IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロッキード マーティン コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特開-航空機用構造的バッテリ 図1
  • 特開-航空機用構造的バッテリ 図2
  • 特開-航空機用構造的バッテリ 図3
  • 特開-航空機用構造的バッテリ 図4
  • 特開-航空機用構造的バッテリ 図5A
  • 特開-航空機用構造的バッテリ 図5B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029291
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】航空機用構造的バッテリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/08 20060101AFI20230224BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20230224BHJP
   H01M 12/06 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
H01M12/08 K
B64D27/24
H01M12/06 F
H01M12/06 D
H01M12/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129962
(22)【出願日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】17/405,234
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504019881
【氏名又は名称】ロッキード マーティン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6801 Rockledge Drive, Bethesda, MD 20817, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール エラー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー エイ ブリューワー
【テーマコード(参考)】
5H032
【Fターム(参考)】
5H032AA01
5H032AS01
5H032AS02
5H032AS11
5H032AS12
5H032CC01
5H032CC06
5H032CC11
5H032CC17
5H032CC22
5H032EE08
(57)【要約】
【課題】輸送手段に電気量を供給するためのバッテリの提供
【解決手段】1つの実施形態では、システム及び方法は、輸送手段に電気量を供給するためにバッテリを使用することを含む。バッテリは、1又は2以上の空気口を含むハウジングの第1の半部分と、ハウジングの第1の半部分の中に少なくとも部分的に配置された負極とを備える。バッテリは、1又は2以上の空気口を含むハウジングの第2の半部分をさらに備え、負極は、ハウジングの第1の半部分からハウジングの第2の半部分に延びる。バッテリは、ハウジングの第2の半部分の中に配置された一対の正極をさらに備え、一対の正極は、ハウジングの第2の半部分からハウジングの第1の半部分に延び、負極は、一対の正極の間に配置され、負極と一対の正極のそれぞれとの隙間が存在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部分と、底部分と、を備えるバッテリであって、
前記上部分は、
表面カバーと、
前記表面カバーに結合され、1又は2以上の空気口を含む、ハウジングの第1の半部分と、
少なくとも部分的に前記ハウジングの前記第1の半部分の中に配置された負極と、
を備え、
前記底部分は、
1又は2以上の空気口を含む、前記ハウジングの第2の半部分であって、前記負極が、前記ハウジングの前記第1の半部分から前記ハウジングの前記第2の半部分に延びる、前記第2の半部分と、
前記ハウジングの前記第2の半部分の中に少なくとも部分的に配置される一対の正極であって、前記一対の正極は、前記ハウジングの前記第2の半部分から前記ハウジングの前記第1の半部分に延びる、一対の正極と、
を備え、
前記上部分は、前記底部分に隣接しかつ前記底部分の上に配置され、
前記ハウジングの前記第1の半部分は、前記ハウジングの前記第2の半部分に隣接しかつ前記ハウジングの前記第2の半部分の上に配置され、
前記ハウジングの前記第1の半部分及び前記ハウジングの前記第2の半部分は、構造荷重を支持するように構成され、
前記負極は、前記一対の正極の間に配置され、
前記負極と前記一対の正極の各々の1つとの間に隙間が存在する、
バッテリ。
【請求項2】
前記負極の両側に配置されたシールをさらに備え、前記シールの各々は、前記負極を前記一対の正極のうちの1つに対してシールするように機能する、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項3】
