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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002974
(43)【公開日】2023-01-11
(54)【発明の名称】バリケードブロック
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/00 20060101AFI20221228BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20221228BHJP
   E01F 13/04 20060101ALI20221228BHJP
   E01F 15/10 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
E01F13/00 301
E01F13/02 Z
E01F13/04 Z
E01F15/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103859
(22)【出願日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】390014029
【氏名又は名称】株式会社八木熊
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土岡 正治
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA11
2D101DA05
2D101EA05
2D101FA06
2D101FB23
2D101FB25
(57)【要約】
【課題】本発明は、組み立てが容易で十分な衝撃耐久性を備えているバリケードブロックを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るバリケードブロックは、中空で平面視略矩形状に形成された本体部10と、本体部10の長手方向の両端部に形成された接続部20及び30とを備え本体部10には、長手方向の両端部及び長手方向に沿う両側部の全周にわたって複数の長溝部13a~13cが上下方向に所定間隔を置いて形成されており、接続部20は、長溝部13a~13cの下側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部21a~21cが形成されており、接続部30は、長溝部13a~13cの上側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部31a~31cが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空で平面視略矩形状に形成された本体部と、前記本体部の長手方向の両端部に形成された接続部とを備えているバリケードブロックであって、前記本体部には、長手方向の両端部及び長手方向に沿う両側部の全周にわたって複数の長溝部が上下方向に所定間隔を置いて形成されており、一方の端部に形成された前記接続部は、前記長溝部のそれぞれの下側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部が形成されており、他方の端部に形成された前記接続部は、前記長溝部のそれぞれの上側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部が形成されており、前記接続突起部には、連結棒体を上下方向に貫通して挿入する接続孔がそれぞれ形成されているバリケードブロック。
【請求項2】
前記長溝部には、金属製の補強体が保持されており、前記補強体には、前記連結棒体に連結する連結部が設けられている請求項1に記載のバリケードブロック。
【請求項3】
前記接続突起部は、外方に向かって突出する端面が平面視円弧状に形成されており、前記本体部は、一方の端部において前記長溝部の上側の外側面が前記端面に対応して窪んだ形状の受け面に形成されているとともに他方の端部において前記長溝部の下側の外側面が前記端面に対応して窪んだ形状の受け面に形成されている請求項1又は2に記載のバリケードブロック。
【請求項4】
前記本体部は、上面において長手方向の両端部の内側に係合凸部が形成されており、底面において前記係合凸部に対応する位置に係合凹部が形成されている請求項1から3のいずれかに記載のバリケードブロック。
【請求項5】
前記本体部は、底面において中央部分に凹凸形状の補強部が形成されている請求項1から4のいずれかに記載のバリケードブロック。
【請求項6】
