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2023-29829マイクロバイオームをモジュレートすることにより、免疫チェックポイント遮断療法を増強するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029829
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】マイクロバイオームをモジュレートすることにより、免疫チェックポイント遮断療法を増強するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/741 20150101AFI20230228BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 31/22 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 31/7105 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 35/74 20150101ALI20230228BHJP
   A61K 35/742 20150101ALI20230228BHJP
   A61K 35/744 20150101ALI20230228BHJP
   A61K 35/745 20150101ALI20230228BHJP
   A61K 35/747 20150101ALI20230228BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230228BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
A61K35/741
A61K9/06 ZNA
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/19
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/19
A61K31/192
A61K31/22
A61K31/7088
A61K31/7105
A61K31/713
A61K35/74 A
A61K35/742
A61K35/744
A61K35/745
A61K35/747
A61K39/395 T
A61K45/00
A61K48/00
A61P17/00
A61P35/00
A61P35/04
A61P43/00 121
C12N1/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172645
(22)【出願日】2022-10-27
(62)【分割の表示】P 2019516669の分割
【原出願日】2017-09-27
(31)【優先権主張番号】62/400,372
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/508,885
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/557,566
(32)【優先日】2017-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】507410113
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ, ザ ユニヴァーシティー オブ テキサス システム
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100200540
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 祐子
(72)【発明者】
【氏名】ワーゴ, ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】ゴパラクリシュナン, ヴァンチェスワラン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マイクロバイオームをモジュレートして、免疫チェックポイント遮断の有効性を増強することにより、がんを処置するための方法及び組成物を提供する。
【解決手段】ルミノコッカス科(Ruminococcaceae)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)、ミクロコッカス科(Micrococcaceae)、及び/又はベイロネラ科(Veillonellaceae)のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物とする。前記細菌の集団の各々が、前記組成物において、少なくとも10CFUの濃度で存在することが好ましい。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に実質的に記載された発明。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]本発明は、一般には、微生物学、免疫学、及び医学の分野に関する。より詳細には、本発明は、免疫チェックポイント遮断療法の有効性を改善するマイクロバイオームの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]過去10年以内に、黒色腫の処置では、ターゲティング療法及び免疫療法の使用により、大きな進歩がなされた。特に、免疫チェックポイント阻害剤の使用は、目覚ましい有望性を示し、Tリンパ球の表面における免疫調節分子を遮断する、いくつかの薬剤(例えば、抗CTLA-4抗体であるイピリムマブ、及び抗PD-1抗体であるニボルマブ、ペムブロリズマブ)に対する、FDAの承認をもたらした。免疫チェックポイントの遮断による処置は、長期にわたり持続する完全奏効を結果としてもたらしうるが、全奏効率は小さい(すなわち、CTLA-4の遮断による15%、及びPD-1の遮断による30~40%)ことが重要である。
【0003】
[0004]一方、免疫チェックポイント阻害剤は、実質的な毒性と関連する場合があり、利益を得る患者は、サブセットに限られうる。免疫チェックポイント遮断への応答におけるばらつきを、より良く理解するための取組みがなされつつあるが、これらの患者における、この応答の増強に、何が寄与しているのかは、依然として不明なままであり、全ての患者における治療への応答を改善するための、実行可能な戦略を同定することが火急に必要とされている。
【0004】
[0005]がん治療への応答における、宿主マイクロバイオームの役割が、ますます察知されており、研究は、腫瘍及び腸管に存在する細菌が、治療応答に影響を与えうることを示唆する。また、健康及び疾患における免疫応答の形成に、消化管マイクロバイオームが果たす役割も、ますます察知されている。しかし、トランスレーショナルな知識のギャップは甚だしく、黒色腫及び他のがんにおける、免疫チェックポイントの遮断への応答を増強する治療戦略に対する必要は、満たされていない。
【発明の概要】
【0005】
[0006]一実施形態では、本開示は、ルミノコッカス科(Ruminococcaceae)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)、ミクロコッカス科(Micrococcaceae)、及び/又はベイロネラ科(Veillonellaceae)のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を提供する。他の実施形態では、組成物は、ルミノコッカス科、クロストリジウム科、ラクノスピラ科、ミクロコッカス科、及び/又はベイロネラ科のうちの1又は複数に属する、少なくとも2つの単離又は精製された細菌の集団を含む。ある特定の実施形態では、組成物は、生菌製品(live bacterial product)、生バイオセラピューティック製品(live biotherapeutic product)、又はプロバイオティクス組成物である。さらに他の実施形態では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、細菌の胞子として供給されている。別の実施形態では、少なくとも1つの細菌の集団は、クロストリジウム目(Clostridiales)第XII科及び/又はクロストリジウム目第XIII科に属する。一部の態様では、組成物は、少なくとも2つの単離又は精製されたルミノコッカス科及び/又はクロストリジウム科に属する細菌の集団を含む。他の実施形態では、組成物は、ルミノコッカス科に属する、少なくとも1つの集団と、クロストリジウム科に属する、少なくとも1つの集団とを含む。一部の態様では、ルミノコッカス科に属する、2つの細菌集団を、ルミノコッカス属(Ruminococcus)に属する細菌の集団として、さらに規定する。ある特定の態様では、ルミノコッカス科に属する、少なくとも2つの単離又は精製された細菌の集団を、フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)に属する細菌の集団として、さらに規定する。ある特定の態様では、フィーカリバクテリウム属に属する細菌の集団を、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ種(Faecalibacterium prausnitzii)に属する細菌の集団として、さらに規定する。ある特定の態様では、ルミノコッカス属に属する細菌の集団を、ルミノコッカス・ブロミイ種(Ruminococcus bromii)に属する細菌の集団として、さらに規定する。一部の態様では、ミクロコッカス科に属する、少なくとも2つの単離又は精製された細菌の集団を、ロチア属(Rothia)に属する細菌の集団として、さらに規定する。さらなる態様では、組成物は、ポルフィロモナス・パステリ種(Porphyromonas pasteri)、クロストリジウム・フンガテイ種(Clostridium hungatei)、ファスコラークトバクテリウム・フェシウム種(Phascolarctobacterium faecium)、ペプトニフィルス属(Peptoniphilus)、及び/又はモリクテス綱(Mollicutes)に属する細菌の集団をさらに含む。ある特定の態様では、組成物は、バクテロイデス目(Bacteroidales)に属する細菌の集団を含まない。
【0006】
[0007]本開示の特定の実施形態は、対象におけるがんを防止する方法であって、実施形態の組成物を、対象へと投与するステップを含む方法を提供する。例えば、一部の態様では、がん(例えば、黒色腫)を発症する危険性がある対象におけるがんを防止するか、又は腫瘍を有する対象におけるがんを処置するための方法であって、対象へと、クロストリジウム綱(Clostridia)、モリクテス綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、及び/又はフィーカリバクテリウム属のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を投与するステップを含み、組成物の投与が、腫瘍におけるCD8Tリンパ球の増大を結果としてもたらす方法が提供される。特定の実施形態では、Tリンパ球は、細胞傷害性Tリンパ球である。さらに他の実施形態では、方法は、対象におけるがんを処置する方法であって、クロストリジウム綱、モリクテス綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、及び/又はフィーカリバクテリウム属のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を投与するステップを含み、組成物の投与が、対象の全身循環又は末梢血における、エフェクターCD4、CD8Tリンパ球、単球、及び/又は骨髄樹状細胞の増大を結果としてもたらす方法である。一部の実施形態では、方法は、対象におけるがんを処置する方法であって、クロストリジウム綱、モリクテス綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、並びに/又はフィーカリバクテリウム属及び/若しくはルミノコッカス属のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を投与するステップを含み、組成物の投与が、対象の全身循環又は末梢血における、B細胞、調節性T細胞、及び/又は骨髄由来サプレッサー細胞の減少を結果としてもたらす方法である。他の態様では、方法は、腫瘍を有する対象におけるがんを処置する方法であって、クロストリジウム綱、モリクテス綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、及び/又はフィーカリバクテリウム属のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を投与するステップを含み、対象への組成物の投与が、腫瘍免疫浸潤物における、CD3、CD8、PD1、FoxP3、グランザイムB、及び/又はPD-L1の発現の増大を結果としてもたらす方法である。さらに他の態様では、方法は、腫瘍を有する対象におけるがんを処置する方法であって、クロストリジウム綱、モリクテス綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、及び/又はフィーカリバクテリウム属のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を投与するステップを含み、対象への組成物の投与が、腫瘍免疫浸潤物における、RORγTの発現の減少を結果としてもたらす方法である。また、がんを伴うと診断されるか、又はがんを有することが疑われる対象における腫瘍を処置する方法であって、クロストリジウム綱、モリクテス綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、及び/又はフィーカリバクテリウム属のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を投与するステップを含み、対象への組成物の投与が、腫瘍における、CD45、CD3/CD20/CD56、CD68、及び/又はHLA-DR細胞の増大を結果としてもたらす方法も記載される。一部の態様では、実施形態の組成物を、対象における自然エフェクター細胞のレベルを上昇させるのに十分な量で投与する。他の態様では、対象への組成物の投与は、対象における、自然エフェクター細胞のレベルの上昇を結果としてもたらす。例えば、組成物の投与は、CD45CD11bLy6G細胞など、自然エフェクター細胞を増大させうる。一部の態様では、実施形態の組成物を、対象における抑制性骨髄細胞のレベルを低下させるのに十分な量で投与する。さらなる態様では、対象への組成物の投与は、対象における、抑制性骨髄細胞のレベルの低下を結果としてもたらす。例えば、組成物の投与は、CD45CD11bCD11c細胞など、抑制性骨髄細胞のレベルを低下させうる。特定の実施形態では、組成物は、細菌であるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを含む。
【0007】
[0008]別の実施形態は、対象におけるがんを処置する方法であって、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤を、前記対象へと投与するステップを含み、対象が、腸管マイクロバイオームにおいて好適な微生物プロファイルを有することが決定されている方法を提供する。一部の態様では、好適な微生物プロファイルを、実施形態のプロバイオティクス組成物又は生菌製品による組成物の細菌集団のうちの1又は複数を有することとして、さらに規定する。さらなる実施形態では、がんを有する患者における、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答を予測する(例えば、生存を予測する)方法であって、前記患者から得られた試料における微生物プロファイルを検出するステップを含み、微生物プロファイルが、実施形態のプロバイオティクス組成物又は生菌製品による組成物の細菌集団のうちの1又は複数を含む場合は、応答が好適である方法が提供される。特定の実施形態では、患者が、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示すことが予測される場合に、患者に、免疫チェックポイント阻害剤を投与する。ある特定の実施形態では、好適な微生物プロファイルは、好適な腸管微生物プロファイルである。
【0008】
[0009]一部の実施形態では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、エンリッチメントインデックス(ei)が0.5、0.6、0.7、0.8、又は0.9を超える、表1における種からなる群から選択される種、亜種、又は細菌株のうちの1又は複数に属する。特定の実施形態では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、「ei」が1と等しい、表1における種からなる群から選択される。
【0009】
[0010]ある特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、NCBIタクソノミーID(NCBI Taxonomy ID):717959、587、758823、649756、44749、671218、1264、1122135、853、484018、46503、54565、290052、216931、575978、433321、1796646、213810、228924、290054、1509、1462919、29375、337097、1298596、487174、642492、1735、1297424、742766、46680、132925、411467、1318465、1852367、1841857、169679、1175296、259063、172901、39488、57172、28118、166486、28133、1529、694434、1007096、84030、56774、102148、626947、216933、1348613、1472417、100176、824、1471761、1297617、288966、1317125、28197、358743、264639、1265、1335、66219、69473、115117、341220、1732、873513、396504、1796619、45851、2741、105841、86332、1349822、84037、180311、54291、1217282、762984、1185412、154046、663278、1543、398512、69825、1841867、1535、1510、84026、1502、1619234、39497、1544、29343、649762、332095、536633、1033731、574930、742818、177412、1121308、419208、1673717、55779、28117、626937、180332、1776382、40519、34062、40518、74426、1216062、293826、850、645466、474960、36835、115544、1515、88431、216932、1417852、39492、1583、420247、118967、169435、37658、138595、31971、100886、1197717、234908、537007、319644、168384、915173、95159、1816678、626940、501571、1796620、888727、1147123、376806、1274356、1267、39495、404403、1348、253314、258515、33033、1118061、357276、214851、320502、217731、246787、29371、649764、901、29374、33043、39778、682400、871665、160404、745368、408、1584、333367、47246、1096246、53342、438033、351091、1796622、1776384、817、48256、720554、500632、36849、301302、879970、655811、264463、1532、285、995、242750、29539、1432052、622312、1796636、1337051、328814、28446、1492、820、39496、52786、1549、1796618、582、46507、109327、1531、1382、33039、311460、230143、216935、539、35519、1681、328813、214853、89014、1121115、1585974、29466、1363、292800、270498、214856、142877、133926、209880、179628、1121102、105612、1796615、39777、29353、1579、163665、53443、261299、1302、1150298、938289、358742、471875、938278、1796613、1118057、1077144、1737、218205、1121298、684066、433659、52699、204516、706562、253257、328812、1280、147802、58134、1335613、891、585394、1582、235931、308994、1589、1682、1736、28129、178001、551788、2051、856、118562、101070、515619、40215、187979、82979、29363、1776391、1285191、84112、157688、38304、36850、341694、287、75612、818、371674、338188、88164、588581、676965、546271、1236512、178338、862517、157687、158、51048、1583331、529、888745、394340、40545、855、553973、938293、93063、708634、179995、1351、476652、1464038、555088、237576、879566、1852371、742727、1377、35830、997353、218538、83771、1605、28111、131109、46609、690567、46206、155615、51616、40542、203、294、1034346、156456、80866、554406、796942、1002367、29347、796944、61592、487175、1050201、762948、137732、1211819、1019、272548、1717、384636、216940、2087、45634、466107、1689、47678、575、979627、840、1660、1236517、617123、546、28135、82171、483、501496、99656、1379、84032、39483、1107316、584、28124、1033744、657309、536441、76123、1118060、89152、76122、303、1541、507751、515620、38302、53419、726、40324、1796610、988946、1852370、1017、1168289、76936、94869、1161098、215580、1125779、327575、549、1450648及び478からなる群から選択されるNCBIタクソノミーIDにより同定される種、亜種、又は細菌株に属する。詳細な態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、上記で列挙されたNCBIタクソノミーIDにより同定される種、亜種、又は細菌株と緊密に関連する。例えば、一部の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、上記で列挙された細菌(すなわち、表1に由来するセット1の細菌)又は表1に列挙された細菌のうちの1つの16S rRNAヌクレオチド配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であり、0.5を超えるか、又は1と等しいeiを有する、16SリボソームRNA(rRNA)ヌクレオチド配列を含む種、亜種、又は株に属する。
【0010】
[0011]さらに他の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、バクテロイデス・コアグランス(Bacteroides coagulans)、クロストリジウム・アルデネンセ(Clostridium aldenense)、クロストリジウム・アルドリチイ(Clostridium aldrichii)、クロストリジウム・アルカリセルロシ(Clostridium alkalicellulosi)、クロストリジウム・アミグダリヌム(Clostridium amygdalinum)、クロストリジウム・アスパラギフォルメ(Clostridium asparagiforme)、クロストリジウム・セルロシ(Clostridium icellulosi)、クロストリジウム・シトロニエ(Clostridium citroniae)、クロストリジウム・クラリフラブム(Clostridium clariflavum)DSM 19732、クロストリジウム・クロストリジオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、クロストリジウム・コリヌム(Clostridium colinum)、クロストリジウム・フィメタリウム(Clostridium fimetarium)、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)、クロストリジウム・フンガテイ、クロストリジウム・ヒレモネ(Clostridium hylemonae)DSM 15053、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・ラクタチフェルメンタンス(Clostridium lactatifermentans)、クロストリジウム・レプツム(Clostridium leptum)、クロストリジウム・メチルペントスム(Clostridium methylpentosum)、クロストリジウム・オロチクム(Clostridium oroticum)、クロストリジウム・パピロソルベンス(Clostridium papyrosolvens)DSM 2782、クロストリジウム・ポプレティー(Clostridium populeti)、クロストリジウム・プロピオニクム(Clostridium propionicum)、クロストリジウム・サッカロリティクム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・スキンデンス(Clostridium scindens)、クロストリジウム・スポロスフェロイデス(Clostridium sporosphaeroides)、クロストリジウム・ステルコラリウム(Clostridium stercorarium)、クロストリジウム・ストラミニソルベンス(Clostridium straminisolvens)、クロストリジウム・スフラブム(Clostridium sufflavum)、クロストリジウム・テルミチジス(Clostridium termitidis)、クロストリジウム・テルモスクシノゲネス(Clostridium thermosuccinogenes)、クロストリジウム・ビリデ(Clostridium viride)、クロストリジウム・キシラノリティクム(Clostridium xylanolyticum)、デスルフォトマクルム・ガットイデウム(Desulfotomaculum guttoideum)、エウバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)ATCC 33656、エウバクテリウム・ドリクム(Eubacterium dolichum)、エウバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)ATCC 27750、エウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、エウバクテリウム・インフィルムム(Eubacterium infirmum)、エウバクテリウム・シレウム(Eubacterium siraeum)、エウバクテリウム・テヌエ(Eubacterium tenue)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、アセタネロバクテリウム・エロンガツム(Acetanaerobacterium elongatum)、アセタチファクター・ムリス(Acetatifactor muris)、アセチビブリオ・セルロリティクス(Acetivibrio cellulolyticus)、アセチビブリオ・エタノールギグネンス(Acetivibrio ethanolgignens)、アコレプラズマ・ブラシセ(Acholeplasma brassicae)0502、アコレプラズマ・パルブム(Acholeplasma parvum)、アコレプラズマ・ビツリ(Acholeplasma vituli)、アシネトバクター・ユニイ(Acinetobacter junii)、アクチノバチルス・ポルシヌス(Actinobacillus porcinus)、アクチノミセス・ボウデニイ(Actinomyces bowdenii)、アクチノミセス・デンタリス(Actinomyces dentalis)、アクチノミセス・オドントリティクス(Actinomyces odontolyticus)、アクタリバクター・ムリス(Acutalibacter muris)、アエロコッカス・ビリダンス(Aerococcus viridans)、アエロミクロビウム・ファスチジオスム(Aeromicrobium fastidiosum)、アリスチペス・フィネゴルジイ(Alistipes finegoldii)、アリスチペス・オベシ(Alistipes obesi)、アリスチペス・オンデルドンキイ(Alistipes onderdonkii)、アリスチペス・プトレジニス(Alistipes putredinis)、アリスチペス・シャヒイ(Alistipes shahii)、アリスチペス・シャヒイWAL 8301、アリスチペス・チモネンシス(Alistipes timonensis)JC136、アルカリバクター・サッカロフェルメンタンス(Alkalibacter saccharofermentans)、アルカリフィルス・メタリレディゲンス(Alkaliphilus mentalliredigens)QYMF、アリソネラ・ヒスタミニフォルマンス(Allisonella histaminiformans)、アロバクルム・ステルコリカニス(Allobaculum stercoricanis)DSM 13633、アロプレボテラ・ラバ(Alloprevotella rava)、アロプレボテラ・タネレ(Alloprevotella tannerae)、アネロバクテリウム・カルチソルベンス(Anaerobacterium chartisolvens)、アネロビオスピリルム・トマシイ(Anaerobiospirillum thomasii)、アネロビウム・アセテチリクム(Anaerobium acetethylicum)、アネロコッカス・オクタビウス(Anaerococcus octavius)NCTC 9810、アネロコッカス・プロベンシエンシス(Anaerococcus provenciensis)、アネロコッカス・バギナリス(Anaerococcus vaginalis)ATCC 51170、アネロコルムナ・ジェジュエンシス(Anaerocolumna jejuensis)、アネロフィルム・アジレ(Anaerofilum agile)、アネロフスチス・ステルコリホミニス(Anaerofustis stercorihominis)、アネログロブス・ゲミナツス(Anaeroglobus geminatus)、アネロマシリバチルス・セネガレンシス(Anaeromassilibacillus senegalensis)、アネロプラズマ・アバクトクラスチクム(Anaeroplasma abactoclasticum)、アネロハブヅス・フルコサ(Anaerorhabdus furcosa)、アネロスポロバクター・モビリス(Anaerosporobacter mobilis)、アネロスチペス・ブチラティクス(Anaerostipes butyraticus)、アネロスチペス・カッセ(Anaerostipes caccae)、アネロスチペス・ハヅルス(Anaerostipes hadrus)、アネロトルンクス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アネロボラクス・オドリムタンス(Anaerovorax odorimutans)、アノキシバチルス・ルピエンシス(Anoxybacillus rupiensis)、アクアバクテリウム・リムノティクム(Aquabacterium limnoticum)、アクロバクター・ブツレリ(Arcobacter butzleri)、アルトロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis)、アサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)、アトポビウム・パルブルム(Atopobium parvulum)、バクテロイデス・カッセ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・セシムリス(Bacteroides caecimuris)、バクテロイデス・セルロシリティクス(Bacteroides cellulosilyticus)、バクテロイデス・クラルス(Bacteroides clarus)YIT 12056、バクテロイデス・ドレイ(Bacteroides dorei)、バクテロイデス・エゲルティイ(Bacteroides eggerthii)、バクテロイデス・フィネゴルジイ(Bacteroides finegoldii)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ガリナルム(Bacteroides gallinarum)、バクテロイデス・マシリエンシス(Bacteroides massiliensis)、バクテロイデス・オレシプレヌス(Bacteroides oleiciplenus)YIT 12058、バクテロイデス・プレベイウス(Bacteroides plebeius)DSM 17135、バクテロイデス・ロデンティクム(Bacteroides rodentium)JCM 16496、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ウニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・キシラニソルベンス(Bacteroides xylanisolvens)XB1A、バクテロイデス・キシラノリティクス(Bacteroides xylanolyticus)、バルネシエラ・インテスティニホミニス(Barnesiella intestinihominis)、ベヅイニ・マシリエンシス(Beduini massiliensis)、ビフィドバクテリウム・ビフィヅム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・デンティウム(Bifidobacterium dentium)、ビフィドバクテリウム・ロングム・インファンティス亜種(Bifidobacterium longum subsp.infantis)、ブラウティア・セシムリス(Blautia caecimuris)、ブラウティア・ココイデス(Blautia coccoides)、ブラウティア・フェシス(Blautia faecis)、ブラウティア・グルセラセア(Blautia glucerasea)、ブラウティア・ハンセニイ(Blautia hansenii)DSM 20583、ブラウティア・ヒドロゲノトロフィカ(Blautia hydrogenotrophica)、ブラウティア・ルティ(Blautia luti)

、ブラウティア・ルティDSM 14534、ブラウティア・ウェクスレレ(Blautia wexlerae)DSM 19850、ブドビシア・アクアティカ(Budvicia aquatica)、ブチリシコッカス・プリセコルム(Butyricicoccus pullicaecorum)、ブチリシモナス・パラビロサ(Butyricimonas paravirosa)、ブチリビブリオ・クロッソツス(Butyrivibrio crossotus)、カルジコプロバクター・オーシマイ(Caldicoprobacter oshimai)、カロラマター・コールハーシイ(Caloramator coolhaasii)、カロラマター・プロテオクラスティクス(Caloramator proteoclasticus)、カロラマター・キムベイエンシス(Caloramator quimbayensis)、カンピロバクター・グラシリス(Campylobacter gracilis)、カンピロバクター・レクツス(Campylobacter rectus)、カンピロバクター・ウレオリティクス(Campylobacter ureolyticus)DSM 20703、カプノサイトファーガ・ギンギバリス(Capnocytophaga gingivalis)、カプノサイトファーガ・レッドベテリ(Capnocytophaga leadbetteri)、カプノサイトファーガ・スプチゲナ(Capnocytophaga sputigena)、カサルテラ・マシリエンシス(Casaltella massiliensis)、カタバクター・ホンコンゲンシス(Catabacter hongkongensis)、カテニバクテリウム・ミツオカイ(Catenibacterium mitsuokai)、クリステンセネラ・ミヌタ(Christensenella minuta)、クリステンセネラ・チモネンシス(Christensenella timonensis)、クリセオバクテリウム・タクリマカネンセ(Chryseobacterium taklimakanense)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、クロアシバチルス・ポルコルム(Cloacibacillus porcorum)、クロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)ATCC 9689=DSM 1296、クロストリジウム・アミロリティクム(Clostridium amylolyticum)、クロストリジウム・ボウマニイ(Clostridium bowmanii)、クロストリジウム・ブチリクム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・カダベリス(Clostridium cadaveris)、クロストリジウム・コリカニス(Clostridium colicanis)、クロストリジウム・ガシゲネス(Clostridium gasigenes)、クロストリジウム・レントセルム(Clostridium lentocellum)DSM 5427、クロストリジウム・オセアニクム(Clostridium oceanicum)、クロストリジウム・オリゼ(Clostridium oryzae)、クロストリジウム・パラプトリフィクム(Clostridium paraputrificum)、クロストリジウム・パスクイ(Clostridium pascui)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・クイニイ(Clostridium quinii)、クロストリジウム・サッカロブチリクム(Clostridium saccharobuthylicum)、クロストリジウム・スポロゲネス(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム・ベントリクリ(Clostridium ventriculi)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、コマモナス・テストステロニ(Comamonas testosteroni)、コプロバクター・ファスティディオスス(Coprobacter fastidiosus)NSB1、コプロコッカス・エウタクタス(Coprococcus eutactus)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム・ヅルム(Corynebacterium durum)、コリネバクテリウム・ミセトイデス(Corynebacterium mycetoides)、コリネバクテリウム・ピルビシプロヅセンス(Corynebacterium pyruviciproducens)ATCC BAA-1742、コリネバクテリウム・ツベルクロステアリクム(Corynebacterium tuberculostearicum)、クルツロミカ・マシリエンシス(Culturomica massiliensis)、クネアチバクター・セシムリス(Cuneatibacter caecimuris)、デフルビイタレア・サッカロフィラ(Defluviitalea saccharophila)、デルフィチア・アシドボランス(Delftia acidovorans)、デスルフィトバクテリウム・クロロレスピランス(Desulfitobacterium chlororespirans)、デスルフィトバクテリウム・メタリレヅセンス(Desulfitobacterium metallireducens)、デスルフォスポロシヌス・アシジヅランス(Desulfosporosinus acididurans)、デスルフォトマクルム・ハロフィルム(Desulfotomaculum halophilum)、デスルフォトマクルム・イントリカツム(Desulfotomaculum intricatum)、デスルフォトマクルム・トンゲンセ(Desulfotomaculum tongense)、デスルフォビブリオ・デスルフリカンス・デスルフリカンス亜種(Desulfovibrio desulfuricans subsp.desulfuricans)、デスルフォビブリオ・アイダホネンシス(Desulfovibrio idahonensis)、デスルフォビブリオ・リトラリス(Desulfovibrio litoralis)、デスルフォビブリオ・ピゲル(Desulfovibrio piger)、デスルフォビブリオ・シンプレクス(Desulfovibrio simplex)、デスルフォビブリオ・ゾステレ(Desulfovibrio zosterae)、デスルフロモナス・アセトキシダンス(Desulfuromonas acetoxidans)、デチオバクター・アルカリフィルス(Dethiobacter alkaliphilus)AHT 1、デチオスルファチバクター・アミノボランス(Dethiosulfatibacter aminovorans)、ジアリスター・インビスス(Dialister invisus)、ジアリスター・プロピオニシファシエンス(Dialister propionicifaciens)、ジエルマ・ファスチジオサ(Dielma fastidiosa)、ジエツィア・アリメンタリア(Dietzia alimentaria)72、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)、ジスゴノモナス・ガデイ(Dysgonomonas gadei)ATCC BAA-286、ジスゴノモナス・モッシイ(Dysgonomonas mossii)、エガセラ・レンタ(Eggerthella lenta)、エイケネラ・コロンデンス(Eikenella corrodens)、アイゼンバーギエラ・タイイ(Eisenbergiella tayi)、エメルゲンシア・チモネンシス(Emergencia timonensis)、エノルマ・マシリエンシス(Enorma massiliensis)phI、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロラブヅス・ムリス(Enterorhabdus muris)、エタノリゲネンス・ハルビネンセ(Ethanoligenens harbinense)YUAN-3、エウバクテリウム・コプロスタノリゲネス(Eubacterium coprostanoligenes)、エウバクテリウム・リモスム(Eubacterium limosum)、エウバクテリウム・オキシドレヅセンス(Eubacterium oxidoreducens)、エウバクテリウム・スルシ(Eubacterium sulci)ATCC 35585、エウバクテリウム・ウニフォルメ(Eubacterium uniforme)、エウバクテリウム・ベントリオスム(Eubacterium ventriosum)、エウバクテリウム・キシラノフィルム(Eubacterium xylanophilum)、エクスティバクター・ムリス(Extibacter muris)、エザキエラ・ペルエンシス(Ezakiella peruensis)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、フェカリコッカス・アシドフォルマンス(Faecalicoccus acidiformans)、フェカリタレア・シリンドロイデス(Faecalitalea cylindroides)、フィリファクター・ビロスス(Filifactor villosus)、フラボニフラクター・プラウティイ(Flavonifractor plautii)、フリンチバクター・ブチリクス(Flintibacter butyricus)、フリシンギコッカス・セシムリス(Frisingicoccus caecimuris)、フコフィルス・フコイダノリティクス(Fucophilus fucoidanolyticus)、フシカテニバクター・サッカリボランス(Fusicatenibacter saccharivorans)、フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、フソバクテリウム・ヌクレアツム・ビンセンティイ亜種(Fusobacterium nucleatum subsp.vincentii)、フソバクテリウム・シミエ(Fusobacterium simiae)、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)、ガルシエラ・ニトラチレヅセンス(Garciella nitratireducens)、ゲメラ・ヘモリサンス(Gemella haemolysans)、ゲミガー・フォルミシリス(Gemmiger formicilis)、ゴルドニバクター・ウロリシンファシエンス(Gordonibacter urolithinfaciens)、グラシリバクター・テルモトレランス(Gracilibacter thermotolerans)JW/YJL-S1、グラヌリカテラ・エレガンス(Granulicatella elegans)、グッゲンハイメラ・ボビス(Guggenheimella bovis)、ヘモフィルス・ヘモリティクス(Haemophilus haemolyticus)、ヘリコバクター・チフロニウス(Helicobacter typhlonius)、ヘスペリア・ステルコリスイス(Hespellia stercorisuis)、ホルデマネラ・ビフォルミス(Holdemanella biformis)、ホルデマニア・マシリエンシス(Holdemania massiliensis)AP2、ハワーデラ・ウレイリティカ(Howardella ureilytica)、フンガテラ・エフルビイ(Hungatella effluvii)、フンガテラ・ハセワイイ(Hungatella hathewayi)、ヒドロゲノアネロバクテリウム・サッカロボランス(Hydrogenoanaerobacter
