(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023028915
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】野菜生産システム及び野菜生産方法
(51)【国際特許分類】
A01D 46/30 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
A01D46/30
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134897
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 武
【テーマコード(参考)】
2B075
【Fターム(参考)】
2B075JF05
2B075JF07
(57)【要約】
【課題】収穫を正常且つ安定して行うことが可能な野菜生産システム及び野菜生産方法を提供する。
【解決手段】野菜生産システム1は、葉部3bを有する野菜3を、葉部3bが上方に位置するように保持する保持具5と、保持具5を移動可能に支持する移載装置11のハンド35と、ハンド35により支持された保持具5を下方から撮像するカメラ12と、を有し、ハンド35は、保持具5を保持して所定の撮像位置10に移動させ、カメラ12は、撮像位置10の下方に配置されており、撮像位置10においてハンド35により支持された保持具5を下方から撮像する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
葉部を有する野菜を、前記葉部が上方に位置するように保持する保持具と、
前記保持具を移動可能に支持する支持具と、
前記支持具により支持された前記保持具を下方から撮像する撮像装置と、
を有する、野菜生産システム。
【請求項2】
前記支持具は、
前記保持具を保持して所定の撮像位置に移動させ、
前記撮像装置は、
前記撮像位置の下方に配置されており、前記撮像位置において前記支持具により支持された前記保持具を前記下方から撮像する、
請求項1に記載の野菜生産システム。
【請求項3】
前記保持具を所定の期間をかけて移動させて前記野菜を生育させる栽培棚と、
前記保持具を、前記栽培棚において移載する移載装置と、
をさらに有し、
前記支持具は、
前記移載装置のハンドである、
請求項2に記載の野菜生産システム。
【請求項4】
前記移載装置は、
前記保持具を、前記栽培棚から前記葉部を収穫する収穫工程へと移載し、
前記ハンドは、
前記保持具を前記栽培棚から前記収穫工程へ移載する途中で前記撮像位置に移動させる、
請求項3に記載の野菜生産システム。
【請求項5】
前記撮像装置は、
前記栽培棚又は前記移載装置に設置されている、
請求項3又は4に記載の野菜生産システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、
前記保持具、及び、前記葉部を撮像画像に含むように撮像する、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の野菜生産システム。
【請求項7】
前記撮像装置により撮像された画像の全体の面積に対する前記葉部の色面積が占める割合と、所定のしきい値と、を比較することにより、前記野菜の姿勢が正常であるか異常であるかを判定する姿勢判定部をさらに有する、
請求項6に記載の野菜生産システム。
【請求項8】
前記保持具を所定の期間をかけて移動させて前記野菜を生育させる栽培棚と、
前記保持具を、前記栽培棚から前記葉部を収穫する収穫工程へと移載する移載装置と、
前記姿勢判定部により、前記野菜の姿勢が正常であると判定された場合には、前記保持具を前記栽培棚から収穫工程に移載するように前記移載装置を制御し、前記野菜の姿勢が異常であると判定された場合には、前記保持具を前記栽培棚から廃棄工程に移載するように前記移載装置を制御する制御部と、
をさらに有する、
請求項7に記載の野菜生産システム。
【請求項9】
前記姿勢判定部により、前記野菜の姿勢が正常であると判定された回数、及び、前記野菜の姿勢が異常であると判定された回数、の少なくとも一方をカウントし、歩留まりを算出する歩留まり算出部、
をさらに有する、
請求項7又は8に記載の野菜生産システム。
【請求項10】
葉部を有する野菜を前記葉部が上方に位置するように保持する保持具を移動可能に支持することと、
支持された前記保持具を下方から撮像することと、
を有する、野菜生産方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、野菜生産システム及び野菜生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、植物が生育される苗床片を苗床片の上面側に収穫物となる部分を位置させて保持する定植パネルが、搬送経路における切断刃の設けられた切断位置を上流側から下流側に通過するときに、苗床片で生育した植物において収穫物となる部分と根との間が切断刃により切断される根切り収穫機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
植物の自動生産システムでは、例えば収穫物となる部分が過度に成長していたり、直立せずに倒れている等の理由により、収穫に適した姿勢でない場合がある。上記従来技術では、そのような場合に収穫を正常に行えない可能性があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、収穫を正常且つ安定して行うことが可能な野菜生産システム及び野菜生産方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、葉部を有する野菜を、前記葉部が上方に位置するように保持する保持具と、前記保持具を移動可能に支持する支持具と、前記支持具により支持された前記保持具を下方から撮像する撮像装置と、を有する、野菜生産システムが適用される。
【0007】
また、本発明の別の観点によれば、葉部を有する野菜を前記葉部が上方に位置するように保持する保持具を移動可能に支持することと、支持された前記保持具を下方から撮像することと、を有する、野菜生産方法が適用される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の野菜生産システム等によれば、収穫を正常且つ安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】野菜生産システムの上方から見た全体構成の一例を概念的に表すシステム構成図である。
【
図2】野菜生産システムの側方から見た全体構成の一例を概念的に表すシステム構成図である。
【
図3】栽培棚の全体構成の一例を表す斜視図である。
【
図4】栽培棚の各棚部におけるレールの配置の一例を表す説明図である。
【
図5】栽培棚の各棚部における光源の配置の一例を表す説明図である。
【
図6】保持具及びレールの断面構成の一例を表す断面図である。
【
図7】移載装置、受け渡し機構、及び廃棄ボックスの構成の一例を表す斜視図である。
【
図8】移載装置を制御する第1コントローラの機能構成の一例を表すブロック図である。
【
図9】野菜の姿勢が正常である場合のカメラによる保持具の撮像画像の一例を表す説明図である。
【
図10】野菜の姿勢が異常である場合のカメラによる保持具の撮像画像の一例を表す説明図である。
【
図11】姿勢判定結果に基づく移載装置の動作の一例を表す説明図である。
【
図12】第1コントローラが実行する姿勢判定処理に関わる処理手順の一例を表すフローチャートである。
【
図13】収穫ロボットの構成の一例を表す側面図である。
