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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029287
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】電子部品の欠陥検出装置及び検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/12 20060101AFI20230224BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20230224BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
G01N29/12
G01M99/00 Z
G01H17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129323
(22)【出願日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0109579
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(71)【出願人】
【識別番号】514274672
【氏名又は名称】延世大学校 産学協力団
【氏名又は名称原語表記】YONSEI UNIVERSITY,UNIVERSITY-INDUSTRY FOUNDATION(UIF)
【住所又は居所原語表記】50,YONSEI-RO, SEODAEMUN-GU, SEOUL 03722, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、フン キル
(72)【発明者】
【氏名】キム、セオン フーン
(72)【発明者】
【氏名】オーム、ウォン スク
(72)【発明者】
【氏名】イム、セオン ホン
【テーマコード(参考)】
2G024
2G047
2G064
【Fターム(参考)】
2G024BA22
2G024BA27
2G024CA13
2G024FA06
2G024FA11
2G047AA05
2G047AC10
2G047BA04
2G047BC03
2G047BC04
2G047BC07
2G047CA05
2G047GG20
2G047GG32
2G047GG33
2G047GH12
2G064AA11
2G064AB02
2G064AB22
2G064BA02
2G064BD02
2G064DD02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子部品の欠陥検出時の問題を解決する。
【解決手段】電子部品の欠陥検出装置は、エネルギーを発生させ、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品に伝達して複数の電子部品に機械共振を誘発するエネルギー源と、上記機械共振による振動を検出する機械共振検出部と、機械共振検出部から検出された上記機械共振による振動を正常品の機械共振による振動と比較して不良判定を行った後、不良品情報を抽出する後処理部と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを発生させ、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品に伝達して前記複数の電子部品に機械共振を誘発するエネルギー源と、
前記機械共振による振動を検出する機械共振検出部と、
前記機械共振検出部から検出された前記機械共振による振動を、正常品の機械共振による振動と比較して不良判定を行った後、不良品情報を抽出する後処理部と、を含む、電子部品の欠陥検出装置。
【請求項2】
前記エネルギー源は、
光熱効果による熱エネルギーを発生させる熱源であり、前記熱エネルギーを大気中で前記複数の電子部品に伝達する熱源である、請求項1に記載の電子部品の欠陥検出装置。
【請求項3】
前記エネルギー源は、
振動エネルギーを発生させる振動エネルギー源であり、前記振動エネルギーを、振動エネルギー伝達部を介して間接的に前記複数の電子部品に伝達する、請求項1に記載の電子部品の欠陥検出装置。
【請求項4】
前記機械共振検出部は、
前記複数の電子部品で誘発された機械共振の振動数(Frequency)に対する振幅(Magnitude)の変位、速度または加速度を検出する、請求項1に記載の電子部品の欠陥検出装置。
【請求項5】
前記後処理部で抽出された前記不良品情報は不良品の数量、位置及び欠陥の類型である、請求項1に記載の電子部品の欠陥検出装置。
【請求項6】
前記後処理部で判定された不良品を抽出する抽出部をさらに含む、請求項1に記載の電子部品の欠陥検出装置。
【請求項7】
前記後処理部で抽出された前記不良品情報を表す表示部をさらに含む、請求項1に記載の電子部品の欠陥検出装置。
【請求項8】
エネルギー源から発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品に伝達して前記複数の電子部品に機械共振を誘発するエネルギー伝達段階と、
前記機械共振による振動を機械共振検出部を介して検出する機械共振検出段階と、
前記機械共振検出部から検出された機械共振による振動を後処理部を介して正常品の機械共振による振動と比較して不良判定を行った後、不良品情報を抽出する不良品判定段階と、を含む、電子部品の欠陥検出方法。
【請求項9】
前記エネルギー伝達段階は、
熱源から発生した光熱効果による熱エネルギーを大気中で前記複数の電子部品に伝達して前記複数の電子部品に機械共振を誘発する段階である、請求項8に記載の電子部品の欠陥検出方法。
