(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002883
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】スマートフォンを用いた設置物のデータベース用管理情報作成装置
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20221228BHJP
E01C 23/01 20060101ALI20221228BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20221228BHJP
G06F 16/58 20190101ALI20221228BHJP
G06F 16/587 20190101ALI20221228BHJP
【FI】
G09B29/00 F
E01C23/01
G08G1/00 A
G06F16/58
G06F16/587
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103704
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】595165852
【氏名又は名称】宮川興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
(72)【発明者】
【氏名】宮川 訓
(72)【発明者】
【氏名】石井 和夫
【テーマコード(参考)】
2C032
2D053
5B175
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC11
2C032HC27
2D053AA41
2D053AD01
2D053EA02
2D053FA03
5B175DA02
5B175FB02
5B175GA04
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC24
5H181MC07
5H181MC12
5H181MC24
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】
種々の設置物管理アプリケーションに利用できるスマートフォンを用いた設置物管理情報作成装置を提供する。
【解決手段】
スマートフォンに設置物管理情報を作成するアプリケーションをインストールし、該アプリケーションがスマートフォンを、設置物撮影手段、緯度経度・方位自動記録手段、管理データを付与するデータ記録手段、アプリケーションアイコン表示手段、アプリケーション特定手段、設置物種類特定手段として機能させ、スマートフォンで作成した設置物の画像、緯度経度・方位及び管理データを選択した設置物管理アプリケーションのデータベースに送信可能とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンに、外部の設置物管理アプリケーションのデータベースに送信するための、設置物の画像、緯度経度・方位及び設置物管理データから成る設置物管理情報を作成するアプリケーションをインストールし、該アプリケーションがスマートフォンを、
設置物の画像データを作成するための設置物撮影手段、
設置物の画像データに緯度経度・方位を付与する緯度経度・方位自動記録手段、
設置物の画像データに画像を特定するための管理データを付与するデータ記録手段、
画面に設置物管理アプリケーションのアイコンを表示するアプリケーションアイコン表示手段、
画面に表示されたアイコンの選択に基づいて選択されたアイコンに対応するアプリケーションを特定し、スマートフォンを、特定したアプリケーションに接続可能とするアプリケーション特定手段、
画面に表示したアイコンの選択に基づいて撮影する設置物の種類を特定する設置物種類特定手段
として機能させ、
スマートフォンで作成した設置物の画像、緯度経度・方位及び管理データを選択した設置物管理アプリケーションのデータベースに送信できるようにしたことを特徴とするスマートフォンを用いた設置物のデータベース用管理情報作成装置。
【請求項2】
前記設置物の緯度経度は、スマートフォンの撮影者の位置の情報からスマートフォンの方位と傾き角度を求め、三角関数でスマートフォンの位置を補正したデータであることを特徴とするスマートフォンを用いた設置物のデータベース用管理情報作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンを用いた道路標示、道路標識、看板、カーブミラー、街路灯、ポスト等の点在する各種設置物の既存のデータベース用の画像および位置情報を作成するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンを用いて道路の区画線を一定間隔で撮影し、区画線の画像データを作成し、この作成した画像データをコンピュータで解析して区画線の摩耗度の状況を色で示した地図を作成するようにした道路区画線診断アプリケーションが従来知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道路標示、道路標識、看板、カーブミラー、街路灯、ポスト等の点在する施設の管理アプリケーションは、それぞれ専用の撮影アプリケーションを備えている。そのため、管理アプリケーションに撮影情報を入力するには、専用の撮影アプリケーションを使用する必要があり、専用ではないアプリケーションで作成した画像情報を簡単に管理アプリケーションのデータベースに入力できないという問題点がある。