【
図14】野菜の姿勢判定を保持具の移載タイミングで実行する変形例において、野菜生産システムの側方から見た全体構成の一例を概念的に表すシステム構成図である。
【
図15】カメラを移載装置に設置した変形例における、移載装置の構成の一例を表す斜視図である。
【
図16】第1コントローラのハードウェア構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、野菜生産システムの各構成の説明の便宜上、各図中に示す上下左右前後等の方向を適宜使用する場合があるが、各構成の向きや位置を限定するものではない。
【0011】
<1.野菜生産システムの全体構成>
図1及び
図2を参照しつつ、本実施形態に係る野菜生産システムの全体構成の一例について説明する。なお、
図1及び
図2では、各部の詳細な構造については図示を省略し、システム全体の構成を模式的に示している。
【0012】
図1及び
図2に示すように、野菜生産システム1は、栽培対象である野菜3を保持具5で保持し、当該保持具5を栽培棚7において所定の期間をかけて移動させることにより野菜3を生育させ、野菜3のうちの収穫対象部分(例えば葉部3b)を収穫するシステムである。野菜生産システム1は、多数の保持具5と、栽培棚7と、搬入装置9と、移載装置11と、カメラ12と、受け渡し機構13と、廃棄ボックス14と、収穫ロボット15と、容器コンベア17と、搬出装置19とを有する。
【0013】
図1に示すように、野菜生産システム1は、左右方向に並列して配置された2つの栽培棚7を有する。栽培棚7では、野菜3を保持した保持具5が所定の期間をかけて移動されることにより、野菜3が生育される。なお、野菜生産システム1が有する栽培棚7の数は2つに限るものではなく、1つでもよいし、3つ以上としてもよい。
【0014】
図2に示すように、搬入装置9は、例えば種子が播種されて発芽した状態の野菜3を保持する保持具5を、野菜生産システム1に搬入する。搬入装置9は例えばコンベアである。搬入装置9により搬入された保持具5は、2つの栽培棚7の後方に配置された移載装置11により、各栽培棚7にそれぞれ移載される。なお、搬入装置9として、例えば無人搬送車(AGV)を使用してもよいし、例えば作業者が台車等を用いて搬入してもよい。
【0015】
移載装置11は、2つの栽培棚7の各々に対して、前方と後方の両側にそれぞれ配置されている。各移載装置11は、栽培棚7の前後の両端部において、棚部から棚部へと保持具5を移載する。また、栽培棚7の後方に配置された移載装置11は、上述したように搬入装置9により搬送された保持具5を栽培棚7に移載する。栽培棚7の前方に配置された移載装置11は、栽培棚7において生育した野菜3を保持する保持具5を、カメラ12による撮像位置10に移動させる。移載装置11は、撮像された画像の判定結果に応じて、保持具5を受け渡し機構13又は廃棄ボックス14のいずれかに移載する。移載装置11は、例えば野菜3の姿勢が良好であると判定された場合には保持具5を受け渡し機構13に移載し、野菜3の姿勢が良好でないと判定された場合には保持具5を廃棄ボックス14に移載する。移載装置11の動作は、第1コントローラ16(後述の
図8参照)により制御される。
【0016】
カメラ12(撮像装置の一例)は、撮像位置10において移載装置11のハンド35(支持具の一例。後述の
図7参照)により支持された保持具5を下方から撮像する。カメラ12は、例えば栽培棚7の脚部7bに設置されて、撮像位置10の下方に配置される。カメラ12の位置は撮像位置10の下方であれば、斜め下でもよいし真下でもよい。真下でなく斜め下に配置することで、カメラ12が保持具5から垂れる水滴等により汚れることを防止できる。なお、カメラ12は、
図1に示すように例えば受け渡し機構13と廃棄ボックス14との間に配置されてもよいし、その他の位置に配置されてもよい。
【0017】
廃棄ボックス14は、姿勢が良好でない野菜3が保持具5と共に廃棄される容器である。廃棄ボックス14は、例えば各栽培棚7の最下段の棚部7aの下方において、受け渡し機構13の外側に配置されている。なお、廃棄ボックス14はその他の位置に配置されてもよい。廃棄ボックス14は、例えば車輪(図示省略)を備える等により移動可能に構成されてもよいし、作業者が台車等を用いて移動させてもよい。
【0018】
図1に示すように、受け渡し機構13は、2つの栽培棚7に亘るように左右方向に沿って配設されている。
図2に示すように、受け渡し機構13は、例えば各栽培棚7の最下段の棚部7aの下方に配置されている。受け渡し機構13は、2つの栽培棚7の各々から移載された保持具5を、収穫ロボット15の後側の収穫位置に搬送する。また、受け渡し機構13はカッタ53(後述の
図7、
図13参照)を有しており、野菜3の葉部3bが保持具5から分離されるように切断する。
【0019】
図1に示すように、収穫ロボット15は、野菜3の葉部3bを保持するハンド20を備えており、当該ハンド20により収穫対象である葉部3bを保持し、容器21に収容する。収穫ロボット15は、複数の葉部3bを容器21に詰めるように収容する。容器21は、例えば番重やコンテナ等である。収穫ロボット15の動作は、第2コントローラ97(後述の
図13参照)により制御される。
【0020】
図1に示すように、容器コンベア17は、搬出装置19から空の容器21を受け取り、受け取り位置から左向きに搬送して収穫ロボット15の前側の詰め込み位置に停止させる。容器コンベア17は、詰め込み位置において収穫ロボット15により野菜3の葉部3bを収容された容器21を、さらに左向きに搬送して取り出し位置に停止させる。
【0021】
搬出装置19は、空の容器21を容器コンベア17の受け取り位置に供給すると共に、野菜3の葉部3bを収容した容器21を容器コンベア17の取り出し位置から取り出し、野菜生産システム1から搬出する。搬出装置19は、予め設定されたコースを走行して容器21を搬送する無人搬送車(AGV)である。なお、搬出装置19として、例えばコンベアを使用してもよいし、例えば作業者が台車等を用いて搬出してもよい。
【0022】
<2.栽培棚>
図2乃至
図5を参照しつつ、栽培棚7の構成の一例について説明する。
【0023】
図2乃至
図5に示すように、栽培棚7には、複数段(例えば8段)の棚部7aが上下方向に多段に積層されて配置されている。各棚部7aには、複数のレール23が前後方向に沿って略水平に延設されている。複数のレール23は、各棚部7aにおいて左右方向に並設されており、各レール23は略平行に配置されている。
【0024】
レール23は、複数の保持具5を長手方向に沿って移動可能に支持する。レール23は、保持具5が前後方向における一方側から供給されることで、他の支持された複数の保持具5が前後方向における他方側に向けて押し出されてスライド移動するように構成される。
【0025】
栽培棚7における棚部7aの段数は特に限定されるものではないが、本実施形態では例えば8段である場合を一例として説明する。
図3及び
図4に示すように、説明の便宜上、栽培棚7の棚部7aの段について適宜、最下段の1段をA段、最上段の1段をB段、上から2段目~7段目をまとめてC段という。A段は1つの棚部7aを有し、B段は1つの棚部7aを有し、C段は6つの棚部7aを有する。
図4に示す例では、A段の棚部7aには比較的多数(例えば8つ)のレール23が設置されている。B段の棚部7aには、A段よりも少ない数(例えば6つ)のレール23が設置されている。C段の棚部7aのそれぞれには、B段よりもさらに少ない数(例えば4つ)のレール23が設置されている。
【0026】
図5に示すように、栽培棚7の棚部7aの上方には、野菜3の葉部3b(後述の