前記本体部は、前記長溝部の間の外側面に内部に向かって貫通する支持用貫通部が形成されている請求項1から5のいずれかに記載のバリケードブロック。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のバリケードブロックを長手方向に沿って複数個配列したバリケードシステムであって、隣接する前記バリケードブロックの一方の前記長溝部の下側に形成された前記接続突起部と他方の前記長溝部の上側に形成された前記接続突起部を重ね合わせて位置合せされた各接続孔に貫通して挿着された複数の連結棒体と、前記バリケードブロックの前記長溝部に保持されるとともに前記連結棒体に連結された複数の金属製の補強体とを備えているバリケードシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の通行を制限する通行止め用障壁等の仮設設備に用いられるバリケードブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の通行する道路において道路工事等が行われる場合に、安全確保の観点から車両の通行を制限するために道路上に障壁物からなる仮設設備を設置することが行われている。また、道路以外でも歩行者用通路や滑走路において車両の進入を制限するために障壁物からなる仮設設備を設置するようになっている。こうした仮設設備は、容易に設置できるとともに、車両の衝突に対する衝撃耐久性を備えることが必要となるため、バリケードブロックを複数個配列して障壁を構成した仮設設備が実用化されている。
【0003】
バリケードブロックについては、取り扱いの容易性及び衝撃耐久性といった様々な観点から改良品が提案されており、例えば、特許文献1では、外方に突出する突出部分を備え、下部にブリツジを有する主要部材と、突出部分に対応する孔部分を有する結合部材の組合わせよりなる障壁集合体が記載されている。また、特許文献2では、中空のプラスチック容器の両側に複数の接続突起を備えるとともに外壁に複数の鋸歯部分を有し、内部に金属ケーブルを備えた障壁ブロックを連結して構成された防護壁システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2695228号公報
【特許文献2】特許第5571678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ブロック状の主要部材の両側に設けた継手部分を結合部材で結合して連結するようにしているが、結合部分が衝撃耐久性の点で不十分であり、結合部材を継手部分に嵌め込む必要があることから、組み立てが難しいといった課題がある。
【0006】
特許文献2では、プラスチック容器の両側に形成された接続突起を組み合せてピンを挿入することで接続するようにしており、接続部分の組み立てが容易に行えるように構成されているが、衝撃耐久性の点で不十分となっている。
【0007】
そこで、本発明は、組み立てが容易で十分な衝撃耐久性を備えているバリケードブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るバリケードブロックは、中空で平面視略矩形状に形成された本体部と、前記本体部の長手方向の両端部に形成された接続部とを備えているバリケードブロックであって、前記本体部には、長手方向の両端部及び長手方向に沿う両側部の全周にわたって複数の長溝部が上下方向に所定間隔を置いて形成されており、一方の端部に形成された前記接続部は、前記長溝部のそれぞれの下側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部が形成されており、他方の端部に形成された前記接続部は、前記長溝部のそれぞれの上側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部が形成されており、前記接続突起部には、連結棒体を上下方向に貫通して挿入する接続孔がそれぞれ形成されている。さらに、前記長溝部には、金属製の補強体が保持されており、前記補強体には、前記連結棒体に連結する連結部が設けられている。さらに、前記接続突起部は、外方に向かって突出する端面が平面視円弧状に形成されており、前記本体部は、一方の端部において前記長溝部の上側の外側面が前記端面に対応して窪んだ形状の受け面に形成されているとともに他方の端部において前記長溝部の下側の外側面が前記端面に対応して窪んだ形状の受け面に形成されている。さらに、前記本体部は、上面において長手方向の両端部の内側に係合凸部が形成されており、底面において前記係合凸部に対応する位置に係合凹部が形成されている。さらに、前記本体部は、底面において中央部分に凹凸形状の補強部が形成されている。さらに、前記本体部は、前記長溝部の間の外側面に内部に向かって貫通する支持用貫通部が形成されている。
