(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002961
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】電源供給走行台車
(51)【国際特許分類】
B62B 3/00 20060101AFI20221228BHJP
F03D 9/11 20160101ALI20221228BHJP
F03D 9/32 20160101ALI20221228BHJP
H02S 10/12 20140101ALI20221228BHJP
H02S 10/40 20140101ALI20221228BHJP
H02S 20/30 20140101ALI20221228BHJP
【FI】
B62B3/00 D
F03D9/11
F03D9/32
H02S10/12
H02S10/40
H02S20/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103835
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】521275574
【氏名又は名称】株式会社ボールプランニングイケダ
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】池田 榮
【テーマコード(参考)】
3D050
3H178
5F151
【Fターム(参考)】
3D050AA11
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG00
3D050HH01
3H178AA03
3H178AA36
3H178AA43
3H178AA62
3H178BB73
3H178BB77
3H178CC22
5F151BA05
5F151JA01
5F151JA13
5F151JA14
5F151JA28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】異なる自然エネルギーを使用して発電する二種類の発電装置を走行台車に簡単かつ短時間に取付けることができると共に、手動又は電動により、ソーラーパネルの角度を変更させ、1日当たりの発電量を増やす。
【解決手段】第1支柱5を介して太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するソーラーパネル6を有する太陽光発電装置Xと、水平支持台2に第1支柱又は該第1支柱とは別個の第2支柱25のいずれかを介して設けられ風力を電気エネルギーに変換する発電機27を有する風力発電装置Yと、太陽光発電装置に第1配線を介して接続されかつ該太陽光発電装置が発電した第1電力を制御する第1充電制御部と、風力発電装置に第2配線を介して接続されかつ該風力発電装置が発電した第2電力を制御する第2充電制御部と、第1充電制御部及び第2充電制御部にそれぞれ電気的に接続して電気を蓄積する蓄電装置10を設けた電源供給走行台車。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走行車輪を有する水平支持台に第1支柱を介して設けられ、かつ、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するソーラーパネルを有する太陽光発電装置と、
前記水平支持台に前記第1支柱又は該第1支柱とは別個の第2支柱のいずれかを介して設けられ、かつ、風力を電気エネルギーに変換する発電機を有する風力発電装置と、
前記太陽光発電装置に第1配線を介して接続され、かつ、該太陽光発電装置が発電した第1電力を制御する第1充電制御部と、一方、前記風力発電装置に第2配線を介して接続され、かつ、該風力発電装置が発電した第2電力を制御する第2充電制御部と、
前記第1充電制御部及び第2充電制御部にそれぞれ電気的に接続して電気を蓄積する蓄電装置と、
前記蓄電装置に電気的に接続し、携帯端末、電気釜、電気髭剃り等の電気製品に電気を供給することができる電力供給手段を設けた電源供給走行台車。
【請求項2】
請求項1の電源供給走行台車に於いて、前記ソーラーパネルの下面乃至前記第1支柱の上端部には、操作力によって、該ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段が設けられ、この手動式の角度変更手段は、第1支柱の上端部に設けられた端面凹所状嵌合部と、前記ソーラーパネルの下面に垂下片を介して設けられ、かつ、前記端面凹所状嵌合部に着脱自在に嵌合する水平軸部であることを特徴とする電源供給走行台車。
【請求項3】
請求項2の電源供給走行台車に於いて、前記水平軸部はソーラーパネルの略中央部に設けられ、また、前記第1支柱に係合部を設け、さらに、紐状連結部材の一端部をソーラーパネルの一端部側の第1連結具に取付け、その中途部を前記係合部に係合させた状態で他端部を前記ソーラーパネルの他端部側の第2連結具に取り付けたことを特徴とする電源供給走行台車。
【請求項4】
請求項1の電源供給走行台車に於いて、前記蓄電装置には駆動源用制御部が電気的に接続し、この駆動源用制御部に制御される角度変更手段は、電動式であり、かつ、前記ソーラーパネル乃至前記第1支柱に配設され、かつ、該ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させることができるシリンダ本体と、このシリンダ本体から進退動する作動杆とを含み、前記作動杆の突出先端部は、前記ソーラーパネルの水平軸部から所要間隔離間した該ソーラーパネルの適宜箇所に軸支されていることを特徴とする電源供給走行台車。
【請求項5】
請求項1の電源供給走行台車に於いて、ソーラーパネルは、第1支柱(5A)の上端部に枢支手段(42)を介して自由端部が上下方向に揺動可能に設けられた前後一対のソーラーパネル(6A)であり、また蓄電装置(10)には駆動源用制御部(50)が電気的に接続し、この駆動源用制御部に制御される前後一対の電動の角度変更手段(51A)は、前記第1支柱に配設された前後一対シリンダ本体(54)と、これらのシリンダ本体から進退動する前後一対の作動杆(55)とを含み、前記第1支柱の前側に位置するシリンダ本体の作動杆(55)は前側のソーラーパネルの自由端部に接続し、一方、前記1支柱の後側に位置するシリンダ本体の作動杆(55)は後側のソーラーパネルの自由端部に接続することを特徴とする電源供給走行台車。