図6参照)に光を当てるための複数の光源25が設置されている。各光源25は、各棚部7aの上方にそれぞれ設けられた支持板27の下面に、左右方向に沿って延在するように設置されている。各光源25は、前後方向に沿って所定の間隔で配置されている。光源25の種類は特に限定されるものではないが、野菜3の光合成を促進するため、例えばLEDや蛍光灯等が使用される。
【0027】
図2及び
図4に、栽培棚7の各棚部7aにおける野菜3(保持具5を含む)の移動方向の一例を示す。なお、
図4における記号SY1は、前後方向における前側から後側への野菜3の移動方向を示し、記号SY2は、反対に後側から前側への野菜3の移動方向を示している。
図2及び
図4に示すように、A段では、各レール23において野菜3が後側から前側へ向けて移動される。B段では、各レール23において野菜3が前側から後側へ向けて移動される。C段では、各段とも、各レール23において野菜3が後側から前側へ向けて移動される。
【0028】
栽培棚7の前側に位置する移載装置11は、A段からB段への野菜3(保持具5を含む)の移載と、C段から撮像位置10を介して受け渡し機構13又は廃棄ボックス14への野菜3の移載を行う。移載装置11は、野菜3の上下方向の移載と併せて、左右方向の振り分けも行う。また、栽培棚7の後側に位置する移載装置11は、搬入装置9からA段への野菜3の移載と、B段からC段への野菜3の移載を行う。移載装置11は、野菜3の上下方向の移載と併せて、左右方向の振り分けも行う。
【0029】
以上の移動経路において、A段→B段→C段の順で移載されるに従って、左右方向におけるレール間隔が次第に広くなる。これにより、野菜3全体の大きさが保持具5よりも小さい育苗段階ではレール間隔が最も狭いA段で密集して栽培し、その後にレール間隔が段階的に広くなるようにB段→C段の順で移動させることができる。これにより、各野菜3が次第に大きく生育する段階に応じてレール間隔を広くできる。その結果、栽培棚7全体の設置面積を野菜3の栽培に効率的に利用できる。
【0030】
<3.保持具、レール>
図6を参照しつつ、保持具5及びレール23の構成の一例について説明する。
【0031】
図6に示すように、保持具5は、葉部3bを有する野菜3を、葉部3bが上方に位置するように保持する。保持具5は、野菜生産システム1の栽培対象である野菜3を1株ごとに保持する。つまり、保持具5と野菜3の株は1対1の関係である。なお、ここでいう「1株」とは、単一の種子から生育される1つの個体をいう。例えば
図7に示す野菜3のように、複数(単一でもよい)の葉部3bが1本の茎部3aによって支持されることで1つの個体としてまとまっているものは1株である。また、例えば茎部3aが分岐等により複数ある場合でも、その根部3cがつながることで1つの個体としてまとまっているものは1株である。
【0032】
保持具5は、左右方向、前後方向の各方向においてそれぞれ対称な形状を有する。したがって、保持具5は長手方向である前後方向(つまり移動方向)において正逆両方向で使用できる方向互換性を有する。保持具5は、摺動性の高い材料(例えば樹脂。金属等でもよい)で一体成形されており、保持具5を支持するレール23に対してスライド可能に構成されている。
【0033】
保持具5は、本体部57、保持筒部59、穴部61、及びガイド板部63を有する。本体部57は、上方からの平面視において前後方向を長手方向とした略矩形形状に形成されている。本体部57のうち左右方向両側の縁部は、移載装置11のハンド35により把持された際に支持される支持部65として機能する。
図6に示す例では、支持部65は、前後方向から見て等脚台形状に形成されているが、三角形や円形等、他の形状としてもよい。
【0034】
保持筒部59は、本体部57の前後方向及び左右方向の中心位置に形成されており、上下方向に貫通した穴部61を有する。保持筒部59の上端開口部は、本体部57の上面から突出せずに略面一の状態で形成され、下端開口部は本体部57の下面から下方に突出して形成されている。保持筒部59は、例えば穴部61が丸穴である円筒形状に形成されている。なお、穴部61を四角形等の多角形状に形成してもよいし、保持筒部59を多角筒形状としてもよい。
【0035】
ガイド板部63は、本体部57の上面から上方に突出して前後方向に延設された一対の平板形状部であり、保持筒部59の上端開口部を挟んだ左右方向の2箇所に並設されている。本体部57は下方側が開口して中抜きされた中空構造で形成されており、保持具5の重量が軽量化されている。
【0036】
なお、以上説明した保持具5の構成は一例であり、上記以外の構成としてもよい。例えば、上記では保持具5を一体成形としたが、複数の部品で構成されてもよい。
【0037】
図6に示すように、レール23は、レール部67と、水槽部69とを有しており、摺動性の高い材料(例えば樹脂。金属等でもよい)で一体成形されている。レール部67は、左右方向に所定の幅を有し前後方向に延設された左右一対の上レール板67aと、上レール板67aの下方位置で左右方向に所定の幅を有し前後方向に延設された左右一対の下レール板67bとを有する。上レール板67aの対向する側の縁部には、下方に突出する上レール突起部67cが形成されている。上レール突起部67cと下レール板67bとの間の空間に、保持具5の本体部57が収容される。一対の上レール板67aの間の上レール溝67dには、保持具5における一対のガイド板部63が収容される。
【0038】
水槽部69は、前後方向に延設された一対の側壁部69aと、一対の側壁部69aの下端に亘るように前後方向に延設された底壁部69bとを有する。水槽部69は、全体が上方を開放した断面略U字状の長尺の水槽であり、内部に培養液71が貯留される。培養液71は、例えばポンプ等の適宜の流動手段(図示省略)により前後方向に流動(循環)される。なお、培養液71を流動させずに滞留した状態としてもよい。
【0039】
レール23に挿入された保持具5は、レール部67の内側の空間73に収容される。保持具5は、本体部57の下面が左右の下レール板67bの上面にスライド可能に接触するとともに、本体部57の上面が左右の上レール突起部67cに当接する。このようにして、レール23が保持具5を上下から挟み込むことで、保持具5の傾きや倒れを防止する。保持具5の本体部57の下面である保持具支持面75は、本体部57の下面が開口しているため、下レール板67bの上面であるレール支持面77との接触面積が減少され、レール23との摺動性を向上できる。以上の構成により、保持具5は、培養液71が循環する水路を有する栽培棚7に移動可能な状態で支持(載置)される。
【0040】
保持具5の保持筒部59の穴部61には培地79が充填され、培地79に播種された種から生育した野菜3の茎部3aを保持する。野菜3は、穴部61の下端開口部を介して根部3cを水槽部69内の培養液71に浸しつつ、穴部61の上端開口部を介して葉部3bをレール23の上方に膨出させて成長する。培地79としては、例えば寒天等のゲル状培地を使用してもよいし、スポンジ、ウレタン、ロックウール等の固形培地を使用してもよい。野菜3の生育が進むと、最終的に茎部3aの径が穴部61の内径と略一致するまで太くなり、ほとんどの培地79が抜け落ち、保持筒部59が野菜3を直接支持する状態となる。
【0041】
