(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028812
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像読取装置、画像処理システム、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20230224BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230224BHJP
G06V 30/412 20220101ALI20230224BHJP
【FI】
G06T1/00 400E
H04N1/00 L
H04N1/00 127B
G06K9/20 340C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134734
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】森田 悠生
(72)【発明者】
【氏名】竹下 聡亮
(72)【発明者】
【氏名】尾上 華穂
【テーマコード(参考)】
5B029
5B047
5C062
【Fターム(参考)】
5B029AA01
5B029BB02
5B029CC01
5B029CC12
5B029CC13
5B029CC26
5B047AA01
5B047BB02
5B047CA01
5B047CB15
5B047CB21
5B047CB22
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC22
5C062AC38
5C062AC58
5C062AF12
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】画像読取装置の設定における利便性を向上させることが可能な情報処理装置、画像読取装置、画像処理システム、制御方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、通信部と、通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信する受信部と、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する抽出部と、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定する特定部と、特定された複数の用途毎の設定情報を出力する出力制御部と、を有する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、前記設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、
通信部と、
前記通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信する受信部と、
前記画像情報に基づいて、前記複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が前記入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する抽出部と、
抽出された前記所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、前記複数の用途毎の前記設定情報を特定する特定部と、
特定された前記複数の用途毎の前記設定情報を出力する出力制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通信部を介して設定用画像読取装置から、前記複数のサンプル媒体について前記複数の用途毎の前記設定情報及び前記サンプル画像を受信する設定受信部と、
前記複数の用途毎の前記設定情報及び前記サンプル画像に関する画像情報を前記記憶部に設定する設定部と、をさらに有する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、複数の利用者ID毎に、前記複数のサンプル媒体についての前記複数の用途毎の前記設定情報及び前記画像情報を記憶し、
前記受信部は、前記画像読取装置から前記入力画像とともに利用者IDを受信し、
前記抽出部は、受信した前記利用者IDに対応する前記サンプル媒体の中から前記所定数のサンプル媒体を抽出する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、前記設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、
媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、
前記画像情報に基づいて、前記複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が前記入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する抽出部と、
抽出された前記所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、前記複数の用途毎の前記設定情報を特定する特定部と、
特定された前記複数の用途毎の前記設定情報に関する情報を出力する出力制御部と、
を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、特定された前記複数の用途毎の前記設定情報に従って媒体が撮像され又は画像処理が実行された画像を、前記複数の用途毎の前記設定情報に関する情報として出力する、請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記記憶部は、複数の利用者ID毎に、前記複数のサンプル媒体についての前記複数の用途毎の前記設定情報及び前記画像情報を記憶し、
前記抽出部は、さらに、利用者IDを取得し、取得した前記利用者IDに対応する前記サンプル媒体の中から前記所定数のサンプル媒体を抽出する、請求項4または5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
情報処理装置と、画像読取装置とを有する画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、前記設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、
第1通信部と、
前記第1通信部を介して前記画像読取装置から入力画像を受信する第1受信部と、
前記画像情報に基づいて、前記複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が前記入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する抽出部と、
抽出された前記所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、前記複数の用途毎の前記設定情報を特定する特定部と、
特定された前記複数の用途毎の前記設定情報を、前記第1通信部を介して前記画像読取装置に送信する第1送信部と、を有し、
前記画像読取装置は、
媒体を撮像して前記入力画像を生成する撮像部と、
第2通信部と、
前記入力画像を、前記第2通信部を介して前記情報処理装置に送信する第2送信部と、
前記第2通信部を介して前記情報処理装置から前記複数の用途毎の前記設定情報を受信する第2受信部と、
前記受信した前記複数の用途毎の前記設定情報に関する情報を出力する出力制御部と、を有する、
ことを特徴とする画像処理システム。
【請求項8】
前記出力制御部は、前記情報処理装置から受信した前記複数の用途毎の前記設定情報に従って媒体が撮像され又は画像処理が実行された画像を、前記複数の用途毎の前記設定情報に関する情報として出力する、請求項7に記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記記憶部は、複数の利用者ID毎に、前記複数のサンプル媒体についての前記複数の用途毎の前記設定情報及び前記画像情報を記憶し、
前記第1受信部は、前記画像読取装置から前記入力画像とともに利用者IDを受信し、
前記抽出部は、受信した前記利用者IDに対応する前記サンプル媒体の中から前記所定数のサンプル媒体を抽出する、請求項7または8に記載の画像処理システム。
【請求項10】
通信部と、記憶部と、を有する情報処理装置の制御方法であって、
複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、前記設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とを前記記憶部に記憶し、
前記通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信し、
前記画像情報に基づいて、前記複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が前記入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、
抽出された前記所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、前記複数の用途毎の前記設定情報を特定し、
特定された前記複数の用途毎の前記設定情報を出力する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、前記設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、通信部と、を有する情報処理装置の制御プログラムであって、
前記通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信し、
前記画像情報に基づいて、前記複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が前記入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、
抽出された前記所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、前記複数の用途毎の前記設定情報を特定し、
特定された前記複数の用途毎の前記設定情報を出力する、
ことを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項12】
撮像部と、記憶部と、を有する画像読取装置の制御方法であって、
