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特開2023-2972情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002972
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20221228BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20221228BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20221228BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q10/10
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103853
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】515340693
【氏名又は名称】Bank Invoice株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】手島 太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049BB11
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】経理分野における新たな利益を生み出す情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】請求書管理システム10において、請求書管理装置1は、端末装置から特定の受取人に向けて送信された請求書データをネットワークを通じて受信すると、受信した請求書データを、受取人の識別情報と、請求書データの発行者の識別情報と、を関連づけて記憶する請求書データ記憶部12と、請求書データの受信に対応して、将来、通貨と交換可能な発行者及び受取人に対するそれぞれ固有のBIトークンを生成し、生成したBIトークンを受信した請求書データと関連づけて付与トークン管理テーブルに記憶するデータ処理部11と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から特定の受取人に向けて送信されたビジネス文書に関する文書データをネットワークを通じて受信すると、受信した前記文書データを、前記受取人の識別情報と、前記文書データの発行者の識別情報と、を関連づけて記憶する記憶部と、
前記文書データの受信に対応して、将来、通貨と交換可能な前記発行者および受取人に対するそれぞれ固有のトークンを生成し、生成したトークンを受信した前記文書データと関連づけて記憶部に記憶する処理部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記発行者の要求に応じて前記文書データの受信に対応して発行されたトークンを通貨に換金して換金した通貨を前記発行者に支払う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記受取人の要求に応じて前記文書データの受信に対応して発行されたトークンを通貨に換金して換金した通貨を前記受取人に支払う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記文書データの閲覧または編集に応じて変化する前記文書データの発行者、受取人それぞれの処理に関する進捗ステータスを記憶部に記憶し、
前記文書データはブロックに保存され、
前記処理部は、前記発行者または前記受取人の要求に応じて前記文書データに対応する、ブロックに保存した前記文書データを参照できるIDを発行し、
前記IDを参照して前記ブロックが既存のブロックに追加されることが承認されたか否かを判断し、承認された場合に前記進捗ステータスを前記文書データの処理が完了したことを示すステータスに変更する請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記トークンは市場に公開されて価値付けされており、
前記処理部は、前記トークンの現在の価値を参照して換金した通貨を前記発行者または受取人に支払う請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部には前記受取人または前記発行者の識別情報に基づくウォレットが記憶されており、特定したウォレットに換金した通貨を支払う請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は前記トークン毎に現在市場に供給されている量を前記記憶部に記憶し、供給量が一定以上となったトークンを通貨に換金して支払う請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
端末装置から特定の受取人に向けて送信されたビジネス文書に関する文書データをネットワークを通じて受信すると、受信した前記文書データを、前記受取人の識別情報と、前記文書データの発行者の識別情報と、を関連づけて記憶しておき、
前記文書データの受信に対応して、将来、通貨と交換可能な前記発行者および受取人に対するそれぞれ固有のトークンを生成し、生成したトークンを受信した前記文書データと関連づけて記憶する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
端末装置から特定の受取人に向けて送信されたビジネス文書に関する文書データをネットワークを通じて受信すると、受信した前記文書データを、前記受取人の識別情報と、前記文書データの発行者の識別情報と、を関連づけて記憶しておき、
前記文書データの受信に対応して、将来、通貨と交換可能な前記発行者および受取人に対するそれぞれ固有のトークンを生成し、生成したトークンを受信した前記文書データと関連づけて記憶する、
処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネス文書情報を改ざんから守る方法として、例えばブロックチェーンが知られている。このブロックチェーンは、一定時間毎に所謂マイニング処理を行い、合意形成を行う。
また、会社全体または企業グループ全体のビジネス文書(例えば、請求書等)の閲覧とその情報の一元管理を可能とする技術が知られている。
【0003】
例えば、端末装置から特定の受取人に向けて送信されるビジネス文書データをネットワークを通じて受信すると、受信したビジネス文書データを、受取人の識別情報と、ビジネス文書データの発行者の識別情報とを関連づけて記憶する記憶部と、発行者と受取人との間でのビジネス文書データに関する処理の進捗状況を示すステータスの変更回数または当該ビジネス文書データに付随するデータの変更回数のうち、少なくとも一方が所定回数に達するか否かを判断する判断部と、所定回数に達するとビジネス文書データおよび当該ビジネス文書データに付随するデータを集積し、合意形成を行う複数の合意形成装置に送信する送信部と、を備える情報処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/009118号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ブロックチェーン技術を使用すると、何らかの価値付けがなされたトークンが発行されることが知られている。このトークンをビジネス文書データの分野に適用することが考えられる。
