(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028724
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】アクチュエータ制御装置
(51)【国際特許分類】
F16H 61/28 20060101AFI20230224BHJP
F16H 63/38 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
F16H61/28
F16H63/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134598
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴光
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭
(72)【発明者】
【氏名】園川 直人
(72)【発明者】
【氏名】古性 賢也
【テーマコード(参考)】
3J067
【Fターム(参考)】
3J067AA21
3J067AB23
3J067DB18
3J067DB32
3J067FA24
3J067FB45
3J067FB76
3J067FB78
3J067GA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】制御部と外部装置との間の通信異常を簡易な構成によって監視可能なアクチュエータ制御装置を提供する。
【解決手段】アクチュエータ制御装置200は、アクチュエータ100を駆動する駆動部210と、前記駆動部を制御する制御部220と、異常判定部230と、外部装置300と前記制御部との間の通信を中継する第1通信回路240と、前記外部装置と前記異常判定部との間の通信を中継する第2通信回路250と、前記第1通信回路を介して通信される信号の変換処理を行う信号処理部と、を備え、前記異常判定部は、前記第1通信回路を介して前記外部装置から受信した第1受信信号RS1と、前記第2通信回路を介して前記外部装置から受信した第2受信信号RS2とを比較し、比較結果に基づいて前記外部装置との通信に異常が生じたか否かを判定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置であって、
前記アクチュエータを駆動する駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
異常判定部と、
外部装置と前記制御部との間の通信を中継する第1通信回路と、
前記外部装置と前記異常判定部との間の通信を中継する第2通信回路と、
前記第1通信回路を介して通信される信号の変換処理を行う信号処理部と、
を備え、
前記異常判定部は、前記第1通信回路を介して前記外部装置から受信した第1受信信号と、前記第2通信回路を介して前記外部装置から受信した第2受信信号とを比較し、比較結果に基づいて前記外部装置との通信に異常が生じたか否かを判定する、
アクチュエータ制御装置。
【請求項2】
前記異常判定部は、前記外部装置との通信に異常が生じたと判定した場合、前記第2通信回路を介して前記外部装置に異常通知信号を送信する、
請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項3】
前記異常判定部は、前記外部装置との通信に異常が生じたと判定した場合、前記第1通信回路及び前記第2通信回路の両方を介して前記外部装置に異常通知信号を送信する、
請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項4】
前記信号処理部は、前記第1通信回路を介して前記外部装置から前記制御部に送信された信号の変換処理を行い、
前記異常判定部は、前記外部装置との通信に異常が生じていないと判定した場合、正常通知信号を前記制御部に出力し、
前記信号処理部は、前記正常通知信号の変換処理を行い、
前記制御部は、前記信号処理部によって変換処理された前記正常通知信号を前記第1通信回路を介して前記外部装置に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記第1通信回路を介して前記外部装置から受信した信号の変換処理を行い、変換処理された信号を前記制御部に出力し、
前記異常判定部は、前記外部装置との通信に異常が生じていないと判定した場合、正常通知信号を前記信号処理部に出力し、
前記信号処理部は、前記正常通知信号の変換処理を行い、変換処理された前記正常通知信号を前記第1通信回路を介して前記外部装置に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項6】
前記異常判定部は、前記第1受信信号と前記第2受信信号とが互いに相違する場合に、前記外部装置との通信に異常が生じたと判定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項7】
前記異常判定部は、前記第1受信信号と前記第2受信信号とが互いに一致する場合に、前記外部装置との通信に異常が生じていないと判定する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のアクチュエータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、管理用電子制御ユニットからのシフト指令に基づいてマニュアルシフトを駆動制御することにより作動対象を作動させるシフトバイワイヤ装置が開示されている。特許文献1のシフトバイワイヤ装置では、監視用CPUによって演算用CPUに異常が生じたか否かを監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の技術では、監視用CPUによって演算用CPUに異常が生じたか否かを監視することはできるが、演算用CPUと管理用電子制御ユニットとの間に生じる通信異常を監視することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のアクチュエータ制御装置における一つの態様は、アクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置であって、前記アクチュエータを駆動する駆動部と、前記駆動部を制御する制御部と、異常判定部と、外部装置と前記制御部との間の通信を中継する第1通信回路と、前記外部装置と前記異常判定部との間の通信を中継する第2通信回路と、前記第1通信回路を介して通信される信号の変換処理を行う信号処理部と、を備え、前記異常判定部は、前記第1通信回路を介して前記外部装置から受信した第1受信信号と、前記第2通信回路を介して前記外部装置から受信した第2受信信号とを比較し、比較結果に基づいて前記外部装置との通信に異常が生じたか否かを判定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の上記態様によれば、制御部と外部装置との間の通信異常を簡易な構成によって監視可能なアクチュエータ制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態の電動アクチュエータを備える駆動装置を車両の左右方向一方側から視た図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の電動アクチュエータの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態のアクチュエータ制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態のアクチュエータ制御装置のメインプロセッサによって実行されるシフト位置切替処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、シフト位置切替処理が実行される期間に、板バネ部材の被接触部がディテントプレートの上側端面に沿って移動する様子を模式的示す図である。
【