【0009】
本発明に係るバリケードシステムは、上記のバリケードブロックを長手方向に沿って複数個配列したバリケードシステムであって、隣接する前記バリケードブロックの一方の前記長溝部の下側に形成された前記接続突起部と他方の前記長溝部の上側に形成された前記接続突起部を重ね合わせて位置合せされた各接続孔に貫通して挿着された複数の連結棒体と、前記バリケードブロックの前記長溝部に保持されるとともに前記連結棒体に連結された複数の金属製の補強体とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような構成を備えていることで、本体部には、長手方向の両端部及び長手方向に沿う両側部の全周にわたって複数の長溝部が上下方向に所定間隔を置いて形成されており、長溝部の一方の端部には上側に接続突起部が形成され、他方の端部には下側に接続突起部が形成されているので、バリケードブロックが連結された状態では、接続突起部及び長溝部が長手方向に沿って直線状に配列されるようになる。
【0011】
そして、長溝部には、金属製の補強体が保持されて長溝部に並行して直線状に配列されるようになり、バリケードブロックの外側面に対する衝撃耐久性を向上させることができる。
【0012】
また、バリケードブロックを連結する際に長溝部の上側に形成された接続突起部と下側に形成された接続突起部を重ね合うようにセットして連結棒体を接続孔に挿入することで容易に組み立てることができ、バリケードブロックの設置及び撤去といった作業を効率的に行うことが可能となる。
【0013】
また、接続突起部の外方に突出した端面を平面視円弧状に形成して端面に対向する外側面を窪んだ形状の受け面に形成することで、バリケードブロックを連結棒体で連結した状態でも連結棒体を中心にバリケードブロックを回動させることができる。
【0014】
また、本体部の上面に係合凸部を形成し、本体部の底面に係合凹部を形成することで、バリケードブロックを上下に積載して収容することができ、凹凸形状による補強効果を得ることが可能となる。また、本体部の底面の中央部分に凹凸形状を形成することでリブ形状による補強効果を得ることができる。また、本体部において長溝部の間に支持用貫通部を形成することで、フォークリフト等の運搬装置の支持棒を挿し込んで容易に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る実施形態に関する斜視図である。
図2】本発明に係る実施形態に関する正面図である。
図3】本発明に係る実施形態に関する平面図である。
図4】本発明に係る実施形態に関する底面図である。
図5】本発明に係る実施形態に関する側面図である。
図6】本発明に係るバリケードシステムに関する斜視図である。
図7図6に示すバリケードシステムにおいてバリケードブロックを除いて補強体のみを表示した斜視図である。
図8】本発明に係る別のバリケードシステムに関する斜視図である。
図9図8に示すバリケードシステムにおいてバリケードブロックを除いて補強体のみを表示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明に係るバリケードブロックに関する上面側からみた斜視図であり、図2から図5は、バリケードブロックに関する正面図(図2)、平面図(図3)、底面図(図4)、右側面図(図5(a))及び左側面図(図5(b))である。
【0018】
バリケードブロック1は、中空で平面視略矩形状に形成された本体部10と、本体部10の長手方向の一方の端部に形成された接続部20と、本体部10の長手方向の他方の端部に形成された接続部30とを備えている。
【0019】
本体部10は、樹脂製の中空体に成形されており、接続部とともにブロー成形又は回転成形により一体成形することができる。本体部10の上面には、給水口が形成されており、給水口には給水キャップ11が取り付けられている。また、本体部10の下端部には排水口が形成されており、排水口には排水栓12が取り付けられている。
【0020】
空の状態のバリケードブロックを設置場所に搬入した後給水口から本体部10の内部に給水して満水状態とすることで、十分な重量のバリケードブロックを設置することができる。また、バリケードブロックの撤去時には、排水口を開口して内部の水を排水して空の状態にすることで、軽量となったバリケードブロックを容易に移動することができる。
【0021】
本体部10に用いる樹脂材料としては、衝撃耐久性を備えた材料が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンといった公知の樹脂材料が挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いて成形することで、満水状態でも亀裂等の変形が生じることなく車両等の衝突による衝撃に対して十分な耐久性を備えることができる。