特に、今まで利益を生み出さないとされてきた経理分野にトークンを適用すれば、新たな利益を生み出すことが期待できる。
1つの側面では、本発明は、経理分野における新たな利益を生み出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、開示の情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、端末装置から特定の受取人に向けて送信されたビジネス文書に関する文書データをネットワークを通じて受信すると、受信した前記文書データを、受取人の識別情報と、文書データの発行者の識別情報と、を関連づけて記憶する記憶部と、文書データの受信に対応して、将来、通貨と交換可能な発行者および受取人に対するそれぞれ固有のトークンを生成し、生成したトークンを受信した文書データと関連づけて前記記憶部に記憶する処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
1態様では、経理分野における新たな利益を生み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態の請求書管理システムを示す図である。
図2】ログイン後の端末装置に表示される画面の一例を説明する図である。
図3】実施の形態の請求書管理装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】実施の形態の請求書管理装置の機能を示すブロック図である。
図5】請求書データの一例を説明する図である。
図6】トークン記憶部に記憶される情報の一例である。
図7】トークン記憶部に記憶される情報の一例である。
図8】概要表示部に表示される情報を説明する図である。
図9】概要表示部に表示される情報を説明する図である。
図10】実施の形態のデータベースが有する機能を説明するブロック図である。
図11】実施の形態のブロックチェーンに含まれる情報の一例を示す図である。
図12】請求書データの送受信に伴うデータ処理部の処理を説明するフローチャートである。
図13】入金処理を説明するフローチャートである。
図14】トークンの生成量を管理する処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態の請求書管理システムを、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態の請求書管理システムを示す図である。
【0010】
第1の実施の形態の請求書管理システム10は、請求書管理装置1が、インターネットや専用回線等のネットワークを介して端末装置2a、2b、2cに接続されている。
【0011】
端末装置2aは、A社、端末装置2bはB社、端末装置2cはC社等、端末装置2a、2b、2cは、それぞれ異なる会社の経理部門に配置されている装置である。端末装置2a、2b、2cとしては、例えばデスクトップPC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等が挙げられる。
【0012】
請求書管理装置1と、端末装置2a、2b、2cはWebプログラムを実装している。端末装置2a、2b、2cは、Webブラウザを介して請求書に関する請求書データを請求書管理装置1とやりとりする。なお、本実施の形態では請求書データのやりとりを例示するが、請求書はビジネス文書の一例であり、本発明は請求書のやりとりに限定されない。ビジネス文書の他の例としては、例えば見積書や注文書等が挙げられる。
【0013】
請求書管理装置1は、ブロックチェーンに書き込みたい情報(ファイルのハッシュ等)をネットワークに流す。書き込みたい情報としては、本実施の形態では請求書データおよび請求書データに付随するデータである。
データベース3a、3b、3cはブロックチェーンネットワーク20を介して互いに接続されている。
データベース3a、3b、3cは、何らかのデータを基に一義に決まり、且つ、不可逆でランダムなハッシュ関数を生成する。
以下、請求書管理システム10をA社、B社、C社の各経理担当者が利用するものとして説明する。
【0014】
A社、B社、C社の各経理担当者は、それぞれ自己に割り当てられたEmailアドレス等を用いて請求書管理装置1にユーザ登録を行うことにより、請求書管理装置1が構築する請求書処理システムにアクセスする環境を整える。
【0015】
その後、例えばA社の経理担当者が端末装置2aを操作することにより、請求書管理装置1が端末装置2aに接続されたモニタにログイン画面を表示させる。経理担当者はログイン画面にメールアドレスおよびパスワードを入力することにより、請求書管理装置1が提供するサービスにログインすることができる。なお、メールアドレスは、経理担当者を識別する識別情報の一例である。
【0016】
端末装置2a、2b、2cは、ログイン後に、請求書の原本そのものを電子化した請求書データに関する処理を、請求書管理装置1を介して実行することができる。処理の種別としては、例えば、請求書データの作成、送受信、閲覧、編集等が挙げられる。
【0017】
例えば、A社の経理担当者がB社宛に請求書を発行する際には、A社の経理担当者は、端末装置2aを操作することにより、ログイン後に表示される管理画面にて請求先をB社とする請求書を作成する。そして、作成した請求書の送付先にB社の経理担当者(受取人)のメールアドレスを指定した請求書データを送信する。送信された請求書データは、請求書管理装置1が保管する。
【0018】
すなわち、端末装置2a、2b、2c間で請求書データを直接やりとりするのではなく、端末装置2a、2b、2cで作成され、請求先に送信された全ての請求書データは請求書管理装置1が保管し共有データのような取扱いとなる。そして、請求書管理装置1は、必要に応じて請求書データの閲覧、編集権限を端末装置2a、2b、2cに与える。
このように、電子上で請求書原本そのもの電子化し、処理することができる。従って、紙やPDFによる請求書の管理や保管の手間を省くことができる。
【0019】
なお、前述したように、端末装置2a、2b、2c間で請求書データを直接やりとりするのではなく、請求書管理装置1が保管しておくものである。しかし、以下の説明では、説明を分かり易くするために、例えばA社の経理担当者からB社の経理担当者のメールアドレスを宛先とする請求書データが送信された場合、
一般的な請求書データのやりとりと同じく、「経理担当者が請求書データを受信する」という表現を用いる場合がある。
なお、請求書管理装置1と各端末装置2a、2b、2cとの請求書データのやりとりは暗号化されるのが好ましい。
図2は、ログイン後の端末装置に表示される画面の一例を説明する図である。
図2に示す管理画面110は、端末装置2aに表示される画面の一例である。
図2に示すように、経理担当者は、メールソフトウェアのような感覚で請求書データの作成、発行、閲覧、編集等をすることができる。
【0020】
