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  • 特開-防水型コンセントボックス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028657
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】防水型コンセントボックス
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20230224BHJP
   H01R 13/44 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
H01R13/52 302C
H01R13/44 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134500
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】591198320
【氏名又は名称】株式会社TERADA
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100073483
【弁理士】
【氏名又は名称】八鍬 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100164286
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 卓夫
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 善孝
(72)【発明者】
【氏名】島村 多加央
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE07
5E087EE10
5E087FF02
5E087FF06
5E087FF12
5E087HH01
5E087LL05
5E087LL11
5E087LL17
5E087LL29
5E087LL33
5E087MM05
5E087QQ03
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】主に屋外への設置に好適な防水型コンセントボックスを提供する。
【解決手段】 前面を開口としたボックス本体1と、当該ボックス本体1内に付設するコンセント2と、前記ボックス本体1の前面開口部を開閉自在に覆うカバー体3とから構成される防水型コンセントボックスであって、ボックス本体1はコンセント2を囲むようにその全周囲に防水壁部5を形成すると共に、当該防水壁部5の下端壁部6より少しの間隔を存してボックス本体1内に隔壁部7を形成し、前記下端壁部6と前記隔壁部7に被覆電線10を曲折した状態で通すことができる通線路8,11をそれぞれ形成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面を開口としたボックス本体と、当該ボックス本体内に付設するコンセントと、前記ボックス本体の前面開口部を開閉自在に覆うカバー体とから構成される防水型コンセントボックスにおいて、ボックス本体はコンセントを囲むようにその全周囲に防水壁部を形成すると共に、当該防水壁部の下端壁部より少しの間隔を存してボックス本体内に隔壁部を形成し、前記下端壁部と前記隔壁部に被覆電線を曲折した状態で通すことができる通線路をそれぞれ形成したことを特徴とする防水型コンセントボックス。
【請求項2】
前記下端壁部に形成する前記通線路は下端壁部の右寄りまたは左寄りとなし、前記隔壁部に形成する前記通線路は前記コンセントの真下となる略中央付近としたことを特徴とする請求項1に記載の防水型コンセントボックス。
【請求項3】
コンセントの不使用時に前記下端壁部に形成した通線路からボックス本体内に水が入り込むのを防ぐため、前記通線路の周囲に当該通線路を遮断することができる小蓋を開閉自在に付設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水型コンセントボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に屋外への設置に好適な防水型コンセントボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置されるコンセントの場合、雨水がコンセントボックス内に入り込むと回路部にダメージを与えたり、感電や漏電の原因になるという問題がある。
そのため、屋外設置用のコンセントボックスには、下記の先行技術文献に示されているように、ボックス本体の前面開口部を開閉自在に覆うカバー体を取付けて、雨水がボックス本体内に入り込むのを防ぐようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1523534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示されているコンセントボックスによった場合は、コンセントを配設したボックス本体の前面開口部がカバー体によって覆われるので、雨水がボックス本体内に入り込むのを一定程度防ぐことができる。
【0005】
しかしながら、前記した従来のコンセントボックスによった場合は、前記特許文献1の使用状態を示す下方向からの参考斜視図及びカバーを開いたときの使用状態参考正面図に示されているように、先端にプラグ部を具備した被覆電線をボックス本体内に導くためにカバー体の下面部に被覆電線を通すための比較的大きな通孔が形成してあり、しかも被覆電線は直線的にボックス本体内に導かれ、コンセントのプラグ差込口に挿着される構造となっているため、激しい雨水の場合は、路面から跳ね返った雨水が当該通孔からボックス本体内に入り込むという問題点がある。
【0006】
本発明は、主に屋外に設置されるコンセントボックスにおいて、路面から跳ね返った雨水がボックス本体の下端部に形成してある被覆電線の通線路を介してボックス本体内に入り込むのを防止した防水型コンセントボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係る防水型コンセントボックスの構成を詳述すれば、請求項1に係る発明は、前面を開口としたボックス本体と、当該ボックス本体内に付設するコンセントと、前記ボックス本体の前面開口部を開閉自在に覆うカバー体とから構成される防水型コンセントボックスにおいて、ボックス本体はコンセントを囲むようにその全周囲に防水壁部を形成すると共に、当該防水壁部の下端壁部より少しの間隔を存してボックス本体内に隔壁部を形成し、前記下端壁部と前記隔壁部に被覆電線を曲折した状態で通すことができる通線路をそれぞれ形成したことを特徴とする防水型コンセントボックスである。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記下端壁部に形成する前記通線路は下端壁部の右寄りまたは左寄りとなし、前記隔壁部に形成する前記通線路は前記コンセントの真下となる略中央付近としたことを特徴とする請求項1に記載の防水型コンセントボックスである。
