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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002969
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】無線充電装置及びそれを備えた収容体
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20221228BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20221228BHJP
   H02J 50/60 20160101ALI20221228BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/10
H02J50/60
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103847
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】501009849
【氏名又は名称】株式会社日立エルジーデータストレージ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 文仁
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】
送電コイルを有する送電装置と受電コイルを有する受電装置の位置合わせと送電装置の送電面への異物付着低減を兼ねた構成を有する無線充電装置及びそれを備えた収容体を提供する。
【解決手段】
無線で電力を送る送電コイルを備えた無線充電装置であって、送電装置本体と、送電装置本体の送電面を覆う蓋を有し、蓋は開閉可能である構成とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線で電力を送る送電コイルを備えた無線充電装置であって、
送電装置本体と、
前記送電装置本体の送電面を覆う蓋を有し、
前記蓋は開閉可能であることを特徴とする無線充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記蓋は前記無線充電装置の長手方向後方に後方ガイドを有していることを特徴とする無線充電装置。
【請求項3】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記蓋は第1の蓋と第2の蓋で構成され、前記第1の蓋と前記第2の蓋は前記送電装置本体の短手方向に開閉可能であることを特徴とする無線充電装置。
【請求項4】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記送電装置本体は長手方向後方に後方ガイドを有していることを特徴とする無線充電装置。
【請求項5】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記蓋は前記送電装置本体の短手方向に片側開きの1つの蓋であることを特徴とする無線充電装置。
【請求項6】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記送電コイルが前記送電装置本体の筐体外形の中央に配置されていることを特徴とする無線充電装置。
【請求項7】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記送電コイルから送られる電力を受信する第1の受電コイルを備えた第1の受電装置を収納した可搬型収容体を、前記蓋を開いて前記送電装置本体の送電面に置いた時の前記送電コイルと前記第1の受電コイルとの距離をL1、前記送電コイルから送られる電力を受信する第2の受電コイルを備えた第2の受電装置を、前記蓋を閉じて前記無線充電装置の上に置いた時の前記送電コイルと前記第2の受電コイルとの距離をL2としたとき、L1とL2がほぼ等しくなるように前記蓋の厚みを設定したことを特徴とする無線充電装置。
【請求項8】
請求項3に記載の無線充電装置において、
前記第1の蓋と前記第2の蓋は前記送電装置本体の短手方向の長さが異なっていることを特徴とする無線充電装置。
【請求項9】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記蓋に前記送電コイルの位置を示す印を設けたことを特徴とする無線充電装置。
【請求項10】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記送電コイルを複数備え、
前記蓋に複数の前記送電コイルの位置を示す複数の印を設けたことを特徴とする無線充電装置。