複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、前記設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とを前記記憶部に記憶し、
前記撮像部により、媒体を撮像して入力画像を生成し、
前記画像情報に基づいて、前記複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が前記入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、
抽出された前記所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、前記複数の用途毎の前記設定情報を特定し、
特定された前記複数の用途毎の前記設定情報に関する情報を出力する、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、前記設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、を有する画像読取装置の制御プログラムであって、
前記画像情報に基づいて、前記複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が前記入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、
抽出された前記所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、前記複数の用途毎の前記設定情報を特定し、
特定された前記複数の用途毎の前記設定情報に関する情報を出力する、
ことを前記画像読取装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像読取装置、画像処理システム、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、媒体を撮像して画像を生成するスキャナ等の画像読取装置が、様々な用途において、様々な種類の媒体を撮像するために利用されている。画像読取装置に求められる画像の品質は、その用途又は読取対象の媒体の種類等に応じて異なる。一般に、画像読取装置は、用途又は媒体の種類等に応じた適切な画像を生成できるように、解像度、色又は補正のように、媒体の撮像又は画像処理に関する多様な設定を有している。しかしながら、利用者が、様々な設定の中から、用途又は媒体の種類に応じた適切な設定を選択することは容易でない。
【0003】
スキャンを行った画像に対してスキャンを伴う処理の設定を対応づけた教師データによって機械学習された学習結果に基づいて、プレビュースキャンで読み取った画像に対応する設定を導出するスキャンシステムが開示されている(特許文献1を参照)。このスキャンシステムは、導出した設定に基づいてスキャンを伴う処理を実行する。
【0004】
帳票の画像データを用いて帳票の種別を学習した学習データに基づいて、入力された帳票の帳票種別の候補を推定するサーバが開示されている(特許文献2を参照)。このサーバは、推定して得られた帳票種別の帳票の画像データの特徴量と、入力された帳票の画像の特徴量とを比較することにより、入力された帳票の画像の種別を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-17839号公報
【特許文献2】特開2020-107272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像読取装置では、画像読取装置の設定における利便性を向上させることが求められている。
【0007】
本発明の目的は、画像読取装置の設定における利便性を向上させることが可能な情報処理装置、画像読取装置、画像処理システム、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る情報処理装置は、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、通信部と、通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信する受信部と、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する抽出部と、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定する特定部と、特定された複数の用途毎の設定情報を出力する出力制御部と、を有する。
【0009】
本発明の一側面に係る画像読取装置は、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する抽出部と、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定する特定部と、特定された複数の用途毎の設定情報に関する情報を出力する出力制御部と、を有する。
【0010】
本発明の一側面に係る画像処理システムは、情報処理装置と、画像読取装置とを有する画像処理システムであって、情報処理装置は、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、第1通信部と、第1通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信する第1受信部と、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する抽出部と、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定する特定部と、特定された複数の用途毎の設定情報を、第1通信部を介して画像読取装置に送信する第1送信部と、を有し、画像読取装置は、媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、第2通信部と、入力画像を、第2通信部を介して情報処理装置に送信する第2送信部と、第2通信部を介して情報処理装置から複数の用途毎の設定情報を受信する第2受信部と、受信した複数の用途毎の設定情報に関する情報を出力する出力制御部と、を有する。
【0011】
また、本発明の一側面に係る制御方法は、通信部と、記憶部と、を有する情報処理装置の制御方法であって、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とを記憶部に記憶し、通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信し、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定し、特定された複数の用途毎の設定情報を出力する。
【0012】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、通信部と、を有する情報処理装置の制御プログラムであって、通信部を介して画像読取装置から入力画像を受信し、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定し、特定された複数の用途毎の設定情報を出力することを情報処理装置に実行させる。
【0013】
また、本発明の一側面に係る制御方法は、撮像部と、記憶部と、を有する画像読取装置の制御方法であって、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とを記憶部に記憶し、撮像部により、媒体を撮像して入力画像を生成し、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定し、特定された複数の用途毎の設定情報に関する情報を出力する。
【0014】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶された記憶部と、媒体を撮像して入力画像を生成する撮像部と、を有する画像読取装置の制御プログラムであって、画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出し、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定し、特定された複数の用途毎の設定情報に関する情報を出力することを画像読取装置に実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、情報処理装置、画像読取装置、画像処理システム、制御方法及び制御プログラムは、画像読取装置の設定における利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に従った画像処理システム1の一例の構成図である。
【
図2】情報処理装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】設定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】詳細テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】第1記憶装置110及び第1処理回路120の概略構成を示す図である。
【
図7】画像読取装置200内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図8】画像読取装置200の概略構成を示すブロック図である。
【
図9】第2記憶装置230及び第2処理回路240の概略構成を示す図である。
【
図10】設定処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
【
図11】提案処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
【
図12】提案画面1200の一例を示す模式図である。
【
図13】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図14】第2記憶装置430及び第2処理回路440の概略構成を示す図である。
【
図15】他の第1処理回路520の概略構成を示す図である。
【
図16】他の第2処理回路640の概略構成を示す図である。
【
図17】他の第2処理回路840等の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一側面に係る情報処理装置、画像読取装置、画像処理システム、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0018】
図1は、実施形態に従った画像処理システム1の一例の構成図である。
【0019】