【0022】
本体部10には、長手方向の両端部及び長手方向に沿う両側部の全周にわたって複数の長溝部13a~13cが上下方向に所定間隔を置いて形成されている。長溝部13a~13cは、後述する接続突起の上下方向の厚さのほぼ2倍の間隔で配列している。また、各長溝部は、両側部において所定幅で凹状に窪ませて長手方向に沿って形成されており、両端部では、接続突起の間に形成されている。
【0023】
本体部10の上面には、長手方向の一方の両端部の内側に係合凸部14a及び14bが短手方向に配列して形成されており、他方の端部の内側に係合凸部15a及び15bが短手方向に配列して形成されている。また、本体部10の底面には、係合凸部14a及び14bに対応する位置に係合凹部16a及び16bが短手方向に配列して形成されており、係合凸部15a及び15bに対応する位置に係合凹部17a及び17bが短手方向に配列して形成されている。
【0024】
各係合凸部は、略直方体の形状で外方に向かって突設されており、各係合凹部は、各係合凸部のサイズよりもわずかに大きいサイズの窪みで内方に向かって形成されている。そのため、バリケードブロックを上下に積載する場合に、下側の係合凸部を上側の係合凹部に嵌め込んで安定した状態で積載することができる。また、接続部に近接して凹凸形状を形成しているので、接続部に衝撃が加わった場合に本体部10の両端部の補強効果を発揮するようになる。
【0025】
本体部の底面には、中央部分に凹凸形状の補強部18が形成されている。底面に所定間隔を置いて短手方向に沿って所定幅の窪みを複数形成して凹凸形状とすることで、本体部10の底面の補強効果を得ることができ、本体部10が満水状態でも底面が撓むことなく安定した形状で設置することが可能となる。
【0026】
本体部10には、長溝部13a~13cの間の外側面において内部に向かって貫通する支持用貫通部19が複数形成されている。支持用貫通部19は、両外側面を接続するように筒状に一体形成されており、フォークリフト等の運搬装置の支持棒を挿し込んで容易に移動することができる。また、外側面同士を筒状部分で連結した状態となっているので、満水状態で外側面が撓まないように補強する効果を得ることが可能となる。
【0027】
本体部10の一方の端部に形成された接続部20は、長溝部13a~13cのそれぞれの下側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部21a~21cが形成されており、本体部10の他方の端部に形成された接続部30は、長溝部13a~13cのそれぞれの上側において長手方向に沿って突出するように複数の接続突起部31a~31cが形成されている。そして、接続突起部21a~21cの中央部分には、連結棒体を上下方向に貫通して挿入するための接続孔22a~22cがそれぞれ形成されている。接続突起部31a~31cにも同様に連結棒体を挿入するための接続孔32a~32cがそれぞれ中央部分に形成されている。
【0028】
各接続突起部は、上下方向の厚さがほぼ同じ厚さとなるように設定されており、接続突起部21aの下側には、長溝部13bとの間に接続突起部31bが挿入可能な間隔が設定されており、接続突起部21bの下側には、長溝部13cとの間に接続突起部31cが挿入可能な間隔が設定されている。そのため、複数のバリケードブロックを長手方向に配列して連結する場合に、接続突起部21a及び21bの下側に隣接する接続突起部31b及び31cがそれぞれ挿入されて重なり合うように組み合わせることができる。
【0029】
そして、組み合わせた状態では、上方から見て、最も上側の隣接する接続突起部31a及び最も下側の接続突起部21cも他の接続突起部と重なり合った状態となり、連結棒体を各接続突起部の接続孔に貫通して装着することができる。
【0030】
また、側方から見て、隣接する接続突起部31aと接続突起部21aとの間に長溝部13aに連通する隙間が形成され、隣接する接続突起部31bと接続突起部21bとの間に長溝部13bに連通する隙間が形成され、隣接する接続突起部31cと接続突起部21cとの間に長溝部13cに連通する隙間が形成される。そのため、長手方向に配列されて連結されたバリケードブロックの各長溝部は、直線状に連なって配列されるようになる。
【0031】
接続突起部21a~21c及び31a~31cは、外方に向かって突出して平面視円弧状の端面23a~23c及び33a~33cが形成されている。本体部10は、一方の端部において長溝部13a~13cの上側の外側面が接続突起部31a~31cの端面33a~33cに対応して窪んだ形状の受け面24a~24cにそれぞれ形成されており、他方の端部において長溝部13a~13cの下側の外側面が接続突起部21a~21cの端面23a~23cに対応して窪んだ形状の受け面34a~34cに形成されている。