【請求項11】
請求項1に記載の無線充電装置を備えた収容体であって、
前記送電装置本体の前記収容体との設置面に放熱性を有する粘着シートを設けたことを特徴とする収容体。
【請求項12】
請求項1に記載の無線充電装置において、
前記蓋は前記無線充電装置の長手方向の端部に突起を有していることを特徴とする無線充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型携帯機器などの二次電池に非接触により充電を行う無線充電において、効率よく送電できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンやタブレットなどの小型携帯機器のバッテリは必要に応じて充電する必要があり、通常はAC電源とコネクタ接続して充電を行う。これに対して、充電を忘れた場合には、二次電池である、いわゆる、小型携帯機器を充電するための電子機器であるモバイルバッテリーにより電源確保することが必要である。
【0003】
ここで、小型携帯機器などの二次電池に非接触により充電を行う無線充電においては、効率よく送電するためには、無線充電装置である送電装置と二次電池を収めた受電装置との位置合わせを行うことが重要である。
【0004】
本技術分野における背景技術として特許文献1がある。特許文献1では、磁力により送電装置と受電装置の位置合わせをする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-14801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、磁力により、送電装置の送電アンテナと受電装置の受電アンテナ間で所定の伝送効率が得られる位置に位置合わせが行われる。しかしながら、受電装置は送電装置に載置されるが、送電装置の送電面に異物が付着している場合は伝送効率が低下する点について考慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を鑑み、位置合わせと異物付着低減を兼ねた構成を有する無線充電装置及びそれを備えた収容体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、その一例を挙げるならば、無線で電力を送る送電コイルを備えた無線充電装置であって、送電装置本体と、送電装置本体の送電面を覆う蓋を有し、蓋は開閉可能である構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、位置合わせと異物付着低減を兼ねた構成を有する無線充電装置及びそれを備えた収容体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の前提となる無線充電システムの機能構成ブロック図である。
図2】実施例1における無線充電システムのイメージ図である。
図3】実施例1における無線充電装置の構成を示す斜視図である。
図4図3で示した無線充電装置の上に図2で示した可搬型収容体をセットした状態を示す図である。
図5】実施例2における無線充電装置の構成を示す斜視図である。
図6図5で示した無線充電装置の上に図2で示した可搬型収容体をセットした状態を示す図である。
図7】実施例3における無線充電装置の構成を示す斜視図である。
図8図7で示した無線充電装置の上に図2で示した可搬型収容体をセットした状態を示す図である。
図9】実施例4における無線充電装置の構成を示す図である。
図10】実施例4における受電装置を格納した可搬型収容体の構成を示す図である。
図11図9で示した無線充電装置の上に図10で示した可搬型収容体をセットした状態を示す図である。
図12】実施例5における無線充電装置とその上にスマートフォンをセットした状態を示す図である。
図13】実施例5における可搬型収容体とスマートフォンの場合の送電コイルと受電コイルとの距離の関係を示す図である。
図14】実施例6における課題を説明する図である。
図15】実施例6における無線充電装置とその上にスマートフォンをセットした状態を示す図である。
図16】実施例7における無線充電装置を示す斜視図である。
図17】実施例7における無線充電装置の他の構成を示す斜視図である。
図18】実施例8における無線充電装置の構成を示す斜視図である。
図19図18で示した無送無線充電装置の上に図2で示した可搬型収容体30をセットした状態を示す図である。
図20】実施例9における無線充電装置の構成を示す斜視図である。
図21】実施例9における無線充電装置の他の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例0012】
