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特開2023-28602角ハンガー吊り下げ具及び角ハンガーセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028602
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】角ハンガー吊り下げ具及び角ハンガーセット
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
D06F57/00 390
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134410
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000109129
【氏名又は名称】ダイヤ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】豊澤 一誠
(72)【発明者】
【氏名】水村 亮太
(72)【発明者】
【氏名】上野 さくら
(57)【要約】
【課題】角ハンガーの吊り紐等に対してフックを移動させてその位置を変更することなく、また、吊り紐等がない角ハンガーであっても、フレームを安定した水平状態にして使用できるようにする。
【解決手段】外枠11aを有するフレーム11、多数の洗濯バサミ14及びフレーム11を吊るフック12を備えた角ハンガー10をパーテーション30から吊り下げる角ハンガー吊り下げ具20であって、第1リング部21bを有するベルト21と、挿通穴22b、門形枠体22aを有する固定部材22と、ベルト取付部23a、フレーム支持部23b及び第1垂直当接面23av・第2垂直当接面23bvを有する補助部材23とを備えた角ハンガー吊り下げ具20。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠を有するフレームと、該フレームに取り付けられた多数の洗濯バサミと、前記フレームを吊るフックを備えた角ハンガーを固定物から吊り下げる角ハンガー吊り下げ具であって、
前記フックが引っ掛けられる引掛け部を有する帯状部材と、
前記帯状部材が挿通する挿通部と、前記固定物に取り付けられる固定物取付部とを有する固定部材と、
前記帯状部材が取り付けられる帯状部材取付部と、前記フレームを支えるフレーム支持部と、前記固定物又は他の固定物の垂直面に当接する垂直当接面を有する補助部材と
を備えたことを特徴とする角ハンガー吊り下げ具。
【請求項2】
前記固定物は板状体であり、前記固定物取付部は、該板状体の上部に被せる門形枠体であり、前記挿通部は、前記帯状部材が挿通する挿通穴であることを特徴とする請求項1記載の角ハンガー吊り下げ具。
【請求項3】
前記帯状部材はベルトであり、前記引掛け部は、前記ベルトの一端に形成された第1リング部であり、前記ベルトの他端には帯状部材取付部に引っ掛けられる第2リング部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の角ハンガー吊り下げ具。
【請求項4】
前記帯状部材取付部は、前記第2リング部が取り外しできる切欠きを備えていることを特徴とする請求項3記載の角ハンガー吊り下げ具。
【請求項5】
前記フレーム支持部は、前記フレームを載置するフレーム載置面が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した角ハンガー吊り下げ具。
【請求項6】
前記固定部材は、水平方向に突出して洗濯物をぶら下げる突出体を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載した角ハンガー吊り下げ具。
【請求項7】
外枠を有するフレームと、該フレームに取り付けられた多数の洗濯バサミと、前記フレームを吊るフックを備えた角ハンガーと、
前記角ハンガーを固定物から吊り下げる吊り下げ具と
を備えた角ハンガーセットであって、
前記吊り下げ具は、
前記フックが引っ掛けられる引掛け部を有する帯状部材と、
前記帯状部材が挿通する挿通部と、前記固定物に取り付けられる固定物取付部とを有する固定部材と、
前記帯状部材が取り付けられる帯状部材取付部と、前記フレームを支えるフレーム支持部と、前記固定物又は他の固定物の垂直な面に当接する垂直面当接部を有する補助部材と
