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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028567
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】筆記具セット
(51)【国際特許分類】
   B43K 23/00 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
B43K23/00 200E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134357
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】西田 剛史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 優希
(72)【発明者】
【氏名】牧 貴之
(57)【要約】
【課題】複数の筆記具を有する筆記具セットであって、全体として意匠性が高く、且つ、筆記具の各々を容易に識別可能な筆記具セットを提供する。
【解決手段】筆記具セット1が、少なくとも3種類以上を含む複数の筆記具6と、複数の筆記具6の軸線を整列させた状態で複数の筆記具6の一方の端部を収容可能なケース5とを具備し、複数の筆記具6が、他方の端部側から軸線方向に見た平面視では同一の外形を有し、収容状態における複数の筆記具6のケース5から突出する部分が、側面視において複数の筆記具6の種類に応じて異なる形状を有すると共に、収容状態における複数の筆記具6のケース5に収容される部分が、側面視において複数の筆記具6の種類に応じて異なる形状を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3種類以上を含む複数の筆記具と、前記複数の筆記具の軸線を整列させた状態で前記複数の筆記具の一方の端部を収容可能なケースとを具備する筆記具セットであって、
前記複数の筆記具が、他方の端部側から軸線方向に見た平面視では同一の外形を有し、収容状態における前記複数の筆記具の前記ケースから突出する部分が、側面視において前記複数の筆記具の種類に応じて異なる形状を有すると共に、収容状態における前記複数の筆記具の前記ケースに収容される部分が、側面視において前記複数の筆記具の種類に応じて異なる形状を有することを特徴とする筆記具セット。
【請求項2】
前記ケースが、前記複数の筆記具の各々を独立して収容可能で且つ同一の形状を有する複数の収容部を有し、前記複数の収容部が、軸線方向に沿って離間した少なくとも2つの嵌合部を有し、前記複数の筆記具の各々が、収容状態において前記少なくとも2つの嵌合部のいずれかと嵌合可能である請求項1に記載の筆記具セット。
【請求項3】
前記ケースが、前記複数の筆記具を収容する本体部材と、前記本体部材において前記複数の筆記具が収容される側とは反対側に設けられ、前記本体部材の側壁によって画成された略矩形の開口部と、前記側壁に沿って前記開口部に挿入される少なくとも1つの挿入片を備え且つ前記開口部に嵌合される嵌合部材とを有している請求項1又は2に記載の筆記具セット。
【請求項4】
前記ケースが自立可能である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の筆記具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の筆記具からなる筆記具セットが公知である(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
特許文献1に記載の筆記具セットは、3つの筆記具と、これら筆記具を収容可能なケースとを有している。ケースは、一端が細長に開口している。筆記具セットは、3つの筆記具がケースの中に収容された収容状態と、3つの筆記具の後端部がケースの開口部から突出している取出状態とを有している。筆記具セットは、収容状態において、ケースの側面に設けられた操作部を操作することによって取出状態にすることができる。3つの筆記具の各々は、略同一断面形状で且つ略同一外形を有していることから、デザインの統一性があり、高い意匠性を有している。3つの筆記具の後端部には、互いに異なる形状等を備えた識別部として溝が形成されている。取出状態において識別部を確認することによって、略同一外形の3つの筆記具の中から所望の1つの筆記具を選択することができる。特許文献2に記載の筆記具セットは、互いの軸筒に異なる装飾を施し、一体感を持たせた意匠性のある複数の筆記具を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-040388号公報