ium saccharovorans)、イフバクター・マシリエンシス(Ihubacter massiliensis)、インテスティニバクター・バルトレッティ(Intestinibacter bartlettii)、インテスティニモナス・ブチリシプロヅセンス(Intestinimonas butyriciproducens)、イレグラリバクター・ムリス(Irregularibacter muris)、キロニエラ・ラミナリエ(Kiloniella laminariae)DSM 19542、クロッペンステディア・グアンチョウエンシス(Kroppenstedtia guangzhouensis)、ラクノアネロバクルム・オラーレ(Lachnoanaerobaculum orale)、ラクノアネロバクルム・ウメエンセ(Lachnoanaerobaculum umeaense)、ラクノクロストリジウム・フィトフェルメンタンス(Lachnoclostridium phytofermentans)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アルギヅス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・ペントスス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ロゴセ(Lactobacillus rogosae)、ラクトコッカス・ガルビエエ(Lactococcus garvieae)、ラクトニファクター・ロンゴビフォルミス(Lactonifactor longoviformis)、レプトトリキア・ブッカリス(Leptotrichia buccalis)、レプトトリキア・ホフスタディイ(Leptotrichia hofstadii)、レプトトリキア・ホンコンゲンシス(Leptotrichia hongkongensis)、レプトトリキア・ワデイ(Leptotrichia wadei)、レウコノストック・インヘ(Leuconostoc inhae)、レビエラ・マシリエンシス(Levyella massiliensis)、ロリエロプシス・カベルニコラ(Loriellopsis cavernicola)、ルチスポラ・テルモフィラ(Lutispora thermophila)、マリニラビリア・サルモニコロル(Marinilabilia salmonicolor)JCM 21150、マルビンブリアンチア・フォルマテキシゲンス(Marvinbryantia formatexigens)、メソプラズマ・フォツリス(Mesoplasma photuris)、メタノブレビバクター・スミシイ(Methanobrevibacter smithii)ATCC 35061、メタノマシリコッカス・ルミニエンシス(Methanomassiliicoccus luminyensis)B10、メチロバクテリウム・エクストルセンス(Methylobacterium extorquens)、ミツオケラ・ジャラルンジニイ(Mitsuokella jalaludinii)、モビリタレア・シビリカ(Mobilitalea sibirica)、モビルンクス・クルティシイ(Mobiluncus curtisii)、モギバクテリウム・プミルム(Mogibacterium pumilum)、モギバクテリウム・チミヅム(Mogibacterium timidum)、ムーアレラ・グリセリニ(Moorella glycerini)、ムーアレラ・フミフェレア(Moorella humiferrea)、モラクセラ・ノンリンケファシエンス(Moraxella nonliquefaciens)、モラクセラ・オスロエンシス(Moraxella osloensis)、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、モリエラ・インドリゲネス(Moryella indoligenes)、ムリバクルム・インテスティナーレ(Muribaculum intestinale)、ムリモナス・インテスティニ(Murimonas intestini)、ナトラネロビルガ・ペクチニボラ(Natranaerovirga pectinivora)、ネグレクタ・チモネンシス(Neglecta timonensis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、ナイセリア・オラリス(Neisseria oralis)、ノカルジオイデス・メソフィルス(Nocardioides mesophilus)、ノビバチルス・テルモフィルス(Novibacillus thermophilus)、オクロバクツルム・アントロピ(Ochrobactrum anthropi)、オドリバクター・スプラノクニクス(Odoribacter splanchnicus)、オルセネラ・プロフーサ(Olsenella profusa)、オルセネラ・ウリ(Olsenella uli)、オリバクテリウム・アサッカロリティクム(Oribacterium asaccharolyticum)ACB7、オリバクテリウム・シヌス(Oribacterium sinus)、オシリバクター・ルミナンティウム(Oscillibacter ruminantium)GH1、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、オキソバクター・フェニジイ(Oxobacter pfennigii)、パンテア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)、パピリバクター・シナミボランス(Papillibacter cinnamivorans)、パラバクテロイデス・フェシス(Parabacteroides faecis)、パラバクテロイデス・ゴールドスタイニイ(Parabacteroides goldsteinii)、パラバクテロイデス・ゴルドニイ(Parabacteroides gordonii)、パラバクテロイデス・メルデ(Parabacteroides merdae)、パラスポロバクテリウム・パウシボランス(Parasporobacterium paucivorans)、パラサテラ・エクスクレメンティホミニス(Parasutterella excrementihominis)、パラサテラ・セクンダ(Parasutterella secunda)、パルビモナス・ミクラ(Parvimonas micra)、ペプトコッカス・ニガー(Peptococcus niger)、ペプトニフィルス・ヅエルデニイ(Peptoniphilus duerdenii)ATCC BAA-1640、ペプトニフィルス・グロセンシス(Peptoniphilus grossensis)ph5、ペプトニフィルス・ケネネニエ(Peptoniphilus koenoeneniae)、ペプトニフィルス・セネガレンシス(Peptoniphilus senegalensis)JC140、ペプトストレプトコッカス・ストマティス(Peptostreptococcus stomatis)、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)、フォセア・マシリエンシス(Phocea massiliensis)、ポンティバクター・インディクス(Pontibacter indicus)、ポルフィロモナス・ベノニス(Porphyromonas bennonis)、ポルフィロモナス・エンドドンタリス(Porphyromonas endodontalis)、ポルフィロモナス・パステリ、プレボテラ・ベルゲンシス(Prevotella bergensis)、プレボテラ・ブッセ(Prevotella buccae)ATCC 33574、プレボテラ・デンティコラ(Prevotella denticola)、プレボテラ・エネカ(Prevotella enoeca)、プレボテラ・フスカ(Prevotella fusca)JCM 17724、プレボテラ・レシェイ(Prevotella loescheii)、プレボテラ・ニグレスセンス(Prevotella nigrescens)、プレボテラ・オリス(Prevotella oris)、プレボテラ・パレンス(Prevotella pallens)ATCC 700821、プレボテラ・ステルコレア(Prevotella stercorea)DSM 18206、プレボテラマシリア・チモネンシス(Prevotellamassilia timonensis)、プロピオニスピラ・アルクアタ(Propionispira arcuata)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシア・レテゲリ(Providencia rettgeri)、シュードバクテロイデス・セルロソルベンス(Pseudobacteroides cellulosolvens)ATCC 35603=DSM 2933、シュードブチリビブリオ・ルミニス(Pseudobutyrivibrio ruminis)、シュードフラボニフラクター・カピロスス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC 29799、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレスセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・マンデリイ(Pseudomonas mandelii)、シュードモナス・ニトロレヅセンス(Pseudomonas nitroreducens)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ラウルテラ・オルニチノリティカ(Raoultella ornithinolytica)、ラウルテラ・プランティコラ(Raoultella planticola)、ラウルティバクター・マシリエンシス(Raoultibacter massiliensis)、ロビンソニエラ・ペオリエンシス(Robinsoniella peoriensis)、ロムブツィア・チモネンシス(Romboutsia timonensis)、ロセブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロセブリア・ホミニス(Roseburia hominis)A2-183、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)、ロセブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)DSM 16841、ロチア・デントカリオーサ(Rothia dentocariosa)ATCC 17931、ルミニクロストリジウム・テルモセルム(Ruminiclostridium thermocellum)、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ルミノコッカス・カリヅス(Ruminococcus callidus)、ルミノコッカス・シャンパネレンシス(Ruminococcus champanellensis)18P13 =JCM 17042、ルミノコッカス・フェシス(Ruminococcus faecis)JCM 15917、ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)、ルミノコッカス・ゴブロイイ(Ruminococcus gauvreauii)、ルミノコッカス・ラクタリス(Ruminococcus lactaris)ATCC 29176、ル
メリイバチルス・ピクヌス(Rummeliibacillus pycnus)、サッカロフェルメンタンス・アセチゲネス(Saccharofermentans acetigenes)、スカルドビア・ウィッグシエ(Scardovia wiggsiae)、シュレーゲレラ・テルモデプロイメランス(Schlegelella thermodepolymerans)、セディメンティバクター・ホンコンゲンシス(Sedimentibacter hongkongensis)、セレノモナス・スプチゲナ(Selenomonas sputigena)ATCC 35185、スラキア・エクシグア(Slackia exigua)ATCC 700122、スラキア・ピリフォルミス(Slackia piriformis)YIT 12062、ソリタレア・カナデンシス(Solitalea canadensis)、ソロバクテリウム・ムーアレイ(Solobacterium moorei)、スフィンゴモナス・アクアチリス(Sphingomonas aquatilis)、スピロプラズマ・アレゲネンセ(Spiroplasma alleghenense)、スピロプラズマ・チネンセ(Spiroplasma chinense)、スピロプラズマ・クリソピコラ(Spiroplasma chrysopicola)、スピロプラズマ・クリシコラ(Spiroplasma culicicola)、スピロプラズマ・ラムピリジコラ(Spiroplasma lampyridicola)、スポロバクター・テルミチジス(Sporobacter termitidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ストマトバクルム・ロングム(Stomatobaculum longum)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)ATCC 13813、ストレプトコッカス・クリスタツス(Streptococcus cristatus)、ストレプトコッカス・エクイヌス(Streptococcus equinus)、ストレプトコッカス・ゴルドニイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス・ラクタリウス(Streptococcus lactarius)、ストレプトコッカス・パラウベリス(Streptococcus parauberis)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、スクシニビブリオ・デキストリノソルベンス(Succinivibrio dextrinosolvens)、ステレラ・ステルコリカニス(Sutterella stercoricanis)、ステレラ・ワーズワーセンシス(Sutterella wadsworthensis)、シントロフォコッカス・スクロミュータンス(Syntrophococcus sucromutans)、シントロフォモナス・ゼーンデリ(Syntrophomonas zehnderi)OL-4、テリスポロバクター・マヨムベイ(Terrisporobacter mayombei)、テルモレオフィルム・アルブム(Thermoleophilum album)、トレポネマ・デンティコラ(Treponema denticola)、トレポネマ・ソクランスキイ(Treponema socranskii)、ティゼレラ・ネクシリス(Tyzzerella nexilis)DSM 1787、バリタレア・グエイマセンシス(Vallitalea guaymasensis)、バリタレア・プロニエンシス(Vallitalea pronyensis)、バムピロビブリオ・クロレラボルス(Vampirovibrio chlorellavorus)、ベイロネラ・アティピカ(Veillonella atypica)、ベイロネラ・デンティカリオーシ(Veillonella denticariosi)、ベイロネラ・ジスパル(Veillonella dispar)、ベイロネラ・パルブラ(Veillonella parvula)、ビクチバリス・バデンシス(Victivallis vadensis)、ブルカニバチルス・モデスチカルヅス(Vulcanibacillus modesticaldus)、及びワイセラ・コンフーサ(Weissella confusa)からなる群から選択される種、亜種、又は細菌株に属する。
【0011】
[0012]ある特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された集団は、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における種から選択される細菌種に属する。なおさらなる態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における種から選択される、細菌の16S rRNAヌクレオチド配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一な、16SリボソームRNA(rRNA)ヌクレオチド配列を含む種、亜種、又は株に属する。特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示され、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.01未満の未補正p値を有する、表2における種からなる群から選択される、細菌の16S rRNAヌクレオチド配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一な、16SリボソームRNA(rRNA)ヌクレオチド配列を含む。
【0012】
[0013]ある特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示され、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.01未満の未補正p値を有する、表1における種からなる群から選択される、細菌の16S rRNAヌクレオチド配列に対して少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一な、16SリボソームRNA(rRNA)ヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、配列番号1~876の配列と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一な、16S rRNA遺伝子配列を含む種、亜種、又は細菌株である。
【0013】
[0014]一部の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された集団は、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における種から選択される細菌種に属する。特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示され、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.01未満の未補正p値を有する、表2における種からなる群から選択される細菌種に属する。さらに他の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、配列番号877~926、配列番号927~976、配列番号977~1026、配列番号1027~1076、配列番号1077~1126、配列番号1127~1176、配列番号1177~1226、配列番号1227~1276、配列番号1277~1326、配列番号1327~1376、配列番号1377~1426、配列番号1427~1476、配列番号1477~1526、配列番号1527~1576、配列番号1577~1626、配列番号1627~1676、配列番号1677~1726、配列番号1727~1776、配列番号1777~1826、配列番号1827~1876、配列番号1877~1926、配列番号1927~1976、配列番号1977~2026、配列番号2027~2076、配列番号2077~2126、配列番号2127~2176、配列番号2177~2226、配列番号2227~2276、配列番号2277~2326、配列番号2327~2376、配列番号2377~2426、配列番号2427~2476、配列番号2477~2526、配列番号2527~2576、配列番号2577~2626及び配列番号2627~2676からなる群から選択される共存遺伝子群(CAG)配列(表2Aを参照されたい)に対する少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を伴うヌクレオチド配列を含む種、亜種、又は株に属する。
【0014】
【表1】
【0015】
[0015]ある特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は2つの細菌の集団は、配列番号877~926に対する少なくとも29%の同一性、配列番号927~976に対する少なくとも16.5%の同一性、配列番号977~1026に対する少なくとも48.5%の同一性、配列番号1027~1076に対する少なくとも28%の同一性、配列番号1077~1126に対する少なくとも93.5%の同一性、配列番号1127~1176に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号1177~1226に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号1227~1276に対する少なくとも99%の同一性、配列番号1277~1326に対する100%の同一性、配列番号1327~1376に対する少なくとも21.5%の同一性、配列番号1377~1426に対する100%の同一性、配列番号1427~1476に対する少なくとも97%の同一性、配列番号1477~1526に対する少なくとも55.5%の同一性、配列番号1527~1576に対する100%の同一性、配列番号1577~1626に対する少なくとも34%の同一性、配列番号1627~1676に対する少なくとも14%の同一性、配列番号1677~1726に対する100%の同一性、配列番号1727~1776に対する少なくとも93%の同一性、配列番号1777~1826に対する100%の同一性、配列番号1827~1876に対する少なくとも45%の同一性、配列番号1877~1926に対する少なくとも99%の同一性、配列番号1927~1976に対する少なくとも74%の同一性、配列番号1977~2026に対する100%の同一性、配列番号2027~2076に対する100%の同一性、配列番号2077~2126に対する少なくとも20%の同一性、配列番号2127~2176に対する少なくとも84%の同一性、配列番号2177~2226に対する少なくとも35.5%の同一性、配列番号2227~2276に対する少なくとも32.5%の同一性、配列番号2277~2326に対する少なくとも70%の同一性、配列番号2327~2376に対する100%の同一性、配列番号2377~2426に対する少なくとも70.5%の同一性、配列番号2427~2476に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号2477~2526に対する少なくとも68.5%の同一性、配列番号2527~2576に対する100%の同一性、配列番号2577~2626に対する少なくとも97.5%の同一性、又は配列番号2627~2676に対する100%の同一性を伴うヌクレオチド配列を含む種、亜種、又は株からなる群から選択される。
【0016】
[0016]ある特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は2つの細菌の集団は、配列番号877~926に対応するフィーカリバクテリウム属種CAG:74の遺伝子に対する少なくとも29%の同一性、配列番号927~976に対応するクロストリジウム目菌NK3B98の遺伝子に対する少なくとも16.5%の同一性、配列番号977~1026に対応するサブドリグラヌルム属(Subdoligranulum)種4_3_54A2FAAの遺伝子に対する少なくとも48.5%の同一性、配列番号1027~1076に対応するフィーカリバクテリウム属種CAG:74の遺伝子に対する少なくとも28%の同一性、配列番号1077~1126に対応するオシリバクター属(Oscillibacter)種CAG:155の遺伝子に対する少なくとも93.5%の同一性、配列番号1127~1176に対応するクロストリジウム属(Clostridium)種CAG:7の遺伝子に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号1177~1226に対応するエウバクテリウム属(Eubacterium)種CAG:86の遺伝子に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号1227~1276に対応するフィルミクテス門(Firmicutes)菌CAG:176の遺伝子に対する少なくとも99%の同一性、配列番号1277~1326に対応するアッカーマンシア属(Akkermansia)種CAG:344の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号1327~1376に対応するフィーカリバクテリウム属種CAG:74の遺伝子に対する少なくとも21.5%の同一性、配列番号1377~1426に対応するビフィドバクテリウム・シュードカテニュレイタム(Bifidobacterium pseudocatenulatum)DSM 20438=JCM 1200=LMG 10505の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号1427~1476に対応するクロストリジウム属種JCCの遺伝子に対する少なくとも97%の同一性、配列番号1477~1526に対応するフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイSL3/3の遺伝子に対する少なくとも55.5%の同一性、配列番号1527~1576に対応するクロストリジウム属種CAG:242の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号1577~1626に対応するクロストリジウム属種CAG:226の遺伝子に対する少なくとも34%の同一性、配列番号1627~1676に対応するルミノコッカス属種CAG:382の遺伝子に対する少なくとも14%の同一性、配列番号1677~1726に対応するビフィドバクテリウム・ビフィヅムS17の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号1727~1776に対応するロゼブリア属(Roseburia)種CAG:309の遺伝子に対する少なくとも93%の同一性、配列番号1777~1826に対応するアリスチペス・チモネンシスJC136の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号1827~1876に対応するフィルミクテス門菌CAG:103の遺伝子に対する少なくとも45%の同一性、配列番号1877~1926に対応するアリスチペス・セネガレンシス(Alistipes senegalensis)JC50の遺伝子に対する少なくとも99%の同一性、配列番号1927~1976に対応するフィルミクテス門菌CAG:176の遺伝子に対する少なくとも74%の同一性、配列番号1977~2026に対応するホルデマネラ・ビフォルミスDSM 3989の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号2027~2076に対応するサブドリグラヌルム属種CAG:314の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号2077~2126に対応するクロストリジウム属種CAG:226の遺伝子に対する少なくとも20%の同一性、配列番号2127~2176に対応するフィルミクテス門菌CAG:124の遺伝子に対する少なくとも84%の同一性、配列番号2177~2226に対応するインテスティニモナス・ブチリシプロヅセンスの遺伝子に対する少なくとも35.5%の同一性、配列番号2227~2276に対応するクロストリジウム属種CAG:226の遺伝子に対する少なくとも32.5%の同一性、配列番号2277~2326に対応するフィルミクテス門菌CAG:124の遺伝子に対する少なくとも70%の同一性、配列番号2327~2376に対応するフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイL2-6の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号2377~2426に対応するルミノコッカス科菌D16の遺伝子に対する少なくとも70.5%の同一性、配列番号2427~2476に対応するクロストリジウム・スピロフォルメ(Clostridium spiroforme)DSM 1552の遺伝子に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号2477~2526に対応するインテスティニモナス・ブチリシプロヅセンスの遺伝子に対する少なくとも68.5%の同一性、配列番号2527~2576に対応するファスコラークトバクテリウム属(Phascolarctobacterium)種CAG:207の遺伝子に対する100%の同一性、配列番号2577~2626に対応するフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイL2-6の遺伝子に対する少なくとも97.5%の同一性、又は配列番号2627~2676に対応するストレプトコッカス・パラサンギニス(Streptococcus parasanguinis)ATCC 15912の遺伝子に対する100%の同一性を伴うヌクレオチド配列を含む種、亜種、又は株からなる群から選択される。
【0017】
[0017]一部の態様では、細菌は、凍結乾燥又は冷凍乾燥されている。特定の態様では、組成物は、経口送達のために製剤化されている。例えば、経口送達のために製剤化された組成物は、錠剤又はカプセルである。特定の態様では、錠剤又はカプセルは、酸耐性腸溶性コーティングを含む。ある特定の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物は、結腸鏡検査、経鼻胃管によるs状結腸鏡検査、又は注腸剤を介する直腸内投与のために製剤化されている。一部の態様では、組成物は、凍結乾燥又は冷凍されている。ある特定の態様では、組成物は、液体、懸濁液、ゲル、ゲルタブ、半固体、錠剤、小袋、トローチ、カプセルを含む最終送達、又は腸内製剤としての最終送達のために再製剤化することが可能である。一部の態様では、組成物は、複数回投与のために製剤化されている。一部の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、抗生剤耐性遺伝子を含む。一部の態様では、少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団は、短鎖脂肪酸産生菌の集団である。ある特定の態様では、短鎖脂肪酸産生菌の集団は、酪酸産生菌の集団である。特定の態様では、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を、静脈内投与し、酪酸産生菌の集団を、経口投与する。
【0018】
[0018]本開示の実施形態は、対象におけるがんを処置する方法であって、治療有効量の、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌集団などの短鎖脂肪酸産生菌集団を、前記対象へと投与するステップを含み、対象が、免疫チェックポイント阻害剤を投与されている方法を提供する。一部の態様では、方法は、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を投与するステップをさらに含む。ある特定の態様では、1つを超えるチェックポイント阻害剤を投与する。一部の態様では、方法は、プレバイオティクス又はプロバイオティクスを投与するステップをさらに含む。
【0019】
[0019]一部の態様では、短鎖脂肪酸産生菌集団は、抗生剤耐性遺伝子を含む細菌を含む。一部の態様では、酪酸産生菌集団は、抗生剤耐性遺伝子を含む細菌を含む。一部の実施形態では、方法は、このような短鎖脂肪酸を産生する抗生剤耐性菌の集団、例えば、このような酪酸を産生する抗生剤耐性菌の集団を、がんを有する対象へと投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、酪酸を産生する抗生剤耐性菌の集団など、短鎖脂肪酸を産生する抗生剤耐性菌の集団が耐性である抗生剤を、対象へと投与するステップをさらに含み、この場合、抗生剤耐性遺伝子は、抗生剤に対する耐性を付与する。
【0020】
[0020]一部の態様では、酪酸産生菌集団は、クロストリジウム目の、1又は複数の細菌種を含む。ある特定の態様では、1又は複数の細菌種は、ルミノコッカス科、クリステンセネラ科(Christensenellaceae)、クロストリジウム科、又はコリオバクテリウム科(Coriobacteriaceae)に由来する。特定の態様では、1又は複数の細菌種は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、ルミノコッカス・アルブス、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・カリヅス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカス・シャンパネレンシス、ルミノコッカス・フェシス、ルミノコッカス・ゴブロイイ、ルミノコッカス・グナブス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・ハンセニイ(Ruminococcus hansenii)、ルミノコッカス・ヒドロゲノトロフィクス(Ruminococcus hydrogenotrophicus)、ルミノコッカス・ラクタリス、ルミノコッカス・ルティ(Ruminococcus luti)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、ルミノコッカス・パルストリス(Ruminococcus palustris)、ルミノコッカス・パスツーリイ(Ruminococcus pasteurii)、ルミノコッカス・プロヅクツス(Ruminococcus productus)、ルミノコッカス・シンキイ(Ruminococcus schinkii)、ルミノコッカス・トルケス、サブドリグラヌルム・バリアビレ、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ロゼブリア・インテスティナリス、アネロスチペス・カッセ、ブラウティア・オベウム(Blautia obeum)、エウバクテリウム・ノダツム(Eubacterium nodatum)、及びエウバクテリウム・オキシドレヅセンスからなる群から選択される。詳細な一態様では、1又は複数の細菌種は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイである。特定の態様では、酪酸産生菌集団は、プレボテラ科(Prevotellaceae)又はバクテロイデス目の細菌種を含まない。
【0021】
[0021]ある特定の態様では、酪酸を投与するステップは、酪酸のプロドラッグ又は塩を投与するステップを含む。特定の態様では、酪酸を投与するステップは、酪酸ナトリウム、酪酸アルギニン、乳酸エチルブチリル、トリブチリン、4-フェニル酪酸、ピバロイルオキシメチル酪酸(AN-9)、又はブチリデン二酪酸(AN-10)を投与するステップを含む。
【0022】
[0022]一部の態様では、酪酸又は酪酸産生菌集団を、経口投与、結腸鏡検査、s状結腸鏡検査、注腸剤を介する直腸内投与、又は直接的注射により投与する。特定の態様では、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を、静脈内投与し、酪酸及び/又は酪酸産生菌集団を、経口投与する。
【0023】
[0023]一部の態様では、少なくとも1つのチェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、BTLA、B7H3、B7H4、TIM3、KIR、又はA2aRの阻害剤から選択される。ある特定の態様では、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤は、ヒトプログラム細胞死1(PD-1)軸結合性アンタゴニストである。一部の態様では、PD-1軸結合性アンタゴニストは、PD-1結合性アンタゴニスト、PDL1結合性アンタゴニスト、及びPDL2結合性アンタゴニストからなる群から選択される。ある特定の態様では、PD-1軸結合性アンタゴニストは、PD-1結合性アンタゴニストである。一部の態様では、PD-1結合性アンタゴニストは、PD-1の、PDL1及び/又はPDL2への結合を阻害する。特定の態様では、PD-1結合性アンタゴニストは、モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である。詳細な態様では、PD-1結合性アンタゴニストは、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、キーツルーダ(KEYTRUDA)(登録商標)、AMP-514、REGN2810、CT-011、BMS 936559、MPDL328OA、又はAMP-224である。一部の態様では、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。特定の態様では、抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブ、イェルボイ(YERVOY)(登録商標)、又はイピリムマブである。ある特定の態様では、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤は、抗キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)抗体である。一部の態様では、抗KIR抗体は、リリルマブである。
【0024】
[0024]ある特定の態様では、がんは、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、又は黒色腫などの皮膚がんである。他の態様では、皮膚がんは、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、及び血管肉腫からなる群から選択される皮膚がんである。特定の態様では、黒色腫は、転移性黒色腫である。他の態様では、黒色腫は、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である。
【0025】
[0025]ある特定の態様では、方法は、少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む。一部の態様では、少なくとも1つのさらなる抗がん処置は、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、又は生物学的療法である。一部の態様では、生物学的療法は、モノクローナル抗体、siRNA、miRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、又は遺伝子治療である。
【0026】
[0026]一部の態様では、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤、及び/又は少なくとも1つのさらなる抗がん処置を、腫瘍内投与、動脈内投与、静脈内投与、血管内投与、胸腔内投与、腹腔内投与、気管内投与、髄腔内投与、筋内投与、内視鏡時投与、病変内投与、経皮投与、皮下投与、局部投与、定位投与、経口投与、又は直接的注射若しくは灌流により投与する。特定の態様では、少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を、静脈内投与し、酪酸及び/又は酪酸産生菌集団を、経口投与する。
【0027】
[0027]別の実施形態は、対象におけるがんを処置する方法であって、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤を、前記対象へと投与するステップを含み、対象が、腸管マイクロバイオームにおいて好適な微生物プロファイルを有することが決定されている方法を提供する。一部の態様では、好適な微生物プロファイルを、(a)腸管マイクロバイオームの高いアルファ多様性;(b)腸管マイクロバイオームにおける、酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の高存在度;(c)腸管マイクロバイオームにおけるエンリッチメントインデックス(ei)が0.5、0.6、0.7、0.8、若しくは0.9を超えるか、又は1と等しい、表1における種からなる群から選択される1又は複数の(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はこれを超える)細菌;(d)腸管マイクロバイオームにおける、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの1又は複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はこれを超える細菌種);及び/或いは(e)ベータ多様性による(例えば、重み付けされたユニフラック距離による)R重心を中心とするクラスターを有することとして、さらに規定する。
【0028】
[0028]一部の態様では、好適な微生物プロファイルを、フィルミクテス門、クロストリジウム綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、ルミノコッカス属、フィーカリバクテリウム属、ヒドロゲノアネロバクテリウム属(Hydrogenoanaerobacterium)、アクチノバクテリア門(Actinobacteria)、コリオバクテリウム綱(Coriobacteriia)、コリオバクテリウム目(Coriobacteriales)、コリオバクテリウム科、アーキアドメイン(Archaea)、シアノバクテリア門(Cyanobacteria)、ユーリアーキオータ門(Euryarchaeota)、又はクリステンセネラ科の細菌の存在又は高存在度として、さらに規定する。ある特定の態様では、好適な微生物プロファイルを、エシェリヒア・コリ種(Escherichia coli)、アネロトルンクス・コリホミニス種(Anaerotruncus colihominis)、ディアリスター属(Dialister)、ベイロネラ科、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、バクテロイデス綱(Bacteroidia)、バクテロイデス目、又はプレボテラ科の細菌の非存在又は低存在度として、さらに規定する。特定の態様では、好適な微生物プロファイルを、クロストリジウム目の細菌の存在又は高存在度、及びバクテロイデス目の細菌の非存在又は低存在度として規定する。一部の態様では、好適な微生物プロファイルを、酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の高存在度として、さらに規定する。ある特定の態様では、酪酸産生菌は、ルミノコッカス属又はフィーカリバクテリウム属に由来する1又は複数の種を含む。
【0029】
[0029]一部の態様では、患者試料におけるマイクロバイオームを解析することにより、対象が、好適な微生物プロファイル又は好適な腸管マイクロバイオームを含むことが決定された。ある特定の態様では、患者試料は、糞便試料又は口内試料である。一部の態様では、解析することは、16Sリボソームシーケンシング及び/又はメタゲノミック全ゲノムシーケンシングを実施することを含む。
【0030】
[0030]さらなる実施形態では、がんを有する患者における、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答(例えば、患者の生存)を予測する方法であって、前記患者から得られた試料における微生物プロファイルを検出するステップを含み、微生物プロファイルが、(a)高いアルファ多様性;(b)酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の高存在度;(c)エンリッチメントインデックス(ei)が0.5、0.6、0.7、0.8、若しくは0.9を超えるか、又は1と等しい、表1における種からなる群から選択される1又は複数の(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はこれを超える)細菌;(d)レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの1又は複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はこれを超える細菌種);(e)バクテロイデス目の低存在度;及び/或いは(f)ベータ多様性で重み付けされたユニフラック距離による、顕著に異なるクラスターを含む場合は、患者が、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示すことが予測される方法が提供される。特定の実施形態では、患者が、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示すことが予測される場合に、患者に、免疫チェックポイント阻害剤を投与する。ある特定の実施形態では、患者に、第2の免疫チェックポイント阻害剤を投与する。ある特定の実施形態では、好適な微生物プロファイルは、好適な腸管微生物プロファイルである。
【0031】
[0031]ある特定の態様では、がんは、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、又は黒色腫などの皮膚がんである。他の態様では、皮膚がんは、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、及び血管肉腫からなる群から選択される皮膚がんである。他の態様では、黒色腫は、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である。特定の態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD1モノクローナル抗体又は抗CTLA4モノクローナル抗体である。
【0032】
[0032]一部の態様では、酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌集団は、クロストリジウム目の、1又は複数の細菌種を含む。ある特定の態様では、1又は複数の種は、ルミノコッカス科、クリステンセネラ科、クロストリジウム科、又はコリオバクテリウム科に由来する。特定の態様では、1又は複数の種は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、ルミノコッカス・アルブス、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・カリヅス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカス・シャンパネレンシス、ルミノコッカス・フェシス、ルミノコッカス・ゴブロイイ、ルミノコッカス・グナブス、ルミノコッカス・ハンセニイ、ルミノコッカス・ヒドロゲノトロフィクス、ルミノコッカス・ラクタリス、ルミノコッカス・ルティ、ルミノコッカス・オベウム、ルミノコッカス・パルストリス、ルミノコッカス・パスツーリイ、ルミノコッカス・プロヅクツス、ルミノコッカス・シンキイ、ルミノコッカス・トルケス、サブドリグラヌルム・バリアビレ、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス、ロゼブリア・インテスティナリス、アネロスチペス・カッセ、ブラウティア・オベウム、エウバクテリウム・ノダツム、及びエウバクテリウム・オキシドレヅセンスからなる群から選択される。ある特定の態様では、1又は複数の種は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイである。
【0033】
[0033]さらなる態様では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤を、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示すことが予測される対象へと投与するステップをさらに含む。一部の態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD1モノクローナル抗体又は抗CTLA4モノクローナル抗体である。
【0034】
[0034]一部の態様では、方法は、少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む。ある特定の態様では、少なくとも1つのさらなる抗がん処置は、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、又は生物学的療法である。特定の態様では、少なくとも1つのさらなる抗がん処置は、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌集団などの短鎖脂肪酸産生菌集団である。詳細な態様では、少なくとも1つの抗がん処置は、実施形態の組成物である。一部の態様では、方法は、プレバイオティクス又はプロバイオティクスを投与するステップをさらに含む。
【0035】
[0035]別の実施形態では、がんを有する患者における、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答を予測する方法であって、前記患者から得られた試料における微生物プロファイルを検出するステップを含み、微生物プロファイルが、(a)酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の低存在度;(b)非レスポンダー(NR)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの1又は複数;(c)低いアルファ多様性;及び/又は(d)高量のバクテロイデス目を含む場合は、患者が、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される方法が提供される。さらなる態様では、方法は、患者が、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される場合に、患者へと、実施形態のプロバイオティクス組成物又は生菌製品による組成物を投与するステップをさらに含む。なおさらなる態様では、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される患者に、実施形態のプロバイオティクス組成物又は生菌製品による組成物の投与の後で、免疫チェックポイント阻害剤を投与する。
【0036】
[0036]さらなる態様では、方法は、少なくとも1つの非免疫チェックポイント阻害剤である、さらなる抗がん処置を、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される対象へと投与するステップをさらに含む。
【0037】
[0037]さらなる態様では、方法は、少なくとも1つの抗がん処置を、対象へと投与するステップを含む。一部の態様では、少なくとも1つの抗がん処置は、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、免疫チェックポイント阻害剤、第2の免疫チェックポイント阻害剤、又は生物学的療法である。特定の態様では、少なくとも1つのさらなる抗がん処置は、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌集団などの短鎖脂肪酸産生菌集団である。一部の態様では、抗がん治療は、プレバイオティクス又はプロバイオティクスである。詳細な態様では、プロバイオティクスは、実施形態のプロバイオティクス組成物である。
【0038】
[0038]ある特定の態様では、がんは、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、又は黒色腫などの皮膚がんである。他の態様では、皮膚がんは、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、及び血管肉腫からなる群から選択される皮膚がんである。他の態様では、黒色腫は、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である。
【0039】
[0039]一部の態様では、微生物プロファイルが、非レスポンダー(NR)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの1若しくは複数、又は高量のバクテロイデス目を含む場合は、患者が、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される。一部の態様では、微生物プロファイルが、非レスポンダー(NR)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はこれを超える細菌種を含む場合は、患者が、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される。さらなる態様では、方法は、患者へと、実施形態のプロバイオティクス組成物又は生菌製品による組成物を投与するステップを含む。