まず、本実施例の前提となる、非接触により充電を行う無線充電システムについて説明する。図1は、本実施例における無線充電システムの機能構成ブロック図である。図1において、無線充電システムは、無線で電力(高周波電流)を送る送電コイル16を備えた無線充電装置である送電装置10と、送電装置10から送られる電力を受信する受電コイル21を備えた受電装置20で構成される。
【0013】
送電装置10は、汎用的なAC100~120Vの電源を使用する据え置き型の充電台でもよいし、ロッカー等の収容体に格納され固定的に使用される形態でもよい。
【0014】
図1において、送電装置10は、送電コイル16、送電スイッチ(送電SW)17、電源11、整流平滑回路12、DC/DC変換器13、送電制御部14、送電コイル励振回路15を有する。
【0015】
電源11は、例えば電源コンセントから交流電圧(AC100V)を入力する電源ケーブルや電源供給のオン/オフを切り替えるためのスイッチICなどを有し、電源ケーブルを通じて送電される交流電圧を整流平滑回路12に供給する。
【0016】
整流平滑回路12は、例えば半導体ダイオードおよびコンデンサーを用いた回路であって、交流電圧の整流(直流)化および平滑化の処理を行うことにより、入力した交流電圧を一定電圧の直流電圧に変換し、変換後の電力をDC/DC変換器13に供給する。
【0017】
DC/DC変換器13は、入力した直流電圧を、送電コイル16の励起に必要となる電圧に変換(降圧)し、降圧後の電力を送電制御部14に供給する。
【0018】
送電制御部14は、送電SW17の状態(ON又はOFF)に応じて、DC/DC変換器13から入力される直流電圧を、送電コイル励振回路15に供給し又は供給停止する。なお、送電制御部14は、CPUやMPUなどのプロセッサーであって、記憶装置に格納された基本プログラムをプロセッサーが実行するソフトウェア処理により、送電装置10の全体を統括的に制御する。
【0019】
送電コイル励振回路15は、送電コイル16を励振させるために、直流電圧を交流電圧に変換するインバーター回路を備える。また、送電コイル励振回路15は、送電制御部14から供給される直流電圧を所定の電圧および周波数の交流電圧に変換し、その交流電圧を送電コイル16に出力する。
【0020】
送電コイル16は、例えばリッツ線などの電線が平面略リング状となるように巻かれたスパイラル型のサーキュラーコイルである。
【0021】
次に、受電装置20は、受電コイル21と整流平滑回路22と充電制御部23と二次電池24を有する。
【0022】
受電コイル21は、上述した送電コイル16と同等の構成によるスパイラル型のサーキュラーコイルである。整流平滑回路22は、例えばダイオードやコンデンサーを備えた回路であり、受電コイル21に生じた誘起電流(交流)を、整流(脈流)化及び平滑化して、安定した電圧の直流電圧を生成する。充電制御部23は、整流平滑回路22から入力される直流電圧を、二次電池24に供給する。二次電池24は、繰り返し充放電が可能な電池であり、例えばリチウムイオン電池である。
【0023】
なお、受電装置20は、図示しない出力端子を有し、その出力端子と、ノートパソコンやタブレットなどの小型携帯機器25とをケーブルで接続することで、二次電池24からの電力を小型携帯機器25のバッテリに充電することができる。
【0024】
ここで、送電コイル16と受電コイル21の対向する面のX、Y方向における送受電コイル中心間の距離が大きくなるに従い電力伝送効率は低下する。そのため、X、Y方向の送受電コイル中心位置からのずれを防ぐことが有用である。すなわち、所定の伝送効率が得られる位置に送電装置と受電装置の位置合わせを行うことが重要となる。
【0025】
また、受電装置は送電装置に載置されるが、送受電コイル間に例えば金属の異物が侵入すると充電トラブルが発生し、また、異物の付着により伝送効率が低下することが考えられる。
【0026】
そのため、本実施例では、位置合わせと異物付着低減を兼ねた構成を有する無線充電装置を提供する。
【0027】
一方、ノートパソコンやタブレットなどの小型携帯機器や、筆記道具、その他の小物等の荷物を収容できる、手提げタイプの収容箱や、両手をふさがず使えるショルダータイプの収容バッグなどの可搬型収容体は、会議や打ち合わせ時に手ぎわ良くきびきびと移動できる持ち運び用の道具として有用である。
【0028】
そこで、本実施例では、小型携帯機器のバッテリの電源確保のための二次電池を有する受電装置を、これらの可搬型収容体に格納し、可搬型収容体を無線充電装置に置いたときに無線送電により可搬型収容体に格納した二次電池を充電する無線充電システムを前提に説明する。
【0029】
