IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイリスオーヤマ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-加熱調理器 図1
  • 特開-加熱調理器 図2
  • 特開-加熱調理器 図3
  • 特開-加熱調理器 図4
  • 特開-加熱調理器 図5
  • 特開-加熱調理器 図6
  • 特開-加熱調理器 図7
  • 特開-加熱調理器 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028543
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/06 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
F24C7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134304
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】桝澤 岳史
【テーマコード(参考)】
3L087
【Fターム(参考)】
3L087AA01
3L087AC18
3L087CA01
3L087CA03
3L087CA06
3L087CC01
3L087CC04
3L087DA12
(57)【要約】
【課題】低コストで焼むらの少ない多段調理を行うことができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、調理庫を内部に有し、調理庫の上側に配された上ヒータ11と、調理庫の下側に配された下ヒータ12と、調理庫における上下方向と直交する方向の両側の少なくとも一方側であって上ヒータ11と下ヒータ12との間に配された中ヒータ13とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理庫を内部に有する加熱調理器において、
前記調理庫の上側に配された上ヒータと、
前記調理庫の下側に配された下ヒータと、
前記調理庫における上下方向と直交する方向の両側の少なくとも一方側であって前記上ヒータと前記下ヒータとの間に配された中ヒータと
を備える、
加熱調理器。
【請求項2】
前記中ヒータは、前記調理庫を構成する側壁部の平坦部分に設けられている、
請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記中ヒータは、前記調理庫を構成する側壁部における前記直交する方向の外方へ凹入する凹入部分に設けられている、
請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記中ヒータはマイカヒータである、
請求項1~3の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記中ヒータは石英管ヒータ又はシーズヒータである、
請求項1~3の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記中ヒータから上方向又は下方向に放射された熱線を遮蔽する遮蔽板を備える、
請求項5に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記調理庫内に上下方向に多段でトレイが配置可能に構成され、
前記中ヒータは、前記直交する方向から見たときに、上下方向に隣接する2つの前記トレイの間に収まる、
請求項1~6の何れか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理庫内にヒータを備える加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器として、調理庫内に、上下のヒータに加え、側壁面の皿受棚(4カ所)の内部にもヒータと温度センサとを設けたものが開示されている(例えば、特許文献1)。
これにより、多段調理を可能とすると共に、側壁面の温度センサにより温度を検出して、ヒータへの通電を制御することで、被調理物の焼きむらを生じさせないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-047693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記加熱調理器は、側壁面に4つのヒータを設けるため、コストが高くなるという課題がある。
