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特開2023-28691複数の空間形成用の骨組が離間して配置された骨組構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028691
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】複数の空間形成用の骨組が離間して配置された骨組構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20230224BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20230224BHJP
   E04H 15/58 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
E04H1/12 A
E04B2/74 561H
E04H1/12 306Z
E04H15/58 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134550
(22)【出願日】2021-08-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】505151771
【氏名又は名称】ユニトレンド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158665
【弁理士】
【氏名又は名称】奥井 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100127513
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100206829
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 悟
(72)【発明者】
【氏名】岡田 幸男
(72)【発明者】
【氏名】岡田 勝久
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA03
2E141BB01
2E141CC01
2E141EE03
2E141EE04
(57)【要約】
【課題】区切られた空間を形成することができる空間形成用の骨組を、隣り合う空間同士の間には距離を確保しつつ、集合的に連結することができる骨組構造を提供する。
【解決手段】空間形成用の骨組を「田」の字状に4組離間して配置するとともに、隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を、該骨組同士の離間する間隔が平面視4角形の空間を形成するように並べ、該間隔が形成する空間の平面視4角形の4つの角部に位置する2組の空間形成用の骨組同士のうちの一方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱と他方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱との間に、支柱同士の上端部に装着されている空間成形用の骨組におけるジョイントを介して、2本のパイプ材である連結管を該平面視4角形の2辺を形成するように架設して、隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を連結した骨組構造。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の支柱と横架梁とがジョイントを介して連結された空間形成用の骨組を「田」の字状に4組離間して配置するとともに、すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を、該骨組同士の離間する間隔が平面視4角形の空間を形成するように並べ、
該間隔が形成する空間の平面視4角形の4つの角部に位置する2組の空間形成用の骨組同士のうちの一方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱と該2本の支柱のそれぞれに対向する他方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱との間に、支柱同士の上端部に装着されている空間成形用の骨組におけるジョイントを介して、2本のパイプ材である連結管を該平面視4角形の2辺を形成するように架設して、すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を連結したことを特徴とする、4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造。
(記)
パイプ材からなる支柱が平面視4角形の4角の角部に配置され、
支柱の上端部において、支柱と支柱との間にパイプ材からなる横架梁を架設して該4角形の4辺を形成し、支柱の下端部において、支柱と支柱との間にパイプ材からなる横架梁を架設して該4角形の3辺を形成し、
支柱と横架梁とがジョイントを介して連結された空間形成用の骨組であって、ジョイントは、ジョイント本体とサブジョイントからなり、ジョイント本体は正六面体ブロックと該ブロックの5面からそれぞれ直角に突き出る5つの脚部を有し、サブジョイントはピンを有する部材であり、
支柱および横架梁を構成するパイプ材の両端部とジョイント本体の脚部とには、サブジョイントのピンが貫通できる孔が形成され、
支柱のパイプ材の端部にはジョイント本体の上記5つの脚部のうち、他の4つの脚部に対して直角の方向に突き出ている脚部が挿入されるとともに、横架梁のパイプ材の端部には該他の4つの脚部のいずれかの脚部が挿入され、
ジョイント本体の脚部と支柱およびジョイント本体の脚部と横架梁は、それぞれサブジョイントのピンが上記の孔に挿入されていることにより接続されている空間形成用の骨組。
【請求項2】