図6】
図6は、変形例におけるアクチュエータ制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の電動アクチュエータ100を備える駆動装置1を車両の左右方向一方側から視た図である。
図2は、本実施形態の電動アクチュエータ100の構成を示す斜視図である。本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、或いは電気自動車(EV)等の電動車両に搭載され、その駆動源として使用される。
【0009】
図1に示すように、駆動装置1は、ハウジング2と、駆動用モータ3と、減速装置4と、差動装置5と、パークロックギヤ6と、電動アクチュエータ100と、を備える。
図1及び
図2に示すように、電動アクチュエータ100は、モータユニット10と、パーキング切替機構70と、出力軸80と、を備える。電動アクチュエータ100は、車両のシフト操作に応じてシフト位置を切り換える。
図1及び
図2では図示を省略するが、駆動装置1は、電動アクチュエータ100を制御するアクチュエータ制御装置200を備える。
【0010】
以下の説明では、駆動装置1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、+Z側を上側とし、-Z側を下側とする鉛直方向である。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置1が搭載される車両の前後方向である。本実施形態において、+X側は、車両の前後方向一方側であり、-X側は、車両の前後方向他方側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向である。本実施形態において、+Y側は、車両の左右方向一方側であり、-Y側は、車両の左右方向他方側である。
【0011】
本実施形態では、Z軸方向と平行な方向を「鉛直方向Z」と呼び、X軸方向と平行な方向を「前後方向X」と呼び、Y軸方向と平行な方向を「左右方向Y」と呼ぶ。また、Z軸方向の正の側(+Z側)を「上側」と呼び、Z軸方向の負の側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。X軸方向の正の側(+X側)を「前後方向一方側」と呼び、X軸方向の負の側(-X側)を「前後方向他方側」と呼ぶ。Y軸方向の正の側(+Y側)を「左右方向一方側」と呼び、Y軸方向の負の側(-Y側)を「左右方向他方側」と呼ぶ。
【0012】
出力軸80は、モータユニット10に接続され、モータユニット10によって回転させられる。本実施形態において出力軸80は、中心軸線J1を中心として前後方向Xに延びる。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸線J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする周方向、すなわち、中心軸線J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。
図2に示すように、出力軸80の前後方向一方側(+X側)の端部は、モータユニット10に接続される被接続部81である。被接続部81には、前後方向Xに延びるスプライン溝が周方向に沿って複数設けられる。
【0013】
ハウジング2は、駆動用モータ3、減速装置4、差動装置5、およびパーキング切替機構70を内部に収容する。図示は省略するが、ハウジング2の内部には、オイルが収容される。減速装置4は、駆動用モータ3に接続される。差動装置5は、減速装置4に接続され、駆動用モータ3から出力されるトルクを車両の車軸に伝達する。パークロックギヤ6は、減速装置4に設けられたギヤに固定される。パークロックギヤ6は、減速装置4および差動装置5を介して、車両の車軸に連結される。パークロックギヤ6は、複数の歯部6aを有する。
【0014】
パーキング切替機構70は、モータユニット10によって、車両のシフト操作に基づいて駆動される。パーキング切替機構70は、パークロックギヤ6をロック状態とアンロック状態との間で切り換える。パーキング切替機構70は、車両のシフト位置がパーキング位置(Pレンジ)である場合に、パークロックギヤ6をロック状態とし、車両のシフト位置がパーキング位置以外の非パーキング位置である場合に、パークロックギヤ6をアンロック状態とする。車両のシフト位置が非パーキング位置である場合とは、例えば、車両のシフト位置がドライブ位置(Dレンジ)、ニュートラル位置(Nレンジ)、或いはリバース位置(Rレンジ)等である場合を含む。
図2に示すように、パーキング切替機構70は、可動部70aと、パークロックアーム77と、支持部材75と、板バネ部材76と、を有する。
【0015】
可動部70aは、車両のシフト操作に基づいて、左右方向Yに沿って移動する。すなわち、本実施形態において左右方向Yは、可動部70aが移動する移動方向に相当する。また、鉛直方向Zは、可動部70aが移動する移動方向と交差する交差方向に相当し、下側は、交差方向の一方側に相当する。本実施形態において可動部70aは、出力軸80を介して、モータユニット10によって移動させられる。可動部70aにおける左右方向Yの位置は、少なくとも非パーキング位置とパーキング位置との間で切り替えられる。すなわち、可動部70aは、出力軸80によってパーキング位置と非パーキング位置との間で移動させられる。非パーキング位置は、車両のシフト位置がパーキング位置以外である場合における可動部70aの左右方向Yの位置である。パーキング位置は、車両のシフト位置がパーキング位置である場合における可動部70aの左右方向Yの位置である。パーキング位置は、非パーキング位置よりも、左右方向一方側(+Y側)の位置である。
図2においては、可動部70aが非パーキング位置に位置する場合について示す。
【0016】
可動部70aは、ディテントプレート71と、ロッド72と、円錐状部材73と、コイルバネ74と、を有する。ディテントプレート71は、出力軸80に固定される。ディテントプレート71は、出力軸80によって回転させられる。ディテントプレート71は、出力軸80から径方向外側に延びる。本実施形態においてディテントプレート71は、出力軸80から上側に延びる。本実施形態においてディテントプレート71は、板面が前後方向Xを向く板状である。ディテントプレート71の幅は、出力軸80から径方向外側に離れるに従って大きくなる。ディテントプレート71は、ディテントプレート71の周方向一端側に設けられたパーキング位置に対応する第1谷部71aと、ディテントプレート71の周方向他端側に設けられた非パーキング位置に対応する第2谷部71bとを含む複数の谷部を有する。なお、
図2では、ディテントプレート71が、非パーキング位置に対応する第2谷部として、1つの第2谷部71bのみを有する場合を示すが、複数の第2谷部がディテントプレート71に設けられてもよい。
【0017】
第1谷部71aおよび第2谷部71bは、ディテントプレート71の径方向外端部に設けられる。第1谷部71aおよび第2谷部71bは、ディテントプレート71の上側の端部から下側に窪む。第1谷部71aおよび第2谷部71bは、ディテントプレート71を前後方向Xに貫通する。第1谷部71aと第2谷部71bとは、周方向に沿って並んで配置される。本実施形態において第1谷部71aと第2谷部71bとは、左右方向Yに並んで配置される。第1谷部71aは、第2谷部71bの左右方向他方側(-Y側)に位置する。第1谷部71aと第2谷部71bとがディテントプレート71に設けられることにより、ディテントプレート71のうち第1谷部71aと第2谷部71bとの周方向の間の部分には、径方向外側に突出する山部71cが設けられる。
【0018】