本発明は、低コストで焼むらの少ない多段調理を行うことができる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る加熱調理器は、調理庫を内部に有する加熱調理器において、前記調理庫の上側に配された上ヒータと、前記調理庫の下側に配された下ヒータと、前記調理庫における上下方向と直交する方向の両側の少なくとも一方側であって前記上ヒータと前記下ヒータとの間に配された中ヒータとを備える。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、上ヒータと下ヒータとの間に中ヒータを備えるので、低コストで焼むらの少ない多段調理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る加熱調理器を上方から見た斜視図であり、(a)はドアを閉めた状態であり、(b)はドアを開けた状態であり、上下にトレイを取り付けている。
図2】ドアを開けた状態であってトレイを外した状態の加熱調理器を上方から見た斜視図である。
図3】ドアを外した加熱調理器の斜視図であり、(a)は下方から見た図であり、(b)は上方から見た図である。
図4】加熱装置の断面図であり、(a)は左右方向と直交する断面であり、(b)は前後方向と直交する断面である。
図5】前後方向と直交する断面であって、中ヒータ周辺を拡大した図である。
図6】別の態様の中ヒータ周辺を拡大した断面図である。
図7】別の態様の中ヒータ周辺を拡大した断面図である。
図8】別の態様の中ヒータ周辺を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る第1の加熱調理器は、調理庫を内部に有する加熱調理器において、前記調理庫の上側に配された上ヒータと、前記調理庫の下側に配された下ヒータと、前記調理庫における上下方向と直交する方向の両側の少なくとも一方側であって前記上ヒータと前記下ヒータとの間に配された中ヒータとを備える。これにより、中ヒータの設置個所を少なくしても焼むらを少なくできる。
実施形態の別態様に係る第2の加熱調理器は、第1の加熱調理器において、前記中ヒータは、前記調理庫を構成する側壁部の平坦部分に設けられている。これにより、外壁の温度上昇を抑制できる。
実施形態の別態様に係る第3の加熱調理器は、第1の加熱調理器において、前記中ヒータは、前記調理庫を構成する側壁部における前記直交する方向の外方へ凹入する凹入部分に設けられている。これにより、調理庫内を広く利用できる。
【0009】
実施形態の別態様に係る第4の加熱調理器は、第1~3の何れかの加熱調理器において、前記中ヒータはマイカヒータである。又は、前記中ヒータは石英管ヒータ又はシーズヒータである。これにより、容易に実施できる。
実施形態の別態様に係る第6の加熱調理器は、第5の加熱調理器において、前記中ヒータから上方向又は下方向に放射された熱線を遮蔽する遮蔽板を備える。これにより、外壁の温度上昇を抑制できる。
実施形態の別態様に係る第5の加熱調理器は、第1~6の何れかの加熱調理器において、前記調理庫内に上下方向に多段でトレイが配置可能に構成され、前記中ヒータは、前記直交する方向から見たときに、上下方向に隣接する2つの前記トレイの間に収まる。これにより、中ヒータが調理庫に向き、加熱効率を高めることができる。
【0010】
<実施形態>
1.全体構成
加熱調理器Xは内部に調理庫3を有する。加熱調理器Xは、図1に示すように、一面が開放する箱状の加熱装置1と、一面を開閉するドア5とを備え、加熱装置1の一面がドアで閉じられることで内部に調理庫3が形成される。ここでの加熱装置1は、前面が開放し、前面をドア5が開閉する。加熱調理器Xは、多段調理用の複数(ここでは2つである)のトレイ7を付け外し可能に備える。
なお、加熱装置1の開放している側を前側とし、ドア5を真正面に見たときに、左右方向において右側に位置する側を、便宜上、右側とする。
以下、各部について説明する。
【0011】
2.加熱装置
