(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028893
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】ユーザ行動レコメンドシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20230224BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
G16H20/00
A61B5/00 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134861
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】597132849
【氏名又は名称】株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若林 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】樋口 正己
(72)【発明者】
【氏名】左近允 晃
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB02
4C117XD06
4C117XE06
4C117XE15
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE43
4C117XE51
4C117XE73
4C117XF22
4C117XG05
4C117XJ03
4C117XJ13
4C117XJ45
4C117XJ48
4C117XL01
4C117XL21
4C117XP12
4C117XQ13
4C117XR01
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの行動を促す所定コンテンツをユーザの健康状態に基づいてレコメンドすると共に、所定コンテンツの手配を実行できるようにすること。
【解決手段】ユーザ行動レコメンドシステム1は、ユーザ側機器20からユーザの健康状態を算出するための所定データを取得するデータ取得部110と、取得された所定データに基づいて、ユーザの健康状態を算出するユーザ状態算出部120と、算出されたユーザの健康状態に基づいて所定コンテンツを含むレコメンドメニューを作成するレコメンドメニュー作成部130と、作成されたレコメンドメニューをユーザ側機器へ送信し、ユーザによるコンテンツの選択結果を取得するレコメンドメニュー管理部150と、コンテンツの選択結果に基づいて、ユーザにより選択された所定コンテンツを利用するための手配を実行するレコメンドメニュー実行部160を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの健康状態に基づいて、前記ユーザの行動を促す所定コンテンツをレコメンドするユーザ行動レコメンドシステムであって、
ユーザの使用するユーザ側機器から前記ユーザの健康状態を算出するための所定データを取得するデータ取得部と、
前記取得された所定データに基づいて、前記ユーザの健康状態を算出するユーザ状態算出部と、
前記算出されたユーザの健康状態に基づいて所定コンテンツを含むレコメンドメニューを作成するレコメンドメニュー作成部と、
前記作成されたレコメンドメニューを前記ユーザ側機器へ送信し、前記ユーザによるコンテンツの選択結果を取得するレコメンドメニュー管理部と、
前記コンテンツの選択結果に基づいて、前記ユーザにより選択された所定コンテンツを利用するための手配を実行するレコメンドメニュー実行部と、
を備えるユーザ行動レコメンドシステム。
【請求項2】
前記レコメンドメニュー実行部は、前記レコメンドメニュー管理部により前記ユーザ側機器に送信されて表示されたレコメンドメニューの表示画面上で、前記ユーザにより前記所定コンテンツが選択されると、前記所定コンテンツを利用するためのコンテンツ提供サーバへ手配情報を送信する
請求項1に記載のユーザ行動レコメンドシステム。
【請求項3】
前記レコメンドメニュー管理部は、前記所定コンテンツを前記ユーザが選択した場合の前記ユーザの健康状態を予測し、その予測結果を前記レコメンドメニューに含めて前記ユーザ側機器へ送信する
請求項2に記載のユーザ行動レコメンドシステム。
【請求項4】
さらに、前記レコメンドメニュー管理部は、前記所定コンテンツを前記ユーザが選択しなかった場合の前記ユーザの健康状態を予測し、その予測結果を前記レコメンドメニューに含めて前記ユーザ側機器へ送信する
請求項3に記載のユーザ行動レコメンドシステム。
【請求項5】
さらに異常応答確認部を備えており、
前記異常応答確認部は、前記ユーザ側機器から受信した前記所定データに基づいて、前記ユーザの健康状態が異常であるか判定し、異常であると判定すると、前記ユーザ側機器に対して前記ユーザの応答を求め、前記ユーザ側機器から前記ユーザの応答を受信した場合に、前記レコメンドメニュー作成部により前記レコメンドメニューを作成させる
請求項1に記載のユーザ行動レコメンドシステム。
【請求項6】
前記レコメンドメニューには、種類の異なる所定コンテンツが含まれている
請求項1に記載のユーザ行動レコメンドシステム。
【請求項7】
前記レコメンドメニュー作成部は、前記ユーザによる利用頻度が所定の閾値以上であるコンテンツと、前記ユーザによる利用頻度が前記所定の閾値未満であるが所定の確率で採用されたコンテンツとを、前記所定コンテンツとして選択する