【請求項10】
前記エネルギー伝達段階は、
振動エネルギー源から発生した振動エネルギーを振動エネルギー伝達部を介して間接的に前記複数の電子部品に伝達して前記複数の電子部品に機械共振を誘発する段階である、請求項8に記載の電子部品の欠陥検出方法。
【請求項11】
前記機械共振検出段階は、
前記複数の電子部品で誘発された機械共振の振動数(Frequency)に対する振幅(Magnitude)の変位、速度または加速度を検出する段階である、請求項8に記載の電子部品の欠陥検出方法。
【請求項12】
前記不良品判定段階は、
不良品の数量、不良品の位置及び欠陥の類型のうち少なくともいずれか一つの不良品情報を抽出する段階である、請求項8に記載の電子部品の欠陥検出方法。
【請求項13】
前記後処理部で判定された不良品を抽出する不良品抽出段階をさらに含む、請求項8に記載の電子部品の欠陥検出方法。
【請求項14】
前記後処理部で抽出された不良品情報を表す不良品表示段階をさらに含む、請求項8に記載の電子部品の欠陥検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の欠陥検出装置及び検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
優れた電気的性能を有する積層セラミックキャパシタ(Multilayer Ceramic capacitor:MLCC)の主要材料は高い脆性を有しており、製造工程上で亀裂(crack)、剥離(delamination)などのような様々な形態の欠陥が必然的に発生する。
【0003】
このような欠陥を有するMLCCは、電気的性能が極めて低下するため不良品に分類され、このような不良品が電子機器に適用されると、製品の不安定な作動及び故障の原因となる。したがって、このような問題を解決するために、高速、高信頼性のMLCCの不良検出装置及び検出方法が必須に求められる。
【0004】
従来は、電気的性能検査の限界を克服するために、MLCC超音波検査機を導入していた。しかし、様々な類型の欠陥を検出するために高価な高周波トランスデューサを使用しなければならないため、経済性の面で不利である可能性がある。また、水中でのみ検査が可能であるため、欠陥測定環境に制限がある場合がある。さらに、特定のMLCC設計の場合、欠陥検出において低い精度を示すなどの多くの限界がある。
【0005】
また、従来は、MLCCのような電子部品の内部クラックを検出するために、電歪効果を有する材料の所定の位置に電極を配置した後、電子部品に電圧を印加して共振特性を測定する方法を使用していた。しかし、このような方法は、電歪効果が生じる材料の特定の位置にのみ電極(通電部)を配置しなければならないため、便宜性の面で不利である可能性がある。
【0006】
また、欠陥の大きさが小さい場合、電子部品の電気的性能に影響を与えないため、不良品が検出されないという問題が生じる可能性がある。さらに、このような不良品が検出されない場合、圧電効果、温度上昇、振動による外部応力などにより欠陥の大きさが大きくなり、電子部品の電気的性能を低下させるという問題が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07-174802号公報(1995.07.14.公告)
【特許文献2】特開2008-171949号公報(2008.07.24.公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明のいくつかの目的の一つは、電子部品の欠陥検出時に超音波を使用する場合、非経済的である点及び水中で使用しなければならない不便を解消することである。
【0009】
本発明のいくつかの目的の一つは、電子部品の欠陥検出時に電圧を印加する場合、電歪効果が生じる特定の位置に通電部を形成する便宜性の面での不便を解消することである。
【0010】
本発明のいくつかの目的の一つは、欠陥の大きさが小さい場合、電子部品の電気的性能に影響を与えないため、不良品が検出されないという問題を解決することである。
【0011】
本発明のいくつかの目的の一つは、電子部品の性質や欠陥の性質によって不良品が検出されない場合、圧電効果、温度上昇及び振動による外部応力等により欠陥の大きさが大きくなり、電子部品の電気的性能を低下させるという問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出装置は、エネルギーを発生させ、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品に伝達して上記複数の電子部品に機械共振を誘発するエネルギー源と、上記機械共振による振動を検出する機械共振検出部と、上記機械共振検出部から検出された上記機械共振による振動を正常品の機械共振による振動と比較して不良判定を行った後、不良品情報を抽出する後処理部と、を含む。
【0013】
本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出方法は、エネルギー源から発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品に伝達して上記複数の電子部品に機械共振を誘発するエネルギー伝達段階と、上記機械共振による振動を機械共振検出部を介して検出する機械共振検出段階と、上記機械共振検出部から検出された機械共振による振動を後処理部を介して正常品の機械共振による振動と比較して不良判定を行った後、不良品情報を抽出する不良品判定段階と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明のいくつかの効果の一つは、経済的かつ迅速であり、精度の高い電子部品の欠陥検出装置及び検出方法を提供することである。本発明のいくつかの効果の一つは、別途の通電部がなくても迅速かつ便利に電子部品の欠陥を検出可能な電子部品の欠陥検出装置及び検出方法を提供することである。本発明のいくつかの効果の一つは、電子部品の位置に関係なく様々な欠陥を検出可能な電子部品の欠陥検出装置及び検出方法を提供することである。本発明のいくつかの効果の一つは、欠陥の大きさが小さいか、形成された位置が多様な場合でも正確に不良品を検出可能な電子部品の欠陥検出装置及び検出方法を提供することである。本発明のいくつかの効果の一つは、電子部品が複数の配列を成している場合であっても、迅速、簡便、正確に不良品を検出することができる電子部品の欠陥検出装置及び検出方法を提供することである。