本発明は上記問題点を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は スマートフォンに、外部の設置物管理アプリケーションのデータベースに送信するための、設置物の画像、緯度経度・方位及び設置物管理データから成る設置物管理情報を作成するアプリケーションをインストールし、該アプリケーションがスマートフォンを、
設置物の画像データを作成するための設置物撮影手段、
設置物の画像データに緯度経度・方位を付与する緯度経度・方位自動記録手段、
設置物の画像データに画像を特定するための管理データを付与するデータ記録手段、
画面に設置物管理アプリケーションのアイコンを表示するアプリケーションアイコン表示手段、
画面に表示されたアイコンの選択に基づいて選択されたアイコンに対応するアプリケーションを特定し、スマートフォンを、特定したアプリケーションに接続可能とするアプリケーション特定手段、
画面に表示したアイコンの選択に基づいて撮影する設置物の種類を特定する設置物種類特定手段
として機能させ、
スマートフォンで作成した設置物の画像、緯度経度・方位及び管理データを選択した設置物管理アプリケーションのデータベースに送信できるようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記設置物の緯度経度は、スマートフォンの撮影者の位置の情報からスマートフォンの方位と傾き角度を求め、三角関数でスマートフォンの位置を補正したデータであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は上述の如く構成したのでスマートフォンの画面のアイコンを選択するだけで種々の設置物管理アプリケーションを選択することができ、選択した設置物管理アプリケーションのデータベースに設置物管理情報を容易に送信することができる。
また、設置物の緯度経度は撮影位置ではなくスマートフォンと設置物との距離を考慮して補正したので、設置物の正確な位置情報を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】位置情報作成のプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本システムの全体構成を示す説明図であり、本システムは、各種の撮影対象の画像とその位置情報を作成するためのアプリケーションがインストールされたスマートフォン4と、各種の設置物の管理情報をデータベース34,35,37,39に保管し、データベースの情報を管理するためのアプリケーション6A,6B,6C,6Dがインストールされた複数のコンピュータ(サーバー)8A,8B,8C,8Dが、インターネット10に接続している。
【0009】
本システムは、スマートフォン4で道路標示、道路標識、看板、カーブミラー、街路灯、ポスト等の点在する設置物を撮影し、写真の画像と位置情報から成る管理情報を作成し、該管理情報を必要とするコンピュータ8A,8B,8C,8Dのデータベース34,35,37,39に提供することができるように構成されている。
【0010】
スマートフォン4にインストールされているアプリケーション2は、ユーザーからの操作信号を受信し、情報処理部12に入力するとともに、インターネット10との間で相互に信号を送受信するための入出力インターフェース部14と、カメラで設置物を撮影し、スマートフォン4の画面に設置物を表示し、表示した画像から画像データを作成する撮影部16と、撮影した画像のデータに緯度経度・方位(撮影方向)のデータを付与する緯度経度・方位自動記録部18と、画像データに管理の所轄名・刻印・管理番号その他メモ等の管理データを付与するデータ記録部20と、外部コンピュータ8A,8B,8C,8Dのアプリケーション6A,6B,6C,6Dを選択するためのアイコンを表示する外部アプリケーションアイコン表示部15と、撮影する設置物を特定するための設置物種類特定部23と、外部のアプリケーション6A,6B,6C,6Dを特定するための外部アプリケーション特定部21とから構成されている。
【0011】
外部アプリケーション表示部15は、情報処理部12からの動作指令により、スマートフォン4の画面に、アプリケーション2に登録されている外部アプリケーション6A,6B,6C,6Dのアイコンを表示する。スマートフォンの画面の特定のアイコンがクリックされると、外部のアプリケーションが選択され、この選択信号によって、外部アプリケーション特定部21は、選択したアプリケーション例えばアプリケーション6Aと、スマートフォン4とをインターネット10を通じて接続状態とする。設置物種類特定部23は、特定のアイコンがクリックされると、選択された外部アプリケーションの管理対象の設置物を撮影物として特定する。緯度経度・方位自動記録部18は、撮影者の位置からスマートフォン4の方位と傾き角度を求め、三角関数で位置を補正し、設置物の緯度経度・方位の位置情報を求め、この位置情報を記録する。