請求項1に記載のユーザ行動レコメンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ行動レコメンドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
腕輪型または腕時計型などの形状をしたいわゆるウェアラブル端末(あるいはセンシングウェア)により、ユーザの心拍や血圧、体温などのバイタルデータを自動的に測定し、その測定結果の解析情報またはアドバイスをユーザへ提供するシステムは知られている(特許文献1-3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-235920号公報
【特許文献2】特開2001-286446号公報
【特許文献3】特開平10-295651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ユーザは、ユーザ自身のバイタルデータの解析結果またはアドバイスを受け取ることができるが、アドバイスを得たとしても具体的にどのように行動すればよいのかわからないため、単なるバイタルデータの管理に終わってしまうことが多い。例えば、野菜の摂取不足であるとアドバイスされたとしても、具体的にどのような野菜をどれだけ購入し、どのような料理を作ればいいのか、あるいはヘルシー料理を提供するレストランを探し出して予約すればいいのかなど、アドバイスに応じた具体的行動をとることが難しい。
【0005】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの行動を促す所定コンテンツをユーザの健康状態に基づいてレコメンドすると共に、所定コンテンツの手配を実行できるようにしたユーザ行動レコメンドシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うユーザ行動レコメンドシステムは、ユーザの健康状態に基づいて、ユーザの行動を促す所定コンテンツをレコメンドするユーザ行動レコメンドシステムであって、ユーザの使用するユーザ側機器からユーザの健康状態を算出するための所定データを取得するデータ取得部と、取得された所定データに基づいて、ユーザの健康状態を算出するユーザ状態算出部と、算出されたユーザの健康状態に基づいて所定コンテンツを含むレコメンドメニューを作成するレコメンドメニュー作成部と、作成されたレコメンドメニューをユーザ側機器へ送信し、ユーザによるコンテンツの選択結果を取得するレコメンドメニュー管理部と、コンテンツの選択結果に基づいて、ユーザにより選択された所定コンテンツを利用するための手配を実行するレコメンドメニュー実行部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの健康状態に基づいてユーザの行動を促す所定コンテンツをレコメンドすることができると共に、ユーザにより選択された所定コンテンツを利用するための手配を実行できるため、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ユーザ行動レコメンドシステムの全体概要図。
【
図7】ユーザ行動レコメンドシステムの全体処理のフローチャート。
【
図8】ヘルス情報を取得する処理のフローチャート。
【
図10】レコメンドメニューを作成する処理のフローチャート。
【
図11】最適なレコメンドメニューを作成する処理のフローチャート。
【
図12】レコメンドメニューを管理する処理のフローチャート。
【
図13】レコメンドメニューを実行する処理のフローチャート。
【
図15】第2実施例に係り、レコメンドメニュー作成処理のフローチャート。
【
図16】第3実施例に係り、最適なレコメンドメニューを作成する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態のユーザ行動レコメンドシステムは、ユーザの健康状態を把握し、把握した健康状態に応じたコンテンツをユーザへレコメンドすると共に、レコメンドしたコンテンツをユーザが選択すると、そのコンテンツの利用を手配する。
【実施例0010】
図1~
図14を用いて第1実施例を説明する。
図1は、ユーザ行動レコメンドシステム1の全体構成を示す。
【0011】
ユーザ行動レコメンドシステム1は、例えば、ユーザ行動レコメンドサーバ10と、ユーザ側機器20と、コンテンツ提供サーバ40とを含む。さらに、ユーザ行動レコメンドシステム1は、ユーザ関連システム50を含んでもよい。
【0012】
ユーザ行動レコメンドサーバ10は、ユーザの健康状態に応じたコンテンツを含むレコメンドメニューを作成してユーザへ提供すると共に、そのレコメンドメニューに含まれるコンテンツのうちユーザにより選択されたコンテンツの利用を自動的に手配する。ユーザ行動レコメンドサーバ10の詳細はさらに後述する。以下、ユーザ行動レコメンドサーバ10をサーバ10と略する場合がある。
【0013】
ユーザ側機器20は、ユーザUにより使用される情報処理装置である。ユーザ側機器20は、例えば、バイタルセンサ30で計測されたデータとユーザ側機器20の有するカメラで撮影された画像データとを取得し、これら取得したデータを加工してまたはそのままで、ユーザ行動レコメンドサーバ10へ送信する。ユーザ側機器20の詳細はさらに後述する。