ロッド72は、左右方向Yに沿って移動可能に配置される。ロッド72は、接続部72aと、ロッド本体72bと、を有する。接続部72aは、前後方向Xに延びる棒状である。接続部72aの前後方向一方側(+X側)の端部は、ディテントプレート71を前後方向Xに貫通し、ディテントプレート71に固定される。これにより、ロッド72は、ディテントプレート71を介して出力軸80に連結される。ロッド本体72bは、左右方向Yに延びる棒状である。本実施形態においてロッド本体72bは、接続部72aの前後方向他方側(-X側)の端部から左右方向一方側(+Y側)に延びる。ロッド本体72bは、接続部72a寄りの部分に突起部72cを有する。ロッド本体72bの左右方向一方側の端部には、左右方向Yに延びる筒部材72dが嵌め合わされて固定される。
【0019】
円錐状部材73は、ロッド本体72bが通される円錐状である。円錐状部材73は、左右方向Yに延びる。円錐状部材73の外周面のうち左右方向一方側(+Y側)の部分は、左右方向一方側に向かうに従って外径が小さくなるテーパ面73aである。円錐状部材73は、ロッド本体72bに対して左右方向Yに移動可能である。
【0020】
コイルバネ74は、左右方向Yに延びる。コイルバネ74は、円錐状部材73と突起部72cとの左右方向Yの間に配置される。コイルバネ74には、ロッド本体72bが通される。コイルバネ74の左右方向他方側(-Y側)の端部は、突起部72cに接触する。コイルバネ74の左右方向一方側(+Y側)の端部は、円錐状部材73の左右方向他方側の面に接触する。コイルバネ74は、円錐状部材73がロッド本体72bに対して左右方向Yに相対移動することで伸縮し、円錐状部材73に左右方向Yの弾性力を加える。
【0021】
パークロックアーム77は、可動部70aの前後方向他方側(-X側)に位置する。パークロックアーム77は、左右方向Yに延びる回転軸線J2を中心とする支持シャフト78によって、回転可能に支持される。パークロックアーム77は、パークロックアーム本体77aと、噛合部77bと、を有する。
【0022】
パークロックアーム本体77aは、支持シャフト78から前後方向一方側(+X側)に延びる。パークロックアーム本体77aの前後方向一方側の端部77cは、可動部70aに上側から接触する。噛合部77bは、パークロックアーム本体77aから上側に突出する。支持シャフト78には図示しない巻きバネが装着される。図示しない巻きバネは、パークロックアーム77に対して、回転軸線J2を中心として左右方向他方側(-Y側)から視て時計回り向きの弾性力を加える。
【0023】
パークロックアーム77は、可動部70aの移動に伴って移動する。より詳細には、パークロックアーム77は、ロッド72および円錐状部材73の左右方向Yへの移動に伴って、回転軸線J2回りに回転する。出力軸80の回転に伴って、ディテントプレート71が非パーキング位置からパーキング位置に回転すると、ロッド72および円錐状部材73が左右方向一方側(+Y側)に移動する。
【0024】
円錐状部材73のテーパ面73aの外径は、左右方向一方側(+Y側)から左右方向他方側(-Y側)に向かうに従って大きくなる。そのため、円錐状部材73が左右方向一方側に移動すると、テーパ面73aによってパークロックアーム77の端部77cが上側に持ち上げられ、パークロックアーム77が回転軸線J2を中心として左右方向他方側(-Y側)から視て反時計回りに回転する。これにより、図示は省略するが、噛合部77bがパークロックギヤ6に近づき、パークロックギヤ6の歯部6a同士の間に噛み合う。
【0025】
パークロックギヤ6とパークロックアーム77とが噛み合う場合、円錐状部材73もパーキング位置に位置する状態となり、可動部70aの全体がパーキング位置に位置する状態となる。すなわち、パークロックアーム77は、可動部70aがパーキング位置に位置する場合に、車軸に連結されたパークロックギヤ6に噛み合う。円錐状部材73は、パーキング位置において、支持部材75における後述する接触部75bとパークロックアーム77とに接触した状態で挟まれる。パークロックアーム77がパークロックギヤ6に噛み合うことで、パークロックギヤ6は、ロック状態となる。
【0026】
パークロックアーム77がパークロックギヤ6に近づく際、パークロックギヤ6の歯部6aの位置によっては、噛合部77bが歯部6aに接触する場合がある。この場合、パークロックアーム77は、噛合部77bが歯部6a同士の間に噛み合う位置まで移動できない場合がある。このような場合であっても、本実施形態では、円錐状部材73がロッド72に対して左右方向Yに移動可能であるため、ロッド72はパーキング位置に移動しつつ、円錐状部材73がパーキング位置よりも左右方向他方側(-Y側)に位置する状態を許容できる。これにより、出力軸80の回転が阻害されることを抑制でき、出力軸80を回転させるモータユニット10に負荷が掛かることを抑制できる。
【0027】
また、ロッド72がパーキング位置に位置し、円錐状部材73がパーキング位置よりも左右方向他方側(-Y側)に位置する状態では、コイルバネ74が圧縮変形した状態となる。そのため、コイルバネ74によって円錐状部材73に左右方向一方側向き(+Y側向き)の弾性力が加えられる。これにより、円錐状部材73を介して、コイルバネ74からパークロックアーム77に、回転軸線J2を中心として左右方向他方側(-Y側)から視て反時計回りに回転する向きの回転モーメントが加えられる。したがって、パークロックギヤ6が回転して歯部6aの位置がずれると、パークロックアーム77が回転して、噛合部77bが歯部6a同士の間に噛み合う。
【0028】
出力軸80の回転に伴って、ディテントプレート71がパーキング位置から非パーキング位置に回転すると、ロッド72および円錐状部材73が左右方向他方側(-Y側)に移動する。円錐状部材73が左右方向他方側に移動すると、円錐状部材73によって持ち上げられていたパークロックアーム77の端部77cが自重および図示しない巻きバネからの弾性力を受けて下側に移動し、パークロックアーム77が回転軸線J2を中心として左右方向一方側(+Y側)から視て反時計回りに回転する。これにより、パークロックアーム77の噛合部77bがパークロックギヤ6から離れ、歯部6a同士の間から外れる。
図2においては、パークロックギヤ6から外れた状態のパークロックアーム77を示す。
【0029】
パークロックアーム77がパークロックギヤ6から外れる場合、円錐状部材73も非パーキング位置に位置する状態となり、可動部70aの全体が非パーキング位置に位置する状態となる。すなわち、パークロックアーム77は、可動部70aが非パーキング位置に位置する場合にパークロックギヤ6から外れる。円錐状部材73は、非パーキング位置において、パークロックアーム77よりも左右方向他方側(-Y側)に位置する。パークロックアーム77がパークロックギヤ6から外れることで、パークロックギヤ6は、アンロック状態となる。
【0030】
支持部材75は、可動部70aを左右方向Yに移動可能に支持する。本実施形態において支持部材75は、可動部70aを下側から支持する。支持部材75は、ハウジング2の内側面に固定される。支持部材75は、基部75aと、接触部75bと、板バネ固定部75cと、を有する。
【0031】
本実施形態において基部75aは、板面が鉛直方向Zを向く板状である。接触部75bは、基部75aから上側に突出する。接触部75bは、可動部70aに接触して可動部70aを支持する部分である。本実施形態において接触部75bは、可動部70aのうち円錐状部材73に下側から接触して、可動部70aを下側から支持する。接触部75bにおける可動部70a側の面は、左右方向Yに沿って視て、可動部70a側と逆側に凹となる円弧状の曲面である。そのため、テーパ面73aを有する円錐状部材73を安定して支持できる。
【0032】
板バネ固定部75cは、基部75aから上側に突出する。板バネ固定部75cは、例えば、直方体状である。板バネ固定部75cは、接触部75bよりも前後方向一方側(+X側)に位置する。板バネ部材76は、支持部材75の板バネ固定部75cに固定される。本実施形態において板バネ部材76は、板バネ固定部75cの上側の面のうち左右方向他方側(-Y側)の端部に固定される。板バネ部材76は、板バネ本体部76aと、被接触部76bと、を有する。
【0033】
