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特開2023-29181荷物受付システム、および荷物受付システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029181
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】荷物受付システム、および荷物受付システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230224BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214223
(22)【出願日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2021133139
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117673
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 了
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩二
(72)【発明者】
【氏名】越智 康雄
(72)【発明者】
【氏名】西田 直之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】荷物の測定量を自動的に測定する場合において、より柔軟な料金決定を実現し顧客満足度を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】荷物受付システムは、荷物の測定量に関する測定値(たとえばサイズ測定値S)が複数の区分のいずれに属するかに基づいて、サービス利用料金を算出する。荷物受付システムは、互いに隣接する区分G1と区分G2とを区別するための基準値B1よりもサイズ測定値Sが小さい場合、サイズ測定値Sが区分G1に属すると判定し(S45)、サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きく且つサイズ測定値Sと基準値B1との差分値ΔF1が所定値α1よりも大きい場合、サイズ測定値Sが区分G2に属すると判定する(S55)。一方、サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい場合であっても、差分値ΔF1が所定値α1より小さいとき(ステップS42でYes)には、サイズ測定値Sが区分G1に属すると判定される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の測定量を測定する測定手段と、
前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記測定値が小さい場合、前記測定値が前記第1区分に属すると判定し、
前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記測定値と前記第1基準値との差分値が所定値よりも大きい場合、前記測定値が前記第2区分に属すると判定し、
前記測定値が前記第1基準値よりも大きい場合であっても、前記差分値が前記所定値より小さいときには、前記測定値が前記第1区分に属すると判定することを特徴とする、荷物受付システム。
【請求項2】
前記測定量と前記荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表を提示する提示手段、
をさらに備え、
前記料金表においては、前記第1基準値と前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが規定されており、
前記制御手段は、前記第1基準値と前記測定値との大小関係のみならず、前記第1基準値よりも前記所定値大きな改定第1基準値と前記測定値との大小関係にも基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定することを特徴とする、請求項1に記載の荷物受付システム。
【請求項3】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、
前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記所定値は第1の値であり、
前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記所定値は前記第1の値よりも大きな第2の値であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の荷物受付システム。
【請求項4】
荷物の測定量を測定する測定手段と、
前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記測定値が小さい場合、前記測定値が前記第1区分に属すると判定し、
前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記測定値と前記第1基準値との差分値が所定値よりも大きい場合、前記測定値が前記第2区分に属すると判定し、
前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記差分値が前記所定値より小さい場合、料金低減のためのガイダンスを実行することを特徴とする、荷物受付システム。
【請求項5】
前記所定値を設定する設定手段、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の荷物受付システム。
【請求項6】
荷物の測定量を測定する測定手段と、
前記測定量と前記荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表を提示する提示手段と、
前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、
を備え、
前記料金表においては、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが規定されており、
前記制御手段は、前記第1基準値と前記測定値との大小関係ではなく、前記第1基準値よりも大きな改定第1基準値と前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定することを特徴とする、荷物受付システム。
【請求項7】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、
前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は第1の値であり、
前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は前記第1の値よりも大きな第2の値であることを特徴とする、請求項6に記載の荷物受付システム。
【請求項8】
荷物の互いに異なる3方向のそれぞれにおける長さの合計値であるサイズを測定する測定手段と、
前記サイズの測定値であるサイズ測定値が前記サイズに関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記3方向のそれぞれにおける長さの測定値をそれぞれの端数を切り捨てた後に合計することによって、前記サイズ測定値を算出し、
互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記サイズ測定値との大小関係に基づいて、前記サイズ測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定することを特徴とする、荷物受付システム。
【請求項9】
荷物の重量を測定する測定手段と、
前記重量の測定値である重量測定値が前記重量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
その端数を切り捨てることによって前記重量測定値を算出し、
互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記重量測定値との大小関係に基づいて、前記重量測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定することを特徴とする、荷物受付システム。
【請求項10】
荷物の測定量を測定する測定手段を有する荷物受付システムの制御方法であって、
a)前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかを判定するステップと、
b)前記ステップa)における判定結果に基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出するステップと、
を備え、
前記ステップa)は、
a-1)互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記測定値が小さい場合、前記測定値が前記第1区分に属すると判定するステップと、
a-2)前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記測定値と前記第1基準値との差分値が所定値よりも大きい場合、前記測定値が前記第2区分に属すると判定するステップと、
a-3)前記測定値が前記第1基準値よりも大きい場合であっても、前記差分値が前記所定値より小さいときには、前記測定値が前記第1区分に属すると判定するステップと、
を備えることを特徴とする、荷物受付システムの制御方法。
【請求項11】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、
前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記所定値は第1の値であり、
前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記所定値は前記第1の値よりも大きな第2の値であることを特徴とする、請求項10に記載の荷物受付システムの制御方法。
【請求項12】
荷物の測定量を測定する測定手段と、前記測定量と前記荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表を提示する提示手段とを有する荷物受付システムの制御方法であって、
a)前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかを判定するステップと、
b)前記ステップa)における判定結果に基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出するステップと、
を備え、
前記料金表においては、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが規定されており、
前記ステップa)においては、前記第1基準値と前記測定値との大小関係ではなく、前記第1基準値よりも大きな改定第1基準値と前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが判定されることを特徴とする、荷物受付システムの制御方法。
【請求項13】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、
前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は第1の値であり、
前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は前記第1の値よりも大きな第2の値であることを特徴とする、請求項12に記載の荷物受付システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物受付システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
配送対象の荷物を受け付ける(引き受ける)際に、当該荷物の撮影画像に基づき当該荷物のサイズを自動測定し、サイズと配送先とに基づいて配送料金を算出する技術が存在する(特許文献1等参照)。当該技術においては、予め定められた料金表に基づいて、自動的に料金(配送サービスの利用料金)が算出される。
【0003】
たとえば、料金表においては、荷物のサイズ(具体的には、幅W、奥行きD、高さHの3辺の合計値(W+D+H))が複数のサイズ範囲(サイズ区分)に区分されており、各サイズ区分に応じた料金が規定されている。たとえば、「0cm(センチメートル)~60cm」、「60cm~80cm」、「80cm~100cm」、「100cm~120cm」、...などの複数のサイズ区分(区分範囲)に応じた料金が段階的に規定されている。また、このような複数のサイズ区分に応じた段階的な料金は、荷物の配送先の地域ごとに設定される。
【0004】
そして、自動測定された(受付対象の)荷物のサイズ(測定値ないし測定サイズとも称する)が複数のサイズ区分のうち何れのサイズ区分に該当するかが料金表に従って判定される。詳細には、荷物の測定サイズが複数の測定サイズのうちの或るサイズ区分(第1区分)内の最小値から当該或るサイズ区分内の最大値までの間の値である場合、当該荷物は当該サイズ区分(第1区分)のサイズを有する、と判定される。たとえば、荷物の測定サイズが59.5cmである場合(基準値60cmより小さい場合)には、当該荷物は、「0cm~60cm」のサイズ区分のサイズを有する、と判定される。換言すれば、サイズの測定値とサイズに関する基準値との比較結果に基づいて、当該荷物のサイズがいずれのサイズ区分に属するかが決定される。
