(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028737
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】太陽電池パネルのメインテナンス用かんじき
(51)【国際特許分類】
A43B 3/18 20220101AFI20230224BHJP
A43B 13/22 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A43B3/18 C
A43B13/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134614
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】520201824
【氏名又は名称】株式会社イングス
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】清水 晃
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA28
4F050BA07
4F050BA09
4F050FA12
4F050GA30
4F050JA30
4F050MA42
4F050MA55
(57)【要約】
【課題】安価に製造することができるとともに、簡便に使用することができる太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきを提供する。
【解決手段】第1バンド21は先端にループ状の前バンド孔21aが形成されて第1挿通孔10に挿通され、第2バンド25はコキ27、バックル26を備えて前バンド孔21aに挿通されて2つの第2挿通孔11に挿通されている。また、第3バンド31は先端にループ状の後バンド孔31aが形成されて第4挿通孔13に挿通され、第4バンド35はコキ27、バックル26を備えて足首を周回して足首の後ろ側で後バンド孔31aに挿通されて2つの第3挿通孔12に挿通されている。第2バンド25は裏面1bにおいて第1横溝に嵌め込まれ、第4バンド35は裏面1bにおいて第2横溝に嵌め込まれ、第1バンド21と第3バンド31とは一体として形成されて裏面1bにおいて縦溝に嵌め込まれている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルのメインテナンスに用いられる太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきであって、
弾力性を有し作業者の靴底が当接する略長方形板状のかんじき本体と、
該かんじき本体の前方部に取り付けられ、足の甲部を固定する第1バンドと第2バンドとからなる前バンドと、
該かんじき本体の中央部から後方部にかけて取り付けられ、足首と踵とを固定する第3バンドと第4バンドとからなる後バンドとを有し、
該かんじき本体の前方部には、中央に第1挿通孔が貫設され、該第1挿通孔の後方両側部に2つの第2挿通孔が貫設され、
該かんじき本体の中央部には、両側部に2つの第3挿通孔が貫設され、
該かんじき本体の後方部には、中央に第4挿通孔が貫設され、
該第1バンドは、先端にループ状の前バンド孔が形成されて該第1挿通孔に挿通され、
該第2バンドは長さ調整可能な調整具、及び分離、接続可能な係止具を備え、該前バンド孔に挿通されて2つの該第2挿通孔に挿通され、
該第3バンドは、先端にループ状の後バンド孔が形成されて該第4挿通孔に挿通され、
該第4バンドは該調整具、及び該係止具を備え、足首を周回して足首の後ろ側で該後バンド孔に挿通されて2つの該第3挿通孔に挿通され、
該第2バンドは、該かんじき本体の裏面において長手方向と直角方向である横方向に凹設された第1横溝に嵌め込まれ、
該第4バンドは、該かんじき本体の裏面において該横方向に凹設された第2横溝に嵌め込まれ、
該第1バンドと該第3バンドとは一体として形成され、該かんじき本体の裏面において長手方向である縦方向に凹設された縦溝に嵌め込まれていることを特徴とする太陽電池パネルのメインテナンス用かんじき。
【請求項2】
前記かんじき本体の裏面には、弾力性を有し該かんじき本体と同形状の大きさの底板が貼付され、前記第2、4、1、3バンドが前記第1、2横溝、前記縦溝内を摺動可能にされていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじき。
【請求項3】
前記第1、2横溝、前記縦溝には、前記かんじき本体の裏面と面一にする溝埋部材が嵌入され、前記第2、4、1、3バンドが該第1、2横溝、該縦溝内を摺動可能にされていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじき。
【請求項4】
前記かんじき本体の裏面、又は前記底板の裏面には、滑り止めの模様が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじき。
【請求項5】