【0014】
コンテンツ提供サーバ40は、レコメンドメニューに含まれるコンテンツをユーザへ提供するサーバである。コンテンツ提供サーバ40には、例えば、旅行というコンテンツを予約する旅行予約サイト、出前される食事というコンテンツを予約する出前予約サイト、診察や治療といったコンテンツを提供する診療予約サイト、スポーツジムでの運動というコンテンツを提供するスポーツジム予約サイト、サプリメントというコンテンツを提供するサプリメント販売サイト(ECサイト)、レストランでの食事というコンテンツを提供するレストラン予約サイト、紙媒体または電子媒体の書籍というコンテンツを提供する書籍販売サイト、ヘアカットというコンテンツを提供する美容院予約サイト、衣服というコンテンツを提供する衣服販売サイト、動画というコンテンツを提供する動画視聴サイト、音楽というコンテンツを販売する音楽販売サイトなどである。飲食、体を動かす、買う、読む、楽しむといったユーザの行動を促すコンテンツを利用するためのサーバをコンテンツ提供サーバ40として
図1に示す。
図1には、一つのコンテンツ提供サーバ40を示すが、実際には、サーバ10は複数のコンテンツ提供サーバ40と通信可能である。
【0015】
ユーザ関連システム50は、ユーザに関連する他の情報処理システムである。ユーザ関連システム50としては、例えば、ユーザの勤務先で運用されている出退勤管理システム、従業員健康管理システムなどである。
【0016】
ユーザ行動レコメンドサーバ10は、その機能として例えば、データ取得部110と、ユーザ状態算出部120と、レコメンドメニュー作成部130と、異常応答確認部140と、レコメンドメニュー管理部150と、レコメンドメニュー実行部160と、データ管理部DBとを備える。
【0017】
データ取得部110は、ユーザ側機器20から所定データを取得する。さらに、データ取得部110は、ユーザ関連システム50からも所定データを取得可能である。データ取得部110がユーザ側機器20から取得する所定データには、ユーザ側機器20に接続されたバイタルセンサ30で計測されたデータも含まれる。所定データとは、ユーザの健康状態を算出するために使用されるデータであり、例えば、心拍、血圧、体温、発汗、顔の色、目の色などである。ユーザの周囲環境のデータ(例えば、室温、湿度、騒音、振動など)を所定データに含めることもできる。ユーザ関連システム50からユーザの健康診断の履歴を取得できる場合は、ユーザの既往症、服用している薬の種類と量なども所定データに含めることができる。
【0018】
ユーザ状態算出部120は、データ取得部110により取得された所定データに基づいて、ユーザの健康状態を算出する。ユーザの健康状態とは、ユーザが規則正しく食事をとっているか、栄養のバランスはよいか、睡眠時間は適切か、運動量は適切か、ユーザの作業環境の温度や湿度は適切か、ストレスが高くなっていないかなどである。
【0019】
レコメンドメニュー作成部130は、ユーザの健康状態に応じた所定コンテンツ(以下、コンテンツ)を少なくとも一つ含むレコメンドメニューを作成する。レコメンドメニューに含まれるコンテンツは、ユーザの健康状態をより良い方向へ導くためのコンテンツである。例えば、ユーザが運動不足の場合、例えば、ユーザの近所のスポーツジムへの入会、旅行などがコンテンツとして選択される。ユーザのタンパク質摂取量が少ない場合、例えば、ユーザの近所の焼き肉店での食事またはステーキハウスでの食事などがコンテンツとして選択される。
【0020】
異常応答確認部140は、データ取得部110がユーザ側機器20から取得した所定データとユーザ状態算出部120の算出したユーザの健康状態とに基づいて、ユーザが異常状態にあるか判定し、異常であると判定した場合はユーザに問い合わせる。例えば、ユーザの血圧が通常の範囲から外れていたり、体温が通常範囲から外れていたりした場合は、異常応答確認部140は、ユーザが異常状態にあると判定する。この場合、異常応答確認部140は、ユーザ側機器20に音声またはテキストのメッセージを送信し、ユーザからの応答を待つ。異常応答確認部140は、ユーザの応答があった場合は、一時的な異常と判定する。異常応答確認部140は、ユーザから応答がない場合、予め登録された者の使用する機器に警報を送る。予め登録される者とは、例えば、ユーザの上司、ユーザの血縁者、ユーザの友人などである。
【0021】
レコメンドメニュー管理部150は、作成されたレコメンドメニューをユーザ側機器20へ送信して表示させることにより、ユーザにレコメンドメニューを提供する。レコメンドメニュー管理部150は、ユーザによるレコメンドメニューの選択結果、すなわちどのコンテンツが選択され、どのコンテンツが選択されなかったかを受領し、
図5で後述する利用履歴データDB115に反映させる。ユーザによりコンテンツが選択されるとは、ユーザがそのコンテンツの利用を希望することを意味する。
【0022】
レコメンドメニュー実行部160は、ユーザにより選択されたコンテンツの利用を手配する。レコメンドメニュー実行部160は、ユーザの選択したコンテンツを提供しているコンテンツ提供サーバ40へアクセスし、ユーザの選択したコンテンツを手配するための手配情報を入力する。手配情報には、例えば、ユーザを特定するユーザ特定情報、コンテンツの利用予定時間、コンテンツの利用先(ユーザの自宅か、コンテンツ提供元の店内かなど)、コンテンツの利用料金の支払い方法、ユーザへの連絡先などが含まれる。
【0023】
