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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029192
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】ロール状ペーパーホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/36 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
A47K10/36 D
A47K10/36 N
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017259
(22)【出願日】2022-02-07
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】521365934
【氏名又は名称】有限会社▲吉▼田工作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079050
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 憲秋
(74)【代理人】
【識別番号】100201879
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 孝一
(57)【要約】
【課題】太巻きのロール状ペーパーを適切に保持することが可能であるとともに、斬新な外観で汎用性や機能性にも優れたロール状ペーパーホルダーを提供する。
【解決手段】少なくともロール状ペーパーPの幅より広い間隔で離隔されて後側から前側へそれぞれ平行かつ下り傾斜状に延設された一対の傾斜支持部31と、一対の傾斜支持部の両前端部間に所定高さで立設された前側支持部32と、一対の傾斜支持部と前側支持部とに囲われた収容ポケット部40とを備えており、軸部材20がホルダー本体30の一対の傾斜支持部に架設載置されることにより、ロール状ペーパーが収容ポケット部内に収容されるとともに、軸部材を介して傾斜支持部の下り傾斜によって前側支持部に当接されて支持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状ペーパーのロール芯部に挿通される軸部材と、
前記軸部材が載置されて前記ロール状ペーパーを軸回転可能に保持するホルダー本体とを備え、
前記ホルダー本体は、少なくとも前記ロール状ペーパーの幅より広い間隔で離隔されて後側から前側へそれぞれ平行かつ下り傾斜状に延設された一対の傾斜支持部と、一対の前記傾斜支持部の両前端部間に所定高さで立設された前側支持部と、一対の前記傾斜支持部と前記前側支持部とに囲われた収容ポケット部とを備えており、
前記軸部材が前記ホルダー本体の一対の前記傾斜支持部に架設載置されることにより、前記ロール状ペーパーが前記ホルダー本体の前記収容ポケット部内に収容されるとともに、前記軸部材を介して前記傾斜支持部の下り傾斜によって前記前側支持部に当接されて支持される
ことを特徴とするロール状ペーパーホルダー。
【請求項2】
前記ホルダー本体の前記傾斜支持部の下り傾斜角度が10~20度である請求項1に記載のロール状ペーパーホルダー。
【請求項3】
前記ホルダー本体が一枚の金属製の板状部材よりなる請求項1又は2に記載のロール状ペーパーホルダー。
【請求項4】
前記ホルダー本体の前記前側支持部の下端面がテーパ状に形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダー。
【請求項5】
前記ホルダー本体の前記前側支持部の下端部に切欠部を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダー。
【請求項6】
前記軸部材に前記ロール状ペーパーの横移動を規制するとともに前記軸部材の前記傾斜支持部上での横移動を規制する規制部が形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダー。
【請求項7】
前記軸部材の重さが150~300gである請求項1ないし6のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダー。
【請求項8】
前記傾斜支持部の後端部に設置位置に固定される背面取付部が設けられている請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダー。
【請求項9】
前記ホルダー本体に台座部が設けられている請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トイレットペーパー等のロール状ペーパーを使用可能に保持するロール状ペーパーホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トイレットペーパー等のロール状ペーパー用のペーパーホルダーは、壁面等に固設されるホルダー本体と、ロール状ペーパーのロール芯部に挿通されてホルダー本体に着脱自在に保持される軸部材とを備える。この種のロール状ペーパーホルダーでは、例えば、ペーパーホルダーに触れることなく片手で容易にトイレットペーパーを切断可能とするために、トイレットペーパーの一部を束状に収束させてから切断可能な収束切断部を備える等、より使いやすくするために様々な工夫が施されたペーパーホルダーが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、一般的なトイレットペーパーは、直径約120mmのロール形状で構成される。近年、海外から輸入された大型又は大容量の生活用品等を販売する店舗が増えており、例えば、一般のトイレットペーパーより直径が大きい(例えば130mm以上)太巻きのロール状ペーパーが販売されている。