さらに、前記すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士において、前記平面視4角形の4つの角部に位置する一方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱のうちの前記骨組構造の中心部側に位置する支柱と他方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱のうちの前記骨組構造の中心部側に位置する支柱との間に、支柱同士の下端部に装着されている空間形成用の骨組におけるジョイントを介して連結管を該平面視4角形の1辺を形成するように架設して、すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を連結したことを特徴とする、請求項1に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造を有する4組の空間形成用の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組に対して、さらに前記支柱と横架梁とがジョイントを介して連結された空間形成用の骨組を離間して2組配置し、前者の2組の骨組と後者の2組の骨組とで、請求項1又は2に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造と同じ骨組構造を形成したことを特徴とする、6組の空間成形用の骨組を離間して配置した骨組構造。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造を有する4組の空間形成用の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組に対して、さらに請求項1又は2に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造を有する4組の空間形成用の骨組を離間して配置し、前者の4組の空間形成用の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組と後者の4組の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組とで、請求項1又は2に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造と同じ骨組構造を形成したことを特徴とする、8組の空間成形用骨組を離間して配置した骨組構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の空間形成用の骨組を互いに離間して配置することができる骨組構造に関わる。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大にともない、フィジカルディスタンス(ソーシャルディスタンス)の確保が呼びかけられている。これは、この感染症は飛沫感染を主な感染経路としており、人と人との間に所定の距離を確保して、飛沫感染のリスクを低減しようとするものである。
【0003】
ところで、発明者らは、複数の空間形成用の骨組を隣接させて、縦横に並べたりして集合的に配置した骨組構造の発明を提示した(特許文献1参照)。この骨組構造における各空間形成用の骨組に布やビニールで囲い、出入り口に当たる部位にはカーテンを設けて、外部と区切る空間を集合的に形成した建屋とすることができる。
【0004】
このような集合的な空間を形成した建屋には、体育館などの屋内あるいは屋外に仮設した臨時の診察施設などやビルの大きなフロアーに特設したテレワーク室などが考えられるが、比較的多くの人が密集しやすいこのような場所では、隣り合う空間同士が距離を確保しないで接して互いの出入り口が比較的近い場合は、各々の空間を出入りする人がフィジカルディスタンスを確保するうえで好ましくない。また、感染症の感染者が区切られた空間の1つに入室していた場合、例えば、新型コロナ感染者を診察する場合には、区切られた空間同士の間には間隔がないため、隣りの空間に新型コロナ菌が飛散する恐れもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許文献1:特許第6832035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の区切られた空間を集合的に形成することができる骨組構造は、隣り合う空間との間に間隔を確保するようにはできていない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、複数の外部と区切られた空間を形成することができる骨組を、隣り合う空間同士の間には距離を確保しつつ、集合的に連結することができる骨組構造であって、しかも、連結、分離が容易であって、使用する部品も少なくて済み、分解後もコンパクトに収納でき、広い保管スペースを必要としない骨組構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
[1]下記の支柱と横架梁とがジョイントを介して連結された空間形成用の骨組を「田」の字状に4組離間して配置するとともに、すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を、該骨組同士の離間する間隔が平面視4角形の空間を形成するように並べ、該間隔が形成する空間の平面視4角形の4つの角部に位置する2組の空間形成用の骨組同士のうちの一方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱と該2本の支柱のそれぞれに対向する他方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱との間に、支柱同士の上端部に装着されている空間成形用の骨組におけるジョイントを介して、2本のパイプ材である連結管を該平面視4角形の2辺を形成するように架設して、すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を連結したことを特徴とする、4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造。
(記)