【0015】
ただし、本発明の目的は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電子部品に光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHが伝達される様子を図式化した模式図である。
図2図1のA領域において熱弾性効果(Thermoelastic Effect)が生じる様子を図式化した拡大図である。
図3】複数の電子部品に光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHが伝達される様子を図式化した模式図である。
図4】複数の電子部品の機械共振を測定する様子を図式化した模式図である。
図5a】正常品の機械共振による振動の形態を示すグラフである。
図5b】不良品の機械共振による振動の形態を示すグラフである。
図6】表示部の構成を示す模式図である。
図7】抽出部の構成を示す模式図である。
図8】振動エネルギーを複数の電子部品に伝達して電子部品の欠陥を検出する様子を図式化した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0018】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上任意に示しているため、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。なお、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素については、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
電子部品の機械共振欠陥検出装置
以下では、図1図8を参照して本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出装置について説明する。
【0020】
本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出装置は、エネルギーを発生させ、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品12に伝達して上記複数の電子部品12に機械共振を誘発するエネルギー源と、上記機械共振による振動を検出する機械共振検出部13と、上記機械共振検出部から検出された上記機械共振による振動を正常品の機械共振による振動と比較して不良判定を行った後、不良品情報を抽出する後処理部14と、を含む。
【0021】
複数の電子部品12は、MLCCなどのセラミックのような絶縁体及び金属のような伝導体のうち少なくともいずれか一つを含む電子部品の集合であってよい。
【0022】
図3及び図8を参照すると、エネルギー源は、光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHを発生させる熱源10に該当することができ、振動エネルギーVを発生させる振動エネルギー源18であることができるが、これに限定されるものではなく、電子部品100の少なくともいずれか一つの表面に広い振動数領域を有するエネルギーを印加することができる形態のエネルギーを放出するものであれば、エネルギー源となることができる。
【0023】
したがって、本明細書においてエネルギー源とは、熱源10及び振動エネルギー源18のうちいずれか一つを意味することができ、エネルギーとは、光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーH及び振動エネルギーVのうちいずれか一つを意味することができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
エネルギー源は、同時または間欠的に複数の電子部品にエネルギーを伝達するものであって、伝達されるエネルギーの波長は特に限定されない。このとき、エネルギー源は、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品12に伝達することができる。ここで非接触とは、エネルギー源が複数の電子部品12と直接的に接触しないことを意味することができる。例えば、エネルギー源が、複数の電子部品12と大気や真空からなる空間を間に挟んで離隔して配置されることができる。
【0025】
エネルギーが複数の電子部品12に伝達される方法は、エネルギーの種類に応じて変わり得る。例えば、光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHの場合、大気中で伝達されることができるが、これに限定されるものではない。別の例示として、振動エネルギーVの場合、別途の弾性を有する物質を含む振動エネルギー伝達部17を介して伝達されることができるが、これに限定されるものではない。
【0026】
