(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029331
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】手押し3輪車
(51)【国際特許分類】
B62B 3/12 20060101AFI20230224BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20230224BHJP
B62B 5/04 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
B62B3/12
B62B3/02 G
B62B5/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022141061
(22)【出願日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2021154853
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】597142882
【氏名又は名称】阿▲蘓▼ 武
(72)【発明者】
【氏名】阿▲蘓▼ 武
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA12
3D050AA21
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE14
3D050FF02
3D050FF05
3D050JJ02
3D050JJ07
(57)【要約】
【課題】一輪車を3輪車に改良して、高齢者、足腰に不安のある人々の様々な運搬が負担とならず安心安全に、又楽に運搬することができる運搬車を提供する。
【解決手段】 一輪車本体荷台下部のパイプで構成される二双のU字型パイプスタンドの手押し一輪車本体取り付け部から、下方に任意の長さで前記パイプスタンドを規定された長さで切断したことで、前記本体より下方に延びることとなる2本のパイプを自在車輪装着部として一対構成し、前記自在車輪は、前記2本のパイプで形成された形に対応する自在車輪設置本体を設け、前記鉄板最下部に地面と水平に自在車輪装着板を溶接固着し、前記自在車輪装着板の反対側に前記自在車輪を構成し、後部車輪を左右二双構成して一輪車を手押し3輪車としたことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手押し一輪車を利用した3輪車であって、一輪車本体ハンドル部二対の下方にパイプで構成される二対のU字型パイプスタンドの一輪車前記本体ハンドル部から、下方に任意の長さで前記パイプスタンドを規定された長さで切断したことで、前記本体ハンドル部より下方に延びる2本のパイプとなった前記パイプスタンドを自在車輪装着部として前記ハンドル部に二対構成し、前記自在車輪は、前記2本のパイプで形成された略台形に、対応する鉄板を設け、前記鉄板最下部に地面と水平に自在車輪装着板を溶接固着し、前記自在車輪装着板の反対側に前記自在車輪を構成し、後部車輪を左右二対構成して一輪車を3輪車としたことを特徴とする手押し3輪車。
【請求項2】
前記記載の一輪車本体ハンドル部より下方に延びる1対の前記2本のパイプを変更して、前記一対の本体ハンドル部より下方に地面に対して2本のパイプを略垂直に一対を形成して自在車輪取り付け部として自在車輪設置本体を地面に対して水平に構成し、自在車輪設置個所を少なくとも2箇所以上設け、取り付け部形成自在車輪は前記自在車輪設置個所を選択することができることを特徴とした請求項1記載の手押し3輪車。
【請求項3】
前記取り付け部形成自在車輪を構成したハンドル部(6)の強度を増すため、前記記載の一輪車本体ハンドル部より下方に延びる二対の前記2本の略垂直パイプ(5a)を連結する上部補強パイプ(5c)と、二対の前記自在車輪設置本体保持部(35)後方を連結する下部補強パイプ(5d)と、前記自在車輪設置本体保持部(35)前方を連結する前部補強パイプ(5e)と、持つことを特徴とする請求項1、請求項2記載の手押し3輪車。
【請求項4】
腰痛等、障害の重症度によって、又、走行地面の状況により、取り付け部形成自在車輪は前記自在車輪設置個所を選択することができることを特徴とした請求項1乃至請求項3記載の手押し3輪車。