パイプ材からなる支柱が平面視4角形の4角の角部に配置され、支柱の上端部において、支柱と支柱との間にパイプ材からなる横架梁を架設して該4角形の4辺を形成し、支柱の下端部において、支柱と支柱との間にパイプ材からなる横架梁を架設して該4角形の3辺を形成し、支柱と横架梁とがジョイントを介して連結された空間形成用の骨組であって、ジョイントは、ジョイント本体とサブジョイントからなり、ジョイント本体は正六面体ブロックと該ブロックの5面からそれぞれ直角に突き出る5つの脚部を有し、サブジョイントはピンを有する部材であり、支柱および横架梁を構成するパイプ材の両端部とジョイント本体の脚部とには、サブジョイントのピンが貫通できる孔が形成され、支柱のパイプ材の端部にはジョイント本体の上記5つの脚部のうち、他の4つの脚部に対して直角の方向に突き出ている脚部が挿入されるとともに、横架梁のパイプ材の端部には該他の4つの脚部のいずれかの脚部が挿入され、ジョイント本体の脚部と支柱およびジョイント本体の脚部と横架梁は、それぞれサブジョイントのピンが上記の孔に挿入されていることにより接続されている空間形成用の骨組。
[2]さらに、前記すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士において、前記平面視4角形の4つの角部に位置する一方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱のうちの前記骨組構造の中心部側に位置する支柱と他方の組の空間形成用の骨組の2本の支柱のうちの前記骨組構造の中心部側に位置する支柱との間に、支柱同士の下端部に装着されている空間形成用の骨組におけるジョイントを介して連結管を該平面視4角形の1辺を形成するように架設して、すべての隣り合う2組の空間形成用の骨組同士を連結したことを特徴とする、[1]に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造。
[3][1]又は[2]に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造を有する4組の空間形成用の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組に対して、さらに前記支柱と横架梁とがジョイントを介して連結された空間形成用の骨組を離間して2組配置し、前者の2組の骨組と後者の2組の骨組とで、[1]又は[2]に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造と同じ骨組構造を形成したことを特徴とする、6組の空間成形用の骨組を離間して配置した骨組構造。
[4][1]又は[2]に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造を有する4組の空間形成用の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組に対して、さらに[1]又は[2]に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造を有する4組の空間形成用の骨組を離間して配置し、前者の4組の空間形成用の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組と後者の4組の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組とで、[1]又は[2]に記載の4組の空間形成用の骨組を離間して「田」の字状に配置した骨組構造と同じ骨組構造を形成したことを特徴とする、8組の空間成形用骨組を離間して配置した骨組構造。
【発明の効果】
【0008】
本発明の骨組構造は、5つの脚部を有するジョイント本体とサブジョイントからなるジョイントによりパイプ材からなる支柱と横架梁を接続して構築された空間形成用の骨組の、支柱に装着されているジョイント本体の5つの脚部のうち、空間形成用の骨組の構築には使用されていない脚部のいずれかを使用することにより、隣り合う空間形成用の骨組同士を連結管により連結するものであるから、4組以上の複数の空間形成用の骨組を離間して集合的に連結することおよび分離することが容易に行え、しかも、空間形成用の骨組同士を連結するために使用される部材がかさばらないパイプ材である連結管であるから、骨組構造の分離後の部品は、空間形成用の骨組の部品に連結管とサブジョイントが加わるだけであるから、コンパクトに収納ができ、広い保管スペースを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明における基本の骨組の斜視図を示す。
図2】本発明の基本の骨組の平面図を示す。
図3】支柱のパイプ材および横架梁のパイプ材を示す。
図4】ジョイント本体の斜視図を示す。
図5】サブジョイントとして使用される2つの実施形態を示す。(a)、(b)はそれぞれ略C型クリップの正面図、側面図、(c)は割ピンの斜視図を示す。
図6】(a)はジョイント本体の脚部に横架梁のパイプ材が装着された状態を示す。(b)は略C型クリップにより、ジョイント本体の脚部に横架梁のパイプ材が接続された状態を示す。
図7】サブジョイント(略C型クリップ)によりジョイント本体の脚部に支柱や横架梁が接続されている状態の斜視図を示す。(a)は支柱上端部での接続状態を、(b)は支柱下端部での接続状態の2つのタイプのうちの1つを、(c)は支柱下端部での接続状態の他のタイプの1つを、それぞれ示す。
図8】骨組構造の支柱の上端部において、支柱と横架梁が形成する角部に2つのコーナー材が取り付けられている骨組構造の斜視図を示す。(a)は骨組構造全体の斜視図を、(b)は要部を拡大した斜視図をそれぞれ示す。
図9】(a)は両端部の長さが異なるコーナー材の平面図を示す。(b)はコーナー材本体部材の平面図を示す。
図10】コーナー材の把持部材を示す。(a)は正面図を示す。(b)は平面図を示す。
図11】(a)は2組の空間形成用の骨組を離間して間隔を置いて並べ、この2つの骨組を連結した骨組構造(骨組構造2D)の斜視図を示す。(b)は骨組構造2Dが構築される前の2組の空間形成用の骨組を離間して、両骨組の間に平面視平面4角形の空間が形成されるように配置した状態を斜視図で示す。
図12】骨組構造2Dにおいて、空間形成用の骨組の冂(けいがまえ)状の枠組の向きの状態が異なる3例(a)~(c)を斜視図で示す。
図13】(a)は4組の空間形成用の骨組を離間して間隔を「田」の字状に配置し、この4組の骨組を連結した骨組構造(骨組構造4D)の斜視図を示す。(b)は骨組構造4Dが構築される前の4組の空間形成用の骨組を離間してすべての隣り合う空間形成用の骨組同士の間に平面視平面4角形の空間が形成されるように配置した状態を斜視図で示す。
図14】4組の空間形成用の骨組が「田」の字状に配置された骨組構造4Dの中心部の空間の平面視4角形の角部に配置された4本の支柱の上端部のみならず下端部にも、その上端部と同じように、連結管を接続して該平面視4角形の4辺を形成するように架設した骨組構造(骨組構造4D′)を斜視図で示す。
