(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028584
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】箱詰め装置、箱詰め方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/56 20060101AFI20230224BHJP
B65B 5/08 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
B65B43/56 H
B65B5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134382
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】505045322
【氏名又は名称】サンワテクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】豊浦 健
【テーマコード(参考)】
3E003
3E030
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB03
3E003BA03
3E003BB02
3E003BC01
3E003BD04
3E003CA04
3E003CB05
3E003DA05
3E030AA03
3E030DA06
3E030EA01
3E030EB03
3E030FA02
3E030GA05
(57)【要約】
【課題】迅速なワークの箱詰めが可能な技術を提供する。
【解決手段】複数のワークWを梱包箱B内に収容する箱詰めユニット20と、梱包箱Bを搬送する搬送ユニット30とを備え、搬送ユニット30は、箱詰めユニット20による複数のワークWの梱包箱Bへの収容の際、梱包箱Bを搬送方向に沿って前進及び後退させることにより梱包箱BにおけるワークWの収容位置を変更することを特徴とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークを梱包箱内に収容するワーク収容部と、
前記梱包箱を搬送する搬送部と
を備え、
前記搬送部は、前記ワーク収容部による前記複数のワークの前記梱包箱への収容の際、前記梱包箱を搬送方向に沿って前進及び後退させることにより前記梱包箱における前記ワークの収容位置を変更する
ことを特徴とする箱詰め装置。
【請求項2】
前記ワーク収容部により前記複数のワークが前記梱包箱に積層されて収容される場合、前記積層されたワークを圧縮する圧縮部
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記搬送部は、少なくとも第1梱包箱を搬送する第1搬送コンベアと、第2梱包箱を搬送する第2搬送コンベアとを有し、
前記第1搬送コンベアにより前記第1梱包箱が前記圧縮部の作用位置に位置付けられ、該圧縮部により前記第1梱包箱内の前記積層されたワークが圧縮される状態において、前記第2搬送コンベアにより前記第2梱包箱が前記ワーク収容部の作用位置に位置付けられて前記第2梱包箱に対する前記複数のワークの収容が行われる
ことを特徴とする請求項2記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記第1及び第2搬送コンベアには、各コンベア上に載置された梱包箱の載置箇所に対して該梱包箱の移動を抑止するストッパが設けられている
ことを特徴とする請求項3記載の箱詰め装置。
【請求項5】
複数のワークの梱包箱への収容の際、該梱包箱を搬送する搬送部により、搬送方向に沿って該梱包箱を前進及び後退させ、該梱包箱における前記ワークの収容位置を変更する
ことを特徴とする箱詰め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ワークを梱包箱に箱詰めする箱詰め装置、箱詰め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の箱詰め装置としては、下記特許文献1に示されるような装置が知られている。これに示される装置は、コンベヤにより搬送された複数のワークを吸着する第1の吸着ユニットと、複数のワークを吸着した第1の吸着ユニットをコンベヤから離間する方向に移動させる第1の吸着ユニット駆動部と、第1の吸着ユニット及び第1の吸着ユニット駆動部をワークが吸着される第1の位置とワークが箱の開口に対向する第2の位置との間で往復動させる吸着ユニット往復駆動部と、第2の位置に到着した第1の吸着ユニットからワークを受け取る第2の吸着ユニットと、複数のワークを吸着した第2の吸着ユニットを第2の位置から箱の内部の第3の位置へ移動させる第2の吸着ユニット駆動部とよりなり、第2の吸着ユニットが第2の位置から第3の位置へ移動する間に第1の吸着ユニットを第2の位置から第1の位置へ復帰させることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
