特開 2023-2978 排気アダプタ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023002978

(43)【公開日】2023-01-11

(54)【発明の名称】排気アダプタ

(51)【国際特許分類】

   F23L 17/00 20060101AFI20221228BHJP

【ＦＩ】

F23L17/00 K

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021103864

(22)【出願日】2021-06-23

(71)【出願人】

【識別番号】000004709

【氏名又は名称】株式会社ノーリツ

(74)【代理人】

【識別番号】100089004

【弁理士】

【氏名又は名称】岡村 俊雄

(72)【発明者】

【氏名】長谷川 剛英

(72)【発明者】

【氏名】西田 和馬

(72)【発明者】

【氏名】奥村 和晃

(57)【要約】      （修正有）

【課題】逆流防止機能の低下を防ぐことができる逆流防止構造を備えた排気筒と同等の太さの排気アダプタを提供すること。
【解決手段】集合排気ダクトに燃焼装置の排気筒を接続する円筒部と、集合排気ダクト側から排気筒側への排気の逆流を防止するための逆流防止構造１８ａを備えた排気アダプタにおいて、逆流防止構造は、排気筒からの排気が通る開口部２６を備えたダンパ受け部２３と、排気筒からの排気の圧力によって開口部２６を開き且つ排気筒からの排気が無いときに自重で開口部２６を閉じる排気ダンパ板２２と、排気ダンパ板２２を回動可能に支持する支持軸２４と、支持軸２４を支持する軸受け部２５を有し、支持軸２４を挿通させる排気ダンパ板２２の１対の軸穴部２２ｃを、排気ダンパ板２２が開口部２６を閉じた姿勢のときに支持軸２４に対して上下方向に長い長穴形状に形成した。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

複数の燃焼装置の排気を集めて排出するための集合排気ダクトに前記燃焼装置の排気筒を接続するための円筒部と、前記集合排気ダクト側から前記排気筒側への排気の逆流を防止するための逆流防止構造を備えた排気アダプタにおいて、
前記逆流防止構造は、前記排気筒からの排気が通る開口部が形成されたダンパ受け部と、前記排気筒からの排気の圧力によって前記開口部を開き且つ前記排気筒からの排気が無いときには自重で前記開口部を閉じる排気ダンパ板と、前記排気ダンパ板を回動可能に支持する支持軸と、前記支持軸を支持する軸受け部を有し、
前記排気ダンパ板は、前記支持軸を挿通させるための１対の軸穴部を有し、
前記１対の軸穴部は、前記排気ダンパ板が前記開口部を閉じた姿勢のときに前記支持軸に対して上下方向に長い長穴形状に形成されたことを特徴とする排気アダプタ。

【請求項2】

前記円筒部は前記排気筒と同等の太さに形成され、
前記ダンパ受け部は、外形が前記円筒部の内周に沿う円形に形成され、
前記開口部は、円形の前記ダンパ受け部の中心から偏心させた位置を中心とする円形、又はこの円の一部を有する部分円形に形成されたことを特徴とする請求項１に記載の排気アダプタ。

【請求項3】

前記軸受け部は、前記開口部を偏心させたことによって形成された前記ダンパ受け部の幅広部分に設けられたことを特徴とする請求項２に記載の排気アダプタ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、複数の燃焼装置の排気筒と集合排気ダクトを接続する排気アダプタに関し、特に燃焼装置への排気の逆流を防ぐ逆流防止構造を備えた排気アダプタに関する。

【背景技術】

【0002】

従来から、複数の給湯栓がある例えば入浴施設等では、複数台の給湯装置で構成された給湯システムが利用されている。この給湯システムは、給湯量に応じた作動台数で給湯を行う。各給湯装置は、燃焼用空気を送風する送風ファンを装備した燃焼装置を有し、燃焼装置の燃焼熱を利用して湯水を加熱する。燃焼装置の排気筒から排出される排気は、集合排気ダクトに集められて外部に一括排出される。

【0003】

各燃焼装置の排気筒と集合排気ダクトとの接続には、集合排気ダクトから燃焼装置への排気の逆流を防ぐ逆流防止構造を備えた排気アダプタが利用されている。逆流防止構造は、燃焼装置から排気が無い場合に自重で閉じ、燃焼装置の排気の圧力によって開くように構成されている。例えば特許文献１のように、排気筒よりも太く（断面積が大きく）形成された部分に、蓋状部材とその支持機構によって構成された逆流防止構造に相当する逆流抑制部を備えた排気アダプタが知られている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特許第６７６７０８７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

