(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029087
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】電子機器及びプログラム等
(51)【国際特許分類】
B61L 23/00 20060101AFI20230224BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20230224BHJP
B61L 29/22 20060101ALI20230224BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20230224BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20230224BHJP
B61D 37/00 20060101ALI20230224BHJP
B61C 17/12 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
B61L23/00 Z
G07C5/00 Z
B61L29/22
B60L3/00 A
H04N7/18 U
H04N7/18 D
B61D37/00 G
B61C17/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021135185
(22)【出願日】2021-08-20
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】230121430
【弁護士】
【氏名又は名称】安井 友章
(72)【発明者】
【氏名】服部 哲也
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【テーマコード(参考)】
3E138
5C054
5H125
5H161
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138GA02
3E138GA03
3E138MA02
3E138MB02
3E138MB03
3E138MB04
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3E138MD05
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
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5C054GB02
5C054GD06
5C054HA19
5H125AA05
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5H161AA01
5H161MM01
5H161MM05
5H161MM11
5H161MM12
5H161MM15
5H161NN01
5H161NN10
5H161NN11
(57)【要約】
【課題】 従来よりも優れた技術、例えば移動体におけるイベントの発生を検知するのに適した電子機器等を提供する。
【解決手段】 電子機器12aでは、イベント検知部22aは、操作者による移動体の走行中における移動体のブレーキ操作が可能かつ移動体の進行する向きの変更操作が不能な状態で移動体のブレーキが作動される状況において移動体に発生した可能性のあるイベントを検知する。情報処理部18aは、イベント検知部22aによって検知されたイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者による移動体の走行中における前記移動体のブレーキ操作が可能かつ前記移動体の進行する向きの変更操作が不能な状態で前記移動体のブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントを検知するイベント検知部と、
前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理する情報処理部と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記移動体は、非常ブレーキを有し、
前記イベント検知部は、前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントを検知し、
前記情報処理部は、前記イベント検知部によって検知された前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記移動体は、通常ブレーキと、非常ブレーキと、を有し、
前記イベント検知部は、前記移動体の前記通常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある通常イベントと、前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある非常イベントと、を検知し、
前記情報処理部は、前記イベント検知部によって検知された前記移動体の前記通常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある通常イベントに関連する情報と、前記イベント検知部によって検知された前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある非常イベントに関連する情報と、を区別して処理する、
請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記移動体の前記ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントは、前記移動体の進行方向に対する人の飛び込みによる人身事故を含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記イベント検知部は、警笛の発生の検知、前記移動体の通常ブレーキの作動の検知、前記移動体の非常ブレーキの作動の検知、前記移動体への衝突の検知及び前記移動体の停止の検知の内のいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせに基づいてイベントを検知する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器であって前記移動体において前記移動体の進行方向前側に配置される第1の電子機器と、前記移動体において前記移動体の進行方向について前記第1の電子機器よりも後側に配置される第2の電子機器と、を具備し、
前記第1の電子機器は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備える前記イベント検知部と、映像情報を取得する第1の撮像部と、前記情報処理部であって前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する第1の映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する第1の映像情報処理部と、を有し、
前記第2の電子機器は、映像情報を取得する第2の撮像部と、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置を撮像した第2の映像情報を他の映像情報とは区別して処理する第2の映像情報処理部と、を有する、
システム。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器であって前記移動体内に配置される第1の電子機器と、前記移動体外の前記移動体のための施設若しくは設備又は他の移動体内に配置される第2の電子機器と、を具備し、
前記第1の電子機器は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備える前記イベント検知部と、映像情報を取得する第1の撮像部と、前記情報処理部であって前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する第1の映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する第1の映像情報処理部と、を有し、
前記第2の電子機器は、映像情報を取得する第2の撮像部と、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置を撮像した第2の映像情報を他の映像情報とは区別して処理する第2の映像情報処理部と、を有する、
システム。
【請求項8】
前記第1の映像情報と前記第2の映像情報とを並べて表示する表示装置をさらに具備する、
請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の映像情報と前記第2の映像情報とを連続的に再生する表示装置をさらに具備する、
請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項10】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器を具備するシステム又は請求項6乃至9のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記移動体は、軌道上を移動する移動体であり、
前記イベント検知部は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備え、
前記イベント検知部によってイベントが検知された場合に、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置から前記移動体の進行方向にある遮断機を作動させる管理装置をさらに具備する、
システム。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器を具備するシステム又は請求項6乃至10のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記移動体は、乗客を運送する移動体であり、
前記イベント検知部によってイベントが検知された場合に、前記移動体の乗客に対してイベントに関連する情報をアナウンスする管理装置をさらに具備する、
システム。
【請求項12】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器を具備するシステム又は請求項6乃至11のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記イベント検知部は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備え、