図15】4組の空間形成用の骨組が「田」の字状に配置された骨組構造4D′の中心部の空間の平面視4角形の角部に配置された4本の支柱の下端部において、コーナー材が支柱と横架梁との間に架設された状態を斜視図で示す。
図16】本発明の実施形態の1つである6組の空間形成用の骨組が離間して配置された骨組構造を斜視図で示す。
図17】本発明の実施形態の1つである6組の空間形成用の骨組が離間して配置された骨組構造を斜視図で示す。
図18】4組の空間形成用の骨組の側面の枠組みにシートやカーテンを取り付けられた骨組構造4Dを写真代用図面で示す。カーテンは冂(けいがまえ)状の枠組に取り付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の骨組構造を図面に基づいて説明する。
本発明の骨組構造は、複数組の空間形成用の骨組を有し、後述するように、隣り合う空間形成用の骨組同士の間には間隔が置かれている。空間形成用の骨組の側面やさらには天井の枠組に布やビニールなどからなるシートを取り付ければ、空間形成用の骨組は外部と区切る空間を形成することができる。
以下、この空間形成用の骨組を「基本の骨組」ということにする。
【0011】
最初に基本の骨組について説明する。
基本の骨組1は、図1に示されるように、平面視4角形の4角の角部に配置される同じ高さの4本の支柱2および支柱2と支柱2との間に架設される7本の横架梁3を備えている。
なお、梁とは、通常、柱の上にはり渡し屋根を支える材料を指しているが、横架梁は支柱と支柱の間に架設される材料を指している。
【0012】
基本の骨組1の支柱2の上端部においては、図2からも分かるように、後述するジョイント4を介して横架梁3が支柱2と支柱2の間に架設され、4本の横架梁3が平面視4角形の4辺を形成している。なお、図2では、支柱2はジョイント4の下に隠れている。また、この図では、ジョイント4を構成しているジョイント本体とサブジョイントのうち、サブジョイントは省略されている。
他方、支柱2の下端部においても、支柱2と支柱2の間にジョイント4を介して横架梁3が架設され、図1から分かるように、3本の横架梁3が平面視4角形の3辺を形成している。
【0013】
したがって、基本の骨組1は、2本の支柱と該2本の支柱の上端部と下端部に架設される2本の横架梁3とで形成される3つの矩形の枠組、2本の支柱と該2本の支柱の上端部に架設される横架梁3とで形成される冂(けいがまえ)状の枠組および支柱2の上端部に架設された4本の横架梁3が形成する平面視四角の矩形の枠組で囲われる立方体や直方体の空間を形成することができる。
上記の3つの矩形の枠組および冂(けいがまえ)状の枠組は、基本の骨組1が形成する空間の側面を形成し、上記の支柱2の上端部に架設された4本の横架梁3が形成する平面視4角の矩形の枠組は、基本の骨組1が形成する空間の天井面を形成することになる。
【0014】
基本の骨組1が形成する空間の側面の枠組に布やビニールなどからなるシートを取り付ければ、外部と区切る空間を形成することができる。さらに、基本の骨組1が形成する空間の天井面の枠組にシートを取り付ければ、外部と区切る天井付きの空間を形成することができる。
この基本の骨組1は、2本の支柱2と該2本の支柱2の上端部に架設された横架梁3で冂(けいがまえ)状の枠組を備えるが、この冂(けいがまえ)状の枠組の横架梁3に、例えば布やビニールなどからなるシートの代わりにカーテンを取り付けると、カーテンをどちらか一方の支柱側に寄せたり2つの支柱の間に拡げたりして、冂(けいがまえ)状の枠組を基本の骨組1が形成する空間への出入り口とすることができる。また、シートやカーテンなどを取り付けない場合は、常に開放された出入り口とすることができる。
【0015】
支柱2と横架梁3は内径および外径が同じパイプ材とする。こうすることで部品の種類の数を少なくすることができる。
支柱2はいずれも同じ長さであるが、横架材3については、少なくとも、互いに平行に架設される横架梁同士が同じ長さでなければならない。
支柱2や横架梁3のパイプ材の両端部の各端部には後述するサブジョイントのピンが該パイプ材を貫通できる2つの孔が形成されている。図3に支柱2と横架梁3のパイプ材を示した。ここでは、支柱2は横架梁3と同じ長さのものが示されているが、この形態に限るものではなく、支柱2が横架梁3よりも長い場合、あるいは短い場合もある。
【0016】
支柱2と横架梁3はジョイント4により接続して、横架材3を支柱2と支柱2の間に架設することができる。
ジョイント4は、ジョイント本体5とサブジョイント6からなり、ジョイント本体5を図4に、サブジョイント6を図5にそれぞれ示した。
【0017】
ジョイント本体5は、正6面体ブロックと正6面体ブロックの6面のうちの5面において、各面に対して直角に突き出る円柱状の脚部51を備えている。これら5つの脚部51の長さと外径は同じである。
5つのうちの4つの脚部51は、脚部51の軸中心線が同一平面上にあり、隣り合う脚部同士の軸中心線が直角を形成している。そして、残りの1つの脚部51は、軸中心線がこの平面に垂直であり、図4では上向きに示されている。
したがって、ジョイント本体5が有する5つの脚部のうち、1つの脚部(図4では上向きの脚部)51は、他の4つの脚部51に対して直角の方向に突き出ている。
また、脚部51には、脚部51の軸に直交する貫通孔52が形成されている。後述するように、貫通孔52には、サブジョイント6のピンが挿入される。
【0018】
サブジョイント6は、ピン61を備える部材であり、ジョイント本体5の脚部51から支柱2や横架梁3のパイプ材が外れないようにするためのものある。図5(a)、(b)および図5(c)にサブジョイント6の異なる実施形態を示した。
【0019】
図5(a)、(b)に示す実施形態では、ピン61を備える断面が略C型の把持部62を有する略C型クリップ6であり、支柱2や横架梁3のパイプ材を把持することができる。この把持部62は、弾性を有する2つの把持片を有し、把持片を押し拡げて支柱2や横架梁3のパイプ材に装着した後は2つの把持片が閉じる方向に締まるようになっている。
そして、ピン61は、略C型の部位の中央部から把持片側に突き出し、ピン61の径(断面の長さ)はジョイント本体5の脚部51に穿設された貫通孔52の径および支柱2や横架梁3のパイプ材の端部に穿設された貫通孔の径よりもやや小さい。