画像処理システム1は、情報処理装置100と、一又は複数の画像読取装置200とを備える。情報処理装置100及び画像読取装置200は、ネットワークNを介して、相互に通信接続されている。情報処理装置100は、例えばクラウドネットワークに設けられたサーバ等である。なお、情報処理装置100は、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等でもよい。画像読取装置200は、原稿である媒体を搬送し、撮像するイメージスキャナ等である。媒体は、用紙、薄紙、厚紙又はカード等である。なお、画像読取装置200は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。また、画像読取装置200は、媒体を搬送せずに撮像するフラットベッドタイプのイメージスキャナ、ファクシミリ、複写機、MFP等でもよい。また、画像読取装置200は、人物、物体、風景等を撮像する携帯電話、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等でもよい。ネットワークNは、インターネット、イントラネット等である。
【0020】
図2は、情報処理装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
情報処理装置100は、操作装置101、表示装置102、第1通信装置103、第1記憶装置110及び第1処理回路120等を有する。
【0022】
操作装置101は、入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による操作を受け付け、利用者の入力に応じた信号を第1処理回路120に出力する。
【0023】
表示装置102は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、第1処理回路120からの指示に従って、画像データをディスプレイに表示する。なお、タッチパネル式の入力デバイスを用いて、表示装置と操作装置を、一体に設けてもよい。
【0024】
第1通信装置103は、通信部又は第1通信部の一例である。第1通信装置103は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有する。第1通信装置103は、画像読取装置200と通信可能であり、画像読取装置200と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第1通信装置103は、無線信号を送受信するアンテナと、所定の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、画像読取装置200と通信接続してもよい。所定の無線通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)等である。
【0025】
第1記憶装置110は、記憶部の一例であり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又は、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第1記憶装置110には、情報処理装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶装置110にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。また、第1記憶装置110には、データとして、設定テーブル及び詳細テーブルが記憶される。設定テーブル及び詳細テーブルの詳細については後述する。
【0026】
第1処理回路120は、予め第1記憶装置110に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。第1処理回路120として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0027】
第1処理回路120は、操作装置101、表示装置102、第1通信装置103及び第1記憶装置110等と接続され、これらの各部を制御する。第1処理回路120は、各装置の制御を行い、画像読取装置200に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報等を送信する。
【0028】
図3は、設定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0029】
図3に示すように、設定テーブルには、利用者ID、サンプル媒体ID、用途、設定情報、サンプル画像及び画像情報等が相互に関連付けて予め記憶される。
【0030】
利用者IDは、各画像読取装置200の利用者毎に一意に割り当てられた識別情報である。利用者IDとして、各画像読取装置200を利用する複数の利用者の利用者IDが登録される。
【0031】
サンプル媒体IDは、サンプル媒体に割り当てられた識別情報である。サンプル媒体は、利用者に設定情報を提案するためにシステム管理者等により予め登録される各サンプル画像に含まれる媒体である。サンプル媒体として、様々な種類の複数の媒体が使用される。サンプル媒体は、例えば画像読取装置200により撮像される用紙、薄紙、厚紙又はカード等の媒体である。サンプル媒体には、サンプル画像内で、各設定情報の特徴及び効果が際立つ文字、罫線、模様、画像等が含まれることが好ましい。
【0032】
用途は、利用者が画像読取装置200により媒体が撮像された画像を利用する利用目的である。用途として、様々な種類の複数の用途が登録される。用途には、例えば電子メールで送信するための「メール用」、エビデンスとして保存しておくための「保存用」、商談でクライアントに提示するための「商談用」等が含まれる。
【0033】
設定情報は、媒体の撮像又は画像処理に関する情報であり、画像読取装置200が、媒体を撮像する際の動作又は撮像した画像に対して実行する画像処理の内容等を規定するための情報である。設定情報は、画像読取装置200において、利用者毎に設定されるプロファイルに含まれる。設定情報の詳細については後述する。
【0034】
サンプル画像は、対応する設定情報に従って、サンプル媒体が撮像され、撮像された画像に対して画像処理が実行されることにより生成された画像である。なお、サンプル画像は、設定情報で指定される項目以外の他の要素(例えば用紙サイズ等)については、予め定められたデフォルト設定に従って生成される。サンプル媒体、用途及び設定情報の一セットに対して、一つ以上のサンプル画像が登録される。サンプル媒体、用途及び設定情報の一セットに対して、複数のサンプル画像が登録されてもよい。
【0035】
画像情報は、対応するサンプル画像に関する情報である。例えば、画像情報は、対応する複数のサンプル画像を用いて、CNN(Convolutional neural network)等により事前学習された学習モデルである。学習モデルは、例えば、対応するサンプル画像が入力された場合に高い値(例えば1)が出力され、対応するサンプル画像以外の画像が入力された場合に低い値(例えば0)が出力されるように事前学習される。これにより、学習モデルは、入力された画像に、対応するサンプル媒体が含まれる可能性が高いほど、且つ、入力された画像が、対応する用途に適しているほど、高い値を出力するように事前学習される。
【0036】
なお、画像情報は、対応するサンプル画像自体でもよい。また、画像情報は、対応するサンプル画像から算出された画像特徴量でもよい。画像特徴量は、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)、AKAZE(Accelerated-KAZE)、ORB(Oriented FAST and Rotated BRIEF)等である。
【0037】
このように、設定テーブルには、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報と、設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報とが記憶される。また、設定テーブルには、複数の利用者ID毎に、複数のサンプル媒体についての複数の用途毎の設定情報及び画像情報が記憶される。
【0038】
図4は、詳細テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【0039】
図4に示すように、詳細テーブルには、設定テーブルに登録された各設定情報についての設定内容が記憶される。設定情報は、項目として、解像度、色、傾き補正、地紋除去、ドロップアウトカラー、圧縮、フォーマット、又は、重送検出に関する設定等を含む。
【0040】
解像度は、生成される画像の解像度であり、解像度として、200dpi(Dots Per Inch)、300dpi、600dpi等が設定される。色は、生成される画像の色であり、色として、二値、グレースケール、カラー等が設定される。傾き補正は、公知の画像処理技術を利用して、生成される画像内に含まれる媒体の傾きを補正するための設定であり、傾き補正として、ON、OFF等が設定される。地紋除去は、公知の画像処理技術を利用して、生成される画像内の背景に含まれる地紋(格子、波、斜線、文字等の連続模様)を除去するための設定であり、地紋除去として、ON、OFF等が設定される。ドロップアウトカラーは、公知の画像処理技術を利用して、生成される画像内に含まれる特定の色成分を除去するための設定であり、ドロップアウトカラーとして、ON、OFF(ONが設定される場合、さらに除去する色成分)等が設定される。画像読取装置200は、例えば、背景が特定の色成分を有する媒体が撮像された画像からその色成分を除去することにより、背景の色成分を除去した画像を生成することができる。
【0041】
圧縮は、生成される画像に対してJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の画像圧縮を実行するための設定であり、圧縮として、ON、OFF(ONが設定される場合、さらに量子化値)等が設定される。フォーマットは、生成される画像のファイルフォーマットであり、フォーマットとして、PDF(Portable Document Format)、JPEG等が設定される。重送検出は、搬送される媒体の重送の発生を検出するための設定であり、重送検出として、ON、OFF等が設定される。
【0042】
解像度は、媒体の撮像に関する項目である。色、傾き補正、地紋除去、ドロップアウトカラー、圧縮及びフォーマットは、画像処理に関する項目である。設定情報には、重送検出のように、媒体の撮像又は画像処理に関する項目以外の項目が含まれてもよい。また、設定情報には、媒体の撮像又は画像処理に関する他の任意の項目が含まれてもよい。また、設定情報には、各項目の任意の組合せが含まれてもよい。設定情報には、各項目のうちの少なくとも一つの項目が含まれていればよい。
