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特開2023-29898癌ワクチンとしての複製欠損性アレナウイルス粒子及び3セグメント型アレナウイルス粒子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029898
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】癌ワクチンとしての複製欠損性アレナウイルス粒子及び3セグメント型アレナウイルス粒子
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/76 20150101AFI20230228BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20230228BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20230228BHJP
   A61K 39/00 20060101ALN20230228BHJP
   C12N 7/01 20060101ALN20230228BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20230228BHJP
   C12N 15/33 20060101ALN20230228BHJP
   C07K 16/28 20060101ALN20230228BHJP
   C12N 7/04 20060101ALN20230228BHJP
   C07K 14/035 20060101ALN20230228BHJP
   C07K 14/35 20060101ALN20230228BHJP
   C07K 14/46 20060101ALN20230228BHJP
   C07K 14/705 20060101ALN20230228BHJP
【FI】
A61K35/76 ZNA
A61P35/02
A61P35/00
A61P35/04
A61P43/00 121
A61K48/00
A61K45/00
A61K39/395 U
A61K39/395 G
A61K31/675
A61P37/04
A61K45/06
A61K39/00 H
C12N7/01
C12N15/12
C12N15/33
C07K16/28
C12N7/04
C07K14/035
C07K14/35
C07K14/46
C07K14/705
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022188395
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2019522771の分割
【原出願日】2017-11-03
(31)【優先権主張番号】62/417,865
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/417,891
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518408774
【氏名又は名称】ホオキパ バイオテック ジーエムビーエイチ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】サラ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】クラウス オルリンジャー
(72)【発明者】
【氏名】サンドラ ステファニー リング
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ローランド フラッツ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】癌治療において、化学療法剤(例:シクロフォスファミド)に起因する副作用を低減しながら、治療効果を増強することが可能な新規癌併用療法を提供する。
【解決手段】対象の癌を治療する方法であって、それを必要としている対象に、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子及び化学療法剤を投与することを含み、ここで、前記アレナウイルス粒子が、a.腫瘍抗原、腫瘍関連抗原又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列、及びb.感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することができないゲノム、を含有するように改変されている、前記方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の新生物性疾患を治療する方法であって、それを必要としている対象に、感染性複
製欠損性アレナウイルス粒子及び化学療法剤を投与することを含み、ここで、該アレナウ
イルス粒子が:
a.腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び
b.感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさ
らなる感染性子孫粒子を産生することができない
ゲノムを含有するように改変されている、前記方法。
【請求項2】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、GP100、Trp1、及びTrp2からなる群から選択される
、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ヌクレオチド配列が、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれよ
り多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする、請求項1~3のいず
れか一項記載の方法。
【請求項5】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ム
スチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナフ
ァジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、フ
ェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムス
チン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン
、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(strep
tozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプ
ラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾ
ロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチ
ン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケア
マイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノルビ
シン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、
カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリ
エチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(trie
thiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラタ
シン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC
-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、
デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコ
ジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタ
チン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブ
レオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、
クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン
、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸
、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromyci
n)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプト
ゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、
5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フル
ダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチ
ジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリ
ジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン
、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フ
ロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブ
リン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホファ
ミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニウ
ム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイ
タンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン
、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、
2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロ
ゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T
-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マン
ノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノ
シド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダ
トレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、C
PT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlh
ylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲム
シタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、又はこれらの医薬として許容し得る塩、酸、
もしくは誘導体のうちの1つ又は複数を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記化学療法剤がシクロホスファミドである、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記対象が、急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病
;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連
リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管
癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、
小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣
腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下
部神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ
腫;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明
癌;中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児
癌;小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic m
yelogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障
害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気
腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング
肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach)
)癌;胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺
外、又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;
神経膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;
ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分
泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口
腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経
系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織
球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;
中皮腫;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候
群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性
疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多
発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞
肺癌;非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity ca
ncer);中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍
);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻
腔の癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間
分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂
体腺腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直
腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与す
る気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;
セザリー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟
部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastr
ic))癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー
症候群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿
管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍か
らなる群から選択される新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はその
リスクに曝されている、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
前記対象が、黒色腫を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝され
ている、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
前記アレナウイルス粒子及び前記化学療法剤が同時に共投与される、請求項1~7のいず
れか一項記載の方法。
【請求項10】
前記アレナウイルス粒子が前記化学療法剤の投与前に投与される、請求項1~7のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項11】
前記アレナウイルス粒子が前記化学療法剤の投与後に投与される、請求項1~7のいずれ
か一項記載の方法。
【請求項12】
前記アレナウイルス粒子と前記化学療法剤の投与間隔が、約1時間、約2時間、約3時間
、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12
時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約8日、約9日、約10日、
約11日、約12日、約13日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約
8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月
、約5カ月、約6カ月であるか、又はそれより長い、請求項10又は請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記アレナウイルス粒子及び前記化学療法剤が治療有効量で投与される、請求項1~12
のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、前記対象に、第一の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を投与すること
、及び該対象に、一定期間後、第二の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を投与するこ
とを含む、請求項1~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
前記第一の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子及び前記第二の感染性複製欠損性アレ
ナウイルス粒子が異なるアレナウイルス種に由来し、かつ/又は異なる腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、もしくはその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項14記載の
方法。
【請求項16】
前記第一の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子及び前記第二の感染性複製欠損性アレ
ナウイルス粒子が異なるアレナウイルス種に由来し、かつ/又は同じ腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、もしくはその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項14記載の方
法。
【請求項17】
前記アレナウイルス粒子が、少なくとも部分的に除去されているか又は機能的に不活化
されている少なくとも1つのアレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」)を含
み、ここで、該ORFが、該アレナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「
NP」)、マトリックスタンパク質Z(「Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(
「Lタンパク質」)をコードする、請求項1~15のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする少なくとも1つのORFが除去さ
れ、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする前記ヌクレオチド配列と
置き換えられている、請求項17記載の方法。
【請求項19】
GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする4つのORFのうちの1つだけが除去
されている、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記GPをコードするORFが除去されている、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記NPをコードするORFが除去されている、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記Zタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記Lタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記アレナウイルス粒子が、免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項1~23のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
前記アレナウイルス粒子が、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイル
ス(「JUNV」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する、請求項1~24のいずれか一
項記載の方法。
【請求項26】
前記アレナウイルス粒子がLCMVに由来する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記LCMVが、MP株、WE株、アームストロング株、又はアームストロングクローン13株で
ある、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記アレナウイルス粒子がJUNVに由来する、請求項25記載の方法。
【請求項29】
前記JUNVがJUNVワクチンCandid #1株又はJUNVワクチンXJクローン3株である、請求項28
記載の方法。
【請求項30】
前記アレナウイルス粒子がPICVに由来する、請求項25記載の方法。
【請求項31】
前記PICVが、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株である、請求項30記載
の方法。
【請求項32】
前記アレナウイルス粒子の増殖又は感染性が、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードする前記ヌクレオチド配列に影響されない、請求項1~31のいずれか一項
記載の方法。
【請求項33】
免疫チェックポイントインヒビターを投与することをさらに含む、請求項1~32のいず
れか一項記載の方法。
【請求項34】
前記免疫チェックポイントインヒビターが抗PD-1抗体である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
感染性複製欠損性アレナウイルス粒子、化学療法剤、及び医薬として許容し得る担体を
含む医薬組成物であって、該アレナウイルス粒子が:
a.腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び
b.感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさ
らなる感染性子孫粒子を産生することができない
ゲノムを含有するように改変されている、前記医薬組成物。
【請求項36】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される、
請求項35記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、GP100、Trp1、及びTrp2からなる群から選択される
、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記ヌクレオチド配列が、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれよ
り多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする、請求項35~37のい
ずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ム
スチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナフ
ァジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、フ
ェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムス
チン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン
、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(strep
tozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプ
ラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾ
ロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチ
ン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケア
マイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノルビ
シン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、
カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリ
エチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(trie
thiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラタ
シン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC
-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、
デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコ
ジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタ
チン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブ
レオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、
クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン
、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸
、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromyci
n)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプト
ゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、
5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フル
ダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチ
ジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリ
ジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン
、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フ
ロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブ
リン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホファ
ミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニウ
ム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイ
タンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン
、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、
2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロ
ゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T
-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マン
ノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノ
シド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダ
トレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、C
PT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlh
ylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲム
シタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、又はこれらの医薬として許容し得る塩、酸、
もしくは誘導体のうちの1つ又は複数を含む、請求項35~38のいずれか一項記載の医薬組
成物。
【請求項40】
前記化学療法剤がシクロホスファミドである、請求項35~38のいずれか一項記載の医薬
組成物。
【請求項41】
急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性
白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛
門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆
管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細
胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、
髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;
脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;
カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経
系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳
星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous
leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;
結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜
癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外
胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カル
チノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵
巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、
小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリ
ンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カ
ポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪
肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクロ
グロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽
腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中
皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性
骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄
性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄
の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホ
ジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中
咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚
細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副
甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果
体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質
細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞
癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網
膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候
群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊
髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント
上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌
;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌
;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選
択される新生物性疾患の治療において使用するための、請求項35~40のいずれか一項記載
の医薬組成物。
【請求項42】
黒色腫の治療において使用するための、請求項35~40のいずれか一項記載の医薬組成物
【請求項43】
前記アレナウイルス粒子が、少なくとも部分的に除去されているか又は機能的に不活化
されている少なくとも1つのアレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」)を含
み、ここで、該ORFが、該アレナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「
NP」)、マトリックスタンパク質Z(「Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(
「Lタンパク質」)をコードする、請求項35~42のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする少なくとも1つのORFが除去さ
れ、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする前記ヌクレオチド配列と
置き換えられている、請求項43記載の医薬組成物。
【請求項45】
GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする4つのORFのうちの1つだけが除去
されている、請求項44記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記GPをコードするORFが除去されている、請求項45記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記NPをコードするORFが除去されている、請求項45記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記Zタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項45記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記Lタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項45記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記アレナウイルス粒子が、免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項35~49のいずれか一項記載の医薬組成物
【請求項51】
前記アレナウイルス粒子が、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイル
ス(「JUNV」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する、請求項35~50のいずれか一
項記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記アレナウイルス粒子がLCMVに由来する、請求項51記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記LCMVが、MP株、WE株、アームストロング株、又はアームストロングクローン13株で
ある、請求項52記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記アレナウイルス粒子がJUNVに由来する、請求項51記載の医薬組成物。
【請求項55】
前記JUNVがJUNVワクチンCandid #1株又はJUNVワクチンXJクローン3株である、請求項54
記載の医薬組成物。
【請求項56】
前記アレナウイルス粒子がPICVに由来する、請求項51記載の医薬組成物。
【請求項57】
前記PICVが、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株である、請求項56記載
の医薬組成物。
【請求項58】
前記アレナウイルス粒子の増殖又は感染性が、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードする前記ヌクレオチド配列に影響されない、請求項35~57のいずれか一項
記載の医薬組成物。
【請求項59】
免疫チェックポイントインヒビターをさらに含む、請求項35~58のいずれか一項記載の
医薬組成物。
【請求項60】
前記免疫チェックポイントインヒビターが抗PD-1抗体である、請求項59記載の医薬組成
物。
【請求項61】
1以上の容器及び使用説明書を含むキットであって、該1以上の容器が請求項35~60のい
ずれか一項記載の前記医薬組成物を含む、前記キット。
【請求項62】
2以上の容器及び使用説明書を含むキットであって、該容器のうちの1つが感染性複製欠
損性アレナウイルス粒子を含み、該容器のうちの別のものが化学療法剤を含み、ここで、
該アレナウイルス粒子が:
a.腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び
b.感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさ
らなる感染性子孫粒子を産生することができない
ゲノムを含有するように改変されている、前記キット。
【請求項63】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される、
請求項62記載のキット。
【請求項64】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、GP100、Trp1、及びTrp2からなる群から選択される
、請求項62記載のキット。
【請求項65】
前記ヌクレオチド配列が、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれよ
り多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする、請求項62~64のい
ずれか一項記載のキット。
【請求項66】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ム
スチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナフ
ァジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、フ
ェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムス
チン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン
、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(strep
tozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプ
ラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾ
ロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチ
ン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケア
マイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノルビ
シン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、
カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリ
エチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(trie
thiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラタ
シン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC
-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、
デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコ
ジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタ
チン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブ
レオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、
クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン
、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸
、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromyci
n)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプト
ゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、
5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フル
ダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチ
ジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリ
ジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン
、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フ
ロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブ
リン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホファ
ミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニウ
ム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイ
タンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン
、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、
2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロ
ゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T
-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マン
ノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノ
シド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダ
トレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、C
PT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlh
ylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲム
シタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、又はこれらの医薬として許容し得る塩、酸、
もしくは誘導体のうちの1つ又は複数を含む、請求項62~65のいずれか一項記載のキット
【請求項67】
前記化学療法剤がシクロホスファミドである、請求項62~65のいずれか一項記載のキッ
ト。
【請求項68】
急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性
白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛
門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆
管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細
胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、
髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;
脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;
カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経
系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳
星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous
leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;
結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜
癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外
胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カル
チノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵
巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、
小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリ
ンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カ
ポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪
肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクロ
グロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽
腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中
皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性
骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄
性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄
の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホ
ジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中
咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚
細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副
甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果
体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質
細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞
癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網
膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候
群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊
髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント
上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌
;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌
;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選
択される新生物性疾患の治療において使用するための、請求項62~67のいずれか一項記載
のキット。
【請求項69】
黒色腫の治療において使用するための、請求項62~67のいずれか一項記載のキット。
【請求項70】
前記アレナウイルス粒子が、少なくとも部分的に除去されているか又は機能的に不活化
されている少なくとも1つのアレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」)を含
み、ここで、該ORFが、該アレナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「
NP」)、マトリックスタンパク質Z(「Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(
「Lタンパク質」)をコードする、請求項62~69のいずれか一項記載のキット。
【請求項71】
前記GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする少なくとも1つのORFが除去さ
れ、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする前記ヌクレオチド配列と
置き換えられている、請求項70記載のキット。
【請求項72】
GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする4つのORFのうちの1つだけが除去
されている、請求項71記載のキット。
【請求項73】
前記GPをコードするORFが除去されている、請求項72記載のキット。
【請求項74】
前記NPをコードするORFが除去されている、請求項72記載のキット。
【請求項75】
前記Zタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項72記載のキット。
【請求項76】
前記Lタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項72記載のキット。
【請求項77】
前記アレナウイルス粒子が、免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項62~76のいずれか一項記載のキット。
【請求項78】
前記アレナウイルス粒子が、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイル
ス(「JUNV」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する、請求項62~77のいずれか一
項記載のキット。
【請求項79】
前記アレナウイルス粒子がLCMVに由来する、請求項78記載のキット。
【請求項80】
前記LCMVが、MP株、WE株、アームストロング株、又はアームストロングクローン13株で
ある、請求項79記載のキット。
【請求項81】
前記アレナウイルス粒子がJUNVに由来する、請求項78記載のキット。
【請求項82】
前記JUNVがJUNVワクチンCandid #1株又はJUNVワクチンXJクローン3株である、請求項81
記載のキット。
【請求項83】
前記アレナウイルス粒子がPICVに由来する、請求項78記載のキット。
【請求項84】
前記PICVが、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株である、請求項83記載
のキット。
【請求項85】
前記アレナウイルス粒子の増殖又は感染性が、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードする前記ヌクレオチド配列に影響されない、請求項62~84のいずれか一項
記載のキット。
【請求項86】
免疫チェックポイントインヒビターをさらに含む、請求項62~85のいずれか一項記載の
キット。
【請求項87】