イオン交換膜セパレータをさらに備え、前記イオン交換膜セパレータは、前記一対の正極のそれぞれの内側に配置され、前記一対の正極のそれぞれを電解質の飽和から保護するように機能する、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項4】
前記ハウジングの前記第2の半部分の内部で前記負極の真下に配置されたドレンパンをさらに備える、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記ドレンパンに接続され、前記ドレンパンの底面の周りに配置されたドレンポートをさらに備える、請求項4に記載のバッテリ。
【請求項6】
前記バッテリの前記上部分の上に配置された導線をさらに備え、前記導線は、前記ハウジングの前記第1の半部分に結合されている、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項7】
前記ハウジングの前記第1の半部分に結合され、前記負極と前記一対の正極のそれぞれとの間の隙間に電解質の流れを導くように機能する流体口をさらに備える、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項8】
前記負極は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含み、前記負極は、前記負極の腐食によって電気量を発生する間に構造荷重を支持するように構成されている、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項9】
前記負極は、マグネシウム又はマグネシウム合金を含み、前記負極は、前記負極の腐食によって電気量を発生する間に構造荷重を支持するように構成されている、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項10】
前記一対の正極は、多孔質ニッケルフォーム、ニッケルメッシュ、カーボンフォーム、カーボンメッシュ、グラファイトフォーム、グラファイトメッシュ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項11】
前記一対の正極は、グラフェン、二酸化マンガン(MnO2)、炭素担持白金(PtC)、マンガン酸銀ナノプレート、及びそれらの任意の組み合わせで被覆されている、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項12】
前記負極と前記一対の正極のそれぞれとの間の隙間の中に配置された電解質をさらに備え、前記電解質は、ゲル又は固体である、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項13】
電気量を供給するためのシステムであって、
1又は2以上のバッテリを備え、
前記1又は2以上のバッテリの各々は、上部分と、前記上部分に結合された底部分と、を備え、
前記上部分は、
表面カバーと、
前記表面カバーに結合され、1又は2以上の空気口を含む、ハウジングの第1の半部分と、
少なくとも部分的に前記ハウジングの前記第1の半部分の中に配置された負極と、
を備え、
前記底部分は、
1又は2以上の空気口を含む、前記ハウジングの第2の半部分であって、前記負極が、前記ハウジングの前記第1の半部分から前記ハウジングの前記第2の半部分に延びる、前記第2の半部分と、
前記ハウジングの前記第2の半部分の中に少なくとも部分的に配置される一対の正極であって、前記一対の正極は、前記ハウジングの前記第2の半部分から前記ハウジングの前記第1の半部分に延びる、一対の正極と、
を備える、
システム。
【請求項14】
本体と、
前記本体に結合された第1の翼と、
前記本体に結合され、前記第1の翼の反対側に配置された第2の翼と、
を備える航空機をさらに備え、
前記1又は2以上のバッテリの第1のグループは、前記本体に配置され、前記1又は2以上のバッテリの第2のグループは、前記第1の翼及び前記第2の翼に配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
リザーバ及びポンプをさらに備え、前記リザーバ及び前記ポンプの両方は、前記本体内に配置され、前記1又は2以上のバッテリの各々に流体的に接続され、前記ポンプは、前記リザーバから前記1又は2以上のバッテリの各々に電解液の流れを送るように動作可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記負極は、アルミニウム又はアルミニウム合金を含み、前記負極は、前記負極の腐食によって電気量を発生する間に前記航空機の構造荷重を支持するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記負極は、マグネシウム又はマグネシウム合金を含み、前記負極は、前記負極の腐食によって電気量を