【0004】
しかしながら、従来のロール状ペーパーホルダーは、一般的なサイズのトイレットペーパーに対応して構成されている。そのため、従来のロール状ペーパーホルダーでは、太巻きのロール状ペーパーを保持することができなかったり、ロール状ペーパーを押しつぶす等して無理やり保持させたりする等、適切に保持させることができず、円滑に使用することが困難となる等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-039491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、太巻きのロール状ペーパーを適切に保持することが可能であるとともに、斬新な外観で汎用性や機能性にも優れたロール状ペーパーホルダーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、請求項1の発明は、ロール状ペーパーのロール芯部に挿通される軸部材と、前記軸部材が載置されて前記ロール状ペーパーを軸回転可能に保持するホルダー本体とを備え、前記ホルダー本体は、少なくとも前記ロール状ペーパーの幅より広い間隔で離隔されて後側から前側へそれぞれ平行かつ下り傾斜状に延設された一対の傾斜支持部と、一対の前記傾斜支持部の両前端部間に所定高さで立設された前側支持部と、一対の前記傾斜支持部と前記前側支持部とに囲われた収容ポケット部とを備えており、前記軸部材が前記ホルダー本体の一対の前記傾斜支持部に架設載置されることにより、前記ロール状ペーパーが前記ホルダー本体の前記収容ポケット部内に収容されるとともに、前記軸部材を介して前記傾斜支持部の下り傾斜によって前記前側支持部に当接されて支持されることを特徴とするロール状ペーパーホルダーに係る。
【0008】
請求項2の発明は、前記ホルダー本体の前記傾斜支持部の下り傾斜角度が10~20度である請求項1に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【0009】
請求項3の発明は、前記ホルダー本体が一枚の金属製の板状部材よりなる請求項1又は2に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【0010】
請求項4の発明は、前記ホルダー本体の前記前側支持部の下端面がテーパ状に形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【0011】
請求項5の発明は、前記ホルダー本体の前記前側支持部の下端部に切欠部を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【0012】
請求項6の発明は、前記軸部材に前記ロール状ペーパーの横移動を規制するとともに前記軸部材の前記傾斜支持部上での横移動を規制する規制部が形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【0013】
請求項7の発明は、前記軸部材の重さが150~300gである請求項1ないし6のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【0014】
請求項8の発明は、前記傾斜支持部の後端部に設置位置に固定される背面取付部が設けられている請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【0015】
請求項9の発明は、前記ホルダー本体に台座部が設けられている請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロール状ペーパーホルダーに係る。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明に係るロール状ペーパーホルダーは、ロール状ペーパーのロール芯部に挿通される軸部材と、前記軸部材が載置されて前記ロール状ペーパーを軸回転可能に保持するホルダー本体とを備え、前記ホルダー本体は、少なくとも前記ロール状ペーパーの幅より広い間隔で離隔されて後側から前側へそれぞれ平行かつ下り傾斜状に延設された一対の傾斜支持部と、一対の前記傾斜支持部の両前端部間に所定高さで立設された前側支持部と、一対の前記傾斜支持部と前記前側支持部とに囲われた収容ポケット部とを備えており、前記軸部材が前記ホルダー本体の一対の前記傾斜支持部に架設載置されることにより、前記ロール状ペーパーが前記ホルダー本体の前記収容ポケット部内に収容されるとともに、前記軸部材を介して前記傾斜支持部の下り傾斜によって前記前側支持部に当接されて支持されるため、太巻きのロール状ペーパーを適切に保持することが可能であるとともに、斬新な外観で汎用性や機能性にも優れる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1において、前記ホルダー本体の前記傾斜支持部の下り傾斜角度が10~20度であるため、軸部材を介してロール状ペーパーを前側支持部方向へ適切に付勢させることができる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記ホルダー本体が一枚の金属製の板状部材よりなるため、ホルダー本体を容易に製造することができることに加え、優れた強度が得られるとともに高級感を演出することが可能となる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1ないし3において、前記ホルダー本体の前記前側支持部の下端面がテーパ状に形成されているため、ロール状ペーパーの使用部分を切断しやすくなる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1ないし4において、前記ホルダー本体の前記前側支持部の下端部に切欠部を有するため、使用時にロール状ペーパーの使用部分を引き出しやすくすることができる。
【0021】
請求項6の発明は、請求項1ないし5において、前記軸部材に前記ロール状ペーパーの横移動を規制するとともに前記軸部材の前記傾斜支持部上での横移動を規制する規制部が形成されているため、ロール状ペーパーをホルダー本体の収容ポケット部40内に適切に配置することができるとともに、軸部材を傾斜支持部上に適切に配置して脱落を防止することができる。
【0022】
請求項7の発明は、請求項1ないし6において、前記軸部材の重さが150~300gであるため、使用部分の引き出し時に適度な抵抗感を生じさせて、過剰消費を抑制することができる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1ないし7において、前記傾斜支持部の後端部に設置位置に固定される背面取付部が設けられているため、壁面等に適切に設置することができる。
【0024】
請求項9の発明は、請求項1ないし8において、前記ホルダー本体に台座部が設けられているため、卓上又は床置きでの使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係るロール状ペーパーホルダーの斜視図である。
図2図1のロール状ペーパーホルダーの上面図である。
図3図1のロール状ペーパーホルダーの側面図である。
図4図1のロール状ペーパーホルダーの概略断面図である。
図5】軸部材の斜視図である。
図6図1のロール状ペーパーホルダーの前側支持部の拡大断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るロール状ペーパーホルダーの斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態に係るロール状ペーパーホルダーの斜視図である。
図9】本発明の第4実施形態に係るロール状ペーパーホルダーの斜視図である。
図10】本発明の第5実施形態に係るロール状ペーパーホルダーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1~4に示す本発明の一実施形態に係るロール状ペーパーホルダー10は、ロール状ペーパーPを回転自在に保持するものであって、軸部材20と、ホルダー本体30とを備える。図中の符号P1はロール状ペーパーPから引き出された使用部分に相当するペーパー端部、P5はロール状ペーパーのロール芯部である。
【0027】
ロール状ペーパーPは、トイレットペーパー等のシート状物が円筒形状のロール芯部P5に巻き付けられて、ロール形状に形成されたものである。本発明のロール状ペーパーホルダー10に保持されるロール状ペーパーPは、一般的なロールサイズ(ロール幅約114mm、ロール直径約120mm、ロール芯部P5の直径約38mm)のトイレットペーパーの他、一般的なサイズより大きい太巻きのトイレットペーパーも対象となる。太巻きのトイレットペーパーのロールサイズは、一般的なロールサイズで適宜であるが、例えばロール直径が約130~150mm程度である。
【0028】
軸部材20は、ロール状ペーパーPのロール芯部P5にその両端が突出されるように挿通される略円柱形状の棒状部材である。実施形態の軸部材20は、図5に示すように、ロール芯部P5を介してロール状ペーパーPを支持する軸本体21と、軸部材20の両端部に相当する滑動部22,22と、ロール状ペーパーPのロール幅より広い間隔で離隔されて軸部材20の両端部近傍に形成された軸本体21より大径の規制部25,25とを有する。
【0029】
軸部材20のサイズは、ロール状ペーパーPのサイズ等に応じて適宜に設定される。実施形態では、軸本体21の直径が約15mm、滑動部22の直径が約10mm、規制部25の直径が約20mm、軸部材20の長さが約200mm、規制部25の間隔が約120mmである。また、軸部材20は金属製の部材により構成されて、その重さは150~300g程度であることが好ましい。実施形態では約200gである。
【0030】
規制部25は、図2に示すように、軸部材20がロール芯部P5に挿通されてロール芯部P5を介してロール状ペーパーPを支持する際に、ロール状ペーパーPの両外部に露出される。すなわち、2つの規制部25,25の間にロール状ペーパーPが配置される。その際、規制部25は軸本体21より大径に形成されているため、図3,4に示すように、規制部25の外縁部がロール芯部P5の周縁部の外側に突出して、2つの規制部25,25の間に配置されたロール状ペーパーPの横移動が規制される。
【0031】