【特許文献2】特開2018-199228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の筆記具セットは、収容状態では、識別部がケースに隠れて視認できないことから、ケースにどのような筆記具が収容されているのか判別することができない。すなわち、筆記具セットに含まれている筆記具を確認するために、操作部を操作して取出状態にする必要がある。また、すべての筆記具が略同一外形であることから、異なる外形の筆記具をケースに嵌合させて収容することができない。また、特許文献2の筆記具セットは、外形が完全に同一であることから、例えば触感で以て各筆記具の種類を判別することは困難である。
【0006】
本発明は、複数の筆記具を有する筆記具セットであって、全体として意匠性が高く、且つ、筆記具の各々を容易に識別可能な筆記具セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、少なくとも3種類以上を含む複数の筆記具と、前記複数の筆記具の軸線を整列させた状態で前記複数の筆記具の一方の端部を収容可能なケースとを具備する筆記具セットであって、前記複数の筆記具が、他方の端部側から軸線方向に見た平面視では同一の外形を有し、収容状態における前記複数の筆記具の前記ケースから突出する部分が、側面視において前記複数の筆記具の種類に応じて異なる形状を有すると共に、収容状態における前記複数の筆記具の前記ケースに収容される部分が、側面視において前記複数の筆記具の種類に応じて異なる形状を有することを特徴とする筆記具セットが提供される。
【0008】
前記複数の筆記具が、前記平面視では同一の形状を有していてもよい。収容状態における前記複数の筆記具の前記ケースに収容される部分が、側面視において前記複数の筆記具の種類に応じて異なる形状を有していてもよい。収容状態における前記複数の筆記具のうち少なくとも2種類以上の前記筆記具について、前記ケースから突出する部分の長さが同一であってもよい。前記ケースが、前記複数の筆記具の各々を独立して収容可能で且つ同一の形状を有する複数の収容部を有し、前記複数の収容部が、軸線方向に沿って離間した少なくとも2つの嵌合部を有し、前記複数の筆記具の各々が、収容状態において前記少なくとも2つの嵌合部のいずれかと嵌合可能であってもよい。前記収容部の各々には貫通孔が形成されていてもよい。前記ケースが、前記複数の筆記具を収容する本体部材と、前記本体部材において前記複数の筆記具が収容される側とは反対側に設けられ、前記本体部材の側壁によって画成された略矩形の開口部と、前記側壁に沿って前記開口部に挿入される少なくとも1つの挿入片を備え且つ前記開口部に嵌合される嵌合部材とを有していてもよい。前記嵌合部材が、対向する2つの前記側壁の各々に沿って前記開口部に挿入される2つの前記挿入片を備えていてもよい。前記挿入片が板状に形成されていてもよい。前記挿入片が、前記本体部材の対応する前記開口部の幅方向に亘って形成され、前記幅方向における前記挿入片の両端には、前記開口部の奥に向かうにしたがって前記側壁と隣接する側壁から離間するように形成されたガイド部が設けられていてもよい。前記ケースが自立可能であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、複数の筆記具を有する筆記具セットであって、全体として意匠性が高く、且つ、筆記具の各々を容易に識別可能な筆記具セットを提供するという共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態による筆記具セットの斜視図である。
図2図2は、図1の筆記具セットの平面図である。
図3図3は、図1の筆記具セットの正面図である。
図4図4は、図1の筆記具セットに含まれる複数の筆記具の正面図である。
図5図5は、ケースの分解斜視図である。
図6図6は、ケースの斜視図である。
図7図7は、ケースの縦断面図である。
図8図8は、嵌合部材の正面図である。
図9図9は、本発明の別の実施形態による筆記具セットの斜視図である。
図10図10は、図9の筆記具セットの平面図である。
図11図11は、図9の筆記具セットの正面図である。
図12図12は、図9の筆記具セットに含まれる複数の筆記具の正面図である。
図13図13は、本発明のさらに別の実施形態による筆記具セットの斜視図である。
図14図14は、図13の筆記具セットの平面図である。
図15図15は、図13の筆記具セットの正面図である。
図16図16は、本発明のさらに別の実施形態による筆記具セットの斜視図である。
図17図17は、図16の筆記具セットの平面図である。
図18図18は、図16の筆記具セットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に亘り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による筆記具セット1の斜視図であり、図2は、図1の筆記具セット1の平面図であり、図3は、図1の筆記具セット1の正面図である。図4は、図1の筆記具セット1に含まれる複数の筆記具6の正面図である。筆記具セット1は、ケース5と複数の筆記具6とを有している。
【0013】