ところで、前述した例では、A社の経理担当者は、一度送信した請求書データは書き替えることができない。また、B社の経理担当者も請求書データを書き替えることができない。請求書データに不備がある場合は、版数の異なる請求書データを再発行することになる。また、旧版の請求書データは、破棄されずに請求書管理装置1が保管し、いつでも閲覧できる状態になる。さらに、請求書管理装置1は、請求書データの版数管理も行い、旧版の請求書データから新版の請求書データを検索したり、新版の請求書データから旧版の請求書データを検索したりすることも容易に行うことができる。
なお、管理画面110の詳細については、後に詳述する。
【0021】
新たな請求書データのやりとり(取引)が発生すると、請求書管理装置1は、データベース3a、3b、3cに取引内容を通知する。データベース3a、3b、3cの管理者は、自己の保有するデータベースを参照し、新たな請求書データのやりとりに不正がないか確認する。
【0022】
そして、データベースの更新権限者を決める合意形成を実施する。合意形成の方法としては、例えば、プルーフ・オブ・ワーク(Proof Of Work)やプルーフ・オブ・ステーク(Proof Of Stake)等が挙げられる。
【0023】
例えば、データベース3aの管理者が最初に答えを発見したとすると、データベース3aの管理者は、他のデータベース3b、3cの参加者へ答えを発見した旨、通知する。
このときデータベース3aの管理者に何らかの報酬が払われてもよい。
データベース3a、3b、3cの管理者は、請求書管理装置1が通知した取引データを自己のデータベースに追加する。
以下、開示の請求書管理システムをより具体的に説明する。
図3は、実施の形態の請求書管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0024】
請求書管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0025】
RAM102は、請求書管理装置1の主記憶装置として使用される。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に使用する各種データが格納される。
【0026】
バス108には、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、ドライブ装置106、および通信インタフェース107が接続されている。
【0027】
ハードディスクドライブ103は、内蔵したディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ハードディスクドライブ103は、請求書管理装置1の二次記憶装置として使用される。ハードディスクドライブ103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、二次記憶装置としては、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置を使用することもできる。
【0028】
グラフィック処理装置104には、モニタ104aが接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ104aの画面に表示させる。モニタ104aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)を用いた表示装置や、液晶表示装置等が挙げられる。
【0029】
入力インタフェース105には、キーボード105aとマウス105bとが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード105aやマウス105bから送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス105bは、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、例えばタッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等が挙げられる。
【0030】
ドライブ装置106は、例えば、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された光ディスクや、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の持ち運び可能な記録媒体に記録されたデータの読み取りを行う。例えば、ドライブ装置106が光学ドライブ装置である場合、レーザ光等を利用して、光ディスク200に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク200には、Blu-ray(登録商標)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。
【0031】
通信インタフェース107は、ネットワーク50に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク50を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータを送受信する。
【0032】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、図3には請求書管理装置1のハードウェア構成を示したが、端末装置2a等、他のコンピュータも同様のハードウェア構成で実現することができる。
図3に示すようなハードウェア構成の請求書管理装置1内には、以下のような機能が設けられる。
図4は、実施の形態の請求書管理装置の機能を示すブロック図である。
【0033】
請求書管理装置1は、データ処理部11と、請求書データ記憶部12と、社外連絡データ記憶部13と、添付ファイルデータ記憶部14と、履歴データ記憶部15と、メモデータ記憶部16と、ブロックデータ生成部17と、トークン記憶部18とを有している。
【0034】
データ処理部11は、経理担当者の操作に応じて図2に示す管理画面110を端末装置2a等に表示する。データ処理部11は、管理画面110を介して行われる請求書データのやり取りに応じた処理を実行する。例えば、データ処理部11は、請求書管理装置1が受信した請求書データや、経理担当者が作成した社外連絡(後述)やメモ等を各記憶部に振り分けて記憶させる。
【0035】
また、データ処理部11は、例えばA社の経理担当者がB社宛ての請求書データを作成し、請求書管理装置1が請求書データを受信したときに、A社およびB社それぞれに対し固有のトークン(以下、BIトークンと言う)を付与する。本実施の形態では、各社が請求書データを送受信する度にデータ処理部11が、請求書データの請求元および請求先それぞれにBIトークンを付与する。
【0036】
このBIトークンは、例えば、取引データ生成部17が請求書データをブロックチェーン技術によって管理(請求書データの改ざんの抑制)することにより生成することができる。BIトークンは、請求書データを特定できる情報を備えている。つまり、取引データ生成部17がブロックチェーン技術によって生成したBIトークンを、データ処理部11が請求書データの送受信のタイミングで請求書データの請求元および請求先それぞれにBIトークンを付与する。
データ処理部11は、取引データ生成部17が生成したBIトークンの発行量と既に付与したBIトークンの付与量をトークン記憶部18に記憶しておく。
【0037】