手配情報の少なくとも一部は、サーバ10内のセキュアな記憶領域に保存しておくことができる。例えば、
図5で述べる基本データDB111に記憶されているユーザID、氏名などを手配情報の一部として利用することができる。基本データDB111に、例えば、クレジットカード情報、ユーザの自宅住所、連絡先などを記憶させてもよい。これにより、手配情報を作成する際に、ユーザ側機器20からクレジットカード情報などを取得する手間が省ける。
【0024】
このように構成される本実施形態によれば、ユーザの健康状態に応じたコンテンツ(ユーザがより健康になるための行動をユーザに促すコンテンツ)を提案することができると共に、そのコンテンツをワンストップでユーザに利用させることができる。したがって、ユーザは、自分がより健康になるための行動を簡単に実行することができ、ユーザの利便性が向上する。さらに、ユーザへ提案されるコンテンツ提供者にとっては、ユーザから利用される可能性が向上するため、コンテンツをより多く販売することができる。コンテンツ提供者にとってもメリットが大きいため、コンテンツ提供者はユーザ行動レコメンドシステム1に積極的に協力する。
【0025】
図2~
図14を用いて、ユーザ行動レコメンドシステム1の構成を詳細に説明する。
図2は、ユーザ側機器20の機能構成を示す。
【0026】
ユーザ側機器20は、例えば、携帯電話(いわゆるスマートフォンを含む。)、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末などのように構成されており、演算部21と、記憶部22と、近距離通信部23と、ネットワーク通信部24と、入力装置25と、出力装置26を備える。
【0027】
演算部21は、記憶部22に記憶された所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、例えば、カメラ画像処理部210と、動画解析部220と、バイタルデータ取得部230と、バイタルデータ管理部240といった機能を実現する。
【0028】
カメラ画像処理部210は、入力装置25に含まれるカメラで撮影されたユーザの画像データを処理する。動画解析部220は、ユーザの画像データに基づいて、ユーザの健康状態を示すヘルス情報の一部を検出する。例えば、ユーザの顔の表情の変化、瞬きの回数、体の揺れなどから、ユーザの心拍、発汗、ストレスなどを解析可能である。
【0029】
バイタルデータ取得部230は、バイタルセンサ30から定期的にバイタルデータを取得する。バイタルデータ管理部240は、動画解析データDB210とバイタルデータDB220から抽出される情報をヘルス情報DB120(
図5で後述)として、ユーザ行動レコメンドサーバ10へ送信する。
【0030】
記憶部22は、主記憶装置および補助記憶装置を含む記憶装置であり、例えば、動画解析データDB210とバイタルデータDB220を保存する。バイタルデータDB220は、バイタルセンサ30で計測されたデータを記憶する。
【0031】
近距離通信部23は、近距離無線通信によりバイタルセンサ30と通信する。ネットワーク通信部24は、インターネットのような通信ネットワークCNを介して、ユーザ行動レコメンドサーバ10と通信する。
【0032】
入力装置25は、ユーザからの入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、タッチパネル、カメラ、音声入力装置などである。出力装置26は、ユーザへ情報を提供する装置であり、例えば、モニタディスプレイ、音声合成装置、プリンタなどである。
【0033】
バイタルセンサ30は、例えば、腕時計型、腕輪型、ネックレス型、眼鏡型、人体への埋め込み型などの、ユーザの人体に近接または接触して設けられる小型無線通信端末として構成される。
【0034】
バイタルセンサ30は、例えば、演算部31と、記憶部32と、センサ部33と、近距離通信部34を備える。センサ部33は、例えば、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、湿度センサなどを一つまたは複数含んでおり、ユーザの体温、血圧、心拍、運動量などを計測する。計測されたデータは記憶部32に一時的に記憶される。演算部31は、所定時間ごとに、あるいはユーザ側機器20から要求されるごとに、記憶部32に記憶された計測データを近距離通信部34によりユーザ側機器20へ送信させる。
【0035】
図3は、ユーザ行動レコメンドサーバ10の機能構成を示す。サーバ10は、例えば、演算部11と、記憶部12と、ネットワーク通信部13を含む。各種の設定を行うための入出力装置をサーバ10に接続してもよい。
【0036】
演算部11は、記憶部12に記憶された所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、例えば、データ取得部110と、ユーザ状態算出部120と、レコメンドメニュー作成部130と、異常応答確認部140と、レコメンドメニュー管理部150と、レコメンドメニュー実行部160といった機能を実現する。
【0037】
記憶部12は、例えば、各種履歴データDB110と、ヘルス情報DB120と、コンテンツデータDB130を記憶する。これらデータベースの内容は後述する。
【0038】
図4は、各種履歴データDB110の内容の例を示す。各種履歴データDB110は、例えば、基本データDB111と、食事履歴データDB112と、運動履歴データDB113と、お気に入り登録データDB114と、利用履歴データDB115を含む。