【0043】
図5は、情報処理装置100の第1記憶装置110及び第1処理回路120の概略構成を示す図である。
【0044】
図5に示すように、第1記憶装置110には、設定受信プログラム111、設定プログラム112、第1受信プログラム113、抽出プログラム114、特定プログラム115及び第1送信プログラム116等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第1処理回路120は、第1記憶装置110に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第1処理回路120は、設定受信部121、設定部122、第1受信部123、抽出部124、特定部125及び第1送信部126として機能する。第1受信部123は、受信部の一例である。第1送信部126は、出力制御部の一例である。
【0045】
図6は、イメージスキャナとして構成された画像読取装置200を示す斜視図である。
【0046】
画像読取装置200は、第1筐体201、第2筐体202、載置台203、排出台204、操作装置205及び表示装置206等を備える。
【0047】
第1筐体201は、画像読取装置200の上側に配置され、媒体つまり時、画像読取装置200内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより第2筐体202に係合している。
【0048】
載置台203は、搬送される媒体を載置可能に第2筐体202に係合している。載置台203は、第2筐体202の媒体供給側の側面に、不図示のモータによって略鉛直方向(高さ方向)A1に移動可能に設けられる。載置台203は、媒体を搬送していないときは媒体が容易に載置されるように下端の位置に配置され、媒体を搬送するときは最も上側に載置された媒体が後述するピックローラと接触する位置まで上昇する。排出台204は、排出された媒体を保持可能に第1筐体201上に形成され、排出された媒体を積載する。
【0049】
操作装置205は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置206は、表示部の一例である。表示装置206は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0050】
図6において矢印A2は媒体搬送方向を示し、矢印A3は媒体排出方向を示し、矢印A4は媒体搬送方向と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の下流のことをいう。
【0051】
図7は、画像読取装置200内部の搬送経路を説明するための図である。
【0052】
画像読取装置200内部の搬送経路は、媒体センサ211、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、超音波センサ215、第1~第8搬送ローラ216a~h、第1~第8従動ローラ217a~h及び撮像装置218等を有している。
【0053】
なお、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~h及び/又は第1~第8従動ローラ217a~hのそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数のピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~h及び/又は第1~第8従動ローラ217a~hは、それぞれ幅方向A4に間隔を空けて並べて配置される。
【0054】
第1筐体201の、第2筐体202と対向する面は媒体の搬送路の第1ガイド201aを形成し、第2筐体202の、第1筐体201と対向する面は媒体の搬送路の第2ガイド202aを形成する。
【0055】
媒体センサ211は、載置台203に、即ち給送ローラ213及び分離ローラ214より上流側に配置され、載置台203における媒体の載置状態を検出する。媒体センサ211は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサにより、載置台203に媒体が載置されているか否かを判別する。媒体センサ211は、載置台203に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ211は接触検知センサに限定されず、媒体センサ211として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0056】
ピックローラ212は、第1筐体201に設けられ、媒体搬送路と略同一の高さまで上昇した載置台203に載置された媒体と接触して、その媒体を下流側に向けて給送する。
【0057】
給送ローラ213は、第1筐体201内に、ピックローラ212より下流側に設けられ、載置台203に載置されてピックローラ212により給送された媒体をさらに下流側に向けて給送する。分離ローラ214は、第2筐体202内に、給送ローラ213と対向して配置される。給送ローラ213及び分離ローラ214は、媒体の分離動作を行い、媒体を分離して一枚ずつ給送する。
【0058】
超音波センサ215は、給送ローラ213より下流側且つ第1搬送ローラ216aより上流側に配置される。超音波センサ215は、超音波発信器215a及び超音波受信器215bを含む。超音波発信器215a及び超音波受信器215bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発信器215aは、超音波を発信する。一方、超音波受信器215bは、超音波発信器215aにより発信され、媒体を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。
【0059】
第1~第8搬送ローラ216a~h及び第1~第8従動ローラ217a~hは、給送ローラ213及び分離ローラ214より下流側に設けられ、給送ローラ213及び分離ローラ214により給送された媒体を下流側に向けて搬送する。第1~第8搬送ローラ216a~h及び第1~第8従動ローラ217a~hは、それぞれ媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置される。
【0060】
撮像装置218は、撮像部の一例であり、媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置された第1撮像装置218a及び第2撮像装置218bを含む。第1撮像装置218aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置218aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置218aは、搬送された媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0061】
同様に、第2撮像装置218bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置218bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置218bは、搬送された媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0062】
画像読取装置200は、第1撮像装置218a及び第2撮像装置218bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0063】
載置台203に載置された媒体は、ピックローラ212、給送ローラ213がそれぞれ媒体給送方向A5、A6に回転することによって、第1ガイド201aと第2ガイド202aの間を媒体搬送方向A2に向かって搬送される。分離ローラ214は、媒体給送時、矢印A7の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ213及び分離ローラ214の働きにより、載置台203に複数の媒体が載置されている場合、載置台203に載置されている媒体のうち給送ローラ213と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限される(重送の防止)。
【0064】
媒体は、第1ガイド201aと第2ガイド202aによりガイドされながら、第1~第2搬送ローラ216a~bが矢印A8~A9の方向に回転することによって、撮像装置218の撮像位置に送り込まれ、撮像装置218によって撮像される。さらに、媒体は、第3~第8搬送ローラ216c~216hがそれぞれ矢印A10~A15の方向に回転することによって排出台204上に排出される。
【0065】
図8は、画像読取装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0066】
画像読取装置200は、前述した構成に加えて、モータ221、第2通信装置222、第2記憶装置230及び第2処理回路240等をさらに有する。
【0067】
モータ221は、一又は複数のモータを含み、第2処理回路240からの制御信号によって、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214及び第1~第8搬送ローラ216a~216hを回転させて媒体を搬送させる。なお、第1~第8従動ローラ217a~217hは、各搬送ローラの回転に従って従動回転するのでなく、モータからの駆動力によって回転するように設けられてもよい。
【0068】
第2通信装置222は、第2通信部の一例であり、第2通信装置222は、TCP/IP等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有する。第2通信装置222は、情報処理装置100と通信可能であり、情報処理装置100及び不図示の制御用コンピュータと通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。なお、第2通信装置222は、無線信号を送受信するアンテナと、所定の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、情報処理装置100と通信接続してもよい。所定の無線通信プロトコルは、例えば無線LAN等である。
【0069】
第2記憶装置230は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第2記憶装置230には、画像読取装置200の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶装置230にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM、DVD-ROM等である。
