(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029334
(43)【公開日】2023-03-03
(54)【発明の名称】導電性光半導体コーティングの装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 1/16 20150101AFI20230224BHJP
G02B 1/11 20150101ALI20230224BHJP
H05K 3/06 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
G02B1/16
G02B1/11
H05K3/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022164542
(22)【出願日】2022-10-13
(62)【分割の表示】P 2017171840の分割
【原出願日】2017-09-07
(31)【優先権主張番号】15/259,370
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501348092
【氏名又は名称】グッドリッチ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・ディーン・シュワルツ
(57)【要約】
【課題】光学部品に関し、より詳細には広帯域光学部品のための導電性コーティングに関 する。
【解決手段】光学基板を透明な導電性コーティングで被覆する方法は、光学基板の表面上 に半導体コーティングを付着させるステップを含む。半導体コーティングは広帯域光透過 率を有する。溝は半導体コーティングに形成される。方法は、半導体コーティング上で被 覆し、溝をドープ半導体で充填するステップを含む。ドープ半導体は半導体コーティング から除去され、溝にドープ半導体を残す。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学基板の被覆方法であって、
光学基板の表面上で半導体コーティングを付着させるステップであって、前記半導体コーティングが広帯域光透過率を有する、半導体コーティングを付着させるステップと、
前記半導体コーティングに溝を形成するステップと、
前記半導体コーティングの上で被覆し、前記溝を導電性ドープ半導体で少なくとも部分 的に充填するステップと、
前記半導体コーティングから前記ドープ半導体の少なくとも一部を除去し、前記溝に前記ドープ半導体の少なくとも一部を残すステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
溝を形成するステップが、
前記半導体コーティング上でフォトレジストを塗布するステップと、
前記フォトレジストを選択的に露光し、前記フォトレジストをパターンで現像するステップと、
前記パターンで前記半導体コーティングをエッチングするステップと、
前記フォトレジストを除去して前記半導体コーティングの前記パターンに前記溝を残すステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターンがグリッドを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体コーティング及び前記溝の中の前記ドープ半導体の上に保護コーティングを塗布するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記保護コーティング上に広帯域反射防止コーティングを付着させるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記半導体コーティング及び前記溝の中の前記ドープ半導体の上に広帯域反射防止コーティングを付着させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溝を形成するステップが、化学エッチング、反応性イオンエッチング、またはイオンビームミリングの少なくとも1つを使用し、前記溝をエッチングすることを含む、請求 項1に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体コーティングがIn2O3またはZnOの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体コーティング上にドープ半導体で被覆するステップが、薄膜コーティングによって前記ドープ半導体を塗布することの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ドープ半導体が、Sn、Mo、W、Ti、Al、またはGaの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体コーティングが、少なくとも可視スペクトル及び赤外線スペクトルで広帯域光透過率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体コーティングを付着させるステップが、前記半導体コーティングが非ドープの状態で前記半導体コーティングを付着させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体コーティングからドープ半導体を除去するステップが、前記半導体コーティングに平面を形成するために研磨し、前記溝にドープ半導体を残すことを含む、請求項1 に記載の方法。
【請求項14】
半導体コーティングを付着させるステップが、前記光学基板の表面上に全体として前記半導体コーティングを付着させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