複数の筆記具6は、5つの筆記具を含み、2つのボールペン30と、2つのシャープペンシル40と、1つのノック式マーキングペン50とからなる。すなわち、複数の筆記具6は、少なくとも3種類の筆記具を含んでいる。なお、本明細書において、筆記具には、筆記具に付随する道具、例えば、シャープペンシルの替芯やボールペンのリフィルを収容する替芯ケース、消しゴム及び後述する摩擦体等の筆記具用品も含む。
【0014】
図1乃至図3に示されるように、ケース5は、複数の筆記具6の軸線を整列させた状態、具体的には、一列に整列させた状態で複数の筆記具6の一方の端部を収容可能に構成されている。以下に説明する複数の筆記具は、同じ種類の筆記具については、同一の外形及びサイズを有しており、異なる種類の筆記具とは異なる外形及び形状を有している。図2に示されるように、他方の端部側から軸線方向に見た平面視では、複数の筆記具は、異なる種類同士であっても、略同一の外形、すなわち略同一の輪郭、及び、略同一のサイズを有するように構成されている。
【0015】
ボールペン30は、識別部31とキャップ32と第1環状突起33とを有している。ボールペン30は、いわゆるキャップ式のボールペンである。2つのボールペン30は、互いに異なる描線で筆記可能である。したがって例えば、2つのボールペン30による描線は、異なる色又は異なるボール径による異なる線幅であってもよい。2つのボールペン30は、1つは予備として、互いに同一の色及び線幅の描線で筆記可能であってもよい。識別部31は、キャップ32近傍の軸筒において所定の幅で全周に亘り形成されている。識別部31は、ボールペン30の他の部分と異なる同一色で着色されており、例えばボールペン30の筆記色と同一色で着色されている。第1環状突起33は、ボールペン30においてキャップ32とは反対側の端部近傍に形成されている。
【0016】
シャープペンシル40は、識別部41と操作部42と第2環状突起43と先端部44とを有している。2つのシャープペンシル40は、芯径が異なる筆記芯を収容し、互いに異なる描線で筆記可能である。シャープペンシル40は、操作部42を押圧するノック操作を行うことによって先端部44から筆記芯を繰り出すことができる。識別部41は、操作部42近傍の軸筒において所定の幅で全周に亘り凹状に形成されている。識別部41は、シャープペンシル40の他の部分と異なる同一色で着色されており、例えばシャープペンシル40の筆記色と同一色で着色されている。第2環状突起43は、シャープペンシル40において操作部42とは反対側の端部に設けられたテーパ状部分の境界部分に形成されている。
【0017】
シャープペンシル40に収容される筆記芯は、黒鉛粉末と結合材とを含んでなり、JIS S 6005:2007に規定されている方法で測定した筆記濃度がDであるとき、X線回折測定により定められる前記黒鉛の結晶子のa軸方向のサイズLa(nm)、c軸方向のサイズLc(nm)、及び、LcとLaとの比Lc/Laが、以下の式(1)~(4)を全て満たす黒鉛を構成する結晶子の形状に特徴を有することで良好な書き味や筆記距離を維持しながら、高い強度と高い筆記濃度を両立できる。
52×D+30≦La≦52×D+60・・(1)
30×D+8≦Lc≦30×D+16・・・(2)
Lc×La≦3100D+700・・・・・(3)
Lc/La≦0.18D+0.38・・・・(4)
【0018】
なお、黒鉛の結晶子は、黒鉛の結晶子のa軸方向のサイズLa及びc軸方向のサイズLcを用いて特定することができる。ここで、Laはa軸方向の幅を、Lcは結晶子のc軸方向の厚みを、それぞれ意味するものであり、いずれも体積で重みづけされた体積加重平均サイズである。このLa及びLcは、X線回折装置を用いて測定されたXRDプロファイルをもとに、Laに対しては(110)面に対応する回折線、Lcに対しては(002)面に対応する回折線の半値幅を求め、シェラーの式:L=Kλ/βcosθ(ここで、L:結晶子サイズ[nm]、K:シェラー定数、λ:X線波長[nm]、β:半値幅(ピーク強度の50%に相当する強度における回折線幅)、θ:X線照射角度(ラジアン))、フィッティング処理及び結晶子サイズの算出には、ファンダメンタル・パラメータ(FP)法を用いることにより求めることができる。
【0019】
他にも、2つのシャープペンシル40による描線は、異なる色による異なる線種であってもよい。2つのシャープペンシル40は、1つは予備として、互いに同一の色及び線幅の描線で筆記可能であってもよい。
【0020】
ノック式マーキングペン50は、識別部51と操作部52と第2環状突起53とを有している。ノック式マーキングペン50は、操作部52を押圧するノック操作を行うことによって先端部54からマーキングペンのリフィルを出没させることができる。識別部51は、軸筒を貫通する円形の貫通孔である。ノック式マーキングペン50は、識別部51である貫通孔を介して、マーキングペンの出没状態やインク色、すなわち筆記色を視認することができる。したがって、識別部51は、インジケータ機能を有している。第2環状突起53は、ノック式マーキングペン50において操作部52とは反対側の端部に設けられたテーパ状部分の境界部分に形成されている。
【0021】