特許文献１では、排気アダプタの中段の逆流抑制部が排気筒及び集合排気ダクトへの接続部よりも太く形成され、この広げられたスペースに、排気筒からの排気の出口を覆う蓋状部材と、この蓋状部材を回動可能に支持する支持機構が配設されている。しかし、逆流抑制部が太いため、例えば安全確保のために排気アダプタを断熱部材で覆う場合に、断熱部材の装着が容易ではない。

【0006】

また、逆流防止構造は、部材の加工誤差及び組立て誤差によって、燃焼装置から排気が無い場合でも蓋状部材が排気筒からの排気の出口を閉じることができずに隙間が生じる場合があり、この隙間を排気が通るので逆流防止機能が低下する。そのため、例えば図１２のように、蓋状部材に相当する排気ダンパ板３１がダンパ受け部３２に形成された排気出口３３を開閉する逆流防止構造において、１対の軸挿通部３１ａの丸穴に支持軸３４を挿通させ、軸受け部３５に支持軸３４を挿通させる１対の長穴３６を形成することにより、排気ダンパ板３１の上下方向の移動を長穴３６の範囲内で許容して、排気ダンパ板３１が自重で排気出口３３に確実に当接するようにしている。

【0007】

しかし、支持軸３４が排気ダンパ板３１と共に長穴３６の範囲内で上下移動可能なので、例えば支持軸３４が傾いた姿勢ではまり込み、排気ダンパ板３１のスムーズな回動が阻害され、逆流防止構造の機能が低下又は機能しなくなる虞があった。

【0008】

本発明の目的は、逆流防止機能の低下を防ぐことができる逆流防止構造を備えた排気筒と同等の太さの排気アダプタを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0009】

請求項１の発明の排気アダプタは、複数の燃焼装置の排気を集めて排出するための集合排気ダクトに前記燃焼装置の排気筒を接続するための円筒部と、前記集合排気ダクト側から前記排気筒側への排気の逆流を防止するための逆流防止構造を備えた排気アダプタにおいて、前記逆流防止構造は、前記排気筒からの排気が通る開口部が形成されたダンパ受け部と、前記排気筒からの排気の圧力によって前記開口部を開き且つ前記排気筒からの排気が無いときには自重で前記開口部を閉じる排気ダンパ板と、前記排気ダンパ板を回動可能に支持する支持軸と、前記支持軸を支持する軸受け部を有し、前記排気ダンパ板は、前記支持軸を挿通させるための１対の軸穴部を有し、前記１対の軸穴部は、前記排気ダンパ板が前記開口部を閉じた姿勢のときに前記支持軸に対して上下方向に長い長穴形状に形成されたことを特徴としている。

【0010】

上記構成によれば、排気アダプタは、円筒部によって排気筒と集合排気ダクトを接続する。この排気アダプタの逆流防止構造は、排気筒からの排気の圧力によって排気ダンパ板が回動してダンパ受け部の開口部を開き、排気筒からの排気が無いときに排気ダンパ板が自重によって開口部を閉じて集合排気ダクトからの排気の逆流を防止する。排気ダンパ板を回動可能に支持するために軸受け部に支持された支持軸は、排気ダンパ板に設けられた１対の軸穴部に挿通されている。この支持軸は、軸受け部に支持されて傾くことが無いので、支持軸の傾きによって排気ダンパ板の回動が阻害されることが無い。１対の軸穴部は、排気ダンパ板が開口部を閉じた姿勢のときに、支持軸に対して上下方向に長い長穴形状に形成されている。この１対の軸穴部によって、支持軸に対して開口部を閉じた姿勢の排気ダンパ板の上下方向の移動が許容されるので、排気ダンパ板を自重によってダンパ受け部の開口部を閉じるようにダンパ受け部に当接させることができる。それ故、ダンパ受け部と排気ダンパ板の間の隙間の発生を防いで排気の逆流を防ぐことができると共に、排気ダンパ板の回動が阻害されないので逆流防止機能の低下を防ぐことができる。

【0011】

請求項２の発明の排気アダプタは、請求項１の発明において、前記円筒部は前記排気筒と同等の太さに形成され、前記ダンパ受け部は、外形が前記円筒部の内周に沿う円形に形成され、前記開口部は、円形の前記ダンパ受け部の中心から偏心させた位置を中心とする円形、又はこの円の一部を有する部分円形に形成されたことを特徴としている。
上記構成によれば、ダンパ受け部は、外形が排気アダプタの円筒部の内周に沿う円形に形成されているので、排気筒と同等の太さの円筒部に逆流防止構造を備えた排気アダプタを形成することができる。排気が通る開口部は、円形のダンパ受け部の中心から偏心させた位置を中心とする円形、又はこの円の一部を有する部分円形に形成されている。この偏心させた円形又は部分円形の開口部によって開口面積を大きくしながら、この開口部を開閉する排気ダンパ板の支持軸とその軸受け部を円筒部内に収容することができる。