【0005】
そして、当該サイズ区分に応じた利用料金(より詳細には、荷物の配送先の地域にも応じた料金)が決定される。
【0006】
このような技術においては、人手による計測を要さず、省人化の要請等に応えることが可能である。
【0007】
ただし、現状では、上述のような自動測定技術を用いるのではなく、人間(宅配事業者の従業員等)が荷物のサイズを巻き尺等を用いて計測することが一般的には行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6798725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、人間が荷物のサイズを巻き尺等を用いて計測する場合には、顧客満足度を向上させるため、多少のサイズオーバーを許容し、当該荷物が若干小さめのサイズ区分に該当するとして料金を決定する運用がなされることも多い。
【0010】
一方、上記のような自動測定技術においては、サイズが1mm(ミリメートル)でも超過すると、ワンサイズ(一区分)大きなサイズ区分の料金が適用される。たとえば、荷物の測定サイズが60.1cmである場合(基準値60cmより大きい場合)には、当該荷物は、サイズ区分「0cm~60cm」よりも一回り大きなサイズ区分「60cm~80cm」のサイズを有する、と判定される。その結果、サイズ区分「0cm~60cm」に対応する料金よりも高い料金(サイズ区分「60cm~80cm」に対応する料金)が決定される。
【0011】
しかしながら、微少なサイズオーバーによってワンサイズ大きなサイズ区分の料金が適用される場合、不満を感じる顧客(配送サービスの顧客)は多い、と考えられる。端的に言えば、このような杓子定規なサイズ区分決定処理が行われる場合、必ずしも十分な顧客満足度を得ることができない。
【0012】
なお、ここでは、荷物の「サイズ」(3辺合計値等)が荷物の測定量として測定される場合について主に説明しているが、これに限定されず、荷物の「重量」が荷物の測定量として測定される場合も同様である。
【0013】
そこで、この発明は、荷物の測定量を自動的に測定する場合において、より柔軟な料金決定を実現し顧客満足度を向上させることが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決すべく、本発明に係る荷物受付システムは、荷物の測定量を測定する測定手段と、前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、を備え、前記制御手段は、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記測定値が小さい場合、前記測定値が前記第1区分に属すると判定し、前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記測定値と前記第1基準値との差分値が所定値よりも大きい場合、前記測定値が前記第2区分に属すると判定し、前記測定値が前記第1基準値よりも大きい場合であっても、前記差分値が前記所定値より小さいときには、前記測定値が前記第1区分に属すると判定することを特徴とする。
【0015】
前記荷物受付システムは、前記測定量と前記荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表を提示する提示手段、をさらに備え、前記料金表においては、前記第1基準値と前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが規定されており、前記制御手段は、前記第1基準値と前記測定値との大小関係のみならず、前記第1基準値よりも前記所定値大きな改定第1基準値と前記測定値との大小関係にも基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定してもよい。
【0016】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記所定値は第1の値であり、前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記所定値は前記第1の値よりも大きな第2の値であってもよい。
【0017】
上記課題を解決すべく、本発明に係る荷物受付システムは、荷物の測定量を測定する測定手段と、前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、を備え、前記制御手段は、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記測定値が小さい場合、前記測定値が前記第1区分に属すると判定し、前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記測定値と前記第1基準値との差分値が所定値よりも大きい場合、前記測定値が前記第2区分に属すると判定し、前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記差分値が前記所定値より小さい場合、料金低減のためのガイダンスを実行することを特徴とする。
【0018】
前記荷物受付システムは、前記所定値を設定する設定手段、をさらに備えてもよい。
【0019】
上記課題を解決すべく、本発明に係る荷物受付システムは、荷物の測定量を測定する測定手段と、前記測定量と前記荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表を提示する提示手段と、前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、を備え、前記料金表においては、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが規定されており、前記制御手段は、前記第1基準値と前記測定値との大小関係ではなく、前記第1基準値よりも大きな改定第1基準値と前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定することを特徴とする。
【0020】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は第1の値であり、前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は前記第1の値よりも大きな第2の値であってもよい。
【0021】
上記課題を解決すべく、本発明に係る荷物受付システムは、荷物の互いに異なる3方向のそれぞれにおける長さの合計値であるサイズを測定する測定手段と、前記サイズの測定値であるサイズ測定値が前記サイズに関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記3方向のそれぞれにおける長さの測定値をそれぞれの端数を切り捨てた後に合計することによって、前記サイズ測定値を算出し、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記サイズ測定値との大小関係に基づいて、前記サイズ測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定することを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決すべく、本発明に係る荷物受付システムは、荷物の重量を測定する測定手段と、前記重量の測定値である重量測定値が前記重量に関する複数の区分のいずれに属するかに基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出する制御手段と、を備え、前記制御手段は、その端数を切り捨てることによって前記重量測定値を算出し、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記重量測定値との大小関係に基づいて、前記重量測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかを判定することを特徴とする。
【0023】
上記課題を解決すべく、本発明に係る制御方法は、荷物の測定量を測定する測定手段を有する荷物受付システムの制御方法であって、a)前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかを判定するステップと、b)前記ステップa)における判定結果に基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出するステップと、を備え、前記ステップa)は、a-1)互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記測定値が小さい場合、前記測定値が前記第1区分に属すると判定するステップと、a-2)前記測定値が前記第1基準値よりも大きく且つ前記測定値と前記第1基準値との差分値が所定値よりも大きい場合、前記測定値が前記第2区分に属すると判定するステップと、a-3)前記測定値が前記第1基準値よりも大きい場合であっても、前記差分値が前記所定値より小さいときには、前記測定値が前記第1区分に属すると判定するステップと、を備えることを特徴とする。
【0024】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記所定値は第1の値であり、前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記所定値は前記第1の値よりも大きな第2の値であってもよい。
【0025】
上記課題を解決すべく、本発明に係る制御方法は、荷物の測定量を測定する測定手段と、前記測定量と前記荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表を提示する提示手段とを有する荷物受付システムの制御方法であって、a)前記測定量に関する測定値が前記測定量に関する複数の区分のいずれに属するかを判定するステップと、b)前記ステップa)における判定結果に基づいて、前記荷物に関するサービスの利用料金を算出するステップと、を備え、前記料金表においては、互いに隣接する第1区分と第2区分とを区別するための第1基準値と、前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが規定されており、前記ステップa)においては、前記第1基準値と前記測定値との大小関係ではなく、前記第1基準値よりも大きな改定第1基準値と前記測定値との大小関係に基づいて、前記測定値が前記第1区分と前記第2区分とのいずれに属するかが判定されることを特徴とする。
【0026】
前記荷物は、所定の分類基準に基づき複数のカテゴリーのいずれかに分類され、前記荷物が第1カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は第1の値であり、前記荷物が第2カテゴリーに分類される場合、前記改定第1基準値は前記第1の値よりも大きな第2の値であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、より柔軟な料金決定を実現し顧客満足度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】荷物受付システムの機能ブロックを示す図である。
図2】荷物受付システムにおける寸法測定装置の概略外観図である。
図3】荷物受付システムにおけるロッカー装置の概略外観図である。
図4図2の寸法測定装置を別の方向から見た概略外観図である。
図5】寸法算出装置等における処理を示すフローチャートである。
図6】料金表(提示料金表)を示す図である。
図7】算出用料金表を示す図である。
図8】区分判定処理を示すフローチャートである。
図9図8と同様の処理を示すフローチャートである。
図10】提示料金表による区分判定処理と算出用料金表による区分判定処理とを比較して示す図である。
図11】荷物のサイズおよび重量の測定結果等に関する表示画面を示す図である。
図12】第2実施形態に係る区分判定処理を示すフローチャートである。
図13】ガイダンス画面を示す図である。
図14】第3実施形態に係る区分判定処理を示すフローチャートである。
図15】他の料金表(提示料金表)を示す図である。
図16】第4実施形態に係る所定値(許容値)の設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
<1.第1実施形態>
<1-1.装置概要>
図1は、第1実施形態に係る荷物受付システム1の機能ブロックを示す図である。
【0031】
図1に示されるように、荷物受付システム1は、寸法測定装置10(図2も参照)とロッカー装置60(図3も参照)とを備えて構成される。この荷物受付システム1は、たとえば荷物配送業者の配送センター等に設置される。寸法測定装置10とロッカー装置60とは、通信ネットワーク108(LAN(Local Area Network)およびインターネット等を含む)を介して互いに通信可能である。
【0032】