を備えたことを特徴とする角ハンガーセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の洗濯バサミを有する角ハンガー(ピンチハンガー)を吊り下げる角ハンガー吊り下げ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
洗濯物を干す洗濯ハンガーにはいろんな種類のものがあるが、角ハンガーあるいはピンチハンガーと呼ばれる洗濯ハンガー(以下「角ハンガー」という。)は、場所をとらず一度に多くの洗濯物を干せるという利点がある。
角ハンガーは、一般的には、角型や丸型の外枠からなるフレームと、フレームに取り付けられた多数の洗濯バサミ(ピンチ)と、フレームを吊る紐状部材と、紐状部材が取り付けられるフック等を備えている。また、紐状部材がなく、フックで直接あるいは棒状部材を介してフレームを吊るタイプの角ハンガーもある。
そして、角ハンガーは、洗濯バサミで多くの洗濯物を挟み、フックを水平な物干し竿等に引っ掛け、物干し竿等からフレームを吊るすようにして使用される。
ところで、水平な物干し竿等の角ハンガーのフックを引っ掛けるものがない場所、例えば、壁際で角ハンガーを使用する場合、壁に直接角ハンガーのフックを引っ掛けることはできないことから、一端を壁に固定した吊り下げベルト等の他端に角ハンガーのフックを引っ掛け、吊り下げベルト等を介して壁から角ハンガーが吊り下げられる。
この場合、角ハンガーのフレーム(外枠)の一部が壁に当接して角ハンガーが固定されることから、フレームが傾斜しやすく、フレームを水平状態にして洗濯物を安定させて干すのが難しいという問題がある。
また、窓際等では、フックをカーテンレール等に引っ掛けて、角ハンガーで洗濯物を干すことができるが、フレームが傾き、フレームを水平状態にして洗濯物を干すことができないという問題がある。
このため、壁際や窓際等で、フレームを水平状態にして、洗濯物を干せるようにした種々の角ハンガーが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2000-325698号公報)には、洗濯物を保持する保持具及び前記保持具を支持する支持部材を有するハンガーにおいて、壁、柵、塀等の垂直又はほぼ垂直な構造物に沿って前記ハンガーから上方へ延びる保持骨部材を前記支持部材の端部に備え、前記保持骨部材及びこの保持骨部材に備えられたハンガーを構造物へ掛ける部分によりハンガーを支え、ハンガーの転覆を防ぐ様に構成したハンガーが開示されている。
しかしながら、特許文献1のハンガーは、壁等の垂直な構造物に沿って上方へ延びる保持骨部材を備えていることから、壁等の垂直な構造物には水平状態に保って掛けることができるが、特許文献1のハンガーを物干し竿等に引っ掛けると、保持骨部材がるあるためにハンガーが水平状態にならないばかりか、洗濯物をハンガーに取り付ける際に保持骨部材がじゃまになり、ハンガーを使用しないときに、保持骨部材がハンガーの収納を妨げる等の問題がある。
【0004】
また、特許文献2(実用新案登録第3196450号公報)には、洗濯物ハンガーの支点部2と枠体3を2本のロープ4a、4bで連結し、支点部2に、枠体の短辺5a、5bと平行な2か所の通過孔8a、8bを並列に設け、1つの通過孔8aを通過させたロープ4aの両端をその通過孔と同側の枠体の短辺部5aの両端の隅角部7aと繋ぎ、さらにもう1本のロープ4bを支点部2の他の通過孔8bに通し、同様に枠体の隅角部7bと繋ぎ、ロープ4a、4bに沿って支点部2が、通過孔8a、8bと平行な方向の枠体の両側の長辺6の方向に移動可能にし、吊るした時の支点部2と枠体3の位置関係が可変となるようにした洗濯物ハンガーが開示されている。
しかしながら、特許文献2の洗濯物ハンガーでは、2本のロープ4a、4bの支点2(通過孔8a、8b)から同じ側の隅角部7a、7bまで長さを同じにしないと、枠体3が水平にならず、その調整が面倒であるばかりか、洗濯物ハンガーのピンチに洗濯物を挟んで干しているとき、左右方向あるいは前後方向の一方の側の洗濯物が他方の側の洗濯物より重いと、支点2がロープ4a、4bに沿って移動し、枠体3が傾き水平状態を保てなくなるおそれが生ずるという問題がある。
また、紐状部材がなく、フックで直接あるいは棒状部材を介してフレームを吊るタイプの角ハンガーに対しては、特許文献2のようにロープ4a、4bに沿って支点部2を移動させることはできない。
【0005】
この点、特許文献3(特開2008-237851号公報)には、多数のピンチ1を有する物干しハンガ本体Mと、物干しハンガ本体Mに設けられた吊り下げ紐4と、吊り下げ紐4を通すことができる係り止め孔10と、フック部Fを設けた吊り下げ具Nより構成され、吊り下げ紐4には1本の紐に対し自在に動く第1ストッパー8、第2ストッパー9の2つが付いており、吊り下げ具Nが、吊り下げ紐4を自由に移動できるようにした物干しハンガが開示されている。