図2は、本実施例における無線充電システムのイメージ図である。図2において、図2は斜視図を示しており、可搬型収容体30は手提げタイプの収容箱をイメージしている。可搬型収容体30は、その底面に受電装置20を格納しており、可搬型収容体30を無線充電装置10の上に置くことで、無線充電装置10によって可搬型収容体30に収められた受電装置20内の二次電池を無線送電で充電することが可能となる。
【0030】
図3は、本実施例における無線充電装置10の構成を示す斜視図である。図3において、(a)は無線充電装置10を正面右上部から見た斜視図であり、(b)は(a)の白抜き矢印で示す背面である、無線充電装置10の長手方向後方から見た斜視図であり、無線充電装置10は、送電装置本体1と、左ガイド2と後方ガイド4から構成される第1の蓋と、右ガイド3と後方ガイド5から構成される第2の蓋を有している。また、(c)は、(a)において左ガイド2と右ガイド3を開いた状態を示しており、(d)は(c)の白抜き矢印で示す背面である無線充電装置10の長手方向後方から見た斜視図である。すなわち、左ガイド2と右ガイド3は、送電装置本体1の短手方向に開閉可能である。
【0031】
図3に示すように、無線充電装置10は、送電装置本体1と、その送電面である上部を覆い後方ガイドを有する第1、第2の蓋を有している。
【0032】
図4は、本実施例における図3で示した無線充電装置10の上に、図2で示した、受電装置20を格納した可搬型収容体30(手提げタイプの収容箱)をセットした状態を示す図である。図4において、無線充電装置10の左右ガイド2、3を開き、可搬型収容体30を左右ガイド2、3の間に置き、可搬型収容体30を白抜き矢印で示すように後方ガイド4、5に突き当てることで、送電装置と受電装置の位置合わせを行うことができる。また、無線充電装置10による充電を行わない場合は、無線充電装置10の左右ガイド2、3を閉じておくことで、送電装置本体1の載置面での異物付着の低減を図ることができる。
【0033】
なお、後方ガイド4、5は何れか1つでも後方の位置合わせが可能であり、また、後方の位置合わせを他の手段で実施することで後方ガイド4、5を不要としてもよい。例えば、無線充電装置10に載置する可搬型収容体30に突起を設けるとか、無線充電装置10を壁面に接して設置することで、その壁面を位置合わせ手段とすることで実現できる。また、受電装置は可搬型収容体に格納せず単独で使用してもよい。
【0034】
このように、本実施例によれば、送電装置本体の送電面を覆う開閉可能な蓋を設けることで、比較的簡素な機構のみで送電コイルと受電コイルの位置合わせを容易にし、且つ送電面への異物付着を低減できる。これにより、位置合わせと異物付着低減を兼ねた構成を有する無線充電装置を提供できる。
【実施例0035】
実施例1では、第1、第2の蓋が左または右ガイドと後方ガイドをそれぞれ有していたが、本実施例では他の構成について説明する。
【0036】
図5は、本実施例における無線充電装置の構成を示す斜視図である。図5において、(a)は無線充電装置10を正面右上部から見た斜視図であり、無線充電装置10は、送電装置本体1と、第1の蓋である左ガイド2と、第2の蓋である右ガイド3と、送電装置本体1に設けた後方ガイド6を有している。(b)は、(a)において左ガイド2と右ガイド3を開いた状態を示している。
【0037】
図5に示すように、無線充電装置10は、送電装置本体1と、その上部を覆い左右ガイドである第1、第2の蓋を有し、さらに送電装置本体1が後方ガイド6を有している。
【0038】
図6は、本実施例における図5で示した無線充電装置10の上に、図2で示した、受電装置20を格納した可搬型収容体30(手提げタイプの収容箱)をセットした状態を示す図である。図6において、実施例1と同様に、無線充電装置10の左右ガイド2、3を開き、可搬型収容体30を左右ガイド2、3の間に置き、可搬型収容体30を白抜き矢印で示すように後方ガイド6に突き当てることで、送電装置と受電装置の位置合わせを行うことができる。また、無線充電装置10による充電を行わない場合は、無線充電装置10の左右ガイド2、3を閉じておくことで、送電装置本体1の載置面での異物付着の低減を図ることができる。
【0039】
このように、本実施例によれば、実施例1と同様に、送電装置本体の送電面を覆う開閉可能な蓋を設けることで、比較的簡素な機構のみで送電コイルと受電コイルの位置合わせを容易にし、且つ送電面への異物付着を低減できる。これにより、位置合わせと異物付着低減を兼ねた構成を有する無線充電装置を提供できる。
【実施例0040】
図7は、本実施例における無線充電装置の構成を示す斜視図である。図7において、(a)は無線充電装置10を正面右上部から見た斜視図であり、無線充電装置10は、送電装置本体1と片側開きの1つの蓋7を有している。(b)は、(a)における無線充電装置10が設置型収容体40に備えられた状態を示している。ここで、設置型収容体40は、例えば、ロッカー等である。(b)においては、無線充電装置10の送電装置本体1は、設置型収容体40の内壁の2面、例えば図面上の白抜き矢印で示す奥壁と右側壁に寄せて設置される。(c)は、(b)において設置型収容体40内に設置された無線充電装置10の蓋7が開いている状態を示している。