【0009】
さらに、請求項3に係る発明は、コンセントの不使用時に前記下端壁部に形成した通線路から水が入り込むのを防ぐため、前記通線路の周囲に当該通線路を遮断することができる小蓋を開閉自在に付設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防水型コンセントボックスである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に係るコンセントボックスによった場合は、コンセントに接続する被覆電線は非直線的にボックス本体内のプラグ受け溝方向に導かれるのでボックス本体の下端壁部に開設してある第1の通線路から跳ね返り雨水が入り込んだとしても、隔壁部に形成した第2の通線路が前記第1の通線路と一致していないため、隔壁部に阻止されてプラグ受け面には至らず、コンセント部が雨水の影響を受けるのを有効に防ぐことが可能となる。
【0011】
本発明の請求項2に係るコンセントボックスによれば、前記第1の通線路は下端壁部の右寄りまたは左寄りとなっており、隔壁部に形成する前記第2の通線路はコンセントの真下となる略中央付近に設定してあるので、下端壁部に形成した第1の通線路から入り込んだ雨水が第2の通線路からコンセント部方向に入り込むのを防ぐことができると共に、プラグをコンセントにスムーズに接続することができる。
【0012】
本発明の請求項3に係るコンセントボックスによれば、コンセントの不使用時に小蓋を倒して第1の通線路を塞ぐことができ、当該部分から雨水が入り込むのを有効に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る防水型コンセントボックスの一実施形態を示す正面図であり、カバー体を開放した状態を示している。
図2図1に示す防水型コンセントボックスの側面図である。
図3図1に示す実施形態におけるボックス本体を斜め下方から視認したときの斜視図である。
図4】カバー体を閉じた状態においてボックス本体を斜め下方から視認したときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る防水型コンセントボックスの具体的構成を図示の実施形態に基づき詳細に説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するためのコンセントボックスの一例を示すに過ぎないものであって、本発明は以下の説明及び図示したものに限定されるものではない。特に、実施の形態及び図面に示されている構成部品の形状、相対的配置関係等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎないものである。
【0015】
図中1は前面を開口としたボックス本体を示し、当該ボックス本体1はその略中央部にコンセント2を付設してあると共に、当該ボックス本体1の前面開口部を開閉自在に覆うことができるようにカバー体3をボックス本体1の上辺部に取付けてある。
また、カバー体3の先端付近には、ボックス本体1の前面開口部を閉じたときに、当該閉鎖状態を保持できるよう施錠装置4が取付けられている。
【0016】
前記ボックス本体1はコンセント2を囲むようにその略全周囲に防水壁部5を形成してあると共に、当該防水壁部5の下端壁部6より少しの間隔を存してボックス本体1内に隔壁部7を形成してある。
【0017】
図中8は前記防水壁部5における下端壁部6に形成した第1の通線路であり、先端にプラグ9を付設した被覆電線10を通すのに充分な広さを有している。また、図中11は隔壁部7に形成した第2の通線路であり、被覆電線10を通すのに充分な広さを有している。
【0018】
而して、本発明に係る防水型コンセントボックスにおいては、前記第1の通線路8と、第2の通線路11の形成位置をずらすことによって、下端壁部6と前記隔壁部7に被覆電線を曲折した状態で通すことができるようになる。
すなわち、第1の通線路8と、第2の通線路11は同一の延長線上には形成されていないため、被覆電線10は図1に示すように略S字を描く如く曲折した状態でコンセント2のプラグ受け溝に接続される。
【0019】
従って、第1の通線路8から雨水の跳ね返り水がボックス本体1内に入り込んだとしても、隔壁部7に形成してある第2の通線路11から当該雨水が入り込むのを有効に防ぐことができる。
【0020】
なお、前記下端壁部6に形成する前記第1の通線路8は、図3に示すように下端壁部6の右寄りとなし、前記隔壁部7に形成する第2の通線路11は前記コンセント2の真下となる略中央付近とするようにしてもよいし、特に図示しないが、第1の通線路8を下端壁部6の左寄りとなる位置に形成するようにしても同様の効果を得ることができる。
【0021】
また、コンセントの不使用時において、ボックス本体1の下端壁部6に形成してある第1の通線路8が解放したままの状態であると、雨水の跳ね返り水がより多くボックス本体1内に入り込むおそれがあり、これを防ぐため前記第1の通線路8の周囲に当該通線路8を遮断することができる小蓋12を付設する。当該小蓋12はヒンジ手段等によって開閉自在となっているので、被覆電線10が第1の通線路8に位置していないとき、すなわち、プラグ8をコンセント2から外しているときは、通線路8を小蓋12によって閉塞状態とする。
【0022】
本発明は以上のように、被覆電線の通線路を介してボックス本体内に雨水の跳ね返り水が入り込むのを防ぐことができ、IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)規格に準拠したテストを出願人会社において実施した結果、プラグをコンセントに接続しているプラグ使用状態並びにプラグをコンセントから外したプラグ未使用状態の何れの場合においても、IPX5相当の防水効果(いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない。)があることが実証された。
【符号の説明】
【0023】
1:ボックス本体
2:コンセント
3:カバー体
4:施錠装置
5:防水壁部
6:下端壁部
7:隔壁部
8:第1の通線路
9:プラグ
10:被覆電線
11:第2の通線路
12:小蓋
図1
図2
図3
図4