(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029195
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20230224BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20230224BHJP
G10L 25/66 20130101ALI20230224BHJP
【FI】
A61B10/00 H
G16H50/20
G10L25/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023628
(22)【出願日】2022-02-18
(62)【分割の表示】P 2021133276の分割
【原出願日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】521365646
【氏名又は名称】無藤 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】無藤 友康
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】対象者の脳疾の病気を回復・改善させる過程で、対象者の動機付けを支援することの可能な診断補助装置を提供する。
【解決手段】診断対象の対象者が発した音声を含む実音声データを処理することにより、対象者の脳の病気を診断する診断補助装置10であって、実音声データの診断基準となる基準音声データを保持する記憶部26と、基準音声データ及び実音声データに基いて対象者の脳の病気を診断する診断部27と、診断部により診断された対象者の回復を支援する支援情報を生成する制御部22、記憶部26及び診断部27と、を有する、診断補助装置10を構成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断対象の対象者が発した音声を含む実音声データを処理することにより、前記対象者の脳の病気を診断する診断補助装置であって、
前記実音声データの診断基準となる基準音声データを保持する記憶部と、
前記基準音声データ及び前記実音声データに基いて前記対象者の脳の病気を診断する診断部と、
前記診断部により診断された前記対象者の回復を支援する支援情報を生成する支援情報生成部と、
を有する、診断補助装置。
【請求項2】
請求項1記載の診断補助装置において、
前記対象者が使用する通信端末から前記実音声データを受信し、かつ、前記支援情報生成部で生成された支援情報を前記通信端末へ送信する通信部が、更に設けられている、診断補助装置。
【請求項3】
請求項2記載の診断補助装置において、
前記通信端末から送信される実音声データを処理することにより、前記基準音声データを生成する基準音声データ生成部が、更に設けられている、診断補助装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の診断補助装置において、
前記支援情報は、前記対象者を支援する支援者が前記対象者を励ますメッセージを含む、診断補助装置。
【請求項5】
請求項4記載の診断補助装置において、
前記対象者を励ますメッセージは、前記基準音声データを生成するために前記通信端末から送信される前記実音声データに含まれている、診断補助装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項記載の診断補助装置において、
前記診断部は、前記基準音声データに含まれる複数の音声データのそれぞれに対応させた数値から求められる標準偏差と、前記実音声データに対応させた数値とに基いて、前記対象者の脳の病気を診断する、診断補助装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項記載の診断補助装置において、
前記診断部は、前記実音声データを構成する音圧、イントネーション、音程、音色、発音の滑らかさ、活舌のうち、少なくとも1つの要因を用いて前記対象者の脳の病気を診断する、診断補助装置。
【請求項8】
請求項4または5記載の診断補助装置において、
前記記憶部、前記診断部及び前記支援情報生成部を有するサーバの管理者と、前記管理者を支援する支援者と、前記対象者との間で、相互に付与されるリワードを管理するリワード管理部が更に設けられている、診断補助装置。
【請求項9】
診断対象の対象者が発した音声を含む実音声データを処理することにより、前記対象者の脳の病気を診断する診断補助方法であって、
前記実音声データの診断基準となる基準音声データを保持する第1ステップと、
前記基準音声データ及び前記実音声データに基いて前記対象者の脳の病気を診断する第2ステップと、
前記対象者の脳の病気の回復を支援する支援情報を生成する前記支援情報を生成する第3ステップと、
を有する、診断補助方法。
【請求項10】
診断対象の対象者が発した音声を含む実音声データを処理することにより、前記対象者の脳の病気を診断する診断補助装置に、
前記実音声データの診断基準となる基準音声データを保持する第1処理と、
前記基準音声データ及び前記実音声データに基いて前記対象者の脳の病気を診断する第2処理と、
前記対象者の脳の病気の回復を支援する支援情報を生成する第3処理と、