【0041】
図8は、本実施例における図7で示した無線充電装置10の上に、図2で示した、受電装置20を格納した可搬型収容体30(手提げタイプの収容箱)をセットした状態を示す図である。図8において、無線充電装置10の蓋7を開き、可搬型収容体30を蓋7と設置型収容体40の右側壁の間に置き、可搬型収容体30を白抜き矢印で示すように設置型収容体40の奥壁に突き当てることで、送電装置と受電装置の位置合わせを行うことができる。また、無線充電装置10による充電を行わない場合は、無線充電装置10の蓋7を閉じておくことで、送電装置本体1の載置面での異物付着の低減を図ることができる。
【0042】
なお、図7(c)において、黒矢印で示したように、設置型収容体40の扉41の開閉動作に無線充電装置10の蓋7が連動して開閉するように構成すれば、受電装置20を格納した可搬型収容体30(手提げタイプの収容箱)を無線充電装置10の上にセットする際に、蓋7を開かずに無線充電装置10の上に可搬型収容体30を置いてしまうことを防止できる。
【0043】
このように、本実施例によれば、送電装置本体の送電面を覆う開閉可能な片側開きの1つの蓋を設けることで、より簡素な機構のみで送電コイルと受電コイルの位置合わせを容易にし、且つ送電面への異物付着を低減できる。これにより、位置合わせと異物付着低減を兼ねた構成を有する無線充電装置を提供できる。
【実施例0044】
図9は、本実施例における無線充電装置の構成を示す図である。図9において、(a)は無線充電装置10を正面右上部から見た斜視図であり、(b)は上面から見た上面図である。図9における無線充電装置10は、図3と同じ、送電装置本体1と、その上部を覆い後方ガイドを有する第1、第2の蓋を有しており、同じ構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。図9において、図3と異なる点は、送電コイル16が送電装置本体1の筐体外形の中央に配置されている点である。
【0045】
また、図10は、本実施例における受電装置を格納した可搬型収容体の構成を示す図である。図10において、(a)は可搬型収容体30を下から見た斜視図であり、(b)は可搬型収容体30を下から見た底面図である。図10における可搬型収容体30は、図2と同じ、底面に受電装置20を格納しており、同じ構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。図10において、図2と異なる点は、受電コイル21が可搬型収容体30の底面の中央に配置されている点である。
【0046】
図11は、本実施例における図9で示した無線充電装置10の上に、図10で示した可搬型収容体30をセットした状態を示す図である。図11(a)において、可搬型収容体30の長手方向手前側面をA面、長手方向奥側側面をB面としたとき、図11(b)は、前後を入れ替えて、手前にB面、奥側にA面が来るように可搬型収容体30を無線充電装置10の送電装置本体1の上にセットした状態を示している。ここで、本実施例では送電コイル16及び受電コイル21はそれぞれ中央に配置されているため、(a)、(b)どちらの設置向きでも充電可能となる。すなわち、無線充電装置10へ受電装置20を格納した可搬型収容体30を置く向きに関係なく充電可能に出来る。
【0047】
なお、本実施例において、無線充電装置10の蓋構造は、実施例1に限定されるものではなく、実施例2、3に記載の構成でも適用可能である。
【実施例0048】
本実施例では、受電面表面から受電コイルまでの距離が短い受電装置は送電装置の蓋を閉じた状態で充電可能とした構成について説明する。
【0049】
図12は、本実施例における無線充電装置とその上にスマートフォンをセットした状態を示す図である。図12において、無線充電装置10は、図3と同じ、送電装置本体1と、その上部を覆い後方ガイドを有する第1、第2の蓋を有しており、同じ構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。図12において、(a)は、蓋である左ガイド2と右ガイド3を閉じた状態の無線充電装置10であって、(b)は、蓋を閉じた無線充電装置10の上にスマートフォン50をセットした状態を示している。(c)は、(b)におけるA-A断面図である。図12に示すように、スマートフォン50を無線充電装置10上に直接置く場合は、スマートフォン50の受電面表面から受電コイル21までの距離が短いので、無線充電装置10の蓋を閉じた状態でも、送電コイル16と受電コイル21との距離を短く取れるので、無線充電装置10によるスマートフォン50の充電が可能となる。