このBIトークンは例えば請求書管理装置1の管理元がBIトークンの価値を保証することにより、仮想通貨や法定通貨と換金できる価値を持つ債権として取り扱うことができる。
【0038】
また、BIトークンは、審査を経て仮想通貨取引所(暗号資産交換業者)に、取り扱いを委託することも可能である。その場合、BIトークンが上場され、BIトークンが公開されて、BIトークン自体のレートも変動する。換金するときもそのレートが適用される。
【0039】
また、データ処理部11は、BIトークンの発行量を監視する。そして、BIトークンの発行量が一定数以上になった場合は、請求書管理装置1の管理元が設定レートでBIトークンを買い取るようにしてもよい。設定レートは、BIトークンが上場していなければ、例えば、請求書管理装置1の管理元が予め定めたレートである。また、BIトークンが上場している場合は、例えば取引所の上場価格に基づき設定レートが定まる。
【0040】
このように独自トークンの活用により、サービスを利用する経理担当者にインセンティブが生まれるため、従来のEDI(Electronic Data Interchange)等のシステムの利用に比べて請求書管理装置1の利用者の積極的利用を促進することができる。
【0041】
付与されたBIトークンは、所定の単位毎に個別に管理することができる。この単位は、例えば個人単位、法人単位、社内部署単位(部、課)等が挙げられる。本実施の形態では法人単位とする。
【0042】
請求書データ記憶部12には、請求書管理装置1が受信した請求書データが、経理担当者毎(具体的には、経理担当者のメールアドレス毎)に記憶される。請求書管理装置1が受信する請求書データは、請求元の経理担当者が請求先の経理担当者宛に送信した請求書データや、請求元の経理担当者(発行者)が下書きとして作成した請求書データが含まれる。
図5は、請求書データの一例を説明する図である。
本実施の形態ではデータがテーブル化されて記憶されている。
【0043】
請求書データ管理テーブルT1には、請求書ID、送受信、送受信日時、担当者ステータス、相手ステータス、担当者アドレス、担当者名、相手アドレス、および相手担当者名の欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0044】
請求書IDの欄には、請求書データを管理するための請求書データ固有のIDが記憶されている。この請求書IDは、請求書管理装置1が請求書データを受信した時点でデータ処理部11が請求書データに割り振る。
【0045】
送受信の欄には、当該経理担当者から見て当該請求書データが、受信した請求書データなのか送信した請求書データなのかを示す区分が設定される。具体的には、受信した請求書データであれば「受信」、送信した請求書データであれば「送信」が設定される。
送受信日時の欄には、当該請求書データを送受信した日時のうち、最新の日時が格納される。
担当者ステータスの欄には、当該経理担当者から見た請求書データのステータス(処理に関する進捗)が設定される。
相手ステータスの欄には、当該請求書データをやり取りをする相手の経理担当者から見た請求書データのステータスが設定される。
【0046】
担当者ステータスの欄および相手ステータスの欄に設定されるステータスには、「未開封」、「返送中」、「先方破棄」、「確認済」、「支払済」、「保管箱」、「送信済」、「返送戻り」、「破棄済」、「入金済」がある。各ステータスの内容については、後に詳述する。
担当者アドレスの欄には、当該経理担当者のメールアドレスが格納される。
担当者名の欄には、当該経理担当者の氏名が格納される。
相手アドレスの欄には、当該請求書データをやり取りをする相手の経理担当者のメールアドレスが格納される。
相手担当者名の欄には、当該請求書データをやり取りをする相手の名前が格納される。
【0047】
なお、請求書データ管理テーブルに記憶される情報としては、図示した情報以外にも、当該経理担当者の会社名および部署名、当該請求書データをやり取りをする相手の経理担当者の会社名および部署名、各会社の郵便番号、住所、請求項目、請求額等、請求書に関するデータが含まれる。
【0048】
次に、トークン記憶部18に記憶される情報を説明する。トークン記憶部18には、生成されたBIトークンの量に関する情報や、付与されたBIトークンの量に関する情報が記憶されている。
図6は、トークン記憶部に記憶される情報の一例である。
【0049】
図6に示すウォレット管理テーブルT2には、担当者アドレスおよびウォレット番号の欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0050】
ウォレット番号の欄には、BIトークンを換金することにより得られる通貨の入金先を識別する番号が格納される。ウォレットは1つでもよいし、複数でもよい。通貨は仮想通貨でもよいし、法定通貨でもよい。ウォレットの種別は特に限定されず、例えば当該請求書データを作成する際に経理担当者が指定することができる。また、換金のタイミングも任意である。また、ウォレットには、いつ、どのレートで買い戻されたのかを示す情報を記憶するようにしてもよい。
【0051】
なお、図6では担当者毎に付与量およびウォレットを設定する例を示したが、これに限らず、任意の単位(例えば部署毎や会社毎)で付与量およびウォレットを設定してもよい。また、付与量は、日単位、週単位、月単位などで設定してもよい。
図7は、トークン記憶部に記憶される情報の一例である。
【0052】
図7に示す付与トークン管理テーブルT3には、社名ID、担当者アドレス、取引日時、送信時付与量、受信時付与量、総付与量、残量、総発行量、および買い戻しの欄が設けられている。横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
社名IDには、社名を識別する情報が設定される。
担当者アドレスの欄には、権利担当者のメールアドレスが格納される。
送信時付与量の欄には、当該経理担当者が請求書データを送信したときにデータ処理部11が付与したBIトークンの量が格納される。
受信時付与量の欄には、当該経理担当者が請求書データを送信したときにデータ処理部11が付与したBIトークンの量が格納される。
総付与量の欄には、請求書データのやりとりの際に付与されたBIトークンの総量が格納される。
残量の欄には、総生成量から総付与量を減算した量が格納される。
総生成量の欄には、今まで生成されたBIトークンの生成量が格納される。
買い戻しの欄には、データ管理装置1がBIトークンを買い戻した量が格納される。
データ処理部11は、BIトークンを付与する度に、総生成量が一致する(本実施の形態では1000になる)ことを確認している。
【0053】
図7に示すように、本実施の形態では、データ処理部11は、請求書データの送受信を1セットにして、送受信者それぞれに予め定めた量のBIトークンを付与する。
【0054】
そして、任意のタイミングで経理担当者からの買い戻し要求を受け付けると、データ処理部11は、受け付けた量のBIトークンを設定レートで換金して当該経理担当者のウォレットに入金する。
次に、管理画面を説明する。
<管理画面>
データ処理部11は、経理担当者の操作に応じて図2に示す管理画面110を端末装置2a等に表示する。
【0055】