【0040】
[0040]本発明の、他の目的、特徴、及び利点については、以下の詳細な記載から明白であろう。しかし、詳細な記載及び具体例は、本発明の好ましい実施形態を指し示すが、本発明の精神及び範囲内の多様な変化及び改変は、この詳細な記載から、当業者に明白であるので、例示だけを目的とすることを理解されたい。
【0041】
[0041]以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある特定の態様をさらに裏付けるように組み入れられる。本発明は、これらの図面のうちの1又は複数を、本明細書に提示される詳細な実施形態についての詳細な記載と組み合わせて参照することにより、より良く理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1A】腸管マイクロバイオームの多様性の増大が、転移性黒色腫を伴う患者における、PD-1遮断に対する応答の増強と関連することを示す図である。(A)試料の回収及び解析についての概略を示す図である。
図1B】腸管マイクロバイオームの多様性の増大が、転移性黒色腫を伴う患者における、PD-1遮断に対する応答の増強と関連することを示す図である。(B)16S rRNAシーケンシングによる、口腔試料(n=109、上)及び糞便試料(n=53、下)の目レベルにおける、一般的な細菌分類群(>0.1%の存在度)の系統組成についての積上げ棒グラフである。
図1C】腸管マイクロバイオームの多様性の増大が、転移性黒色腫を伴う患者における、PD-1遮断に対する応答の増強と関連することを示す図である。(C)48例の抗PD-1で処置された患者に由来する、マッチさせた口腔試料及び糞便試料についての、二部ネットワーク略図である。エッジは、種レベルのOTUを、OTUが見出される試料ノードへと接続する。
図1D】腸管マイクロバイオームの多様性の増大が、転移性黒色腫を伴う患者における、PD-1遮断に対する応答の増強と関連することを示す図である。(D)マン-ホイットニー(MW)検定による、抗PD-1療法に対する、R(n=30)及びNR(n=13)における、腸管マイクロバイオームについての、逆シンプソン多様性スコアを示す図である。
図1E】腸管マイクロバイオームの多様性の増大が、転移性黒色腫を伴う患者における、PD-1遮断に対する応答の増強と関連することを示す図である。(E)ベースラインの、科レベル(>0.1%の存在度)における、39例の糞便試料についての系統組成を示す図である。逆シンプソンスコアの三分位数を使用して、高度(>11.63、n=13)、中程度(7.46~11.63、n=13)、及び低度(<7.46、n=13)の多様性群を決定した。
図1F】腸管マイクロバイオームの多様性の増大が、転移性黒色腫を伴う患者における、PD-1遮断に対する応答の増強と関連することを示す図である。(F)糞便多様性ごとの、無進行生存(PFS)についてのカプラン-マイヤー(KM)プロットであり、高度(中央値PFSの規定なし)、中程度(中央値PFS=232日間)、及び低度(中央値PFS=188日間)を示す図である。一変量コックスモデルによる、中程度の多様性と対比した高度の多様性(HR=3.60、95%C.I.=1.02~12.74)及び低度の多様性と対比した高度の多様性(低HR=3.57、95%C.I.=1.02~12.52)である。p<0.05、**p<0.01である。
図1G】腸管マイクロバイオームの多様性の増大が、転移性黒色腫を伴う患者における、PD-1遮断に対する応答の増強と関連することを示す図である。(G)重み付けされたUniFrac距離を使用する応答ごとの、糞便試料(n=43)についての主座標分析を示す図である。
図2A】腸管マイクロバイオームにおける組成差が、PD-1遮断に対する応答と関連することを示す図である。(A)R(n=30)及びNR(n=13)におけるOTU存在度についてのヒートマップである。列は、患者を描示し、行は、Rと対比したNRにおけるエンリッチメントに従い、3つのセットへと群分けされた細菌種を描示する。
図2B】腸管マイクロバイオームにおける組成差が、PD-1遮断に対する応答と関連することを示す図である。(B)目レベルにおける各セット内のOTUの系統組成を示す図である。
図2C】腸管マイクロバイオームにおける組成差が、PD-1遮断に対する応答と関連することを示す図である。(C)糞便分類群における差違を示すLEfSeによる分類学的クラドグラムを示す図である。ドットサイズは、分類群の存在度に比例する。
図2D】腸管マイクロバイオームにおける組成差が、PD-1遮断に対する応答と関連することを示す図である。(D)表示の、R及びNRの糞便マイクロバイオームにおける、存在度が示差的な分類群について計算されたLDAスコアを示す図である。長さは、分類群と関連する効果量を指し示す。クラスカル-ワリス検定についてのp=0.05であり、LDAスコア>3である。
図2E】腸管マイクロバイオームにおける組成差が、PD-1遮断に対する応答と関連することを示す図である。(E)全ての分類学的レベル内で、MW検定(FDR補正した)により、NRと対比したRにおいて存在度が示差的な腸管細菌を示す図である。
図2F】腸管マイクロバイオームにおける組成差が、PD-1遮断に対する応答と関連することを示す図である。(F)25例の糞便試料におけるメタゲノムWGSにより同定された細菌種の存在度についての、対応のある比較:R(n=14)、NR(n=11)を示す図である。p<0.05、**p<0.01である。
図3A】腸管マイクロバイオーム内のcrOTUの存在度が、PD-1遮断に対する応答を予測することを示す図である。(A)43例の糞便試料における、crOTU存在度の完全連結による、教師なしの階層的クラスター化を示す図である。
図3B】腸管マイクロバイオーム内のcrOTUの存在度が、PD-1遮断に対する応答を予測することを示す図である。(B)フィッシャー正確検定により、crOTUのクラスターの、抗PD-1への応答との関連を示す図である。crOTUのクラスター1(n=14:R=14、NR=0);クラスター2(n=29:R=16、NR=13)である。
図3C】腸管マイクロバイオーム内のcrOTUの存在度が、PD-1遮断に対する応答を予測することを示す図である。(C)crOTUのクラスターごとの、PFSについてのKMプロットを示す図である。crOTUのクラスター1(中央値PFSの規定なし)、crOTUのクラスター2(中央値PFS=242日間)である。
図3D】腸管マイクロバイオーム内のcrOTUの存在度が、PD-1遮断に対する応答を予測することを示す図である。(D)全ての分類学的レベル内で、MW検定(FDR補正した)により、crOTUのクラスター2と対比したcrOTUのクラスター1において存在度が示差的な糞便分類群を示す図である。
図3E】腸管マイクロバイオーム内のcrOTUの存在度が、PD-1遮断に対する応答を予測することを示す図である。(E)F.プラウスニッツィイ(F.prausnitzii)の存在度が高度(n=19、中央値PFSの規定なし)若しくは低度(n=20、中央値PFS=242日間)である患者(上)、又はバクテロイデス目の存在度が高度(n=20、中央値PFS=188日間)若しくは低度(n=19、中央値PFS=393日間)である患者(下)におけるPFSを示す図である。
図3F】腸管マイクロバイオーム内のcrOTUの存在度が、PD-1遮断に対する応答を予測することを示す図である。(F)25人の患者(R=14、NR=11)に由来する、28例の糞便試料において予測される、MetaCycパスウェイから推定される、パスウェイクラスの存在度の、教師なしの階層的クラスター化を示す図である。通常文字:生合成パスウェイ、太字:分解パスウェイである。p<0.05である。
図4A】好適な腸管マイクロバイオームが、全身性抗腫瘍免疫と関連することを示す図である。(A)処置前における、CD8+浸潤物についてのIHCによる定量化であって、片側MW検定による、R(n=15)及びNR(n=6)における、1mm当たりのカウント単位の定量化を示す図である。p=0.04である。
図4B】好適な腸管マイクロバイオームが、全身性抗腫瘍免疫と関連することを示す図である。(B)ベースラインの糞便試料(n=15)における、有意に異なる分類群と、マッチさせた腫瘍における、1mm当たりのカウント単位の、CD3、CD8、PD-1、FoxP3、GzmB、及びRORγTの密度、並びにHスコアによるPD-L1とについての、対応のある、スピアマンのランク相関ヒートマップである。
図4C】好適な腸管マイクロバイオームが、全身性抗腫瘍免疫と関連することを示す図である。(C)腸管における、フィーカリバクテリウム属(白丸及び破線;r=0.42、p=0.0067)及びバクテロイデス目(黒丸及び実線;r=0.056、p=0.38)の存在度と対比した、腫瘍における1mm当たりのCD8+カウントについての一変量線形回帰を示す図である。
図4D】好適な腸管マイクロバイオームが、全身性抗腫瘍免疫と関連することを示す図である。(D)有意に異なる糞便分類群と、ベースラインの末梢血におけるフローサイトメトリーによる、CD4エフェクターT細胞、CD8 T細胞、骨髄樹状細胞、単球、B細胞、Tregs、及びMDSCの頻度との間の、対応のある、スピアマンのランク相関ヒートマップである。
図4E】好適な腸管マイクロバイオームが、全身性抗腫瘍免疫と関連することを示す図である。(E)代表的画像を示すマルチプレックスIHCを示す図である。
図4F】好適な腸管マイクロバイオームが、全身性抗腫瘍免疫と関連することを示す図である。(F)腸管に、高フィーカリバクテリウム属又は高バクテロイデス目を有する患者における、免疫細胞、リンパ系細胞、骨髄細胞、及びMHC IIの頻度を示す図である。
図4G】好適な腸管マイクロバイオームが、全身性抗腫瘍免疫と関連することを示す図である。(G)好適な状態及び好適でない状態にある腸管マイクロバイオームの、腫瘍免疫に対する、提起された作用機構を示す図である。
図5A】PD-1遮断に対するR及びNRの突然変異ランドスケープでは、差違が観察されないことを示す図である。(A)糞便マイクロバイオーム試料をマッチさせた患者(n=3例のNRと対比した7例のR)の腫瘍における、糞便マイクロバイオーム試料をマッチさせた患者(n=3例のNRと対比した7例のR)の腫瘍メガ塩基当たりの突然変異数、及び駆動性突然変異のランドスケープを示す図である。
図5B】PD-1遮断に対するR及びNRの突然変異ランドスケープでは、差違が観察されないことを示す図である。(B)両側マン-ホイットニー(MW)検定による、入手可能な腫瘍(n=4例のNRと対比した8例のR、p=0.683)における、非同義突然変異性負荷の合計を示す図である。
図6】口腔マイクロバイオームと、糞便マイクロバイオームとのコミュニティ構造の差違を示す図である。細菌16S rRNAにより、109例の口内試料及び53例の糞便試料から導出された操作的分類単位(OTU)についての二部ネットワーク略図である。エッジは、種レベルのOTU(ダイアモンド)を、口腔(白丸)及び糞便(黒丸)に由来する試料ノードであって、OTUが見出される試料ノードへと接続する。
図7A】抗PD-1療法に対するRでは、糞便マイクロバイオームの多様性が増大することを示す図である。R(n=30、白丸)及びNR(n=13、黒丸)における、アルファ多様性スコアの比較であって、両側MW検定により、(A)シャノン指数、(B)シンプソン指数、及び(C)Chao 1指数を使用する比較である。p<0.05、**p<0.01である。
図7B】抗PD-1療法に対するRでは、糞便マイクロバイオームの多様性が増大することを示す図である。R(n=30、白丸)及びNR(n=13、黒丸)における、アルファ多様性スコアの比較であって、両側MW検定により、(A)シャノン指数、(B)シンプソン指数、及び(C)Chao 1指数を使用する比較である。p<0.05、**p<0.01である。
図7C】抗PD-1療法に対するRでは、糞便マイクロバイオームの多様性が増大することを示す図である。R(n=30、白丸)及びNR(n=13、黒丸)における、アルファ多様性スコアの比較であって、両側MW検定により、(A)シャノン指数、(B)シンプソン指数、及び(C)Chao 1指数を使用する比較である。p<0.05、**p<0.01である。
図8A】抗PD-1療法に対するR及びNRの間では、口腔マイクロバイオームの多様性の差違が観察されないことを示す図である。R(n=54、白丸)及びNR(n=32、黒丸)における、アルファ多様性スコアの比較であって、両側MW検定により、(A)逆シンプソン指数(p=0.107)、(B)シャノン指数(p=0.139)、(C)シンプソン指数(p=0.136)、及び(D)Chao 1指数(p=0.826)を使用する比較である。
図8B】抗PD-1療法に対するR及びNRの間では、口腔マイクロバイオームの多様性の差違が観察されないことを示す図である。R(n=54、白丸)及びNR(n=32、黒丸)における、アルファ多様性スコアの比較であって、両側MW検定により、(A)逆シンプソン指数(p=0.107)、(B)シャノン指数(p=0.139)、(C)シンプソン指数(p=0.136)、及び(D)Chao 1指数(p=0.826)を使用する比較である。
図8C】抗PD-1療法に対するR及びNRの間では、口腔マイクロバイオームの多様性の差違が観察されないことを示す図である。R(n=54、白丸)及びNR(n=32、黒丸)における、アルファ多様性スコアの比較であって、両側MW検定により、(A)逆シンプソン指数(p=0.107)、(B)シャノン指数(p=0.139)、(C)シンプソン指数(p=0.136)、及び(D)Chao 1指数(p=0.826)を使用する比較である。
図8D】抗PD-1療法に対するR及びNRの間では、口腔マイクロバイオームの多様性の差違が観察されないことを示す図である。R(n=54、白丸)及びNR(n=32、黒丸)における、アルファ多様性スコアの比較であって、両側MW検定により、(A)逆シンプソン指数(p=0.107)、(B)シャノン指数(p=0.139)、(C)シンプソン指数(p=0.136)、及び(D)Chao 1指数(p=0.826)を使用する比較である。
図9A】糞便マイクロバイオームの高多様性が、PFSの延長と関連することを示す図である。対象(n=39)ごとの、ベースライン及び後続の処置経過における、腸管微生物叢である。(A)水平バーは、各患者において、逆シンプソン指数により測定されたアルファ多様性スコアを表す図である。(B)治療を施されて経過した日数を示す時系列プロットを示す図である。最終回の追跡における、x=進行、o=進行なしである。
図9B】糞便マイクロバイオームの高多様性が、PFSの延長と関連することを示す図である。対象(n=39)ごとの、ベースライン及び後続の処置経過における、腸管微生物叢である。(A)水平バーは、各患者において、逆シンプソン指数により測定されたアルファ多様性スコアを表す図である。(B)治療を施されて経過した日数を示す時系列プロットを示す図である。最終回の追跡における、x=進行、o=進行なしである。
図10A】口腔マイクロバイオームの多様性が、PFSと関連しないことを示す図である。患者(n=86)ごとの、後続の処置経過における、口腔微生物叢である。(A)積上げバーは、ベースラインの科レベルにおける、各試料の系統組成を表す図である。全ての患者を、逆シンプソンスコアの三分位数に基づき、表示の通り、高度(>6.17)、中程度(3.26~6.17)、及び低度(<3.26)の多様性群へと分類した。(B)表示の、口腔多様性についての三分位:高度(n=29、中央値PFS=279日間)、中程度(n=28、中央値PFSの規定なし)、低度(n=29、中央値PFS=348日間)ごとの、無進行生存についてのカプラン-マイヤープロットを示す図である。ログランク検定による、中程度と対比した高度のp=0.34であり、低度と対比した高度のp=0.54である。(C)水平バーは、逆シンプソン指数により測定されたアルファ多様性スコアを表す図である。(D)治療を施されて経過した日数を示す時系列プロットを示す図である。最終回の追跡における、x=進行、o=進行なしである。
図10B】口腔マイクロバイオームの多様性が、PFSと関連しないことを示す図である。患者(n=86)ごとの、後続の処置経過における、口腔微生物叢である。(A)積上げバーは、ベースラインの科レベルにおける、各試料の系統組成を表す図である。全ての患者を、逆シンプソンスコアの三分位数に基づき、表示の通り、高度(>6.17)、中程度(3.26~6.17)、及び低度(<3.26)の多様性群へと分類した。(B)表示の、口腔多様性についての三分位:高度(n=29、中央値PFS=279日間)、中程度(n=28、中央値PFSの規定なし)、低度(n=29、中央値PFS=348日間)ごとの、無進行生存についてのカプラン-マイヤープロットを示す図である。ログランク検定による、中程度と対比した高度のp=0.34であり、低度と対比した高度のp=0.54である。(C)水平バーは、逆シンプソン指数により測定されたアルファ多様性スコアを表す図である。(D)治療を施されて経過した日数を示す時系列プロットを示す図である。最終回の追跡における、x=進行、o=進行なしである。
図10C】口腔マイクロバイオームの多様性が、PFSと関連しないことを示す図である。患者(n=86)ごとの、後続の処置経過における、口腔微生物叢である。(A)積上げバーは、ベースラインの科レベルにおける、各試料の系統組成を表す図である。全ての患者を、逆シンプソンスコアの三分位数に基づき、表示の通り、高度(>6.17)、中程度(3.26~6.17)、及び低度(<3.26)の多様性群へと分類した。(B)表示の、口腔多様性についての三分位:高度(n=29、中央値PFS=279日間)、中程度(n=28、中央値PFSの規定なし)、低度(n=29、中央値PFS=348日間)ごとの、無進行生存についてのカプラン-マイヤープロットを示す図である。ログランク検定による、中程度と対比した高度のp=0.34であり、低度と対比した高度のp=0.54である。(C)水平バーは、逆シンプソン指数により測定されたアルファ多様性スコアを表す図である。(D)治療を施されて経過した日数を示す時系列プロットを示す図である。最終回の追跡における、x=進行、o=進行なしである。
図10D】口腔マイクロバイオームの多様性が、PFSと関連しないことを示す図である。患者(n=86)ごとの、後続の処置経過における、口腔微生物叢である。(A)積上げバーは、ベースラインの科レベルにおける、各試料の系統組成を表す図である。全ての患者を、逆シンプソンスコアの三分位数に基づき、表示の通り、高度(>6.17)、中程度(3.26~6.17)、及び低度(<3.26)の多様性群へと分類した。(B)表示の、口腔多様性についての三分位:高度(n=29、中央値PFS=279日間)、中程度(n=28、中央値PFSの規定なし)、低度(n=29、中央値PFS=348日間)ごとの、無進行生存についてのカプラン-マイヤープロットを示す図である。ログランク検定による、中程度と対比した高度のp=0.34であり、低度と対比した高度のp=0.54である。(C)水平バーは、逆シンプソン指数により測定されたアルファ多様性スコアを表す図である。(D)治療を施されて経過した日数を示す時系列プロットを示す図である。最終回の追跡における、x=進行、o=進行なしである。
図11A】86例の口腔マイクロバイオーム試料及び43例の糞便マイクロバイオーム試料におけるOTUについてのエンリッチメントインデックス(ei)スコア及び相対存在度の閾値を示す図である。セットごとの、(A)糞便マイクロバイオーム試料及び(B)口腔マイクロバイオーム試料の、種レベルにおける細菌OTUのエンリッチメントスコアの分布を示す図である。各セットの境界が表示される。(C)糞便マイクロバイオーム試料及び(D)口腔マイクロバイオーム試料における種の、log10により相対存在度の分布を示す図である。各存在度の類別の範囲が表示される。
図11B】86例の口腔マイクロバイオーム試料及び43例の糞便マイクロバイオーム試料におけるOTUについてのエンリッチメントインデックス(ei)スコア及び相対存在度の閾値を示す図である。セットごとの、(A)糞便マイクロバイオーム試料及び(B)口腔マイクロバイオーム試料の、種レベルにおける細菌OTUのエンリッチメントスコアの分布を示す図である。各セットの境界が表示される。(C)糞便マイクロバイオーム試料及び(D)口腔マイクロバイオーム試料における種の、log10により相対存在度の分布を示す図である。各存在度の類別の範囲が表示される。
図11C】86例の口腔マイクロバイオーム試料及び43例の糞便マイクロバイオーム試料におけるOTUについてのエンリッチメントインデックス(ei)スコア及び相対存在度の閾値を示す図である。セットごとの、(A)糞便マイクロバイオーム試料及び(B)口腔マイクロバイオーム試料の、種レベルにおける細菌OTUのエンリッチメントスコアの分布を示す図である。各セットの境界が表示される。(C)糞便マイクロバイオーム試料及び(D)口腔マイクロバイオーム試料における種の、log10により相対存在度の分布を示す図である。各存在度の類別の範囲が表示される。
図11D】86例の口腔マイクロバイオーム試料及び43例の糞便マイクロバイオーム試料におけるOTUについてのエンリッチメントインデックス(ei)スコア及び相対存在度の閾値を示す図である。セットごとの、(A)糞便マイクロバイオーム試料及び(B)口腔マイクロバイオーム試料の、種レベルにおける細菌OTUのエンリッチメントスコアの分布を示す図である。各セットの境界が表示される。(C)糞便マイクロバイオーム試料及び(D)口腔マイクロバイオーム試料における種の、log10により相対存在度の分布を示す図である。各存在度の類別の範囲が表示される。
図12A】エンリッチメントインデックス(ei)スコアにより、抗PD-1療法に対するR及びNRの間では、口腔マイクロバイオームのOTUに有意差が存在しないことを示す図である。(A)表示の通り、eiスコアに基づき、細菌OTUのセットごとに、R(n=52)及びNR(n=34)における、種の存在度についてのヒートマップである。各列は、患者を描示し、各行は、細菌OTUを描示する。高度、中程度、及び低度が表示される。(B)目レベルにおける各セット内の細菌OTUの系統組成を示す図である。
図12B】エンリッチメントインデックス(ei)スコアにより、抗PD-1療法に対するR及びNRの間では、口腔マイクロバイオームのOTUに有意差が存在しないことを示す図である。(A)表示の通り、eiスコアに基づき、細菌OTUのセットごとに、R(n=52)及びNR(n=34)における、種の存在度についてのヒートマップである。各列は、患者を描示し、各行は、細菌OTUを描示する。高度、中程度、及び低度が表示される。(B)目レベルにおける各セット内の細菌OTUの系統組成を示す図である。
図13A】LEfSeを使用する、高次元クラス比較が、抗PD-1療法に対するNRの口腔マイクロバイオームにおける、バクテロイデス目の存在度の増大を明らかにすることを示す図である。(A)口腔分類群における差違を示す、LEfSeによる分類学的クラドグラムを示す図である。R及びNRにおいてエンリッチされた分類群を、それぞれ、ドットサイズを、分類群の存在度に比例させて表示する。
図13B】LEfSeを使用する、高次元クラス比較が、抗PD-1療法に対するNRの口腔マイクロバイオームにおける、バクテロイデス目の存在度の増大を明らかにすることを示す図である。(B)Rの口腔マイクロバイオームとNRの口腔マイクロバイオームとの間で、存在度が示差的な分類群について計算したLDAスコアのヒストグラムであって、バーの長さが、分類群と関連する効果量を指し示すヒストグラムを示す図である。クラスカル-ワリス検定についてのp=0.05であり、LDAスコア>3である。
図14A】腸管マイクロバイオームの多様性及び組成は、時間経過にわたり安定的である。(A)縦断的な回収を伴う、3例の患者(R)において、時間経過にわたり、逆シンプソンにより、腸管マイクロバイオームのアルファ多様性を示す図である。(B)重み付けされないUniFrac距離を使用する主成分分析を示す図である。(C)目レベルで、時間経過にわたり、患者における腸管マイクロバイオームの組成を示す積上げバーを示す図である。
図14B】腸管マイクロバイオームの多様性及び組成は、時間経過にわたり安定的である。(A)縦断的な回収を伴う、3例の患者(R)において、時間経過にわたり、逆シンプソンにより、腸管マイクロバイオームのアルファ多様性を示す図である。(B)重み付けされないUniFrac距離を使用する主成分分析を示す図である。(C)目レベルで、時間経過にわたり、患者における腸管マイクロバイオームの組成を示す積上げバーを示す図である。
図14C】腸管マイクロバイオームの多様性及び組成は、時間経過にわたり安定的である。(A)縦断的な回収を伴う、3例の患者(R)において、時間経過にわたり、逆シンプソンにより、腸管マイクロバイオームのアルファ多様性を示す図である。(B)重み付けされないUniFrac距離を使用する主成分分析を示す図である。(C)目レベルで、時間経過にわたり、患者における腸管マイクロバイオームの組成を示す積上げバーを示す図である。
図15A】相対的OTUの存在度によるクラスター化が、抗PD-1療法への応答との関連を示さないことを示す図である。(A)43例の糞便マイクロバイオーム試料及び(B)86例の口腔マイクロバイオーム試料におけるOTU存在度に基づき、ユークリッド距離を使用する、完全連結による、教師なしの階層的クラスター化を示す図である。各列が、固有のマイクロバイオーム試料を表すのに対し、各行は、固有のOTUを表す。
図15B】相対的OTUの存在度によるクラスター化が、抗PD-1療法への応答との関連を示さないことを示す図である。(A)43例の糞便マイクロバイオーム試料及び(B)86例の口腔マイクロバイオーム試料におけるOTU存在度に基づき、ユークリッド距離を使用する、完全連結による、教師なしの階層的クラスター化を示す図である。各列が、固有のマイクロバイオーム試料を表すのに対し、各行は、固有のOTUを表す。
図16A】口腔マイクロバイオームのcrOTU存在度に基づくクラスターが、PD-1遮断に対する応答と関連しないことを示す図である。(A)crOTU存在度に基づく、86例の口腔マイクロバイオーム試料の、完全連結による、教師なしの階層的クラスター化を示す図である。(B)応答ごとのクラスターの比較であって、crOTUのクラスター1(n=11、R=9及びNR=2)及びクラスター2(n=75、R=45及びNR=30)を示す比較を示す図である。両側フィッシャー正確検定によるp=0.20である。
図16B】口腔マイクロバイオームのcrOTU存在度に基づくクラスターが、PD-1遮断に対する応答と関連しないことを示す図である。(A)crOTU存在度に基づく、86例の口腔マイクロバイオーム試料の、完全連結による、教師なしの階層的クラスター化を示す図である。(B)応答ごとのクラスターの比較であって、crOTUのクラスター1(n=11、R=9及びNR=2)及びクラスター2(n=75、R=45及びNR=30)を示す比較を示す図である。両側フィッシャー正確検定によるp=0.20である。
図17】PD-1遮断に対するRの腸管マイクロバイオームにおいて、NRの腸管マイクロバイオームと対比して異なるKEGGオーソログに基づく代謝プロファイルを示す図である。KEGGオーソログの相対存在度に従う、25例の患者(n=14例のR及び11例のNR)から得られた、28例の糞便試料における、一般的な機能的パスウェイ(少なくとも20例の試料において見出される)についての、教師なしの階層的クラスター化である。
図18A】PD-1遮断に対するレスポンダーが、ベースラインにおいて、腫瘍免疫浸潤物のエンリッチメントを提示することを示す図である。(A)CD3、(B)PD-1、(C)FoxP3、(D)GzmB、(E)PD-L1、及び(F)RORγTの、抗PD-1に対するレスポンダー(R)及び非レスポンダー(NR)における、1mm2当たりのカウント又はHスコアとしての、免疫組織化学的定量化、及び40倍の拡大率における代表的画像である。
図18B】PD-1遮断に対するレスポンダーが、ベースラインにおいて、腫瘍免疫浸潤物のエンリッチメントを提示することを示す図である。(A)CD3、(B)PD-1、(C)FoxP3、(D)GzmB、(E)PD-L1、及び(F)RORγTの、抗PD-1に対するレスポンダー(R)及び非レスポンダー(NR)における、1mm2当たりのカウント又はHスコアとしての、免疫組織化学的定量化、及び40倍の拡大率における代表的画像である。
図18C】PD-1遮断に対するレスポンダーが、ベースラインにおいて、腫瘍免疫浸潤物のエンリッチメントを提示することを示す図である。(A)CD3、(B)PD-1、(C)FoxP3、(D)GzmB、(E)PD-L1、及び(F)RORγTの、抗PD-1に対するレスポンダー(R)及び非レスポンダー(NR)における、1mm2当たりのカウント又はHスコアとしての、免疫組織化学的定量化、及び40倍の拡大率における代表的画像である。
図18D】PD-1遮断に対するレスポンダーが、ベースラインにおいて、腫瘍免疫浸潤物のエンリッチメントを提示することを示す図である。(A)CD3、(B)PD-1、(C)FoxP3、(D)GzmB、(E)PD-L1、及び(F)RORγTの、抗PD-1に対するレスポンダー(R)及び非レスポンダー(NR)における、1mm2当たりのカウント又はHスコアとしての、免疫組織化学的定量化、及び40倍の拡大率における代表的画像である。
図18E】PD-1遮断に対するレスポンダーが、ベースラインにおいて、腫瘍免疫浸潤物のエンリッチメントを提示することを示す図である。(A)CD3、(B)PD-1、(C)FoxP3、(D)GzmB、(E)PD-L1、及び(F)RORγTの、抗PD-1に対するレスポンダー(R)及び非レスポンダー(NR)における、1mm2当たりのカウント又はHスコアとしての、免疫組織化学的定量化、及び40倍の拡大率における代表的画像である。
図18F】PD-1遮断に対するレスポンダーが、ベースラインにおいて、腫瘍免疫浸潤物のエンリッチメントを提示することを示す図である。(A)CD3、(B)PD-1、(C)FoxP3、(D)GzmB、(E)PD-L1、及び(F)RORγTの、抗PD-1に対するレスポンダー(R)及び非レスポンダー(NR)における、1mm2当たりのカウント又はHスコアとしての、免疫組織化学的定量化、及び40倍の拡大率における代表的画像である。
図19】フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者が、抗PD-1療法の前に、好適な抗腫瘍免疫浸潤物を提示することを示す図である。糞便マイクロバイオーム(n=15)における、IHCによる、1mm2当たりのカウント単位の、GzmB、CD3、CD8、PD-1、FoxP3、RORγT、並びにHスコアによるPD-L1と、ルミノコッカス科内の全ての属の存在度とについての、スピアマンのランク相関ヒートマップである。正の相関、負の相関、及び相関なしが表示される。
図20A】糞便マイクロバイオーム内の、フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度とが、PD-1遮断の前に、腫瘍免疫浸潤物と、顕著に異なる関連を有することを示す図である。フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度と、ベースラインの、抗PD-1で処置された患者の腫瘍における、IHCによる、(A)CD3、(B)GzmB、(C)PD-1、(D)PD-L1、(E)FoxP3、及び(F)RORγTの、1mm2当たりのカウントによる密度又はHスコアとの間の線形回帰である。直線は、関連するr2及びp値を伴う、フィーカリバクテリウム属(細線、通常文字による値)及びバクテロイデス目(太線、太字による値)についての回帰を示す。
図20B】糞便マイクロバイオーム内の、フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度とが、PD-1遮断の前に、腫瘍免疫浸潤物と、顕著に異なる関連を有することを示す図である。フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度と、ベースラインの、抗PD-1で処置された患者の腫瘍における、IHCによる、(A)CD3、(B)GzmB、(C)PD-1、(D)PD-L1、(E)FoxP3、及び(F)RORγTの、1mm2当たりのカウントによる密度又はHスコアとの間の線形回帰である。直線は、関連するr2及びp値を伴う、フィーカリバクテリウム属(細線、通常文字による値)及びバクテロイデス目(太線、太字による値)についての回帰を示す。
図20C】糞便マイクロバイオーム内の、フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度とが、PD-1遮断の前に、腫瘍免疫浸潤物と、顕著に異なる関連を有することを示す図である。フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度と、ベースラインの、抗PD-1で処置された患者の腫瘍における、IHCによる、(A)CD3、(B)GzmB、(C)PD-1、(D)PD-L1、(E)FoxP3、及び(F)RORγTの、1mm2当たりのカウントによる密度又はHスコアとの間の線形回帰である。直線は、関連するr2及びp値を伴う、フィーカリバクテリウム属(細線、通常文字による値)及びバクテロイデス目(太線、太字による値)についての回帰を示す。
図20D】糞便マイクロバイオーム内の、フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度とが、PD-1遮断の前に、腫瘍免疫浸潤物と、顕著に異なる関連を有することを示す図である。フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度と、ベースラインの、抗PD-1で処置された患者の腫瘍における、IHCによる、(A)CD3、(B)GzmB、(C)PD-1、(D)PD-L1、(E)FoxP3、及び(F)RORγTの、1mm2当たりのカウントによる密度又はHスコアとの間の線形回帰である。直線は、関連するr2及びp値を伴う、フィーカリバクテリウム属(細線、通常文字による値)及びバクテロイデス目(太線、太字による値)についての回帰を示す。
図20E】糞便マイクロバイオーム内の、フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度とが、PD-1遮断の前に、腫瘍免疫浸潤物と、顕著に異なる関連を有することを示す図である。フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度と、ベースラインの、抗PD-1で処置された患者の腫瘍における、IHCによる、(A)CD3、(B)GzmB、(C)PD-1、(D)PD-L1、(E)FoxP3、及び(F)RORγTの、1mm2当たりのカウントによる密度又はHスコアとの間の線形回帰である。直線は、関連するr2及びp値を伴う、フィーカリバクテリウム属(細線、通常文字による値)及びバクテロイデス目(太線、太字による値)についての回帰を示す。
図20F】糞便マイクロバイオーム内の、フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度とが、PD-1遮断の前に、腫瘍免疫浸潤物と、顕著に異なる関連を有することを示す図である。フィーカリバクテリウム属の存在度と、バクテロイデス目の存在度と、ベースラインの、抗PD-1で処置された患者の腫瘍における、IHCによる、(A)CD3、(B)GzmB、(C)PD-1、(D)PD-L1、(E)FoxP3、及び(F)RORγTの、1mm2当たりのカウントによる密度又はHスコアとの間の線形回帰である。直線は、関連するr2及びp値を伴う、フィーカリバクテリウム属(細線、通常文字による値)及びバクテロイデス目(太線、太字による値)についての回帰を示す。
図21】抗PD-1療法で処置された患者における、末梢血についてのフローサイトメトリー解析のためのゲーティング戦略を示す図である。抗PD-1で処置された患者の、ベースラインにおけるPBMCを、CD19+B細胞、CD3+CD8+T細胞、CD3+CD4+T細胞(CD3+CD4+FoxP3+調節性T細胞及びCD3+CD4+FoxP3-エフェクターT細胞)、単球(CD14/HLA-DRに基づく)、及びMDSC(CD3-CD19-HLADRCD33+CD11b+)についてのゲーティングにより解析した。
図22A】フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者が、ベースラインにおける、PD-1遮断に対する応答に好適な、末梢サイトカインプロファイルと、治療に経過にわたる、サイトカイン応答の増強とを提示することを示す図である。(A)クロストリジウム目、フィーカリバクテリウム属、ルミノコッカス科、及びバクテロイデス目の存在度と、マルチプレックスビーズアッセイによる、pg/mL単位によるサイトカインの末梢濃度との間の、スピアマンランク相関ヒートマップである。正の相関、負の相関、及び相関なしが表示される。比を対応させたt検定による、ベースラインからの倍数変化による、(B)IP-10(それぞれ、p=0.042及びp=0.344)、(C)MIP-1β(それぞれ、p=0.043及びp=0.898)、及び(D)IL-17A(それぞれ、p=0.072及びp=0.862)についての、抗PD-1療法に対するレスポンダー(n=2)及び非レスポンダー(n=2)の血清におけるサイトカインの産生の変化である。
図22B】フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者が、ベースラインにおける、PD-1遮断に対する応答に好適な、末梢サイトカインプロファイルと、治療に経過にわたる、サイトカイン応答の増強とを提示することを示す図である。(A)クロストリジウム目、フィーカリバクテリウム属、ルミノコッカス科、及びバクテロイデス目の存在度と、マルチプレックスビーズアッセイによる、pg/mL単位によるサイトカインの末梢濃度との間の、スピアマンランク相関ヒートマップである。正の相関、負の相関、及び相関なしが表示される。比を対応させたt検定による、ベースラインからの倍数変化による、(B)IP-10(それぞれ、p=0.042及びp=0.344)、(C)MIP-1β(それぞれ、p=0.043及びp=0.898)、及び(D)IL-17A(それぞれ、p=0.072及びp=0.862)についての、抗PD-1療法に対するレスポンダー(n=2)及び非レスポンダー(n=2)の血清におけるサイトカインの産生の変化である。
図22C】フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者が、ベースラインにおける、PD-1遮断に対する応答に好適な、末梢サイトカインプロファイルと、治療に経過にわたる、サイトカイン応答の増強とを提示することを示す図である。(A)クロストリジウム目、フィーカリバクテリウム属、ルミノコッカス科、及びバクテロイデス目の存在度と、マルチプレックスビーズアッセイによる、pg/mL単位によるサイトカインの末梢濃度との間の、スピアマンランク相関ヒートマップである。正の相関、負の相関、及び相関なしが表示される。比を対応させたt検定による、ベースラインからの倍数変化による、(B)IP-10(それぞれ、p=0.042及びp=0.344)、(C)MIP-1β(それぞれ、p=0.043及びp=0.898)、及び(D)IL-17A(それぞれ、p=0.072及びp=0.862)についての、抗PD-1療法に対するレスポンダー(n=2)及び非レスポンダー(n=2)の血清におけるサイトカインの産生の変化である。
図22D】フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者が、ベースラインにおける、PD-1遮断に対する応答に好適な、末梢サイトカインプロファイルと、治療に経過にわたる、サイトカイン応答の増強とを提示することを示す図である。(A)クロストリジウム目、フィーカリバクテリウム属、ルミノコッカス科、及びバクテロイデス目の存在度と、マルチプレックスビーズアッセイによる、pg/mL単位によるサイトカインの末梢濃度との間の、スピアマンランク相関ヒートマップである。正の相関、負の相関、及び相関なしが表示される。比を対応させたt検定による、ベースラインからの倍数変化による、(B)IP-10(それぞれ、p=0.042及びp=0.344)、(C)MIP-1β(それぞれ、p=0.043及びp=0.898)、及び(D)IL-17A(それぞれ、p=0.072及びp=0.862)についての、抗PD-1療法に対するレスポンダー(n=2)及び非レスポンダー(n=2)の血清におけるサイトカインの産生の変化である。
図23】ベースラインの、PD-1遮断で処置された患者の腫瘍における、骨髄マルチプレックスIHCのためのゲーティング戦略を示す図である。免疫細胞(CD45+)、リンパ系細胞(CD45+CD3+CD20+CD56+)、骨髄細胞(CD45+CD3-CD20-CD56-)、マスト細胞(CD45+CD3-CD20-CD56-HLADR-トリプターゼ+)、顆粒球(CD45+CD3-CD20-CD56-HLADRCD66b+)、M1腫瘍関連マクロファージ(CD45+CD3-CD20-CD56-HLADR+CSF1R+CD163-)、M2腫瘍関連マクロファージ(CD45+CD3-CD20-CD56-HLADR+CSF1R+CD163+)、成熟樹状細胞(CD45+CD3-CD20-CD56-HLADR+CSF1R-DCSIGN-)、及び未成熟樹状細胞(CD45+CD3-CD20-CD56-HLADR+CSF1R-DCSIGN+)を示す、骨髄マルチプレックス免疫組織化学ゲーティング戦略である。
図24A】ベースラインにおける、フィーカリバクテリウム属の高存在度が、PD-1遮断の前における免疫浸潤物の増大と関連することを示す図である。(A)拡大率を40倍とする、代表的な骨髄免疫細胞染色を示す、マルチプレックス免疫組織化学を示す図である。
図24B】ベースラインにおける、フィーカリバクテリウム属の高存在度が、PD-1遮断の前における免疫浸潤物の増大と関連することを示す図である。(B)1mm2当たりのカウントとしての、CD45、CD3/CD20/CD56、CD68、CD66b、トリプターゼ、HLA-DR、CD163、及びDC-SIGNの定量化を示す図である。
図24C】ベースラインにおける、フィーカリバクテリウム属の高存在度が、PD-1遮断の前における免疫浸潤物の増大と関連することを示す図である。(C)フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者(n=2)又は高バクテロイデス目の存在度が高度である患者(n=2)における全CD45+免疫細胞の百分率としての、骨髄細胞、リンパ系細胞、マスト細胞、顆粒球、M1腫瘍関連マクロファージ及びM2腫瘍関連マクロファージ、未成熟樹状細胞、並びに成熟樹状細胞の定量化を示す図である。
図25A】無菌(GF)マウスにおける、好適な腸管マイクロバイオームによる、糞便微生物叢移植(FMT)が、腫瘍の増殖を低減することを示す図である。(A)無菌(GF)マウスにおける、FMT1実験の実験デザインを示す図である。時間は、腫瘍注入日(腫瘍細胞8×10-5個)と比べた日数(D)で表示する。(B)レスポンダー(R)-FMT及び非レスポンダー(NR)-FMTマウス、又は対照マウスに植え込まれた腫瘍のサイズの差違を示す図である。腫瘍植込み後14日目における腫瘍体積をプロットするが、各値は、単一のマウスを表す。
図25B】無菌(GF)マウスにおける、好適な腸管マイクロバイオームによる、糞便微生物叢移植(FMT)が、腫瘍の増殖を低減することを示す図である。(A)無菌(GF)マウスにおける、FMT1実験の実験デザインを示す図である。時間は、腫瘍注入日(腫瘍細胞8×10-5個)と比べた日数(D)で表示する。(B)レスポンダー(R)-FMT及び非レスポンダー(NR)-FMTマウス、又は対照マウスに植え込まれた腫瘍のサイズの差違を示す図である。腫瘍植込み後14日目における腫瘍体積をプロットするが、各値は、単一のマウスを表す。
図26A】好適なFMTが、自然エフェクターを促進し、GFマウスの脾臓への、骨髄サプレッサーの浸潤を低減したことを示す図である。(A)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(C)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図26B】好適なFMTが、自然エフェクターを促進し、GFマウスの脾臓への、骨髄サプレッサーの浸潤を低減したことを示す図である。(A)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(C)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図26C】好適なFMTが、自然エフェクターを促進し、GFマウスの脾臓への、骨髄サプレッサーの浸潤を低減したことを示す図である。(A)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(C)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓におけるCD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図27A】好適なFMTが、GFマウスの腸管及び腫瘍における、CD45+細胞及びCD8+を増大させることを示す図である。CD45、CD8、及び核(DAPI)のFMT後のGFマウスのうちの、対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)に由来する、(A)腫瘍及び(B)腸管についての、代表的な免疫蛍光染色である。(C)R-FMTマウス(12の領域にわたる、n=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞433.5個)、NR-FMTマウス(12の領域にわたる、NR-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞325個)及び対照マウス(9つの領域にわたる、n=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞412個)(p=0.30(対照と対比したR-FMT))の腫瘍(上)、並びに腸管(下)(7つの領域にわたる、R-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞67個、5つの領域にわたる、NR-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞24個、10の領域にわたる、対照のn==2、中央値=HPF1つ当たりの細胞47個)(p=0.17(対照と対比したR-FMT))における、CD8+細胞の密度の定量化を示す図である。
図27B】好適なFMTが、GFマウスの腸管及び腫瘍における、CD45+細胞及びCD8+を増大させることを示す図である。CD45、CD8、及び核(DAPI)のFMT後のGFマウスのうちの、対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)に由来する、(A)腫瘍及び(B)腸管についての、代表的な免疫蛍光染色である。(C)R-FMTマウス(12の領域にわたる、n=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞433.5個)、NR-FMTマウス(12の領域にわたる、NR-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞325個)及び対照マウス(9つの領域にわたる、n=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞412個)(p=0.30(対照と対比したR-FMT))の腫瘍(上)、並びに腸管(下)(7つの領域にわたる、R-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞67個、5つの領域にわたる、NR-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞24個、10の領域にわたる、対照のn==2、中央値=HPF1つ当たりの細胞47個)(p=0.17(対照と対比したR-FMT))における、CD8+細胞の密度の定量化を示す図である。
図27C】好適なFMTが、GFマウスの腸管及び腫瘍における、CD45+細胞及びCD8+を増大させることを示す図である。CD45、CD8、及び核(DAPI)のFMT後のGFマウスのうちの、対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)に由来する、(A)腫瘍及び(B)腸管についての、代表的な免疫蛍光染色である。(C)R-FMTマウス(12の領域にわたる、n=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞433.5個)、NR-FMTマウス(12の領域にわたる、NR-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞325個)及び対照マウス(9つの領域にわたる、n=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞412個)(p=0.30(対照と対比したR-FMT))の腫瘍(上)、並びに腸管(下)(7つの領域にわたる、R-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞67個、5つの領域にわたる、NR-FMTのn=2、中央値=HPF1つ当たりの細胞24個、10の領域にわたる、対照のn==2、中央値=HPF1つ当たりの細胞47個)(p=0.17(対照と対比したR-FMT))における、CD8+細胞の密度の定量化を示す図である。
図28A】GFマウスにおける、好適な腸管マイクロバイオームのFMTは、腫瘍の増殖を低減し、抗PD-L1療法への応答を増強することを示す図である。(A)無菌(GF)マウスにおける、FMT2実験の実験デザインを示す図である。時間は、腫瘍注入日(腫瘍細胞2.5×10-5個)と比べた日数(D)で表示する。
図28B】GFマウスにおける、好適な腸管マイクロバイオームのFMTは、腫瘍の増殖を低減し、抗PD-L1療法への応答を増強することを示す図である。(B)R-FMTマウス(R、四角)及びNR-FMTマウス(NR、三角)、又は対照マウス(丸)に植え込まれた腫瘍のサイズの差違を示す図である。腫瘍植込み後14日目における腫瘍体積をプロットするが、各値は、単一のマウスを表す。