【請求項6】
請求項5の電源供給走行台車に於いて、前記第1支柱の上端部には、風力発電装置を構成する垂直支柱の下端部が固定されていることを特徴とする電源供給走行台車。
【請求項7】
請求項1の電源供給走行台車に於いて、前記水平支持台の上面に嵌合部を設け、この嵌合部に、太陽光発電装置用の第1支柱及び風力発電装置用の第2支柱を脱着自在に嵌め込んだことを特徴とする電源供給走行台車。
【請求項8】
請求項1の電源供給走行台車に於いて、ソーラーパネルは、球体形状、球台形状、ドーム形状、角錐形状、すい台形形状のいずれかであることを特徴とする電源供給走行台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋上やベランダ、建物の敷地、船舶の甲板、畑、港、市場、避難場所等で利用することができる電源供給走行台車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の
図1には、「把手24及び車輪2を有する台車1と、この台車1の上面に設けられた支柱9を、この支柱9の上端部に揺動可能に取付けられたソーラーパネル8と、前記台車1に設置された蓄電池22と、この蓄電池の電力を利用する照明灯15を備えた移動式照明装置」が記載されている。
【0003】
そして、特許文献1の
図7には、支柱9の上端部にソーラーパネル8を水平状態乃至揺動可能に取付ける構造(縦方向回転調節手段a、水平回転調節手段b)が記載されている。しかして、該特許文献1の縦方向回転調節手段aは、ソーラーパネル8の下面より突設した取付け片8aと、この取付け片8aを支柱9の上部に水平回転調節可能に取り付けた2叉状の保持部材10と、ソーラーパネル8を保持部材10の一対の保持腕10a、10aへ回転可能に取り付ける調節ナット11a付きの支持シャフト11と、一対の保持腕10a、10aに設けたガイド溝10b、10bと、このガイド溝10b、10bと係合して取付け片8aに取り付けられたガイド用の締付ボルト12とで構成されている。また、該特許文献1の水平回転調節手段bは、支柱9の上端側に被せた筒状の取付け筒体13と、この取付け筒体13の外側に取り付けた複数の締付ボルト14、14とで構成されている。
【0004】
この特許文献1は、台車1上に設置されたソーラーパネル、蓄電池、照明灯を備え、前記ソーラーパネルはソーラーパネル用支柱を介して縦方向及び又は水平方向へ回転調節可能に取り付けられ、しかも、前記ソーラーパネルで発電された電気を蓄電して照明灯を点灯させることができる、一日の発電量を増やすことができる、所望する場所で利用することができる等の利点があるものの、ソーラーパネル8を水平状態乃至揺動可能に取付ける構造(縦方向回転調節手段a、水平回転調節手段b)が非常に複雑であるという問題点があった。また、例えば蓄電池の電力を電源として駆動する電動モータ、制御部等を利用して、太陽光の入射角度に合わせてソーラーパネルの向きを自動的に制御することができないので、一日の発電量を十分に増やすことができないという問題点もあった(符号は特許文献1のもの)。
【0005】
また特許文献2にも、特許文献1と同様の構成が記載されている。すなわち、特許文献2には、「温室やビニールハウスなどの施設内を走行移動し、作業を行う移動作業台車1であって、移動作業台車1に、バッテリ13を電源として作動する送風ファン11を、上下高さ、水平角度、前後角度をそれぞれ調節可能に設け、主として作業者に向け送風するようにした移動作業台車」が記載されている。
【0006】
この特許文献2の移動作業台車は、ソーラーパネル16により発電した電力をバッテリ13に充電することができることから、商業用の電気配線の整備されていない施設、例えばビニールハウスで、送風ファン11を駆動するために前記バッテリ13に蓄積された電力を利用することができるという利点があるものの、本願発明の如く、ソーラーパネル16を支柱14に簡単に取り付ける構造、またソーラーパネル16を蓄電池の電力を電源として駆動する電動モータ、制御部等を利用して太陽光の入射角度に合わせてソーラーパネルの向きを自動的に傾倒させる構成等が記載され、示唆されていない(符号は特許文献2のもの)。
【0007】
さらに、特許文献3は出願人が提案してもので、本願発明の改良前の太陽光発電のみに関する技術が記載されている。特許文献3は太陽光発電のみを台車に搭載するものであることから、夜や雨天の時は発電ではないという問題点がある。つまり、蓄電装置に電力を効率的に蓄積することができないという欠点がある。
【0008】
加えて、特許文献4には、地中側に基礎部分を設け、該基礎部分に周面に複数本のアンカー6を有する支柱2を垂直状態に固設し(特許文献4の
図5を参照)、前記支柱2の地中7から露出した略中央部に油圧シリンダの基端部を枢着し、その作動杆の突出先端部をソーラーパネルの一端部側の下面に軸支した角度可変太陽光発電システムが記載されている(符号は特許文献4のもの)。
【0009】
この特許文献4に記載の発明は、油圧シリンダの圧力媒体を利用して前記ソーラーパネルの姿勢を太陽光の入射角度に対応させることができるという利点を有するものの、角度可変太陽光発電システムが走行台車に搭載するものでない点、風力発電装置を太陽光発電装置と共に搭載したものでない点、走行台車に搭載した蓄電装置に太陽光発電装置が発電した電力及び風力発電装置が発電した電力を蓄積するものではない点等で相違する。また、駆動源として圧力媒体を利用するので、油圧回路が必要となるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2012-243532号公報の
図1及び
図7
【特許文献2】特開2006-73号公報
【特許文献3】特開2020-82832号公報