前記免疫チェックポイントインヒビターが抗PD-1抗体である、請求項86記載のキット。
【請求項88】
対象の新生物性疾患を治療する方法であって、それを必要としている対象に、アレナウ
イルス粒子及び化学療法剤を投与することを含み、ここで、該アレナウイルス粒子が:
(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び
(ii)該アレナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「NP」)、マトリッ
クスタンパク質Z(「Zタンパク質」)又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(「Lタンパク質」)を
コードするORFの野生型位置以外の位置にある少なくとも1つのアレナウイルスオープンリ
ーディングフレーム(「ORF」)
を含むアレナウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されている、前記方法。
【請求項89】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される、
請求項88記載の方法。
【請求項90】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、GP100、Trp1、及びTrp2からなる群から選択される
、請求項88記載の方法。
【請求項91】
前記ヌクレオチド配列が、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれよ
り多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする、請求項88~90のい
ずれか一項記載の方法。
【請求項92】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ム
スチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナフ
ァジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、フ
ェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムス
チン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン
、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(strep
tozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプ
ラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾ
ロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチ
ン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケア
マイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノルビ
シン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、
カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリ
エチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(trie
thiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラタ
シン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC
-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、
デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコ
ジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタ
チン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブ
レオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、
クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン
、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸
、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromyci
n)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプト
ゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、
5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フル
ダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチ
ジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリ
ジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン
、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フ
ロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブ
リン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホファ
ミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニウ
ム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイ
タンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン
、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、
2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロ
ゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T
-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マン
ノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノ
シド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダ
トレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、C
PT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlh
ylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲム
シタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、又はこれらの医薬として許容し得る塩、酸、
もしくは誘導体のうちの1つ又は複数を含む、請求項88~91のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
前記化学療法剤がシクロホスファミドである、請求項88~91のいずれか一項記載の方法
【請求項94】
前記対象が、急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病
;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連
リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管
癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、
小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫
;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部
神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫
;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;
中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;
小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myel
ogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;
結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;
子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫
;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;
胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、
又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経
膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジ
キンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵
臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌
;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マ
クログロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;
髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫
;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多
発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;
骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(
骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;
非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer)
;中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵
巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の
癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化
の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺
腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌
;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気
道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザ
リー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組
織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))
癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候
群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の
移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からな
る群から選択される新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリス
クに曝されている、請求項88~93のいずれか一項記載の方法。
【請求項95】
前記対象が、黒色腫を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝され
ている、請求項88~94のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
前記アレナウイルス粒子と前記化学療法剤が同時に共投与される、請求項88~94のいず
れか一項記載の方法。
【請求項97】
前記アレナウイルス粒子が前記化学療法剤の投与前に投与される、請求項88~94のいず
れか一項記載の方法。
【請求項98】
前記アレナウイルス粒子が前記化学療法剤の投与後に投与される、請求項88~94のいず
れか一項記載の方法。
【請求項99】
前記アレナウイルス粒子と前記化学療法剤の投与間隔が、約1時間、約2時間、約3時間
、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12
時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約8日、約9日、約10日、
約11日、約12日、約13日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約
8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月
、約5カ月、約6カ月であるか、又はそれより長い、請求項97又は請求項98記載の方法。
【請求項100】
前記アレナウイルス粒子及び前記化学療法剤が治療有効量で投与される、請求項88~99
のいずれか一項記載の方法。
【請求項101】
前記対象に、第一のアレナウイルス粒子を投与すること、及び該対象に、一定期間後、
第二のアレナウイルス粒子を投与することを含む、請求項88~100のいずれか一項記載の
方法。
【請求項102】
前記第一のアレナウイルス粒子及び前記第二の粒子が異なるアレナウイルス種に由来し
、かつ/又は異なる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片をコードするヌク
レオチド配列を含む、請求項101記載の方法。
【請求項103】
前記第一のアレナウイルス粒子及び前記第二の粒子が異なるアレナウイルス種に由来し
、かつ/又は同じ腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片をコードするヌクレ
オチド配列を含む、請求項101記載の方法。
【請求項104】
前記アレナウイルスゲノムセグメントが:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'非翻訳領域(「UTR」)の制御下にあるSセグ
メント;
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(vii)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(viii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(ix)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント
;
(x)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xi)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(xii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメン

からなる群から選択される、請求項88~102のいずれか一項記載の方法。
【請求項105】
前記アレナウイルスの3'UTRがアレナウイルスSセグメント又はアレナウイルスLセグメ
ントの3'UTRであり、前記アレナウイルスの5'UTRがアレナウイルスSセグメント又はアレ
ナウイルスLセグメントの5'UTRである、請求項104記載の方法。
【請求項106】
前記アレナウイルス粒子がSセグメント及びLセグメントを含むように、該アレナウイル
ス粒子が第二のアレナウイルスゲノムセグメントを含む、請求項88~105のいずれか一項
記載の方法。
【請求項107】
前記アレナウイルス粒子が弱毒化されている、請求項106記載の方法。
【請求項108】
前記アレナウイルス粒子が感染性であるが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫を産生
することができない、請求項106記載の方法。
【請求項109】
前記アレナウイルス粒子が感染性でかつ複製可能である、請求項106記載の方法。
【請求項110】
前記アレナウイルスゲノムセグメントが、少なくとも部分的に除去されているか又は機
能的に不活化されている少なくとも1つのアレナウイルスORFを含み、ここで、該ORFが、
前記アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする、請求項
108記載の方法。
【請求項111】
前記GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする少なくとも1つのORFが除去さ
れ、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする前記ヌクレオチド配列と
置き換えられている、請求項108記載の方法。
【請求項112】
GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする前記4つのORFのうちの1つだけが
除去されている、請求項111記載の方法。
【請求項113】
前記GPをコードするORFが除去されている、請求項112記載の方法。
【請求項114】
前記NPをコードするORFが除去されている、請求項112記載の方法。
【請求項115】
前記Zタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項112記載の方法。
【請求項116】
前記Lタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項112記載の方法。
【請求項117】
前記アレナウイルス粒子が1つのLセグメント及び2つのSセグメント又は2つのLセグメン
ト及び1つのSセグメントのいずれかを含む3セグメント型アレナウイルス粒子である、請
求項88~116のいずれか一項記載の方法。
【請求項118】
前記アレナウイルス粒子が1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む、請求項117
記載の方法。
【請求項119】
前記アレナウイルス粒子が2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む、請求項117
記載の方法。
【請求項120】
前記3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖が複製可能な2セグメント型ウイルス粒子
を生じさせない、請求項117~119のいずれか一項記載の方法。
【請求項121】
前記3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖が、I型インターフェロン受容体、II型イ
ンターフェロン受容体、及び組換え活性化遺伝子1(RAG1)を欠如し、かつ104PFUの該3セグ
メント型アレナウイルス粒子に感染しているマウスにおける持続性感染の70日後に、複製
可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない、請求項117~119のいずれか一項記載
の方法。
【請求項122】
2つのアレナウイルスORFを、2つの別々のセグメント上にではなく、ただ1つのセグメン
ト上にまとめる、2つのSセグメント又は2つのLセグメントのセグメント間組換えがウイル
スプロモーター活性を無効にする、請求項117~121のいずれか一項記載の方法。
【請求項123】
前記2つのSセグメントのうちの1つが:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント;
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
からなる群から選択される、請求項118記載の方法。
【請求項124】
前記2つのLセグメントのうちの1つが:
(i)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(ii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(v)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント
からなる群から選択される、請求項119記載の方法。
【請求項125】
前記2つのSセグメントが:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を各々
コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは2つの重複したアレ
ナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片及び1つの重
複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む、請求項118記載の
方法。
【請求項126】
前記2つのLセグメントが:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を各々
コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは2つの重複したアレ
ナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片及び1つの重
複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む、請求項119記載の
方法。
【請求項127】
前記アレナウイルス粒子が、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイル
ス(「JUNV」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する、請求項88~126のいずれか
一項記載の方法。
【請求項128】
前記アレナウイルス粒子がLCMVに由来する、請求項127記載の方法。
【請求項129】
前記LCMVが、MP株、WE株、アームストロング株、又はアームストロングクローン13株で
ある、請求項128記載の方法。
【請求項130】
前記アレナウイルス粒子がJUNVに由来する、請求項127記載の方法。
【請求項131】
前記JUNVがJUNVワクチンCandid #1株又はJUNVワクチンXJクローン3株である、請求項13
0記載の方法。
【請求項132】
前記アレナウイルス粒子がPICVに由来する、請求項127記載の方法。
【請求項133】
前記PICVが、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株である、請求項132記載
の方法。
【請求項134】
前記アレナウイルス粒子の増殖又は感染性が、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードする前記ヌクレオチド配列に影響されない、請求項88~133のいずれか一
項記載の方法。
【請求項135】
免疫チェックポイントインヒビターを投与することをさらに含む、請求項88~134のい
ずれか一項記載の方法。
【請求項136】
前記免疫チェックポイントインヒビターが抗PD-1抗体である、請求項135記載の方法。
【請求項137】
アレナウイルス粒子、化学療法剤、及び医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物で
あって、該アレナウイルス粒子が:
(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び
(ii)該アレナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「NP」)、マトリッ
クスタンパク質Z(「Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(「Lタンパク質」)
をコードするORFの野生型位置以外の位置にある少なくとも1つのアレナウイルスオープン
リーディングフレーム(「ORF」)
を含むアレナウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されている、前記医薬組成
物。
【請求項138】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される、
請求項137記載の医薬組成物。
【請求項139】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、GP100、Trp1、及びTrp2からなる群から選択される
、請求項137記載の医薬組成物。
【請求項140】
前記ヌクレオチド配列が、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれよ
り多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする、請求項137~139の
いずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項141】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ム
スチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナフ
ァジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、フ
ェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムス
チン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン
、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(strep
tozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプ
ラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾ
ロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチ
ン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケア
マイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノルビ
シン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、
カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリ
エチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(trie
thiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラタ
シン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC
-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、
デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコ
ジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタ
チン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブ
レオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、
クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン
、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸
、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromyci
n)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプト
ゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、
5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フル
ダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチ
ジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリ
ジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン
、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フ
ロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブ
リン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホファ
ミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニウ
ム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイ
タンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン
、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、
2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロ
ゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T
-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マン
ノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノ
シド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダ
トレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、C
PT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlh
ylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲム
シタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、又はこれらの医薬として許容し得る塩、酸、
もしくは誘導体のうちの1つ又は複数を含む、請求項137~140のいずれか一項記載の医薬
組成物。
【請求項142】
前記化学療法剤がシクロホスファミドである、請求項137~140のいずれか一項記載の医
薬組成物。
【請求項143】
急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性
白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛
門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆
管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細
胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、
髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;
脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;
カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経
系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳
星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous
leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;
結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜
癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外
胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カル
チノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵
巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、
小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリ
ンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カ
ポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪
肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクロ
グロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽
腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中
皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性
骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄
性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄
の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホ
ジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中
咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚
細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副
甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果
体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質
細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞
癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網
膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候
群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊
髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント
上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌
;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌
;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選
択される新生物性疾患の治療において使用するための、請求項137~142のいずれか一項記
載の医薬組成物。
【請求項144】
黒色腫の治療において使用するための、請求項137~142のいずれか一項記載の医薬組成
物。
【請求項145】
前記アレナウイルスゲノムセグメントが:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'非翻訳領域(「UTR」)の制御下にあるSセグ
メント;
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(vii)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(viii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(ix)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント
;
(x)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xi)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(xii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメン

からなる群から選択される、請求項137~144のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項146】
前記アレナウイルスの3'UTRがアレナウイルスSセグメント又はアレナウイルスLセグメ
ントの3'UTRであり、前記アレナウイルスの5'UTRがアレナウイルスSセグメント又はアレ
ナウイルスLセグメントの5'UTRである、請求項145記載の医薬組成物。
【請求項147】
前記アレナウイルス粒子がSセグメント及びLセグメントを含むように、該アレナウイル
ス粒子が第二のアレナウイルスゲノムセグメントを含む、請求項137~146のいずれか一項
記載の医薬組成物。
【請求項148】
前記アレナウイルス粒子が弱毒化されている、請求項147記載の医薬組成物。
【請求項149】
前記アレナウイルス粒子が感染性であるが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫を産生
することができない、請求項147記載の医薬組成物。
【請求項150】
前記アレナウイルス粒子が感染性でかつ複製可能である、請求項147記載の医薬組成物
【請求項151】
前記アレナウイルスゲノムセグメントが、少なくとも部分的に除去されているか又は機
能的に不活化されている少なくとも1つのアレナウイルスORFを含み、ここで、該ORFが、
前記アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする、請求項
149記載の医薬組成物。
【請求項152】
前記GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする少なくとも1つのORFが除去さ
れ、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする前記ヌクレオチド配列と
置き換えられている、請求項151記載の医薬組成物。
【請求項153】
GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする前記4つのORFのうちの1つだけが
除去されている、請求項152記載の医薬組成物。
【請求項154】
前記GPをコードするORFが除去されている、請求項153記載の医薬組成物。
【請求項155】
前記NPをコードするORFが除去されている、請求項153記載の医薬組成物。
【請求項156】
前記Zタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項153記載の医薬組成物。
【請求項157】
前記Lタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項153記載の医薬組成物。
【請求項158】
前記アレナウイルス粒子が1つのLセグメント及び2つのSセグメント又は2つのLセグメン
ト及び1つのSセグメントのいずれかを含む3セグメント型アレナウイルス粒子である、請
求項137~157のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項159】
前記アレナウイルス粒子が1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む、請求項158
記載の医薬組成物。
【請求項160】
前記アレナウイルス粒子が2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む、請求項158
記載の医薬組成物。
【請求項161】
前記3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖が複製可能な2セグメント型ウイルス粒子
を生じさせない、請求項158~160のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項162】
前記3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖が、I型インターフェロン受容体、II型イ
ンターフェロン受容体、及び組換え活性化遺伝子1(RAG1)を欠如し、かつ104PFUの該3セグ
メント型アレナウイルス粒子に感染しているマウスにおける持続性感染の70日後に、複製
可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない、請求項158~160のいずれか一項記載
の医薬組成物。
【請求項163】
2つのアレナウイルスORFを、2つの別々のセグメント上にではなく、ただ1つのセグメン
ト上にまとめる、2つのSセグメント又は2つのLセグメントのセグメント間組換えがウイル
スプロモーター活性を無効にする、請求項158~162のいずれか一項記載の医薬組成物。
【請求項164】
前記2つのSセグメントのうちの1つが:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント;
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
からなる群から選択される、請求項159記載の医薬組成物。
【請求項165】
前記2つのLセグメントのうちの1つが:
(i)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(ii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(v)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント
からなる群から選択される、請求項160記載の医薬組成物。
【請求項166】
前記2つのSセグメントが:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を各々
コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは2つの重複したアレ
ナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片及び1つの重
複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む、請求項159記載の
医薬組成物。
【請求項167】
前記2つのLセグメントが:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を各々
コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは2つの重複したアレ
ナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片及び1つの重
複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む、請求項160記載の
医薬組成物。
【請求項168】
前記アレナウイルス粒子が、免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列をさらに含む、請求項137~167のいずれか一項記載の医薬組成
物。
【請求項169】
前記免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質が:
(i)カルレティキュリン(CRT)又はその断片;
(ii)ユビキチン又はその断片;
(iii)顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)又はその断片;
(iv)インバリアント鎖(CD74)又はその抗原性断片;
(v)結核菌熱ショックタンパク質70又はその抗原性断片;
(vi)単純ヘルペスウイルス1タンパク質VP22又はその抗原性断片;
(vii)CD40リガンド又はその抗原性断片;及び
(viii)Fms関連チロシンキナーゼ3(Flt3)リガンド又はその抗原性断片
からなる群から選択される、請求項168記載の医薬組成物。
【請求項170】
前記アレナウイルス粒子が、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイル
ス(「JUNV」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する、請求項137~169のいずれか
一項記載の医薬組成物。
【請求項171】
前記アレナウイルス粒子がLCMVに由来する、請求項170記載の医薬組成物。
【請求項172】
前記LCMVが、MP株、WE株、アームストロング株、又はアームストロングクローン13株で
ある、請求項171記載の医薬組成物。
【請求項173】
前記アレナウイルス粒子がJUNVに由来する、請求項170記載の医薬組成物。
【請求項174】
前記JUNVがJUNVワクチンCandid #1株又はJUNVワクチンXJクローン3株である、請求項17
3記載の医薬組成物。
【請求項175】
前記アレナウイルス粒子がPICVに由来する、請求項170記載の医薬組成物。
【請求項176】
前記PICVが、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株である、請求項175記載
の医薬組成物。
【請求項177】
前記アレナウイルス粒子の増殖又は感染性が、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードする前記ヌクレオチド配列に影響されない、請求項137~176のいずれか一
項記載の医薬組成物。
【請求項178】
免疫チェックポイントインヒビターをさらに含む、請求項137~177のいずれか一項記載
の医薬組成物。
【請求項179】
前記免疫チェックポイントインヒビターが抗PD-1抗体である、請求項178記載の医薬組
成物。
【請求項180】
1以上の容器及び使用説明書を含むキットであって、該1以上の容器が請求項137~179の
いずれか一項記載の前記医薬組成物を含む、前記キット。
【請求項181】
2以上の容器及び使用説明書を含むキットであって、該容器のうちの1つがアレナウイル
ス粒子を含み、該容器のうちの別のものが化学療法剤を含み、ここで、該アレナウイルス
粒子が:
a.腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び
b.該アレナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「NP」)、マトリック
スタンパク質Z(「Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(「Lタンパク質」)を
コードするORFの野生型位置以外の位置にある少なくとも1つのアレナウイルスオープンリ
ーディングフレーム(「ORF」)
を含むアレナウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されている、前記キット。
【請求項182】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される、
請求項181記載のキット。
【請求項183】
前記腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、GP100、Trp1、及びTrp2からなる群から選択される
、請求項181記載のキット。
【請求項184】
前記ヌクレオチド配列が、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれよ
り多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする、請求項181~183の
いずれか一項記載のキット。
【請求項185】
前記化学療法剤が、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ム
スチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナフ
ァジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、フ
ェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムス
チン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン
、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(strep
tozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプ
ラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾ
ロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチ
ン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケア
マイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノルビ
シン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、
カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリ
エチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(trie
thiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラタ
シン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC
-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、
デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコ
ジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタ
チン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブ
レオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、
クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン
、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸
、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromyci
n)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプト
ゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、
5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フル
ダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチ
ジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリ
ジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン
、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フ
ロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブ
リン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホファ
ミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニウ
ム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイ
タンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン
、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、
2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロ
ゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T
-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マン
ノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノ
シド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダ
トレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、C
PT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlh
ylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲム
シタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、又はこれらの医薬として許容し得る塩、酸、
もしくは誘導体のうちの1つ又は複数を含む、請求項181~184のいずれか一項記載のキッ
ト。
【請求項186】
前記化学療法剤がシクロホスファミドである、請求項181~184のいずれか一項記載のキ
ット。
【請求項187】
急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性
白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛
門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆
管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細
胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、
髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;
脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;
カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経
系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳
星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous
leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;
結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜
癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外
胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カル
チノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵
巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、
小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリ
ンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カ
ポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪
肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクロ
グロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽
腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中
皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性
骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄
性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄
の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホ
ジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中
咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚
細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副
甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果
体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質
細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞
癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網
膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候
群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊
髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント
上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌
;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌
;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選
択される新生物性疾患の治療において使用するための、請求項181~186のいずれか一項記
載のキット。
【請求項188】
黒色腫の治療において使用するための、請求項181~186のいずれか一項記載のキット。
【請求項189】
前記アレナウイルスゲノムセグメントが:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'非翻訳領域(「UTR」)の制御下にあるSセグ
メント;
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(vii)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(viii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(ix)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント
;
(x)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xi)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(xii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメン

からなる群から選択される、請求項181~188のいずれか一項記載のキット。
【請求項190】
前記アレナウイルスの3'UTRが該アレナウイルスSセグメント又は該アレナウイルスLセ
グメントの3'UTRであり、前記アレナウイルスの5'UTRが該アレナウイルスSセグメント又
は該アレナウイルスLセグメントの5'UTRである、請求項189記載のキット。
【請求項191】
前記アレナウイルス粒子がSセグメント及びLセグメントを含むように、該アレナウイル
ス粒子が第二のアレナウイルスゲノムセグメントを含む、請求項181~190のいずれか一項
記載のキット。
【請求項192】
前記アレナウイルス粒子が弱毒化されている、請求項191記載のキット。
【請求項193】
前記アレナウイルス粒子が感染性であるが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫を産生
することができない、請求項191記載のキット。
【請求項194】
前記アレナウイルス粒子が感染性でかつ複製可能である、請求項191記載のキット。
【請求項195】
前記アレナウイルスゲノムセグメントが、少なくとも部分的に除去されているか又は機
能的に不活化されている少なくとも1つのアレナウイルスORFを含み、ここで、該ORFが、
前記アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする、請求項
193記載のキット。
【請求項196】
前記GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする少なくとも1つのORFが除去さ
れ、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする前記ヌクレオチド配列と
置き換えられている、請求項193記載のキット。
【請求項197】
GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする前記4つのORFのうちの1つだけが
除去されている、請求項196記載のキット。
【請求項198】
前記GPをコードするORFが除去されている、請求項197記載のキット。
【請求項199】
前記NPをコードするORFが除去されている、請求項197記載のキット。
【請求項200】
前記Zタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項197記載のキット。
【請求項201】
前記Lタンパク質をコードするORFが除去されている、請求項197記載のキット。
【請求項202】
前記アレナウイルス粒子が1つのLセグメント及び2つのSセグメント又は2つのLセグメン
ト及び1つのSセグメントのいずれかを含む3セグメント型アレナウイルス粒子である、請
求項181~201のいずれか一項記載のキット。
【請求項203】
前記アレナウイルス粒子が1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む、請求項202
記載のキット。
【請求項204】
前記アレナウイルス粒子が2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む、請求項202
記載のキット。
【請求項205】
前記3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖が複製可能な2セグメント型ウイルス粒子
を生じさせない、請求項202~204のいずれか一項記載のキット。
【請求項206】
前記3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖が、I型インターフェロン受容体、II型イ
ンターフェロン受容体、及び組換え活性化遺伝子1(RAG1)を欠如し、かつ104PFUの該3セグ
メント型アレナウイルス粒子に感染しているマウスにおける持続性感染の70日後に、複製
可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない、請求項202~204のいずれか一項記載
のキット。
【請求項207】
2つのアレナウイルスORFを、2つの別々のセグメント上にではなく、ただ1つのセグメン
ト上にまとめる、2つのSセグメント又は2つのLセグメントのセグメント間組換えがウイル
スプロモーター活性を無効にする、請求項202~206のいずれか一項記載のキット。
【請求項208】
前記2つのSセグメントのうちの1つが:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント;
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
からなる群から選択される、請求項203記載のキット。
【請求項209】
前記2つのLセグメントのうちの1つが:
(i)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(ii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(v)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント
からなる群から選択される、請求項204記載のキット。
【請求項210】
前記2つのSセグメントが:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を各々
コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは2つの重複したアレ
ナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片及び1つの重
複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む、請求項203記載の
キット。
【請求項211】
前記2つのLセグメントが:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を各々
コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは2つの重複したアレ
ナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片及び1つの重
複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む、請求項204記載の
キット。
【請求項212】
前記アレナウイルス粒子が、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイル
ス(「JUNV」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する、請求項181~211のいずれか
一項記載のキット。
【請求項213】
前記アレナウイルス粒子がLCMVに由来する、請求項212記載のキット。
【請求項214】
前記LCMVが、MP株、WE株、アームストロング株、又はアームストロングクローン13株で
ある、請求項213記載のキット。
【請求項215】
前記アレナウイルス粒子がJUNVに由来する、請求項212記載のキット。
【請求項216】
前記JUNVがJUNVワクチンCandid #1株又はJUNVワクチンXJクローン3株である、請求項21
5記載のキット。
【請求項217】
前記アレナウイルス粒子がPICVに由来する、請求項212記載のキット。
【請求項218】
前記PICVが、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株である、請求項217記載
のキット。
【請求項219】
前記アレナウイルス粒子の増殖又は感染性が、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードする前記ヌクレオチド配列に影響されない、請求項181~218のいずれか一
項記載のキット。
【請求項220】
免疫チェックポイントインヒビターをさらに含む、請求項180~219のいずれか一項記載
のキット。
【請求項221】
前記免疫チェックポイントインヒビターが抗PD-1抗体である、請求項220記載のキット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が本明細書中に組み込まれる、2016年11月4日に出願された米国仮
出願第62/417,865号及び2016年11月4日に出願された米国仮出願第62/417,891号の出願日
の優先権及び恩典を主張する。
【0002】
(電子的に提出された配列表の参照)
本出願は、2017年10月31日に作成された、113キロバイトのサイズを有する「13194-025
-228_ST25.TXT」という表題のテキストファイルとして、本出願とともに提出された配列
表を引用により組み込む。
【0003】
(1.序論)
本出願は、全体として、癌などの新生物性疾患に対する好適なワクチンとなる遺伝子改
変アレナウイルスに関する。本明細書に記載されるアレナウイルスは、ワクチンとして及
び/又は新生物性疾患の治療のために及び/又は免疫療法における使用のために好適であり
得る。特に、本明細書に提供されるのは、遺伝子改変アレナウイルスを化学療法剤と組み
合わせて投与することにより、新生物性疾患を治療するための方法及び組成物であり、こ
こで、該アレナウイルスは、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする
ヌクレオチド配列を含むように改変されている。
【背景技術】
【0004】
(2.背景)
対象となる外来遺伝子を発現する組換えマイナス鎖RNAウイルスの作製が長い間追求さ
れている。他のウイルスについて、様々な戦略が公表されている(Garcia-Sastreらの文献
、1994, J Virol 68(10): 6254-6261; Percyらの文献、1994, J Virol 68(7): 4486-4492
; Flick及びHobomの文献、1999, Virology 262(1): 93-103; Machadoらの文献、2003, Vi
rology 313(1): 235-249)。過去に、追加の外来遺伝子を2セグメント型LCMV粒子のゲノム
に導入することが可能であることが示されている(Emonetらの文献、2009, PNAS, 106(9):
3473-3478)。対象となる2つの外来遺伝子をLCMVの2セグメント型ゲノムに挿入すると、2
つのSセグメント及び1つのLセグメントを有する3セグメント型LCMV粒子(r3LCMV)が得られ
た。Emonetら(2009)によって公表された3セグメント型ウイルスでは、NPとGPの両方が、S
セグメント中のそのそれぞれの天然位置に保持されていたため、隣接するUTR中のその天
然プロモーターの下で発現された。
【0005】
(2.1 対象となる遺伝子を発現する複製欠損性アレナウイルスベクター)
抗原の発現用のベクターとしての感染性複製欠損性アレナウイルスの使用が報告されて
いる(Flatzらの文献、2010, Nat. Med., 16(3):339-345; Flatzらの文献、2012, J. Viro
l., 86(15), 7760-7770を参照)。これらの感染性複製欠損性アレナウイルスは、宿主細胞
に感染する、すなわち、宿主細胞に付着し、その遺伝物質を宿主細胞に放出することがで
きる。しかしながら、それらは、複製欠損性である、すなわち、該アレナウイルスは、GP
タンパク質などのウイルスタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)
の欠失又は機能的不活化により、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生すること
ができない。その代わりに、該ORFは、対象となる抗原のヌクレオチド配列と置換されて
いる。Flatzらの文献(2010)において、著者らは、OVA(SIINFEKLエピトープ)を発現させる
ためのベクターとして、感染性複製欠損性アレナウイルスを使用した。Flatzらの文献(20
12)において、著者らは、HIV/SIV Envを発現させるためのベクターとして、複製欠損性ア
レナウイルスを使用した。
【0006】
(2.2 対象となる遺伝子を発現する組換えLCMV)
最近、感染性アレナウイルス粒子は、感染細胞でその遺伝物質を増幅し、それを発現す
る能力を有するが、遺伝子改変されていない正常細胞ではさらなる子孫を産生することが
できないゲノムを含有するように改変することができることが示された(すなわち、感染
性複製欠損性アレナウイルス粒子)(国際公開:WO 2009/083210 A1号及び国際公開:WO 2014
/140301 A1号)。
【0007】
最近公開された国際公開:WO 2016/075250 A1号は、アレナウイルスゲノムセグメントを
改変して、そのオープンリーディングフレーム(「ORF」)の再配列を有する3セグメント型
アレナウイルス粒子であって、該アレナウイルスゲノムセグメントがウイルスORFを該ORF
の野生型位置以外の位置に担持し、複製可能な2セグメント型アレナウイルス粒子へと組
み換わらない1つのLセグメント及び2つのSセグメント又は2つのLセグメント及び1つのSセ
グメントを含む、3セグメント型アレナウイルス粒子を形成するように改変することがで
きることを示している。
【0008】
(2.3 癌及び化学療法)
化学療法薬は、癌を治療するために広く使用され、従来は、例えば、DNA合成及び複製
の妨害によって、腫瘍細胞を直接的に死滅させるのに作用する。しかしながら、化学療法
薬は、その重度の副作用でも知られており、かつ必ずしも効果があるとは限らない。癌を
より効果的に治療するために、より優れた治療選択肢が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
(3.発明の概要)
本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子を用いて新生物性疾患を治療するための方
法及び組成物である。また本明細書に提供されるのは、化学療法剤を用いて新生物性疾患
を治療するための方法及び組成物である。したがって、ある実施態様において、本明細書
に提供されるのは、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオ
チド配列を含むアレナウイルス粒子及び化学療法剤を用いて、新生物性疾患を治療するた
めの方法である。また、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス
粒子及び化学療法剤を含む組成物である。ある実施態様において、本明細書に提供される
アレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。
【0010】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、腫瘍抗原、腫瘍
関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と該ORFの野生型位置以外
の位置にある少なくとも1つのアレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」)と
を有するアレナウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されている。ある実施態
様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性アレナウイ
ルス粒子である。他の実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、
複製欠損性又は複製可能であり得る3セグメント型アレナウイルス粒子である。さらに他
の実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子は、増殖
したときに、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じない。
【0011】
(3.1 感染性複製欠損性アレナウイルス粒子)
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は感染性である、す
なわち、宿主細胞に侵入するか、又は宿主細胞にその遺伝物質を注入することができる。
あるより具体的な実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は感染性
である、すなわち、宿主細胞に侵入するか、又は宿主細胞にその遺伝物質を注入し、その
後、宿主細胞の内部でその遺伝情報を増幅し、それを発現することができる。ある実施態
様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性アレナウイ
ルス粒子となるように改変されている、すなわち、感染細胞でその遺伝情報を増幅し、そ
れを発現する能力を有するが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することが
できないゲノムを含有する。
【0012】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はそ
の抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び感染細胞でその遺伝情報を増幅し、そ
れを発現する能力:を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することが
できないゲノムを含有するように改変されたアレナウイルス粒子である。ある実施態様に
おいて、該アレナウイルス粒子は、感染性かつ複製欠損性である。
【0013】
本明細書に提供されるアレナウイルス粒子に含まれるヌクレオチド配列によってコード
される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される腫
瘍抗原又は腫瘍関連抗原のうちの1つ又は複数であることができる。ある実施態様におい
て、該ヌクレオチド配列は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれよ
り多くの腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原又はその抗原性断片をコードする。ある実施態様にお
いて、本明細書に提供される腫瘍抗原又は腫瘍関連物の抗原性断片は、該アレナウイルス
に含まれるヌクレオチド配列によってコードされる。
【0014】
ある実施態様において、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は
、少なくとも部分的に除去されているか又は機能的に不活化されている少なくとも1つの
アレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」)を含む。該ORFは、該アレナウイ
ルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「NP」)、マトリックスタンパク質Z(「
Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(「Lタンパク質」)をコードすることが
できる。さらに、ある実施態様において、該GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコ
ードする少なくとも1つのORFは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。ある実施態
様において、該GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする4つのORFのうちの1
つだけが除去されている。したがって、ある実施態様において、GPをコードするORFが除
去されている。ある実施態様において、NPをコードするORFが除去されている。ある実施
態様において、Zタンパク質をコードするORFが除去されている。ある実施態様において、
Lタンパク質をコードするORFが除去されている。
【0015】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を含む感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は、少
なくとも1つの免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコードする少なく
とも1つのヌクレオチド配列をさらに含む。ある実施態様において、該免疫調節性ペプチ
ド、ポリペプチド、又はタンパク質は、カルレティキュリン(CRT)もしくはその断片;ユビ
キチンもしくはその断片;顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)もしくはその
断片;インバリアント鎖(CD74)もしくはその抗原性断片;結核菌熱ショックタンパク質70も
しくはその抗原性断片;単純ヘルペスウイルス1タンパク質VP22もしくはその抗原性断片;C
D40リガンドもしくはその抗原性断片;又はFms関連チロシンキナーゼ3(Flt3)リガンドもし
くはその抗原性断片である。
【0016】
ある実施態様において、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は
、特定のアレナウイルス種、例えば、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニン
ウイルス(「JUNV」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する。言い換えると、該感
染性複製欠損性アレナウイルス粒子をコードするゲノム情報は、アレナウイルスの特定の
種に由来する。したがって、ある実施態様において、該感染性複製欠損性アレナウイルス
粒子はLCMVに由来する。他の実施態様において、該感染性複製欠損性アレナウイルス粒子
はJUNVに由来する。他の実施態様において、該感染性複製欠損性アレナウイルス粒子はPI
CVに由来する。さらに、具体的な実施態様において、LCMVは、MP株、WE株、アームストロ
ング株、又はアームストロングクローン13株である。他の具体的な実施態様において、JU
NVは、JUNVワクチンCandid #1株、又はJUNVワクチンXJクローン3株である。他の具体的な
実施態様において、PICVは、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株である。
【0017】
(a)新生物性疾患を治療する方法
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方
法である。そのような方法は、それを必要としている対象に、本明細書に提供されるアレ
ナウイルス粒子を、本明細書に提供される化学療法剤と組み合わせて投与することを含む
ことができる。ある実施態様において、本方法において使用されるアレナウイルス粒子は
、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。したがって、ある実施態様において、本
方法において使用される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は、(1)腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び(2)感染細胞でその遺伝
情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を
産生することができないゲノムを含有するように改変されている。
【0018】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子に含まれるヌクレオ
チド配列によってコードされる腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、発癌ウイルス抗原、癌精巣
抗原、癌胎児性抗原、組織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AI
M-2、ALDH1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna
)、Ga733(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1
、IGF2B3、IL13Rα2、腸カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイ
ン4、KIF20A、レングシン、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、
p53(非突然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2A
S、セセルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラー
ゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53
、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-AB
L、BCR-ABL融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4
、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-
AML1融合タンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合
タンパク質、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras
(V-Ki-ras2 カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl
、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソ
メラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタ
イプ、GD2、ガングリオシドG2)、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(P
R1)、チロシナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPA
P、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロ
ゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1
、メソテリン、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SAR
T3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(
HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1
、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチ
ニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニ
ン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患
液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロ
フィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナ
プトフィシス、サイログロブリン、甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイム
タイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、G
AGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB
、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオ
シドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、C
A 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA
-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel
、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-
RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、T
AG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tg
p72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70
K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プ
ロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、イ
ンテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、
及びROR1からなる群から選択される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原のうちの1つ又は複数であ
ることができる。ある実施態様において、該ヌクレオチド配列は、2つ、3つ、4つ、5つ、
6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれより多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片をコードする。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗
原の抗原性断片は、該アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコードされる
。具体的な実施態様において、該腫瘍抗原は、GP100、Trp1、Trp2、及びこれらの組合せ
からなる群から選択される。具体的な実施態様において、該腫瘍抗原はGP100である。具
体的な実施態様において、該腫瘍抗原はTrp1である。具体的な実施態様において、該腫瘍
抗原はTrp2である。
【0019】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化学療法剤を複製欠損性アレナウ
イルス粒子と組み合わせて投与することにより、対象の新生物性疾患を治療する方法であ
る。ある実施態様において、該化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミ
ド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、イ
ンターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せで
ある。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、ア
ルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様にお
いて、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/
ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナ
ファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、
フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダム
スチン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチ
ン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(str
eptozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラ
プラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミト
ゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリス
チン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケ
アマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノル
ビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ
、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、ト
リエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(tr
iethiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラ
タシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、
CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン
、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サル
コジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノス
タチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、
ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン
、クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシ
ン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール
酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromy
cin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプ
トゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート
、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フ
ルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシ
チジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフル
リジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロ
ン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、
フロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレ
ブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホフ
ァミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニ
ウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メ
イタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリ
ン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸
、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピ
ロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン;
T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マ
ンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビ
ノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エ
ダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば
、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluorome
tlhylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin)、
ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬とし
て許容し得る塩、酸、又は誘導体のうちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様におい
て、該化学療法剤は、シクロホスファミドを含む。ある実施態様において、該窒素マスタ
ードは、メクロレタミン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホス
ファミド、又はブスルファンである。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアル
キル化する。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「IC
L」)の形成をもたらす。
【0020】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化学療法剤を、複製欠損性アレナ
ウイルス粒子及び負のチェックポイントレギュレーターの活性を阻害するか、低下させる
か、又は妨害する免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することにより
、対象の新生物性疾患を治療する方法である。ある実施態様において、該負のチェックポ
イントレギュレーターは、細胞傷害性T-リンパ球抗原-4(CTLA-4)、CD80、CD86、プログラ
ム細胞死1(PD-1)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-
L2)、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3;別名、CD223)、ガレクチン-3、B及びTリンパ球アテ
ニュエーター(BTLA)、T細胞膜タンパク質3(TIM3)、ガレクチン-9(GAL9)、B7-H1、B7-H3、
B7-H4、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT/Vstm3/WUCAM/VSIG9)、T細胞
活性化のV-ドメインIgサプレッサー(VISTA)、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受
容体関連(GITR)タンパク質、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、OX40、CD27、
CD28、CD137、CGEN-15001T、CGEN-15022、CGEN-15027、CGEN-15049、CGEN-15052、並びに
CGEN-15092からなる群から選択される。ある実施態様において、該免疫チェックポイント
インヒビターは抗PD-1抗体である。
【0021】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法を用いて治療される対象は、新生物
性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝されている。したが
って、いくつかの実施態様において、該対象は、新生物性疾患を患っている。いくつかの
実施態様において、該対象は、新生物性疾患を起こしやすい。いくつかの実施態様におい
て、該対象は、新生物性疾患のリスクに曝されている。ある実施態様において、本明細書
に提供される方法によって治療可能な対象の新生物性疾患は、急性リンパ芽球性白血病;
急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(成
人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非
定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪
性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳
星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始
神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫
/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノ
イド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ
腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リ
ンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(chr
onic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞
リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユー
イングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝
外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫瘍
;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍
、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細胞
白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経
路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲ
ルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細
胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレー
ム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(
眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平
上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、
骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人
急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及
び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口
腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織
球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌
;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞
腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント
上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽
腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行
上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;
唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非
黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明
転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T
細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び
胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;
子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選択される。ある実施態様に
おいて、本明細書に提供される方法によって治療可能な対象の新生物性疾患は黒色腫であ
る。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該化学療法剤はシクロ
ホスファミドである。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該腫
瘍抗原は、GP100、Trp1、Trp2、及びこれらの組合せからなる群から選択され、該化学療
法剤はシクロホスファミドである。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫
であり、該腫瘍抗原はGP100であり、該化学療法剤はシクロホスファミドである。具体的
な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該腫瘍抗原はTrp2であり、該化学
療法剤はシクロホスファミドである。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色
腫であり、該腫瘍抗原はTrp1であり、該化学療法剤はシクロホスファミドである。より具
体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該腫瘍抗原はTrp1であり、該
化学療法剤はシクロホスファミドであり、本方法は、抗PD-1抗体を投与することをさらに
含む。
【0022】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法において使用される本明細書に提供
されるアレナウイルス粒子及び本明細書に提供される化学療法剤は、種々の異なる組合せ
で投与することができる。したがって、ある実施態様において、該アレナウイルス粒子及
び化学療法剤は、同時に共投与される。他の実施態様において、該アレナウイルス粒子は
、該化学療法剤の投与前に投与される。さらに他の実施態様において、該アレナウイルス
粒子は、該化学療法剤の投与後に投与される。該アレナウイルス粒子と該化学療法剤の投
与間隔は、数時間、数日、数週間、又は数カ月である。したがって、いくつかの実施態様
において、該間隔は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時
間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約1日、約2日、約3日、約4日、
約5日、約6日、約1週間、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約2週間、約
3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間
、約12週間、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月であるか、又はそ
れより長い。
【0023】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法は、本明細書に提供されるアレナウ
イルス粒子及び本明細書に提供される化学療法剤を治療有効量で投与することを含む。し
たがって、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治
療する方法であって、それを必要としている対象に、治療有効量の感染性複製欠損性アレ
ナウイルス粒子及び治療有効量の化学療法剤を投与することを含み、ここで、該アレナウ
イルス粒子が:腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド
配列;及び感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞
ではさらなる感染性子孫粒子を産生することができないゲノムを含有するように改変され
ている、方法である。
【0024】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方
法であって、該対象に、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する2以上
のアレナウイルスを投与することを含む、方法である。より具体的な実施態様において、
本明細書に提供される方法は、該対象に、第一の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を
投与すること、及び該対象に、一定期間後、第二の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子
を投与することを含む。さらに別の実施態様において、第一の感染性複製欠損性アレナウ
イルス粒子及び第二の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は、異なるアレナウイルス種
に由来し、かつ/又は異なる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片をコード
するヌクレオチド配列を含む。
【0025】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法及び組成物は、オーダメイド医療と
組み合わせて使用される。オーダメイド医療は、患者の特有の遺伝的な及び/又はエピジ
ェネティックなプロファイルからの情報を用いて、様々な治療法に対する患者の応答を予
測し、どの治療法が効果的である可能性がより高いかを特定することにより、患者に利益
を与えようとする。患者の特有の遺伝的な及び/又はエピジェネティックなプロファイル
を得るために本明細書に提供される方法及び組成物と組み合わせて使用することができる
技法としては、ゲノムシークエンシング、RNAシークエンシング、遺伝子発現解析、及び
腫瘍抗原(例えば、新生抗原)、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の同定が挙げられるが
、これらに限定されない。ある実施態様において、本明細書に提供される方法及び組成物
において使用するためのアレナウイルス腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の選択は、患者の遺伝
的プロファイルに基づいて行われる。ある実施態様において、本明細書に提供される方法
及び組成物において使用するためのアレナウイルス腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の選択は、
腫瘍又は腫瘍細胞の遺伝的プロファイルに基づいて行われる。ある実施態様において、本
明細書に提供される方法及び組成物において使用するための治療剤の選択は、腫瘍又は腫
瘍細胞の遺伝的プロファイルに基づいて行われる。ある実施態様において、本明細書に提
供される方法及び組成物において使用するためのアレナウイルス腫瘍抗原又は腫瘍関連抗
原の選択及び治療剤の選択は、腫瘍又は腫瘍細胞の遺伝的プロファイルに基づいて行われ
る。
【0026】
(b)医薬組成物及びキット