前記イベント検知部によってイベントが検知された場合に、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置の周辺に位置した携帯端末にメッセージを送信する管理装置をさらに具備する、
システム。
【請求項13】
前記管理装置は、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置から前記携帯端末までの距離に応じて異なる内容のメッセージを送信する、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
移動体内に取り付け可能な電子機器であって、
移動体内を照明する照明部と、
映像情報を取得する撮像部と、
イベントの検知を示すイベント検知情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記イベント検知情報によって示されるイベントに関連する映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する映像情報処理部と、
を具備する電子機器。
【請求項15】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器である第1の電子機器を具備するシステム又は請求項6乃至13のいずれか1項に記載のシステムであって、
請求項14に記載の電子機器である第2の電子機器を具備し、
前記受信部は、前記イベント検知部によるイベントの検知を示すイベント検知情報を受信する、
システム。
【請求項16】
軌道上を走行し電子ブレーキを用いる移動体における非常ブレーキの作動の検知に基づいてイベントを検知するイベント検知部と、
前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理する情報処理部と、
を具備し、
前記イベント検知部は、前記移動体の加速度を検知する加速度検知部と、前記加速度検知部によって検知された加速度が所定の非常ブレーキ閾値以上でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、前記移動体における前記非常ブレーキの作動を検知する非常ブレーキ検知部と、を有する、
電子機器。
【請求項17】
前記非常ブレーキ閾値は、略0.15Gに設定されている、
請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】
前記時間閾値は、数秒に設定されている、
請求項16又は17に記載の電子機器。
【請求項19】
前記時間閾値は、前記移動体の加速度が前記非常ブレーキ閾値以上となったときの前記移動体の速度と前記移動体の加速度とから算出した前記移動体が停止するまでの停止時間に基づいて設定されている、
請求項16又は17に記載の電子機器。
【請求項20】
前記非常ブレーキ検知部は、前記加速度検知部によって検知された加速度が0.2乃至0.25G程度の範囲内でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、前記移動体における前記非常ブレーキの作動を検知する、
請求項16乃至19のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項21】
前記非常ブレーキ閾値又は前記時間閾値は、任意に設定可能である、
請求項16に記載の電子機器。
【請求項22】
前記イベント検知部は、前記加速度検知部によって検知された加速度が所定の重イベント閾値以上であった場合に、前記移動体における重イベントの発生を検知する、
請求項16乃至21のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項23】
前記重イベント閾値は、略0.21Gに設定されている、
請求項22に記載の電子機器。
【請求項24】
前記電子機器は、映像情報を取得する撮像部をさらに具備し、
前記情報処理部は、前記非常ブレーキ検知部によって検知された前記非常ブレーキの作動している時間である非常ブレーキ作動時間を含む所定の時間範囲にわたる映像情報を他の映像情報とは区別して処理する、
請求項16乃至23のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項25】
請求項1乃至24のいずれか1項に記載の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体におけるイベントの発生を検知することが行われている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-44548号公報
【特許文献2】特開2016-58921号公報
【特許文献3】特許第4859756号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来よりも優れた技術を提供すること、例えば移動体におけるイベントの発生を検知するのに適した電子機器及びプログラム等を提供することにある。
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一実施態様は、操作者による移動体の走行中における前記移動体のブレーキ操作が可能かつ前記移動体の進行する向きの変更操作が不能な状態で前記移動体のブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントを検知するイベント検知部と、前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理する情報処理部と、を具備する電子機器である。
【0006】
このようにすれば、操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能である状態で、移動体のブレーキが作動される状況において移動体に発生した可能性のあるイベントに関連する情報を、他のイベントに関連する情報とは区別して処理することができる。
【0007】
(2)前記移動体は、非常ブレーキを有し、前記イベント検知部は、前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントを検知し、前記情報処理部は、前記イベント検知部によって検知された前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理する、ようにしてもよい。
【0008】
このようにすれば、操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能である状態で、移動体の非常ブレーキが作動される状況において発生した可能性のあるイベントに関連する情報を、他のイベントに関連する情報とは区別して処理することができる。
【0009】
(3)前記移動体は、通常ブレーキと、非常ブレーキと、を有し、前記イベント検知部は、前記移動体の前記通常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある通常イベントと、前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある非常イベントと、を検知し、前記情報処理部は、前記イベント検知部によって検知された前記移動体の前記通常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある通常イベントに関連する情報と、前記イベント検知部によって検知された前記移動体の前記非常ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のある非常イベントに関連する情報と、を区別して処理する、ようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能である状態で、移動体の通常ブレーキが作動される状況において移動体に発生した可能性のある通常イベントに関連する情報と、移動体の非常ブレーキが作動される状況において移動体に発生した可能性のある非常イベントに関連する情報とを区別して処理することができる。
【0011】
(4)前記移動体の前記ブレーキが作動される状況において前記移動体に発生した可能性のあるイベントは、前記移動体の進行方向に対する人の飛び込みによる人身事故を含む、ようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能である状態で、移動体のブレーキが作動される状況において移動体に発生した移動体の進行方向に対する人の飛び込みによる人身事故に関連する情報を、他のイベントに関連する情報とは区別して処理することができる。
【0013】
(5)前記イベント検知部は、警笛の発生の検知、前記移動体の通常ブレーキの作動の検知、前記移動体の非常ブレーキの作動の検知、前記移動体への衝突の検知及び前記移動体の停止の検知の内のいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせに基づいてイベントを検知する、ようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能である状態において、警笛の発生の検知、移動体の通常ブレーキの作動の検知、移動体の非常ブレーキの作動の検知、移動体への衝突の検知及び移動体の停止の検知の内のいずれか1つ又は2つ以上の組み合わせに基づいてイベントを検知することができる。
【0015】
(6)上記電子機器であって前記移動体において前記移動体の進行方向前側に配置される第1の電子機器と、前記移動体において前記移動体の進行方向について前記第1の電子機器よりも後側に配置される第2の電子機器と、を具備し、前記第1の電子機器は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備える前記イベント検知部と、映像情報を取得する第1の撮像部と、前記情報処理部であって前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する第1の映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する第1の映像情報処理部と、を有し、前記第2の電子機器は、映像情報を取得する第2の撮像部と、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置を撮像した第2の映像情報を他の映像情報とは区別して処理する第2の映像情報処理部と、を有する、システムとしてもよい。
【0016】
このようにすれば、第2の電子機器において、イベントに関連する第1の映像情報に時間的に連続し、イベント検出位置を撮像しイベントに関連する映像情報を含む可能性の高い第2の映像情報を、他の映像情報とは区別して処理することができる。
【0017】