迅速なワークの箱詰めが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の実施形態は、複数のワークを梱包箱内に収容するワーク収容部と、前記梱包箱を搬送する搬送部とを備え、前記搬送部は、前記ワーク収容部による前記複数のワークの前記梱包箱への収容の際、前記梱包箱を搬送方向に沿って前進及び後退させることにより前記梱包箱における前記ワークの収容位置を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、迅速なワークの箱詰めが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る箱詰め装置の概略斜視図である。
【
図2】実施形態に係る箱詰め装置の制御系を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1に対する箱詰め動作を説明するための概略図である。
【
図4】実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1に対する箱詰め動作を説明するための概略図である。
【
図5】実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1に対する押し込みと梱包箱B2に対する箱詰め動作を説明するための概略図である。
【
図6】実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1に対する次段の箱詰め動作を説明するための概略図である。
【
図7】実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1に対する次段の押し込みと梱包箱B2に対する次段の箱詰め動作を説明するための概略図である。
【
図8】実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B2に対する次段の箱詰め後の動作を説明するための概略図である。
【
図9】実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1,B2の搬送コンベアへの供給と梱包箱B1に対する箱詰め動作を説明するための概略図である。
【
図10】他の実施形態に係る箱詰め装置の搬送ベルトの構成を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0009】
本実施形態においては、内容物が充填されていない状態の個々のパウチを箱詰め対象物であるワークとし、これを上面のフラップが開放された状態にある段ボール箱といった梱包箱に箱詰めする箱詰め装置を例にとり説明を行う。なお、ワークはパウチに限定するものではなく、可撓性を有する紙や板紙等のシート状物、袋体、板状物といった固形物等、後述する吸着装置により吸着可能なものであれば、どのようなものも箱詰め対象のワークとすることができる。
【0010】
(装置構成)
先ず、本実施形態に係る箱詰め装置の構成について
図1及び
図2を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る箱詰め装置を示す概略斜視図であり、
図2は、本実施形態に係る箱詰め装置の制御系を示すブロック図である。
【0011】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態に係る箱詰め装置1は、所定の位置にまでワークWを供給する供給コンベア10と、供給コンベア10上方に位置してワークWを把持すると共に梱包箱B内に箱詰めする箱詰めユニット20と、供給コンベア10下方に位置して梱包箱が載置され、これを搬送する搬送ユニット30と、箱詰めされたワークWを圧縮する圧縮装置40と、制御装置50とを備える。なお、
図1に示される符号B1,B2は梱包箱を示し、これらを区別しないで説明する場合は梱包箱Bと称することとする。
【0012】
供給コンベア10は、一方向に延在しており、無端状のタイミングベルトが不図示の駆動ローラに巻き掛けられてこれにより周回移動されることでベルト上のワークWを搬送する。供給コンベア10は、