【0039】
基本データDB111は、ユーザ行動レコメンドシステム1を利用するユーザの基本情報を記憶する。基本データDB111には、例えば、ユーザID、登録日時、氏名、年齢、身長、体重、性別、視力、基礎疾患、心拍などが含まれる。ユーザIDは、ユーザ行動レコメンドシステム1を利用する各ユーザを特定する識別情報である。なお、後述する他のデータについても同様であるが、図示された項目以外の項目を含んでもよい。例えば、基本データDB111は、ユーザの趣味を記憶することもできる。
【0040】
食事履歴データDB112は、ユーザの摂った食事内容の履歴を管理する。食事履歴データDB112には、例えば、ユーザID、日時、メニュー、カロリー、糖質の量、脂質の量、タンパク質の量、食物繊維の量、各種ビタミンの量などが含まれる。各食事の栄養素とその量は、ユーザが手動で入力してもよいし、食事を撮影した画像データを機械学習モデルで解析した値を自動入力してもよいし、その食事を提供する店が公開している情報を自動入力してもよい。
【0041】
運動履歴データDB113は、ユーザの運動履歴を管理する。運動履歴データDB113には、例えば、ユーザID、日時、運動メニュー、消費カロリー、運動時間、運動の強度などが含まれる。
【0042】
お気に入り登録データDB114は、ユーザの好みのコンテンツを管理する。ユーザは、好きなコンテンツを「お気に入り」としてユーザ行動レコメンドサーバ10に登録しておくことができる。お気に入り登録データDB114には、例えば、ユーザID、コンテンツID、メニューID、お気に入り登録の有無、利用回数などが含まれる。コンテンツIDは、コンテンツを特定する識別情報である。メニューIDは、ユーザに提供されるレコメンドメニューを特定する識別情報である。
【0043】
利用履歴データDB115は、ユーザによるコンテンツ利用の履歴を管理する。利用履歴データDB115には、例えば、ユーザID、コンテンツID、メニューID、レコメンド回数、選択回数、非選択回数などが含まれる。レコメンド回数は、そのコンテンツがユーザに提案された回数である。選択回数は、そのコンテンツがユーザに選択された回数である。非選択回数は、そのコンテンツがユーザに選択されなかった回数である。レコメンド回数は、選択回数と非選択回数の合計に等しい。
【0044】
図5は、ヘルス情報DB120の例である。ヘルス情報DB120は、ユーザの健康状態を管理する。ヘルス情報DB120には、例えば、ユーザID、計測日時、心拍、SpO2(動脈血酸素飽和度)、体温などが含まれる。ストレス度、発汗量などを含めることもできる。
【0045】
図6は、コンテンツデータDB130の例である。コンテンツデータDB130は、ユーザへ提案されるコンテンツを管理する。コンテンツデータDB130には、複数のジャンル(種類)のコンテンツDB131~DB135を含めることができる。
【0046】
サプリメントデータDB131は、コンテンツの一種としてのサプリメントを管理しており、例えば、コンテンツID、メニューID、サプリメントを販売する会社名、サプリメントの商品名、効果、成分、サプリメントの販売サイトのアドレス、使用禁止の他のサプリメントや病名などが含まれる。
【0047】
旅行データDB132は、コンテンツの一種としての旅行を管理しており、例えば、コンテンツID、メニューID、旅行代理店の名称、旅行の商品名、旅行先、プラン(出発日、移動手段、宿泊手段、帰着日、費用など)、旅行代理店のサイトのアドレスなどが含まれる。
【0048】
病院データDB133は、コンテンツの一種としての病院(治療サービス)を管理しており、例えば、コンテンツID、メニューID、病院名、科、場所、診察時間、混雑情報、病院の予約サイトなどが含まれる。混雑情報は、時間帯別の混雑の度合いを示す情報である。混雑情報は、リアルタイムに計測された結果でもよいし、履歴から算出される混雑傾向であってもよい。
【0049】
食事データDB134は、コンテンツの一種としての食事を管理しており、例えば、コンテンツID、メニューID、店名、料理のジャンル、場所、営業時間、混雑情報、店の予約サイトなどが含まれる。
【0050】
スポーツジムデータDB135は、コンテンツの一種としてのスポーツジムを管理しており、例えば、コンテンツID、メニューID、スポーツジムの名称、スポーツジムの種類(公営か私営か、シャワーやサウナの有無など)、場所、営業時間、混雑情報、スポーツジムの予約サイトなどが含まれる。
【0051】
図7~
図14を用いて、ユーザ行動レコメンドシステム1の動作を説明する。
図7は、全体の流れを示す。ユーザ側機器20では、ユーザ行動レコメンドサーバ10を利用するためのアプリケーション(不図示)が起動しており、定期的にまたは不定期に、ユーザのヘルス情報DB120をユーザ行動レコメンドサーバ10へ送信する(S100)。例えば、ユーザ側機器20は、10分間に1回といった所定の頻度でヘルス情報DB120をサーバ10へ送信することができる。さらに、ユーザ側機器20は、心拍、血圧、体温などが所定値以上変化した場合に、ヘルス情報DB120をサーバ10へ送信することもできる。あるいは、ユーザ側機器20は、サーバ10から要求されたときにヘルス情報DB120をサーバ10へ送信することもできる。
【0052】