【0070】
第2処理回路240は、予め第2記憶装置230に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第2処理回路240は、例えばCPUである。第2処理回路240として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0071】
第2処理回路240は、操作装置205、表示装置206、媒体センサ211、超音波センサ215、撮像装置218、モータ221、第2通信装置222及び第2記憶装置230等と接続され、これらの各部を制御する。第2処理回路240は、操作装置205の制御、表示装置206の表示制御、第2通信装置222の通信制御及び第2記憶装置230の制御等を行う。また、第2処理回路240は、媒体センサ211からの媒体信号に従って、モータ221の駆動制御、撮像装置218の撮像制御等を行い、入力画像を取得し、第2通信装置222を介して制御用コンピュータに送信する。
【0072】
図9は、第2記憶装置230及び第2処理回路240の概略構成を示す図である。
【0073】
図9に示すように、第2記憶装置230には、設定制御プログラム231、提案制御プログラム232、第2送信プログラム233、第2受信プログラム234、出力制御プログラム235及び制御プログラム236等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第2処理回路240は、第2記憶装置230に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、設定制御部241、提案制御部242、第2送信部243、第2受信部244、出力制御部245及び制御部246として機能する。
【0074】
図10は、画像処理システム1による設定処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
【0075】
以下に説明する動作シーケンスは、予め第1記憶装置110及び第2記憶装置230に記憶されているプログラムに基づいて、主に第1処理回路120及び第2処理回路240により、情報処理装置100及び画像読取装置200の各要素と協働して実行される。
【0076】
最初に、画像読取装置200の設定制御部241は、利用者による画像読取装置200へのログインを受け付ける(ステップS101)。設定制御部241は、利用者により操作装置205を用いて利用者IDが入力された場合にログインを受け付ける。なお、設定制御部241は、利用者により、利用者IDが記憶されたIDカードが不図示のカードリーダにかざされて、カードリーダが利用者IDを読み取った場合にログインを受け付けてもよい。また、設定制御部241は、利用者IDとともにパスワードの入力を受け付け、利用者ID及びパスワードの照合(認証)に成功した場合にログインを受け付けてもよい。その場合、設定制御部241は、情報処理装置100に利用者ID及びパスワードの照合を要求し、情報処理装置100が利用者ID及びパスワードの照合に成功した場合にログインを受け付けてもよい。また、設定制御部241は、第2通信装置222を介して制御用コンピュータから利用者ID又は利用者IDとパスワードのセットの入力を受け付けてもよい。このように、各画像読取装置200には、画像処理システム1を利用する複数の利用者がログイン可能である。
【0077】
次に、設定制御部241は、利用者により、操作装置205を用いて、又は、第2通信装置222を介して制御用コンピュータから、設定情報の設定を指示する設定指示信号を受信するまで待機する(ステップS102)。設定指示信号には、利用者により操作装置205又は制御用コンピュータを用いて指定されたサンプル媒体ID、用途及び設定情報(項目毎の設定内容)が含まれる。
【0078】
次に、設定制御部241は、載置台203に媒体が載置されるまで待機する(ステップS103)。利用者は、載置台203にサンプル媒体を載置する。設定制御部241は、媒体センサ211から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台203に媒体が載置されているか否かを判定する。なお、載置台203に媒体が載置されていない場合、設定制御部241は、載置台203に媒体を載置させることを利用者に促すための通知を表示装置206に表示してもよい。
【0079】
次に、設定制御部241は、モータ221を駆動し、載置台203を媒体とピックローラ212が当接する位置に移動させる。設定制御部241は、モータ221を駆動し、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~216hを回転させ、載置台203に載置された媒体を搬送させる(ステップS104)。設定制御部241は、設定指示信号に含まれる設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、モータ221の回転速度を制御する。
【0080】
次に、設定制御部241は、撮像装置218に媒体の撮像を開始させる(ステップS105)。設定制御部241は、設定指示信号に含まれる設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、撮像装置218を制御する。
【0081】
次に、設定制御部241は、媒体の搬送が完了したときに、撮像装置218から入力画像を取得し、撮像装置218による撮像を停止させる(ステップS106)。
【0082】
次に、設定制御部241は、設定指示信号に含まれる設定情報で設定された各項目の設定内容に従って、取得した入力画像に対して画像処理を実行する(ステップS107)。
【0083】
次に、設定制御部241は、モータ221を停止し、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~216hを停止させる(ステップS108)。
【0084】
次に、設定制御部241は、設定情報の設定を要求する設定要求信号を、第2通信装置222を介して情報処理装置100に送信する(ステップS109)。設定要求信号には、ステップS101で取得した利用者IDと、ステップS102で取得したサンプル媒体ID、用途及び設定情報と、ステップS106で取得してステップS107で画像処理が実行された入力画像とが含まれる。
【0085】
次に、情報処理装置100の設定受信部121は、第1通信装置103を介して画像読取装置200から設定要求信号を受信する(ステップS110)。設定受信部121は、受信した設定要求信号に含まれる利用者ID、サンプル媒体ID、用途及び設定情報を取得する。また、設定受信部121は、受信した設定要求信号に含まれる入力画像を、設定情報に従ってサンプル媒体が撮像されて生成されたサンプル画像として取得する。
図10の設定処理は、様々な種類の複数のサンプル媒体について複数の用途毎に実行される。即ち、設定受信部121は、第1通信装置103を介して画像読取装置200から複数のサンプル媒体について複数の用途毎の設定情報及びサンプル画像を受信する。また、設定受信部121は、複数の利用者ID毎に、複数のサンプル媒体についての複数の用途毎の設定情報及びサンプル画像を受信する。
【0086】
次に、設定部122は、設定受信部121が受信した利用者ID、サンプル媒体ID、用途、設定情報及びサンプル画像を関連付けて設定テーブルに設定し、設定情報を詳細テーブルに設定する(ステップS111)。
【0087】
次に、設定部122は、設定受信部121が受信したサンプル画像から画像情報を生成し、利用者ID、サンプル媒体ID、用途、設定情報及びサンプル画像と関連付けて設定テーブルに設定する(ステップS112)。画像情報が学習モデルである場合、設定部122は、現在までに設定受信部121が受信し、対応する利用者ID、サンプル媒体ID、用途及び設定情報と対応付けて設定テーブルに記憶されたサンプル画像を用いて、学習モデルを生成する。設定部122は、対応するサンプル画像が入力された場合に高い値が出力され、対応するサンプル画像以外の画像が入力された場合に低い値が出力されるように学習モデルを事前学習させる。画像情報が画像特徴量である場合、設定部122は、公知の画像処理技術を利用して、設定受信部121が受信したサンプル画像から画像特徴量を算出する。また、画像情報がサンプル画像自体である場合、設定部122は、設定受信部121が受信したサンプル画像自体を画像情報として設定する。
【0088】
このように、設定部122は、複数の用途毎の設定情報及びサンプル画像に関する画像情報を設定テーブルに設定する。また、設定部122は、複数の利用者ID毎に、複数のサンプル媒体についての複数の用途毎の設定情報及び画像情報を設定テーブルに設定する。これにより、画像処理システム1は、利用者毎に、各利用者の用途又は読取対象の媒体の種類に適した設定情報及び画像情報を登録することが可能となり、各利用者により適した設定を提案することが可能となる。以上により、設定処理は、終了する。
【0089】
図11は、画像処理システム1による提案処理の動作の例を示す動作シーケンスである。
【0090】
以下に説明する動作シーケンスは、予め第1記憶装置110及び第2記憶装置230に記憶されているプログラムに基づいて、主に第1処理回路120及び第2処理回路240により、情報処理装置100及び画像読取装置200の各要素と協働して実行される。
【0091】
最初に、画像読取装置200の提案制御部242は、
図10のステップS101の処理と同様にして、利用者による画像読取装置200へのログインを受け付ける(ステップS201)。なお、利用者によるログインが既に受け付けられている場合、ステップS201の処理は省略されてもよい。
【0092】
次に、提案制御部242は、利用者により、操作装置205を用いて、又は、第2通信装置222を介して制御用コンピュータから、設定情報の提案を指示する提案指示信号を受信するまで待機する(ステップS202)。
【0093】
次に、提案制御部242は、
図10のステップS103の処理と同様にして、載置台203に媒体が載置されるまで待機する(ステップS203)。利用者は、載置台203に、読取対象の媒体を載置する。
【0094】
次に、提案制御部242は、モータ221を駆動し、載置台203を媒体とピックローラ212が当接する位置に移動させる。提案制御部242は、モータ221を駆動し、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~216hを回転させ、載置台203に載置された媒体を搬送させる(ステップS204)。提案制御部242は、画像読取装置200に事前に設定されたデフォルトの解像度に従って媒体が撮像されるように、モータ221の回転速度を制御する。