(7)上記電子機器であって前記移動体内に配置される第1の電子機器と、前記移動体外の前記移動体のための施設若しくは設備又は他の移動体内に配置される第2の電子機器と、を具備し、前記第1の電子機器は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備える前記イベント検知部と、映像情報を取得する第1の撮像部と、前記情報処理部であって前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する第1の映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する第1の映像情報処理部と、を有し、前記第2の電子機器は、映像情報を取得する第2の撮像部と、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置を撮像した第2の映像情報を他の映像情報とは区別して処理する第2の映像情報処理部と、を有する、システムとしてもよい。
【0018】
このようにすれば、第2の電子機器において、イベントに関連する第1の映像情報とは異なる視点から撮像した、イベント検出位置を撮像しイベントに関連する映像情報を含む可能性の高い第2の映像情報を、他の映像情報とは区別して処理することができる。
【0019】
(8)前記第1の映像情報と前記第2の映像情報とを並べて表示する表示装置をさらに具備する、ようにしてもよい。
このようにすれば、時間的に連続したイベントに関連する第1及び第2の映像情報又は異なる視点から撮像したイベントに関連する第1及び第2の映像情報を並べて表示することができるため、イベントに関連する映像情報を的確に認識することができる。
【0020】
(9)前記第1の映像情報と前記第2の映像情報とを連続的に再生する表示装置をさらに具備する、ようにしてもよい。
このようにすれば、時間的に連続したイベントに関連する第1及び第2の映像情報又は異なる視点から撮像したイベントに関連する第1及び第2の映像情報を連続的に再生することができるため、イベントに関連する映像情報を的確に認識することができる。
【0021】
(10)上記電子機器を具備するシステム又は上記システムであって、前記移動体は、軌道上を移動する移動体であり、前記イベント検知部は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備え、前記イベント検知部によってイベントが検知された場合に、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置から前記移動体の進行方向にある遮断機を作動させる管理装置をさらに具備する、システムとしてもよい。
【0022】
このようにすれば、遮断機を作動させて軌道上への人の侵入を防止することで、イベントの発生した可能性のあるイベント発生現場の保全を可能とすると共に、遮断機の作動の継続により通行人の通報を促進することができる。
【0023】
(11)上記電子機器を具備するシステム又は上記システムであって、前記移動体は、乗客を運送する移動体であり、前記イベント検知部によってイベントが検知された場合に、前記移動体の乗客に対してイベントに関連する情報をアナウンスする管理装置をさらに具備する、システムとしてもよい。
このようにすれば、イベントが発生した可能性のある場合に、移動体の乗客に適切にアナウンスを行うことができる。
【0024】
(12)上記電子機器を具備するシステム又は上記システムであって、前記イベント検知部は、イベントを検知したイベント検知位置を検出する位置検出部を備え、前記イベント検知部によってイベントが検知された場合に、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置の周辺に位置した携帯端末にメッセージを送信する管理装置をさらに具備する、システムとするとよい。
このようにすれば、イベントが発生した可能性のある場合に、イベント検知位置の周辺にいた人に適切にメッセージを送信することができる。
【0025】
(13)前記管理装置は、前記位置検出部によって検出された前記イベント検知位置から前記携帯端末までの距離に応じて異なる内容のメッセージを送信する、ようにするとよい。
このようにすれば、イベント検知位置から携帯端末までの距離に応じた適切な内容のメッセージを送信することができる。
【0026】
(14)本発明の一実施態様は、移動体内に取り付け可能な電子機器であって、移動体内を照明する照明部と、映像情報を取得する撮像部と、イベントの検知を示すイベント検知情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記イベント検知情報によって示されるイベントに関連する映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する映像情報処理部と、を具備する電子機器である。
【0027】
このようにすれば、イベントの発生を検知する機能を備えない電子機器においても、イベントの検知を示すイベント検知情報を受信することで、イベントに関連する映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理することができる。
【0028】
(15)上記電子機器である第1の電子機器を具備するシステム又は上記システムであって、上記(14)の電子機器である第2の電子機器を具備し、前記受信部は、前記イベント検知部によるイベントの検知を示すイベント検知情報を受信する、システムとするとよい。
【0029】
(16)本発明の一実施態様は、軌道上を走行し電子ブレーキを用いる移動体における非常ブレーキの作動の検知に基づいてイベントを検知するイベント検知部と、前記イベント検知部によって検知されたイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理する情報処理部と、を具備し、前記イベント検知部は、前記移動体の加速度を検知する加速度検知部と、前記加速度検知部によって検知された加速度が所定の非常ブレーキ閾値以上でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、前記移動体における前記非常ブレーキの作動を検知する非常ブレーキ検知部と、を有する、電子機器である。
【0030】
このようにすれば、電子ブレーキを用いる移動体では、非常ブレーキの作動によって一定の比較的大きな加速度が比較的長い時間継続するところ、加速度が所定の非常ブレーキ閾値以上でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に非常ブレーキの作動を検知しているため、移動体における通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生とは区別しつつ、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0031】
(17)前記非常ブレーキ閾値は、略0.15Gに設定されている、ようにするとよい。
このようにすれば、電子ブレーキを用いる移動体では、通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生では加速度は0.1G程度までであり、また、乗客を運送する移動体においては、乗客の保護のため、非常ブレーキの作動によっても加速度は0.2乃至0.25G程度に抑制されるところ、非常ブレーキ閾値を略0.15Gに設定することで、移動体における通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生とは区別しつつ、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0032】
(18)前記時間閾値は、数秒に設定されている、ようにするとよい。
このようにすれば、移動体では、振動の発生では加速度は瞬間的に発生するところ、時間閾値を数秒に設定することで、移動体における振動の発生とは区別しつつ、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0033】
(19)前記時間閾値は、前記移動体の加速度が前記非常ブレーキ閾値以上となったときの前記移動体の速度と前記移動体の加速度とから算出した前記移動体が停止するまでの停止時間に基づいて設定されている、ようにするとよい。
【0034】
このようにすれば、電子ブレーキを用いる移動体では、非常ブレーキの作動によって一定の加速度が移動体が停止するまで継続するところ、移動体の加速度が非常ブレーキ閾値以上となったときの移動体の速度と移動体の加速度とから算出した移動体が停止するまでの停止時間に基づいて時間閾値を設定することで、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0035】
(20)前記非常ブレーキ検知部は、前記加速度検知部によって検知された加速度が0.2乃至0.25G程度の範囲内でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、前記移動体における前記非常ブレーキの作動を検知する、ようにするとよい。
【0036】
このようにすれば、電子ブレーキを用いる移動体では、通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生では加速度は0.1G程度までであり、また、乗客を運送する移動体においては、乗客の保護のため、非常ブレーキの作動によっても加速度は0.2乃至0.25G程度に抑制されるところ、加速度が0.2乃至0.25G程度の範囲内でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、移動体における非常ブレーキの作動を検知しているため、移動体における通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生とは区別しつつ、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0037】
(21)前記非常ブレーキ閾値又は前記時間閾値は、任意に設定可能である、ようにするとよい。
このようにすれば、移動体に応じて非常ブレーキ閾値又は時間閾値を適宜設定することで、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0038】
(22)前記イベント検知部は、前記加速度検知部によって検知された加速度が所定の重イベント閾値以上であった場合に、前記移動体における重イベントの発生を検知する、ようにするとよい。
【0039】
このようにすれば、電子ブレーキを用いる移動体では、通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生では加速度は比較的小さくなるところ、加速度が所定の重イベント閾値以上であった場合に重イベントの発生を検知しているため、重イベントの発生を適切に検知することができる。