この特許文献3の物干しハンガにおいては、吊り下げ具Nをスライドすることで、吊り下げ位置を簡単に移動でき物干しハンガ本体Mが傾斜することなく、水平若しくはほぼ水平を維持するようになっており、第1ストッパー8と第2ストッパー9で(第2ストッパー9を第1ストッパー8に押し当てて)吊り下げ紐4の滑りを押さえ、ハンガ本体Mが水平を維持できるようになっている。
しかしながら、特許文献3の物干しハンガでは、吊り下げ紐4に対して吊り下げ具Nの他に第1ストッパー8と第2ストッパー9を移動させて物干しハンガ本体Mを水平にするため、物干しハンガ本体Mを水平する調整がより面倒となるばかりか、第1ストッパー8と第2ストッパー9が吊り下げ紐4に対して移動するため、物干しハンガピンチ1に洗濯物を挟んで干しているとき、左右方向あるいは前後方向の一方の側の洗濯物が他方の側の洗濯物より重いと、第1ストッパー8と第2ストッパー9で吊り下げ具Nが移動するのを完全に防止できず、ハンガ本体Mが傾き水平状態を保てなくなるおそれが生ずるという問題が残る。
また、紐状部材がなく、フックで直接あるいは棒状部材を介してフレームを吊るタイプの角ハンガーに対しては、特許文献2と同様に、特許文献3のように吊り下げ具Nをスライドさせることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-325698号公報
【特許文献2】実用新案登録第3196450号公報
【特許文献3】特開2008-237851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、フックを水平な物干し竿等に引っ掛け、物干し竿等からフレームを吊るすようにして使用される角ハンガーを、壁際や窓際等のフックを引っ掛けるものがない場所、あるいは、フックを引っ掛けてもフレームを水平にできない場所で、吊り紐等に対してフックを移動させてその位置を変更することなく、また、吊り紐等がない角ハンガーであっても、フレームを安定した水平状態にして使用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、外枠を有するフレームと、該フレームに取り付けられた多数の洗濯バサミと、前記フレームを吊るフックを備えた角ハンガーを固定物から吊り下げる角ハンガー吊り下げ具であって、前記フックが引っ掛けられる引掛け部を有する帯状部材と、前記帯状部材が挿通する挿通部と、前記固定物に取り付けられる固定物取付部とを有する固定部材と、前記帯状部材が取り付けられる帯状部材取付部と、前記フレームを支えるフレーム支持部と、前記固定物又は他の固定物の垂直面に当接する垂直当接面を有する補助部材とを備えた角ハンガー吊り下げ具を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記固定物は板状体であり、前記固定物取付部は、該板状体の上部に被せる門形枠体であり、前記挿通部は、前記帯状部材が挿通する挿通穴である角ハンガー吊り下げ具を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記帯状部材はベルトであり、前記引掛け部は、前記ベルトの一端に形成された第1リング部であり、前記ベルトの他端には帯状部材取付部に引っ掛けられる第2リング部が形成されている角ハンガー吊り下げ具を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記帯状部材取付部は、前記第2リング部が取り外しできる切欠きを備えている角ハンガー吊り下げ具を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記フレーム支持部は、前記フレームを載置するフレーム載置面が設けられている角ハンガー吊り下げ具を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、前記固定部材は、水平方向に突出して洗濯物をぶら下げる突出体を備えている角ハンガー吊り下げ具を提供して、上記課題を解決するものである。
【0014】