発生する間に前記航空機の構造荷重を支持するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記一対の正極は、多孔質ニッケルフォーム、ニッケルメッシュ、カーボンフォーム、カーボンメッシュ、グラファイトフォーム、グラファイトメッシュ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記一対の正極は、グラフェン、二酸化マンガン(MnO2)、炭素担持白金(PtC)、マンガン酸銀ナノプレート、又はそれらの任意の組み合わせで被覆されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記1又は2以上のバッテリの各々は、
イオン交換膜セパレータと、
前記負極の両側に配置されたシールと、
をさらに備え、
前記イオン交換膜セパレータは、前記一対の正極のそれぞれの内側に配置され、前記一対の正極のそれぞれ電解質の飽和から保護するように機能し、
前記シールの各々は、前記負極を前記イオン交換膜セパレータに対してシールするように機能する、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、バッテリに関し、より具体的には、航空機用構造的バッテリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機の動力源として内燃機関が使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バッテリは、航空機の動力源として使用される場合、より低い初期コスト、より少ないメンテナンス、及びより小さいシステム質量を提示することができる。しかしながら、電動航空機には、限定された積載量、短い航続距離、及び短い航続時間などの制約がある。加えて、航空機のモータに電力を供給するために多数のバッテリが使用される場合、大きな質量が追加される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、バッテリは、上部分と、底部分と、を備えるバッテリであって、上部分は、表面カバーと、表面カバーに結合され、1又は2以上の空気口を含む、ハウジングの第1の半部分と、少なくとも部分的にハウジングの第1の半部分の中に配置された負極と、を備え、底部分は、1又は2以上の空気口を含む、ハウジングの第2の半部分であって、負極が、ハウジングの第1の半部分からハウジングの第2の半部分に延びる、第2の半部分と、ハウジングの第2の半部分の中に少なくとも部分的に配置される一対の正極であって、一対の正極は、ハウジングの第2の半部分からハウジングの第1の半部分に延びる、一対の正極と、を備え、上部分は、底部分に隣接しかつ底部分の上に配置され、ハウジングの第1の半部分は、ハウジングの第2の半部分に隣接しかつハウジングの第2の半部分の上に配置され、ハウジングの第1の半部分及びハウジングの第2の半部分は、構造荷重を支持するように構成され、負極は、一対の正極の間に配置され、負極と一対の正極の各々の1つとの間に隙間が存在する。
【0005】
本開示の理解を助けるために、添付図面と併せて以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】特定の実施形態による例示的な輸送手段を示す図である。
図2】特定の実施形態によるバッテリの例示的な上部分を示す図である。
図3】特定の実施形態によるバッテリの例示的な底部分を示す図である。
図4】特定の実施形態による例示的なバッテリを示す図である。
図5A】特定の実施形態による例示的なバッテリを示す図である。
図5B】特定の実施形態による例示的なバッテリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示のより良い理解を助けるために、以下の特定の実施形態の例が提示される。以下の例は、本開示の範囲を限定又は定義するように解釈すべきではない。本開示の実施形態及びその利点は、図1から5Bを参照することによって最もよく理解され、ここでは同様の参照番号は、同様の及び対応する要素を示すために使用される。本明細書には、航空機に電力を供給しかつ構造的に支持するために1又は2以上のバッテリを利用する様々なシステム及び方法が記載される。
【0008】
図1は、例示的な輸送手段100を示す。輸送手段100は、航空機などの、輸送のための任意の適切なベッセル(vessel)とすることができる。輸送手段100は、本体102(例えば、胴体)、第1の翼104、及び第2の翼106を含むことができる。図示のように、第1の翼104及び第2の翼106の両方は、本体102に結合することができ、第1の翼104は、第2の翼106の反対側に位置することができる。輸送手段100は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。実施形態では、本体102は円筒形とすることができ、第1の翼104及び第2の翼106は概して矩形とすることができる。図示のように、輸送手段100は、1又は2以上のバッテリ110の第1のグループ108と、1又は2以上のバッテリ110の第2のグループ112とを備えることができる。