【0040】
(23)前記重イベント閾値は、略0.21Gに設定されている、ようにするとよい。
このようにすれば、電子ブレーキを用いる移動体では、通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生では加速度は0.1G程度までであり、また、乗客を運送する移動体においては、乗客の保護のため、非常ブレーキの作動によっても加速度は0.2乃至0.25G程度に抑制されるところ、重イベント閾値を略0.21Gに設定することで、移動体における通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生とは区別しつつ、重イベントの発生を適切に検知することができる。
【0041】
(24)前記電子機器は、映像情報を取得する撮像部をさらに具備し、前記情報処理部は、前記非常ブレーキ検知部によって検知された前記非常ブレーキの作動している時間である非常ブレーキ作動時間を含む所定の時間範囲にわたる映像情報を他の映像情報とは区別して処理する、ようにするとよい。
このようにすれば、移動体において非常ブレーキの作動中に発生した可能性のあるイベントに関連する映像情報を、他の映像情報とは区別して処理することができる。
【0042】
(25)上記いずれかの電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを提供するとよい。
【0043】
上述した(1)から(25)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全てまたは一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(25)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0044】
本発明では、従来よりも優れた技術が提供されており、例えば移動体におけるイベントの発生を検知するのに適した電子機器及びプログラム等が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の一実施形態のシステムを示す全体図。
【
図3】本発明の一実施形態のドライブレコーダを示すブロック図。
【
図4】本発明の一実施形態の照明一体型車内監視カメラを示すブロック図。
【
図5】本発明の一実施形態の電車の加速度を示すグラフ図。
【
図6】本発明の一実施形態のイベントトリガの相互通信を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1乃至
図6を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態については、操作者による移動体の走行中における移動体のブレーキ操作が可能かつ移動体の進行する向きの変更操作が不能な状態で、移動体のブレーキが作動される状況において移動体に発生した可能性のあるイベントを検知し、検知されたイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理するものである。このようにすれば、操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能である状態で、移動体のブレーキが作動される状況において移動体に発生した可能性のあるイベントに関連する情報を、他のイベントに関連する情報とは区別して処理することができる。
【0047】
ここで、操作者による移動体のブレーキ操作については、移動体の運転者の他、移動体が乗客を運送する場合には乗客、移動体が遠隔操作される場合には遠隔操作者等によってもなされるものである。操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能な状態としては、電車、モノレール、リニアモーターカ、エレベータ等、移動体が軌道上を走行するため、構造的に操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能である状態の他、手動運転と自動運転が切り替え可能であって、自動運転中は操舵操作が不能となる自動車のように、一時的に操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能となる状態も含むものである。操作者による移動体の進行する向きの変更操作が不能な状態において、移動体の進行方向に人、物等の障害物が発生した場合には、移動体の進行する向きを変更操作して障害物を回避することができず、操作者による移動体のブレーキ操作等によりブレーキが作動されることとなり、このような状況が移動体のブレーキが作動される状況である。
【0048】
図1及び
図2を参照して、本実施形態のシステムの全体構成について説明する。
本実施形態では、各移動体内の電子機器と、管理センタの管理装置との間での通信方式をLTEとしている。そして、移動体のための施設又は設備の各電子機器と、中継装置との間での通信方式をLANとし、中継装置と、管理センタの管理装置との間での通信方式をLTEとしている。このようにすれば、移動体のための施設又は設備の各電子機器と、管理センタの管理装置との間の通信方式をLTEのみとする場合と比較して、通信契約の個数を低減してランニングコストを削減することができ、通信費を削減することが可能である。
【0049】
なお、本実施形態で採用している通信方式は、本願の出願時において発明者が適用できると考える通信方式を挙げたもので、本発明に適用可能な具体的な通信方式を限定するものではない。例えば、LTEに代えて、5Gその他の通信方式に対応する公衆回線や、公衆回線と物理的又は論理的に隔離された専用線等が用いられてもよい。公衆回線の場合、データの伝送量(通信量)に応じて、電子機器又は移動体を管理する事業者に通信料金が課金される場合がある。LANは、Wi-Fi(登録商標)(例えば、パスワード付きWi-Fi(登録商標))やその他のLAN)を含んでもよい。LANを利用する場合、公衆回線を利用する場合に比べて、通信量に応じた通信料金の課金がない又は安価であったり、通信速度が高速であったり、輻輳による問題が起こりにくいというメリットを享受できる場合がある。
【0050】
図1及び
図2に示されるように、本実施形態では、各電車10a,10b(移動体の一例)に、ドライブレコーダ12a,12b(ドライブレコーダ12aは電子機器及び第1の電子機器の一例,ドライブレコーダ12bは第2の電子機器の一例)、並びに、複数の照明一体型車内監視カメラ42a,42b(照明一体型車内監視カメラ42aは電子機器及び第2の電子機器の一例,照明一体型車内監視カメラ42bは第2の電子機器の一例)及び複数の車内監視カメラ52a,52b(第2の電子機器の一例)が配設されている。ドライブレコーダ12a,12bは、電車10a,10bの進行方向前側に配置されており、車内監視カメラ42a,52a,42b,52bは、電車10a,10bの進行方向について、ドライブレコーダ12a,12bよりも後側に配置されている。ドライブレコーダ(撮影装置の一例)は、撮影(撮像といってもよい)する機能と、撮影した画像を記録する機能とを有する電子機器であるが、特に断りのない限り、本実施形態のドライブレコーダは、自身では画像を記録する機能を有しない撮影装置に置き換えられてもよい。画像を記録する機能は、内蔵の記憶装置としてeMMCやハードディスク装置に記録してもよいし、例えばSDカード等の着脱可能な記憶装置に記録してもよい。撮影装置は、これらの記憶装置への記録と組み合わせて又は代えて画像を送信する機能を有してもよい。
【0051】
各電車10a,10bに配設されたドライブレコーダ12a,12b及び複数の車内監視カメラ42a,52a,42b,52bと、管理センタ70の中央管理装置としてのサーバ72(管理装置の一例)との間では、無線LTEにより通信が行われる。電車10a,10bのための施設である駅構内60には、複数の構内監視カメラ62(第2の電子機器の一例)が配設されている。駅構内60に配設された複数の構内監視カメラ62と、中継装置としてのモバイルルータ又はアクセスポイント80との間では、有線又は無線LANにより通信が行われる。そして、モバイルルータ又はアクセスポイント80と、管理センタ70のサーバ72との間では、有線又は無線LTEにより通信が行われる。
【0052】
また、電車10a,10bに配設されたドライブレコーダ12a,12b及び複数の車内監視カメラ42a,52a,42b,52bについても、電車10aが駅構内60又はその近傍にある場合には、モバイルルータ又はアクセスポイント80との間で、無線LANにより通信を行う。
【0053】
本実施形態では、駅構内60に配設された複数の構内監視カメラ62と、管理センタ70のサーバ72との間で、有線又は無線LANによりモバイルルータ又はアクセスポイント80を介して有線又は無線LTEにより通信を行っているため、有線又は無線LTEのみにより通信を行う場合と比較して、通信契約の個数を低減してランニングコストを削減することができる。
【0054】
また、電車10a,10bが駅構内60又はその近傍にある場合には、電車10a,10bに配設されたドライブレコーダ12a,12b及び複数の車内監視カメラ42a,52a,42b,52bと、管理センタ70のサーバ72との間でも、無線LANによりモバイルルータ又はアクセスポイント80を介して有線又は無線LTEにより通信を行っているため、有線又は無線LTEのみで通信を行う場合と比較して、有線又は無線LTEでの通信量を低減することができる。特に、駅構内60に管理センタ70のサーバ72が配置されている場合には、無線LANのみにより通信ができるため、有線又は無線LTEでの通信量を充分に低減することができる。
【0055】
電車10a,10bのための設備である遮断機に配設された複数の設備監視カメラ(第2の電子機器の一例)等についても、駅構内60に配設された複数の構内監視カメラ62と同様な構成とすることが可能である。
【0056】
以上により、システム全体として、通信費を大幅に削減することができる。
【0057】
図2及び
図3を参照して、本実施形態のドライブレコーダ12aについて説明する。
本実施形態の電子機器については、移動体のブレーキが作動される状況において移動体に発生した可能性のあるイベントを検知し、検知されたイベントに関連する情報を他のイベントに関連する情報とは区別して処理するものである。
【0058】
図2及び