図1に示されるY方向に延在しており、したがってワークWをY方向に搬送することができる。駆動ローラは不図示の駆動モータにより回転駆動される。本実施形態では、供給コンベア10は箱詰め装置1の稼働中において一定速度での回転駆動を維持することとする。
【0013】
箱詰めユニット20は、ワークWを吸着する吸着パッド210と、吸着パッド210を支持するロッド220と、ロッド220を支持する板状のベースプレート230とを備える。吸着バッド210は、パッド内の空気を吸引するための図示しないチューブの一端が連結されており、当該チューブの他端に真空ポンプ240が連結されている。吸着パッド210がワークWに当接した状態で真空ポンプ240によりチューブを介して吸着パッド210内の空気が吸引されることにより、吸着パッド210がワークWを吸着する。一方、真空ポンプ240の空気の吸引が解除されることにより、ワークWを吸着パッド210から開放することができる。
【0014】
ベースプレート230は、上方に位置する移動装置250(
図2参照:
図1では不図示)に連結されており、当該移動装置により高精度で水平方向(X方向、Y方向)及びこれらの方向に直交する上下方向(Z方向)の移動、Z方向の軸周りでの回転が可能となっている。このような移動装置としては、リンクやジョイントアーム等からなるパラレルリンクロボットといった高速移動、及び高精度での位置付けが可能な多関節ロボットを用いることが好ましい。移動装置250がパラレルリンクロボットである場合は、その複数のアームをベースプレート230に連結させることでベースプレート230、吸着パッド210を介してワークWの移送を行うことができる。
【0015】
搬送ユニット30は、Y方向に互いに離間する一対の第1搬送コンベア310aと、当該一対の第1搬送コンベア310aの間に位置するようにY方向に互いに離間する一対の第2搬送コンベア310bと、これら搬送コンベアにおける搬送方向(X方向)の上流側に位置する複数の供給ローラ320と、供給ローラ320により供給される梱包箱の供給を許容及び/又は抑制する開閉板330とを備える。なお、第1及び第2搬送コンベア310a,310bを区別しないで説明する場合は搬送コンベア310と称することとする。
【0016】
一対の搬送コンベア310は、それぞれX方向に延在する無端状のタイミングベルトが不図示の一対の駆動ローラに巻き掛けられてこれにより周回移動されることでベルト上の梱包箱BをX方向に搬送する。本実施形態においては、一対の第1搬送コンベア310aが搬送する梱包箱を梱包箱B1、一対の第2搬送コンベア310bが搬送する梱包箱を梱包箱B2として以後説明する。
【0017】
一対の第1搬送コンベア310aの駆動ローラは、第1駆動モータ311a(
図2参照)により正転及び逆転可能に回転駆動され、一対の第2搬送コンベア310bの駆動ローラは、第2駆動モータ311b(
図2参照)により正転及び逆転可能に回転駆動される。第1及び第2駆動モータ311a,311bは、互いに独立して駆動するため、第1搬送コンベア310aと第2搬送コンベア310bとは独立して周回移動することができる。なお、これら駆動ローラは、正転によってX方向に梱包箱Bを搬送するものとする。
【0018】
一対の第1搬送コンベア310aそれぞれの表面には、L字状の2つのストッパ312aがX方向に所定距離離間し対をなして設けられており、したがって一対の第1搬送コンベア310aで計4つのストッパ312aが設けられている。一対のストッパ312aは、Y方向に隣接する第1搬送コンベア310aの一対のストッパ312aとX方向において同位置となっている。
【0019】
本実施形態においては、一対のストッパ312aの間に梱包箱B1を位置付けることができ、換言すれば梱包箱BのX方向の長さ分、一対のストッパ312aが互いに離間している。したがって、本実施形態においては4つのストッパ312aの間に梱包箱B1が位置付けられることとなる。このように4つのストッパ312a間に梱包箱B1が位置付けられることにより、第1搬送コンベア310aにおける梱包箱B1の載置面に対して梱包箱B1をX方向に相対移動不能に固定することができる。なお、ストッパ312aは第1搬送コンベア310aの表面に設けられているため、第1搬送コンベア310aの周回移動に応じてその上面から下面にかけて周回移動することができる。また、一対のストッパ312aは、ネジ等の締結部材や磁性部材、面ファスナーといった固着部材により第1搬送コンベア310aに対して着脱自在となっており、梱包箱Bのサイズに応じて適宜X方向の離間間隔を調整することができる。