なお、ノック式マーキングペン50は、筆記芯と、インク組成物を含む中綿が収容されたインク収容部と、先端孔を有する軸筒と、を備え、チップと外気とを隔てるとともに開閉可能な蓋及び着脱可能なキャップをいずれも備えない中綿式マーキングペンである。ノック式マーキングペン50において、インク組成物は、着色剤及び4~10のIOB値を有する水溶性溶媒を含有し、インク組成物の充填率は、最大インク充填量に対して25~65質量%である。また、筆記芯の先端部と、インク収容部における中綿の操作部52とは反対側の端部との距離は130mm未満であることで、ノック式マーキングペン50を長期保存した場合であっても、筆記芯の先端部54からのインク漏れを効果的に抑制することができる。インク組成物の充填率を最大インク充填量に対して25~65とすることで、長期間筆記芯が外気に曝されてもカスレのない筆記線を形成可能となり、且つインク漏れも抑制することができる。なお、インク充填率は、インク充填量/最大インク充填量として算出することができ、最大インク充填量とは、中綿(インク吸蔵体)を縦にした状態でインクを充填させ、下部にインクが滴るまで含ませたときのインク充填量を意味する。また、インク組成物は、着色剤及び水溶性溶媒を含有し、水溶性溶媒は、4~10のIOB値を有する。なお、水溶性溶媒のIOB値(Inorganic Organic Balance)とは、水溶性溶媒の有機性値(Organic Value:O値)及び無機性値(Inorganic Value:I値)からI/O値として算出した値を意味し、複数種の水溶性溶媒の混合溶媒を用いる場合は、それぞれの溶媒のI値及びO値に各組成の比率を掛け合わせたのち、合算し、算出した値を意味する。水溶性溶媒のIOB値が上記数値範囲内であることにより、長期間筆記芯が外気に曝されてもカスレのない筆記線をより効果的に形成することができる。
【0022】
ボールペン30及びシャープペンシル40は同一の長さを有する。他方、ノック式マーキングペン50は、ボールペン30及びシャープペンシル40よりも短い。シャープペンシル40における先端部44から第2環状突起43までの距離とノック式マーキングペン50における先端部54から第2環状突起53までの距離とは等しく、第2環状突起43及び第2環状突起53の外形及び大きさも等しい。
【0023】
収容状態における複数の筆記具6のケース5から突出する部分は、図3に示されるように、側面視において複数の筆記具6の種類に応じて異なる形状を有している。異なる形状とは、例えば、長さや識別部の形状、先端部分の形状等、筆記具全体のうちいずれか一部が異なることをいう。例えば、ボールペン30及びシャープペンシル40は同一長さである一方で、シャープペンシル40の識別部41が凹状である点において、両者は互いに異なる。また、ボールペン30又はシャープペンシル40と、ノック式マーキングペン50とは、全長が異なる。
【0024】
他方、収容状態における複数の筆記具6のケース5に収容される部分は、図4の線Lより下方の部分に示されており、側面視において複数の筆記具6の種類に応じて異なる形状を有している。例えば、ボールペン30は第1環状突起33を有するのに対して、シャープペンシル40は第2環状突起43を有している点において、両者は互いに異なる。また、シャープペンシル40の先端部44及びその近傍の形状とノック式マーキングペン50の先端部54及びその近傍の形状とは、互いに異なる。
【0025】
図5は、ケース5の分解斜視図であり、図6は、ケース5の斜視図であり、図7は、ケース5の縦断面図である。図8は、嵌合部材20の正面図である。ケース5は、本体部材10と嵌合部材20とを有している。
【0026】
本体部材10は、複数の筆記具6の各々を独立して収容可能な複数の収容部11を有している。複数の収容部11は、複数の筆記具6に対応するように5つの収容部11を含む。本体部材10において複数の筆記具6が収容される側とは反対側には、本体部材10の側壁12によって画成された略矩形の開口部13が設けられている。側壁12は、幅のより広い幅広面12aと幅のより狭い幅狭面12bとからなる。また、開口部13の内面に、具体的には対向する幅広面12aの各々の内面には、係止突起19が形成されている。嵌合部材20が係止突起19を乗り越えて本体部材10に嵌合することで、嵌合部材20は、本体部材10に取り付けられた後でも本体部材10から落下等で外れることが防止される。
【0027】
特に図7を参照すると、収容部11の各々は、隔壁14によって隔てられている。収容部11は、複数の筆記具6の収容される部分の外形と略相補的に形成されている。収容部11は、円柱状の底部15を有し、底部15には、円形の貫通孔16が形成されている。収容部11の底部15近傍の内面には、凸状の第1嵌合部17が環状に形成されている。収容部11の軸線方向における中央部分の内面には、凹状の第2嵌合部18が環状に形成されている。
【0028】