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供されるアレナウイ
ルス粒子、本明細書に提供される化学療法剤、及び医薬として許容し得る担体を含む組成
物、例えば、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物である。したがって、い
くつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される感染性複
製欠損性アレナウイルス粒子、本明細書に提供される化学療法剤、及び医薬として許容し
得る担体を含む医薬組成物である。具体的なある実施態様において、該アレナウイルス粒
子は:(1)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;
及び(2)感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞で
はさらなる感染性子孫粒子を産生することができないゲノムを含有するように改変されて
いる。
【0027】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子に含まれるヌクレオ
チド配列によってコードされる腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、発癌ウイルス抗原、癌精巣
抗原、癌胎児性抗原、組織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AI
M-2、ALDH1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna
)、Ga733(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1
、IGF2B3、IL13Rα2、腸カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイ
ン4、KIF20A、レングシン、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、
p53(非突然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2A
S、セセルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラー
ゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53
、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-AB
L、BCR-ABL融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4
、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-
AML1融合タンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合
タンパク質、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras
(V-Ki-ras2 カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl
、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソ
メラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタ
イプ、GD2、ガングリオシドG2)、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(P
R1)、チロシナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPA
P、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロ
ゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1
、メソテリン、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SAR
T3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(
HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1
、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチ
ニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニ
ン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患
液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロ
フィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナ
プトフィシス、サイログロブリン、甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイム
タイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、G
AGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB
、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオ
シドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、C
A 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA
-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel
、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-
RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、T
AG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tg
p72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70
K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プ
ロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、イ
ンテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、
及びROR1からなる群から選択される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原のうちの1つ又は複数であ
ることができる。ある実施態様において、該ヌクレオチド配列は、2つ、3つ、4つ、5つ、
6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれより多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片をコードする。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原又は腫瘍関連
抗原の抗原性断片は、該アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコードされ
る。
【0028】
ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物を含む、本
明細書に提供される組成物は、複製欠損性アレナウイルス粒子と組み合わせた化学療法剤
を含む。ある実施態様において、該化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスフ
ァミド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質
、インターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合
せである。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア
、アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様
において、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメ
チン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロ
ロナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキ
ン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベン
ダムスチン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロム
スチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン
(streptozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サ
トラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、
ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンク
リスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カ
リケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウ
ノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾド
ーパ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン
、トリエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミ
ド(triethiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)
、ブラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタ
チン、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラス
タチン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン
、サルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカル
ジノスタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセ
リン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフ
ィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノル
ロイシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェ
ノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(pot
firomycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ス
トレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキ
セート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセー
ト、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、
アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキ
シフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモス
タノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロス
タン、フロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、ア
ミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、
デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリ
プチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニ
ン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニト
ラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィ
リン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン
、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチル
アミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデ
シン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン
、アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポ
シド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン
(例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(dif
luorometlhylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomy
cin)、ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医
薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体のうちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様
において、該化学療法剤は、シクロホスファミドを含む。ある実施態様において、該窒素
マスタードは、メクロレタミン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、
イホスファミド、又はブスルファンである。ある実施態様において、該化学療法剤はDNA
をアルキル化する。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架
橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【0029】
ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物を含む、本
明細書に提供される組成物は、化学療法剤及び負のチェックポイントレギュレーターの活
性を阻害するか、低下させるか、又は妨害する免疫チェックポイントインヒビターを含む
。ある実施態様において、該負のチェックポイントレギュレーターは、細胞傷害性T-リン
パ球抗原-4(CTLA-4)、CD80、CD86、プログラム細胞死1(PD-1)、プログラム細胞死リガン
ド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-L2)、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3;別名
、CD223)、ガレクチン-3、B及びTリンパ球アテニュエーター(BTLA)、T細胞膜タンパク質3
(TIM3)、ガレクチン-9(GAL9)、B7-H1、B7-H3、B7-H4、Ig及びITIMドメインを有するT細胞
免疫受容体(TIGIT/Vstm3/WUCAM/VSIG9)、T細胞活性化のV-ドメインIgサプレッサー(VISTA
)、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体関連(GITR)タンパク質、ヘルペスウイ
ルス侵入メディエーター(HVEM)、OX40、CD27、CD28、CD137、CGEN-15001T、CGEN-15022、
CGEN-15027、CGEN-15049、CGEN-15052、並びにCGEN-15092からなる群から選択される。あ
る実施態様において、該免疫チェックポイントインヒビターは抗PD-1抗体である。
【0030】
ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物を含む、本
明細書に提供される組成物は、本明細書に記載される方法において使用することができる
。したがって、ある実施態様において、該組成物は、新生物性疾患の治療のために使用す
ることができる。具体的なある実施態様において、本明細書に提供される組成物は、急性
リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;
急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫
垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌
);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人
/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳
腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠
腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイ
ド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫
瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;
脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);
慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;
頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫
;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;
性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消
化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨
毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路
及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽
頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎
臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(
原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血
症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;
黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪
性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質
細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢
性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増
殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ
腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫
/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣
低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎
癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松
果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発
性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎
盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横
紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒
色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平
上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経
外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸
腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子
宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選択される新
生物性疾患の治療のために使用することができる。
【0031】
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される方法を実施するために使用する
ことができるキットである。したがって、ある実施態様において、本明細書に提供される
キットは、1以上の容器及び使用説明書を含み、ここで、該1以上の容器は、本明細書に提
供される組成物(例えば、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物)を含む。他
のある実施態様において、本明細書に提供されるキットは、各々が本明細書に記載される
方法を実施するための活性成分を含有する容器を含む。したがって、ある実施態様におい
て、本明細書に提供されるキットは、2以上の容器及び使用説明書を含み、ここで、該容
器のうちの1つは、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を含み、
別の容器は、本明細書に提供される化学療法剤を含む。具体的な実施態様において、本明
細書に提供されるキットは、2以上の容器及び使用説明書を含み、ここで、該容器のうち
の1つは、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を含み、別の容器
は、本明細書に提供される化学療法剤を含み、ここで、該アレナウイルス粒子は:腫瘍抗
原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び感染細胞で
その遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子
孫粒子を産生することができないゲノムを含有するように改変されている。
【0032】
(3.2 非天然のオープンリーディングフレームを有するアレナウイルス粒子)
ある実施態様において、そのゲノム中のそのORFの再配列及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を有するアレナウイルスは、本明細
書に提供される方法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せとともに使用することが
できる。特定の実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、アレナ
ウイルスORFを野生型位置以外の位置に担持するように改変されているアレナウイルスゲ
ノムセグメントを含む。したがって、ある特定の実施態様において、本明細書に提供され
るのは:腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及
び該ORFの野生型位置以外の位置にある少なくとも1つのアレナウイルスORFを含むアレナ
ウイルスゲノムセグメントであり、ここで、該ORFは、アレナウイルス粒子の糖タンパク
質(「GP」)、核タンパク質(「NP」)、マトリックスタンパク質Z(「Zタンパク質」)、又は
RNA依存性RNAポリメラーゼL(「Lタンパク質」)をコードする。また本明細書に提供される
のは、そのようなアレナウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されているアレ
ナウイルス粒子である。
【0033】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は感染性である、す
なわち、それは、宿主細胞に侵入するか、又は宿主細胞にその遺伝物質を注入することが
できる。あるより具体的な実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子
は感染性である、すなわち、宿主細胞に侵入するか、又は宿主細胞にその遺伝物質を注入
し、その後、宿主細胞の内部でその遺伝情報を増幅し、それを発現することができる。あ
る実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性ア
レナウイルス粒子となるように改変されている、すなわち、それは、感染細胞でその遺伝
情報を増幅し、それを発現する能力を有するが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子
を産生することができないゲノムを含有する。
【0034】
本明細書に提供されるアレナウイルスゲノムセグメント又はアレナウイルス粒子に含ま
れるヌクレオチド配列によってコードされる腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、発癌ウイルス
抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポ
フィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI
、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-
2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、
カリクレイン4、KIF20A、レングシン、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1
、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、R
NF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、
テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-E
SO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC
1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc
27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AM
L、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラー
ゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ra
s、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2
、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリ
ン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イ
ディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイ
ナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスフ
ァターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK
、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フ
コシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-
BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫
関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、
MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、
カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロ
モグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢
胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、
ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファター
ゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイ
ソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、G
AGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA
、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガン
グリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA
195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A
2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-
K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL
、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-
72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、
791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、
NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70
、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8
、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD1
38、及びROR1からなる群から選択される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原のうちの1つ又は複数
であることができる。ある実施態様において、該ヌクレオチド配列は、2つ、3つ、4つ、5
つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれより多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードする。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原又は腫瘍
関連抗原の抗原性断片は、該アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコード
される。
【0035】
したがって、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供され
る腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むア
レナウイルスゲノムセグメントである。ある実施態様において、該ゲノムセグメントは、
アレナウイルスORFをORFの野生型位置以外の位置に担持するように改変されている。いく
つかの実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントは:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント;
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(vii)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(viii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(ix)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント
;
(x)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xi)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(xii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメン

からなる群から選択される。
【0036】
ある実施態様において、該アレナウイルスの3'UTRは、該アレナウイルスSセグメント又
は該アレナウイルスLセグメントの3'UTRである。ある実施態様において、該アレナウイル
スの5'UTRは、該アレナウイルスSセグメント又は該アレナウイルスLセグメントの5'UTRで
ある。
【0037】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、該アレナウイル
ス粒子がSセグメント及びLセグメントを含むように、第二のアレナウイルスゲノムセグメ
ントを含む。
【0038】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は感染性である、す
なわち、それは、宿主細胞に侵入するか、又は宿主細胞にその遺伝物質を注入することが
できる。あるより具体的な実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子
は感染性である、すなわち、宿主細胞に侵入するか、又は宿主細胞にその遺伝物質を注入
し、その後、宿主細胞の内部でその遺伝情報を増幅し、それを発現することができる。あ
る実施態様において、該アレナウイルス粒子は、感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それ
を発現する能力を有するが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することがで
きないゲノムを含有するように改変された感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。
ある実施態様において、該アレナウイルス粒子は複製可能であり、かつ遺伝子改変されて
いない正常細胞でさらなる感染性子孫粒子を産生することができる。あるより具体的な実
施態様において、そのような複製可能な粒子は、該複製可能な粒子が由来する野生型ウイ
ルスと比べて弱毒化されている。
【0039】
ある実施態様において、アレナウイルスゲノムセグメントを含むアレナウイルス粒子を
含む、本明細書に提供されるアレナウイルスゲノムセグメントは、少なくとも部分的に除
去されているか又は機能的に不活化されている少なくとも1つのアレナウイルスORFを含む
。該ORFは、アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする
ことができる。さらに、ある実施態様において、該GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク
質をコードする少なくとも1つのORFは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。ある
実施態様において、GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする4つのORFのうち
の1つだけが除去されている。したがって、ある実施態様において、GPをコードするORFが
除去されている。ある実施態様において、NPをコードするORFが除去されている。ある実
施態様において、Zタンパク質をコードするORFが除去されている。ある実施態様において
、Lタンパク質をコードするORFが除去されている。
【0040】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、特定のアレナウ
イルス種、例えば、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイルス(「JUNV
」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する。言い換えると、該アレナウイルス粒
子をコードするゲノム情報は、アレナウイルスの特定の種に由来する。したがって、ある
実施態様において、該アレナウイルス粒子はLCMVに由来する。他の実施態様において、該
アレナウイルス粒子はJUNVに由来する。他の実施態様において、該アレナウイルス粒子は
PICVに由来する。さらに、具体的な実施態様において、該LCMVは、MP株、WE株、アームス
トロング株、又はアームストロングクローン13株である。他の具体的な実施態様において
、該JUNVは、JUNVワクチンCandid #1株、又はJUNVワクチンXJクローン3株である。他の具
体的な実施態様において、該PICVは、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株
である。
【0041】
(a)3セグメント型アレナウイルス
ある実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌ
クレオチド配列を含む3セグメント型アレナウイルス粒子は、本明細書に提供される方法
及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せとともに使用することができる。したがって
、ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、1つのLセグメン
ト及び2つのSセグメント又は2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含むことができる
。ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子は、
複製可能な2セグメント型アレナウイルス粒子へと組み換わらない。したがって、ある実
施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖は、I型インターフェロン受
容体、II型インターフェロン受容体、及び組換え活性化遺伝子1(RAG1)を欠如し、かつ104
PFUの該3セグメント型アレナウイルス粒子に感染しているマウスにおける持続性感染の70
日後に、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない。本明細書に提供される3
セグメント型アレナウイルス粒子は、ある実施態様において、遺伝的安定性を向上させ、
持続的な導入遺伝子発現を保証するように改変することができる。さらに、ある実施態様
において、2つのアレナウイルスORFを、2つの別々のセグメント上にではなく、ただ1つの
セグメント上にまとめる、2つのSセグメント又は2つのLセグメントのセグメント間組換え
は、ウイルスプロモーター活性を無効にする。
【0042】
ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子は感
染性である、すなわち、それは、宿主細胞に侵入するか、又は宿主細胞にその遺伝物質を
注入することができる。あるより具体的な実施態様において、本明細書に提供される3セ
グメント型アレナウイルス粒子は感染性である、すなわち、それは、宿主細胞に侵入する
か、又は宿主細胞にその遺伝物質を注入し、その後、宿主細胞の内部でその遺伝情報を増
幅し、それを発現することができる。ある実施態様において、該3セグメント型アレナウ
イルス粒子は、感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を有するが、非相
補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することができないゲノムを含有するように改
変された感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、該3セグ
メント型アレナウイルス粒子は複製可能であり、かつ遺伝子改変されていない正常細胞で
さらなる感染性子孫粒子を産生することができる。あるより具体的な実施態様において、
そのような複製可能な粒子は、該複製可能な粒子が由来する野生型ウイルスと比べて弱毒
化されている。
【0043】
本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子に含まれるヌクレオチド配列
によってコードされる腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌
胎児性抗原、組織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALD
H1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733
(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3
、IL13Rα2、腸カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF2
0A、レングシン、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突
然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセ
ルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF
、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1
、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-AB
L融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、
CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タ
ンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質
、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2
カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2
、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、o
rmdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、
ガングリオシドG2)、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシ
ナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP
、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、
サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン
、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭
酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AK
AP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR
-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜
抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケ
ラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク
質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント
、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス
、サイログロブリン、甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二
量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-
3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88
、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児
性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、
CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2
、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE
-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、
MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72
-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BC
A225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RC
AS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TAR
P(T細胞受容体γ選択的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3
(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる
群から選択される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原のうちの1つ又は複数であることができる。
ある実施態様において、該ヌクレオチド配列は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9
つ、10、又はそれより多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする
。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の抗原性断片
は、該3セグメント型アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコードされる
【0044】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、そのゲノム中のそのORFの再配列
及び本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌ
クレオチド配列を有する3セグメント型アレナウイルスである。特定の実施態様において
、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子は、アレナウイルスORFを野生
型位置以外の位置に担持するように改変されている。したがって、ある特定の実施態様に
おいて、本明細書に提供されるのは:腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコ
ードするヌクレオチド配列;及び該ORFの野生型位置以外の位置にある少なくとも1つのア
レナウイルスORFを含む3セグメント型アレナウイルスであり、ここで、該ORFは、アレナ
ウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする。
【0045】
ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子に含
まれる2つのSセグメントのうちの1つは:
(i)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
(ii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメント
;
(iii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるSセグメン
ト;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント;
及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメント
からなる群から選択される。
【0046】
ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子に含
まれる2つのLセグメントのうちの1つは:
(xiii)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xiv)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xv)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント
;
(xvi)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xvii)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(xviii)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメ
ント
からなる群から選択される。
【0047】
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子の3'UTRは、該アレナウイ
ルスSセグメント又は該アレナウイルスLセグメントの3'UTRである。他の実施態様におい
て、該3セグメント型アレナウイルス粒子の5'UTRは、該アレナウイルスSセグメント又は
該アレナウイルスLセグメントの5'UTRである。
【0048】
ある実施態様において、2つのSセグメントは:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはそ
の抗原性断片を各々コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは
2つの重複したアレナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原
性断片及び1つの重複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む
【0049】
ある実施態様において、2つのLセグメントは:(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはそ
の抗原性断片を各々コードする1つもしくは2つのヌクレオチド配列;又は(ii)1つもしくは
2つの重複したアレナウイルスORF;又は(iii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原
性断片及び1つの重複したアレナウイルスORFをコードする1つのヌクレオチド配列を含む
【0050】
ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子は、
少なくとも部分的に除去されているか又は機能的に不活化されている少なくとも1つのア
レナウイルスORFを含む。該ORFは、アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、又はLタ
ンパク質をコードすることができる。さらに、ある実施態様において、該GP、NP、Zタン
パク質、又はLタンパク質をコードする少なくとも1つのORFは除去され、本明細書に提供
される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置
き換えられている。ある実施態様において、GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコ
ードする4つのORFのうちの1つだけが除去されている。したがって、ある実施態様におい
て、GPをコードするORFが除去されている。ある実施態様において、NPをコードするORFが
除去されている。ある実施態様において、Zタンパク質をコードするORFが除去されている
。ある実施態様において、Lタンパク質をコードするORFが除去されている。
【0051】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、特定のアレナウ
イルス種、例えば、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(「LCMV」)、フニンウイルス(「JUNV
」)、又はピチンデウイルス(「PICV」)に由来する。言い換えると、該アレナウイルス粒
子をコードするゲノム情報は、アレナウイルスの特定の種に由来する。したがって、ある
実施態様において、該アレナウイルス粒子はLCMVに由来する。他の実施態様において、該
アレナウイルス粒子はJUNVに由来する。他の実施態様において、該アレナウイルス粒子は
PICVに由来する。さらに、具体的な実施態様において、該LCMVは、MP株、WE株、アームス
トロング株、又はアームストロングクローン13株である。他の具体的な実施態様において
、該JUNVは、JUNVワクチンCandid #1株、又はJUNVワクチンXJクローン3株である。他の具
体的な実施態様において、該PICVは、Munchique CoAn4763分離株P18という株、又はP2株
である。
【0052】
(b)新生物性疾患を治療する方法
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方
法である。そのような方法は、それを必要としている対象に、本明細書に提供される、3
セグメント型アレナウイルス粒子を含む、アレナウイルス粒子を、本明細書に提供される
化学療法剤と組み合わせて投与することを含むことができる。
【0053】
ある実施態様において、本方法において使用されるアレナウイルス粒子は、本明細書に
提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、本方法
において使用されるアレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性3セグメント型アレナウイ
ルス粒子又は複製可能な3セグメント型アレナウイルス粒子を含む、本明細書に提供され
る3セグメント型アレナウイルス粒子である。したがって、ある実施態様において、本方
法において使用される、3セグメント型アレナウイルス粒子を含む、アレナウイルス粒子
は複製欠損性であり、ここで、該3セグメント型アレナウイルス粒子は:(1)腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び(2)感染細胞でその
遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒
子を産生することができないゲノムを含有するように改変されている。さらに、ある実施
態様において、本方法において使用される3セグメント型アレナウイルス粒子は複製可能