図3に示されるように、ドライブレコーダ12a(電子機器及び第1の電子機器の一例)については、電車10a(移動体の一例)の先頭車両内に取り付けられる。ドライブレコーダ12aでは、撮像部14a(第1の撮像部の一例)は、電車10a前方を撮像して映像情報を取得する。また、音検知部16aは、音を検知して音情報を取得する。イベント検知部22aは、電車10aのブレーキが作動される状況において電車10aに発生した可能性のあるイベントを検知する。情報処理部としての映像情報処理部18a(第1の映像情報処理部の一例)及び音情報処理部20aは、夫々、イベント検知部22aによって検知されたイベントに関連する映像情報(第1の映像情報の一例)及び音情報を、他のイベントに関連する映像情報及び音情報とは区別して処理する。通信部38aは、管理センタ70のサーバ72との間で通信を行う。
【0059】
本実施形態のイベント検知部22aによるイベント検知について詳説する。
本実施形態では、電車10aのブレーキが作動される状況において電車10aに発生した可能性のあるイベントとして、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故を想定する。電車10aのブレーキが作動される状況におけるブレーキとは、電車10aを制動するための何らかのブレーキであればよく、例えば、通常ブレーキ、非常ブレーキ、又は、通常ブレーキと非常ブレーキとの両方であるとよい。電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故が発生する場合には、警笛の発生、電車10aの通常ブレーキの作動、電車10aの非常ブレーキの作動、電車10aの前面への衝突、電車10aの停車が発生する可能性が高い。このため、イベント検知部22aは、これらの事象の少なくとも1つ以上を検知することでイベントの発生を検知する。電車10aの前面への衝突は、電車10aの前面における衝撃の検知によって検知されるとよい。
【0060】
本実施形態では、ブレーキレバーを所定量だけ押し込み操作することにより通常ブレーキが作動し、所定量を超えてさらに押し込み操作することにより非常ブレーキが作動するようになっている。このため、非常ブレーキの作動時には、通常ブレーキの作動と非常ブレーキの作動とが連続して発生することになる。また、通常ブレーキを作動させるためのブレーキレバーとは別に、非常ブレーキを作動させるための非常ブレーキスイッチを用いるようにしてもよい。
【0061】
警笛の発生、電車10aの通常ブレーキの作動、電車10aの非常ブレーキの作動、電車10aの前面への衝突、電車10aの停車、又は、電車10aの通常ブレーキの作動、電車10aの非常ブレーキの作動、警笛の発生、電車10aの前面への衝突、電車10aの停車が順次連続して検知された場合には、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故が実際に発生した蓋然性が高い。このため、イベント検知部22aは、これら一連の事象が順次連続して検知された場合にのみ、イベントを検知するようにしてもよい。
【0062】
また、イベント検知部22aは、検知された事象に応じて、イベントの種類を識別して検知するようにしてもよい。イベント検知部22aは、例えば、非常ブレーキの作動を検知した場合には重イベント(非常イベントの一例)として検知し、通常ブレーキの作動を検知した場合には軽イベント(通常イベントの一例)として検知するようにしてもよい。ここで、重イベントのほうが軽イベントよりも、実際に電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故があった可能性は高いことになる。
【0063】
さらに、イベント検知部22aは、各事象の検知の有無に応じて、イベントの種類を識別して検知するようにしてもよい。例えば、イベント検知部22aは、警笛の発生、電車10aの通常ブレーキの作動、電車10aの非常ブレーキの作動、電車10aの前面への衝突、電車10aの停車の検知が全て有った場合には、重イベントとして検知し、警笛の発生、電車10aの通常ブレーキの作動、電車10aの非常ブレーキの作動の検知が有ったものの、電車10aの前面への衝突、電車10aの停車の検知が無かった場合には、中イベントとして検知し、警笛の発生の検知が有ったものの、その他の検知が無かった場合には、軽イベントとして検知するようしてもよい。ここで、重イベントのほうが中イベントよりも、また中イベントのほうが軽イベントよりも、実際に電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故があった可能性は高いことになる。
【0064】
警笛の発生の検知について、イベント検知部22aは、音検知部16aによって検知された音を音解析部24aによって解析することにより、警笛の発生を検知する。ここで、イベント検知部22aは、自電車10aと対向電車等の他電車10bとの警笛を識別して検知する。また、イベント検知部22aは、警笛を発生するための操作スイッチへの操作を、操作信号から直接検知することにより、警笛を検知するようにしてもよい。さらに、イベント検知部22aは、警笛を発生するための操作スイッチへの操作を、先頭車両内を撮像した映像の画像認識により検知するようにしてもよい。映像に操作者が操作スイッチを操作する様子が含まれているので、イベント検知部22aはその操作を映像の画像認識により検知するということである。
【0065】
電車10aの通常ブレーキ又は非常ブレーキの検知について、イベント検知部22aは、加速度検知部26aによって検知した電車10aの加速度に基づいて、電車10aの通常ブレーキ又は非常ブレーキの作動を検知する。電車10aの加速度に基づく電車10aの非常ブレーキの検知については、後に詳述する。また、イベント検知部22aは、通常ブレーキ又は非常ブレーキを作動させるためのブレーキレバー等への操作を、操作信号から直接検知することにより、通常ブレーキ又は非常ブレーキの作動を検知するようにしてもよい。さらに、イベント検知部22aは、通常ブレーキ又は非常ブレーキを作動させるためのブレーキレバー等への操作を、先頭車両内を撮像した映像の画像認識により検知するようにしてもよい。映像に操作者がブレーキレバー等を操作する様子が含まれているので、イベント検知部22aはその操作を映像の画像認識により検知するということである。
【0066】
電車10aの前面への衝突の検知について、イベント検知部22aは、加速度検知部26aによって検知した電車10aの加速度に基づいて、電車10aの前面における衝撃を検知することにより、電車10aの前面への衝突を検知する。電車10aの加速度に基づく電車10aの前面における衝撃の検知についても、後に詳述する。また、イベント検知部22aは、撮像部14aによって撮像した電車10a前方の映像の画像認識により、電車10aの前面への衝突を検知するようにしてもよい。
【0067】
電車10aの停車の検知について、イベント検知部22aは、速度検知部28aによって検知された電車10aの速度に基づいて、電車10aの停車を検知する。
【0068】
イベント検知部22aは、イベントを検知した場合には、イベントを検知したイベント検知位置を位置検出部30a(位置検出部の一例)によって検出し、イベントを検知したイベント検知時刻を時刻検出部32aによって検出する。そして、イベント検知部22aは、イベントの検知を示すイベント検知情報を通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。イベント検知情報には、イベント検知位置情報、イベント検知時刻情報、イベントの種類を識別する場合にはイベント種類情報が含まれる。
【0069】
その他、イベント検知部22aは、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故が過去に実際に発生した地点、線路内への侵入が容易な地点等の危険地点を記録しておき、位置検出部30aによって電車10aが当該危険地点又は当該危険地点を含む所定の危険地域(例えば、危険地点から所定距離範囲内)にあると検知した場合に、イベントを検知するようにしてもよい。
【0070】
本実施形態の情報処理部としての映像情報処理部18a及び音情報処理部20aによる映像情報及び音情報の処理について詳説する。
【0071】
映像情報は、映像を示す情報で、動画を示す映像情報とするとよく、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式(例えば、MPEG2、MPEG4)であるが、AVI、MOV、WMV等である。映像情報には、Exif(Exchangeable image file format)情報として、撮影日時の情報、撮影場所の情報等が含まれてもよい。映像情報は、静止画を示す映像情報としてもよく、例えば所定の時間間隔で繰り返し撮影が行われることにより生成されるものとしてもよい。音情報は、音を示す情報で、音情報処理部20aはアナログ形式、及びデジタル形式のどちらの音情報を処理するものでもよい。
【0072】
電車10aの走行時には、ドライブレコーダ12aの電源は基本的にONとなっており、撮像部14aは映像情報を取得している。映像情報処理部18aは、撮像部14aによって取得された映像情報の内、イベント検知部22aの時刻検出部32aによって検出されたイベント検知時刻を含む所定の時間範囲の映像情報をイベント映像情報として、他の映像情報とは区別して処理する。例えば、映像情報処理部18aは、電車10aの非常ブレーキの作動を検知することによりイベントを検知した場合には、非常ブレーキの作動を検知した時刻を含み、非常ブレーキの作動が継続していた非常ブレーキ継続時間(非常ブレーキ作動時間の一例)を包含する所定の時間範囲の映像情報をイベント映像情報としてもよい。非常ブレーキ継続時間については、後に詳述する。同様に、映像情報処理部18aは、警笛の発生、電車10aの通常ブレーキの作動、電車10aの前面への衝突、電車10aの停車を検知することによりイベントを検知した場合には、夫々、警笛の発生を検知した時刻を含み警笛の継続した警笛継続時間を包含する所定の時間範囲、電車10aの通常ブレーキの作動を検知した時刻を含み通常ブレーキの作動の継続した通常ブレーキ継続時間を包含する所定の時間範囲、電車10aの前面への衝突を検知した時刻を含む所定の時間範囲、電車10aの停車を検知した時刻を含み停車の開始から終了までの停車時間を包含する所定の時間範囲の映像情報をイベント映像情報としてもよい。
【0073】
映像情報処理部18aは、撮像部14aにより撮像された映像情報を記録し、古い映像情報から順次消去しているが、イベント映像情報については、イベント記録として消去されないように別途記録しておき、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。
【0074】