図2は、荷物受付システム1の寸法測定装置10(詳細にはその一部)を示す概略外観図である。寸法測定装置10は、測定対象物(配送対象の荷物等)80の表面の3次元位置情報等に基づき、測定対象物80の寸法を算出する装置である。寸法測定装置10は、3次元寸法測定装置あるいは3次元測定装置とも称される。
【0033】
図2に示されるように、寸法測定装置10は、測定対象物80を保持する保持部50と、当該保持部50に保持された測定対象物80の表面の3次元位置情報を取得するための3次元カメラ20とを備える。
【0034】
保持部50は、測定対象物80の底面を支持する透明部材51と、測定対象物80の背面(側面)を支持する透明部材52(図4も参照)とを備える。図4は、寸法測定装置10を図2とは異なる方向から見た概略外観図である。
【0035】
透明部材51,52は、それぞれ、略矩形形状の平面形状を有し且つ所定厚さ(たとえば2cm)を有する板状部材である。透明部材51,52は、それぞれ、たとえば透明のアクリル樹脂で形成された板状部材(端的に言えば、透明アクリル板)である。透明部材51は、略水平に設けられており、透明部材52は、透明部材51(詳細にはその上面51a)に対して垂直に設けられている。2つの透明部材51,52は、断面L字型の保持部50(図4参照)を構成している。
【0036】
測定対象物80は、底面側の透明部材51上に載置され且つ側方(背面側)の透明部材52に押しつけられた状態で保持される(図2および図4参照)。透明部材51の上面51aは、測定対象物80が載置される面(載置面)であり、透明部材51は載置台であるとも表現される。また、透明部材51の下面51bには、所定の模様(ランダムドットあるいはランダム模様等)が施されている。当該模様が施された面は、模様面とも称される。同様に、透明部材52の背面52b(測定対象物80に接触する鉛直面(前面)52aの反対側の面)(図4参照)にも模様が施されている。
【0037】
透明部材51の上面51a上に載置された測定対象物80は、透明部材51の下面51b(模様面)から離間した(浮いた)状態で、3次元カメラ20によって撮影される。同様に、透明部材52の前面52aに対して押しつけられた測定対象物80は、透明部材52の背面52b(模様面)から離間した(浮いた)状態で、3次元カメラ20によって撮影される。
【0038】
また、寸法測定装置10は、3次元カメラ20を用いて取得された3次元位置情報等に基づく寸法算出処理等を実行する寸法算出装置30(図1参照)をも備える。寸法算出装置30は、3次元位置情報に基づき測定対象物の寸法を算出する。
【0039】
さらに、寸法測定装置10は、重量計(重量測定部)40をも備えており、測定対象物80の寸法のみならず、保持部50に保持された測定対象物80の重量をも、自動的に測定することが可能である。
【0040】
寸法測定装置10は、たとえば、顧客により持ち込まれた配送対象物等(測定対象物80)の寸法および重量等を測定する作業等に利用される。測定対象物80としては、ダンボール箱、紙袋、封筒などが例示される。
【0041】
3次元カメラ20は、測定対象物80が保持部50に保持されている状態(保持部50の透明部材51の上面(載置面)51aに載置されている状態)において、当該測定対象物80を上方から見た撮影画像を撮影することが可能である。具体的には、3次元カメラ20は、測定対象物80の上面よりも更に上方に離間した位置において下向き(詳細には、YZ平面において鉛直方向に対して若干傾斜した方向を向くように(図4参照))に配置されている。3次元カメラ20は、カメラ固定部材27,28によって固定されている。カメラ固定部材27は、床面90に固定され鉛直方向に伸延する支柱部材であり、カメラ固定部材28は、支柱部材27の最上部付近から測定対象物80の上方位置に向けて水平方向に伸延する梁(はり)部材である(図2参照)。3次元カメラ20は、カメラ固定部材28の先端部付近(且つ測定対象物80の上方)において下向き(斜め下方向き)に固定されている。
【0042】
なお、透明部材51は、水平(水平面に対して平行)ではなく、水平面に対して傾斜するように(たとえばX軸周りに若干回転した角度を有するように)配置されてもよい。また、測定対象物が「保持される」状態は、摩擦力の作用等によって測定対象物が透明部材51(載置面)上の特定位置に存在し続ける状態(特定位置での存在が維持される状態)等をも含むものとする。
【0043】
3次元カメラ20は、ここでは、ステレオ視方式の3次元カメラであり、詳細には、赤外光照射を伴うステレオ視方式の3次元カメラである。3次元カメラ20は、深度情報(距離情報)付き撮影画像を取得する。詳細には、3次元カメラ20は、その赤外光照射部(赤外線投射器)から赤外光(赤外線)を測定対象物80に照射して、当該測定対象物80からの反射光(赤外光)を2つの赤外線画像センサで受光して2枚の赤外光画像(撮影画像)を撮像する。そして、3次元カメラ20は、当該2枚の赤外線画像センサの視差を利用して、一の赤外線画像(撮影画像)の各画素の深度情報(奥行き距離情報)を取得する。
【0044】
深度情報(奥行き距離情報)の算出処理は、ここでは、3次元カメラ20内に組み込まれたコントローラ等によって実行される。当該コントローラは、コントローラ31(後述)等と同様のハードウエア構成(CPU等)を備える。ただし、これに限定されず、3次元カメラ20内部の当該コントローラではなく、3次元カメラ20外部のコントローラ31(図1)等が、2枚の撮影画像に基づいて奥行き距離情報等を算出してもよい。
【0045】
このようにして、3次元カメラ20は、被写体物体(測定対象物80である荷物等)の撮影画像(赤外光画像)を撮像するとともに、当該撮影画像内の各画素の深度情報(奥行き距離情報)を取得する。なお、撮影画像内の各画素の深度情報は、撮影画像内の各画素に対応する被写体物体までの距離(3次元カメラ20からの距離)の情報であって当該撮影画像に垂直な方向における距離の情報である。換言すれば、当該深度情報は、撮影画像平面の法線方向における距離情報(奥行き距離情報)である。
【0046】
また、この3次元カメラ20は、画像センサとして、2つの赤外線画像センサのみならず1つのRGBカラー画像センサをも備えており、2枚の赤外光画像に加えて、可視光画像(カラー画像等)をも撮像する。可視光画像は、たとえば一の赤外線画像の撮影範囲に相当する範囲を撮影した画像である。可視光画像の各画素は当該一の赤外線画像の各画素に対応づけられ、可視光画像の各画素の深度情報もが取得される。なお、可視光画像として、カラー画像ではなく、グレースケール画像等が撮像されてもよい。
【0047】
なお、ここでは、3次元カメラ20として、赤外光(測定光)を測定対象物に照射して赤外線画像センサーで取得された2つの赤外光画像を用いるステレオ視方式の3次元カメラを例示するが、これに限定されない。たとえば、3次元カメラ20は、測定光として可視光を用いるステレオ視方式の3次元カメラであってもよい。詳細には、当該3次元カメラは、測定対象物にて反射された可視光(自然光の反射光、あるいは白色光源等からの照射光の反射光)による光像を2つのRGBカラー画像センサでそれぞれ撮像した2つのカラー画像(可視光画像)を取得する。そして、当該2つのRGBカラー画像センサの視差を利用して、一の可視光画像(撮影画像)の各画素の深度情報(奥行き距離情報)が取得される。3次元カメラ20は、このような可視光画像を用いるステレオ視方式の3次元カメラであってもよい。あるいは、3次元カメラ20は、ステレオ視方式以外の3次元カメラ、たとえば、TOF(Time of Flight)方式の3次元カメラ等、その他の任意の方式の3次元カメラであってもよい。
【0048】
3次元カメラ20と寸法算出装置30とは有線接続されており、3次元カメラ20で取得された情報(撮影画像情報および深度情報等)は、所定の接続ケーブルを介して3次元カメラ20から寸法算出装置30に送信される。なお、これに限定されず、3次元カメラ20と寸法算出装置30とは無線接続されてもよい。
【0049】
図1に示されるように、寸法算出装置30は、コントローラ(制御部とも称する)31と記憶部32と操作部35とを備える。
【0050】
コントローラ31は、寸法算出装置30に内蔵される装置であり、3次元カメラ20、重量計40、および寸法算出装置30の動作を制御する装置である。
【0051】
コントローラ31は、1又は複数のハードウェアプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit))等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ31は、CPU等において、記憶部(ROMおよび/またはハードディスクなどの不揮発性記憶部)32内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されて寸法算出装置30にインストールされるようにしてもよい。あるいは、当該プログラムは、通信ネットワーク等を経由してダウンロードされて寸法算出装置30にインストールされるようにしてもよい。
【0052】
コントローラ31は、測定対象物80に関する撮影画像情報および深度情報を3次元カメラ20から取得する。また、コントローラ31は、撮影画像情報および深度情報に基づき、測定対象物80の表面に関する3Dクラウドデータ(点群データ)(換言すれば、測定対象物80の表面に関する3次元位置情報)を生成(取得)する。そして、コントローラ31は、当該3次元位置情報に基づき、測定対象物80の寸法(幅、奥行き、高さ)を算出する。
【0053】
また、コントローラ31は、重量計40によって測定された測定対象物80の重量を取得する。さらに、コントローラ31は、測定対象物80(配送対象物)を配送する際の配送料金等を算出する。
【0054】
記憶部32は、ハードディスクドライブ(HDD)あるいはソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶装置で構成される。記憶部32は、データベース33等を有している。データベース33には、配送サービスにおける配送対象物のサイズ区分、ならびに当該サイズ区分等に応じた料金等が登録されている。具体的には、記憶部32(データベース33)には、当該料金に関する料金表110(図6)が記憶(登録)されている。また、後述する料金表120もが記憶(登録)されてもよい。
【0055】
操作部35は、寸法算出装置30に対する操作入力を受け付ける操作入力部35aと、各種情報の表示出力を行う表示部35bとを備えている。たとえば、操作入力部35a(受付部とも称される)は、荷物(配送対象物)に関する情報(荷物の取扱情報を含む)の入力を受け付ける。また、表示部35bは、荷物の寸法と重量とに関する測定結果、ならびに当該測定結果に基づいて算出された配送料金等を表示する。操作入力部35aとしてはマウス、キーボード等が用いられ、表示部35bとしてはディスプレイ(液晶ディスプレイ等)が用いられる。また、操作入力部35aの一部としても機能し且つ表示部35bの一部としても機能するタッチパネルが設けられてもよい。
【0056】
また、操作部35は、2次元コードリーダ(2次元カメラ等)35cを有している。2次元コードリーダ35cは、ユーザの携帯端末(スマートフォン等)の表示部等に表示された2次元コード(2次元バーコードとも称する)を読み取ることが可能である。2次元コードとしては、たとえばQRコード(登録商標)等が用いられればよい。
【0057】
コントローラ31は、ユーザからの各種の指示を操作部35等を介して受け付けるとともに、ユーザに対する各種の指示を操作部35等を介して付与する。
【0058】
また、寸法算出装置30は、プリンタ37をも備える。
【0059】
プリンタ37は、ラベルおよび紙片等に関する印刷出力等を行うプリンタである。
【0060】
プリンタ37は、コントローラ31等からの印刷出力指示に応じて、荷物の配送先および配送元の情報、ならびに荷物の取扱情報等が印刷されたラベル(送付ラベル)を印刷出力することが可能である。また、プリンタ37は、コントローラ31等からの印刷出力指示に応じて、2次元コード等が印刷された紙片を印刷出力することも可能である。
【0061】
なお、寸法算出装置30は、撮影画像等に基づく処理を実行する装置であることから、画像処理装置であるとも表現される。
【0062】
図1に示されるように、ロッカー装置60は、コントローラ(制御部とも称する)61と記憶部62と操作部65とを備える。コントローラ61、記憶部62および操作部65は、上述のコントローラ31、記憶部32および操作部35とそれぞれ同様のハードウエア構成を有している。
【0063】
また、図3に示されるように、ロッカー装置60は、複数の収納部(収納室ないしロッカーとも称する)71を備える。図3は、荷物受付システムにおけるロッカー装置60の概略外観図である。
【0064】
各収納部71は、略直方体形状の内部空間を有するとともに、その前面側に扉(詳細には電子錠付きの扉)を有している。当該扉の施錠および解錠は、ロッカー装置60のコントローラ61によって制御される。また、各収納部71は、その間口(幅)および/または高さ等が異なる数種類の大きさ(小サイズ、中サイズ、大サイズ、特大サイズ等)のいずれかを有している。
【0065】
<1-2.コントローラ31等における処理等>
図5は、寸法算出装置30(詳細にはコントローラ31)等における処理を示すフローチャートである。以下、図5を参照しつつ当該処理について説明する。
