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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028695
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】接触回避システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/24 20060101AFI20230224BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F9/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134557
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517120013
【氏名又は名称】パナソニックアドバンストテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森 聡
(72)【発明者】
【氏名】若山 真則
(72)【発明者】
【氏名】田中 真由子
(72)【発明者】
【氏名】中居 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】常見 正彦
(72)【発明者】
【氏名】高木 大輔
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA00
2D003BA07
2D003BB09
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA04
2D003DB05
2D003FA02
2D015GA03
2D015GB04
(57)【要約】
【課題】従来よりも効率的に工事を進めることができる。
【解決手段】接触回避システムは、複数の建設機械2を用いた工事において建設機械同士の接触を回避させるシステムであって、各々の建設機械2の位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段が取得した前記各々の建設機械の位置情報に基づいて、複数の建設機械2による群制御を行う制御装置と、を備え、前記制御装置は、工事エリアの一部に予め設定された所有エリアM1に第一の建設機械2Aが進入した場合に、所有エリアM1および当該所有エリアM1に付随する進入禁止エリアM2へ第二の建設機械2Bが進入することを制限する制限開始制御を行い、第一の建設機械2Aが所有エリアM1から退出した場合に、第二の建設機械2Bによる所有エリアM1および進入禁止エリアM2への進入の制限を解除する制限解除制御を行う。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の建設機械を用いた工事において建設機械同士の接触を回避させる接触回避システムであって、
各々の建設機械の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段が取得した前記各々の建設機械の位置情報に基づいて、複数の建設機械による群制御を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
工事エリアの一部に予め設定された作業エリアに第一の建設機械が進入した場合に、前記作業エリアへ第二の建設機械が進入することを制限する制限開始制御を行い、
前記第一の建設機械が前記作業エリアから退出した場合に、前記第二の建設機械による前記作業エリアへの進入の制限を解除する制限解除制御を行う、
ことを特徴とする接触回避システム。
【請求項2】
複数の建設機械を用いた工事において建設機械同士の接触を回避させる接触回避システムであって、
各々の建設機械の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段が取得した前記各々の建設機械の位置情報に基づいて、複数の建設機械による群制御を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
工事エリアの一部に予め設定された所有エリアに第一の建設機械が進入した場合に、前記所有エリアおよび当該所有エリアに付随する進入禁止エリアへ第二の建設機械が進入することを制限する制限開始制御を行い、
前記第一の建設機械が前記所有エリアから退出した場合に、前記第二の建設機械による前記所有エリアおよび前記進入禁止エリアへの進入の制限を解除する制限解除制御を行う、
ことを特徴とする接触回避システム。
【請求項3】
前記第二の建設機械は、自動運転によって作業を行うものであり、
前記第二の建設機械は、自動運転を制御する車載制御装置を備え、
前記制御装置は、前記制限開始制御として前記車載制御装置に対して一時停止命令を送り、前記制限解除制御として前記車載制御装置に対して再開命令を送る、
ことを特徴とする請求項2に記載の接触回避システム。
【請求項4】
前記第二の建設機械は、有人運転によって作業を行うものであり、