野菜生産システム1では、スペーサ(図示省略)が複数の保持具5の間に挿入されることで、保持具5の前後方向の間隔が調整される。スペーサとして、上記保持具5と共通の部品、すなわち穴部61に培地79を充填しない空の状態の保持具5が使用されてもよい。なお、レール23上で移動可能な構成であれば、例えば保持筒部59を備えない形状(穴部61が埋められた形状)などのように、保持具5と異なる形状に成形されたスペーサでもよい。レール23では、複数の保持具5と共に複数のスペーサも前後方向に沿って整列し、それら全体が移動可能に支持される。レール23の前後方向における一方側からスペーサが供給されるごとに、すでに支持されている保持具5及びスペーサの全体が他方側に向けて移動する。保持具5間のスペーサの数を調整することで、野菜3が次第に大きく生育する段階に応じて保持具5同士の前後方向の間隔を調整できる。なお、光が培養液71に照射されると藻の発生を促すことになるため、スペーサは穴部を備えない形状のものが好ましい。
【0042】
なお、以上説明したレール23の構成は一例であり、上記以外の構成としてもよい。例えば、上記ではレール23を一体成形としたが、複数の部品で構成されてもよい。
【0043】
<4.移載装置、受け渡し機構>
図7を参照しつつ、移載装置11及び受け渡し機構13の構成の一例について説明する。なお、
図7では一例として左側の栽培棚7の前側に配置される移載装置11を示しているが、他の移載装置11についても同様の構成である。また、
図7では一例として受け渡し機構13のうち左側の栽培棚7の下側に配置される部分を示しているが、受け渡し機構13のうち右側の栽培棚7の下側に配置される部分についても同様の構成である。
図7において、X軸正の方向が右、X軸負の方向が左、Y軸正の方向が後、Y軸負の方向が前、Z軸正の方向が上、Z軸負の方向が下に対応する。
【0044】
図7に示すように、移載装置11は、基台29と、基台29上に設置された門型の支持枠31と、支持枠31に設けられたアクチュエータ33と、ハンド35とを有する。
【0045】
支持枠31は、基台29上にX軸方向に対向するようにZ軸方向に沿って設置された一対の支柱31aと、一対の支柱31aの上端にX軸方向に沿って架け渡された略水平な梁31bとを有する。
【0046】
アクチュエータ33は、X軸ユニット37、Z軸ユニット39、及びY軸ユニット41を有する。X軸ユニット37は、ビーム37aと、スライダ37bと、X軸モータ37cとを有する。ビーム37aは、一対の支柱31a間にX軸方向に略水平に架設される。スライダ37bは、ビーム37aにX軸方向に沿って移動自在に支持される。X軸モータ37cは、例えばビーム37aの左端に取り付けられ、スライダ37bをX軸方向に駆動する。
【0047】
Z軸ユニット39は、ビーム39aと、スライダ39bと、Z軸モータ39cとを有する。ビーム39aは、上端が梁31bにX軸方向に移動自在に支持されるとともに、スライダ37bに固定される。スライダ39bは、ビーム39aにZ軸方向に沿って移動自在に支持される。Z軸モータ39cは、例えばビーム39aの下端に取り付けられ、スライダ39bをZ軸方向に駆動する。
【0048】
Y軸ユニット41は、ビーム41aと、スライダ41bと、Y軸モータ41cとを有する。スライダ41bは、スライダ39bに固定される。ビーム41aは、スライダ41bによりY軸方向に移動自在に支持される。Y軸モータ41cは、例えばビーム41aの前端に取り付けられ、ビーム41aをY軸方向に駆動する。
【0049】
アクチュエータ33では、X軸モータ37cによりスライダ37bがX軸方向に駆動すると、ビーム39aがX軸方向に移動し、これに伴ってビーム41aがX軸方向に移動する。Z軸モータ39cによりスライダ39bがZ軸方向に駆動すると、これに伴ってビーム41aがZ軸方向に移動する。Y軸モータ41cによりスライダ41bとビーム41aとがY軸方向に相対的に駆動すると、これに伴ってビーム41aがY軸方向に移動する。このようにして、アクチュエータ33は、ビーム41aをX軸、Y軸、Z軸の3軸方向に移動させる。
【0050】
ハンド35は、アクチュエータ33のビーム41aの後側の先端に取り付けられており、保持具5を把持する。アクチュエータ33は、ビーム41aを3軸方向に移動させることにより、ハンド35を前後方向(レール23の長手方向)、左右方向(レール23の並設方向)、及び、上下方向(棚部7aの積み重ね方向。高さ方向)の3方向に沿って移動させる。
【0051】
移載装置11は、例えばレール23の端部に位置する保持具5を抜き出す場合には、ハンド35で保持具5を両側から挟んで把持し、抜き出す。移載装置11は、例えばレール23の端部へ保持具5を挿入する場合には、ハンド35で把持した保持具5を挿入先のレール23の端部に移動させ、レール23に挿入する。ハンド35は、保持具5を把持したままY軸方向(前後方向)に1ピッチ分(保持具5の前後方向の長さ分)だけ押し込む。これにより、挿入した保持具5とレール23上に支持されている複数の保持具5を1ピッチ分スライドさせることができる。このようにして、移載装置11は、保持具5の挿入先のレール23上に支持されている複数の保持具5の列全体を搬送方向に移動させる。挿入した後に、ハンド35が開いて保持具5の把持を解除する。
【0052】
前述のように、移載装置11は、生育した野菜3を保持した保持具5を、C段のレール23から抜き出して撮像位置10に移動させる。撮像位置10の下方にはカメラ12が配置されている。なお、
図7ではカメラ12が設置される栽培棚7の脚部7bの図示を省略している。カメラ12は、撮像位置10において移載装置11のハンド35により支持された保持具5を下方から撮像する。第1コントローラ16は、カメラ12により撮像された画像に基づいて、生育した野菜3の姿勢が正常であるか異常であるかを判定する。移載装置11は、野菜3の姿勢が正常であると判定された場合には保持具5を受け渡し機構13の運搬装置49に移載し、野菜3の姿勢が異常であると判定された場合には保持具5を廃棄ボックス14に廃棄する。
【0053】
受け渡し機構13は、移載された保持具5を保持して左右方向に移動し、収穫ロボット15に受け渡す。
図7に示すように、受け渡し機構13は、複数の支柱43と、ビーム45と、モータ47と、運搬装置49とを有する。
【0054】
ビーム45は、複数の支柱43(
図7では1つのみ図示)により、2つの栽培棚7に亘るように左右方向に沿って延設されている。モータ47は、例えばビーム45の端部に取り付けられており、運搬装置49をX軸方向(左右方向)に往復移動させる。
【0055】
運搬装置49は、保持具5を保持するための保持部51と、カッタ53と、カッタ駆動装置55とを有する。保持部51は、保持具5を収容して保持可能に構成されており、生育した野菜3を保持した保持具5が移載装置11により前側から挿入される。カッタ53(切断具の一例)は、Y軸方向(前後方向)に駆動して、野菜3の葉部3bが保持具5から分離されるように野菜3の茎部3aを切断する。カッタ駆動装置55は、カッタ53をY軸方向(前後方向)に進退するように駆動させる。カッタ駆動装置55は、例えばエアシリンダである。なお、カッタ駆動装置55として、例えばソレノイドやリニアモータ等を使用してもよい。また、カッタ53とカッタ駆動装置55を運搬装置49に搭載せず、収穫位置に設置し、外部から運搬装置49にアクセスする構成としてもよい。例えば、カッタ53とカッタ駆動装置55を分離装置(図示省略)に設置してもよい。分離装置は、保持具5から茎部3aや根部3cを分離させる装置であり、収穫位置に停止された運搬装置49と連通するように設置されている。この場合、運搬装置49が分離装置正面に移動後、分離装置側からカッタ53が飛び出る構成としてもよい。
【0056】
運搬装置49は、2つの栽培棚7の各々に対し、少なくとも1台ずつ設置されている。これにより、2つの栽培棚7から例えば交互に収穫ロボット15に野菜3を搬送することが可能となり、収穫効率を向上できる。なお、運搬装置49を各栽培棚7に対して複数台ずつ設置してもよい。この場合、ビーム45を例えば上下方向又は前後方向に複数本並設してもよい。