請求項7の発明は、外枠を有するフレームと、該フレームに取り付けられた多数の洗濯バサミと、前記フレームを吊るフックを備えた角ハンガーと、前記角ハンガーを固定物から吊り下げる吊り下げ具とを備えた角ハンガーセットであって、前記吊り下げ具は、前記フックが引っ掛けられる引掛け部を有する帯状部材と、前記帯状部材が挿通する挿通部と、前記固定物に取り付けられる固定物取付部とを有する固定部材と、前記帯状部材が取り付けられる帯状部材取付部と、前記フレームを支えるフレーム支持部と、前記固定物又は他の固定物の垂直な面に当接する垂直面当接部を有する補助部材とを備えた角ハンガーセットを提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明の角ハンガー吊り下げ具においては、壁際や窓際等の角ハンガーのフックを引っ掛けるものがない場所、あるいは、フックを引っ掛けても角ハンガーのフレームを水平にできない場所で、種々の形状・大きさの角ハンガーに対して、角ハンガーに多数の洗濯物を吊るしても、常に、フレームの水平が保たれた状態で固定物の垂直面に固定できるという効果を奏する。
【0016】
請求項2に記載の発明の角ハンガー吊り下げ具においては、さらに、門形枠体を板状体の上部に被せるだけで容易に固定部材を固定物に固定することがで、容易に帯状部材を挿通できるという効果を奏する。
【0017】
請求項3に記載の発明の角ハンガー吊り下げ具においては、さらに、容易にベルトを固定部材と補助部材の帯状部材取付部に取り付けることできるという効果を奏する。
【0018】
請求項4に記載の発明の角ハンガー吊り下げ具おいては、さらに、ベルト21を帯状部材取付部から容易に外すことができるという効果を奏する。
【0019】
請求項5に記載の発明の角ハンガー吊り下げ具においては、さらに、フレーム載置面により角ハンガーのフレームを容易に支持して水平状態を保つことができるという効果を奏する。
【0020】
請求項6に記載の発明の角ハンガー吊り下げ具においては、さらに、角ハンガーに吊るす洗濯物以外の洗濯物を吊るすことができるという効果を奏する。
【0021】
請求項7に記載の発明の角ハンガーセットにおいては、壁際や窓際等の角ハンガーのフックを引っ掛けるものがない場所、あるいは、フックを引っ掛けても角ハンガーのフレームを水平にできない場所で、種々の形状・大きさの角ハンガーに対して、角ハンガーに多数の洗濯物を吊るしても、常に、フレームの水平が保たれた状態で固定物の垂直面に固定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態の角ハンガーセットにおいて、角ハンガー吊り下げ具でパーテーションから角ハンガーを吊り下げてパーテーションの垂直面に固定する前の状態の斜視図である。
図2図2は、図1の状態から角ハンガーをパーテーションの垂直面に固定した状態の斜視図である。
図3図2に示す角ハンガーセットの正面図である。
図4図2に示す角ハンガーセットの右側面図である。
図5図1に示すベルトの斜視図である。
図6図1に示す固定部材の斜視図、正面図、右側面図及び縦断面図である。
図7図1に示す補助部材の斜視図、正面図、背面図、右側面図及び縦断面図である。
図8】角ハンガー10を角ハンガー吊り下げ具20で吊り下げた場合の作用と、角ハンガー10とフレームの大きさが異なる角ハンガーを角ハンガー吊り下げ具20で吊り下げた場合の作用を説明する説明図である。
図9】角ハンガー10のフック12と高さが異なるフックを有する角ハンガーを角ハンガー吊り下げ具20で吊り下げたる場合の作用を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[角ハンガーセットの構成]
図1は、本発明の実施形態の角ハンガーセットにおいて、角ハンガー吊り下げ具でパーテーションから角ハンガーを吊り下げてパーテーションの垂直面に固定する前の状態の斜視図、図2は、図1の状態から角ハンガーをパーテーションの垂直面に固定した状態の斜視図、図3は、図2に示す角ハンガーセットの正面図、図4は、図2に示す角ハンガーセットの右側面図、図5は、図1に示すベルトの斜視図、図6は、図1に示す固定部材の斜視図、正面図、右側面図及び縦断面図、図7は、図1に示す補助部材の斜視図、正面図、背面図、右側面図及び縦断面図である。
図中、1は角ハンガーセット、10は角ハンガー、11はフレーム、11aは外枠、11b、11cは中間枠、12はフック、12aはフック本体、12bは紐取付板、13a、13b、13c、13dは吊り紐、14は洗濯バサミ、20は角ハンガー吊り下げ具、21はベルト、21aはベルト本体、21bは第1リング部、21cは第2リング部、22は固定部材、22aは門形枠体、22bは挿通穴、22cは突出体、23は補助部材、23aはベルト取付部、23akは切欠き、23avは第1垂直当接面、23bはフレーム支持部、23bmはフレーム載置面、23btはツメ、23bvは第2垂直当接面、30はパーテーション、30fは垂直面、30tは上面であり、図において、Xは左右方向、Yは前後方向、Zは上下方向である。