特に図5及び図8を参照すると、嵌合部材20は、板状の閉鎖部21と閉鎖部21に対して略垂直に配置された板状の2つの挿入片23とを有している。閉鎖部21には、本体部材10の底部15が挿入される複数の挿入孔22が形成されている。挿入片23が側壁12に沿って開口部13に挿入されることで、嵌合部材20が本体部材10に対して嵌合する。2つの挿入片23は、対向する2つの側壁12、具体的には幅広面12aに沿って開口部13に挿入される。挿入片23は、本体部材10の対応する開口部13の幅方向に亘って形成され、幅方向における挿入片23の両端には、開口部13の奥に向かうにしたがって幅広面12aと隣接する幅狭面12bから離間するように形成されたガイド部24が設けられている。要するに、ガイド部24は、傾斜面である。なお、挿入片23は、全幅に亘って開口部13の奥に向かうにしたがって幅広面12aから離間するように、徐々に薄く形成されている。要するに、挿入片23の表面全体は、傾斜面である。挿入片23の表面には、複数の凹部25が形成されている。
【0029】
嵌合部材20が傾斜面であるガイド部24を有していることによって、嵌合部材20の本体部材10への嵌合時に、幅広面12aに対して平行な方向にずれていたとしても、傾斜面に沿って嵌合部材20が案内され、素早く且つ確実に嵌合を行うことができる。他方、嵌合部材20が傾斜面である挿入片23の表面を有していることによって、嵌合部材20の本体部材10への嵌合時に、幅狭面12bに対して平行な方向にずれていたとしても、傾斜面に沿って嵌合部材20が案内され、素早く且つ確実に嵌合を行うことができる。
【0030】
なお、嵌合部材20の挿入片23は、本体部材10の幅広面12a側ではなく、幅狭面12b側に対応する位置に設けられていてもよい。挿入片23は、側壁12のいずれか1つの面に対応する位置に1つだけ設けられていてもよく、側壁12の3つ以上の面に対応する位置に3つ以上設けられていてもよい。
【0031】
複数の筆記具6の各々を、任意の収容部11に収容することができる。複数の筆記具6の各々を収容部11に収容すると、第1環状突起33が収容部11の凸状の第1嵌合部17を乗り越えて嵌合するか、又は、第2環状突起43若しくは第2環状突起53が収容部11の凹状の第2嵌合部18に嵌合する。それによって、複数の筆記具6の各々を、脱落しないように本体部材10に対して確実に収容することができる。要するに、複数の収容部11は、軸線方向に沿って離間した2つの嵌合部として第1嵌合部17及び第2嵌合部18を有し、複数の筆記具6の各々が、収容状態において第1嵌合部17及び第2嵌合部18のいずれかと嵌合可能である。なお、収容部11は、複数の筆記具のさらに別の部分と嵌合するよう、軸線方向に沿って離間した3つ以上の嵌合部を有していてもよい。
【0032】
ケース5は、嵌合部材20側を底面として自立可能である。また、嵌合部材20が本体部材10の開口部13に挿入されて嵌合することによって、本体部材10の内方への変形、特に開口部13の変形を抑制し、ケース5の自立性をより確保することが可能となる。
【0033】
図9は、本発明の別の実施形態による筆記具セット2の斜視図であり、図10は、図9の筆記具セット2の平面図であり、図11は、図9の筆記具セット2の正面図である。図12は、図9の筆記具セット2に含まれる複数の筆記具7の正面図である。筆記具セット2は、ケース5と複数の筆記具7とを有している。筆記具セット2は、上述した筆記具セット1と比較して、複数の筆記具7に含まれている筆記具の種類及び組み合わせが異なっている。
【0034】
複数の筆記具7は、5つの筆記具を含み、2つのマーキングペン60と、2つのシャープペンシル40と、1つの替芯ケース70とからなる。すなわち、複数の筆記具7は、少なくとも3種類の筆記具を含んでいる。図10に示されるように平面視では、複数の筆記具7は、同一の外形及びサイズを有するように構成されている。また、複数の筆記具7は、外形のみならず、平面視で視認可能なすべての部分が同一の形状を有している。また、本実施形態では、マーキングペン60のキャップ62と、シャープペンシル40の操作部42と、替芯ケース70のキャップ72は同一形状の部品で共通化している。
【0035】
マーキングペン60は、上述したボールペン30と同一の外形及びサイズを有している。マーキングペン60は、識別部61とキャップ62と第1環状突起63とを有している。2つのマーキングペン60は、互いに異なる描線で筆記可能である。例えば、2つのマーキングペン60による描線は、異なる色又は異なる線幅であってもよい。2つのマーキングペン60は、1つは予備として、互いに同一の色及び線幅の描線で筆記可能であってもよい。識別部61は、キャップ62近傍の軸筒において所定の幅で全周に亘り形成されている。識別部61は、マーキングペン60の他の部分と異なる同一色で着色されており、例えばマーキングペン60の筆記色と同一色で着色されている。第1環状突起63は、マーキングペン60においてキャップ62とは反対側の端部近傍に形成されている。したがってマーキングペン60は、第1環状突起63を用いてケース5の収容部11の第1嵌合部17と嵌合可能である。
【0036】