ユーザ行動レコメンドサーバ10は、ユーザ側機器20からヘルス情報を受領するとともに、ユーザ関連システム50からユーザの出勤状況や健康診断の結果などを受領することもできる。
【0053】
そして、サーバ10は、ユーザに異常があるか確認する異常応答確認処理S200、レコメンドメニューを作成する処理S300、レコメンドメニューを管理する処理S400、レコメンドメニューを実行する処理S500を実施する。これら処理S100~S500の詳細は後述する。
【0054】
図8は、ユーザ側機器20からサーバ10へヘルス情報を送信する処理の例である。ユーザ側機器20は、バイタルセンサ30が接続されているか判定する(S101)。ここでは、バイタルセンサ30とユーザ側機器20とは近距離無線通信で接続される場合を述べるが、有線接続でもよい。
【0055】
ユーザ側機器20は、バイタルセンサ30が接続されていることを確認すると(S101:YES)、バイタルセンサ30からバイタルデータを取得する(S102)。ユーザ側機器20は、さらに、カメラでユーザを撮影する(S103)。ユーザ側機器20に内蔵されたカメラを用いてもよいし、ユーザ側機器20と別体のカメラでユーザを撮影してもよい。なお、ユーザ側機器20にバイタルセンサ30が接続されていない場合(S101:NO)、ステップS102をスキップしてステップS103へ移る。
【0056】
ユーザ側機器20は、カメラで撮影したユーザの画像データを解析し、ヘルス情報の一部を検出する(S104)。例えば、ユーザの顔色、瞬きの回数、ユーザの表情、肌の脈動などから心拍や緊張の有無、ストレスなどを検出することができる。
【0057】
なお、ユーザの画像(動画像データ)の解析には、機械学習モデルを使用することができる。その機械学習モデルは、ユーザ側機器20に設けられてもよいし、サーバ10に設けられてもよい。画像解析用の機械学習モデルをサーバ10で管理し、そのサブセットを適宜ユーザ側機器20へ送信し、ユーザ側機器20内でユーザの画像データを解析してもよい。
【0058】
ユーザ側機器20は、バイタルセンサ30およびカメラにより検出されたヘルス情報を、その取得時刻、位置情報、ユーザ側機器20を識別する情報(ユーザID、端末ID、ネットワークアドレスなど)と共にサーバ10へ送信する(S105)。サーバ10は、ユーザ側機器20から受信したヘルス情報をヘルス情報DB120へ記憶させる。
【0059】
図9は、異常応答確認処理の例である。サーバ10は、ヘルス情報を取得すると(S201)、各種履歴データDB110を取得し、ユーザの状態(健康状態)を算出する(S203)。
【0060】
サーバ10は、ステップS203で算出された値が異常値であるか判定する(S204)。算出された値が異常値である場合(S204:YES)、サーバ10は、そのユーザに確認のためのメッセージを送信する(S205)。例えば、「あなたのバイタルデータが異常値を示しています。お体の具合はいかがでしょうか。大丈夫な場合は、返信お願いします」といったメッセージである。そのメッセージは、電子メールまたは音声通話により、ユーザ側機器20へ送られる。
【0061】
サーバ10は、ユーザ側機器20と別の情報端末へメッセージを送信してもよい。例えば、ユーザがユーザ側機器20とは別の情報端末も使用している場合、サーバ10は、ユーザ側機器20および/または別の情報端末へメッセージを送ることができる。
【0062】
サーバ10は、ユーザからの応答を待ち、ユーザから応答があった場合(S206:YES)、ユーザに異常はないと判定して本処理を終了する。ユーザの応答は、音声通話の場合は音声認識処理およびテキストマイニングにより把握することができ、電子メールの場合はテキストマイニングにより把握できる。ユーザ行動レコメンドシステム1のオペレータがユーザの応答を判断してもよい。
【0063】
これに対し、サーバ10は、所定時間内にユーザからの応答がない場合(S206:NO)、予め登録された宛先へ警報を送信する(S207)。警報の宛先としては、例えば、ユーザの属する企業などの運営する健康管理システム、ユーザの管理者の使用する情報端末などである。通知を受けた者は、ユーザの自宅を訪問するなどの必要な措置を取ることができる。
【0064】
図10は、レコメンドメニューを作成する処理の例である。サーバ10は、コンテンツデータDB130を取得する(S301)。サーバ10は、ユーザの状態(健康状態)と各種履歴データDB110およびヘルス情報DB120から、今のユーザに不足している要素を算出し、その不足要素を補うことのできるコンテンツをコンテンツデータDB130から一つまたは複数選択する(S302)。
【0065】
例えば、サプリメントの場合、サーバ10は、ユーザの状態に足りないサプリメントをコンテンツとして選択する。例えば、ユーザのストレス度が高い場合に、サーバ10は、サプリメントとしてカルシウム剤を選択する。例えば、ユーザの運動量が所定値よりも低い場合、サーバ10は、スポーツジムでの運動をコンテンツとして選択する。所定値には、ユーザの性別、年齢、職業などで予め定められた基準値を用いることができる。
【0066】
ユーザの摂取する食事に偏りがある場合、サーバ10は、ユーザに不足している栄養素を検出し、その不足している栄養素を多く含む食事をコンテンツとして選択する。
【0067】
サーバ10は、健康管理システムから取得されたユーザの既往症と現在のユーザの健康状態とから既往症が悪化していると判定すると、既往症に対応する病院での診察をコンテンツとして選択する。