【0009】
1又は2以上のバッテリ110は、輸送手段100を動作させるための電力を供給すると共に輸送手段100の構造的支持を可能にするように機能することができる。1又は2以上のバッテリ110の第1のグループ108は、本体102に沿って配置することができ、1又は2以上のバッテリ110の第2のグループ112は、第1の翼104及び第2の翼106に沿って配置することができる。1又は2以上のバッテリ110は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。図1を参照すると、第1のグループ108の1又は2以上のバッテリ110の形状は、第2のグループ112の1又は2以上のバッテリ110の形状と異なる場合がある。例えば、第1のグループ108の1又は2以上のバッテリ110は、本体102の断面に合わせて略円形とすることができる。さらに、第2のグループ112の1又は2以上のバッテリ110は、第1の翼104及び第2の翼106の断面に適合するように略矩形とすることができる。1又は2以上のバッテリ110の各々は、上部分114及び底部分116を備えることができ、底部分116は、本体102、第1の翼104、又は第2の翼106のいずれかに配置され、上部分114を受け入れるように機能することができる。動作時、上部分114は、別の上部分114と交換可能とすることができる。実施形態では、1又は2以上のバッテリ110は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な材料を含むことができる。
【0010】
図示のように、輸送手段100は、リザーバ118及びポンプ120をさらに備えることができる。リザーバ118及びポンプ120は、本体102内など、輸送手段100内の任意の適切な位置の周りに配置することができる。リザーバ118は、1又は2以上のバッテリ110によって使用される電解質などの所定量の物質を収容するように機能することができる。限定されるものではないが、電解質は、ゲル、固体、液体、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。電解質がゲル又は固体である実施形態では、液体電解質を循環させる必要はないであろう。ポンプ120は、リザーバ118及び1又は2以上のバッテリ110に接続することができ、1又は2以上のバッテリ110への及び/又はそこからの電解質の流れを導くように機能することができる。
【0011】
輸送手段100の例は、本明細書に記載される方法及びシステムの例示的な用途として本開示を通じて使用されることになるが、本開示では、1又は2以上のバッテリ110を組み込むことができる任意の適切な装置又は構造も企図されている。例えば、輸送手段100は、航空機、陸上輸送手段、船舶、列車、ホバークラフト、及びヘリコプターを含む、任意のタイプの輸送手段とすることができる。
【0012】
図2は、第1のグループ108(図1参照)の1又は2以上のバッテリ110(図1参照)の1つの例示的な上部分114の断面図を示す。実施形態では、上部分114は、ハウジング200の第1の半部分、表面カバー202、及び負極(アノード)204を備えることができる。ハウジング200の第1の半部分は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。図示のように、ハウジング200の第1の半部分は、第1のグループ108に関して半円形とすることができる。実施形態では、ハウジング200の第1の半部分は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な材料を含むことができる。限定されるものではないが、ハウジング200の第1の半部分は、負極204から電気的に絶縁され、負極204に加えて輸送手段100(図1参照)の構造荷重を支持するように構成された炭素繊維複合材料を含むことができる。ハウジング200の第1の半部分は、ハウジング200の第1の半部分上の任意の適切な位置の周りに配置された1又は2以上の空気口206を備えることができる。1又は2以上の空気口206は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。図示のように、1又は2以上の空気口206は、ハウジング200の第1の半部分上に平行な垂直線として配置することができる。1又は2以上の空気口206は、ハウジング200の第1の半部分に沿って、ランダムに、均一に、又はパターンで配置することができる。本明細書に開示されるように、1又は2以上の空気口206は、任意の適切な形状を有する開放開口とすることができる。1又は2以上の空気口206は、空気の流れがハウジング200の第1の半部分を通過することができるように機能することができる。
【0013】