図1図4に示すように、角ハンガーセット1は、角ハンガー10と角ハンガー吊り下げ具20から構成される。
【0024】
[角ハンガー]
角ハンガー10は、フレーム11、フック12、吊り紐13a、13b、13c、13d及び洗濯バサミ14を備えている。
フレーム11は、矩形状の外枠11aと中間枠11b、11cからなり、外枠11aのY方向に対向する辺に中間枠11b、11cが接合されている。
フック12は、フック本体12aと円板状の紐取付板12bからなり、フック本体12aの下端は紐取付板12bに回転自在に保持されている。
吊り紐13a、13b、13c、13dは、プラスチックあるいは金属からなる紐又はくさりであり、その一端は紐取付板12bに取り付けられ、その他端は外枠11aの四隅に取り付けられている。
洗濯バサミ14は、ピンチとも呼ばれ、洗濯物を挟んで干すものであり、外枠11aに多数ぶら下げられている。
なお、本発明における角ハンガーのフレームは、フレーム11に限定されるものではなく、外枠の形状が長円、円、あるいは矩形以外の多角形であってもよく、中間枠の形状、位置、数等も外枠の形状、大きさに合わせて適宜選択できる。
また、角ハンガーのフックもフック12に限定されるものではなく、その形状、構造、大きさ等はフレームに合わせて適宜選択できる。
さらに、角ハンガー吊り紐も吊り紐13a、13b、13c、13dに限定されるものではなく、その形状、大きさ、取付位置等は、適宜選択でき、吊り紐がなく、フックを直接フレームの中間枠等に取り付ける構造のものであってもよい。
【0025】
[角ハンガー吊り下げ具他]
角ハンガー吊り下げ具20は、ベルト21、固定部材22及び補助部材23を備えている。
ベルト21は、図5に示すようにベルト本体21aと、ベルト本体21aの両端に形成された第1リング部21bと第2リング部21cからなる。
第1リング部21bは、ベルト21を形成する帯体の一端が折り返されてその重なり部分が接合されて形成されたものであり、第2リング部21cは、ベルト21を形成する帯体の他端が折り返されてその重なり部分が接合されて形成されたものであり、第1リング部21bの方が第2リング部21cよりリング径が大きくなっている。
図1図3においては、ベルト21を網点で表し、図4においては、ベルト21を濃い灰色の太線で表す。
固定部材22は、図6に示すように門形枠体22a、挿通穴22b及び突出棒22cを備え、門形枠体22aは、背面側が内側に傾いて正面側に対して開くような弾性体となっている。
固定部材22においては、門形枠体22aの正面側の下部に矩形の開口からなる挿通穴22bが設けられ、門形枠体22aの正面側の上部には、正面側に突出する板体を介してスプーン状の枠からなる突出体22cが取り付けられている。
補助部材23は、図7に示すようにベルト取付部23aとフレーム支持部23bを備えている。
ベルト取付部23aは、フレーム支持部23bのから起立する扁平な板状体であり、溝状に切り欠かれた切欠き23akが設けられ、背面にはベルト取付部23aの外周に沿って第1垂直当接面23avが設けられている。
フレーム支持部23bは、略L字状の枠体であり、上部にフレーム載置面23bmが設けられ、上部先端に一対のツメ23btが設けられ、背面にはフレーム支持部23bの外周に沿って第2垂直当接面23bvが設けられている。
また、パーテーション30は、本発明における固定物となるもので、板状体であり、垂直面30fと上面30tを備え、垂直面30fは正面側(前側)に位置している。図において、パーテーション30を二点鎖線で表す。
そして、補助部材23において、フレーム載置面23bmは、第1垂直当接面23avと第2垂直当接面23bvに対して垂直となっており、第1垂直当接面23avと第2垂直当接面23bvがパーテーション30の垂直面30fに当てがわれて垂直となったとき、フレーム載置面23bmは水平となる。
なお、本発明における固定物は、パーテーション30に限定されるものではなく、補助部材23の垂直当接面(第1垂直当接面23av、第2垂直当接面23bv)が当てがわれる垂直面をもつもの、例えば、通常の壁面、柱、窓枠と窓、カーテンレールと窓であってもよい。
【0026】
[角ハンガーセットの使用方法]
次に、角ハンガーセット1の使用方法について説明する。