溝を形成し、前記溝に前記ドープ半導体を残すステップが、前記半導体コーティングの表面が全体としてパターンで覆われるように前記パターンを形成することを含む、請求項 1に記載の方法。
【請求項16】
前記パターンが、前記光学基板に電磁干渉(EMI)シールドを提供するように構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記ドープ半導体、前記半導体コーティング、及び前記光学基板が、前記光学基板をパターン化またはエッチングすることなく窓の中に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ドープ半導体及び前記半導体コーティングが光散乱を軽減するために厳密に適合した屈折率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
窓であって、
ドープ半導体で充填された溝を有する透明な半導体コーティングを有する透明な基板、 を備える、窓。
【請求項20】
光学基板の被覆方法であって、
光学基板の表面上にドープ半導体コーティングを付着させるステップであって、前記ドープ半導体コーティングが広帯域光透過率を有する、ドープ半導体コーティングを付着させるステップと、
前記ドープ半導体コーティングに溝を形成するステップと、
前記ドープ半導体コーティング上で被覆し、前記溝を非ドープ半導体で少なくとも部分的に充填するステップと、
前記ドープ半導体コーティングから前記非ドープ半導体の少なくとも一部を除去し、前記溝に前記非ドープ半導体の少なくとも一部を残すステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は光学部品に関し、より詳細には広帯域光学部品のための導電性コーティングに 関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学(EO)システムは、外部要素からセンサ及び電子機器を保護するために窓を 必要とする。また、雨、埃等に加えて、多くの場合、窓はその他EOシステム性能を妨げる電磁干渉(EMI)を遮断しなければならない。
【0003】
EMIシールドは、導電性且つ光学的に透明である窓を用いて達成できる。3つの従来 のタイプのシールドがある。
【0004】
第1のタイプのEMIシールド窓は、追加の電子を供給して電気伝導性を提供するため に、燐、アルシン、またはアンチモン等の第V族元素がドープされるケイ素またはゲルマニウム等の半導体材料を使用する。これらの窓は、可視波長に対しては不透明であり、し たがって広帯域EOシステムに対しては役に立たない。
【0005】
第2のタイプのシールド窓は連続的で透明な導電塗料を使用する。これらの塗料は、広 帯域光透過率を有する酸化インジウム(In2O3)及び酸化亜鉛(ZnO)等の広バンドギャップ半導体から成る。半導体は電気伝導性を提供するためにドープされる。しかし ながら、電気伝導性及びEMI減衰を高めるためにドーピングが増加するにつれ、光透過 率は減少する。この影響は、プラズマ反射率と電子からの自由キャリア吸収の両方が透過 率を減少させるより長い波長で始まる。従来の透明な導電性半導体コーティングは0.4 ~2.0ミクロンの範囲、短波長可視から短波長赤外線(SWIR)においてだけ実際的 である。
【0006】
第3のタイプのシールド窓は従来、可視赤外線から長波赤外線(LWIR)までの広帯 域用途に必要とされる。細かい金属線のグリッドが窓の表面に付けられる。典型的な寸法は、140ミクロンの間隔を有する幅5ミクロンの線である。これらのグリッド付き窓は 、広い波長範囲での光透過率を可能にするが、グリッド付き窓は曖昧化及び散乱によって光透過率を制限する。
【0007】
米国特許第9,276,034号は導電グリッドから光学散乱を削減するための方法を 提示する。窓基板の中に溝がエッチングされ、窓の表面が平面的となるように導電性の半導体が溝の中に付着される。半導体は可視赤外線及び短波長赤外線(SWIR)波長に対 しては透明であるが、中波長赤外線(MWIR)及びより長い波長に対しては反射性且つ 吸収性である。基板の屈折率に近い屈折率を有する半導体を使用することは、グリッド線 からの光散乱を最小限に抑える。
【0008】
従来の技法はその意図された目的にとっては満足が行くと見なされてきた。しかしながら、広帯域光学部品用の改善された導電性光学コーティングに対する必要性はつねに存在する。本開示はこの問題に解決策を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第9,276,034号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
光学基板を被覆する方法は、光学基板の表面に半導体コーティングを付着させることを含む。半導体コーティングは広帯域光透過率を有する。溝は半導体コーティングに形成される。方法は半導体コーティング上で被覆し、溝を導電性ドープ半導体で少なくとも部分的に充填することを含む。ドープ半導体は半導体コーティングから除去され、ドープ半導体の少なくとも一部を溝の中に残す。
【0011】
溝を形成することは、半導体コーティング上にフォトレジストを塗布することを含むことがある。フォトレジストは、パターンで選択的に露光し、現像することができる。半導体コーティングはパターンでエッチングできる。フォトレジストは除去し、半導体コーティング上のパターンに溝を残すことができる。溝を形成することは、化学エッチング、反応性イオンエッチング、またはイオンビームミリングの少なくとも1つを使用し、溝をエッチングすることを含むことがある。
【0012】