を実行させる、診断補助プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象者の音声データに基づいて、対象者の脳の病気を診断することの可能な、診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象者の音声データに基づいて対象者の疾患を推定する健康推定装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された健康推進装置は、検査対象の対象者が発話した音声を含む音声データを通信端末から受信する受信部と、受信した音声データを用いて、対象者における精神状態を示すメンタル値を算出する算出部と、記憶部に予め記憶された対象者に対する健康診断の結果を示す健診データと、算出されたメンタル値とに基づいて、対象者が患う可能性のある疾患を推定する推定部と、推定部が推定した対象者が患う可能性のある疾患を示す推定の結果を通信端末に送信する通信部と、を備えている。特許文献1に記載された健診データは、脳血管疾患を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、特許文献1に記載されている技術によれば、対象者の音声から対象者の健康状態、疾患等を診断可能であるが、対象者の病気を回復・改善させる過程での動機付けにはなりにくい、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、対象者の脳の病気を回復・改善させる過程で、対象者の動機付けを支援することの可能な診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラムを提供することであ
る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の診断補助装置は、診断対象の対象者が発した音声を含む実音声データを処理することにより、前記対象者の脳の病気を診断する診断補助装置であって、前記実音声データの診断基準となる基準音声データを保持する記憶部と、前記基準音声データ及び前記実音声データに基いて前記対象者の脳の病気を診断する診断部と、前記診断部により診断された前記対象者の回復を支援する支援情報を生成する支援情報生成部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、対象者の脳の病気を回復・改善させる過程で、対象者の動機付けを支援することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の診断補助装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】(A)、(B)、(D)は、本開示の診断補助装置に含まれるユーザ端末の表示画面例を示す模式図、(C)は、脳の病気の診断に用いられる情報例を示す図である。
【
図3】(A)は、診断補助装置で実行される処理の概要を示すフローチャート、(B)は、診断補助装置で実行される具体的な制御例1を示すフローチャートである。
【
図4】診断補助装置で実行される具体的な制御例2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の概要]
一般に、人が脳の病気、例えば、脳卒中、脳梗塞等を発症すると、言葉が出なくなる、言語障害(失語・残語・構音障害)、喚語困難(ろれつが回らない)等の症状が起きる。本開示の診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラムは、これらの症状に着目したものであり、音声データを用いることにより、脳の病気の症状が自覚される前の早期発見を行うことに寄与する。また、本開示の診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラムは、脳の病気の症状が表れた後において、対象者の症状の回復段階における補助(支援)を行うことが可能である。以下、本開示の診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラムを含む診断システムについて、図面を用いて説明する。
【0010】
[全体構成]
図1は、診断補助装置10の一実施形態を示す。診断補助装置10は、ユーザ端末11及びサーバ12を有する。ユーザ端末11は、ネットワーク13を介してサーバ12に接続される。ユーザ端末11は、ユーザにより利用される。サーバ12は、病院等の医療機関等の管理者によって運営及び管理される。ネットワーク13は、有線または無線の何れかにより構築されていてもよく、有線及び無線の両方によって構築されていてもよい。複数のユーザ端末11がサーバ12に接続可能であるが、
図1では、便宜上、単数のユーザ端末11が示されている。
【0011】
[ユーザ端末の構成]
ユーザ端末11は、ユーザにより操作されて起動及び動作する。ユーザ端末11のユーザは、健常者、病気の予備群者、患者等を含む。ユーザ端末11は、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップパソコン、ノート型パソコン等のうちの何れでもよい。ユーザ端末11は、管理者がネットワーク13上で提供するポータルサイト等にアクセスし、かつ、ユーザの氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、ユーザID、暗証番号等の登録情報を入力することにより、ユーザ端末11を利用する特定のユーザとして登録及び認証される。以後、ユーザ端末11でメールアドレス、ユーザID、暗証番号等が入力されると、サーバ12による認証が行われる。ユーザがサーバ12で認証されている状態で、サーバ12からユーザ端末11に診断補助プログラムがダウンロードされ、かつ、インストールされる。なお、ユーザ端末11がサーバ12で認証されている状態で、登録情報を変更することも可能である。