ハウジング200の第1の半部分は、1又は2以上の空気口206の上に配置された導線208をさらに備えることができる。他の実施形態では、導線208は、ハウジング200の第1の半部分上の異なる位置に配置することができる。限定されるものではないが、導線208は、1又は2以上のバッテリ110のうちの1つを外部構成要素に(例えば、別のバッテリ110に)電気的に接続することができる任意の適切なケーブル、配線、及びその接続部、及びその組み合わせとすることができる。
【0014】
図示のように、表面カバー202は、ハウジング200の第1の半部分の上及び/又は周りに配置することができる。表面カバー202は、ハウジング200の第1の半部分の外周の周りに配置することができ、ハウジング200の第1の半部分の外周から垂直方向に延びることができる。表面カバー202は、バッテリ110の上部分114を輸送手段100(例えば、本体102、第1の翼104、又は第2の翼106に)に結合するように機能することができる。表面カバー202は、上部分114を輸送手段100に固定する際に利用することができる複数の穴210を備えることができる。上部分114を輸送手段100に結合するために、複数の穴210を貫通する任意の適切な締結具を使用することができる。
【0015】
負極204は、ハウジング200の第1の半部分に結合することができ、ハウジング200の第1の半部分の中に少なくとも部分的に配置することができる。負極204は、ハウジング200の第1の半部分からさらに延びることができる。負極204は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。図示のように、負極204は、円形とすることができる。第2のグループ112(図1参照)に関する実施形態では、負極204は矩形とすることができる。実施形態において、負極204は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な材料を含むことができる。限定されるものではないが、負極204は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、炭素繊維複合材料、及びそれらの任意の組み合わせを含むことができる。負極204は、負極204の腐食による電気量の発生の間に輸送手段100の構造荷重を支持するように構成することができる。図示のように、負極204とハウジング200の第1の半部分の各側面との間に隙間212を設けることができる。隙間212は、一対の正極(カソード)(例えば、図3の一対の正極302)を受け入れることができ、上部分114が底部分116に結合されると(図1参照)バッテリ110に導入されている適切な電解質を閉じ込めることができる。シール214は、負極204のそれぞれの側面に配置され、上部分114を底部分116に結合した状態で負極204のそれぞれの側面を一対の正極のうちの一方に対してシールするように機能する。ハウジング200の第1の半部分は、ハウジング200の第1の半部分に結合され、負極204と一対の正極のそれぞれの1つとの間の隙間212に電解質の流れを案内するように機能する流体口216をさらに備えることができる。実施形態では、流体口216は、負極204の上方のハウジング200の第1の半部分の中に配置することができる。流体口216は、ポンプ120(図1参照)に流体的に接続することができ、ポンプ120は、電解質の流れをリザーバ118(図1参照)から流体口216を通して1又は2以上のバッテリ110のうちの1つの上部分114に送ることができる。
【0016】
図3は、第1のグループ108(図1参照)の1又は2以上のバッテリ110(図1参照)の1つの例示的な底部分116の断面図を示す。実施形態では、底部分116は、ハウジング200の第2の半部分、フランジ付きカバー300、一対の正極302、イオン交換膜セパレータ304、及びドレンパン306を備えることができる。実施形態では、ハウジング200の第2の半部分は、ハウジング200の第1の半部分と類似することができる。ハウジング200の第2の半部分は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。図示のように、ハウジング200の第2の半部分は、第1のグループ108に関して半円形とすることができる。実施形態では、ハウジング200の第2の半部分は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な材料を含むことができる。ハウジング200の第2の半部分は、ハウジング200の第2の半部分上の任意の適切な位置の周りに配置された1又は2以上の空気口206を備えることができる。図示のように、ハウジング200の第2の半部分の1又は2以上の空気口206は、ハウジング200の第1の半部分上の構成を鏡映するように配置することができる。1又は2以上の空気口206は、空気の流れがハウジング200の第2の半部分を通過することができるように機能することができる。
【0017】