【特許文献4】特開2017-41981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主たる課題は、特許文献1や特許文献2の問題点、さらに特許文献3や特許文献4の欠点に鑑み、異なる自然エネルギーを使用して発電する二種類の発電装置を走行台車に簡単かつ短時間に取付けることができると共に、手動又は電動により、ソーラーパネルの角度を変更させ、1日当たりの発電量を増やすことができることである。本発明の第2の目的は、走行台車の水平支持台と二種類の発電装置を備える単数又は複数の支柱とを脱着自在に分離可能にし、よって、所望する場所に容易かつ迅速に運搬可能にすることである。本発明の第3の目的は、ソーラーパネルと電源(バッテリィー)とを簡単に接続することができることである。その他の目的は、ソーラーパネルが強風により、第1支柱から外れて落ちないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の電源供給走行台車は、複数の走行車輪を有する水平支持台に第1支柱を介して設けられ、かつ、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するソーラーパネルを有する太陽光発電装置と、前記水平支持台に前記第1支柱又は該第1支柱とは別個の第2支柱のいずれかを介して設けられ、かつ、風力を電気エネルギーに変換する発電機を有する風力発電装置と、前記太陽光発電装置に第1配線を介して接続され、かつ、該太陽光発電装置が発電した第1電力を制御する第1充電制御部と、一方、前記風力発電装置に第2配線を介して接続され、かつ、該風力発電装置が発電した第2電力を制御する第2充電制御部と、前記第1充電制御部及び第2充電制御部にそれぞれ電気的に接続して電気を蓄積する蓄電装置と、前記蓄電装置に電気的に接続し、携帯端末、電気釜、電気髭剃り等の電気製品に電気を供給することができる電力供給手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
上記構成に於いて、前記ソーラーパネルの下面乃至前記第1支柱の上端部には、操作力によって、該ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段が設けられ、この手動式の角度変更手段は、第1支柱の上端部に設けられた端面凹所状嵌合部と、前記ソーラーパネルの下面に垂下片を介して設けられかつ前記端面凹所状嵌合部に着脱自在に嵌合する水平軸部であることを特徴とする。また、前記水平軸部はソーラーパネルの略中央部に設けられ、また、前記第1支柱に係合部を設け、さらに、紐状連結部材の一端部をソーラーパネルの一端部側の第1連結具に取付け、その中途部を前記係合部に係合させた状態で他端部を前記ソーラーパネルの他端部側の第2連結具に取り付けたことを特徴とする。
【0014】
また、前記蓄電装置には駆動源用制御部が電気的に接続し、この駆動源用制御部に制御される電動の角度変更手段は、前記ソーラーパネル乃至前記第1支柱に配設され、かつ、該ソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させることができるシリンダ本体と、このシリンダ本体から進退動する作動杆とを含み、前記作動杆の突出先端部は、前記ソーラーパネルの水平軸部から所要間隔離間した該ソーラーパネルの適宜箇所に軸支されていることを特徴とする。
【0015】
また、ソーラーパネルは、第1支柱(5A)の上端部に枢支手段(42)を介して自由端部が上下方向に揺動可能に設けられた前後一対のソーラーパネル(6A)であり、また蓄電装置(10)には駆動源用制御部(50)が電気的に接続し、この駆動源用制御部に制御される前後一対の電動の角度変更手段(51A)は、前記第1支柱に配設された前後一対シリンダ本体(54)と、これらのシリンダ本体から進退動する前後一対の作動杆(55)とを含み、前記第1支柱の前側に位置するシリンダ本体の作動杆(55)は前側のソーラーパネルの自由端部に接続し、一方、前記1支柱の後側に位置するシリンダ本体の作動杆(55)は後側のソーラーパネルの自由端部に接続し、前記前後一対のソーラーパネルを少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させることができることを特徴とする。また、前記第1支柱の上端部には、風力発電装置を構成する垂直支柱の下端部が固定されていることを特徴とする。また、前記水平支持台の上面に嵌合部を設け、この嵌合部に、太陽光発電装置用の第1支柱及び風力発電装置用の第2支柱を脱着自在に嵌め込んだことを特徴とする。さらに、ソーラーパネルは、球体形状、球台形状、ドーム形状、角錐形状、すい台形形状のいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
特許文献3の問題点を解消し、夜や雨天の時に発電できないような状況であっても、無風状態の場所ではなく、風が吹いている場所へと台車を移動させ、蓄電装置に風力発電装置で発電した電力を充電することができる(雨天や夜間でも発電可能)。したがって、自立型ハイブリット発電システムを手軽な移動台車によって実現することができると共に、緊急時、台車を所望する場所へと運搬し、携帯端末、電気釜等の電気製品に電気を供給することができる。
【0017】
またソーラーパネル、駆動手段のシリンダ本体等を台車の第1支柱に、簡単かつ短時間に取付けることができると共に、ソーラーパネルの角度を手動又は電動で変更させ、1日当たりの発電量を増やすことができる。また実施形態によっては、組立が簡単なので、安価に製作することができる、容易に分解及び組立することができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1乃至
図9は本発明の第1実施形態の各説明図。
図10乃至
図14は本発明の第2実施形態の各説明図。
図15は第1実施形態の要部を変更した第3実施形態の説明図。
図16乃至
図20は本発明の第4実施形態の各説明図。
図21乃至