前記第二の建設機械の操縦者が視認可能な表示装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記制限開始制御として前記表示装置の画面に一時停止命令を表示させ、前記制限解除制御として前記表示装置の画面に再開命令を表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の接触回避システム。
【請求項5】
前記進入禁止エリアは、前記所有エリアを含み、当該所有エリアよりも広い範囲である、ことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか一項に記載の接触回避システム。
【請求項6】
前記進入禁止エリアは、前記所有エリアと同じ範囲である、ことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか一項に記載の接触回避システム。
【請求項7】
前記進入禁止エリアは、前記所有エリアと重複しない工事エリア内の別のエリアである、ことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか一項に記載の接触回避システム。
【請求項8】
前記工事エリアには、第一の所有エリアと第二の所有エリアとが設定されており、
前記制御装置は、各々の所有エリアで前記制限開始制御および前記制限解除制御を行う、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか一項に記載の接触回避システム。
【請求項9】
前記工事エリアには、前記第一の所有エリアの一部と前記第二の所有エリアの一部とが重複して設定されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の接触回避システム。
【請求項10】
前記所有エリアおよび前記進入禁止エリアは、手動および自動の何れかの方法によって設定されたものである、
ことを特徴とする請求項2ないし請求項9の何れか一項に記載の接触回避システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触回避システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転機能を有した建設機械を用いた施工システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載される技術は、異なる作業を複数の建設機械を自動運転で作業させるものであり、施工管理部から複数の建設機械に作業開始指令及び施工位置情報をそれぞれ送信することにより、各建設機械が施工位置情報に基づいてそれぞれ作業する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-132912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、建設機械を用いた工事内容は多岐にわたり、複数の建設機械が同一エリア内で輻輳することも想定される。従来では、建設機械にカメラやレーダ等のセンサを設置して建設機械同士の接触を監視し、接触の可能性がある場合に建設機械を緊急停止させるのが一般的である。その為、接触を回避するための停止は、建設機械にとっては意図しない制御になり、例えば安全を十分に確認してからの作業再開となるので作業が遅延するという問題があった。また、場合によっては作業を開始するための設定を再度行わなければならず、大変な手間になるという問題があった。
このような観点から、本発明は、従来よりも効率的に工事を進めることができる接触回避システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る接触回避システムは、複数の建設機械を用いた工事において建設機械同士の接触を回避させる接触回避システムである。この接触回避システムは、各々の建設機械の位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段が取得した前記各々の建設機械の位置情報に基づいて、複数の建設機械による群制御を行う制御装置とを備える。
前記制御装置は、工事エリアの一部に予め設定された作業エリアに第一の建設機械が進入した場合に、前記作業エリアへ第二の建設機械が進入することを制限する制限開始制御を行う。また、前記第一の建設機械が前記作業エリアから退出した場合に、前記第二の建設機械による前記作業エリアへの進入の制限を解除する制限解除制御を行う。
本発明に係る接触回避システムにおいては、第一の建設機械がいる作業エリアに第二の建設機械が進入することを防ぐことができる。その為、作業エリアで作業を行う第一の建設機械は、中断することなく作業を行うことが可能である。その結果、従来よりも効率的に工事を進めることができる。
【0006】
また、本発明に係る接触回避システムは、複数の建設機械を用いた工事において建設機械同士の接触を回避させる接触回避システムである。この接触回避システムは、各々の建設機械の位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段が取得した前記各々の建設機械の位置情報に基づいて、複数の建設機械による群制御を行う制御装置とを備える。