【0012】

請求項３の発明の排気アダプタは、請求項２の発明において、前記軸受け部は、前記開口部を偏心させたことによって形成された前記ダンパ受け部の幅広部分に設けられたことを特徴としている。
上記構成によれば、ダンパ受け部に対して開口部を偏心させたことによってダンパ受け部に幅広部分が形成され、この幅広部分に軸受け部が設けられている。従って、開口部の外側の幅広部分に排気ダンパ板を回動可能に支持する支持軸の軸受け部が配設されたので、円筒部を拡径することなく一定の太さの排気アダプタを形成することができる。それ故、この排気アダプタを断熱材で覆う場合に、太さが異なる部分がないので容易に覆うことができる。

【発明の効果】

【0013】

本発明の目的は、逆流防止機能の低下を防ぐことができる逆流防止構造を備えた排気筒と同等の太さの排気アダプタを提供することである。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】複数の給湯装置を有する給湯システムの説明図である。

【図2】燃焼装置の排気筒と集合排気ダクトとを接続する排気アダプタを集合排気ダクト側から見た上面図である。

【図3】図２のIII－III線断面図である。

【図4】排気アダプタに装備される逆流防止構造の斜視図である。

【図5】逆流防止構造の組み立て説明図である。

【図6】逆流防止構造を集合排気ダクト側から見た上面図である。

【図7】図６のVII－VII線断面図である。

【図8】逆流防止構造の他の例を集合排気ダクト側から見た上面図である。

【図9】図６の逆流防止構造が開き始めた状態を示す断面図である。

【図10】図９の逆流防止構造の開き始めを説明するための要部拡大断面図である。

【図11】図６の逆流防止構造の全開状態を示す断面図である。

【図12】従来の逆流防止構造の支持軸及び軸受け部の説明図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。

【実施例0016】

最初に、給湯システム１について説明する。
図１に示すように、給湯システム１は、複数の給湯装置として例えば３台の給湯装置１１ａ～１１ｃによって構成されている。給湯装置１１ａ～１１ｃは、対応する燃焼装置３ａ～３ｃを備えている。燃焼装置３ａ～３ｃから夫々上方に延びる排気筒４ａ～４ｃは、対応する排気アダプタ５ａ～５ｃを介して給湯装置１１ａ～１１ｃの上方の集合排気ダクト２に接続されている。尚、様々な現場（排気筒４ａ～４ｃと集合排気ダクト２の位置関係）に対応可能なように、排気アダプタ５ａ～５ｃは、例えばフレキシブルダクトを介して排気筒４ａ～４ｃ、集合排気ダクト２に夫々接続されてもよい。

【0017】

例えば給湯装置１１ａは、燃焼用空気の送風手段である送風ファン６ａと、燃料を燃焼させるためのバーナ７ａを有する。バーナ７ａと排気筒４ａの間には、燃焼熱によって湯水を加熱するための熱交換器１２ａが配設されている。給湯装置１１ａは制御部１４ａを有し、制御部１４ａが送風ファン６ａの駆動とバーナ７ａの燃焼を制御して所定の温度に加熱した湯水を給湯する。

【0018】

給湯装置１１ａと同様に、他の給湯装置１１ｂ，１１ｃは、送風ファン６ｂ，６ｃ、バーナ７ｂ，７ｃ、熱交換器１２ｂ，１２ｃ、制御部１４ｂ，１４ｃ等を有する。給湯システム１は、給湯量に応じた給湯装置作動台数で給湯する給湯運転の制御ユニット１６と、この制御ユニット１６に接続された操作端末１７を有する。図１では、給湯装置１１ｂ，１１ｃが給湯運転を行っている。

【0019】

集合排気ダクト２は、複数の給湯装置１１ａ～１１ｃによって構成された給湯システム１からの排気を集めて外部に一括排出する。排気アダプタ５ａは、接続された燃焼装置３ａが非燃焼のときに、他の燃焼装置３ｂ，３ｃの排気が集合排気ダクト２を介して逆流することを防止する逆流防止構造１８ａを備えている。逆流防止構造１８ａは、燃焼装置３ａの排気の圧力によって開き、燃焼装置３ａの排気が無いときには自重で閉じて排気の逆流を防ぐ。これと同様の逆流防止構造１８ｂ，１８ｃが排気アダプタ５ｂ，５ｃに装備されている。