図24は本発明の第5実施形態の各説明図。
【
図2】要部(第1支柱、ブラケット、電動の角度変更手段、ソーラーパネル、)の一例を示す説明図。
【
図3】要部の斜視からの説明図(取付けベース板、変換器を含む電源供給ボックス、電源スタンド、電源等)。
【
図4】(a)要部(電源と、変換器・コンセント・を含む電源供給ボックスとの接続態様)の概略端面説明図。(b)要部(接続コード、固定端子・電源の接続態様)の概略端面説明図。
【
図5】電動の角度変更手段の構成を示す概略端面説明図。
【
図6】ソーラーパネルの姿勢(作用)を示す説明図。
【
図7】電動の角度変更手段に対する制御系を示すブロック図。
【
図8】風力発電装置及びその第2支柱と水平支持台の嵌合構造を示す概略説明図。
【
図9】二種類の発電装置の電力を蓄電装置に蓄電する場合の概念図。
【
図12】ソーラーパネルが東向きの一例を示す説明図。
【
図13】ソーラーパネルが正午の一例を示す説明図。
【
図14】ソーラーパネルが西向きの一例を示す説明図。
【
図15】第1実施形態の要部を変更した第3実施形態の説明図。
【
図17】風力発電装置を省略した太陽光発電装置の概略説明図(台車、第1支柱、ソーラーパネル、接続コード、紐状連結部材等)
【
図18】一部を端面にした要部(ソーラーパネル、角度変更手段、紐状連結部材)の説明図。
【
図19】要部(ソーラーパネル、角度変更手段、紐状連結部材)の連結状態を示す説明図。
【
図20】角度の変更例を示す説明図で、(a)はソーラーパネルの一方の傾斜姿勢を示す説明図、(b)はソーラーパネルの水平状態を示す説明図、(c)はソーラーパネルの他方の傾斜姿勢を簡単に説明する説明図。
【
図21】本発明の第5実施形態であり、第2実施形態の前後一対のソーラーパネルを手動式に設計変更した一部概略説明図。
【
図22】要部(手動式の角度変更手段)を平面視から説明した概略説明図。
【
図23】前後一対のソーラーパネルを午前中の太陽光に向けた一例の説明図。
【
図24】前後一対のソーラーパネルを午後の太陽光に向けた一例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、
図1乃至
図9を参照にして本発明の第1実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態の斜視図である。
図1に於いて、X1は、建物の屋上やベランダ、建物の敷地、船舶の甲板、畑、港、市場、避難場所等で利用することができる電源供給走行台車である。
【0020】
この電源供給走行台車X1は、水平支持台2に第1支柱5を介して設けられ、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するソーラーパネル6を有する太陽光発電装置Xと、前記水平支持台2に前記第1支柱5とは別個の第2支柱25を介して設けられ、風力を電気エネルギーに変換する発電機27を有する風力発電装置Yと、前記ソーラーパネル6及び前記発電機27にそれぞれ個別的に接続する第1充電制御部35及び第2充電制御部36と、前記第1充電制御部及び第2充電制御部にそれぞれ電気的に接続して電気を蓄積する蓄電装置10と、前記蓄電装置に電気的に接続し、携帯端末、電気釜、電気髭剃り等の電気製品Gに電気を供給することができる電力供給手段20Aを備えている。
【0021】
まず1は、普通一般に、荷物を運搬する人が使用している形状・構造の台車である。したがって、この台車1は、水平支持台2の下面に合計4個の走行車輪3を有する。また前記水平支持台2の後端部に台車用把手4が取外し可能又は固定的に設けられている。ここで「左右前後」とは、台車用把手4を押す人を基準にする。特に図示しないが、前記台車用把手4側に位置する後方の左右一対の車輪には、公知の車輪止めを設けるのが望ましい。
【0022】
次に5は、水平支持台2の先端部寄りの部位又は中央部に固定的に設けられた複数本(例えば2本)の第1支柱で、これらの第1支柱5の上端部に1個のソーラーパネル6が、
図2で示すように、任意形状の取付け板7、短い垂下片8及び端面略円形の水平軸部9を介して揺動可能に設けられている。前記水平軸部9は角度変更手段の一方(オス部)を構成する。なお、第1支柱5は、垂直板、パイプ状など形状は特に問わない。
【0023】
次に10は、少なくとも前記ソーラーパネル6又は前記水平支持台2のいずれか一方に設けられ、かつ、前記ソーラーパネル6及び発電機27がそれぞれ発電した電力を充電するケース状の電源(例えば二次電池)である。実施形態の蓄電装置10は、台車1に着脱自在に設けられている(
図3を参照)。
【0024】
図3は、台車1の水平支持台2の先端部寄りの部位に固着具11を介して固定された任意形状の取付けベース板12と、この取付けベース板12の上面に固定され、ケース状の蓄電装置10の直流を交流に変換する変換器を含む電源供給ボックス13と、同じく前記取付けベース板12の上面に固定され、前記蓄電装置の接続端子部10aを受け入れる上端開口14aのケース状の電源スタンド14と、この電源スタンド14に差し込み自在である前記蓄電装置10と、前記電源スタンド14の後壁に一体的に設けられ、かつ、駆動源用制御部50(
図7参照)、第1充電制御部35及び第2充電制御部36(
図9参照)を収納する制御部用収納箱15をそれぞれ示す。
【0025】
ここで蓄電装置の接続端子部10aに関して
図4を参照に説明する。
図4の(a)は、蓄電装置10と、コンセント16・変換器17を含む電源供給ボックス13、制御部用収納箱15に内装した駆動源用制御部50、第1充電制御部35及び第2充電制御部36との接続態様を示す概略端面説明図、一方、
図4の(b)は、第1の接続コード18、第2の接続コード18A、電源スタンド14の内壁底面に突出状態に設けられた充電用固定端子19、蓄電装置10の接続端子部10a、制御部用収納箱15に内装した駆動源用制御部50、第1充電制御部35及び第2充電制御部36との接続態様を示す。
【0026】
実施形態では、前記接続端子部は二種類ある。すなわち、