一変形例の映像情報処理部18aは、撮像部14aにより撮像された映像情報を精度を低下させて記録し、古い映像情報から順次消去しているが、イベント映像情報については、イベント記録として精度を低下させることなくかつ消去されないように別途記録しておき、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。なお、映像情報の精度の低下については、例えば、映像情報の記憶容量又はデータの送信容量を低減させることのできる処理とするとよく、具体的には、フレームの間引きによるフレーム数の低下、及び解像度の低下の少なくともいずれかにより実行するとよい。例えば、イベント映像情報は、フレームレートが細かく、又は解像度が高い精度の高い映像情報となる。
【0075】
一変形例の映像情報処理部18aは、撮像部14aにより撮像された映像情報を記録し、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信した後、順次消去しているが、イベント映像情報については、他の通常映像情報とは区別して、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。なお、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72への映像情報の送信については、電車10aが駅構内60又はその近傍にある場合に、無線LANによりモバイルルータ又はアクセスポイント80を介して有線又は無線LTEにより行うようにしてもよい。また、駅構内60に管理センタ70のサーバ72が配置されている場合には、無線LANのみにより行うようにしてもよい。さらに、イベント検知部22aにより電車10aが危険地点又は危険地域にあるときにイベントを検知する場合には、当該危険地点又は危険地域を通過した時点で、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと映像情報を送信した後、映像情報を消去するようにしてもよい。
【0076】
イベント検知部22aがイベントの種類を識別して検知する場合には、一変形例の映像情報処理部18aは、イベント検知部22aによって識別されたイベントの種類に応じて、イベント検知部22aによって検知されたイベントに関連する映像情報を、他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する。例えば、映像情報処理部18aは、非常ブレーキの検知により検知された重イベント(非常イベントの一例)に関連する映像情報については、通常ブレーキの検知により検知された軽イベント(通常イベントの一例)に関連する映像情報よりも、より長い時間範囲のイベント映像情報、より精度の高いイベント映像情報とする。
【0077】
音情報処理部20aによる音情報処理については、上述した映像情報処理部による映像情報処理と同様である。例えば、音情報処理部20aは、音検知部16aによって取得された音情報の内、イベント検知部22aの時刻検出部32aによって検出されたイベント検知時刻を含む所定の時間範囲の音情報をイベント音情報として、他の音情報とは区別して処理する。音情報処理部20aは、警笛の発生を検知することによりイベントを検知した場合には、警笛の発生を検知した時刻を含み、警笛が継続していた警笛継続時間を包含する所定の時間範囲の音情報をイベント音情報としてもよい。
【0078】
音情報処理部20aは、音検知部16aにより検知された音情報を記録し、古い音情報から順次消去しているが、イベント音情報については、イベント記録として消去されないように別途記録しておき、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。
【0079】
一変形例の音情報処理部20aは、音検知部16aにより検知された音情報を精度を低下させて記録し、古い音情報から順次消去しているが、イベント音情報については、イベント記録として精度を低下させることなくかつ消去されないように別途記録しておき、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。
【0080】
一変形例の音情報処理部20aは、音検知部16aにより検知された音情報を記録し、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信した後、順次消去しているが、イベント音情報については、他の通常音情報とは区別して、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。
【0081】
イベント検知部22aがイベントの種類を識別して検知する場合には、一変形例の音情報処理部20aは、イベント検知部22aによって識別されたイベントの種類に応じて、イベント検知部22aによって検知されたイベントに関連する音情報を、他のイベントに関連する音情報とは区別して処理する。例えば、音情報処理部20aは、非常ブレーキの検知により検知された重イベント(非常イベントの一例)に関連する音情報については、通常ブレーキの検知により検知された軽イベント(通常イベントの一例)に関連する音情報よりも、より長い時間範囲のイベント音情報、より精度の高いイベント音情報とする。
【0082】
図1、
図2及び
図4を参照して、本実施形態の照明一体型車内監視カメラを備えるシステムについて説明する。
【0083】
本実施形態については、ネットワーク(例えば、LTE)を介して外部から指示された時刻に撮影した映像情報を出力する機能を備えた電車用の第1のカメラ(例えば、蛍光灯置き換え形カメラで、例えば照明一体型車内監視カメラ42a,42b)と、衝撃を検知した衝撃時点を含む所定の時間範囲の映像情報を出力する機能を備えた電車(例えば、電車10a)用の第2のカメラ(例えば、先頭車両内に配設されたドライブレコーダで、例えばドライブレコーダ12a、12b、電車ドア上部に内蔵するカメラで、例えば車内監視カメラ52a,52b)と、第1のカメラと第2のカメラから映像情報を取得する機能を備えたセンターコンピュータ(例えば、サーバ72で、センターコンピュータは、スマートフォンやそれ以外のコンピュータ装置でもよい。)とを備えるシステムとするとよい。センターコンピュータは、第2のカメラからの衝撃の情報を受けたことに基づき第1のカメラへ当該衝撃の時点を含む映像範囲を取得するための信号(例えば、映像要求信号)を送信するシステムである。そして、センターコンピュータは、当該期間、例えば上記映像範囲の映像情報を第1のカメラから取得するとよい。
【0084】
本実施形態については、電車、列車のように、ある特定の地点を通過するのに、ある程度の時間がかかる車両の相対的に前側と相対的に後側に設置された複数のカメラを備え、前側のカメラでトリガのかかった地点を後ろ側のカメラが通過したときの映像を特定し、両地点の映像を取り出すシステムとするとよい。複数のカメラは、例えば前側が先頭車両内に配設されたドライブレコーダ12a,12b、例えば後ろ側が車内監視カメラ42a,52a,42b,52bとして把握されてもよいし、例えば前側が先頭車両内に配設されたドライブレコーダ12a,12b、例えば後ろ側が最後尾の車両内に配設されたドライブレコーダとして把握されてもよい。システムは、例えば、両地点の映像を取り出したあと、これらを並べて表示するビュアーがインストールされた装置とするとよい。ビュアーは、例えばパーソナルコンピュータ等のOSに標準搭載された映像表示用のプログラムでもよいが、車両に搭載される本実施形態のカメラ専用の映像表示用のプログラム(専用ビュアーともいう。)とすると、セキュリティ上望ましい場合がある。
【0085】
また、本実施形態については、例えば、電車、列車(例えば、電車10a)の各車両に少なくとも1つのカメラを備えるとよく、電車、列車が10両編成であれば、上記のように特定した、各車両に搭載したドライブレコーダ12aで撮影された10枚の映像を連続的に再生する機能を備えるようにするとよく、映像を補完して再生すると特によい。「上記のように特定」とは、上述した、前側のカメラでトリガのかかった地点を後ろ側のカメラが通過したときの映像を特定することをいうとよい。連続的とは、時間的に連続することをいうとよい。映像を連続的に再生する機能は、カメラ又はビュアーに備えられるとよい。
【0086】
本実施形態の照明一体型車内監視カメラ42a(電子機器及び第2の電子機器の一例)は、電車10a(移動体の一例)内に取り付けられ、車内の痴漢、窃盗等の犯罪行為、迷惑行為等を記録するものである。当該監視カメラ単体では、イベントを検知する機能を有さないため、イベントに関連する映像情報を他のイベントに関連する映像情報と区別して処理することができない。本実施形態の照明一体型車内監視カメラ42aについては、イベントの検知を示すイベント検知情報を受信し、受信したイベント検知情報の示すイベントに関連する映像情報を他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理するものである。
【0087】
図2及び
図4に示されるように、電車10aの天井には、照明一体型車内監視カメラ42aが取り付けられている。当該監視カメラ42aは、各車両において進行方向の前後に一定間隔で並設されており、車両全体にわたって進行方向の前後に一定間隔で多数の監視カメラ42aが並設されていることになる。監視カメラ42aでは、照明部50a(照明部の一例)が一体的に配設されており、車内を照明している。撮像部44a(撮像部及び第2の撮像部の一例)は、車内及び車窓を介して車外を撮像して映像情報を取得する。撮像部44aは、例えば、少なくとも照明部が点灯しているときは映像情報を取得するとよいが、消灯しているときも映像情報を取得してもよい。管理センタ70のサーバ72(管理装置の一例)は、ドライブレコーダ12aからイベントの検知を示すイベント検知情報を受信した場合には、多数の監視カメラ42aにイベント検知情報を送信する。各監視カメラ42aの通信部46a(受信部の一例)は、管理センタ70のサーバ72から送信されたイベント検知情報を受信する。イベント検知情報には、イベント検知位置情報及びイベント検知時刻情報が含まれている。映像情報処理部48a(映像情報処理部及び第2の映像情報処理部の一例)は、通信部46aによってイベント検知情報が受信された場合には、イベント検知情報の示すイベントに関連する映像情報(映像情報及び第2の映像情報の一例)を、他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理する。
【0088】
本実施形態の映像情報処理部48aによる映像情報の処理について詳説する。
映像情報処理部48aは、撮像部44aによって取得された映像情報の内、イベント検知部22aの時刻検出部32aによって検出されたイベント検知時刻を含む所定の時間範囲の映像情報をイベント映像情報として、他の映像情報とは区別して処理する。例えば、映像情報処理部48aは、撮像部44aにより撮像された映像情報を精度を低下させて記録し、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信した後、順次消去しているが、イベント映像情報については、精度を低下させることなく、他の映像情報とは区別して、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。