【0020】

以下では逆流防止構造１８ａを備えた排気アダプタ５ａについて説明し、これと同じ構成の排気アダプタ５ｂ，５ｃの説明を省略する。
図１～図３に示すように、排気アダプタ５ａは、燃焼装置３ａから上方に延びる排気筒４ａと集合排気ダクト２を接続するための円筒部２１と、集合排気ダクト２側から排気筒４ａ側への排気の逆流を防止するための逆流防止構造１８ａを有する。円筒部２１は排気筒４ａと同等の所定の太さに形成されている。逆流防止構造１８ａは、円筒部２１内を塞ぐように配設されている。

【0021】

図４～図７に示すように、逆流防止構造１８ａは、排気ダンパ板２２と、ダンパ受け部２３と、支持軸２４と、軸受け部２５によって構成されている。円筒部２１の内周に沿うように外形が円形に形成されたダンパ受け部２３には、排気筒４ａからの排気が通る円形の開口部２６が形成されている。この開口部２６の中心Ｃ１は、円形のダンパ受け部２３の中心Ｃ０に対して偏心させている。開口部２６を偏心させたことによって形成されたダンパ受け部２３の幅広部分２３ａには、１対の位置決め突起２３ｂに合わせて軸受け部２５が接合されている。

【0022】

軸受け部２５は、ダンパ受け部２３に対して平行に、且つ開口部２６の中心Ｃ１とダンパ受け部２３の中心Ｃ０を結ぶ直線に対して支持軸２４が直交する方向に支持軸２４を挿通させるための１対の丸穴２５ａを有する。軸受け部２５に挿通された支持軸２４は、軸心と直交する方向の移動が軸受け部２５によって規制され、軸心方向の移動が支持軸２４の両端を変形させて又はキャップ部材装着して規制される。これにより軸受け部２５は、支持軸２４を動かないように支持する。

【0023】

開口部２６は、ダンパ受け部２３から上方（集合排気ダクト側）に突出した筒状壁部２３ｃの内側に形成され、この筒状壁部２３ｃの先端部分が内側に向かって曲げられている。この開口部２６を閉じるために開口部２６よりも大きい円形状に形成された排気ダンパ板２２は、その径方向外側に延びた矩形状の延設部２２ａを有する。延設部２２ａが延びる径方向と平行な延設部２２ａの両端部から、半円形部分を有する軸挿通部２２ｂが夫々上方に延びるように形成されている。

【0024】

軸挿通部２２ｂは、支持軸２４を挿通させるための１対の軸穴部２２ｃを有する。１対の軸穴部２２ｃは、排気ダンパ板２２が開口部２６を閉じた姿勢のときに、挿通させた支持軸２４に対して上下方向に長い長穴形状に形成されている。これにより、軸受け部２５を介してダンパ受け部２３に固定された支持軸２４に対して、排気ダンパ板２２の上下方向の移動が許容される。それ故、逆流防止構造１８ａの加工誤差及び組立て誤差が長穴形状の軸穴部２２ｃで吸収され、排気ダンパ板２２が自重で筒状壁部２３ｃの先端部に容易に当接する。

【0025】

図８に示すように、例えば開口面積を大きくするために、開口部２６は、ダンパ受け部２３の中心Ｃ０に対して偏心させた中心Ｃ１の円の一部を有する部分円形状（Ｄ型）に形成されてもよい。この場合、排気ダンパ板２２はこの開口部２６を閉じることができる形状に形成される。

【0026】

燃焼装置３ａからの排気が排気アダプタ５ａを通過して集合排気ダクト２に流入する際には、図９のように排気の圧力によって排気ダンパ板２２が押し上げられ、逆流防止構造１８ａが開き始める。このとき図１０のように、支持軸２４側において筒状壁部２３ｃの先端部を支点にして排気ダンパ板２２が開口部２６を開くように回動し始め、延設部２２ａ及び軸挿通部２２ｂが下がる。軸穴部２２ｃは長穴形状なので、逆流防止構造１８ａがある程度開いて支持軸２４に軸穴部２２ｃの上縁部が当接するまで延設部２２ａ及び軸挿通部２２ｂが下がる。これにより、排気の圧力が強くない場合においても、閉状態の逆流防止構造１８ａを開く際に排気が押し上げる排気ダンパ板２２の重量を軽減して、逆流防止構造１８ａを開き易くしている。支持軸２４に軸穴部２２ｃの上縁部が当接すると、支持軸２４を中心に延設部２２ａ及び軸挿通部２２ｂを含む排気ダンパ板２２が回動して、一層大きく逆流防止構造１８ａが開く。