替芯ケース70は、シャープペンシル40に対応する芯径を有する筆記芯を収容するケースである。替芯ケース70には、同一の色の複数の筆記芯が収容されていてもよく、異なる色の複数の筆記芯が収容されていてもよい。替芯ケース70は、キャップ72と第1環状突起73とを有している。替芯ケース70の第1環状突起73及び近傍の端部の形状は、ボールペン30の第1環状突起33及び近傍の端部の形状並びにマーキングペン60の第1環状突起63及び近傍の端部の形状と同一である。したがって替芯ケース70は、第1環状突起73を用いてケース5の収容部11の第1嵌合部17と嵌合可能である。
【0037】
替芯ケース70の内部には、異なる色の筆記芯が複数本収容されている。具体的には、調合時にワックス類を添加配合せず、且つ撥水撥油性物質及び/又は撥水撥油性物質を被覆した体質材あるいは顔料を添加配合することにより、該撥水撥油性物質が濡れにくいことに起因した開気孔を形成させて、非焼成色鉛筆芯多孔体を構成させた後、該多孔体に25℃における動粘度が0.05~1.00cm2/sec.の範囲にあるジメチルシリコーンオイルを含浸させてなる非焼成色鉛筆芯である。撥水撥油性物質を添加することにより、強度が大きくて描画時に摩耗可能な非焼成色鉛筆芯多孔体をつくり、該多孔体に特定の粘度のジメチルシリコーンオイルを含浸することにより、色が異なる筆記芯を同一の替芯ケース70に収容しても筆記芯同士が付着することのない非焼成色鉛筆芯を得ることができる。
【0038】
シャープペンシル40及びマーキングペン60は略同一の長さを有する。他方、替芯ケース70は、シャープペンシル40及びマーキングペン60よりも短い。収容状態における複数の筆記具7のケース5から突出する部分は、図11に示されるように、側面視において複数の筆記具7の種類に応じて異なる形状を有している。収容状態における複数の筆記具7のケース5に収容される部分は、図12の線Lより下方の部分に示されている。
【0039】
また、筆記具セットの変形例としてとして、1つのマーキングペン60と、2つのシャープペンシル40と、2つの替芯ケース70とを組み合わせてもよい。シャープペンシル40と替芯ケース70とは、異なる芯径が収容されている形態とすることで、描線の太さを容易に切り替えることができる筆記具セットを提供することができる。
【0040】
図13は、本発明のさらに別の実施形態による筆記具セット3の斜視図であり、図14は、図13の筆記具セット3の平面図であり、図15は、図13の筆記具セット3の正面図である。筆記具セット3は、ケース5と複数の筆記具8とを有している。筆記具セット3は、上述した筆記具セット1及び筆記具セット2と比較して、複数の筆記具8に含まれている筆記具の種類及び組み合わせが異なっている。
【0041】
複数の筆記具8は、5つの筆記具を含み、2つのマーキングペン60と、2つのシャープペンシル40と、1つの消しゴム80とからなる。すなわち、複数の筆記具8は、少なくとも3種類の筆記具を含んでいる。図14に示されるように平面視では、複数の筆記具8は、同一の外形及びサイズを有するように構成されている。
【0042】
消しゴム80は、シャープペンシル40による描線を消去するために使用される。消しゴム80は、上述した替芯ケース70と同一の外形及びサイズを有している。したがって消しゴム80は、替芯ケース70と同様の第1環状突起を有しており、第1環状突起を用いてケース5の収容部11の第1嵌合部17と嵌合可能である。ケース5から突出する消しゴム80の端部には、シャープペンシル40による描線を消去可能な消去部84が設けられている。なお、消しゴム80の全体を、シャープペンシル40による描線を消去可能に構成してもよい。
【0043】
収容状態における複数の筆記具8のケース5から突出する部分は、図15に示されるように、側面視において複数の筆記具8の種類に応じて異なる形状を有している。
【0044】
図16は、本発明のさらに別の実施形態による筆記具セット4の斜視図であり、図17は、図16の筆記具セット4の平面図であり、図18は、図16の筆記具セット4の正面図である。筆記具セット4は、ケース5と複数の筆記具9とを有している。筆記具セット4は、上述した筆記具セット1、筆記具セット2及び筆記具セット3と比較して、複数の筆記具9に含まれている筆記具の種類及び組み合わせが異なっている。
【0045】
複数の筆記具9は、5つの筆記具を含み、2つのマーキングペン60と、2つのノック式ボールペン90と、1つの摩擦体85とからなる。すなわち、複数の筆記具9は、少なくとも3種類の筆記具を含んでいる。図17に示されるように平面視では、複数の筆記具9は、同一の外形及びサイズを有するように構成されている。
【0046】
ノック式ボールペン90は、識別部51である貫通孔が設けられていない点を除き、上述したノック式マーキングペン50と同一の外形及びサイズを有している。したがってノック式ボールペン90は、操作部92と、ノック式マーキングペン50と同様の第2環状突起とを有している。ノック式ボールペン90は、第2環状突起を用いてケース5の収容部11の第2嵌合部18と嵌合可能である。2つのノック式ボールペン90は、互いに異なる描線で筆記可能である。例えば、2つのノック式ボールペン90による描線は、異なる色又は異なる線幅であってもよい。2つのノック式ボールペン90は、1つは予備として、互いに同一の色及び線幅の描線で筆記可能であってもよい。ノック式ボールペン90は、操作部92を押圧するノック操作を行うことによって先端部からボールペンのリフィルを出没させることができる。ノック式ボールペン90は、熱変色性インクを収容するリフィルを備えた熱変色性のボールペンである。