前記制御装置は、工事エリアの一部に予め設定された所有エリアに第一の建設機械が進入した場合に、前記所有エリアおよび当該所有エリアに付随する進入禁止エリアへ第二の建設機械が進入することを制限する制限開始制御を行う。また、前記第一の建設機械が前記所有エリアから退出した場合に、前記第二の建設機械による前記所有エリアおよび前記進入禁止エリアへの進入の制限を解除する制限解除制御を行う。
本発明に係る接触回避システムにおいては、第一の建設機械がいる所有エリアに第二の建設機械が進入することを防ぐことができる。その為、所有エリアで作業を行う第一の建設機械は、中断することなく作業を行うことが可能である。その結果、従来よりも効率的に工事を進めることができる。
また、進入禁止エリアが緩衝領域やバリケードのような役割を担うので、建設機械同士の接触を確実に防止することが可能である。
【0007】
前記第二の建設機械は、自動運転によって作業を行うものであってよい。その場合、前記第二の建設機械は、自動運転を制御する車載制御装置を備え、前記制御装置は、前記制限開始制御として前記車載制御装置に対して一時停止命令を送り、前記制限解除制御として前記車載制御装置に対して再開命令を送る。なお、前記第一の建設機械は、自動運転によって作業を行うもの、有人運転によって作業を行うものの何れであってもよい。
また、前記第二の建設機械は、有人運転によって作業を行うものであってよい。その場合、前記第二の建設機械の操縦者が視認可能な表示装置をさらに備え、前記制御装置は、前記制限開始制御として前記表示装置の画面に一時停止命令を表示させ、前記制限解除制御として前記表示装置の画面に再開命令を表示させる。
前記進入禁止エリアは、前記所有エリアを含み、当該所有エリアよりも広い範囲とすることができる。
また、前記進入禁止エリアは、前記所有エリアと同じ範囲とすることができる。
また、前記進入禁止エリアは、前記所有エリアと重複しない工事エリア内の別のエリアとすることができる。
また、前記工事エリアには、第一の所有エリアと第二の所有エリアとを設定することができる。その場合、前記制御装置は、各々の所有エリアで前記制限開始制御および前記制限解除制御を行う。なお、三つ以上の所有エリアを工事エリアに設定することも可能である。
また、前記工事エリアには、前記第一の所有エリアの一部と前記第二の所有エリアの一部とを重複して設定することができる。
また、前記所有エリアおよび前記進入禁止エリアは、手動および自動の何れかの方法によって設定されたものであってよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来よりも効率的に工事を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る接触回避システムを含んだ施工システムの概略構成図である。
図2】接触回避機能を説明するための図であり、所有エリアに建設機械がいない状態を示している。
図3】接触回避機能を説明するための図であり、所有エリアに建設機械が進入した状態を示している。
図4】接触回避機能を説明するための図であり、所有エリアに建設機械が進入した状態を示している。
図5】接触回避機能を説明するための図であり、所有エリアから建設機械が退出した状態を示している。
図6A】排他エリアの第1のバリエーションを示す図である。
図6B】排他エリアの第2のバリエーションを示す図である。
図6C】排他エリアの第3のバリエーションを示す図である。
図6D】排他エリアの第4のバリエーションを示す図である。
図6E】排他エリアの第5のバリエーションを示す図である。
図7A】排他エリアの第2のバリエーションの使用態様の一例を示す図である。
図7B】排他エリアの第2のバリエーションの使用態様の一例を示す図である。
図7C】排他エリアの第3のバリエーションの使用態様の一例を示す図である。
図8】複数の建設機械の作業が排他エリアで競合する場合の処理を示したシーケンス図である。
図9】エリアの設定画面(施工エリア設定画面)の例示である。
図10】エリアの設定画面(排他エリア編集画面)の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施をするための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
<実施形態に係る接触回避システムの構成について>
図1を参照して、第1実施形態に係る接触回避システム1Aの構成について説明する。図1は、接触回避システム1Aを含んだ施工システム1の概略構成図である。接触回避システム1Aは、他のシステムの一部を構成するものであって、本実施形態では複数の建設機械を用いて工事を行う施工システム1の一部をなすものを想定する。
施工システム1は、例えば、建設機械を自動で運転させる自動運転システム、建設機械の有人運転を支援する運転支援システム、建設機械同士の接触を回避させる接触回避システム1Aなどを含む。以降では、接触回避システム1Aについて特に説明を行い、施工システム1が有する他の機能であって、接触回避システム1Aに関連しないものは説明を省略する場合がある。なお、これらのシステムの分類は、説明の便宜上のものであり、発明を限定するものではない。
【0011】
