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特開2023-29302カテーテルのマイクロルーメンを検査するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029302
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】カテーテルのマイクロルーメンを検査するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/70 20160101AFI20230224BHJP
【FI】
A61B90/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022130501
(22)【出願日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/406,141
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522329489
【氏名又は名称】スタリルメッド・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ヒル
(57)【要約】
【課題】ルーメン検査装置を提供すること。
【解決手段】ルーメン検査装置は、細長い部材と、細長い部材の遠位端にあるシール部材と、を含む。細長い部材は、医療器具のルーメンに挿入される。ルーメン検査装置は、ルーメンに沿って並進される。シール部材は、ルーメン検査装置が医療器具のルーメンに沿って並進されるときに、ルーメンの側壁に対して弾性的に当接する。圧力源が作動されて、シール部材に隣接するルーメンの領域を加圧する。ルーメンの流体特性は、ルーメン内の閉塞に応じてシール部材が変形するかどうかを検出するために監視される。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
(a)ルーメン検査装置の細長い部材を医療器具のルーメン内に挿入することと、
(b)前記ルーメン検査装置を前記医療器具の前記ルーメンに沿って並進させることであって、前記ルーメン検査装置は、シール部材を含み、前記シール部材は、前記ルーメン検査装置が前記医療器具の前記ルーメンに沿って並進されるときに、前記ルーメンの側壁に対して弾性的に当接する、ことと、
(c)前記シール部材に隣接する前記ルーメンの領域を加圧するように圧力源を作動させることと、
(d)前記並進させる動作及び前記作動させる動作中に前記ルーメンの流体特性を監視し、それによって前記ルーメン内の閉塞に応答して前記シール部材が変形するかどうかを検出することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記細長い部材はワイヤを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ワイヤはニチノールを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記医療器具はカテーテルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カテーテルは、1つ以上の電極を有するエンドエフェクタを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ルーメンは、前記エンドエフェクタに遠位開口部を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記挿入する動作は、前記細長い部材を前記ルーメンの遠位開口部に挿入することを含み、前記遠位開口部は、前記医療器具のシャフトアセンブリの遠位端に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記並進させる動作は、前記ルーメンを通して前記ルーメン検査装置を近位に引っ張ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記並進させる動作は、前記ルーメン検査装置を一定の並進速度で並進させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ルーメン検査装置は、前記並進させる動作の少なくとも一部の間、前記ルーメン検査装置の近位部分が前記医療器具のハンドルから近位に延びるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ハンドルはポートを含み、前記ポートは、前記並進させる動作中に前記細長い部材の周りに流体密なシールを形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記作動させる動作は、加圧流体を前記ポートを介して前記ルーメンに連通させるために、圧力源を作動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記作動させる動作は、加圧空気を前記シール部材の近位にある前記ルーメンの領域に連通させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記監視する動作は、前記ルーメンを通る流体流量を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
(a)前記監視された流体特性をベースライン値と比較することと、
(b)前記監視された流体特性が前記ベースライン値を超えることに応答して、前記ルーメンが閉塞を含むと判定することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
(a)前記監視された流体特性の変化に基づいて、前記ルーメン内に閉塞が存在すると判定することと、
(b)前記閉塞が前記ルーメン内に存在すると判定することに応答して、オペレータに警告することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
装置であって、
(a)近位端及び遠位端を有する細長いワイヤと、
(b)前記細長いワイヤの前記遠位端に固定された停止部材と、
(c)シール部材であって、前記シール部材はフレア部分を含み、前記フレア部分は円錐台形状を画定するように弾性的に付勢され、前記シール部材は内部領域を有し、前記停止部材は前記円錐台形状の内部領域内に配置され、前記停止部材は前記細長いワイヤに対する前記シール部材の遠位方向の並進を制限するように構成されている、シール部材と、
を備える、装置。
【請求項18】
前記シール部材は、前記細長いワイヤ上に摺動可能に配置されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
キットであって、
(a)ルーメンを画定するシャフトを有する医療器具と、
(b)ルーメン検査装置であって、
(i)遠位端を有する可撓性の細長い部材と、
(ii)前記可撓性の細長い部材の前記遠位端にあるシール部材であって、前記ルーメン検査装置は前記ルーメンを通って並進するように構成され、前記シール部材は、前記ルーメン検査装置が前記ルーメンを通って並進するときに、前記ルーメンの側壁に対して弾性的に当接するように構成されている、シール部材と、を含む、ルーメン検査装置と、
(c)前記ルーメン検査装置が前記ルーメンを通って並進するときに、前記シール部材に隣接する前記ルーメンの領域を加圧するように動作可能な圧力源と、
(d)前記ルーメン検査装置が前記ルーメンを通って並進するときに前記ルーメンの流体特性を監視し、それによって前記シール部材が前記ルーメン内の閉塞に応答して変形するかどうかを検出するように動作可能な流体特性モニタと、