【0057】
<5.姿勢判定処理>
図8乃至
図12を参照しつつ、第1コントローラ16による姿勢判定処理について説明する。
【0058】
図8に、第1コントローラ16の機能構成の一例を示す。
図8に示すように、第1コントローラ16は、制御部18と、モーション制御部32と、サーボアンプ22とを有する。制御部18は、例えば演算装置(CPU)、記録装置、入力装置等を有するコンピュータであり、機能構成として、姿勢判定部24と、動作制御部26と、歩留まり算出部28とを有する。
【0059】
前述のように、カメラ12は、撮像位置10において移載装置11のハンド35により支持された保持具5を下方から撮像する。撮像された画像は、カメラ12から第1コントローラ16に送信される。姿勢判定部24は、カメラ12により撮像された画像に基づいて、生育した野菜3の姿勢が正常であるか異常であるかを判定する。具体的には、姿勢判定部24は、撮像された画像の全体の面積に対する葉部3bの色面積が占める割合と、予め設定された当該割合に関するしきい値とを比較することにより、野菜3の姿勢が正常であるか異常であるかを判定する。
【0060】
生育した野菜3は、葉部3bが過度に成長していたり、保持具5から直立せずに横向きに倒れている等の理由により、収穫に適した姿勢でない場合がある。その場合、例えば保持具5を受け渡し機構13の運搬装置49に移載する場合に、姿勢を崩した野菜3が装置に干渉する等により、収穫を正常に行えない可能性がある。また、姿勢を崩した野菜3の葉部3bが培養液71が付着した根部3cやカッタ53の刃に触れて、収穫対象である葉部3bに培養液71が付着し、汚損する等のリスクも考えられる。
【0061】
本実施形態では、保持具5を下方から撮像することにより、野菜3が収穫に適した姿勢の場合には、葉部3bが保持具5の上方に位置するため、撮像された画像において葉部3bの領域が小さくなる(保持具5の領域が大きくなる)。一方、野菜3が収穫に適した姿勢でない場合には、葉部3bが保持具5の下方に回り込む等により、葉部3bの領域が増加する。したがって、姿勢判定部24が野菜3の姿勢の良否を簡易且つ正確に判定することが可能となる。
【0062】
図9及び
図10に、カメラ12による撮像画像30の一例を示す。
図9は、野菜3の姿勢が正常である場合の撮像画像の例であり、
図10は、野菜3の姿勢が異常である場合の撮像画像の例である。なお、
図9及び
図10では保持具5を把持するハンド35の図示を省略している。
【0063】
図9及び
図10に示すように、カメラ12は、保持具5及び野菜3の葉部3bを撮像画像30に含むように撮像する。
図9及び
図10における撮像画像30は、カメラ12により撮像される範囲を示す。
図9に示すように、野菜3の姿勢が正常である場合には、撮像画像30における保持具5(根部3cを含む)の領域が比較的大きくなることから、撮像画像30の全体の面積に対する葉部3bの緑色の色面積が占める割合が小さくなる。一方、
図10に示すように、野菜3の姿勢が異常である場合には、葉部3bが保持具5の下方に回り込む等により、撮像画像30の全体の面積に対する葉部3bの緑色の色面積が占める割合が大きくなる。姿勢判定部24は、撮像画像30の全体の面積に対する緑色の面積が占める割合が、所定のしきい値より小さい場合には野菜3の姿勢が正常であると判定し、所定のしきい値以上である場合には野菜3の姿勢が異常であると判定する。所定のしきい値は、保持具5を把持するハンド35や野菜3の根部3cの領域等を考慮して設定される(例えば50%等)。姿勢判定部24が葉部3bの緑色の色面積で判定することで、保持具5やハンド35の色が緑色でなければそれらの色の種類に左右されることなく姿勢を判定できる。
【0064】
なお、例えば保持具5やハンド35の色が白色である場合には、根部3cも白色であることから、姿勢判定部24は白色の色面積で判定してもよい。また、例えば保持具5の形状を記憶しておき、撮像画像30から保持具5の形状を認識できない場合に野菜3の姿勢が異常であると判定する等、色面積以外の判定手法を用いてもよい。
【0065】
動作制御部26(制御部の一例)は、姿勢判定部24による判定結果に基づいて移載装置11の動作を制御する。
図11に、姿勢判定結果に基づく移載装置11の動作の一例を示す。
図11に示すように、動作制御部26は、姿勢判定部24により野菜3の姿勢が正常であると判定された場合には、ハンド35で把持した保持具5を撮像位置10から受け渡し機構13の運搬装置49(収穫工程の一例)に移載するように、移載装置11を制御する。また動作制御部26は、姿勢判定部24により野菜3の姿勢が異常であると判定された場合には、ハンド35で把持した保持具5を撮像位置10から廃棄ボックス14(廃棄工程の一例)に移載するように、移載装置11を制御する。
【0066】
歩留まり算出部28は、姿勢判定部24により、野菜3の姿勢が正常であると判定された回数、及び、野菜3の姿勢が異常であると判定された回数、の少なくとも一方をカウントし、歩留まりを算出する。
【0067】
モーション制御部32は、動作制御部26から入力された位置指令に基づいて、移載装置11のハンド35の手先位置を当該位置指令が指示する位置に移動させるために必要となる移載装置11のアクチュエータ33の各モータ37c,39c,41cの目標回転角度等を演算し、対応するモータ位置指令を出力する。
【0068】
サーボアンプ22は、モーション制御部32から入力されたモータ位置指令に基づいて、移載装置11のアクチュエータ33の各モータ37c,39c,41cに供給する駆動電力の制御を行い、移載装置11の動作を制御する。また、サーボアンプ22は、ハンド35を駆動するアクチュエータ(例えばエアシリンダ、モータ等)を制御し、ハンド35の動作も制御する。
【0069】
第1コントローラ16は、移載装置11と一体に配置されてもよいし、分離して配置されてもよい。第1コントローラ16は、制御部18と給電部(サーボアンプ22等)とが分離されてもよい。この場合、給電部が移載装置11に取り付けられてもよい。また、第1コントローラ16は、制御部18に加えて又は代えて、例えばモーションコントローラやプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等を備えてもよい。
【0070】
なお、上述した姿勢判定部24、動作制御部26、歩留まり算出部28等における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、第1コントローラ16の各処理部は、アクチュエータ等に駆動電力を給電する部分(サーボアンプ22等)のみ実際の装置により実装され、その他の機能は後述するCPU901(
図16参照)が実行するプログラムにより実装されてもよいし、その一部又は全部がASICやFPGA、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0071】
図12に、第1コントローラ16が実行する姿勢判定処理に関わる処理手順の一例を示す。
【0072】
図12に示すように、ステップS10では、第1コントローラ16は、動作制御部26により、ハンド35で栽培棚7のC段のレール23の前方側の端部から保持具5を取り出すように、移載装置11を制御する。
【0073】
ステップS20では、第1コントローラ16は、動作制御部26により、ハンド35で把持した保持具5を栽培棚7から受け渡し機構13に移載する途中で撮像位置10に移動するように、移載装置11を制御する。
【0074】
ステップS30では、第1コントローラ16は、カメラ12により、撮像位置10においてハンド35により支持された保持具5を下方から撮像し、画像を取得する。