図28C】GFマウスにおける、好適な腸管マイクロバイオームのFMTは、腫瘍の増殖を低減し、抗PD-L1療法への応答を増強することを示す図である。(C)抗PD-L1処置された(3日間ごとのipによる、3×100μg)R-FMTマウス(四角、n=2、中央値腫瘍体積=403.7mm)、NR-FMTマウス(三角、n=2、中央値腫瘍体積=2301mm)、及び対照マウス(丸、n=2、中央値腫瘍体積=771.35mm)による、各GFマウスについての腫瘍増殖曲線を示す図である。p=0.20(NR-FMTと対比したR-FMT)、p=0.33(対照による両側MW検定と対比したNR-FMT)である。黒色点線は、抗PD-L1処置についての、腫瘍サイズカットオフ(500mm)をマークする。
図29A】好適なFMTにおける治療応答の増強が、自然エフェクターの増大及びGFマウスの腫瘍における骨髄サプレッサー浸潤の低減と相関することを示す図である。(A)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤するCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)における、CD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞、及び(D)CD45CD11bCD11c抑制性骨髄細胞についてのフローサイトメトリーの、代表的プロットを示す図である。(C)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤する、CD45CD11bLy6G自然エフェクター細胞、並びに(E)CD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図29B】好適なFMTにおける治療応答の増強が、自然エフェクターの増大及びGFマウスの腫瘍における骨髄サプレッサー浸潤の低減と相関することを示す図である。(A)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤するCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)における、CD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞、及び(D)CD45CD11bCD11c抑制性骨髄細胞についてのフローサイトメトリーの、代表的プロットを示す図である。(C)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤する、CD45CD11bLy6G自然エフェクター細胞、並びに(E)CD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図29C】好適なFMTにおける治療応答の増強が、自然エフェクターの増大及びGFマウスの腫瘍における骨髄サプレッサー浸潤の低減と相関することを示す図である。(A)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤するCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)における、CD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞、及び(D)CD45CD11bCD11c抑制性骨髄細胞についてのフローサイトメトリーの、代表的プロットを示す図である。(C)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤する、CD45CD11bLy6G自然エフェクター細胞、並びに(E)CD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図29D】好適なFMTにおける治療応答の増強が、自然エフェクターの増大及びGFマウスの腫瘍における骨髄サプレッサー浸潤の低減と相関することを示す図である。(A)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤するCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)における、CD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞、及び(D)CD45CD11bCD11c抑制性骨髄細胞についてのフローサイトメトリーの、代表的プロットを示す図である。(C)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤する、CD45CD11bLy6G自然エフェクター細胞、並びに(E)CD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図29E】好適なFMTにおける治療応答の増強が、自然エフェクターの増大及びGFマウスの腫瘍における骨髄サプレッサー浸潤の低減と相関することを示す図である。(A)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤するCD45免疫細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。(B)対照マウス(左)、NR-FMTマウス(中)、及びR-FMTマウス(右)における、CD45CD11bCD11c自然エフェクター細胞、及び(D)CD45CD11bCD11c抑制性骨髄細胞についてのフローサイトメトリーの、代表的プロットを示す図である。(C)表示の通り、R-FMTマウス、NR-FMTマウス、及び対照マウスにおける、腫瘍に浸潤する、CD45CD11bLy6G自然エフェクター細胞、並びに(E)CD45CD11bCD11c抑制性細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図30A】NR-ドナーに由来するFMTを施されるGFマウスが、Th17コンパートメントを高度に活性化させていることを示す図である。(A)R-FMTマウス(右)、NR-FMTマウス(中)、及び対照(左)マウスに由来する腫瘍における、レチノイン酸関連オ-ファン受容体ガンマt(RORγT)の核受容体についてのIHC染色についての代表的な画像を示す図である。矢印は、RORγT陽性細胞を指し示す。
図30B】NR-ドナーに由来するFMTを施されるGFマウスが、Th17コンパートメントを高度に活性化させていることを示す図である。(B)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の腫瘍における、1mm当たりのカウントとしての、RORγT+Th17細胞の数を示す、IHCによる定量化を示す図である。
図30C】NR-ドナーに由来するFMTを施されるGFマウスが、Th17コンパートメントを高度に活性化させていることを示す図である。(C)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓における、CD4+FoxP3+調節性T細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図30D】NR-ドナーに由来するFMTを施されるGFマウスが、Th17コンパートメントを高度に活性化させていることを示す図である。(D)R-FMTマウス(R)、NR-FMTマウス(NR)、及び対照マウス(C)の脾臓における、CD4+IL17+Th17細胞の頻度を示す、フローサイトメトリーによる定量化を示す図である。
図31A】マスサイトメトリー(CyTOF)による、NR-FMTと対比した、R-FMTを施されるマウスの腫瘍微小環境における、PD-L1の上方調節を示す図である。(A)表示の通り、マスサイトメトリーによる、対照マウス、NRを生着させたマウス、Rを生着させたマウスに由来する腫瘍から単離された、全生細胞(左)についてのt-SNEプロットである。CD45(中)及びPD-L1(右)の発現と重ね合わせた、全生細胞についてのt-SNEプロットである。各群から、同じ数の細胞を表示する。(B)(左上)表示の通り、CyTOFによる、対照マウス、NR-FMTマウス、R-FMTマウスに由来する腫瘍から単離された、全CD45細胞についてのt-SNEプロットを示す図である。(右上)表示の実験群に由来する腫瘍から単離された、全CD45細胞についての密度プロットである。(下)表示のマーカーの発現と重ね合わせた、全CD45細胞についてのt-SNEプロットである。
図31B】マスサイトメトリー(CyTOF)による、NR-FMTと対比した、R-FMTを施されるマウスの腫瘍微小環境における、PD-L1の上方調節を示す図である。(A)表示の通り、マスサイトメトリーによる、対照マウス、NRを生着させたマウス、Rを生着させたマウスに由来する腫瘍から単離された、全生細胞(左)についてのt-SNEプロットである。CD45(中)及びPD-L1(右)の発現と重ね合わせた、全生細胞についてのt-SNEプロットである。各群から、同じ数の細胞を表示する。(B)(左上)表示の通り、CyTOFによる、対照マウス、NR-FMTマウス、R-FMTマウスに由来する腫瘍から単離された、全CD45細胞についてのt-SNEプロットを示す図である。(右上)表示の実験群に由来する腫瘍から単離された、全CD45細胞についての密度プロットである。(下)表示のマーカーの発現と重ね合わせた、全CD45細胞についてのt-SNEプロットである。
図32A】GFマウスにおける、別のRドナーに由来するFMTが、好適な腸管マイクロバイオームの、腫瘍の増殖に対する影響を確認することを示す図である。(A)無菌(GF)マウスにおける、FMT2実験の実験デザインを示す図である。時間は、腫瘍注入日(腫瘍細胞2.5×10-5個)と比べた日数(D)で表示する。
図32B】GFマウスにおける、別のRドナーに由来するFMTが、好適な腸管マイクロバイオームの、腫瘍の増殖に対する影響を確認することを示す図である。(B)R-FMTマウス(四角)及びNR-FMTマウス(三角)、又は対照マウス(丸)に植え込まれた腫瘍のサイズの差違を示す図である。腫瘍植込み後14日目における腫瘍体積をプロットするが、各値は、単一のマウスを表す。
図32C】GFマウスにおける、別のRドナーに由来するFMTが、好適な腸管マイクロバイオームの、腫瘍の増殖に対する影響を確認することを示す図である。(C)R-FMTマウス(四角、腫瘍体積=414.3mm)、NR-FMTマウス(三角、腫瘍体積=1909.1mm)、及び対照(丸、n=3、中央値腫瘍体積=1049.3mm)マウスに由来する各GFマウスについての腫瘍増殖曲線を示す図である。
図33A】遺伝子的に同一な、Jackson製のC57/BL6マウス及びTaconic製のC57/BL6マウスが、マウス黒色腫腫瘍(BRAF突然変異体、PTENヌル)の植込みの後において、示差的な、腫瘍の増殖(Jackson製で早い)(A)、生存(Taconic製で長い)(B~C)、及びマイクロバイオームの組成(単独で飼育されたTaconic製:右上;単独で飼育されたJackson製:右下)(D)を呈示することを示す図である。Taconic製マウス及びJackson製マウスの共飼育が、同様な腫瘍の成長(C)を結果としてもたらし、主座標解析により、マイクロバイオームの類似性の増大が観察された(D)ことを示す図である。単独で飼育されたJackson製マウス及びTaconic製マウスでは、属レベルにおける示差的存在度が観察されたが、共飼育の後では、差違が見られなかったことを示す図である(E)。酪酸の経口投与が、黒色腫を植え込まれたマウスにおける腫瘍成長を、有意に遅延させることを示す図である(F)。
図33B】遺伝子的に同一な、Jackson製のC57/BL6マウス及びTaconic製のC57/BL6マウスが、マウス黒色腫腫瘍(BRAF突然変異体、PTENヌル)の植込みの後において、示差的な、腫瘍の増殖(Jackson製で早い)(A)、生存(Taconic製で長い)(B~C)、及びマイクロバイオームの組成(単独で飼育されたTaconic製:右上;単独で飼育されたJackson製:右下)(D)を呈示することを示す図である。Taconic製マウス及びJackson製マウスの共飼育が、同様な腫瘍の成長(C)を結果としてもたらし、主座標解析により、マイクロバイオームの類似性の増大が観察された(D)ことを示す図である。単独で飼育されたJackson製マウス及びTaconic製マウスでは、属レベルにおける示差的存在度が観察されたが、共飼育の後では、差違が見られなかったことを示す図である(E)。酪酸の経口投与が、黒色腫を植え込まれたマウスにおける腫瘍成長を、有意に遅延させることを示す図である(F)。
図33C】遺伝子的に同一な、Jackson製のC57/BL6マウス及びTaconic製のC57/BL6マウスが、マウス黒色腫腫瘍(BRAF突然変異体、PTENヌル)の植込みの後において、示差的な、腫瘍の増殖(Jackson製で早い)(A)、生存(Taconic製で長い)(B~C)、及びマイクロバイオームの組成(単独で飼育されたTaconic製:右上;単独で飼育されたJackson製:右下)(D)を呈示することを示す図である。Taconic製マウス及びJackson製マウスの共飼育が、同様な腫瘍の成長(C)を結果としてもたらし、主座標解析により、マイクロバイオームの類似性の増大が観察された(D)ことを示す図である。単独で飼育されたJackson製マウス及びTaconic製マウスでは、属レベルにおける示差的存在度が観察されたが、共飼育の後では、差違が見られなかったことを示す図である(E)。酪酸の経口投与が、黒色腫を植え込まれたマウスにおける腫瘍成長を、有意に遅延させることを示す図である(F)。
図33D】遺伝子的に同一な、Jackson製のC57/BL6マウス及びTaconic製のC57/BL6マウスが、マウス黒色腫腫瘍(BRAF突然変異体、PTENヌル)の植込みの後において、示差的な、腫瘍の増殖(Jackson製で早い)(A)、生存(Taconic製で長い)(B~C)、及びマイクロバイオームの組成(単独で飼育されたTaconic製:右上;単独で飼育されたJackson製:右下)(D)を呈示することを示す図である。Taconic製マウス及びJackson製マウスの共飼育が、同様な腫瘍の成長(C)を結果としてもたらし、主座標解析により、マイクロバイオームの類似性の増大が観察された(D)ことを示す図である。単独で飼育されたJackson製マウス及びTaconic製マウスでは、属レベルにおける示差的存在度が観察されたが、共飼育の後では、差違が見られなかったことを示す図である(E)。酪酸の経口投与が、黒色腫を植え込まれたマウスにおける腫瘍成長を、有意に遅延させることを示す図である(F)。
図33E】遺伝子的に同一な、Jackson製のC57/BL6マウス及びTaconic製のC57/BL6マウスが、マウス黒色腫腫瘍(BRAF突然変異体、PTENヌル)の植込みの後において、示差的な、腫瘍の増殖(Jackson製で早い)(A)、生存(Taconic製で長い)(B~C)、及びマイクロバイオームの組成(単独で飼育されたTaconic製:右上;単独で飼育されたJackson製:右下)(D)を呈示することを示す図である。Taconic製マウス及びJackson製マウスの共飼育が、同様な腫瘍の成長(C)を結果としてもたらし、主座標解析により、マイクロバイオームの類似性の増大が観察された(D)ことを示す図である。単独で飼育されたJackson製マウス及びTaconic製マウスでは、属レベルにおける示差的存在度が観察されたが、共飼育の後では、差違が見られなかったことを示す図である(E)。酪酸の経口投与が、黒色腫を植え込まれたマウスにおける腫瘍成長を、有意に遅延させることを示す図である(F)。
図33F】遺伝子的に同一な、Jackson製のC57/BL6マウス及びTaconic製のC57/BL6マウスが、マウス黒色腫腫瘍(BRAF突然変異体、PTENヌル)の植込みの後において、示差的な、腫瘍の増殖(Jackson製で早い)(A)、生存(Taconic製で長い)(B~C)、及びマイクロバイオームの組成(単独で飼育されたTaconic製:右上;単独で飼育されたJackson製:右下)(D)を呈示することを示す図である。Taconic製マウス及びJackson製マウスの共飼育が、同様な腫瘍の成長(C)を結果としてもたらし、主座標解析により、マイクロバイオームの類似性の増大が観察された(D)ことを示す図である。単独で飼育されたJackson製マウス及びTaconic製マウスでは、属レベルにおける示差的存在度が観察されたが、共飼育の後では、差違が見られなかったことを示す図である(E)。酪酸の経口投与が、黒色腫を植え込まれたマウスにおける腫瘍成長を、有意に遅延させることを示す図である(F)。
図34A】Rドナー及びNRドナー並びに無菌レシピエントマウスに由来する糞便試料についての16S解析を示す図である。腫瘍注入後14日目における、(A)フィーカリバクテリウム属、(B)ルミノコッカス科、及び(C)バクテロイデス目の相対存在度の比較を示す図である。2つの独立の実験に由来するデータを提示する。**p<0.01である。
図34B】Rドナー及びNRドナー並びに無菌レシピエントマウスに由来する糞便試料についての16S解析を示す図である。腫瘍注入後14日目における、(A)フィーカリバクテリウム属、(B)ルミノコッカス科、及び(C)バクテロイデス目の相対存在度の比較を示す図である。2つの独立の実験に由来するデータを提示する。**p<0.01である。
図34C】Rドナー及びNRドナー並びに無菌レシピエントマウスに由来する糞便試料についての16S解析を示す図である。腫瘍注入後14日目における、(A)フィーカリバクテリウム属、(B)ルミノコッカス科、及び(C)バクテロイデス目の相対存在度の比較を示す図である。2つの独立の実験に由来するデータを提示する。**p<0.01である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[0076]分子ターゲティング療法及び免疫療法の使用を介して、がん治療には、目覚ましい進歩がなされているが、応答は、可変的であり、常に持続的なわけではない。免疫チェックポイント阻害剤による処置は、広範な黒色腫を伴う患者における、15~40%の応答率と関連し、チェックポイント阻害剤療法に対する応答を増強する戦略を同定しようとする取組みがなされつつある。こうして、治療応答を改善するほか、レスポンダーの数を増大させる方法が、火急に必要とされている。
【0044】
[0077]本開示は、がん患者における、マイクロバイオームをモジュレートして、がんに対する免疫応答と、免疫チェックポイント阻害剤に対する治療応答とを改善する方法をもたらすことにより、現行の技術に関する問題を克服する。本開示における研究は、転移性黒色腫を伴う患者であって、全身処置を受ける患者の大規模なコホート(n=233)を使用し、このコホートのサブセットを、PD-1ベースの免疫療法で処置した(n=112)。16S rRNA遺伝子シーケンシング及びメタゲノミック全ゲノムショットガンシーケンシングにより、これらの患者において、口腔マイクロバイオーム試料及び腸管マイクロバイオーム試料を特徴付けた。これらの解析の、免疫チェックポイント遮断療法に対する(例えば、PD-1ベースの治療に対する)レスポンダーでは、腸管マイクロバイオームの多様性及び組成に、非レスポンダーと対比した有意差が観察され、レスポンダーの腸管マイクロバイオームでは、多様性が、非レスポンダーと対比して、有意に大きく、特異的な細菌(例えば、クロストリジウム目内及びルミノコッカス科内の細菌)の存在度も、非レスポンダーと対比して、有意に大きかった。特に、レスポンダーでは、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ種の存在度が高度であることが見出された。これらの細菌は、腸管内の特異的な細胞(すなわち、腸細胞)の完全性を保持する一助となり、免疫を増強しうる、酪酸などの短鎖脂肪酸を産生することが公知である。
【0045】
[0078]興味深いことに、治療に対する非レスポンダーは、これらの細菌レベルが低く、一部の研究では、全身性免疫応答を下方調節することが示されている、バクテロイデス目の細菌レベルが、有意に高いことが注目された。全ゲノムショットガンシーケンシングを介するメタゲノミック解析を、これらの患者のサブセットにおいて実施することから、これらの知見を検証し、レスポンダーの細菌における代謝過程の、非レスポンダーと対比した差違を、さらに裏付けた。さらに、Taconic製のマウスと、Jackson製のマウスとの共飼育、及び短鎖脂肪酸(例えば、酪酸)の経口投与による、腸管マイクロバイオームのモジュレーションは、腸管マイクロバイオームが好適でないマウス(Jackson製マウス)における腫瘍成長の遅延を結果としてもたらすことが裏付けられた。ヒト研究及びマウス研究からのこれらの結果は、腸管マイクロバイオームのモジュレーションを介して、免疫チェックポイントの遮断に対する応答を増強するのに、潜在的に、広範な射程を有する。
【0046】
[0079]本研究は、腸管マイクロバイオームが「好適な」(多様性が大きく、クロストリジウム目及び/又はルミノコッカス科の細菌の存在度が高度である)患者は、リンパ節及び腫瘍のレベルにおける抗原提示の増強のほか、末梢及び腫瘍微小環境における、エフェクターT細胞機能の保存により媒介されて、全身免疫応答及び抗腫瘍免疫応答が増強されていることを示すことが重要である。これに対し、腸管マイクロバイオームが「好適でない」(多様性が小さく、バクテロイデス目の細菌の相対存在度が高度である)患者は、リンパ系要素及び骨髄要素の両方による腫瘍内浸潤の制限、抗原提示能の減退、及び末梢における、免疫調節性の細胞性要素及び体液性要素であって、Treg及びMDSCを含む要素へのスキューイングにより媒介されて、全身免疫応答及び抗腫瘍免疫応答が損なわれている。
【0047】
[0080]マウス黒色腫モデル系でもまた、さらなる研究が企図された。これらの研究は、レスポンダー集団からの糞便微生物叢移植を施されたマウスが、腫瘍の増殖を減少させ、抗PDL1療法への応答を増大させることを示した。さらに、レスポンダー微生物集団の移植を施されたマウスは、脾臓における、高百分率の自然エフェクター細胞(CD45CD11bLy6Gを発現させる)、及び低頻度の抑制性骨髄細胞(CD11bCD11cを発現させる)を有したほか、腸管における、CD45免疫細胞及びCD8T細胞の数を増大させた。これらの知見は、チェックポイント遮断の有効性を著明に増強する、腸管微生物叢の並列的なモジュレーションの潜在的可能性を強調し、臨床試験における早急な査定に正当性を与える。
【0048】
[0081]これらの知見に基づき、本明細書では、がんの処置及び診断の方法が提供される。1つの方法では、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団を、免疫チェックポイントの遮断による処置中の患者へと投与して、治療応答を増強する。本明細書ではまた、腸管マイクロバイオームの多様性及び組成を、予測バイオマーカーとして使用して、免疫チェックポイントの遮断に対して好適な応答を示す患者を同定する方法も提供される。
I.定義
【0049】
[0082]指定された構成要素に関して、本明細書で使用される「~を本質的に含まない」とは、指定された構成要素のうちのいずれも、組成物へと、意図して製剤化されないこと、及び/又は夾雑物として、若しくは微量で存在するに過ぎないことを意味するように使用される。したがって、組成物への、任意の、意図されない夾雑から生じる、指定された構成要素の総量は、優に、0.01%を下回る。標準的な解析法では、指定された構成要素の検出量がない組成物が最も好ましい。
【0050】
[0083]本明細書で使用される「ある(a)」又は「ある(an)」は、「1つ又は1つを超える」を意味しうる。
【0051】
[0084]特許請求の範囲における、「又は」という用語の使用は、代替物だけを指すか、又は代替物が互いに排他的であることを指すように明示的に指し示されない限りにおいて、「及び/又は」を意味するように使用されるが、本開示は、代替物だけを指す定義も、「及び/又は」を指す定義も支持する。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも第2のもの又はそれ以上のものを意味しうる。
【0052】
[0085]本出願を通して、「約」という用語は、値が、値、又は研究対象の間に存在するばらつきを決定するのに援用されるデバイス、方法に固有の、誤差のばらつきを含むことを指し示すように使用される。
【0053】
[0086]「有効量」又は「治療有効量」又は「十分量」という語句は、所望の結果をもたらすのに十分な、薬物又は薬剤の投与量を意味する。所望の結果は、腫瘍サイズの減少、がん細胞の増殖率の低下、転移の減少、腫瘍における、CD8Tリンパ球若しくは腫瘍免疫浸潤物の増大、腫瘍における、CD45、CD3/CD20/CD56、CD68、及び/若しくはHLA-DR+細胞の増大、腫瘍免疫浸潤物における、CD3、CD8、PD1、FoxP3、グランザイムB、及び/若しくはPD-L1の発現の増大、腫瘍免疫浸潤物における、RORγTの発現の減少、全身循環若しくは末梢血における、エフェクターCD4、CD8T、単球、及び/若しくは骨髄樹状細胞の増大、対象の全身循環若しくは末梢血における、B細胞、調節性T細胞、及び/若しくは骨髄由来サプレッサー細胞の減少、又は上記の任意の組合せでありうる。
【0054】
[0087]「腫瘍細胞」又は「がん細胞」という用語は、不適切な、調節されない増殖を顕示する細胞について描示する。「ヒト」腫瘍は、ヒト染色体を有する細胞から構成される。このような腫瘍は、ヒト患者における腫瘍と、非ヒト宿主動物への、ヒト染色体を有する悪性細胞株の導入から生じる腫瘍とを含む。
【0055】
[0088]本明細書で使用される「抗体」という用語は、免疫グロブリン、特異的結合能を維持するこの誘導体、及び免疫グロブリンの結合ドメインと相同であるか、又はほぼ相同な結合ドメインを有するタンパク質を指す。これらのタンパク質は、天然供給源から導出することもでき、部分的に、又は完全に、合成により作製することもできる。抗体は、モノクローナル抗体の場合もあり、ポリクローナル抗体の場合もある。抗体は、ヒトクラス:IgG、IgM、IgA、IgD、及びIgEのうちのいずれかを含む、任意の免疫グロブリンクラスのメンバーでありうる。本明細書で記載される方法及び組成物と共に使用される抗体は、一般に、IgGクラスの誘導体である。抗体という用語はまた、抗体の抗原結合性断片も指す。このような抗体断片の例は、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、scFv断片、Fv断片、dsFvダイアボディ断片、及びFd断片を含むがこれらに限定されない。抗体断片は、任意の手段により作製することができる。例えば、抗体断片は、無傷抗体の断片化により、酵素的又は化学的に作製することもでき、部分的抗体配列をコードする遺伝子から、組換えにより作製することもでき、完全に、又は部分的に、合成により作製することもできる。抗体断片は、任意選択で、単鎖抗体断片でありうる。代替的に、断片は、例えば、ジスルフィド結合により一体に連結された、複数の鎖を含みうる。断片はまた、任意選択で、多分子複合体でもありうる。機能的抗体断片は、そのコグネイト抗原に、完全抗体と同等なアフィニティーで結合する能力を保持する。
【0056】
[0089]本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同質な抗体の集団から得られる抗体を指し、例えば、個々の抗体を含む集団は、可能な突然変異、例えば、少量で存在しうる、自然発生の突然変異を除き、同一である。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、個別の抗体の混合物ではないものとしての抗体の特徴を指し示す。ある特定の実施形態では、このようなモノクローナル抗体は、典型的に、複数のポリペプチド配列からの、単一の標的結合性ポリペプチド配列の選択を含む工程により得られた、標的に結合するポリペプチド配列を含む抗体を含む。例えば、選択工程は、ハイブリドーマクローン、ファージクローン、又は組換えDNAクローンのプールなど、複数のクローンからの、固有のクローンの選択でありうる。選択された標的結合性配列は、例えば、標的に対するアフィニティーを改善し、標的結合性配列をヒト化し、細胞培養物におけるその産生を改善し、in vivoにおけるその免疫原性を低減し、多特異性抗体を創出するようになど、さらに変更することができ、変更された標的結合性配列を含む抗体もまた、本開示のモノクローナル抗体であることを理解されたい。典型的に、異なる決定基(エピトープ)を指向する、いくつかの異なる抗体を含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原における単一の決定基を指向する。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体調製物は、典型的に、他の免疫グロブリンが夾雑していないという点で、有利である。
【0057】
[0090]「医薬組成物」又は「薬理学的に許容可能な組成物」という語句は、必要に応じて、ヒトなどの動物へと投与された場合に、有害反応、アレルギー反応、又は他の望ましくない反応をもたらさない、分子的実体及び組成物を指す。本開示に照らして、当業者には、抗体又はさらなる有効成分を含む医薬組成物の調製が公知であろう。さらに、動物(例えば、ヒト)への投与のために、調製物は、FDA Office of Biological Standardsにより要請される、無菌性、発熱性、一般的な安全性、及び純度の基準を満たすものとすることが理解されるであろう。
【0058】
[0091]本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」は、当業者に公知である通り、任意の水性溶媒及び全ての水性溶媒(例えば、水、アルコール/水溶液、生理食塩液、塩化ナトリウム及びリンゲルデキストロースなどの非経口媒体)、非水性溶媒(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射用有機エステル)、分散媒、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗菌剤又は抗真菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガス)、等張剤、吸収遅延剤、塩、薬物、薬物安定化剤、ゲル、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、色素、体液及び栄養物補給剤、このような材料、並びにこれらの組合せを含む。医薬組成物における多様な成分のpH及び正確な濃度は、周知のパラメータに従い調整することができる。
【0059】
[0092]「単位用量」又は「投与量」という用語は、対象における使用に適する、物理的に個別の単位であって、各単位が、本明細書において、その投与、すなわち、適切な経路及び処置レジメンとの関連で論じられる所望の応答をもたらすように計算された、治療用組成物の所定の数量を含有する単位を指す。処置の回数及び単位用量の両方に従い投与される数量は、所望の効果に依存する。患者又は対象へと投与される、本実施形態の組成物の実際の投与量は、医師、並びに対象の体重、年齢、健康、及び性別、処置される疾患の種類、疾患侵入の程度、既往又は併用の治療介入、患者の特発性疾患、投与経路、並びに特定の治療物質の効力、安定性、及び毒性などの生理学的因子により決定されうる。例えば、用量はまた、投与1回当たり、体重1kg当たり約1μg~体重1kg当たり約1000mg(このような範囲は、中間の用量を含む)、又はこれを超える用量、及びその範囲の中で導出される任意の特定の用量も含みうる。本明細書で列挙される数から導出可能な範囲の非限定的な例では、体重1kg当たり約5μg~体重1kg当たり約100mg、体重1kg当たり約5μg~体重1kg当たり約500mgなどの範囲を、投与することができる。いずれにせよ、投与に責任を負う従事者は、組成物における有効成分(複数可)の濃度及び個別の対象に適切な用量(複数可)を決定することになる。
【0060】
[0093]「抗がん」剤は、例えば、がん細胞の殺滅を促進すること、がん細胞におけるアポトーシスを誘導すること、がん細胞の増殖速度を低減すること、転移の発生率若しくは数を低減すること、腫瘍サイズを低減すること、腫瘍の増殖を阻害すること、腫瘍若しくはがん細胞への血液供給を低減すること、がん細胞若しくは腫瘍に対する免疫応答を促進すること、がんの進行を防止若しくは阻害すること、又はがんを伴う対象の余命を延長することにより、対象におけるがん細胞/腫瘍に負の影響を与えることが可能である。
【0061】
[0094]「免疫チェックポイント」という用語は、免疫反応を調節するために、その構成要素へと阻害シグナルをもたらす、免疫系の構成要素を指す。公知の免疫チェックポイントタンパク質は、CTLA-4、PD-1、並びにそのリガンドである、PD-L1及びPD-L2と、加えて、LAG-3、BTLA、B7H3、B7H4、TIM3、KIRとを含む。LAG3、BTLA、B7H3、B7H4、TIM3、及びKIRを伴う経路は、CTLA-4及びPD-1に依存する経路と同様の、免疫チェックポイント経路を構成することが当技術分野で認知されている(例えば、Pardoll、2012、Nature Rev Cancer、12:252~264;Mellmanら、2011、Nature、480:480~489を参照されたい)。
【0062】
[0095]「PD-1軸結合性アンタゴニスト」という用語は、PD-1シグナル伝達軸におけるシグナル伝達から生じるT細胞の機能不全を除去する(結果は、T細胞の機能(例えば、増殖、サイトカインの産生、標的細胞の殺滅)を回復又は増強することである)ように、PD-1軸結合性パートナーの、その結合性パートナーのうちの1又は複数との相互作用を阻害する分子を指す。「PD-1軸」という用語は、PD-1免疫チェックポイントの任意の構成要素(例えば、PD-1、PD-L1、及びPD-L2)を指す。本明細書で使用される、PD-1軸結合性アンタゴニストは、PD-1結合性アンタゴニスト、PD-L1結合性アンタゴニスト、及びPD-L2結合性アンタゴニストを含む。
【0063】
[0096]「PD-1結合性アンタゴニスト」という用語は、PD-1の、PD-L1及び/又はPD-L2など、その結合性パートナーのうちの1又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減殺、遮断、阻害するか、これを失効化させるか、又はこれに干渉する分子を指す。PD-1結合性アンタゴニストは、PD-1の、その結合性パートナーのうちの1又は複数への結合を阻害する分子でありうる。詳細な態様では、PD-1結合性アンタゴニストは、PD-1の、PD-L1及び/又はPD-L2への結合を阻害する。例えば、PD-1結合性アンタゴニストは、PD-1の、PD-L1及び/又はPD-L2との相互作用から生じるシグナル伝達を減殺、遮断、阻害するか、これを失効化させるか、又はこれに干渉する抗PD-1抗体、この抗原結合性断片、イムノアデシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、及び他の分子を含む。例示的なPD-1結合性アンタゴニストは、抗PD-1抗体である。例えば、PD-1結合性アンタゴニストは、MDX-1106(ニボルマブ)、MK-3475(ペムブロリズマブ)、CT-011(ピジリズマブ)、又はAMP-224である。
【0064】
[0097]「PD-L1結合性アンタゴニスト」という用語は、PD-1の、PD-1又はB7-1など、その結合性パートナーのうちの1又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減殺、遮断、阻害するか、これを失効化させるか、又はこれに干渉する分子を指す。例えば、PD-L1結合性アンタゴニストは、PD-L1の、その結合性パートナーへの結合を阻害する分子である。詳細な態様では、PD-L1結合性アンタゴニストは、PD-L1の、PD-1及び/又はB7-1への結合を阻害する。PD-L1結合性アンタゴニストは、PD-1の、PD-1又はB7-1など、その結合性パートナーのうちの1又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減殺、遮断、阻害するか、これを失効化させるか、又はこれに干渉する抗PD-L1抗体、この抗原結合性断片、イムノアデシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、及び他の分子を含みうる。例えば、PD-L1結合性アンタゴニストは、機能不全性のT細胞の機能不全性を軽減する(例えば、抗原認識に対するエフェクター応答を増強する)ように、Tリンパ球において発現する細胞表面タンパク質に媒介されるか、又はこれらを経由して媒介される、負の共刺激シグナルを低減する。一例では、PD-L1結合性アンタゴニストは、抗PD-L1抗体である。抗PD-L1抗体は、YW243.55.S70、MDX-1105、MPDL3280A、又はMEDI4736でありうる。
【0065】
[0098]「PD-L2結合性アンタゴニスト」という用語は、PD-L2の、PD-1など、その結合性パートナーのうちの1又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減殺、遮断、阻害するか、これを失効化させるか、又はこれに干渉する分子を指す。PD-L2結合性アンタゴニストは、PD-L2の、その結合性パートナーのうちの1又は複数への結合を阻害する分子でありうる。例えば、PD-L2の、PD-1など、その結合性パートナーのうちの1又は複数との相互作用から生じるシグナル伝達を減殺、遮断、阻害するか、これを失効化させるか、又はこれに干渉する抗PD-L2抗体、この抗原結合性断片、イムノアデシン、融合タンパク質、オリゴペプチド、及び他の分子を含むPD-L2アンタゴニストなどのPD-L2結合性アンタゴニストは、PD-L2の、PD-1への結合を阻害する。
【0066】
[0099]「免疫チェックポイント阻害剤」とは、免疫チェックポイントタンパク質の機能を阻害する、任意の化合物を指す。阻害は、機能の低減及び完全な遮断を含む。特に、免疫チェックポイントタンパク質は、ヒト免疫チェックポイントタンパク質である。したがって、免疫チェックポイントタンパク質の阻害剤は、特に、ヒト免疫チェックポイントタンパク質の阻害剤である。
【0067】
[00100]「対象」及び「患者」とは、霊長動物、哺乳動物、及び脊椎動物など、ヒト又は非ヒトを指す。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0068】
[00101]本明細書で、疾患、障害、又は医学的状態に言及して使用される場合の「~を処置する」、「処置」、「~を処置すること」、又は「改善」という用語は、状態のための治療的処置であって、目的が、症状又は状態の進行又は重症度に拮抗するか、これを緩和、改善、阻害、緩徐化するか、又は停止させることである治療的処置を指す。「~を処置すること」という用語は、少なくとも1つの有害作用又は状態の症状を低減又は緩和することを含む。処置は、一般に、1又は複数の症状又は臨床マーカーが低減される場合に「有効」である。代替的に、処置は、状態の進行が低減されるか又は止まる場合に「有効」である。すなわち、「処置」は、症状又はマーカーの改善だけではなく、また、処置の非存在下で予測される、症状の進行又は増悪の停止、又は少なくとも緩徐化も含む。有益な臨床結果又は所望の臨床結果は、1又は複数の症状の緩和、欠損の程度の減弱、腫瘍又は悪性腫瘍の状態の安定化(すなわち、非増悪)、腫瘍の増殖及び/又は転移の遅延又は緩徐化、並びに処置の非存在下で予測される余命と比較した余命の延長を含むがこれらに限定されない。
【0069】
[00102]「腸管微生物叢」又は「腸管マイクロバイオーム」とは、対象の腸に生息する微生物の集団を指示する。
【0070】
[00103]「アルファ多様性」という用語は、試料内の多様性についての尺度であり、試料内の全ての微生物叢の分布及び構成パターンを指し、各試料についてのスカラー値として計算される。「ベータ多様性」とは、試料間の多様性についての用語であり、各々が、各試料対間の距離又は相違についての尺度をもたらすように、試料の比較を伴う。
【0071】
[00104]「相対存在度」ともまた称する「相対量」という用語は、特定の分類学的レベル(門~種)の細菌数であって、生物学的試料における、このレベルの細菌の総数の百分率としての細菌数として規定される。この相対存在度は、例えば、試料に存在する16S rRNA遺伝子配列の百分率であって、これらの細菌へと割り当てられる百分率を測定することにより評価することができる。相対存在度は、当業者に公知の、任意の適切な技法であって、これらの特異的な細菌の16S rRNA遺伝子マーカーの、454パイロシーケンシング及び定量的PCR、又は特異的な遺伝子の定量的PCRなどの技法により測定することができる。
【0072】
[00105]本文献では、「レスポンダー」若しくは「応答性」患者ともまた呼ばれる、「処置に対する良好なレスポンダー」、又は、言い換えれば、この処置「から利益を得る」患者とは、がんに罹患し、この処置を施された後で、がんの、臨床的に有意な軽減を示すか又は示すことになる患者を指す。逆に、「良好でないレスポンダー」又は「非レスポンダー」とは、この処置を施された後で、がんの、臨床的に有意な軽減を示さないか又は示さないことになる患者である。処置への応答の減少は、免疫関連応答基準(irRC)、WHO基準、又はRECIST基準など、当技術分野で認知された標準に従い評価することができる。
【0073】
[00106]「単離された」という用語は、(1)当初産生された(天然であれ、実験環境においてであれ)ときに会合していた成分のうちの少なくとも一部から分離された細菌又は他の実体若しくは物質、並びに/或いは(2)人手により作製、調製、精製、及び/又は製造された、細菌又は他の実体若しくは物質を包摂する。単離された細菌は、当初会合していた他の成分のうちの少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又はこれを超える成分から分離されうる。一部の実施形態では、単離された細菌は、約80%を超えて、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99%を超えて純粋である。本明細書で使用される物質は、他の成分を実質的に含まない場合に「純粋」である。
【0074】
[00107]「純度」、「~を精製すること」、及び「精製された」という用語は、当初産生されるか若しくは発生した(例えば、天然であれ、実験環境においてであれ)とき、又はその初期産生後の任意の時点において会合していた成分のうちの少なくとも一部から分離された細菌又は他の材料を指す。細菌又は細菌集団は、産生のときに、又は産生の後で、細菌又は細菌集団を含有する材料又は環境からなど、単離されていれば、精製されていると考えられ、精製された細菌又は細菌集団は、他の材料を、最大で約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約90%を上回って含有することが可能であり、なおも、「単離されている」と考えられる。一部の実施形態では、精製された細菌及び細菌集団は、約80%を超えて、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99%を超えて純粋である。本明細書で提供される細菌組成物の場合、組成物に存在する1又は複数の細菌型は、細菌型を含有する材料又は環境において産生される、1若しくは複数の他の細菌、及び/又はここにおいて存在する、1若しくは複数の他の細菌から独立に精製することができる。細菌組成物及びその細菌成分は、一般に、残余の生息環境産物から精製される。
II.精製細菌集団
【0075】
[00108]本開示の実施形態は、免疫チェックポイント阻害剤を投与されるか、又はこれを投与されている対象におけるがんなどのがんの処置のための、酪酸を含有する組成物など、短鎖脂肪酸を含有する組成物、及び精製細菌集団(例えば、酪酸産生菌集団など、短鎖脂肪酸を含有する細菌集団)に関する。一部の実施形態では、酪酸産生菌についてエンリッチするように、対象に、プレバイオティクス及び/又はプロバイオティクスを投与する。ある特定の態様では、対象は、酪酸産生菌についてエンリッチするように、食餌の変化を経る。
【0076】
[00109]ある特定の実施形態では、本開示は、免疫チェックポイント療法応答に有益な細菌集団を含む、プロバイオティクス組成物及び生菌製品を提供する。プロバイオティクス組成物は、フィルミクテス門の細菌を含みうる。細菌集団は、クロストリジウム綱、特に、クロストリジウム目(Clostridales)に属する場合もあり、1又は複数の細菌集団は、クロストリジウム科、ルミノコッカス科(例えば、特に、ルミノコッカス属又はフィーカリバクテリウム属)、ミクロコッカス科(例えば、特に、ロチア属)、ラクノスピラ科、及び/又はベイロネラ科に属する場合もある。さらなる態様では、細菌集団は、テネリクテス門(Tenericutes)、特に、モリクテス綱に属しうる。細菌は、ペプトニフィルス属、特に、P.アサッカロリティクス種(P.asaccharolyticus)、P.ゴルバキイ種(P.gorbachii)、P.ハレイ種(P.harei)、P.イボリイ種(P.ivorii)、P.ラクリマリス種(P.lacrimalis)、及び/又はP.オルセニイ種(P.olsenii)に属しうる。プロバイオティクス組成物のための、さらに例示的な細菌集団は、ポルフィロモナス属(Porphyromonas)、特に、ポルフィロモナス・パステリ種、クロストリジウム・フンガテイ種、ファスコラークトバクテリウム属、又はファスコラークトバクテリウム・フェシウム種に属する細菌集団を含みうる。
【0077】
[00110]例えば、ルミノコッカス属の細菌集団は、ルミノコッカス・アルブス種、ルミノコッカス・ブロミイ種、ルミノコッカス・カリヅス種、ルミノコッカス・フラベファシエンス種、ルミノコッカス・シャンパネレンシス種、ルミノコッカス・フェシス種、ルミノコッカス・ゴブロイイ種、ルミノコッカス・グナブス種、ルミノコッカス・ハンセニイ種、ルミノコッカス・ヒドロゲノトロフィクス種、ルミノコッカス・ラクタリス種、ルミノコッカス・ルティ種、ルミノコッカス・オベウム種、ルミノコッカス・パルストリス種、ルミノコッカス・パスツーリイ種、ルミノコッカス・プロヅクツス種、ルミノコッカス・シンキイ種、及び/又はルミノコッカス・トルケス種の細菌を含みうる。フィーカリバクテリウム属の細菌集団は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ種の細菌を含みうる。
【0078】
[00111]ロチア属の例示的な細菌集団は、R.エリア種(R.aeria)、R.アマレ種(R.amarae)、R.デントカリオーサ種(R.dentocariosa)、R.エンドフィティカ種(R.endophytica)、R.ムシランギノーサ種(R.mucilaginosa)、R.ナシムリウム種(R.nasimurium)、及び/又はR.テレ種(R.terrae)の細菌を含みうる。
【0079】
[00112]プロバイオティクス組成物に組み入れるための、例示的な細菌集団は、フィルミクテス門、クロストリジウム綱、ルミノコッカス科、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ種、ルミノコッカス属、ポルフィロモナス・パステリ種、ベイロネラ科、クロストリジウム・フンガテイ種、ファスコラークトバクテリウム属、ファスコラークトバクテリウム・フェシウム種、ペプトニフィルス属、ミクロコッカス科、モリクテス綱、及び/又はロチア属に属する細菌集団を含む。
【0080】
[00113]特定の態様では、プロバイオティクス組成物又は生菌製品は、バクテロイデス属(Bacteroides)、特に、B.テタイオタオミクロン種(B.thetaiotaomicron)、B.フラジリス種(B.fragilis)、B.ブルガツス種(B.vulgatus)、B.ディスタソニス種(B.distasonis)、B.オバツス種(B.ovatus)、B.ステルコリス種(B.stercoris)、B.メルデ種(B.merdae)、B.ウニフォルミス種(B.uniformis)、B.エガリティイ種(B.eggerithii)、又はB.カッセ種(B.caccae)など、バクテロイデス目の細菌集団を含まない。特に、プロバイオティクス組成物は、ガードネレラ属(Gardnerella)、又はコリンセラ・ステルコリス種(Collinsella stercoris)、デスルフォビブリオ・アラスケンシス種(Desulfovibrio alaskensis)、バクテロイデス・メディテラネエンシス種(Bacteroides mediterraneensis)、プレボテラ・ヒスチコラ種(Prevotella histicola)、若しくはガードネレラ・バギナリス種(Gardnerella vaginalis)の細菌集団を含まない。
【0081】
【表2】

























































































【0082】
[00114]
【表3】








【0083】
[00115]
【表4】
















































【0084】
[00116]本開示はまた、上記で記載した、1又は複数の微生物の培養物を含む医薬組成物も提供する。したがって、細菌種は、乾燥形態であれ、凍結乾燥形態であれ、胞子化形態であれ、生菌としての剤形で存在する。これは、例えば、潜在的に、口腔処置のために、腸溶性コーティングを伴う、錠剤形態又は粉末形態で、適切な投与に適合させうることが好ましい。
【0085】
[00117]特定の態様では、組成物を、口腔投与のために製剤化する。経口投与は、チュアブル製剤、溶解製剤、カプセル/コーティング製剤、多層トローチ(個別の有効成分並びに/又は有効成分及び賦形剤への)、徐放/持続放出製剤、又は当業者に公知の、他の適切な製剤を使用して達成することができる。本明細書では、「錠剤」という語を使用するが、製剤は、一般に、トローチ、丸剤、カプセルなど、他の用語で言及される、様々な物理的形態を取りうる。
【0086】
[00118]本開示の組成物は、口腔投与のために製剤化することが好ましいが、皮下、筋内、皮内、経皮、眼内、腹腔内、経粘膜、膣内、直腸内、及び静脈内を含むがこれらに限定されない、他の投与経路も援用することができる。
【0087】
[00119]本開示の組成物の、所望の用量は、1日を通して、適切な間隔で投与される、複数回の(例えば、2、3、4、5、6回、又はこれを超える回数の)部分用量で施すことができる。
【0088】