【0095】
次に、提案制御部242は、撮像装置218に媒体の撮像を開始させる(ステップS205)。提案制御部242は、画像読取装置200に事前に設定されたデフォルトの解像度に従って媒体が撮像されるように、撮像装置218を制御する。
【0096】
次に、提案制御部242は、媒体の搬送が完了したときに、撮像装置218から入力画像を取得し、撮像装置218による撮像を停止させる(ステップS206)。
【0097】
次に、提案制御部242は、画像読取装置200に事前に設定されたデフォルトの設定内容に従って、取得した入力画像に対して画像処理を実行する(ステップS207)。
【0098】
次に、提案制御部242は、モータ221を停止し、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~216hを停止させる(ステップS208)。
【0099】
次に、第2送信部243は、設定情報の提案を要求する提案要求信号を、第2通信装置222を介して情報処理装置100に送信する(ステップS209)。提案要求信号には、ステップS201で取得した利用者IDと、ステップS206で取得してステップS207で画像処理が実行された入力画像とが含まれる。
【0100】
次に、情報処理装置100の第1受信部123は、第1通信装置103を介して画像読取装置200から提案要求信号を受信する(ステップS210)。第1受信部123は、受信した提案要求信号に含まれる利用者ID及び入力画像を取得する。このように、第1受信部123は、画像読取装置200から入力画像とともに利用者IDを受信する。
【0101】
次に、抽出部124は、設定テーブルに設定されたサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が、第1受信部123が取得した入力画像と類似する度合い(以下、類似度と称する場合がある)が高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する(ステップS211)。所定数は、1以上の任意の数(例えば3)に設定される。また、所定数は、利用者により設定されてもよく、利用者毎に変更可能としてもよい。抽出部124は、設定テーブルにおいて、第1受信部123が受信した利用者IDに対応付けて記憶された各画像情報を抽出する。
【0102】
画像情報が学習モデルである場合、抽出部124は、設定テーブルに画像情報として記憶された各学習モデルに、第1受信部123が受信した入力画像をそれぞれ入力し、各学習モデルから出力された出力値を類似度として取得する。画像情報が画像特徴量である場合、設定部122は、公知の画像処理技術を利用して、第1受信部123が受信した入力画像から、設定テーブルに画像情報として記憶された画像特徴量と同一種類の画像特徴量を算出する。設定部122は、例えば、算出した画像特徴量(ベクトル)と、設定テーブルに画像情報として記憶された各画像特徴量(ベクトル)の内積又はコサイン類似度等を類似度として算出する。画像情報がサンプル画像自体である場合、設定部122は、第1受信部123が受信した入力画像と、設定テーブルに画像情報として記憶されたサンプル画像とのSSD(Sum of Squared Difference)の逆数、SAD(Sum of Absolute Difference)の逆数、又は、正規化相互相関値等を類似度として算出する。
【0103】
抽出部124は、設定テーブルに設定されたサンプル媒体毎に、対応する各画像情報についての類似度の統計値(例えば平均値、中央値、最大値又は最小値等)を算出し、算出した統計値が高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する。このように、抽出部124は、設定テーブルに設定された画像情報に基づいて、複数のサンプル媒体の中から、対応するサンプル画像が入力画像と類似する度合いが高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する。特に、抽出部124は、第1受信部123が受信した利用者IDに対応するサンプル媒体の中から所定数のサンプル媒体を抽出する。これにより、抽出部124は、利用者毎に、各利用者により適した設定を提案することが可能となる。
【0104】
次に、特定部125は、抽出部124により抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれについて、複数の用途毎の設定情報を特定する(ステップS212)。特定部125は、設定テーブルにおいて、抽出された所定数のサンプル媒体のそれぞれに対応付けて記憶された各設定情報を特定し、詳細テーブルにおいて設定情報の設定内容を特定する。
【0105】
次に、第1送信部126は、設定情報を提案する提案信号を、第1通信装置103を介して画像読取装置200に送信することにより出力する(ステップS213)。提案信号には、特定部125により特定された複数の用途毎の設定情報(設定内容)と、各設定情報に対応する用途とが含まれる。
【0106】
次に、画像読取装置200の第2受信部244は、第2通信装置222を介して情報処理装置100から提案信号を受信する(ステップS214)。第2受信部244は、受信した提案信号に含まれる複数の用途毎の設定情報(設定内容)と、各設定情報に対応する用途とを取得する。
【0107】
次に、出力制御部245は、第2受信部244が受信した複数の用途毎の設定情報に関する情報を出力する(ステップS215)。例えば、出力制御部245は、複数の用途毎の設定情報に関する情報として、複数の用途毎の設定情報(設定内容)自体を出力する。
【0108】
なお、出力制御部245は、複数の用途毎の設定情報に関する情報として、情報処理装置100から受信した複数の用途毎の設定情報に従って媒体が撮像され又は画像処理が実行された画像を出力してもよい。その場合、出力制御部245は、複数の用途の数と所定数を乗算した数だけ、ステップS203~S208の処理と同様の処理を実行する。ステップS203において、出力制御部245は、利用者に、提案処理の最初に載置した読取対象の媒体を載置台203に再載置させる。ステップS204において、出力制御部245は、受信した各設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるようにモータ221の回転速度を制御する。ステップS205において、出力制御部245は、受信した各設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように撮像装置218を制御する。ステップS208において、出力制御部245は、受信した各設定情報で設定された各項目の設定内容に従って、取得した入力画像に対して画像処理を実行する。
【0109】
また、提案制御部242は、最初にステップS204~S206の処理を実行する際に、撮像装置218に画像読取装置200がサポートする最大解像度を有する入力画像を生成させておいてもよい。その場合、出力制御部245は、受信した各設定情報で設定された各項目の設定内容に従って、その入力画像に対して解像度を変更するように間引き処理又は補間処理を実行するとともに、その入力画像に対して画像処理を実行する。
【0110】
これにより、利用者は、各設定情報の特徴及び効果を、画像を用いて視覚的に認識することが可能となり、画像処理システム1は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0111】
出力制御部245は、複数の用途毎の設定情報に関する情報を表示装置206に表示することにより出力する。なお、出力制御部245は、複数の用途毎の設定情報に関する情報を、第1通信装置103を介して制御用コンピュータに送信することにより出力してもよい。その場合、制御用コンピュータが、受信した複数の用途毎の設定情報に関する情報を表示する。
【0112】
図12は、表示装置206又は制御用コンピュータに表示される、複数の用途毎の設定情報に関する情報を含む提案画面1200の一例を示す模式図である。
【0113】
図12に示すように、提案画面1200には、複数の用途毎に入力画像1201及び設定内容1202が含まれ、さらに、設定ボタン1203及び終了ボタン1204等が含まれる。各入力画像1201は、各用途に対応する設定情報に従って媒体が撮像されて画像処理が実行された入力画像である。各設定内容1202は、各用途に対応する設定情報で設定される設定内容である。提案画面1200では、利用者が何れかの用途を選択するために、各入力画像1201が選択可能に表示されている。なお、利用者が何れかの用途を選択するために、用途自体、又は、各設定内容1202が選択可能に表示されてもよい。設定ボタン1203は、選択された入力画像1201に対応する設定情報を、画像読取装置200に設定するためのボタンである。終了ボタン1204は、提案画面1200の表示を終了させるためのボタンである。
【0114】
なお、提案画面1200では、一つのサンプル媒体に対応する複数の用途毎の入力画像1201及び設定内容1202のみが表示されている。しかしながら、提案画面には、抽出部124が抽出した所定数のサンプル媒体に対応する複数の用途毎の入力画像及び設定内容が表示されてもよい。
【0115】
近年、撮像技術及び画像処理技術の向上により、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報の多様化が進んでおり、スキャナに不慣れな利用者にとって、様々な設定情報の特徴及び効果を正しく理解することは困難である。また、スキャナにある程度慣れている利用者であっても、最適な設定情報が存在することを知らなかったり、見落としたりする可能性がある。情報処理装置100は、用途毎の設定情報を並べて表示するとともに、各設定情報に従って生成された画像を並べて表示するため、各利用者は、各設定情報の特徴及び効果を直感的に理解することが可能となる。そのため、利用者は、様々な設定情報の中から、自己の用途又は読取対象の媒体の種類に応じた適切な設定情報を選択することが可能となる。
【0116】
次に、出力制御部245は、利用者による設定情報の設定指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS216)。利用者により操作装置205又は制御用コンピュータを用いて提案画面1200の設定ボタン1203が押下されると、出力制御部245は、利用者による設定情報の設定指示を受け付ける。出力制御部245は、利用者によるモードの設定指示を受け付けなかった場合、特に処理を実行せずに一連のステップを終了する。
【0117】
