(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029322
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】感圧素子を備えたマット状部材を用いた指導システム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20230224BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20230224BHJP
A61B 5/01 20060101ALI20230224BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20230224BHJP
A61B 7/04 20060101ALI20230224BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A63B69/00 C
A63B69/00 A
A63B71/06 E
A61B5/01 100
A61B5/01 350
A61B5/113
A61B7/04 B
A61B5/11 100
A63B71/06 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131244
(22)【出願日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】P 2021135017
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022033015
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519322082
【氏名又は名称】ヨクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230110397
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 雅敏
(74)【代理人】
【識別番号】230128875
【弁護士】
【氏名又は名称】原 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】河野 敬文
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB32
4C038VB33
4C038VC05
4C038VC20
4C117XA05
4C117XB01
4C117XC01
4C117XC11
4C117XD09
4C117XE13
4C117XE16
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE27
4C117XE41
4C117XE48
4C117XG05
4C117XG19
4C117XH16
4C117XJ03
4C117XL01
4C117XR03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】受講者の身体状況を計測し、指導者がアドバイスを提供し、初級者でも安全かつ効果的に瞑想状態へと到達できる装置を提供する。
【解決手段】受講者の耳に装着するイヤフォンと、荷重データを計測するマット状部材と、イヤフォン及びマット状部材に無線接続され、荷重データの取得と同期して受講者の身体を撮影する撮像装置、通信部、画像表示部を備える受講者端末と、指導者の身体を撮影する撮像装置、通信部、音声データを再生するスピーカー、画像表示装置を備える指導者端末と、通信部及び画像生成部を備えるサーバー・コンピューターとを有する指導システムにおいて、受講者端末、指導者端末及びサーバー・コンピューターは、インターネット等の電気通信回線を通じて接続され、指導者端末は、撮影された受講者の画像データ、荷重データに基づき、受講者のマット状部材に対する圧力分布状況に係る画像データを、画像表示装置に表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受講者の耳に装着するイヤフォンと、
受講者により印加された圧力の分布状況に係る荷重データを適宜のサンプリングレートで取得して計測するマット状部材と、
前記イヤフォン及び前記マット状部材に無線接続され、前記荷重データの取得と同期して受講者の身体を撮影する撮像装置、データを送受信する通信部、及び、画像データに基づき画像を表示する画像表示部を備える受講者端末と、
指導者の身体を撮影する撮像装置、通信部、及び、当該通信部において受信した音声データを再生するスピーカー並びに画像データを表示する画像表示装置を備える指導者端末と、
少なくとも通信部及び画像生成部を備えるサーバー・コンピューターとを有する指導システムにおいて、
前記受講者端末、前記指導者端末及びサーバー・コンピューターは、インターネット等の電気通信回線を通じて相互に接続され、