[00120]一態様では、開示される組成物は、カプセルとして調製することができる。カプセル(すなわち、担体)は、ゼラチン、セルロース、炭水化物など、多様な物質から形成された、中空で、一般に、円筒形のカプセルでありうる。
【0089】
[00121]別の態様では、開示される組成物は、坐剤として調製することができる。坐剤は、細菌と、ポリエチレングリコール、アカシア、アセチル化モノグリセリド、カルナバ蝋、酢酸フタル酸セルロース、トウモロコシデンプン、フタル酸ジブチル、ドクサートナトリウム、ゼラチン、グリセリン、酸化鉄、カオリン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、メチルパラベン、薬用グレーズ、ポビドン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、スクロース滑石、二酸化チタン、白色蝋、及び着色剤など、1又は複数の担体とを含みうるがこれらに限定されない。
【0090】
[00122]一部の態様では、開示されるプロバイオティクスは、錠剤として調製することができる。錠剤は、細菌と、二塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸、クロスカルメロース、シリカ、セルロース、及びセルロースコーティングなど、1又は複数の錠剤化剤(すなわち、担体)とを含みうる。錠剤は、直接的な圧縮工程を使用して形成しうるが、当業者は、多様な技法を使用して、錠剤を形成しうることを察知するであろう。
【0091】
[00123]他の態様では、開示されるプロバイオティクスは、食品又は飲料として形成することもでき、代替的に、食品又は飲料への添加剤であって、適切な数量の細菌を、食品又は飲料へと添加して、食品又は飲料を、担体とする添加剤として形成することもできる。
【0092】
[00124]本開示のプロバイオティクス組成物は、ラクチトール、イヌリン、又はこれらの組合せなど、当技術分野で公知の、1又は複数のプレバイオティクスをさらに含みうる。
【0093】
[00125]一部の実施形態では、実施形態の組成物は、短鎖脂肪酸をもたらす細菌種のうちの1又は複数を含む。特定の態様では、細菌種は、酪酸をもたらす。例えば、細菌集団は、クロストリジウム目の、1又は複数の細菌種を含みうる。クロストリジウム目の細菌は、実質的に胞子形態でありうる。特定の態様では、細菌種は、ルミノコッカス科、クリステンセネラ科、クロストリジウム科、又はコリオバクテリウム科に由来する。一部の実施形態では、クロストリジウム目の細菌は、第1の科及び第2の科を含む。一部の実施形態では、第1の科は、ルミノコッカス科、クリステンセネラ科、クロストリジウム科、及びコリオバクテリウム科からなる群から選択され、第2の科は、第1の科と同一ではない。細菌種の例は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、ルミノコッカス・アルブス、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・カリヅス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカス・シャンパネレンシス、ルミノコッカス・フェシス、ルミノコッカス・ゴブロイイ、ルミノコッカス・グナブス、ルミノコッカス・ハンセニイ、ルミノコッカス・ヒドロゲノトロフィクス、ルミノコッカス・ラクタリス、ルミノコッカス・ルティ、ルミノコッカス・オベウム、ルミノコッカス・パルストリス、ルミノコッカス・パスツーリイ、ルミノコッカス・プロヅクツス、ルミノコッカス・シンキイ、ルミノコッカス・トルケス、サブドリグラヌルム・バリアビレ、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス、ロゼブリア・インテスティナリス、アネロスチペス・カッセ、ブラウティア・オベウム、エウバクテリウム・ノダツム、及びエウバクテリウム・オキシドレヅセンスを含むがこれらに限定されない。特定の態様では、細菌種は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイである。ある特定の実施形態では、細菌集団は、バクテロイデス綱又はプレボテラ科の細菌種を含まない。
【0094】
[00126]一部の実施形態では、細菌集団は、クロストリジウム目の細菌を、対象における免疫チェックポイント療法を増強することが可能な、1又は複数の代謝物を産生するのに有効な量又は十分な量で含む。一部の実施形態では、1又は複数の代謝物は、短鎖脂肪酸を含む。特定の態様では、短鎖脂肪酸は、酪酸である。一部の実施形態では、クロストリジウム目は、1又は複数の短鎖脂肪酸(例えば、酪酸)を、局所的な短鎖脂肪酸濃度を、2倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍、1000倍、又は1000倍を超えて増大させるのに有効な量で産生する。
【0095】
[00127]一部の実施形態では、プロバイオティクス組成物は、対象の消化管に存在するクロストリジウム目の細菌の増殖を刺激するのに有効な食品又は栄養補助物質をさらに含みうる。一部の実施形態では、栄養補助物質は、健常ヒト腸管マイクロバイオームと関連する細菌により産生される。ある特定の実施形態では、栄養補助物質は、クロストリジウム目の細菌により産生される。ある特定の実施形態では、栄養補助物質は、短鎖脂肪酸を含む。ある特定の実施形態では、短鎖脂肪酸は、酪酸、プロピオン酸、又はこれらの組合せから選択される。特定の実施形態では、短鎖脂肪酸は、酪酸である。
【0096】
[00128]したがって、本開示のある特定の実施形態は、酪酸のプロドラッグ又は塩を、免疫チェックポイント阻害剤を投与されている対象、又は現在これを投与されつつある対象へと投与することに関する。例えば、酪酸は、酪酸ナトリウム、酪酸アルギニン、乳酸エチルブチリル、トリブチリン、4-フェニル酪酸、AN-9、又はAN-10でありうる。酪酸のプロドラッグ及び塩については、開示が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第96/15660号及び米国特許出願第5,763,488号において記載されている。投与されうる、経口利用可能な、他の酪酸のプロドラッグ及び塩は、イソブチルアミド、1-オクチル酪酸、オルトニトロベンジル酪酸、モノ酪酸-3-モノアセトングルコース、モノ酪酸-1-モノアセトンマンノース、モノ酪酸キシリトール、イソブチルアミド、4-フェニル酪酸、及び4-フェニル酢酸を含むがこれらに限定されない。これらの化合物の各々は、投与すると、酪酸又は酪酸類似体を、血流へと放出する。酪酸の、1又は複数のアイソフォームは、ブチル酪酸、アミル酪酸、イソブチル酪酸、ベンジル酪酸、a-メチルベンジル酪酸、ヘキシル酪酸、ヘプチル酪酸、ペンチル酪酸、メチル酪酸、及び2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸を含みうる。
【0097】
[00129]さらなる実施形態では、本開示は、マイクロバイオームプロファイルを得る方法であって、i)対象(例えば、ヒト対象)から得られる試料を得るステップと、ii)1又は複数の細菌種を、試料から単離するステップと、iii)1又は複数の核酸を、少なくとも1つの細菌種から単離するステップと、iv)単離された核酸を、シーケンシングするステップと、v)シーケンシングされた核酸を、基準核酸配列と比較するステップとを含む方法に関する。遺伝子型解析を必須とする方法を実施する場合は、任意の遺伝子型解析アッセイを使用することができる。例えば、これは、16Sリボソームサブユニット又は23Sリボソームサブユニットをシーケンシングすることにより行うこともでき、メタトランスクリプトミクスと関連する、メタゲノミックショットガンDNAシーケンシングにより行うこともできる。生物学的試料は、全血液、血漿、尿、涙液、精液、唾液、口内粘膜、間質液、リンパ液、髄液、羊水、腺液、痰、糞便、汗、粘液、膣内分泌物、脳脊髄液、毛髪、皮膚、糞便材料、創傷滲出液、創傷ホモジネート、及び創傷液を含む群から選択することができる。特定の態様では、試料は、糞便材料又は口内試料である。
【0098】
[00130]一部の実施形態では、マイクロバイオームプロファイルを、免疫チェックポイント療法に好適であると同定する。好適な微生物プロファイルであれば、フィルミクテス門、クロストリジウム綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、ルミノコッカス属、ヒドロゲノアネロバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属、アクチノバクテリア門、コリオバクテリウム綱、コリオバクテリウム目、コリオバクテリウム科、アーキアドメイン、シアノバクテリア門、ユーリアーキオータ門、又はクリステンセネラ科に由来する1又は複数の細菌種の相対的存在度が高度であろう。好適な微生物プロファイルであれば、ディアリスター属、ベイロネラ科、バクテロイデス門、バクテロイデス綱、バクテロイデス目、又はプレボテラ科に由来する細菌の相対的存在度が低度であろう。したがって、好適な微生物プロファイルであれば、フィルミクテス門、クロストリジウム綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、ルミノコッカス属、ヒドロゲノアネロバクテリウム属、アクチノバクテリア門、コリオバクテリウム綱、コリオバクテリウム目、コリオバクテリウム科、アーキアドメイン、シアノバクテリア門、ユーリアーキオータ門、又はクリステンセネラ科に由来する1又は複数の細菌種の相対的存在度が高度であり、ディアリスター属、ベイロネラ科、バクテロイデス門、バクテロイデス綱、バクテロイデス目、及び/又はプレボテラ科に由来する1又は複数の細菌種の存在度が低度であろう。
III.免疫チェックポイントの遮断
【0099】
[00131]本開示は、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は1若しくは複数の酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団を含む組成物を投与することによるなど、対象のマイクロバイオームをモジュレートすることにより、免疫チェックポイント遮断の有効性を増強する方法を提供する。免疫チェックポイントは、シグナル(例えば、共刺激分子)を強めるか、又はシグナルを弱める。免疫チェックポイントの遮断によりターゲティングされうる、阻害性免疫チェックポイント分子は、アデノシンA2A受容体(A2AR)、B7-H3(CD276としてもまた公知である)、B及びTリンパ球アテニュエーター(BTLA)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4;CD152としてもまた公知である)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、キラー細胞免疫グロブリン(KIR)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)、プログラム死1(PD-1)、T細胞免疫グロブリンドメイン、及びムチンドメイン3(TIM-3)、並びにVドメインIgT細胞活性化抑制因子(VISTA)を含む。特に、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1軸及び/又はCTLA-4をターゲティングする。
【0100】
[00132]免疫チェックポイント阻害剤は、低分子、リガンド若しくは受容体、又は、ヒト抗体などの抗体の組換え形態などの薬物(例えば、国際特許公開第2015016718号;Pardoll、Nat Rev Cancer、12(4):252~64、2012;いずれも、参照により本明細書に組み込まれる)でありうる。免疫チェックポイントタンパク質又はその類似体の、公知の阻害剤を使用することができ、特に、抗体のキメラ化形態、ヒト化形態、又はヒト形態を使用することができる。当業者に公知である通り、本開示で言及されるある特定の抗体には、代替名及び/又は同等名を使用する場合がある。本発明の文脈では、このような代替名及び/又は同等名は、互換的である。例えば、ラムブロリズマブはまた、代替名及び同等名である、MK-3475及びペムブロリズマブの下でも公知である。
【0101】
[00133]当技術分野で、免疫応答を刺激することが公知である、免疫チェックポイント阻害剤のうちのいずれも使用しうることが想定される。これは、抗原特異的なTリンパ球を、直接的又は間接的に刺激又は増強する阻害剤を含む。これらの免疫チェックポイント阻害剤は、限定せずに述べると、薬剤ターゲティング免疫チェックポイントタンパク質と、PD-L2、LAG3、BTLA、B7H4、及びTIM3を伴う経路とを含む。例えば、当技術分野で公知のLAG3阻害剤は、可溶性LAG3(国際公開第2009044273号において開示されている、IMP321又はLAG3-Ig)のほか、ヒトLAG3を遮断するマウス抗体又はヒト化抗体(例えば、国際公開第2008132601号で開示されているIMP701)、又はヒトLAG3を遮断する完全ヒト抗体(欧州特許第2320940号で開示されているものなど)を含む。別の例は、BTLAに対する遮断剤であって、限定せずに述べると、ヒトBTLAの、そのリガンドとの相互作用を遮断する抗体(国際公開第2011014438号で開示されている4C7など)を含む遮断剤の使用により提供される。さらに別の例は、B7H4を中和する薬剤であって、限定せずに述べると、ヒトB7H4に対する抗体(国際公開第2013025779号及び国際公開第2013067492号において開示されている)、又はB7H4の可溶性組換え形態(米国特許第20120177645号で開示されているものなど)を含む薬剤の使用により提供される。さらに別の例は、B7-H3を中和する薬剤であって、限定せずに述べると、ヒトB7-H3を中和する抗体(例えば、米国特許出願第20120294796号において、BRCA84D及び誘導体として開示されているMGA271)を含む薬剤により提供される。さらに別の例は、TIM3をターゲティングする薬剤であって、限定せずに述べると、ヒトTIM3をターゲティングする抗体(例えば、国際公開第2013006490A2号において開示されている抗体、又はJonesら、J Exp Med.、2008、205(12):2763~79により開示されている、抗ヒトTIM3遮断抗体である、F38-2E2)を含む薬剤により提供される。
A.PD-1軸アンタゴニスト
【0102】
[00134]T細胞の機能不全又はアネルギーは、阻害性受容体である、プログラム死1ポリペプチド(PD-1)の誘導的発現及び持続的発現と同時に生じる。したがって、本明細書では、PD-1と、プログラム死リガンド1(PD-L1)及びプログラム死リガンド2(PD-L2)など、PD-1との相互作用を介してシグナル伝達する、他の分子とに対する治療的ターゲティングが提供される。PD-L1は、多くのがんにおいて過剰発現し、予後不良と関連することが多い(Okazaki Tら、Intern.Immun.、2007、19(7):813)。したがって、本明細書では、PD-L1/PD-1間の相互作用を阻害することを、マイクロバイオームをモジュレートすることと組み合わせることによりがんを処置する、改善された方法が提供される。
【0103】
[00135]例えば、PD-1軸結合性アンタゴニストは、PD-1結合性アンタゴニスト、PDL1結合性アンタゴニスト、及びPDL2結合性アンタゴニストを含む。「PD-1」の代替名は、CD279及びSLEB2を含む。「PDL1」の代替名は、B7-H1、B7-4、CD274、及びB7-Hを含む。「PDL2」の代替名は、B7-DC、Btdc、及びCD273を含む。一部の実施形態では、PD-1、PDL1、及びPDL2は、ヒトPD-1、ヒトPDL1、及びヒトPDL2である。
【0104】
[00136]一部の実施形態では、PD-1結合性アンタゴニストは、PD-1の、そのリガンド結合性パートナーへの結合を阻害する分子である。詳細な態様では、PD-1リガンド結合性パートナーは、PDL1及び/又はPDL2である。別の実施形態では、PDL1結合性アンタゴニストは、PDL1の、そのリガンド結合性パートナーへの結合を阻害する分子である。詳細な態様では、PDL1結合性パートナーは、PD-1及び/又はB7-1である。別の実施形態では、PDL2結合性アンタゴニストは、PDL2の、そのリガンド結合性パートナーへの結合を阻害する分子である。詳細な態様では、PDL2結合性パートナーは、PD-1である。アンタゴニストは、抗体、この抗原結合性断片、イムノアデシン、融合タンパク質、又はオリゴペプチドでありうる。例示的な抗体については、全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8735553号、米国特許第8354509号、及び米国特許第8008449号において記載されている。本明細書で提供される方法における使用のための、他のPD-1軸アンタゴニストも、全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第20140294898号、米国特許出願第2014022021号、及び米国特許出願第20110008369号において記載されているアンタゴニストなど、当技術分野で公知である。
【0105】
[00137]一部の実施形態では、PD-1結合性アンタゴニストは、抗PD-1抗体(例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体)である。一部の実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、及びCT-011からなる群から選択される。一部の実施形態では、PD-1結合性アンタゴニストは、イムノアデシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)へと融合させた、PDL1又はPDL2の細胞外部分又はPD-1結合性部分を含むイムノアデシン)である。一部の実施形態では、PD-1結合性アンタゴニストは、AMP-224である。MDX-1106-04、MDX-1106、ONO-4538、BMS-936558、及びオプディーボ(OPDIVO)(登録商標)としてもまた公知のニボルマブは、国際公開第2006/121168号において記載された抗PD-1抗体である。MK-3475、Merck 3475、ラムブロリズマブ、キーツルーダ(登録商標)、及びSCH-900475としてもまた公知のペムブロリズマブは、国際公開第2009/114335号において記載された抗PD-1抗体である。hBAT又はhBAT-1としてもまた公知のCT-011は、国際公開第2009/101611号において記載された抗PD-1抗体である。B7-DCIgとしてもまた公知のAMP-224は、国際公開第2010/027827号及び国際公開第2011/066342号において記載されたPDL2-Fc融合可溶性受容体である。さらなるPD-1結合性アンタゴニストは、CT-011、AMP-514としてもまた公知のMEDI0680、及びREGN2810としてもまた公知のピジリズマブを含む。
【0106】
[00138]一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、MEDI4736としてもまた公知のヅルバルマブ、MPDL3280Aとしてもまた公知のアテゾリズマブ、又はMSB00010118Cとしてもまた公知のアベルマブなどのPD-L1アンタゴニストである。ある特定の態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、rHIgM12B7などのPD-L2アンタゴニストである。一部の態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、IMP321及びBMS-986016などであるがこれらに限定されない、LAG-3アンタゴニストである。免疫チェックポイント阻害剤は、PBF-509などのアデノシンA2a受容体(A2aR)アンタゴニストでありうる。
【0107】
[00139]一部の実施形態では、本明細書で記載される抗体(抗PD-1抗体、抗PDL1抗体、又は抗PDL2抗体など)は、ヒト定常領域又はマウス定常領域をさらに含む。なおさらなる態様では、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG2、IgG3、及びIgG4からなる群から選択される。なおさらに詳細な態様では、ヒト定常領域は、IgG1である。なおさらなる態様では、マウス定常領域は、IgG1、IgG2A、IgG2B、及びIgG3からなる群から選択される。なおさらに詳細な態様では、抗体は、エフェクター機能が低減されているか、又は最小限のエフェクター機能を有する。なおさらに詳細な態様では、最小限のエフェクター機能は、原核細胞における産生から生じる。なおさらに詳細な態様では、最小限のエフェクター機能は、「エフェクターレスFc突然変異」又は非グリコシル化から生じる。
【0108】
[00140]したがって、本明細書で使用される抗体は、非グリコシル化することができる。抗体のグリコシル化は、典型的に、N結合型又はO結合型である。N結合型とは、炭水化物部分の、アスパラギン残基の側鎖への接合を指す。トリペプチド配列である、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-トレオニン[配列中、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である]は、炭水化物部分の、アスパラギン側鎖への、酵素的接合のための認識配列である。したがって、ポリペプチドにおける、これらのトリペプチド配列の存在は、潜在的なグリコシル化部位を創出する。O結合型グリコシル化とは、糖である、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースのうちの1つの、最も一般には、セリン又はトレオニンであるが、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリシンもまた使用されうる、ヒドロキシアミノ酸への接合を指す。グリコシル化部位の、抗体からの除去は、上記で記載したトリペプチド配列(N結合型グリコシル化部位)のうちの1つを除去するように、アミノ酸配列を変更することにより達せられるので好都合である。変更は、グリコシル化部位内の、アスパラギン残基、セリン残基、又はトレオニン残基の、別のアミノ酸残基への置換(例えば、グリシン、アラニンへの置換、又は保存的置換)により行うことができる。
【0109】
[00141]抗体又はその抗原結合性断片は、当技術分野で公知の方法を使用して、例えば、既に記載された抗PDL1抗体、抗PD-1抗体、若しくは抗PDL2抗体、又は抗原結合性断片のうちのいずれかをコードする核酸を含有する宿主細胞を、発現に適する形態で、このような抗体又は断片を作製するのに適する条件下で培養するステップと、抗体又は断片を回収するステップとを含む工程により作製することができる。
B.CTLA-4
【0110】
[00142]本明細書で提供される方法においてターゲティングされうる、別の免疫チェックポイントは、CD152としてもまた公知の、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)である。ヒトCTLA-4の完全cDNA配列は、ゲンバンク(Genbank)受託番号:L15006を有する。CTLA-4は、T細胞の表面において見出され、抗原提示細胞の表面におけるCD80又はCD86に結合すると、「オフ」スイッチとして作用する。CTLA4は、ヘルパーT細胞の表面において発現する、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであり、阻害シグナルを、T細胞へと伝達する。CTLA4は、T細胞共刺激タンパク質であるCD28と類似し、いずれの分子も、抗原提示細胞における、それぞれ、B7-1及びB7-2ともまた呼ばれる、CD80及びCD86に結合する。CTLA4が、T細胞へと、阻害シグナルを伝達するのに対し、CD28は、刺激シグナルを伝達する。細胞内CTLA4はまた、調節性T細胞においても見出され、それらの機能に重要でありうる。T細胞受容体及びCD28を介する、T細胞の活性化は、B7分子の阻害性受容体である、CTLA-4の発現の増大をもたらす。
【0111】
[00143]一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体(例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体)、この抗原結合性断片、イムノアデシン、融合タンパク質、又はオリゴペプチドである。
【0112】
[00144]当技術分野で周知の方法を使用して、本方法における使用に適する抗ヒトCTLA-4抗体(又はこれに由来するVHドメイン及び/若しくはVLドメイン)を作出することができる。代替的に、当技術分野で認知された抗CTLA-4抗体を使用することもできる。例えば、本明細書で開示される方法では、米国特許出願第8,119,129号、国際公開第01/14424号、国際公開第98/42752号;国際公開第00/37504号(CP675,206、トレメリムマブとしてもまた公知であるトレメリムマブ;旧称:チシリズマブ)、米国特許出願第6,207,156号;Hurwitzら、1998において開示されている抗CTLA-4抗体を使用することができる。前述の刊行物の各々の教示は、参照により本明細書に組み込まれる。CTLA-4への結合についてこれらの当技術分野で認知された抗体のうちのいずれかと競合する抗体もまた、使用することができる。例えば、ヒト化CTLA-4抗体については、全てが参照により本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開第2001014424号、国際公開第2000037504号、及び米国特許第8017114号において記載されている。
【0113】
[00145]例示的な抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(10D1、MDX-010、MDX-101、及びイェルボイ(登録商標)としてもまた公知である)又はその抗原結合性断片及び変異体(例えば、国際公開第01/14424号を参照されたい)である。他の実施形態では、抗体は、イピリムマブの、重鎖及び軽鎖のCDR又はVRを含む。したがって、一実施形態では、抗体は、イピリムマブのVH領域の、CDR1ドメイン、CDR2ドメイン、及びCDR3ドメイン、並びにイピリムマブのVL領域の、CDR1ドメイン、CDR2ドメイン、及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、結合について、CTLA-4における、上述の抗体と同じエピトープと競合及び/又は(これに)結合する。別の実施形態では、抗体は、上述の抗体との、少なくとも約90%の可変領域のアミノ酸配列の同一性(例えば、イピリムマブとの、少なくとも約90%、95%、又は99%の可変領域の同一性)を有する。
【0114】
[00146]CTLA-4をモジュレートするための他の分子は、全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5844905号、米国特許第5885796号及び国際特許出願公開第1995001994号、及び国際公開第1998042752号において記載されているものなどの可溶性のCTLA-4リガンド及びCTLA-4受容体、並びに参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8329867号において記載されているものなどのイムノアデシンを含む。
C.キラー免疫グロブリン様受容体(KIR)
【0115】
[00147]本開示における使用のための、別の免疫チェックポイント阻害剤は、抗KIR抗体である。当技術分野で周知の方法を使用して、本方法における使用に適する抗ヒトKIR抗体(又はこれに由来するVHドメイン及び/若しくはVLドメイン)を作出することができる。
【0116】
[00148]代替的に、当技術分野で認知された抗KIR抗体を使用することもできる。抗KIR抗体は、複数の阻害性KIR受容体と交差反応性の可能性があり、これらの受容体のうちの1又は複数を保有するNK細胞の細胞傷害作用を強化しうる。例えば、抗KIR抗体は、KIR2D2DL1、KIR2DL2、及びKIR2DL3の各々に結合することが可能であり、これらのKIRのいずれか又は全てにより媒介される、NK細胞による細胞傷害作用の阻害を低減、中和すること、及び/又はこれに拮抗することにより、NK細胞の活性を強化しうる。一部の態様では、抗KIR抗体は、KIR2DS4及び/又はKIR2DS3に結合しない。例えば、教示が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2006/003179号に記載されているモノクローナル抗体1-7F9(IPH2101としてもまた公知である)、14F1、1-6F1、及び1-6F5を使用することができる。KIRへの結合についてこれらの当技術分野で認知された抗体のうちのいずれかと競合する抗体もまた、使用することができる。当技術分野で認知されている、さらなる抗KIR抗体であって、使用されうる抗KIR抗体は、例えば、国際公開第2005/003168号、国際公開第2005/009465号、国際公開第2006/072625号、国際公開第2006/072626号、国際公開第2007/042573号、国際公開第2008/084106号、国際公開第2010/065939号、国際公開第2012/071411号及び国際公開第2012/160448号において開示されている抗KIR抗体を含む。
【0117】
[00149]例示的な抗KIR抗体は、リリルマブ(BMS-986015又はIPH2102ともまた称する)である。他の実施形態では、抗KIR抗体は、リリルマブの、重鎖及び軽鎖の相補性決定領域(CDR)又は可変領域(VR)を含む。したがって、一実施形態では、抗体は、リリルマブの重鎖可変(VH)領域の、CDR1ドメイン、CDR2ドメイン、及びCDR3ドメイン、並びにリリルマブの軽鎖可変(VL)領域の、CDR1ドメイン、CDR2ドメイン、及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、リリルマブとの、少なくとも約90%の可変領域アミノ酸配列の同一性を有する。
IV.処置法
【0118】
[00150]本明細書では、個体におけるがんを処置するか、又はその進行を遅延させるための方法であって、個体へと、有効量若しくは十分量の、酪酸などの短鎖脂肪酸を投与するステップ、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団を、免疫チェックポイント療法を投与されている対象、若しくは現在これを投与されつつある対象へと投与するステップを含む方法が提供される。本明細書ではまた、対象の微生物プロファイルについて評価し、好適な微生物プロファイルを有すると同定された対象へと、免疫チェックポイント阻害剤を投与することにより、免疫チェックポイント療法に、好適に応答する対象を選択する方法も提供される。
【0119】
[00151]一部の実施形態では、処置は、処置を中止した後でも、個体における持続的な応答を結果としてもたらす。本明細書で記載される方法は、がんの処置のために、腫瘍免疫原性を増大させることなど、免疫原性の増強が所望される状態の処置において使用されうる。本明細書ではまた、がんを有する個体などにおける免疫機能を増強する方法であって、個体へと、有効量の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1軸結合性アンタゴニスト及び/又はCTLA-4抗体)と、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団とを投与するステップを含む方法も提供される。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。
【0120】
[00152]処置に想定されるがんの例は、肺がん、頭頸部がん、乳がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん、骨がん、精巣がん、子宮頸がん、消化器がん、リンパ腫、肺における前新生物性病変、結腸がん、黒色腫、転移性黒色腫、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、及び血管肉腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、線維形成性黒色腫、並びに膀胱がんを含む。
【0121】
[00153]一部の実施形態では、個体は、1又は複数の抗がん治療に対して耐性である(耐性であることが裏付けられている)がんを有する。一部の実施形態では、抗がん治療に対する耐性は、がんの再発又は不応性がんを含む。再発とは、処置の後の、元の部位又は新たな部位における、がんの再出現を指す場合がある。一部の実施形態では、抗がん治療に対する耐性は、抗がん治療による処置中の、がんの進行を含む。一部の実施形態では、がんは、早期又は後期にある。
【0122】
[00154]個体は、PD-L1バイオマーカーを発現させる(例えば、診断検査において、これを発現させることが示されている)がんを有しうる。一部の実施形態では、患者のがんは、低度のPD-L1バイオマーカーを発現させる。一部の実施形態では、患者のがんは、高度のPD-L1バイオマーカーを発現させる。PD-L1バイオマーカーは、試料において、FACS、ウェスタンブロット、ELISA、免疫沈降、免疫組織化学、免疫蛍光、ラジオイムノアッセイ、ドットブロット法、免疫検出法、HPLC、表面プラズモン共鳴、光学分光法、質量分析、HPLC、qPCR、RT-qPCR、マルチプレックスqPCR又はRT-qPCR、RNA-seq、マイクロアレイ解析、SAGE、マスアレイ(MassARRAY)法、及びFISH、並びにこれらの組合せからなる群から選択される方法を使用して検出することができる。
【0123】
[00155]本開示の方法についての一部の実施形態では、がんは、低レベルのT細胞浸潤を有する。一部の実施形態では、がんは、検出可能なT細胞浸潤物を有さない。一部の実施形態では、がんは、非免疫原性がん(例えば、非免疫原性の結腸直腸がん及び/又は卵巣がん)である。理論に束縛されることを望まないが、組合せ処置は、T細胞(例えば、CD4T細胞、CD8T細胞、メモリーT細胞)のプライミング、活性化、増殖、及び/又は浸潤を、組合せを投与する前と比べて増大させうる。
A.投与
【0124】
[00156]本明細書で提供される治療は、免疫チェックポイント阻害剤、酪酸などの短鎖脂肪酸を含む、プレバイオティクス組成物若しくはプロバイオティクス組成物、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団の投与を含む。治療は、当技術分野で公知の、任意の適する形で投与することができる。例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1軸結合性アンタゴニスト及び/又はCTLA-4抗体)、並びに酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団は、逐次的に(異なる時点)において投与することもでき、共時的に(同じ時点において)において投与することもできる。一部の実施形態では、1又は複数の免疫チェックポイント阻害剤は、プロバイオティクス療法として、別個の組成物にある。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、プロバイオティクス組成物として、同じ組成物にある。
【0125】
[00157]好ましい実施形態に従い、プロバイオティクス細菌組成物を、口腔投与のために製剤化する。当業者には、生存微生物を包摂する場合もあり、死滅微生物を包摂する場合もあり、食品サプリメント(例えば、丸剤、錠剤など)として存在する場合もあり、飲料又は発酵ヨーグルトなどの機能食品として存在する場合もある、様々な処方が公知である。
【0126】
[00158]1又は複数の免疫チェックポイント阻害剤、並びに酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団は、同じ投与経路により投与することもでき、異なる投与経路により投与することもできる。一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤を、静脈内投与、筋内投与、皮下投与、局所投与、経口投与、経皮投与、腹腔内投与、眼窩内投与、植込みにより投与、吸入により投与、髄腔内投与、脳室内投与、又は鼻腔内投与する。一部の実施形態では、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団を、静脈内投与、筋内投与、皮下投与、局所投与、経口投与、経皮投与、腹腔内投与、眼窩内投与、植込みにより投与、吸入により投与、髄腔内投与、脳室内投与、又は鼻腔内投与する。特定の態様では、免疫チェックポイント阻害剤を、静脈内投与し、酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団を、経口投与する。有効量の免疫チェックポイント阻害剤、並びに酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団は、疾患の防止又は処置のために投与することができる。免疫チェックポイント阻害剤、並びに/又は酪酸などの短鎖脂肪酸、及び/若しくは酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団の適切な投与量は、処置される疾患の種類、疾患の重症度及び経過、個体の臨床状態、個体の臨床履歴及び処置への応答、並びに主治医の指示に基づき決定することができる。
【0127】
[00159]例えば、ヒトへと投与される、抗体などの免疫チェックポイント阻害剤及び/又は酪酸などの短鎖脂肪酸の治療有効量又は十分量は、単回投与であれ、複数回投与であれ、患者の体重1kg当たり、約0.01~約50mgの範囲であろう。一部の実施形態では、使用される抗体は、例えば、毎日投与される約0.01~約45mg/kg、約0.01~約40mg/kg、約0.01~約35mg/kg、約0.01~約30mg/kg、約0.01~約25mg/kg、約0.01~約20mg/kg、約0.01~約15mg/kg、約0.01~約10mg/kg、約0.01~約5mg/kg、又は約0.01~約1mg/kgである。一部の実施形態では、抗体を、15mg/kgで投与する。しかし、他の投与レジメンも、有用でありうる。一実施形態では、本明細書で記載される抗PDL1抗体を、ヒトへと、21日間のサイクルの1日目における、約100mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、又は約1400mgの用量で投与する。用量は、単回投与として投与することもでき、注入など、複数回投与(例えば、2又は3回の投与)として投与することもできる。この療法の進行は、従来の技法により、容易にモニタリングすることができる。
【0128】
[00160]例えば、ヒトへと投与される、実施形態のプロバイオティクス組成物又は生菌製品による組成物の、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団の各々、又は少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団の各々の治療有効量又は十分量は、少なくとも約1×10コロニー形成単位(CFU)の細菌、又は少なくとも約1×10(CFU)であろう。一部の実施形態では、単回投与は、約1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、又は1×1015CFUを超える細菌を含有するであろう。詳細な実施形態では、細菌を、胞子形態で供給するか、又は胞子化細菌として供給する。特定の実施形態では、単離又は精製された各細菌集団、例えば、各種、各亜種、又は各株の胞子の濃度は、組成物1グラム当たり、又は投与される用量当たり、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、又は1×1015CFUを超える生菌の胞子である。
【0129】
[00161]個別の腫瘍、充実性腫瘍、アクセス可能な腫瘍については、腫瘍内注入又は腫瘍血管系への注入が、詳細に想定される。局所投与、局部投与又は全身投与もまた、適切でありうる。>4cmの腫瘍については、投与される容量が、約4~10ml(特に、10ml)であるのに対し、<4cmの腫瘍については、約1~3ml(特に、3ml)の容量を使用する。単回投与として送達される頻回注入は、約0.1~約0.5mlの容量を含む。例えば、アデノウイルス粒子は、腫瘍への頻回注入を行うことにより接触させうると有利である。
【0130】
[00162]処置レジメンは、変動させる場合もあり、腫瘍型、腫瘍の場所、進行、並びに患者の健康及び年齢に依存することが多い。ある特定の種類の腫瘍は、より侵襲的な処置を要請することが明らかであるが、同時に、ある特定の患者は、負荷の大きなプロトコールを忍容しえない。臨床医は、治療用製剤の、公知の有効性及び毒性(存在する場合)に基づき、このような決定を下すのに、最も適任であろう。
【0131】
[00163]ある特定の実施形態では、処置される腫瘍は、少なくとも当初、切除可能でありえない。治療用ウイルス構築物による処置は、縁辺部における退縮に起因して、又はある特定の部分、特に、浸潤部分の消失により腫瘍の切除可能性を増大させうる。処置後、切除は、可能でありうる。切除に後続するさらなる処置は、腫瘍部位における、顕微鏡的遺残病変を消失させるのに用いられる。
【0132】
[00164]処置は、多様な「単位用量」を含みうる。単位用量を、所定の数量の治療用組成物を含有することとして規定する。投与される数量、並びに特定の経路及び製剤は、臨床技術分野における当業者の判定技術の範囲内にある。単位用量は、単回注射として投与される必要がなく、設定された期間にわたる連続注入を含みうる。
B.さらなる抗がん治療
【0133】
[00165]一部の実施形態では、本明細書で提供される、免疫チェックポイント阻害剤、酪酸などの短鎖脂肪酸を含む組成物、及び/又は酪酸産生菌など、短鎖脂肪酸産生菌の集団を含む組成物は、少なくとも1つのさらなる治療剤と組み合わせて投与することができる。さらなる治療は、放射線療法、手術、化学療法、遺伝子治療、DNA療法、ウイルス療法、RNA療法、免疫療法、骨髄移植、ナノ療法、モノクローナル抗体療法、又は前出の組合せなどのがん治療でありうる。さらなる治療は、アジュバント又はネオアジュバント治療の形態でありうる。
【0134】
[00166]一部の実施形態では、さらなるがん治療は、低分子酵素阻害剤又は抗転移剤の投与である。一部の実施形態では、さらなる治療は、副作用緩和剤(例えば、抗悪心剤など、処置の副作用の発生及び/又は重症度を軽減することを意図する薬剤)の投与である。一部の実施形態では、さらなるがん治療は、放射線療法である。一部の実施形態では、さらなるがん治療は、手術である。一部の実施形態では、さらなるがん治療は、放射線療法と手術との組合せである。一部の実施形態では、さらなるがん治療は、ガンマ線照射である。一部の実施形態では、さらなるがん治療は、PBK/AKT/mTOR経路をターゲティングする治療、HSP90阻害剤、チューブリン阻害剤、アポトーシス阻害剤、及び/又は化学予防剤である。さらなるがん治療は、当技術分野で公知の化学療法剤のうちの1又は複数でありうる。
【0135】
[00167]多様な組合せもまた、援用することができる。下記の例では、免疫チェックポイント阻害剤、酪酸、及び/又は酪酸産生菌集団は、「A」であり、さらなるがん治療は、「B」である。
A/B/A B/A/B B/B/A A/A/B A/B/B B/A/A A/B/B/B B/A/B/B B/B/B/A B/B/A/B A/A/B/B A/B/A/B A/B/B/A B/B/A/A B/A/B/A B/A/A/B A/A/A/B B/A/A/A A/B/A/A A/A/B/A
【0136】
[00168]本実施形態の、任意の化合物又は治療の、患者への投与は、存在する場合、薬剤の毒性を考慮に入れ、このような化合物の投与のための、一般的なプロトコールに従う。したがって、一部の実施形態では、組合せ療法に帰せられる毒性をモニタリングするステップが存在する。
1.化学療法
【0137】
[00169]本実施形態に従い、多種多様な化学療法剤を使用することができる。「化学療法」という用語は、がんを処置する薬物の使用を指す。「化学療法剤」は、がんの処置において投与される化合物又は組成物を含意するように使用される。これらの薬剤又は薬物は、細胞内のそれらの活性方式、例えば、それらが、細胞周期に影響を及ぼすのかどうか、そして、どの段階で、細胞周期に影響を及ぼすのかにより類別される。代替的に、薬剤は、DNAを直接架橋するか、DNAに挿入されるか、又は核酸の合成に影響を与えることにより、染色体異常及び有糸分裂異常を誘導するその能力に基づき、特徴付けることができる。
【0138】
[00170]化学療法剤の例は、チオテパ及びシクロホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、及びトリメチロールメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアメラミン;アセトゲニン(とりわけ、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体であるトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(アドゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシンによるその合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体であるKW-2189及びCB1-TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロランブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベムビシン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタードなどの窒素マスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチンなどのニトロソウレア;エネジイン抗生剤(例えば、カリケアミシン、とりわけ、カリケアミシンガンマII及びカリケアミシンオメガII);ジネミシンAを含むジネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラミシンのほか、ネオカルジノスタチン発色団及び類縁の色素タンパク質である、エネジイン抗生剤発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、及びゾルビシンなどの抗生剤;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)などの抗代謝物;デノプテリン、プテロプテリン、及びトリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、及びチオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクスウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストラクトンなどのアンドロゲン;ミトタン及びトリロスタンなどの抗副腎剤;フォリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルフォルミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシン及びアンサマイトシンなどのメイスタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK多糖複合体;ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(とりわけ、T-2毒素、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;タキソイド、例えば、パクリタキセル及びドセタキセル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチンなどの白金配位錯体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノテカン(例えば、CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤であるRFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン;カルボプラチン、プロカルバジン、プリコマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、トランス白金、並びに上記のうちのいずれかの、薬学的に許容される塩、酸、又は誘導体を含む。
2.放射線治療
【0139】
[00171]DNA損傷を引き起こし、広範に使用されている他の因子は、γ線、X線、及び/又は放射性同位元素の、腫瘍細胞へと方向付けられた送達として一般に公知の因子を含む。マイクロ波、プロトンビーム照射(米国特許第5,760,395号及び同第4,870,287号)、及びUV照射など、DNA損傷因子の他の形態もまた想定される。これらの因子の全ては、DNA、DNAの前駆体、DNAの複製及び修復、並びに染色体のアセンブリー及び維持に対する、広範にわたる損傷に影響を及ぼす可能性が極めて高い。X線の線量範囲は、長期(3~4週間)にわたる、毎日50~200レントゲンの投与~2000~6000レントゲンの単回投与の範囲である。放射性同位元素の投与量範囲は、大きく変動し、同位元素の半減期、発せられる放射線の種類、及び新生物性細胞による取込みに依存する。
3.免疫療法
【0140】
[00172]当業者は、免疫療法を、本明細書で記載される方法と組み合わせて、又はこれと共に使用しうることを理解するであろう。がん処置の文脈では、免疫療法剤は、一般に、免疫エフェクター細胞と、がん細胞をターゲティングし、破壊する分子との使用に依拠する。リツキシマブ(リツキサン(RITUXAN)(登録商標))は、免疫療法の例である。免疫エフェクターは、例えば、腫瘍細胞の表面におけるマーカーに特異的な抗体でありうる。抗体は、治療のエフェクターとして、単独で用いられる場合もあり、細胞の殺滅を実行する他の細胞を動員する場合もある。抗体また、薬物又は毒素(化学療法剤、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素など)へとコンジュゲートさせることができ、ターゲティング剤としても用いられうる。代替的に、エフェクターは、腫瘍細胞標的と直接的又は間接的に相互作用する表面分子を保有する、リンパ球でもありうる。多様なエフェクター細胞は、細胞傷害性T細胞及びNK細胞を含む。