を備える、キット。
【請求項20】
前記医療器具は、前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタを更に含み、前記エンドエフェクタは1つ以上の電極を含み、前記ルーメンは、前記エンドエフェクタに遠位開口部を有する、請求項19に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な医療器具は、実質的な長さ(例えば、約36インチ~約60インチの範囲)に沿って延び、実質的に小さな直径(例えば、約0.010インチ~約0.030インチの範囲)を有するルーメンを含む。これは、カテーテル、拡張器、内視鏡、及び他の種類の器具などの器具を含むことができる。いくつかのシナリオでは、医療器具が第1の医療処置(例えば、第1の患者において)で使用された後、医療器具が第2の医療処置(例えば、第2の患者において)で安全に使用されることを可能にするために、医療器具を洗浄及び再処理することが望ましい場合がある。ルーメン内に汚染物質が残っている場合、特に医療器具が心血管系で使用される場合、汚染物質はその後の医療処置において患者に害を及ぼす可能性がある。そのような安全上の懸念は、ある程度の粒子除去(例えば、50ミクロン以上のサイズを有する粒子がルーメン内に残らないことを要求する規制)を達成するために洗浄及び再処理手順を必要とする規制に反映され得る。医療器具が実質的な長さ及び/又は実質的に小さな直径を有するルーメンを有する場合、ルーメンを十分に洗浄し、そうでなければ再処理してその中の汚染物質を除去することは比較的困難であり得る。
【0002】
実質的な長さ及び/又は実質的に小さな直径を有するルーメンを有する医療器具が洗浄され、そうでなければ再処理された後、洗浄プロセスが成功したことを確実にするためにルーメンを検査することは困難であり得る。例えば、いくつかの方法は、ルーメン内の汚染物質を視覚的に検査するためにボアスコープをルーメン内に挿入することを含むことができる。場合によっては、ボアスコープの画質は、比較的小さいが依然として規制によって確立されたサイズ閾値を超えるか、そうでなければ安全上のリスクを呈する粒子の視覚的検出には不十分であり得る。医療器具がルーメンを画定する透明な側壁を有する場合、粒子が実際にルーメン内にあるか側壁の外側にあるかをボアスコープで目視検査によって識別することも困難であり得る。
【0003】
洗浄又は他の方法で再処理された医療器具のルーメンを検査する別の方法は、マイクロCTスキャンを含むことができ、医療器具は、3D画像を生成するためにX線でスキャンされる。この方法が医療器具のルーメン内の小さな粒子の検出を容易にする限り、そのような方法は、医療器具がルーメンに隣接する放射線不透過性構成要素(例えば、ステンレス鋼ワイヤ編組、プルワイヤ、コイル、電線など)を含む場合には実行可能でない可能性がある。
【0004】
洗浄又は他の方法で再処理された医療器具のルーメンを検査する更に別の方法は、空気がルーメンを通って流れる質量空気流量試験を含むことができる。ルーメン内に閉塞(例えば、粒子又は他の汚染物質)が存在すると、閉塞していないルーメンを通る流れと比較して質量流量が減少する可能性がある。この方法の有効性は、ルーメンの寸法、閉塞のサイズ、及び閉塞がルーメン内に位置する長手方向位置に基づいて変化し得る。例えば、約2.27x10-4inの断面積及び約56.25インチの長さを有するルーメンを有する医療器具では、ルーメンの近位端の近くではあるがルーメンの遠位端の近くではない約50ミクロンの直径を有する閉塞を検出することが可能であり得る。
【0005】
洗浄又は他の方法で再処理された医療器具のルーメンを検査する更に別の方法は、粒子計数を含むことができる。そのような粒子計数は、溶液中の粒子の数及びサイズ分布を検出するための光遮蔽を含む様々な技術を使用して実行することができる。しかしながら、この方法は、非接着粒子にのみ適し得る。
【0006】
ルーメン内の微粒子を検出する更なる例は、2020年11月10日に発行された「Test Method Development for Mass Flow Identification of Occluding Small Particulate in Microlumens」と題された米国特許第10,830,682号に記載されている。
【0007】
様々な装置及び方法が医療器具を検査及び再処理するために使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も添付の特許請求の範囲に記載された発明を作成又は使用していないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にこの技術を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下のある特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
図1】カテーテル器具の一例の概略図である。
図2図1のカテーテル器具のエンドエフェクタの斜視図である。
図3A】シール部材がワイヤ部材から分離されている、ルーメン検査装置の一例の概略図である。
図3B】シール部材がワイヤ部材上に配置された、図3Aのルーメン検査装置の概略図である。
図4A】シール部材がカテーテル器具のルーメンに対して遠位に配置された、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の概略図である。
図4B】シール部材がカテーテル器具のルーメンの内部に配置された、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の概略図である。
図5A】シール部材がカテーテル器具のルーメンの内部に配置され、シール部材がルーメン内の粒子に対して遠位に配置された、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の断面側面図である。
図5B】シール部材がカテーテル器具のルーメンの内部に配置され、シール部材がルーメン内の粒子に係合するように配置された、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の断面側面図である。
図5C】シール部材がカテーテル器具のルーメンの内部に配置され、シール部材がルーメン内の粒子に対して近位に配置された、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の断面端面図である。
図6A図5Aの線6A-6Aに沿った、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の断面端面図である。
図6B図5Bの線6B-6Bに沿った、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の断面端面図である。
図6C図5Cの線6C-6Cに沿った、図1のカテーテル器具に配置された図3Aのルーメン検査装置の断面端面図である。
図7図3Aのルーメン検査装置のシール部材がルーメン内に含まれる粒子と共にルーメンを横断する間の時間の関数としての空気流量のプロットの一例を示すグラフである。
図8】ルーメン検査装置の別の例の斜視図である。
図9図8のルーメン検査装置のワイヤ部材及び停止部材の斜視図である。
図10図8の線10-10に沿った、図8のルーメン検査装置の断面図である。