加熱装置1は、図1に示すように、前側に開口部を有する箱状の筐体10と、筐体10内であって上下に配された上下ヒータ11,12と、筐体10内であって左右に配された中ヒータ13と、ヒータ11,12,13等を制御する制御ユニット15と、マイクロ加熱ユニット16と、各ユニットや各部に電力を供給するための電源ユニット17とを備える。なお、中ヒータ13は、上下方向において、上ヒータ11と下ヒータ12との間に設けられている。
【0012】
(1)筐体
筐体10は、ここでは、直方体状をし、内壁100と外壁101とを有する。内壁100は、加熱装置1とドア5とで構成される調理庫3のうち、加熱装置1側の調理庫3を構成する。内壁100に、上下ヒータ11,12、中ヒータ13が設けられ、内壁100と外壁101との間に制御ユニット15、電源ユニット17等が設けられている。
【0013】
内壁100は、内側上壁部100a、内側下壁部100b、内側右側壁部100c、内側左側壁部100d及び内側後壁部100eを有している。なお、外壁101の壁部と区別するために、便宜上、内壁100の壁部に「内側」を、外壁101の壁部に「外側」をそれぞれ付している。
調理庫3の上側に上ヒータ11が設けられている。ここでは、内側上壁部100aに上ヒータ11が設けられている。内側上壁部100aは、図4に示すように、周辺部から上側に凹入し、当該凹入部分100fに上ヒータ11が配されている。内側上壁部100aには、使用者の手、トレイ7、被加熱物等が接触するのを防止するためのカバー105が設けられている。
調理庫3の下側に下ヒータ12が設けられている。ここでは、内側下壁部100bに下ヒータ12が設けられている。内側下壁部100bは、図4に示すように、周辺部から下側に凹入し、当該凹入部分100gに下ヒータ12が配されている。内側下壁部100bには、凹入部分100gを覆うガラステーブル106が設けられ、下ヒータ12は、凹入部分100gとガラステーブル106とで形成される空間内に配されている。
内側下壁部100bとガラステーブル106との間には、マイクロ加熱ユニット16の回転アンテナ161が配されている。なお、マイクロ加熱ユニット16のマグネトロン等は内側下壁部100bの下側に配されている。
【0014】
内側右側壁部100cと内側左側壁部100dは、トレイ7を多段(2段)で支持する支持部分100jを有している。支持部分100jは、トレイ7の左右端部が挿入される溝状であってもよいし、トレイ7の左右端部を下方から支持する突条状であってもよい。ここでは、左右方向の内方へ張り出し、前後方向に延伸する突条部により構成されている。また、ここでは、突条部は、上下に間隔をおいて設けられている。つまり、内側右側壁部100c及び内側左側壁部100dのそれぞれに突条部が2個設けられている。
調理庫3の左右両側には中ヒータ13が設けられている。ここでは、内側右側壁部100c及び内側左側壁部100dに中ヒータ13が設けられている。内側右側壁部100c及び内側左側壁部100dは、図5に示すように、上下の支持部分100jの間に、左右方向の外方に凹入する凹入部分100kを有している。凹入部分100kに中ヒータ13が収容されている。
【0015】
外壁101は、外側上壁部101a、外側下壁部101b、外側右側壁部101c、外側左側壁部101d、外側後壁部101e、外側前壁部101fを有している。外側下壁部101bと内側下壁部100bとの間には、マイクロ加熱ユニット16の主要部、制御ユニット15、電源ユニット17等が設けられている。
なお、外側前壁部101fは、外壁101と内壁100との隙間を覆うように設けられている。
【0016】
(2)ヒータ
(2-1)上ヒータ
上ヒータ11は、例えば、石英管ヒータを利用する。ここでは、図3の(a)に示すように、左右方向に延伸する棒状の複数本(例えば3本)の石英管ヒータが、図4の(a)に示すように前後方向に間隔を置いて配されている。
上ヒータ11は、図4に示すように、筐体10の内側上壁部100aの凹入部分100f内に配され、カバー105により覆われている。カバー105は、左右方向又は前後方向に延伸する複数本の棒材が前後方向又は左右方向に間隔をおいて配されることで構成されている。
【0017】
(2-2)下ヒータ
下ヒータ12は、例えば、石英管ヒータを利用し、図3の(b)に示すように、矩形環状をしている。下ヒータ12は、図4に示すように、筐体10の内側下壁部100bの凹入部分100g内に配され、ガラスプレート(テーブル)106により覆われている。