【請求項5】
駐車ブレーキパッドは、パッド保持具と圧縮スプリングと連結され、スプリングカバー内を貫通構成して、前輪タイヤ中心より略上方の前輪タイヤ巾中央部分に押し圧して前輪タイヤを抑止する工程の駐車ブレーキ装置を持つことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の手押し3輪車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、家庭用、特に地方で使用されるごみ出し用、菜園材料、それら、軽量物運搬に使用する際でも、高齢者、足、腰に不安を抱えている人が楽に移動可能とした三輪、四輪に係る歩行型手押し運搬車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手押し運搬車には、一輪、二輪車さらには、ショッピングカート、シルバーカー等が紹介されている。その中で、フレームで構成された台車本体の前部に車輪、取っての中間、荷台が形成され、荷台後方下部に固定式のU字型スタンドが形成され、フレーム本体後部から伸びた、取って二本にはグリップが形成され、そのグリップ二本を持ち上げ、運搬する、一輪車の別名ねこ車、及び二輪車がある。しかしながら、荷台荷重が、支点となる前輪と、力点となる、グリップ部に略1/2が持つ手に支持されるが、一輪の不安定感と共に、掛かる重量が高齢者等には負担となり、一輪車の転倒、荷崩れ、運搬者の転倒等が起こる恐れがあるため使用ことを避けるので、倉庫に置きざらしとなって、菜園材料、特に地方で、遠方のごみ集積所等の運搬に高齢者が難儀している現状が有る。又工事現場でねこ足場を運搬する形態も無く、一輪車の利用が極端に少なくなりねこ車復活の源になり得る。
【0003】
また、出願人は、宅地とは離れた水道の無い施設に魚類の水槽を設置しているため、足腰に不安を抱えていながらも頻繁に水を運搬しなければならず、重量等に、又、水の水平運搬に難儀しているため安定性を確保する運搬車が必要となり、様々な運搬車を検索したが、多様性の運搬機能を持つ運搬車が発見されず、地方ではさらに流動性のあるゴミ(側溝掃除)、あるいは剪定された枝、刈り取られた草等を足腰に負担を掛けることなく楽に運搬することができる高齢者用運搬車が必要となっている。
【0004】
このような問題を解決するために、公開実用新案登録昭和54-109867(特許文献1)に示すような一輪車に形成された、U字型のスタンド最下部双方に小型車輪を設ける3輪車が提案されている。この特許文献1に開示された3輪車は、荷台の支柱(スタンド)下端に小型タイヤを回転自在に取り付け、前輪タイヤの底面と水平となした老人向き手押し三輪車として開示されている。さらに、ネットでは動力式3輪運搬車(参考文献1)が開示されている。プロ使用であり、労働安全衛生規則により車両系荷役運搬機械等の構内運搬車に該当し、公道では走行することはできないため、本発明の課題解決の分類に入らないと思われるので参考文献とした。
【0005】
特許文献1に記載された構成は、本発明のような発想後、開発初期に到達するものであり、インターネットにも飼料手押し運搬車スタンド下部に取り付けられた車輪が開示されている。又、回転自在の車輪は双方とも直進用で、(昭和54年当時は自在車輪、自在キャスター等が開示されていないのだろうか)これらは車体のスムーズな旋回、小型タイヤであるため地方の畑等の悪路には対応できないと思われる。
【特許文献1】公開実用 昭和54-109867
【参考文献1】
株式会社マキタ 充電式運搬車CU180DZ
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、開発初期に[特許文献1]と同様にスタンド下部に数種類の車輪を設置して試作を試みたが、車輪の直径の判断や、グリップの高さ、荷台の傾斜を取るのが難しく荷台の水運搬容器の水平が取れず、又、畑等の悪路での資材の運搬を鑑みると、後部に設置する車輪も前輪と略同等な設置圧を持つ必要があることが分かり。又、3輪車としての旋回時に自在車輪を設置すると、該車輪自体の旋回範囲にあるスタンドが障害となり自由な旋回を妨げる問題点があった。