【0009】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、本技術のいくつかの態様を例示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するものであるが、本技術は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0011】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載されるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点も、更に理解されよう。それゆえに、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0012】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他のオペレータに対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、外科医又は他のオペレータにより近い要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科医又は他のオペレータから更に離れた要素の位置を指す。
【0013】
I.カテーテル器具の例
図1は、カテーテル器具(10)の一例を示す。この例のカテーテル器具(10)は、ハンドル(12)と、ハンドル(12)から遠位に延びるシャフトアセンブリ(20)と、シャフトアセンブリ(20)の遠位端(24)に配置されたエンドエフェクタ(40)とを含む。ポート(14)は、ハンドル(12)の近位端に配置されている。いくつかのバージョンでは、ポート(14)は、1つ以上のルアー取付具を含む。更に、ポート(14)は1つ以上の液密シールを含んでもよい。シャフトアセンブリ(20)は、カテーテルシャフト(22)と、複数のリング電極(30)とを含む。図5A図6Cに示すように、また以下でより詳細に説明するように、カテーテルシャフト(22)は、遠位開口部(50)で遠位方向に終端するルーメン(52)を画定する。遠位開口部(50)は、エンドエフェクタ(40)に隣接して配置される。ルーメン(52)は、ハンドル(12)を通して形成された通路(13)を介してポート(14)と連通している。
【0014】
図2は、エンドエフェクタ(40)をより詳細に示している。図示のように、この例のエンドエフェクタ(40)は、複数の可撓性アーム(42)を含む。各アーム(42)は、アーム(42)の長さに沿って離間したいくつかの電極対(44)を含む。いくつかのバージョンでは、アーム(42)は、外側に広がるように弾性的に付勢されている。更に、カテーテルシャフト(22)によって画定された中央長手方向軸に向かって屈曲してもよい。そのような内側への屈曲は、エンドエフェクタ(40)が患者内の標的部位に案内されるときに、エンドエフェクタ(40)がシース(図示せず)内に嵌合することを可能にし得る。そのような標的部位は、肺静脈、心臓の心室、及び/又は心血管系の別の領域を含み得る。
【0015】
リング電極(30)及び電極対(44)は、制御モジュール(図示せず)と電気的に結合されてもよい。電極対(44)を使用して、肺静脈、心臓の心室、及び/又は心血管系の他の領域内の電位をピックアップし、それによってそのような解剖学的構造内の異常な電気信号の位置をマッピングすることができる。そのようなマッピングプロセス中、リング電極(30)を使用して基準信号(例えば、患者の血液を介してピックアップされた電位に基づいて)を生成することができる。加えて、又は代わりに、電極対(44)を使用して、心血管解剖学的構造内の組織に双極RFエネルギーを印加し、それによって心房細動、他の種類の不整脈、及び/又は他の状態の治療の一部として組織をアブレーションすることができる。マッピングプロセス中及び/又はアブレーションプロセス中に、灌注流体(例えば、生理食塩水)の供給源をポート(14)に接続することができる。灌注流体は、最終的に遠位開口部(50)を介してカテーテル器具(10)を出るように、通路(13)及びルーメン(52)に沿って連通することができる。そのような灌注流体は、遠位端(24)及びエンドエフェクタ(40)での凝塊の形成を防止することができる。
【0016】
上記に加えて、カテーテル器具(10)は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年4月19日発行された「Flower Catheter for Mapping and Ablating Veinous and Other Tubular Locations」と題された米国特許第9,314,299号、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月6日に発行された「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」と題された米国特許第9,907,480号、及び/又はその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年7月7日発行に発行された「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題された米国特許第10,702,177号の教示の少なくともいくつかに従って構成及び動作可能であってもよい。
【0017】
II.ルーメン検査装置及び方法の例
患者の第1の医療処置においてカテーテル器具(10)のような器具を使用するプロセスの任意の段階で、粒子及び/又は他の汚染物質がルーメン(52)に入る可能性がある。そのような粒子及び/又は他の汚染物質は、カテーテル器具(10)が第1の医療処置で使用された後に、カテーテル器具(10)を洗浄及び/又は他の方法でカテーテル器具(10)を処理するための処理を受けた後でも、ルーメン(52)内に残る可能性がある。カテーテル器具(10)がその後の医療処置で使用される前に、洗浄プロセスがルーメン(52)から粒子及び/又は他の汚染物質を十分に除去したかどうかを確実に判定するために使用され得る装置及び方法を提供することが望ましい場合がある。そのような装置及び方法の例は、以下により詳細に記載される。以下の例は、カテーテル器具(10)の文脈で提供されるが、以下の教示は、1つ以上のルーメンを有する任意の他の種類の器具に容易に適用することができる。単なる例として、以下の教示は、カテーテル(例えば、灌注ルーメン及び/又はガイドワイヤルーメンなどを有する)、内視鏡、及び拡張器に容易に適用することができる。以下の教示が適用され得る他の適切な種類の器具は、本明細書の教示を考慮すると当業者には容易に明らかであろう。
【0018】
図3A図3Bは、ルーメン検査装置(100)の一例を示す。本例のルーメン検査装置(100)は、ワイヤ部材(102)と、シール部材(120)とを備える。ワイヤ部材(102)は、遠位端(104)と近位端(106)とを含み、停止部材(110)が遠位端(104)に固定して固定されている。本例では、停止部材(110)は円筒状である。あるいは、停止部材(110)は、円錐台形であってもよく、又は任意の他の適切な形状を有してもよい。ワイヤ部材(102)は、ワイヤ部材(102)が長手方向に伸長可能でないように、高い引張強度を有する可撓性材料で形成される。ワイヤ部材(102)はまた、以下でより詳細に説明するように、ルーメン検査装置(100)の使用中にねじれ又は座屈に対する実質的な抵抗を提供する。単なる例として、ワイヤ部材(102)は、金属、ポリマー、及び/又は任意の他の適切な材料又は材料の組み合わせから形成されてもよい。いくつかのバージョンでは、ワイヤ部材(102)は超弾性ニチノールを含む。