利用者による設定情報の設定指示を受け付けた場合、出力制御部245は、利用者により選択された入力画像1201に対応する設定情報を第2記憶装置230に設定する(ステップS217)。出力制御部245は、ステップS201で取得した利用者IDと対応付けて設定情報を第2記憶装置230に設定する。以上により、提案処理は、終了する。
【0118】
図13は、画像読取装置200の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0119】
以下、
図13に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置200の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第2記憶装置230に記憶されているプログラムに基づき主に第2処理回路240により画像読取装置200の各要素と協働して実行される。
【0120】
最初に、制御部246は、
図10のステップS101の処理と同様にして、利用者による画像読取装置200へのログインを受け付ける(ステップS301)。なお、利用者によるログインが既に受け付けられている場合、ステップS301の処理は省略されてもよい。
【0121】
次に、制御部246は、利用者により、操作装置205を用いて、又は、第2通信装置222を介して制御用コンピュータから媒体の読み取りを指示する読取指示信号を受信するまで待機する(ステップS302)。
【0122】
次に、制御部246は、
図10のステップS103の処理と同様にして、載置台203に媒体が載置されるまで待機する(ステップS303)。利用者は、載置台203に、読取対象の媒体を載置する。
【0123】
次に、制御部246は、ステップS301で取得した利用者IDと対応付けて第2記憶装置230に設定された設定情報を読み出す(ステップS304)。
【0124】
次に、制御部246は、モータ221を駆動し、載置台203を媒体とピックローラ212が当接する位置に移動させる。制御部246は、モータ221を駆動し、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~216hを回転させ、載置台203に載置された媒体を搬送させる(ステップS305)。制御部246は、読み出した設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、モータ221の回転速度を制御する。
【0125】
次に、制御部246は、撮像装置218に媒体の撮像を開始させる(ステップS306)。制御部246は、読み出した設定情報で指定された解像度に従って媒体が撮像されるように、撮像装置218を制御する。
【0126】
次に、制御部246は、媒体の重送が発生したか否かを判定する(ステップS307)。但し、重送検出がOFFに設定されている場合、制御部246は、ステップS307の処理を省略してステップS309へ処理を移行する。制御部246は、読み出した設定情報において重送検出がONに設定されている場合に限り、媒体の重送が発生したか否かを判定する。制御部246は、超音波センサ215から超音波信号を取得し、取得した超音波信号の信号値が重送閾値未満であるか否かを判定する。重送閾値は、一枚の用紙が搬送されているときの超音波信号の信号値と、用紙の重送が発生しているときの超音波信号の信号値との間の値に設定される。
【0127】
超音波信号の信号値が重送閾値未満である場合、制御部246は、媒体の重送が発生したと判定し、異常処理を実行し(ステップS308)、一連のステップを終了する。制御部246は、異常処理として、モータ221を停止して、媒体の搬送を停止する。また、制御部246は、異常処理として、媒体の重送が発生したことを示す情報を表示装置206に表示し又は第2通信装置222を介して制御用コンピュータに送信することにより利用者に通知する。
【0128】
一方、超音波信号の信号値が重送閾値以上である場合、制御部246は、媒体の重送が発生していないと判定し、撮像装置218により媒体全体が撮像されたか否かを判定する(ステップS309)。例えば、制御部246は、媒体の搬送を開始してから、予め定められた所定時間が経過した時に、撮像装置218により媒体全体が撮像されたと判定する。なお、制御部246は、撮像装置218の周辺に配置された不図示の媒体センサによる媒体の検出結果に基づいて、媒体の後端がその媒体センサの位置を通過したか否かを判定してもよい。その場合、制御部246は、媒体の後端がその媒体センサの位置を通過してから所定時間が経過した時に、撮像装置218により媒体全体が撮像されたと判定する。まだ媒体全体が撮像されていない場合、制御部246は、ステップS306へ処理を戻す。
【0129】
一方、媒体全体が撮像された場合、制御部246は、撮像装置218から入力画像を取得し、撮像装置218による撮像を停止させる(ステップS310)。
【0130】
次に、制御部246は、読み出した設定情報で指定された各設定内容に従って、取得した入力画像に対して画像処理を実行する(ステップS311)。
【0131】
次に、制御部246は、ステップS310で取得してステップS311で画像処理が実行された入力画像を、第2通信装置222を介して制御用コンピュータに送信する(ステップS312)。
【0132】
次に、制御部246は、媒体センサ211から取得する媒体信号に基づいて、載置台203に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS313)。載置台203に媒体が残っている場合、制御部246は、ステップS306へ処理を戻し、ステップS306~S313の処理を繰り返す。
【0133】
一方、載置台203に媒体が残っていない場合、制御部246は、モータ221を停止し、媒体の搬送を停止し、ピックローラ212、給送ローラ213、分離ローラ214、第1~第8搬送ローラ216a~216hを停止させる(ステップS314)。これにより、媒体読取処理は、終了する。
【0134】
なお、
図10に示した設定処理のステップS101~S109の処理は、
図11に示した提案処理及び
図13に示した画像読取処理を実行する画像読取装置200と異なる画像読取装置200によって実行されてもよい。特に、
図10のステップS101~S109の処理は、複数の画像読取装置200のうち、システム管理者によって使用される設定用画像読取装置によって実行されてもよい。その場合、ステップS110において、情報処理装置100の設定受信部121は、第1通信装置103を介して設定用画像読取装置から設定要求信号を受信する。これにより、設定テーブルにおいて、設定情報及び画像情報は、画像読取装置に関する十分な知識を有するシステム管理者によってのみ登録されるため、画像処理システム1は、適切な設定情報及び画像情報のみを登録することができる。
【0135】
また、設定テーブルにおいて、複数の用途毎の設定情報及び画像情報は、利用者ID毎に管理されなくてもよい。その場合、
図10のステップS101、
図11のステップS201、
図13のステップS301の処理は省略されてもよい。
図10のステップS109の処理において、設定制御部241は、設定要求信号に利用者IDを含ませず、ステップS110の処理において、設定部122は、サンプル媒体ID、用途、設定情報、サンプル画像及び画像情報を利用者IDと関連付けずに設定する。また、
図11のステップS209の処理において、第2送信部243は、提案要求信号に利用者IDを含ませず、ステップS211の処理において、抽出部124は、利用者IDにかかわらずに、類似度が高い順に所定数のサンプル媒体を抽出する。
【0136】
また、学習モデルは、サンプル媒体及び用途毎に別個に生成されるのでなく、複数のサンプル媒体及び用途について一つの学習モデルが生成されてもよい。その場合、設定部122は、画像が入力された場合に、複数のサンプル媒体ID及び用途毎の評価値が出力されるように学習モデルを事前学習させる。設定部122は、各サンプル画像が入力された場合に、各サンプル画像に対応するサンプル媒体ID及び用途の評価値が高くなり、各サンプル画像に対応しないサンプル媒体ID及び用途の評価値が低くなるように、学習モデルを学習させる。抽出部124は、学習モデルに入力画像を入力し、学習モデルから出力された評価値が高い順に所定数のサンプル媒体を、類似度が高い順に所定数のサンプル媒体として抽出する。
【0137】
また、設定部122は、画像が入力された場合に、複数のサンプル媒体ID及び用途毎の評価値が高い順に所定数のサンプル媒体IDが出力されるように学習モデルを事前学習させてもよい。その場合、抽出部124は、学習モデルに入力画像を入力し、学習モデルから出力された所定数のサンプル媒体IDに対応する各サンプル媒体を、類似度が高い順に所定数のサンプル媒体として抽出する。
【0138】
これらの場合、一つの学習モデルが、複数のサンプル媒体について、複数の用途毎に、各設定情報に従って生成されたサンプル画像に関する画像情報を含んでいる。
【0139】
また、
図13のステップS307~S308の処理は省略されてもよい。
【0140】
以上詳述したように、情報処理装置100は、複数のサンプル媒体について、用途毎に設定情報とサンプル画像に関する情報とを記憶しておく。情報処理装置100は、サンプル画像が、画像読取装置200で撮像された入力画像と類似するサンプル媒体について、用途毎の設定情報を出力する。これにより、利用者は、様々な設定情報の中から、自己の用途及び読取対象の媒体の種類に応じた適切な設定情報を選択し、設定することが可能となった。したがって、画像処理システム1は、画像読取装置200の設定における利便性を向上させることが可能となった。
【0141】
特に、近年、画像読取装置200では、様々な市場のニーズに応えるために、媒体の撮像又は画像処理に関する設定情報の多様化が進んでいる。例えば、帳票処理を行う企業では、帳票等の媒体を読取った画像からOCR(Optical Character Recognition)技術を利用して、文字を自動認識し、業務の効率化を図っている。しかしながら、スキャナに不慣れな利用者にとって、様々な設定情報の中から、OCRに適した画像を生成するための設定情報を選択することは困難である。情報処理装置100は、利用者が利用する媒体について複数の用途毎の設定情報をまとめて出力するため、利用者は、様々な設定情報の中から、自己の用途及び読取対象の媒体の種類に応じた適切なモードを選択することが可能となる。
【0142】
また、画像処理システム1は、利用者ID毎に設定情報を管理するため、例えば画像読取装置200の保守担当者が変更された場合等でも、新たな保守担当者は、その画像読取装置200の利用者が求める設定を正しく把握できる。したがって、画像処理システム1は、各利用者に応じた適切なサービスを提供することが可能となる。