【0141】
[00173]抗体-薬物コンジュゲートは、がん治療剤の開発へのブレークスルー法として現れた。抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、細胞殺滅薬へと共有結合的に連結されたモノクローナル抗体(MAb)を含む。この手法は、MAbの抗原標的に対する高度の特異性を、効力の大きな細胞傷害性薬物と組み合わせる結果として、ペイロード(薬物)を、エンリッチされたレベルの抗原を伴う腫瘍細胞へと送達する「武装」MAbをもたらす。薬物のターゲティングされた送達はまた、正常組織におけるその曝露も最小化する結果として、毒性の軽減及び治療指数の改善をもたらす。2つのADC薬物である、2011年におけるアドセトリス(ADCETRIS)(登録商標)(ブレンツキシマブ・ベドチン)、及び2013年におけるカドサイラ(KADCYLA)(登録商標)(トラスツズマブ・エムタンシン又はT-DM1)の、FDAによる承認は、手法の妥当性を確認した。現在、30を超えるADC薬の候補物質が、がん処置のための、多様な段階の臨床試験にかけられている。抗体の操作及びリンカー-ペイロードの最適化が、ますます成熟するにつれ、新たなADCの発見及び開発は、ますます、この手法及びターゲティングMAbの作出に適する、新たな標的の同定及び検証に依存している。ADC標的の2つの基準は、腫瘍細胞における上方調節/高レベルの発現及び頑健な内部化である。
【0142】
[00174]免疫療法についての一態様では、腫瘍細胞は、ターゲティングに適する一部のマーカーを持たなければならない、すなわち、他の細胞の大半では存在しない。多くの腫瘍マーカーが存在し、これらのうちのいずれかは、本実施形態の文脈で、ターゲティングに適しうる。一般的な腫瘍マーカーは、CD20、癌胎児性抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG-72、HMFG、シアリルルイス抗原、MucA、MucB、PLAP、ラミニン受容体、erbB、及びp155を含む。免疫療法の代替的態様は、抗がん効果を、免疫刺激効果と組み合わせることである。IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、ガンマ-IFNなどのサイトカイン、MIP-1、MCP-1、IL-8などのケモカイン、及びFLT3リガンドなどの増殖因子を含む、免疫刺激分子もまた、存在する。
4.手術
【0143】
[00175]がんを伴う人のうちの約60%は、予防的手術、診断的手術又は病期分類的手術、治癒的手術、及び緩和的手術を含む、ある種の手術を受けることになる。治癒的手術は、がん性組織の全部又は一部を物理的に除去する切除、これを摘出する切除、及び/又はこれを破壊する切除を含み、本実施形態の処置、化学療法、放射線治療、ホルモン療法、遺伝子治療、免疫療法、及び/又は代替療法など、他の治療と共に使用することができる。腫瘍の切除とは、腫瘍の少なくとも一部の物理的な除去を指す。腫瘍の切除に加えて、手術による処置は、レーザー手術、低温手術、電気手術、及び顕微鏡制御術(モース術)を含む。
【0144】
[00176]がん性細胞、がん性組織、又はがん性腫瘍の一部又は全部を摘出すると、身体に空隙が形成されうる。処置は、さらなる抗がん治療を伴う領域の灌流、直接的な注射、又は局所的な適用により達することができる。このような処置は、例えば、1、2、3、4、5、6、若しくは7日間ごと、又は1、2、3、4、及び5週間ごと、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12カ月間ごとに反復することができる。これらの処置は、投与量を変動させる処置でもありうる。
5.他の薬剤
【0145】
[00177]他の薬剤を、本実施形態の、ある特定の態様と組み合わせて使用して、処置の治療有効性を改善しうることが想定される。これらのさらなる薬剤は、細胞表面受容体及びギャップ結合の上方調節に影響を及ぼす薬剤、細胞増殖抑制剤及び分化剤、細胞接着の阻害剤、過剰増殖性細胞の、アポトーシス誘導剤への感受性を増大させる薬剤、又は他の生物学的薬剤を含む。ギャップ結合数の増大による、細胞間シグナル伝達の増大は、隣接する過剰増殖性細胞集団に対する、抗過剰増殖性効果を増大させるであろう。他の実施形態では、細胞増殖抑制剤及び分化剤を、本実施形態の、ある特定の態様と組み合わせて使用して、処置の抗過剰増殖性の有効性を改善することができる。細胞接着の阻害剤は、本実施形態の有効性を改善することが想定される。細胞接着阻害剤の例は、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤及びロバスタチンである。過剰増殖性細胞の、アポトーシスへの感受性を増大させる、他の薬剤であって、抗体であるc225などの薬剤を、本実施形態の、ある特定の態様と組み合わせて使用して、処置の有効性を改善しうることも、さらに想定される。
【実施例0146】
[00178]以下の例は、本発明の好ましい実施形態を裏付けるために組み入れられる。当業者は、後続の例で開示される技法が、本発明の実施において、十分に機能することが、本発明者により発見された技法を表し、したがって、その好ましい実施方式を構成すると考えうることを察知されたい。しかし、当業者は、本開示に照らして、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限りにおいて、開示される詳細な実施形態において、多くの変化を施し、なおも、同様の結果又は類似する結果を得うることも察知されたい。
実施例1:黒色腫患者のマイクロバイオームの特徴付け
【0147】
[00179]がん患者における、免疫チェックポイントの遮断に応答するマイクロバイオームの役割を、より良く理解するために、マイクロバイオーム試料を、転移性黒色腫を伴う患者であって、PD-1遮断による処置を受けようとする患者(患者のn=112例)から回収した。処置開始時に、口腔(口内)マイクロバイオーム試料及び腸管(糞便)マイクロバイオーム試料を回収し、ゲノムの変更のほか、腫瘍に浸潤する免疫細胞サブセット及び循環免疫細胞サブセットの密度及び表現型についての評価が実行可能な場合は、腫瘍生検及び血液試料も回収した(図1A)。16S rRNA遺伝子シーケンシングを介する分類学的プロファイリングは、全ての利用可能な経口試料及び腸管試料について、サブセットに対するメタゲノミック全ゲノムショットガンシーケンシング(WGS)により実施した。患者を、RECIST 1.1基準(Schwartzら、2016)を介するイメージング解析に基づき、レスポンダー(R)又は非レスポンダー(NR)として分類した。R群における患者が、年齢、性別、正基準標本、既往治療、併用治療、及び血清LDHに関して、NR群における患者と対比して、比較的類似した(表3)ことは、注目に値する。特異的な黒色腫駆動性突然変異及び全突然変異性負荷の頻度もまた、群間で類似した(図5)(17)。
【0148】
[00180]
【表5】

【0149】
[00181]まず、16Sシーケンシング(V4領域)を介して、転移性黒色腫を伴う患者における、口腔微生物叢及び糞便微生物叢のランドスケープを評価したところ、いずれのコミュニティも、比較的多様であるが、口腔マイクロバイオームでは、ラクトバチルス目(Lactobacillales)が高存在度であり、糞便マイクロバイオームでは、バクテロイデス目が高存在度である(図1B)ことが注目された。二部ネットワーク解析(Mueggeら、2011)が、マッチング試料及び凝集物試料(図1C及び6)のいずれについても、口腔マイクロバイオームと糞便マイクロバイオームとの間の、コミュニティ構造の明確な分離を裏付けたことから、これらのコミュニティは、顕著に異なることが示唆される。
【0150】
[00182]多様性の喪失(腸内毒素症)は、長期にわたる健康状態(Turnbaughら、2008;Qinら、2010)及びがん(Garrettら、2015;Segreら、2015;Drewesら、2016))と関連し、また、同種幹細胞移植を含む、ある特定の形態のがん治療に対する転帰不良とも関連する(Taurら、2014)。これらのデータに基づき、口腔マイクロバイオーム及び腸管マイクロバイオームの多様性について、PD-1遮断を施される患者において調べ、いくつかの指標を使用して、Rにおける腸管マイクロバイオームの多様性が、NRと比較して、有意に大きいことを見出した(p=0.009、図1D及び7)。口腔マイクロバイオームでは、有意差が観察されなかった(p=0.11、図8)。コホートにおいて、多様性の、無進行生存(PFS)との関係について調べたところ、糞便マイクロバイオームにおける多様性が高度である患者は、PFSが、多様性が中程度又は低度の患者と比較して、有意に延長されることが裏付けられた(それぞれ、p=0.021及び0.041;図1E~1F及び9)。口腔マイクロバイオームの多様性を比較したところ、PFSの差違は見られなかった(図10A~10D)。
【0151】
[00183]マイクロバイオームの組成差はまた、がんの発生及び治療への応答にも影響を与える場合があるので(Sivanら、2015;Iidaら、2013;Viaudら、2013;Vetizouら、2015)、また、PD-1の遮断に対してRの口腔マイクロバイオーム又は腸管マイクロバイオームにおける微生物叢の構成要素と、NRの口腔マイクロバイオーム又は腸管マイクロバイオームにおける微生物叢の構成要素とに、差違が存在するのかどうかを決定しようともした。これについて調べるために、操作的分類単位(OTU)のエンリッチメントインデックス(ei)を計算し、Rを、NRと対比して比較することから、細菌の顕著に異なるセットが、抗PD-1療法に対する応答と関連し、腸管マイクロバイオームのRにおけるクロストリジウム目のエンリッチメント、及びNRにおけるバクテロイデス目のエンリッチメントと関連することを裏付けた(p<0.001、図2A~2B及び11)。NRの口腔マイクロバイオームと対比したRの口腔マイクロバイオームでは、エンリッチメントの有意差は見られなかった(図12A~12B)。これらの知見についてさらに探索するために、エフェクトサイズの線形判別分析(LEfSe)(Segataら、2011)を介する、高次の分類比較を実施したところ、ここでもまた、PD-1の遮断に対する、NRの糞便マイクロバイオームにおける細菌の存在度と対比した、Rの糞便マイクロバイオームにおける細菌の示差的な存在度であって、Rでは、クロストリジウム目/ルミノコッカス科がエンリッチされ、NRでは、バクテロイデス目がエンリッチされる示差的な存在度が裏付けられた(図2C~2D)。口腔マイクロバイオームでは、PD-1遮断に対するNRにおける高度のバクテロイデス目を除き、RとNRとの間で有意差は観察されなかった(図13A~13B)。次いで、応答により、全てのレベルで、細菌の分類群について、対応のある比較を実施した。既往の分類学的差違を確認することに加えて、これらの解析は、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ種を、Rにおいて有意にエンリッチされる種として同定した(図2E、表4)。メタゲノミックWGSは、NRでは、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、エシェリヒア・コリ、及びアネロトルンクス・コリホミニスがエンリッチされる一方で、Rにおける、アッカーマンシア属種を含む他の種に加えた、フィーカリバクテリウム属種のエンリッチメントをさらに明らかにした(図2F、表4)。限定数の縦断的な被験試料では、腸管マイクロバイオームが、時間経過にわたり、比較的安定的であると示された(図14A~14C)ことは、注目に値する。
【0152】
[00184]次に、これらの洞察に基づき、腸管マイクロバイオーム内及び/又は口腔マイクロバイオーム内の、細菌の組成及び存在度が、本発明者らのコホートにおける、PD-1遮断への応答を予測しうるのかどうかを問うた。これを行うために、配列アライメントデータからの系統樹の構築を介して、同定された全てのOTUを、crOTU(cluster of related OTU)へと群分けした(Peledら、2017)。この技法は、16S配列の類似性に基づく、細菌の、異なる潜在的な群分けの、存在度の比較を伴い、この手法の非存在下で観察される、OTU存在度の希少な分布に取り組む一助となる(図15A~15B)。次いで、腸管マイクロバイオーム内及び口腔マイクロバイオーム内のcrOTU存在度の、教師なしの階層的クラスター化を、応答データのインプットを伴わずに実施した。結果は、患者が、2つの顕著に異なるクラスターであって、一方のクラスター(クラスター1)が、完全にRから構成され、他方のクラスター(クラスター2)が、R及びNRの混合から構成され(p=0.02)、クラスター1では、クロストリジウム目がエンリッチされ、クラスター2では、バクテロイデス目がエンリッチされるクラスターへと分別されることを裏付けた(図3A~3B)。次いで、これらのクラスターの各々において、PFSを評価することから、クラスター1における患者の間では、PD-1遮断を施される場合の、進行までの時間が、クラスター2における患者と比較して、有意に短いことを裏付けた(p=0.02)(図3C)。これらのクラスターにおける組成の差違をより良く理解するために、腸管微生物叢についての、対応のある比較を実施し、応答によるクラスター化の場合に見られたパターンと極めて類似するパターンであって、クラスター1では、クロストリジウム目/ルミノコッカス科がエンリッチされ、クラスター2では、バクテロイデス目がエンリッチされるパターンを同定した(図3D、表5)。口腔マイクロバイオームにおけるcrOTUについての解析は、処置応答との明白な関係を明らかにしなかった(図16A~16B)。
【0153】
[00185]特異的な細菌分類群と、処置応答との関連について探索するために、本発明者らは、解析にわたり一貫して観察される「トップヒット」(RにおけるF.プラウスニッツィイ、及びNRにおけるバクテロイデス目)と関連するので、抗PD-1療法に対するPFSを比較することから、腸管マイクロバイオームにおける、これらの分類群の中央値相対存在度に基づき、患者を、低存在度の類別と対比した、高存在度の類別へと二分した。F.プラウスニッツィイの存在度が高度である患者のPFSは、存在度が低度である患者と対比して、有意に延長された(p=0.03)。逆に、バクテロイデス目の存在度が高度である患者のPFSは、存在度が低度である患者と対比して、有意に短縮された(p=0.05)(図3E)。これは、CTLA-4遮断を施される患者の小型コホートにおいて、近年公表されたデータであって、腸管マイクロバイオームにおいて、フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者のPFSが、バクテロイデス属の存在度が高度である患者と比較して、有意に延長されたデータと符合する(Chaputら、2017))。加えて、本発明者らのコホートにおいて、コックス比例ハザード解析を実施したところ、PD-1遮断に対する応答についての、最も強力な予測因子は、糞便マイクロバイオームにおける、アルファ多様性(HR=3.94;95%C.I.=1.02~12.52)、F.プラウスニッツィイの存在度(HR=2.92;95%C.I.=1.08~7.89)、及びcrOTUのクラスター(HR=3.80;95%C.I.=1.09~13.21)であることが裏付けられた。これらの効果は、免疫療法による前処置について補正した後の多変量解析においても、有意性を維持した(表6)。
【0154】
[00186]
【表6】

【0155】
[00187]
【表7】

【0156】
[00188]次に、腸管マイクロバイオームが、抗PD-1療法への応答に影響を与えうる機構への洞察を得ようと努め、まず、治療へのNRと対比した、RにおけるメタゲノムWGSを介して、腸管マイクロバイオーム試料についての、機能的なゲノムプロファイリングを行った。生物特異的な遺伝子ヒットを、京都遺伝子ゲノム百科事典(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)(KEGG)オントロジー(KO)へと割り当て、これらのアノテーションに基づき、メタシックヒエラルキーオフパスウェイクラシフィケーション(MetaCyc hierarchy of pathway classifications)(Caspiら、2008;Kanehisaら、2000)を使用して、各試料についてのメタゲノムを、代謝経路へと再構築した。KO及び予測される経路の両方についての相対的存在度に対する、教師なしの階層的クラスター化は、応答率を、72.7%、57.1%、及び42.9%とする、患者試料の3つの群を同定した。これらの群にわたる遺伝子機能の存在度の比較は、代謝機能の変化であって、Rでは、宿主免疫を促進しうる(Blacherら、2017)、アミノ酸生合成を含む同化機能が卓越する(図3F)変化を示す一方で、NRでは、異化機能が卓越した(図3F、17、表7)。
【0157】
[00189]前臨床モデルでは、腸管マイクロバイオームの示差的組成が、PD-1遮断に対する治療応答に、腫瘍微小環境のレベルで影響を与えうるという明確な証拠が見られる(Sivanら、2015)ので、PD-1遮断を施される患者のコホートにおいて、腸管マイクロバイオームと、全身免疫応答及び抗腫瘍免疫応答との関係を精査した。これを行うために、マルチパラメータIHCを介して、腫瘍と関連する免疫浸潤物を比較し、Rのベースライン試料における、NRと対比して、高密度のCD8Tリンパ球を観察したところ(p=0.04)、既往の報告と符合した(図4A及び18A~18F)(Tumehら、2014;Chenら、2016)。次いで、R及びNRの腸管マイクロバイオームにおいてエンリッチされた、特異的な細菌分類群と、腫瘍微小環境における免疫マーカーとの間で、対応のある比較を使用してスペアマンのランク相関を実施することから、腸管におけるルミノコッカス科/フィーカリバクテリウム属の存在度と、腫瘍における細胞傷害性T細胞浸潤物との、強い正の相関、及びバクテロイデス目の場合の、強い負の相関を裏付けた(図4B~4C及び19~20)。フローサイトメトリー及びサイトカインアッセイを介する、全身性免疫応答についての解析は、腸管におけるルミノコッカス科の存在度が高度である患者は、全身循環におけるエフェクターCD4T細胞及びエフェクターCD8T細胞のレベルが高く、PD-1遮断に対するサイトカイン応答が保存されているのに対し、腸管マイクロバイオームにおけるバクテロイデス目の存在度が高度である患者は、全身循環における調節性T細胞(Treg)及び骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)のレベルが高く、サイトカイン応答を鈍化させていることを明らかにした(図4D及び21~22)。腸管マイクロバイオームにおける組成の差違の、腫瘍微小環境内の抗原プロセシング及び提示に対する影響をより良く理解するために、骨髄コンパートメントをターゲティングする、マルチプレックスIHCを実施した(Tsujikawaら、2017)。これらの研究では、腸管マイクロバイオームにおける、フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である患者は、バクテロイデス目の存在度が高度である患者と比較して、免疫細胞並びに抗原のプロセシング及び提示についてのマーカーの密度が高かった(図4E~4F及び23~24)ことから、腸管マイクロバイオームが、抗腫瘍免疫応答をモジュレートしうる、可能な機構が示唆される(Sivanら、2015)。
【0158】
[00190]これらの洞察を、公表された文献の文脈に置くことから、腸管マイクロバイオームは、抗PD-1療法による処置への応答をモジュレートすることが提起された(図4G)。詳細に述べると、腸管マイクロバイオームが「好適な」(多様性が大きく、ルミノコッカス科/フィーカリバクテリウム属の存在度が高度である)患者は、リンパ節及び腫瘍のレベルにおける抗原提示の増強のほか、末梢及び腫瘍微小環境における、エフェクターT細胞機能の保存により媒介されて、全身免疫応答及び抗腫瘍免疫応答が増強されていることが提起された。これに対し、腸管マイクロバイオームが「好適でない」(多様性が小さく、バクテロイデス目の存在度が高度である)患者は、リンパ系要素及び骨髄要素の両方による腫瘍内浸潤の制限、抗原提示能の減退、及び末梢における、免疫調節性の細胞性要素及び体液性要素であって、Treg及びMDSCを含む要素へのスキューイングにより媒介されて、全身免疫応答及び抗腫瘍免疫応答が損なわれている。これらの知見は、チェックポイント遮断の有効性を著明に増強する、腸管マイクロバイオームの並列的なモジュレーションの潜在的可能性を強調する。
【0159】
[00191]
【表8】

【0160】
[00192]
【表9】















【0161】
[00193]
【表10】

実施例2:材料及び方法
【0162】
[00194]患者コホート:本研究では、転移性黒色腫を伴う、112例の患者からなる初期コホートを組み入れた。これらの患者は、2015年4月~2016年3月の間、University of Texas(UT)MD Anderson Cancer Centerにおいて、抗PD1免疫チェックポイント遮断療法で処置され、治験審査委員会(IRB)により承認されたプロトコールの下における、腫瘍試料、血液試料、及びマイクロバイオーム試料の回収及び解析についての、自発的な説明同意文書に署名した。ブドウ膜黒色腫を伴うと診断された患者(n=10)、又はターゲティング剤療法若しくは養子T細胞移入療法と組み合わせて抗PD1を施された患者(n=8)、又は応答を決定できなかった患者(n=6)は、この解析から除外した。電子的診察カルテは、3名の治験責任医師が独立に検討して、臨床応答群を割り当て、他の臨床パラメータを記録した(表3)。臨床応答(レスポンダー)(R)の主要転帰は、少なくとも6カ月間にわたる、RECIST 1.1基準に従う、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、又は安定(SD)についての、X線写真によるエビデンスにより規定した。臨床応答の欠如(非レスポンダー)(NR)は、経時的CTスキャンにおける進行(PD)、又は臨床有益性の持続が6カ月間(最小限の有益性)未満であることにより規定した。
【0163】
[00195]マイクロバイオーム試料の回収:口内試料は、キャッチ-オールサンプルコレクションスワブ(Catch-All Sample Collection Swab)(Epicentre、Madison、WI)を使用して、規定の処置前来院時に回収した。全ての患者にまた、外来用オムニジーンガットキット(OMNIgene GUT kit)(OMR-200)(DNA Genotek製の糞便試料回収キットであり、返送が求められる)も手渡された。このキットは、マイクロバイオームプロファイルの安定性を、室温で、最長60日間にわたり維持する一助となることが重要である。全ての試料を、摂氏-80度で凍結させてから、DNAの抽出及び解析を行った。
【0164】
[00196]最終コホートは、87例の患者(このうち、52例は、Rであり、34例は、NRであった)から回収された口内試料と、43例の患者(このうち、30例は、Rであり、13例は、NRであった)から回収された糞便試料とからなった。2例の口内試料及び2例の糞便試料以外の全ての試料は、ベースラインにおいて回収した。これらの試料を、このコホートにおける処置介入の後で変化を示さなかった、縦断的な試料についてのサブセット解析におけるベースラインサロゲートとして組み入れた。
【0165】
[00197]腫瘍試料及び血液試料の回収:マッチさせた処置前時点において利用可能な腫瘍試料(n=23)は、MD Anderson Cancer Department of Pathologyアーカイブ、及びInstitutional Tissue Bankから得た。試料を、MD Andersonの病理医による、腫瘍生存率パーセントについてのクォリティーコントロールにかけた後で、本発明者らは、Rからの17例の試料と、NRからの6例の試料を組み入れた。ベースラインにおいて、調査研究(既に列挙されたプロトコール)のために回収及び保存された血液試料(n=11)もまた、研究への組み入れについて検討し、8例のR及び3例のNRに由来する試料を得た。
【0166】
[00198]DNAの抽出及び細菌についての16Sシーケンシング:調製及びシーケンシングは、Baylor College of Medicineにおける、Center for Metagenomics and Microbiome Research(CMMR)と共同して行った。16S rRNA遺伝子シーケンシング法は、NIH-Human Microbiome Project(ヒトマイクロバイオーム調査研究のための枠組み、2012)のために開発された方法から適合させた。
【0167】
[00199]略述すると、MO BIOパワーソイルDNAアイソレーションキット(MO BIO PowerSoil DNA Isolation Kit)(MO BIO Laboratories、USA)を使用して、細菌のゲノムDNAを抽出した。16S rDNA V4領域を、PCRにより増幅し、マイセック(MiSeq)プラットフォーム(Illumina、Inc、San Diego、CA)において、2×250bpのペアドエンドプロトコールを使用してシーケンシングすることから、ほぼ完全に重複するペアドエンドリードをもたらした。増幅のために使用されたプライマーは、マイセックシーケンシングのためのアダプターと、PCR産物のプーリング及び直接的なシーケンシングを可能とする、単一末端バーコード(Caporasoら、2012)とを含有した。
【0168】
[00200]オープンリファレンスOTUピッキング(Edgar、2010;Rognesら、2016;Caporasoら、2010)を使用して、クォリティーフィルタリングにかけられた、>97%の同一性を伴う配列を、操作的分類単位(OTU)として公知のビンへとクラスター化し、ncbiブラストプラスパッケージ2.5.0(ncbi-blast+ package 2.5.0)を使用して、16Sの配列データベースである、NCBI 16SリボソーマルRNA(NCBI 16S ribosomal RNA)に照らして、種レベルで分類した。系統分類は、NCBI taxonomyデータベースから得た。各OTUの相対存在度を、全ての試料について決定した。分類学的分類は、グリーンジーンズ(Greengenes)データベース、シルバ(SILVA)データベース、及びRDPデータベースを使用して検証した。
【0169】
[00201]系統樹は、既に記載されている(Peledら、2016)、QIIMEソフトウェアパッケージにおけるファーストツリー(FastTree)アルゴリズム(Priceら、2010)を使用して、経験的に構築した。略述すると、ツリーの全てのノードを、各crOTU存在度が、そのメンバーであるOTU存在度の総和である、crOTU(cluster of related OTU)と考えた。ツリーは、口腔の1152(1182のOTUのうちの97.5%)のマイクロバイオーム内、及び腸管の1434(1455のOTUのうちの98.6%)のマイクロバイオーム内の両方で観察された、全てのOTUの配列アライメントから構築した。結果として得られる口腔マイクロバイオーム及び腸管マイクロバイオームのcrOTUツリーは、それぞれ、1152及び1434のノードを含有した。
【0170】
[00202]分類学的アルファ多様性は、逆シンプソン指数を使用して推定した。希薄化限界は、解析された、全ての口腔試料(13000)及び糞便試料(8000)における最小数のリードに基づいて設定した。ここで、
【数1】

[式中、piは、全種Sのうち、種iが占める比率である]である。希薄化限界は、分類学的存在度分布の変動を捕捉するので、最も有意味で頑健な多様性計量の部類であると考えられることが多い(Shannonら、2013)。
【0171】
[00203]口腔微生物叢と腸管微生物叢とを比較及び対比する二部ネットワーク:二部ネットワークは、デフォルトパラメータを使用するQIIMEにおいて、メイクバイパータイトネットワークpyスクリプト(make_biparitite_network.py script)を使用して構築し(Caporasoら、2010)、次いで、エッジで重み付けされたスプリング(Spring)埋込み型レイアウトを使用するサイトスケープ(Cytoscape)により視覚化した。全ての口内試料及び糞便試料を使用し(図6)、両方の試料が、同じ患者から得られた場合は、対応のある試料だけを使用して(図1A)、2つのネットワークを生成した。
【0172】
[00204]R及びNRの間における、口腔マイクロバイオーム及び腸管マイクロバイオームの差違を可視化するエンリッチメントインデックス:OTU表示指数(ri)を使用して、Rにおける各種の表示(riR)、及びNRにおける各種の表示(riNR)を、各群内の、特定の種についての存在度がゼロでなかった試料の比率として定量化した。riの値は、0(群内のいずれの試料においても、OTUは見出されない)~1(群内の全ての試料において、OTUは見出される)の範囲であった。
【0173】
[00205]OTUエンリッチメントインデックス(ei)を使用して、Rにおける各OTUのエンリッチメントを、NRにおける各OTUのエンリッチメントと対比して定量化し、比較したが、この場合、ei=(riR-riNR)/(riR+riNR)である。この指数は、-1~+1の範囲の値を取る。種が、全てのR試料において同定されるが、いかなるNR試料においても同定されない場合、ei=+1である。ei=-1については、逆のことが成り立つ。
【0174】
[00206]分布eiスコアを使用して、全ての種を、3つのセットへと分類した:セット1:Rにおいて示差的にエンリッチされた、セット2:両方の群において見出された、及びセット3:NRにおいて示差的にエンリッチされた。各セット内では、全てのOTUを、存在度によりソートし、次いで、列として与えられる、全ての試料における、log(10)変換されたOTU存在度のヒートマップとして視覚化した。OTU存在度の閾値(低度、中程度、及び高度)は、全てのOTUについての存在度の分布から導出した。
【0175】
[00207]LEfSeを使用する、バイオマーカーについての統計学的評価:LEfSe解析法はまず、αを0.05とあらかじめ規定したクラスカル-ワリス検定を使用して、口腔マイクロバイオーム及び腸管マイクロバイオームにおけるR及びNRの間で、全ての細菌クレードの存在度を比較する。群間の存在度(例えば、フィーカリバクテリウム属の相対存在度)の比較から生じる、有意に異なるベクトルを、線形判別分析(LDA)へのインプットとして使用し、これにより、効果量をもたらす(図2B)。従来の統計学的検定に対するLEfSeの主要な利点は、p値に加えて、効果量をもたらすことである。これは、群間の差違の大きさにより、複数の検定の結果をソートすることを可能とする。階層的に構成された細菌クレードの場合、属レベル及び種レベルでは、門レベル及び綱レベルと比較した場合、多数の比較を行う必要があるので、異なるレベルで考えられる仮説の数の差違に起因して、p値と効果量との間では、相関が欠如する場合がある。
【0176】
[00208]メタゲノミック全ゲノムショットガン(WGS)シーケンシング:これはまた、CMMR及びメタゲノポリス(Metagenopolis)(MGP)との共同でも行った。略述すると、メタゲノミックシーケンシングデータは、細菌、及び微生物のコレクション、特に、パンゲノム(シーケンシングの深度は、直接、カバレッジされるパンゲノム、特に、データセットの量に関する)ともまた称する試料のほぼ完全なゲノム含量についての、種レベルの分解をもたらす。
【0177】
[00209]全ゲノムショットガン(WGS)シーケンシングは、16S rRNA遺伝子組成解析のために使用された、同じ抽出細菌ゲノムDNAを活用する。しかし、WGSシーケンシングは、強力なシーケンシングプラットフォームを援用することにより、高深度のシーケンシングを達成する。各試料から、個別のライブラリーを構築し、ハイセック(HiSeq)プラットフォーム(Illumina)へとロードし、2×100bpのペアドエンドリードプロトコールを使用してシーケンシングした。クォリティーフィルタリング、トリミング、及びマルチプレックス化解除の工程は、ファーストq(fastq)を作成するためのカサバ(Casava)v1.8.3(Illumina)、アダプター及びクォリティートリミングのためのトリムガロア(Trim Galore)及びカットアダプト(cutadapt)、並びに試料のマルチプレックス化解除のためのプリンセック(PRINSEQ)など、公開されているツールをアセンブルすることにより開発された自社製のパイプラインにより実行した。
【0178】
[00210]MGPにおいて開発された、定量的メタゲノミックパイプラインを使用して、腸管微生物叢解析を実施した。この手法は、遺伝子レベル及び種レベルにおける、微生物叢の解析を可能とする。高品質のリードを選択し、ヒトリードとして可能な夾雑物を除去するように、クリーニングした。まず、固有のマッピングリードを使用し、次いで、固有のリードを使用するそれらのマッピング比に従い、共通リードを属させる(カタログに由来する異なる遺伝子をマッピングする)、2ステップの手順を使用して、自社製のメテオールステュディオ(METEOR Studio)パイプラインを使用する、メタヒット(MetaHIT)hs_9.9M遺伝子カタログ(Liら、2014)を使用して、これらを、マッピングし、カウントした。マッピングは、遺伝子の変動性及びカタログの非冗長的性格を説明するように、>95%の同一性閾値を使用して実施した。
【0179】
[00211]14Mリードにおけるサイズ縮減ステップ(異なるシーケンシング深度について補正する)及び正規化(RPKM)の後、遺伝子頻度プロファイルマトリックスを得、これを、MGPにおいて開発され、大規模な定量的メタゲノミックデータセットの解析に特化する、一式のRパッケージである、メタオマインR(MetaOMineR)を使用して解析を実施するための参照基準として使用した。
【0180】
[00212]hs_9.9M遺伝子カタログを、1438のMGS(MetaGenomic Species、試料数百例の間で存在度が共変動し、したがって、同じ微生物の種に属する、>500遺伝子の群(Nielsonら、2014))へとクラスター化した。既にシーケンシングされた生物(ntによるデータバンク及びwgsによるデータバンクに対して、ブラストN(blastN)を使用して)との遺伝子の相同性を使用して、MGSについての分類学的アノテーションを実施した。試料間のMGSシグナルは、50のマーカー遺伝子の平均値シグナル又は中央値シグナルとして計算した。MGS頻度プロファイルマトリックスは、MGS平均値シグナルを使用し、正規化(試料のMGS頻度の総和=1)の後で構築した。
【0181】
[00213]ゲノムの座標が公知のKEGGオーソログと重複するリードを表にし、KEGGモジュールを段階的に計算し、検出された種1つ当たり、かつ、メタゲノムについて、反応ステップのうちの65%が存在すれば、完了と決定する。パスウェイは、各分類群及び各メタゲノムについて、存在する遺伝子オーソログから生じるMinPathを経由する最小のセットを計算することにより構築した。
【0182】
[00214]パスウェイメタゲノムデータベース(PGDB):パスウェイツールズ(Pathway Tools)ソフトウェアからのパソロジック(PathoLogic)プログラム[PMID:26454094]を使用して、各WGS試料について、データベースを作成した。プログラムへのインプットは、KEGGオーソロジーに基づいて予測される遺伝子機能と、メタゲノムにおける、それらの分類系統への割当てとを使用して作製した。したがって、同じ機能(KO群)が、いくつかの分類学的アノテーションを有した場合は、アノテーションの各々を、個別の遺伝子と考えた。KEGGにおけるKO群の定義を、遺伝子機能として使用し、利用可能な場合、KO群の第1の名称を、遺伝子名として使用した。KEGGにおける番号により、KO群のアノテーションに従い、EC番号を、遺伝子へと割り当てた。オプションのヘルプと共に、パスウェイツールズのマニュアルに記載されている通りに、自動モードで、代謝の再構成を行って、輸送反応を自動で予測した。PGDBのための生物クラスとして、「TAX-2(細菌)」の[ドメイン(DOMAIN)]値を使用し、[コドン-テーブル(CODON-TABLE)]値を、1とした。パスウェイツールズを使用して、作成されたPGDBを集約し、比較した。作成されたPGDBは、要望に応じて、利用可能である。
【0183】
[00215]統計学的解析:ウィルコクソンランクサム検定又はマン-ホイットニー(MW)検定を使用して、アルファ多様性を、RとNRとの間で比較した。分布の三分位数に基づき、全ての患者を、高度、中程度、又は低度の多様性群へと分類した。MW検定を使用して、応答及びクラスターの両方により、分類学的存在度の、対応のある比較を行った。各レベル(門、綱、目、科、属、及び種)内で、存在度が低度であり(<0.1%)、変動が小さい(<0.001)分類群を除外した。多重比較のための補正は、アルファレベルを0.05とする偽発見率法を使用して行った。効果量は、各分類群について、U/√n[式中、Uは、MW検定のための検定統計量であり、nは、全試料サイズ(n=43)である](Fritzら、2012)と推定し、y軸におけるlog10(FDR補正p値)と、x軸における中央値補正効果量とについて、ボルカノプロットを作成した。加えて、患者はまた、腸管マイクロバイオームにおけるこれらの分類群の中央値存在度に基づき、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ又はバクテロイデス目の存在度が高度又は低度の患者としても分類した。カプラン-マイヤー推定量を、各群について推定し、ログランク検定を使用して比較した。ハザード比は、コックス比例ハザードモデルを使用して推定した。
【0184】
[00216]一般に、二値転帰変数(NRと対比したR)の間の比較のためには、MW検定を使用し、連続変数を比較するためには、スピアマン相関検定を使用した。加えて、二値変数の間で、比率を比較する場合には、フィッシャーの正確検定を使用した。仮説の検定は、必要に応じて、有意性レベルを95%とする、片側検定及び両側検定の両方を使用して行った。全ての解析は、R及びGraphPad Prism(La Jolla、CA)により行った。
【0185】
[00217]免疫組織化学:略述すると、切片(4μm厚さ)は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織から調製した。腫瘍の存在は、病理医により、ヘマトキシリン/エオシン染色スライド(H&E)において確認された。次いで、ライカボンドRXオートメイテッドスライドストレイナー(Leica Bond RX automated slide stainer)(Leica Biosystems、Buffalo Grove、IL)を使用して、スライドを、CD3(n=17)(DAKO、Santa Clara、CA、1:100)、CD8(n=21)(Thermo Scientific、Waltham、MA、1:100)、PD-1(n=16)(Abcam、Cambridge、UK、1:250)、PD-L1(n=15)(1:100、Cell Signaling、Danvers、MA)、GzmB(n=17)、RORγT(n=14)(1:800、EMD Millipore、Billerica、MA)、FoxP3(n=16)(1:50、BioLegend、San Diego、CA)について染色し、ヘマトキシリンで対比染色した。次いで、自動式アペリオスライドスキャナー(Aperio Slide Scanner)(Leica)を使用して、染色されたスライドを走査し、デフォルトの改変バージョンである「ニュークリア(Nuclear)v9」アルゴリズムを使用して、腫瘍領域における免疫浸潤物の密度を定量化し、CD3、CD8、PD-1、FoxP3、及びRORγTについては、1mm2当たりの陽性のカウントとして、PD-L1については、陽性細胞の百分率に、1~3のスケールによる、それらの強度を乗じた、1~300の間のスコアを考慮に入れる、Hスコアとしてとして表した。
【0186】
[00218]末梢血単核細胞(PBMC)に対して、フローサイトメトリーを実施した。PBMCを、CD3(UCHT1、BioLegend)、CD4(SK3、eBioscience、Thermo Scientific)、CD8(RPAT8、BD Biosciences、Mississauga、Canada)、FoxP3(PCH101、eBioscience)、CD127(HIL-7R~7M21、BD Biosciences)、CD19(HIB-19、BioLegend)、CD14(61D3、eBioscience)、HLA-DR(L243、BD Biosciences)、CD33(WM53、BD Biosciences)、CD56(NCAM1、BD Biosciences)、及びCD11b(ICRF44、BD Biosciences)で染色し、フォルテッサフローサイトメーター(Fortessa Flow Cytometer)(BD Biosciences)において、取得を実行した。解析は、フロージョーバージョン10(FlowJo version 10)(Tree Star Inc.、Ashland、OR)により実施した。
【0187】
[00219]マルチプレックス免疫組織化学:12マーカー連続マルチプレックス骨髄免疫組織化学は、既に記載されている(Tsujikawa、Cell Reports、2017)通りに実施した。略述すると、FFPE切片に、染色、走査、及び脱染の連続サイクルを施し、AECを、色原体として使用し、アペリオスライドスキャナー(Leica)で走査した。ヘマトキシリンにより、核、CD68、トリプターゼ、CSF1R、DC-SIGN、CD66b、CD83、CD163、HLA-DR、PD-L1、CD3/CD20/CD56、及びCD45について、染色及び走査した後、次いで、イメージスコープ(ImageScope)を使用して、全ての画像のCD45陽性領域を抽出し、セルプロファイラー(CellProfiler)を使用して、位置合わせし、重ね合わせ、分割し、解析及び定量化のために、FCSエクスプレス(FCS Express)を使用して、画像層を、擬似カラー処理した。
【0188】
[00220]サイトカインのマルチプレックス処理:マルチプレックスビーズアッセイ(Bio-Rad、Hercules、CA)を使用して、41の血漿サイトカインレベルを評価した。定量化されるサイトカイン、ケモカイン、及び可溶性メディエーターは、IL-1b、IL-1ra、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12(p70)、IL-13、IL-15、IL-17、エオタキシン、塩基性FGF、G-CSF、GM-CSF、IFN-g、IP-10、MIP-1a、PDGF-bb、MIP-1b、RANTES、TNF-a、VEGF、IL-2ra、HGF、TRAIL、IL-17A、IL-17F、IL-23、SDF1/CXCL12、CCL22、MCP-1/CCL2、Gro-a/CXCL1、ENA78/CXCL5、EGF、TGF-b1、TGF-b2、及びTGF-b3を含んだ。
実施例3:腸管マイクロバイオームのモジュレーションは、マウス黒色腫モデルにおける抗腫瘍応答を増強する
【0189】
[00221]次に、ヒト研究から得られた洞察を使用して、腸管マイクロバイオームをモジュレートすることにより、マウス黒色腫モデルにおける抗腫瘍応答を増強しうるという仮説について調べようとした。短鎖脂肪酸産生菌についてエンリッチする、腸管マイクロバイオームのモジュレーションが、抗腫瘍応答を増強するのかどうかを決定するために、研究を実施した。
【0190】
[00222]これらの研究では、黒色腫において見出される、一般的な駆動性突然変異(BRAF)を伴うマウス腫瘍モデルを使用した。細胞を、2つの異なる販売元(Taconic farmsと対比したJackson laboratories)から購入された、遺伝子的に同一なマウス(C57BL6)であって、それらのマイクロバイオームにおいて、著明に異なる(Taconic製マウスでは、短鎖脂肪酸産生菌がエンリッチされている)マウスへと植え込んだ。BRAF(V600E)/Pten-/-腫瘍細胞を、Taconic製マウス及びJackson製マウスへと植え込み、これらの遺伝子的に同一であるが、マイクロバイオームが異なるマウスにおける、腫瘍増殖(図33A)及び生存(図33B)の実質的な差違を観察した。興味深いことに、Taconic製マウス及びJackson製マウスの共飼育(図33C)(マウスは、正常では、食糞性であるので)又は糞便移植による腸管マイクロバイオームのモジュレーションが、これらの差違を無化したことから、腸管マイクロバイオームのモジュレーションは、BRAF突然変異体腫瘍モデルにおける腫瘍の増殖を変更しうることが示唆される。マウスは、食糞性であるので、共飼育は、個々のマイクロバイオームのいずれにも由来する、融合マイクロバイオームの出現をもたらす。16Sシーケンシングを、共飼育のTaconic製マウス及びJackson製マウスと対比した、単独飼育のTaconic製マウス及びJackson製マウスにおいて実施することから、単独飼育マウス及び共飼育マウス(図33D及び33E)における、顕著に異なるマイクロバイオームを裏付け、これらのマウスにおける腸管マイクロバイオームのモジュレーションを確認した。
【0191】
[00223]ヒト患者におけるデータに基づき、酪酸(短鎖脂肪酸)の口腔投与が、好適な腸管マイクロバイオームを促進するのに十分な基質をもたらすことにより、抗腫瘍応答を増強するのかどうかについて調べた。これらの研究では、酪酸を、Taconic製マウス及びJackson製マウスへと、経口投与した。これらの研究において、酪酸による処置は、抗腫瘍応答の増強と関連した(図33F)ことから、腸管マイクロバイオームのモジュレーションは、抗腫瘍応答を増強しうることがさらに示唆される。
【0192】
[00224]したがって、これらの研究は、全身治療を施される、転移性黒色腫を伴う患者における、口腔マイクロバイオーム及び腸管マイクロバイオームについての多様性及び組成に関する新規のデータをもたらし、免疫チェックポイントの遮断(詳細には、PD-1ベースの治療)に対する、非レスポンダーと対比したレスポンダーにおいて、示差的な細菌「署名」が存在することを裏付けるので、重要である。
実施例4:糞便微生物叢移植
【0193】
[00225]無菌(GF)マウスにおける、好適な腸管マイクロバイオームによる、糞便微生物叢移植(FMT)は、腫瘍増殖(FMT1)を低減する:「好適な」腸管マイクロバイオームと、免疫チェックポイント遮断への応答との因果連関について探索するために、無菌(GF)レシピエントマウスにおいて、糞便マイクロバイオーム移植(FMT)実験を実施した。発がん性のBRAFV600Eの発現及びPTENの欠失(BP細胞)により駆動される、十分に確立された、注入型マウス黒色腫同系モデルを使用した。第1の実験(FMT1)では、FMTが、腫瘍の増殖に影響を与えうるのかどうかを決定しようとした。GFマウス(群1つ当たりのn=3)に、強制経口投与により、抗PD-1療法に対するレスポンダー(R-FMT群)又は非レスポンダー(NR-FMT群)に由来する糞便を移植した。対照群マウスには、PBS単独を移植した。FMTの2週間後、各マウスに、BP細胞8×10個を皮下注入し、毎週2回、腫瘍の増殖を点検した(図25A)。実験中の異なる時点において、血液及び糞便ペレットを回収した。
【0194】
[00226]FMT1からの結果は、14日目までに、R-FMT群における腫瘍増殖の、抗PD-1に対するNRに由来する糞便を移植されたマウスと比較した遅延を有意に裏付けた(p=0.04、図1B)。
【0195】
[00227]次に、マルチカラー蛍光活性化細胞分取(FACS)解析を使用して、FMTの、免疫系に対する全身性の影響について探索した。R-FMTを施されるマウスが、脾臓において、NR-FMT群におけるマウスと比較して、高百分率の自然エフェクター細胞(CD45CD11bLy6Gを発現させる)、及び低頻度の抑制性骨髄細胞(CD11bCD11cを発現させる)を有したことは注目に値する(図26)。これらのデータは、自然免疫コンパートメントにおける特異的な亜集団が、GFレシピエントマウスにおける、好適な腸管微生物叢の移植により誘発される抗腫瘍応答において、役割を果たすことを示唆した。
【0196】
[00228]この結論は、FMTを施されたマウスに由来する腸管及び腫瘍の切片に対する定量的共焦点イメージングにより、さらに確認された。実際、R-FMTを施されるマウスの腫瘍は、CD45T細胞及びCD8T細胞の密度が、NR-FMTを施されるマウスより高度であった(図27A及び27C上パネル)。さらに、Rに由来するFMTは、腸管におけるCD45免疫細胞及びCD8T細胞の数を、NR-FMTと比較して、局所的に増大させた(図27B及び27C下パネル)。
【0197】
[00229]加えて、16Sシーケンシングを使用する、分類学的特徴付けは、糞便微生物叢移植(FMT)の前後における、無菌マウスの腸管マイクロバイオームの目覚ましい差違であって、バクテロイデス目分類群及びクロストリジウム目分類群が、大きく増大する差違を明らかにした。予測される通り、PBSを施された対照マウスは、それらの腸管マイクロバイオームにおいて、抗PD-1療法に対するレスポンダー(R-FMT)又は非レスポンダー(NR-FMT)に由来する糞便を施されたマウスと比較して、顕著に異なる分類群を保有した。さらに、R-FMT及びNR-FMTの腸管マイクロバイオームを施されるマウスは、移植後の時間経過にわたり、十分な安定性を維持した。
【0198】
[00230]GFマウスにおける、好適な腸管マイクロバイオームのFMTは、腫瘍の増殖を低減し、抗PD-L1療法への応答を増強する(FMT2):第2のFMT実験(FMT2)では、R患者に由来するマイクロバイオームが、黒色腫のマウスモデルに移植された場合、免疫治療への応答を増強しうるのかどうかを問うた。この問題に取り組むために、GFマウスに、強制経口投与により、抗PD-1療法に対するレスポンダー(n=2、R-FMT群)又は非レスポンダー(n=3、NR-FMT群)に由来する糞便を移植した。対照群マウス(n=2)には、PBS単独を移植した。FMTの2週間後、各マウスに、BP細胞8×10個を注入し、毎週2回、腫瘍の増殖を点検した。腫瘍の体積が、250~500mmに達したら、マウスを、腹腔内注射により投与される、抗PD-L1抗体で処置した(図28A)。