そして、ピン61の把持片側に突き出ている部位は、支柱2や横架梁3のパイプ材の外径よりやや長く、略C型クリップ6がこれらのパイプ材に装着されると、ピン61がパイプ材の端部に穿設された2つの孔を貫通し、同時にジョイント本体5の孔52を貫通することになる。
【0020】
上述したように、サブジョイント6は、ジョイント本体5の脚部51から支柱2や横架梁3のパイプ材が外れないように接続するためのものであるから、サブジョイント6として、略C型クリップの代わりに、図5(c)に示すような、ピン61を有する割ピン6を使用することもできる。
割ピン6は、ピン61と頭部63とからなり、ピン61が開脚できる2本の脚からなっている。対象物の孔にこの2本の脚であるピン61を通し、この脚を両側に開くようにして固定するものであり、支柱2や横架梁3のパイプ材の端部に形成された2つの孔とジョイント本体5の脚部51に形成された孔52とを貫通するように、割ピンのピン61を挿入し、パイプ材から飛び出たピンの2本の脚を曲げて開き、支柱2や横架梁3のパイプ材の外周に沿わせることで、ジョイント本体5の脚部51に支柱2や横架梁3のパイプ材を接続することができる。割ピンのピン61の長さは、パイプ材の外径よりも長くなければならない。図示はしていないが、ヘアピン型の割ピンも同様にサブジョイント6として使用することができる。
【0021】
サブジョイント6がピン61を有する部材であるから、該ピンを支柱2や横架梁3、ジョイント本体5の脚部51に形成された孔に挿入して、工具を使用することなく、あるいは簡単な工具を使用して、支柱2や横架梁3をジョイント本体の脚部51に接続することができ、基本の骨組1の組立を容易に行うことができる。逆に分解するときも、同様に容易に行うことができる。
とりわけ、略C型クリップ6は、2つの把持片を手で押し広げて、ピン61を支柱2や横架梁3のパイプ材およびジョイント本体5の脚部51に形成された孔に挿入することにより、工具を必要としないで、パイプ材をジョイント本体5に接続することも可能である。
【0022】
基本の骨組1においては、ジョイント本体5の、軸中心線が同一平面上にある4本の円柱状の脚部51のいずれかの脚部に、該脚部51が横架梁3のパイプ材の端部に挿入された状態で、該横架梁3が装着される。この状態を図6(a)に示した。
そして、支柱2についても、図6には示されてはいないが、上記の4本の脚部51ではない残りの1つの円柱状の脚部51、すなわち上記の4本の脚部51の軸中心線が形成する平面に対して軸中心線が直角をなす脚部51には、該脚部51が支柱2のパイプ材の端部に挿入された状態で、該支柱2が装着される〔図7(a)~(c)参照〕。
したがって、ジョイント本体5の脚部51の外径は支柱2や横架梁3のパイプ材の内径以下にしなければならない。脚部51を横架梁3や支柱2のパイプ材の端部に挿入しやすいように、脚部51の外径を横架梁3や支柱2のパイプ材の内径よりもやや小さくして、脚部51とパイプ材がタイトな状態にならないように遊びを持たせることが望ましい。こうすると、ジョイント本体5の脚部51と支柱2や横架梁3のパイプ材を装着あるいは分離することが容易に行える。
【0023】
サブジョイント6は、ジョイント本体5の脚部51が挿入された支柱2や横架梁3のパイプ材の端部に装着されて、ジョイント本体5の脚部51から支柱2や横架梁3のパイプ材が外れないようにするためのものある。
ジョイント本体5の脚部51に支柱2や横架梁3のパイプ材を取り付けるには、まず脚部51をパイプ材の端部に、該パイプ材に穿設された孔(2つ)と脚部51に穿設された孔52とが重なるように挿入し、次いで、ピン61がパイプ材の端部に形成された2つの孔とジョイント本体5の脚部51に形成された孔とを貫通するように、装着して取り付ける。
このようにして、ジョイント本体5の脚部51から支柱2や横架梁3のパイプ材が外れないように取り付けることができる。
図6(a)に、ジョイント本体5の、軸が同一平面上にある4本の脚部51の1つに、横架梁3のパイプ材の端部に挿入された状態を、図6(b)に、図6(a)に示された横架梁3のパイプ材の端部にサブジョイント6の略C型クリップが装着された状態をそれぞれ示した。
【0024】
図1に示すように、支柱2の上端部と下端部のそれぞれにおいて、4つのジョイント4を使用することにより横架梁3を架設して、1つの空間を形成する基本の骨組1を構築することができる。
そして、図1図7(a)から分かるように、支柱2の上端部では、4つのジョイントのいずれのジョイント本体5においても、軸中心線が同一平面上にある4つの脚部51のうちの2本の脚部に横架梁3が取り付けられるとともに、該同一平面に垂直でかつ下向きに突き出る脚部51には支柱2が取り付けられている。
【0025】
また、支柱2の下端部では、4つのジョイント本体のうち、2つのジョイント本体5においてはいずれも、図1図7(b)に示すように、軸が同一平面上にある4本の脚部51のうちの2本の脚部51に横架梁3が取り付けられるとともに、該同一平面に垂直でかつ上向きに突き出る脚部51に支柱2が取り付けられている。そして、図1図7(c)に示すように、残りの2つのジョイント本体5においてはいずれも、軸中心線が同一平面上にある4本の脚部51のうちの1本の脚部に横架梁3が取り付けられるとともに、該同一平面に垂直でかつ上向きに突き出る脚部51に支柱2が取り付けられている。
そして、図7(a)~(c)では、ジョイント本体5の脚部51が挿入された支柱2や横架梁3のパイプ材の端部にはいずれも、図5(a)、(b)に示す略C型クリップのサブジョイント6が装着されて、ジョイント本体5から、支柱2や横架梁3のパイプ材が外れないようになっている。サブジョイント6として、図5(c)に示す割ピンを使用しても同様である。
【0026】
基本の骨組1において、支柱2の上部では、平面視4角形の4つの角部のいずれかにおいて、ジョイント4で連結された支柱2と横架梁3との間あるいは横架梁3と横架梁3との間に形成されるコーナー部にコーナー材7を取り付けることにより、基本の骨組1をより堅固なものにすることができる。
図8に、基本の骨組1におけるコーナー材7の使用例の1つを示した。すなわち、基本の骨組1の支柱2の上端部に形成される平面視4角形の角部の1つにおいて、2つのコーナー材7が取り付けられ、支柱2と2本の横架梁のうちの一方の横架梁3aとの間および該支柱2と他方の横架梁3bとの間のそれぞれのコーナー部にコーナー材7が架設されている。