ホルダー本体30は、軸部材20が載置されてロール状ペーパーPを軸回転可能に保持する部材であって、図2~4に示すように、一対の傾斜支持部31,31と、前側支持部32と、収容ポケット部40とを備える。このホルダー本体30は、金属製、合成樹脂製、木製等の適宜の材料で構成することができる。実施形態のホルダー本体30は、一枚の金属製の板状部材で形成される。金属製とすることにより、優れた強度が得られるとともに高級感を演出することが可能となる。また、金属製の板状部材であることから、折り曲げ加工によりホルダー本体30を容易に製造することができる。
【0032】
一対の傾斜支持部31,31は、少なくともロール状ペーパーPの幅より広い間隔で離隔されて後側から前側へそれぞれ平行かつ下り傾斜状に延設された部位である。傾斜支持部31,31の下り傾斜角度は、約10~20度であることが好ましい。この傾斜支持部31,31には、ロール状ペーパーPに挿通された軸部材20が架設載置される。
【0033】
前側支持部32は、一対の傾斜支持部31,31の両前端部31a,31a間に所定高さで立設された部位であり、ロール状ペーパーPの前側面を支持する。この前側支持部32は、板状や棒状等、ロール状ペーパーPを支持可能な適宜の形状で構成される。実施形態の前側支持部32では、図示のように板状に形成されて、傾斜支持部31,31の両前端部31a,31aの折り曲げ変形により立設されている。
【0034】
そこで、前側支持部32に支持されたロール状ペーパーPでは、使用時にペーパー端部P1を前側支持部32の下側から引き出すようにすると、ペーパー端部P1の引き出し位置がほぼ一定となり、使いやすくなって好ましい。その際、前側支持部32では、図4,6に示すように、下端面33がテーパ状に形成されていることがより好ましい。前側支持部32のテーパ状の下端面は、ペーパーの切断部に相当し、ロール状ペーパーPの使用時に切断しやすくなる。図示の例では下端面33のテーパ方向は先端部33aが外側となるようしたが、先端部が内側となるようなテーパ状としてもよい。
【0035】
また、板状の前側支持部32では、図1に示すように、下端部に切欠部34を有することが好ましい。切欠部34は、半円形状や四角形状等の適宜の形状からなり、指先が入る程度の大きさで形成される。この切欠部34は、ロール状ペーパーPのペーパー端部P1が前側支持部32内に隠れた場合に、ペーパー端部P1の一部を前側支持部32から露出させて、使用時にペーパー端部P1を引き出しやすくすることができる。
【0036】
収容ポケット部40は、一対の傾斜支持部31,31と前側支持部32とに囲われた空間部であって、軸部材20を介して傾斜支持部31,31に架設載置されたロール状ペーパーPが収容される。また、収容ポケット部40は、一対の傾斜支持部31,31と前側支持部32との少なくとも三辺が囲われていればよいが、必要に応じて一対の傾斜支持部31,31の両後端部間に後辺部35を形成して、四辺を囲ってもよい。
【0037】
ホルダー本体30のサイズは、軸部材20やロール状ペーパーPのサイズ等に応じて適宜に設定される。実施形態では、ホルダー本体30の幅が約160mm、長さが約150mm、前側支持部32の高さが約37mm、収容ポケット部40の幅が約132mm、収容ポケット部40の長さが約130mmである。
【0038】
本発明のロール状ペーパーホルダー10では、図1~4に示すように、軸部材20がホルダー本体30の一対の傾斜支持部31,31に架設載置されることにより、ロール状ペーパーPがホルダー本体30の収容ポケット部40内に収容された状態で、軸部材20を介して傾斜支持部31,31の下り傾斜によって前側支持部32に当接されて支持される。すなわち、傾斜支持部31,31に載置された軸部材20の滑動部22,22が、傾斜支持部31,31の下り傾斜により前側支持部32方向へ滑動されるため、ロール状ペーパーPは軸部材20とともに前側支持部32方向へ滑り落ちて、前側支持部32によって当接支持される。
【0039】
この時、軸部材20の各規制部25,25により、ロール状ペーパーPの横移動が規制されるため、ロール状ペーパーPがホルダー本体30の収容ポケット部40内に適切に配置される。さらに、軸部材20の各規制部25,25は、図2に示すように、ロール状ペーパーPの両端とホルダー本体30の各傾斜支持部31,31との間に介在され、軸部材20の傾斜支持部31,31上での横移動が規制される。そのため、軸部材20が傾斜支持部31,31上に適切に配置されて脱落を防止することができる。
【0040】
上記のように前側支持部32に当接支持されるロール状ペーパーPは、自重及び軸部材20の荷重によって前側支持部32方向へ付勢される。そのため、使用時においてもロール状ペーパーPの位置が前側支持部32側で保持されて、使い心地が損なわれない。特に、軸部材20の重量を150~300g程度とすることによって、ロール状ペーパーPのペーパー端部P1側が前側支持部32に押し付けられる。これにより、ロール状ペーパーPのペーパー端部P1の引き出し時に適度な抵抗感を生じさせて、過剰消費を抑制することができる。軸部材20が軽すぎると十分な抵抗感が生じないため、過剰消費を抑制できないおそれがあり、軸部材20が重すぎるとロール状ペーパーPが前側支持部32に過剰に押し付けられてペーパー端部P1を円滑に引き出すことができなくなるおそれがある。
【0041】