図4の(a)で示すようにケース状の電源スタンド14の凹所の一側壁に設けた直流を変換器17に供給するための複数個の電源供給用固定端子20と、該電源供給用固定端子とは別個の複数個の充電用固定端子19である。
【0027】
なお、前記電源供給用固定端子20は、電源スタンド14の凹所の垂直内壁面に固定され、かつ、変換器17とコンセント16に電気的に接続している。また、前記充電用固定端子19は前述したソーラーパネル側の接続コード18の基端部18aに電気的に接続され、一方、前記接続コード18の自由端部18bには連結部21を介して可動端子22が一体的に設けられている。また、後述する風力発電装置Yの発電機27側の接続コード18Aも、前記ソーラーパネル側の接続コード18と同様に構成され、その基端部18aが前記充電用固定端子19に電気的に接続され、該接続コード18Aの自由端部18bには連結部21Aを介して可動端子22Aが一体的に設けられ、前記可動端子22Aは交流の発電機のケース28の下端部に設けられた発電端子23Aに差し込み自在に係合する(風力発電装置Yの接続コード18Aの構成については
図8を参照)。充電用固定端子19から蓄電装置10への電気の供給方式は、例えばワイヤレス(無線)であり、このような場合にも電気的接続の概念に含まれる。
【0028】
しかして、実施形態では、前記接続コード18の自由端部18bは、前述した風力発電装置Yの接続コード18Aと同様に、ソーラーパネル6に設けたソーラー端子23に取り外し自在に係合し、ソーラーパネル6が発電した電力を、電源スタンド14を介して蓄電装置(電源)10に送ることができる。それ故、地震時に停電した場合には、台車1の電源供給ボックス13のコンセント16の接続端子を選択して、例えば電気釜Gでご飯を炊くことができる。またコンセント16又はソーラーパネル6の接続端子を適宜に選択して携帯端末Gに直接又は間接的に充電をすることができる。
【0029】
次に
図2を参照にしてソーラーパネル6の構成を説明する。ソーラーパネル6は、例えば扁平状の架台6aと、この架台6aの上面に左右・前後に整列された多数の太陽電池6bと、前記架台6aの適宜箇所に設けられた複数個の接続端子6cとから成る。前記接続端子6cは、震災時の場合を配慮して、例えば携帯端末用の電気供給接続部となっている。
【0030】
したがって、望ましくは前記扁平状の架台6aの内部空間の一部に扁平矩形状の二次電池24を入れ、この二次電池24の端子にインバーターを接続し、携帯端末(例えばスマートフォン)は、該インバーターを介して交流電源を取得することもできる(実施形態)。また、ソーラーパネル6は矩形状のものが好ましいが、形状を限定するものではなく、例えば球体形状、球台形状、ドーム形状、角錐形状、すい台形形状のいずれであっても良い。
【0031】
実施形態のソーラーパネル6は、
図2で示すように、架台6aの裏面の略中央部に固定的に突設され、かつ、前述した第1支柱5の凹所状水平嵌合部5aに着脱自在に嵌合する水平軸部9を有する。前記水平軸部9は短い垂下片8を介して下方に突出し、パイプ状のものを単数(本実施形態)、又は、互いに離反して複数個有している。さらに、実施形態では、架台6aの一端部(図面左側)の下面に枢支孔を有する連結部6dが設けられている。ソーラーパネル6は、その水平軸部9を第1支柱5の凹所状嵌合部5aに嵌合させることができるので、きわめて簡単にソーラーパネル6を第1支柱5に装着することができる。しかも、ソーラーパネル6の水平軸部9は、凹所状水平嵌合部5aに所定角度まで凹所状水平嵌合部5aの内周面から摩擦抵抗を受けながら揺動可能である。
【0032】
さらに、実施形態のソーラーパネル6の角度変更を自動的に行うことができる。すなわち、
図7で示すように、前述した電源としての蓄電装置10には、駆動源用制御部50が電気的に接続し、この駆動源用制御部50に制御される電動の角度変更手段51は、前記ソーラーパネル乃至前記第1支柱5に配設され、かつ、該ソーラーパネル6を少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させることができるシリンダ本体54と、このシリンダ本体から進退動する作動杆55とを含み、前記作動杆の突出先端部は、前記ソーラーパネル6の前記水平軸部9から所要間隔離間した該ソーラーパネルの適宜箇所(例えば一端部側の連結部6d)に軸支されている。
【0033】
付言すると、前記ソーラーパネル6乃至前記第1支柱5の上端部には、該ソーラーパネル6を少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる電動の角度変更手段51が設けられ、この電動の角度変更手段51は、前記第1支柱5又は前記水平支持台2のいずれかに設けられ、かつ、第1支柱5又は前記水平支持台2又は台車用把手4のいずれかに設けられた駆動用制御部50に、その駆動が制御される駆動手段であり、この駆動手段51は、蓄電装置10の電力を利用する電動モータ53を含み、この電動モータ53の駆動力によってシリンダ本体54から進退動する作動杆55の突出先端部は、前記ソーラーパネル6の前記水平軸部9から所要間隔離間した該ソーラーパネル6の一端部の連結部23に適宜箇所に軸支されている。なお、電動モータ53の回転運動は、
図5で示すように、その出力軸53a、この出力軸の突出端部に接続する所定長の螺杆53bを介して作動杆55の直線運動に変換される。
【0034】
上記構成に於いて、望ましくは、前記駆動手段51のシリンダ本体54は、上端開口の保持箱14Aに差し込み自在に装着されている。保持箱14Aは、好ましくは第1支柱5に回動可能に軸支されている。
【0035】
図9は、電動の角度変更手段51に対する制御系のブロック図である。駆動用制御部50は、第1支柱5の上端部の適宜箇所に設けられた不番の第1検知手段及び第2検知手段がそれぞれ検出した検知信号を、入力部50aを介して取得する。駆動用制御部50は、演算処理部、メインプログラム、ワークプログラム等を記憶した記憶部、計時部及び判定部を有し、判定結果を、出力部50bを介して駆動手段51に出力する。
【0036】