前記係止具は、バックル、又は面ファスナーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじき。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルのメインテナンスに用いられる太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池システムにおいては、太陽電池パネルが風雨に曝されパネル表面に粉塵が付着して発電効率が低下するため、太陽電池パネルの洗浄、コーティング剤の塗布等のメインテナンスが必要である。従来、太陽電池パネルの洗浄に関しては特許文献1、及びコーティング剤の塗布に関しては特許文献2に示される提案がされている。これらの洗浄装置、塗布装置によれば、太陽電池パネルの洗浄、及びコーティング剤の塗布を効率よく行うことができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-34306号公報
【特許文献2】特開2018-74691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1、2の洗浄装置、塗布装置では、装置自体が大型であるだけでなく電源等の付随設備も必要であり運搬、及び取り扱いが難しい上、高価である。また、太陽電池パネルが家屋の屋根の上や狭い場所に設置されている場合等、太陽電池パネルの設置場所や設置方法等によっては使用し難い場合もある。
【0005】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、安価に製造することができるとともに、簡便に使用することができる太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきの特徴は、太陽電池パネルのメインテナンスに用いられる太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきであって、弾力性を有し作業者の靴底が当接する略長方形板状のかんじき本体と、該かんじき本体の前方部に取り付けられ、足の甲部を固定する第1バンドと第2バンドとからなる前バンドと、該かんじき本体の中央部から後方部にかけて取り付けられ、足首と踵とを固定する第3バンドと第4バンドとからなる後バンドとを有し、該かんじき本体の前方部には、中央に第1挿通孔が貫設され、該第1挿通孔の後方両側部に2つの第2挿通孔が貫設され、該かんじき本体の中央部には、両側部に2つの第3挿通孔が貫設され、該かんじき本体の後方部には、中央に第4挿通孔が貫設され、該第1バンドは、先端にループ状の前バンド孔が形成されて該第1挿通孔に挿通され、該第2バンドは長さ調整可能な調整具、及び分離、接続可能な係止具を備え、該前バンド孔に挿通されて2つの該第2挿通孔に挿通され、該第3バンドは、先端にループ状の後バンド孔が形成されて該第4挿通孔に挿通され、該第4バンドは該調整具、及び該係止具を備え、足首を周回して足首の後ろ側で該後バンド孔に挿通されて2つの該第3挿通孔に挿通され、該第2バンドは、該かんじき本体の裏面において長手方向と直角方向である横方向に凹設された第1横溝に嵌め込まれ、該第4バンドは、該かんじき本体の裏面において該横方向に凹設された第2横溝に嵌め込まれ、該第1バンドと該第3バンドとは一体として形成され、該かんじき本体の裏面において長手方向である縦方向に凹設された縦溝に嵌め込まれていることである。
【0007】
請求項2に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきの特徴は、前記かんじき本体の裏面には、弾力性を有し該かんじき本体と同形状の大きさの底板が貼付され、前記第2、4、1、3バンドが前記第1、2横溝、前記縦溝内を摺動可能にされていることである。
【0008】
請求項3に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきの特徴は、記第1、2横溝、前記縦溝には、前記かんじき本体の裏面と面一にする溝埋部材が嵌入され、前記第2、4、1、3バンドが該第1、2横溝、該縦溝内を摺動可能にされていることである。
【0009】
請求項4に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきの特徴は、前記かんじき本体の裏面、又は前記底板の裏面には、滑り止めの模様が設けられていることである。
【0010】
請求項5に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきの特徴は、前記係止具は、バックル、又は面ファスナーであることである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきは、弾性力を有するかんじき本体に作業者の靴が固定されるため、太陽電池パネルに作業者の靴底が直接当ることがなく、太陽電池パネルを傷つけ難い。また、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきは、かんじき本体、前バンド、及び後バンドを有するものであり、第2バンド、第4バンドは、かんじき本体の裏面において各々繋がっている。さらに、第1バンドと第3バンドとは一体として形成され、かんじき本体の裏面において繋がっている。そして、第2バンド、第4バンド、第1バンド、第3バンドは、第1横溝、第2横溝、縦溝内を摺動でき、かんじき本体に固定する必要がないため、製造工程を簡略化することができる。また、第2バンド、第4バンド、第1バンド、第3バンドで3本のバンドとすることができ、部品点数を削減することができる。さらに、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきでは、構造が簡単で特別な装置等を必要としないため、太陽電池パネルの規模の大小や設置場所、設置方法等によらず迅速に対応することができる。したがって、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきによれば、安価に製造することができるとともに、簡便に使用することができる。なお、第1バンド、又は第3バンドに長さ調整のための調整具を取り付けてもよい。また、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきは、太陽電池パネルの傾斜角度が小さい場合(具体的には35度以下)において特に効果を発揮するものである。
【0012】
請求項2に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきにおいては、かんじき本体の裏面に、かんじき本体と同形状の大きさの底板が貼付されている。そして、第2バンド、第4バンド、第1バンド、第3バンドは第1横溝、第2横溝、縦溝内を摺動できるようになっている。そのため、かんじき本体の裏面において、第2バンド、第4バンド、第1バンド、第3バンドは太陽電池パネルに直接触れることがなく、太陽電池パネルを傷つけることがない。
【0013】
請求項3に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきにおいては、第1横溝、第2横溝、縦溝には、かんじき本体の裏面と面一にする溝埋部材が嵌入されている。そして、第2バンド、第4バンド、第1バンド、第3バンドは第1横溝、第2横溝、縦溝内を摺動できるようになっている。そのため、かんじき本体の裏面において、第2バンド、第4バンド、第1バンド、第3バンドは太陽電池パネルに直接触れることがなく、太陽電池パネルを傷つけることがない。
【0014】
請求項4に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきにおいては、かんじき本体の裏面、又は底板の裏面には、滑り止めの模様が設けられているため、作業者の安全を確保することができる。
【0015】
請求項5に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきにおいては、係止具は、バックル、又は面ファスナーであり、確実に第2バンド、第4バンドバンドを分離、接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきに係り、かんじきが作業者の靴に装着された状態の斜視図。
【
図2】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきに係り、係止具が外された状態の斜視図。
【
図3】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきに係り、かんじき本体の平面図。
【
図4】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきに係り、かんじき本体の底面図。
【
図5】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきに係り、底板の底面図。
【
図6】実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきに係り、溝埋部材が嵌入されたかんじきの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきを具体化した実施形態を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、実施形態の太陽電池パネルの清掃等のメインテナンスに用いられるかんじきの斜視図であり、かんじきが作業者の靴に装着された状態を表している。また、
図2は、
図1において、バックル26、36が外された状態を表している。
図1、2に示すように、このかんじきは、かんじき本体1と、前バンド2と、後バンド3とからなっている。かんじき本体1は弾力性を有するウレタンゴム製で、表面1aに作業者の靴底が当接する略長方形板状をなしている。このかんじきでは、かんじき本体1に作業者の靴が固定されるため、太陽電池パネルに作業者の靴底が直接当ることがなく、太陽電池パネルを傷つけ難い。また、かんじき本体1の裏面1bには、かんじき本体1と同形状の大きさの底板5が貼付されている。
【0018】
前バンド2は、かんじき本体1の前方部に取り付けられて足の甲部を固定するものであり、第1バンド21と第2バンド25とからなっている。この第1バンド21は、先端にループ状の前バンド孔21aが形成されて第1挿通孔10に挿通されている。第2バンド25は、長さ調整可能な調整具としてのコキ27、及び分離、接続可能な係止具としてのバックル26を備え、前バンド孔21aに挿通されて2つの第2挿通孔11に挿通されている。このように、コキ27により第2バンド25の長さを調整し、バックル26により第2バンド25を分離、接続することにより、足の甲部をかんじき本体1に確実かつ簡単に固定、解放することができる。