前記指導者端末は、前記受講者端末の前記撮像装置において撮影した受講者の身体の状況に係る画像データ、及び、前記サーバー・コンピューターが前記受講者端末から受信した前記荷重データに基づき前記画像生成部において生成した受講者の前記マット状部材に対する圧力分布状況に係る画像データを受信して、前記画像表示装置において表示することを特徴とする指導システム。
【請求項2】
前記イヤフォンは、微弱な圧力変化を感知する感圧部材を備え、受講者の呼吸音及び/又は心拍音を感知するようにした請求項1の指導システム。
【請求項3】
前記イヤフォンは、計温部を備え、受講者の外耳道内の皮膚の温度を測定するようにした請求項1又は2の指導システム。
【請求項4】
前記受講者端末の撮像装置は、サーマルカメラを備え、受講者の身体各部の温度を計測するようにした請求項1又は2の指導システム。
【請求項5】
前記イヤフォンは、微弱なレーザー光その他の光を照射する照射部を備え、受講者の外耳道表面の皮膚組織における血流量を測定するようにした請求項1又は2の指導システム。
【請求項6】
前記サーバー・コンピューターは、受講者の前記圧力分布状況、呼吸数、心拍数、体温及び血流量のいずれか又はすべてに係る指導毎のデータを格納するようにした請求項1又は2の指導システム。
【請求項7】
前記サーバー・コンピューターは、受講者の前記圧力分布状況、呼吸数、心拍数、体温及び血流量のいずれか又はすべてに係る指導毎のデータを格納するようにした請求項5の指導システム。
【請求項8】
受講者により印加された圧力の分布状況に係る荷重データを適宜のサンプリングレートで取得して計測するマット状部材と、
前記マット状部材に無線接続され、前記荷重データの取得と同期して受講者の身体を撮影する撮像装置、データを送受信する通信部、及び、当該通信部において受信した音声データを再生するスピーカー並びに画像データに基づき画像を表示する画像表示部を備える受講者端末と、
指導者の身体を撮影する撮像装置、通信部、及び、当該通信部において受信した音声データを再生するスピーカー並びに画像データを表示する画像表示装置を備える指導者端末と、
少なくとも通信部及び画像生成部を備えるサーバー・コンピューターとを有する指導システムにおいて、
前記受講者端末、前記指導者端末及びサーバー・コンピューターは、インターネット等の電気通信回線を通じて相互に接続され、
前記指導者端末は、前記受講者端末の前記撮像装置において撮影した受講者の身体の状況に係る画像データ、及び、前記サーバー・コンピューターが前記受講者端末から受信した前記荷重データに基づき前記画像生成部において生成した受講者の前記マット状部材に対する圧力分布状況に係る画像データを受信して、前記画像表示装置において表示することを特徴とする指導システム。
【請求項9】
前記マット状部材におけるセンシング部の一部又は全部は弾性素材で覆われている請求項8の指導システム。
【請求項10】
前記マット状部材のセンサーは布状センサーである請求項8又は9の指導システム。
【請求項11】
前記サーバー・コンピューターは、
指標化すべき指標化項目を取得する指標化項目取得手段と、
受講者が保有する受講者保有項目を取得する受講者保有項目取得手段と、
前記受講者保有項目取得手段が取得した前記受講者保有項目と、特定若しくは不特定の者の属性を反映させたソースデータのソースデータ項目とを対応させる項目対応手段と、
前記受講者保有項目と対応する前記ソースデータ項目を入力データとして機械学習させた機械学習モデルと、
前記受講者保有項目に対し所定の規則に基づいてスコアを付与するスコア付与手段と
を備える請求項3の指導システム。
【請求項12】
前記サーバー・コンピューターは、
指標化すべき指標化項目を取得する指標化項目取得手段と、
受講者が保有する受講者保有項目を取得する受講者保有項目取得手段と、
前記受講者保有項目取得手段が取得した前記受講者保有項目と、特定若しくは不特定の者の属性を反映させたソースデータのソースデータ項目とを対応させる項目対応手段と、
前記受講者保有項目と対応する前記ソースデータ項目を入力データとして機械学習させた機械学習モデルと、
前記受講者保有項目に対し所定の規則に基づいてスコアを付与するスコア付与手段と
を備える請求項10の指導システム。
【請求項13】
前記サーバー・コンピューターは、
さらに、前記指標化項目の内容に応じて、前記機械学習モデルを用いて前記受講者保有項目を分類し、分類項目を作成する分類項目作成手段と、
前記分類項目作成手段が作成した前記分類項目に対し所定の規則に基づいてスコアを付与するスコア付与手段と
を備える請求項11の指導システム。
【請求項14】
前記サーバー・コンピューターは、
さらに、前記指標化項目の内容に応じて、前記機械学習モデルを用いて前記受講者保有項目を分類し、分類項目を作成する分類項目作成手段と、
前記分類項目作成手段が作成した前記分類項目に対し所定の規則に基づいてスコアを付与するスコア付与手段と
を備える請求項12の指導システム。
【請求項15】
前記サーバー・コンピューターは、前記受講者端末に備わる撮像装置によって撮影された受講者の表情に係る画像データを前記通信部から受信するとともに、当該画像データの所定の箇所における変化量を適宜のタイミングで計測することにより受講者の表情の変化を把握し、当該変化量に基づくスコアを付与する表情スコア付与手段を備える請求項11の指導システム。