【0020】
同様に、一対の第2搬送コンベア310bそれぞれの表面には、L字状の2つのストッパ312bがX方向に所定距離離間し対をなして設けられており、したがって一対の第2搬送コンベア310bで計4つのストッパ312bが設けられている。一対のストッパ312bは、Y方向に隣接する第2搬送コンベア310bの一対のストッパ312bとX方向において同位置となっている。ストッパ312bの構成、機能はストッパ312aと同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0021】
第1及び第2搬送コンベア310a,310bは、互いに表面が略面一となっているため、梱包箱B1,B2下面にそれぞれ当接する。したがって、例えば第1搬送コンベア310aがX方向またはその逆方向に梱包箱B1を搬送し、第2搬送コンベア310bが梱包箱B2の搬送を行わない場合、ストッパ312a,312bが無いと第1搬送コンベア310aの周回移動に応じて梱包箱B2も搬送されてしまう可能性がある。しかしながら、上述したストッパ312a,312bによれば、梱包箱B1,B2の一方を他方に影響することなく個別に搬送することが可能となる。
【0022】
また、1つの梱包箱Bの位置固定を行うストッパ312aの数は、4つに限るものではなく、対応する搬送コンベア310の個数や配置に応じて2個や3個、5個等、適宜増減してもよい。
【0023】
供給ローラ320は、搬送コンベア310へ梱包箱Bを供給するものであり、X方向に沿って複数連設されて供給経路が形成されている。本実施形態においては、供給経路上に複数の梱包箱Bが列をなして載置されており、梱包箱Bが上流から下流にかけて押圧された状態となっている。例えば供給経路上流に位置するコンベアから梱包箱Bが供給経路上に順次供給されることで梱包箱Bが列をなして常時押圧されるようにしてもよい。
【0024】
開閉板330は、不図示のピストン等の駆動装置により上下方向に往復動可能となった平板部材であり、供給経路先端の供給ローラ220と、搬送コンベア310の後端(上流側端部)との間に設けられる。開閉板330は、搬送コンベア310上に梱包箱B1と梱包箱B2とが載置されている場合においては、これ以上の搬送コンベア310上への梱包箱Bの供給を防ぐために、上方に移動して搬送コンベア310と供給ローラ320との間の経路を遮断する閉状態となる。一方、搬送コンベア310上に梱包箱Bが無い場合には、開閉板330は下方に移動して搬送コンベア310と供給ローラ320との間の経路の遮断を解除して開状態となり、搬送コンベア310への梱包箱Bの供給を許容する。
【0025】
圧縮装置40は、搬送コンベア310における箱詰めユニット20の下流側に配設されており、梱包箱Bの上面開口サイズより僅かに小さいサイズに形成された平板状の圧縮プレート401と、当該圧縮プレート401上面に連結されて油圧や空気圧等の不図示の駆動装置により上下方向に進退動可能なシリンダロッド402とを備える。圧縮装置40は、ワークWが箱詰めされた梱包箱Bが真下に位置付けられた際に、圧縮プレート401を下方に移動させてワークWを下方に押し込むように圧縮する。ワークWは複数積層される過程において空気層が多数形成されるため、適宜圧縮によるエア抜きが行われることにより梱包箱Bに対するワークWの収容量を大幅に増加させることができる。これはワークWがパウチ等の一端部と他端部とにおいて厚みに差があるものである場合、特に有効である。
【0026】
制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等の記憶装置を有する情報処理装置であり、箱詰めユニット20と搬送ユニット30とに有線等により通信可能に接続されてこれらに駆動信号を送出することにより駆動制御を行う。このような制御装置として、PC(Personal Computer)等を用いるようにしてもよい。
【0027】
具体的には、箱詰めユニット20に関し、制御装置50は吸着パッド210とワークWとの当接時に真空ポンプ240に駆動信号を送出して、真空ポンプ240を駆動させて空気の吸引を行わせる。ワークWを梱包箱Bに詰める際には、制御装置50は空気の吸引を停止させてワークW吸着の解除を行い、ワークWを解放する。また、制御装置50は、移動装置250に適宜駆動信号を送出し、供給コンベア10上方の初期位置からの吸着パッド210の下降、ワークW吸着後の上昇、その後の梱包箱B上方への移動及び下降、ワークWの解放後の上昇、初期位置への移動等の一連の動作を行わせる。
【0028】