まず、角ハンガー吊り下げ具20において、固定部材22の門形枠体22aの背面側を正面側に対して開いて、パーテーション30の正面の垂直面30fと背面の垂直面を挟み込むように、門形枠体22aをパーテーション30の上部に被せて固定する。
このとき、門形枠体22aの弾性力により、パーテーション30の垂直面が、門形枠体22aの正面側と背面側の内面により押し付けられる。
この場合、突出体22cには、洗濯物を掛けたハンガー等、角ハンガー10に吊るす洗濯物以外の洗濯物を直接あるいはハンガー等を介して吊るすことができる。
次いで、ベルト21のベルト本体21aを固定部材22の挿通穴22bに挿通し、第1リング部21bを角ハンガー10のフック12(フック本体12a)に引っ掛け、第2リング部21cを、補助部材23のベルト取付部23a(切欠き23ak)に引っ掛けるようにして取り付ける。
この場合、ベルト取付部23aには、一端が開口した切欠き23akが設けられているため、第2リング部21cを切欠き23akを引っ掛けて、容易にベルト21をベルト取付部23aに取り付けることができる。
これにより、角ハンガー10のフック12と補助部材23が、固定部材22に挿通するベルト21を介して互いに引き合う状態となる(図1参照)。
この状態で、角ハンガー10の外枠11aの補助部材23側に位置する部分を、補助部材23のフレーム載置面23bmに載せ、補助部材23の背面の第1垂直当接面23avと第2垂直当接面23bvをパーテーション30の垂直面30fに押し付ける。あるいは、補助部材23の背面の第1垂直当接面23avと第2垂直当接面23bvをパーテーション30の垂直面30fに押し付けて、角ハンガー10の外枠11aの補助部材23側に位置する部分を、補助部材23のフレーム載置面23bmに載せる。
この場合、フレーム支持部23bの一対のツメ23btが、外枠11aがフレーム載置面23bmから正面に脱落するのを防止する。
これにより、角ハンガー10の自重によって、フレーム載置面23bmに載置された外枠11aの背面部分が補助部材23のベルト取付部23aを押し付け、補助部材23の背面の第1垂直当接面23avと第2垂直当接面23bvがパーテーション30の垂直面30fを押し付け(第1垂直当接面23avはベルト21を介して垂直面30fを押し付け)、角ハンガー10の水平が保たれた状態で、角ハンガー10が角ハンガー吊り下げ具20によりパーテーション30の垂直面30fに固定される(図2図4参照)。
【0027】
次いで、角ハンガー10の洗濯バサミ14に洗濯物を挟み、洗濯物を吊るす。
角ハンガー10は、洗濯バサミ14に吊るした洗濯物により重さを増すが、外枠11aのパーテーション30(垂直面30f)側の中央部が、補助部材23のフレーム載置面23bmで支持され、かつ、補助部材23のベルト取付部23aを押し付けていることから、角ハンガー10のフレーム11が傾くことなくその水平が保たれた状態で、角ハンガー10が角ハンガー吊り下げ具20によりパーテーション30の垂直面30fに固定された状態を保つ。
この後、洗濯物を干し終わって角ハンガー10を収納するときは、ベルト21の第1リング部21bを角ハンガー10のフック12(フック本体12a)から外し、ベルト21の第2リング部21cを補助部材23のベルト取付部23a(切欠き23ak)から外し、角ハンガー10と角ハンガー吊り下げ具20を別々にして収納する。
この場合、切欠き23akの一端が開口しているため、第2リング部21cをベルト取付部23a(切欠き23ak)から容易に外すことができる。
【0028】
[角ハンガー吊り下げ具の作用]
図8は、角ハンガー10を角ハンガー吊り下げ具20で吊り下げた場合の作用と、角ハンガー10とフレームの大きさが異なる角ハンガーを角ハンガー吊り下げ具20で吊り下げた場合の作用を説明する説明図である。
図中、40、50は角ハンガー、41、51はフレーム、41a、51aは外枠、Laは洗濯物であり、図1図7に示すものと同一のものには同一の符号を付す。
図8(a)は、角ハンガー10を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定し、洗濯バサミ14で洗濯物Laを挟み、角ハンガー10に多数の洗濯物Laを吊るした状態を示している。
角ハンガー10には、角ハンガー10の自重と多数の洗濯物Laの重さを合わせた荷重Wが作用し、この荷重Wの角ハンガー10をベルト21が支えることとなる。
このとき、ベルト21の第1リング部21bが角ハンガー10のフック12(フック本体12a)を引っ張る力(引張力)をT1、ベルト21の第2リング部21cが補助部材23のベルト取付部23a(切欠き23ak)を引っ張る力(引張力)をT2とすると、引張力T1は斜め上方に作用し、引張力T2は鉛直上方に作用する。