【請求項16】
前記サーバー・コンピューターは、前記受講者端末に備わる撮像装置によって撮影された受講者の表情に係る画像データを前記通信部から受信するとともに、当該画像データの所定の箇所における変化量を適宜のタイミングで計測することにより受講者の表情の変化を把握し、当該変化量に基づくスコアを付与する表情スコア付与手段を備える請求項12の指導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧素子を備えるマット状部材等のデバイスを利用した指導システムに関し、当該マット状部材等により計測した受講者の身体の状況に関する情報をもとに、指導者が受講者に対し即時かつ適切なアドバイスを提供することで、受講者がヨガの最終到達目標である瞑想状態へより安全に近づくことができる指導システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
従来より、美容やストレス解消、あるいは健康促進等の様々な目的のために、ヨガやストレッチ体操などに代表されるように、各種のポーズをとり、あるいは身体の一部を特定のポーズに固定した状態で、他の部位を動かすといったエクササイズが広く普及している。
【0003】
このようなエクササイズを始めるにあたっては、例えばヨガ・スクールなど一定の場所に赴いて、インストラクターによる直接的な指導やアドバイスを受けながら各種のポーズを練習することで上達が期待されるが、インストラクターによる直接的な指導を受けるには、指導日程の調整あるいは一定の場所に赴くといった煩わしさがある。
【0004】
この点について、近年ではエクササイズ用の指導動画や音声が収録された数多くのDVD教材が市販され、そのような動画コンテンツはウェブサイト上に数多く公開されている。受講者はこれらの動画コンテンツを閲覧することで、自宅にいながらにして手軽にエクササイズの習得を行うことができる。
【0005】
しかしながら、これらの動画コンテンツは、受講者への一方的な情報提供であるため、受講者が当該動画コンテンツを閲覧しながら見様見真似で各種のポーズをとったとしても重心の取り方を誤るなどした場合には、受講者にとって全く効果のないエクササイズとなるばかりか、怪我など身体に対する深刻な傷害結果を引き起こすことも懸念される。
【0006】
また、エクササイズの中でもヨガのポーズは複雑なものが多く、特に初級者にとっては指定されたポーズをとること、あるいはそのポーズを維持することは困難な場合があり、このため、受講者は、ヨガの最終到達目標である瞑想状態になかなか辿り着くことができず、効果を実感し難いことから、実際には、途中で挫折してしまうことが少なくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、受講者の身体の状況をリアルタイムで把握するとともに、その結果に応じて指導者が適時に適切なアドバイスを提供することで、初級者でも安全かつ効果的に瞑想状態へと誘導することができる指導システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための手段として、本発明指導システムの構成は、受講者の耳に装着するイヤフォンと、受講者により印加された圧力の分布状況に係る荷重データを適宜のサンプリングレートで取得して計測するマット状部材と、前記イヤフォン及び前記マット状部材に無線接続され、前記荷重データの取得と同期して受講者の身体を撮影する撮像装置、データを送受信する通信部、及び、画像データに基づき画像を表示する画像表示部を備える受講者端末と、指導者の身体を撮影する撮像装置、通信部、及び、当該通信部において受信した音声データを再生するスピーカー並びに画像データを表示する画像表示装置を備える指導者端末と、少なくとも通信部及び画像生成部を備えるサーバー・コンピューターとを有する指導システムにおいて、前記受講者端末、前記指導者端末及びサーバー・コンピューターは、インターネット等の電気通信回線を通じて相互に接続され、前記指導者端末は、前記受講者端末の前記撮像装置において撮影した受講者の身体の状況に係る画像データ、及び、前記サーバー・コンピューターが前記受講者端末から受信した前記荷重データに基づき前記画像生成部において生成した受講者の前記マット状部材に対する圧力分布状況に係る画像データを受信して、前記画像表示装置において表示することを特徴とする。
【0010】
前記イヤフォンは、微弱な圧力変化を感知する感圧部材を備え、受講者の呼吸音及び/又は心拍音を感知するように構成することもできる。
【0011】
また、前記イヤフォンは、計温部を備え、受講者の外耳道内の皮膚の温度を測定するように構成することも可能である。
【0012】
前記受講者端末の撮像装置は、サーマルカメラを備え、受講者の身体各部の温度を計測するように構成することも可能である。
【0013】
さらに、前記イヤフォンは、微弱なレーザー光その他の電磁波を照射する照射部を備え、受講者の外耳道表面の皮膚組織における血流量を測定するように構成することができる。
【0014】