搬送ユニット30に関し、制御装置50は、ワークWの箱詰め状況に応じて第1及び第2駆動モータ311a,311bそれぞれに駆動信号を送出し、個別に正転及び逆転させて搬送コンベア310を周回駆動させる。また、制御装置50は、搬送コンベア310上の梱包箱Bが下流に排出された場合、開閉板330に駆動信号を送出し、開閉板330を下方に移動させて開状態とし、供給ローラ320から搬送コンベア310へ梱包箱Bを供給する。所定数(本実施形態においては2個)梱包箱Bを供給し終えた後には、制御装置50は開閉板330を上方に移動させて閉状態とし、梱包箱Bをせき止める。
【0029】
圧縮装置40に関し、制御装置50は、所定量のワークWが詰められ、梱包箱Bが圧縮装置40真下に位置付けられる度に駆動信号を送出し、当該梱包箱B内のワークWを圧縮させて空気抜きを行う。
【0030】
(装置動作)
以下、本実施形態に係る箱詰め装置1の動作について、
図3~
図8を参照しつつ説明する。
図3及び
図4は、本実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1に対する箱詰め動作をそれぞれ説明するための概略図であり、
図5及び
図6は、梱包箱B1に対する押し込みと梱包箱B2に対する箱詰め動作、梱包箱B1に対する次段の箱詰め動作、をそれぞれ説明するための概略図である。
図7~
図9は、本実施形態に係る箱詰め装置の梱包箱B1に対する次段の押し込みと梱包箱B2に対する次段の箱詰め動作、梱包箱B2に対する次段の箱詰め後の動作、梱包箱B1,B2の搬送コンベアへの供給と梱包箱B1に対する箱詰め動作、をそれぞれ説明するための概略図である。なお、これら
図3~
図9では、搬送コンベア310をY方向の逆方に沿って見た側面が模式的に示されている。
【0031】
先ず、
図3(a)に示されるように、第1搬送コンベア310aにより空の梱包箱B1が供給コンベア10下方にある収容初期位置、つまり箱詰めユニット20の作用位置に位置付けられ、
図3(b)に示されるように箱詰めユニット20により梱包箱B1内にワークWが順次詰められる(収容される)。なお、本実施形態においてワークWは、
図1に示されるように梱包箱B内においてY方向に4つ並べられ、これがX方向に5列詰められることにより1つの層を形成し、これが複数積層されるように箱詰めがなされる。
【0032】
また、本実施形態においては、移動装置250のX方向の移動距離を短縮するため、
図3(b)に示されるように吸着後のワークWは、供給コンベア10に近接した位置P1に位置付けられ、下方に移動するのみで梱包箱B内の所望の位置に収容されるようにされている。したがって梱包箱B1の最前列におけるワークWの箱詰めが終了すると、
図3(c)に示されるように、第1搬送コンベア310aによりX方向にワークWの長さ分梱包箱B1が移動し、続けて次列のワークWの箱詰めが行われる。つまり、ワークWのX方向における収容位置を変更するために、搬送コンベア310が梱包箱Bを移動させる。なお、X方向側を前方とし、X方向への梱包箱Bの移動を前進、その逆を後退として以後説明を行う。
【0033】
図4(a)に示されるように、ワークWの箱詰めと共に梱包箱B1を順次前進させて最後列のワークWの箱詰めを終えると、最下層のワークWの箱詰めが終了となる。次に、梱包箱B1の移動を行わずにそのまま次層の最後列のワークWの箱詰めが行われ、これを終えると、
図4(b)に示されるように第1搬送コンベア310aにより梱包箱B1がワークWの長さ分後退し、最後列の前列を対象としたワークWの箱詰めが行われる。ここで、ワークWがパウチといった一端部と他端部とで厚みが異なるものである場合、次層のワークWの箱詰め時にワークWを180度回転させて上下方向の厚みの平均化を行うことが好ましい。
【0034】
梱包箱B1の前進、後退を伴うワークWの箱詰めが以降継続して行われることにより、
図4(c)に示されるようにワークWの層数が所定数に到達する。なお、所定数に達したか否かの判定は、各種駆動信号送出に係る時間間隔により判定するようにしてもよく、各種センサにより検知するようにしてもよい。また、ここでの所定数は、ワークW圧縮のトリガとなる閾値であり、ワークWの種類や個数、梱包箱Bのサイズ等により適宜設定することが好ましい。
【0035】
ワークWの層数が所定数に達すると、
図5(a)に示されるように、第1搬送コンベア310aにより梱包箱B1が、第2搬送コンベア310bにより梱包箱B2がそれぞれ前進し、
図5(b)に示されるように、梱包箱B1が圧縮装置40の真下にある圧縮位置、つまり圧縮装置40の作用位置、梱包箱B2が収容初期位置にそれぞれ位置付けられる。その後、