【0027】
コーナー材7は、本体部材71と把持部材72とからなり、該本体部材71の両先端部に支柱2や横架梁3のパイプ材を把持できる把持部材72が固定して取り付けられている。本体部材71はパイプ材などから両端部を曲げて製作することができる。
本体部材71の両端部は、両端部の軸中心線の延長が直角に交わっていなければならない。
図9(a)にコーナー材7の一実施形態を、また図9(b)に、図9(a)に示されるコーナー材7から把持部材72を取り除いた本体部材71の一実施形態をそれぞれ示した。本体部材71の両端部に取り付けられる把持部材72は同じ形状のものを使用することができる。
【0028】
図10にコーナー材7の把持部材72の一実施形態を示した。この図から分かるように、把持部材72は支柱2や横架梁3のパイプ材を把持することができる略C型の把持部721と本体部材71の端部が挿入されるソケット部722を有している。そして、該本体部材71の端部と該ソケット部722とのそれぞれにはネジが挿入できる雌ネジ孔(図面番号なし)が形成されており、該孔にネジをねじ込むことにより、把持部材72を本体部材71に固定することができる。
【0029】
略C型の把持部721は弾性体の材料で作られており、コーナー材7を支柱2や横架梁3のパイプ材には、把持部721の把持片の間隔を拡げて押し込めば装着することができる。この把持部721の把持片の開口の向きは、コーナー材7の両端部では同じにすることが望ましい〔図9(b)および図10(a)参照〕。
【0030】
図9(b)に示される本体部材71は、両端部と両端部に連続する中央部を有し、両端部は所定の長さを有し、その軸中心線の延長が直角に交差するとともに、両端部の長さは異なっている。こうすることで、図8に示すように、同じ形状の2つのコーナー材を骨組構造1の支柱2の上端部に形成される平面視4角形の1つの角部に同時に使用することができる。
すなわち、図8では、基本の骨組1の平面視4角形の1つの角部において、支柱2の上端部に2つの同じ形状の、両端部の長さが異なっているコーナー材7が使用されている。
【0031】
次に、本発明の実施形態を説明する前に、2つの基本の骨組を離間して間隔を置いて並べ、この2つの基本の骨組を連結した骨組構造について説明する。以下、この骨組構造を「骨組構造2D」という。
図11(a)に骨組構造2Dを示した。この図において、左側の基本の骨組1を骨組1a、骨組1aに間隔を置いて並べられた右側の基本の骨組1を骨組1bということにする。
骨組構造2Dを形成するには、図8(b)に示すように、骨組1aと骨組1bとを離間して並べ、両骨組の間に平面視平面4角形の空間が形成されるように配置する。この空間は、基本の骨組同士(骨組1aと骨組1b)の間に間隔となるものであるので、以下、このような空間を「間隔空間」ということにする。
この図8(b)から分かるように、この間隔空間の平面視4角形の4つの角部には、骨組1aの2本の支柱2と骨組1bの2本の支柱2が間隔を挟んで配置されているが、平面視4角形の間隔空間においては、骨組1aにおける2本の支柱2の間および骨組1bにおける2本の支柱2の間には、支柱2の上端部において、それぞれ横架梁3がすでに架設されているから、図8(b)に示される間隔空間においては、支柱2の上端部において、平面視4角形の4辺のうちの2辺は基本の骨組1a、1bにおける横架梁3により形成されている。
【0032】
そして、以下に記載するように、支柱2の上端部において、2対の対向する骨組1aの支柱と骨組1bの支柱の間に連結管8を架設することで、骨組1aと骨組1bとを連結することができる。
連結管8は、支柱2や横架梁3と内径および外径が同じパイプ材であり、両端部の各端部には、支柱2や横架梁3と同様に、サブジョイント6のピン61が該パイプ材を貫通できる2つの孔が形成されている(図3参照)。
したがって、連結管8を2本の支柱2の間にジョイント4を介して横架梁3と同様に架設することができ、そして連結管8の長さにより、2組の基本の骨組(すなわち骨組1a、骨組1b)との間の離間する距離が決まる。
【0033】
図7(a)から分かるように、基本の骨組1における平面視4角形の角部では、支柱2の上端部においては、支柱2と横架梁3が5つの脚部51を有するジョイント本体5に連結されているが、5本の脚部51のうちの2本は基本の骨組1においては使用されていないから、この使用されていない脚部51のいずれかを利用することにより、連結管8により骨組1aと骨組1bとを連結することができる。
すなわち、間隔空間が形成されている骨組1aと骨組1bとの間には対向する支柱同士(骨組1aの支柱2と骨組1bの支柱2)が2対存在するが、この2対のいずれの対においても、骨組1aの支柱2の上端部に取り付けられたジョイント本体5と骨組1bの支柱2の上端部に取り付けられたジョイント本体5には互いに対向し、かつ使用されていない脚部51が存在するから、この骨組1aのジョイント本体5と骨組1bのジョイント本体5の対向し、かつ使用されていない脚部51同士に連結管8を接続して架設することにより、骨組1aと骨組1bとをジョイント4を介して接続することができる。
【0034】
具体的には、骨組1aのジョイント本体5と骨組1bのジョイント本体5の対向し、かつ使用されていない脚部51同士のそれぞれを、連結管8の両端部に挿入して、サブジョイント6を装着して、ピン61が連結管の孔と脚部の孔52を貫通して、脚部51から連結管8を外れないように接続することができる。この作業は、ジョイント本体5の脚部51に横架梁3のパイプ材を接続するのと同様の作業であり、工具を使用することなく、あるいは簡単な工具を使用して行うことができる。
このようにして、図11(a)に示すように、骨組1aと骨組1bとを2本の連結管8で連結することができる。
【0035】
骨組1aと骨組1bとは、支柱2の上端部において2本の連結管8で連結され、両骨組の間に形成される間隔空間の平面視4角形の2辺に連結管8が架設されることになり、骨組1aと骨組1bの2つの基本の骨組を連結して並設することができる。
このようにして、2つの基本の骨組との間に間隔を置いて並設して、骨組構造2Dを構築することができる。
【0036】
図11(a)の骨組構造2Dでは、骨組1aと骨組1bのそれぞれが形成する空間の側面、さらには天井面に布やビニールからなるシートやカーテンを取り付けることにより、外部と区切る空間を形成することができるから、2組の基本の骨組(骨組1aと骨組1b)を平面視4角形の間隔空間を挟んで並べることができる。