【0089】
車内監視カメラ42aの映像情報については、車内の痴漢、窃盗等の犯罪行為、迷惑行為等を記録するものであるため、管理センタ70のサーバ72に送信して記録しておく必要があり、全ての映像情報を高精度で送信、記録する場合には、通信量及び記憶容量が膨大となる。本実施形態では、イベント映像情報のみを高精度で送信、記録するようにしているため、通信量及び記憶容量を削減することができる。
【0090】
図1に示されるように、管理センタ70のサーバ72は、表示装置74に、ドライブレコーダ12aから受信したイベント映像情報(第1の映像情報の一例)と、多数の照明一体型車内監視カメラ42aから受信した多数のイベント映像情報(第2の映像情報の一例)とを、電車10a内における進行方向の前後の順に並べて表示し又は連続的に再生する。このようにすることで、イベント映像情報を的確に認識することができ、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故の状況を詳細に把握することができる。
【0091】
ここで、ドライブレコーダ12aと多数の照明一体型車内監視カメラ42aとについては、ドライブレコーダ12aのイベント検知部22aの時刻検出部32aによって検出されたイベント検知時刻を基準として映像情報の処理を実行するため、正確な映像情報の処理を実行するために、時刻の同期を行っておくことが好ましい。
【0092】
一変形例では、映像情報処理部48aは、撮像部44aによって取得された映像情報の内、イベント検知部22aの位置検出部30aによって検出されたイベント検知位置を撮像した映像情報をイベント映像情報として、他の映像情報とは区別して処理する。例えば、映像情報処理部48aは、イベント映像情報を、精度を低下させることなく、他の映像情報とは区別して、ドライブレコーダ12aの通信部38aから管理センタ70のサーバ72へと送信する。本変形例でも、管理センタ70のサーバ72は、表示装置74に、ドライブレコーダ12aから受信したイベント映像情報(第1の映像情報の一例)と、多数の照明一体型車内監視カメラ42aから受信したイベント映像情報(第2の映像情報の一例)とを、電車10a内における進行方向の前後の順に並べて表示し又は連続的に再生する。このようにすることで、イベントの発生した可能性のある位置を撮像した時間的に連続した多数の映像情報が並べて表示され又は連続的に再生されるため、イベント映像情報を的確に認識することができ、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故の状況を詳細に把握することができる。なお、多数のイベント映像情報を連続的に再生する場合には、適宜映像情報を補完して映像情報が滑らかに連続するようにしてもよい。
【0093】
電車10a内には、電車10aの扉の上部、電車10aの連結部等にも、多数の車内監視カメラ52aが配設されている。当該監視カメラ52aについて、ドライブレコーダ12aに代わって、イベントを検知してイベント検知情報を送信するようにしてもよいし、照明一体型車内監視カメラ42aと同様に、イベント検知情報を受信して、イベント検知情報の示すイベントに関連する映像情報を、他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理するようにしてもよい。さらに、電車10aの最後尾の車両内に進行方向後側を撮像するドライブレコーダを配設する場合には、当該ドライブレコーダについて、照明一体型車内監視カメラ42aと同様に、イベント検知情報を受信して、イベント検知情報の示すイベントに関連する映像情報を、他のイベントに関連する映像情報とは区別して処理するようにしてもよい。このように、ドライブレコーダ12aによってイベントを検知した場合に、電車10a内の照明一体型車内監視カメラ42a、車内監視カメラ52a並びに最後尾の車両内のドライブレコーダの全てに、イベント検知情報を送信するようにしてもよい。
【0094】
また、ドライブレコーダ12aからイベント検知情報を管理センタ70のサーバ72に送信し、管理センタ70のサーバ72からイベント検知情報を照明一体型車内監視カメラ42aに送信するようにしているが、ドライブレコーダ12aから照明一体型車内監視カメラ42aにイベント検知情報を直接送信するようにしてもよい。
【0095】
さらに、映像情報処理部48aは、自身により映像情報の処理を行ったが、管理センタ70のサーバ72が映像情報処理部48aを遠隔操作して映像情報の処理を実行させるようにしてもよい。
【0096】
図1を参照して、ドライブレコーダ12aからイベント検知情報を受信した管理センタ70のサーバ72が実行する更なる制御について説明する。
管理センタ70のサーバ72(管理装置の一例)は、ドライブレコーダ12aからイベント検知情報を受信した場合には、イベント検知位置を撮像している可能性のある駅構内60の構内監視カメラ62、遮断機の施設監視カメラ、対向電車等の他電車10bのドライブレコーダ12b、車内監視カメラ42b,52b(以上、第2の電子機器の一例)にイベント検知情報を送信する。イベント検知情報を受信したドライブレコーダ12b又は各監視カメラ42b,52b,62は、上述した照明一体型車内監視カメラ42aと同様に、撮像部(第2の撮像部の一例)によって取得された映像情報の内、イベント検知位置情報の示すイベント検知位置を撮像した映像情報をイベント映像情報(第2の映像情報の一例)として、他の映像情報とは区別して処理する。例えば、映像情報処理部(第2の映像情報処理部の一例)は、イベント映像情報を、精度を低下させることなく、他の映像情報とは区別して、ドライブレコーダ12b又は各監視カメラ42b,52b,62の通信部から管理センタ70のサーバ72へと送信する。
【0097】
管理センタ70のサーバ72は、表示装置74に、ドライブレコーダ12aから受信したイベント映像情報(第1の映像情報の一例)と、他のドライブレコーダ12b又は各監視カメラ42b,52b,62から受信したイベント映像情報(第2の映像情報の一例)とを、並べて表示し又は連続的に再生する。このようにすることで、イベントの発生した可能性のある位置を異なる視点から撮像した多数の映像情報が並べて表示され又は連続的に再生されるため、イベント映像情報を的確に認識することができ、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故の状況を詳細に把握することができる。
【0098】
管理センタ70のサーバ72は、ドライブレコーダ12aからイベント検知情報を受信し、ドライブレコーダ12b又は各監視カメラ42b,52b,62からイベント映像情報を受信した場合には、消防、警察等の関係各所に、イベント検知位置及びイベント検知時刻を含むイベント検知情報及びイベント映像情報を通報する。このようにすれば、消防、警察等の関係者については、イベント検知位置及びイベント検知時刻を含むイベント検知情報及びイベント映像情報に基づいて、初動対応が可能となり、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故に迅速かつ適切に対処することができる。
【0099】
管理センタ70のサーバ72は、ドライブレコーダ12aからイベント検知情報を受信した場合には、電車10a内の乗客に対して、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故が発生した可能性があることをアナウンスする。これによれば、電車10aの乗客に対して迅速かつ適切にアナウンスを行うことができる。
【0100】
管理センタ70のサーバ72は、ドライブレコーダ12aからイベント検知情報を受信した場合には、イベント検知位置情報の示すイベント検知位置から電車10aの進行方向にある遮断機を作動させる。このようにすれば、遮断機を作動させて線路上への人の侵入を防止することで、イベントの発生したイベント発生現場を保全できると共に、遮断機の作動の継続により通行人の通報を促進することができる。
【0101】
管理センタ70のサーバ72は、ドライブレコーダ12aからイベント検知情報を受信した場合には、イベント検知時刻情報の示すイベント検知時刻において、イベント検知位置情報の示すイベント検知位置の周辺に位置した携帯端末にメッセージを送信する。メッセージの内容については、イベント検知位置から携帯端末までの距離に応じて異なるものとする。本実施形態では、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故をイベントとして検知しているため、イベント検知位置に近接した位置にあった携帯端末に対しては、人身事故を目撃したことを想定して、精神的なケアのためのメッセージ、目撃情報の提供を依頼するメッセージ等を送信し、イベント検知位置の比較的近くの位置にあった携帯端末に対しては、当該イベント検知位置に近接する駅等の施設、踏切等の設備が利用不能となる可能性があることを伝達するメッセージ等を送信し、イベント検知位置の比較的遠くの位置にあった携帯端末に対しては、電車遅延の可能性があることを伝達するメッセージ等を送信する。
【0102】
上述したいずれの管理センタ70のサーバ72による制御についても、電車10aの進行方向への人の飛び込みによる人身事故が実際に発生した蓋然性が高いイベントを検知した場合にのみ、実行するようにしてもよく、イベントの種類を識別する場合には、イベントの種類に応じた異なる制御を実行するようにしてもよい。
【0103】
以上述べた実施形態では、管理装置として、管理センタ70の中央管理装置としてのサーバ72を用いているが、電車10a内に配設した適宜の管理装置を用いるようにしてもよいし、車掌等のスマートフォン等の携帯端末を管理装置として用いるようにしてもよい。
【0104】
図3及び
図5を参照して、本実施形態の電車10aの加速度に基づく、電車10aにおける非常ブレーキの作動の検知について説明する。
【0105】
以下、電車10aが、電子制御による非常ブレーキを作動させることのできる場合を前提として説明する。このような電子制御による非常ブレーキを作動させることのできる電車等の移動体では、非常ブレーキを作動させたときに、乗客の安全等の目的で、一般的な乗用車等とは異なる挙動の急制動をすることがある。
【0106】
本実施形態の移動体については、軌道としての線路上を走行し、電子ブレーキを用いる電車10a(移動体の一例)であり、電子機器としてのドライブレコーダ12a(電子機器及び第1の電子機器の一例)を用いて、電車10aの加速度に基づいて電車10aにおける非常ブレーキの作動を検知するものである。本実施形態では、電車10aの加速度が所定の非常ブレーキ閾値以上でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、電車10aにおいて非常ブレーキが作動したと検知する。