【0050】
図13は、本実施例における可搬型収容体とスマートフォンの場合の送電コイルと受電コイルとの距離の関係を示す図である。図13において、(a)は、可搬型収容体30を、蓋である左ガイド2と右ガイド3を開いた状態の送電装置本体1の上にセットした場合を示し、(b)は、蓋を閉じた無線充電装置10の上にスマートフォン50をセットした状態を示している。(a)(b)ともに、送電コイル16と受電コイル21を通る平面で切った断面図であり、(a)に示すように、可搬型収容体30に収納された受電装置20の受電コイル21と送電コイル16間の距離をL1、(b)示すように、スマートフォン50に内蔵された受電コイル21と送電コイル16間の距離をL2とすると、L1とL2がほぼ等しくなるよう、蓋である左ガイド2と右ガイド3の厚みを設定すればよい。これにより、可搬型収容体30の底部の厚さと無線充電装置10の蓋の厚みをほぼ同じと出来、無線充電装置10に蓋を開いて可搬型収容体を載置する場合と、蓋を閉じた状態で直接スマートフォン50を置く場合とで送電コイルと受電コイルとの距離を等しく出来る。
【0051】
なお、本実施例において、無線充電装置10の蓋構造は、実施例1に限定されるものではなく、実施例2に記載の構成でも適用可能である。
【実施例0052】
図14は、本実施例における課題を説明する図である。すなわち、図14は、図12で示した、蓋である左ガイド2と右ガイド3が同じ大きさであり、送電装置本体1の送電コイル16の中心付近に蓋の合わせ目が来て段差が生じた場合を示している。すなわち、黒矢印で示したように、送電コイル16の中心付近に蓋の合わせ目が来て段差が生じた場合、送電コイル16と受電コイル21に傾きが生じる、また、送電コイル16と受電コイル21の距離が大きくなる。そのため、充電効率が低下するという課題がある。
【0053】
そのため、本実施例では、図12で示した、無線充電装置10の2つの蓋の大きさを、一方を大きく他方を小さくする。すなわち、2つの蓋の送電装置本体の短手方向の長さを異ならせる。
【0054】
図15は、本実施例における無線充電装置とその上にスマートフォンをセットした状態を示す図である。図15において、(a)は、蓋を閉じた無線充電装置10を示しており、蓋である左ガイド8と右ガイド9の送電装置本体1の短手方向の長さが異なる。(b)は、蓋である左ガイド8と右ガイド9を開いた状態を示している。(c)は、蓋を閉じた無線充電装置10の上にスマートフォン50をセットした状態を示している。
【0055】
図15に示したように、本実施例では、2つの蓋の短手方向の長さを変えることで、合わせ目にスマートフォンが乗らないようにして、蓋の合わせ目に段差が出来た場合でもスマートフォンの姿勢が変わらないように出来、充電効率低下を防止することができる。
【0056】
なお、本実施例において、無線充電装置10の後方ガイドは、実施例1に限定されるものではなく、実施例2に記載の構成でも適用可能である。
【実施例0057】
図16は、本実施例における無線充電装置を示す図である。図16において、無線充電装置10は、図15と同じ、送電装置本体1と、その上部を覆い後方ガイドを有する第1、第2の蓋を有しており、同じ構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。図16において、(a)は、蓋である左ガイド8と右ガイド9を閉じた状態の無線充電装置10を示しており、蓋に、点線で囲った、送電コイル16の位置を示す印18を設けている。(b)は、(a)において送電コイル16を透視した図であり、送電コイル16の位置を示す印18が充電対象となるスマートフォン等を置く目印となる。
【0058】
また、図17は、本実施例における無線充電装置の他の構成を示す図である。図17(a)において、無線充電装置10は、図16に対して、送電コイル16を複数有している点で異なる。そして、蓋に、複数の送電コイル16の位置を示す複数の印18を設けている。(b)は、(a)で示した無線充電装置10の上に、複数の印18を目印として複数のスマートフォン50を置いた場合を示している。
【0059】
なお、本実施例において、無線充電装置10の蓋構造は、実施例6に限定されるものではなく、実施例1乃至5に記載の構成でも適用可能である。
【0060】
このように、本実施例によれば、送電装置本体の送電面を覆う開閉可能な蓋に、送電コイルの位置を示す印を設けることで、蓋を閉じた状態でも充電効率の低下を防止することができる。
【実施例0061】
本実施例は、実施例3に示した、無線充電装置10が設置型収容体40に備えられる場合の放熱性を考慮した構成について説明する。