半導体コーティング上にドープ半導体を用いて被覆することは、薄膜コーティングによってドープ半導体を塗布することを含むことがある。パターンは、光学基板に電磁干渉( EMI)シールドを提供するように構成できる。パターンはグリッドを含むことがある。 半導体コーティングからドープ半導体を除去することは、溝の中の半導体コーティング及びドープ半導体に平面を形成するために研磨することを含むことがある。
【0013】
保護コーティングは、溝の中の半導体コーティング及びドープ半導体上に塗布できる。方法は、保護コーティング上に広帯域反射防止コーティングを付着させることを含むこと がある。方法が、溝の中の半導体コーティング及びドープ半導体上に、例えば直接的に広 帯域反射防止コーティングを付着させること含むことがあることも意図される。
【0014】
半導体コーティングは、In2O3またはZnOの少なくとも1つを含むことがある。ドープ半導体は、例えばIn2O3の場合Sn、Mo、W、もしくはTi、またはZnO の場合AlもしくはGaの少なくとも1つを含むことがある。非ドープ半導体コーティングは少なくとも可視の短波長から長波長赤外線(LWIR)スペクトルまで広帯域光透過率を有することがある。半導体コーティングを付着させることは、半導体コーティングが 非ドープの状態で半導体コーティングを付着させることを含むこともある。
【0015】
半導体コーティングを付着させることは、半導体コーティングを光学基板の表面で全体として付着させることを含むことがある。溝を形成し、溝の中にドープ半導体の少なくと も一部を残すことは、半導体コーティングの表面が全体としてパターンで覆われるように パターンを形成することを含むことがある。
【0016】
ドープ半導体、半導体コーティング、及び光学基板は光学基板をパターン化またはエッチングすることなく窓の中に形成できる。ドープ半導体及び半導体コーティングは光散乱を軽減するために厳密に適合した屈折率を有することがある。窓は、上述のプロセスの任 意の実施形態によって作り出すことができる。窓は、ドープ半導体で充填された溝を有する透明な半導体コーティングを有する透明な基板を含むことがある。
【0017】
本開示のシステム及び方法のこれらの特徴及び他の特徴は、図面と併せて解釈される好ましい実施形態の以下の発明を実施するための形態から当業者により容易に明らかになる。
【0018】
本開示が属する技術の当業者が、過度の実験なしに本開示の装置及び方法を作り、使用する方法を容易に理解するように、その好ましい実施形態は特定の図に関して本明細書で 以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】光学基板の表面上に付着される広帯域光透過率を有する半導体コーティング を示す、本開示に従って構築される光学部品の例示的な実施形態の概略断面立面図で ある。
【
図2】半導体コーティングのパターンで画定された溝を示す、
図1の光学部品の概 略断面立面図である。
【
図3】半導体コーティングで溝を作るためのプロセスを示す、本開示にかかるプロ セスの例示的な実施形態の流れ図である。
【
図4】半導体コーティングの上で及び溝の中で被覆されるドープ半導体を示す、図 1の光学部品の概略断面立面図である。
【
図5】半導体コーティングから除去されるが、溝の中に残っているドープ半導体を 示す、
図1の光学部品の概略断面立面図である。
【
図6】例示的なグリッドパターンを示す、
図1の光基板の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、同様の参照数字が本開示の類似した構造上の特徴または態様を識別する図面を参照する。制限ではなく、説明及び図解のため、本開示に係る光学部品の例示的な実施形 態の部分的な図が
図1に示され、概して参照文字100で示される。本開示に係る光学部 品の他の実施形態、またはその態様は、説明されるように
図2~
図6に提供される。本明 細書に説明されるシステム及び方法は、窓等の光学部品に導電性コーティングを提供する ために使用でき、コーティングは広帯域光透過率を有する。
【0021】
光学基板102を透明な導電性コーティングで被覆する方法は、光学基板102の表面上で半導体コーティング104を付着させることを含む。半導体コーティング104は広 帯域光透過率を有する。半導体コーティング104は、酸化インジウム(In
2O
3)または酸化亜鉛(ZnO)の少なくとも1つを含むことがある。当業者は、いずれか他の適切なタイプの半導体材料またはその合金を、本開示の範囲から逸脱することなく使用できることを容易に理解する。半導体コーティング104は、例えば、長波赤外線等の少なくとも可視スペクトル及び赤外線スペクトルで広帯域光透過率を有することがある。半導体 コーティング104を付着させることは、半導体コーティングが非ドープの状態で半導体 コーティングを付着させることを含むことがある。半導体コーティング104を付着させ ることは、例えば
図1で配置される光学基板102の上面等、光学基板102の表面上に全体として半導体コーティングを付着させることを含むことがある。
【0022】
図2に示されるように、溝105は半導体コーティング104で、
図6に示されるパターン108に形成される。
図3を参照すると、パターン108で溝105を形成することは
図3のボックス110で示されるように、半導体コーティング104の上にフォトレジ ストを塗布することを含むことがある。フォトレジストは、ボックス112で示されるようにパターン108で選択的に露光し、現像することができる。半導体コーティング104は、次いでボックス114で示されるように、パターン108でエッチングできる。フォトレジストは次いで、ボックス116で示されるように、半導体コーティング104上のパターン108に溝105を残すために除去できる。溝105を形成することは、化学 エッチング、反応性イオンエッチング、またはイオンビームミリングの少なくとも1つを 使用し、溝をエッチングすることを含むことがある。