管理画面110には、利用者情報表示部111、ステータス表示部112、概要表示部113、請求書表示部114、社外連絡ボタン115、添付ファイルボタン116、履歴ボタン117、メモボタン118、社外連絡一覧ボタン119、メモ一覧ボタン120、情報表示部121、情報入力部122、およびトークン換金ボタン123が表示されている。
【0056】
利用者情報表示部111には、請求書管理システムにログインしている経理担当者に関する情報(利用者情報)が表示される。図2では一例として経理担当者が所属する会社名、部署名、名字、および経理担当者のメールアドレスが表示されている。
ステータス表示部112には、請求書管理システムにログインしている経理担当者が取り扱う請求書データの数がステータス毎に表示される。
大きく分けて、ステータス表示部112には受信BOX、下書き、送信BOXおよび送受信BOXの欄が設けられている。
データ処理部11は、経理担当者のメールアドレスを宛先とする請求書データを受信BOXに割り振る。
【0057】
経理担当者が受信BOXを選択すると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、担当者アドレスが「bbb@xxmail.co.jp」に一致する請求書データのうち、送受信の欄が「受信」の請求書データの概要を概要表示部113に表示する。
【0058】
図2に示すように、受信BOXに割り振られた請求書データのステータスの内訳は、「未開封」、「返送中」、「先方破棄」、「確認済」、「支払済」、「保管箱」がある。
【0059】
「未開封」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が未確認の請求書データに対してデータ処理部11が、割り振るステータスである。
【0060】
「返送中」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が請求元の経理担当者に返送した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0061】
「先方破棄」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、受信した請求書データを経理担当者が請求元の経理担当者に返送した後に、請求元の経理担当者が破棄した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0062】
「確認済」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が閲覧し、確認ボタン(後述)を選択した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0063】
「支払済」のステータスは、受信BOXに割り振られた請求書データのうち、経理担当者が入金を行い、図示しない支払ボタンを選択した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
経理担当者は、支払済のステータスの請求書データを集計することで、入金明細を把握することができる。
【0064】
「保管箱」のステータスは、ステータスが「支払済」の請求書データのうち、経理担当者が任意のタイミングで保管箱に移した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
ステータス表示部112に表示される数字は、それぞれ、割り振られたステータスの数が表示されている。
例えば、ステータス表示部112の未開封の欄には、受信した請求書データのうち、経理担当者が未確認の請求書データの数が表示される。
なお、ステータス表示部112の保管箱の欄には、特に数字は表示されない。
【0065】
「未開封」、「返送中」、「先方破棄」、「確認済」、「支払済」、「保管箱」の各BOXに割り振られている請求書データの内容を経理担当者が閲覧する場合には、ステータス表示部112の該当箇所を選択すればよい。
【0066】
例えば、経理担当者が受信BOXを選択すると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、データ処理部11は、担当者アドレスが「bbb@xxmail.co.jp」に一致する請求書データのうち、担当者ステータスが未開封の請求書データの概要を、概要表示部113に表示する。
データ処理部11は、経理担当者が作成し、保存したが、送信先の経理担当者に未送信の請求書データを下書きに割り振る。
データ処理部11は、経理担当者が発送した請求書データを送信BOXに割り振る。
【0067】
経理担当者が送信BOXを選択すると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、担当者アドレスが「bbb@xxmail.co.jp」に一致する請求書データのうち、送受信の欄が「送信」の請求書データの概要を概要表示部113に表示する。
【0068】
図2に示すように、送信BOXに割り振られた請求書データのステータスの内訳には、「送信済」、「返送戻り」、「破棄済」、「入金済」、「保管箱」がある。
【0069】
「送信済」のステータスは、送信BOXに割り振られた請求書データのうち、請求先の経理担当者が支払処理を行っていない請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0070】
「返送戻り」のステータスは、送信BOXに割り振られた請求書データのうち、請求先の経理担当者から戻ってきた請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。経理担当者は、請求先から戻ってきた請求書データについての処理が可能となる。
【0071】
「破棄済」のステータスは、請求先の経理担当者から戻ってきた請求書データのうち、請求元の経理担当者が破棄した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0072】
「入金済」のステータスは、送信BOXに割り振られた請求書データのうち、請求元の経理担当者が入金を確認し、図示しない入金ボタンを選択した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
【0073】
「保管箱」のステータスは、ステータスが「入金済」の請求書データのうち、経理担当者が任意のタイミングで保管箱に移した請求書データに対してデータ処理部11が割り振るステータスである。
ステータス表示部112の保管箱の欄には、特に数字は表示されない。
【0074】
「送信済」、「返送戻り」、「破棄済」、「入金済」、「保管箱」の各BOXに入っている請求書データの内容を閲覧する場合には、その箇所を選択すればよい。
【0075】
概要表示部113には、前述したように、経理担当者がステータス表示部112にて選択したステータスに対応する請求書データの概要が表示される。概要としては、受信した請求書データであれば、請求元の会社名、件名、支払期限日、および送信側、受信側のステータスが表示される。
これらのステータスは、請求書データを送受信した双方の経理担当者の管理画面上にそれぞれ同じものが表示される。
図8および図9は、概要表示部に表示される情報を説明する図である。
【0076】
図8では、請求先の経理担当者が閲覧する管理画面110の概要表示部113に表示される請求書データの概要113aと、請求元の経理担当者が閲覧する管理画面110の概要表示部113に表示される概要113bとを示している。