【0075】
ステップS40では、第1コントローラ16は、姿勢判定部24により、上記ステップS30で取得した撮像画像に基づいて、野菜3の姿勢が正常であるか異常であるかを判定する。正常であると判定した場合には、ステップS50に進む。異常であると判定した場合には、ステップS60に進む。
【0076】
ステップS50では、第1コントローラ16は、動作制御部26により、ハンド35で把持した保持具5を収穫工程(受け渡し機構13の運搬装置49)に移動するように、移載装置11を制御する。
【0077】
ステップS60では、第1コントローラ16は、動作制御部26により、ハンド35で把持した保持具5を廃棄工程(廃棄ボックス14)に移動するように、移載装置11を制御する。
【0078】
ステップS70では、第1コントローラ16は、移載装置11による保持具5の移載が終了したか否かを判定する。保持具5の移載が終了していない場合には(ステップS70:NO)、ステップS10に戻り、上記と同様の手順を繰り返す。保持具5の移載が終了した場合には(ステップS70:YES)、本フローチャートを終了する。
【0079】
以上説明した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0080】
<6.収穫ロボット>
図13を参照しつつ、収穫ロボットの15の構成の一例について説明する。
【0081】
受け渡し機構13は、左右の栽培棚7のそれぞれに対応して設置された運搬装置49により、左右の栽培棚7のそれぞれから野菜3を収穫ロボット15の後側の収穫位置に搬送する。収穫位置で停止した運搬装置49は、カッタ53を駆動させ、葉部3bが保持具5から分離されるように野菜3の茎部3aを切断する。
【0082】
収穫ロボット15は、アーム81と、ハンド20とを有する。収穫ロボット15は、例えば6つの関節部を備えた垂直多関節型の6軸ロボットとして構成されている。収穫ロボット15は、アーム81の駆動によりハンド20を受け渡し機構13の運搬装置49に移動させて、野菜3の葉部3bを把持し、茎部3aが切断された後に容器21に搬送して開放することにより、葉部3bを容器21に収容する。
【0083】
収穫ロボット15は、6軸以外(例えば5軸や7軸等)の垂直多関節型のロボットとしてもよいし、例えば水平多関節型やパラレルリンク型等、垂直多関節型以外のロボットとしてもよい。また、汎用ロボットではなく、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸、並びに、θx,θy,θz方向(X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向)のうち少なくとも1方向に移動可能なアクチュエータにハンド20を取り付けた、収穫専用の自動機としてもよい。
【0084】
アーム81は、基台83と、旋回部85と、下腕部87と、上腕部89と、手首部91と、フランジ部93とを有する。基台83は、例えば床面Fに設置されている。なお、基台83は床面Fに固定された架台等に設置されてもよい。また、基台83を例えば無人搬送車(AGV)やレールに設置する等により、収穫ロボット15を移動可能な構成としてもよい。
【0085】
旋回部85は、基台83の上端部に、上下方向に略平行な回転軸Ax1まわりに旋回可能に連結されている。旋回部85は、基台83との間の関節部に設けられたアクチュエータAc1の駆動により、基台83の上端部に対し、回転軸Ax1まわりに旋回駆動される。
【0086】
下腕部87は、旋回部85の一方側の側部に、回転軸Ax1に略垂直な回転軸Ax2まわりに旋回可能に連結されている。下腕部87は、旋回部85との間の関節部に設けられたアクチュエータAc2の駆動により、旋回部85の一方側の側部に対し、回転軸Ax2まわりに旋回駆動される。
【0087】
上腕部89は、下腕部87の先端側に、回転軸Ax2に略平行な回転軸Ax3まわりに旋回可能且つ回転軸Ax3に略垂直な回転軸Ax4回りに回動可能に連結されている。上腕部89は、下腕部87との間の関節部に設けられたアクチュエータAc3の駆動により、下腕部87の先端側に対し、回転軸Ax3まわりに旋回駆動される。また上腕部89は、アクチュエータAc3との間に設けられたアクチュエータAc4の駆動により、下腕部87の先端側に対し、回転軸Ax4まわりに回動駆動される。
【0088】
手首部91は、上腕部89の先端側に、回転軸Ax4に略垂直な回転軸Ax5まわりに旋回可能に連結されている。手首部91は、上腕部89との間の関節部に設けられたアクチュエータAc5の駆動により、上腕部89の先端側に対し、回転軸Ax5まわりに旋回駆動される。
【0089】
フランジ部93は、手首部91の先端側に、回転軸Ax5に略垂直な回転軸Ax6まわりに回動可能に連結されている。フランジ部93は、手首部91との間の関節部に設けられたアクチュエータAc6の駆動により、手首部91の先端側に対し、回転軸Ax6まわりに回動駆動される。
【0090】
ハンド20は、フランジ部93の先端に取り付けられており、フランジ部93の回転軸Ax6まわりの回動と共に、回転軸Ax6まわりに回動する。ハンド20は、複数の指部材111を備えており、野菜3の葉部3bを把持する。
【0091】
収穫ロボット15の各関節部を駆動するアクチュエータAc1~Ac6は、サーボモータ(図示省略)、減速機(図示省略)、及びブレーキ等(図示省略)を有する。なお、サーボモータ、減速機及びブレーキ等は、必ずしも回転軸Ax1~Ax6上に配置される必要はなく、これらの回転軸Ax1~Ax6から離れた位置に配置されてもよい。
【0092】
なお、上記では、アーム81の長手方向(あるいは延在方向)に沿った回転軸まわりの回転を「回動」と呼び、アーム81の長手方向(あるいは延在方向)に略垂直な回転軸まわりの回転を「旋回」と呼んで区別している。
【0093】
容器コンベア17は、搬出装置19から空の容器21を受け取り、当該容器21を収穫ロボット15の前側の詰め込み位置に搬送して停止させる。容器コンベア17は、詰め込み位置の容器21に対して収穫ロボット15により野菜3の葉部3bの詰め込み作業が実行されている間に、受け取り位置において搬出装置19から新たに空の容器21を受け取る。容器コンベア17は、収穫ロボット15による詰め込み作業が完了すると、葉部3bが充填された容器21を取り出し位置に搬送するのと並行して、受け取り位置にある新たな空の容器21を詰め込み位置に搬送する。これにより、空の容器21を途切れることなく詰め込み位置に供給することができる。容器コンベア17は、アクチュエータ95により駆動される。
【0094】
第2コントローラ97は、アーム81に設けられた上記アクチュエータAc1~Ac6、及び、ハンド20に設けられたアクチュエータ105等の駆動を制御することにより、収穫ロボット15及びハンド20の動作を制御する。第2コントローラ97は、例えば演算装置(CPU)、記録装置、入力装置等を有する制御部と、収穫ロボット15に駆動電力を供給する給電部(サーボアンプ等)等を有する。なお、第2コントローラ97は、上記制御部に加えて又は代えて、例えばモーションコントローラやプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等を備えてもよい。また第2コントローラ97は、例えばエアシリンダであるカッタ駆動装置55へのエアの供給を制御することにより、カッタ53の動作を制御する。また第2コントローラ97は、アクチュエータ95の駆動を制御することにより、容器コンベア17の動作を制御する。
【0095】