従来は、エネルギー源が電子部品100に直接的に接触して電圧を印加し、電子部品100とエネルギー源が接触する部分にエネルギーが集中して電子部品100に損傷をもたらし、複数の電子部品12を対象として同時に欠陥を検出することが難しいという問題点があった。
【0027】
従来は、電歪効果を有する材料の所定の位置に電極を配置して電子部品の内部クラックを検出し、電歪効果を有さない部分にクラックが発生した電子部品を検出することができないという問題点が発生することがあった。
【0028】
本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出装置は、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品12に伝達して複数の電子部品12に同時に機械共振を誘発することができるエネルギー源を含む。したがって、複数の電子部品12にエネルギーを同時または順次に伝達して複数の電子部品12の内部の欠陥を同時に検出することができる。
【0029】
また、複数の電子部品12の複数の表面にエネルギーを分散して伝達することができ、電子部品100の一表面の特定部分にエネルギーが集中することを防止し、電子部品100の損傷を防止することができる。さらに、電歪効果を有さない電子部品の部分に発生したクラックまたはデラミネーションを検出することができ、クラックまたはデラミネーションが生成された位置に関係なく不良品である電子部品を検出することができる。
【0030】
一実施形態において、エネルギー源は、発生したエネルギーを複数の電子部品12の複数の表面に伝達することができる。これにより、エネルギー源から伝達されたエネルギーが、電子部品の一表面の局所的な部分に集中することを防ぎ、複数の電子部品12の複数の表面に伝達されるため、複数の電子部品12の電気的特性が劣化することを防止することができる。
【0031】
複数の電子部品12は、エネルギー源からエネルギーが伝達されて機械共振(resonance)を引き起こすことができる。機械共振は、複数の電子部品12で発生し、複数の電子部品12の外部に振動Rの形で放出されることができ、機械共振検出部13は、このような複数の電子部品12で発生した機械共振による振動Rを検出することができる。
【0032】
機械共振検出部13の種類や構成は、複数の電子部品12で発生した機械共振による振動を検出可能なものであれば特に限定されないが、欠陥検査及び判別の容易性及び迅速性の観点から複数の電子部品12と直接的に接触せずに振動Rを検出することが好ましい。このような機械共振検出部13は、高周波数または低周波数の高感度振動計であってよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
機械共振検出部13によって検出された機械共振による振動Rは、後処理部14を介してデータ化して分析することができる。後処理部14は、データベースに予め入力された正常品の機械共振による振動Rと、機械共振検出部13から検出された機械共振による振動Rとをデータ化して比較し、不良を判定することができる。
【0034】
後処理部14は、機械共振検出部13が検出した電子部品の機械共振による振動Rと、正常品または不良品の機械共振による振動Rとを比較して不良品を選別する。このとき、後処理部14は、正常品と不良品の情報を直観的に比較して迅速に不良品を選別することができる。後処理部14は、コンピュータプログラムまたはデータベースを含むことができ、正常品の機械共振情報は、データベースに予め入力されたものであってよい。
【0035】
図4及び図8を参照すると、後処理部14は、複数の電子部品12に対する欠陥の有無、欠陥の種類、欠陥のある電子部品の位置を認識して表示部15に表す役割を果たすことができる。したがって、機械共振による振動をデータの直観的な比較によって不良品及び正常品を判定することができ、多量の不良品を迅速かつ正確に検出することができる。また、不良品の数量、不良品の位置、欠陥の類型を機械共振の振動数及び振幅の直観的な比較によって検出することができ、多様な欠陥を有する不良品を迅速かつ具体的に判別することができる。
【0036】
ここで、機械共振検出部13を介して検出された機械共振による振動は、コンピュータプログラムを介してデータ化して分析することができ、不良品の機械共振による振動と、正常品の機械共振による振動とを比較して不良の種類及び多量の不良品を判別する過程は、コンピュータプログラムによって行われることができる。
【0037】
一方、本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出装置は、各構成が互いに電気回路を介して連結されて電気信号を送受信できるように一つのモジュールをなすことができる。
【0038】
一実施形態において、本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出装置の機械共振検出部13は、複数の電子部品で誘発された機械共振の振動数(Frequency)に対する振幅(Magnitude)の変位、速度または加速度を検出する役割を果たすことができる。したがって、様々な機械共振の振動数及び振幅の形態を検出することができ、複数の電子部品12の内部の欠陥に対するより多くの情報を得ることができるため、後処理部14に不良品を迅速かつ正確に検出させることができる。
【0039】
機械共振による振動Rは、振動数に対する振幅の変位、速度または加速度で示す場合、欠陥のある不良品と正常品との間に特定の振動数における振幅の大きさなど、波形の差が生じる可能性がある。正常品と不良品の機械共振による振動Rの形態はピーク(peak)が現れる振動数に差があり、最大ピーク(peak)の形成振動数及び最大ピーク(peak)の振幅(Magnitude)においても差がある。このような差は、欠陥の種類、生成位置、個数などにより発生し、欠陥の種類、欠陥の生成位置、欠陥の個数に応じた固有の振動の形態が予めデータベースに保存されることができる。