【0032】
そのため、バリケードブロックを連結する場合に、接続突起部21a~21cと隣接する接続突起部31a~31cを組み合せて連結棒体を挿入した状態において、端面23a~23cと受け面34a~34cとが対向するとともに端面33a~33cと受け面24a~24cとが対向した状態となり、連結棒体を中心に接続突起部21a~21cと隣接する接続突起部31a~31cとが互いに回動可能に連結され、連結されたバリケードブロック同士を連結棒体を中心に回動して設置することができる。
【0033】
以上説明した例では、接続部において形成した接続突起部の数が3個となっているが、接続突起部の数は3個以上形成してもよく、特に限定されない。
【0034】
図6は、図1に示すバリケードブロックを長手方向に配列して構成されたバリケードシステムに関する斜視図である。この例では、3台のバリケードブロック1を長手方向に配列して連結している。各バリケードブロックは、隣接するバリケードブロックの一方の長溝部の下側に接続突起部が形成された接続部20と他方の長溝部の上側に接続突起部が形成された接続部30を重ね合わせて、重なり合った接続突起部の接続孔に連結棒体40を挿入して連結されている。連結された状態では、本体部10の外側面に形成された長溝部13a~13cは、バリケードシステムの長手方向に直線状に配列している。
【0035】
本体部10の長溝部13a~13cには、金属製の補強体50a~50cがそれぞれ保持されている。図7は、バリケードブロックを除いて補強体のみを表示した斜視図である。補強体50aは、長溝部13aの両側部に形成された凹状の窪みに保持された断面矩形状で金属製の直管部材からなる補強部材53a及び54aと、補強部材53a及び54aの一方の端部を連結する金属製の連結部材51aと、補強部材53a及び54aの他方の端部を連結する金属製の連結部材52aとを備えている。各補強部材及びと各連結部材はネジ止めにより固定されており、長溝部13aに全周にわたって取り付けられている。
【0036】
連結部材51aは、金属製の板材を折り曲げて構成されており、接続突起部21aの上面に対向配置される平板状の中央部分511aには、接続突起部21aに形成された接続孔と位置合せされる取付孔512aが形成されている。中央部分511aの両端部は、断面L字状に折り曲げられて上側に突設する取付部分513a及び514aが形成されており、取付部分513aは補強部材53aの一方の端部にネジ止めにより固定される。
【0037】
連結部材52aは、金属製の板材を折り曲げて連結部材51aと同様の形状に形成されており、連結部材51aとは180度反転した状態で補強部材53a及び54aの他方の端部に取り付けられている。そのため、連結部材52aの中央部分は、接続突起部31aの下面に対向配置され、接続突起部31aに形成された接続孔に取付孔を位置合せし、両側の取付部分は下側に突設してネジ止めにより固定される。
【0038】
補強体50aは、接続突起部21aの上面に配置された連結部材51aが隣接する補強体の接続突起部31aの下面に配置された連結部材52aと間隔を空けた状態で連結棒体40が各取付孔に貫通して連結された状態となっている。そのため、補強部材53a及び54aは長溝部に沿って直線状に配列した状態で安定して保持されるようになる。
【0039】
補強体50b及び50cについても補強体50aと同様に構成されており、直線状に配列された長溝部13a~13cに沿って補強部材53a~53c及び54a~54cがバリケードシステムの全長にわたって直線状に配列するようになる。
【0040】
このように補強体50a~50cをバリケードシステムに取り付けることで、外側部への衝撃に対する強度が向上し十分な耐衝撃性を備えることができる。
【0041】
図8は、別のバリケードシステムに関する斜視図である。この例では、3台のバリケードブロック1を長手方向に配列して連結しており、各バリケードブロックは、隣接するバリケードブロックの一方の長溝部の下側に接続突起部が形成された接続部20と他方の長溝部の上側に接続突起部が形成された接続部30を重ね合わせて、重なり合った接続突起部の接続孔に連結棒体40を挿入して連結されている。連結された状態では、本体部10の外側面に形成された長溝部13a~13cは、バリケードシステムの長手方向に直線状に配列している。直線状に配列された長溝部にはそれぞれ補強体60a~60cがバリケードシステムの全長にわたって架設されている。
【0042】