又、[参考文献1]は本体が略45kgと重く、充電が必要であり、又、エンジンである場合それらを一時的にも失った場合移動が不可能となり、又公道を利用する時は[参考文献1]の車両は労働安全衛生規則により公道自動走行は禁止されており、手押しで移動しなければならない問題点がある。さらに、価格が高額であり、ゴミだし用袋一つを運ぶには経費等が掛りすぎる問題点があった。本発明の課題は、安心安全に高齢者等の人々が様々な運搬を可能とするために安価に、又、腰痛等の重体度に応じて自在車輪の位置変更によってより柔軟な運搬体系を作り出す新たな手押し3輪運搬車を提供するものである。
【発明を解決するための手段】
【0007】
(1)一輪車の機能を継続しながら3輪車にするためには、有一の障害はスタンドの在りかたである。つまり、該一輪前車輪と略同等の接地圧を持つ車輪を双方スタンド部に設置して3輪車とするものであるから後部車輪の周囲空間を広く確保の必要があるため、請求項1の記載では、一輪車制作の段階で本体パイプフレームハンドル部下方にから構成されたU字スタンド部を任意の長さで切断して、2本のパイプスタンドフレーム(以下フレーム)とした。双方にスタンド形成する2本のフレーム間隔は、上部は広く下方に狭い形であり、それに対応する逆台形の鋼板でフレームを覆うように両フレームに補強を兼ねる形でビス止め、あるいは溶着し、スタンド補強板を構成し下部には2本のフレームの最下部に当接する自在車輪装着鉄板を溶着、あるいは、逆台形の下部を任意の角度で折り曲げたものに、自在車輪を構成する、新たに形成した当該自在車輪の自在駆動部を水平に装着するもので、一輪車本体の傾斜、及び、取ってグリップの地上高は、水運搬容器内の略水平を保つ時の歩行時の地上高さとして設定し、フレームと自在車輪で高さ調整した手押し3輪車である。
(2)前記記載の一輪車本体ハンドル部より下方に延びる二対の前記2本のパイプは、地面に対した傾斜した形であるので、自在車輪設置本体を構成する際、ボルト貫通孔の形成時の位置等に難航するためハンドル部から下方に二対の前期2本のパイプを地面に対して略垂直に形成して自在車輪設置本体の取り付けを簡素化して、自在車輪設置個所を少なくとも2箇所以上設け、取り付け部形成自在車輪は前記自在車輪設置個所を複数選択することができることを特徴とした手押し3輪車。
(3)前記取り付け部形成自在車輪を構成したハンドル部6の強度を増すため、前記記載の一輪車本体ハンドル部より下方に延びる二対の前記2本のパイプ5aを連結する上部補強パイプ5cと、二対の前記自在車輪設置本体保持部35後方を連結する下部補強パイプ5dと、前記自在車輪設置本体保持部35前方を連結する前部補強パイプ5eと、持つことを特徴とする手押し3輪車。
(4)腰痛等障害の重症度によってハンドル部取ってに掛ける体重がそれぞれ違う、又、走行地面の状況が砂利道等により押す負担増のとき、取り付け部形成自在車輪は前記自在車輪設置個所を選択することができることを特徴とした手押し3輪車
(5)日本は坂道多く、一輪車を3輪としたことで3輪車自体が自由移動して制御不能となる恐れがあるためブレーキが必須となる。そのため次の駐車装置を構成した。前輪タイヤに対する駐車ブレーキパッドは、パッド保持具と圧縮スプリングと連結され、スプリングカバー内を貫通構成して、前輪タイヤ中心より略上方の前輪タイヤ巾中央部分に押し圧して前輪タイヤを抑止する工程の駐車ブレーキ装置を持つ手押し3輪車。
(6)3輪車に改造した場合、本体の傾斜、高さ、及びグリップの高さが問題となるが、水運搬用器の水平を目的とすると、水運搬時の本体の傾斜はグリップの高さに規定され、又積載された水用器の水面が水平に保持する様に常に本体の形態であることは、今後の様々な運搬材料が最大限に搭載可能となる手押し3輪車。
【発明の効果】
【0008】
▲1▼3輪車となったために、前輪の荷重が少なくなり、小さな段差ながら越えられなかった場所、又、農道の砂利道、畑等の多少のぬかるみ(水分小)もスムーズに通過する、さらに水の運搬時には前輪の振動が半減することとなり、又容器の水は振れもないため安定して運搬することができる。
▲2▼一点旋回が可能となった。従来は前車輪を中心にグリップを持ったまま人が回らなければならなかったが後輪を支点にして前輪を持ち上げ、旋回することができる。又、前輪を中心に後輪のみで旋回可能となったため回転半径はホイールベースが短く、狭い場所で本体反転も苦にならない。