【0018】
(2-3)中ヒータ
中ヒータ13は、例えば、石英管ヒータ、シーズヒータ、マイカヒータ等を利用でき、ここでは、板状のマイカヒータを利用している。より具体的には、ガルバニ鋼板により被覆されたマイカヒータを利用している。
中ヒータ13は、上下方向において、上ヒータ11と下ヒータ12との間に設けられている。中ヒータ13は、図5に示すように、その少なくとも一部が内側右側壁部100c又は内側左側壁部100dの凹入部分100k内に位置するように、配されている。これにより、調理庫3内を広くできる。ここでは、中ヒータ13の全部が凹入部分100k内に配されている。これにより、中ヒータ13が凹入部分100kから調理庫3内に張り出さず、トレイ7や被調理物が接触するのを防止できる。また、調理庫3内を広くできる。
【0019】
中ヒータ13は、上段の支持部分100jと下段の支持部分100jとの間に設けられている。これにより、調理庫3内の温度のバラつきを小さくでき、焼むらの少ない多段調理が可能となる。
中ヒータ13は、図5に示すように、上段の支持部分100jに支持されたトレイ7と、下段の支持部分100jに支持されたトレイ7との間に配されている。つまり、左右方向から内側右側壁部100c又は内側左側壁部100dを見たときに、中ヒータ13の少なくとも一部が見えるように配されている。これにより、中ヒータ13からの熱がトレイ7に効率よく伝導する。特に、ここでは、左右方向から見たときに、中ヒータ13の全部が上下のトレイ7により隠れない(見える)ように配されている。これにより、中ヒータ13からの熱をトレイ7により一層効率よく伝導する。
凹入部分100kは前後方向に長い形状をしており(左右方向から見ると矩形状をしている)、中ヒータ13は、板状をし、左右方向からから見ると矩形状をしている。中ヒータ13は、その厚み方向が左右方向とし、その長手方向が前後方向となるように配されている。これにより、調理庫3内において前後方向の温度ムラを少なくできる。
中ヒータ13は、調理庫3側からカバー107により覆われている。これにより、使用者が中ヒータ13に直接触れるのを防止でき、安全性を高めることができる。カバー107は、網目状をしており、前後方向の複数のバーと上下方向の複数のバーとが格子状に連結されてなる。
【0020】
(3)マイクロ加熱ユニット
マイクロ加熱ユニット16は、図4に示すように、回転可能に支持された回転アンテナ161と、回転アンテナ161を回転駆動させるモータ162と、マイクロ波を発生させるマグネトロン163と、発生したマイクロ波を回転アンテナ161側に導波させるための導波管164と、マグネトロン163用の高圧トランス165等を備える。
なお、回転アンテナ161は、上述の通り、内側下壁部100bとガラステーブル106との間に配され、モータ162とマグネトロン163と導波管164と高圧トランス165は、内側下壁部100bと外側下壁部101bとの間に配されている。
【0021】
(4)電源ユニット
電源ユニット17は、加熱調理器Xで必要な電力を生成する。電源ユニット17は、複数の電子部品と、これらを実装する電源基板とから構成され、例えば、整流回路、平滑回路、変圧回路、変流回路等を構成する。電源ユニット17は内側下壁部100bと外側下壁部101bとの間に配されている。
【0022】
(5)制御ユニット
制御ユニット15は、使用者の操作部53の操作に対応してヒータ11,12,13やマイクロ加熱ユニット16を駆動したり、使用者が選択した調理内容に対応したプログラムを実行したり、残りの調理時間や選択したプログラムを表示部54に表示させたり等する。
制御ユニット15は、マイクロコンピュータ等で構成される制御部と、あらかじめ複数の自動調理メニューに対応したプログラムや各種データを記憶する記憶部と、時間をカウントするためのタイマ等を備える。制御ユニット15は、複数の電子部品から構成され、当該電子部品は制御基板に実装されている。制御ユニット15は内側下壁部100bと外側下壁部101bとの間に配されている。
【0023】
3.ドア
ドア5は、図1に示すように、上下軸又は左右軸の周りに回動可能に支持されている。ここでは、下部側が左右軸に支持されている。