【0012】
スマートフォンによる撮影は、スマートフォン4の画面に、
図4Bに示すように、特定された設置物Gを映し、設置物の位置を指示するための、画面の着色されたマーカーMをクリックする。これにより、画面のクリックした位置P’の緯度経度・方位が設置物Gの画像に位置情報として付与される。
図3は、スマートフォン4のアプリケーション2が設置物の位置情報を作成するためのアルゴリズムをフローチャートで示している。
【0013】
ステップ1で、コンパス(方位計)により、スマートフォン4の水平方向の傾き角度Θh(horizontal)を求める。
次にステップ2で、加速度センサ(重力計)によりスマートフォン4の垂直方向の傾きΘv(vertical)を求める。
【0014】
次に、ステップ3で、スマートフォンの高さをhと設定し、
Tan(Θv)=h/(P-P’)
からP-P’の距離を求める。
次に、ステップ4で、P’の緯度経度・方位(位置情報)を確定する。
スマートフォンの地上高さhは、実験結果から1.5mと設定している。
次に複数の、外部のアプリケーション6A,6B,6C,6Dの中、1つのアプリケーション6Aを選択して、この選択したアプリケーション6Aのデータベース34に、スマートフォン4から設置物の画像と位置情報及び管理データを提供する動作について説明する。
【0015】
まず、スマートフォン4の画面に登録されている外部アプリケーション6Aのアイコンをクリックして、特定の外部アプリケーション6Aを選択する。アイコンを選択すると、スマートフォン4の画面に、選択したアプリケーションが対象とする、設置物の選択画面が表示される。スマートフォン4の操作者は、画面から、設置物である横断歩道標示30,予告マーク(
図7B参照)、路面表示、道路標識、看板、カーブミラー、街路灯、ポストなどの中の1つを選択する。次に選択した設置物の管理データをスマートフォン4のアプリケーション2に入力する。以上の動作によりスマートフォン4のアプリケーション2は、特定の外部アプリケーションにインターネットを通じて接続する。
【0016】
スマートフォン4で撮影した設置物の画像と位置情報及び管理データは、特定の管理アプリケーションのデータベースに入力される。
図2は、種々の設置物の管理アプリケーション6A,6B,6C,6Dを示し、それぞれデータベース34,35,37,39を備えている。各管理アプリケーションは、スマートフォン4から設置物の画像と位置情報及び管理データを受信し、データベースに保管できるように構成されている。データベースに保管されたデータは、管理アプリケーションにより設置物の管理に使用される。
【0017】
管理アプリケーション6A,6B,6C,6Dは、本システムでは、種々の設置物の管理アプリケーションを使用することができる。
図2中、6Aは、横断歩道の摩耗率を解析し、地図に赤、黄、青で表示する道路表示管理アプリケーションを示し、6Bは、設置物の点検、維持管理を行うための管理アプリケーションを示し、6Cは、道路標識の管理を行う管理アプリケーションを示している。一例として道路の路面標示の管理を行うための管理アプリケーション6Aのデータベース34に、スマートフォン4から道路標示の画像と位置情報及び管理データを供給する動作について以下に説明する。
【0018】
尚、本システムでは、上記管理アプリケーション6A,6B,6C以外に街路灯やポスト等各種施設の管理アプリケーション6Dをインターネットに接続している。各種管理アプリケーションは、種々のものを使用することができ、本システムは、特に図示する管理アプリケーションに限定されるものではない。スマートフォン4による撮影は、
図8に示すように、スマートフォン4の画面27に横断歩道標示30や位置支持マーク29(M)(
図4B参照)を映し、画面27の横断歩道標示30の緯度経度が画像にデータとして付与される。
図5は、アプリケーション6Aの構成を示している。
【0019】
アプリケーション6Aは、ユーザーからのパソコン操作信号や、インターネット10、外部電子機器からの信号を受信し、情報処理部22に入力するとともに、コンピュータ8の内部データを外部機器に出力するための入出力インターフェース部24と、横断歩道標示診断対象特定部26と、コンピュータの画面28に表示した横断歩道標示の画像30(
図8参照)の四隅が、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスにより指定され、画面28の計算ボタンが押されると画面28に表示されている横断歩道標示の画像30の摩耗率を計算する横断歩道標示摩耗率計算部32と、前記摩耗率のデータを保管するデータベース34と、横断歩道標示設置場所標示部6と、横断歩道種別一覧表示部38と、摩耗率一覧表示部40と、横断歩道標示の縞数の一覧表示部42と、摩耗率ランク色別地図標示部44と、摩耗率別の数量標示部6と、横断歩道標示の摩耗率に基づいて横断歩道にランクを付け標示する横断歩道標示健全度ランク付与標示部48と、横断歩道標示診断データ表示部50とから構成されている。