▲3▼従来の一輪車は必ず両手で支持しなければならないのが3輪となり安定し片手で運搬が可能となった。従来では考えられなかった雨傘を差して元一輪車で運搬することができる。
▲4▼従来の一輪車は、必ず両手で支持しなければ横転は避けられない。しかしながら、自在車輪が荷台後部に位置するため安定性が高くシルバーカーより体重を乗せながら移動することができるため、足腰の悪い高齢者でも自由に運搬を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一輪車を改良した後の荷台を除いたパイプフレームのみでの手押し3輪車の全体図である。
【
図2】スタンドフレームと自在車輪との結合説明図である。
【
図3】水運搬によって水運搬用器の水平を保ち、グリップの位置、荷台の高さの形態を決定する図である。
【
図4】工具を用いずスタンドフレームと自在車輪との結合する第2の方法図である。
【
図5】自在車輪設置本体に自在車輪設置をした手押し3輪車の側面模擬図である。
【
図6】3輪車ハンドル部及び自在車輪設置本体の強度を増す補強パイプの構成図である。
【
図7】自在車輪設置本体を構成する本体と、自在車輪と、双方を同時に略保持する連結ピン装置と、の関連図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて説明をする。
【実施例0011】
図1は、請求項1に掛かる荷台を除いたパイプフレーム全体図である。本発明は既存の一輪車の基本設計から主としてスタンド部を自在車輪に変更する工程を考察したものである。通常一輪車は軽量化を図るため、略25mmパイプで形成され、本発明の構成もパイプスタンド直径25mmに基づいている。
【0012】
前輪直径は350mm後輪となる自在車輪の直径は250mmで求めるものであれば前輪車輪と同等な物であることが望まれるが、現在自在車輪に付いて試作品より大なものが見当たらない。
【0013】
図1は既存一輪車の双方のパイプスタンドを任意の位置で切断し、自在車輪取り付けフレームB(以下スタンドフレーム)として、本体Aから下方に延びた二本で形成され、フレームBを覆うように鉄板で形成されたスタンド補強板1を取り付け該スタンド補強板はフレームBと同様に上部は広く,下部は狭い逆台形に形成される。スタンド補強板最下部には、地面と水平に鉄板で形成された自在車輪装着板2を溶着し、反対側下部に自在車輪3を取り付ける。
【0014】
自在車輪装着板2は横長で水平で、自在車輪2の取り付け箇所を選ぶことができ、前方に装着すると前輪タイヤ10との3点支持ホイールベースが短く設置圧が大きくなり重量物の運搬に適する。又、後方に装着の場合は、グリップ11、手押し補助12に対する人為的荷重が自在車輪に掛かるため人の重量を支える率が大きく安定した運搬が可能となる。
【0015】
さらに、安定したことで嵩張る剪定した庭木の枝、草等の積み込みでの荷崩れ等の抑止のため、本体Aの最前に荷崩れ防止枠13を形成して、さらに記載はないが前用のグリップ等を装着することで本体Aを前から押して逆方向運搬も可能となる。
【0016】
図2は、スタンドフレーム5に設置する自在車輪3の設置正面視模式図である。鉄板で形成されたスタンド補強板1と同じく自在車輪装着板2は一輪車の各メーカーの製造過程で規定されたスタンドフレーム5の角度に合わせ溶着されている。双方の鉄板は一輪車の積載荷重約80kgからして鉄板の厚さは略3,2mm有れば強度を保てる。さらにスタンド補強板1とフレーム5に貫通したボルト4で補強されている。この時、自在車輪装着板2は四方水平である。
【0017】
図3は、自在車輪を構成する場合、グリップの高さ(位置)が問題となるがここでは、荷台12に搭載した上面が解放された水用器20の水平を基準とした。つまり誰が運搬しようと水の水平とグリップの位置は変わらないからである。
図2で説明されなかった自在車輪取り付け板2は前後に長く自在車輪3の装着位置が選択でき、ホイールベース長短が可能となり、短くは重量物、長くは軽量で、かつ、嵩張る物等の運搬に適することができる。
留め具43はほぼ中央に構成されているが支持板保持具40の上部に位置する方法も着脱が容易である。一輪車の使用範囲は広く、積載板12には水分の多い瓦礫等の積載等、又、走行路が過酷な場合が有り自在車輪3の駆動部の破損等が考えられるので工具を用いず自在車輪3の着脱が容易であることが望ましい。