上記第1検知手段及び第2検知手段の各検知信号は、駆動用制御部50が駆動手段51をストップさせるための「ストップ信号」なので、駆動用制御部50は前記計時部からのカウント情報に基づき、所定時間経過後に、前記駆動手段51を「正回転から逆回転へ」又は「逆回転から正回転へ」と回転方向を制御する。
【0037】
したがって、前記駆動手段51は、前記駆動用制御部50の制御信号によって、かつ、その起動と停止が制御される。望ましくは、駆動用制御部50は、間欠的(例えば15分毎、30分毎、一時間毎)に駆動信号を駆動手段51に送り、ソーラーパネルを徐々に太陽を追尾するように回転させる。
【0038】
図6は、ソーラーパネル6の角度を手動で変更する場合の説明図である。(a)はソーラーパネル6の傾斜姿勢を示す説明図、(b)ソーラーパネル6の水平状態を示す説明図である。なお、特に詳細に図示しないが、(c)は作動杆55がさらに伸長し、他方の傾斜姿勢(午後)に変位させることもできる旨の説明図である。なお、もちろん、一方の傾斜姿勢のままで、台車1の向きを変えることもできる。
【0039】
ソーラーパネル6の角度を変更する場合には、ソーラーパネル6は、その水平軸部9の図示しない水平軸線を中心に回動可能であるから、例えばソーラーパネル6を30度~40度の範囲で任意に傾斜させると、朝から太陽光線を十分に受けることができる。
【0040】
次に、
図8を参照にして風力発電装置Y及びその第2支柱25と水平支持台2の嵌合構造を説明示する。実施形態の風力発電装置Yは、例えば風車26と、前記風車によって回転されるロータを有する交流の発電機27と、該発電機のケース28に水平連結棒を介して連結された風向板29と、前記発電機のケース28の下端部に設けられた発電端子23Aと、この発電端子23Aに差し込み自在に係合する連結部21Aの可動端子22Aを有する第2の接続コード18Aと、前記ケース28の下端部にその上端部が固定された第2支柱25を備えている。
【0041】
そして、実施形態では、前記第2支柱25の下端部は、水平支持台2の側端部側の略中央部に垂直方向に固定した所定長の嵌合部としての嵌合筒30に脱着自在に嵌合する。
なお、特に図示しないが、ソーラーパネル6側又は発電機27側の「+」端子は、二次電地の「+」端子に接続し、ソーラーパネル6側又は発電機27側の「-」端子は二次電地の「-」端子に接続する。
【0042】
また、実施形態の風力発電装置Yは、風車26によって回転されるロータを有する交流の発電機27を含んでいるが、風力発電装置Yは色々な構造がある(例えば特開2010-169054号公報の
図7に記載の振動起電力発電部を用いた風力発電装置でも良い)。
【0043】
次に
図9を参照にして、二種類の発電装置の電力を電源としての蓄電装置10に蓄積する場合を説明する。
【0044】
図9に於いて、6は太陽光発電装置Xのソーラーパネルで、このソーラーパネル6には、第1配線W1(18)を介して接続され、かつ、該太陽光発電装置Xが発電した第1電力を制御する第1充電制御部35が接続している。この第1充電制御部35は、好ましくは 半導体装置(半導体素子、IC)が用いられ、整流回路、充電制御回路、定電圧発生回路、定電圧駆動部、電源回路、電源制御回路、駆動回路等を備えて構成されている。例えば特許第6840366号公報の段落0027には、インバーター、ソーラーチャージコントローラー、バッテリーマネージメントシステム(BMS)が好適に設置されている旨が記述されているが、要するに、太陽光発電装置Xに適合する充電制御回路(或いは方法)が適宜に採用されている。
【0045】
一方、27は風力発電装置Yの発電機で、この発電機27には、第2配線W2(18A)を介して接続され、かつ、該風力発電装置Yが発電した第2電力を制御する第2充電制御部36が接続されている。実施形態の風力発電装置Yは、前述したように風車26と、前記風車によって回転されるロータを有する交流の発電機27等を備えているので、前記第2充電制御部36は、交流の発電機27に接続された整流回路と、前記整流回路に接続された電力変換回路と、前記風車の回転数を検出するための回転検出器と、前記風車の基準回転数を設定するための基準回転数設定器と、前記回転検出器と前記基準回転数設定器と前記電力変換回路とに接続され、前記回転検出器から得られた検出回転数が前記基準回転数を超えたときに、前記電力変換回路の入力電圧と出力電圧との比を大きくするように前記電力変換回路を制御する制御回路と、前記交流発電機27を電動機に切り替えて回転軸を順方向に回転させる始動補助回転を実施する始動補助手段と、該始動補助手段による前記始動補助回転が停止されたとき前記交流の電動機27を前記発電機に復帰させる発電機復帰手段等を備えている。要するに、風力発電装置Yに適合する充電制御回路(或いは方法)が適宜に採用されている。
【0046】
符号10は、電源としての単数又は複数個の蓄電装置である。符号50は駆動用制御部であり、蓄電装置10の電力を使用する負荷の一つである。符号20Aは前述した蓄電装置に電気的に接続し、携帯端末、電気釜、電気髭剃り等の電気製品Gに電気を供給することができる単数又は複数個の電源供給用固定端子20を有する電力供給手段である。
【実施例0047】
この欄では、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態について説明する。なお、他の実施形態を説明するに当たって、第1実施形態と同一又は同様の符号を付し、重複する説明を割愛する。またここで「左右前後」とは、台車用把手4を押す人を基準にする。したがって、
図14を基準にすると、図面左側が「前」、図面右側が「後」である。
まず、
図10乃至
図14は本発明の第2実施形態の電源供給走行台車X2の各説明図である。
【0048】
この第2実施形態の電源供給台車X2が前記電源供給台車X1主に異なる点は、次の(a)乃至(i)である。
(a)水平支持台2の上面の略中央部に垂直に設けた第1支柱5Aが、一枚の長板である点。
(b)この長板状の第1支柱5Aの上端部にパイプ状の水平支持筒41を一体的に形成した点。