【0037】
図11(a)における骨組構造2Dでは、それぞれの基本の骨組における冂(けいがまえ)状の骨組は同じ方向に向いているが、図12(a)~(c)に示すように、互いに反対の方向に向くように、また、骨組1aあるいは骨組1bの冂(けいがまえ)状の枠組が骨組1aと骨組1bとの間に形成されている間隔空間に向くようにすることもできる。
すでに記載したように、基本の骨組1における冂(けいがまえ)状の枠組は、基本の骨組1が形成する空間への出入り口とすることができるものである。
【0038】
次に、上述の空間形成用の骨組である基本の骨組1を4組使用して、該4組の基本の骨組を、「田」の字状に離間して配置するとともに、すべての隣り合う2組の基本の骨組の離間する間隔が平面視4角形の空間を形成するように配置した本発明の実施形態について説明する。この実施形態の骨組構造を図13(a)に示す。以下、この実施形態の骨組構造を「骨組構造4D」という。
【0039】
骨組構造4Dに使用される4つの基本の骨組1を、図13(a)、(b)に示すように、時計回りにそれぞれ「骨組1a」~「骨組1d」ということにする。
骨組構造4Dを形成するには、図13(b)に示すように、4つの基本の骨組を「田」の字状に離間して配置するとともに、すべての隣り合う基本の骨組同士の間に平面視4角形の間隔空間が形成されるように配置する。すなわち、骨組1aと骨組1bとの間、骨組1bと骨組1cとの間、骨組1cと骨組1dとの間、骨組1dと骨組1aとの間のいずれにも平面視4角形の間隔空間が形成されている。
【0040】
図13(b)から分かるように、すべての隣り合う基本の骨組同士の配置はいずれも、2組の基本の骨組1が骨組構造2Dを形成する前の2組の基本の骨組1の配置、すなわち図11(b)に示されるものと同じである。すなわち、骨組1aと骨組1b、骨組1bと骨組1c、骨組1cと骨組1d、骨組1dと骨組1aは、いずれも2つの基本の骨組1が骨組構造2Dを形成する前の2つの基本の骨組の配置と同じである。
したがって、隣り合う基本の骨組同士については、骨組構造2Dを構築するときと同様に、例えば、骨組1aと骨組1bでは、2対の対向する骨組1aの支柱2と骨組1bの支柱2の間に、支柱2の上端部において連結管8を架設することで、骨組1aと骨組1bとを2本の連結管8で連結することができる。そして、骨組1bと骨組1c、骨組1cと骨組1d、骨組1dと骨組1aにおいても、同様に2本の連結管8を架設して、2組の基本の骨組同士を連結することができる。
【0041】
骨組構造4Dの構築においても、骨組構造2Dと同様に、間隔空間が形成されている2組の基本の骨組同士の間には対向する支柱同士(例えば、骨組1aの支柱2と骨組1bの支柱2)が2対存在するが、この2対のいずれの対においても、一方の基本の骨組1の支柱2の上端部に取り付けられたジョイント本体5と他方の基本1の骨組の支柱2の上端部に取り付けられたジョイント本体5には互いに対向し、かつ使用されていない脚部51同士〔図7(a)参照〕が存在するから、一方の組の基本の骨組のジョイント本体5と他方の組の基本の骨組のジョイント本体5の対向し、かつ使用されていない脚部51同士に連結管8を接続して架設することにより、骨組構造2Dと同様に、ジョイント4を介して両基本の骨組同士を連結することができる。
このようにして、隣り合う2組の基本の骨組1同士を2本の連結管8で連結することができる。そして、すべての隣り合う2つの基本の骨組1を2本の連結管8で連結することにより骨組構造4Dを構築することができる。
4つの基本の骨組が配置された骨組構造4Dにおいては、すべての隣り合う2組の基本の骨組の間には、骨組構造2Dと同様の間隔となる空間(間隔空間)が形成されている。
【0042】
骨組構造4Dでは、骨組構造2Dと同様に、隣り合う2組の基本の骨組同士は、2本の連結管8で連結されて、支柱2の上端部において両基本の骨組の間に形成される間隔空間の平面視4角形の4辺にうち2辺に連結管8が架設されることになり、すべての隣り合う2組の基本の骨組同士、すなわち骨組1aと骨組1b、骨組1bと骨組1c、骨組1cと骨組1dおよび骨組1dと骨組1aを連結して配置することができる。なお、両基本の骨組の間に形成される間隔空間の平面視4角形の4辺にうち残りの2辺には横架梁3が架設されている。
【0043】
図13(a)、(b)から分かるように、骨組構造4Dでは、「田」の字状に配置された4組の基本の骨組1を互いに距離を隔てて配置することになる平面視十字形の間隔空間が形成され、「田」の字状に配置された4組の基本の骨組の中心部にも平面視4角形の空間が形成されることになる。この4組の基本の骨組の中心部の空間の平面視4角形の角部には、4つの基本の骨組1からそれぞれ1本の支柱2が供されて、4本の支柱2が配置されている。そして、4本の支柱2の上端部においては連結管8が架設されており、上記の平面視4角形の4辺を形成している。
【0044】
骨組構造4Dを構成する4組の基本の骨組1の各骨組の側面、さらには天井面に布やビニールからなるシートやカーテンを取り付けることにより、4つの外部と区切られた空間を形成することができる。すでに記載したように、基本の骨組1における冂(けいがまえ)状の枠組を基本の骨組1が形成する空間への出入り口とすることができるものである。
図18には、4組の基本の骨組1の側面に、シートやカーテンが取り付けられた骨組構造4Dを示した。カーテンは基本の骨組の冂(けいがまえ)状の枠組に取り付けられ、それ以外の側面の枠組にはシートが取り付けられている。なお、図18では、2組の基本の骨組1のカーテンは開いているが、他の2組の基本の骨組1のカーテンは閉じられている。
【0045】
骨組構造4Dにおける「田」の字状に配置された4組の基本の骨組を離間して配置することになる平面視十字形の間隔空間は通路や資材置き場などにして使用することができる。図13(a)から分かるように、骨組構造4Dの「田」の字状に配置された4組の基本の骨組1の中心部の平面視四角形の角部における支柱2の下端部には架設される連結管8がないので、平面視十字形の間隔空間を通路として使用するのに好都合である。
なお、図13(a)と図18を比較すると、図13(a)では、図18よりも平面視十字形の間隔空間の幅が大きく描かれているが、これは図13(a)において支柱2、横架梁3、連結管8の配置を明瞭に示すためである。
【0046】