第2コントローラ97は、収穫ロボット15と一体に配置されてもよいし、分離して配置されてもよい。また第2コントローラ97は、上述した制御部と給電部とが分離されてもよい。この場合、給電部が収穫ロボット15に取り付けられてもよい。また第2コントローラ97は、アーム81を制御する部分と、ハンド20を制御する部分とが分離されてもよい。この場合、ハンド20を制御する部分がハンド20に取り付けられてもよい。また第2コントローラ97は、収穫ロボット15を制御する部分と、カッタ53を制御する部分と、容器コンベア17を制御する部分の少なくともいずれかが、分離されてもよい。この場合、各制御部分は制御対象である装置に取り付けられてもよい。また、前述の第1コントローラ16と第2コントローラ97とが一体の制御装置として構成されてもよい。
【0096】
以上において、生育した野菜3を保持した保持具5を受け渡し機構13により収穫ロボット15に搬送して葉部3bを切断する工程、収穫ロボット15により葉部3bを容器21に収容する工程、及び、搬出装置19により葉部3bが詰められた容器21を搬出する工程が、収穫工程に相当する。また、姿勢が異常である野菜3を保持した保持具5を廃棄ボックス14に廃棄し、当該廃棄ボックス14を所定の廃棄場所に移動する工程が、廃棄工程に相当する。
【0097】
<7.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の野菜生産システム1は、葉部3bを有する野菜3を、葉部3bが上方に位置するように保持する保持具5と、保持具5を移動可能に支持する移載装置11のハンド35と、ハンド35により支持された保持具5を下方から撮像するカメラ12と、を有する。
【0098】
本実施形態の野菜生産システム1では、野菜3を保持する保持具5が、栽培棚7のレール23により移動可能に支持される。保持具5が所定の期間をかけて移動されることで、野菜3の葉部3bが生育される。このとき、葉部3bが過度に成長していたり、保持具5から直立せずに横向きに倒れている等の理由により、野菜3が収穫に適した姿勢でない場合がある。その場合、例えば保持具5を栽培棚7から収穫工程に移載する場合に、姿勢を崩した野菜3が装置に干渉する等により、収穫を正常に行えない可能性がある。また、姿勢を崩した野菜3の葉部3bが、培養液71が付着した根部3cやカッタ53の刃に触れて汚損する等のリスクも考えられる。
【0099】
本実施形態では、移載装置11のハンド35により支持された保持具5を、カメラ12により下方から撮像する。下方から撮像することにより、野菜3が収穫に適した姿勢の場合には撮像された画像において保持具5の領域が比較的大きいのに対し、野菜3が収穫に適した姿勢でない場合には葉部3bの領域が増加することになるので、野菜3の姿勢の良否を簡易且つ正確に判定することが可能となる。これにより、野菜3の姿勢が良好である場合にのみ保持具5を収穫工程に移載し、野菜3の姿勢が良好でない場合には例えば廃棄を行うといった仕分けを自動で実施することができる。以上により、収穫を正常且つ安定して行うことが可能になると共に、野菜3の汚損を防止することが可能となる。
【0100】
本実施形態において、移載装置11のハンド35は、保持具5を保持して所定の撮像位置10に移動させ、カメラ12は、撮像位置10の下方に配置されており、撮像位置10においてハンド35により支持された保持具5を下方から撮像してもよい。
【0101】
この場合、任意の位置を撮像位置として、保持具5を下方から撮像することができる。これにより、上記実施形態のように保持具5を栽培棚7から収穫工程に移載する途中に撮像位置を設定することで、野菜3の姿勢の良否判定を工程間(栽培工程と収穫工程の間)において効率良く行うことができる。また、システムのレイアウトに応じて撮像位置を自由なエリアに設定することができるので、レイアウトの自由度を向上できる。
【0102】
本実施形態において、野菜生産システム1は、保持具5を所定の期間をかけて移動させて野菜3を生育させる栽培棚7と、保持具5を、栽培棚7において移載する移載装置11と、を有してもよく、その場合には、移載装置11のハンド35で保持具5を支持してもよい。
【0103】
この場合、保持具5を栽培棚7において移載する移載装置11を利用して、保持具5を撮像位置10に移動させることができる。これにより、保持具5を撮像位置10に移動させたり支持するための装置を新たに用意する必要がなくなるので、システム構成を簡素化できる。また、システムのレイアウトに応じて撮像位置を自由なエリアに設定することができるので、レイアウトの自由度を向上できる。
【0104】
本実施形態において、移載装置11は、保持具5を、栽培棚7から葉部3bを収穫する収穫工程へと移載し、ハンド35は、保持具5を栽培棚7から収穫工程へ移載する途中で撮像位置10に移動させてもよい。
【0105】
この場合、保持具5を栽培棚7から収穫工程へ移載する途中で、撮像を行って野菜3の姿勢の良否判定を行うことができる。収穫工程へ移載する直前のタイミングは野菜3が最も生育が進んだ状態であるため、野菜3の姿勢の良否を適切なタイミングで判定できる。また、野菜3の姿勢が正常であると判定された場合には、保持具5をそのまま収穫工程に移載し、野菜3の姿勢が異常であると判定された場合には、保持具5を収穫工程に移載せずに廃棄することが可能となる。したがって、野菜3の姿勢の良否判定を工程間において効率良く行うことができる。
【0106】
本実施形態において、カメラ12は、栽培棚7に設置されてもよい。
【0107】
この場合、カメラ12用の設置具を新たに用意する必要がなくなるので、システムの部品数を削減できる。また、栽培棚7は棚部7aや脚部7b等の多数の構造材を有するので、それらを利用してカメラ12を自由な位置に設置できる。これにより、保持具5を下方から撮像することが可能な位置であれば、システムのレイアウトに応じてカメラ12を自由なエリアに設置することができるので、レイアウトの自由度を向上できる。
【0108】
本実施形態において、カメラ12は、保持具5及び葉部3bを撮像画像30に含むように撮像してもよい。
【0109】
この場合、野菜3が収穫に適した姿勢の場合には、撮像された画像において保持具5の領域が比較的大きいのに対し、野菜3が収穫に適した姿勢でない場合には、葉部3bの領域が増加することになる。これにより、野菜3の姿勢の良否を簡易且つ正確に判定することが可能となる。
【0110】
本実施形態において、野菜生産システム1は、カメラ12により撮像された画像の全体の面積に対する葉部3bの色面積が占める割合と、所定のしきい値と、を比較することにより、野菜3の姿勢が正常であるか異常であるかを判定する姿勢判定部24を有してもよい。
【0111】
この場合、保持具5の色を葉部3bとは異なる色(例えば白色)としておくことにより、葉部3bの色面積の割合を判定する簡易な画像処理により、野菜3の姿勢の良否を正確に判定することができる。これにより、例えばAI(人工知能)等を使用した複雑な画像処理を行う必要がなくなるので、第1コントローラ16の処理負担を軽減できると共に、コストを削減できる。
【0112】
本実施形態において、野菜生産システム1は、保持具5を所定の期間をかけて移動させて野菜3を生育させる栽培棚7と、保持具5を、栽培棚7から葉部3bを収穫する収穫工程へと移載する移載装置11と、姿勢判定部24により、野菜3の姿勢が正常であると判定された場合には、保持具5を栽培棚7から収穫工程に移載するように移載装置11を制御し、野菜3の姿勢が異常であると判定された場合には、保持具5を栽培棚7から廃棄工程に移載するように移載装置11を制御する動作制御部26と、を有してもよい。
【0113】