接触回避システム1Aは、施工システム1の中で建設機械同士の接触を回避する役割を担うシステムであり、他のシステム(例えば、自動運転システム、運転支援システムなど)と連携して動作する。つまり、接触回避システム1Aは、他のシステムから必要に応じて情報を取得し、また他のシステムからの要求に応じて自身が保有する情報を提供する。接触回避システム1Aが接触を回避させる建設機械には、自動運転される建設機械および有人運転される建設機械が含まれ、接触回避システム1Aでは、例えば自動運転される建設機械同士の接触、有人運転される建設機械同士の接触、および自動運転される建設機械と有人運転される建設機械との接触を何れも回避できる。
図1に示すように、施工システム1は、複数の建設機械2と、各々の建設機械2に搭載される車載機器群3と、工事エリアの映像を撮影する外部固定カメラ4と、情報の通信を行う複数の通信装置5と、複数のモニタ6と、施工システム1の全体を制御する中央制御装置10(制御装置)とを主に備える。接触回避システム1Aは、これらのハードウェアの一部を用いて、建設機械2同士の接触の回避を実現する。
建設機械2(車載機器群3を含む)および外部固定カメラ4は、例えば工事エリアに設置される。各種のモニタ6および中央制御装置10は、例えば監視室に設置される。通信装置5は、例えば工事エリアおよび監視室の両方に設置される。
【0012】
建設機械2は、工事エリア内で作業を行う車両である。建設機械2は、移動手段を備えており、工事エリア内を移動可能である。建設機械2の種類は特に限定されず、例えばクローラダンプ、振動ローラ、ブルドーザ、バックホウ(油圧ショベル)などであってよい。自動運転される建設機械2と有人運転される建設機械2とを区別するために、前者に符号「2J」を付し、後者に符号「2K」と付して説明する場合がある。図1に示すように、例えば、自動運転される建設機械2Jがクローラダンプおよび振動ローラであり、有人運転される建設機械2Kがブルドーザおよびバックホウである。
自動運転される建設機械2Jに搭載される車載機器群3は、測位装置3Bと、車載制御装置3Cとを主に備える。
【0013】
測位装置3Bは、建設機械2の位置情報を取得する装置であり、位置取得手段の一例である。測位装置3Bは、例えばGPS(Global Positioning System)装置である。測位装置3Bは、測位用衛星(図示せず)から発信される電波(測位用信号)をアンテナを介して受信する。測位装置3Bは、例えば測位用衛星から軌道位置情報や時刻情報などを受信する。また、測位装置3Bにはアンテナが2つ内蔵されており、方位情報を得ることもできる。そして、測位装置3Bは、測位用衛星から受信した軌道位置情報や時刻情報を用いて建設機械2の位置(例えば緯度、経度、高度)を計算する。算出された建設機械2の位置と方位情報は、通信装置5を介して中央制御装置10に送られる。
車載制御装置3Cは、建設機械2Jの自動運転に関する制御を行う。車載制御装置3Cは、中央制御装置10との間で自動運転に必要な情報を送受信する。車載制御装置3Cは、CPU(Central Processing Unit)や各種メモリ等により構成される。車載制御装置3Cは、建設機械2に予め内蔵されたものであってもよいし、後から取り付けたもの(例えば、PC(Personal Computer))であってもよい。車載制御装置3Cには、自動運転用のアプリケーションプログラムが格納されており、このアプリケーションプログラムをCPUで実行することにより各種機能を実現する。車載制御装置3Cは、例えば建設機械2を自動運転する自動運転機能などを実現する。車載制御装置3Cは、例えば中央制御装置10からの作業開始指示によって建設機械2Jの自動運転を開始させる。
【0014】
図1に示すように、有人運転される建設機械2Kに搭載される車載機器群3は、測位装置3Bと、車載操作装置3Dとを主に備える。測位装置3Bは、自動運転される建設機械2Jに搭載されるものと同様なので説明を省略する。
車載操作装置3Dは、操縦者が建設機械2Kを運転(操縦)するための補助装置である。車載操作装置3Dは、中央制御装置10との間で有人操作運転に必要な情報を送受信する。車載操作装置3Dは、CPU(Central Processing Unit)や各種メモリ等により構成される。車載操作装置3Dは、建設機械2に予め内蔵されたものであってもよいし、操縦者が所持するもの(例えば、タブレット端末)であってもよい。
【0015】
図1に示す外部固定カメラ4は、工事エリアの状況を確認するための映像を撮影する。外部固定カメラ4は、例えば工事エリアを俯瞰した映像を撮影する。外部固定カメラ4が撮影した映像には、例えば、建設機械2の移動の様子や施工の進捗状況などが映っている。外部固定カメラ4が撮影した映像は、監視室に設置されるモニタ6に表示される。なお、外部固定カメラ4で撮影した映像から建設機械2の位置情報を取得してもよい。その場合、外部固定カメラ4で撮影した映像は、通信装置5を介して、中央制御装置10に送られる。
図1に示す通信装置5は、施工システム1内での通信を実現するための装置である。通信装置5は、例えばルータやハブなどの中継装置であり、工事エリアや監視室内に配置される。