板バネ本体部76aは、板面が鉛直方向Zを向く板状である。板バネ本体部76aは、板バネ固定部75cから左右方向他方側(-Y側)に延びる。板バネ本体部76aは、ディテントプレート71の上側まで延びる。板バネ本体部76aは、左右方向他方側の端部にスリット76cを有する。スリット76cは、板バネ本体部76aを鉛直方向Zに貫通する。スリット76cは、左右方向Yに延びる。スリット76cは、板バネ本体部76aの左右方向他方側の端部まで延び、板バネ本体部76aの左右方向他方側の端部を二股に分断する。
【0034】
被接触部76bは、板バネ本体部76aの左右方向他方側(-Y側)の端部に設けられる。本実施形態において被接触部76bは、前後方向Xに延びる軸回りに回転可能に板バネ本体部76aに取り付けられるローラである。被接触部76bは、スリット76cによって二股に分断された板バネ本体部76aの先端部分同士の間に設けられる。被接触部76bは、ディテントプレート71の回転に伴って板バネ部材76に生じる弾性力により第1谷部71a及び第2谷部71bのいずれか一つに接触される。被接触部76bは、可動部70aがパーキング位置に位置する場合において、第1谷部71aに接触され、第1谷部71aの内側面に対して左右方向Yに引っ掛けられる。これにより、ディテントプレート71およびロッド72をパーキング位置に維持できる。
【0035】
特に、本実施形態のようにコイルバネ74が設けられる場合、噛合部77bが歯部6aに接触してコイルバネ74が圧縮変形することで生じる弾性力による反力が、ロッド72およびディテントプレート71に対して、左右方向他方側向き(-Y側向き)に加えられる。本実施形態によれば、このような場合であっても、被接触部76bが第1谷部71aに引っ掛かることで、ディテントプレート71が左右方向他方側(-Y側)に移動することを抑制できる。したがって、ディテントプレート71およびロッド72を安定してパーキング位置に維持できる。
【0036】
一方、モータユニット10によって出力軸80が回転されてディテントプレート71がパーキング位置から非パーキング位置に移動する際には、板バネ本体部76aは、ディテントプレート71の山部71cによって上側に押されて弾性変形する。これにより、被接触部76bが第1谷部71aから外れる。被接触部76bは、可動部70aが非パーキング位置に位置する場合において、第2谷部71bに接触され、第2谷部71bの内側面に対して左右方向Yに引っ掛けられる。これにより、ディテントプレート71およびロッド72を非パーキング位置に維持できる。
【0037】
本実施形態において第1谷部71aと第2谷部71bとの間で被接触部76bが移動する際には、被接触部76bは、一方の谷部の内側から山部71cを乗り越えて他方の谷部に相対移動する。被接触部76bが山部71cを乗り越える際、板バネ部材76は、被接触部76bを介して山部71cから上側向きの力を受け、弾性変形する。すなわち、本実施形態において板バネ部材76は、可動部70aが非パーキング位置とパーキング位置との間で移動する際に、ディテントプレート71の山部71cによって上側に押されて弾性変形する弾性部材である。このように、本実施形態における板バネ部材76は、ディテントプレート71の回転に伴って生じる弾性力により複数の谷部のいずれか一つに接触される被接触部76bを有する弾性部材である。なお、本実施形態において第1谷部71aと第2谷部71bとの間で被接触部76bが移動する際、ローラである被接触部76bは、ディテントプレート71の上側の端面を転がりながら移動する。
【0038】
モータユニット10は、車両のシフト操作に基づいてパーキング切替機構70を駆動する。本実施形態においてモータユニット10は、出力軸80を介して可動部70aを左右方向Yに移動させることでパーキング切替機構70を駆動し、パークロックギヤ6をロック状態とアンロック状態との間で切り換える。
【0039】
図1に示すように、モータユニット10は、モータ20と、減速機30と、を備える。減速機30は、モータ20に接続される。モータ20は、減速機30を介して出力軸80を回転させる。モータ20は、例えば三相ブラシレスDCモータである。減速機30は、モータ20の回転を減速する。減速機30には、出力軸80が接続される。出力軸80には、減速機30を介して減速されたモータ20の回転が伝達される。すなわち、出力軸80は、減速機30を介してモータ20によって駆動される。
【0040】
図3は、本実施形態のアクチュエータ制御装置200の構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、アクチュエータ制御装置200は、モータ駆動回路210と、メインプロセッサ220と、監視プロセッサ230と、第1CAN(Controller Area Network)通信回路240と、第2CAN通信回路250と、を備える。アクチュエータ制御装置200は、電動アクチュエータ100を制御する。アクチュエータ制御装置200は、CAN通信バス400を介して上位制御装置300と通信可能に接続される。上位制御装置300は、例えば、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)である。
【0041】
図3に示すように、電動アクチュエータ100は、出力軸80の回転角度である出力軸回転角度θを検出する出力軸角度センサ40を備える。出力軸角度センサ40は、出力軸回転角度θの検出結果を示す信号をアクチュエータ制御装置200に出力する。出力軸角度センサ40は、例えば、ホールセンサ、インクリメンタル型エンコーダ、或いはアブソリュート型エンコーダなどである。アクチュエータ制御装置200は、出力軸回転角度θの検出結果に基づいて、電動アクチュエータ100のモータ20を制御する。
【0042】
モータ駆動回路210は、電動アクチュエータ100のモータ20を駆動する駆動部である。モータ駆動回路210は、メインプロセッサ220から制御されることにより、モータ20を回転させるのに必要な駆動電流をモータ20に供給する。モータ駆動回路210は、例えばインバータ回路である。
【0043】
メインプロセッサ220は、モータ駆動回路210を制御する制御部である。出力軸角度センサ40の出力信号は、メインプロセッサ220に入力される。メインプロセッサ220は、第1CAN通信回路240を介してCAN通信バス400に接続される。メインプロセッサ220は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300と通信する。メインプロセッサ220は、監視プロセッサ230と通信可能に接続される。メインプロセッサ220は、例えば、MCU(Microcontroller Unit)或いはCPU(Central Processing Unit)などのマイクロプロセッサである。
【0044】
メインプロセッサ220は、信号処理部221を有する。信号処理部221は、第1CAN通信回路240を介して通信される信号の変換処理を行う。より具体的には、信号処理部221は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300に送信される信号の暗号化処理を行う一方、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300から受信される信号の復号化処理を行う。なお、信号処理部221は、メインプロセッサ220上で動作するソフトウェアで構成されてもよいし、或いはアナログ回路及びデジタル回路を含むハードウェアで構成されてもよい。
【0045】
監視プロセッサ230は、メインプロセッサ220と上位制御装置300との間で生じる通信異常を監視する異常判定部である。監視プロセッサ230は、第1CAN通信回路240を介してCAN通信バス400に接続される。また、監視プロセッサ230は、第2CAN通信回路250を介してCAN通信バス400に接続される。監視プロセッサ230は、第1CAN通信回路240及び第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300と通信する。監視プロセッサ230は、メインプロセッサ220と通信可能に接続される。監視プロセッサ230は、例えば、MCU或いはCPUなどのマイクロプロセッサである。