【0012】
ユーザ端末11は、操作部14、マイク部15、制御部16、記憶部17、通信部18及び出力部19を有する。制御部16は、マイク部15、記憶部17、通信部18、操作部14及び出力部19に対して、信号の送信及び受信が可能に接続されている。操作部14は、タッチスイッチ、液晶パネル等の表示画面、キーボード、マウス等のうち、少なくとも1要素により構築されている。また、操作部14は、カメラ及びスキャナを備えていてもよい。出力部19は、表示画面およびスピーカを有している。スピーカは、激励メッセージ等を音声で出力する。出力部19の表示画面は、タッチパネル、液晶パネル等により構築されている。
【0013】
操作部14の表示画面と、出力部19の表示画面とは、別々に設けられていてもよいし、統合されていてもよい。本実施形態では、操作部14の表示画面と、出力部19の表示画面とが、統合されている例を説明する。
図2(A)には、ユーザ端末11がスマートフォンである場合の表示画面20の一例が示されている。表示画面20には初期メニューとして各種の選択メニューボタン21が表示される。なお、選択メニューボタン21に代えてアイコンが表示されてもよい。
【0014】
メニューボタンとして、例えば、診断音声入力、データ用音声入力、診断結果表示、回復状況表示、激励入力、激励出力、リハビリメニュー表示、リワード表示、登録情報変更、付属情報入力等のボタンが表示される。診断音声入力は、診断対象となる音声を入力する場合に操作される。データ用音声入力ボタンは、基準音声データを作成するための音声を入力する場合に操作される。登録情報変更ボタンは、登録情報のうち、住所、電話番号、メールアドレス、ユーザID、暗証番号等を変更する場合に操作される。付属情報入力ボタンは、音声データを入力するユーザの付属情報を入力する場合に操作される。付属情報の意味は、後述する。診断結果表示ボタンは、音声データの診断結果を表示させる場合に操作される。
【0015】
回復状況表示ボタンは、脳の病気の回復状況を表示させる場合に操作される。激励入力ボタンは、脳の病気に罹っている対象者を激励するメッセージを入力する場合に操作する。激励出力ボタンは、激励メッセージを出力する場合に操作される。リハビリメニュー表示ボタンは、脳の病気に対応するリハビリテーションのメニューを表示させる場合に操作される。リワード表示ボタンの意味は後述する。何れかの選択メニューボタン21を操作すると、例えば、
図2(B)の表示画面20に切り替わる。表示画面20には、操作メニューとして、例えば、決定、送信、戻る等の操作ボタン30が表示される。
【0016】
決定ボタンは、ユーザが選択したメニューを確定させるために操作される。診断音声入力ボタン、データ用音声入力ボタンを操作した後に決定ボタンを操作すると、選択メニューに応じた行為を行うことができる。診断結果表示ボタン、回復状況表示ボタン、激励入力ボタン、激励出力ボタン、リハビリメニューボタン等を操作した後、決定ボタンを操作すると、選択メニューに応じた情報が表示画面20に表示される。診断音声入力ボタン、データ用音声入力ボタンを操作し、かつ、選択メニューの応じた行為を行った後に送信ボタンを操作すると、音声データが、ユーザ端末11からサーバ12へ送信される。戻るボタンを操作すると、
図2(A)の表示画面20へ戻る。
【0017】
マイク部15は、マイクロホン等であり、ユーザ端末11を利用するユーザが発話する音声を受信し、かつ、受信した音声をアナログの電気信号に変換する。マイク部15は、例えば、マイク部15に含まれるAD(Analog-to-Digital)変換回路を用いて、アナログからデジタルの電気信号に変換し、デジタルの電気信号を記憶部17へ送信する。マイク部15は、ユーザ端末11を構成する本体の内部に設けられている内蔵マイク、または、本体の外部に設けられている外付マイクの何れでもよい。記憶部17は、ユーザ端末11を構成する本体の内部に設けられる内蔵型、または、本体の外部に設けられる外付型の何れでもよい。また、外付型の記憶部は、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、スティックメモリ等であってもよい。
【0018】
制御部16は、演算処理回路、入力ポート及び出力ポートを有する。記憶部17には、制御部16で行う処理、判断、比較等に用いるプログラムが記憶される。なお、制御部16は、ハードウェアにより構築されていてもよい。制御部16は、入力される信号を処理し、かつ、記憶部17に記憶されているプログラム、データ等に基づいて、ユーザ端末11を構成する各部の動作及び機能を制御する。また、制御部16は、各部から送信される信号に応じたデータ及び情報を、記憶部17へ一時的に記憶させる。さらに、制御部16は、記憶部17に記憶されているデータ及び情報に対応する信号を、通信部18からサーバ12へ送信する。
【0019】