図1に示すモニタ6には、施工システム1の運用に関する種々の情報を表示される。モニタ6に表示する情報の内容や数は、適宜設定することができる。モニタ6には、例えば建設機械2で撮影された映像や外部固定カメラ4で撮影された映像が表示される。
【0016】
中央制御装置10は、施工システム1の全体を制御する。中央制御装置10は、工事エリアで作業する複数の建設機械2との間で自動運転や有人操作運転に必要な情報を送受信する。工事エリアで作業する複数の建設機械2を制御することを「群制御」と呼ぶ場合がある。中央制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)や各種メモリ等により構成され、例えばPCやサーバである。中央制御装置10には、群制御用のアプリケーションプログラムが格納されており、このアプリケーションプログラムをCPUで実行することにより各種機能を実現する。中央制御装置10は、例えばタスクを管理するタスク管理機能、工事エリア内で複数の建設機械2を作業させる群制御機能、建設機械2同士の接触を回避させる接触回避機能などを実現する。なお、接触回避機能が群制御機能の一部をなす構成でもよい。
【0017】
(本実施形態に係る接触回避機能について)
建設機械2が作業を行う工事エリアには、例えばローカル座標系xyzが設定されている。工事エリアは、建設機械2が移動できる範囲である。ローカル座標系は、例えばxy平面が水平面に平行であり、z軸が鉛直方向を指している。ローカル座標系は、建設機械2の制御に使用される。なお、二次元のローカル座標系xyを工事エリアに設定することもできる。
また、工事エリアには、少なくとも一つまたは複数の排他エリアM(図2参照)を予め設定することが可能である。図2に示すように、排他エリアMは、所有エリアM1と、進入禁止エリアM2とによって構成される。排他エリアM(所有エリアM1および進入禁止エリアM2)は、例えばローカル座標系xyzを用いた座標の指定によって設定される。排他エリアMに関する情報は、例えば中央制御装置10に記憶される。なお、工事エリアに三次元のローカル座標系xyzを設定した場合、排他エリアMを階層的に設定することができる。また、工事エリアに排他エリアMを設定せずに建設機械2を自動運転することも可能である。
所有エリアM1は、工事エリアの一部に設定されるものであり、所有エリアM1として規定された領域内に建設機械2が存在する場合、その建設機械2が当該エリアの所有者となる。所有エリアM1の所有権は先勝ちとなるため、所有エリアM1に後から進入した建設機械2は当該エリアの所有者にはならない。ここで、建設機械2が所有エリアM1内に進入したか否かの判断は、例えば測位装置3Bの座標が所有エリアM1の境界を超えたか否かで判定する。測位装置3Bの座標から建設機械2の基準点(例えば、中心位置、前端部の位置、後端部の位置など)を算出し、その基準点に基づいて進入したか否かの判断を行ってもよい。
進入禁止エリアM2は、工事エリアの一部に設定されるものであり、所有エリアM1に付随する領域である。所有エリアM1の所有者がいる場合に、進入禁止エリアM2として規定された領域内への他の建設機械2の進入が制限される(例えば、他の建設機械2が進入しようとすると強制的に停止させられる)。一つの所有エリアM1に対して、少なくとも一つの進入禁止エリアM2が存在する。設置場所や範囲を調整することで、進入禁止エリアM2には様々な役割を持たせることが可能である(例えば、緩衝領域やバリケードなどの役割を持たせることができる)。
【0018】
図2ないし図5を参照して(適宜、図1参照)、中央制御装置10が実現する接触回避機能について説明する。図2ないし図5は、接触回避機能を説明するための図である。図2は、所有エリアM1に建設機械2がいない状態を示し、図3および図4は、所有エリアM1に建設機械2が進入した状態を示し、図5は、所有エリアM1から建設機械2が退出した状態を示す。なお、ここでは、進入禁止エリアM2が所有エリアM1を含み、所有エリアM1よりも広い範囲である場合を想定して説明するが、所有エリアM1と進入禁止エリアM2との関係はこれに限定されない。排他エリアMのバリエーションは後述する。
図2に示すように、所有エリアM1に建設機械2(「第一の建設機械2A」と記す)がいない場合、所有エリアM1の所有者がいない状態なので、中央制御装置10は、他の建設機械2(「第二の建設機械2B」と記す)の進入を制限する進入禁止エリアM2の機能を無効にする。その為、第二の建設機械2Bは進入禁止エリアM2が設定される範囲に入って作業を行うことができる。
【0019】
次に、図3に示すように、所有エリアM1に建設機械2がいない状態(所有エリアM1の所有者がいない状態)で、所有エリアM1内に第一の建設機械2Aが進入した場合、中央制御装置10は、排他エリアMへの進入を制限する機能を有効にする。排他エリアMへの進入制限を有効にすることを「制限開始制御」と呼ぶ。そして、進入した第一の建設機械2Aが排他エリアMの所有者となる。
図4に示すように、排他エリアMに所有者がいる状態では、中央制御装置10は、排他エリアM(つまり、所有エリアM1および進入禁止エリアM2)への第二の建設機械2Bの進入を制限し、例えば次のような処理を第二の建設機械2Bに対して実行する。