【0077】
すなわち、図8に示す請求元が株式会社ABCであり、件名が○○workの請求書データD1については、請求元の経理担当者が操作する端末装置の管理画面上ではステータス表示部の「送信済」に入っている。請求元の経理担当者がステータス表示部の「送信済」を選択した際には、請求書データD1について、請求先が□□株式会社、件名が○○work、請求元の経理担当者のステータスが「送信済」、請求先の経理担当者のステータスが「未開封」である旨が概要表示部113に表示される。
【0078】
また、ステータスの遷移を確認することにより、請求元の経理担当者は容易に請求先の経理担当者の処理の進捗を確認することができる。このため、双方の経理担当者が、各請求書データについて今どのような状態にあるのかを、リアルタイムに確認することができる。
図9(a)に示す概要113c、113d、113eは、いずれも請求書データD2についての概要を示している。
【0079】
請求先の経理担当者が請求書データD2を閲覧し、確認ボタン(後述)を選択すると、データ処理部11は、請求元の経理担当者が操作する端末装置の管理画面110の概要表示部113に表示される情報を概要113cから概要113dに変更する。
【0080】
その後、請求先の経理担当者が請求書データD2の支払処理を行い、図示しない支払済ボタンを選択すると、データ処理部11は、請求元の経理担当者が操作する端末装置の管理画面110の概要表示部113に表示される情報を概要113dから概要113eに変更する。
また、他の例として、図9(b)に示す概要113f、113gは、いずれも請求書データD3についての概要を示している。
【0081】
請求先の経理担当者が請求書データD3を閲覧し、返送ボタン(後述)を選択すると、データ処理部11は、請求先の経理担当者が操作する端末装置の管理画面の概要表示部113に表示される情報を概要113fから概要113gに変更する。
再び図2に戻って説明する。
【0082】
概要表示部113に表示された請求書データの概要が経理担当者により選択されると、データ処理部11は、請求書データの詳細を請求書表示部114に表示する。請求書表示部114に表示される請求書の内容は、アドレス表示部114aおよび後述する各種ボタンを供えること以外は、既存の(紙やPDFベースの)請求書と同じである。
【0083】
経理担当者が受信BOXに割り振られた請求書データを閲覧する場合には、データ処理部11は、送信元の経理担当者(from)のメールアドレスをアドレス表示部114aに表示する。
【0084】
また、経理担当者が下書きまたは送信BOXに割り振られた請求書データを閲覧する場合には、データ処理部11は、送信先の経理担当者(to)のメールアドレスを表示する。
なお、データ処理部11は、請求書データの請求書IDを請求書表示部114に表示するようにしてもよい。
経理担当者は、管理画面110上にて請求書表示部114に表示されている請求書の処理が可能である。
具体的には、請求書データのステータスに応じて、請求書を処理するためのボタンが請求書表示部114に表示される。
図2では、ステータスが未開封の請求書データを選択したときに表示されるボタンを示している。
請求書表示部114には、確認ボタン114b、返送ボタン114cおよびコピーボタン114dが設けられている。
【0085】
経理担当者により確認ボタン114bが選択されると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、請求書表示部114に表示されている請求書データの担当者ステータスを「確認済」に変更する。また、データ処理部11は、ステータス表示部112の「未開封」の数字を1つ減らし、「確認済」の数字を1つ増やす。
【0086】
経理担当者により返送ボタン114cが選択されると、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を参照する。そして、請求書表示部114に表示されている請求書データの担当者ステータスを「返送中」に変更し、相手ステータスを「返送戻り」に変更する。また、データ処理部11は、ステータス表示部112の「未開封」の数字を1つ減らし、「返送中」の数字を1つ増やす。
返送された請求書データを受信した経理担当者の管理画面上では、ステータス表示部の返送戻りの数字を1つ増やす。
【0087】
経理担当者によりコピーボタン114dが選択されると、データ処理部11は、当該請求書データの請求元と請求先の社名および住所が入れ替えられた新たな請求書データを作成する。そして、データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1に作成した請求書データに関する情報を格納する。このとき、当該請求書データの担当者ステータスは、「下書き」、相手ステータスは空欄となる。
再び図2に戻って説明する。
【0088】
送受信BOXには、受信BOXおよび送信BOXに入っている全ての請求書データのうち、破棄された請求書データと保管箱に割り振られた請求書データと下書きに割り振られた請求書データを除くデータが割り振られている。
<社外連絡ボタン>
【0089】
経理担当者により社外連絡ボタン115が選択されると、データ処理部11は、管理画面110を社外連絡入力モードに切り替える。この社外連絡入力モードでは、データ処理部11は、情報入力部122に入力され、キーボードのエンターキーを押す等して確定された文書(テキストデータ)を、社外連絡として、当該経理担当者のメールアドレスおよび請求書表示部114に表示されている請求書データに関連づけて社外連絡データ記憶部13に記憶する。
<添付ファイルボタン>
【0090】
経理担当者により添付ファイルボタン116が選択されると、データ処理部11は、管理画面110を添付ファイルモードに切り替える。この添付ファイルモードでは、データ処理部11は、情報入力部122にクリック&ドラッグされ、キーボードのエンターキーを押す等して確定された添付データを、当該経理担当者のメールアドレスおよび請求書表示部114に表示されている請求書データに関連づけて添付ファイルデータ記憶部14に記憶する。
<履歴ボタン>
データ処理部11は、今までの双方の経理担当者の操作履歴(履歴データ)を履歴データ記憶部15に記憶しておく。
<メモボタン>
【0091】
経理担当者によりメモボタン118が選択されると、データ処理部11は、管理画面110をメモ入力モードに切り替える。このメモ入力モードでは、データ処理部11は、情報入力部122に入力され、キーボードのエンターキーを押す等して確定された文字等を、メモとして、当該経理担当者のメールアドレスおよび請求書表示部114に表示されている請求書データに関連づけてメモデータ記憶部16に記憶する。このメモは、メモを作成した者しか閲覧することができない。
<社外連絡一覧ボタン>
【0092】
経理担当者により社外連絡一覧ボタン119が選択されると、データ処理部11は、社外連絡に関するデータが記憶されている社外連絡データ記憶部13を参照し、当該経理担当者が担当する請求書に関する社外連絡の一覧画面(社外連絡一覧画面)を時系列で管理画面110上に表示する。
<メモ一覧ボタン>
【0093】