【0046】
第1CAN通信回路240は、CAN通信プロトコルに従って、上位制御装置300とメインプロセッサ220との間の通信を中継する第1通信回路である。第2CAN通信回路250は、CAN通信プロトコルに従って、上位制御装置300と監視プロセッサ230との間の通信を中継する第2通信回路である。第1CAN通信回路240は、上位制御装置300と監視プロセッサ230との間の通信も中継するが、第2CAN通信回路250は、上位制御装置300とメインプロセッサ220との間の通信を中継しない。
【0047】
以下では、上記のように構成されるアクチュエータ制御装置200の動作について、
図3から
図5を参照しながら説明する。
【0048】
上位制御装置300は、シフト位置の切替えを指示するシフトチェンジ指示信号を、CAN通信バス400を介してアクチュエータ制御装置200に送信する。シフトチェンジ指示信号は、セキュリティ確保のために暗号化された信号である。
図3に示すように、第1CAN通信回路240は、CAN通信バス400を介して受信したシフトチェンジ指示信号を第1受信信号RS1としてメインプロセッサ220及び監視プロセッサ230に出力する。一方、第2CAN通信回路250は、CAN通信バス400を介して受信したシフトチェンジ指示信号を第2受信信号RS2として監視プロセッサ230に出力する。
【0049】
メインプロセッサ220の信号処理部221は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300からメインプロセッサ220に送信された信号である第1受信信号R1の復号化処理を行う。信号処理部221によって第1受信信号R1の復号化処理が行われることにより、メインプロセッサ220は、シフトチェンジ指示信号の内容を認識することができる。
【0050】
監視プロセッサ230は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300から受信した第1受信信号RS1と、第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300から受信した第2受信信号RS2とを比較し、比較結果に基づいて上位制御装置300との通信に異常が生じたか否かを判定する。具体的には、監視プロセッサ230は、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とが互いに相違する場合に、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定する。一方、監視プロセッサ230は、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とが互いに一致する場合に、上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定する。
【0051】
シフトチェンジ指示信号は、「1」及び「0」を含む複数のデジタル値が所定の順序で配列されたデジタル信号である。従って、本実施形態において、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とが互いに相違する場合とは、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とでデジタル値の配列順序が異なる場合である。また、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とが互いに一致する場合とは、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とでデジタル値の配列順序が一致する場合である。このように、監視プロセッサ230は、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とでデジタル値の配列順序が一致するか否かを判定するだけであるので、第1受信信号RS1及び第2受信信号RS2を監視プロセッサ230に入力する前に両信号の復号化処理を行う必要はない。
【0052】
図3に示すように、監視プロセッサ230は、上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定した場合、すなわちメインプロセッサ220と上位制御装置300との間の通信が正常に行われた場合、シフトチェンジ指示信号を正常に受信したことを上位制御装置300に通知するための正常通知信号TS1をメインプロセッサ220に出力する。メインプロセッサ220の信号処理部221は、監視プロセッサ230から正常通知信号TS1を受信すると、セキュリティ確保のために正常通知信号TS1の暗号化処理を行う。そして、メインプロセッサ220は、信号処理部221によって暗号化処理された正常通知信号TS1’を、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300に送信する。
【0053】
メインプロセッサ220は、暗号化処理された正常通知信号TS1’を上位制御装置300に送信した後、復号化された第1受信信号RS1、すなわちシフトチェンジ指示信号の内容に基づいて、
図4に示すシフト位置切替処理を実行する。
【0054】
図4は、メインプロセッサ220によって実行されるシフト位置切替処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、メインプロセッサ220は、まず、上位制御装置300から指示されたシフト位置に対応する出力軸目標角度θtを取得する(ステップS1)。例えば、メインプロセッサ220の内部メモリには、シフト位置と出力軸目標角度θtとの対応関係を示すテーブルデータが予め格納されている。メインプロセッサ220は、内部メモリに格納されたテーブルデータを参照することにより、指示されたシフト位置に対応する出力軸目標角度θtを取得する。
【0055】
続いて、メインプロセッサ220は、出力軸目標角度θtと、出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θとに基づいて、モータ20の位置PID制御を開始する(ステップS2)。具体的には、メインプロセッサ220は、出力軸目標角度θtと出力軸回転角度θとの偏差がゼロとなる操作量をPID演算により算出し、算出した操作量に応じてモータ駆動回路210を制御することにより、操作量に対応する駆動電流をモータ20に供給する。その結果、減速機30を介してモータ20と接続された出力軸80は、指示されたシフト位置に対応する出力軸目標角度θtに向かって右回り又は左回りに回転する。
【0056】
本実施形態において「出力軸80が右回りに回転する」とは、出力軸80が、前後方向一方側(+X側)から視て中心軸線J1を中心として時計回りに回転することである。つまり、右回りの向きは、
図2において出力軸80の回転角度θを示す矢印が向く向きと逆向きである。また、本実施形態において「出力軸80が左回りに回転する」とは、出力軸80が、前後方向一方側(+X側)から視て中心軸線J1を中心として反時計回りに回転することである。つまり、左回りの向きは、
図2において出力軸80の回転角度θを示す矢印が向く向きと同じ向きである。
【0057】
例えば、シフト位置切替処理が実行される前のシフト位置が非パーキング位置である場合、板バネ部材76の被接触部76bは、シフト位置切替処理が実行される前にディテントプレート71の第2谷部71bに位置する。この場合、仮に上位制御装置300からパーキング位置への切替えを指示されると、メインプロセッサ220は、パーキング位置に対応する出力軸目標角度θtと出力軸回転角度θとの偏差がゼロとなる操作量をPID演算により算出し、算出した操作量に応じてモータ駆動回路210を制御することにより、操作量に対応する駆動電流をモータ20に供給する。その結果、出力軸80は、パーキング位置に対応する出力軸目標角度θtに向かって右回りに回転する。
【0058】