であり、ここで、該3セグメント型アレナウイルス粒子は:(1)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、
又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;(2)感染細胞でその遺伝情報を増幅し
、それを発現する能力;及び(3)遺伝子改変されていない正常細胞でさらなる感染性子孫粒
子を産生する能力を含むゲノムを含有するように改変されている。
【0054】
ある実施態様において、本明細書に提供される、3セグメント型アレナウイルス粒子を
含む、アレナウイルス粒子に含まれるヌクレオチド配列によってコードされる腫瘍抗原又
は腫瘍関連抗原は、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組織分化抗原、突然
変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、
CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グ
リピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸カルボキシルエス
テラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン、M-CSF、MCSP、m
dm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PS
MA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回
膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、C
D52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-
6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CA
SP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク
質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、
LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合
タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット肉腫ウイルス癌
遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タン
パク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRv
III(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)、Ras-突然変異
体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切
断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS
融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MY
CN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、
GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タン
パク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグ
マイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、T
RP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、C
D19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸
性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1
、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)
、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、甲状腺転写因子
1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、C
AGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、
HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、S
YCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA
15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイ
ン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミ
オシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P1
5(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180er
bB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P1
6、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-
175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、T
PS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択的リーディングフ
レームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD12
3、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される腫瘍抗原又は腫瘍関
連抗原のうちの1つ又は複数であることができる。ある実施態様において、該ヌクレオチ
ド配列は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれより多くの腫瘍抗原
、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする。ある実施態様において、本明細書に
提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原の抗原性断片は、3セグメント型アレナウイルスを含
む、アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコードされる。具体的な実施態
様において、該腫瘍抗原は、GP100、Trp1、Trp2、及びこれらの組合せからなる群から選
択される。具体的な実施態様において、該腫瘍抗原はGP100である。具体的な実施態様に
おいて、該腫瘍抗原はTrp1である。具体的な実施態様において、該腫瘍抗原はTrp2である
【0055】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化学療法剤を3セグメント型アレ
ナウイルス粒子と組み合わせて投与することにより、対象の新生物性疾患を治療する方法
である。ある実施態様において、該化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスフ
ァミド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質
、インターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合
せである。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア
、アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様
において、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメ
チン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロ
ロナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキ
ン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベン
ダムスチン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロム
スチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン
(streptozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サ
トラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、
ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンク
リスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カ
リケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウ
ノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾド
ーパ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン
、トリエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミ
ド(triethiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)
、ブラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタ
チン、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラス
タチン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン
、サルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカル
ジノスタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセ
リン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフ
ィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノル
ロイシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェ
ノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(pot
firomycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ス
トレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキ
セート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセー
ト、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、
アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキ
シフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモス
タノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロス
タン、フロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、ア
ミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、
デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリ
プチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニ
ン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニト
ラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィ
リン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン
、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチル
アミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデ
シン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン
、アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポ
シド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン
(例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(dif
luorometlhylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomy
cin)、ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医
薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体のうちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様
において、該化学療法剤は、シクロホスファミドを含む。ある実施態様において、該窒素
マスタードは、メクロレタミン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、
イホスファミド、又はブスルファンである。ある実施態様において、該化学療法剤はDNA
をアルキル化する。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架
橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【0056】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化学療法剤を、3セグメント型ア
レナウイルス粒子及び負のチェックポイントレギュレーターの活性を阻害するか、低下さ
せるか、又は妨害する免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することに
より、対象の新生物性疾患を治療する方法である。ある実施態様において、該負のチェッ
クポイントレギュレーターは、細胞傷害性T-リンパ球抗原-4(CTLA-4)、CD80、CD86、プロ
グラム細胞死1(PD-1)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2
(PD-L2)、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3;別名、CD223)、ガレクチン-3、B及びTリンパ球
アテニュエーター(BTLA)、T細胞膜タンパク質3(TIM3)、ガレクチン-9(GAL9)、B7-H1、B7-
H3、B7-H4、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT/Vstm3/WUCAM/VSIG9)、T
細胞活性化のV-ドメインIgサプレッサー(VISTA)、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因
子受容体関連(GITR)タンパク質、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、OX40、CD
27、CD28、CD137、CGEN-15001T、CGEN-15022、CGEN-15027、CGEN-15049、CGEN-15052、並
びにCGEN-15092からなる群から選択される。ある実施態様において、該免疫チェックポイ
ントインヒビターは抗PD-1抗体である。
【0057】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法を用いて治療される対象は、新生物
性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝されている。したが
って、いくつかの実施態様において、該対象は、新生物性疾患を患っている。いくつかの
実施態様において、該対象は、新生物性疾患を起こしやすい。いくつかの実施態様におい
て、該対象は、新生物性疾患のリスクに曝されている。ある実施態様において、本明細書
に提供される方法によって治療可能な対象の新生物性疾患は、急性リンパ芽球性白血病;
急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(成
人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非
定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪
性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳
星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始
神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫
/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノ
イド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ
腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リ
ンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(chr
onic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞
リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユー
イングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝
外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫瘍
;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍
、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細胞
白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経
路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲ
ルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細
胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレー
ム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(
眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平
上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、
骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人
急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及
び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口
腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織
球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌
;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞
腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント
上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽
腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行
上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;
唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非
黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明
転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T
細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び
胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;
子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選択される。ある実施態様に
おいて、本明細書に提供される方法によって治療可能な対象の新生物性疾患は黒色腫であ
る。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該化学療法剤はシクロ
ホスファミドである。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該腫
瘍抗原は、GP100、Trp1、Trp2、及びこれらの組合せからなる群から選択され、該化学療
法剤はシクロホスファミドである。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫
であり、該腫瘍抗原はGP100であり、該化学療法剤はシクロホスファミドである。具体的
な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該腫瘍抗原はTrp2であり、該化学
療法剤はシクロホスファミドである。具体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色
腫であり、該腫瘍抗原はTrp1であり、該化学療法剤はシクロホスファミドである。より具
体的な実施態様において、該新生物性疾患は黒色腫であり、該腫瘍抗原はTrp1であり、該
化学療法剤はシクロホスファミドであり、本方法は、抗PD-1抗体を投与することをさらに
含む。
【0058】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法において使用される本明細書に提供
される、3セグメント型アレナウイルスを含む、アレナウイルス粒子、及び化学療法剤は
、種々の異なる組合せで投与することができる。したがって、ある実施態様において、該
アレナウイルス粒子と該化学療法剤は、同時に共投与される。他の実施態様において、該
アレナウイルス粒子は、該化学療法剤の投与前に投与される。さらに他の実施態様におい
て、該アレナウイルス粒子は、該化学療法剤の投与後に投与される。該アレナウイルス粒
子と該化学療法剤の投与間隔は、数時間、数日、数週間、又は数カ月であることができる
。したがって、いくつかの実施態様において、該間隔は、約1時間、約2時間、約3時間、
約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時
間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約8日、約9日、約10日、約1
1日、約12日、約13日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週
間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、
約5カ月、約6カ月であるか、又はそれより長い。
【0059】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法は、本明細書に提供される、3セグ
メント型アレナウイルスを含む、アレナウイルス粒子、及び本明細書に提供される化学療
法剤を治療有効量で投与することを含む。したがって、ある実施態様において、本明細書
に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方法であって、それを必要としている
対象に、治療有効量のアレナウイルス粒子及び治療有効量の化学療法剤を投与することを
含み、ここで、該アレナウイルス粒子が、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
をコードするヌクレオチド配列;及びORFの野生型位置以外の位置にある少なくとも1つの
アレナウイルスORF:を含むゲノムセグメントを含有するように改変されており、ここで、
該ORFが、該アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードする
、方法である。
【0060】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方
法であって、該対象に、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する、本明
細書に提供される、3セグメント型アレナウイルスを含む、2以上のアレナウイルスを投与
することを含む、方法である。より具体的な実施態様において、本明細書に提供される方
法は、対象に、第一のアレナウイルス粒子を投与すること、及び対象に、一定期間後、第
二のアレナウイルス粒子を投与すること含む。さらに別の実施態様において、該第一のア
レナウイルス粒子及び該第二のアレナウイルス粒子は異なるアレナウイルス種に由来し、
かつ/又は異なる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片をコードするヌクレ
オチド配列を含む。
【0061】
ある実施態様において、本明細書に提供される方法及び組成物は、オーダメイド医療と
組み合わせて使用される。オーダメイド医療は、患者の特有の遺伝的な及び/又はエピジ
ェネティックなプロファイルからの情報を用いて、様々な治療法に対する患者の応答を予
測し、どの治療法が効果的である可能性がより高いかを特定することにより、患者に利益
を与えようとする。患者の特有の遺伝的な及び/又はエピジェネティックなプロファイル
を得るために本明細書に提供される方法及び組成物と組み合わせて使用することができる
技法としては、ゲノムシークエンシング、RNAシークエンシング、遺伝子発現解析、及び
腫瘍抗原(例えば、新生抗原)、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の同定が挙げられるが
、これらに限定されない。ある実施態様において、本明細書に提供される方法及び組成物
において使用するためのアレナウイルス腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の選択は、患者の遺伝
的プロファイルに基づいて行われる。ある実施態様において、本明細書に提供される方法
及び組成物において使用するためのアレナウイルス腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の選択は、
腫瘍又は腫瘍細胞の遺伝的プロファイルに基づいて行われる。ある実施態様において、本
明細書に提供される方法及び組成物において使用するための治療剤の選択は、腫瘍又は腫
瘍細胞の遺伝的プロファイルに基づいて行われる。ある実施態様において、本明細書に提
供される方法及び組成物において使用するためのアレナウイルス腫瘍抗原又は腫瘍関連抗
原の選択及び治療剤の選択は、腫瘍又は腫瘍細胞の遺伝的プロファイルに基づいて行われ
る。
【0062】
一実施態様において、本明細書に開示されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方法
であって、それを必要としている対象に、アレナウイルス粒子及び化学療法剤を投与する
ことを含み、ここで、該アレナウイルス粒子が、(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその
抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び(ii)該ORFの野生型位置以外の位置にある
少なくとも1つのアレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」):を含むアレナ
ウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されており、ここで、該ORFが、該アレ
ナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「NP」)、マトリックスタンパク
質Z(「Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(「Lタンパク質」)をコードする
、方法である。ある実施態様において、該腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、GP100、Trp1、
及びTrp2からなる群から選択される。ある実施態様において、該化学療法剤はシクロホス
ファミドである。ある実施態様において、該対象は、黒色腫を患っているか、それを起こ
しやすいか、又はそのリスクに曝されている。ある実施態様において、該アレナウイルス
粒子は、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒
子である。ある実施態様において、該2つのSセグメントのうちの1つは、GPをコードするO
RFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるSセグメントである。ある実施態様において、
該2つのSセグメントの各々は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列を含む。ある実施態様において、該アレナウイルス粒子は、LCMVに由
来する。具体的な実施態様において、該アレナウイルス粒子は、LCMVクローン13に由来す
る。具体的な実施態様において、該アレナウイルス粒子は、LCMV株WEに由来する。具体的
な実施態様において、該アレナウイルス粒子は、LCMVクローン13及び株WEに由来する。
【0063】
一実施態様において、本明細書に開示されるのは、対象における黒色腫を治療する方法
であって、それを必要としている対象に、アレナウイルス粒子及び化学療法剤を投与する
ことを含み、ここで、該アレナウイルス粒子が、(i)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその
抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び(ii)該ORFの野生型位置以外の位置にある
少なくとも1つのアレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」):を含むアレナ
ウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されており、ここで、該ORFが、該アレ
ナウイルス粒子の糖タンパク質(「GP」)、核タンパク質(「NP」)、マトリックスタンパク
質Z(「Zタンパク質」)、又はRNA依存性RNAポリメラーゼL(「Lタンパク質」)をコードし、
ここで、該腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原が、GP100、Trp1、及びTrp2からなる群から選択さ
れ、該化学療法剤がシクロホスファミドであり、該アレナウイルス粒子がLCMVに由来し、
かつ1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子で
あり、該2つのSセグメントのうちの1つにおいて、GPをコードするORFがアレナウイルスの
3'UTRの制御下にあり、該2つのSセグメントの各々が、該腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又は
その抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、方法である。
【0064】
(c)医薬組成物及びキット
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される、3セグメ
ント型アレナウイルス粒子を含む、アレナウイルス粒子、本明細書に提供される化学療法
剤、及び医薬として許容し得る担体を含む、組成物、例えば、医薬組成物、免疫原性組成
物、又はワクチン組成物である。したがって、いくつかの実施態様において、本明細書に
提供されるのは、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子、本明細書に提供される化学
療法剤、及び医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物である。
【0065】
ある実施態様において、該組成物に含まれるアレナウイルス粒子は、本明細書に提供さ
れる感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、該組成物に含
まれるアレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性3セグメント型アレナウイルス粒子又は
複製可能な3セグメント型アレナウイルス粒子を含む、本明細書に提供される3セグメント
型アレナウイルス粒子である。したがって、ある実施態様において、医薬組成物、免疫原
性組成物、又はワクチン組成物を含む、本明細書に提供される組成物は、複製欠損性であ
る、3セグメント型アレナウイルス粒子を含む、アレナウイルス粒子を含み、ここで、該
アレナウイルス粒子は:(1)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌ
クレオチド配列;及び(2)感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力を含むが
、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することができないゲノムを含有するよ
うに改変されている。さらに、ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又
はワクチン組成物を含む、本明細書に提供される組成物は、複製可能である3セグメント
型アレナウイルス粒子を含み、ここで、該アレナウイルス粒子は:(1)腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;(2)感染細胞でその遺伝情報を
増幅し、それを発現する能力;及び(3)遺伝子改変されていない正常細胞でさらなる感染性
子孫粒子を産生する能力を含むゲノムを含有するように改変されている。
【0066】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子に含まれるヌクレオ
チド配列によってコードされる腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、発癌ウイルス抗原、癌精巣
抗原、癌胎児性抗原、組織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AI
M-2、ALDH1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna
)、Ga733(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1
、IGF2B3、IL13Rα2、腸カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイ
ン4、KIF20A、レングシン、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、
p53(非突然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2A
S、セセルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラー
ゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53
、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-AB
L、BCR-ABL融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4
、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-
AML1融合タンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合
タンパク質、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras
(V-Ki-ras2 カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl
、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソ
メラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタ
イプ、GD2、ガングリオシドG2)、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(P
R1)、チロシナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPA
P、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロ
ゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1
、メソテリン、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SAR
T3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(
HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1
、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチ
ニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニ
ン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患
液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロ
フィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナ
プトフィシス、サイログロブリン、甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイム
タイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、G
AGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB
、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオ
シドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、C
A 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA
-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel
、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-
RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、T
AG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tg
p72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70
K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プ
ロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、イ
ンテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、
及びROR1からなる群から選択される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原のうちの1つ又は複数であ
ることができる。ある実施態様において、該ヌクレオチド配列は、2つ、3つ、4つ、5つ、
6つ、7つ、8つ、9つ、10、又はそれより多くの腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片をコードする。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原又は腫瘍関連
抗原の抗原性断片は、該アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコードされ
る。
【0067】
ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物を含む、本
明細書に提供される組成物は、化学療法剤を含む。ある実施態様において、該化学療法剤
は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイ
ソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、インターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサ
ン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せである。ある実施態様において、該アルキル化
剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤
、又はトリアゼンである。ある実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスファミド
、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、
クロラムブシル、イホスファミド、クロロナファジン、コロホスファミド(cholophospham
ide)、エストラムスチン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホ
スファミド、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、ブスルファン、インプロスルファン
、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムス
チン、ラニムスチン、ストレプトズシン(streptozucin)、シスプラチン、カルボプラチン
、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバ
ジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、
ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダク
チノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン
、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、
イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、
アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド(trietylenephospho
ramide)、トリエチレンチオホスホラミド(triethiylenethiophosphoramide)、トリメチロ
ーロメラミン(trimethylolomelamine)、ブラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、ト
ポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビ
ゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、
エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロ
ネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacin
omysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビ
シン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、デト
ルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロ
マイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプ
ロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロ
ドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジ
ノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン
、プテロプテリン、トリメトレキセート、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプ
リン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シ
タラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、
カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、
テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン
、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル
、ビサントレン、エダトラキセート、デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフ
ォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロ
キシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン
、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラル
ビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラ
ゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコ
ン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及
びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラク
トール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビ
ノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ
、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000
、ジフルオロメチルオルニチン(difluorometlhylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペ
シタビン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ
、並びに上記のもののいずれかの医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体のうちの1つ
又は複数を含む。具体的な実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスファミドを含
む。ある実施態様において、該窒素マスタードは、メクロレタミン、シクロホスファミド
、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、又はブスルファンである。ある実施
態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化する。ある実施態様において、該化学療
法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【0068】
ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物を含む、本
明細書に提供される組成物は、化学療法剤及び負のチェックポイントレギュレーターの活
性を阻害するか、低下させるか、又は妨害する免疫チェックポイントインヒビターを含む
。ある実施態様において、該負のチェックポイントレギュレーターは、細胞傷害性T-リン
パ球抗原-4(CTLA-4)、CD80、CD86、プログラム細胞死1(PD-1)、プログラム細胞死リガン
ド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-L2)、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3;別名
、CD223)、ガレクチン-3、B及びTリンパ球アテニュエーター(BTLA)、T細胞膜タンパク質3
(TIM3)、ガレクチン-9(GAL9)、B7-H1、B7-H3、B7-H4、Ig及びITIMドメインを有するT細胞
免疫受容体(TIGIT/Vstm3/WUCAM/VSIG9)、T細胞活性化のV-ドメインIgサプレッサー(VISTA
)、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体関連(GITR)タンパク質、ヘルペスウイ
ルス侵入メディエーター(HVEM)、OX40、CD27、CD28、CD137、CGEN-15001T、CGEN-15022、
CGEN-15027、CGEN-15049、CGEN-15052、並びにCGEN-15092からなる群から選択される。あ
る実施態様において、該免疫チェックポイントインヒビターは抗PD-1抗体である。
【0069】
ある実施態様において、本明細書に提供される組成物、医薬組成物、免疫原性組成物、
又はワクチン組成物は、本明細書に記載される方法において使用することができる。した
がって、ある実施態様において、該組成物は、新生物性疾患の治療のために使用すること
ができる。具体的なある実施態様において、本明細書に提供される組成物は、急性リンパ
芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨
髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;
星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌);膀
胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人/小
児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍
、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠腫;
乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイド胃
腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫瘍;
中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;脊
索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);慢
性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭
蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;
上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性
腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消化
管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨毛
腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路及
び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭
癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓
癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原
発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血症
、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒
色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪性;
原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞
腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;
骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖
性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫
;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫/
骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣
低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎
癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松
果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発
性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎
盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横
紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒
色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平
上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経
外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸
腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子
宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍からなる群から選択される新
生物性疾患の治療のために使用することができる。
【0070】
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される方法を実施するために使用する
ことができるキットである。したがって、ある実施態様において、本明細書に提供される
キットは、1以上の容器及び使用説明書を含み、ここで、該1以上の容器は、本明細書に提
供される組成物(例えば、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物)を含む。他
のある実施態様において、本明細書に提供されるキットは、各々が本明細書に記載される
方法を実施するための活性成分を含有する容器を含む。したがって、ある実施態様におい
て、本明細書に提供されるキットは、2以上の容器及び使用説明書を含み、ここで、該容
器のうちの1つは、本明細書に提供される、3セグメント型アレナウイルス粒子を含む、ア
レナウイルス粒子を含み、別の容器は、本明細書に提供される化学療法剤を含む。具体的
な実施態様において、本明細書に提供されるキットは、2以上の容器及び使用説明書を含
み、ここで、該容器のうちの1つは、本明細書に提供される、3セグメント型アレナウイル
ス粒子を含む、アレナウイルス粒子を含み、別の容器は、本明細書に提供される化学療法
剤を含み、ここで、該アレナウイルス粒子は:腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片をコードするヌクレオチド配列;及び感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現
する能力を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することができないゲ
ノムを含有するように改変されている。さらに、ある実施態様において、該容器のうちの
1つは:腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;感
染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力;及び遺伝子改変されていない正常
細胞でさらなる感染性子孫粒子を産生する能力を含むゲノムを含有するように改変されて
いる3セグメント型アレナウイルス粒子を含む。
(3.3 慣例及び略語)
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0071】
(4.図面の簡単な説明)
図1図1。野生型アレナウイルスのゲノムは、短い(1;~3.4kb)RNAセグメント及び大きい(2;~7.2kb)RNAセグメントからなる。短いセグメントは、核タンパク質(3)及び糖タンパク質(4)をコードするオープンリーディングフレームを担持する。大きいセグメントは、RNA依存性RNAポリメラーゼL(5)及びマトリックスタンパク質Z(6)をコードする。野生型アレナウイルスは、糖タンパク質遺伝子を欠失させ、該糖タンパク質遺伝子の代わりに、それに対する免疫応答が誘導されることになる本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片(7)を挿入することにより、複製欠損性ワクチンベクターにすることができる。
【0072】
図2図2。2セグメント型及び3セグメント型LCMVのゲノム編成の模式図。野生型LCMVの2セグメント型ゲノムは、GP及びNPをコードする1つのSセグメント並びにZタンパク質及びLタンパク質をコードする1つのLセグメントからなる(i)。両方のセグメントは、それぞれの5'及び3'UTRに隣接している。組換え3セグメント型LCMV(r3LCMV)のゲノムは、1つのLセグメントと、対象となる遺伝子(ここでは、GFP、これは、代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片であることができる)をSセグメントの1つ1つに挿入すべき1つの位置を有する2つのSセグメントとからなる。r3LCMV-GFPnatural(nat)が、その天然の位置に全てのウイルス遺伝子を有するのに対し(ii)、r3LCMV-GFPartificial(art)中のGP ORFは、人為的に3'UTRに並置され、その制御下で発現される(iii)。
【0073】
図3図3A~C。B16F10腫瘍細胞を腫瘍移植した後のC57BL/6マウスにおける腫瘍増殖(A)並びに動物生存(B及びC)をモニタリングした。結果を、処置しないで放置したC57BL/6マウス(第1群)、シクロホスファミドで処置したC57BL/6マウス(第2群)、ベクター混合物(r3LCMV-GP100、r3LCMV-Trp1、及びr3LCMV-Trp2の各々)で処置したC57BL/6マウス(第3群)、又はシクロホスファミドとベクター混合物の組合せで処置したC57BL/6マウス(第4群)について示す。記号は、1群当たり3匹のマウス(第1~3群)又は4匹のマウス(第4群)の平均±SEMを表す。
【0074】
図4図4A~B。r3LCMVベクターのみで処置された動物と比較した、シクロホスファミドとr3LCMV-ベクターの組合せで処置されたマウスにおいて誘導された(A)Trp2特異的CD8+ T細胞又は(B)GP100特異的CD8+ T細胞の相対数(左パネル)及び絶対数(右のパネル)。
【0075】
図5図5。0日目に、C57BL/6マウス(1群当たり5匹のマウス)を、105 RCV FFUのr3LCMV-E7E6(第1群)もしくは105 RCV FFUのr3PICV-E7E6(第2群)で静脈内免疫するか、又は処置しないで放置した(第3群)。13日目に、第1群及び第2群のマウスを105 RCV FFUのr3LCMV-E7E6で追加免疫した。第3群のマウスは再び、処置しないで放置した。その後、E7特異的CD8+ T細胞頻度を、四量体染色(Db-E7(49-57)-四量体)により、試験動物の血液中で20日目(A)及び42日目(B)に、及び試験動物の脾臓で51日目(C)に解析した。
【0076】
図6図6。実験0日目に、雌C57BL/6マウス(実験群及びバッファー群の1群当たり、それぞれ、n=5匹又はn=3匹の動物)に、HPV16 E6及びE7とc-Ha-ras癌遺伝子で共形質転換された、マウス初代上皮細胞に由来する、1×105個のTC-1腫瘍細胞を皮下移植した。10日後(実験10日目)、マウスを、バッファー(第1群)又は105 RCV FFUのr3LCMV-E7E6(第2群)又は105 RCV FFUのr3PICV-E7E6(第3群)のいずれかで静脈内免疫した。初回免疫から14日後(実験24日目)、第2群及び第3群のマウスは、105 RCV FFUのr3LCMV-E7E6の追加免疫投与を受けた。その後、腫瘍増殖を経時的にモニタリングした。算術平均+/-SEMを示す。矢印は、ワクチン接種の時点を示す。
【0077】
図7図7A~B。0日目に、1×105個のB16F10腫瘍細胞をC57BL/6マウスに皮下移植した。その後、マウスを処置しないで放置するか(第1群)、6日目に2mgのシクロホスファミド(CTX)で腹腔内処置し、10、13、16、19、及び22日目に200μg毎の抗PD-1及び抗CTLA-4で腹腔内処置するか(第2群)、6日目に2mgのシクロホスファミドで腹腔内処置し、7日目に1.2×105 FFU(合計)のr3LCMVベクター混合物(r3LCMV-GP100、r3LCMV-Trp1、及びr3LCMV-Trp2)を静脈内注射するか(第3群)、又は6日目にシクロホスファミドで処置し、7日目にr3LCMV-ベクター混合物で処置し、10、13、16、19、及び22日目に抗PD-1及び抗CTLA-4で処置した(第4群)。腫瘍サイズ(A)及び動物生存率(B)をモニタリングした。
【発明を実施するための形態】
【0078】
(5.発明の詳細な説明)
(5.1 複製欠損性アレナウイルス粒子)
ある実施態様において、化学療法剤と組み合わせた、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はそ
の抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む複製欠損性アレナウイルス粒子は、癌
などの新生物性疾患を治療するための免疫療法として使用することができる。「新生物性
」又は「新生物」という用語は、細胞又は組織の異常な新しい増殖を指す。この異常な新
しい増殖は、腫瘍又は新生物形成としても知られる塊を形成することができる。新生物に
は、良性新生物、上皮内新生物、悪性新生物、及び挙動が不確定又は不明の新生物が含ま
れる。ある実施態様において、本明細書に記載される方法及び組成物を用いて治療される
新生物性疾患は癌である。
【0079】
本明細書に提供されるのは、癌などの新生物性疾患の治療及び/又は予防のための組合
せ治療である。具体的には、そのような組合せ治療は、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子又はウイ
ルスベクターを1以上の化学療法剤と組み合わせて投与することを含む。これらの遺伝子
改変ウイルスは、癌などの新生物性疾患の治療のために対象に投与することができる。腫
瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、本明
細書に提供されるアレナウイルスの詳細な説明は、第5.1節(a)及び第5.1節(b)に見出すこ
とができる。さらに、本明細書に記載される方法及び組成物において使用するためのアレ
ナウイルス粒子又はウイルスベクターの作製方法は、第5.1節(c)でより詳細に記載されて
いる。
【0080】
アレナウイルス粒子又はウイルスベクターを対象に投与することに加えて、本明細書に
提供される新生物性疾患を治療するための免疫療法は、化学療法剤を含むことができる。
「化学療法剤」は細胞傷害性抗癌剤であり、細胞内でのその活性様式によって、例えば、
それらがどの段階で細胞周期に影響を及ぼすかということによって分類することができる
(例えば、有糸分裂阻害剤)。或いは、化学療法剤は、DNAを架橋する能力、DNAにインター
カレートする能力、又は核酸合成に影響を及ぼすことにより染色体異常を誘発する能力(
例えば、アルキル化剤)、とりわけ、作用機序に基づいて分類することができる。化学療
法剤は、化学的な成分又は構造に基づいて分類することもできる(例えば、白金系治療剤)
。したがって、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子又は
ウイルスベクター及び化学療法剤を用いて、新生物性疾患を治療するための方法及び組成
物である。
【0081】
したがって、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子又は
ウイルスベクター及び化学療法剤を用いて、新生物性疾患を治療するための方法及び組成
物である。また、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子又
はウイルスベクター及び化学療法剤を含む組成物である。ある実施態様において、本明細
書に提供されるアレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。
【0082】
新生物性疾患、例えば、非悪性新生物又は癌の治療のためのアレナウイルス粒子又はウ
イルスベクターを使用する方法が本明細書に提供される。具体的に、本明細書に提供され
るのは、対象の癌などの新生物性疾患を治療する方法であって、該対象に、腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する1以上のアレナウイルスを投与することを含
む、方法である。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の癌を治
療する方法であって、該対象に、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現す
る1以上のアレナウイルスを、単独で又は1以上の化学療法剤と組み合わせて投与すること
を含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、又はその抗原性断片を発現するアレナウイルスによる免疫は、化学療法剤の投与に
よって増強することができる細胞傷害性T細胞応答をもたらす。本明細書に提供されるア
レナウイルス粒子又はウイルスベクター及び化学療法剤を使用するための方法及び組成物
は、第5.1節(e)及び第5.1節(f)でより詳細に記載されている。
【0083】
アレナウイルス粒子又はウイルスベクターを、対象に、化学療法剤と組み合わせて投与
することに加えて、本明細書に提供される新生物性疾患を治療するための免疫療法は、免
疫チェックポイントモジュレーターも含むことができる。「免疫チェックポイントモジュ
レーター」(「チェックポイントモジュレーター」又は「チェックポイントレギュレータ
ー」とも呼ばれる)という用語は、1以上のチェックポイント分子の機能を調節する(例え
ば、全体的に又は部分的に低下させるか、阻害するか、妨害するか、活性化するか、刺激
するか、増大させるか、補強するか、又は支持する)分子又は化合物を指す。したがって
、免疫チェックポイントモジュレーターは、免疫チェックポイントインヒビター又は免疫
チェックポイントアクチベーターであり得る。
【0084】
「免疫チェックポイントインヒビター」は、負のチェックポイントレギュレーターの活
性を阻害するか、減少させるか、又は妨害する分子を指す。ある実施態様において、本明
細書に開示される方法及び組成物とともに使用するための免疫チェックポイントインヒビ
ターは、負のチェックポイントレギュレーターの活性を直接阻害するか、又は負のチェッ
クポイントレギュレーターの発現を減少させるか、又は負のチェックポイントレギュレー
ターと結合パートナー(例えば、リガンド)の相互作用を妨害することができる。本明細書
に開示される方法及び組成物とともに使用するための免疫チェックポイントインヒビター
には、負のチェックポイントレギュレーターの発現を標的とするタンパク質、ポリペプチ
ド、ペプチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、抗体断片、又は抑制性RNA分子
が含まれる。
【0085】
「負のチェックポイントレギュレーター」は、リガンド又はカウンター受容体によるそ
のエンゲージメントの後のT細胞への負のシグナルの送達によって、免疫応答(例えば、T
細胞活性化)を下方調節する分子を指す。負のチェックポイントレギュレーターの例示的
な機能は、不釣り合いな免疫活性化を妨げること、付随的な傷害を最小限に抑えること、
及び/又は末梢自己寛容を維持することである。ある実施態様において、負のチェックポ
イントレギュレーターは、抗原提示細胞によって発現されるリガンド又は受容体である。
ある実施態様において、負のチェックポイントレギュレーターは、T細胞によって発現さ
れるリガンド又は受容体である。ある実施態様において、負のチェックポイントレギュレ
ーターは、抗原提示細胞とT細胞の両方によって発現されるリガンド又は受容体である。
【0086】
(a)感染性複製欠損性アレナウイルス粒子
ある実施態様において、本明細書に提供される遺伝子改変アレナウイルス(ここで、該
アレナウイルスは:
・感染性であり;
・非相補細胞(すなわち、複製欠損性アレナウイルスから失われている機能性を発現せず
、該ウイルスを複製欠損性にする細胞)で感染性子孫ウイルスを形成することができず;
・そのゲノムを複製し、その遺伝情報を発現することができ;かつ
・腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする)
を、本明細書に提供される方法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せとともに使用
することができる。
【0087】
本明細書に記載される遺伝子改変アレナウイルスは感染性である、すなわち、それは、
宿主細胞に付着し、その遺伝物質を宿主細胞に放出することができる。本明細書に記載さ
れる遺伝子改変アレナウイルスは複製欠損性である、すなわち、該アレナウイルスは、非
相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することができない。特に、該アレナウイル
スのゲノムは、改変されたゲノムを担持するウイルスがもはや感染性子孫ウイルスを産生
することができないように(例えば、ORFの除去又は機能的不活化によって)改変されてい
る。非相補細胞は、ウイルスゲノムの改変によって複製欠損性アレナウイルスから除去さ
れている機能性を提供しない細胞である(例えば、GPタンパク質をコードするORFが除去さ
れているか又は機能的に不活化されている場合、非相補細胞は、GPタンパク質を提供しな
い)。しかしながら、本明細書に提供される遺伝子改変アレナウイルスは、相補細胞で感
染性子孫ウイルスを産生することができる。相補細胞は、ウイルスゲノムの改変によって
複製欠損性アレナウイルスから除去されている機能性を(トランスに)提供する細胞である
(例えば、GPタンパク質をコードするORFが除去されているか又は機能的に不活化されてい
る場合、相補細胞は、GPタンパク質を提供しない)。相補する機能性(例えば、GPタンパク
質)の発現は、当業者に公知の任意の方法(例えば、一過性又は安定発現)によって達成す
ることができる。本明細書に記載される遺伝子改変アレナウイルスは、該ウイルスに感染
させられている細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現することができる。本明細書に
提供される遺伝子改変アレナウイルスは、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
、例えば、限定されないが、第5.1節(b)に記載されている腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又は
その抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むことができる。
【0088】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、得られるウイルスが非相補細胞で
さらなる感染性子孫ウイルス粒子を産生することができないようにアレナウイルスゲノム
のORFが除去されているか又は機能的に不活化されている遺伝子改変アレナウイルスであ
る。ORFが除去されているか又は機能的に不活化されている遺伝子改変ゲノムを含むアレ
ナウイルス粒子は、相補細胞で(すなわち、除去されているか又は機能的に不活化されて
いるアレナウイルスORFを発現する細胞で)産生されることができる。得られるアレナウイ
ルス粒子の遺伝物質は、宿主細胞の感染時に、該遺伝物質を発現し、それを増幅すること
ができる宿主細胞に移されることができる。さらに、本明細書に提供される遺伝子改変ア
レナウイルス粒子のゲノムは、宿主細胞で発現させることができる腫瘍抗原、腫瘍関連抗
原、又はその抗原性断片をコードする。
【0089】
ある実施態様において、該アレナウイルスのORFは欠失しているか又は機能的に不活化
され、本明細書に記載される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原をコードするヌクレオチド配列と
置き換えられている。具体的な実施態様において、該アレナウイルスの糖タンパク質GPを
コードするORFは欠失しているか又は機能的に不活化されている。ある実施態様において
、遺伝子の機能的不活化は、任意の翻訳産物を消失させる。ある実施態様において、機能
的不活化は、ある程度の翻訳を可能にする遺伝子変化を指すが、翻訳産物は、もはや機能
的でなく、野生型タンパク質に取って代わることができない。
【0090】
ある実施態様において、該アレナウイルスの糖タンパク質(GP)をコードするORFを欠失
させて、本明細書に提供される方法及び組成物において使用するための複製欠損性アレナ
ウイルスを作製する。具体的な実施態様において、該複製欠損性アレナウイルスは、腫瘍
抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むゲノムセ
グメントを含む。したがって、ある実施態様において、本明細書に提供される遺伝子改変
アレナウイルス粒子は、a)野生型形態のゲノムセグメントに存在するORFが欠失している
か又は機能的に不活化されており;かつb)(センス又はアンチセンスのいずれかで)腫瘍抗
原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするゲノムセグメントを含む。
【0091】
ある実施態様において、複製欠損性アレナウイルスのゲノムに挿入されるヌクレオチド
によってコードされる抗原は、例えば、限定されないが、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原
、癌胎児性抗原、組織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2
、ALDH1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、
Ga733(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IG
F2B3、IL13Rα2、腸カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、
KIF20A、レングシン、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(
非突然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、
セセルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、
VEGF、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAG
E A1、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BC
R-ABL融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN
2A、CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融
合タンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパ
ク質、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-
ras2 カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、
SSX2、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラー
ゼ、ormdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、G
D2、ガングリオシドG2)、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チ
ロシナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ
-PAP、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容
体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテ
リン、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn
、炭酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)
、AKAP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、P
DGFR-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上
皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイ
トケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タン
パク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメ
ント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィ
シス、サイログロブリン、甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2
の二量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、G
AGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、
NA88、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌
胎児性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA
50、CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP7
0-2、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、L
AGE-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IG
K、MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA
-72-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG
、BCA225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1
、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン
、TARP(T細胞受容体γ選択的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリン
αvβ3(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1を
含む、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片、又は腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、もしくはその抗原性断片の組合せをコードすることができる。本明細書に記載される抗
原の詳細な説明は、第5.1節(b)に提供されている。
【0092】
本明細書に提供される方法及び組成物とともに使用するためのアレナウイルスは、旧世
界ウイルス、例えば、ラッサウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、モバラウ
イルス、モペイアウイルス、もしくはイッピーウイルス、又は新世界ウイルス、例えば、
アマパリウイルス、フレクサルウイルス、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラチノ
ウイルス、マチュポウイルス、オリベロスウイルス、パラナウイルス、ピチンデウイルス
、ピリタルウイルス、サビアウイルス、タカリベウイルス、タミアミウイルス、ベアキャ
ニオンウイルス、もしくはホワイトウォーターアロヨウイルスであることができる。
【0093】
野生型アレナウイルスゲノムは、短い(~3.4kb)RNAセグメント及び大きい(~7.2kb)RNA
セグメントからなる。短いセグメントは、核タンパク質NP遺伝子及び糖タンパク質GP遺伝
子をコードするORFを担持する。大きいセグメントは、RNA依存性RNAポリメラーゼL遺伝子
及びマトリックスタンパク質Z遺伝子を含む。糖タンパク質遺伝子をそれに対する免疫応
答が誘導されることになる1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の代わ
りに用いることにより、野生型アレナウイルスを複製欠損性にして、ワクチンベクターを
作製することができる。
【0094】
本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片、又は腫瘍抗
原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片の組合せを発現する感染性複製欠損性アレナ
ウイルス粒子を用いて、本明細書に記載される新生物性疾患を有する対象を(免疫療法の
形で)治療することができる。
【0095】
野生型アレナウイルス感染におけるアレナウイルス疾患及び免疫抑制は、チェックされ
ないウイルス複製から生じることが知られている。そのゲノムから、例えば、粒子放出に
必要とされるZ遺伝子、又は標的細胞の感染に必要とされるGP遺伝子を欠失させることに
よって、アレナウイルス粒子の複製、すなわち、感染性子孫ウイルス粒子を産生する能力
を無効にすることにより、感染細胞の総数は、例えば、ワクチンレシピエントに投与され
るか、或いは医学的もしくは生物工学的応用に関与する人々に又は動物に過失によって伝
播される接種材料によって限定され得る。したがって、アレナウイルス粒子の複製を無効
にすることにより、故意又は過失によるベクター粒子の伝播の結果としての発病が予防さ
れる。本発明において、1つの重要な態様は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片を発現させるために有益な方法で上記の複製の無効化の必要性を利用することにある
ことである。ある実施態様において、アレナウイルス粒子をそのゲノムの遺伝子改変によ
って複製欠損性にする。ゲノムに対するそのような改変は:
・ORF(例えば、GP、NP、L、又はZタンパク質をコードするORF)の欠失;
・ORF(例えば、GP、NP、L、又はZタンパク質をコードするORF)の機能的不活化。例えば、
これは、ミスセンス又はナンセンス突然変異を導入することにより達成することができる
;
・ORFの配列の変更(例えば、S1P切断部位と別のプロテアーゼの切断部位との交換);
・ゲノムセグメントの1つの5'末端又は3'末端のうちの一方の突然変異誘発;
・遺伝子間領域(すなわち、Lゲノムセグメント又はSゲノムセグメントの遺伝子間領域)の
突然変異誘発
を含むことができる。
【0096】
ある実施態様において、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルスは、GPタンパク質をコードするORFを
、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするORFと置換することにより
、該ウイルスのSセグメントが改変されている、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)で
ある。
【0097】
ある実施態様において、野生型アレナウイルスベクターゲノムは、両方のセグメントの
5'及び3'非翻訳領域(UTR)並びに/又は同じく遺伝子間領域(IGR)上の少なくとも必須の調
節エレメントを保持するように設計することができる。理論に束縛されるものではないが
、感染細胞における遺伝子発現のための最小限のトランス作用因子は、発現することがで
きるORFとしてベクターゲノム中に残るが、これらは、異なる形でゲノム中に置かれるこ
とができ、かつ天然とは異なるプロモーターの制御下に置かれることができるか、又は内
部リボソーム進入部位から発現されることができる。ある実施態様において、腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする核酸は、内在性アレナウイルスプロモー
ター(すなわち、Sセグメントの5'UTR、3'UTR、Lセグメントの5'UTR、3'UTR)のうちの1つ
から転写される。他の実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
をコードする核酸は、ウイルス性RNA依存性RNAポリメラーゼによって、細胞性RNAポリメ
ラーゼI、RNAポリメラーゼII、又はRNAポリメラーゼIIIによって読まれることができる導
入された非相同プロモーター配列、例えば、それぞれ、ウイルスUTRに天然に見られる重
複したウイルスプロモーター配列、28SリボソームRNAプロモーター、β-アクチンプロモ
ーター、又は5SリボソームRNAプロモーターから発現される。ある実施態様において、腫
瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするリボ核酸は、単独で又はアレナ
ウイルスタンパク質ORFとの融合によるリードスルーとして転写及び翻訳され、宿主細胞
におけるタンパク質の発現は、1以上の、例えば、2つ、3つ、又は4つの内部リボソーム進
入部位を適当な場所でウイルス転写物配列中に導入することにより増強することができる
【0098】
ある実施態様において、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコー
ドするように作製されたベクターは、LCMVの特定の株に基づくことができる。LCMVの株と
しては、クローン13、MP株、Arm CA 1371、Arm E-250、WE、UBC、Traub、Pasteur、81088
5、CH-5692、Marseille #12、HP65-2009、200501927、810362、811316、810316、810366
、20112714、Douglas、GR01、SN05、CABN、及びこれらの派生物が挙げられる。ある実施
態様において、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするよう
に作製されたベクターは、LCMVのクローン13に基づくことができる。他の実施態様におい
て、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするように作製され
たベクターは、LCMVのMP株に基づくことができる。
【0099】
ある実施態様において、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコー
ドするように作製されたベクターは、フニンウイルスの特定の株に基づくことができる。
フニンウイルスの株としては、ワクチン株XJ13、XJ#44、及びCandid#1、並びにヒト分離
株のIV4454が挙げられる。ある実施態様において、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又
はその抗原性断片をコードするように作製されたベクターは、フニンウイルスCandid #1
株に基づく。
【0100】
(b)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、及び抗原性断片
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を有するアレナウイルス粒子は、本明細書に提供さ
れる方法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せとともに使用することができる。あ
る実施態様において、本明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための腫瘍
抗原又は腫瘍関連抗原は、新生物性細胞又は腫瘍、例えば、癌細胞又は悪性腫瘍の中又は
表面で発現される免疫原性タンパク質である。ある実施態様において、本明細書に記載さ
れる方法及び組成物とともに使用するための腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、新生物性細胞
又は腫瘍と正常細胞又は組織の両方に存在することができる、非特異的タンパク質、突然
変異体タンパク質、過剰発現タンパク質、又は異常発現タンパク質である。ある実施態様
において、本明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための腫瘍抗原又は腫
瘍関連抗原は、腫瘍細胞に限定される腫瘍特異的抗原である。ある実施態様において、本
明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための腫瘍抗原は、癌細胞に限定さ
れる癌特異的抗原である。
【0101】
ある実施態様において、腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、以下の特徴のうちの全てを含む
、1つ、2つ、3つ、又はそれより多くを示すことができる:過剰発現される/蓄積される(す
なわち、正常組織と新生物性組織の両方によって発現されるが、新生物形成で高度に発現
される)、癌胎児性(すなわち、通常、胎児組織及び癌性体細胞でのみ発現される)、腫瘍
ウイルス又は腫瘍原性ウイルス(すなわち、腫瘍原性形質転換ウイルスによってコードさ
れる)、癌-精巣性(すなわち、癌細胞及び成体生殖組織、例えば、精巣によってのみ発現
される)、系譜制限的(すなわち、主に、単一の癌組織型によって発現される)、突然変異
している(すなわち、転写における遺伝子突然変異もしくは変化の結果として新生物性組
織でのみ発現される)、翻訳後変化する(例えば、腫瘍と関連するグリコシル化の変化)、
又はイディオタイプ性(すなわち、BもしくはTリンパ球の悪性クローン性増殖から発生す
る)。
【0102】
ある実施態様において、本明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための
腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原としては、急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ
腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エ
イズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド
腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍
(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫
脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍
、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫
瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原
発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;
小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨
髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukem
ia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性
小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍
におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(ga
stric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細
胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経
膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心
臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒
色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球
症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リ
ンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨
肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;
メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;
多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨
髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、
小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌
;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口
腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮
癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳
頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;
松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫
瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リ
ンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上
のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイ
ングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小
腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;
胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌
状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状
腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌
;及びウィルムス腫瘍を含む新生物性疾患由来の抗原が挙げられる。
【0103】
ある実施態様において、本明細書に開示される方法及び組成物とともに使用するための
腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原としては、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1が挙げられる。
【0104】
ある実施態様において、該腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は新生抗原である。本明細書で使
用される「新生抗原」は、腫瘍細胞における突然変異によって生じる抗原を意味し、その
ような抗原は、通常は、正常細胞でも正常組織でも発現されない。理論に束縛されるもの
ではないが、健康な組織は、通常、これらの抗原を保有しないので、新生抗原は、好まし
い標的となる。さらに、理論に束縛されるものではないが、本発明との関連において、新
生抗原を認識するT細胞は負の胸腺選択を受けていない可能性があるので、そのような細
胞は、抗原に対する高い結合力を有し、腫瘍に対する強い免疫応答を開始することができ
る一方で、正常組織の破壊及び自己免疫損傷を誘発するリスクを欠如している。ある実施
態様において、新生抗原は、MHCクラスI拘束性新生抗原である。ある実施態様において、
新生抗原は、MHCクラスII拘束性新生抗原である。ある実施態様において、患者の腫瘍細
胞における突然変異は、新生抗原を生じる新規タンパク質を生じさせる。
【0105】
ある実施態様において、該腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、抗原オルソログ、例えば、哺
乳動物(すなわち、非霊長類、ブタ、イヌ、ネコ、又はウマ)からヒトまでの腫瘍抗原又は
腫瘍関連抗原であることができる。
【0106】
ある実施態様において、本明細書に記載される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の抗原性断片
は、該アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコードされる。ある実施態様
において、断片は、それが、(i)宿主(例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、ロバ、もしくはヒ
ト)で抗体免疫応答を誘発することができる(ここで、得られる抗体は、新生物性細胞(例
えば、癌細胞)の中もしくは表面で発現される免疫原性タンパク質に特異的に結合する);
及び/又は(ii)特異的なT細胞免疫応答を誘発することができるとき、抗原性である。
【0107】
ある実施態様において、腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の抗原性断片をコードするヌクレオ
チド配列は、8~100ヌクレオチド長、15~100ヌクレオチド長、25~100ヌクレオチド長、
50~200ヌクレオチド長、50~400ヌクレオチド長、200~500ヌクレオチド長、又は400~6
00ヌクレオチド長、500~800ヌクレオチド長である。他の実施態様において、該ヌクレオ
チド配列は、750~900ヌクレオチド長、800~100ヌクレオチド長、850~1000ヌクレオチ
ド長、900~1200ヌクレオチド長、1000~1200ヌクレオチド長、1000~1500ヌクレオチド
もしくは10~1500ヌクレオチド長、1500~2000ヌクレオチド長、1700~2000ヌクレオチド
長、2000~2300ヌクレオチド長、2200~2500ヌクレオチド長、2500~3000ヌクレオチド長
、3000~3200ヌクレオチド長、3000~3500ヌクレオチド長、3200~3600ヌクレオチド長、
3300~3800ヌクレオチド長、4000ヌクレオチド長~4400ヌクレオチド長、4200~4700ヌク
レオチド長、4800~5000ヌクレオチド長、5000~5200ヌクレオチド長、5200~5500ヌクレ
オチド長、5500~5800ヌクレオチド長、5800~6000ヌクレオチド長、6000~6400ヌクレオ
チド長、6200~6800ヌクレオチド長、6600~7000ヌクレオチド長、7000~7200ヌクレオチ
ド長、7200~7500ヌクレオチド長、又は7500ヌクレオチド長である。いくつかの実施態様
において、該ヌクレオチド配列は、5~10アミノ酸長、10~25アミノ酸長、25~50アミノ
酸長、50~100アミノ酸長、100~150アミノ酸長、150~200アミノ酸長、200~250アミノ
酸長、250~300アミノ酸長、300~400アミノ酸長、400~500アミノ酸長、500~750アミノ
酸長、750~1000アミノ酸長、1000~1250アミノ酸長、1250~1500アミノ酸長、1500~175
0アミノ酸長、1750~2000アミノ酸長、2000~2500アミノ酸長、又は2500アミノ酸長以上
であるペプチド又はポリペプチドをコードする。いくつかの実施態様において、該ヌクレ
オチド配列は、2500アミノ酸長を超えないポリペプチドをコードする。具体的な実施態様
において、該ヌクレオチド配列は、終止コドンを含有しない。ある実施態様において、該
ヌクレオチド配列はコドン最適化されている。ある実施態様において、ヌクレオチド組成
、ヌクレオチド対組成、又はその両方を最適化することができる。そのような最適化の技
法は当技術分野で公知であり、腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原のヌクレオチド配列を最適化す
るために適用することができる。
【0108】
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする核酸配列は、糖タンパク質
GP、マトリックスタンパク質Z、核タンパク質NP、又はポリメラーゼタンパク質LのORFの
核酸配列の置換によって、感染性複製欠損性アレナウイルスのゲノムに導入することがで
きる。他の実施態様において、該腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコード
する核酸配列は、糖タンパク質GP、マトリックスタンパク質Z、核タンパク質NP、又はポ
リメラーゼタンパク質LのORFに融合されている。該腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードするヌクレオチド配列は、ひとたび感染性複製欠損性アレナウイルスの
ゲノムに挿入されると、4つのアレナウイルスプロモーター(Sセグメントの5'UTR及び3'UT
R、並びにLセグメントの5'UTR及び3'UTR)、並びにウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ、
細胞性RNAポリメラーゼI、RNAポリメラーゼII、又はRNAポリメラーゼIIIによって読まれ
ることができる調節エレメントとともに挿入することができるリボ核酸、例えば、それぞ
れ、ウイルスUTRに天然に見られる重複したウイルスプロモーター配列、28SリボソームRN
Aプロモーター、β-アクチンプロモーター、又は5SリボソームRNAプロモーターの制御下
で転写/又は発現されることができる。該腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
をコードする核酸は、単独でもしくはそれぞれ、アレナウイルスORF及び遺伝子との融合
によるリードスルーとして、並びに/又は1以上の、例えば、2つ、3つ、もしくは4つの内
部リボソーム進入部位との組合せで転写及び/又は発現されることができる。
【0109】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子は、少なくとも1つの免
疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコードする少なくとも1つのヌクレ
オチド配列をさらに含む。ある実施態様において、該免疫調節性ペプチド、ポリペプチド
、又はタンパク質は、カルレティキュリン(CRT)もしくはその断片;ユビキチンもしくはそ
の断片;顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)もしくはその断片;インバリア
ント鎖(CD74)もしくはその抗原性断片;結核菌熱ショックタンパク質70もしくはその抗原
性断片;単純ヘルペスウイルス1タンパク質VP22もしくはその抗原性断片;CD40リガンドも
しくはその抗原性断片;又はFms関連チロシンキナーゼ3(Flt3)リガンドもしくはその抗原
性断片である。
【0110】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、a)野生型形態の
ゲノムセグメントに存在するORFが除去されているか又は機能的に不活化されており;かつ
b)(センス又はアンチセンスのいずれかで):(i)本明細書に提供される1以上の腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片、及び(ii)本明細書に提供される1以上の免疫調節性
ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質コードするゲノムセグメントを含む。
【0111】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリ
ペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、ウイルスゲノムの同じ位置
にある。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はそ
の抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド
、ポリペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、ウイルスゲノムの異
なる位置にある。
【0112】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリ
ペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、スペーサー配列によって隔
てられている。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、
又はその抗原性断片をコードする配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリ
ペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、内部リボソーム進入部位、
又はプロテアーゼ切断部位をコードする配列によって隔てられている。ある実施態様にお
いて、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする
ヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタン
パク質をコードするヌクレオチド配列は、リンカー又は自己切断ペプチドをコードするヌ
クレオチド配列によって隔てられている。当業者に公知の任意のリンカーペプチド又は自
己切断ペプチドは、本明細書に提供される組成物及び方法とともに使用することができる
。ペプチドリンカーの非限定的な例はGSGである。自己切断ペプチドの非限定的な例は、
ブタテシオウイルス-1 2Aペプチド、トセアアシグナウイルス2Aペプチド、又は口蹄疫ウ
イルス2Aペプチドである。
【0113】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、
直接的に融合されている。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍
関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチ
ド、又はタンパク質は、ペプチドリンカーを介して融合されている。ある実施態様におい
て、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提
供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、自己切断ペプチドを介
して互いに隔てられている。ペプチドリンカーの非限定的な例はGSGである。自己切断ペ
プチドの非限定的な例は、ブタテシオウイルス-1 2Aペプチド、トセアアシグナウイルス2
Aペプチド、又は口蹄疫ウイルス2Aペプチドである。
【0114】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、
同じアレナウイルス粒子上に発現される。ある実施態様において、本明細書に提供される
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチ
ド、ポリペプチド、又はタンパク質は、異なるアレナウイルス粒子上に発現される。ある
実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、同じ株
の異なるウイルス上に発現される。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗
原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポ
リペプチド、又はタンパク質は、異なる株の異なるウイルス上に発現される。
【0115】
ある実施態様において、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコー
ドするように作製されたアレナウイルス粒子は、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードする1以上のヌクレオチド配列を含む。具体的な実
施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片は
、本明細書に記載される様々な1以上のリンカー、スペーサー、又は切断部位によって隔
てられている。
【0116】
(c)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウ
イルスの作製
通常、本明細書に提供される方法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せにおいて
使用するためのアレナウイルス粒子は、LCMVについて記載されている標準的なリバースジ
ェネティクスの技法によって組換え産生することができる(L. Flatz, A.、Bergthaler, J
. C.、de la Torre、及びD. D. Pinschewerの文献、Proc Natl Acad Sci USA 103:4663-4
668, 2006; A. B. Sanchez及びJ. C. de la Torreの文献、Virology 350:370, 2006; E.