【0020】
上記横断歩道標示の摩耗率とは、横断歩道の白線部分のうち、道路の舗装部が見える割合であり、パーセントで表示される。
上記した構成において、スマートフォン4の画面27の緑点のマーカー29(M)をクリックすると、スマートフォン4で撮影した横断歩道や予告マークの画像情報、緯度経度・方位(撮影方向)、管理等の情報は、コンピュータ8のデータベースに保管される。本システムを駆動すると、横断歩道標示診断データ表示部50が駆動され、これに基づき横断歩道標示設置場所表示部36,種別一覧表示部38、摩耗率一覧表示部40、縞数一覧表示部42が駆動され、コンピュータ8Aの画面に
図6に示すように、横断歩道標示設置場所と種別と摩耗率を縞数を示す一覧表52が表示され、一覧表52の横に、摩耗率ランク色別地図標示部44によって管轄エリアの地
図54が表示される。
【0021】
一覧表52の、横断歩道設置場所標示の横には、全体版の摩耗率が表示される。摩耗率の表示は、ランク1乃至5の数値が表示され、この数値には、健全度を示す色付きのランク標示マークが付されている。 また画面の一覧表52には、摩耗率別の数量標示部46によって、ランク別の横断歩道の数量や、補修が必要な横断歩道の数量や場所が表示される。これによりユーザーにとって補修が必要な数量や場所が一目瞭然となる。
【0022】
画面の一覧表52の下には、一覧表の場所の記載から特定された横断歩道の写真56が表示される。画面に表示される地
図54には、インターネット上の地図データベースを利用して作成され、地
図54には全体版の横断歩道の設置マーク58が示される。該設置マーク58には、横断歩道の表示の健全度(摩耗率)を示すランクが色別に表示されている。横断歩道58の表示は、全体版と部分版に分類され摩耗率のランクは
図10,11に示すように5段階に設定される。
【0023】
図10は、全体版を示し、
図11は部分版を示している。本実施形態では、横断歩道設置マーク記号が赤色に着色されているものは、ランク1~3、黄色はランク4、青色はランク5となっている。地
図54の設置マーク58には全体版のランクが色で表示されるが、全体版のランク標示と部分版のランク標示は画面上で選択表示することができる。
【0024】
コンピュータの画面に表示された地
図54上の特定の横断歩道の設置マーク58をクリックすると、特定した横断歩道標示の設置場所、種別、摩耗率、縞数が一覧表52に表示され、写真で状況を確認することができる。ここで種別とは、
図7に示すように、停止線のみの標示Aであるか、横断歩道予告標示Bであるか、一部除外の標示Cであるか、横断歩道全体の標示Dであるか、縞1本のみの標示Eであるかを示すものである。
図6の画面欄60は、横断歩道の数量を示し、ここをクリックすることで、摩耗率別の数量標示部46によりランク別の横断歩道標示の数量が瞬時に計算され、表示される。なお、本実施形態では、各コンピュータ8A,8B,8C,8Dは、インターネット10を通じて、スマートフォン4から情報が送信される構成となっているが、スマートフォン4とコード又はコードレス近距離通信により、入出力インターフェース部14,24を介して直接接続し、スマートフォン4から設置物管理情報を受信する構成としても良い。また、
図12に示すように、各コンピュータ8A,8B,8C,8Dがインターネットに接続しない構成としても良く、各コンピュータ8A,8B,8C,8Dが、スマートフォン4とコード又はコードレス近距離通信により、入出力インターフェース部14,24を介して接続し、スマートフォン4から設置物管理情報を受信するインターネットオフラインの構成としてもよい。
【符号の説明】
【0025】
2 アプリケーション
4 スマートフォン
6A アリケーション
6B アプリケーション
6C アプリケーション
6D アプリケーション
8A コンピュータ
8B コンピュータ
8C コンピュータ
8D コンピュータ
10 インターネット
12 情報処理部
14 入出力インターフェース
15 外部アプリケーションアイコン表示部
16 撮影部
18 緯度経度・方位自動記録部
20 データ記録部
21 外部アプリケーション特定部
22 情報処理部
23 設置物種類特定部
24 入出力インターフェース部
26 横断歩道標示診断対象特定部
27 画面
28 画面
30 横断歩道標示部
32 横断歩道標示摩耗率計算部
34 データベース
35 デ-タべース
36 横断歩道標示設置場所表示部
38 横断歩道種別一覧表示部
39 データベース
40 摩耗率一覧表示部
42 縞数の一覧表示部
44 摩耗率ランク色別地図標示部
46 摩耗率別の数量標示部
48 横断歩道標示健全度ランク付与部
50 横断歩道標示診断データ表示部
52 一覧表
54 地図
56 写真
58 マーク
60 欄