【0019】
本例のシール部材(120)は、略円錐台形状であり、スリーブ部分(122)と、スリーブ部分(122)から遠位に延びるフレア部分(124)とを含む。シール部材(120)は、フレア部分(124)に沿って先細の輪郭を形成するように弾性的に付勢されたポリマー材料で形成される。単なる例として、フレア部分(124)は、約2.2GPa~約3.2GPaの範囲の弾性率、又はより具体的には約2.7GPaの弾性率を有することができる。任意の適切な材料又は材料の組み合わせを使用してシール部材(120)を形成することができる。本例では、シール部材(120)は、ルーメン(52)の側壁を形成する材料よりも柔らかい材料で形成されている。単なる例として、シール部材のいくつかのバージョンは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。一方、ルーメン(52)の側壁を形成する材料はポリイミドを含む。単なる更なる例として、フレア部分(124)を形成する材料は、約0.00010インチ~約0.00025インチの範囲の壁厚、又はより具体的には約0.00018インチの壁厚を有することができる。そのような壁厚は、フレア部分(124)が、以下でより詳細に説明するように、ルーメン(52)の側壁に対するシールと汚染物質(54)に応じた変形との間の適切なバランスを提供することを確実にすることができる。シール部材(120)は、フレア部分(124)の遠位端が、ルーメン検査装置(100)が使用されるルーメンの直径に略等しいか、又はそれよりわずかに大きい直径を有するように構成される。
【0020】
図3A図3Bに示すように、ルーメン検査装置(100)は、ワイヤ部材(102)の近位端(106)をシール部材(120)のフレア部分(124)に挿入し、次いで、シール部材(120)が遠位端(104)に達するまで、シール部材(120)をワイヤ部材(102)に沿って遠位に摺動させることによって組み立てられてもよい。いくつかのバージョンでは、シール部材(120)は、ワイヤ部材(102)が静止したままでワイヤ部材(102)に沿って遠位に摺動される。いくつかの他のバージョンでは、ワイヤ部材(102)は、シール部材(120)が静止したままで、シール部材(120)に対して近位に引っ張られる。いずれの場合でも、シール部材(120)がワイヤ部材(102)の遠位端(104)に到達すると、停止部材(110)は、図3Bに示すように、フレア部分(124)の内部領域に係合することができ、これにより、シール部材(120)に対するワイヤ部材(102)の更なる近位方向への移動を阻止する。
【0021】
スリーブ部分(122)は、ワイヤ部材(102)とシール部材(120)とが組み付けられた状態で、ワイヤ部材(102)の遠位端(104)の一部に沿って延びる。いくつかのバージョンでは、スリーブ部分(122)は、図3Bに示す組立状態に達した後に、ワイヤ部材(102)及び/又は停止部材(110)の対応する部分に接合される。単なる例として、このような結合を提供するために接着剤が使用されてもよい。単なる更なる例として、スリーブ部分(122)は、熱収縮材料を含むことができ、それにより、スリーブ部分(122)を周囲で収縮させ、それによってワイヤ部材(102)及び/又は停止部材(110)の対応する部分を把持するように、スリーブ部分に熱を加えることができる。したがって、スリーブ部分(122)は、ワイヤ部材(102)及び/又は停止部材(110)に直接熱接着されてもよい。スリーブ部分(122)をワイヤ部材(102)及び/又は停止部材(110)に接合するために、任意の他の適切な技術を使用することができる。スリーブ部分(122)をワイヤ部材(102)及び/又は停止部材(110)に機械的に固定することに加えて、そのような接合は、スリーブ部分(122)とワイヤ部材(102)との間及び/又はスリーブ部分(122)と停止部材(110)との間で空気が漏れるのを防止することができる。
【0022】
いくつかの他の変形例では、スリーブ部分(122)はワイヤ部材(102)に接合されていない。そのようなバージョンでは、停止部材(110)とフレア部分(124)との間の係合は、以下でより詳細に説明するように、ルーメン検査装置(100)がルーメン(52)を通って引っ張られるときに、シール部材(120)とワイヤ部材(102)とを十分に一緒に保つことができる。更に別の例として、シール部材(120)及びワイヤ部材(102)は、一体ユニットとして一体的に形成されてもよい。あるいは、ルーメン検査装置(100)は、任意の他の適切なプロセスを使用して任意の他の適切な方法で形成されてもよい。
【0023】
図4A図4Bは、ルーメン検査装置(100)がカテーテル器具(10)と共にどのように使用され得るかの例を示す。図4Aに示すように、ワイヤ部材(102)の近位端(106)は、遠位開口部(50)を介してルーメン(52)に挿入される。ワイヤ(102)は、近位端(106)がポート(14)を介してハンドル(12)を出るまで、ルーメン(52)及び通路(13)に沿って近位に供給される。図4Aに示す段階では、シール部材(120)は、遠位開口部(50)からルーメン(52)に進入していない。図4Bに示すように、オペレータは、ワイヤ部材(102)を引っ張り続け、その結果、シール部材(120)は、遠位開口部(50)を介してルーメン(52)に最終的に入る。
【0024】
図4A図4Bにも示すように、流量センサ(16)及び圧力源(18)は、この手順中にポート(14)に結合される。圧力源(18)は、ポート(14)及び通路(13)を介して加圧流体(例えば、加圧空気)をルーメン(52)に連通させるように動作可能である。圧力源(18)は、ポンプ及び/又は任意の他の適切な構成要素を含むことができる。単なる例として、圧力源(18)は、約20psiの流体圧力を生成するように構成されてもよい。あるいは、任意の他の適切な流体圧力が使用されてもよい。
【0025】
流量センサ(16)は、ルーメン(52)内の流体の流れを感知するように動作可能である。流量センサ(16)が取り得る様々な適切な形態は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。ポート(14)は、ワイヤ部材(102)の周りに動的な液密嵌合を提供するように構成される。したがって、ルーメン検査装置(100)がカテーテル器具(10)に対して近位に引っ張られると、圧力源(18)によって生成された加圧流体は、ポート(14)とワイヤ部材(102)との間の界面を通って逃げることはない。シール部材(120)とルーメン(52)の内側側壁との間のシール嵌合により、シール部材(120)の近位にあるルーメン(52)の領域は、以下でより詳細に説明するように、シール部材(120)がルーメン(52)内の汚染物質に遭遇するまで、圧力源(18)によって確立された流体圧力のままである。
【0026】
更に、加圧流体は、シール部材(120)がルーメン(52)の内側側壁に対して密封された嵌合を維持するので、シール部材(120)を実質的に通過しない。流量センサ(16)は、ルーメン(52)を通る流体の流量の変化を検出するために連続的に動作することができる。場合によっては、公称量の加圧流体が、ルーメン(52)から、シール部材(120)とルーメン(52)の内側側壁との間の界面を通って、及び/又はワイヤ部材(102)とポート(14)との間の界面を通って流れてもよく、流量センサ(16)は、そのような公称流量を検出することができる。単なる例として、この公称流体流量は、約0標準立方センチメートル/分(SCCM)~約15SCCMの範囲とすることができる。流体流量は、後述するように、シール部材(120)が汚染物質(54)に遭遇した場合に実質的に増加する(例えば、スパイク)ことができる。シール部材(120)が遠位開口部(50)を介してルーメン(52)に入り、圧力源(18)が作動するとすぐに、流量センサ(16)を使用してベースライン読み取り値を直ちに取得し、ルーメン(52)を通る流体の公称流量を決定することができる。