【0019】
また、後バンド3は、かんじき本体1の中央部から後方部にかけて取り付けられて足首と踵とを固定するものであり、第3バンド31と第4バンド35とからなっている。この第3バンド31は、先端にループ状の後バンド孔31aが形成されて第4挿通孔13に挿通されている。第4バンド35は、調整具としてのコキ37及び係止具としてのバックル36を備え、足首を周回して足首の後ろ側で後バンド孔31aに挿通されて2つの第3挿通孔12に挿通されている。このように、コキ37により第4バンド35の長さを調整し、バックル36により第4バンド35を分離、接続することにより、足首と踵とをかんじき本体1に確実かつ簡単に固定、解放することができる。なお、第2バンド25の材質は、弾力性を有するゴムが好ましいが、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等であってもよい。また、第1バンド21、第3バンド31、第4バンド35の材質は、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等である。
【0020】
図3は、かんじき本体1を表面1a側から見た図である。
図3に示すように、かんじき本体1の前方部には、中央に第1挿通孔10が貫設され、第1挿通孔10の後方両側部に2つの第2挿通孔11が貫設されている。また、かんじき本体1の中央部には両側部に2つの第3挿通孔12が貫設され、後方部には中央に第4挿通孔13が貫設されている。これら第1挿通孔10、第2挿通孔11、第3挿通孔12、及び第4挿通孔13により、第1バンド21、第2バンド25、第3バンド31、第4バンド35がかんじき本体1の表面1aから裏面1bに挿通される。
【0021】
図4は、かんじき本体1を裏面1b側から見た図である。
図4に示すように、かんじき本体1の前方部には、長手方向と直角方向である横方向に第1横溝4aが凹設されている。この第1横溝4aにより2つの第2挿通孔11が連結され、第2バンド25を第1横溝4aに嵌め込むことができる。また、かんじき本体1の中央部には横方向に第2横溝4bが凹設されている。この第2横溝4bにより2つの第3挿通孔12が連結され、第4バンド25を第2横溝4bに嵌め込むことができる。さらに、かんじき本体1の長手方向である縦方向には縦溝4cが凹設されている。この縦溝4cにより第1挿通孔10と第4挿通孔13とが連結され、一体として形成された第1バンド21、第3バンド31を縦溝4cに嵌め込むことができる。なお、本実施形態においては、第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4cのすべてが、かんじき本体1の外縁まで凹設されているが、それぞれ第2挿通孔11同士の間、第3挿通孔12同士の間、第1挿通孔10と第4挿通孔13との間だけ凹設してもよい。
【0022】
そして、
図1、2に示すように、第2バンド25、第4バンド35は、かんじき本体1の裏面1bにおいて各々繋がっている。さらに、第1バンド21と第3バンド31とは一体として形成され、かんじき本体1の裏面1bにおいて繋がっている。また、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31は、第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4c内を摺動でき、かんじき本体1に固定する必要がないだけでなく、3本のバンドとすることができる。
【0023】
図5は、底板5を裏面5b側から見た図である。底板5は、かんじき本体1と同じ弾力性を有するウレタンゴム製で、かんじき本体1と同形状の大きさである。この底板5の裏面5bには、滑り止めの模様5cが設けられている。そして、かんじき本体1の裏面1bに底板5の表面が貼付され、
図1、2に示すかんじきが完成する。これにより、かんじき本体1の裏面1bにおいて、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31は太陽電池パネルに直接触れることがない。
【0024】
図6は、
図5に示す底板5の替わりに溝埋部材6、7を用いた図である。溝埋部材6、7もかんじき本体1と同じ弾力性を有するウレタンゴム製である。
図6に示すように、かんじき本体1の裏面1bには滑り止めの模様1cが設けられている。また、第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4c内には、溝埋部材6、7が嵌入されている。これらの溝埋部材6、7は、かんじき本体1の裏面1bと面一になるように嵌入されるとともに、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31が第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4c内を摺動できるように嵌入される。これらの溝埋部材6、7を用いても、太陽電池パネルに作業者の靴底が直接当ることがなく、太陽電池パネルを傷つけ難い。
【0025】