【0068】
サーバ10は、ユーザのストレス度が高いと判定すると、旅行または美容院などをコンテンツとして選択する。サーバ10は、基本データDB111と利用履歴データDB115に基づいて、ユーザの嗜好を判定し、その嗜好に適合するコンテンツを選択することもできる。例えば、ユーザの趣味が「おしゃれ」と「旅行」である場合、サーバ10は、美容院および/または旅行をコンテンツとして選択する。後述のように、ユーザの状態に応じてそれぞれ異なるジャンルに属する複数コンテンツが選択されることもある。
【0069】
サーバ10は、ステップS302で選択されたコンテンツがユーザのお気に入りに登録されているか判定する(S303)。サーバ10は、選択されたコンテンツがユーザのお気に入りに登録されている場合(S303:YES)、そのコンテンツから仮レコメンドメニューを作成する(S304)。仮レコメンドメニューとは、ユーザへ正式に提示する前のレコメンドメニューである。
【0070】
一方、サーバ10は、ステップS302で選択されたコンテンツがユーザのお気に入りに登録されていない場合(S303:NO)、そのコンテンツの利用頻度が所定の閾値未満であるか判定する(S305)。サーバ10は、そのコンテンツの利用頻度が所定の閾値以上である場合(S305:NO)、そのコンテンツを仮レコメンドメニューとして採用する(S304)。
【0071】
ここで、コンテンツの利用頻度には、利用履歴データDB115の「選択回数」を使用してもよいし、利用履歴データDB115の「レコメンド回数」に対する「選択回数」の割合を使用してもよい。
【0072】
サーバ10は、ステップS302で選択されたコンテンツの利用頻度が所定の閾値未満の場合(S305:YES)、仮レコメンドメニューを作成する(S306)。
【0073】
サーバ10は、ステップS306において、ユーザの状態、各種履歴データDB110、ヘルス状態DB120、コンテンツデータDB130、現在時刻、トレンドワードに基づいて、機械学習モデルによりコンテンツを生成する。レコメンドメニュー作成部130は、コンテンツを自動生成する機械学習モデルを備えることができる。サーバ10は、生成されたコンテンツを仮レコメンドメニューとする(S306)。
【0074】
サーバ10は、ステップS304またはステップS306で生成された仮レコメンドメニューを保存し(S307)、現在時刻とユーザの現在地(コンテンツの利用予定地)とユーザのスケジュールを取得する(S308)。
【0075】
ユーザの現在地の位置情報は、ユーザ側機器20の位置から検出できる。ユーザ側機器20の位置は、ユーザ側機器20に内蔵された位置情報システム(GPS)、ユーザ側機器20と複数の無線基地局との通信所要時間などから求めることができる。これに代えて、ユーザの自宅住所と勤務地の住所を予め基本データDB111に登録しておき、ユーザのスケジュールと照合することによりユーザの現在位置を予測してもよい。あるいは、ユーザに対してコンテンツを利用する予定の場所を入力するように求めてもよい。
【0076】
サーバ10は、ステップS307で保存した仮レコメンドメニューの情報を取得し(S309)、さらに最適レコメンドメニュー条件を取得する(S310)。そして、サーバ10は、
図11で後述する最適レコメンドメニューを作成する(S320)。
【0077】
ここで、ステップS309で取得される仮レコメンドメニューの情報とは、仮レコメンドメニューに含まれるコンテンツのジャンル、提供場所、混雑時間帯、予約サイトのアドレスなどである。ステップS310で取得される最適レコメンドメニュー条件は、ユーザにより予め設定された条件である。ユーザは、例えば、コンテンツ提供場所までの距離、移動時間、価格などのいくつかの条件について優先順位を設定することができる。
【0078】
図11は、仮レコメンドメニューに基づいて最適レコメンドメニューを作成する処理の例である。
【0079】
サーバ10は、仮レコメンドメニューのコンテンツがユーザのお気に入りに登録されているか判定し(S321)、登録されている場合(S321:YES)、そのコンテンツの利用頻度が閾値以上であるか判定する(S322)。サーバ10は、仮レコメンドメニューのコンテンツの利用頻度が閾値以上の場合(S322:YES)、そのコンテンツの提供場所がユーザの現在位置から所定範囲内であるか判定する(S323)。サーバ10は、コンテンツ提供場所がユーザの現在位置から所定範囲内である場合(S323:YES)、ユーザのスケジュールを参照し、コンテンツの利用予定時刻が他の予定と重複していないか判定する(S324)。
【0080】
サーバ10は、コンテンツの利用予定時刻が他の予定と重複しない場合(S324:YES)、そのコンテンツを最適レコメンドメニューとして登録する(S325)。サーバ10は、仮レコメンドメニューに複数コンテンツが含まれている場合、未だ判定していないコンテンツがある場合(S326:NO)、ステップS321へ戻る。
【0081】
サーバ10は、最適レコメンドメニューとして選択されたコンテンツをユーザへ提案する際の優先順位を算出する(S327)。例えば、利用頻度の高い順、口コミの評価の高い順、機械学習モデルの推薦順、混雑していない順、距離の近い順などの基準にしたがって、コンテンツの優先順位を決定できる。どのような基準を使用するかは、ユーザが自由に決定することができる。
【0082】