【0047】
ここで、熱変色性インクとは、常温(例えば25℃)で所定の色彩(第1色)を維持し、所定温度(例えば60℃)まで昇温させると別の色彩(第2色)へと変化し、その後、所定温度(例えば-5℃)まで冷却させると、再び元の色彩(第1色)へと復帰する性質を有するインクを言う。熱変色性インクを用いた筆記具では上記第2色を無色とし、第1色(例えば赤)で筆記した描線を昇温させて無色とすることを、ここでは「消去する」ということとする。したがって、描線が筆記された筆記面等に対して消去部としての摩擦体によって擦過して摩擦熱を生じさせ、それによって描線を無色に変化、すなわち消去させる。なお、当然のことながら上記第2色は、無色以外の有色でもよい。
【0048】
摩擦体85は、ノック式ボールペン90による熱変色性インクの描線を変色又は消去するために使用される。摩擦体85は、上述した消しゴム80と同一の外形及びサイズを有している。したがって摩擦体85は、消しゴム80と同様の第1環状突起を有しており、第1環状突起を用いてケース5の収容部11の第1嵌合部17と嵌合可能である。ケース5から突出する摩擦体85の端部には、ノック式ボールペン90による描線を変色可能又は消去可能な摩擦部89が設けられている。なお、摩擦体85の全体を、ノック式ボールペン90による描線を変色可能又は消去可能に構成してもよい。
【0049】
収容状態における複数の筆記具9のケース5から突出する部分は、図18に示されるように、側面視において複数の筆記具9の種類に応じて異なる形状を有している。
【0050】
2つのノック式ボールペン90のうちの1つは、熱変色性インクではない通常の非熱変色性インクを収容したリフィルを備えたノック式ボールペンとしてもよい。この場合、熱変色性インクを収容したノック式ボールペン90で下書きを行い、非熱変色性インクを収容したノック式ボールペン90で清書を行い、その後、摩擦体85により、下書きの筆跡のみを消色するようにしてもよい。それによって、2つのノック式ボールペン90を、履歴書等での書類作成用途で、組み合わせて使用することができる。
【0051】
具体的には、下書き用の熱変色性リフィルによる筆跡のCIE1976L*** 色空間における明度L* 値から、清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡のCIE1976L*** 色空間における明度L*値を差し引いた明度差が、30以上であり、下書き用の熱変色性リフィルによる筆跡のCIE1976L*** 色空間における明度L* 値が、80以下である熱変色性インク組成物とすることが好適である。L*値の測定方法は特に限定されず、例えば、市販の蛍光分光濃度計、例えば、コニカミノルタ社製の「FD-7」を用いてL*値を測定してよい。
【0052】
摩擦体85は、タイプDのデュロメータ硬度計で測定した硬さが55~90であり、動摩擦係数が0.25~0.50である。上記の硬さ範囲及び動摩擦係数範囲にすることにより、下書き用の熱変色性リフィルによる筆跡と共に清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡を擦過したときに、下書き用の熱変色性リフィルによる筆跡のみを消色できると共に、清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡の外観を維持しやすくなる。
【0053】
上記硬さを55以上とすることにより、擦過時に、筆跡と共に形成される紙面上の凹みに沿って変形しにくくなり、清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡上のインクを移動させにくくなり、結果として清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡が周囲に伸びにくくなる(又は散りにくくなる)。一方、上記硬さを90以下にすることにより、下書き用の熱変色性リフィルによる筆跡を消色しやすくなり、消色するために何度も(又は強く)擦過する必要性がなくなり、その結果として清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡が周囲に伸びにくくなる(又は散りにくくなる)。
【0054】
上記動摩擦係数が0.25以上とすることにより、下書き用の熱変色性リフィルによる筆跡を消色しやすくなり、消色するために何度も(又は強く)擦過する必要性がなくなり、その結果として清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡が周囲に伸びにくくなる(又は散りにくくなる)。一方、上記動摩擦係数を0.50以下にすることにより、擦過時に非熱変色性リフィルによる筆跡上のインクを移動させにくくなり、結果として清書用の非熱変色性リフィルによる筆跡が周囲に伸びにくくなる(又は散りにくくなる)。