【0027】
図5A図5C及び図6A図6Cは、ルーメン(52)の側壁上の汚染物質(54)を含むルーメン(52)の領域を横断するシール部材(120)を示す。単なる例として、汚染物質(54)は、カテーテル器具(10)が第1の医療処置で使用された後に第2の医療処置で使用するために洗浄及び再処理された後であっても、ルーメン(52)の側壁に生体材料、人工材料などの粒子を含むことができる。汚染物質(54)は、ルーメン(52)の側壁に接着されることがあり、又はルーメン(52)内に粗く収容されることがある。
【0028】
図5A及び図6Aに示す段階では、シール部材(120)は、汚染物質(54)に対して遠位に配置される。この段階で、圧力源(18)は、シール部材(120)の近位のルーメン(52)の領域内で実質的に一定の正の流体圧力レベルを維持する。上述したように、シール部材(120)は、フレア部分(124)に沿って先細の輪郭を形成するように弾性的に付勢され、それにより、シール部材(120)は、ルーメン(52)の側壁を弾性的に圧迫し、それによってルーメン(52)の側壁に沿ってシール嵌合を提供する。シール部材(120)がルーメン(52)の側壁に沿ってシール嵌合を提供することにより、シール部材(120)は、加圧流体がシール部材(120)を越えて遠位方向にルーメン(52)から逃げるのを防止する。ポート(14)内のシール(図示せず)は、加圧流体がポート(14)とワイヤ部材(102)との間の界面を通って逃げるのを防止する。オペレータは、流量センサ(16)がルーメン(52)を通る流体の流量を追跡しながら、ルーメン(52)を通って近位にルーメン検査装置(100)を引っ張り続けて、流量がゼロ値又は公称値にあることを確実にし、それによって、シール部材(120)がルーメン(52)の側壁に対して適切に封止されることを確実にすることができる。シール部材(120)の弾性は、ワイヤ部材(102)及び停止部材(110)の重量が、ルーメン検査装置(100)がルーメン(52)を横切るときにシール部材(120)を潰すことを防止することにも留意されたい。したがって、シール部材(120)のフレア部分(124)は、シール部材(120)がルーメン(52)の側壁上の汚染物質又は他の閉塞などに遭遇するまで、ルーメンに沿った移動中にその円錐台形状を維持する。
【0029】
図5B及び図6Bに示す段階では、シール部材(120)は、汚染物質(54)に遭遇する。これにより、フレア部分(124)が内側に変形する。フレア部分(124)のこの内側への変形は、シール部材(120)とルーメン(52)の側壁との間の流体シールを事実上破損する。流体シールのこの破損は、加圧流体がシール部材(120)の近位のルーメン(52)の領域からシール部材の遠位のルーメン(52)の領域に通過することを可能にし、少なくとも一部の加圧流体が最終的に遠位開口部(50)を介して逃げることができる。加圧流体がシール部材(120)を遠位方向に通過すると、ルーメン(52)を通る流体の流量が急激に増加する。この流体流量の急激な増加は、流量センサ(16)によって検出される。オペレータは、ルーメン(52)を通して近位にルーメン検査装置(100)を引っ張り続けることができる。
【0030】
図5C及び図6Cに示す段階では、シール部材(120)は、シール部材(120)が汚染物質(54)を除去し、シール部材(120)が汚染物質(54)の近位にある長手方向位置に到達している。この段階で、フレア部分(124)の弾性は、フレア部分(124)の以前に変形した部分をルーメン(52)の側壁と接触するように付勢している。換言すれば、フレア部分(124)の全周は、図5Aに示す状態と同様に、今やルーメン(52)の側壁と完全に接触している。フレア部分(124)がルーメン(52)の側壁に完全に接触すると、加圧流体は、シール部材(120)の近位のルーメン(52)の領域に再び蓄積する。更に、流体流量は、図5Aに示す段階の間であったゼロ値又は公称値に低下する。オペレータは、シール部材(120)が最終的にポート(14)を介してカテーテル器具(10)を出るまで、ルーメン(52)を通って近位にルーメン検査装置(100)を引き続け、流量センサ(16)はルーメン(52)を通る流体の流量を追跡し得る。
【0031】
カテーテル器具(10)に対するルーメン検査装置(100)の近位方向移動中、ルーメン検査装置(100)は、実質的に一定の速度で移動することができる。いくつかのバージョンでは、これは、実質的に一定の並進速度でワイヤ部材(102)を介してルーメン検査装置を手動で近位に引っ張る人間のオペレータによって実行される。いくつかの他のバージョンでは、機械を使用して、実質的に一定の並進速度でカテーテル器具(10)を通して近位にルーメン検査装置(100)を引っ張る。いくつかの変形例では、カテーテル器具(10)に沿った検査装置(100)の並進速度は可変である。いくつかのそのようなバージョンでは、可変の並進速度が知られている。可変並進のいくつかのバージョンはまた、カテーテル器具(10)内の検査装置(100)の長手方向位置に基づいて、カテーテル器具(10)に沿った検査装置(100)の異なる並進速度を提供することを含むことができる。例えば、検査装置(100)は、検査装置(100)がカテーテル器具(10)の長さの第1の部分を横切るときに第1の一定速度で並進することができ、次いで、検査装置(100)がカテーテル器具(10)の長さの第2の部分を横切るときに第2の一定速度で、次いで、検査装置(100)がカテーテル器具(10)の長さの第3の部分を横切るときに第3の一定速度で、並進することができる。あるいは、任意の他の適切な並進速度及びアルゴリズムが使用されてもよい。
【0032】
図7は、図5A図6Cに示す動作段階中のルーメン(52)を通る流体流量のプロット(210)を有するグラフ(200)を示す。プロット(210)によって示されるデータは、流量センサ(16)を介して提供されてもよい。プロット(210)の第1の領域(220)は、図5A及び図6Aに示す動作段階に関連する公称流量を示す。第1の領域(220)のこの公称流量は、シール部材(120)が遠位開口部(50)を介してルーメン(52)に最初に入るときに流量センサ(16)を介して得られる流量のベースライン読み取り値と一致し得る。
【0033】
プロット(210)の第2の領域(222)は、図5B及び図6Bに示す動作段階に関連する流量の突然の増加を示す。上述したように、この段階で、汚染物質(54)はフレア部分(124)の変形を引き起こし、それによってシール部材(120)とルーメン(52)の側壁との間のシールを部分的に破壊し、それによって加圧流体の一部がシール部材(120)を越えて遠位に流れることを可能にする。流量が増加するレベルは、汚染物質(54)のサイズに比例し得、その結果、大きな汚染物質は流量の大きな増加をもたらし得、小さな汚染物質(54)は流量の小さな増加をもたらし得る。したがって、流量が増加するレベルに基づいて汚染物質(54)のサイズを決定することが可能であり得る。いずれの場合でも、流量センサ(16)は、流量が特定の閾値(例えば、30SCCM)を超えることによって流量の突然の増加が示されたときに、汚染物質(54)の存在を示す警告を提供するように構成されてもよい。いくつかのそのような場合、依然として閾値を下回る流量の増加は、無視できると考えられ得る。