【0040】
図5aは正常品の機械共振による振動Rの形態であり、図5bは不良品の機械共振による振動Rの形態である。欠陥の種類、欠陥の位置、欠陥の数に応じて機械共振検出部13が検出した機械共振による振動Rの形態は固有の形態を有することができ、直観的に認識可能な程度に大きな差が生じる可能性がある。
【0041】
例えば、正常品の機械共振による振動Rの形態である図5aでは、最大振幅が形成される振動数が約1.9MHzであるのに対し、不良品の機械共振による振動Rの形態である図5bでは、最大振幅が形成される振動数が約0.8MHzであることが分かる。また、最大振幅の大きさにおいても直観的に認識されるほど大きな差がある可能性がある。
【0042】
図6を参照すると、表示部15には複数の電子部品12が表され、そのうち視覚的に不良品の位置を確認可能な不良品表示部15a、欠陥の種類を表示可能な欠陥表示部15b、正常品及び不良品の個数を表示可能な正常品表示部15cからなることができる。したがって、複数の電子部品12の場合でも欠陥の種類を容易に把握することができ、迅速に正常品及び不良品の個数を把握することができる。
【0043】
一実施形態において、エネルギー源が光熱効果(Photothermal Effect)による熱源10である場合、熱エネルギーHは大気中で複数の電子部品12に伝達されることができる。光熱効果による熱エネルギーHを複数の電子部品12に伝達するために、熱源10は大気または真空の空間を間に挟んで複数の電子部品12と離隔して配置されることができる。したがって、光熱効果による熱エネルギーが大気中で電子部品に伝達されるため、電子部品の形状に影響されず、特定位置を求めるのに必要な時間を節約することができ、検査速度を向上させることができる。
【0044】
また、複数の電子部品12の配列に対して広い振動数領域を対象として同時に不良選別検査を行うことができ、多量の不良品検出に効果的であることができる。また、別途の液体または固体の媒質を介さず大気中または媒質のない状態で複数の電子部品12に光熱効果による熱エネルギーHが伝達されるため、通電部の形成や特殊な環境の造成がなくても迅速かつ正確な欠陥検出を可能にすることができる。
【0045】
このとき、熱源10から発生した光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHが電子部品100の複数の表面に伝達できるように方向を調節したり、熱弾性効果(Thermoelastic Effect)を起こして機械共振を発生させるように方向または強度を調節することができる熱エネルギー伝達部11をさらに含むことができる。ここで、熱エネルギー伝達部11も大気中で複数の電子部品12にエネルギーを伝達する役割を果たすことができる。
【0046】
図1及び図2を参照すると、エネルギー源から光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHが伝達された電子部品100は、熱弾性効果(Thermoelastic Effect)による機械共振を引き起こすことができる。光熱効果(Phototermal Effect)によるエネルギーHを電子部品100に伝達すると、電子部品100の表面で温度の上昇及び下降が発生し、この際に電子部品の内部では熱弾性効果(Thermoelastic Effect)によって粒子の膨張及び収縮Pが起こるようになる。
【0047】
このような粒子の膨張及び収縮Pは弾性波Uを発生させ、弾性波Uによって電子部品自体が振動するようになる。弾性波の加振により電子部品は機械共振を発生させ、このような機械共振による振動Rは電子部品100の全方向に放出されることができる。このような機械共振による振動Rは、熱エネルギーHが複数の電子部品12に伝達された場合にも発生することができ、複数の電子部品12をなすそれぞれの電子部品100で起こる現象は上述の通りである。
【0048】
図8の一実施形態によると、エネルギー源は振動エネルギーVを発生させる振動エネルギー源18であってよい。したがって、エネルギー源は振動子(Vibrator)またはトランスデューサ(Transducer)であってよいが、これに限定されるものではなく、振動エネルギーVを発生させるものであればよい。エネルギー源が振動エネルギーVを発生させる場合、振動エネルギーVは振動エネルギー伝達部17を介して間接的に複数の電子部品12に伝達されることができる。
【0049】
一実施形態において、電子部品の欠陥検出装置のエネルギー源は、振動エネルギーVを発生させる振動エネルギー源18であり、振動エネルギーVを振動エネルギー伝達部を介して間接的に複数の電子部品12に伝達する役割を果たすことができる。この場合、複数の電子部品12は、伝達された振動エネルギーVに反応して機械共振による振動Rを発生させることができる。
【0050】
このとき、振動エネルギー伝達部17は、複数の電子部品12をなす各電子部品100の一表面に全て接する振動伝達部材からなる振動エネルギー伝達部17であってよい。これにより、複数の振動エネルギー源18を備えなくても、複数の電子部品に同時または順次に振動エネルギーVを伝達することができる。
【0051】
振動エネルギー伝達部17は、弾性を有する物質を含んで振動エネルギーを複数の電子部品に同時または順次に伝達可能なものであれば十分である。振動エネルギーは媒質を介して伝播されるため、振動エネルギー伝達部17は、複数の電子部品12の一表面及び振動エネルギー源18と同時に接することができる。
【0052】