(c)ソーラーパネル6A、6Aは前後一対に分割され、これら前後のソーラーパネル6A、6Aは、その基端部に軸方向に一致する左右一対の蝶番42a、これらの蝶番を貫通する細い挿入支持棒42b、前記水平支持筒41を含む枢支手段42を介して揺動可能な一単位のソーラーパネルに構成される点。
(d)前後のソーラーパネル6A、6Aは、挿入支持棒42bを基準にして、それぞれ自由端部が上下方向に揺動可能である点。
(e)前後一対のソーラーパネル6A、6Aの自由端部寄りの部位の下面には、枢支孔を有する連結部6d、6dが一体的に設けられている点、
(f)長板状の第1支柱5Aの中央部の前面と後面には、前後一対の突片状枢支部43、43が設けられ、これらの突片状枢支部43、43は、前後一対の電動の角度変更手段(駆動手段)51A、51Aと直接又は間接的に連結可能である点。
(g)駆動源用制御部に制御される電動の角度変更手段(駆動手段)51A、51Aは、前記第1支柱5Aに配設された前後一対シリンダ本体54と、これらのシリンダ本体から進退動する前後一対の作動杆55とを含み、前記1支柱の前側に位置するシリンダ本体の作動杆55は前側のソーラーパネル51Aの自由端部に接続し、一方、前記1支柱の後側に位置するシリンダ本体の作動杆55は後側のソーラーパネル51Aの自由端部に接続している点。
(h)前記前後一対のソーラーパネルは、それぞれ同時又は別個に一方の傾斜姿勢から略水平姿勢へ、さらに、該略水平姿勢から反対側の他方の姿勢へと変位可能である点。
(i)風力発電装置Yを構成する支柱44が、第1支柱5Aの水平支持筒41の略中央部に固定的に設けられている。つまり、一本の第1支柱5Aに太陽光発電装置Xと風力発電装置Yが設けられている点。
【0049】
したがって、第2実施形態の電源供給走行台車X2は、前記第1実施形態の電源供給走行台車X1に対して、そのソーラーパネルは、第1支柱5Aの上端部に枢支手段42を介して自由端部が上下方向に揺動可能に設けられた前後一対のソーラーパネル6Aであり、また蓄電装置10には駆動源用制御部50が電気的に接続し、この駆動源用制御部に制御される前後一対の電動の角度変更手段51Aは、前記第1支柱に配設された前後一対シリンダ本体54と、これらのシリンダ本体から進退動する前後一対の作動杆55とを含み、前記第1支柱5Aの前側に位置するシリンダ本体の作動杆55は前側のソーラーパネルの自由端部に接続し、一方、前記1支柱の後側に位置するシリンダ本体の作動杆55は後側のソーラーパネルの自由端部に接続する。
【0050】
なお、特に図示しないが、前後一対のソーラーパネル6Aは同じ発電システムなので、並列回路又は直列回路で接続され、第1の接続コード18(W1)を介して第1充電制御部35に接続される。
【0051】
上記構成に於いて、
図12は前後一対のソーラーパネル6Aが東向きの一例を示す。つまり午前中の姿勢を示す。また
図13は前後一対のソーラーパネル6Aが正午の一例を示す。したがって、
図14はソーラーパネル6Aが西向きの午後の姿勢の一例を示す。
【0052】
次に、
図15は第1実施形態の要部を変更した電源供給台車X3の第3実施形態である。この電源供給台車X3が前記電源供給台車X1と主に異なる点は、次のとおりである。
(イ)発明の課題が、例えば電源供給台車X3を建物のベランダに置いた場合に於いて、ベランダから屋外の庭に移動させたい場合、又は屋外の庭から建物のベランダに移動させたい場合には、発電装置の支柱5、25を水平台車2から容易に取り外した上で、各構成部材を所望する場所へと容易に運搬し、その後に、水平台車2に対して発電装置の支柱5、25、ソーラーパネル等を簡単に組み合わせることができることである。
(ロ)発明の構成について、風力発電装置の第2支柱25のみならず、太陽光発電装置の第1支柱5も台車の水平支持台2に対して脱着自在にした点。
(ハ)そのために、前記水平支持台2の上面に所定間隔を有して左右一対の嵌合部、例えば嵌合筒30A、30Aを固定的に設けた点。
【0053】
上記の嵌合形式は、外嵌合又は内嵌合のいずれでも良いが、要するに、前記第2支柱25及び第1支柱5を水平支持台2から分離可能にするとこにより、水平台車、風力発電装置を構成する支柱25、太陽光発電装置を構成する支柱5等を適宜に分解かつ組立可能にすることにより、上記(イ)の発明の課題を達成することができる。
次に、
図16乃至
図20は第4実施形態の電源供給台車X4の各説明図である。この電源供給台車X4が前記電源供給台車X1と主に異なる点は、次のとおりである。
(a)発明の課題が、太陽光発電装置Xのソーラーパネル6の姿勢を太陽光の入射角度に対応させる場合、自動ではなく、手動力により、傾倒姿勢や水平姿勢にすることである。これにより、部品点数が少ない、組合せが容易である等から、製作費を安価にすることができる。
(b)発明の構成について、ソーラーパネル6の下面乃至前記第1支柱5の上端部には、該ソーラーパネル6を、操作力により、少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段が設けられ、この角度変更手段は第1支柱5の上端部に設けられた端面凹所状嵌合部5aと、前記ソーラーパネル6の略中央部の下面に垂下片8を介して設けられかつ前記端面凹所状嵌合部に着脱自在に嵌合する前記水平軸部9である点。
(c)前記ソーラーパネル6が、例えば風により容易に飛ばないように、紐状連結部材31を用意し、該紐状連結部材31の一端部をソーラーパネル6の一端部側の連結部6dに取付け、その中途部を前記第1支柱5の中央部に固定したフック状係合部32に係合させた状態で他端部を前記ソーラーパネル6の他端部側の連結部6dに取り付けた点である。
(d)上記構成に於いて、ソーラーパネル6の姿勢を太陽光の入射角度に対応させる場合には、ソーラーパネル6の一端部又は他端部を手で上げ下げすれば良い。
なお、
図17乃至
図20に於いて、
図6に示した風力発電装置Yを省略する。したがって、この電源供給台車X4は、次のような構成になる。
【0054】
<付記1>