経理担当者により、メモ一覧ボタン120が選択されると、データ処理部11は、社外連絡に関するデータが記憶されているメモデータ記憶部16を参照し、当該経理担当者が担当する請求書に関するメモの一覧画面(メモ一覧画面)を時系列で管理画面110上に表示する。
<トークン換金ボタン>
【0094】
経理担当者により、トークン換金ボタン123が選択されると、データ処理部11は、現在請求書表示部114に表示されている請求書の金額を、BIトークンを用いて換金する処理(入金処理)を実行する。この処理については、後に詳述する。
再び図4に戻って説明する。
【0095】
取引データ生成部17は、取引データが所定回数更新されたタイミングで各記憶部12~16に記憶されているそれまでの取引データを集積して暗号署名し、合意形成を行うデータベース3a、3b、3cに送信する。補足すると、取引データは、請求書データ、請求書データのステータス、社外連絡データ、添付ファイルデータ、履歴データ、メモデータのうち、少なくとも1つを含む。
【0096】
ブロック生成のタイミングでBIトークンが生成される。取引データ生成部17は、生成したBIトークンを、トークン記憶部18に記憶する。その後、取引データ生成部17は、所定回数に達したカウンタの数値をリセットする。
次に、データベース3a、3b、3cが有する機能を説明する。
図10は、実施の形態のデータベースが有する機能を説明するブロック図である。
データベース3aは、記憶部31と、送受信部32と、ブロックヘッダ生成部33と、合意形成部34とを有している。
【0097】
記憶部31には、ブロック311と、データベースリスト312とが記憶されている。なお、記憶部31に記憶される情報はこれらに限定されないのは言うまでも無い。
【0098】
ブロック311は、例えば、個々の取引履歴やコンピュータにおける処理のまとまり等、ブロックチェーンに登録する情報のまとまり(トランザクション)に、ブロックチェーンを構成するために必要な情報を付加したものである。
図11は、実施の形態のブロックチェーンに含まれる情報の一例を示す図である。
ブロック311には、ブロックナンバー311a、タイムスタンプ311b、トランザクションリスト311cが含まれている。
ブロックナンバー311aは、当該ブロック311を識別する情報である。
タイムスタンプ311bは、新たに作成するブロックのタイムスタンプである。
【0099】
トランザクションリスト311cは、取引履歴やコンピュータにおける処理のまとまりをいう。ここではブロックチェーンに登録する情報のまとまりをリスト化したものをいう。具体的には、請求書データ、社外連絡データ、添付ファイルデータ、履歴データおよびメモデータ、請求書データの請求元のウォレット番号、請求先のウォレット番号が含まれる。
【0100】
データベースリスト312は、ブロックチェーンネットワーク20に接続されている他のデータベースを識別する識別情報(例えばIPアドレス)が記憶されたリストである。
送受信部32は、ブロック311に記録するデータ(記録対象データ)を請求書管理装置1から受信する。
ブロックヘッダ生成部33は、記録対象データにハッシュ関数を用いてハッシュ値を生成する。
また、ブロックヘッダ生成部33は、生成したハッシュ値と、直前のブロックのハッシュ値と、タイムスタンプ311bとを用いてブロックヘッダを生成する。
合意形成部34は、ブロックヘッダ生成部33が生成したノンス「Nonce」に適当な値を入れることによりブロックヘッダのハッシュ値を計算する。
【0101】
データベース3a、3b、3cのうち、最初に答えを見つけたデータベース(ここではデータベース3aとする)は、データベース3b、3cにその旨を通知する(承認処理)。承認されると、各データベース3b、3cは、自己のデータベースに通知されたブロックをそれぞれが有する既存のブロックに追加する。これにより、データベース3a、3b、3cが有する取引データの整合性が保たれる。
次に、請求書データの送受信に伴うデータ処理部11の処理を、フローチャートを用いて説明する。
図12は、請求書データの送受信に伴うデータ処理部の処理を説明するフローチャートである。
[ステップS1] データ処理部11は、請求書データを受信する。その後、ステップS2に遷移する。
【0102】
[ステップS2] データ処理部11は、請求書データ管理テーブルT1を更新する。また、データ処理部11は、付与トークン管理テーブルT3を参照し、請求書データを送信した経理担当者の送信時付与量を所定量増やす。そして、データ処理部11は、1つ上のレコードの残量から送信時付与量を減算した量を残量の欄に設定する。送信時付与量を総付与量に加算する。また、データ処理部11は、請求書データを受信した経理担当者の受信時付与量を所定量増やす。そして、データ処理部11は、1つ上のレコードの残量から送信時付与量を減算した量を残量の欄に設定する。受信時付与量を総付与量に加算する。
以上で図12の処理を終了する。
次に、本実施の形態の入金処理を説明する。
図13は、入金処理を説明するフローチャートである。
[ステップS11] データ処理部11は、トークン換金ボタン123の選択を受け付けると、ステップS12に遷移する。
【0103】
[ステップS12] データ処理部11は、選択を受け付けた請求書データの支払IDを発行する。この支払IDは、ブロックのトランザクションで、誰から誰へ何時にいくらという情報をハッシュ化した番号である。その後、ステップS13に遷移する。データ処理部11は、発行した支払IDを、請求書データ管理テーブルT1の該当する請求書データの支払IDの欄に格納する。例えば、図5に示す例では、請求書ID「001」、「002」はそれぞれ別個の支払IDが格納されている。このため、これらは別個のブロックに記録されている請求書データである。また、請求書ID「003」、「004」はそれぞれ同じ支払IDが格納されている。このため、これらは同じブロック内に記録されている請求書データである。
[ステップS13] データ処理部11は、前述した承認処理が実行されたか否かを判断する。承認処理が実行されるとステップS14に遷移する。
【0104】
[ステップS14] データ処理部11は、ブロック311に保存したデータが承認されたか否かを、支払IDを利用して確認する。各データベース3a~3cからの通知を受けるようにしてもよい。
【0105】
[ステップS15] データ処理部11は、ブロック311に保存したデータが既存のブロックに追加されることが承認されている場合、請求書データ管理テーブルT1の該当する請求書の担当者ステータスおよび相手ステータスを入金が完了したことを示すステータスに変更する。具体的には、担当者ステータスを「送信済」から「入金済」に変更する。相手ステータスを「未開封」、または「確認済」から「支払済」に変更する。
図13に示す処理によって、請求書データに記載された請求額の入金処理の自動化を図ることができる。
次に、トークンの生成量を管理する処理を、フローチャートを用いて説明する。
図14は、トークンの生成量を管理する処理を説明するフローチャートである。
[ステップS21] データ処理部11は、トークン付与管理テーブルT3の総生成量の欄を参照する。その後、ステップS22に遷移する。
【0106】
[ステップS22] データ処理部11は、総生成量が所定量以上か否かを判断する。この所定量は、例えばデータ管理装置1の管理者が予め設定しておく量である。総生成量が所定量以上である場合(ステップS22のYes)、ステップS23に遷移する。総生成量が所定量未満である場合(ステップS22のNo)、図14の処理を終了する。