また、ホルダー本体30では、傾斜支持部31,31の下り傾斜角度を約10~20度とすることによって、軸部材20を介してロール状ペーパーPを前側支持部32方向へ適切に付勢させることができる。傾斜支持部31,31の下り傾斜角度が小さすぎるとロール状ペーパーPを前側支持部32方向へ十分に付勢することができないおそれがある。一方、下り傾斜角度が大きすぎる場合、ロール状ペーパーPが前側支持部32へ過剰に押し付けられるおそれがあることに加え、収容ポケット部40の長さ方向の距離を十分に確保するために傾斜支持部31,31を過剰に長く形成しなければならなくなって好ましくない。
【0042】
以上のとおり、本発明のロール状ペーパーホルダー10は、ホルダー本体30が、後側から前側へそれぞれ平行かつ下り傾斜状に延設された一対の傾斜支持部31,31と、一対の傾斜支持部31,31の両前端部間に立設された前側支持部32と、一対の傾斜支持部31,31と前側支持部32とに囲われた収容ポケット部40とを備えるため、極めて斬新な外観に構成される。
【0043】
また、上記のような斬新な外観でありながら、ロール状ペーパーPに挿通された軸部材20がホルダー本体30の一対の傾斜支持部31,31に架設載置されることにより、ロール状ペーパーPがホルダー本体30の収容ポケット部40内に収容されるとともに、軸部材20を介して傾斜支持部31,31の下り傾斜によって前側支持部32に当接支持されるため、ロール状ペーパーPの大きさ(直径)に応じて軸部材20が傾斜支持部31,31上に自在に配置可能となる。したがって、使用前の太巻きのロール状ペーパーの保持に加え、一般的なロール状ペーパーや使用により小さくなったロール状ペーパー等、異なる大きさ(直径)のロール状ペーパーであっても同様の状態で適切に保持することができるため、汎用性にも機能性にも優れる。
【0044】
次に、本発明のロール状ペーパーホルダーの形態のバリエーションについて、図1,7~10を用いて説明する。なお、以下の説明において、同一符号は同一の構成を表すものとして、説明を省略する。
【0045】
図1に示す第1実施形態のロール状ペーパーホルダー10Aは、壁面等の設置位置に固定されるタイプであって、ホルダー本体30の傾斜支持部31の後端部31bに背面取付部50が設けられている。背面取付部50は、壁面等に密接可能な板状に形成されて、ねじ部材等の適宜の固定部材により固定される。実施形態の背面取付部50は、傾斜支持部31の後端部31bに一体に垂設された部位であり、金属製の板状部材の折り曲げ加工により製造される。なお、背面取付部は傾斜支持部の後端部から立設して形成してもよい。
【0046】
図7~10に示すロール状ペーパーホルダー10B,10C,10D,10Eは、卓上又は床置きタイプであって、ホルダー本体30に台座部60が設けられている。図7に示す第2実施形態のロール状ペーパーホルダー10Bは、ホルダー本体30の下側に箱状台座部61が設けられた例である。箱状台座部61では、前面部62にロール状ペーパーPのペーパー端部P1の引き出しが可能な前面開口部63が形成される。
【0047】
図8に示す第3実施形態のロール状ペーパーホルダー10Cは、ホルダー本体30の傾斜支持部31の後端部31bに脚状台座部65が設けられた例である。脚状台座部65は、金属製の板状部材の折り曲げ加工により製造することができる。図9に示す第4実施形態のロール状ペーパーホルダー10Dは、ホルダー本体30の傾斜支持部31の下面側に脚状台座部66が設けられた例である。図10に示す第5実施形態のロール状ペーパーホルダー10Eは、ホルダー本体30の傾斜支持部31の前端部31aに脚状台座部67が設けられた例である。脚状台座部66,67は、溶接等の適宜の接続方法により適宜に形成することができる。
【0048】
ロール状ペーパーホルダー10B,10C,10D,10Eは、台座部60(61,65,66,67)により卓上又は床置きでの使用が可能となる。そのため、設置が容易で取り扱い易い。台座部60(61,65,66,67)の形状はこれらに限定されるものではなく、ホルダー本体30を安定して支持可能な適宜の形状とすることができる。
【0049】
なお、本発明のロール状ペーパーホルダーは、前述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、ロール状ペーパーに埃や異物等が付着することを抑制するために、ホルダー本体の上部に適宜のカバー体等を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上の通り、本発明のロール状ペーパーホルダーは、太巻きのロール状ペーパーを適切に保持することが可能であり、斬新な外観でありながら汎用性や機能性にも優れる。そのため、従来のロール状ペーパーホルダーの代替品として有望である。
【符号の説明】
【0051】
10,10A~10E ロール状ペーパーホルダー
20 軸部材
21 軸本体
22 滑動部
25 規制部
30 ホルダー本体
31 傾斜支持部
31a 傾斜支持部の前端部
31b 傾斜支持部の後端部
32 前側支持部
33 前側支持部の下端面
33a 下端面の先端部
34 切欠部
35 後辺部
40 収容ポケット部
50 背面取付部
60 台座部
61 箱状台座部
62 箱状台座部の前面部
63 前面開口部
65,66,67 脚状台座部
P ロール状ペーパー
P1 ペーパー端部
P5 ロール状ペーパーのロール芯部



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10