【0062】
図18は、本実施例における無線充電装置の構成を示す斜視図である。図18において、(a)は無線充電装置10が設置型収容体40に備えられた状態を示している。また、(b)は、(a)において無線充電装置10が設置型収容体40に設置されている箇所を拡大した図である。図18において、図7と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。図18において、図7と異なる点は、粘着シート19を送電装置本体1の設置型収容体40との設置面に設けた点である。粘着シート19は、両面テープであって、放熱性を有するシートである。
【0063】
図19は、本実施例における図18で示した無線充電装置10の上に、図2で示した、受電装置20を格納した可搬型収容体30(手提げタイプの収容箱)をセットした状態を示す図である。(a)は全体の斜視図、(b)は、(a)において無線充電装置10が設置型収容体40に設置されている箇所を拡大した図である。図19において、図8と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。図19において、図8と異なる点は、粘着シート19を送電装置本体1の設置型収容体40との設置面に設けた点である。(b)の破線丸に示すように、受電装置20および送電装置本体1での発熱を、粘着シート19の放熱性を有するシートにより設置型収容体40へ逃がすことができる。
【0064】
このように、本実施例によれば、無線充電装置を設置する設置型収容体と送電装置本体との間に放熱性を有する粘着シートを設けることで、熱を設置型収容体へ逃がすことができる。
【実施例0065】
本実施例は、無線充電装置10の蓋を開けないと可搬型収容体30を無線充電装置10の上に置くことが出来ないようにして、無線充電装置10の蓋の開け忘れによる充電トラブルを防止する点について説明する。
【0066】
図20は、本実施例における無線充電装置の構成を示す斜視図である。図20において、(a)は無線充電装置10が設置型収容体40に備えられた状態を示している。また、(b)は、(a)で示した無線充電装置10の上に、図2で示した、受電装置20を格納した可搬型収容体30(手提げタイプの収容箱)をセットした状態を示す図である。図20において、図7、8と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。図20において、図7、8と異なる点は、無線充電装置10の蓋71に突起72を設けた点である。この構成により、可搬型収容体30を無線充電装置10の上に置く際には、蓋71を開いて置かないと、蓋71の突起72が邪魔をして無線充電装置10の上に置くことができない。よって、無線充電装置10の蓋の開け忘れによる充電トラブルを防止することができる。
【0067】
図21は、本実施例における無線充電装置の他の構成を示す斜視図である。図21において、(a)は無線充電装置10を正面右上部から見た斜視図であり、(b)は(a)で示した無線充電装置10の上に、図2で示した、受電装置20を格納した可搬型収容体30(手提げタイプの収容箱)をセットする状態を示す図である。図21において、図3、4と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。図21において、図3、4と異なる点は、無線充電装置10の左ガイド81、右ガイド82に突起83を設けた点である。この構成により、可搬型収容体30を無線充電装置10の上に置く際には、蓋である左ガイド81、右ガイド82を開いて置かないと、左ガイド81、右ガイド82の突起83が邪魔をして無線充電装置10の上に置くことができない。よって、無線充電装置10の蓋の開け忘れによる充電トラブルを防止することができる。
【0068】
なお、図21(c)に示すように、スマートフォンへの応用として、(a)で示した無線充電装置10の蓋である左ガイド81と右ガイド82の突起83は、左ガイド81と右ガイド82の端部に設けているので、突起の無い蓋の平坦部でスマートフォン50の充電は可能となる。
【0069】
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1:送電装置本体、2、8、81:左ガイド、3、9、82:右ガイド、4:後方ガイド、5、6:後方ガイド、7、71:蓋、10:無線充電装置(送電装置)、16:送電コイル、18:印、19:粘着シート、20:受電装置、21:受電コイル、30:可搬型収容体、40:設置型収容体、41:扉、50:スマートフォン、72、83:突起
図1
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