【0107】
[ステップS23] データ処理部11は、BIトークンが上場されているか否かを判断する。BIトークンが上場されている場合(ステップS23のYes)、ステップS24に遷移する。BIトークンが上場されていない場合(ステップS23のNo)、ステップS25に遷移する。
[ステップS24] データ処理部11は、BIトークンを上場価値に換算した通貨をウォレットに入金する。その後、ステップS25に遷移する。
【0108】
[ステップS25] データ処理部11は、BIトークンを予め割り当てたレートで換算した通貨をウォレットに入金する。その後、ステップS26に遷移する。
【0109】
[ステップS26] データ処理部11は、付与トークン管理テーブルT3を参照し、残量および総付与量の欄を更新する。具体的には、データ処理部11は、買い戻した分だけ残量を増やす。また、買い戻した分だけ総生成量を減らす。その後、図14の処理を終了する。
【0110】
なお、買い戻したBIトークンは永久に使えないようにしてもよい(Burn制度の導入)。買い戻したBIトークンを一時的に使えないようにしてもよい(ロックアップ制度の導入)。これにより、市場に出回っているBIトークンの量を減らすことで希少性を高めるようにコントロール可能にする。
【0111】
以上述べたように、請求書管理システム10によれば、請求書管理装置1は、端末装置2a、2b、2cから特定の受取人に向けて送信された請求書データをネットワークを通じて受信すると、受信した請求書データを、受取人の識別情報と、請求書データの発行者の識別情報と、を関連づけて記憶する請求書データ記憶部12と、請求書データの受信に対応して、将来、通貨と交換可能な発行者および受取人に対するそれぞれ固有のBIトークンを生成し、生成したBIトークンを受信した請求書データと関連づけて付与トークン管理テーブルT3に記憶するデータ処理部11と、を有する。
従って、経理分野における新たな利益を生み出すことができる。
【0112】
前述したように、独自トークンの活用により、サービスを利用する経理担当者にインセンティブが生まれるため、従来は目立たず、評価の対象とならなかった業務が収益化することで目立つようになり、労働に対する正当な評価が期待できる。
【0113】
また、請求書の支払い額をBIトークンにより支払うこともできる。これにより銀行を経由した場合に発生する送金手数料を限りなくゼロにして、(何百部分もまとめられた請求データを仮想通貨で支払う時に1つ1つに分解して)請求データ1に対して1の支払を行うことができる。また、送金や入金は請求書データを請求書管理装置1に送信した日に即座に実行させることが可能となる。第三者(銀行)による信用は決済の際に不要となる。
【0114】
また、支払に使用するBIトークンに請求データを特定できる情報を持たせて、入金を受けた側はその入金額(トークン)を選択すると、そのBIトークンに対応する請求データを画面上に表示させ、その請求の内訳もわかる状態にすることができる。これにより、入金を受けた側の入金処理の自動化を実現することができる。
【0115】
さらに、BIトークンを保有しているほどBIトークンの価値を高めようとするインセンティブがうまれるため、取引先に請求書管理システム10が提供するサービスを紹介する等してサービスの成長に貢献してくれるようになる。主にBtoBの世界でBIトークンを中心に経済圏が生まれ拡大していく。
【0116】
BIトークンが換金可能になれば、例えば、経理部門がコストセンターからプロフィットセンターに転換する。これにより、請求書のデジタル化(DX)を地球規模で促進することができる。
【0117】
なお、BIトークンの生成は請求書データの送信時・受信時に限定されない。例えば請求書データの受取人が「確認」ボタンを選択したときや、請求書データの発行者が「入金済」ボタンを選択したときにBIトークンを生成するようにしてもよい。
また、請求書管理装置1がデータベース3a、3b、3cが有する機能を備えていてもよい。
【0118】
また、端末装置2a、2b、2c間で請求書データを直接やりとりするのではなく、端末装置2a、2b、2cで作成され、請求先に送信された全ての請求書データは請求書管理装置1が保管し共有データのような取扱いとなる。このため、請求先の経理担当者は、請求書データをプリントアウトすることで請求書の原本を入手することができる。
また、電子署名処理やタイムスタンプ処理等を施さなくてもよいので、税務調査のために紙の請求書をPDF化する等の手間を削減することができる。
【0119】
情報表示部121には、請求書データの送信元、送信先双方の経理担当者自身が入力した社外連絡が表示される。このため、この社外連絡入力モードを用いることにより、双方の経理担当者は、チャットのようなやりとりが可能である。
【0120】
請求書データを送信した時点で請求書データ管理テーブルT1に情報が記憶され、その後のやり取りのステータスは、この請求書データ管理テーブルT1上で管理される。このため、経理担当者は、手入力により請求書をデータシートにまとめ直す作業から開放される。
なお、請求書管理装置1が行った処理が、複数の装置によって分散処理されるようにしてもよい。
【0121】
また、本実施の形態では、請求書管理装置1が請求書データ記憶部12等各記憶部を備える構成としたが、これに限らず、各記憶部はクラウド化され、データ処理部11と別個の場所に設けられていても良い。
【0122】
以上、本発明の情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0123】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、請求書管理装置1が有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記憶装置には、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクには、DVD、DVD-RAM、CD-ROM/RW等が挙げられる。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0124】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0125】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0126】
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
【符号の説明】
【0127】
1 請求書管理装置
2a、2b、2c 端末装置
3a、3b、3c データベース
10 請求書管理システム
11 データ処理部
12 請求書データ記憶部
13 社外連絡データ記憶部
14 添付ファイルデータ記憶部
15 履歴データ記憶部
16 メモデータ記憶部
17 取引データ生成部
20 ブロックチェーンネットワーク
31 記憶部
311 ブロック
312 データベースリスト
32 送受信部
33 ブロックヘッダ生成部
34 合意形成部
T1 請求書データ管理テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14