【0066】
ステップS11において、寸法算出装置30(コントローラ31)は、荷物の配送元(運送依頼者)の情報(運送依頼者の氏名、運送依頼者の住所等)、および、荷物の配送先の情報(配送宛先の氏名、住所等)を取得する。
【0067】
これらの情報は、操作部35のタッチパネルを介したユーザ操作によって入力されればよい。なお、これに限定されず、これらの各種の情報は、ユーザの携帯端末(スマートフォン等)にて予め入力され、その後に当該携帯端末の表示部にて2次元コードに変換された状態で表示されてもよい。そして、当該2次元コードが操作部35の2次元コードリーダ35cによって読み取られることによって、当該情報が寸法測定装置10に入力(取得)されてもよい。
【0068】
次に、ステップS12において、3次元カメラ20は、保持部50に保持された測定対象物80に関する撮影画像および深度情報を生成し、コントローラ31に受け渡す。コントローラ31は、このような撮影画像および深度情報に基づいて、測定対象物80の表面(ひょうめん)に関する3次元データ(ポイントクラウドデータ(点群データ))を生成する。換言すれば、コントローラ31は、被写体物体(測定対象物80)の各部分(各表面部分)の撮影画像内での平面位置に関する情報と当該各部分までの距離情報(奥行き情報)とに基づいて、各部分の3次元位置情報(実空間内での3次元位置情報)を取得する。
【0069】
詳細には、コントローラ31は、各部分の3次元位置情報(実空間内での3次元位置情報)を、保持部50に固定された座標系Σ2で表現された情報として取得する。具体的には、コントローラ31は、カメラ座標系Σ1での位置情報(撮影画像内での平面位置および撮影画像の法線方向における奥行き位置)を、作業空間(たとえば透明部材51の上面51a)に対して固定された座標系Σ2での3次元位置情報へと変換する。カメラ座標系Σ1は、たとえば、撮影画像平面に平行な直交2軸と当該撮影画像平面に垂直な方向に伸びる1軸との直交3軸を基準とする3次元直交座標系である。また、変換後の座標系Σ2は、たとえば、透明部材51の上面51aに平行な直交2軸(XY軸)と当該直交2軸に垂直な方向(高さ方向)に伸びる1軸(Z軸)との直交3軸を基準とする3次元直交座標系である。図2および図4等においては、変換後の座標系Σ2の一例として、透明部材51の上面51aに固定されたXYZ直交座標系が示されている。
【0070】
このようにして、コントローラ31は、測定対象物80の各部分の3次元位置情報を取得(算出)する。具体的には、ポイントクラウドデータ(点群データ)における各微小領域(撮影画像の各画素に対応する微小部分(微小領域))の3次元位置の情報が取得される。
【0071】
次のステップS13において、コントローラ31は、測定対象物80の表面の3次元位置情報に基づき、測定対象物80の寸法を算出する。具体的には、測定対象物80(荷物)のサイズ情報(W,D,H)が算出される。ここで、高さHは、測定対象物80の上面82と下面83(図2参照)との間の距離である。また、幅Wは、測定対象物80の側面84e(左側面)と側面84f(右側面)との間の距離であり、奥行きDは、測定対象物80の側面84c(前面)と側面84d(背面)(図4参照)との間の距離である。
【0072】
具体的には、まず、コントローラ31は、測定対象物80のポイントクラウドデータ(点群データ)を射影変換した射影画像221(不図示)を生成する。射影画像221は、当該ポイントクラウドデータを透明部材51の上面51aの法線方向に沿って当該上面51a(詳細には、上面51aを含む平面)に対して平行射影した画像である。
【0073】
そして、コントローラ31は、この射影画像221に基づいて、測定対象物80の寸法のうち、上面51aに平行な2つの成分(たとえば、幅W(X方向成分)および奥行きD(Y方向成分))(図2および図4参照)を算出する。より詳細には、たとえば、射影画像221の外接矩形が求められるとともに、当該外接矩形の大きさ(幅Wおよび奥行きD)が算出される。
【0074】
さらに、コントローラ31は、測定対象物80のポイントクラウドデータのうち、透明部材51の上面51aから最も上側に離れて存在するデータのZ方向位置を求め、当該Z方向位置と上面51aのZ方向位置との差分値を測定対象物80の高さHとして算出する。なお、これに限定されず、たとえば、当該ポイントクラウドデータのうち、上面51aからの距離が上位10%の点群が求められ、当該点群の上面51aからの距離の平均値が高さHとして算出されてもよい。上面51aは、測定対象物80のZ方向の大きさ(高さH)を決定する際の基準面として機能する。
【0075】
このようにして、測定対象物80(荷物)の寸法(サイズ情報)(W,D,H)が測定されて取得される。また、当該荷物の互いに異なる3方向(X方向、Y方向およびZ方向)のそれぞれにおける測定値(長さ)W,D,Hの合計値であるサイズS(=W+D+H)が算出(測定)される。このようにして算出される合計サイズ(W+D+H)の測定値は、サイズ測定値Sとも称される。
【0076】
また、ステップS14において、コントローラ31は、重量計40による測定結果(測定対象物80の重量(重量測定値とも称する))を取得する。
【0077】
そして、ステップS15において、コントローラ31は、サイズ測定値Sがサイズに関する複数の区分のいずれに属するかを判定する。そして、その判定結果に基づいて、コントローラ31は、荷物に関するサービスの利用料金を算出する。より詳細には、データベース33内に記憶された料金情報(サイズ等に応じて定められた料金情報)と、測定対象物80の測定サイズSとに基づき、配送サービス料金が算出される。なお、この実施形態では、荷物の重量測定値には基づかず、荷物のサイズ測定値に基づいて、利用料金が算出される態様を例示する。
【0078】
ここにおいて、寸法測定装置10は、荷物に関する測定量(寸法および/または重量)と荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表110(提示料金表とも称する)を提示する提示手段を有している。たとえば、紙媒体等に印刷された料金表が、操作部35の近傍の看板に貼付され、ユーザにより視認可能な状態で配置される。このような提示手段(看板および当該看板に貼付された紙媒体等)によって料金表がユーザに提示される。あるいは、料金表が、ステップS11~S15のいずれか等において、操作部35の表示部35bに表示されることによって、ユーザに提示されてもよい。換言すれば、当該提示手段は表示部35b等により構成されてもよい。
【0079】
図6は、このような料金表(提示料金表)110を示す図である。
【0080】
料金表110においては、荷物のサイズごとの料金(サイズ別料金)が規定されている。
【0081】
具体的には、料金表110においては、まず、荷物のサイズ(具体的には、幅W、奥行きD、高さHの3辺の合計値(=W+D+H))が、複数のサイズ範囲(サイズ区分)に予め区分されている。端的に言えば、サイズ測定値Sに応じた複数の区分が規定されている。たとえば、「0cm(センチメートル)~60cm」、「60cm~80cm」、「80cm~100cm」、「100cm~120cm」、...などの複数の区分(サイズ区分)Giが規定されている。また、各区分Giに属するサイズ測定値Sの最大値(原則的な最大値)でもある基準値Bi(i=1,2,3,...)が、各区分の名称(「60」サイズ等)として付されている。
【0082】
より具体的には、料金表110においては、互いに隣接する区分Giと区分G(i+1)とを区別するための基準値(基本境界値とも称する)Bi(i=1,2,3,...)と、サイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが規定されている。
【0083】
たとえば、互いに隣接する区分G1と区分G2とを区別するための基準値B1(60cm)よりもサイズ測定値Sが小さい場合、サイズ測定値Sは区分G1(60サイズ)に属する旨が規定されている。一方、サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい場合、サイズ測定値Sは区分G1に属しない旨が規定されている。サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが基準値B2(80cm)以下の場合)、サイズ測定値Sは区分G2に属する旨が規定されている。このように、料金表110においては、サイズ測定値Sが区分G1,G2のいずれに属するかが、サイズ測定値Sと基準値B1との大小関係に応じて規定されている。
【0084】
また、互いに隣接する区分G2と区分G3とを区別するための基準値B2(80cm)よりもサイズ測定値Sが小さい場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが基準値B1(60cm)より大きい場合)、サイズ測定値Sは区分G2(80サイズ)に属する旨が規定されている。一方、サイズ測定値Sが基準値B2よりも大きい場合、サイズ測定値Sは区分G2に属しない旨が規定されている。サイズ測定値Sが基準値B2よりも大きい場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが基準値B3(100cm)以下の場合)、サイズ測定値Sは区分G3に属する旨が規定されている。このように、料金表110においては、サイズ測定値Sが区分G2,G3のいずれに属するかが、サイズ測定値Sと基準値B2との大小関係に応じて規定されている。
【0085】
以降についても同様である。
【0086】
また、料金表110においては、各区分(サイズ区分)Giに対応する料金が、荷物に関するサービスの利用料金として規定されている。具体的には、「0cm(センチメートル)~60cm」、「60cm~80cm」、「80cm~100cm」、...などの複数の区分Giに応じた料金が段階的に規定されている。ここで、区分G(i+1)に対応する料金は、区分Giに対応する料金よりも高い(高額である)。換言すれば、区分G(i+1)は、区分Giよりも高い料金に対応する区分(高額区分)である。
【0087】
また、料金表110においては、このような複数の区分Giに応じた段階的な料金が、荷物の配送先の地域ごとに規定されている。料金の算出にあたっては、配送先地域に応じた料金欄が適用される。たとえば、配送先地域が地域R1である場合、地域R1に応じた料金欄(区分Giと料金との対応関係を示す料金欄)が用いられればよい。
【0088】
料金表110には、このような内容が規定されている。
【0089】
しかしながら、上述のように、仮に、サイズ測定値Sに対するサイズ区分が料金表110の規定通りに杓子定規に判定され、当該サイズ区分に応じた料金が決定される場合には、必ずしも十分な顧客満足度を得ることができない。
【0090】
そこで、この実施形態では、コントローラ31は、ステップS15において、図8のような処理を実行する。図8においては、ステップS41,S45,S51,S55,S61,S65等の処理(料金表110に対応する処理)に加えて、ステップS42,S52等の処理もが実行される。
【0091】
具体的には、まずステップS41にてサイズ測定値Sが基準値B1(ここでは60cm)以下であるか否かが判定される。
【0092】
ステップS41にてサイズ測定値Sが基準値B1以下であると判定される場合、ステップS45に進む。ステップS45では、コントローラ31は、サイズ測定値Sが区分G1に属する旨を判定する。
【0093】
サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい(ステップS41でNo)と判定される場合、ステップS42に進む。
【0094】
ステップS42では、サイズ測定値Sと基準値B1との差分値ΔF1(=S-B1)が所定値α1以下であるか否かが判定される。差分値ΔFiは、サイズ測定値Sの基準値Biに対する超過量である、とも表現され、所定値αiは(超過量の)許容値である、とも表現される。所定値αiは、基準値Biと次(ワンクラス上)の基準値B(i+1)の差(たとえば20cm程度)よりも小さな値であり、たとえば、数mm(ミリメートル)~数cm(センチメートル)程度の値である。ここでは、所定値αiは、各辺ごとに1cm程度の許容値を合計した値「3cm」に設定される。ただし、これに限定されず、所定値αiは、その他の値(たとえば、2.7cmあるいは3.6cm等)に設定されてもよい。
【0095】
ここにおいて、「サイズ測定値Sと基準値Biとの差分値(超過量)ΔFi(=S-Bi)が所定値(許容値)αiよりも小さい(S-Bi<αi)」ことは、「サイズ測定値Sが、基準値Biに所定値αiを加算した値(Bi+αi)よりも小さい(S<(Bi+αi))」ことと等価である。換言すれば、差分値ΔFiと所定値αiとを比較することは、サイズ測定値Sと値(Bi+αi)とを比較することと等価である。したがって、ステップS42の処理は、サイズ測定値Sが値(B1+α1)以下であるか否か、を判定する処理である、とも表現される。
【0096】
ステップS42にてサイズ測定値Sと基準値B1との差分値ΔF1(=S-B1)が所定値α1以下である(ステップS42でYes)と判定される場合、ステップS45に進み、そうでない(ステップS42でNo)と判定される場合、ステップS51に進む。
【0097】
ステップS51では、サイズ測定値Sが基準値B2(ここでは80cm)以下であるか否かが判定される。
【0098】