そして、サーバ10は、優先順位が所定値以下のコンテンツを最適レコメンドメニューから削除する(S328)。
【0083】
図11は、レコメンドメニューを管理する処理の例である。ユーザ行動レコメンドサーバ10は、ユーザが最適レコメンドメニューに記載されたコンテンツを利用した場合の、ユーザの状態(ユーザの健康状態)を予測する(S401)。続いて、サーバ10は、ユーザが最適レコメンドメニューに記載されたコンテンツを利用しなかった場合の、ユーザの状態を予測する(S402)。ユーザ状態の予測には、機械学習モデルを使用することができる。
【0084】
例えば、ユーザが運動不足であり、最適レコメンドメニューとしてスポーツジムの利用が挙げられた場合を例に説明する。サーバ10は、ユーザがスポーツジムを利用した場合の体重や血圧などと、ユーザがスポーツジムを利用しなかった場合の体重や血圧などをそれぞれ予測する。同様に、ユーザのストレス度が高いために最適レコメンドメニューとして旅行が記載されている場合、サーバ10は、ユーザが旅行した場合のストレス度と旅行しなかった場合のストレス度をそれぞれ予測する。サーバ10は、最適レコメンドメニューに複数コンテンツが含まれる場合、コンテンツ毎に、利用したときと利用しなかったときの予測値を算出する。
【0085】
サーバ10は、ユーザの現在の状態と、最適レコメンドメニューと、最適レコメンドメニューに従った場合の予測結果と、最適レコメンドメニューに従わなかった場合の予測結果とを、ユーザ側機器20へ送信して表示させる(S403)。ユーザは、ユーザ側機器20に表示されたレコメンドメニュー画面(ユーザ状態、最適レコメンドメニュー、予測結果)を見て確認し、コンテンツを選択する。
【0086】
サーバ10は、ユーザの選択結果をユーザ側機器20から受信すると(S404)、ユーザの選択結果を各種履歴データDB110に反映させる(S405)。
【0087】
図13は、ユーザにより選択されたコンテンツの利用を自動手配するレコメンドメニュー実行処理の例である。
【0088】
サーバ10は、ユーザによる最適レコメンドメニューの選択結果を取得し(S501)、ユーザにより選択されたコンテンツを提供するサーバ(予約サイト、販売サイト)40にアクセスする(S502)。以下、コンテンツ提供サーバ40をサイト40と略記する場合がある。
【0089】
サーバ10は、ユーザの氏名、住所、連絡先、支払い方法などのコンテンツの利用に必要な手配情報をサイト40へ送信することにより、ユーザの選択したコンテンツを手配する(S503)。サーバ10は、サイトからの応答(予約完了報告、注文受付報告など)を受信する(S504)。サーバ10は、ユーザにより選択された全てのコンテンツを手配したか判定する(S505)。未手配のコンテンツがある場合(S505:NO)、サーバ10はステップS502へ戻る。
【0090】
サーバ10は、全てのコンテンツを手配すると(S505:YES)、レコメンドメニューに記載されてコンテンツのうちユーザにより選択されたコンテンツの手配結果をユーザ側機器20へ送信する(S506)。コンテンツの手配結果には、例えば、予約完了の報告、予約日時、内容、金額などが含まれる。そして、サーバ10は、手配の完了したコンテンツの予約日時をユーザのスケジュールに登録させる(S507)。
【0091】
図14は、ユーザ側機器20に表示される画面例である。
図14の上側に示す画面G1は、ユーザ側機器20からサーバ10へヘルス情報を送信する際に表示されるヘルス情報送信画面である。本実施例では、ユーザの承諾を得てからヘルス情報をサーバ10へ送信しているが、ユーザの承諾を得ずに定期的にまたは不定期にヘルス情報をサーバ10へ送信してもよい。
【0092】
図14の中央に示す画面G2は、
図12のステップS403でサーバ10からユーザ側機器20へ送信される情報の表示画面である。このレコメンドメニュー画面G2には、ユーザの現在の状態と、最適レコメンドメニューとが含まれる。さらに、最適レコメンドメニューに含まれるコンテンツには、予測結果G3を表示させるボタンが設けられる。ボタンを廃止し、ポインタを所定位置へ置くだけで予測結果G3を表示させてもよい。予測結果G3には、ユーザが最適レコメンドメニューに従った場合と従わなかった場合の、ユーザの健康状態の予測が表示される。
【0093】
なお、同一時間帯に、同一または異なるジャンルに属する複数のコンテンツが最適レコメンドメニューに記載されてもよい。その場合、ユーザはいずれか一つのコンテンツを選択することができる。
【0094】
ユーザにより選択されたコンテンツは、サーバ10からコンテンツ提供サーバ40(コンテンツの予約サイトなど)に対して、代理で手配される。サーバ10による手配の結果は、ユーザ側機器20に送信されて表示される。ユーザは、コンテンツを選択した後、基本的に何もせずにコンテンツの利用を手配することができる。ただし、念のために、コンテンツの利用を手配する前に、ユーザの最終意思を確認してもよい。この場合でも、ユーザは、コンテンツの提供場所や混雑具合を確認しながら種々のサイトをあれこれ探し回る必要がなく、コンテンツの選択からコンテンツの利用手配までを滑らかに進めさせることができ、ユーザの使い勝手が向上する。
【0095】
このように構成される本実施例によれば、ユーザの健康状態に基づいてユーザの行動を促すコンテンツをレコメンドすることができると共に、ユーザにより選択されたコンテンツを利用するための手配を自動的に実行できるため、ユーザの利便性が向上する。