表示部15はディスプレイパネルを含むことができ、後処理部14から伝達された情報を視覚的または聴覚的に表す役割を果たすことができる。表示部15は、後処理部14と電気回路を介して連結することができ、後処理部15から電気信号を受けてこれを聴覚的または視覚的な信号に変換する役割を果たすことができる。
【0053】
表示部15に表される情報としては、欠陥の種類、欠陥のある電子部品の位置、欠陥の有無及び正常品の個数と不良品の個数等が挙げられ、直観的に認識できるように、各情報は互いに異なる色で表現されることができるが、これに限定されるものではなく、区別可能な程度の表示で表現されることができる。
【0054】
一実施形態において、本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出装置は、後処理部14で判定された不良品を抽出する抽出部16をさらに含むことができる。図7を参照すると、抽出部16は、正常品及び不良品が混ざっている複数の電子部品16aのうち、不良品のみからなる電子部品の配列16cを抽出して既存の配列から取り除く役割を果たすことができる。その結果、複数の電子部品は、正常品のみからなる電子部品の配列16bを有することができる。
【0055】
したがって、不良品を検査する過程で既存の電子部品の配列を維持したまま、不良品のみからなる電子部品の配列16cのみを抽出し、さらなる工程が容易になる効果を有することができる。
【0056】
電子部品の機械共振欠陥検出方法
以下では、本発明における電子部品の機械共振欠陥検出方法について詳細に説明する。本発明における電子部品の機械共振欠陥検出装置と重複する構成に対する説明は省略する。
【0057】
本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出方法は、エネルギー源から発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品に伝達して上記複数の電子部品に機械共振を誘発するエネルギー伝達段階と、上記機械共振による振動を機械共振検出部を介して非接触で検出する機械共振検出段階と、上記機械共振検出部から検出された機械共振による振動を、後処理部を介して正常品の機械共振による振動と比較して不良判定を行った後、不良品情報を抽出する不良品判定段階と、を含む。
【0058】
エネルギー伝達段階は、図3及び図8を参照すると、光熱効果(Phototermal Effect)により熱エネルギーHを発生させる熱源10で発生した熱エネルギーHを伝達する段階であってよく、振動エネルギーVを発生させる振動エネルギー源18で発生した振動エネルギーVを伝達する段階であってよいが、これに限定されるものではなく、複数の電子部品12の少なくともいずれか一つの表面に広い振動数領域を有するエネルギーを印加可能な形態のエネルギーを伝達する段階であれば十分である。
【0059】
エネルギー源は、同時または間欠的に複数の電子部品にエネルギーを伝達するものであって、伝達されるエネルギーの波長は特に限定されない。このとき、エネルギー源は、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品12に伝達することができる。
【0060】
ここで、非接触とは、エネルギー源が複数の電子部品12と直接的に接触しないことを意味することができ、このためにエネルギー源と複数の電子部品12は離隔して配置されることができる。
【0061】
エネルギーが複数の電子部品12に伝達される方法は、エネルギーの種類に応じて変わり得る。例えば、光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHの場合、大気中で伝達されることができるが、これに限定されるものではない。別の例示として、振動エネルギーVの場合、別途の弾性を有する物質を含む振動エネルギー伝達部17を介して伝達されることができるが、これに限定されるものではない。
【0062】
従来は、エネルギー源が電子部品100に直接的に接触して電圧を印加し、電子部品100とエネルギー源が接触する部分にエネルギーが集中して電子部品100に損傷をもたらし、複数の電子部品12を対象として同時に欠陥を検出することが難しいという問題点があった。従来は、電歪効果を有する材料の所定の位置に電極を配置して電子部品の内部クラックを検出し、電歪効果を有さない部分にクラックが発生した電子部品を検出することができないという問題点が発生することがあった。
【0063】
本発明の一実施形態による電子部品の欠陥検出方法は、発生したエネルギーを非接触で複数の電子部品12に伝達して複数の電子部品12に同時に機械共振を誘発するエネルギー伝達段階を含む。したがって、複数の電子部品12にエネルギーを同時または順次に伝達して複数の電子部品12の内部の欠陥を同時に検出することができる。
【0064】
また、複数の電子部品12の複数の表面にエネルギーを分散して伝達することができ、電子部品100の一表面の特定部分にエネルギーが集中することを防止し、電子部品100の損傷を防止することができる。また、電歪効果を有さない電子部品の部分に発生したクラックまたはデラミネーションを検出することができ、クラックまたはデラミネーションが生成された位置に関係なく不良品である電子部品を検出することができる。
【0065】
一実施形態において、エネルギー伝達段階は、発生したエネルギーを複数の電子部品12の複数の表面に伝達することができる段階であってよい。これにより、エネルギー源から伝達されたエネルギーが電子部品の一表面の局所的な部分に集中することを防ぎ、複数の電子部品12の複数の表面に伝達されるため、複数の電子部品12の電気的特性が劣化することを防止することができる。
【0066】