ステップS51にてサイズ測定値Sが基準値B2以下であると判定される場合、ステップS55に進む。ステップS55では、コントローラ31は、サイズ測定値Sが区分G2に属する旨を判定する。
【0099】
サイズ測定値Sが基準値B2よりも大きい(ステップS51でNo)と判定される場合、ステップS52に進む。
【0100】
ステップS52では、サイズ測定値Sが、基準値B2に所定値α2を加算した値(B2+α2)以下であるか否か、が判定される。換言すれば、サイズ測定値Sと基準値B2との差分値ΔF2(=S-B2)が所定値α2以下であるか否かが判定される。
【0101】
ステップS52にてサイズ測定値Sが値(B2+α2)以下(S≦(B2+α2))であると判定される(ステップS52でYes)場合、ステップS55に進み、そうでないと判定される(ステップS52でNo)場合、ステップS61に進む。
【0102】
以後、同様に、他の基準値B3等との比較処理等が実行される。たとえば、サイズ測定値Sと基準値B3との比較処理(ステップS61)、およびサイズ測定値Sと値(B3+α3)との比較処理(ステップS62(不図示))等が実行される。
【0103】
以上のような処理は、サイズ測定値S(基準値Bi付近のサイズ測定値S等)が区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかに関する判定処理が次のように実行されていることに相当する。
【0104】
たとえば、サイズ測定値S(基準値B1付近のサイズ測定値S等)が区分G1,G2のいずれに属するかに関する判定処理は、次のように実行されている。
【0105】
まず、サイズ測定値Sが基準値B1(60cm)以下(ステップS41でYes)である場合、コントローラ31は、料金表110の規定通り、サイズ測定値Sが区分G1に属する旨を判定する(ステップS45)。
【0106】
また、サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい(ステップS41でNo)場合において、サイズ測定値Sと基準値B1との差分値ΔF1が所定値α1よりも大きい(ステップS42でNo)ときには、(ステップS51を経て)ステップS55に進む。より詳細には、サイズ測定値Sと基準値B1との差分値ΔF1が所定値α1よりも大きく且つサイズ測定値Sが基準値B2(80cm)以下(ステップS42でNo且つステップS51でYes)のときには、ステップS55に進む。ステップS55においては、コントローラ31は、料金表110の規定通り、サイズ測定値Sが区分G2に属する旨を判定する。
【0107】
一方、サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい場合(ステップS41でNo)であっても、差分値(超過量)ΔF1が所定値(許容値)α1より小さいとき(ステップS421でYes)には、コントローラ31は、(料金表110の規定とは異なり、)サイズ測定値Sが区分G1に属する旨を判定する(ステップS45)。すなわち、サイズ測定値Sが区分G1の最大値(基準値)B1を超過している場合であっても、サイズ測定値Sの基準値B1に対する超過量(ΔF1)が許容値α1よりも小さいときには、サイズ測定値Sが区分G1に属すると判定される。換言すれば、高額区分G2(区分G1よりも高額な料金に対応する区分)にサイズ測定値Sが属する旨の判定が回避される。したがって、料金表110のみに従うような杓子定規なサイズ区分決定処理が行われる場合(サイズ測定値Sが高額区分G2に属すると判定される場合)に比べて、顧客満足度を向上させることが可能である。
【0108】
同様に、サイズ測定値S(基準値B2付近のサイズ測定値S等)が区分G2,G3のいずれに属するかに関する判定処理は、次のように実行されている。
【0109】
まず、ステップS51にて、サイズ測定値Sが基準値B2(80cm)以下である場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが値(B2+α2)より大きい(S>(B2+α2)場合)、コントローラ31は、料金表110の規定通り、サイズ測定値Sが区分G2に属する旨を判定する(ステップS55)。
【0110】
また、サイズ測定値Sが基準値B2よりも大きく(ステップS51でNo)且つサイズ測定値Sと基準値B2との差分値ΔF2が所定値α2よりも大きい場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが基準値B3(100cm)以下の場合(ステップS52でNo且つステップS61でYesの場合))、ステップS65に進む。ステップS65において、コントローラ31は、料金表110の規定通り、サイズ測定値Sが区分G3に属する旨を判定する(ステップS65)。
【0111】
一方、サイズ測定値Sが基準値B2よりも大きい場合(ステップS51でNo)であっても、差分値(超過量)ΔF2が所定値(許容値)α2より小さいとき(ステップS52でYes)には、コントローラ31は、(料金表110の規定とは異なり、)サイズ測定値Sが区分G2に属する旨を判定する(ステップS55)。
【0112】
以降、同様に、サイズ測定値S(基準値Bi付近のサイズ測定値S等)が区分Gi,G(i+1)のいずれに属するかに関する判定処理が実行される。
【0113】
特に、サイズ測定値Sが基準値Biよりも大きい場合であっても、差分値(超過量)ΔFiが所定値(許容値)αiより小さいときには、コントローラ31は、(料金表110の規定とは異なり、)サイズ測定値Sが区分Giに属する旨を判定する。このように、サイズ測定値Sが基準値Biよりも大きい場合であっても、差分値(超過量)ΔFiが所定値(許容値)αiより小さいときには、料金表110における区分判定基準に従わない区分判定処理が実行される。したがって、料金表110のみに従って杓子定規なサイズ区分決定処理が行われる場合に比べて、顧客満足度を向上させることが可能である。
【0114】
ステップS15(図5および図8)では、以上のような判定処理が実行される。なお、2つの値の比較に関する等号成立時には、比較結果に応じた2種類の処理(Yesに応じた処理とNoに応じた処理)のうちのいずれの処理が実行されてもよい。ただし、料金の高額化を防止するためには、上述(図8)のような処理が行われることが好ましい。
【0115】
ステップS15において、さらに、コントローラ31は、測定対象物80(荷物)の寸法情報(W,D,H)および重量等を表示部35bに表示する(図11参照)。図11は、荷物のサイズおよび重量の測定結果等に関する表示画面を示す図である。
【0116】
図11の表示画面においては、測定対象物80の幅W、奥行きD、高さHの各値(26.4,20.5,15.5)と、3辺の合計値(=W+D+H)と、当該3辺の合計値(サイズ測定値S)に基づくサイズ区分(詳細にはその名称「60サイズ」)と、重量とが表示されている。サイズ区分は、図8のような処理に基づき決定された区分である。また、たとえばステップS42でYesと判定されサイズ測定値Sが区分G1であると判定される場合には、図11に示されるように、調整前の3辺合計値(サイズ測定値S)(「62.4」)、調整後のサイズ区分の最大値(調整後サイズ)(「60.0」)、及びその差分値ΔF1(負号付き差分値(-ΔF1))(調整値「-2.4cm」)等もが表示される。
【0117】
このような負号付きの調整値は、料金表110に完全には従わずに若干の融通を利かせた調整処理が行われたことを示している。換言すれば、当該調整値は、料金表110に従うと高くなっていたはずの料金が実際には高くならなかったことをも示している。このような調整値が表示(通知)されることによれば、柔軟な区分決定(ひいては料金決定)がなされたことを顧客が認識できるので、顧客満足度を適切に向上させることが可能である。
【0118】
また、図11の表示画面には、確定ボタンおよび再測定ボタンも表示されている。
【0119】
図11の確定ボタンが押下されると、サイズおよび重量に関する測定値が確定され、次のステップS16に進む。なお、図5では図示を省略しているが、再測定ボタンが押下されると、測定対象物80に関するサイズの測定処理、および重量の測定処理等(ステップS12~S14)が再度実行される。
【0120】
つぎに、ステップS16において、コントローラ31は、区分に関する判定結果に基づいて、荷物に関するサービスの利用料金を算出する。より詳細には、データベース33内に記憶された料金情報(サイズ等に応じて定められた料金情報)と、測定対象物80の測定サイズSとに基づき、配送サービス料金が算出される。
【0121】
たとえば、サイズ測定値Sが区分G1に属する旨がステップS15にて判定される場合、当該区分G1に対応する料金が配送サービスの利用料金として決定される。たとえば、配送先地域が地域R1であり且つサイズ測定値Sが区分G1に属すると判定される場合(図6参照)、利用料金が「1040円」であると決定される。
【0122】
そして、当該利用料金に関する課金処理が実行される。
【0123】
その後、ユーザは、ロッカー装置60の適宜の収納部71に荷物を収納する。具体的には、ユーザは、寸法算出装置30によって指定された収納部71(指定されたロッカー番号の収納部71)に荷物を収納する。これにより、荷物受付システム1における荷物の受付処理が終了する。
【0124】
以上のような処理が荷物受付システム1において行われる。特に上述のような区分決定処理が実行されることによれば、荷物の測定量(サイズ測定値S)を自動的に測定する場合において、より柔軟な料金決定を実現し顧客満足度を向上させることが可能である。
【0125】
なお、利用料金に関する料金明細(および/または荷物の受付票)等においては、図11の表示画面の内容と同様の内容が印刷されてもよい。また、当該料金明細等は、(ステップS16等において)コントローラ31およびプリンタ37等によって印刷出力されればよい。
【0126】
また、ステップS16の処理は、ステップS15内において実行されてもよい。たとえば、ステップS15で表示される図11の表示画面において、荷物に関するサービスの利用料金も併せて表示されてもよい。
【0127】
<1-3.異なる観点からの表現等>
ここにおいて、図8の処理は、次のようにも表現できる。すなわち、コントローラ31は、基準値Biとサイズ測定値Sとの大小関係のみならず、改定基準値Ci(次述)とサイズ測定値Sとの大小関係にも基づいて、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかを判定している。端的に言えば、料金表110における基準値Biのみならず、改定基準値Ciをも用いて、サイズ測定値Sの所属区分が判定されている。ここでは改定基準値Ciは、基準値Biよりも所定値αi大きな値である。改定基準値C1は、たとえば、基準値B1(60cm)よりも所定値α1(3cm)大きな値(63cm)である。また、改定基準値C2は、たとえば、基準値B2(80cm)よりも所定値α2(3cm)大きな値(83cm)である。同様に、改定基準値C3は、たとえば、基準値B3(100cm)よりも所定値α3(3cm)大きな値(103cm)である。
【0128】
また、図8の処理は、図9のようにも表現できる。すなわち、図9に示されるように、コントローラ31は、基準値Biとサイズ測定値Sとの大小関係ではなく、改定基準値Ci(次述)とサイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかを判定している。端的に言えば、料金表110における基準値Biの代わりに、改定基準値Ciが用いられている。
【0129】
たとえば、互いに隣接する区分G1と区分G2とを区別するにあたり、基準値B1よりも大きな改定基準値C1(たとえば、63cm)が用いられる。また、互いに隣接する区分G2と区分G3とを区別するにあたり、基準値B2よりも大きな改定基準値C2(たとえば、83cm)が用いられる。同様に、互いに隣接する区分G3と区分G4とを区別するにあたり、基準値B3よりも大きな改定基準値C3(たとえば、103cm)が用いられる。
【0130】
このように、互いに隣接する区分Giと区分G(i+1)とを区別するにあたり、基準値Biよりも大きな改定基準値Ciが用いられる。改定基準値Ciは、ここでは、基準値Biよりも所定値αi大きな値である。
【0131】
このような改定基準値Ciに基づく処理は、料金表110(図6)とは異なる算出用料金表120(図7参照)に基づく区分判定処理であるとも表現される。図7は、実際の料金算出に用いられる料金表(算出用料金表)120を示す図である。図7の算出用料金表120におけるサイズ測定値Sの範囲は、料金表110におけるサイズ測定値Sの範囲に対して、基本的には3cm(=αi)ずつ(大きい側に)ずれている。
【0132】
算出用料金表120においては、たとえば、サイズ測定値Sが0cmより大きく63cm以下である場合、当該サイズ測定値Sはサイズ名称「60」の区分G1に分類される。また、サイズ測定値Sが63cmより大きく83cm以下である場合、当該サイズ測定値Sは、サイズ名称「80」のサイズ区分G2に分類される。さらに、サイズ測定値Sが83cmより大きく103cm以下である場合、当該荷物のサイズ測定値Sは、サイズ名称「100」のサイズ区分G3に分類される。以降の区分Giについても同様である。
【0133】