このように、出力軸80がパーキング位置に対応する出力軸目標角度θtに向かって右回りに回転すると、中心軸線J1を出力軸80と共有するディテントプレート71も、パーキング位置に対応する出力軸目標角度θtに向かって右回りに回転する。ディテントプレート71がパーキング位置に対応する出力軸目標角度θtに向かって右回りに回転すると、板バネ本体部76aは、ディテントプレート71の山部71cによって上側に押されて弾性変形する。これにより、
図5の「状態A」で示されるように、被接触部76bは非パーキング位置に対応する第2谷部71bから外れ、ディテントプレート71の上側の端面に沿って第2谷部71bから第1谷部71aに向かって転がりながら移動する。また、ディテントプレート71がパーキング位置に対応する出力軸目標角度θtに向かって右回りに回転すると、ロッド72および円錐状部材73が、左右方向Yに沿って非パーキング位置からパーキング位置に向かって移動する。
【0059】
メインプロセッサ220は、モータ20の位置PID制御を行いながら、出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θが下記条件式(1)を満足するか否かを判定する(ステップS3)。言い換えれば、ステップS3において、メインプロセッサ220は、出力軸回転角度θが、出力軸目標角度θtを基準値とし且つ±1°を許容誤差とする公差内に収まるか否かを判定する。なお、下記条件式(1)では、一例として許容誤差が±1°に設定されるが、許容誤差の値は±1°に限定されない。
θt-1°≦ θ ≦ θt+1° …(1)
【0060】
上記ステップS3において「No」の場合、すなわち出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θが条件式(1)を満足しない場合、被接触部76bは、ディテントプレート71の複数の谷部のうち、指示されたシフト位置に対応する谷部を中心とする±1°の範囲内に位置しないと推定される。この場合、メインプロセッサ220は、モータ20の位置PID制御を行いながら、一定の時間間隔でステップS3の処理を繰り返す。
【0061】
一方、上記ステップS3において「Yes」の場合、すなわち出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θが条件式(1)を満足する場合、被接触部76bは、ディテントプレート71の複数の谷部のうち、指示されたシフト位置に対応する谷部を中心とする±1°の範囲内に位置すると推定される。この場合、メインプロセッサ220は、出力軸回転角度θが条件式(1)を満足した状態で所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。言い換えれば、ステップS4において、メインプロセッサ220は、被接触部76bが指示されたシフト位置に対応する谷部を中心とする±1°の範囲内に位置した状態で所定時間が経過したか否かを判定する。一例として、ステップS4における所定時間は20ミリ秒であるが、所定時間は20ミリ秒に限定されない。
【0062】
例えば、上記のように、指示されたシフト位置がパーキング位置であり、ディテントプレート71が、パーキング位置に対応する出力軸目標角度θtに向かって右回りに回転し続けると、
図5の「状態B」で示されるように、被接触部76bは、ディテントプレート71の山部71cを乗り越え、パーキング位置に対応する第1谷部71aを中心とする±1°の範囲内に侵入する。このように、被接触部76bが第1谷部71aを中心とする±1°の範囲内に侵入したとき、すなわち出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θが条件式(1)を満足したときに、メインプロセッサ220は、タイムカウントを開始し、被接触部76bが第1谷部71aを中心とする±1°の範囲内に位置した状態で所定時間が経過したか否かを判定する。
【0063】
上記ステップS4において「No」の場合、すなわち出力軸回転角度θが条件式(1)を満足した状態で所定時間が経過しない場合、メインプロセッサ220は、所定時間が経過するまで一定の時間間隔でステップS4の処理を繰り返す。一方、上記ステップS4において「Yes」の場合、すなわち出力軸回転角度θが条件式(1)を満足した状態で所定時間が経過した場合、メインプロセッサ220は、モータ20の位置PID制御を停止することにより、モータ20への駆動電流の供給を停止する(ステップS5)。
【0064】
モータ20への駆動電流の供給が停止されると、モータ20のトルクがゼロとなるため、出力軸80及びディテントプレート71はフリー回転可能な状態となる。一方、板バネ本体部76aが、ディテントプレート71の山部71cによって上側に押されて弾性変形することにより、被接触部76bをディテントプレート71の上側の端面に押し付ける下向きの弾性力が発生する。従って、被接触部76bが指示されたシフト位置に対応する谷部を中心とする±1°の範囲内に位置しながら、ディテントプレート71がフリー回転可能な状態になると、板バネ本体部76aに生じる下向きの弾性力によりディテントプレート71が回転し、その結果、被接触部76bは、ディテントプレート71の上側の端面に沿って谷部に向かって転がりながら移動する。
【0065】
例えば、上記のように、指示されたシフト位置がパーキング位置である場合、
図5の「状態B」で示されるように、被接触部76bがパーキング位置に対応する第1谷部71aを中心とする±1°の範囲内に位置しながら、ディテントプレート71がフリー回転可能な状態になると、板バネ本体部76aに生じる下向きの弾性力によりディテントプレート71が右回りに回転する。その結果、
図5の「状態C」で示されるように、被接触部76bは、ディテントプレート71の上側の端面に沿って第1谷部71aに向かって転がりながら移動する。
【0066】
メインプロセッサ220は、モータ20への駆動電流の供給を停止した後、出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θが下記条件式(2)を満足するか否かを判定する(ステップS6)。言い換えれば、ステップS6において、メインプロセッサ220は、出力軸回転角度θが、出力軸目標角度θtを基準値とし且つ±2°を許容誤差とする公差内に収まるか否かを判定する。なお、下記条件式(2)では、一例として許容誤差が±2°に設定されるが、許容誤差の値は±2°に限定されない。ただし、後述の理由により、条件式(2)における許容誤差は、条件式(1)における許容誤差よりも大きい値に設定されることが好ましい。
θt-2°≦ θ ≦ θt+2° …(2)
【0067】
上記ステップS6において「No」の場合、すなわち出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θが条件式(2)を満足しない場合、被接触部76bは、ディテントプレート71の複数の谷部のうち、指示されたシフト位置に対応する谷部を中心とする±2°の範囲内に位置しないと推定される。この場合、メインプロセッサ220は、ステップS2の処理に戻って再びモータ20の位置PID制御を開始する。
【0068】
上記のように、モータ20への駆動電流の供給が停止されると、出力軸80及びディテントプレート71はフリー回転可能な状態となる。そのため、モータ20への駆動電流の供給が停止された後に、板バネ本体部76aに生じる下向きの弾性力によりディテントプレート71が大きく回転し、被接触部76bが指示されたシフト位置に対応する谷部から大きく外れた位置に移動する可能性がある。そこで、モータ20への駆動電流の供給を停止した後に出力軸回転角度θが条件式(2)を満足しない場合、すなわち、モータ20への駆動電流の供給が停止されたことに起因して、被接触部76bが指示されたシフト位置に対応する谷部から大きく外れた位置に移動したと推定される場合には、メインプロセッサ220は、モータ20の位置PID制御を再開することにより、シフト位置の切替えをリトライする。条件式(2)における許容誤差が、条件式(1)における許容誤差よりも大きい値に設定される理由は、モータ20への駆動電流の供給が停止されたことに起因して、被接触部76bが指示されたシフト位置に対応する谷部から大きく外れた位置に移動したことを精度良く検知するためである。