また、前記サーバー・コンピューターは、受講者の前記圧力分布状況、単位時間当たりの呼吸数、心拍数、血流量、及び体温のいずれか又はすべてに係る指導毎のデータを格納するように構成することも可能である。
【0015】
本発明指導システムの他の構成として、受講者により印加された圧力の分布状況に係る荷重データを適宜のサンプリングレートで取得して計測するマット状部材と、前記マット状部材に無線接続され、前記荷重データの取得と同期して受講者の身体を撮影する撮像装置、データを送受信する通信部、及び、当該通信部において受信した音声データを再生するスピーカー並びに画像データに基づき画像を表示する画像表示部を備える受講者端末と、指導者の身体を撮影する撮像装置、通信部、及び、当該通信部において受信した音声データを再生するスピーカー並びに画像データを表示する画像表示装置を備える指導者端末と、少なくとも通信部及び画像生成部を備えるサーバー・コンピューターとを有する指導システムにおいて、前記受講者端末、前記指導者端末及びサーバー・コンピューターは、インターネット等の電気通信回線を通じて相互に接続され、前記指導者端末は、前記受講者端末の前記撮像装置において撮影した受講者の身体の状況に係る画像データ、及び、前記サーバー・コンピューターが前記受講者端末から受信した前記荷重データに基づき前記画像生成部において生成した受講者の前記マット状部材に対する圧力分布状況に係る画像データを受信して、前記画像表示装置において表示するように構成することも可能である。
【0016】
前記サーバー・コンピューターは、さらに、指標化すべき指標化項目を取得する指標化項目取得手段と、受講者が保有する受講者保有項目を取得する受講者保有項目取得手段と、前記受講者保有項目取得手段が取得した前記受講者保有項目と、特定若しくは不特定の者の属性を反映させたソースデータのソースデータ項目とを対応させる項目対応手段と、前記受講者保有項目と対応する前記ソースデータ項目を入力データとして機械学習させた機械学習モデルと、前記指標化項目の内容に応じて、前記機械学習モデルを用いて前記受講者保有項目を分類し、分類項目を作成する分類項目作成手段と、前記分類項目作成手段が作成した前記分類項目に対し所定の規則に基づいてスコアを付与するスコア付与手段とを備えるよう構成することも可能である。
【0017】
前記サーバー・コンピューターは、前記受講者端末に備わる撮像装置によって撮影された受講者の表情に係る画像データを前記通信部から受信するとともに、当該画像データの所定の箇所における変化量を適宜のタイミングで計測することにより受講者の表情の変化を把握し、当該変化量に基づくスコアを付与する表情スコア付与手段を備えることにより、恍惚、快楽、高揚、疲労、苦痛、消沈等の受講者の表情の変化を把握して、これを数値化し、受講者の瞑想状態への到達度合いについての指標とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明指導システムによれば、受講者端末に備わる撮像装置によって撮影された受講者の姿勢の状況とマット状部材によって計測された圧力分布状況から把握される受講者の重心位置に係る情報から、指導者は、受講者の身体のバランスが適正なものであるかをリアルタイムに把握し、受講者と双方向に対話して、即時に適切なアドバイスを送ることができるようになる。
【0019】
また、これにより指導者は、受講者を瞑想状態へと安全かつ効果的に導くことができるとともに、バランスを欠いた場合には怪我などの危険から受講者を回避させることもできるようになる。
【0020】
また、受講者の装着するイヤフォンは、受講者の呼吸、心拍、体温ないし血流を計測し、それらの情報をグラフ化するなどして指導者端末の表示装置に表示することで、指導者は、より詳細に受講者の習熟度と瞑想への到達度を把握できるようになる。
【0021】
また、本発明は、機械学習モデルを備えることにより、効率的な受講者へのヨガ等の指導方法、指導時期等の設定が可能となり、さらに受講者の特性、ヨガ実施時の姿勢、行動等の属性情報から予測される怪我や病気のリスクを精度よく推測することができる。
【0022】
また、本発明は、受講者の表情を指標化することにより瞑想状態への到達度合をスコアリングすることができ、リアルタイムに受講者の心身の状況を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】本発明指導システムのマット状部材を示す斜視図
【
図3】本発明指導システムの指導者端末の構成を示す模式図
【
図4】本発明指導システムの受講者端末の構成を示す模式図
【
図5】本発明指導システムのイヤフォンの構成を示す模式図
【
図7】本発明指導システムの他の構成におけるマット状部材を示す斜視図
【
図8】本発明指導システムの他の構成における指導者端末を示す模式図
【
図9】本発明指導システムの他の構成における受講者端末を示す模式図
【
図10】本発明指導システム及び他の構成におけるマット状部材を示す全体図
【
図11】本発明指導システム及び他の構成におけるマット状部材の詳細を示す断面図
【
図12】本発明指導システム及び他の構成におけるマット状部材の別の態様を示す全体図