【0199】
[00231]FMT2からの結果は、14日目までに、R-FMT群における腫瘍増殖の、抗PD-1に対するNRに由来する糞便を移植されたマウスと比較した遅延を有意に裏付けた(p=0.04、図28B)。R-FMTを移植されたマウスはまた、抗PD-L1療法への、NRに由来する糞便を移植されたマウス(NR-FMT)と比較して、改善された応答も呈示した(図28C)ことが重要である。
【0200】
[00232]次に、腸管マイクロバイオームが、全身免疫応答及び抗腫瘍免疫応答に影響を与えうる機構を決定した。腫瘍及び脾臓における免疫浸潤物についてのFACS解析は、R-FMTを施されるマウスが、NR-FMT群におけるマウスと比較して、高百分率の、腫瘍に浸潤するCD45骨髄細胞を有することを裏付けた(図29A)。特に、R-FMTに由来する腫瘍免疫浸潤物では、NR-FMTと比較して、高百分率の自然エフェクター細胞(CD45CD11bLy6Gを発現させる)、及び低頻度の抑制性骨髄細胞(CD11bCD11cを発現させる)が見出された(図29B~29E)。これらのデータは、末梢レベル(FMT1で示した)及び腫瘍レベルのいずれにおいても、自然免疫コンパートメントの特異的な亜集団を、R患者に由来するFMTにより誘導される抗腫瘍応答と相関させた。
【0201】
[00233]NR-FMTマウスでは、腫瘍における、RORγTTh17細胞の頻度の増大もまた検出された(図30A及び30B)ことは、PD-1遮断に対して応答しなかった患者に由来する腫瘍においてなされる観察と符合する。さらに、NR-FMTを施されるマウスはまた、脾臓における、高レベルの調節性CD4FOXP3T細胞(図30C)及びCD4IL-17細胞(図31D)も裏付けたことから、宿主免疫応答が損なわれていることが示唆される。
【0202】
[00234]t-SNEによる次元圧縮を使用するマスサイトメトリー(CyTOF)解析を、マウスに由来する腫瘍に対して実施し、R-FMTを施されるマウスの腫瘍微小環境において、NR-FMTを施されるマウスと対比した、PD-L1の上方調節を裏付けた(図31A)ことから、「熱い」腫瘍微小環境の発生が示唆される。CyTOF解析はまた、R-FMT又は非レスポンダーであるNR-FMTでは、顕著に異なる骨髄亜集団が、腫瘍に、優先的に浸潤することも確認した(図31B)。
【0203】
[00235]FMT2実験による糞便ペレットの、縦断的サンプリング及びマイクロバイオーム特徴付けは、腸管マイクロバイオームにおける、時間経過にわたる相対的安定性を伴い、FMT1と同様の結果を示した。
【0204】
[00236]FMTの生着後の無菌マウスにおける、マイクロバイオームの安定性:PD-1遮断に応答しなかった患者と対比した、PD-1遮断に応答した患者に由来する糞便を施された無菌マウスから回収された、縦断的な糞便ペレットに対して、16Sシーケンシングを実施した。目レベルにおける系統分類群の検討、及びベースラインペレットの、FMT完了の2週間後に回収されたペレットとの比較は、生着の成功を明らかにした。さらに、存在度が最も高度である目の、時間経過にわたる存続は、生着したマイクロバイオームが、全実験を通して、安定的であることを示唆した。
【0205】
[00237]R-FMTマウスフローラ内の、ある特定の細菌が、腫瘍の増殖を緩徐化させる一助となり、NR-FMTマウスフローラ内の、ある特定の細菌が、腫瘍の増殖を刺激する一助となるという仮説に基づき、本発明者らは、R-FMTマウス又はNR-FMTマウスだけに存在するOTU(又は対照マウスから逸失してもいるOTU)を比較した。これらは、2つのFMT実験の各群からの代表的マウスにおいて行った。本発明者らまた、いずれのFMT実験においても、一貫した移入結果を示すOTUについても検討した。この解析は、アセタネロバクテリウム・エロンガツム、アリスチペス・チモネンシス、アネロコルムナ・ジェジュエンシス、アネロコルムナ・キシラノボランス(Anaerocolumna xylanovorans)、バクテロイデス・フラジリス、バクテロイデス・ノルディイ(Bacteroides nordii)、バクテロイデス・ステルコリス(Bacteroides stercoris)、ブラウティア・フェシス、ブラウティア・グルセラセア、ブラウティア・ハンセニイ、ブラウティア・オベウム、ブラウティア・シンキイ(Blautia schinkii)、カプロイシプロヅセンス・ガラクチトリボランス(Caproiciproducens galactitolivorans)、クリステンセネラ・ミヌタ、クロストリジウム・アルデネンセ、クロストリジウム・アルカリセルロシ、クロストリジウム・アミグダリヌム、クロストリジウム・オロチクム、クロストリジウム・ポリサッカロリティクム(Clostridium polysaccharolyticum)、クロストリジウム・キシラノリティクム、コプロバチルス・カテニフォルミス(Coprobacillus cateniformis)、エメルゲンシア・チモネンシス、エウバクテリウム・ハリイ、エクスティバクター・ムリス、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、イフバクター・マシリエンシス、ネグレクタ・チモネンシス、ノビバチルス・テルモフィルス、オシリバクター・ルミナンティウム、パピリバクター・シナミボランス、パラバクテロイデス・ジョンソニイ(Parabacteroides johnsonii)、パラスポロバクテリウム・パウシボランス、ペプトコッカス・ニガー、シュードフラボニフラクター・カピロスス、ロビンソニエラ・ペオリエンシス、ルミノコッカス・ゴブロイイ、ルミノコッカス・グナブス、ルミノコッカス・トルケス、及びスラキア・ピリフォルミスとして分類されたOTUが、いずれの実験でも、R-FMTマウスだけで見出されることを明らかにした。
【0206】
[00238]無菌GFマウスにおける、異なるRドナー及びNRドナーに由来するFMTは、Rの微生物叢と、腫瘍増殖の低減との連関を確認する(FMT3)。「好適な」腸管マイクロバイオームは、GFマウスに移植されると、腫瘍の増殖を抑制するという知見を検証するために、異なるR患者及びNR患者に由来する糞便を使用して、FMT1と同様の実験を実施した。この第3の実験(FMT3では)、GFマウスに、強制経口投与により、抗PD-1療法に対する、1例のレスポンダー(n=1、R-FMT群)、又は1例の非レスポンダー(n=1、NR-FMT群)に由来する糞便を移植した。対照群マウスには、PBS単独を移植した(n=3、対照群)。FMTの2週間後、各マウスに、BP細胞2.5×10個を皮下注入し、毎週2回、腫瘍の増殖を点検した(図32A)。実験中の異なる時点において、血液及び糞便ペレットを回収した。
【0207】
[00239]FMT3からの結果は、14日目までに、R-FMT群における腫瘍増殖の、抗PD-1に対するNRに由来する糞便を移植されたマウスと比較した遅延を有意にした(図32B)。この差違は、時間経過にわたり、終了時まで維持された(図32C)ことが重要である。
実施例5:糞便微生物叢移植の方法
【0208】
[00240]糞便微生物叢移植(FMT):全ての動物研究は、MD Anderson Cancer CenterにおけるAnimal Care and Use Committee、UTにより承認され、Guide for Care and Use of Laboratory Animalsに準拠した。マウス研究のためのB6無菌マウスは、Baylor College of Medicine(Houston)のノトバイオート施設から購入した。全てのマウスは、オートクレーブ処理した専用ケージで輸送し、MD Anderson Cancer Centerのマウス施設で飼育した。全てのケージ、止栓を伴うボトル、及び動物の飲用水は、使用の前にオートクレーブ処理した。飼料及び寝床は、2回にわたり照射し、実験において使用する前に、無菌性を確認するように調べた。各処置類別内で、対照群のマウスには、あらかじめ還元されたPBSだけを施した。実験群からの他の全てのマウスには、Rドナー又はNRドナーに由来するFMTを施し、各ドナー試料を、1匹、2匹、又は3匹のマウスへと送達した。100μmのストレーナーを使用して、1μl当たり0.1gのヒト糞便懸濁液から、200μlの清明化上清を得、1週間、3回にわたり、マウスへと強制経口投与するのに続き、1週間の休止期間を与えて、マイクロバイオームの確立を可能とした。次いで、マウスに、BP同系腫瘍細胞株を注入し(14日目)、腫瘍が、約250~500mmに達したら、動物を、抗PD-L1モノクローナル抗体(精製された、低内毒素濃度の、機能的製剤であるB7-H1、CD274、Leinco Technologies Inc.)で処置した。腫瘍の増殖/生存を評価した。糞便検体、血液、脾臓、及び腫瘍を、摘出し、さらなる解析のために加工した。
【0209】
[00241]マウスの腫瘍及び脾臓についてのフローサイトメトリー:腫瘍を、単離し、小片へとみじん切りにし、コラゲナーゼA(2mg/mL;Roche、型番11088793001)及びDNアーゼI(DNase I)(40単位/mL;Sigma-Aldrich、型番D5025)を含有するRPMIにおいて、37℃で、攪拌しながら、1時間にわたり消化した。細胞懸濁液を、細胞ストレーナーに通し、1L当たり2ミリモルのEDTAを補充した、2%のRPMIにおいて洗浄し、FACS緩衝液(2mMのEDTAを補充した、2%の熱不活化FBSを含有するPBS)に再懸濁させた。脾臓を、FACS緩衝液において破砕し、ACK緩衝液(Gibco)における、室温で、2分間にわたるインキュベーションにより、赤血球を溶解させた。次いで、ペレットを、洗浄し、FACS緩衝液に再懸濁させた。細胞表面マーカーについての解析のために、以下の抗体:CD45(30-F11、BD Biosciences)、CD11b(M1/70、eBioscience)、CD11c(HL3、BD Pharmigen)、Ly6G(RB6~8C5、eBioscience)、Ly6C(AL-21、BD Bioscience)、F4/80(BM8、eBioscience)を使用した。細胞を、リブ/デッドビアビリティーステイン(LIVE/DEAD viability stain)(Life Technologies)で標識し、試料を、LSRフォルテッサX20フローサイトメトリー(LSR Fortessa X20 flow cytometry)(BD)において回収した。二重項は、FSC面積を、FSCの高さと対比してプロットすることにより、弁別し、除外し、データは、フロージョーソフトウェア(Tree Star)を使用して解析した。
【0210】
[00242]FFPE試料についての免疫蛍光法:まず異種移植腫瘍、マウスの腸管及び脾臓を採取し、10%の緩衝ホルマリンにおいて固定し(室温で、4時間にわたり)、次いで、70%エタノールへと切り替え、4℃で保存した。組織を、パラフィンに包埋し、5μmの切片を、正に帯電させたスライドにマウントした。組織を脱パラフィン処理し、電子レンジを使用して、pH6.0のクエン酸緩衝液(Dako)において、抗原賦活化を実施した。切片を、ブロッキング緩衝液(PBSに5%のヤギ血清/0.3%のBSA/0.01%のトリトン(Triton))においてブロッキングするのに続き、4℃で一晩にわたり、一次抗体によるインキュベーションを行った。切片を洗浄し、次いで、アレクサ(Alexa)コンジュゲート二次抗体(1:500、Molecular Probes)と共に、室温で、1時間にわたりインキュベートした。カバースリップを、PBS/0.01%のトリトンにおいて、3回に渡り洗浄し、次いで、ヘキスト(Hoechst)染料(1:5000、Invitrogen)において、室温で、15分間にわたりインキュベートした。PBSにおける3回にわたる洗浄の後、試料を、プロログダイアモンドマウンティングメディア(ProLog Diamond mounting media)(Molecular Probe)にマウントした。4つの固体レーザーシステム及び20倍の対物レンズを装備したNikon A1R+共焦点顕微鏡を使用して、画像を捕捉した。
【0211】
[00243]CyTOF:腫瘍を、手作業で解離させ、リベラーゼTL(Roche)及びDNアーゼIを使用して、37℃で、30分間にわたり消化し、70μmのメッシュフィルターに通した。次いで、ヒストパック1119(Histopaque 1119)(Sigma-Aldrich)及びRMPI培地による不連続勾配を使用して、試料を遠心分離した。最大で、試料1例当たりの細胞2.5×10個の単一細胞懸濁液のFc受容体をブロッキングし、表面抗体混合物により、4℃で30分間にわたり染色した。金属コンジュゲート抗体を、Fluidigmから購入するか、又は製造元のプロトコール(Fluidigm)に従い、X8ポリマー抗体標識化キットを使用して、コンジュゲートさせた。2.5μMの194Pt-シスプラチン(Fluidigm)を使用して、1分間にわたり、試料を染色し、2%のFCS PBSで、2回にわたり洗浄した。製造元のプロトコール(Fluidigm)に従い、パラジウム質量タグバーコード処理法を使用して、細胞をバーコード処理し、2%のFCS PBSによる、2回にわたる洗浄の後で組み合わせた。次いで、細胞を、製造元のプロトコール(eBioscience)に従い、FoxP3転写因子染色キットを使用して、固定し、透過処理した。次いで、細胞内標的に対する抗体の混合物を使用して、試料を、室温で、30分間にわたり染色した。試料を、2%のFCS PBSにより、2回にわたり洗浄し、次いで、1.6%のPFA/100nMのイリジウム/PBS溶液において、一晩にわたりインキュベートしてから、ヘリオスマスサイトメーター(Helios mass cytometer)(Fluidigm)を使用して取得した。
【0212】
[00244]マスサイトメトリーデータは、ビーズで正規化し、Fluidigm製のソフトウェアを使用して、脱バーコード処理した。フロージョーを使用して全生存CD45+細胞に、手作業でゲートをかけた。マットラブ(Matlab)におけるCytパッケージを使用して、全生存CD45+細胞に対するt-SNE解析を実施した。係数4を使用して、データを、逆双曲線関数変換し、試料1例当たりのイベント数50,000へと、ランダムにダウンサンプリングしてから、t-SNE解析にかけた。次いで、各群に由来する試料を融合し、各処置群に由来する、等しい数の、ランダムにダウンサンプリングされたイベント(50,000)を表示することにより、各実験群についてのt-SNEプロットを作成した。
【0213】
[00245]
【表11】

【0214】
[00246]本明細書において開示され、特許請求される方法の全ては、本開示に照らして、不要な実験を伴わずに、実行することができる。本発明の組成物及び方法について、好ましい実施形態との関係で記載してきたが、当業者には、本発明の概念、精神、及び範囲から逸脱しない限りにおいて、本明細書において記載される方法、並びに方法のステップ又はステップの連鎖に、変動を適用しうることが明らかであろう。より詳細に述べると、同じ結果又は同様の結果を達成しながら、化学的にも、生理学的にも類縁である、ある特定の薬剤で、本明細書で記載される薬剤を代用しうることが明白であろう。当業者に明白な、全てのこのような同様の代用及び改変は、付属の特許請求の範囲により規定される、本発明の精神、範囲、及び概念の中にあるものと考えられる。
参考文献
以下の参考文献は、本明細書で明示される詳細に対して補完的である、例示的な手順上の詳細又は他の詳細を提供する程度において、参照により詳細に本明細書に組み込まれる。
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【0215】
[00247]本発明は、以下の態様であってもよい。
1.
ルミノコッカス科(Ruminococcaceae)、クロストリジウム科(Clostridiaceae)、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)、ミクロコッカス科(Micrococcaceae)、及び/又はベイロネラ科(Veillonellaceae)のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物。
2.
ルミノコッカス科、クロストリジウム科、ラクノスピラ科、ミクロコッカス科、及び/又はベイロネラ科のうちの1又は複数に属する、少なくとも2つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物。
3.
前記細菌の集団の各々が、前記組成物において、少なくとも10CFUの濃度で存在する、項目1又は2に記載の組成物。
4.
生菌製品又は生バイオセラピューティック製品である、項目1又は2に記載の組成物。
5.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、細菌の胞子として供給されている、項目1又は2に記載の組成物。
6.
前記少なくとも1つの細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、クロストリジウム目(Clostridiales)第XII科及び/又はクロストリジウム目第XIII科に属する、項目1又は2に記載の組成物。
7.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、ルミノコッカス科及び/又はクロストリジウム科に属する、項目1又は2に記載の組成物。
8.
ルミノコッカス科に属する前記細菌の集団が、ルミノコッカス属(Ruminococcus)に属する細菌の集団として、さらに規定される、項目1又は2に記載の組成物。
9.
ルミノコッカス属に属する前記細菌の集団が、ルミノコッカス・ブロミイ種(Ruminococcus bromii)に属する細菌の集団として、さらに規定される、項目8に記載の組成物。
10.
ルミノコッカス科に属する前記細菌の集団が、フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)に属する細菌の集団として、さらに規定される、項目1又は2に記載の組成物。
11.
フィーカリバクテリウム属に属する前記細菌の集団が、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ種(Faecalibacterium prausnitzii)に属する細菌の集団として、さらに規定される、項目10に記載の組成物。
12.
ミクロコッカス科に属する前記細菌の集団が、ロチア属(Rothia)に属する細菌の集団として、さらに規定される、項目1又は2に記載の組成物。
13.
ポルフィロモナス・パステリ種(Porphyromonas pasteri)、クロストリジウム・フンガテイ種(Clostridium hungatei)、ファスコラークトバクテリウム・フェシウム種(Phascolarctobacterium faecium)、ペプトニフィルス属(Peptoniphilus)、及び/又はモリクテス綱(Mollicutes)に属する細菌の集団をさらに含む、項目1又は2に記載の組成物。
14.
バクテロイデス目(Bacteroidales)に属する細菌の集団を本質的に含まない、項目1又は2に記載の組成物。
15.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、エンリッチメントインデックス(ei)が0.5を超える、表1における種からなる群から選択される種、亜種、又は細菌株のうちの1又は複数に属する、項目1又は2に記載の組成物。
16.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、「ei」が1と等しい、表1における種からなる群から選択される、項目1又は2に記載の組成物。
17.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、NCBIタクソノミーID(NCBI Taxonomy ID):717959、587、758823、649756、44749、671218、1264、1122135、853、484018、46503、54565、290052、216931、575978、433321、1796646、213810、228924、290054、1509、1462919、29375、337097、1298596、487174、642492、1735、1297424、742766、46680、132925、411467、1318465、1852367、1841857、169679、1175296、259063、172901、39488、57172、28118、166486、28133、1529、694434、1007096、84030、56774、102148、626947、216933、1348613、1472417、100176、824、1471761、1297617、288966、1317125、28197、358743、264639、1265、1335、66219、69473、115117、341220、1732、873513、396504、1796619、45851、2741、105841、86332、1349822、84037、180311、54291、1217282、762984、1185412、154046、663278、1543、398512、69825、1841867、1535、1510、84026、1502、1619234、39497、1544、29343、649762、332095、536633、1033731、574930、742818、177412、1121308、419208、1673717、55779、28117、626937、180332、1776382、40519、34062、40518、74426、1216062、293826、850、645466、474960、36835、115544、1515、88431、216932、1417852、39492、1583、420247、118967、169435、37658、138595、31971、100886、1197717、234908、537007、319644、168384、915173、95159、1816678、626940、501571、1796620、888727、1147123、376806、1274356、1267、39495、404403、1348、253314、258515、33033、1118061、357276、214851、320502、217731、246787、29371、649764、901、29374、33043、39778、682400、871665、160404、745368、408、1584、333367、47246、1096246、53342、438033、351091、1796622、1776384、817、48256、720554、500632、36849、301302、879970、655811、264463、1532、285、995、242750、29539、1432052、622312、1796636、1337051、328814、28446、1492、820、39496、52786、1549、1796618、582、46507、109327、1531、1382、33039、311460、230143、216935、539、35519、1681、328813、214853、89014、1121115、1585974、29466、1363、292800、270498、214856、142877、133926、209880、179628、1121102、105612、1796615、39777、29353、1579、163665、53443、261299、1302、1150298、938289、358742、471875、938278、1796613、1118057、1077144、1737、218205、1121298、684066、433659、52699、204516、706562、253257、328812、1280、147802、58134、1335613、891、585394、1582、235931、308994、1589、1682、1736、28129、178001、551788、2051、856、118562、101070、515619、40215、187979、82979、29363、1776391、1285191、84112、157688、38304、36850、341694、287、75612、818、371674、338188、88164、588581、676965、546271、1236512、178338、862517、157687、158、51048、1583331、529、888745、394340、40545、855、553973、938293、93063、708634、179995、1351、476652、1464038、555088、237576、879566、1852371、742727、1377、35830、997353、218538、83771、1605、28111、131109、46609、690567、46206、155615、51616、40542、203、294、1034346、156456、80866、554406、796942、1002367、29347、796944、61592、487175、1050201、762948、137732、1211819、1019、272548、1717、384636、216940、2087、45634、466107、1689、47678、575、979627、840、1660、1236517、617123、546、28135、82171、483、501496、99656、1379、84032、39483、1107316、584、28124、1033744、657309、536441、76123、1118060、89152、76122、303、1541、507751、515620、38302、53419、726、40324、1796610、988946、1852370、1017、1168289、76936、94869、1161098、215580、1125779、327575、549、1450648及び478からなる群から選択されるNCBIタクソノミーIDにより同定される、細菌の16S rRNAヌクレオチド配列と少なくとも90%同一な、16SリボソームRNA(rRNA)ヌクレオチド配列を含む、項目1又は2に記載の組成物。
18.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、配列番号1~876の配列と少なくとも80%同一な、16S rRNA遺伝子配列を含む種、亜種、又は細菌株である、項目1又は2に記載の組成物。
19.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、バクテロイデス・コアグランス(Bacteroides coagulans)、クロストリジウム・アルデネンセ(Clostridium aldenense)、クロストリジウム・アルドリチイ(Clostridium aldrichii)、クロストリジウム・アルカリセルロシ(Clostridium alkalicellulosi)、クロストリジウム・アミグダリヌム(Clostridium amygdalinum)、クロストリジウム・アスパラギフォルメ(Clostridium asparagiforme)、クロストリジウム・セルロシ(Clostridium icellulosi)、クロストリジウム・シトロニエ(Clostridium citroniae)、クロストリジウム・クラリフラブム(Clostridium clariflavum)DSM 19732、クロストリジウム・クロストリジオフォルメ(Clostridium clostridioforme)、クロストリジウム・コリヌム(Clostridium colinum)、クロストリジウム・フィメタリウム(Clostridium fimetarium)、クロストリジウム・ヒラノニス(Clostridium hiranonis)、クロストリジウム・フンガテイ、クロストリジウム・ヒレモネ(Clostridium hylemonae)DSM 15053、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、クロストリジウム・ラクタチフェルメンタンス(Clostridium lactatifermentans)、クロストリジウム・レプツム(Clostridium leptum)、クロストリジウム・メチルペントスム(Clostridium methylpentosum)、クロストリジウム・オロチクム(Clostridium oroticum)、クロストリジウム・パピロソルベンス(Clostridium papyrosolvens)DSM 2782、クロストリジウム・ポプレティー(Clostridium populeti)、クロストリジウム・プロピオニクム(Clostridium propionicum)、クロストリジウム・サッカロリティクム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・スキンデンス(Clostridium scindens)、クロストリジウム・スポロスフェロイデス(Clostridium sporosphaeroides)、クロストリジウム・ステルコラリウム(Clostridium stercorarium)、クロストリジウム・ストラミニソルベンス(Clostridium straminisolvens)、クロストリジウム・スフラブム(Clostridium sufflavum)、クロストリジウム・テルミチジス(Clostridium termitidis)、クロストリジウム・テルモスクシノゲネス(Clostridium thermosuccinogenes)、クロストリジウム・ビリデ(Clostridium viride)、クロストリジウム・キシラノリティクム(Clostridium xylanolyticum)、デスルフォトマクルム・ガットイデウム(Desulfotomaculum guttoideum)、エウバクテリウム・レクタレ(Eubacterium rectale)ATCC 33656、エウバクテリウム・ドリクム(Eubacterium dolichum)、エウバクテリウム・エリゲンス(Eubacterium eligens)ATCC 27750、エウバクテリウム・ハリイ(Eubacterium hallii)、エウバクテリウム・インフィルムム(Eubacterium infirmum)、エウバクテリウム・シレウム(Eubacterium siraeum)、エウバクテリウム・テヌエ(Eubacterium tenue)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、アセタネロバクテリウム・エロンガツム(Acetanaerobacterium elongatum)、アセタチファクター・ムリス(Acetatifactor muris)、アセチビブリオ・セルロリティクス(Acetivibrio cellulolyticus)、アセチビブリオ・エタノールギグネンス(Acetivibrio ethanolgignens)、アコレプラズマ・ブラシセ(Acholeplasma brassicae)0502、アコレプラズマ・パルブム(Acholeplasma parvum)、アコレプラズマ・ビツリ(Acholeplasma vituli)、アシネトバクター・ユニイ(Acinetobacter junii)、アクチノバチルス・ポルシヌス(Actinobacillus porcinus)、アクチノミセス・ボウデニイ(Actinomyces bowdenii)、アクチノミセス・デンタリス(Actinomyces dentalis)、アクチノミセス・オドントリティクス(Actinomyces odontolyticus)、アクタリバクター・ムリス(Acutalibacter muris)、アエロコッカス・ビリダンス(Aerococcus viridans)、アエロミクロビウム・ファスチジオスム(Aeromicrobium fastidiosum)、アリスチペス・フィネゴルジイ(Alistipes finegoldii)、アリスチペス・オベシ(Alistipes obesi)、アリスチペス・オンデルドンキイ(Alistipes onderdonkii)、アリスチペス・プトレジニス(Alistipes putredinis)、アリスチペス・シャヒイ(Alistipes shahii)、アリスチペス・シャヒイWAL 8301、アリスチペス・チモネンシス(Alistipes timonensis)JC136、アルカリバクター・サッカロフェルメンタンス(Alkalibacter saccharofermentans)、アルカリフィルス・メタリレディゲンス(Alkaliphilus mentalliredigens)QYMF、アリソネラ・ヒスタミニフォルマンス(Allisonella histaminiformans)、アロバクルム・ステルコリカニス(Allobaculum stercoricanis)DSM 13633、アロプレボテラ・ラバ(Alloprevotella rava)、アロプレボテラ・タネレ(Alloprevotella tannerae)、アネロバクテリウム・カルチソルベンス(Anaerobacterium chartisolvens)、アネロビオスピリルム・トマシイ(Anaerobiospirillum thomasii)、アネロビウム・アセテチリクム(Anaerobium acetethylicum)、アネロコッカス・オクタビウス(Anaerococcus octavius)NCTC 9810、アネロコッカス・プロベンシエンシス(Anaerococcus provenciensis)、アネロコッカス・バギナリス(Anaerococcus vaginalis)ATCC 51170、アネロコルムナ・ジェジュエンシス(Anaerocolumna jejuensis)、アネロフィルム・アジレ(Anaerofilum agile)、アネロフスチス・ステルコリホミニス(Anaerofustis stercorihominis)、アネログロブス・ゲミナツス(Anaeroglobus geminatus)、アネロマシリバチルス・セネガレンシス(Anaeromassilibacillus senegalensis)、アネロプラズマ・アバクトクラスチクム(Anaeroplasma abactoclasticum)、アネロハブヅス・フルコサ(Anaerorhabdus furcosa)、アネロスポロバクター・モビリス(Anaerosporobacter mobilis)、アネロスチペス・ブチラティクス(Anaerostipes butyraticus)、アネロスチペス・カッセ(Anaerostipes caccae)、アネロスチペス・ハヅルス(Anaerostipes hadrus)、アネロトルンクス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アネロボラクス・オドリムタンス(Anaerovorax odorimutans)、アノキシバチルス・ルピエンシス(Anoxybacillus rupiensis)、アクアバクテリウム・リムノティクム(Aquabacterium limnoticum)、アクロバクター・ブツレリ(Arcobacter butzleri)、アルトロスピラ・プラテンシス(Arthrospira platensis)、アサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)、アトポビウム・パルブルム(Atopobium parvulum)、バクテロイデス・カッセ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・セシムリス(Bacteroides caecimuris)、バクテロイデス・セルロシリティクス(Bacteroides cellulosilyticus)、バクテロイデス・クラルス(Bacteroides clarus)YIT 12056、バクテロイデス・ドレイ(Bacteroides dorei)、バクテロイデス・エゲルティイ(Bacteroides eggerthii)、バクテロイデス・フィネゴルジイ(Bacteroides finegoldii)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ガリナルム(Bacteroides gallinarum)、バクテロイデス・マシリエンシス(Bacteroides massiliensis)、バクテロイデス・オレシプレヌス(Bacteroides oleiciplenus)YIT 12058、バクテロイデス・プレベイウス(Bacteroides plebeius)DSM 17135、バクテロイデス・ロデンティクム(Bacteroides rodentium)JCM 16496、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス・ウニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・キシラニソルベンス(Bacteroides xylanisolvens)XB1A、バクテロイデス・キシラノリティクス(Bacteroides xylanolyticus)、バルネシエラ・インテスティニホミニス(Barnesiella intestinihominis)、ベヅイニ・マシリエンシス(Beduini massiliensis)、ビフィドバクテリウム・ビフィヅム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・デンティウム(Bifidobacterium dentium)、ビフィドバクテリウム・ロングム・インファンティス亜種(Bifidobacterium longum subsp.infantis)、ブラウティア・セシムリス(Blautia caecimuris)、ブラウティア・ココイデス(Blautia coccoides)、ブラウティア・フェシス(Blautia faecis)、ブラウティア・グルセラセア(Blautia glucerasea)、ブラウティア・ハンセニイ(Blautia hansenii)DSM 20583、ブラウティア・ヒドロゲノトロフィカ(Blautia hydrogenotrophica)、ブラウティア・ルティ(Blautia luti)、ブラウティア・ル
ティDSM 14534、ブラウティア・ウェクスレレ(Blautia wexlerae)DSM 19850、ブドビシア・アクアティカ(Budvicia aquatica)、ブチリシコッカス・プリセコルム(Butyricicoccus pullicaecorum)、ブチリシモナス・パラビロサ(Butyricimonas paravirosa)、ブチリビブリオ・クロッソツス(Butyrivibrio crossotus)、カルジコプロバクター・オーシマイ(Caldicoprobacter oshimai)、カロラマター・コールハーシイ(Caloramator coolhaasii)、カロラマター・プロテオクラスティクス(Caloramator proteoclasticus)、カロラマター・キムベイエンシス(Caloramator quimbayensis)、カンピロバクター・グラシリス(Campylobacter gracilis)、カンピロバクター・レクツス(Campylobacter rectus)、カンピロバクター・ウレオリティクス(Campylobacter ureolyticus)DSM 20703、カプノサイトファーガ・ギンギバリス(Capnocytophaga gingivalis)、カプノサイトファーガ・レッドベテリ(Capnocytophaga leadbetteri)、カプノサイトファーガ・スプチゲナ(Capnocytophaga sputigena)、カサルテラ・マシリエンシス(Casaltella massiliensis)、カタバクター・ホンコンゲンシス(Catabacter hongkongensis)、カテニバクテリウム・ミツオカイ(Catenibacterium mitsuokai)、クリステンセネラ・ミヌタ(Christensenella minuta)、クリステンセネラ・チモネンシス(Christensenella timonensis)、クリセオバクテリウム・タクリマカネンセ(Chryseobacterium taklimakanense)、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、クロアシバチルス・ポルコルム(Cloacibacillus porcorum)、クロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)ATCC 9689=DSM 1296、クロストリジウム・アミロリティクム(Clostridium amylolyticum)、クロストリジウム・ボウマニイ(Clostridium bowmanii)、クロストリジウム・ブチリクム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・カダベリス(Clostridium cadaveris)、クロストリジウム・コリカニス(Clostridium colicanis)、クロストリジウム・ガシゲネス(Clostridium gasigenes)、クロストリジウム・レントセルム(Clostridium lentocellum)DSM 5427、クロストリジウム・オセアニクム(Clostridium oceanicum)、クロストリジウム・オリゼ(Clostridium oryzae)、クロストリジウム・パラプトリフィクム(Clostridium paraputrificum)、クロストリジウム・パスクイ(Clostridium pascui)、クロストリジウム・ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・クイニイ(Clostridium quinii)、クロストリジウム・サッカロブチリクム(Clostridium saccharobuthylicum)、クロストリジウム・スポロゲネス(Clostridium sporogenes)、クロストリジウム・ベントリクリ(Clostridium ventriculi)、コリンセラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、コマモナス・テストステロニ(Comamonas testosteroni)、コプロバクター・ファスティディオスス(Coprobacter fastidiosus)NSB1、コプロコッカス・エウタクタス(Coprococcus eutactus)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム・ヅルム(Corynebacterium durum)、コリネバクテリウム・ミセトイデス(Corynebacterium mycetoides)、コリネバクテリウム・ピルビシプロヅセンス(Corynebacterium pyruviciproducens)ATCC BAA-1742、コリネバクテリウム・ツベルクロステアリクム(Corynebacterium tuberculostearicum)、クルツロミカ・マシリエンシス(Culturomica massiliensis)、クネアチバクター・セシムリス(Cuneatibacter caecimuris)、デフルビイタレア・サッカロフィラ(Defluviitalea saccharophila)、デルフィチア・アシドボランス(Delftia acidovorans)、デスルフィトバクテリウム・クロロレスピランス(Desulfitobacterium chlororespirans)、デスルフィトバクテリウム・メタリレヅセンス(Desulfitobacterium metallireducens)、デスルフォスポロシヌス・アシジヅランス(Desulfosporosinus acididurans)、デスルフォトマクルム・ハロフィルム(Desulfotomaculum halophilum)、デスルフォトマクルム・イントリカツム(Desulfotomaculum intricatum)、デスルフォトマクルム・トンゲンセ(Desulfotomaculum tongense)、デスルフォビブリオ・デスルフリカンス・デスルフリカンス亜種(Desulfovibrio desulfuricans subsp.desulfuricans)、デスルフォビブリオ・アイダホネンシス(Desulfovibrio idahonensis)、デスルフォビブリオ・リトラリス(Desulfovibrio litoralis)、デスルフォビブリオ・ピゲル(Desulfovibrio piger)、デスルフォビブリオ・シンプレクス(Desulfovibrio simplex)、デスルフォビブリオ・ゾステレ(Desulfovibrio zosterae)、デスルフロモナス・アセトキシダンス(Desulfuromonas acetoxidans)、デチオバクター・アルカリフィルス(Dethiobacter alkaliphilus)AHT 1、デチオスルファチバクター・アミノボランス(Dethiosulfatibacter aminovorans)、ジアリスター・インビスス(Dialister invisus)、ジアリスター・プロピオニシファシエンス(Dialister propionicifaciens)、ジエルマ・ファスチジオサ(Dielma fastidiosa)、ジエツィア・アリメンタリア(Dietzia alimentaria)72、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)、ジスゴノモナス・ガデイ(Dysgonomonas gadei)ATCC BAA-286、ジスゴノモナス・モッシイ(Dysgonomonas mossii)、エガセラ・レンタ(Eggerthella lenta)、エイケネラ・コロンデンス(Eikenella corrodens)、アイゼンバーギエラ・タイイ(Eisenbergiella tayi)、エメルゲンシア・チモネンシス(Emergencia timonensis)、エノルマ・マシリエンシス(Enorma massiliensis)phI、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロラブヅス・ムリス(Enterorhabdus muris)、エタノリゲネンス・ハルビネンセ(Ethanoligenens harbinense)YUAN-3、エウバクテリウム・コプロスタノリゲネス(Eubacterium coprostanoligenes)、エウバクテリウム・リモスム(Eubacterium limosum)、エウバクテリウム・オキシドレヅセンス(Eubacterium oxidoreducens)、エウバクテリウム・スルシ(Eubacterium sulci)ATCC 35585、エウバクテリウム・ウニフォルメ(Eubacterium uniforme)、エウバクテリウム・ベントリオスム(Eubacterium ventriosum)、エウバクテリウム・キシラノフィルム(Eubacterium xylanophilum)、エクスティバクター・ムリス(Extibacter muris)、エザキエラ・ペルエンシス(Ezakiella peruensis)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、フェカリコッカス・アシドフォルマンス(Faecalicoccus acidiformans)、フェカリタレア・シリンドロイデス(Faecalitalea cylindroides)、フィリファクター・ビロスス(Filifactor villosus)、フラボニフラクター・プラウティイ(Flavonifractor plautii)、フリンチバクター・ブチリクス(Flintibacter butyricus)、フリシンギコッカス・セシムリス(Frisingicoccus caecimuris)、フコフィルス・フコイダノリティクス(Fucophilus fucoidanolyticus)、フシカテニバクター・サッカリボランス(Fusicatenibacter saccharivorans)、フソバクテリウム・モルティフェルム(Fusobacterium mortiferum)、フソバクテリウム・ヌクレアツム・ビンセンティイ亜種(Fusobacterium nucleatum subsp.vincentii)、フソバクテリウム・シミエ(Fusobacterium simiae)、フソバクテリウム・バリウム(Fusobacterium varium)、ガルシエラ・ニトラチレヅセンス(Garciella nitratireducens)、ゲメラ・ヘモリサンス(Gemella haemolysans)、ゲミガー・フォルミシリス(Gemmiger formicilis)、ゴルドニバクター・ウロリシンファシエンス(Gordonibacter urolithinfaciens)、グラシリバクター・テルモトレランス(Gracilibacter thermotolerans)JW/YJL-S1、グラヌリカテラ・エレガンス(Granulicatella elegans)、グッゲンハイメラ・ボビス(Guggenheimella bovis)、ヘモフィルス・ヘモリティクス(Haemophilus haemolyticus)、ヘリコバクター・チフロニウス(Helicobacter typhlonius)、ヘスペリア・ステルコリスイス(Hespellia stercorisuis)、ホルデマネラ・ビフォルミス、ホルデマニア・マシリエンシス(Holdemania massiliensis)AP2、ハワーデラ・ウレイリティカ(Howardella ureilytica)、フンガテラ・エフルビイ(Hungatella effluvii)、フンガテラ・ハセワイイ(Hungatella hathewayi)、ヒドロゲノアネロバクテリウム・サッカロボランス(Hydrogenoanaerobacterium saccharovorans)、イフバクター・マシリエン