通信部18は、例えば、携帯電話通信網またはWi-Fi(登録商標)等の通信規格に基づいて、音声データ等の情報を含む信号を、ネットワーク13を介してサーバ12へ送信する。また、通信部18は、サーバ12からのデータ等の情報を含む信号を、ネットワーク13を介して受信する。なお、通信部18とネットワーク13とを接続する通信回線は、無線接続及び有線接続のうちの少なくとも一方により構築されている。
【0020】
[サーバの構成]
サーバ12は、制御部22、操作部23、表示部24、通信部25、記憶部26、診断部27を有する。制御部22は、入力ポート、出力ポート及び演算回路を有する。制御部22は、表示部24、通信部25、記憶部26、診断部27に対して、信号の送信及び受信が可能に接続されている。制御部22は、表示部24、通信部25、記憶部26、診断部27を制御する。通信部25は、ネットワーク13を介してユーザ端末11から送信されたデータ及び情報を含む信号を受信する。通信部25が受信した信号は、制御部22へ入力される。制御部22から通信部25に対して信号を出力することも可能である。
【0021】
操作部23は、タッチスイッチ、液晶パネル等の表示画面、キーボード、マウス等のうちの少なくとも1要素により構築されている。管理者が操作部23を操作すると、その操作内容に応じた入力信号及び操作信号が、制御部22へ入力される。また、操作部23を操作すると、ユーザ端末11とは異なる情報源から、健常者の音声データを取得して、かつ、記憶部26に記憶することも可能である。表示部24は、表示画面を有している。表示部24の表示画面は、タッチパネル、液晶パネル等により構築されている。表示部24の表示画面に表示される内容は、制御部22により制御及び切り替えられる。操作部23の表示画面と、表示部24の表示画面とは、別々に設けられていてもよいし、統合されていてもよい。本実施形態では、操作部23の表示画面と、表示部24の表示画面とが、統合されている例を説明する。
【0022】
記憶部26は、サーバ12を構成する本体の内部に設けられる内蔵型、または、本体の外部に設けられる外付型の何れでもよい。また、外付型の記憶部は、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、スティックメモリ等であってもよい。記憶部26には、制御部22及び診断部27で行う処理、判断、比較等に用いるプログラム、データ、マップ、情報等が記憶される。
【0023】
制御部22は、演算処理回路、入力ポート及び出力ポートを有する。なお、制御部22は、ハードウェアにより構築されていてもよい。制御部22は、入力される信号を処理し、かつ、記憶部26に記憶されているプログラム、データ等に基づいて、サーバ12を構成する各部の動作及び機能を制御する。また、制御部22は、各部から送信される信号に応じたデータ、情報に対応する信号を、記憶部26へ一時的に記憶させる。さらに、制御部22は、記憶部26に記憶されているデータ及び情報に対応する信号、選択したメニューに対応する信号等を、通信部25を介してユーザ端末11へ送信する。
【0024】
診断部27は、人工知能(AI:AIartificial intelligence)として機能する。診断部27は、音声データ及び記憶部26に記憶されているデータ、情報、診断テーブル等に基づいて、対象者の脳の病気を診断し、かつ、対象者の脳の病気の回復段階及び改善状態等を判断する。脳の病気は、例えば、脳卒中、脳梗塞、認知症、パーキンソン病等を含む。診断部27は、健常者から得た音声データと、対象者の音声データとを対比することにより、診断を行う。対象者の脳の病気の診断に用いる音声データは、年齢、性別及び生活環境等が近似する健常者のビッグデータが利用される。また、診断部27は、対象者の脳の病気の状態、回復状況等に応じて、リハビリテーションのメニュー等を作成可能である。なお、リハビリテーションメニューは、基本的には、病院で医師が監修し、操作部23から入力され、かつ、記憶部26に記憶される。診断部27は、診断結果、リハビリテーションメニュー等を制御部22へ送信する。
【0025】
リハビリテーションメニューは、脳の病気の回復段階に応じて、記憶部26に記憶されている。急性期におけるリハビリテーションメニューは、例えば、ストレッチ、起き上がる、立つ、座る、着替え、言葉の発音、等である。回復期におけるリハビリテーションメニューは、例えば、歩く、日常生活動作の訓練等である。生活期(維持期)におけるリハビリテーションメニューは、例えば、行動範囲を広げる、日常生活動作の維持、筋力、体力、歩行能力の維持・向上等である。
【0026】
通信部25は、各種の情報、データ等を含む信号を、ネットワーク13を介してユーザ端末11へ送信する。また、通信部25は、ユーザ端末11からの音声データ等の情報を含む信号を、ネットワーク13を介して受信する。通信部25とネットワーク13とを接続する通信回線は、無線接続及び有線接続のうちの少なくとも一方により構築されている。
【0027】
[診断補助装置で実行される処理の概要]
図3(A)には、診断補助装置10で行われる処理の概要が示されている。ユーザ端末11では、ステップS30でメニューが選択及び決定され、ステップS31でメニューに応じた信号が送信される。ステップS31でサーバ12に送られる信号には、サーバ12からユーザ端末11へ情報を返信する要求が含まれていないものとして説明する。サーバ12では、ステップS32で信号が受信され、サーバ12は、受信した信号に応じた処理、判断、記憶等をステップS33で行う。ステップS33の後、ユーザ端末11は、ステップS34でメニューの選択及び決定を行い、ユーザ端末11は、ステップS35でメニューに応じた信号をサーバ12へ送信する。ステップS35でサーバ12に送られる信号には、サーバ12からユーザ端末11へ情報を返信する要求が含まれる。