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明指導システムの実施形態例について、図面を参照しつつ、詳細な説明をする。なお、本実施例では、ヨガ指導を例に説明するが、モデルの立ち位置やポージングの指導、舞踊の指導、あるいは理学療法的なリハビリ指導など、特にヨガに限定されるものではなく、受講者の姿勢に関するさまざまなレッスン指導に適用可能であり、本発明の技術的範囲をヨガ指導に限定する趣旨ではない。
【実施例0025】
図1は、本発明指導システムの構成全体を表す模式図であり、インターネットを介して接続されたサーバー・コンピューターSV、指導者端末Ti、受講者端末Csを有してなるものである。
【0026】
本実施例において指導者端末Tiは、通信部TRi、メモリーMi、ストレージSi、撮像装置CMi、画像表示部Di、演算部Ciを備え、
図1に示すとおり、たとえば指導者がヨガのお手本を実演する場所に設置されたルーターとWIFI、bluetooth(登録商標。以下同じ。)等によって無線接続され、サーバー・コンピューターSV等との間で様々な情報を送受信することができる。
【0027】
同様に、受講者端末Csは、通信部TRs、メモリーMs、ストレージSs、撮像装置CMs、画像表示部Ds、演算部Csを備え、
図1に示すとおり、たとえば受講者がヨガ指導を受ける部屋に設置されたルーターとWIFI、bluetooth等によって無線接続され、サーバー・コンピューターSV等との間で情報を送受信することができる。
【0028】
サーバー・コンピューターSVは、図示しない通信部、メモリー、ストレージ、演算部を備え、当該演算部は、比較演算部、画像生成部を具備している。
【0029】
指導者端末Ti及び受講者端末Csは、それぞれ本発明ヨガ指導システムに用いるマットMに備わる通信部TRmを介して、当該マットMと無線により接続され、各端末との間で相互に情報を送受信する。
【0030】
マットMは、
図2に示すように略長方形からなるヨガマットであって、内部に荷重を計測するためのセンサーが配設されている。
【0031】
当該センサーの構成としては、例えば、マットMの内部に導電性織物22を介挿し、
図2の要部拡大図に示すように、第1の方向に延びる導電糸による第1の導電領域23、第1の方向に延びる絶縁糸による第1の絶縁領域24、第2の方向に延びる導電糸による第2の導電領域25、第2の方向に延びる絶縁糸による第2の絶縁領域26をそれぞれ構成し、第1の導電領域23と第2の導電領域25の交差部分であるセル27を荷重センサーとして機能させることが考えられるがこれに限らない。
【0032】
第1の導電領域23と第2の導電領域25の交差部分であるセル27は、縦方向と横方向の導電糸が近接し、セル27に荷重が加わった際には、他の領域に荷重が加わった場合と比べて静電容量の変化に基づき、各セル27への荷重を検出する。
【0033】
導電糸による布状センサーは、金属等の導電性の素材と比較して軽量で、屈曲性に優れ、断線寿命が長い等の利点があり、ヨガマット用のセンサーとして好ましい。
【0034】
マットMは、各セル27における静電容量の変化を検出する検出回路(図示せず)を備え、セルの位置とこれに対応する荷重データを通信部TRmからサーバー・コンピューターSVに送信する。
【0035】
なお、センサーは、ヨガ指導受講者の重心状況を把握することができればどのような構成であってもよく、複数の独立した圧力センサーが配設されることも任意である。
【0036】
マットMは、部材として布状センサーM1とクッション等の弾性を有する素材M2を含む。布状センサーをクッション等素材で覆うことにより、布状センサーの耐久性が向上するとともに、マットMの使用感や衝撃吸収性が向上するため、好ましい。
【0037】
マットMは、布状センサーM1を内部に備え、クッション等素材M2によって表面及び裏面を被覆され、布状センサーをクッション等素材で挟むように構成することにより、受講者による圧力や床との摩擦による損傷から布センサーを保護することができる。
【0038】
布状センサーM1の表面又は裏面のいずれか一方にクッション等素材M2を配置する場合においても、布状センサーを保護できることはいうまでもない。
【0039】
また、受講者はイヤフォンEsを自己の耳に装着しており、当該イヤフォンEsは、装着中、受講者の外耳道表面の皮膚と密着していることから、体温、発汗、心拍数などの生体情報を安定的に測定できるという長所があり、心電図機能をもつ腕時計型端末などと比較しても動的ノイズが少なく、データ取得の信頼性と簡便性に優れている。
【0040】
イヤフォンEsは、通常のイヤフォンに備わるスピーカーSeに加え、メモリーMe、バッテリー、通信部TRe、マイクMCe、感温部THe、レーザー光を照射可能な照射部IRe、圧力トランスデューサーPTeを有してなる。
【0041】
照射部IReは、イヤフォン開口部から受講者の外耳道表面の皮膚に向けて、例えば波長850nm程度の微弱なレーザー光を照射し、皮膚組織と血球からの散乱光をフォトダイオード(図示せず)で受光するとともに、その周波数スペクトルを解析することで血流量を測定することができる。
【0042】