ドア5は、ドア本体51と、ドア本体51に設けられたハンドル部52と、ドア本体51に設けられた操作部53と表示部54とを備える。
操作ユニットは、例えばボタンやダイヤル等の操作部53を備え、その操作基板等がドア本体51内に位置するように設けられている。使用者は、操作部53を操作することにより、被加熱物を加熱したり、被調理物を手動又は自動で調理したりできる。
表示ユニットは、使用者の操作を補助(ガイド)したり、選択内容を表示したり、時間や温度等を表示したり、稼働中であることを報知したりする表示部54を備え、その表示基板等はドア本体51内に配されている。
【0024】
4.トレイ
トレイ7は、上方から見ると、左右方向に長い矩形状をしている。トレイ7は、矩形状又は矩形状に似た形状の平板部71と、平板部71の周縁から上方に延伸する側板部73と、側板部73の上端縁から左右方向又は前後方向に延伸するフランジ板部75とを有している。なお、ここでは、フランジ板部75の先端が下方に丸められている。
フランジ板部75は、加熱装置1の支持部分100jの上面に下面が当接することで、支持部分100jにより支持される。
【0025】
5.中ヒータについて
図5で示す、中ヒータ13は、その全部が内側右側壁部100c及び内側左側壁部100dの凹入部分100k内に位置するように設けられているが、例えば、図6に示すように、内壁2100(内側左側壁部2100d)の平坦部分2100nに設けてもよい。ここでは、中ヒータ13を収容(支持)するカバー2107を利用して、内壁2100(内側左側壁部2100d)の内面に取り付けられている。これにより、中ヒータ13が上下のトレイ7に近くなり、熱伝導性を高めることができる。中ヒータ13は、左右方向から見ると、少なくとも一部が見えており、ここでは全部が見えている。
なお、ここでは、内側左側壁部2100dの中ヒータ13について説明したが、内側右側壁部に対しても同じように中ヒータ13を設けてもよいし、違う構成で中ヒータを設けてもよい。
【0026】
図5で示す、中ヒータ13は凹入部分100k内に完全に収容される状態で配されていたが、一部が凹入部分100kから張り出して収容された状態で配されてもよい。また、図7に示すように、内壁3100(内側左側壁部3100d)は、上段の支持部分3100jと下段の支持部分3100jの間に貫通孔3100mを有し、当該貫通孔3100mに対して、調理庫3の内側又は外側(ここでは外側である)に中ヒータ13を設けてもよい。この場合、中ヒータ13を収容(支持)するカバー3107を利用して内壁3100(内側左側壁部3100d)に取り付けることで実施できる。中ヒータ13は、左右方向から見ると、少なくとも一部が見えており、ここでは上下の端部が隠れている。
なお、ここでは、内側左側壁部3100dの中ヒータ13について説明したが、内側右側壁部に対しても同じように中ヒータ13を設けてもよいし、違う構成で中ヒータを設けてもよい。
【0027】
図5図7に示す、中ヒータ13は、マイカヒータを利用しているが、図8に示すように、石英管ヒータを利用してもよい。中ヒータ4013として石英管ヒータを利用した形態を図8で説明する。
内壁4100(内側左側壁部4100d)は中ヒータ4013に対応して、左右方向の外方へ凹入する凹入部分4100kを有している。中ヒータ4013は、前後方向に長い管状をしている。中ヒータ4013は、1本又は複数本、ここでは、2本設けられている。2本の中ヒータ4013は上下に離間している。
2本の中ヒータ4013は、少なくとも1部が凹入部分4100kに位置するように設けられている。図8では、中ヒータ4013の3/4程度が凹入部分4100k内に位置する。前後方向と直交する断面において、中ヒータ4013における凹入部分4100k内に位置する面積が大きいほど、調理庫3内を広くできる一方、外壁に中ヒータ4013が近くなり、場合によっては断熱対策が必要となる。逆に、中ヒータ4013における凹入部分4100k内に位置する面積が小さいほど、調理庫3内が狭くなる一方、外壁から中ヒータ4013が遠くなり、断熱対策が不要となる。
凹入部分4100kには、中ヒータ4013に対して、上方向又は下方向に放射される熱線を遮蔽する遮蔽部が設けられている、ここでは、上下方向と左右方向との外方向とに遮蔽部を有する遮蔽板4108が利用されている。これにより、中ヒータ4018から発せられた熱線を調理庫3内へと反射させると共に凹入部分4100k側や外壁側に伝わるのを防止でき、熱効率を高めることができる。