【0023】
図4に示されるように、方法は半導体コーティング102上で被覆し、溝105をドープ半導体106で充填することを含む。半導体コーティング102上にドープ半導体106で被覆することは、薄膜コーティングによってドープ半導体106を塗布すること、または任意の他の適切なプロセスによってドープ半導体106を塗布することの少なくとも1つを含むことがある。ドープ半導体は、電気伝導性のためにSn、Mo、W、Ti、Al、Ga、または任意の他の適切な材料の少なくとも1つを含むことがある。例えば、半導体コーティング104が非ドープIn
2O
3を含む場合、ドープ半導体106は、Sn、Mo、W、またはTiがドープされたIn
2O
3を含むことがある。別の例では、半導体コーティング104が非ドープZnOを含む場合、ドープ半導体106はAlまたはGaがドープされたZnOを含むことがある。
【0024】
ここで
図5を参照すると、ドープ半導体106は半導体コーティング102から除去され、ドープ半導体106を溝105に残す。半導体コーティング104からドープ半導体 106を除去することは、
図5に示されるように、溝105の中の半導体コーティング1 04及びドープ半導体106に平面を形成するために研磨することを含む。これが、半導 体コーティング102のドープ半導体106の、
図6に示されるグリッドパターン108 を形成する。ドープ半導体は塗布時に導電性である場合、ドープ半導体は活性化される必 要はない。研磨は最終的な平面を提供するための技法の一例である。別の例は、パターン 化されたフォトレジスト上にドープ半導体で被覆し、次いで例えばフォトレジストを溶解させる等、除去することによってドープ半導体をリフトオフすることである。
【0025】
ここで
図6を参照すると、ドープ半導体106のパターン108は、例えば任意の適切なグリッドパターンで光学基板に電磁干渉(EMI)シールドを提供するように構成でき る。例えば、広帯域光学部品を、可視赤外線及び長波赤外線で光透過率を有するグリッド でEMIシールドするためには、グリッド線の間に140ミクロンの間隔がある5ミクロ ン幅の線を有する正方形のグリッドを使用できる。溝105を形成し、ドープ半導体106を溝105に残すことは、半導体コーティング104の表面が全体として
図6に示されるパターンで覆われるように、半導体コーティング104の表面にドープ半導体106を塗布することを含むことがある。
図6に示されるグリッドパターン108は概略であり、 必ずしも原寸に比例していない。
【0026】
再び
図5を参照すると、保護コーティング118は、半導体コーティング104及び溝105に留まるドープ半導体106の上に塗布できる。方法は、保護コーティング118 上に広帯域反射防止コーティング120を付着させることを含むことがある。広帯域反射 防止コーティング120は、例えば、保護コーティング118を省略して等、直接的に半 導体コーティング104及びドープ半導体106の上に塗布できることも意図される。単 一層として示されているが、広帯域反射防止コーティングは複数の層から成ることがある。
【0027】
ドープ半導体106、半導体コーティング104、及び光学基板102は、光学基板102自体をパターン化またはエッチングすることなく、EMIシールド、加熱等のための 導電性コーティングを有する、例えば窓等の光学部品100の中に形成できる。このこと は、それがどの材料が光学基板102に使用されるのに関わりなく、単一エッチングプロ セスを使用できるようにするので有利なことがある。ドープ半導体106及び半導体コー ティング104は、グリッドパターンを通る可視光及び近赤外線光の散乱を軽減するため に厳密に適合した屈折率を有する。ドープ半導体及び半導体コーティングの屈折率の比率 が0.82と1.22の間である場合、界面反射は法線入射時に1%未満となる。例えば 、632.8nmでのドープIn2O3及び非ドープIn2O3の屈折率は、それぞれ2.00及び1.77である。1.13の屈折率は0.37%にすぎない反射を生じさせる。
【0028】
当業者は、ドープ半導体及び非ドープ半導体の層の順序が、非ドープ半導体コーティングを最初に付着させ、その中に溝をエッチングし、溝にドープ半導体を付着させる例示的 な状況で上記に示され、説明されているが、逆にできることを容易に理解するだろう。この例では、光学基板102は、例えば低抵抗率を有するドープ半導体で覆われる。溝はドープ半導体コーティングでエッチングされ、導電グリッドパターンを残す。溝は広帯域光透過率を有する半導体で充填され、表面は上述されたように仕上げることができる。
【0029】
当業者は、本明細書に説明されるドープ半導体及び非ドープ半導体は、互いに関してドープされ、ドープされていないことを容易に理解するだろう。言い換えると、本明細書に説明されるドープ半導体は、本明細書に説明されるそれぞれの非ドープ半導体に対して強 化された電気伝導性を有するようにドープされる。本明細書に説明される非ドープ半導体 は、他のすべてのドーパントを含まない必要はない。
【0030】
上述され、図面に示された本開示の方法及びシステムは、広帯域光透過率を含む優れた特性の導電性コーティングを提供する。本開示の装置及び方法は好ましい実施形態に関して示され、説明されてきたが、当業者は、変更及び/または修正が本開示の範囲から逸脱することなく本開示に対して行われてよいことを容易に理解する。
【符号の説明】
【0031】
100 光学部品
102 光学基板
104 半導体コーティング
105 溝
106 ドープ半導体
108 パターン
118 保護コーティング
120 広帯域反射防止コーティング
【外国語明細書】