皮膚組織における毛細血管の血流は、自律神経によってコントロールされており、深部体温、ストレス等の影響によって変化するところ、照射部IReは、いわゆるレーザー・ドップラー法原理に基づき、受講者身体にレーザー光を照射して、その散乱光から皮膚毛細血管における血球の量×速度を算出することで血流量を測定することができる。
【0043】
イヤフォンEsにおける照射部IReは、非侵襲連続的測定、体動ノイズフリー、かつ、ウェアラブルに構成可能であることから、本発明ヨガ指導システムに適用して極めて好適である。もっとも、手首に装着したデバイスの皮膚接触面に内蔵した光学式心拍センサーからLED光等を照射し、血流によって反射される散乱光の量を測定することで血流量を測定するなどの構成ももちろん可能である。
【0044】
また、感温部THeは、受講者の外耳道表面の皮膚に接して、その温度を測定することができる。受講者の外耳道表面の皮膚から放出される赤外線を感知してその温度を計測するなど、感温部THeを非接触型に構成できることはいうまでもない。
【0045】
さらに、イヤフォンEsに備わる圧力トランスデューサーPTeは、イヤフォン開口部と受講者の外耳道によって形成される空間内部の微弱な圧力変化を検知し、受講者の呼吸音、心拍音などの生体情報を取得する。イヤフォンEsは、例えばシリコン製のイヤーキャップなどを装着することで、受講者の外耳道内に密着できるように構成するのがより望ましい。外耳道を密閉し、鼓膜及び外耳道から発生する微小な圧力変化を測定することによって、2~20ヘルツの外耳道内心圧信号として心拍数を得ることができる。
【0046】
圧力トランスデューサーPTeで収集された音声データは、フィルタリング処理され、受講者の発言、呼吸音、心拍音に分けて分離することが可能である。例えば、外耳道に設置した圧力トランスデューサーを用いて呼吸音、心拍圧、音声の周波数に対する相対的な音圧レベルを測定するとき、呼吸音は0.2~2ヘルツの範囲のノイズ信号として、心拍圧は2~20ヘルツの範囲の心圧信号として外耳道で取得可能である。イヤフォン式圧力トランスデューサーは、直径16mmダイアフラム型ダイナミックイヤフォン型を基本とし、磁気回路の強化、コイル巻き回数、ダイアフラムの共振周波数等を最適化することにより、外耳道の圧力変化に対して、約-100~-90dBVの変換電圧を得ることができる。このとき、AD変換データの有効ビット数を22ビット以上確保することでデジタル信号処理時のノイズに起因した計算誤差は低減可能となる。
【0047】
イヤフォンEsによって収集された受講者の声、血流量、体温、呼吸音、心拍音等の生体情報は、通信部TReからWIFI、bluetooth等経由で受講者端末Csに送信され、これを受信した受講者端末Csからインターネットを介してサーバー・コンピューターSVに送信される。
【0048】
サーバー・コンピューターSVに備わる演算部は、通信部で受信したマットM上のセルの位置情報とこれに対応する荷重データに基づき、画像生成部において受講者のマット状部材Mに対する圧力分布図を作成すると同時に、当該圧力分布図に係る画像データを指導者端末Tiへ送信する。
【0049】
さらに、当該演算部は、受信した受講者の生体情報とそのフィルタリング処理によって得られた各音声データに基づき、画像生成部において体温や単位時間当たりの血流量、呼吸数、心拍数の推移をグラフ化した画像を生成するとともに、これを受講者の声に係る音声データを併せて指導者端末Tiへ送信する。なお、これらの画像データと音声データは、任意のサンプリングレートによって取得・生成され、かつ、いずれも同期している
【0050】
サーバー・コンピューターSVから当該画像データ及び音声データを受信した指導者端末Tiは、画像表示部Diにおいて当該画像を表示するとともに、指導者が装着しているイヤフォンEiに音声データを送信する。
【0051】
指導者端末Ti及びイヤフォンEiを通してこれらの情報に接した指導者は、受講者の身体がどのような状況にあるかをリアルタイムで把握でき、逆に当該イヤフォンEiに備わるマイクMCiから、受講者端末Csを通じて、受講者のイヤフォンEsへ向け、即時に必要かつ適切なアドバイスを送ることができる。
【0052】
サーバー・コンピューターSVの演算部は、受講者の使用するマットMからの情報により得られる重心位置と指導者の使用するマットMからの情報に基づく重心位置とを比較演算部において比較し、その差分が所定の値に達したときは、各端末において、アラート表示を行い又はプリセットされたアラート音を再生させる指令を出すよう構成することも可能である。
【0053】
本発明の指導システムにおけるサーバー・コンピューターSVは、指標化すべき指標化項目を取得する指標化項目取得手段と、受講者が保有する受講者保有項目を取得する受講者保有項目取得手段と、前記受講者保有項目取得手段が取得した前記受講者保有項目と、特定若しくは不特定の者の属性を反映させたソースデータのソースデータ項目とを対応させる項目対応手段と、前記受講者保有項目と対応する前記ソースデータ項目を入力データとして機械学習させた機械学習モデルと、前記指標化項目の内容に応じて、前記機械学習モデルを用いて前記受講者保有項目を分類し、分類項目を作成する分類項目作成手段と、前記分類項目作成手段が作成した前記分類項目に対し所定の規則に基づいてスコアを付与するスコア付与手段とを備えている。
