選定処理のオプション有無判定において、オプションが無いと判定された場合(
図5のステップS021がNoの場合)、寸法変更による穀物乾燥機設置判定処理(
図2のステップS006)に至り、設置可能な最大容量の穀物乾燥機が選定される(
図5のステップS023)。選定された穀物乾燥機は選定結果出力部105によって、情報端末2の出力部13に選定結果60として出力される(
図2のステップS009)。
【0042】
図6の選定結果60には、穀物乾燥機の選定システムによって選定された穀物乾燥機情報が記載されている。記載される内容としては、設置可能となった穀物乾燥機の容量である穀物乾燥機容量情報61、設置可能となった穀物乾燥機の型式である穀物乾燥機型式情報62、設置可能となった穀物乾燥機の寸法である機体寸法図情報63、その他、入力画面30で入力した付帯品情報35に入力した付帯品情報64、オプションとして選択されたオプション情報65である。
【0043】
選定結果60下部には、部品リスト一覧66と見積作成67のボタンが配置される。部品リスト一覧ボタン66を押下すると、穀物乾燥機の選定システムによって選定された穀物乾燥機に必要となる部品リスト(図示せず)が作成され、情報端末2の出力部13に出力される。搬送部のスクリュー、穀物繰り出しロールなどの部品については穀物乾燥機の奥行寸法の変更幅に合わせたものが必要となる。これら、寸法の変更が必要な部品についてはデータベース150に記憶されたパーツ情報152と、変更される寸法幅により自動的に計算され、変更されたサイズで部品リストに表示される。
【0044】
選定結果60の見積作成ボタン67を押下すると、選定された穀物乾燥機の見積書が作成され、情報端末2の出力部13に出力される。
図7に示すように、見積書70には、穀物乾燥機本体、付属品、オプション、部品等の金額が表示され、金額以外として、型式、数量、寸法などの情報が表示される。
また、見積書に表示される内容としては、穀物乾燥機の運送費用や据付費用などが記載されていても良い。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、サーバにPCやスマートフォン等の端末でアクセスし、穀物乾燥機を設置する設置空間の寸法情報や希望する穀物乾燥機の容量などの仕様情報を入力することにより、設置空間に合わせた最適な穀物乾燥機が選定され、選定された穀物乾燥機に合わせた部品リストも作成してくれるので、営業担当者が都度、機種リスト等を確認して必要部品リストや見積もりを作成する必要がなくなり、客先で迅速に機器の提示をすることが可能となる。
【0046】
また、情報端末2とサーバ10とを通信する実施形態について説明をしてきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 穀物乾燥機の選定システム
2 情報端末
10 サーバ
100 演算部
101 入力情報取得部
102 記憶手段
103 設置可否判定
104 穀物乾燥機選定部
105 選定結果出力部
150 データベース
151 穀物乾燥機情報
152 パーツ情報
30 入力画面
31 穀物乾燥機容量
32 据付空間寸法
60 出力画面
70 見積書