【0034】
プロット(210)の第3の領域(224)は、図5C及び図6Cに示す動作段階と一致して、公称レベルに戻る流量を示す。
【0035】
いくつかのバージョンでは、警告機能は、流量センサ(16)に結合され、流量センサ(16)がプロット(210)の第2の領域(222)に示される増加などの流量の急激な増加を検出した場合にオペレータに警告するように構成される。例えば、そのような警報は、音声警報、視覚警報、又はそれらの組み合わせを含むことができる。警告は、グラフィック及び/又はテキストレポートの形態で提供されてもよく、又は任意の他の適切な形態をとることができる。警告の受信に応答して、オペレータは、カテーテル器具(10)を別の洗浄プロセス及び/又は他の処理に供して、ルーメン(52)から汚染物質(54)を除去しようと試みることができる。次に、オペレータは、ルーメン検査装置(100)を使用してカテーテル器具(10)を再び試験して、ルーメン(52)から汚染物質(54)を除去するのに更なる努力が成功したかどうかを確認することができる。
【0036】
上述したように、図5B及び図6Bに表される段階中に流量が増加するレベル(及びプロット(210)の第2の領域(222))は、汚染物質(54)のサイズを示すことができる。このサイズ情報はまた、オペレータに報告され得る。オペレータは、汚染物質(54)の報告されたサイズに基づいて、アラートに対する応答を調整することができる。いくつかのシナリオでは、流量センサ(160)は、ユーザが検出のための粒径閾値を定義することを可能にし得、それに応じて警告の流量閾値を調整することができる。更に、いくつかのバージョンは、流量の変化に基づいて、ルーメン(52)内の汚染物質(54)とルーメン(52)内のねじれとを区別するように構成され得る。いくつかのそのようなシナリオでは、検出された汚染物質(54)は、オペレータが汚染物質(54)を除去するための警告をトリガすることができ、一方、カテーテル器具(10)などの器具がその後に患者に使用される場合、汚染物質はねじれよりも大きなリスクを患者に与える可能性があるため(例えば、塞栓デブリの形態で)、検出されたねじれは警報をトリガしない可能性がある。単なる例として、ルーメン(52)のねじれは、流量の上昇又は落下の回転に基づいて、ルーメン内の汚染物質(54)と区別され得る。
【0037】
流量センサ(16)は、ルーメン(52)内の汚染物質(54)の存在を示す傾向があるルーメン(52)を通る流体の流量の突然の増加を検出するために使用されるが、いくつかの他の変形例は、ルーメン(52)内の流体圧力レベルを追跡する圧力センサを提供し得る。そのような圧力センサは、流量センサ(16)に加えて、又はその代わりに使用することができる。そのような圧力センサを使用して、ルーメン(52)内の流体の圧力の突然の低下を検出することができ、そのような突然の圧力低下は、シール部材(120)がルーメン(52)を横切るときのルーメン(52)内の汚染物質(54)の存在を示す。
【0038】
図8図10は、ルーメン検査装置(300)に関して上述したのと同じ方法で使用することができるルーメン検査装置(100)の別の例を示す。以下に特に記載しない限り、ルーメン検査装置(300)は、ルーメン検査装置(100)と同様に構成され動作可能であり得る。本例のルーメン検査装置(300)は、ワイヤ部材(302)と、シール部材(320)とを備える。ワイヤ部材(302)は、遠位端(304)及び近位端(306)を含む。停止部材(310)は、遠位端(304)の近位でワイヤ部材(302)に固定的に固定される。したがって、ワイヤ部材(302)の遠位セグメント(305)は、停止部材(310)と遠位端(304)との間に延在する。
【0039】
ルーメン検査装置(300)のシール部材(320)は、第1のスリーブ部分(322)と、第1のスリーブ部分(322)から遠位に延びる第2のスリーブ部分(324)と、第2のスリーブ部分(324)から遠位に延びるフレア部分(326)とを含む。シール部材(320)は、フレア部分(326)に沿って先細の輪郭を形成するように弾性的に付勢されたポリマー材料で形成される。シール部材(320)は、第1のスリーブ部分(322)がワイヤ部材(302)の対応する部分の周りに延び、第2のスリーブ部分(324)が停止部材(310)の周りに延在するように、ワイヤ部材(302)に沿って配置される。第1のスリーブ部分(322)は、熱的に、接着剤を介して、又は任意の他の適切な方法でワイヤ部材(302)に直接接合されてもよい。同様に、第2のスリーブ部分(324)は、熱的に、接着剤を介して、又は任意の他の適切な方法で、停止部材(310)に直接接合されてもよい。この例では、シール部材(320)は、スリーブ部分(322、324)間に先細の移行部を提供するが、代わりに、シール部材(320)は、スリーブ部分(322、324)間に段付きの移行部又は任意の他の適切な種類の移行部を提供してもよい。
【0040】
この例のルーメン検査装置(300)は、ワイヤ部材(302)の遠位セグメント(305)がフレア部分(326)を通って延び、シール部材(320)を越えて更に遠位に延びるように構成される。いくつかのシナリオでは、ルーメン検査装置(300)を使用してルーメン(例えば、上述したように、ルーメン(52))を検査した後、追加のツールを使用してフレア部分(326)の内部に係合し、フレア部分(326)が円錐台形状に戻るのを助けることが有益であり得る。そのようなシナリオでは、ワイヤ部材(302)の遠位セグメント(305)がシール部材(320)を越えて遠位方向に延在することにより、遠位セグメント(305)は、フレア部分(326)を円錐台形状に戻すための工具のそのような使用中に、シール部材(320)に対して増強手段又は機械的接地を提供するのを助けることができる。
【0041】
前述の例は、ルーメン(52)の汚染物質(54)の文脈で提供されているが、ルーメン検査装置(100、300)を用いた同じプロセスを使用して、ルーメン(52)のねじれ、スクラッチ、スカイブ、バンプ、及び/又は他の表面凹凸を検出することができる。そのような不規則性がカテーテル器具(10)の硬化不能な構造的欠陥を表す場合には、そのような不規則性の検出は、更なる処理の代わりにカテーテル器具(10)の処分を正当化し得る。
【0042】
III.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではない。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であると見なされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものと見なされるべきではない。
【実施例0043】
方法は、(a)ルーメン検査装置の細長い部材を医療器具のルーメン内に挿入することと、(b)ルーメン検査装置を医療器具のルーメンに沿って並進させることであって、ルーメン検査装置は、シール部材を含み、シール部材は、ルーメン検査装置が医療器具のルーメンに沿って並進されるときに、ルーメンの側壁に対して弾性的に当接する、ことと、(c)シール部材に隣接するルーメンの領域を加圧するように圧力源を作動させることと、(d)並進させる動作及び作動させる動作中にルーメンの流体特性を監視し、それによってルーメン内の閉塞に応答してシール部材が変形するかどうかを検出することと、
を含む、方法。
【実施例0044】
細長い部材はワイヤを含む、実施例1に記載の方法。
【実施例0045】
ワイヤはニチノールを含む、実施例2に記載の方法。
【実施例0046】