図5(c)に示されるように、圧縮装置40の圧縮プレート401が下降してワークWの圧縮が所定時間(例えば10秒間)行われる。この時、並行して箱詰めユニット20によりワークWの梱包箱B2への箱詰めが梱包箱B1と同様の手順でなされる。
【0036】
圧縮後、
図6(a)に示されるように圧縮プレート401が上昇して圧縮が解除される。なお、この解除時においても継続してワークWの梱包箱B2への箱詰めが行われる。解除後、
図6(b)に示されるように第1及び第2搬送コンベア310a,310bにより梱包箱B1,B2がそれぞれ後退し、ワークW圧縮後の梱包箱B1に対して、引き続きワークWの箱詰めが行われる。ここでは、梱包箱B1に対するワークWの箱詰め再開を迅速に行うため、最後列から再開されるように梱包箱B1が箱詰めユニット20下方に位置付けられる。
【0037】
その後、梱包箱B1の前進、後退を伴うワークWの箱詰めが以降継続して行われ、
図6(c)に示されるように、梱包箱B1内に所定の充填量までワークWの箱詰めが行われる。なお、充填量に達したか否かの判定は、各種駆動信号送出に係る時間間隔により判定されるようにしてもよく、各種センサにより検知するようにしてもよい。また、充填量は、梱包箱Bに対するワークWの箱詰めが完了したことを示す閾値であり、ワークWの種類やサイズ、重さ、梱包箱Bのサイズ等により適宜設定可能である。
【0038】
梱包箱B1内に所定の充填量ワークWが箱詰めされると、
図7(a)に示されるように第1搬送コンベア310aにより梱包箱B1が前進して圧縮位置に位置付けられると共に、第2コンベア310bにより梱包箱B2が前進する。この時、梱包箱B2はワークWの箱詰めが中断された位置に復帰、換言すれば箱詰めユニット20が吸着するワークWが、ワークWが未だ収容されていない未収容箇所の上方に位置することとなる。前進後、
図7(b)に示されるように、圧縮装置40による梱包箱B1内のワークWの圧縮と、箱詰めユニット20による梱包箱B2内へのワークWの箱詰めが行われる。
【0039】
図7(c)に示されるように、圧縮プレート401が上昇して圧縮が解除されると、梱包箱B1の箱詰めが完了したと見なされて、梱包箱B1は第1搬送コンベア310aにより下流に排出される。この間、梱包箱B2に対しては継続してワークWの箱詰めがなされる。なお、下流に排出された梱包箱B1は、不図示のコンベアに供給されて上面外フラップの接着テープ貼り等を行う後工程装置に搬送される。
【0040】
梱包箱B1の下流への搬送と並行して、梱包箱B2に対するワークWの箱詰め、圧縮が行われる。
図8(a)に示されるように梱包箱B2内に所定の充填量までワークWの箱詰めが行われると、
図8(b)に示されるようにワークWの圧縮が行われ、
図8(c)に示されるように梱包箱B2の下流への排出がなされる。この時、第1搬送コンベア310aにより一対のストッパ312aが梱包箱Bの排出位置からさらに前進して第1搬送コンベア310aの下面に移動し、上流側に移動して梱包箱受け入れ位置に位置付けられる。
【0041】
梱包箱受け入れ位置は、
図9(a)に示されるように、一対のストッパ312aのうちの一方側が第1搬送コンベア310aの上面に位置付けられ、他方側が下面に位置付けられる位置である。この状態において供給ローラ320上にある梱包箱Bは閉状態にある開閉板330により搬送コンベア310への移動がせき止められている。一対のストッパ312aが梱包箱受け入れ位置に位置付けられた後、
図9(b)に示されるように、開閉板330が下方に移動されて開状態となり、先頭の梱包箱B1が搬送コンベア310上に押し出される形で供給される。
【0042】
供給された梱包箱B1は、第1搬送コンベア310a上面に位置する一方のストッパ312aに当接して移動が止まり、次いで第1搬送コンベア310aがX方向に周回移動することにより一方のストッパ312aと梱包箱B1とが前進する。続いて他方のストッパ312aが第1搬送コンベア312a上面側に移動すると共に、当該梱包箱B1の後端側に当接する。これにより、一対のストッパ312aによって梱包箱B1が第1コンベア310aにおける当該梱包箱B1の載置面に対してX方向に相対移動不能に固定される。
【0043】
梱包箱B1は、第1搬送コンベア310aによりさらに前進することにより、
図9(c)に示されるように箱詰め初期位置に位置付けられる。この位置付けと並行して、一対のストッパ312bは、梱包箱受け入れ位置に位置付けられ、一対のストッパ312aと同様の手順により梱包箱B2を受け入れ、これにより梱包箱B1,B2をそれぞれ
図3(a)に示される状態とすることができる。