図10は、元の基準値Biによる区分判定処理(提示料金表110による区分判定処理)と、改定後の基準値(改定基準値)Ciによる区分判定処理(算出用料金表120による区分判定処理)(図8および図9参照)とを比較して示す図である。図10の上段(図面中央のS軸よりも上側)には、元の基準値Biによる区分判定処理が示されており、図10の下段には、改定後の基準値(改定基準値)Ciによる区分判定処理が示されている。
【0134】
図10に示されるように、コントローラ31は、基準値Biとサイズ測定値Sとの大小関係ではなく、改定基準値Ciとサイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかを判定する。
【0135】
なお、所定値αi(α1,α2,α3,...)は、互いに同じ値であってもよいが、互いに異なる値であってもよい。たとえば、各値αiは、値iが大きくなるにつれて大きな値であってもよい。
【0136】
また、所定値αiは、ユーザの設定操作に応じて設定(変更)されてもよい。たとえば、所定値αiは、操作部35に対するユーザの操作入力等に応じて設定されてもよい。
【0137】
また、改定基準値Ciは、料金表110内の基準値Biに対して所定値αiを加算して生成されることを要さず、結果的に基準値Biよりも大きな値であればよい。換言すれば、コントローラ31は、料金表110の各区分に依拠しない区分表(隣接する2区分を改定基準値Ci(基準値Biとは異なる値)で区別する区分表)に基づいて、サイズ測定値Sがいずれの区分に属するかを判定してもよい。
【0138】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0139】
上記第1実施形態においては、図8に示されるように、サイズ測定値Sが基準値Biよりも大きい場合であっても、差分値ΔF1が所定値α1より小さいときには、コントローラ31は、サイズ測定値Sが区分G1に属する旨を判定している(ステップS41,S42,S45)。換言すれば、元の基準値Biによる区分判定処理(提示料金表110による区分判定処理)に代えて、改定後の基準値(改定基準値)Ciによる区分判定処理(算出用料金表120による区分判定処理)が実行される。
【0140】
一方、この第2実施形態においては、基本的には、元の基準値Biによる区分判定処理(提示料金表110による区分判定処理)が実行される。ただし、図12に示されるように、サイズ測定値Sが基準値Biよりも大きい場合であっても、差分値ΔFiが所定値αiより小さいときには、コントローラ31は、料金低減のためのガイダンス(アドバイス)を実行する(ステップS43,S53等)。当該ガイダンスは、区分確定前(換言すれば、料金確定前)に実行される。図12は、第2実施形態に係る区分判定処理(ステップS15)を示すフローチャートである。
【0141】
以下では、図12の処理について、図8との相違点を中心に説明する。図12の処理においては、ステップS43,S44、S53,S54等が追加されている点で、図8の処理と相違する。ここでは、ステップS43,S44等の処理を中心に説明する。
【0142】
図12においては、ステップS41,S42にて、サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きく且つ改定基準値C1(=B1+α1)より小さいと判定されると、ステップS43に進む。ステップS43では、料金低減のためのガイダンスが実行される。
【0143】
具体的には、図13のような画面(ガイダンス画面)が表示部35bに表示される。図13の画面には、測定対象物80の幅W、奥行きD、高さHの各値(26.4,20.5,15.5)と、3辺の合計値(=W+D+H)と、当該3辺の合計値(サイズ測定値S)に応じたサイズ区分(詳細にはその名称「80サイズ」)と、重量とが表示されている。サイズ区分は、料金表110に基づき決定された区分である。基準値B1とサイズ測定値Sとの大小関係に基づいてサイズ測定値Sが区分G2であると判定される場合には、図13に示されるように、区分G2の名称「80サイズ」が表示される。
【0144】
また、図13の画面には、「3辺合計値をあと2.4cm短くすると、60サイズに収まります。」との文言が記載されている(図13の矩形破線内部参照)。当該文言は、サイズ確認のためのガイダンスである、とも表現される。ここにおいて、サイズ測定値Sの所属区分が「80サイズ」から「60サイズ」へと変更されると、利用料金が低減される。それ故、当該文言は、料金低減のためのガイダンス(アドバイス)である、とも表現される。
【0145】
なお、当該ガイダンスは、このような内容に限定されない。たとえば、「60cmサイズを1cmオーバーしています。荷物の膨らみを抑える等すれば200円程度お安く送ることができます。」などの文言を含むガイダンスであってもよい。あるいは、(紙袋等の荷物に関して)「60cmサイズを2cmオーバーしています。紙袋等の端部を折り曲げてガムテープで止めるなどして荷物を小さくできませんか。」などの文言を含むガイダンスであってもよい。このように、当該ガイダンスは、具体的な超過量ΔFiおよび/または低減可能金額等が明示されるものであってもよい。なお、荷物が紙袋であるか否かは、測定対象物80に関する画像処理結果(寸法測定結果等)に基づいて判定されればよい。たとえば、測定された3辺の長さW,D,Hのうちの1つ(たとえばD)が他の2辺(あるいは他の1辺)の長さに比べて所定程度以上に小さいこと等を条件として、荷物が紙袋であると判定されればよい。
【0146】
また、図13の画面には、確定ボタンおよび再測定ボタンも表示されている。確定ボタンあるいは再測定ボタンが押下されると、ステップS44に進む。
【0147】
図13の再測定ボタンが押下されると、ステップS44からステップS12に戻る。そして、測定対象物80に関するサイズの測定処理、および重量の測定処理等(ステップS12~S15)が再度実行される。一方、図13の確定ボタンが押下されると、ステップS44からステップS55に進む。具体的には、サイズ測定値Sおよびそれに対応する区分Giがそのまま(たとえば区分G2(「80サイズ」)のまま)確定される。
【0148】
たとえば、上述のような荷物の膨らみ是正作業がユーザによって行われた場合、当該是正作業後にサイズ測定値Sの再測定等が実行され、サイズ測定値Sの再測定値に基づくサイズ区分等が判定される。当該再測定値(サイズ測定値S)が、元の測定値よりも所定程度以上低減される場合(たとえば、62.4cmから59.8cmへと2.6cm低減される場合)には、再測定後のステップS15において、今度は、ステップS41からステップS45(図12)に進む。そして、ステップS45にてサイズ測定値Sが区分G1に属する旨が判定される。すなわち、荷物のサイズ区分が「80」サイズから「60」サイズへと1区分小さくなる。この結果、利用料金も低減される。このような再測定処理は、ユーザの指示に応じて、1回のみ実行されてもよく、あるいは数回繰り返して実行されてもよい。
【0149】
1回あるいは数回の再測定処理が実行されても、サイズ測定値Sが基準値Biを依然としてオーバー(超過)する場合、ユーザは、荷物のサイズ区分が「80」サイズであると判断されている状態を或る程度納得して、確定ボタンを押下することが可能である。
【0150】
ここでは、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかを判定する際の処理として、ステップS43,S44等(i=1の場合)を中心に説明しているが、ステップS53,S54等(i=2,3,...の場合)においても同様の処理が実行される。
【0151】
このように、第2実施形態では、基本的には、元の基準値Biによる区分判定処理(提示料金表110による区分判定処理)が実行される。ただし、図12に示されるように、サイズ測定値Sが基準値Biよりも大きい場合であっても、差分値ΔFiが所定値αiより小さいときには、料金低減のためのガイダンスが実行される。換言すれば、サイズ測定値Sの基準値Biに対する超過量ΔFiが許容値αi以内であるときには、ガイダンスが実行される。
【0152】
このような態様によれば、荷物の測定量(サイズ測定値S)を自動的に測定する場合において、より柔軟な料金決定を実現し顧客満足度を向上させることが可能である。
【0153】
<3.第3実施形態>
上記第1および第2実施形態においては、各測定値(辺ごとの測定値、サイズ測定値等)としては、いずれも端数(或る位よりも下の位の数、詳細には、cm単位での小数点以下の端数)切り捨て前の値が用いられている。
【0154】
一方、この第3実施形態では、3方向(X方向、Y方向およびZ方向)のそれぞれにおける長さW,D,Hの測定値をそれぞれの端数を切り捨てた後に合計することによって、サイズ測定値S(S2とも称する)が算出される。たとえば、(W,D,H)=(24.4,20.5,15.5)である場合、値W,D,Hのそれぞれの端数を切り捨てた値(24,20,15)を合計することによって、サイズ測定値S2「59」(=24+20+15)が算出される。そして、互いに隣接する区分Giと区分G(i+1)とを区別するための基準値Biと、サイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、サイズ測定値S2が区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが判定される。たとえば、互いに隣接する区分G1と区分G2とを区別するための基準値B1「60」と、サイズ測定値S2「59」との大小関係(詳細には、S<B1)に基づいて、サイズ測定値S「59」が区分G1に属する旨が判定される。
【0155】
以下、当該第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に詳細に説明する。
【0156】
第3実施形態におけるステップS13(図5)では、長さW,D,Hの測定値をそれぞれの端数を切り捨てた後に合計することによって、サイズ測定値S(S2とも称する)が算出される。たとえば、上述のように、(W,D,H)=(24.4,20.5,15.5)である場合、それぞれの端数を切り捨てた値(24,20,15)を合計することによって、サイズ測定値S2「59」(=24+20+15)が算出される。
【0157】
また、第3実施形態のステップS15では、図14に示すような処理が実行される。図14は、第3実施形態に係るステップS15の処理の詳細を示すフローチャートである。図14の処理は、(切り捨て前のサイズ測定値Sでなく)上記サイズ測定値S2と各基準値Biとの比較が行われる点で、従来技術(料金表110のみに基づく区分判定処理)とは相違する。
【0158】
図14に示されるように、コントローラ31は、料金表110における判定基準に従って、サイズ測定値S2がいずれの区分(サイズ区分)に属するかを判定する。
【0159】
具体的には、まず、ステップS41にてサイズ測定値S2が基準値B1(「60」)以下であるか否かが判定される。サイズ測定値S2が基準値B1以下である場合、ステップS45に進み、サイズ測定値S2が区分G1に属する旨が判定される。サイズ測定値S2が基準値B1より大きい場合、ステップS51に進む。
【0160】
つぎに、ステップS51にてサイズ測定値S2が基準値B2(「80」)以下であるか否かが判定される。サイズ測定値S2が基準値B2以下である場合、ステップS55に進み、サイズ測定値S2が区分G2に属する旨が判定される。サイズ測定値S2が基準値B2より大きい場合、ステップS61に進む。
【0161】
以後、同様に、他の基準値B3等との比較処理等が実行される。たとえば、サイズ測定値S2と基準値B3との比較処理(ステップS61)等が実行される。
【0162】
このようにして、サイズ測定値S2が基準値Bi以下の場合(詳細には、且つサイズ測定値S2が基準値B(i-1)より大きい場合)、コントローラ31は、料金表110の規定通り、サイズ測定値S2が区分Giに属する旨を判定する。
【0163】
このような態様によれば、切り捨てられた端数に相当する値の分、サイズ測定値Sは小さめに評価される。たとえば、上述の例では、サイズ測定値S2「59」は、端数切り捨て前の3辺W,D,Hの合計値「60.4」よりも、端数の合計値「1.4」(=0.4+0.5+0.5)の分、小さくなる。
【0164】
それ故、サイズ測定値Sが基準値Biを少々超過している状態であっても、基準値Biを超過していない場合と同様、区分Giに属する旨が判定(みなし判定)され得る。換言すれば、サイズ測定値Sが1つ大きめのサイズ区分G(i+1)に属すると判定されて利用料金が増大すること、を回避することが可能である。したがって、荷物の測定量(サイズ測定値S)を自動的に測定する場合において、より柔軟な料金決定を実現し顧客満足度を向上させることが可能である。
【0165】
なお、この第3実施形態では、サイズ測定値Sは、3辺の測定値W,D,Hをそれぞれの端数を切り捨てた後に合計することによって、算出されている。しかしながら、これに限定されず、3辺の測定値W,D,Hの合計後にその端数を切り捨ててサイズ測定値Sが算出されてもよい。たとえば、(W,D,H)=(24.4,20.5,15.5)である場合、その合計値60.4の端数を切り捨ててサイズ測定値S「60」が算出されてもよい。そして、当該基準値Biと端数切り捨て後のサイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、当該測定値が区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが判定されてもよい。