【0028】
サーバ12は、ステップS36で信号を受信し、ステップS36で受信した信号に応じた情報が、ステップS37でサーバ12からユーザ端末11へ送信される。ユーザ端末11は、ステップS38で信号を受信し、かつ、表示画面20で表示する処理、かつ、記憶部17へ記憶する処理等を行う。なお、ユーザ端末11がステップS31でサーバ12へ送信する信号に、返信を求める要求が含まれていると、診断補助装置10は、
図3(A)のステップS34,S35,S36をスキップし、かつ、ステップS37,38の処理を行う。
図3(A)に示す処理は、ユーザ端末11がサーバ12で認証されている状態で、ユーザの登録情報を変更する場合等を含む。
【0029】
[診断補助装置で行われる制御例1]
診断補助装置10で行われる具体的な制御例1が、
図3(B)に示されている。制御例1は、対象者の脳の病気の診断に用いる基準音声データのデータベースを生成する処理を含む。基準音声データは、多数の音声データを蓄積して生成される。なお、基準音声データの作成に用いられる音声データの提供者は、健常者である。つまり、予め健康診断等を行って脳の病気が無いことが確認されている。制御例1は、ユーザ端末11がサーバ12にアクセスされ、かつ、ユーザの登録情報が、サーバ12で認証されている状態で行われる。また、複数のユーザ端末11が、サーバ12へ同じタイミング、または異なるタイミングで接続可能である。さらに、ユーザは、不特定多数の人間、つまり、健常者と、将来、脳の病気の有無を診断する可能性がある対象者と、を含む。
【0030】
ユーザ端末11では、ステップS10において操作部14が操作されてユーザの付属情報が入力され、かつ、マイク部15から健常者の実音声が入力される。ここで、健常者は、音声データにより脳の病気の診断を受ける者、または、音声データにより脳の病気の診断を受ける可能性がある者、音声データにより脳の病気の診断を受ける可能性が無い者を含む。ユーザの付属情報は、操作部14を操作して入力される。付属情報は、ユーザの年齢、性別、居住地区、職業、所定期間内における平均的な労働時間など、脳の病気との関連が推定される情報である。
【0031】
音声データの入力は、具体的には次のように行われる。操作部14で音声入力メニューが選択され、マイク部15から音声が入力される。マイク部15は、音声データを電気信号に変換する。マイク部15に入力される音声は、ひながな1文字づつ、ひながな1文字づつ、アルファベット1文字づつ、単語、熟語、日常会話、挨拶、書籍の朗読、歌声、対象者に対する励ましメッセージ、対象者に対する応援、対象者に対する共感等のうちの何れでもよい。なお、ユーザ端末11は、ステップS10において、ユーザが入力する言葉、文字の例等を表示画面20に表示してもよい。そして、ステップS10では、ユーザの付属情報と、音声データとが関連付けられて記憶部17へ一時的に記憶される。ステップS11において音声データの送信ボタンが操作されると、記憶部17に記憶されている音声データ(実音声データ)及び付属情報が、通信部18からサーバ12へ送信される。
【0032】
サーバ12の制御部22が、ステップS12で音声データを受信すると、制御部22は、ステップS13において、診断部27で音声データの処理及び分析を実行させる。音声データの分析には、発語の明瞭さ、ろれつ、滑舌、音圧、音程、音色、高低変化の滑らかさ、倍音、かすれ、艶、抑揚、韻律等の構成因子(要素)が含まれる。韻律は、イントネーションの滑らかさ、音声の長短、アクセント、長音の的確さ等を含む。また、ステップS13では、診断部27で行われた音声データの処理結果及び分析結果が、記憶部へ26記憶される。
【0033】
診断部27において、音声データを処理及び分析して音声データベース(基準音声データ)を作成するにあたり、音声データの構成因子のそれぞれを便宜的に数値化(点数化・スコア化)する。サーバ12は、多人数の異なる健常者について、ステップS12及びステップS13の処理を繰り返すことにより、多数の健常者の音声データベース、つまり、ビッグデータの作成及び更新を行う。多数の健常者の音声データの構成因子を分析する場合、それぞれの構成因子について、対応する数値の標準偏差を求め、かつ、記憶部26に記憶される。
【0034】
[診断補助装置で行われる制御例2]
図4に示された制御例2は、対象者の音声データをサーバ12に送信して、対象者の脳の病気を診断する処理を含む。制御例2は、ユーザ端末11がサーバ12にアクセスされ、かつ、対象者の登録情報が入力されて、ユーザ端末11がサーバ12で認証された状態で行われる。なお、制御例1の処理の一部を行うユーザ端末11と、制御例2の処理の一部を行うユーザ端末11とが異なっていれば、制御例1と制御例2とが同時に行われてもよい。
【0035】
対象者がユーザ端末11を操作することにより、ステップS20で選択メニューボタン21を操作し、かつ、操作ボタン30を操作して、選択メニューに応じた行為を行う。ここでは、ステップS20で音声入力ボタンを操作し、かつ、対象者の音声をマイク部15に入力する例を説明する。なお、音声入力ボタンを操作した場合に、マイク部15で入力する音声に対応する言葉、文字の例が、表示画面20に表示されてもよい。すると、対象者は、表示画面20に表示される音声の例の何れかを選択し、対象者は、実際の音声をマイク部15に入力することができる。