医療器具はカテーテルを含む、実施例1~3のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0047】
カテーテルは、1つ以上の電極を有するエンドエフェクタを有する、実施例4に記載の方法。
【実施例0048】
ルーメンは、エンドエフェクタに遠位開口部を有する、実施例5に記載の方法。
【実施例0049】
挿入する動作は、細長い部材をルーメンの遠位開口部に挿入することを含み、遠位開口部は、医療器具のシャフトアセンブリの遠位端に配置される、実施例1~6のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0050】
並進させる動作は、ルーメンを通してルーメン検査装置を近位に引っ張ることを含む、実施例1~7のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0051】
並進させる動作は、ルーメン検査装置を一定の並進速度で並進させることを含む、実施例1~8のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0052】
ルーメン検査装置は、並進させる動作の少なくとも一部の間、ルーメン検査装置の近位部分が医療器具のハンドルから近位に延びるように構成される、実施例1~9のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0053】
ハンドルはポートを含み、ポートは、並進させる動作中に細長い部材の周りに流体密なシールを形成する、実施例10に記載の方法。
【実施例0054】
作動させる動作は、加圧流体をポートを介してルーメンに連通させるために、圧力源を作動させることを含む、実施例11に記載の方法。
【実施例0055】
作動させる動作は、加圧空気をシール部材の近位にあるルーメンの領域に連通させることを含む、実施例1~12のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0056】
監視する動作は、ルーメンを通る流体流量を監視することを含む、実施例1~13のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0057】
(a)監視された流体特性をベースライン値と比較することと、(b)監視された流体特性がベースライン値を超えることに応答して、ルーメンが閉塞を含むと判定することと、を更に含む、実施例1~14のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0058】
(a)監視された流体特性の変化に基づいて、ルーメン内に閉塞が存在すると判定することと、(b)閉塞がルーメン内に存在すると判定することに応答して、オペレータに警告することと、を更に含む、実施例1~15のいずれか一例に記載の方法。
【実施例0059】
装置であって、(a)近位端及び遠位端を有する細長いワイヤと、(b)細長いワイヤの遠位端に固定された停止部材と、(c)シール部材であって、シール部材はフレア部分を含み、フレア部分は円錐台形状を画定するように弾性的に付勢され、シール部材は内部領域を有し、停止部材は円錐台形状の内部領域内に配置され、停止部材は細長いワイヤに対するシール部材の遠位方向の並進を制限するように構成されている、シール部材と、を備える、装置。
【実施例0060】
シール部材は、細長いワイヤ上に摺動可能に配置されている、実施例17に記載の装置。
【実施例0061】
キットであって、(a)ルーメンを画定するシャフトを有する医療器具と、(b)ルーメン検査装置であって、(i)遠位端を有する可撓性の細長い部材と、(ii)可撓性の細長い部材の遠位端にあるシール部材であって、ルーメン検査装置はルーメンを通って並進するように構成され、シール部材は、ルーメン検査装置がルーメンを通って並進するときに、ルーメンの側壁に対して弾性的に当接するように構成されている、シール部材と、を含む、ルーメン検査装置と、(c)ルーメン検査装置がルーメンを通って並進するときに、シール部材に隣接するルーメンの領域を加圧するように動作可能な圧力源と、(d)ルーメン検査装置がルーメンを通って並進するときにルーメンの流体特性を監視し、それによってシール部材がルーメン内の閉塞に応答して変形するかどうかを検出するように動作可能な流体特性モニタと、を備える、キット。
【実施例0062】
医療器具は、シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタを更に含み、エンドエフェクタは1つ以上の電極を含み、ルーメンは、エンドエフェクタに遠位開口部を有する、実施例19に記載のキット。
【0063】
IV.その他
明細書に記載される器具のいずれの変形例も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々な他の特徴部を含んでもよいことを理解されたい。あくまで一例として、本明細書で説明する装置のどれでも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかで開示されている様々な機構の1つ以上を含むこともできる。このような教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が当業者には明らかとなるであろう。
【0064】
本明細書の各例は、主として電気外科用器具との関連で説明したが、本明細書の種々の教示は容易にその他の種類の様々な装置に適用できることを理解されたい。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、他の形式の電気外科用器具、つまり、組織把持器、組織回収パウチ配置器具、外科用ステープラ、外科用クリップアプライヤ、超音波外科用器具などに容易に適用され得る。また、理解されたいこととして、本明細書の教示は、本明細書で引用した文献のいずれかに記載された器具のいずれかに容易に適用され得るものであり、そのため、本明細書の教示は、本明細書で引用した文献のいずれかの教示と様々な方式で容易に組み合わされ得る。本明細書の教示が組み込まれてもよいその他の種類の器具が、当業者には容易に明らかとなるであろう。
【0065】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0066】
理解されたいこととして、参照によって本明細書に組み込まれると述べられたいかなる特許、公報、又は他の開示資料も、部分的にあるいは全体的に、その組み込まれた資料が既存の定義又は本開示に記載された他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照によって本願に組み込まれると述べられているが、既存の定義又は本願に記載された他の開示内容と矛盾する資料又はその一部分は、その組み込まれる内容と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【0067】
上記の装置の変形形態は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手術に適用するだけでなく、ロボット支援医療処置及び手術にも適用することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、Intuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどのロボット外科用システムに容易に組み込むことができる。同様に、本明細書の種々の教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日公開)の種々の教示と容易に組み合わされてもよいことを、当業者には理解されよう。