【0166】
また、上記第1実施形態および第2実施形態においては、各測定値(辺ごとの測定値、サイズ測定値等)としては、いずれも端数切り捨て前の値が用いられているが、これに限定されない。たとえば、各測定値は、端数切り捨て後の値であってもよい。そして、端数切り捨て後の値に対して上記第1実施形態あるいは第2実施形態と同様の処理が実行されてもよい。換言すれば、端数切り捨てを伴うサイズ測定値Sの算出処理と、上記第1実施形態あるいは第2実施形態に係る処理とが組み合わせられてもよい。
【0167】
<4.第4実施形態>
上記第1実施形態等においては、全ての荷物に対して同じ所定値αiが用いられているが、これに限定されない。たとえば、荷物が複数のカテゴリーに分類され、各荷物に対して、そのカテゴリー分類結果に応じた所定値αi(カテゴリーごとに異なる所定値αi)が用いられてもよい。換言すれば、荷物に関する所定の条件が充足されるか否かに応じて、互いに異なる所定値αiが用いられてもよい。第4実施形態では、このような態様について説明する。
【0168】
また、上記第1実施形態等に係る思想(所定値αi等を用いて区分Giへの属否を判定する思想等)は、測定値に関する誤差(測定誤差)の有無にかかわらず(測定誤差を考慮せずに)適用されてもよいが、これに限定されない。たとえば、測定値の誤差をも考慮して適用されてもよい。具体的には、測定値の誤差(予測される測定誤差等)の程度に応じて、所定値αiとして、複数の値を使い分けるようにしてもよい。この第4実施形態は、このような態様の一例でもある。
【0169】
第4実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下では第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0170】
この第4実施形態では、所定の分類基準に基づき、荷物が複数のカテゴリー(種別)(ここでは第1カテゴリーと第2カテゴリーとの2つのカテゴリー)に分類される。当該所定の分類基準は、荷物(詳細にはそのサイズ等)に関する所定の条件が充足されるか否か、を含む基準である。当該所定の条件は、たとえば、荷物のサイズに関する測定誤差が所定範囲(たとえば2.7cm以下)内に収まるための荷物の条件(サイズ条件等)である。当該条件は、荷物が第1カテゴリーに属するための条件E1である、とも表現される。条件E1としては、荷物の3辺の長さ(W,D,H)がいずれも80cm(上限値)以下であること、が例示される。このような分類基準は、荷物の予想測定誤差の大きさに応じた分類基準である、とも表現される。条件E1が充足される場合、荷物は第1カテゴリーに属する旨が判定され、条件E1が充足されない場合、荷物は第1カテゴリーに属しない(第2カテゴリーに属する)旨が判定される。
【0171】
条件E1の具体的内容(各辺が「80cm以内」等)は、様々なサイズの荷物に関する事前の測定結果(事前の実験結果)等に基づいて予め定められればよい。荷物の測定においては、測定原理等に起因して荷物のサイズ等に応じた測定誤差特性が存在することがある。様々なサイズの荷物に関する事前の実験結果には、このような測定誤差特性が反映され得る。条件E1の具体的内容は、このような測定誤差特性を反映した測定結果等に基づいて定められればよい。
【0172】
たとえば、非常に長い荷物の各端部は撮影画像(撮影対象範囲)の周縁部付近に配置されることが多い等の事情により、当該非常に長い荷物に関しては、比較的大きな測定誤差(測定原理等に起因する測定誤差)が生じ易い。それ故、3辺のうちいずれか一辺の長さ(特に幅Wあるいは奥行きD)が或る値(ここでは80cm)よりも長い荷物に関して、その測定誤差が所定範囲(たとえば2.7cm以内)を超えることが生じ得る。事前(装置の実稼働前)の実験において、このような測定誤差特性を反映した実験結果(測定結果)が得られる場合、当該条件E1は、上述のような内容(具体的には、荷物の3辺の長さ(W,D,H)がいずれも80cm(上限値)以下であること)に定められればよい。この場合、3辺の長さ(W,D,H)がいずれも或る値(ここでは80cm)以下である旨の条件E1を満たす荷物は、その測定誤差が所定範囲内(たとえば2.7cm以内)に収まる荷物であると見做されて、第1カテゴリーに分類される。一方、当該或る値(80cm)を超える一辺長を有する荷物(条件E1を満たさない荷物)は、その測定誤差が所定範囲(たとえば2.7cm以内)を超え得る荷物であると見做されて、第2カテゴリーに分類される。当該第2カテゴリーは、その予想測定誤差が第1カテゴリーよりも大きなカテゴリーである、とも表現される。
【0173】
荷物が複数のカテゴリーのいずれに属するかを判定する処理(分類判定処理)は、図5のステップS13とステップS15との間(あるいはステップS15の冒頭等)において、実行される。より具体的には、まず、ステップS13で測定された3辺の長さ(W,D,H)等に基づいて条件E1の充足性が判定される。そして、当該条件E1が充足される場合、当該荷物は第1カテゴリーに属する旨が判定され、当該条件E1が充足されない場合、当該荷物は第1カテゴリーに属しない(第2カテゴリーに属する)旨が判定される。このようにして、測定対象の荷物は、複数のカテゴリーのいずれかに分類される。
【0174】
なお、その測定誤差が所定範囲を超える荷物の条件(たとえば、「荷物の3辺の長さ(W,D,H)のいずれかが80cmを超えること」)は、荷物が第2カテゴリーに属するための条件E2(荷物が第2カテゴリーに属するか否かを判定するための判定基準)である、とも表現される。換言すれば、条件E2が充足される場合、当該荷物は第2カテゴリーに属する旨が判定され、当該条件E2が充足されない場合、当該荷物は第1カテゴリーに属しない(第2カテゴリーに属する)旨が判定される。
【0175】
次に、ステップS15の処理が実行される。ステップS15においては、所定値αi(超過量の許容値)として、その荷物のカテゴリーに応じた値が利用される。具体的には、荷物が第1カテゴリーに分類される場合と第2カテゴリーに分類される場合とで、互いに異なる所定値αiが用いられる。換言すれば、条件E1(あるいはE2)が充足されるか否かに応じて、互いに異なる所定値αi(具体的には、2種類の値Ui,Viのうちの一方)が用いられる。
【0176】
詳細には、荷物が第1カテゴリー(種別)に分類される場合、所定値αiは第1の値Ui(たとえば、上記第1実施形態の値αiと同じ値)である。一方、荷物が第2カテゴリーに分類される場合、所定値αiは第2の値Viである。ここで、第2の値Viは、第1の値Uiとは異なる値であり、より具体的には、第1の値Uiよりも大きな値である。たとえば、第1の値Uiは「3(cm)」であり、第2の値Viは「5(cm)」である。
【0177】
たとえば、ステップS13にて荷物の3辺の長さ(W,D,H)が(20,84,20)(各cm)であると測定された場合、当該荷物の奥行きDが上限値「80」を超えている(D=84>80)。この場合、条件E1が充足されないので、当該荷物は、第2カテゴリーに分類される。そして、第2カテゴリーに関する所定値αiである第2の値Vi(たとえば「5」)を利用して、当該荷物のサイズがいずれの区分に属するかが判定される。
【0178】
ステップS15においては、具体的には、第1実施形態において図8を用いて説明したような処理が実行される。荷物の3辺の長さ(W,D,H)が(20,84,20)であると測定された場合、サイズ測定値S(S=124=20+84+20)と基準値Bi(B4=120)との比較処理等が実行されて、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが判定される(i=4)。ここでは、サイズ測定値S(=124)が基準値B4(=120)よりも大きいものの、差分値(超過量)ΔFi(ΔF4=4=124-120)が所定値(許容値)αi(値Ui(=3)ではなく、値Vi=5)より小さい、と判定される。それ故、コントローラ31は、(料金表110の規定とは異なり、)サイズ測定値Sが区分Gi(G4:「120サイズ」)に属する旨を判定する。換言すれば、サイズ測定値S(=124)が基準値Bi(B4=120)よりも大きい場合であっても、差分値(超過量)ΔFi(=4)が所定値(許容値)αi(=Vi=5)より小さいときには、料金表110における区分判定基準に従わない区分判定処理が実行される。詳細には、-4(マイナス4)cmの調整値(負号付きの調整値)に基づく調整後の測定値(=120=124-4)が、区分G4の上限値「120」以下であると判定され、当該サイズ測定値Sは区分Giに属する旨が判定される。なお、調整値は、このような値(-ΔFi)に限定されず、-αi(-Viあるいは-Ui)(たとえば、マイナス5cm)等であってもよい。
【0179】
これによれば、料金表110のみに従って杓子定規なサイズ区分決定処理が行われる場合に比べて、顧客満足度を向上させることが可能である。特に、第2カテゴリーに分類される荷物に関しては、所定値(許容値)αiとして、値Ui(=3)ではなく、当該値Uiよりも大きな値Vi(=5)が用いられる。それ故、比較的大きな許容範囲を用いて区分Gi(ここではG4)に属するか否かが判定される。たとえば、仮に値Uiが用いられると当該荷物がワンランク上の区分G(i+1)(G5)に属する旨が判定されるのに対して、ここでは、比較的大きな値Viが用いられて当該荷物が区分Gi(G4)に属する旨が判定される。
【0180】
また、第4実施形態は、第1実施形態と同様、図9のようにも表現される。図9においては、コントローラ31は、基準値Biとサイズ測定値Sとの大小関係ではなく、改定基準値Ci(たとえば、Ci=Bi+αi)とサイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかを判定する。
【0181】
図9のような処理において、この第4実施形態では、荷物のカテゴリーごとに異なる改定基準値Ciが用いられる。換言すれば、各荷物に対して、そのカテゴリー分類結果に応じた改定基準値Ciが用いられる。たとえば、荷物が第1カテゴリーに分類される場合、改定基準値Ciは、基準値Biよりも大きな値Piであり、一方、荷物が第2カテゴリーに分類される場合、改定基準値Ciは値Qi(値Piよりも大きな値)である(Qi>Pi>Bi)。
【0182】
たとえば、当該荷物の奥行きDが所定範囲を超えている(D=84>80)場合、条件E1が充足されないので、当該荷物は第2カテゴリーに分類される。この場合、3辺の合計値が124cmであるときには、第2カテゴリー向けの改定基準値C4(i=4のときの値Ci)は、値P4(たとえば123)ではなく、値Q4(たとえば125)である。値Q4は、値P4よりも大きな値である。たとえば、値P4は、基準値B4(=120)よりも所定値α4(ただし、値U4(=3))大きな値(=123)であり、値Q4は、基準値B4(=120)よりも所定値α4(ただし、値V4(=5))大きな値(=125)である。そして、コントローラ31は、基準値Bi(B4=120)とサイズ測定値S(=124)との大小関係ではなく、荷物の所属カテゴリーに応じた改定基準値C4(=Q4=125)とサイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、サイズ測定値Sが区分G4と区分G5とのいずれに属するかを判定する。たとえば、サイズ測定値S(=124)が、第2カテゴリーに応じた改定基準値C4(=Q4=125)より小さいことに基づき、サイズ測定値Sが区分G4に属する旨が判定される。
【0183】
以上のような態様によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0184】
また特に、第4実施形態においては、所定値αi(超過量の許容値)として、その荷物のカテゴリーに応じた値(所定の条件の充足性に応じた値)(UiまたはVi)が利用される。具体的には、荷物が第1カテゴリーに分類される場合には値Uiが所定値αiとして利用され、荷物が第2カテゴリーに分類される場合には値Viが所定値αiとして利用される。これによれば、荷物のカテゴリー分類結果に応じた大きさの許容値αiに基づいて区分決定処理が実行されるので、より適切な区分決定処理が実行され得る。特に、荷物に依らずに同じ所定値αi(たとえば値Uiのみ)が利用される場合に比べて、より適切な区分決定処理が実行され得る。
【0185】
ここにおいて、たとえば、(値Viを利用せずに)値Uiのみを利用する場合において、当該値Uiが小さ過ぎると、測定誤差等に起因して、本来は区分Giに属する荷物がワンランク上の区分G(i+1)に属する荷物である旨が判定される恐れがある。一方、値Uiのみを利用する場合において、逆に当該値Uiが大き過ぎると、非常に広範囲に亘る様々な荷物が(本来の区分G(i+1)ではなく)ワンクラス下の区分Giに属すると判定され、結果的に料金の割引サービスを高頻度で実行していることになりかねない。
【0186】
上記第4実施形態によれば、荷物のカテゴリー分類結果に応じた大きさの許容値αiに基づいて区分決定処理が実行されるので、このような問題が解消ないし抑制され得る。すなわち、より適切な区分決定処理が実行され得る。
【0187】
より具体的には、条件E1が成立しない場合(荷物のサイズに関する測定誤差が所定範囲(たとえば2.7cm以下)内に収まらないと推測される場合)、比較的大きな値Vi(値Uiよりも大きな値Vi)が利用される。それ故、比較的大きな許容値αi(Vi)により、比較的大きな測定誤差をも許容した適切な区分決定処理が実行され得る。