以上の構成のかんじきにおいては、作業者は靴を履いたまま足をかんじき本体1の表面1aに載せ、第2バンド25を第1バンド21の前バンド孔21aに通した後、コキ27で第2バンド25の長さを調整しつつバックル26で接続して、足の甲部をかんじき本体1に固定する。また、第4バンド35で足首を周回させ足首の後ろ側で後バンド孔31aに通した後、コキ37で第4バンド35の長さを調整しつつバックル36で接続して、足首と踵とをかんじき本体1に固定する。このように、簡単にかんじきを靴に取り付けることができる。また、バックル26、36を外すことにより、簡単にかんじきを靴から外すことができる。
【0026】
実施形態の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきは、弾性力を有するかんじき本体1に作業者の靴が固定されるため、太陽電池パネルに作業者の靴底が直接当ることがなく、太陽電池パネルを傷つけ難い。また、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきは、かんじき本体1、前バンド2、及び後バンド3を有するものであり、第2バンド25、第4バンド35は、かんじき本体1の裏面1bにおいて各々繋がっている。さらに、第1バンド21と第3バンド31とは一体として形成され、かんじき本体1の裏面1bにおいて繋がっている。そして、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31は、第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4c内を摺動でき、かんじき本体1に固定する必要がないため、製造工程を簡略化することができる。また、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31で3本のバンドとすることができ、部品点数を削減することができる。さらに、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきでは、構造が簡単で特別な装置等を必要としないため、太陽電池パネルの規模の大小や設置場所、設置方法等によらず迅速に対応することができる。したがって、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきによれば、安価に製造することができるとともに、簡便に使用することができる。
【0027】
また、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきでは、かんじき本体1の裏面1bに、かんじき本体1と同形状の大きさの底板5が貼付されている。そして、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31は第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4c内を摺動できるようになっている。そのため、かんじき本体1の裏面1bにおいて、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31は太陽電池パネルに直接触れることがなく、太陽電池パネルを傷つけることがない。
【0028】
さらに、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきでは、第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4cには、かんじき本体1の裏面1bと面一にする溝埋部材6、7が嵌入されている。そして、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31は第1横溝4a、第2横溝4b、縦溝4c内を摺動できるようになっている。そのため、かんじき本体1の裏面1bにおいて、第2バンド25、第4バンド35、第1バンド21、第3バンド31は太陽電池パネルに直接触れることがなく、太陽電池パネルを傷つけることがない。
【0029】
また、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきでは、かんじき本体1の裏面1b、又は底板5の裏面5bには、滑り止めの模様1c、5cが設けられているため、作業者の安全を確保することができる。
【0030】
さらに、この太陽電池パネルのメインテナンス用かんじきでは、係止具としてバックル26、36を用いているため、確実に第2バンド25、第4バンド35を分離、接続することができる。
【0031】
以上、本発明の太陽電池パネルのメインテナンス用かんじき足を実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、本実施形態においては、かんじき本体1、底板5、溝埋部材6、7としてウレタンゴムを採用したが、これ以外の弾力性を有するもの、例えばシリコンゴムを採用することもできる。また、係止具としてバックル26、36を用いたが、面ファスナーを用いることもできる。
【符号の説明】
【0032】
1…かんじき本体、1b、5b…裏面、1c、5c…模様、2…前バンド、3…後バンド、4a…第1横溝、4b…第2横溝、4c…縦溝、5…底板、6、7…溝埋部材、10…第1挿通孔、11…第2挿通孔、12…第3挿通孔、13…第4挿通孔、21…第1バンド、21a…前バンド孔、25…第2バンド、31…第3バンド、31a…後バンド孔、35…第4バンド、26、36…係止具(バックル)、27、37…調整具(コキ)。