この斜め上方の引張力T1により、角ハンガー10のフレーム11(外枠11a)が、補助部材23のベルト取付部23aを押し付け、第1垂直当接面23avと第2垂直当接面23bvがパーテーション30の垂直面30fを力(押付力)Fで押し付ける。
この場合、角ハンガー10のフレーム11(外枠11a)が載置されるフレーム載置面23bmは水平であり、フレーム11(外枠11a)が水平状態となる。
すなわち、角ハンガー10の荷重Wと、ベルト21の引張力T1、T2が釣り合い、フレーム11(外枠11a)が、角ハンガー10のフレーム11を支持する補助部材23(第1垂直当接面23av、第2垂直当接面23bv)を押付力Fでパーテーション30の垂直面30fを押し付け、第1垂直当接面23avと第2垂直当接面23bvが垂直となってフレーム載置面23bmが水平となり、フレーム11の水平が保たれた状態で、角ハンガー10が角ハンガー吊り下げ具20によりパーテーション30の垂直面30fに固定される。
【0029】
次に、フレーム11と大きさが異なるフレーム、すなわち、外枠11aと一辺の長さが異なる外枠を有する角ハンガーを角ハンガー吊り下げ具20で吊り下げる場合について説明する。
今、角ハンガー吊り下げ具20で角ハンガー10を吊り下げた場合において、フック12(フック本体12a)から固定部材22(挿通穴22b)までのベルト21の長さをH0、補助部材23のベルト取付部23a(切欠き23ak)から固定部材22(挿通穴22b)までのベルト21の長さをV0、補助部材23のフレーム載置面23bmのZ方向(上下方向)の位置をP0とし、フレーム11(外枠11a)のY方向(前後方向)の中心から右端(ベルト取付部23aの正面)までの長さとD0とする。
図8(b)は、角ハンガー10に代えて角ハンガー40を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した状態の右側面図である。
角ハンガー40は、角ハンガー10より小さい角ハンガー、すなわち、フレーム41(外枠41a)のY方向の中心から右端までの長さD1が角ハンガー10の長さD0より小さい(D1<D0)角ハンガーである。
角ハンガー40を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した場合、フック12から固定部材22までのベルト21の長さをH1、補助部材23のベルト取付部23aから固定部材22までのベルト21の長さをV1、補助部材23のフレーム載置面23bmのZ方向(上下方向)の位置をP1とすると、長さH1が長さH0より短くなり(H1<H0)、長さV1が長さV0より長くなり(V1>V0)、位置P1が位置P0より距離δ1だけ下がった位置で、フレーム41が水平となり、角ハンガー40が角ハンガー吊り下げ具20によりパーテーション30の垂直面30fに固定される。
図8(c)は、角ハンガー10に代えて角ハンガー50を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した状態の右側面図である。
角ハンガー50は、角ハンガー10より大きい角ハンガー、すなわち、フレーム51(外枠51a)のY方向の中心から右端までの長さD2が角ハンガー10の長さD0より大きい(D2>D0)角ハンガーである。
角ハンガー50を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した場合、フック12から固定部材22までのベルト21の長さをH2、補助部材23のベルト取付部23aから固定部材22までのベルト21の長さをV2、補助部材23のフレーム載置面23bmのZ方向(上下方向)の位置をP2とすると、長さH2が長さH0より長くなり(H2>H0)、長さV2が長さV0より短くなり(V2<V0)、位置P2が位置P0より距離δ2だけ上がった位置で、フレーム51が水平となり、角ハンガー50が角ハンガー吊り下げ具20によりパーテーション30の垂直面30fに固定される。
【0030】
図9は、角ハンガー10のフック12と高さが異なるフックを有する角ハンガーを角ハンガー吊り下げ具20で吊り下げたる場合の作用を説明する説明図であり、図中、60、70は角ハンガー、63a、63b、63c、63d、73a、73b、73c、73dは吊り紐であり、図1図7に示すものと同一のものには同一の符号を付す。