図示のように、フランジ付きカバー300は、ハウジング200の第2の半部分の上及び/又はその周りに配置することができる。フランジ付きカバー300は、ハウジング200の第2の半部分の外周の周りに配置することができる。フランジ付きカバー300の一部は、ハウジング200の第2の半部分の外周から垂直方向に延びることができる。フランジ付きカバー300は、バッテリ110の底部分116を輸送手段100の本体102に結合するよう機能することができる(図1参照)。表面カバー202(図2参照)と同様に、フランジ付きカバー300は、底部分116を輸送手段100に固定する際に利用することができる複数の穴210を備えることができる。底部分116を輸送手段100に結合するために複数の穴210を貫通する任意の適切な締結具を使用することができる。実施形態では、表面カバー202は、フランジ付きカバー300の周りに配置することができ、表面カバー202の複数の穴210は、フランジ付きカバー300の複数の穴210と整列することができる。
【0018】
一対の正極302は、ハウジング200の第2の半部分に結合することができ、ハウジング200の第2の半部分の中に少なくとも部分的に配置することができる。一対の正極302は、ハウジング200の第2の半部分からさらに延びることができる。一対の正極302は、任意の適切なサイズ、高さ、形状、及びそれらの任意の組み合わせとすることができる。図示のように、一対の正極302は、円形とすることができる。第2のグループ112(図1参照)に関する実施形態では、一対の正極302は、矩形とすることができる。実施形態では、一対の正極302は、限定されるものではないが、金属、非金属、ポリマー、セラミック、複合材料、及びそれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な材料を含むことができる。限定されるものではないが、一対の正極302は、多孔質ニッケルフォーム、ニッケルメッシュ、カーボンフォーム、カーボンメッシュ、グラファイトフォーム、グラファイトメッシュ、及びそれらの任意の組み合わせを含むことができる。1又は2以上の実施形態では、一対の正極302のいずれにも被覆を施こすことができる。限定されるものではないが、一対の正極302は、グラフェン、二酸化マンガン(MnO2)、炭素担持白金(PtC)、マンガン酸銀ナノプレート(silver manganate nanoplate)、及びこれらの任意の組み合わせで被覆することができる。図示のように、イオン交換膜セパレータ304は、一対の正極302の内側のそれぞれに配置することができる。イオン交換膜セパレータ304は、一対の正極302のそれぞれと同じ大きさ、高さ、形状、又は寸法を有することができる。例えば、イオン交換膜セパレータ304は、概して円形状とすることができる。イオン交換膜セパレータ304は、各正極302を電解液の飽和から保護するように構成することができる。
【0019】
ハウジング200の第2の半部分は、ハウジング200の第2の半部分の底部分に配置され、電解質、デブリ、及びそれらの組み合わせを収集するように機能するドレンパン306をさらに備えることができる。実施形態では、ドレンポート308は、ドレンパン306に接続され、ドレンパン306の底面の周りに配置することができる。ドレンポート308は、ポンプ120(図1参照)に流体的に接続することができ、電解質、デブリ、及びそれらの組み合わせの流れをバッテリ110から外に及びポンプ120に送るように機能することができる。
【0020】
図4は、第1のグループ108の1又は2以上のバッテリ110の一例の断面図である(図1参照)。図示のように、表面カバー202は、輸送手段100の本体102(図1参照)と整列しかつ同一平面上に配置することができる。フランジ付きカバー300は、本体102の内面に対して配置することができる。表面カバー202及びフランジ付きカバー300の両方は、それぞれの複数の穴210を整列させるように構成することができる。実施形態では、締結具は、複数の穴210を貫通してバッテリ110のうちの1つを輸送手段100に取り付けて固定するために使用することができる。図示のように、ハウジング200の第1の半部分は、ハウジング200の第2の半部分に対して配置され、当接することができる。ハウジング200の第1の半部分及び第2の半部分は、負極204及び一対の正極302の形状及び/又は寸法と同様の円形形状を集合的に形成することができる。負極204は、一対の正極302の間に位置することができる。イオン交換膜セパレータ304は一対の正極302の内側のそれぞれに配置されているので、負極204は、各々イオン交換膜セパレータ304に対してシールことができる。実施形態では、電解質は、バッテリ110に導入することができ、負極204とイオン交換膜セパレータ304との間に閉じ込めることができる。
【0021】