複数の走行車輪3を有する水平支持台2に第1支柱5を介して光エネルギーを電気エネルギーに変換するソーラーパネル6を有する太陽光発電装置Xと、前記第1支柱5又は該第1支柱とは別個の第2支柱25のいずれかを介して風力を電気エネルギーに変換する発電機27を有する風力発電装置Yと、前記太陽光発電装置に第1配線18を介して接続され、かつ、該太陽光発電装置が発電した第1電力を制御する第1充電制御部35と、一方、前記風力発電装置Yに第2配線18Aを介して接続され、かつ、該風力発電装置Yが発電した第2電力を制御する第2充電制御部36と、前記第1充電制御部35及び第2充電制御部36にそれぞれ電気的に接続して電気を蓄積する蓄電装置10と、前記蓄電装置に電気的に接続し、携帯端末、電気釜、電気髭剃り等の電気製品Gに電気を供給することができる電力供給手段20Aを設けた電源供給走行台車である。
【0055】
しかして、前記ソーラーパネル6の下面乃至前記第1支柱5の上端部には、操作力によって、該ソーラーパネル6を少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段が設けられ、この角度変更手段は、第1支柱の上端部に設けられた端面凹所状嵌合部5aと、前記ソーラーパネルの下面に垂下片8を介して設けられかつ前記端面凹所状嵌合部5aに着脱自在に嵌合する前記水平軸部9である。
【0056】
そして、好ましくは、前記水平軸部9はソーラーパネル6の略中央部に設けられ、また前記第1支柱5に係合部32を設け、さらに、紐状連結部材31の一端部をソーラーパネル6の一端部側の連結部としての第1連結具6dに取付け、その中途部を前記係合部32に係合させた状態で他端部を前記ソーラーパネル6の他端部側の連結部としての第2連結具6dに取り付けた。
【0057】
<付記2>
また実施形態に於いて、操作力によって、該ソーラーパネル6を少なくとも傾斜姿勢から略水平姿勢へと回動させる角度変更手段は、出願人が先に提案した特許文献3(特開2020-82832号公報)に記載した色々な実施形態に置換することができる。
【0058】
例えば前記水平軸部9はソーラーパネル6の一端部側に設けられ、また、前記角度変更手段は、平面視略コ字形状の所定長の連結杆と、ソーラーパネルの架台の略中央部に設けられかつ前記連結杆の一端部が係入する単数又は複数の第1係止穴と、一方、脚状支持部材に設けられかつ前記連結杆の他端部が係入する単数又は複数の第2係止穴である実施形態である。
【0059】
最後に、
図21乃至
図24を参照にして本発明の第5実施形態を説明する。なお、風力発電装置Yは第2実施形態のそれ同一なので、前後一対の角度変更手段45の構成を説明する。この第5実施形態は、本発明の第2実施形態の前後一対のソーラーパネル6A、6Aを手動式に設計変更したものであるから、第5実施形態と同一の構成には、同一又は同様の符号を付して重複する説明を割愛する。この第5実施形態が前記第2実施形態と主に異なる点は、次の通りである。
(イ)発明の課題が、例えば電源供給台車X5を建物のベランダに置いた場合に於いて、ベランダから屋外の庭に移動させたい場合、又は屋外の庭から建物のベランダに移動させたい場合には、発電装置の支柱5Aを水平台車2から容易に取り外した上で、各構成部材を所望する場所へと容易に運搬し、その後に、水平台車2に対して発電装置の支柱5Aを簡単に組み合わせることができることである。したがって、第3実施形態と同一の課題を有している。
(ロ)発明の構成について、まず、水平支持台2の上面に支柱5Aの嵌合部、例えば上端矩形開口の嵌合筒30Bを固定的に設けた点。
(ハ)次に、前後一対の角度変更手段45は、支柱5Aの略中央部の前面と後面にそれぞれ軸支された前後一対の鞘体46と、これらの鞘体46にそれぞれ後端部が挿入さている共に、突出先端部が前後の一対のソーラーパネル6A、6Aの自由端部側の連結部6d、6dにそれぞれ軸支された前後の一対の伸縮アーム47と、前記鞘体46にそれぞれ長手方向に所有間隔を有して形成された3つ以上の貫通状係合孔48(第1係合孔48a、第2係合孔48b、第3係合孔48c)と、前記貫通状係合孔48にそれぞれ選択的に係脱する係止ピン49とから構成されている。なお、前記鞘体46の取付け基端部には、不番の水平軸孔を有する軸受けが形成され、一方、伸縮アーム47の先端部にも水平軸孔が形成され、これらの水平軸孔には枢支ピンが係入される。
【0060】
上記構成に於いて、
図23は前後一対のソーラーパネル6A、6Aを午前中の太陽光に向けた一例の説明図で、この場合には前後一対のソーラーパネル6A、6Aを東向きにするのが望ましいので、例えば前のソーラーパネル6A側の係止ピン49を第3係合孔48c(一番下の貫通孔)に係入し、一方、後のソーラーパネル6A側の係止ピン49を第1係合孔48a(一番上の貫通孔)に係入する。
【0061】
次に
図21は正午頃に前後一対のソーラーパネル6A、6Aを太陽光に向けた一例の説明図で、この場合には前後一対のソーラーパネル6A、6Aを略水平状態にするのが望ましいので、前後一対の係止ピン49を前後の第2係合孔48b(中間の貫通孔)に係入する。そして、
図24は前後一対のソーラーパネル6A、6Aを午後の太陽光に向けた一例の説明図で、この場合には前後一対の係止ピン49の位置を
図23(午前中の場合)とは逆の態様にするのが好ましい。
【0062】
以上のように角度変更手段を手動式に構成しても、本発明の主たる発明の課題を達成することができる。なお、第5実施形態の手動式の角度変更手段45の構成は、これに限定するものではなく、例えば前後一対の段階式に縮可能な支持棒の上端部を前後一対のソーラーパネル6A、6Aの自由端部側にそれぞれ軸支し、その下端部を水平支持台2の上面又は地面に離脱可能に載せても良い。又はテコの原理を採用し、前後一対の所定長の支持棒の上端部を前後一対のソーラーパネル6A、6Aの自由端部側にそれぞれ軸支し、一方、前記前後の下端部を第1支柱5Aに上下方向に所定間隔を有して形成した複数個(3つ以上)の斜め凹所状の係止部に選択的に係止させるとこにより、前後一対のソーラーパネル6A、6Aの向きを太陽光の入射角度に合わせようにしても良い(図面は割愛する)。