図14には、骨組構造4Dにおける上述の「田」の字状に配置された4組の基本の骨組1の中心部の空間の平面視4角形の角部に配置された4本の支柱の上端部のみならず下端部にも、その上端部と同じように、連結管8を接続して平面視4角形の4辺を形成するように架設した骨組構造を示した。以下、この骨組構造を「骨組構造4D′」ということにする。
骨組構造4D′では、上述のすべての隣り合う2組の基本の骨組同士の間に形成される間隔空間の平面視4角形の4つの角部に位置する一方の組の基本の骨組の2本の支柱と該2本の支柱のそれぞれに対向する他方の組の基本の骨組の2本の支柱において、該一方の組の基本の骨組の2本の支柱のうちの骨組構造の中心部側に位置する支柱2と、該支柱に対向する他方の組の基本の骨組の2本の支柱のうちの骨組構造の中心部側に位置する支柱2との間に、支柱同士の上端部のみならず下端部においても、支柱同士の上端部と同様に、装着されているジョイント4を介して、すなわちジョイント本体5の対向し、かつ使用されていない脚部51同士に連結管8を間隔空間の平面視4角形の1辺を形成するように架設して連結している。
【0047】
骨組構造4D′では、「田」の字状に配置された4つの基本の骨組の中心部の平面視4角形の角部に配置された4本の支柱の上端部と下端部の両方に平面視4角形の4辺を形成するように連結管8を架設しているから、骨組構造4Dに比べていっそう堅固な骨組構造とすることができる。
骨組構造4D′における「田」の字状に配置された4組の基本の骨組を離間して配置することになる平面視十字形の間隔空間は通路や資材置き場などにして使用することができるが、「田」の字状に配置された4つの基本の骨組1の中心部の平面視4角形の角部に配置された4本の支柱2の下端部には、連結管8が架設されているので、通路として利用する場合は、連結管8が通行の妨げとなるので、マットを敷くなどの対応をすることが望ましい。
【0048】
図13(a)に示す骨組構造4Dでは、それぞれの基本の骨組における冂(けいがまえ)状の枠組は、骨組1aと骨組1b、骨組1cと骨組1dではそれぞれ同じ方向に向き、かつ前者の2組の基本の骨組1と後者の2組の基本の骨組1では互いに反対の方向に向いているが、骨組構造2Dと同様に(図12参照)、これに限るものでない。図13(a)には示していないが、4組の基本の骨組の冂(けいがまえ)状の枠組が上述の平面視十字形の間隔空間に向いていてもよい。
基本の骨組における冂(けいがまえ)状の枠組の向きについては、骨組構造4D′も骨組構造4Dと同様である。
すでに記載したように、基本の骨組における冂(けいがまえ)状の骨組は、基本の骨組が形成する空間への出入り口とすることができるものである。
【0049】
骨組構造4D′においては、「田」の字状に配置された4組の基本の骨組1の中心部に形成される平面視4角形の角部に配置された4本の支柱の各支柱2の下端部において、図15に示すように、支柱2と支柱の下端部に架設された横架梁とが形成するコーナー部にコーナー材7を取り付けると、骨組構造4D′をさらにいっそう堅固なものにすることができる。
【0050】
骨組構造4D、4D′の寸法の具体例の一例を挙げるならば、以下のとおりであるが、もちろん、この寸法の例に限るものではない。
・基本の骨組(空間形成用の骨組):縦2m×横2m×高さ2m
・平面視十字形の間隔空間の幅:0.5~1m
また、4組の基本の骨組における各骨組同士の平面視の形状は、隣り合う基本の骨組同士の幅を形成する横架梁の長さが等しい限り、同じである必要はない。
また、平面視十字形の間隔空間の幅も交差する方向で同じである必要はなく、異なっていてもよい。間隔空間の幅は、連結管8の長さを変えることにより、容易に調整できる。
【0051】
骨組構造4D、4D′では、4組の基本の骨組からなるが、これに骨組構造2Dの2組の骨組を離間して配置して連結し、6組の基本の骨組からなる骨組構造を構築することができる。
すなわち、骨組構造4Dまたは骨組構造4D′の4組の基本の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組に対して、さらに骨組構造2Dの2組の連結された基本の骨組を離間して2組配置し、前者の骨組構造4Dまたは骨組構造4D′における2組の骨組と後者の骨組構造2Dの2組の骨組とを連結管で連結して、骨組構造4Dまたは骨組構造4D′と同じ構造のものを構築して、6組の基本の骨組を離間して配置した骨組構造とすることができる。図16に、このようにして構築された6組の基本の骨組(骨組1a~1f)を備える骨組構造を示した。
【0052】
また、骨組構造4Dまたは骨組構造4D′の4組の基本の骨組のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組に対して、さらに別の骨組構造4Dまたは4D′のうちのいずれかの隣り合う2組の骨組の連結された基本の骨組を離間して配置し、前者の2組の骨組と後者の2組の骨組とを連結管で連結して、骨組構造4Dまたは骨組構造4D′とおなじものを構築して、8組の空間成形用の骨組を離間して配置した骨組構造とすることができる。図17に、このようにして構築された8組の基本の骨組(骨組1a~1h)を備える骨組構造を示した。
【0053】
以上のとおり、本発明の骨組構造は、4組、6組あるいは8組の基本の骨組(空間形成用の骨組)を、該基本の骨組に使用されているジョイントを介して連結管により連結して容易に構築することができるが、同様にして、さらに、10組、12組、14組・・・の基本の骨組を備える骨組構造を構築することができる。
本発明の骨組構造は、4組以上の基本の骨組(空間形成用の骨組)を離間して集合的に連結しているから、より安定した状態で設置できる。
また、もとより基本の骨組は分解後コンパクトに収納できるできるものであり、基本の骨組を連結する主たる部品が連結管のみであるので、本発明の骨組構造は、分解後においても、コンパクトに収納ができ、広い保管スペースを必要としないものである。
【符号の説明】
【0054】
1:空間形成用の骨組(基本の骨組)
2:支柱
3:横架梁
4:ジョイント
5:ジョイント本体
51:脚部
52:脚部に形成された孔
6:サブジョイント(略C型クリップ、割ピン)
61:ピン
62:把持部
63:頭部
7:コーナー材
71:本体部材
72:把持部材
721:把持部
722:ソケット部
8:連結管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18