【0036】
ステップS20に次いで、ステップS21で操作ボタン30に含まれる送信ボタンが操作されると、音声データの信号が、ユーザ端末11からサーバ12へ送信される。サーバ12は、ステップS22で音声データを受信する。すると、制御部22は、ステップS23において、診断部27で対象者の脳の状態を診断及び評価させる。まず、診断部27は、ステップS22で受信した音声データについて、構成因子のそれぞれを便宜的に数値化(スコア化)する。そして、ステップS22で受信した音声データの各構成因子のスコアと、記憶部26に記憶されている健常者の音声データの各構成因子のスコアの標準偏差と、に基づいて、対象者の脳の状態を診断する。
【0037】
図2(C)には、診断部27がステップS23で行う診断に用いる音声データの各構成因子の例が示されている。横軸に、各構成因子が示され、縦軸に、各構成因子から診断される障害の程度が示されている。構成因子として、音圧、イントネーション、音程、音色、滑らかさ、滑舌、本人らしさ、が例示されている。本人らしさは、倍音、声のかすれ、声の艶等から判断される。そして、脳の病気の障害程度、及び回復程度が数値(スコア)で表されている。本開示では、脳の病気の障害の程度が強くなることに伴い、数値が大きくなり、障害の程度が弱くなる(つまり、回復程度が進行する)ことに伴い、数値が小さくなるものとする。そして、診断部27は、ステップS22で受信した音声データの各構成因子の数値が、記憶部26に記憶されている健常者の音声データの各構成因子のスコアの標準偏差に対して、数値(整数)2つ分以上の乖離があると、“脳の病気の疑いがある”との診断結果を生成する。
【0038】
ステップS12で受信した健常者の音声データに、対象者の音声データが含まれている場合は、ステップS22で受信した音声データの各構成因子の数値と、記憶部26に記憶されている対象者の音声データの各構成因子の数値とを比較して、診断部27が対象者の脳の状態を診断してもよい。そして、脳障害があることが明らかである場合は、脳障害の程度、障害の進行状況、脳障害の回復状況等が診断される。なお、対象者が脳に異常が無ければ、正常との診断がなされる。制御部22は、対象者に対して診断部27が行った診断結果を、対象者の登録情報と共に記憶部26に記憶させる。診断部27が行う診断結果は、グラフ、図表、マップ、音声等のうち、少なくとも1つにより構成される。
【0039】
ステップS23の後、ユーザ端末11が操作され、ステップS24において選択メニューボタン21のうち診断結果出力が操作される。ステップS24に次ぐステップS25において、決定及び送信ボタンが操作されると、ステップS24で選択されたメニューの信号がサーバ12へ送信される。すると、サーバ12では、ユーザ端末11から送信された信号をステップS26で受信し、サーバ12では、ステップS27において、ユーザ端末11へ診断結果を送信する。ユーザ端末11は、サーバ12から送信される診断結果をステップS28で受信する。制御部16は、ステップS29で表示画面20の選択メニューボタン21の診断結果表示ボタンが操作されると、受信した診断結果を表示画面20に表示させる。対象者は、表示画面20を目視して診断結果を確認できる。すなわち、脳の病気の診断結果を見える化できる。
【0040】
なお、ユーザ端末11がステップS21でサーバ12へ送信する信号に、診断結果の返信を求める要求が含まれていると、診断補助装置10は、
図4のステップS24,S25,S26をスキップし、かつ、ステップS27,28,29の処理を行う。
【0041】
上記のように、診断補助装置10で制御例2が実行されると、ステップS23において脳の病気が診断され、ステップS29において、診断結果が表示画面20に表示、若しくはアラートされる。また、診断結果に音声が含まれていると、ステップS29において、出力部19のスピーカから音声が出力される。したがって、対象者は脳の病気の自己診断結果を得ることができる。なお、自己診断の結果は、病院等の専門機関で評価してもらうことが重要である。
【0042】
また、ステップS23において、音声データの構成因子のうち、発語の明瞭さ、ろれつ等の数値に基づいて、対象者の脳の状態を自己診断すると、脳の病気の早期発見につながる。また、対象者に脳の病気があり、かつ、対象者がリハビリテーションを行っている場合は、喚語困難、錯語、残語などに基づいて、対象者の回復段階をモニタリングすることが可能である。
【0043】
さらに、ユーザ端末11において、ステップS24でリハビリメニュー出力が選択され、かつ、ステップS25でその信号がサーバ12へ送信される。サーバ12は、ステップS26で信号を受信すると、ステップS27でサーバ12からユーザ端末11へリハビリテーションメニューが送信される。そして、ステップS29で表示画面20にリハビリテーションメニューが表示される。なお、ステップS24でリハビリテーションメニュー出力ボタンが操作されていなくても、ステップS29で診断結果を表示することと併せて、回復状況に応じてリハビリテーションメニューが表示画面20へ提示されてもよい。リハビリテーションメニューと診断結果とが併せて表示画面20に表示されると、脳の病気の回復段階と、リハビリテーションメニューとの整合性及び一貫性を図ることができる。