・排他エリアMに進入しようとした第二の建設機械2Bが自動運転される建設機械2Jの場合、中央制御装置10は、例えば建設機械2Jに対して一時停止命令を発行する。これにより、建設機械2Jは停止し、排他エリアMへの進入は防がれる。ここで、第二の建設機械2Bが排他エリアMに進入しようしているか否かの判断は、例えば第二の建設機械2Bの測位装置3Bの座標が排他エリアMの境界を超えたか否かで判定する。測位装置3Bの座標から第二の建設機械2Bの基準点(例えば、中心位置、前端部の位置、後端部の位置など)を算出し、その基準点に基づいて進入しようとしているか否かの判断を行ってもよい。また、測位装置3Bの座標に加えて、第二の建設機械2Bの移動速度、移動方向を考慮し、排他エリアMに進入しようとしているか否かを判定してもよい。なお、第二の建設機械2Bの一部が排他エリアMに入った状態であっても、制御上では排他エリアMに進入しようとしている状態(つまり、未だに排他エリアMに入っていない状態)と判定しても構わない。その場合、当該制御を考慮して進入禁止エリアM2の範囲を設定するのがよい。
・排他エリアMに進入しようとした第二の建設機械2Bが有人運転される建設機械2Kの場合、中央制御装置10は、例えば建設機械2Kの操縦者が視認可能な画面(例えば、車載操作装置3Dの画面)に、一時停止命令を警告音とともに表示する。これにより、操縦者は、建設機械2Kを停止させ、排他エリアMへの進入は防がれる。
なお、中央制御装置10は、所有エリアM1で作業を行っている第一の建設機械2Aに対しては特に指示を送らず、第一の建設機械2Aは、中断させることなく作業を引き続き行う。その為、第一の建設機械2Aの作業が遅延することはない。
【0020】
次に、図5に示すように、所有エリアM1にいる第一の建設機械2Aが所有エリアM1から退出した場合、中央制御装置10は、排他エリアMへの進入を制限する機能を無効にする(制限を解除する)。排他エリアMへの進入制限を解除にすることを「制限解除制御」と呼ぶ。そして、一時停止などさせていた第二の建設機械2Bに対して例えば次のような処理を実行する。
・一時停止中の第二の建設機械2Bが自動運転される建設機械2Jの場合、中央制御装置10は、例えば建設機械2Jに対して再開命令を送信する。これにより、建設機械2Jは作業を再開し、例えば進入禁止エリアM2内に進入する。
・一時停止中の第二の建設機械2Bが有人運転される建設機械2Kの場合、中央制御装置10は、例えば建設機械2Kの操縦者が視認可能な画面(例えば、車載操作装置3Dの画面)に、作業を再開できる旨を効果音とともに表示する。これにより、操縦者は、停止させていた作業を再開し、例えば建設機械2Kを進入禁止エリアM2へ進入させる。
【0021】
次に、図6Aないし図6Eを参照して、排他エリアMのバリエーション(所有エリアM1と進入禁止エリアM2との関係の例示)を説明する。
図6Aは、排他エリアMの第1のバリエーションを示す図である。図6Bは、排他エリアMの第2のバリエーションを示す図である。図6Cは、排他エリアMの第3のバリエーションを示す図である。図6Dは、排他エリアMの第4のバリエーションを示す図である。図6Eは、排他エリアMの第5のバリエーションを示す図である。
図6Aに示す第1のバリエーションでは、所有エリアM1と進入禁止エリアM2とが同じ範囲であり、二つの領域が一致(重複)している(所有エリアM1=進入禁止エリアM2)。つまり、第1のバリエーションでは、第一の建設機械2Aの作業エリアに他の建設機械(第二の建設機械2B)を進入させないように制御する。
図6Bに示す第2のバリエーションでは、進入禁止エリアM2が所有エリアM1を含み、所有エリアM1よりも広い範囲である(所有エリアM1<進入禁止エリアM2)。つまり、第2のバリエーションでは、第一の建設機械2Aの作業エリアおよびその周辺エリアに他の建設機械(第二の建設機械2B)を進入させないように制御する。第2のバリエーションでは、進入禁止エリアM2を緩衝領域のように使用できる。
【0022】
図6Cに示す第3のバリエーションでは、所有エリアM1と進入禁止エリアM2とが重複せず、進入禁止エリアM2が工事エリア内の別のエリアである(所有エリアM1≠進入禁止エリアM2)。つまり、第3のバリエーションでは、進入禁止エリアM2をバリケードのように使用することが可能であり、第一の建設機械2Aの作業エリアから離れた場所で他の建設機械(第二の建設機械2B)が進入できないように制御する。第3のバリエーションでの進入禁止エリアM2は、例えば建設機械2の動線が重なる場所(交差点)に設定されてもよい。なお、所有エリアM1と進入禁止エリアM2との一部が重複するようにしてもよい。
図6Dに示す第4のバリエーションでは、工事エリア内に複数の排他エリアMを設定し(図6Dでは二つの排他エリアMA,MBを設定している)、排他エリアM同士が重複していない。各々の排他エリアMは、既に説明した第1~第3のバリエーションの何れかであってよく、工事エリア内に第1~第3のバリエーションの排他エリアMを組合わせて設定することも可能である。第4のバリエーションでは、各々の排他エリアMで他の建設機械(第二の建設機械2B)の進入の制限および制限解除が行われる。