図9(a)は、角ハンガー10に代えて角ハンガー60を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した状態の右側面図である。
角ハンガー60は、角ハンガー10の吊り紐13a、13b、13c、13bより短い吊り紐63a、63b、63c、63dでフック12とフレーム11(外枠11a)が接続され、フック12の高さが低い角ハンガーである。
角ハンガー60を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した場合、フック12から固定部材22までのベルト21の長さをH3、補助部材23のベルト取付部23aから固定部材22までのベルト21の長さをV3、補助部材23のフレーム載置面23bmのZ方向(上下方向)の位置をP3とすると、長さH3が長さH0より長くなり(H3>H0)、長さV3が長さV0より短くなり(V3<V0)、位置P3が位置P0より距離δ3だけ上がった位置で、フレーム11が水平となり、角ハンガー60が角ハンガー吊り下げ具20によりパーテーション30の垂直面30fに固定される。
図9(b)は、角ハンガー10に代えて角ハンガー70を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した状態の右側面図である。
角ハンガー70は、角ハンガー10の吊り紐13a、13b、13c、13bより長い吊り紐73a、73b、73c、73dでフック12とフレーム11(外枠11a)が接続され、フック12の高さが高い角ハンガーである。
角ハンガー70を角ハンガー吊り下げ具20でパーテーション30の垂直面30fに固定した場合、フック12から固定部材22までのベルト21の長さをH4、補助部材23のベルト取付部23aから固定部材22までのベルト21の長さをV4、補助部材23のフレーム載置面23bmのZ方向(上下方向)の位置をP4とすると、長さH4が長さH0より短くなり(H4<H0)、長さV4が長さV0より長くなり(V4>V0)、位置P4が位置P0より距離δ4だけ下がった位置で、フレーム41が水平となり、角ハンガー40が角ハンガー吊り下げ具20によりパーテーション30の垂直面30fに固定される。
【0031】
以上のように角ハンガー吊り下げ具20においては、パーテーション30等の固定物に固定部材22を固定し、ベルト21を固定部材22の挿通穴22bに挿通し、第1リング部21bを角ハンガー10のフック12に引っ掛け、第2リング部21cを補助部材23のベルト取付部23aに引っ掛けるようにして取り付け、角ハンガー10のフレーム11を補助部材23のフレーム載置面23bmに載せ、補助部材23の垂直当接面(第1垂直当接面23av、第2垂直当接面23bv)をパーテーション30等の固定物の垂直面に押し付けるだけで、角ハンガー10に多数の洗濯物Laを吊るしても、フレーム11の水平が保たれた状態で、パーテーション30等の固定物の垂直面に固定でき、角ハンガー10とフレームの大きさやフック12の高さが異なる角ハンガーに対しても、常に、角ハンガーのフレームの水平が保たれた状態で、パーテーション30等の固定物の垂直面に固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の角ハンガー吊り下げ具は、角ハンガーが取り付けられない場所等で、吊り紐等に対してフックを移動させてその位置を変更することなく、フレームを安定した水平状態にして使用でき、多数の洗濯バサミを有する種々の形状・大きさの角ハンガーに利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 角ハンガーセット
10 角ハンガー
11 フレーム
11a 外枠
11b、11c 中間枠
12 フック
12a フック本体
12b 紐取付板
13a、13b、13c、13d 吊り紐
14 洗濯バサミ
20 角ハンガー吊り下げ具
21 ベルト
21a ベルト本体
21b 第1リング部
21c 第2リング部
22 固定部材
22a 門形枠体
22b 挿通穴
22c 突出体
23 補助部材
23a ベルト取付部
23ak 切欠き
23av 第1垂直当接面
23b フレーム支持部
23bm フレーム載置面
23bt ツメ
23bv 第2垂直当接面
30 パーテーション
30f 垂直面
30t 上面
40、50、60、70 角ハンガー
41、51 フレーム
41a、51a 外枠
63a、63b、63c、63d 吊り紐
73a、73b、73c、73d 吊り紐
La 洗濯物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9