【0143】
図14は、他の実施形態に係る画像読取装置における第2記憶装置430及び第2処理回路440の概略構成を示す図である。
【0144】
第2記憶装置430及び第2処理回路440は、それぞれ第2記憶装置230及び第2処理回路240と同様の構成を有し、第2記憶装置230及び第2処理回路240の代わりに使用される。第2記憶装置430は、記憶部の一例である。
【0145】
図14に示すように、第2記憶装置430には、設定制御プログラム431、提案制御プログラム432、抽出プログラム433、特定プログラム434、出力制御プログラム435及び制御プログラム436等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第2処理回路440は、第2記憶装置430に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、設定制御部441、提案制御部442、抽出部443、特定部444、出力制御部445及び制御部446として機能する。設定制御部441、提案制御部442、抽出部443、特定部444、出力制御部445及び制御部446は、それぞれ設定制御部241、提案制御部242、抽出部124、特定部125、出力制御部245及び制御部246と同様の処理を実行する。
【0146】
第2記憶装置430及び第2処理回路440が使用される場合、設定テーブル及び詳細テーブルは、第2記憶装置430に記憶される。
図10の登録処理においてステップS109~S110の処理は省略され、ステップS111~S112の処理は画像読取装置の設定制御部441により実行される。
【0147】
また、
図11の提案処理においてステップS209~S210、S213~S214の処理は省略され、ステップS211の処理は画像読取装置の抽出部443により実行され、ステップS212の処理は画像読取装置の特定部444により実行される。ステップS211において、抽出部443は、提案制御部442から、ステップS201で取得した利用者IDと、ステップS206で取得してステップS207で画像処理が実行された入力画像とを取得する。ステップS215において、出力制御部445は、特定部444により特定された複数の用途毎の設定情報に関する情報を出力する。また、出力制御部445は、特定部444により特定された複数の用途毎の設定情報に従って媒体が撮像され又は画像処理が実行された画像を、複数の用途毎の設定情報に関する情報として出力する。
【0148】
以上詳述したように、画像処理システムは、画像読取装置が設定情報を管理する場合も、画像読取装置の設定における利便性を向上させることが可能となった。
【0149】
図15は、他の実施形態に係る情報処理装置における第1処理回路520の概略構成を示す図である。第1処理回路520は、情報処理装置100の第1処理回路120の代わりに使用され、第1処理回路120の代わりに、設定処理及び提案処理等を実行する。第1処理回路520は、設定受信回路521、設定回路522、第1受信回路523、抽出回路524、特定回路525及び第1送信回路526等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0150】
設定受信回路521は、設定受信部の一例であり、設定受信部121と同様の機能を有する。設定受信回路521は、第1通信装置103を介して画像読取装置から設定要求信号を受信し、受信した設定要求信号に含まれる各情報を設定回路522に出力する。
【0151】
設定回路522は、設定部の一例であり、設定部122と同様の機能を有する。設定回路522は、設定受信回路521から設定要求信号に含まれる各情報を受信し、受信した各情報に基づいて第1記憶装置110において設定テーブル及び詳細テーブルを設定する。
【0152】
第1受信回路523は、第1受信部の一例であり、第1受信部123と同様の機能を有する。第1受信回路523は、第1通信装置103を介して画像読取装置から入力画像を受信し、受信した入力画像を抽出回路524に出力する。
【0153】
抽出回路524は、抽出部の一例であり、抽出部124と同様の機能を有する。抽出回路524は、第1受信回路523から入力画像を受信するとともに、第1記憶装置110から設定テーブルを読み出す。抽出回路524は、受信及び読み出した各情報に基づいて、所定数のサンプル媒体を抽出し、抽出結果を特定回路525に出力する。
【0154】
特定回路525は、特定部の一例であり、特定部125と同様の機能を有する。特定回路525は、抽出回路524からサンプル媒体の抽出結果を受信するとともに、第1記憶装置110から設定テーブル及び詳細テーブルを読み出す。特定回路525は、受信及び読み出した各情報に基づいて、複数の用途毎の設定情報を特定し、特定結果を第1送信回路526に出力する。
【0155】
第1送信回路526は、第1送信部の一例であり、第1送信部126と同様の機能を有する。第1送信回路526は、特定回路525から複数の用途毎の設定情報の特定結果を受信し、提案信号を、第1通信装置103を介して画像読取装置に送信する。
【0156】
以上詳述したように、画像処理システム1は、情報処理装置が第1処理回路520を用いる場合も、画像読取装置の設定における利便性を向上させることが可能となった。
【0157】
図16は、他の実施形態に係る画像読取装置における第2処理回路640の概略構成を示す図である。第2処理回路640は、画像読取装置200の第2処理回路240の代わりに使用され、第2処理回路240の代わりに、設定処理、提案処理及び媒体読取処理等を実行する。第2処理回路640は、設定制御回路641、提案制御回路642、第2送信回路643、第2受信回路644、出力制御回路645及び制御回路646等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0158】
設定制御回路641は、設定制御部の一例であり、設定制御部241と同様の機能を有する。設定制御回路641は、操作装置205又は第2通信装置222から設定指示信号を、媒体センサ211から媒体信号を受信し、受信した各情報に基づいて、モータ221を制御し、撮像装置218から入力画像を受信する。設定制御回路641は、設定要求信号を、第2通信装置222を介して情報処理装置に送信する。
【0159】
提案制御回路642は、提案制御部の一例であり、提案制御部242と同様の機能を有する。提案制御回路642は、操作装置205又は第2通信装置222から提案指示信号を、媒体センサ211から媒体信号を受信し、受信した各情報に基づいて、モータ221を制御し、撮像装置218から入力画像を受信する。提案制御回路642は、提案指示信号に含まれる各情報及び入力画像を第2送信回路643に出力する。
【0160】
第2送信回路643は、第2送信部の一例であり、第2送信部243と同様の機能を有する。第2送信回路643は、提案制御回路642から各情報を受信し、提案要求信号を、第2通信装置222を介して情報処理装置に送信する。
【0161】
第2受信回路644は、第2受信部の一例であり、第2受信部244と同様の機能を有する。第2受信回路644は、第2通信装置222を介して情報処理装置から複数の用途毎の各情報を受信し、出力制御回路645に出力する。
【0162】
出力制御回路645は、出力制御部の一例であり、出力制御部245と同様の機能を有する。出力制御回路645は、第2受信回路644から複数の用途毎の各情報を受信し、表示装置206又は第2通信装置222を介して制御用コンピュータに出力する。
【0163】
制御回路646は、制御部の一例であり、制御部246と同様の機能を有する。制御回路646は、操作装置205又は第2通信装置222から読取指示信号を、媒体センサ211から媒体信号を、超音波センサ215から超音波信号を受信し、受信した各情報に基づいて、モータ221を制御し、撮像装置218から入力画像を受信する。制御回路646は、入力画像を、第2通信装置222を介して制御用コンピュータに出力する。
【0164】
以上詳述したように、画像処理システム1は、画像読取装置が第2処理回路640を用いる場合も、画像読取装置の設定における利便性を向上させることが可能となった。
【0165】
図17は、さらに他の実施形態に係る画像読取装置における第2処理回路840の概略構成を示す図である。第2処理回路840は、画像読取装置の第2処理回路440の代わりに使用され、第2処理回路440の代わりに、設定処理、提案処理及び媒体読取処理等を実行する。第2処理回路840は、設定制御回路841、提案制御回路842、抽出回路843、特定回路844、出力制御回路845及び制御回路846等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0166】
設定制御回路841、提案制御回路842、出力制御回路845及び制御回路846は、それぞれ設定制御回路641、提案制御回路642、出力制御回路645及び制御回路646と同様の構成を有する。但し、設定制御回路841は、受信した各情報に基づいて第1記憶装置110に設定テーブルを設定する。提案制御回路842は、提案指示信号に含まれる各情報及び入力画像を抽出回路843に出力する。出力制御回路845は、特定回路844から複数の用途毎の各情報を受信し、表示装置206又は第2通信装置222を介して制御用コンピュータに出力する。
【0167】
抽出回路843は、抽出部の一例であり、抽出部443と同様の機能を有する。抽出回路843は、提案制御回路842から入力画像を受信するとともに、第2記憶装置230から設定テーブルを読み出す。抽出回路843は、受信及び読み出した各情報に基づいて、所定数のサンプル媒体を抽出し、抽出結果を特定回路844に出力する。
【0168】
特定回路844は、特定部の一例であり、特定部444と同様の機能を有する。特定回路844は、抽出回路843からサンプル媒体の抽出結果を受信するとともに、第2記憶装置230から設定テーブル及び詳細テーブルを読み出す。特定回路844は、受信及び読み出した各情報に基づいて、複数の用途毎の設定情報を特定し、特定結果を出力制御回路845に出力する。
【0169】
以上詳述したように、画像処理システム1は、画像読取装置が第2処理回路840を用いる場合も、画像読取装置の設定における利便性を向上させることが可能となった。
【符号の説明】
【0170】
1 画像処理システム、100 情報処理装置、103 第1通信装置、110 第1記憶装置、121 設定受信部、122 設定部、123 第1受信部、124 抽出部、125 特定部、126 第1送信部、200 画像読取装置、218 撮像装置、222 第2通信装置、230 第2記憶装置、243 第2送信部、244 第2受信部、245 出力制御部