この場合、野菜3の姿勢が良好である場合にのみ保持具5を栽培棚7から収穫工程に移載し、野菜3の姿勢が良好でない場合には廃棄を行うことができる。これにより、収穫を正常且つ安定して行うことができると共に、野菜3の汚損を防止することができるので、野菜生産システム1の歩留まりを向上できる。
【0114】
本実施形態において、野菜生産システム1は、姿勢判定部24により、野菜3の姿勢が正常であると判定された回数、及び、野菜3の姿勢が異常であると判定された回数、の少なくとも一方をカウントし、歩留まりを算出する歩留まり算出部28を有してもよい。
【0115】
この場合、野菜生産システム1の歩留まりを管理することができる。これにより、例えば歩留まりが低下した場合には、野菜3が過度に成長しないようにシステムを調整する等が可能となる。
【0116】
<8.変形例>
開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0117】
以上では、保持具5を栽培棚7から収穫工程へ移載する途中で、カメラ12による撮像を行って野菜3の姿勢を判定するようにしたが、姿勢判定を行うタイミングは上記に限定されるものではない。例えば、栽培棚7において保持具5を移載するタイミングで野菜3の姿勢判定を実行してもよい。例えば
図14に示すように、栽培棚7の後側に位置する移載装置11が、保持具5をB段からC段へ移載する途中で撮像位置10に移動させ、カメラ12による撮像を行って野菜3の姿勢を判定してもよい。この場合、移載装置11は、野菜3の姿勢が正常であると判定された場合には保持具5をそのままC段へ移載し、野菜3の姿勢が異常であると判定された場合には保持具5を廃棄ボックス14に廃棄する。本変形例の場合には、野菜3の生育途中において姿勢の良否判定を行うことができる。
【0118】
また以上では、カメラ12を栽培棚7に設置する場合について説明したが、カメラ12の設置場所は栽培棚7に限定されるものではない。例えば
図15に示すように、カメラ12を移載装置11に設置してもよい。
図15に示す例では、カメラ12は例えばY軸ユニット41のビーム41aの下方に設置されている。この場合、ハンド35を撮像位置で停止させることなく、移動させながら保持具5を下方から撮像することができる。これにより、野菜生産システム1による生産効率を向上することができる。
【0119】
また、例えばカメラ12を栽培棚7におけるレール23の下方に設置しておき、レール23により移動可能に支持された保持具5をカメラ12により下方から撮像してもよい。この場合、レール23が保持具を移動可能に支持する支持具の一例となる。
【0120】
<9.第1コントローラのハードウェア構成例>
図16を参照しつつ、上記で説明した第1コントローラ16のハードウェア構成例について説明する。
図16中では、第1コントローラ16の各アクチュエータに駆動電力を給電する機能に係る構成を適宜省略して図示している。なお、第2コントローラ97についても同様のハードウェア構成としてもよい。
【0121】
図16に示すように、第1コントローラ16は、例えば、CPU901と、ROM903と、RAM905と、ASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路907と、入力装置913と、出力装置915と、記録装置917と、ドライブ919と、接続ポート921と、通信装置923とを有する。これらの構成は、バス909や入出力インターフェース911を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0122】
プログラムは、例えば、ROM903やRAM905、ハードディスク等の記録装置917等に記録しておくことができる。
【0123】
プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD・MOディスク・DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体925に、一時的又は非一時的(永続的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体925は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体925に記録されたプログラムは、ドライブ919により読み出されて、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0124】
プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置923がこのプログラムを受信する。そして、通信装置923が受信したプログラムは、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0125】
プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器927に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート921を介し転送され、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0126】
CPU901が、上記記録装置917に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の姿勢判定部24、動作制御部26、歩留まり算出部28等による処理が実現される。CPU901は、例えば、上記記録装置917からプログラムを直接読み出して実行してもよいし、RAM905に一旦ロードした上で実行してもよい。CPU901は、例えば、プログラムを通信装置923やドライブ919、接続ポート921を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置917に記録せずに直接実行してもよい。
【0127】
CPU901は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク(図示せず)等の入力装置913から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0128】
CPU901は、上記の処理を実行した結果を、例えば表示装置や音声出力装置等の出力装置915から出力してもよい。CPU901は、必要に応じて処理結果を通信装置923や接続ポート921を介し送信してもよい。CPU901は、処理結果を上記記録装置917や記録媒体925に記録させてもよい。
【0129】
以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0130】
以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0131】
以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0132】
以上説明した実施形態や変形例等が解決しようとする課題や効果は、上述した内容に限定されるものではない。実施形態や変形例等によって、上述されていない課題を解決したり、上述されていない効果を奏することもでき、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【符号の説明】
【0133】
1 野菜生産システム
3 野菜
3b 葉部
5 保持具
7 栽培棚
10 撮像位置
11 移載装置
12 カメラ(撮像装置)
16 第1コントローラ
21 容器
24 姿勢判定部
26 動作制御部(制御部)
28 歩留まり算出部
35 ハンド(支持具)
53 カッタ
97 第2コントローラ