【0069】
一方、上記ステップS6において「Yes」の場合、すなわち出力軸角度センサ40により検出される出力軸回転角度θが条件式(2)を満足する場合、被接触部76bは、ディテントプレート71の複数の谷部のうち、指示されたシフト位置に対応する谷部を中心とする±2°の範囲内に位置すると推定される。この場合、メインプロセッサ220は、出力軸回転角度θが条件式(2)を満足した状態で所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS7)。言い換えれば、ステップS7において、メインプロセッサ220は、被接触部76bが指示されたシフト位置に対応する谷部を中心とする±2°の範囲内に位置した状態で所定時間が経過したか否かを判定する。一例として、ステップS7における所定時間は20ミリ秒であるが、所定時間は20ミリ秒に限定されない。
【0070】
例えば、上記のように、指示されたシフト位置がパーキング位置である場合、
図5の「状態C」で示されるように、被接触部76bがパーキング位置に対応する第1谷部71aを中心とする±1°の範囲内に位置しながら、モータ20への駆動電流の供給が停止されると、板バネ本体部76aに生じる下向きの弾性力によりディテントプレート71が右回りに回転する。その結果、被接触部76bは、ディテントプレート71の上側の端面に沿って第1谷部71aに向かって転がりながら移動する。そして、
図5の「状態D」で示されるように、被接触部76bが第1谷部71aに到達すると、被接触部76bが第1谷部71aの内側面に対して左右方向Yに引っ掛けられることにより、ディテントプレート71は停止する。その結果、ディテントプレート71および可動部70a(ロッド72、円錐状部材73)がパーキング位置に位置する状態となり、パークロックアーム77によってパークロックギヤ6がロックされる。
すなわち、モータ20への駆動電流の供給を停止した後に、出力軸回転角度θが条件式(2)を満足した状態で所定時間が経過したか否かを判定することにより、ディテントプレート71および可動部70aが指示されたシフト位置に位置する状態になったか否かを判定することができる。
【0071】
上記ステップS7において「No」の場合、すなわち出力軸回転角度θが条件式(2)を満足した状態で所定時間が経過しない場合、被接触部76bは指示されたシフト位置に対応する谷部に到達しておらず、ディテントプレート71および可動部70aも指示されたシフト位置に位置する状態になっていないと推定される。この場合、メインプロセッサ220は、所定時間が経過するまで一定の時間間隔でステップS7の処理を繰り返す。
【0072】
一方、上記ステップS7において「Yes」の場合、すなわち出力軸回転角度θが条件式(2)を満足した状態で所定時間が経過した場合、被接触部76bは指示されたシフト位置に対応する谷部に到達し、ディテントプレート71および可動部70aも指示されたシフト位置に位置する状態になったと推定される。この場合、メインプロセッサ220は、シフト位置の切替えが終了したと判断し、シフト位置の切替えが終了したことを第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300へ通知する(ステップS8)。
【0073】
以上が、監視プロセッサ230によって上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定された場合に、メインプロセッサ220によって実行されるシフト位置切替処理についての説明である。一方、
図3に示すように、監視プロセッサ230は、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定した場合、上位制御装置300との通信に異常が生じたことを上位制御装置300に通知するための異常通知信号TS2を、第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300に送信する。この場合、メインプロセッサ220は、監視プロセッサ230から正常通知信号TS1を受信しないので、上記のシフト位置切替処理を実行しない。
【0074】
以上説明したように、本実施形態のアクチュエータ制御装置200は、上位制御装置300とメインプロセッサ220との間の通信を中継する第1CAN通信回路240と、上記制御装置300と監視プロセッサ230との間の通信を中継する第2CAN通信回路250と、を備える。監視プロセッサ230は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300から受信した第1受信信号RS1と、第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300から受信した第2受信信号RS2とを比較し、比較結果に基づいて上位制御装置300との通信に異常が生じたか否かを判定する。
このような本実施形態によれば、メインプロセッサ220と上位制御装置300との間に生じる通信異常を簡易な構成によって監視することができる。
【0075】
本実施形態において、監視プロセッサ230は、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定した場合、第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300に異常通知信号TS2を送信する。
仮に、監視プロセッサ230が第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300に異常通知信号TS2を送信する場合、メインプロセッサ220から上位制御装置300への信号送信を停止させる処理が必要になり、アクチュエータ制御装置200の全体の処理効率が低下する。従って、監視プロセッサ230が第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300に異常通知信号TS2を送信することにより、アクチュエータ制御装置200の全体の処理効率が低下することを抑制できる。
【0076】
本実施形態において、メインプロセッサ220の信号処理部221は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300からメインプロセッサ220に送信された信号である第1受信信号R1の復号化処理を行う。監視プロセッサ230は、上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定した場合、正常通知信号TS1をメインプロセッサ220に出力する。信号処理部221は、正常通知信号TS1の暗号化処理を行う。メインプロセッサ220は、信号処理部221によって暗号化処理された正常通知信号TS1’を、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300に送信する。
このような本実施形態によれば、メインプロセッサ220に設けられた信号処理部221のみで、第1受信信号R1の復号化処理と、正常通知信号TS1の暗号化処理とを行うので、監視プロセッサ230に同様の機能を有する信号処理部を設ける必要がない。従って、監視プロセッサ230として安価なプロセッサを使用でき、アクチュエータ制御装置200の全体のコストを低減できる。
【0077】
本実施形態において、監視プロセッサ230は、第1受信信号R1と第2受信信号R2とが互いに相違する場合に、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定する。
これにより、簡易な処理で上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定できるので、監視プロセッサ230の処理負荷を軽減できる。従って、監視プロセッサ230として安価なプロセッサを使用でき、アクチュエータ制御装置200の全体のコストを低減できる。