【0027】

図１１のように、軸受け部２５には、排気ダンパ板２２の回動を所定の位置で受け止める回動規制部２５ｂが装備されている。この回動規制部２５ｂは、排気の圧力によって逆流防止構造１８ａが開きすぎて排気ダンパ板２２の自重で閉じられなくなることを防止する。排気が停止すると、排気ダンパ板２２が自重で回動して筒状壁部２３ｃの先端部に当接し、排気ダンパ板２２が開口部２６を閉じる。この閉じた逆流防止構造１８ａは、他の燃焼装置３ｂ，３ｃの排気が集合排気ダクト２を介して逆流することを防止する（図１参照）。

【0028】

上記逆流防止構造１８ａを備えた排気アダプタ５ａの作用、効果について説明する。
排気アダプタ５ａは、燃焼装置３ａの排気筒４ａと集合排気ダクト２を接続する。この排気アダプタ５ａの逆流防止構造１８ａは、排気筒４ａからの排気の圧力によって排気ダンパ板２２が回動してダンパ受け部２３に形成された開口部２６を開く。一方、排気筒４ａからの排気が無いときには、排気ダンパ板２２が自重によって開口部２６を閉じて、集合排気ダクト２からの排気の逆流を防止する。

【0029】

排気ダンパ板２２を回動可能に支持するために軸受け部２５に支持された支持軸２４は、排気ダンパ板２２に設けられた１対の軸穴部２２ｃに挿通されている。この支持軸２４は、軸受け部２５に支持されて傾くことがないので、支持軸２４の傾きによって排気ダンパ板２２の回動が阻害されることが無い。

【0030】

１対の軸穴部２２ｃは、排気ダンパ板２２が開口部２６を閉じた姿勢のときに、支持軸２４に対して上下方向に長い長穴形状に形成されている。この１対の軸穴部２２ｃによって、支持軸２４に対して開口部２６を閉じた姿勢の排気ダンパ板２２の上下方向の移動が許容されるので、排気ダンパ板２２を自重によってダンパ受け部２３の開口部２６を閉じるようにダンパ受け部２３に当接させることができる。それ故、ダンパ受け部２３と排気ダンパ板２２の間の隙間の発生を防いで排気の逆流を防ぐことができると共に、排気ダンパ板２２の回動が阻害されないので逆流防止機能の低下を防ぐことができる。

【0031】

ダンパ受け部２３は、外形が排気アダプタ５ａの円筒部２１の内周に沿う円形に形成されているので、排気筒４ａと同等の太さの円筒部２１に逆流防止構造１８ａを備えた排気アダプタ５ａを形成することができる。排気が通る開口部２６は、円形のダンパ受け部２３の中心Ｃ０から偏心させた位置を中心Ｃ１とする円形、又はこの円の一部を有する部分円形に形成されている。偏心させた円形又は部分円形の開口部２６によって開口面積を大きくしながら、この開口部２６を開閉する排気ダンパ板２２の支持軸２４とその軸受け部２５を円筒部２１内に収容することができる。

【0032】

ダンパ受け部２３に対して開口部２６を偏心させたことによってダンパ受け部２３に幅広部分２３ａが形成され、この幅広部分２３ａに軸受け部２５が設けられている。従って、開口部２６の外側の幅広部分２３ａに排気ダンパ板２２を回動可能に支持する支持軸２４の軸受け部２５が配設されたので、円筒部２１を拡径することなく一定の太さの排気アダプタ５ａを形成することができる。それ故、この排気アダプタ５ａを断熱材で覆う場合に、太さが異なる部分がないので容易に覆うことができる。

【0033】

その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。

【符号の説明】

【0034】

１ ：給湯システム
２ ：集合排気ダクト
３ａ～３ｃ：燃焼装置
４ａ～４ｃ：排気筒
５ａ～５ｃ：排気アダプタ
６ａ～６ｃ：送風ファン
７ａ～７ｃ：バーナ
１１ａ～１１ｃ：給湯装置
１２ａ～１２ｃ：熱交換器
１４ａ～１４ｃ：制御部
１６ ：制御ユニット
１７ ：操作端末
１８ａ～１８ｃ：逆流防止構造
２１ ：円筒部
２２ ：排気ダンパ板
２２ａ：延設部
２２ｂ：軸挿通部
２２ｃ：軸穴部
２３ ：ダンパ受け部
２３ａ：幅広部
２３ｂ：位置決め突起
２３ｃ：筒状壁部
２４ ：支持軸
２５ ：軸受け部
２５ａ：丸穴
２５ｂ：回動規制部
２６ ：開口部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】