【0055】
摩擦体の上記硬さは、Dタイプのデュロメータ硬度計(株式会社テクロック社製デュロメータ、型式:GS-720G)を用いて、以下のようにして測定する。まず、デュロメータ硬度計の押芯先端を、当該押芯先端の法線と摩擦体の先端部の法線とが概ね一致するように、摩擦体の上方に設置する。そして、25℃50%RHの環境下、加重4.9N・速度3mm/secで押芯先端を摩擦体に押し付けたときのデュロメータ硬度計のピーク値を摩擦体85の硬さとする。上述した摩擦体85の場合、先端部である摩擦部89は平面であることから、当該平面の中心の上方にデュロメータ硬度計の押芯先端が位置するように、摩擦体85が配置される。
【0056】
上記動摩擦係数は、HEIDON摩擦摩耗試験機(新東科学株式会社製、トライボギアTYPE:14)を用いて、摩擦体を、摩擦体の先端部と紙面とが摩擦するように紙面上を走行させたときに、摩擦体に係る力F(紙面と平行方向の荷重)を測定する。力Fと、(紙面と垂直方向の)摩擦体に係る荷重N(200gf)とをF=μ(動摩擦係数)×Nに適用し、動摩擦係数μを算出する。力Fのサンプリングは0.001秒間隔とし、測定開始から測定開始後0.3秒までに計測される力Fは動摩擦係数の算出に用いないこととする。紙面はNPiフォーム<55>(日本製紙株式会社製)の紙面表側を使用し、測定環境は23℃42%RHとし、走行速度は4m/分とし、走行距離は10cmとし、摩擦体の先端部の法線と紙面との角度は90°として測定する。また、3つの摩擦体を測定用サンプルとして用意し、1つの測定サンプルにつき1回の測定を行い、3つの測定用サンプルの測定値の平均値を、当該摩擦体の動摩擦係数とする。
【0057】
ボールペン30、ノック式マーキングペン50及びマーキングペン60を、熱変色性インクを収容した熱変色性筆記具として構成してもよい。この場合、ボールペン30のキャップ32及びキャップ62を、熱変色性インクによる描線を変色又は消去させる摩擦体として構成してもよい。
【0058】
ボールペン30のキャップ32、シャープペンシル40の操作部42、マーキングペン60のキャップ62及び替芯ケース70のキャップ72は、すべて同一の外形及びサイズで構成されている。したがって、ボールペン30、シャープペンシル40、マーキングペン60及び替芯ケース70の中から、ケース5に収容する複数の筆記具を構成するためにいずれの組み合わせを採用したとしても、統一感のあるデザインを実現することができる。
【0059】
上述した実施形態によれば、少なくとも3種類以上を含む複数の筆記具と、複数の筆記具の軸線を整列させた状態で複数の筆記具の一方の端部を収容可能なケースとを具備する筆記具セットであって、複数の筆記具が、他方の端部側から軸線方向に見た平面視では同一の外形を有し、収容状態における複数の筆記具のケースから突出する部分が、側面視において複数の筆記具の種類に応じて異なる形状を有する筆記具セットが実現される。それによって、全体として意匠性が高く、且つ、筆記具の各々を容易に識別可能となる。特に、収納状態においてケースから突出する部分が、複数の筆記具の種類に応じて異なる形状を有することによって、視覚に頼ることなく手や指等で筆記具を触ることによって、いずれの種類の筆記具であるか識別することが可能となる。また、複数の筆記具とケースとの組み合わせによってインテリア性や持ち運び性にも寄与することができる。
【0060】
複数の筆記具として、上述したケース5に収容可能且つ嵌合可能である限りにおいて任意の筆記具を含めることができ、それによって多種多様な筆記具セットを作成することができる。例えば、複数の筆記具の各々は、ボールペン及びシャープペンシル以外に、筆ペン、万年筆及びタッチペン等であってもよい。
【0061】
複数の筆記具は、少なくとも3種類以上の筆記具を含むことが好ましい。しかしながら、複数の筆記具は、1種類又は2種類の筆記具のみを含むようにしてもよい。ケース5は、2つ乃至4つの収容部11を有するようにしてもよく、6つ以上の収容部11を有するようにしてもよい。筆記具セットを構成するために、ケース5のすべての収容部11に筆記具を収容しなくてもよい。収容状態における複数の筆記具のうち少なくとも2種類以上の筆記具について、ケース5から突出する部分の長さが同一であることが好ましい。
【符号の説明】
【0062】
1 筆記具セット
5 ケース
6 筆記具
10 本体部材
11 収容部
12 側壁
13 開口部
14 隔壁
15 底部
16 貫通孔
17 第1嵌合部
18 第2嵌合部
20 嵌合部材
21 閉鎖部
22 挿入孔
23 挿入片
24 ガイド部
25 凹部
30 ボールペン
31 識別部
32 キャップ
33 第1環状突起
40 シャープペンシル
41 識別部
42 操作部
43 第2環状突起
44 先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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