【0107】
図3に示されるように、本実施形態では、イベント検知部22a(イベント検知部の一例)では、加速度検知部26a(加速度検知部の一例)は、電車10aの加速度を検知する。衝突検知部34aは、加速度検知部26aにより検知された電車10aの加速度に基づき、電車10aの前面における衝撃を検知することにより、電車10aの前面への人等の物体の衝突を検知する。ここで、ドライブレコーダ12aは電車10aのフロントガラスの内面に取り付けられており、加速度検知部26aによって検知される加速度については、正確には電車10aのフロントガラスの加速度である。電車10aの前面に人等の物体が衝突した場合には、電車10aの前面において衝撃が発生し、電車10aのフロントガラスには瞬間的に大きな加速度が発生するため、加速度検知部26aによって検知される加速度に基づいて、電車10aの前面への人等の物体の衝突の検知が可能である。非常ブレーキ検知部36a(非常ブレーキ検知部の一例)は、加速度検知部26aにより検知された加速度が所定の非常ブレーキ閾値以上でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、電車10aにおいて非常ブレーキが作動したと検知する。なお、加速度検知部26aによって検知された加速度が所定の非常ブレーキ閾値以上であった超過時間を測定し、当該超過時間を非常ブレーキの作動の継続した非常ブレーキ継続時間(非常ブレーキ作動時間の一例)とすることが可能である。
【0108】
非常ブレーキ検知部36aによる非常ブレーキの検知について詳説する。
ここで、実験により、電車10aにおいて計測される加速度の大きさについては、概ね以下のとおりであることが判明した。
・通常の加速及び減速:0.1G程度
・鉄橋、切替ポイント等での振動:瞬間的に0.1G程度以下の小さな加速度
・約60~70kgの物体の衝突:3~2G程度
・非常ブレーキ:0.2~0.25G程度
【0109】
電車10aについては乗客を運送しており、緊急時の非常ブレーキであっても、乗客の安全のために、加速度は上記した0.2~0.25G程度に抑制される。そして、非常ブレーキの作動中には、電子制御により、加速度については、概ね上記0.2~0.25G程度の範囲内の一定程度の加速度に維持される。
【0110】
図5を参照して、電車10aの進行方向に人が飛び込み、電車10aの前面に人が衝突し、非常ブレーキが作動され、電車10aが停車した場合の加速度の変化について説明する。電車10aは、ブレーキ操作前には約62km/hの等速度で走行しており、加速度は約0Gとなっている。但し、鉄橋、切替ポイント等での振動の発生により、瞬間的に±0.1G程度以下の小さな加速度が発生している。電車10aの運転手が電車10aの進行方向への人の飛び込み覚知した場合には、ブレーキレバーを押し込み操作して通常ブレーキ続いて非常ブレーキの作動を開始させる。非常ブレーキの作動の開始により電車10aの加速度は-0.2Gまで変化する。この間、電車10aの前面への約60~70kgの人の衝突により、電車10aの加速度は-0.21から3.14まで大きく変化している。非常ブレーキの作動中、電子制御により、電車10aの加速度は約-0.2Gの一定の加速度に維持される。電車10aのブレーキ操作前の速度は約62km/hであり、電車10aの加速度は約-0.2Gの一定の加速度に維持されるため、約12秒で電車10aの速度は0km/hとなる。なお、電車10aの停車に伴い、電車10aの加速度は1/10秒以下で約-0.2Gから約0Gに変化する。
【0111】
本実施形態では、加速度の非常ブレーキ閾値を略0.15G、時間閾値を数秒に設定し、略0.15Gを超える加速度が数秒以上継続した場合には、非常ブレーキの作動を検知する。上述したとおり、電車10aの通常の加速及び減速では加速度は0.1G程度であり、鉄橋、切替ポイント等での振動の発生によっても瞬間的に0.1G程度以下の小さな加速度が発生するのみであるのに対して、非常ブレーキの作動時の加速度は0.2~0.25G程度の一定程度の加速度に維持される。このため、上記条件により、電車10aの通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生とは区別しつつ、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0112】
本実施形態の一変形例では、加速度の非常ブレーキ閾値を略0.15Gに設定し、時間閾値については、加速度が非常ブレーキ閾値を超えた時点での電車10aの速度と加速度とから電車10aが停車するまでの停車時間(停止時間の一例)を計算し、当該停車時間に基づいて設定する。例えば、時間閾値を停車時間そのものに設定してもよいし、停車時間の1/3程度に設定してもよい。上述したとおり、電車10aの通常の加速及び減速では加速度は0.1G程度であり、鉄橋、切替ポイント等での振動の発生によっても瞬間的に0.1G程度以下の小さな加速度が発生するのみであるのに対して、非常ブレーキの作動時の加速度は電車10aが停車する停車時間まで0.2~0.25G程度の一定程度の加速度に維持される。このため、上記条件により、電車10aの通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生とは区別しつつ、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0113】
本実施形態の一変形例では、加速度が0.2~0.25G程度の範囲内でありかつ所定の時間閾値以上継続した場合に、非常ブレーキの作動を検知する。
【0114】
本実施形態の一変形例では、非常ブレーキ閾値及び時間閾値を任意に設定可能とする。このようにすれば、電車10aに応じて非常ブレーキ閾値及び時間閾値を適宜設定することで、非常ブレーキの作動を適切に検知することができる。
【0115】
また、本実施形態では、イベント検知部22aは、加速度検知部26aによって検知された加速度が所定の重閾値を超えた場合には、重イベントを検知する。本実施形態では、重イベント閾値を略2.1Gに設定する。上述したとおり、電車10aの通常の加速及び減速では加速度は0.1G程度、鉄橋、切替ポイント等での振動の発生による加速度は0.1G程度以下の小さな加速度であるのに対して、非常ブレーキの作動時の加速度は0.2~0.25G程度となっている。このため、上記条件により、電車10aの通常の加速及び減速の作動並びに振動の発生とは区別しつつ、非常ブレーキの作動等の重イベントを適切に検知することができる。
【0116】
移動体としては例えば電子制御によるブレーキを作動させる移動体を用いることができ、本実施形態の一変形例では、移動体としてエレベータを用いるとよい。エレベータは、通常は体に感じない加速度で上昇、下降し、緊急事態の急ブレーキの場合、電子制御のブレーキがかかる。ある程度の速度で上昇、下降をしている場合、次の瞬間0停止する(超緊急事態)。又は、エレベータは所定の階の停止位置まで移動して停止する。
【0117】
本実施形態のシステムの全体構成については、カーシェアシステムにも適用可能である。例えば、各シェアカーのドライブレコーダと、管理センタの中央管理装置としてのサーバとの間では、無線LTEにより通信を行い、シェアカーのための施設である駐車場等の監視カメラと、管理センタのサーバとの間では、有線又は無線LANにより中継装置としてのモバイルルータ又はアクセスポイントを介して有線又は無線LTEにより通信を行う。また、シェアカーが駐車場等内にある場合には、シェアカーのドライブレコーダと、管理センタの中央管理装置としてのサーバとの間でも、無線LANにより中継装置としてのモバイルルータ又はアクセスポイントを介して有線又は無線LTEにより通信を行う。
【0118】
また、本実施形態については、ドライブレコーダ(
図6では「レコーダ」と記載する。)は、
図6に示されるように、イベント記録のトリガ(以下「イベントリガ」という。)の相互通信として、GPS等の位置情報をもとに、最寄りのドライブレコーダを探索し、イベントトリガを共有して、そのイベントトリガ前後の映像情報をイベント記録として記録し、そのイベント記録した映像情報をサーバに送信(伝送ともいう)するとよい。また、前方のドライブレコーダのトリガ情報を、車両内についているドライブレコーダや、車両の後方を撮影しているドライブレコーダに伝達して、車両全体のイベントトリガとしてもよい。また、駅や踏切、対向車両などのドライブレコーダにイベントトリガを伝達していろいろな角度からの映像情報を取得してもよい。イベントトリガは、上述したイベント記録のトリガやそれ以外のトリガとなるものを採用し得る。
【0119】
本発明の別の一実施形態は、上記一実施形態のドライブレコーダ12a,12b(電子機器及び第1の電子機器の一例)、照明一体型車内監視カメラ42a,42b(電子機器及び第2の電子機器の一例)、サーバ72(管理装置の一例)等の各構成の各機能を夫々コンピュータに実現させる各プログラムである。このようなプログラムは、装置に内蔵されているeMMCや、ハードディスク等の記憶装置、又は当該装置に着脱可能なSDカード等の記憶装置に記憶されており、当該装置のCPU等の演算処理装置により、当該装置のRAM等の記憶領域に読み出されて実行されることにより、当該プログラムの機能が実現されるようになっている。上記一実施形態のドライブレコーダ12a,12b(電子機器及び第1の電子機器の一例)、照明一体型車内監視カメラ42a,42b(電子機器及び第2の電子機器の一例)、サーバ72(管理装置の一例)等の各構成の各機能は、ハードウェア資源、ソフトウェア資源又はこれらの組み合わせのいずれで実現されてもよい。
【0120】
本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0121】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0122】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化する意思を有するものである。
【符号の説明】
【0123】
10a,10b…電車 12a,12b…ドライブレコーダ 14a…撮像部
16a…音検知部 18a…映像情報処理部 20a…音情報処理部
22a…イベント検知部 24a…音解析部 26a…加速度検知部
28a…速度検知部 30a…位置検出部 32a…時刻検出部 34a…衝突検知部
36a…非常ブレーキ検知部 38a…通信部
42a,42b…照明一体型車内監視カメラ 44a…撮像部 46a…通信部
48a…映像情報処理部 50a…照明部 52a,52b…車内監視カメラ
60…駅構内 62…構内監視カメラ 70…管理センタ 72…サーバ
74…表示装置 80…モバイルルータ又はアクセスポイント