複数の電子部品12は、エネルギー源からエネルギーが伝達されて機械共振(resonance)を引き起こすことができる。機械共振は、複数の電子部品12で発生し、複数の電子部品12の外部に振動の形で放出されることができ、機械共振検出段階では、このような複数の電子部品12で発生した機械共振による振動Rを検出することができる。
【0067】
機械共振検出段階に使用される機械共振検出部13の種類や構成は、複数の電子部品12で発生した機械共振による振動を検出可能なものであれば、特に限定されないが、欠陥検査及び判別の容易性及び迅速性の観点から、非接触で機械共振による振動を検出することが好ましい。
【0068】
機械共振検出段階は、複数の電子部品で誘発された機械共振の振動数(Frequency)に対する振幅(Magnitude)の変位、速度または加速度を検出する段階であってよい。したがって、様々な機械共振の振動数及び振幅の形態を検出することができ、複数の電子部品12の内部の欠陥に対するより多くの情報を得ることができ、後処理部14に不良品を迅速かつ正確に検出させることができる。
【0069】
機械共振による振動は、振動数に対する振幅の変位、速度または加速度で示す場合、欠陥のある不良品と正常品との間に特定の振動数における振幅の大きさなど、波形の差が生じることがある。正常品と不良品の機械共振による振動の形態は、ピーク(peak)が現れる振動数に差があり、最大ピーク(peak)の形成振動数及び最大ピーク(peak)の振幅(Magnitude)においても差がある。このような差は、欠陥の種類、生成位置、個数などによって発生し、欠陥の種類、欠陥の生成位置、欠陥の個数に応じた固有の振動の形態が予めデータベースに保存されることができる。
【0070】
図5aは正常品の機械共振による振動の形態であり、図5bは不良品の機械共振による振動の形態である。欠陥の種類、欠陥の位置、欠陥の数に応じて、機械共振検出部13が検出した機械共振による振動の形態は固有の形態を有することができ、直観的に認識可能な程度に大きな差が生じる可能性がある。
【0071】
例えば、正常品の機械共振による振動の形態である図5aでは、最大振幅が形成される振動数が約1.9MHzであるのに対し、不良品の機械共振による振動の形態である図5bでは、最大振幅が形成される振動数が約0.8MHzであることが分かる。また、最大振幅の大きさにおいても直観的に認識されるほど大きな差がある可能性がある。
【0072】
不良品判定段階では、機械共振検出部13によって検出された機械共振による振動を後処理部14がデータ化して分析することができる。この段階では、データベースに予め入力された正常品の機械共振による振動Rと、機械共振検出部13から検出された機械共振による振動Rとをデータ化して比較し、不良を判定することができる。
【0073】
後処理部14は、機械共振検出部13が検出した電子部品の機械共振による振動Rと、正常品または不良品の機械共振による振動Rとを比較して不良品を選別する。このとき、後処理部14は、正常品と不良品の情報を直観的に比較して迅速に不良品を選別することができる。後処理部14は、コンピュータプログラムまたはデータベースを含むことができ、正常品の機械共振による振動情報はデータベースに予め入力されたものであってよい。
【0074】
図4及び図8を参照すると、後処理部14は、複数の電子部品12に対する欠陥の有無、欠陥の種類、欠陥のある電子部品の位置を認識して表示部15に表す役割を果たすことができる。したがって、機械共振による振動Rをデータの直観的な比較によって不良品及び正常品を判定することができ、多量の不良品を迅速かつ正確に検出することができる。
【0075】
また、不良品の数量、不良品の位置、欠陥の類型を機械共振による振動Rの形態の直観的な比較によって検出することができ、多様な欠陥を有する不良品を迅速かつ具体的に判定することができる。ここで、機械共振検出部13を介して検出された機械共振による振動Rは、コンピュータプログラムを介してデータ化して分析することができ、不良品の機械共振による振動と正常品の機械共振による振動とを比較して不良の種類及び多量の不良品を判別する過程は、コンピュータプログラムによって行われることができる。
【0076】
一実施形態において、エネルギー伝達段階は、熱源から発生した光熱効果による熱エネルギーを大気中で複数の電子部品に伝達して複数の電子部品に機械共振を誘発する段階であってよい。ここで、光熱効果による熱エネルギーを伝達する方法は、固体や液体の媒質を介さず大気または真空中で光熱効果による熱エネルギーを伝達する方法であってよい。したがって、エネルギーが電子部品に非接触方式で直接伝達されるため電子部品の形状に影響されず、特定位置を求めるのに必要な時間を節約することができるため、検査速度を向上させることができる。
【0077】
また、複数の電子部品12の配列に対して広い振動数領域を対象として同時に不良選別検査を行うことができ、多量の不良品検出に効果的であることができる。さらに、別途の液体または固体の媒質を介さず大気中または媒質のない状態で複数の電子部品12に熱エネルギーHが伝達されるため、通電部の形成や特殊な環境の造成がなくても迅速かつ正確な欠陥検出を可能にすることができる。
【0078】
このとき、熱源10から発生した光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHが電子部品100の複数の表面に伝達できるように方向を調節したり、熱弾性効果(Thermoelastic Effect)を起こして機械共振を発生させるように方向または強度を調節することができる熱エネルギー伝達部11をさらに含むことができる。
【0079】
図1及び図2を参照すると、エネルギー源から光熱効果(Phototermal Effect)による熱エネルギーHが伝達された電子部品100は、熱弾性効果(Thermoelastic Effect)による機械共振を引き起こすことができる。
