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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028749
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】コネクタカバー
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/58 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
H01R13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134626
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】593157736
【氏名又は名称】株式会社アーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100150762
【弁理士】
【氏名又は名称】阿野 清孝
(72)【発明者】
【氏名】阿部 和広
(72)【発明者】
【氏名】宇野 泰正
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FB07
5E021FC02
5E021GB06
5E021GB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大きさの異なるコネクタに取り付け可能なコネクタカバーを提供する。
【解決手段】本発明のコネクタカバー100は、電気ケーブル用コネクタAを保護するコネクタカバーであって、コネクタハウジングA2に巻回する結束バンド1と、ケーブルを補強するケーブル補強部2を備える。ケーブル補強部2は、結束バンド1から垂直に延出し、先端にケーブル挿通孔3を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ケーブル用コネクタを保護するコネクタカバーであって、
前記コネクタのコネクタハウジングに巻回して当該コネクタハウジングを締め付け可能に設けられ、当該コネクタハウジングを締め付ける輪状部分を任意の大きさにして固定可能な結束バンドと、
前記結束バンドから、その長手方向に垂直に延出し、先端にケーブル挿通孔を有するケーブル補強部と
を備えることを特徴とするコネクタカバー。
【請求項2】
前記結束バンドは、ヘッド部とヘッド部から延出するストラップ部とを備え、
前記ストラップ部は、長手方向に列設される係止歯を有し、
前記ヘッド部は、前記ストラップ部を挿通する挿通孔を有し、
前記挿通孔の内部には、前記係止歯に係合する係止爪が設けられている請求項1に記載のコネクタカバー。
【請求項3】
前記ケーブル補強部は、前記結束バンドの長手方向に摺動可能に設けられている請求項1に記載のコネクタカバー。
【請求項4】
前記ケーブル補強部は、基端側に設けられる棒状の柄部と、前記柄部の先端に連続して設けられ、前記柄部より幅広のプレート部とを有し、前記ケーブル挿通孔が前記プレート部に設けられている請求項1に記載のコネクタカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタとケーブルの連結部に被着して当該ケーブル内の導線の断線を防止するコネクタカバーに関し、種々の形状やサイズのコネクタに被着可能なコネクタカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電ケーブルやUSBケーブル等は、引き抜く際にコネクタを持たずにケーブル等を引っ張ることにより、コネクタとケーブルの連結部の内部の導線が断線することがあり、かかる断線を防止するため、当該連結部に取着するコネクタカバーが各種提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
例えば、特許文献1では、可撓性を有する板状のプロテクター本体をコネクタブッシュとケーブルに跨るように巻回するケーブル用プロテクターが提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、軸方向に貫通する内部空間を備えたケーブルカバーが提案されている。特許文献2のケーブルカバーでは、コネクタハウジングを収容する第1収容部とケーブルを収容する第2収容部の間に設けた段差面をコネクタハウジングの後端面に当接するよう構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-003896号公開公報
【特許文献2】特開2019-032978号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のケーブル用プロテクターでは、プロテクター本体を巻回状態に固定する係止凸部と係止孔部がコネクタブッシュの外径に合わせた位置に設けられているため、外周の長さの異なるコネクタには転用できないという問題が有る。
【0007】