図6Eに示す第5のバリエーションでは、工事エリア内に複数の排他エリアMを設定し(図6Eでは二つの排他エリアMA,MBを設定している)、一の排他エリアMの一部が他の排他エリアMの一部と重複している。各々の排他エリアMは、既に説明した第1~第3のバリエーションの何れかであってよく、工事エリア内に第1~第3のバリエーションの排他エリアMを組合わせて設定することも可能である。第5のバリエーションでは、各々の排他エリアMで他の建設機械(第二の建設機械2B)の進入の制限および制限解除が行われる。なお、図6Eに示すように、所有エリアMA1,MB1が重複している場合には、その重複エリアにいる第一の建設機械2Aが二つの排他エリアMA,MBの所有者になる。
【0023】
次に、図7Aないし図7Cを参照して、排他エリアMの使用態様を、具体例を挙げて説明する。
図7Aは、排他エリアMの第2のバリエーションの使用態様の一例を示す図である。図7Bは、排他エリアMの第2のバリエーションの使用態様の一例を示す図である。図7Cは、排他エリアMの第3のバリエーションの使用態様の一例を示す図である。
図7Aに示すように、例えばバックホウが移動するエリアや移動せず固定で作業を行う場合(旋回動作とブーム・アームの曲げ伸ばしだけで作業を行う場合)に位置するエリアを所有エリアM1として設定し、バックホウが作業を行う土砂のある場所を進入禁止エリアM2として設定する。
また、図7Bに示すように、例えばバックホウが移動するエリアや移動せずに固定で作業を行う場合に位置するエリアを所有エリアM1として設定し、バックホウが作業を行う土砂やベルトコンベヤ9のある場所を進入禁止エリアM2として設定する。ベルトコンベヤ9を排他エリアMとエリア外とを跨ぐように設置することによって、クローラダンプ(第二の建設機械2B)は、排他エリアMに進入せずに、バックホウ(第一の建設機械2A)に土砂を供給することが可能である。
また、図7Cに示すように、例えばバックホウが移動するエリアや移動せずに固定で作業を行う場合に位置するエリアを所有エリアM1として設定し、土砂を運ぶダンプが通行する経路に進入禁止エリアM2を設定する。
【0024】
[処理]
図8に示すように、施工システム1(特に、中央制御装置10)は、以下の処理を実行する。図8は、複数の建設機械2の作業が排他エリアMで競合する場合の処理を示したシーケンス図である。
(複数の建設機械の作業が排他エリアMで競合する場合の処理)
図8では、クローラダンプとブルドーザが排他エリアMで競合している状況を例に挙げて説明する。排他エリアMにおける動作の優先順位は、ここまで説明してきた通り、先に所有エリアM1に進入した方を優先とする「先勝ち方式」によって決定する。なお、前提として、中央制御装置10からクローラダンプおよびブルドーザに対して作業の開始指示が出ており、各々の建設機械2は動作を開始している。
まず、クローラダンプの車載制御装置3Cは、タスクに定義された設定に従って動作させ(ステップS11)、自身の位置情報を中央制御装置10へ送信する(ステップS12)。ここでは、クローラダンプが所有エリアM1に進入したことにし、中央制御装置10は、クローラダンプによる所有エリアM1の進入を検知する(ステップS13)。
一方、ブルドーザの車載制御装置3Cは、タスクに定義された設定に従って動作させ(ステップS14)、自身の位置情報を中央制御装置10へ送信する(ステップS15)。ここでは、クローラダンプが所有エリアM1に進入した後でブルドーザが進入禁止エリアM2に進入したことにし、中央制御装置10は、ブルドーザによる進入禁止エリアM2の進入を検知する(ステップS16)。
【0025】
続いて、中央制御装置10は、ブルドーザによる進入禁止エリアM2の進入をトリガとして、制限開始制御を実行する(ステップS17)。進入したブルドーザが自動運転によって動作している場合、中央制御装置10は、ブルドーザへ一時停止命令を発行する(ステップS17J)。これにより、ブルドーザは動作を一時的に停止する(ステップS17L)。また、進入したブルドーザが有人運転によって動作している場合、中央制御装置10は、ブルドーザの車載操作装置3D(例えば、タブレット端末)に停止メッセージを表示させる(ステップS17K)。これにより、ブルドーザの操縦者は、メッセージ内容に従って車両(ここではブルドーザ)を停止させる(ステップS17M)。
クローラダンプの車載制御装置3Cは、タスクに定義された設定に従って引き続き動作させ(ステップS18)、自身の位置情報を中央制御装置10へ送信する(ステップS19)。ここでは、クローラダンプが所有エリアM1から退去したことにし、中央制御装置10は、クローラダンプによる所有エリアM1からの退去を検知する(ステップS20)。
続いて、中央制御装置10は、クローラダンプによる所有エリアM1からの退去をトリガとして、制限解除制御を実行する(ステップS21)。進入したブルドーザが自動運転によって動作している場合、中央制御装置10は、ブルドーザへ再開命令を発行する(ステップS21J)。これにより、ブルドーザは一時的に停止していた動作を再開する(ステップS21L)。また、進入したブルドーザが有人運転によって動作している場合、中央制御装置10は、ブルドーザの車載操作装置3D(例えば、タブレット端末)への停止メッセージの表示を終了させ、車載操作装置3Dのタスク表示を元の状態に戻す(ステップS21K)。なお、タスク表示を元の状態に戻す処理は、再開命令の一例であり、タスク表示を元の状態に戻す処理と共に再開命令を車載操作装置3Dに表示してもよい。これにより、ブルドーザの操縦者は、元のタスクの設定に従って動作を再開させる(ステップS21M)。ステップS21L,S21Mでは、進入禁止エリアM2へ進入しての動作が可能である。