【0068】
上記の変形形態は、単回使用後に廃棄されるように設計されてよく、又はそれらは複数回使用されるように設計され得る。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形形態は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定部分の洗浄及び/又は交換の際、装置のいくつかの変形形態は、再調整用の施設において、又は処置の直前にオペレータによって、のいずれかで、その後の使用のために再組立されてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0069】
単に例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスを、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることがある。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。装置はまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0070】
本発明の様々な実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0071】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
(a)ルーメン検査装置の細長い部材を医療器具のルーメン内に挿入することと、
(b)前記ルーメン検査装置を前記医療器具の前記ルーメンに沿って並進させることであって、前記ルーメン検査装置は、シール部材を含み、前記シール部材は、前記ルーメン検査装置が前記医療器具の前記ルーメンに沿って並進されるときに、前記ルーメンの側壁に対して弾性的に当接する、ことと、
(c)前記シール部材に隣接する前記ルーメンの領域を加圧するように圧力源を作動させることと、
(d)前記並進させる動作及び前記作動させる動作中に前記ルーメンの流体特性を監視し、それによって前記ルーメン内の閉塞に応答して前記シール部材が変形するかどうかを検出することと、
を含む方法。
(2) 前記細長い部材はワイヤを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ワイヤはニチノールを含む、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記医療器具はカテーテルを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記カテーテルは、1つ以上の電極を有するエンドエフェクタを有する、実施態様4に記載の方法。
【0072】
(6) 前記ルーメンは、前記エンドエフェクタに遠位開口部を有する、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記挿入する動作は、前記細長い部材を前記ルーメンの遠位開口部に挿入することを含み、前記遠位開口部は、前記医療器具のシャフトアセンブリの遠位端に配置される、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記並進させる動作は、前記ルーメンを通して前記ルーメン検査装置を近位に引っ張ることを含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記並進させる動作は、前記ルーメン検査装置を一定の並進速度で並進させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記ルーメン検査装置は、前記並進させる動作の少なくとも一部の間、前記ルーメン検査装置の近位部分が前記医療器具のハンドルから近位に延びるように構成される、実施態様1に記載の方法。
【0073】
(11) 前記ハンドルはポートを含み、前記ポートは、前記並進させる動作中に前記細長い部材の周りに流体密なシールを形成する、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記作動させる動作は、加圧流体を前記ポートを介して前記ルーメンに連通させるために、圧力源を作動させることを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記作動させる動作は、加圧空気を前記シール部材の近位にある前記ルーメンの領域に連通させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記監視する動作は、前記ルーメンを通る流体流量を監視することを含む、実施態様1に記載の方法。
(15) (a)前記監視された流体特性をベースライン値と比較することと、
(b)前記監視された流体特性が前記ベースライン値を超えることに応答して、前記ルーメンが閉塞を含むと判定することと、
を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0074】
(16) (a)前記監視された流体特性の変化に基づいて、前記ルーメン内に閉塞が存在すると判定することと、
(b)前記閉塞が前記ルーメン内に存在すると判定することに応答して、オペレータに警告することと、
を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(17) 装置であって、
(a)近位端及び遠位端を有する細長いワイヤと、
(b)前記細長いワイヤの前記遠位端に固定された停止部材と、
(c)シール部材であって、前記シール部材はフレア部分を含み、前記フレア部分は円錐台形状を画定するように弾性的に付勢され、前記シール部材は内部領域を有し、前記停止部材は前記円錐台形状の内部領域内に配置され、前記停止部材は前記細長いワイヤに対する前記シール部材の遠位方向の並進を制限するように構成されている、シール部材と、
を備える、装置。
(18) 前記シール部材は、前記細長いワイヤ上に摺動可能に配置されている、実施態様17に記載の装置。
(19) キットであって、
(a)ルーメンを画定するシャフトを有する医療器具と、
(b)ルーメン検査装置であって、
(i)遠位端を有する可撓性の細長い部材と、
(ii)前記可撓性の細長い部材の前記遠位端にあるシール部材であって、前記ルーメン検査装置は前記ルーメンを通って並進するように構成され、前記シール部材は、前記ルーメン検査装置が前記ルーメンを通って並進するときに、前記ルーメンの側壁に対して弾性的に当接するように構成されている、シール部材と、を含む、ルーメン検査装置と、
(c)前記ルーメン検査装置が前記ルーメンを通って並進するときに、前記シール部材に隣接する前記ルーメンの領域を加圧するように動作可能な圧力源と、
(d)前記ルーメン検査装置が前記ルーメンを通って並進するときに前記ルーメンの流体特性を監視し、それによって前記シール部材が前記ルーメン内の閉塞に応答して変形するかどうかを検出するように動作可能な流体特性モニタと、
を備える、キット。
(20) 前記医療器具は、前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタを更に含み、前記エンドエフェクタは1つ以上の電極を含み、前記ルーメンは、前記エンドエフェクタに遠位開口部を有する、実施態様19に記載のキット。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】