【0054】
本発明における指標化項目取得手段は、例えば、「本レッスンにおいて対象受講者が下半身(特に膝、足首)を損傷するリスク」などといった、受講者へヨガを指導する指導方法に関連して把握すべき指標化項目を設定・取得する。受講者保有項目取得手段は、受講者から属性としての性別、年齢、身長、体重、体温、血圧、血流量、過去の病気・怪我の履歴、ヨガの経験値、ヨガのレベル等の受講者保有項目を取得する。そして、項目対応手段が受講者保有項目とソースデータ項目とを対応させることで両項目の紐付けが行われるとともに、必要に応じて分類項目作成手段は指標化項目に応じて受講者保有項目を分類して分類項目を作成する。
【0055】
スコア付与手段は、所定の規則に基づいて受講者保有項目や分類項目に対してスコアを付与するので、指標化項目のスコアが高いとされる類項目、指標化項目のスコアが低いとされる項目を区別することができる。これらの項目から当該レッスンにおいて特別な指導対象となる潜在受講者(例えば、本レッスンにおいて対象受講者が下半身(特に膝、足首)を損傷するリスクがある受講者)を精度良く推定することができる。
【0056】
具体的には、サーバー・コンピューターSVでは、受講者保有項目と対応するソースデータ項目(特定若しくは不特定の者の性別、年齢、身長、体重、体温、血圧、血流量、過去の病気・怪我の履歴、ヨガの経験値、ヨガのレベルの何れかが反映されたソースデータから得られる情報)を入力して機械学習モデルが作成される。これにより、新たに指標化項目と受講者保有項目とが入力されたとき、分類項目等の作成とスコアの付与を行うことができる。
【0057】
前記項目対応手段は、前記受講者保有項目と前記ソースデータ項目の内容が概念的に重複する場合に、上位概念の項目に揃えるように調整してもよい。
【0058】
この構成によれば、項目対応手段が受講者保有項目とソースデータ項目とを対比し、必要であれば項目を調整することで、受講者保有項目とソースデータ項目とが紐付けされる。両項目が一致しないが概念的に重複する場合、項目対応手段が上位概念の項目に揃えて調整するので、調整された項目と指標化項目との関係から分類項目を作成することができる。
【0059】
また、前記スコア付与手段は、受講者全体から基準値を算出し、当該基準値に対する前記各項目の数値から前記スコアを算出することができる。
【0060】
この構成によれば、スコア付与手段は、受講者全体を対象とした基準値に対して、各項目の数値がどの程度大きいか又は小さいかの観点でスコアを算出する。このため、各項目に相対的なスコアを付与することができる。たとえば、各受講者保有項目からヨガレッスン中の下半身の負傷事故は女性よりも男性に多く発生しているといった統計があるときは、「本レッスンにおいて対象受講者が下半身(特に膝、足首)を損傷するリスク」という指標化項目との関係では、「男性」の方がより高くスコアリングされることとなる。また、過去に足首を負傷したことがある者はそうでない者と比較して、よりレッスン中に下半身の負傷事故を起こしやすいといった統計があるときも、「本レッスンにおいて対象受講者が下半身(特に膝、足首)を損傷するリスク」という指標化項目との関係では、「過去に足首を負傷したことがある」との項目はより高くスコアリングされることとなる。
【0061】
そして、受講者判定手段により、それぞれの前記項目に付与された前記スコアが予め定めた閾値を超えた場合に潜在受講者と判別する受講者判定手段を備えることが好ましい。
【0062】
かかる構成によれば、受講者判定手段は、各分類項目のスコアが閾値を超えた場合には、指標化項目に関する潜在受講者に該当すると判断する。これにより、受講者の属性に関する情報から予測されるレッスン中の怪我や病気のリスクを推測することができる。
【0063】
指導者は受講者データベースを閲覧することにより、受講者リストの受講者情報として「性別」、「年代」、「ヨガの経験値」、「ヨガ実施時の姿勢、行動」、「ヨガの習熟度」、「怪我、病気等の履歴」を保有している。一方で、「本レッスンにおいて対象受講者が下半身(特に膝、足首)を損傷するリスク」については把握していない。
【0064】
このような場合、指導者は、「本レッスンにおいて対象受講者が下半身(特に膝、足首)を損傷するリスク」という指標化すべき指標化項目と、「性別」、「年代」、「ヨガの経験値」、「ヨガ実施時の姿勢、行動」、「ヨガの習熟度」、「怪我、病気等の履歴」の受講者保有項目とを装置端末へ入力する。
【0065】
指標化項目及び受講者保有項目が入力されると、サーバー・コンピューターSVは、必要に応じて受講者保有項目を分類しながら、項目毎にスコアを付与する。
【0066】
サーバー・コンピューターSVは、受講者全体を対象とした項目ごとの基準値を算出して、当該基準値に対する各項目の数値からスコアリングしていく(相対評価)。
【0067】