【0026】
次に、図9および図10を参照して、排他エリアMの設定について主に説明する。なお、排他エリアM(所有エリアM1および進入禁止エリアM2)の設定は、手動および自動の何れの方法でも行うことができる。
図9は、エリアの設定画面(施工エリア設定画面200)の例示である。図10は、エリアの設定画面(排他エリア編集画面300)の例示である。施工エリア設定画面200および排他エリア編集画面300は、一つの画面として表示されてもよいし、別々の画面と表示されてもよい。エリアの設定は、例えば中央制御装置10を操作して行われ、中央制御装置10にはこれらの画面が表示される。
まず、作業者は、図9に示す施工エリア設定画面200の「画像読込」ボタン202を押下して任意の画像を選択し、中央制御装置10は選択された画像を表示する。中央制御装置10は、施工エリア設定画面200の画像表示領域201に選択された画像を表示し、読み込んだ画像のファイルパスを「画像読込」ボタン202の隣に配置されるファイルパス表示欄203に表示する。
【0027】
作業者は、例えばエリア座標表示領域204の先頭(左端)の番号欄204aを選択し、設定する排他エリアM(ここでは四角形を想定)の左上から順番に頂点の座標を入力する。これにより、画像と排他エリアMの座標との紐付けを行う。設定された排他エリアMの情報は、データベースに保存され、中央制御装置10は、画像表示領域201(図9参照)に表示される画像上に、設定された排他エリアMの領域を描画する。図9では、二つの排他エリアMが設定された状態を示しており、所有エリアM1を破線で描画し、進入禁止エリアM2を一点鎖線で描画している。なお、排他エリアMの描画方法は、図9に示すものに限定されず、各々のエリアが他のエリアと区別可能であればよい。例えば、所有エリアM1や進入禁止エリアM2の線の色を線種に代えて/または線種とともに変更してもよい。
設定された排他エリアMは、排他エリア編集画面300(図10参照)で編集することができる。排他エリア編集画面300に表形式で表示される排他エリア情報表示領域301の一番左の通し番号欄301aの各項目をクリックすると、該当行の背景色が他の行と区別可能に変化し、選択されていることが分かる様に表示される。その状態で「排他エリア編集」ボタン302や「排他エリア削除」ボタン303を押すと、該当行の編集や削除が可能となる。例えば、削除した場合は削除した行分だけ上に詰める処理が行われ、編集の場合は該当行を最初から編集しなおすことが可能になる。作業者が編集後に「排他エリア編集」ボタン302を再度押すことで、中央制御装置10は編集内容を確定し、編集した内容をデータベースに保存する。
【0028】
以上のように、第1実施形態に係る接触回避システム1Aにおいては、第一の建設機械2Aがいる所有エリアM1に第二の建設機械2Bが進入することを防ぐことができる。その為、所有エリアM1で作業を行う第一の建設機械2Aは、中断することなく作業を行うことが可能である。その結果、従来よりも効率的に工事を進めることができる。
また、進入禁止エリアM2が緩衝領域やバリケードのような役割を担うので、建設機械2同士の接触を確実に防止することが可能である。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。
実施形態では、排他エリアMが所有エリアM1と進入禁止エリアM2とによって構成される場合を説明した。しかしながら、排他エリアMを所有エリアM1と進入禁止エリアM2とに分割せず、一つのエリアとして制御を行うことも可能である。つまり、中央制御装置10は、工事エリアの一部に予め設定された作業エリア(排他エリアM)に第一の建設機械2Aが進入した場合に、作業エリア(排他エリアM)へ第二の建設機械2Bが進入することを制限する制限開始制御を行う。また、第一の建設機械2Aが作業エリア(排他エリアM)から退出した場合に、第二の建設機械2Bによる作業エリア(排他エリアM)への進入の制限を解除する制限解除制御を行う。
このようにしても、第一の建設機械2Aがいる作業エリアに第二の建設機械2Bが進入することを防ぐことができる。その為、作業エリアで作業を行う第一の建設機械2Aは、中断することなく作業を行うことが可能である。その結果、従来よりも効率的に工事を進めることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 施工システム
1A 接触回避システム
2,2J,2K 建設機械
3 車載機器群
3B 測位装置(位置取得手段)
3C 車載制御装置
3D 車載操作装置(表示装置)
4 外部固定カメラ
5 通信装置
6 モニタ
10 中央制御装置(制御装置)
M,MA,MB 排他エリア
M1,MA1,MB1 所有エリア
M2,MA2,MB2 進入禁止エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10