また、特許文献2のケーブルカバーでは、第1、第2収容部が、それぞれコネクタハウジングとケーブルに合わせた形状に形成されているため、断面形状の異なる別のコネクタには転用できないという問題が有る。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、種々の大きさのコネクタに利用可能なコネクタカバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、電気ケーブル用コネクタを保護するコネクタカバーであって、前記コネクタのコネクタハウジングに巻回して当該コネクタハウジングを締め付け可能に設けられ、当該コネクタハウジングを締め付ける輪状部分を任意の大きさにして固定可能な結束バンドと、前記結束バンドから、その長手方向に垂直に延出し、先端にケーブル挿通孔を有するケーブル補強部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のコネクタカバーは、このように、結束バンドの輪状部の大きさを任意の大きさにして固定できるので、サイズの異なるコネクタに固定することができる。また、結束バンドにより固定するので、コネクタハウジングの断面形状が円形であっても矩形であっても取り付けることができる。
【0010】
また、ケーブル補強部を結束バンドから垂直に延出するよう設け、その先端にケーブル挿通孔を設けたので、ケーブル挿通孔にケーブルを挿通した状態で、結束バンドをコネクタハウジングに巻回して固定することができる。この際、ケーブル補強部はケーブルに沿って延び、ケーブルに係止されたケーブル挿通孔とコネクタハウジングに巻回された結束バンドにより両端を固定された状態となる。これにより、ケーブルのコネクタに対する屈曲が、ケーブル補強部の剛性や弾性により抑制されるため、ケーブルとコネクタの連結部における断線を抑制することができる。
【0011】
本発明に係るコネクタカバーは、前記結束バンドが、ヘッド部とヘッド部から延出するストラップ部とを備え、前記ストラップ部が、長手方向に列設される係止歯を有し、前記ヘッド部は、前記ストラップ部を挿通する挿通孔を有し、前記挿通孔の内部には、前記係止歯に係合する係止爪が設けられていることが好ましい。かかる結束バンドは市販されている物も使用可能であるため、コネクタカバーの製造コストを節約できる。
【0012】
本発明のコネクタカバーは、前記ケーブル補強部が、前記結束バンドの長手方向に摺動可能に設けられていることが好ましい。こうすることで、コネクタの大きさに合わせてケーブル補強部を移動できる。
【0013】
本発明のコネクタカバーは、前記ケーブル補強部が、基端側に設けられる棒状の柄部と、前記柄部の先端に連続して設けられ、前記柄部より幅広のプレート部とを有し、前記ケーブル挿通孔が前記プレート部に設けられていることが好ましい。ケーブル挿通孔は、コネクタ(ケーブルの両端にコネクタが有る場合は、少なくとも一方のコネクタ)を挿通可能な大きさが必要で、これに合わせてプレート部の大きさが決まる。ケーブル補強部全体がこのプレートと同じ幅であると嵩張るが、基端側にプレート部より幅の狭い柄部を設けることで、ケーブル補強部が嵩張ることを抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明のコネクタカバーによれば、種々の大きさのコネクタカバーに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタカバーの使用状態を示す斜視図である。
図2図1に示したコネクタカバーの未使用状態の斜視図である。
図3図1に示したコネクタカバーの結束バンドの斜視図である。
図4図1に示したコネクタカバーのケーブル補強部の斜視図である。
図5図1のコネクタカバーの正面図である。
図6図1のコネクタカバーの背面図である。
図7図1のコネクタのカバーの平面図である。
図8図1のコネクタのカバーの底面図である。
図9図1のコネクタカバーの右側面図である。
図10図1のコネクタカバーの左側面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るコネクタカバーの平面図である。
図12】本発明の第3実施形態に係るコネクタカバーの斜視図である。
図13図12に示したコネクタカバーの使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
(第1実施形態)
図1乃至図10は、本発明の第1実施形態に係るコネクタカバー100を示している。コネクタカバー100は、USBケーブルや充電ケーブル等のコネクタAとケーブルBの連結部の断線を防止するために、当該連結部に取り付けて用いられるもので、図1に示すように、コネクタハウジングA2に巻回する結束バンド1と、結束バンド1から延出するケーブル補強部2とを備えている。
尚、図1において、A1は端子を、A2はコネクタハウジングを、A3はケーブルブッシュを、Bはケーブルを示している。
【0018】
結束バンド1は、帯状をなしコネクタハウジングA2に巻回可能で、コネクタハウジングA2を巻回する輪状部分12cの大きさをコネクタハウジングA2の大きさに合わせて任意に変更してコネクタハウジングA2に固定できるよう構成されている。具体的には、長手方向に並ぶ複数の係止歯で固定するものであってもよいし、裏面に塗布した接着剤で固定するものであってもよいし、表裏に貼設した雌雄の面ファスナーにより固定するものであってもよいし、バックルで固定するものあってもよい。