【0188】
一方、条件E1が成立する場合(荷物のサイズに関する測定誤差が所定範囲(たとえば2.7cm以下)内に収まると推測される場合)、比較的小さな値Ui(値Viよりも小さな値Ui)が利用される。それ故、許容値αi(Ui)が(必要以上に)過大になることを防止できる。
【0189】
同様に、第4実施形態においては、(別の見方をすると、)改定基準値Ciとして、その荷物のカテゴリーに応じた値(所定の条件の充足性に応じた値)(PiまたはQi)が利用されている。具体的には、荷物が第1カテゴリーに分類される場合には値Piが改定基準値Ciとして利用され、荷物が第2カテゴリーに分類される場合には値Qi(Qi>Pi)が改定基準値Ciとして利用される。これによれば、荷物のカテゴリー分類結果に応じた大きさの改定基準値Ciに基づいて区分決定処理が実行されるので、より適切な区分決定処理が実行され得る。
【0190】
なお、上述したように、所定値αiは、ユーザの設定操作に応じて設定(変更)されてもよい。特に、第4実施形態に関しては、操作部35に対するユーザの操作入力等に応じて、2種類の値Ui,Viが、カテゴリーごとの所定値αiとして予め設定されてもよい。あるいは、操作部35に対するユーザの操作入力等に応じて、2種類の値Pi,Qiが、カテゴリーごとの改定基準値Ciとして予め設定されてもよい。
【0191】
<設定画面>
また、図16は、第4実施形態に係る所定値αiの設定画面の一例を示す図である。図16の設定画面230は、装置メンテナンス画面のうちの一の画面であり、寸法算出装置30の表示部35bに表示される。設定画面230を利用した所定値αi(Ui,Vi)の設定操作(ユーザによる入力操作)は、図5のフローチャートの処理の前に(予め)実行される。
【0192】
設定画面230の略上半部分には、第1カテゴリーの荷物向けの許容値αi(すなわち、第1の値Ui)を区分ごとに設定するための入力欄231が設けられている。具体的には、複数(ここでは8つ)の区分Gi(G1~G8)のそれぞれに関する所定値αi(具体的には、値Ui)の入力欄(合計8個の入力欄)が設けられている。図16では、サイズ「60」、「80」、「100」、「120」、「140」の各区分G1~G5のそれぞれの値Uiとして、「3.0」(3cm)が設定されている。また、サイズ「160」、「180」、「200」の各区分G6~G8のそれぞれの値Uiとして、「4.0」(4cm)が設定されている。
【0193】
一方、上記入力欄231の下側には、第2カテゴリーの荷物(「特殊荷物」とも称する)向けの許容値αi(すなわち、第2の値Vi)の入力欄232が設けられている。図16では、当該第2の値Viは、区分毎ではなく、全区分(G1~G8)に共通の値「5.0」(5cm)として設定されている。ただし、これに限定されず、第2の値Viは、区分毎に設定されてもよい。
【0194】
このような設定画面230を用いて、各値Ui,Viがユーザ等によって予め設定された後に、上述のようにして、図5の処理が実行されてもよい。
【0195】
<第4実施形態の変形例>
上記第4実施形態においては、荷物をカテゴリー分類する際の条件E1として、荷物の3辺の長さ(W,D,H)がいずれも80cm以内(以下)であること、が例示されている。条件E1は、その他の条件であってもよい。たとえば、条件E1は、荷物の3辺の長さ(W,D,H)がいずれも、80cm以下であり且つ15cm以上である、との条件であってもよい。あるいは、条件E1は、幅Wが15cm以上60cm以下であり、奥行きDが15cm以上80cm以下であり、且つ、高さHが5cm以上50cm以下である、との条件(方向ごとに固有の範囲内であること)等であってもよい。なお、上述したように、当該条件E1の具体的内容は、様々なサイズの荷物に関する実際の測定結果(実験結果)等に基づいて定められればよい。当該測定結果等には、寸法測定装置10の誤差特性等(測定原理に起因する測定誤差特性、および/または照明条件に起因する測定誤差特性等)が反映され得る。
【0196】
また、荷物をカテゴリー分類する際の分類基準は、荷物の測定量(サイズ等)に関する条件に限定されず、荷物の材質(梱包材の種類)に関する条件であってもよい。たとえば、荷物の梱包材が紙袋であるとの条件(E2)が成立する場合、当該荷物が変形し易い(寸法自体が変わりやすい)ことから、当該荷物は第2カテゴリーに分類されてもよい。逆に言えば、「荷物の梱包材が紙袋でないこと」が、当該荷物が第1カテゴリーに分類されるための条件(E1)であってもよい。なお、荷物の梱包材が紙袋であるか否かは、所定の画像分析処理(物体認識処理等)に基づいて判定(自動判定)されてもよく、あるいは、操作ユーザによる操作入力(手動入力)によって指定されてもよい。
【0197】
また、上記第4実施形態においては、2種類の値Ui,Viの一方(あるいは値Pi,Qiの一方)を用いてサイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが判定されているが、これに限定されない。たとえば、サイズ測定値S(3辺合計値)ではなく或る一辺の長さが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが、2種類の値Ui,Viの一方(あるいは値Pi,Qiの一方)を用いて判定されてもよい。
【0198】
また、上記第4実施形態では、測定誤差が存在することを前提に、当該測定誤差の影響を抑制するために2種類の値Ui,Viを所定値αiとして選択的に利用する態様が例示されている。しかしながら、これに限定されない。
【0199】
たとえば、その測定誤差が殆ど存在しない荷物(その測定誤差が無視できる程に小さい荷物)のみに対しては、所定値αi(値Uiおよび値Viの双方)を利用しないように改変してもよい。より詳細には、測定誤差を殆ど有しない荷物(たとえば、荷物の3辺の長さ(W,D,H)がいずれも、40cm以下であり且つ20cm以上である、との条件E1を満たす荷物)が、第1カテゴリーに分類されるようにしてもよい。そして、当該第1カテゴリーに分類される荷物に関しては第1実施形態の思想が適用されず、且つ、第2カテゴリーに分類される荷物に関しては第1実施形態の思想が適用されてもよい。
【0200】
より詳細には、コントローラ31は、第2カテゴリーに分類される荷物に関しては、所定値αiとして値Viを採用した上で、上記第1実施形態と同様の処理を実行する。具体的には、区分Giと区分G(i+1)とを区別するための基準値Biよりも測定値が大きく且つ当該測定値と基準値Biとの差分値(超過量)ΔFiが所定値Viよりも大きい場合、測定値が区分G(i+1)に属すると判定される。ただし、測定値が基準値Biよりも大きい場合であっても、差分値ΔFiが所定値Viより小さいときには、測定値が区分Giに属すると判定される。
【0201】
一方、第1カテゴリーに分類される荷物に関しては、コントローラ31は、第1実施形態の処理を適用しないようにしてもよい。具体的には、コントローラ31は、区分Giと区分G(i+1)とを区別するための基準値Biよりも測定値が大きい場合には、差分値(超過量)ΔFiと所定値αiとの大小関係に関わらず、測定値が区分G(i+1)に属すると判定してもよい。
【0202】
このように、第2カテゴリーに分類される荷物に関しては第1実施形態の思想を適用し且つ第1カテゴリーに分類される荷物に関しては第1実施形態の思想を適用しないように改変してもよい。
【0203】
換言すれば、第2カテゴリーに分類される荷物に関しては、図9に示されるように、基準値Biと測定値との大小関係ではなく、基準値Biよりも大きな改定基準値Ciと測定値との大小関係に基づいて、測定値が区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが判定されてもよい。一方、第1カテゴリーに分類される荷物に関しては、(改定基準値Ciを用いることなく、)基準値Biと測定値との大小関係に基づいて、測定値が区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが判定されてもよい。
【0204】
なお、このような改変例に係る思想は、図16の入力欄231(値Uiの入力欄)のそれぞれに「0」(ゼロ)を設定することによっても実現され得る。
【0205】
<5.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0206】
<料金表110の提示の有無等>
たとえば、上記各実施形態等では、料金表110が提示されているが、これに限定されず、料金表110は必ずしもユーザに提示されることを要しない。料金表110は、内部的に保持されているのみ(記憶部32等に記憶されているのみ)であってもよい。
【0207】
<荷物の重量等>
また、上記各実施形態等においては、荷物の測定量として、荷物の寸法(3辺合計値S等)が主に例示されているが、これに限定されない。荷物の測定量は、荷物の「重量」等であってもよい。具体的には、重量測定値(荷物の重量の測定値)が測定される場合において、上記各実施形態等の思想が適用されてもよい。たとえば、上記各実施形態において、(荷物のサイズ測定値Sに代えて)荷物の重量測定値が、複数の区分(重量に関する複数の区分)のいずれに属するか等に基づいて、荷物に関するサービスの利用料金が算出されてもよい。また、第3実施形態のサイズ測定値Sと同様、(端数切り捨て前の重量測定値に代えて)端数切り捨て後の重量測定値等に基づいて、当該重量測定値の所属区分が求められてもよい。
【0208】
<利用料金の算出等>
また、荷物に関するサービスの利用料金は、寸法に関する測定値(寸法測定値(サイズ測定値S等))と重量測定値との一方のみに基づいて算出されてもよいが、これに限定されず、寸法測定値と重量測定値との双方に基づいて算出されてもよい。たとえば、サイズ測定値Sがサイズに関する複数の区分のいずれに属するかと重量測定値が重量に関する複数の区分のいずれに属するかとの双方に基づいて、荷物に関するサービスの利用料金が算出されてもよい。
【0209】
たとえば、図15に示されるように、荷物のサイズが複数の区分G1~G6に区分されるとともに、荷物の重量が同じ複数の区分G1~G6に区分される場合を想定する。このような場合において、サイズ測定値Sの所属区分に対応する料金と重量測定値の所属区分に対応する料金とのうち高い方の金額が、荷物に関するサービスの利用料金として算出されてもよい。より詳細には、サイズ測定値S(たとえば59cm)が区分G1に属し且つ重量測定値(たとえば5.1kg)が区分G3に属する場合、区分G1に対応する料金(たとえば、1040円)と区分G3に対応する料金(たとえば、1500円)とのうち高い方の金額(たとえば、1500円)が、荷物に関するサービスの利用料金として算出されてもよい。
【0210】
あるいは、サイズに関する複数の区分が縦軸に且つ重量に関する複数の区分が横軸に配置された2次元配列において、当該2次元配列の各要素に対応する料金がそれぞれ定められてもよい。
【0211】
寸法測定値と重量測定値との双方に基づいて料金が算出される場合には、寸法(サイズ測定値S等)の測定等(測定値算出処理および区分判定処理等を含む)に関して上記各思想が適用されるとともに、重量の測定等(測定値算出処理および区分判定処理等を含む)に関しても上記各思想が適用されてもよい。あるいは、寸法の測定等と重量の測定等との一方にのみ上記各思想が適用されてもよい。
【0212】
<寸法測定装置10における入出力処理>
また、寸法測定装置10(寸法算出装置30)のコントローラ31は、操作部35の表示部35bに各種情報等を表示させるのではなく、ユーザ(荷物持参者)の携帯端末(スマートフォン等)の表示部に各種情報等を表示させてもよい。また、コントローラ31は、ユーザ(荷物持参者)の携帯端末(スマートフォン等)の操作部(タッチパネル)を用いて各種情報(荷物の取扱情報等)を入力させてもよい。たとえば、寸法測定装置10とユーザの携帯端末とが無線通信等によって連携すればよい。
【0213】
<ロッカー装置を有しないシステム等>
また、上記各実施形態においては、荷物受付システム1がロッカー装置60を有する態様が例示されているが、これに限定されない。たとえば、荷物受付システム1はロッカー装置60を有しなくてもよい。荷物受付システム1(ロッカー装置60を有しない荷物受付システム1等)においては、有人窓口79にて荷物が収納されてもよい。
【0214】
<荷物に関するサービス>
また、上記各実施形態においては、荷物に関するサービスとして、荷物の配送サービスが例示されているが、これに限定されない。荷物に関するその他のサービス、たとえば、荷物の保管(一時預かり等)サービスに上記思想が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0215】
1 荷物受付システム
10 寸法測定装置
20 3次元カメラ
30 寸法算出装置
60 ロッカー装置
80 測定対象物(荷物)
110 提示料金表
120 算出用料金表
Bi 基準値(基本境界値)
Ci 改定基準値
D (荷物の)奥行き
Gi 区分(サイズ区分等)
H (荷物の)高さ
S サイズ測定値(=W+D+H)
W (荷物の)幅
αi 所定値(許容値)
ΔFi 差分値(超過量)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16