ここでの中ヒータ4013は、複数本の保護バーから構成されたカバー4107により覆われている。なお、ここでは、内側左側壁部4100dの中ヒータ4013について説明したが、内側右側壁部に対しても同じように中ヒータ4013を設けてもよいし、違う構成で中ヒータ4013を設けてもよいし、シーズヒータ等の他の種類の中ヒータを設けてもよい。
【0028】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0029】
<変形例>
1.加熱調理器
加熱調理器Xは、マイクロ加熱ユニット16を備えてもよいし、備えなくてもよい。マイクロ加熱ユニット16を備えない場合、ガラステーブル106を備えなくてもよい。
加熱調理器Xは、コンベクション方式であるファンとヒータとを備えてもよし、備えなくてもよい。
加熱調理器Xは、加熱装置1の前面の開口を開閉するドア5を左右軸の周りに回動可能に備えていた(所謂、縦開きタイプである)が、ドアを上下軸の周りに回動可能に備えて(所謂、横開きタイプである)もよい。
【0030】
2.上ヒータ及び下ヒータ
上ヒータ11及び下ヒータ12は、石英管ヒータを利用したが、シーズヒータやマイカヒータを利用してもよいし、複数種類のヒータを利用してもよい。
実施形態では、3本の上ヒータ11を前後方向に間隔をおいて配されていたが、例えば、複数本のヒータが左右方向に間隔をおいて配されてもよいし、1本であってもよい。1本の場合、管状であってもよいし、環状、「U」字状であってもよい。
実施形態では、1本の環状の下ヒータ12を備えていたが、上ヒータ11のように複数本の管状のヒータを備えてもよい。下ヒータ12は、ガラステーブル106の下方に配されていたが、ガラステーブル106の上方に配されてもよい。
【0031】
3.中ヒータ
実施形態では、2段のトレイ7の上下方向の間に配されていたが、例えば3段以上のトレイ7の各間に中ヒータ13を備えてもよい。
実施形態では、内側右側壁部100cと内側左側壁部100dに中ヒータ13が設けられていたが、左右の内側側壁部のうちの一方の側壁部に中ヒータ13が設けられてもよいし、例えば、3段以上のトレイ7の間を左右で交互に中ヒータ13が設けられてもよい。
中ヒータ13は、前後方向に延伸する1個のマイカヒータを利用したが、例えば、前後方向に複数個のヒータを配してもよい。この場合、前後のヒータ間に隙間があってもよいし、端部同士が重なってもよい。
実施形態において、上下方向と直交する方向は、上下方向と前後方向との直交する方向(左右方向)であったが、上下方向と左右方向とに直交する方向(前後方向)であってもよい。この場合、ドア5に設けることで実施できる。
中ヒータ13は、調理庫3を構成する内側右側壁部100cと内側左側壁部100dに直接設けられていたが、例えば、中ヒータ13を支持する支持具が内側右側壁部100c、内側左側壁部100d、内側上壁部100a、内側下壁部100b、内側後壁部100eの何れかに設けられてもよい。
【0032】
4.トレイ
複数個のトレイ7は、同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。
トレイ7は、平板部71の外面(下面)に反射機能を持たせてもよい。これにより、中ヒータ13から放出される輻射熱が反射機能により下方へ反射されるため、反射機能がない場合に比べ、下段に置かれたトレイ上の食材を効率的に加熱することができる。なお、反射機能は、例えば、反射板を設けてもよいし、外面を鏡面加工やコーティング加工により反射面としてもよい。この場合、複数のトレイ7に対して反射機能を持たせてもよいし、上段に位置するトレイに対して反射機能を持たせてもよい。なお、上側のトレイであることが使用者に分かるように、平板部に「上」等を意味する凹み等を設けてもよいし、構造的に上段にしか設置できないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 加熱装置
5 ドア
7 トレイ
11 上ヒータ
12 下ヒータ
13 中ヒータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8