図5A及び5Bは、第2のグループ112の1又は2以上のバッテリ110の一例の断面図である(図1参照)。1又は2以上のバッテリ110のうちの1つは、ハウジング200、表面カバー202、負極204、1又は2以上の空気口206、隙間212(図5Bに示す)、シール214、フランジ付きカバー300、一対の正極302、及びイオン交換膜セパレータ304を備えることができる。実施形態では、ハウジング200、表面カバー202、1又は2以上の空気口206、隙間212、シール214、フランジ付きカバー300、一対の正極302、及びイオン交換膜セパレータ304の各々は、第1のグループ108(図1参照)の1又は2以上のバッテリ110と同様に機能すること及び配置することができる。これらの実施形態では、第2のグループ112の1又は2以上のバッテリ110の1つの概略的な形状は、円形ではなく矩形とすることができる。図示のように、1又は2以上のバッテリ110のうちの1つは、第1の翼104又は第2の翼106に結合することができる。動作時、電解質は、負極204とイオン交換膜セパレータ304との間の隙間212の中で1又は2以上のバッテリ110の1つに導入することができる。空気は、1又は2以上の空気口206を通して導入することができる、空気からの酸素は、輸送手段100(図1参照)によって利用される電気量又は電力を発生させるための電解質、負極204、及び一対の正極302の化学反応に使用することができる。化学反応の結果として、負極204は腐食することになる。1又は2以上の実施形態では、本体102(図1参照)、第1の翼104、又は第2の翼106の構造荷重は、負極204及び一対の正極302によって支持することができる。負極204が動作中に腐食すると、負極204の厚さが減少する可能性がある。厚さの減少にもかかわらず、負極204の慣性モーメントの変化は無視できるので、負極204は構造的な補強を提供し続けることができる。限定されるものではないが、負極204の厚さは、腐食時に最大で約90%減少する場合がある。オペレータは、厚さが予め定められた量だけ減少した場合に、負極204を別の負極204と交換することができ、バッテリ110は、輸送手段100のための電力を発生し続けることができる。使用済みの負極204は、外部位置から(上部、底部、又は側部から)輸送手段100から取り外して新しい負極204と交換することができる。
【0022】
本開示は、本明細書に開示された様々な実施形態及び実施例にそれぞれ関連して説明された様々な技術的利点のような、多数の利点を提供することができる。他の技術的利点は、添付の図面、明細書、及び特許請求の範囲から当業者には容易に明らかであろう。さらに、本開示では特定の利点が列挙されているが、様々な実施形態は、列挙された利点の全て、一部を含む場合、又は全く含まない場合もある。
【0023】
本明細書では、「又は」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、包括的であって限定的ではない。従って、本明細書では、「A又はB」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、「A、B、又は両方」を意味する。さらに、「及び」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、「共同的」と「個別的」の両方である。従って、本明細書では、「A及びB」は、明示的に別段の指示がない限り又は関連上その他を意味しない限り、「共同的又は個別的にAとB」を意味する。
【0024】
本発明の開示の範囲は、当業者が理解することができる本明細書に説明し又は図示した例示的な実施形態に対する全ての変更、置換、変形、代替、及び修正を包含する。本発明の開示の範囲は、本明細書で説明又は図示の例示的な実施形態に限定されない。さらに、本発明の開示は、本明細書でそれぞれの実施形態を特定の構成要素、要素、機能、作動、又は段階を含むものとして説明して図示したが、これらの実施形態は、いずれも本明細書の任意的な場所で説明又は図示した構成要素、要素、機能、作動、又は段階のいずれかに関して当業者が理解することになるいずれの組合せ又は並べ替えも含むことができる。さらに、特許請求の範囲において、装置又はシステム又は装置又はシステムの構成要素が特定の機能を実行するようになっている、配置される、機能を含む、構成される、有効にされる、作動可能であるか又は作動するという言及は、その装置、システム、構成要素がそのようになっている、配置される、機能を含む、構成される、有効にされる、作動可能であるか又は作動する限り、その装置、システム、構成要素、又はその特定の機能が起動している、オンになっている、又はアンロックされているか否かに関わらずその装置、システム、構成要素を包含する。加えて、本開示は、特定の利点を提供する特定の実施形態を記載又は図示するが、特定の実施形態は、これらの利点の何れも提供しない場合があり、一部又は全部を提供する場合がある。
【符号の説明】
【0025】
100 輸送手段
102 本体
104 第1の翼
106 第2の翼
108 バッテリの第1のグループ
110 バッテリ
112 バッテリの第2のグループ
114 上部分
116 底部分
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B