サーバー・コンピューターSVは、これらのスコアを適宜組み合わせてなる値に基づいて「○」又は「×」の評価を行う。「○」は潜在受講者であることを意味し、値が予め定めた閾値を超えた場合(又は閾値以上となった場合)に「○」を付与する。これによって、指標化項目及び受講者保有項目を入力することで、潜在受講者への該当性を判断する。
【0068】
また、これによって、指導者は、指標化項目に関する値が不明な受講者の中から「本レッスンにおいて対象受講者が下半身(特に膝、足首)を損傷するリスク」が高い受講者(潜在受講者)を精度よく予測し、当該受講者に対して、たとえ当該受講者のことを知らない指導者であったとしても、レッスン中の怪我を予防する講習プログラムを準備することができるようになる。
【0069】
指標化項目を「腰のストレッチによる怪我やその経験」や「首のストレッチによる怪我やその経験」等に設定した場合においても、受講者保有項目の設定、項目対応手段による各項目の紐づけ、分類項目作成手段によるカテゴライズ、スコア付与手段によるスコアリングを実施することにより、さまざまな部位で怪我の発生する可能性が高い値を示す潜在受講者を判別し、腰や首などをはじめ、怪我の発生が予測される受講者に対して適切な講習プログラムを設定することができる。
【0070】
上記のような手順に従って入力された各種データの蓄積と算出された値の正誤に関する情報のフィードバックによって、サーバー・コンピューターSVによる指標化項目に係る判断の正確性はさらに向上していくことになる。
【0071】
前記サーバー・コンピューターSVは、前記受講者端末Csに備わる撮像装置CMsによって撮影された受講者の表情に係る画像データを前記通信部TRmから受信するとともに、当該画像データの所定の箇所における変化量を適宜のタイミングで計測することにより受講者の表情の変化を把握し、当該変化量に基づくスコアを付与する表情スコア付与手段を備えることにより、恍惚、快楽、高揚、疲労、苦痛、消沈等の受講者の表情の変化を把握してこれを数値化し、受講者の瞑想状態への到達度合についての指標とすることが可能となる。また、前記サーバー・コンピューターSVは、あらかじめ明るい表情、暗い表情、険しい表情、無表情等の各表情に通有する一般的な特徴に係る情報を格納しておくとともに、現在の受講者の表情がそれらのどのカテゴリーに属するかを分類し、当該各分類に基づいてスコアリングする構成をとることも可能である。
【0072】
本発明の表情スコア付与手段は、受講者端末の撮像装置で撮影した受講者の表情について、レッスンに集中して瞑想状態に近い状態の表情を10点、レッスンに集中できていない状態を5点、眉間にしわが寄りケガの危険性が生じているような状態を0点とするなど、たとえば10段階評価とすることで随時スコアリングしていく。
【0073】
ここで、受講者は評価対象の受講者、レッスン中の受講者に限らず、それ以外の受講者やヨガのレッスンを受ける一般の受講者を対象としてその表情の特徴から共通する部分について、当該受講者の表情とスコアとを関連付けて学習させてもよい。
【0074】
本発明のスコア判定手段は、受講者の画像データから抽出した表情の特徴(目の開き具合、口角の上がり具合、眉毛の角度など)に基づいて表情のカテゴリーを判断し、それに付与されたスコアを当該受講者の表情スコアとして判定する。
【0075】
指導者は、指導者端末Tiの画像表示部Diへ表示された受講者の表情スコアを加味して、レッスン中の受講者の瞑想状態をより正確に把握することができる。
当該センサーの構成としては、例えば、実施例1と同様に、マットMの内部に導電性織物22を介挿し、第1の方向に延びる導電糸による第1の導電領域23、第1の方向に延びる絶縁糸による第1の絶縁領域24、第2の方向に延びる導電糸による第2の導電領域25、第2の方向に延びる絶縁糸による第2の絶縁領域26から構成され、第1の導電領域23と第2の導電領域25の交差部分であるセル27を荷重センサーとして機能させる。
マットMは、さらに各セル27における静電容量の変化を検出する検出回路を備え、通信部TRmからルーターを介しWIFI、bluetooth等によって無線接続され、サーバー・コンピューターSVに対しマットM上のセルの位置情報とこれに対応する荷重データを送信する。
なお、かかるセンサーは、ヨガ指導受講者の重心状況を把握することができればどのような構成であってもよく、複数の独立した圧力センサーが配設されることも任意である。
サーバー・コンピューターSVに備わる演算部は、通信部から受信したマットM上のセルの位置情報とこれに対応する荷重データに基づき、画像生成部において、受講者のマット状部材Mに対する圧力分布図を作成すると同時に、当該圧力分布図に係る画像データを指導者端末Tiへ送信する。
指導者端末Tiを通してこれらの情報に接した指導者は、受講者の身体がどのような状況にあるかをリアルタイムで把握し、受講者端末Csに向けて、即時に必要かつ適切なアドバイスを送ることができる。
サーバー・コンピューターSVの演算部は、受講者の使用するマットMからの情報に基づいて得られる重心位置と指導者の使用するマットMからの情報に基づく重心位置とを比較演算部において比較し、その差分が所定の値に達したときは、各端末において、アラート表示を行い、又はプリセットされたアラート音を再生させる指令を出すよう構成することも可能である。