シス(Ihubacter massiliensis)、インテスティニバクター・バルトレッティ(Intestinibacter bartlettii)、インテスティニモナス・ブチリシプロヅセンス(Intestinimonas butyriciproducens)、イレグラリバクター・ムリス(Irregularibacter muris)、キロニエラ・ラミナリエ(Kiloniella laminariae)DSM 19542、クロッペンステディア・グアンチョウエンシス(Kroppenstedtia guangzhouensis)、ラクノアネロバクルム・オラーレ(Lachnoanaerobaculum orale)、ラクノアネロバクルム・ウメエンセ(Lachnoanaerobaculum umeaense)、ラクノクロストリジウム・フィトフェルメンタンス(Lachnoclostridium phytofermentans)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アルギヅス(Lactobacillus algidus)、ラクトバチルス・アニマリス(Lactobacillus animalis)、ラクトバチルス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・フォルニカリス(Lactobacillus fornicalis)、ラクトバチルス・イネルス(Lactobacillus iners)、ラクトバチルス・ペントスス(Lactobacillus pentosus)、ラクトバチルス・ロゴセ(Lactobacillus rogosae)、ラクトコッカス・ガルビエエ(Lactococcus garvieae)、ラクトニファクター・ロンゴビフォルミス(Lactonifactor longoviformis)、レプトトリキア・ブッカリス(Leptotrichia buccalis)、レプトトリキア・ホフスタディイ(Leptotrichia hofstadii)、レプトトリキア・ホンコンゲンシス(Leptotrichia hongkongensis)、レプトトリキア・ワデイ(Leptotrichia wadei)、レウコノストック・インヘ(Leuconostoc inhae)、レビエラ・マシリエンシス(Levyella massiliensis)、ロリエロプシス・カベルニコラ(Loriellopsis cavernicola)、ルチスポラ・テルモフィラ(Lutispora thermophila)、マリニラビリア・サルモニコロル(Marinilabilia salmonicolor)JCM 21150、マルビンブリアンチア・フォルマテキシゲンス(Marvinbryantia formatexigens)、メソプラズマ・フォツリス(Mesoplasma photuris)、メタノブレビバクター・スミシイ(Methanobrevibacter smithii)ATCC 35061、メタノマシリコッカス・ルミニエンシス(Methanomassiliicoccus luminyensis)B10、メチロバクテリウム・エクストルセンス(Methylobacterium extorquens)、ミツオケラ・ジャラルンジニイ(Mitsuokella jalaludinii)、モビリタレア・シビリカ(Mobilitalea sibirica)、モビルンクス・クルティシイ(Mobiluncus curtisii)、モギバクテリウム・プミルム(Mogibacterium pumilum)、モギバクテリウム・チミヅム(Mogibacterium timidum)、ムーアレラ・グリセリニ(Moorella glycerini)、ムーアレラ・フミフェレア(Moorella humiferrea)、モラクセラ・ノンリンケファシエンス(Moraxella nonliquefaciens)、モラクセラ・オスロエンシス(Moraxella osloensis)、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、モリエラ・インドリゲネス(Moryella indoligenes)、ムリバクルム・インテスティナーレ(Muribaculum intestinale)、ムリモナス・インテスティニ(Murimonas intestini)、ナトラネロビルガ・ペクチニボラ(Natranaerovirga pectinivora)、ネグレクタ・チモネンシス(Neglecta timonensis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、ナイセリア・オラリス(Neisseria oralis)、ノカルジオイデス・メソフィルス(Nocardioides mesophilus)、ノビバチルス・テルモフィルス(Novibacillus thermophilus)、オクロバクツルム・アントロピ(Ochrobactrum anthropi)、オドリバクター・スプラノクニクス(Odoribacter splanchnicus)、オルセネラ・プロフーサ(Olsenella profusa)、オルセネラ・ウリ(Olsenella uli)、オリバクテリウム・アサッカロリティクム(Oribacterium asaccharolyticum)ACB7、オリバクテリウム・シヌス(Oribacterium sinus)、オシリバクター・ルミナンティウム(Oscillibacter ruminantium)GH1、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、オキソバクター・フェニジイ(Oxobacter pfennigii)、パンテア・アグロメランス(Pantoea agglomerans)、パピリバクター・シナミボランス(Papillibacter cinnamivorans)、パラバクテロイデス・フェシス(Parabacteroides faecis)、パラバクテロイデス・ゴールドスタイニイ(Parabacteroides goldsteinii)、パラバクテロイデス・ゴルドニイ(Parabacteroides gordonii)、パラバクテロイデス・メルデ(Parabacteroides merdae)、パラスポロバクテリウム・パウシボランス(Parasporobacterium paucivorans)、パラサテラ・エクスクレメンティホミニス(Parasutterella excrementihominis)、パラサテラ・セクンダ(Parasutterella secunda)、パルビモナス・ミクラ(Parvimonas micra)、ペプトコッカス・ニガー(Peptococcus niger)、ペプトニフィルス・ヅエルデニイ(Peptoniphilus duerdenii)ATCC BAA-1640、ペプトニフィルス・グロセンシス(Peptoniphilus grossensis)ph5、ペプトニフィルス・ケネネニエ(Peptoniphilus koenoeneniae)、ペプトニフィルス・セネガレンシス(Peptoniphilus senegalensis)JC140、ペプトストレプトコッカス・ストマティス(Peptostreptococcus stomatis)、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)、フォセア・マシリエンシス(Phocea massiliensis)、ポンティバクター・インディクス(Pontibacter indicus)、ポルフィロモナス・ベノニス(Porphyromonas bennonis)、ポルフィロモナス・エンドドンタリス(Porphyromonas endodontalis)、ポルフィロモナス・パステリ、プレボテラ・ベルゲンシス(Prevotella bergensis)、プレボテラ・ブッセ(Prevotella buccae)ATCC 33574、プレボテラ・デンティコラ(Prevotella denticola)、プレボテラ・エネカ(Prevotella enoeca)、プレボテラ・フスカ(Prevotella fusca)JCM 17724、プレボテラ・レシェイ(Prevotella loescheii)、プレボテラ・ニグレスセンス(Prevotella nigrescens)、プレボテラ・オリス(Prevotella oris)、プレボテラ・パレンス(Prevotella pallens)ATCC 700821、プレボテラ・ステルコレア(Prevotella stercorea)DSM 18206、プレボテラマシリア・チモネンシス(Prevotellamassilia timonensis)、プロピオニスピラ・アルクアタ(Propionispira arcuata)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロビデンシア・レテゲリ(Providencia rettgeri)、シュードバクテロイデス・セルロソルベンス(Pseudobacteroides cellulosolvens)ATCC 35603=DSM 2933、シュードブチリビブリオ・ルミニス(Pseudobutyrivibrio ruminis)、シュードフラボニフラクター・カピロスス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC 29799、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレスセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・マンデリイ(Pseudomonas mandelii)、シュードモナス・ニトロレヅセンス(Pseudomonas nitroreducens)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ラウルテラ・オルニチノリティカ(Raoultella ornithinolytica)、ラウルテラ・プランティコラ(Raoultella planticola)、ラウルティバクター・マシリエンシス(Raoultibacter massiliensis)、ロビンソニエラ・ペオリエンシス(Robinsoniella peoriensis)、ロムブツィア・チモネンシス(Romboutsia timonensis)、ロセブリア・フェシス(Roseburia faecis)、ロセブリア・ホミニス(Roseburia hominis)A2-183、ロゼブリア・インテスティナリス(Roseburia intestinalis)、ロセブリア・イヌリニボランス(Roseburia inulinivorans)DSM 16841、ロチア・デントカリオーサ(Rothia dentocariosa)ATCC 17931、ルミニクロストリジウム・テルモセルム(Ruminiclostridium thermocellum)、ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)、ルミノコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ルミノコッカス・カリヅス(Ruminococcus callidus)、ルミノコッカス・シャンパネレンシス(Ruminococcus champanellensis)18P13 =JCM 17042、ルミノコッカス・フェシス(Ruminococcus faecis)JCM 15917、ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)、ルミノコッカス・ゴブロイイ(Ruminococcus gauvreauii)、ルミノコッカス・ラクタリス(Ruminococcus lactaris)ATCC 29176、ルメリイバチルス・ピクヌス(Rummeliibacillus py
cnus)、サッカロフェルメンタンス・アセチゲネス(Saccharofermentans acetigenes)、スカルドビア・ウィッグシエ(Scardovia wiggsiae)、シュレーゲレラ・テルモデプロイメランス(Schlegelella thermodepolymerans)、セディメンティバクター・ホンコンゲンシス(Sedimentibacter hongkongensis)、セレノモナス・スプチゲナ(Selenomonas sputigena)ATCC 35185、スラキア・エクシグア(Slackia exigua)ATCC 700122、スラキア・ピリフォルミス(Slackia piriformis)YIT 12062、ソリタレア・カナデンシス(Solitalea canadensis)、ソロバクテリウム・ムーアレイ(Solobacterium moorei)、スフィンゴモナス・アクアチリス(Sphingomonas aquatilis)、スピロプラズマ・アレゲネンセ(Spiroplasma alleghenense)、スピロプラズマ・チネンセ(Spiroplasma chinense)、スピロプラズマ・クリソピコラ(Spiroplasma chrysopicola)、スピロプラズマ・クリシコラ(Spiroplasma culicicola)、スピロプラズマ・ラムピリジコラ(Spiroplasma lampyridicola)、スポロバクター・テルミチジス(Sporobacter termitidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、ストマトバクルム・ロングム(Stomatobaculum longum)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)ATCC 13813、ストレプトコッカス・クリスタツス(Streptococcus cristatus)、ストレプトコッカス・エクイヌス(Streptococcus equinus)、ストレプトコッカス・ゴルドニイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス・ラクタリウス(Streptococcus lactarius)、ストレプトコッカス・パラウベリス(Streptococcus parauberis)、サブドリグラヌルム・バリアビレ(Subdoligranulum variabile)、スクシニビブリオ・デキストリノソルベンス(Succinivibrio dextrinosolvens)、ステレラ・ステルコリカニス(Sutterella stercoricanis)、ステレラ・ワーズワーセンシス(Sutterella wadsworthensis)、シントロフォコッカス・スクロミュータンス(Syntrophococcus sucromutans)、シントロフォモナス・ゼーンデリ(Syntrophomonas zehnderi)OL-4、テリスポロバクター・マヨムベイ(Terrisporobacter mayombei)、テルモレオフィルム・アルブム(Thermoleophilum album)、トレポネマ・デンティコラ(Treponema denticola)、トレポネマ・ソクランスキイ(Treponema socranskii)、ティゼレラ・ネクシリス(Tyzzerella nexilis)DSM 1787、バリタレア・グエイマセンシス(Vallitalea guaymasensis)、バリタレア・プロニエンシス(Vallitalea pronyensis)、バムピロビブリオ・クロレラボルス(Vampirovibrio chlorellavorus)、ベイロネラ・アティピカ(Veillonella atypica)、ベイロネラ・デンティカリオーシ(Veillonella denticariosi)、ベイロネラ・ジスパル(Veillonella dispar)、ベイロネラ・パルブラ(Veillonella parvula)、ビクチバリス・バデンシス(Victivallis vadensis)、ブルカニバチルス・モデスチカルヅス(Vulcanibacillus modesticaldus)、及びワイセラ・コンフーサ(Weissella confusa)からなる群から選択される種、亜種、又は細菌株に属する、項目1又は2に記載の組成物。
20.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された集団が、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における種から選択される細菌種に属する、項目1又は2に記載の組成物。
21.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示され、0.1未満の未補正p値を有する、表2における種からなる群から選択される細菌種に属する、項目1又は2に記載の組成物。
22.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、配列番号877~926、配列番号927~976、配列番号977~1026、配列番号1027~1076、配列番号1077~1126、配列番号1127~1176、配列番号1177~1226、配列番号1227~1276、配列番号1277~1326、配列番号1327~1376、配列番号1377~1426、配列番号1427~1476、配列番号1477~1526、配列番号1527~1576、配列番号1577~1626、配列番号1627~1676、配列番号1677~1726、配列番号1727~1776、配列番号1777~1826、配列番号1827~1876、配列番号1877~1926、配列番号1927~1976、配列番号1977~2026、配列番号2027~2076、配列番号2077~2126、配列番号2127~2176、配列番号2177~2226、配列番号2227~2276、配列番号2277~2326、配列番号2327~2376、配列番号2377~2426、配列番号2427~2476、配列番号2477~2526、配列番号2527~2576、配列番号2577~2626及び配列番号2627~2676からなる群から選択される共存遺伝子群(CAG)配列に対する少なくとも80パーセントの同一性を伴うヌクレオチド配列を含む種、亜種、又は株に属する、項目1又は2に記載の組成物。
23.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、配列番号877~926に対する少なくとも29%の同一性、配列番号927~976に対する少なくとも16.5%の同一性、配列番号977~1026に対する少なくとも48.5%の同一性、配列番号1027~1076に対する少なくとも28%の同一性、配列番号1077~1126に対する少なくとも93.5%の同一性、配列番号1127~1176に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号1177~1226に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号1227~1276に対する少なくとも99%の同一性、配列番号1277~1326に対する100%の同一性、配列番号1327~1376に対する少なくとも21.5%の同一性、配列番号1377~1426に対する100%の同一性、配列番号1427~1476に対する少なくとも97%の同一性、配列番号1477~1526に対する少なくとも55.5%の同一性、配列番号1527~1576に対する100%の同一性、配列番号1577~1626に対する少なくとも34%の同一性、配列番号1627~1676に対する少なくとも14%の同一性、配列番号1677~1726に対する100%の同一性、配列番号1727~1776に対する少なくとも93%の同一性、配列番号1777~1826に対する100%の同一性、配列番号1827~1876に対する少なくとも45%の同一性、配列番号1877~1926に対する少なくとも99%の同一性、配列番号1927~1976に対する少なくとも74%の同一性、配列番号1977~2026に対する100%の同一性、配列番号2027~2076に対する100%の同一性、配列番号2077~2126に対する少なくとも20%の同一性、配列番号2127~2176に対する少なくとも84%の同一性、配列番号2177~2226に対する少なくとも35.5%の同一性、配列番号2227~2276に対する少なくとも32.5%の同一性、配列番号2277~2326に対する少なくとも70%の同一性、配列番号2327~2376に対する100%の同一性、配列番号2377~2426に対する少なくとも70.5%の同一性、配列番号2427~2476に対する少なくとも99.5%の同一性、配列番号2477~2526に対する少なくとも68.5%の同一性、配列番号2527~2576に対する100%の同一性、配列番号2577~2626に対する少なくとも97.5%の同一性、又は配列番号2627~2676に対する100%の同一性を伴うヌクレオチド配列を含む種からなる群から選択される、項目1又は2に記載の組成物。
24.
前記細菌が凍結乾燥又は冷凍乾燥されている、項目1又は2に記載の組成物。
25.
経口送達のために製剤化されている、項目1又は2に記載の組成物。
26.
経口送達のために製剤化された前記組成物が、錠剤又はカプセルである、項目1又は2に記載の組成物。
27.
前記錠剤又はカプセルが、酸耐性腸溶性コーティングを含む、項目1又は2に記載の組成物。
28.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団を含む前記組成物が、結腸鏡検査、経鼻胃管によるS状結腸鏡検査、又は注腸剤を介する直腸内投与のために製剤化されている、項目1又は2に記載の組成物。
29.
凍結乾燥又は冷凍されている、項目1又は2に記載の組成物。
30.
液体、懸濁液、ゲル、ゲルタブ、半固体、錠剤、小袋、トローチ、カプセルを含む最終送達、又は腸内製剤としての最終送達のために再製剤化することが可能である、項目1又は2に記載の組成物。
31.
複数回投与のために製剤化されている、項目1又は2に記載の組成物。
32.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、抗生剤耐性遺伝子を含む、項目1又は2に記載の組成物。
33.
前記少なくとも1つの単離若しくは精製された細菌の集団、又は前記少なくとも2つの単離若しくは精製された細菌の集団が、酪酸産生菌の集団である、項目1又は2に記載の組成物。
34.
酪酸をさらに含む、項目1又は2に記載の組成物。
35.
対象におけるがんを処置又は防止する方法であって、前記対象へと、項目1~34のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
36.
前記がんが、皮膚がんである、項目35に記載の方法。
37.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目35に記載の方法。
38.
前記がんが、黒色腫である、項目35に記載の方法。
39.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目38に記載の方法。
40.
少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む、項目35に記載の方法。
41.
前記少なくとも1つのさらなる抗がん処置が、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、又は生物学的療法である、項目40に記載の方法。
42.
前記生物学的療法が、モノクローナル抗体、siRNA、miRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、又は遺伝子治療である、項目41に記載の方法。
43.
少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び/又は少なくとも1つのさらなる抗がん処置を、腫瘍内投与、動脈内投与、静脈内投与、血管内投与、胸腔内投与、腹腔内投与、気管内投与、髄腔内投与、筋内投与、内視鏡時投与、病変内投与、経皮投与、皮下投与、局部投与、定位投与、経口投与、又は直接的注射若しくは灌流により投与する、項目40に記載の方法。
44.
対象におけるがんを処置又は防止する方法であって、前記対象へと、クロストリジウム綱(Clostridia)、モリクテス綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、及び/又はフィーカリバクテリウム属のうちの1又は複数に属する、少なくとも1つの単離又は精製された細菌の集団を含む組成物を投与するステップを含む方法。
45.
前記がんが、皮膚がんである、項目44に記載の方法。
46.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目44に記載の方法。
47.
前記がんが、黒色腫である、項目44に記載の方法。
48.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目47に記載の方法。
49.
少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む、項目44に記載の方法。
50.
前記少なくとも1つのさらなる抗がん処置が、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、又は生物学的療法である、項目49に記載の方法。
51.
前記生物学的療法が、モノクローナル抗体、siRNA、miRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、又は遺伝子治療である、項目50に記載の方法。
52.
少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び/又は少なくとも1つのさらなる抗がん処置を、腫瘍内投与、動脈内投与、静脈内投与、血管内投与、胸腔内投与、腹腔内投与、気管内投与、髄腔内投与、筋内投与、内視鏡時投与、病変内投与、経皮投与、皮下投与、局部投与、定位投与、経口投与、又は直接的注射若しくは灌流により投与する、項目49に記載の方法。
53.
前記対象が腫瘍を有する、がんを処置する方法として規定された項目44に記載の方法。
54.
前記対象が、がんを発症する危険性があると同定されている、がんを防止する方法として規定された項目44に記載の方法。
55.
前記組成物の投与が、腫瘍におけるCD8Tリンパ球の増大を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
56.
前記Tリンパ球が、細胞傷害性Tリンパ球である、項目55に記載の方法。
57.
前記組成物の投与が、前記対象の全身循環又は末梢血における、エフェクターCD4、CD8Tリンパ球、単球、及び/又は骨髄樹状細胞の増大を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
58.
前記組成物の投与が、前記対象の全身循環又は末梢血における、B細胞、調節性T細胞、及び/又は骨髄由来サプレッサー細胞の減少を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
59.
前記対象への前記組成物の投与が、腫瘍免疫浸潤物における、CD3、CD8、PD1、FoxP3、グランザイムB、及び/又はPD-L1の発現の増大を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
60.
前記対象への前記組成物の投与が、腫瘍免疫浸潤物における、RORγTの発現の減少を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
61.
前記対象への前記組成物の投与が、腫瘍における、CD45、CD3/CD20/CD56、CD68、及び/又はHLA-DR細胞の増大を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
62.
前記対象への前記組成物の投与が、前記対象における、自然エフェクター細胞のレベルの上昇を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
63.
前記自然エフェクター細胞が、CD45CD11bLy6G細胞である、項目62に記載の方法。
64.
前記対象への前記組成物の投与が、前記対象における、抑制性骨髄細胞のレベルの低下を結果としてもたらす、項目44に記載の方法。
65.
抑制性骨髄細胞が、CD45CD11bCD11c細胞である、項目64に記載の方法。
66.
前記組成物が、細菌であるフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイを含む、項目44に記載の方法。
67.
対象におけるがんを処置する方法であって、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤を、前記対象へと投与するステップを含み、前記対象が、項目1又は2に記載の組成物の前記細菌集団のうちの1又は複数を有する腸管マイクロバイオームにおいて好適な微生物プロファイルを有することが決定されている方法。
68.
前記がんが、皮膚がんである、項目67に記載の方法。
69.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目67に記載の方法。
70.
前記がんが、黒色腫である、項目67に記載の方法。
71.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目70に記載の方法。
72.
少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む、項目67に記載の方法。
73.
がんを有する患者における、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答を予測する方法であって、前記患者から得られた試料における微生物プロファイルを検出するステップを含み、前記微生物プロファイルが、項目1又は2に記載の組成物の前記細菌集団のうちの1又は複数を含む場合は、前記免疫チェックポイント阻害剤に対する応答が好適である方法。
74.
前記がんが、皮膚がんである、項目73に記載の方法。
75.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目73に記載の方法。
76.
前記がんが、黒色腫である、項目73に記載の方法。
77.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目76に記載の方法。
78.
前記患者が、前記免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示すことが予測される場合に、前記患者に、免疫チェックポイント阻害剤を投与する、項目73に記載の方法。
79.
前記微生物プロファイルが、腸管微生物プロファイルである、項目73に記載の方法。
80.
対象におけるがんを処置する方法であって、治療有効量の酪酸、単離若しくは精製された酪酸産生菌集団、及び/又は項目1若しくは2に記載の組成物を、前記対象へと投与するステップを含み、前記対象が、免疫チェックポイント阻害剤を投与されている方法。
81.
少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を投与するステップをさらに含む、項目80に記載の方法。
82.
1つを超えるチェックポイント阻害剤を投与する、項目81に記載の方法。
83.
プレバイオティクス又はプロバイオティクスを投与するステップをさらに含む、項目81に記載の方法。
84.
前記単離又は精製された酪酸産生菌集団が、抗生剤耐性遺伝子を含む細菌を含む、項目80に記載の方法。
85.
抗生剤耐性遺伝子を含む前記酪酸産生菌集団を投与するステップをさらに含む、項目84に記載の方法。
86.
前記抗生剤耐性遺伝子が耐性を付与する抗生剤を投与するステップをさらに含む、項目85に記載の方法。
87.
前記酪酸産生菌集団が、クロストリジウム目の、1又は複数の細菌種を含む、項目80に記載の方法。
88.
前記1又は複数の細菌種が、ルミノコッカス科、クリステンセネラ科(Christensenellaceae)、クロストリジウム科、又はコリオバクテリウム科(Coriobacteriaceae)に由来する、項目87に記載の方法。
89.
前記1又は複数の細菌種が、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、ルミノコッカス・アルブス、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・カリヅス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカス・シャンパネレンシス、ルミノコッカス・フェシス、ルミノコッカス・ゴブロイイ、ルミノコッカス・グナブス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・ハンセニイ(Ruminococcus hansenii)、ルミノコッカス・ヒドロゲノトロフィクス(Ruminococcus hydrogenotrophicus)、ルミノコッカス・ラクタリス、ルミノコッカス・ルティ(Ruminococcus luti)、ルミノコッカス・オベウム(Ruminococcus obeum)、ルミノコッカス・パルストリス(Ruminococcus palustris)、ルミノコッカス・パスツーリイ(Ruminococcus pasteurii)、ルミノコッカス・プロヅクツス(Ruminococcus productus)、ルミノコッカス・シンキイ(Ruminococcus schinkii)、ルミノコッカス・トルケス、サブドリグラヌルム・バリアビレ、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)、ロゼブリア・インテスティナリス、アネロスチペス・カッセ、ブラウティア・オベウム(Blautia obeum)、エウバクテリウム・ノダツム(Eubacterium nodatum)、及びエウバクテリウム・オキシドレヅセンスからなる群から選択される、項目87に記載の方法。
90.
前記1又は複数の細菌種が、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイである、項目87に記載の方法。
91.
前記酪酸産生菌集団が、プレボテラ科(Prevotellaceae)の細菌種を含まない、項目80に記載の方法。
92.
前記酪酸を投与するステップが、酪酸のプロドラッグ又は塩を投与するステップを含む、項目80に記載の方法。
93.
酪酸を投与するステップが、酪酸ナトリウム、酪酸アルギニン、乳酸エチルブチリル、トリブチリン、4-フェニル酪酸、ピバロイルオキシメチル酪酸(AN-9)、又はブチリデン二酪酸(AN-10)を投与することを含む、項目80に記載の方法。
94.
前記酪酸又は酪酸産生菌集団を、経口投与、結腸鏡検査、S状結腸鏡検査、注腸剤を介する直腸内投与、又は直接的注射により投与する、項目80に記載の方法。
95.
前記少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤を、静脈内投与し、前記酪酸及び/又は前記酪酸産生菌集団を、経口投与する、項目81に記載の方法。
96.
前記少なくとも1つのチェックポイント阻害剤が、CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、BTLA、B7H3、B7H4、TIM3、KIR、又はA2aRの阻害剤から選択される、項目81に記載の方法。
97.
前記少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤が、ヒトプログラム細胞死1(PD-1)軸結合性アンタゴニストである、項目81に記載の方法。
98.
前記PD-1軸結合性アンタゴニストが、PD-1結合性アンタゴニスト、PDL1結合性アンタゴニスト、及びPDL2結合性アンタゴニストからなる群から選択される、項目97に記載の方法。
99.
前記PD-1軸結合性アンタゴニストが、PD-1結合性アンタゴニストである、項目98に記載の方法。
100.
前記PD-1結合性アンタゴニストが、PD-1の、PDL1及び/又はPDL2への結合を阻害する、項目99に記載の方法。
101.
前記PD-1結合性アンタゴニストが、モノクローナル抗体又はその抗原結合性断片である、項目99に記載の方法。
102.
前記PD-1結合性アンタゴニストが、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、キーツルーダ(KEYTRUDA)(登録商標)、AMP-514、REGN2810、CT-011、BMS 936559、MPDL328OA、又はAMP-224である、項目99に記載の方法。
103.
前記少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤が、抗CTLA-4抗体である、項目81に記載の方法。
104.
前記抗CTLA-4抗体が、トレメリムマブ、イェルボイ(YERVOY)(登録商標)、又はイピリムマブである、項目103に記載の方法。
105.
前記少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤が、抗キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)抗体である、項目81に記載の方法。
106.
前記抗KIR抗体が、リリルマブである、項目105に記載の方法。
107.
前記がんが、皮膚がんである、項目80に記載の方法。
108.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目80に記載の方法。
109.
前記がんが、黒色腫である、項目80に記載の方法。
110.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目108に記載の方法。
111.
少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む、項目80に記載の方法。
112.
前記少なくとも1つのさらなる抗がん処置が、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、又は生物学的療法である、項目111に記載の方法。
113.
前記生物学的療法が、モノクローナル抗体、siRNA、miRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、又は遺伝子治療である、項目112に記載の方法。
114.
少なくとも1つの免疫チェックポイント阻害剤及び/又は少なくとも1つのさらなる抗がん処置を、腫瘍内投与、動脈内投与、静脈内投与、血管内投与、胸腔内投与、腹腔内投与、気管内投与、髄腔内投与、筋内投与、内視鏡時投与、病変内投与、経皮投与、皮下投与、局部投与、定位投与、経口投与、又は直接的注射若しくは灌流により投与する、項目111に記載の方法。
115.
対象におけるがんを処置する方法であって、治療有効量の免疫チェックポイント阻害剤を、前記対象へと投与するステップを含み、前記対象が、腸管マイクロバイオームにおいて好適な微生物プロファイルを有することが決定されている方法。
116.
前記がんが、皮膚がんである、項目115に記載の方法。
117.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目115に記載の方法。
118.
前記がんが、黒色腫である、項目115に記載の方法。
119.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目118に記載の方法。
120.
少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む、項目115に記載の方法。
121.
前記好適な微生物プロファイルを、(a)前記腸管マイクロバイオームの高いアルファ多様性;(b)前記腸管マイクロバイオームにおける酪酸産生菌の高存在度;(c)前記腸管マイクロバイオームにおけるエンリッチメントインデックス(ei)が0.5を超える、表1における種からなる群から選択される1若しくは複数の細菌;又は(d)前記腸管マイクロバイオームにおける、レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの1若しくは複数を有することとして、さらに規定する、項目115に記載の方法。
122.
前記好適な微生物プロファイルを、フィルミクテス門(Firmicutes)、クロストリジウム綱、クロストリジウム目、ルミノコッカス科、ルミノコッカス属、フィーカリバクテリウム属、ヒドロゲノアネロバクテリウム属(Hydrogenoanaerobacterium)、アクチノバクテリア門(Actinobacteria)、コリオバクテリウム綱(Coriobacteriia)、コリオバクテリウム目(Coriobacteriales)、コリオバクテリウム科、アーキアドメイン(Archaea)、シアノバクテリア門(Cyanobacteria)、ユーリアーキオータ門(Euryarchaeota)、又はクリステンセネラ科の細菌の存在又は高存在度として、さらに規定する、項目115に記載の方法。
123.
前記好適な微生物プロファイルを、エシェリヒア・コリ種(Escherichia coli)、アネロトルンクス・コリホミニス種(Anaerotruncus colihominis)、ディアリスター属(Dialister)、ベイロネラ科、バクテロイデス門(Bacteroidetes)、バクテロイデス綱(Bacteroidia)、バクテロイデス目、又はプレボテラ科の細菌の非存在又は低存在度として、さらに規定する、項目115に記載の方法。
124.
前記好適な微生物プロファイルを、クロストリジウム目の細菌の存在又は高存在度、及びバクテロイデス目の細菌の非存在又は低存在度として規定する、項目115に記載の方法。
125.
前記好適な微生物プロファイルを、酪酸産生菌の高存在度としてさらに規定し、前記酪酸産生菌が、ルミノコッカス属又はフィーカリバクテリウム属に由来する1又は複数の種を含む、項目115に記載の方法。
126.
患者試料における前記マイクロバイオームを解析することにより、前記対象が、好適な微生物プロファイル又は好適な腸管マイクロバイオームを含むことが決定される、項目115に記載の方法。
127.
前記患者試料が、糞便試料又は口内試料である、項目115に記載の方法。
128.
解析することが、16Sリボソームシーケンシング及び/又はメタゲノミック全ゲノムシーケンシングを実施することを含む、項目115に記載の方法。
129.
がんを有する患者における、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答を予測する方法であって、前記患者から得られた試料における微生物プロファイルを検出するステップを含み、前記微生物プロファイルが、(a)高いアルファ多様性;(b)酪酸産生菌の高存在度;(c)エンリッチメントインデックス(ei)が0.5を超える、表1における種からなる群から選択される1若しくは複数の細菌;又は(d)レスポンダー(R)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの1若しくは複数を含む場合は、前記患者が、前記免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示すことが予測される方法。
130.
前記がんが、皮膚がんである、項目129に記載の方法。
131.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目129に記載の方法。
132.
前記がんが、黒色腫である、項目129に記載の方法。
133.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目132に記載の方法。
134.
前記患者が、前記免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示すことが予測される場合に、前記患者に、免疫チェックポイント阻害剤を投与する、項目129に記載の方法。
135.
前記患者に、第2の免疫チェックポイント阻害剤を投与する、項目134に記載の方法。
136.
前記好適な微生物プロファイルが、好適な腸管微生物プロファイルである、項目129に記載の方法。
137.
前記がんが、皮膚がんである、項目129に記載の方法。
138.
前記皮膚がんが、黒色腫又は転移性黒色腫である、項目137に記載の方法。
139.
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD1モノクローナル抗体又は抗CTLA4モノクローナル抗体である、項目129に記載の方法。
140.
前記酪酸産生菌集団が、クロストリジウム目の、1又は複数の細菌種を含む、項目129に記載の方法。
141.
前記1又は複数の種が、ルミノコッカス科、クリステンセネラ科、クロストリジウム科、又はコリオバクテリウム科に由来する、項目140に記載の方法。
142.
前記1又は複数の種が、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、ルミノコッカス・アルブス、ルミノコッカス・ブロミイ、ルミノコッカス・カリヅス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカス・シャンパネレンシス、ルミノコッカス・フェシス、ルミノコッカス・ゴブロイイ、ルミノコッカス・グナブス、ルミノコッカス・ハンセニイ、ルミノコッカス・ヒドロゲノトロフィクス、ルミノコッカス・ラクタリス、ルミノコッカス・ルティ、ルミノコッカス・オベウム、ルミノコッカス・パルストリス、ルミノコッカス・パスツーリイ、ルミノコッカス・プロヅクツス、ルミノコッカス・シンキイ、ルミノコッカス・トルケス、サブドリグラヌルム・バリアビレ、ブチリビブリオ・フィブリソルベンス、ロゼブリア・インテスティナリス、アネロスチペス・カッセ、ブラウティア・オベウム、エウバクテリウム・ノダツム、及びエウバクテリウム・オキシドレヅセンスからなる群から選択される、項目140に記載の方法。
143.
前記1又は複数の種が、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイである、項目140に記載の方法。
144.
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD1モノクローナル抗体又は抗CTLA4モノクローナル抗体である、項目140に記載の方法。
145.
少なくとも1つのさらなる抗がん処置を投与するステップをさらに含む、項目140に記載の方法。
146.
前記少なくとも1つのさらなる抗がん処置が、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、又は生物学的療法である、項目145に記載の方法。
147.
前記少なくとも1つのさらなる抗がん処置が、酪酸及び/又は酪酸産生菌集団である、項目145に記載の方法。
148.
プレバイオティクス又はプロバイオティクス組成物を投与するステップをさらに含む、項目145に記載の方法。
149.
プロバイオティクス組成物が、項目1又は2に記載の組成物である、項目148に記載の方法。
150.
がんを有する患者における、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答を予測する方法であって、前記患者から得られた試料における微生物プロファイルを検出するステップを含み、前記微生物プロファイルが、(a)酪酸産生菌の低存在度;又は(b)非レスポンダー(NR)の応答状態を伴って表示された、表2における細菌種のうちの1若しくは複数を含む場合は、前記患者が、前記免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される方法。
151.
前記患者が、前記免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される場合に、前記患者へと、項目1又は2に記載のプロバイオティクス組成物を投与するステップをさらに含む、項目150に記載の方法。
152.
免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される患者に、項目1又は2に記載の組成物の投与の後で、免疫チェックポイント阻害剤を投与する、項目151に記載の方法。
153.
少なくとも1つの非免疫チェックポイント阻害剤である、さらなる抗がん処置を、免疫チェックポイント阻害剤に対して好適な応答を示さないことが予測される前記対象へと投与するステップをさらに含む、項目150に記載の方法。
154.
前記少なくとも1つの抗がん処置が、外科的療法、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、免疫療法、低分子療法、受容体キナーゼ阻害剤療法、抗血管新生療法、サイトカイン療法、凍結療法、免疫チェックポイント阻害剤、第2の免疫チェックポイント阻害剤、又は生物学的療法である、項目153に記載の方法。
155.
前記少なくとも1つのさらなる抗がん処置が、酪酸及び/又は酪酸産生菌集団である、項目153に記載の方法。
156.
抗がん治療が、プレバイオティクス又はプロバイオティクスである、項目153に記載の方法。
157.
前記プロバイオティクスが、項目1又は2に記載の組成物である、項目156に記載の方法。
158.
前記がんが、皮膚がんである、項目150に記載の方法。
159.
前記皮膚がんが、黒色腫である、項目158に記載の方法。
160.
前記がんが、基底細胞皮膚がん、扁平上皮皮膚がん、黒色腫、隆起性皮膚線維肉腫、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、紡錘細胞腫瘍、脂腺癌、小嚢胞性付属器癌、乳房パジェット病、非定型線維黄色腫、平滑筋肉腫、又は血管肉腫である、項目150に記載の方法。
161.
前記黒色腫が、転移性黒色腫、悪性黒子、悪性黒子型黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、末端性黒子型黒色腫、又は線維形成性黒色腫である、項目159に記載の方法。
【0216】
[0001]本出願は、各々が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、2016年9月27日に出願された、米国特許仮出願第62/400,372号;2017年5月19日に出願された、同第62/508,885号;及び2017年9月12日に出願された、同第62/557,566号の利益を主張する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図21
図22A
図22B
図22C
図22D
図23
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図26A
図26B
図26C
図27A
図27B
図27C
図28A
図28B
図28C
図29A
図29B
図29C
図29D
図29E
図30A
図30B
図30C
図30D
図31A
図31B
図32A
図32B
図32C
図33A
図33B
図33C
図33D
図33E
図33F
図34A
図34B
図34C
【配列表】
2023029829000001.xml
【外国語明細書】