【0080】
光熱効果(Phototermal Effect)によるエネルギーHを電子部品100に伝達すると、電子部品100の表面で温度の上昇及び下降が発生し、この際に電子部品の内部では熱弾性効果(Thermoelastic Effect)によって粒子の膨張及び収縮Pが起こるようになる。
【0081】
このような粒子の膨張及び収縮Pは弾性波Uを発生させ、弾性波Uによって電子部品自体が振動するようになる。電子部品の固有振動数と弾性波の振動数とが一致する場合、電子部品は機械共振を発生させ、このような機械共振による振動Rは電子部品100の全方向に放出されることができる。
【0082】
このような機械共振による振動は、熱エネルギーHが複数の電子部品12に伝達された場合にも発生することができ、複数の電子部品12をなすそれぞれの電子部品100で起こる現象は上述の通りである。
【0083】
一実施形態において、エネルギー伝達段階は、振動エネルギー源から発生した振動エネルギーを、振動エネルギー伝達部18を介して間接的に複数の電子部品に伝達して複数の電子部品に機械共振を誘発する段階であってよい。エネルギー源が振動エネルギーVを発生させる場合、振動エネルギーVは振動エネルギー伝達部18を介して間接的に複数の電子部品12に伝達されることができる。
【0084】
この場合、複数の電子部品12は、伝達された振動エネルギーVと反応して機械共振による振動Rを発生させることができる。このとき、エネルギー伝達段階は、複数の電子部品12をなすそれぞれの電子部品100の一表面に全て接する振動伝達部材からなる振動エネルギー伝達部17を介して振動エネルギーを伝達する段階であってよい。これにより、複数の振動エネルギー源18を備えなくても、複数の電子部品に同時または順次に振動エネルギーVを伝達することができる。
【0085】
振動エネルギー伝達部17は、弾性を有する物質を含んで振動エネルギーを複数の電子部品に同時または順次に伝達できるものであれば十分である。振動エネルギーは媒質を介して伝播されるため、振動エネルギー伝達部17は、複数の電子部品12の一表面及び振動エネルギー源18と同時に接することができる。
【0086】
一実施形態において、不良品判定段階は、不良品の数量、不良品の位置、及び欠陥の類型のうち少なくともいずれか一つの不良品情報を抽出する段階であってよい。したがって、複数の電子部品12の配列において不良品に対する具体的な情報を迅速に把握させることにより、不良品の流出を予め防止することができる。このように判定された不良品に対する情報は、表示部15を介して視覚的または聴覚的に表されるか、又は抽出部に伝達されて判定された不良品を抽出する段階に用いられることができる。
【0087】
一実施形態において、不良品判定段階の後、後処理部で判定された不良品を抽出する不良品抽出段階をさらに含むことができる。図7を参照すると、抽出部16は、正常品及び不良品が混ざっている複数の電子部品16aのうち、不良品のみからなる電子部品の配列16cを抽出して既存の配列から取り除く役割を果たすことができる。その結果、複数の電子部品は、正常品のみからなる電子部品の配列16bを有することができる。
【0088】
したがって、不良品を検査する過程で既存の電子部品の配列を維持したまま、不良品のみからなる電子部品の配列16cのみを抽出し、さらなる工程が容易になる効果を有することができる。
【0089】
一実施形態において、不良品判定段階の後、後処理部で判定された不良品情報を表す不良品表示段階をさらに含むことができる。表示部15はディスプレイパネルを含むことができ、後処理部14から伝達された情報を視覚的または聴覚的に表す役割を果たすことができる。
【0090】
表示部15は、後処理部14と電気回路を介して連結することができ、後処理部15から電気信号を受けてこれを聴覚的または視覚的な信号に変換する役割を果たすことができる。表示部15に表される情報としては、欠陥の種類、欠陥のある電子部品の位置、欠陥の有無及び正常品の個数と不良品の個数等が挙げられ、直観的に認識できるように各情報は互いに異なる色で表現されることができるが、これに限定されるものではなく、区別可能な程度の表示で表現されることができる。
【0091】
図6を参照すると、表示部15には複数の電子部品12が表され、そのうち、視覚的に不良品の位置を確認可能な不良品表示部15a、欠陥の種類を表示可能な欠陥表示部15b、正常品及び不良品の個数を表示可能な正常品表示部15cからなることができる。したがって、複数の電子部品12の場合でも欠陥の種類を容易に把握することができ、迅速に正常品及び不良品の個数を把握することができる。
【0092】
以上のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当該技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するとする言える。
【符号の説明】
【0093】
100:電子部品
10:熱源
11:熱エネルギー伝達部
12:複数の電子部品
13:機械共振検出部
14:後処理部
15:表示部
15a:不良品表示部
15b:欠陥表示部
15c:正常品表示部
16:抽出部
16a:正常品及び不良品が混ざっている複数の電子部品
16b:正常品のみからなる電子部品の配列
16c:不良品のみからなる電子部品の配列
17:振動エネルギー伝達部
18:振動エネルギー源
H:光熱効果による熱エネルギー
V:振動エネルギー
U:熱弾性効果による電子部品内部の弾性波
R:機械共振による振動
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8