【0044】
ユーザ端末11の制御部16が、ステップS29で表示画面20に診断結果を表示する場合、グラフ、図表、マップ等を用いることが可能である。例えば、正常時を100%として、現在の回復状況が、41%、56%のように、その時点の回復状況を表示することに加え、回復状況の変化を時系列で表示することも可能である。したがって、脳の病気があることが判明した予後における回復状況、改善状況、治癒状況を視覚的に判断可能であり、対象者の動機付けに寄与できる。また、対象者は、孤独になりがちな闘病生活を、途中であきらめることなく継続できる。さらに、病院等で病気の治療、投薬、リハビリテーション、等を行う場合に、対象者は、病院等における治療方針の決定に積極的に参加し、その決定に従って自ら行動することの動機付けになる。
【0045】
また、リハビリテーション段階にある対象者の音声データがステップS20で入力された後、診断部27が、ステップS23で脳の状態を診断する場合に、サーバ12の記憶部26に記憶されている対象者の音声データと、今回入力されるた音声データとを比較することが可能である。そして、今回入力された音声データの診断結果から、倍音、声のかすれ、声の艶等が、対象者本人の正常な状態に近づいている場合、診断部27は、ステップS23で対象者にポイントを加点する処理を行うこともできる。加点されたポイントは、ステップS24でユーザ端末11に送信され、ステップS26でユーザ端末11の表示画面20に表示される。
【0046】
図2(D)には、表示画面20に各構成因子を表示する例が示されている。各構成因子の例は、
図2(C)に示されている。表示画面20には、各構成因子が光の玉31で表示されている。光の玉31と共に各構成因子の数値が表示されてもよい。また、光の玉31は、各構成因子の数値に応じて、光の玉31の色の濃度が変更されてもよい。例えば、構成因子の数値が高いほど、色の濃度が濃く表示される。また、光の玉31は、各構成因子の数値に応じて輝度が変更されてもよい。例えば、構成因子の数値が高いほど、輝度が高く示される。さらに、ステップS23において、構成因子にポイントが加点される場合、光の玉32の側方に、ポイントが加点された旨が文字で表示される。
【0047】
また、対象者の家族、知人等の他、医師、看護師等が、対象者に対する激励メッセージを入力する場合、
図3(A)のステップS20において、
図2(A)の選択メニューボタン21のうち激励入力ボタンを操作し、かつ、激励メッセージを音声または文字で入力可能である。すると、ステップS31において、激励メッセージがサーバ12へ送信される。サーバ12はステップS32で信号を受信し、ステップS33で激励メッセージを記憶部26へ記憶する。そして、ステップS34において選択メニューボタン21のうち激励メッセージ出力が選択及び決定され、ステップS35で送信ボタンが操作されると、信号がサーバ12へ送信される。すると、サーバ12では、ユーザ端末11から送信された信号をステップS36で受信し、サーバ12では、ステップS37において、ユーザ端末11へ激励メッセージを送信する。
【0048】
ユーザ端末11は、サーバ12から送信される激励メッセージをステップS38で受信する。制御部16は、ステップS38で表示画面20の選択メニューボタン21の激励メッセージ出力ボタンが操作されると、受信した激励メッセージを表示画面20に表示させるか、マイク部15から激励メッセージを音声で出力させる。したがって、対象者は病気の回復段階における動機付けを得られ、かつ、脳の病気の改善に自分一人で取り組んでいるのではなく、支援者、共感者等がいるとの連帯感及び勇気を得られる。なお、対象者が健常者であった時点において、
図3(B)のステップS10で激励する音声を入力し、その対象者が、ステップS38で自分が入力した激励音声を聞くこともある。
【0049】
[他の特徴]
本開示の診断補助装置10は、次のような特徴も有している。サーバ12の制御部22は、記憶部26、診断部27及び記憶部26の管理者に提供される資金を管理する資金管理部としての機能を有する。サーバ12の管理者は、クラウドファンディング等により資金提供を募る。例えば、サーバ12の管理者が金融機関の口座を有しており、その口座に、資金提供者から資金が振り込まれる。資金提供者は、例えば、クレジットカード会社、ポイント付与企業、支払金額の決済会社等を含む。
【0050】
資金は、診断補助装置を運営する原資として提供される。すると、口座に資金が振り込まれたことを示す信号が、ネットワーク13を介して通信部25に入力される。このため、制御部22及び記憶部26は、管理者に提供される資金を管理する。通信部25及び記憶部26は、対象者に対する支援者の支援メッセージを受け付ける受付部として機能する。支援メッセージは、前述した激励メッセージであり、音声メッセージ、文字メッセージを含む。
【0051】
支援者は、対象者及びサーバ12の管理者を、精神的に支援及び激励する者の他、対象者及びサーバ12の管理者を経済的・金銭的に支援するクレジットカード会社、ポイント企業、決済会社等を含む。ユーザ端末11は、健常者、対象者、支援者等の何れもが使用可能である。なお、クレジットカード会社、ポイント企業、決済会社等が、少なくとも1つ以上のユーザ端末11をそれぞれ使用する場合、ユーザ端末11は、マイク部15を備えていなくてもよい。