【0044】
以上に説明した本実施形態によれば、箱詰めユニット20による箱詰め動作において、搬送コンベア310により梱包箱Bを移動させて梱包箱BへのワークWの収容を行うことができるため、箱詰めユニット20における移動装置250のX方向移動を低減させることができ、迅速なワークWの箱詰めが可能となる。これは、移動装置250が水平方向移動に比べて上下方向移動が遅いパラレルリンクロボットである場合、特に高い効果を奏することができる。
【0045】
なお、本実施形態においては、一対の第1搬送コンベア310aの間に一対の第2搬送コンベア310bが配置されると説明したが、これに限定するものではない。
図10(a)に示されるように、第1搬送コンベア310aと第2コンベア310bとをY方向に交互に配置してもよい。
【0046】
また、
図10(b)に示されるように搬送コンベア310は1つのみストッパ312を有し、一対の第1搬送コンベア310aと協働して梱包箱B1を搬送する第1補助コンベア313aと、一対の第2搬送コンベア310bと協働して梱包箱B1を搬送する一対の第2補助コンベア313bとを更に設けるようにしてもよい。第1補助コンベア313aはY方向において一対の第2搬送コンベア310bの間に配置され、1つのストッパ312aが設けられており、一対の第2補助コンベア313bは一対の第2搬送コンベア310bがそれらの間に位置するように配置され、それぞれ1つのストッパ312bが設けられている。
【0047】
本実施形態や
図10(a)に示される形態では、各コンベアに一対のストッパ312がそれぞれ設けられているが、梱包箱Bのサイズ変更があった場合、ストッパの位置を付け変えることで対応する。一方、
図10(b)に示される形態では、一対の第1搬送コンベア310aのストッパ312aと第1補助コンベア313aのストッパ312aとで梱包箱B1を搬送するため、梱包箱Bのサイズ変更に応じて適宜各ストッパ312aのX方向距離を変更することができる。これは一対の第2搬送コンベア310bと第2補助コンベア313bとにおいても同様である。
【0048】
また、本実施形態においては、梱包箱B1が下流の後工程装置に搬送された後、梱包箱B2に対するワークWの箱詰めが完了するまで第1搬送コンベア310aが待機した状態であると説明した。しかしながら、梱包箱B2に対するワークWの載置や圧縮の最中に、第1搬送コンベア310aへの次の梱包箱B1の受け入れや、当該圧縮時における次の梱包箱B1に対するワークWの収容を行うようにしてもよい。このようにすることで、梱包箱B2のワークWの箱詰めが完了するまで次の梱包箱B1に対するワークWの収容が行われない場合と比較して、箱詰め作業時間の大幅な短縮が可能となる。
【0049】
また、梱包箱Bにある程度ワークWの収容がなされると、ワークWの収容位置は梱包箱B内において次第に上方の位置となる。したがって、梱包箱Bにある程度ワークWの収容がなされたら、搬送コンベア310によるワークWの収容位置を変えるための梱包箱Bの移動をせずに、梱包箱Bに対して、移動装置250のみがワークWの収容位置に応じて移動するようにしてもよい。このようにすることで、ワークWの上下方向の移動距離が多い初期の箱詰め時と、上下方向の移動距離が少ない多い後期の箱詰め時とで箱詰め方法を可変とすることができ、状況に応じた適切な箱詰めが可能となる。
【0050】
また、本実施形態においては吸着パッド210によりワークWを吸着すると説明したが、これに限定するものではなく、ロボットハンドによりワークWを把持して搬送、梱包箱Bへの収容を行うようにしてもよい。
【0051】
また、圧縮装置40によるワークWの圧縮は2回行うと説明したが、これに限定するものではなく、ワークWの種類や量に応じて1回または3回以上行うようにしても良い。
【0052】
また、制御装置50により箱詰めユニット20及び搬送ユニット、圧縮装置がそれぞれ駆動制御されると説明したが、それぞれが独立して駆動するようにしてもよい。
【0053】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の各実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0054】
1 箱詰め装置
20 箱詰めユニット(ワーク収容部)
30 搬送ユニット(搬送部)
310 搬送コンベア
310a 第1搬送コンベア
310b 第2搬送コンベア
312 ストッパ(抑制部)
40 圧縮装置(圧縮部)
50 制御装置(ワーク収容部、搬送部、圧縮部)
B,B1,B2 梱包箱(第1梱包箱、第2梱包箱)
W ワーク