【0078】
本実施形態において、監視プロセッサ230は、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とが互いに一致する場合に、上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定する。
これにより、簡易な処理で上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定できるので、監視プロセッサ230の処理負荷を軽減できる。従って、監視プロセッサ230として安価なプロセッサを使用でき、アクチュエータ制御装置200の全体のコストを低減できる。
【0079】
〔変形例〕
本発明は上記実施形態に限定されず、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0080】
(1)例えば、上記実施形態では、メインプロセッサ220が信号処理部221を有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されず、
図6に示すように、信号処理部221と同じ機能を有する信号処理IC260を、メインプロセッサ220と第1CAN通信回路240との間に設けてもよい。
図6に示す変形例におけるアクチュエータ制御装置200の動作は以下の通りである。
【0081】
図6に示すように、第1CAN通信回路240は、CAN通信バス400を介して受信したシフトチェンジ指示信号を第1受信信号RS1として信号処理IC260及び監視プロセッサ230に出力する。一方、第2CAN通信回路250は、CAN通信バス400を介して受信したシフトチェンジ指示信号を第2受信信号RS2として監視プロセッサ230に出力する。
【0082】
信号処理IC260は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300から受信した信号である第1受信信号R1の復号化処理を行い、復号化処理された第1受信信号R1’をメインプロセッサ220に出力する。信号処理IC260によって第1受信信号R1の復号化処理が行われることにより、メインプロセッサ220は、シフトチェンジ指示信号の内容を認識することができる。
【0083】
監視プロセッサ230は、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300から受信した第1受信信号RS1と、第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300から受信した第2受信信号RS2とを比較し、比較結果に基づいて上位制御装置300との通信に異常が生じたか否かを判定する。具体的には、監視プロセッサ230は、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とが互いに相違する場合に、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定する。一方、監視プロセッサ230は、第1受信信号RS1と第2受信信号RS2とが互いに一致する場合に、上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定する。
【0084】
図6に示すように、監視プロセッサ230は、上位制御装置300との通信に異常が生じていないと判定した場合、シフトチェンジ指示信号を正常に受信したことを上位制御装置300に通知するための正常通知信号TS1をメインプロセッサ220に送信する。メインプロセッサ220は、監視プロセッサ230から正常通知信号TS1を受信すると、受信した正常通知信号TS1を信号処理IC260に送信する。信号処理IC260は、メインプロセッサ220から正常通知信号TS1を受信すると、セキュリティ確保のために正常通知信号TS1の暗号化処理を行う。そして、信号処理IC260は、暗号化処理された正常通知信号TS1’を、第1CAN通信回路240を介して上位制御装置300に送信する。
【0085】
メインプロセッサ220は、正常通知信号TS1を信号処理IC260に送信した後、復号化された第1受信信号RS1、すなわちシフトチェンジ指示信号の内容に基づいて、
図4に示すシフト位置切替処理を実行する。一方、
図6に示すように、監視プロセッサ230は、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定した場合、上位制御装置300との通信に異常が生じたことを上位制御装置300に通知するための異常通知信号TS2を、第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300に送信する。この場合、メインプロセッサ220は、監視プロセッサ230から正常通知信号TS1を受信しないので、上記のシフト位置切替処理を実行しない。
【0086】
上記のような変形例によれば、メインプロセッサ220から独立した信号処理IC260が信号処理部として機能するので、メインプロセッサ220の処理負荷を軽減できる。従って、メインプロセッサ220として安価なプロセッサを使用できる。
【0087】
(2)例えば、上記実施形態では、監視プロセッサ230が、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定した場合、第2CAN通信回路250を介して上位制御装置300に異常通知信号TS2を送信する形態を例示した。本発明はこれに限定されず、監視プロセッサ230は、上位制御装置300との通信に異常が生じたと判定した場合、第1CAN通信回路240及び第2CAN通信回路250の両方を介して上位制御装置300に異常通知信号TS2を送信してもよい。
これにより、第1CAN通信回路240及び第2CAN通信回路250のうち、一方の通信回路に異常が生じた場合でも、正常な他方の通信回路を介して上位制御装置300に異常通知信号TS2を送信することができる。
【0088】
(3)例えば、上記実施形態では、信号処理部221が、第1CAN通信回路240を介して通信される信号の変換処理として暗号化処理及び復号化処理を行う形態を例示した。本発明はこれに限定されず、例えば、信号処理部221は、第1CAN通信回路240を介して通信される信号の変換処理として変調処理及び復調処理などの他の信号変換処理を行ってもよい。変形例における信号処理IC260についても同様である。
【0089】
(4)例えば、上記実施形態では、第1通信回路及び第2通信回路として、CAN通信プロトコルに従って通信を行う第1CAN通信回路240及び第2CAN通信回路250が使用される形態を例示したが、他の通信プロトコルに従って通信を行う第1通信回路及び第2通信回路が使用されてもよい。
【0090】
(5)例えば、上記実施形態では、シフト位置を切り替える電動アクチュエータ100を制御するアクチュエータ制御装置200を例示したが、本発明のアクチュエータ制御装置は、電動アクチュエータ100以外の様々なアクチュエータを制御する制御装置として広く適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
1…駆動装置、2…ハウジング、3…駆動用モータ、4…減速装置、5…差動装置、6…パークロックギヤ、10…モータユニット、20…モータ、30…減速機、40…出力軸角度センサ、70…パーキング切替機構、71…ディテントプレート、71a…第1谷部、71b…第2谷部、76…板バネ部材、76b…被接触部、80…出力軸、100…電動アクチュエータ、200…アクチュエータ制御装置、210…モータ駆動回路(駆動部)、220…メインプロセッサ(制御部)、221…信号処理部、230…監視プロセッサ(異常判定部)、240…第1CAN通信回路(第1通信回路)、250…第2CAN通信回路(第2通信回路)、260…信号処理IC(信号処理部)、300…上位制御装置(外部装置)、400…CAN通信バス