【0052】
さらに、制御部22は、対象者の回復程度に応じて、サーバ12の管理者と支援者との間、サーバ12の管理者と対象者との間、支援者と対象者との間において、相互に行われるリワードの付与を管理する、リワード管理部としての機能を有する。ここで、リワードは、現金、金銭、仮想通貨、ポイント、有価証券、商品券、貴金属等を含む。リワードは、提供される資金、及び対象者の脳の病気の回復状況に応じて設定される。
【0053】
例えば、支援者からサーバ12の管理者にリワードが付与される場合、支援者とサーバの管理者との間で予め合意した比率で、リワードが付与される。予め合意した比率は、例えば、平均的な回復期間より早期に回復した場合、回復した消費額の所定パーセントの還付を受ける等である。また、対象者からサーバ12の管理者に対してリワードを付与する場合、対象者の意思でリワード額等が決定される。これに対して、サーバ12の管理者から支援者にリワードを付与する場合、支援者からサーバ12の管理者に提供される金額、ポイント等が多い程、リワードが大きく(多く)なる。
【0054】
支援者から対象者にリワードを付与する例を、
図3(A)を参照して説明する。対象者が自分名義のクレジットカード、ポイントカードを使用するときに、ポイントを利用可能である。対象者は、金融機関に自分名義の口座を開設している。そして、
図3(A)のステップS34において、ユーザ端末11の表示画面20でリワード表示ボタンを操作すると、ステップS35でその信号が、サーバ12へ送信される。
【0055】
すると、サーバ12はステップ36で信号を受信し、かつ、処理を行う。さらに、サーバ12は、ステップS37において、ステップS37でポイントが付与されたこと、現金が口座に振り込まれたことを示す信号を、ユーザ端末11へ送信する。ユーザ端末11では、ステップS38において信号を受信し、かつ、ポイントが付与されたこと、現金が口座に振り込まれたこと等が、
図2(D)の表示画面20へ表示される。なお、対象者の支援者に対しては、回復程度に応じた祝い金は支給されず、ポイントのみが付与される。
【0056】
つまり、対象者の脳の病気が回復すると、商品の購入、外出、外食、旅行等を含む消費意欲が増し、対象者によるクレジットカード、ポイントカードの利用が促進される。したがって、クレジットカード会社、ポイント企業及び決済会社等の利益に結び付く。なお、サーバ12の管理者と支援者との間、サーバ12の管理者と対象者との間において、相互にリワードの付与が行われる場合も、
図3(A)の制御例が当てはまる。
【0057】
[補足説明]
実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。記憶部26は、記憶部の一例である。制御部22、記憶部26及び診断部27は、診断部の一例、基準音声データ生成部の一例である。激励メッセージ、脳の病気の回復状況を示す情報、リハビリテーションメニューは、支援情報の一例である。制御部22、記憶部26及び診断部27は、支援情報生成部の一例である。通信部25は、通信部の一例である。制御部22及び記憶部26は、資金管理部の一例、受付部の一例である。制御部22、記憶部26及び診断部27は、リワード管理部の一例である。記憶部26へ記憶される音声データベースが、診断基準の一例である。
【0058】
図3(A),(B)及び
図4に示される制御例が、診断補助方法の一例である。
図3(B)のステップS13が、第1ステップの一例、第3ステップの一例、第1処理の一例、第3処理の一例である。
図4のステップS23が、第2ステップの一例、及び第2処理の一例である。
【0059】
本実施形態で説明した診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラムは、上記した実施形態に限定されない。例えば、診断補助プログラムは、診断補助装置10の動作を制御するプログラムであり、CD(Compact Disc)、DVD等の光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体は、記憶部の一部を構成する。また、ネットワークを介してサーバまたはユーザ端末にダウンロードされるものでもよい。さらに、サーバで生成される基準音声データのデータベースは、ユーザ端末から入力される音声を蓄積して生成したものに限定されない。例えば、上記の記録媒体に予めクロスセクションデータとして記憶されていてもよい。
【0060】
また、診断補助プログラムが通信端末にダウンロードされ、かつ、インストールされている状態において、通信端末がサーバとの間で通信を行うことなく、通信端末単独で、
図3及び
図4の制御例を行うことも可能である。この場合、
図3及び
図4に示されたサーバ側の処理、判断、記憶等の処理は、通信端末の制御部、記憶部等で行われる。さらに、ユーザ端末の操作部が、カメラ、スキャナを備えていると、ユーザ認証に生体認証を含ませることもできる。生体認証は、顔認証、指紋認証、網膜認証等を含む。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示は、対象者の音声データに基づいて、対象者の脳の病気を診断することの可能な、診断補助装置、診断補助方法及び診断補助プログラムに適用可能である。
【符号の説明】
【0062】
10…診断補助装置、11…ユーザ端末、12…サーバ、22…制御部、25…通信部、26…記憶部、27…診断部