図9は、バリケードブロックを除いて補強体のみを表示した斜視図である。補強体60aは、長溝部13aの片側部に形成された凹状の窪みに保持されたワイヤロープ等の金属製の線状部材からなる補強部材62aと、接続突起部21aの上面に配置されて補強部材62aを懸架するように支持する支持部材61aとを備えている。
【0043】
支持部材61aは、金属製の板材を折り曲げて構成されており、接続突起部21aの上面に対向配置される平板状の中央部分611aには、接続突起部21aに形成された接続孔に挿着される取付部612aが設けられている。取付部612aは、筒状に形成されて下方に突設されており、筒状部分を接続孔に挿入して取り付けられる。そして、取付部612aに連結棒体40を挿入して支持部材61aを接続突起部21aとともに固定するようになっている。
【0044】
中央部分611aの両端部は、断面コ字状に折り曲げられて上側に突設する支持部分613a及び614aが形成されており、支持部分613a及び614aには、楕円形状の装着孔が形成されている。
【0045】
この例では、バリケードシステムの片側のみ補強部材62aが設けられているので、支持部分613aに補強部材62aが取り付けられている。補強部材62aの端末側の支持部分613aの装着孔には、補強部材62aの端末部621aを連結するリンク部材615aが取り付けられ、補強部材62aの中間部分では支持部分613aの装着孔に補強部材62aが挿入されて支持されており、補強部材62aは、各バリケードブロックに取り付けられた複数の支持部材61aに架け渡されて支持されている。
【0046】
支持部分614aにも支持部分613aと同様に補強部材を架け渡すように支持することができ、設置場所に応じて適宜補強部材を取り付けることが可能となる。
【0047】
補強体60bについても、補強体60aと同様に、連結部材61b及び補強部材62bを備えており、連結部材61bには、中央部分611bに取付部612b、支持部分613b及び614bが形成される。補強部材62bの端末部621bをリンク部材615bで連結し、補強部材62bの中間部分を支持部分613bの装着孔に挿入して支持することで、補強部材62bは、各バリケードブロックに取り付けられた複数の支持部材61bに架け渡されて支持されている。
【0048】
補強体60cについても、補強体60aと同様に、連結部材61c及び補強部材62cを備えており、連結部材61cには、中央部分611cに取付部612c、支持部分613c及び614cが形成される。補強部材62cの端末部621cをリンク部材615cで連結し、補強部材62cの中間部分を支持部分613cの装着孔に挿入して支持することで、補強部材62cは、各バリケードブロックに取り付けられた複数の支持部材61cに架け渡されて支持されている。
【0049】
こうして、直線状に配列された長溝部13a~13cに沿って補強部材62a~62cがバリケードシステムの全長にわたって直線状に配列するようになる。そして、補強部材62a~62cは、中間部分において支持部分の装着孔に挿入された状態となっているので、長手方向にずれ動くことが可能となっており、バリケードブロックを連結した状態で連結棒体を中心に回動する範囲が制約されることがなくなる。
【0050】
なお、補強体としては、上述した金属製の直管部材及び線状部材以外にも高強度の補強部材を用いることができ、特に限定されない。例えば、断面形状がL形、H形、コ字形といった公知の部材を用いることができる。また、金属製の部材以外にもこうした補強部材と同程度の強度を備えている材料からなる部材を用いてもよく、例えば、樹脂製の部材を用いることもできる。
【符号の説明】
【0051】
1・・・バリケードブロック、10・・・本体部、11・・・給水キャップ、12・・・排水栓、13a~13c・・・長溝部、14a、14b、15a、15b・・・係合凸部、16a、16b、17a、17b・・・係合凹部、18・・・補強部、19・・・支持用貫通部、20・・・接続部、21a~21c・・・接続突起部、22a~22c・・・接続孔、23a~23c・・・端面、24a~24c・・・受け面、30・・・接続部、31a~31c・・・接続突起部、32a~32c・・・接続孔、33a~33c・・・端面、34a~34c・・・受け面、40・・・連結棒体、50a~50c・・・補強体、51a~51c、52a~52c・・・連結部材、53a~53c、54a~54c・・・補強部材、60a~60c・・・補強体、61a~61c・・・支持部材、62a~62c・・・補強部材
図1
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図5
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図8
図9