図1の例では、長手方向に並ぶ複数の係止歯を有するタイプの結束バンドの例を示しており、以下、この例に基づき第1実施形態の説明を行う。
【0019】
結束バンド1は、図2に示すように、直方体のヘッド部11と、ヘッド部11の側面から延出するストラップ部12と有し、樹脂により一体成型されている。
【0020】
ヘッド部11は、直方体状をなし、ストラップ部12を挿通する挿通孔11aと挿通孔11aの内部に設けられる係止爪11bとを有している。挿通孔11aは、ヘッド部10を、その厚み方向に貫通し、係止爪11bは、ストラップ部12が延出する方向と逆方向に延出している。
【0021】
ストラップ部12は、図3に示すように、裏面に長手方向に沿って列設される複数の係止歯12a,12a,…と先端のテール部12bを有している。結束バンド1は、ストラップ部12をテール部12bからヘッド部11の裏面側(図3の上側)から挿通孔11aへ挿入することで係止歯12aが係止爪11bに係止するよう構成されている。
【0022】
ケーブル補強部2は、図4に示すように、左右方向に連通する角筒状の摺動部23と、摺動部23の側壁23aから垂直に延出する細板状の柄部21と、柄部21の先端に設けられ柄部21よりも幅広の平板状のプレート部22とを有している。プレート部22は、先端側に円形のケーブル挿通孔3を有し、基端側に平面状の表示部22aを有している。表示部22aには、例えば「○○用」等、ケーブルがどのようなケーブであるか等の表示を行う。
【0023】
ケーブル補強部2は、摺動部23に結束バンド1のストラップ部12を挿通するようにして、結束バンド1に連結する。ケーブル補強部2は、摺動部23がストラップ部12に沿って摺動することにより、結束バンド1の長手方向(図5の左右方向)に移動する。
【0024】
コネクタカバー100をコネクタAに取り付ける際には、まず、ケーブルBをケーブル補強部2のケーブル挿通孔3に挿通し、この状態で、結束バンド1を係止歯12aが内側になるようにしてコネクタハウジングA2の周囲に巻回し、ストラップ部12をテール部12bからヘッド部11の挿通孔11aに挿通して引っ張り、ストラップ部12がしっかりとコネクタハウジングA2を締め付ける位置で係止爪11bを係止歯12aに係止させる。この際、ケーブル補強部2は、摺動部23がコネクタハウジングA2の幅広の面に載るよう適宜に摺動させる。
しかる後、表示部22aに「スマホ充電用」等の案内表示を行う。
【0025】
以上、コネクタカバー100では、結束バンド1が長手方向に並ぶ複数(多数)の係止歯12aを有するため、コネクタハウジングA2に巻回する輪状部分12cの大きさを変更できる。また結束バンドは、輪状部分12cの形がコネクタハウジングの形に倣って変形するので、大きさや断面形状の異なる種々のコネクタに用いることができる。
【0026】
また、結束バンド1は、市販のものを用いることができる、コネクタカバー100の製造コストを低減できる。
【0027】
また、ケーブル補強部2が結束バンド1に対し摺動可能であるため、コネクタAの大きさに合わせて、ケーブル補強部を適宜に位置に移動できる。
【0028】
さらに、柄部21を設けたことで、ケーブル補強部2が幅方向に嵩張ることを抑制できる。
【0029】
(第2実施形態)
図11は、本発明の第2実施形態に係るコネクタカバー200を示している。コネクタカバー200は、ケーブル補強部2が柄部を備えない。つまり、プレート部22が、直接結束バンド1に連結されている。図示の例のコネクタカバー200では、摺動部23が2つ設けられているが、1つでも、3つ以上でもよい。
【0030】
(第3実施形態)
図12図13は、本発明の第2実施形態に係るコネクタカバー300を示している。コネクタカバー300は、1本の結束バンド301から1、又は2本のケーブル補強部302が延出している(図示の例では2本)。結束バンド301は、裏面全体に接着剤(不図示)が塗布されており、これにより、種々の大きさのコネクタに巻回し、輪状部312cを形成して固定することができる。
【0031】
また、コネクタカバー300は、ケーブル補強部302を2つ設けた場合には、この2つのケーブル補強部302のケーブル挿通孔303にケーブルBを挿通することで、より強固にコネクタとケーブルの連結部を補強することができる。
【0032】
結束バンド301とケーブル補強部302は、樹脂製のシート材を打抜いて一体に形成されており、ケーブル補強部302は、結束バンド301に対し摺動不能である。
尚、第2、第3実施形態において、第1実施形態と共通する部材については、同一符号を付して説明を省略する・
【0033】
以上、本発明のコネクタカバーは、上述した実施形態に限らず、例えば、全体が樹脂製のものに限らず、全体、又は一部が金属製や紙製であってもよい。ケーブル補強部は、3つ以上設けてもよく、ケーブル挿通孔は、円形や楕円形であってもよい。また、本発明のコネクタカバーは、上述した各実施形態の構成を適宜に組み合わせたものを含む。
【符号の説明】
【0034】
100,200,300 コネクタカバー
1,301 結束バンド
12c,312c 輪状部
2,202,302 ケーブル補強部
21,321 柄部
22,322 プレート部
3,303 ケーブル挿通孔
コネクタ A
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13