Ortiz-Riano、B.Y. Cheng、J. C.、de la Torre、L. Martinez-Sobrido.の文献、J Gen V
irol. 94:1175-88, 2013)。本発明とともに使用するための感染性複製欠損性アレナウイ
ルスを作製するために、これらの技法を使用することができるが、レスキューされたウイ
ルスのゲノムは本明細書に記載される通りに改変される。これらの改変は: i)4つのアレ
ナウイルスORF(糖タンパク質(GP);核タンパク質(NP);マトリックスタンパク質Z; RNA依存
性RNAポリメラーゼL)のうちの1つ又は複数、例えば、2つ、3つ、又は4つを除去するか又
は機能的に不活化して、アレナウイルスベクターに感染した宿主細胞における遺伝子発現
を依然として可能にするが、正常細胞における感染性粒子の形成を妨げること;及びii)腫
瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチドを導入することが
できることである。本明細書に記載される感染性複製欠損性ウイルスは、その各々が引用
により完全に本明細書中に組み込まれる、国際特許出願公開WO 2009/083210号(出願PCT/E
P2008/010994号)及び国際特許出願公開WO 2014/140301号(出願PCT/EP2014/055144号)に記
載されている通りに産生することができる。
【0117】
一旦cDNAから生成されると、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレナウイルスは
、相補細胞で増殖することができる。相補細胞は、そのゲノムの改変によって複製欠損性
アレナウイルスから除去されている機能性を提供する細胞である(例えば、GPタンパク質
をコードするORFが欠失しているか又は機能的に不活化されている場合、相補細胞はGPタ
ンパク質を提供する)。
【0118】
アレナウイルスベクター中のウイルス遺伝子のうちの1つ又は複数の除去又は機能的不
活化(ここでは、糖タンパク質GPの欠失を例に取る)のため、欠失したウイルス遺伝子、例
えば、本例ではGPをトランスに提供する細胞でアレナウイルスベクターを生成させ、それ
を増殖させることができる。そのような相補細胞株(以後、C-細胞と呼ぶ)は、哺乳動物細
胞株、例えば、BHK-21、HEK 293、VERO、又はその他(ここでは、BHK-21を例に取る)に、
対象となるウイルス遺伝子の発現のための1以上のプラスミド(C-プラスミドと呼ばれる相
補性プラスミド)をトランスフェクトすることにより作製される。C-プラスミドは、作製
されることになるアレナウイルスベクター中で欠失しているウイルス遺伝子を、哺乳動物
細胞における発現に好適な1以上の発現カセット、例えば、哺乳動物ポリメラーゼIIプロ
モーター、例えば、ポリアデニル化シグナルを有するCMV又はEF1αプロモーターの制御下
で発現する。さらに、相補性プラスミドは、哺乳動物細胞における遺伝子発現に好適な発
現カセット、例えば、上記のようなポリメラーゼII発現カセットの制御下にある、哺乳動
物選択マーカー、例えば、ピューロマイシン耐性を特徴とするか、又はウイルス遺伝子転
写物の後ろに、脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位などの、内部リボソーム進入
部位があり、その後ろに、哺乳動物耐性マーカーがある。大腸菌(E. coli)での産生のた
めに、該プラスミドは、アンピシリン耐性カセットなどの、細菌選択マーカーをさらに特
徴とする。
【0119】
使用することができる細胞、例えば、BHK-21、HEK 293、MC57G、又はその他を培養下で
維持し、リン酸カルシウム、リポソームに基づくプロトコル、又はエレクトロポレーショ
ンなどの一般に使用される戦略のいずれかを用いて、相補性プラスミドでトランスフェク
トする。数日後、好適な選択薬剤、例えば、ピューロマイシンを漸増濃度で添加する。生
存しているクローンを単離し、標準的な手順に従ってサブクローニングし、対象となるウ
イルスタンパク質に対する抗体とともにウェスタンブロット法又はフローサイトメトリー
法を用いて、高発現するC-細胞クローンを同定する。安定にトランスフェクトされたC-細
胞の使用の代替法として、正常細胞の一過性トランスフェクションは、以下でC-細胞が使
用されることになる段階の各々において、失われたウイルス遺伝子を相補することができ
る。さらに、ヘルパーウイルスを用いて、失われた機能性をトランスに提供することがで
きる。
【0120】
使用することができるプラスミドは、2種類のものであることができる: i)本例では、
例えば、LCMVのNP及びLタンパク質に由来するアレナウイルスの最小トランス作用因子をC
-細胞で細胞内発現させるための、TF-プラスミドと呼ばれる、2つのプラスミド;並びにii
)アレナウイルスベクターゲノムセグメント、例えば、設計された改変を有するセグメン
トをC-細胞で細胞内発現させるための、GS-プラスミドと呼ばれるプラスミド。TF-プラス
ミドは、哺乳動物細胞におけるタンパク質発現に好適な発現カセット、通常、例えば、哺
乳動物ポリメラーゼIIプロモーター、例えば、そのうちのどちらか一方がポリアデニル化
シグナルと優先的に組み合わさったCMV又はEF1αプロモーターの制御下で、それぞれのア
レナウイルスベクターのNP及びLタンパク質を発現する。GS-プラスミドは、該ベクターの
小さい(S)ゲノムセグメント及び大きい(L)ゲノムセグメントを発現する。通常、ポリメラ
ーゼI駆動性発現カセット又はT7バクテリオファージRNAポリメラーゼ(T7-)駆動性発現カ
セットを使用することができ、後者は、3'-末端リボソームを一次転写物のプロセシング
に優先的に用いて、正確な末端を生じさせる。T7に基づく系を使用する場合、C-細胞にお
けるT7の発現は、TF-プラスミドと同様に構築されてT7を提供する追加の発現プラスミド
をリカバリープロセスで含めるか、又は安定な形でT7をさらに発現するようにC-細胞を構
築するかのいずれかによって提供しなければならない。ある実施態様において、TFプラス
ミドとGSプラスミドは同じであることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用
因子は、1つのプラスミド由来のT7、polI、及びpolIIプロモーターによって転写されるこ
とができる。
【0121】
該アレナウイルスベクターの回収のために、以下の手順を使用することができる。1日
目: M6-ウェルプレート中の通常80%コンフルエントなC-細胞に、2つのTF-プラスミド+2
つのGS-プラスミドの混合物をトランスフェクトする。ある実施態様において、TFプラス
ミドとGSプラスミドは同じであることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用
因子は、1つのプラスミド由来のT7、polI、及びpolIIプロモーターによって転写されるこ
とができる。このために、リン酸カルシウム、リポソームに基づくプロトコル、又はエレ
クトロポレーションなどの一般に使用される戦略のいずれかを使用することができる。
【0122】
3~5日後:培養上清(アレナウイルスベクター調製物)を回収し、分注し、使用前にアレ
ナウイルスベクターをどのくらい長く保存するべきかに応じて、4℃、-20℃、又は-80℃
で保存する。その後、該アレナウイルスベクター調製物の感染力価をC-細胞に対するイム
ノフォーカスアッセイによって評価する。
【0123】
本発明はさらに、細胞培養物における腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の
発現に関するものであり、ここで、該細胞培養物は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルスに感染している。培養細胞におけ
る腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の発現のために使用される場合、以下の
2つの手順を使用することができる:
i)対象となる細胞型を、1以上、例えば、2、3、又は4の感染多重度(MOI)で、本明細書
に記載されるアレナウイルスベクター調製物に感染させ、感染直後に既に、全ての細胞で
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の産生をもたらす。
ii)或いは、より低いMOIを使用することができ、個々の細胞クローンを、腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片のそのウイルス駆動性発現レベルについて選択すること
ができる。その後、アレナウイルスベクターが非細胞溶解性であるため、個々のクローン
を無限に増殖させることができる。本手法とは無関係に、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又は
その抗原性断片は、その後、産生される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の
性質に応じて、培養上清又は細胞それ自体のいずれかから回収(及び精製)することができ
る。しかしながら、本発明は、これら2つの戦略に限定されず、感染性複製欠損性アレナ
ウイルスをベクターとして用いて、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の発現
を駆動する他の方法を検討してもよい。
【0124】
或いは、3つのプラスミドからなるレスキューシステムを使用することができる:(1)第
一のプラスミドは、トランスフェクトされた細胞におけるポリメラーゼIIによる転写及び
その後の翻訳によってタンパク質NPを発現する;(2)第二のプラスミドは、ポリメラーゼI
による転写によってLCMVゲノムの(マイナス鎖)L-セグメントを、及びポリメラーゼIプロ
モーターの反対の方向への同じ鋳型からのポリメラーゼIIによる転写によってLタンパク
質を生じる;(3)第三のプラスミドは、ポリメラーゼIによる転写によってLCMVゲノムのS-
セグメント(LCMV糖タンパク質の代わりに抗原コード配列をコードする)を生じる。3μgの
各々のプラスミドをC-細胞のエレクトロポレーションに使用し、その後、細胞を6-ウェル
プレートに播種し、37℃でインキュベートする。インキュベーション後、細胞及びトラン
スフェクション由来の上清を新たに播種したC-細胞と組み合わせ、感染後の規定の時点で
ベクターを回収し、細胞及び破壊片から除去する。ひとたびベクターが作製されれば、腫
瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする核酸をプラスミドに挿入するこ
とができ、該プラスミドから、感染性複製欠損ベクターのゲノムセグメントが当業者に公
知の任意の技法によって転写される。
【0125】
アレナウイルスベクター中のウイルス遺伝子のうちの1つ又は複数の除去又は機能的不
活化(ここでは、糖タンパク質GPの欠失を例に取る)のため、アレナウイルスベクターを作
製し、欠失した又は機能的に不活化されたウイルス遺伝子(例えば、GP)をトランスに提供
する細胞で増殖させることができる。得られるウイルスそれ自体は感染性であるが、欠失
した又は機能的に不活化されたウイルス遺伝子(例えば、GP)の欠如のために、非相補細胞
でさらなる感染性子孫粒子を産生することができない。相補細胞は、安定なトランスフェ
クションによるか、一過性のトランスフェクションによるか、又は失われた機能性を発現
するヘルパーウイルスの感染によるかのいずれかで、失われた機能性を提供することがで
きる。
【0126】
ある実施態様において、相補細胞は、アレナウイルスベクターゲノムから欠失している
か又は機能的に不活化されているウイルス遺伝子を提供する。具体的な実施態様において
、相補細胞は、アレナウイルスベクターのゲノムを作製するのに使用されたウイルス株と
同じウイルス株由来のウイルス遺伝子を提供する。別の実施態様において、相補細胞は、
アレナウイルスベクターのゲノムを作製するのに使用されたウイルス株と異なるウイルス
株由来のウイルス遺伝子を提供する。例えば、相補細胞に提供されるウイルス遺伝子は、
LCMVのMP株から得られる。別の例において、相補細胞に提供されるウイルス遺伝子は、LC
MVのクローン13株から得られる。別の例において、相補細胞に提供されるウイルス遺伝子
は、LCMVのWE株から得られる。
【0127】
具体的な実施態様において、相補細胞はLCMVのMP株のGPを提供し、アレナウイルスベク
ターは、GPタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片のORFを含む。さらにより具体的な実施態様において、
相補細胞はLCMVのMP株のGPを提供し、アレナウイルスベクターはLCMVクローン13から得ら
れ、GPタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片のORFを含む。
【0128】
具体的な実施態様において、相補細胞はLCMVのクローン13株のGPを提供し、アレナウイ
ルスベクターは、GPタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍
抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片のORFを含む。さらにより具体的な実施態様に
おいて、相補細胞はLCMVのクローン13株のGPを提供し、アレナウイルスベクターはLCMV M
P株から得られ、GPタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗
原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片のORFを含む。
【0129】
具体的な実施態様において、相補細胞はLCMVのWE株のGPを提供し、アレナウイルスベク
ターは、GPタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片のORFを含む。さらにより具体的な実施態様において、
相補細胞はLCMVのWE株のGPを提供し、アレナウイルスベクターはLCMVクローン13から得ら
れ、GPタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片のORFを含む。
【0130】
具体的な実施態様において、相補細胞はLCMVのWE株のGPを提供し、アレナウイルスベク
ターは、GPタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片のORFを含む。さらにより具体的な実施態様において、
相補細胞はLCMVのWE株のGPを提供し、アレナウイルスベクターはLCMV MP株から得られ、G
Pタンパク質をコードするORFの代わりに、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片のORFを含む。
【0131】
(d)核酸、ベクター系、及び細胞株
一実施態様において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載される感染性複製欠
損性アレナウイルスの大きいゲノムセグメント(Lセグメント)のcDNAである核酸配列であ
って、該ゲノムセグメントの1つのORFが欠失しているか又は機能的に不活化されており、
かつ該ゲノムセグメントが、本明細書に提供される方法及び組成物、例えば、化学療法剤
との組合せとともに使用することができる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸配列である。
【0132】
一実施態様において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載される感染性複製欠
損性アレナウイルスの短いゲノムセグメント(Sセグメント)をコードする核酸配列であっ
て、該ゲノムセグメントの1つのORFが欠失しているか又は機能的に不活化されており、か
つ該短いゲノムセグメントが、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列を含む、核酸配列である。別の実施態様において、本明細書に記載さ
れるのは、本明細書に記載される感染性複製欠損性アレナウイルスの短いゲノムセグメン
ト(Sセグメント)をコードする核酸配列であって、糖タンパク質遺伝子のORFが欠失してい
るか又は機能的に不活化されており、かつ該短いゲノムセグメントが、腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸配列である。あ
るより具体的な実施態様において、該腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片は、
第5.1節(b)に記載されている抗原である。
【0133】
ある実施態様において、本明細書に提供される核酸配列は、LCMVの特定の株に由来する
ことができる。LCMVの株としては、クローン13、MP株、Arm CA 1371、Arm E-250、WE、UB
C、Traub、Pasteur、810885、CH-5692、Marseille #12、HP65-2009、200501927、810362
、811316、810316、810366、20112714、Douglas、GR01、SN05、CABN、及びこれらの派生
物が挙げられる。具体的な実施態様において、該核酸は、LCMVクローン13に由来する。他
の具体的な実施態様において、該核酸は、LCMV MP株に由来する。
【0134】
より具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、アレナウイルスゲノムセ
グメント;及び(ii)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオ
チド配列を含む核酸である。
【0135】
一実施態様において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載される感染性複製欠
損性アレナウイルス粒子のゲノムを含む1以上のベクターを含むベクター系である。具体
的に、本明細書に提供されるのは、該1以上のベクターが本明細書に記載される感染性複
製欠損性アレナウイルスの2つのアレナウイルスゲノムセグメント、すなわち、Lセグメン
ト及びSセグメントを含むベクター系である。そのようなベクター系は(1以上の別々のDNA
分子上に):
・この改変されたSゲノムセグメントを担持するアレナウイルス粒子が感染性子孫ウイル
ス粒子を産生することができないように改変されているアレナウイルスSゲノムセグメン
ト及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を(センスもしくはアンチセン
スで)コードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルスLゲノムセグメント;
・この改変されたLゲノムセグメントを担持するアレナウイルス粒子が感染性子孫ウイル
ス粒子を産生することができないように改変されているアレナウイルスLゲノムセグメン
ト及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を(センスもしくはアンチセン
スで)コードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルスSゲノムセグメント;
・この改変されたSゲノムセグメントを担持するアレナウイルス粒子が感染性子孫ウイル
ス粒子を産生することができないように改変されているアレナウイルスSゲノムセグメン
ト(ここで、該アレナウイルスSゲノムセグメントは、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくは
その抗原性断片を(センスもしくはアンチセンスで)コードするヌクレオチド配列を含む)
及び野生型アレナウイルスLゲノムセグメント;又は
・この改変されたLゲノムセグメントを担持するアレナウイルス粒子が感染性子孫ウイル
ス粒子を産生することができないように改変されているアレナウイルスLゲノムセグメン
ト(ここで、該アレナウイルスLゲノムセグメントは、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくは
その抗原性断片を(センスもしくはアンチセンスで)コードするヌクレオチド配列を含む)
及び野生型アレナウイルスSゲノムセグメント
を含むことができる。
【0136】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、アレナウイルス(例えば、LCMV)ゲ
ノムセグメントを含む核酸配列であって、SゲノムセグメントのGPをコードするORFが、発
癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原
、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリ
ンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/
CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプ
ロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、M
MP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS
5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サ
バイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CEA、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、M
ART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニ
ン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カ
テニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因
子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-ITD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトラ
ンスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5
、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RB
AF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、
トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変
異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)、Ras-突然変異体、p53(突然変異体
)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTERT、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺
酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、
PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2
、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、cyp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グ
ロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-TES1、精子タンパク質17、LCK、高分
子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4
、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125
、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD
117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)
、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチ
ン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホス
ファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナ
ーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE
、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-
85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水
化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OFA-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/B
CAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、EF2、エプスタイン-バーウイルス抗
原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MUM-2、MUM-3、ミオシンクラスI、Gn
TV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)SP17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40
、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-2
3H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、13-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-
9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag
、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、C
D30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択的リーディングフレームタンパク質)
、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、C
S-1、CD138、及びROR1からなる群から選択される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列と置換されている、核酸配列である。
【0137】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、アレナウイルス(例えば、LCMV)ゲ
ノムセグメントを含む核酸配列であって、SゲノムセグメントのGPをコードするORFが、1
以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片(例えば、上の段落に列挙されてい
るもののうちの1つ又は複数)をコードするヌクレオチド配列と置換されている、核酸配列
である。
【0138】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、この節において上で記載されてい
る核酸又はベクター系を含む細胞である。そのような細胞に由来する細胞株、そのような
細胞を含む培養物、及び核酸又はベクター系に感染したそのような細胞を培養する方法も
本明細書に提供される。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に
記載される感染性複製欠損性アレナウイルスの大きいゲノムセグメント(Lセグメント)を
含む核酸を含む細胞であって、該ゲノムセグメント1つのORFが欠失しているか又は機能的
に不活化されており、かつ該ゲノムセグメントが、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、細胞である。
【0139】
他の実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される感染性複製
欠損性アレナウイルスの短いゲノムセグメント(Sセグメント)を含む核酸を含む細胞であ
って、該ゲノムセグメントの1つのORFが欠失しているか又は機能的に不活化されており、
かつ該短いゲノムセグメントが、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコード
するヌクレオチド配列を含む、細胞である。
【0140】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される2つの核酸
又はベクター系を含む細胞である。そのような細胞に由来する細胞株、そのような細胞を
含む培養物、及び核酸又はベクター系に感染したそのような細胞を培養する方法も本明細
書に提供される。
【0141】
(e)使用方法
ワクチン、例えば、ポリオウイルス及び麻疹用のワクチンは、感染性疾患の予防及び/
又は治療に成功している。しかしながら、癌を含む、確立した慢性疾患の状態における治
療的免疫はあまり成功していない。化学療法剤と組み合わせて使用されるアレナウイルス
粒子を作製する能力は、新たな新規ワクチン戦略を表す。
【0142】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方
法である。そのような方法は、それを必要としている対象に、本明細書に提供されるアレ
ナウイルス粒子及び本明細書に提供される化学療法剤を投与することを含むことができる
。ある実施態様において、本方法において使用されるアレナウイルス粒子は、感染性複製
欠損性アレナウイルス粒子である。したがって、ある実施態様において、本方法において
使用される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその
抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それ
を発現する能力を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生することができ
ないゲノムを含有するように改変されている。
【0143】
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方法
であって、該対象に、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原
性断片を発現する1以上の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明
細書に提供される化学療法剤を投与することを含む、方法である。具体的な実施態様にお
いて、本明細書に記載される新生物性疾患を治療する方法は、それを必要としている対象
に、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現する
1以上の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される
化学療法剤の治療有効量を投与することを含む。該対象は、哺乳動物、例えば、限定され
ないが、ヒト、マウス、ラット、モルモット、家畜、例えば、限定されないが、ウシ、ウ
マ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ネコ、イヌ、ロバであることができる。具体的な実施態様にお
いて、該対象はヒトである。
【0144】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性細胞又は組織、例
えば、癌細胞又は腫瘍に対する免疫応答を誘導する方法であって、該対象に、本明細書に
提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現する感染性複製欠損
性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤を投与するこ
とを含む、方法である。
【0145】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤が投与される対象は、新生物性疾患を有するか、それを起こしや
すいか、又はそのリスクに曝されている。
【0146】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤が投与される対象は、癌などの新生物性疾患を有するか、それを
起こしやすいか、もしくはそれを発症するリスクに曝されているか、又は前癌組織病変を
示す。別の具体的な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、
もしくはその抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物
及び本明細書に提供される化学療法剤が投与される対象は、癌などの新生物性疾患と診断
されているか、又は前癌組織病変を示す。
【0147】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤が投与される対象は、限定されないが、急性リンパ芽球性白血病
;急性リンパ芽球性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(
成人/小児);副腎皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;
非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/
悪性線維性組織球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、
脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原
始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺
腫/カルチノイド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチ
ノイド腫瘍;成人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リン
パ腫、原発性;子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性
リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(c
hronic myeloid leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細
胞リンパ腫;線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユ
ーイングファミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;
肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫
瘍;消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫
瘍、原発部位不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細
胞白血病;頭頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視
経路神経膠腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ラン
ゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小
細胞;肺癌、小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレ
ーム;男性の乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼
内(眼);メルケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性
扁平上皮頸部癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉
症、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、
成人急性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻
腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫
;口腔癌(oral cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組
織球腫;卵巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓
癌;膵臓癌、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細
胞腫;松果体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテン
ト上原始神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺
芽腫;原発性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移
行上皮癌;第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児
;唾液腺癌;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非
黒色腫);小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明
転移性扁平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T
細胞リンパ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び
胸腺癌;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;
子宮肉腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍から選択される新生物性疾患を患っているか
、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝されている。
【0148】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又は
そのリスクに曝されている任意の年齢層の対象に投与される。具体的な実施態様において
、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現する感
染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤
は、免疫系不全を有する対象、妊娠している対象、臓器もしくは骨髄移植を受けている対
象、免疫抑制薬を服用している対象、血液透析を受けている対象、癌を有する対象、又は
新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、もしくはそのリスクに曝されてい
る対象に投与される。より具体的な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子
又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤は、新生物性疾患を患っているか、
それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝されている0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、
10、11、12、13、14、15、16、又は17歳の小児である対象に投与される。さらに別の具体
的な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗
原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に
提供される化学療法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそ
のリスクに曝されている幼児である対象に投与される。さらに別の具体的な実施態様にお
いて、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現す
る感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療
法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝され
ている0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12カ月齢の幼児である対象に投与さ
れる。さらに別の具体的な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、もしくはその抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその
組成物及び本明細書に提供される化学療法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起
こしやすいか、又はそのリスクに曝されている高齢対象に投与される。より具体的な実施
態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片
を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供され
る化学療法剤は、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、
81、82、83、84、85、86、87、88、89、又は90歳の高齢者対象である対象に投与される。
本明細書に提供されるのは、新生物性疾患を起こしやすいか又はそのリスクに曝されてい
る対象の癌を予防する方法である。
【0149】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、癌転移のリスクが高まっている対象に投与される。具体的な
実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性
断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供
される化学療法剤は、新生児の、それゆえ、未成熟な免疫系を有する、新生児期の対象に
投与される。
【0150】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、悪性度0(すなわち、上皮内新生物)、悪性度1、悪性度2、悪
性度3、もしくは悪性度4の癌、又はこれらの下位カテゴリー、例えば、悪性度3A、3B、も
しくは3C、又はその相当物を有する対象に投与される。
【0151】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、腫瘍T1、T2、T3、及びT4、並びに結節N0、N1、N2、又はN3、
並びに転移M0及びM1から選択される任意の組合せの腫瘍、結節、転移(TNM)ステージの癌
を有する対象に投与される。
【0152】
癌患者の治療の成功は、予想生存率の延長、抗腫瘍免疫応答の誘導、又は癌の特定の特
徴の改善として評価することができる。改善され得る癌の特徴の例としては、腫瘍径(例
えば、T0、T is、又はT1~4)、転移の状態(例えば、M0、M1)、観測可能な腫瘍の数、結節
病変(例えば、N0、N1~4、Nx)、悪性度(すなわち、悪性度1、2、3、又は4)、ステージ(例
えば、0、I、II、III、又はIV)、細胞表面又は体液中の特定のマーカー(例えば、AFP、B2
M、β-HCG、BTA、CA 15-3、CA 27.29、CA 125、CA 72.4、CA 19-9、カルシトニン、CEA、
クロモグラニンA、EGFR、ホルモン受容体、HER2、HCG、免疫グロブリン、NSE、NMP22、PS
A、PAP、PSMA、S-100、TA-90、及びサイログロブリン)の存在又は濃度、及び/或いは関連
する病的状態(例えば、腹水もしくは浮腫)又は症状(例えば、悪液質、発熱、食欲不振、
もしくは疼痛)が挙げられる。この改善は、百分率で測定可能な場合、少なくとも5、10、
15、20、25、30、40、50、60、70、80、又は90%であることができる(例えば、生存、又
は腫瘍の容積もしくは線寸法)。
【0153】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、休止状態の癌を有する対象(例えば、対象は寛解期にある)に
投与される。したがって、本明細書に提供されるのは、癌の再活性化を予防する方法であ
る。また本明細書に提供されるのは、癌の再発の頻度を低下させる方法である。
【0154】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、再発癌を有する対象に投与される。
【0155】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、癌の遺伝的素質を有する対象に投与される。別の実施態様に
おいて、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現
する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、リスク因子を有する対象に投与される。例示的なリスク因子としては、加齢、
タバコ、日光曝露、放射線曝露、化学物質曝露、家族歴、アルコール、貧しい食生活、身
体活動の欠如、又は肥満が挙げられる。
【0156】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、1種類以上の癌を患っている対象に投与される。他の実施態
様において、本明細書に記載される組成物による治療の影響を受けやすい、任意のタイプ
の新生物性疾患、例えば、癌を標的とし得る。
【0157】
別の実施態様において、提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片
を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物を対象に投与することに
より、新生物性細胞又は腫瘍、例えば、癌細胞又は腫瘍に対する細胞性免疫(CMI)が付与
される。理論によって束縛されるものではないが、別の実施態様において、提供される腫
瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイ
ルス粒子又はその組成物は、主要組織適合複合体(MHC)クラスI及びIIに対する抗原の直接
提示のために、宿主の抗原提示細胞(APC)(例えば、マクロファージ)に感染し、対象とな
る抗原を発現する。別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗
原、もしくはその抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組
成物を対象に投与することにより、複数機能性のIFN-γ及びTNF-αを同時に産生する規模
の大きい癌特異的CD4+及びCD8+ T細胞応答が誘導され、新生物性疾患が治療される(IFN-
γは、CD4+及びCD8+ T細胞によって産生され、TNF-αはCD4+ T細胞によって産生される)
【0158】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤を投与することにより、癌治療の1以上の臨床転帰が増大し又は
改善される。そのような転帰の非限定的な例は、全生存率、無増悪生存率、無増悪期間、
治療成功期間、無事象生存率、次の治療までの期間、全奏効率、及び奏効期間である。臨
床転帰のうちの1つ又は複数の増大又は改善は、そのような治療の非存在下の同じ新生物
性疾患を有する患者又は患者群と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少な
くとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約
50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%であ
るか、又はそれを上回るものであることができる。
【0159】
対象において、提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現す
る感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物を投与することにより誘導される
、癌細胞又は腫瘍を含む、新生物性細胞又は腫瘍に対する細胞性免疫(CMI)応答機能の変
化は、限定されないが、フローサイトメトリー(例えば、Perfetto S.P.らの文献、Nat Re
v Immun. 2004; 4(8):648-55を参照)、白血球増殖アッセイ(例えば、Bonilla F.A.らの
文献、Ann Allergy Asthma Immunol. 2008; 101:101-4;及びHicks M.J.らの文献、Am J C
lin Pathol. 1983; 80:159-63を参照)、活性化後の表面マーカー発現の変化の決定又はT
リンパ球のサイトカインの測定を含むリンパ球活性化を測定するアッセイ(例えば、Carus
o A.らの文献、Cytometry. 1997;27:71-6を参照)、ELISPOTアッセイ(例えば、Czerkinsky
C.C.らの文献、J Immunol Methods. 1983; 65:109-121;及びHutchings P.R.らの文献、J
Immunol Methods. 1989; 120:1-8を参照)、又はナチュラルキラー細胞細胞傷害性アッセ
イ(例えば、Bonilla F.A.らの文献、Ann Allergy Asthma Immunol. 2005 May; 94(5 Supp
l 1):S1-63を参照)を含む、当業者に公知の任意のアッセイによって測定することができ
る。
【0160】
本明細書に開示される化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)、白
金系治療剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、インターカレ
ート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せであることが
できる。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、
アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様に
おいて、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチ
ン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロ
ナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン
、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダ
ムスチン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムス
チン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(s
treptozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サト
ラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミ
トゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリ
スチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリ
ケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノ
ルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドー
パ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、
トリエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(
triethiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブ
ラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン
、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチ
ン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サ
ルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノ
スタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン
、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリ
ン、クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイ
シン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノー
ル酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiro
mycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレ
プトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセー
ト、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、
フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザ
シチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフ
ルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノ
ロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン
、フロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノ
レブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホ
ファミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチ
ニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、
メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエ
リン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン
酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、ス
ピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミ
ン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン
、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、ア
ラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド
、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例
えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluo
rometlhylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin
)、ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬
として許容し得る塩、酸、又は誘導体のうちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様に
おいて、該化学療法剤は、シクロホスファミドを含む。ある実施態様において、該窒素マ
スタードは、メクロレタミン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イ
ホスファミド、又はブスルファンである。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAを
アルキル化する。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(
「ICL」)の形成をもたらす。
【0161】
ある実施態様において、本明細書に記載される化学療法剤は、負のチェックポイントレ
ギュレーターの活性を阻害するか、低下させるか、又は妨害する免疫チェックポイントイ
ンヒビターと組み合わせて使用される。ある実施態様において、該負のチェックポイント
レギュレーターは、細胞傷害性T-リンパ球抗原-4(CTLA-4)、CD80、CD86、プログラム細胞
死1(PD-1)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-L2)、
リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3;別名、CD223)、ガレクチン-3、B及びTリンパ球アテニュ
エーター(BTLA)、T細胞膜タンパク質3(TIM3)、ガレクチン-9(GAL9)、B7-H1、B7-H3、B7-H
4、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT/Vstm3/WUCAM/VSIG9)、T細胞活性
化のV-ドメインIgサプレッサー(VISTA)、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体
関連(GITR)タンパク質、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、OX40、CD27、CD28
、CD137、CGEN-15001T、CGEN-15022、CGEN-15027、CGEN-15049、CGEN-15052、並びにCGEN
-15092からなる群から選択される。ある実施態様において、該免疫チェックポイントイン
ヒビターは抗PD-1抗体である。
【0162】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書
に提供される化学療法剤は、好ましくは、複数回の注射(例えば、少なくとも2、3、4、5
、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、40、45、もしくは50回の注射)で又は
複数の部位(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、12、も
しくは14の部位)での(例えば、ポンプを使用する)連続注入によって投与される。ある実
施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断
片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物は、2回以上の別々の
注射で、6カ月の期間、12カ月の期間、24カ月の期間、又は48カ月の期間をかけて投与さ
れる。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくは
その抗原性断片を発現する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物は、1回
目の投与を選ばれた日に、2回目の投与を1回目の投与から少なくとも2カ月後に、3回目の
投与を1回目の投与から6カ月後にして投与される。
【0163】
1つの例において、皮膚注射を複数の身体部位で行って、局所皮膚反応の度合いを軽減
する。所与のワクチン接種日に、患者は、1本の注射器から投与される割り当てられた総
用量を、該用量の3~5回の別々の皮内注射(例えば、少なくとも0.4ml、0.2ml、又は0.1ml
)で、針の侵入地点において最も近接する注射部位から各々少なくとも約5cm(例えば、少
なくとも4.5、5、6、7、8、9、又はcm)の間隔を空けて、四肢に受容する。次のワクチン
接種日に、注射部位を時計回り又は反時計回りで異なる手足に回転させる。
【0164】
ある実施態様において、本方法は、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子と化学療
法剤の共投与を含む。ある実施態様において、該共投与は同時的である。別の実施態様に
おいて、該アレナウイルス粒子は、該化学療法剤の投与前に投与される。他の実施態様に
おいて、該アレナウイルス粒子は、該化学療法剤の投与後に投与される。ある実施態様に
おいて、該アレナウイルス粒子と該化学療法剤の投与間隔は、約1時間、約2時間、約3時
間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、又
は約12時間である。ある実施態様において、該アレナウイルス粒子と該化学療法剤の投与
間隔は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約8日、約9日、約10日
、約11日、約12日、約13日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、
約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間である。ある実施態様において、該ア
レナウイルス粒子と該化学療法剤の投与間隔は、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、
約5カ月、又は約6カ月である。いくつかの実施態様において、本方法は、少なくとも1つ
の追加の療法を投与することをさらに含む。
【0165】
別の実施態様において、2つの感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は、特に: 1:1の比
、1:2の比、1:5の比、1:10の比、1:20の比、1:50の比、1:100の比、1:200の比、1:300の
比、1:400の比、1:500の比、1:600の比、1:700の比、1:800の比、1:900の比、1:1000の比
を含む、約1:1~1:1000の範囲に及ぶモル比の治療レジメンで投与される。
【0166】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、新生物性疾患を治療する方法であ
って、第一の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子がまず「初回免疫」として投与され、
第二の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子が「追加免疫」として投与される、方法であ
る。第一及び第二の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子は、同じ又は異なる腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現することができる。その代わりに、又はさらに
、いくつかのある実施態様において、「初回免疫」及び「追加免疫」投与は、異なる種に
由来する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を用いて行われる。ある具体的な実施態様
において、「初回免疫」投与は、LCMVに由来する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を
用いて行われ、「追加免疫」は、フニンウイルスに由来する感染性複製欠損性アレナウイ
ルス粒子を用いて行われる。ある具体的な実施態様において、「初回免疫」投与は、フニ
ンウイルスに由来する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を用いて行われ、「追加免疫
」は、LCMVに由来する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を用いて行われる。ある実施
態様において、「初回免疫」投与は、ピチンデウイルスに由来するアレナウイルス粒子を
用いて行われ、「追加免疫」は、LCMVに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われる。
ある実施態様において、「初回免疫」投与は、ピチンデウイルスに由来するアレナウイル
ス粒子を用いて行われ、「追加免疫」は、フニンウイルスに由来する感染性複製欠損性ア
レナウイルス粒子を用いて行われる。ある実施態様において、「初回免疫」投与は、LCMV
に由来する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を用いて行われ、「追加免疫」は、ピチ
ンデウイルスに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われる。ある実施態様において、
「初回免疫」投与は、フニンウイルスに由来する感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を
用いて行われ、「追加免疫」は、ピチンデウイルスに由来するアレナウイルス粒子を用い
て行われる。ある実施態様において、「初回免疫」投与及び/又は「追加免疫」投与は、
免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質の投与と組み合わせて行われる。あ
る実施態様において、「初回免疫」投与及び/又は「追加免疫」投与は、化学療法剤の投
与と組み合わせて行われる。
【0167】
ある実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第一
の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を投与し、その後、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又
はその抗原性断片を発現する第二の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を投与すること
により、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する単一の感染性複製欠損
性アレナウイルス粒子を投与するよりも大きい抗原特異的CD8+ T細胞応答がもたらされる
。ある実施態様において、該抗原特異的CD8+ T細胞数は、第一の投与と比較して、第二の
投与の後、50%、100%、150%、又は200%増加する。ある実施態様において、腫瘍抗原
、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第三の感染性複製欠損性アレナウイルス
粒子を投与することにより、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する2
つの連続した感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を投与するよりも大きい抗原特異的CD
8+ T細胞応答がもたらされる。ある実施態様において、該抗原特異的CD8+ T細胞数は、第
一の投与と比較して、第三の投与の後、約50%、約100%、約150%、約200%、又は約250
%増加する。
【0168】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、新生物性疾患を治療する方法であ
って、2以上のアレナウイルス粒子を投与することを含み、ここで、該2以上のアレナウイ
ルス粒子が相同であり、かつ各投与間の時間間隔が、約1週間、約2週間、約3週間、約4週
間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7
カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、約12カ月、約18カ月、又は約24カ月であ
る、方法である。
【0169】
ある実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第一
の感染性複製欠損性アレナウイルス粒子及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断
片を発現する第二の非相同な感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を投与することにより
、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第一の感染性複製欠損性アレ
ナウイルス粒子及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第二の相同
な感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を投与するよりも大きいCD8+ T細胞応答が誘発さ
れる。
【0170】
(f)組成物、投与、及び投薬量
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子を含むワクチン、免
疫原性組成物(例えば、ワクチン組成物)、及び医薬組成物は、本明細書に提供される方法
及び組成物、例えば、本明細書に提供される化学療法剤との組合せとともに使用すること
ができる。そのようなワクチン、免疫原性組成物、及び医薬組成物は、当技術分野の標準
的な手順に従って製剤化することができる。
【0171】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される感染性複製
欠損性アレナウイルス粒子、及びある実施態様においては、本明細書に提供される化学療
法剤を含む組成物である。そのような組成物は、新生物性疾患を治療する方法において使
用することができる。別の具体的な実施態様において、本明細書に提供される免疫原性組
成物を用いて、該組成物が投与される宿主に免疫応答を誘導することができる。本明細書
に記載される免疫原性組成物は、ワクチンとして使用することができ、それに応じて、医
薬組成物として製剤化することができる。具体的な実施態様において、本明細書に記載さ
れる免疫原性組成物は、対象(例えば、ヒト対象)の新生物性疾患の治療において使用され
る。他の実施態様において、該ワクチン、免疫原性組成物、又は医薬組成物は、動物及び
/又はヒトへの投与に好適である。
【0172】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるアレナウイ
ルス粒子(又は異なるアレナウイルス粒子の組合せ)を含む免疫原性組成物である。ある実
施態様において、そのような免疫原性組成物は、医薬として許容し得る賦形剤をさらに含
む。ある実施態様において、そのような免疫原性組成物はアジュバントをさらに含む。本
明細書に記載される組成物と組み合わせて投与するためのアジュバントは、該組成物の投
与前、該投与と同時、又は該投与後に投与することができる。いくつかの実施態様におい
て、「アジュバント」という用語は、本明細書に記載される組成物と併せて又はその一部
として投与された場合、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子に対する免疫応答を強化し
、増強し、及び/又は亢進するが、該化合物が単独で投与された場合には、感染性複製欠
損性アレナウイルス粒子に対する免疫応答を発生させない化合物を指す。いくつかの実施
態様において、該アジュバントは、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子に対する免疫応
答を発生させ、アレルギー又は他の有害反応を生じさせない。アジュバントは、例えば、
リンパ球動員、B及び/又はT細胞の刺激、並びにマクロファージの刺激を含む、いくつか
のメカニズムによって免疫応答を増強することができる。本発明のワクチン又は免疫原性
組成物がアジュバントを含むか又は1以上のアジュバントと一緒に投与される場合、使用
することができるアジュバントとしては、無機塩アジュバント又は無機塩ゲルアジュバン
ト、粒子状アジュバント、微粒子状アジュバント、粘膜アジュバント、及び免疫刺激アジ
ュバントを挙げることができるが、これらに限定されない。アジュバントの例としては、
アルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、及び
硫酸アルミニウム)、3 De-O-アシル化モノホスホリルリピドA(MPL)(GB 2220211号を参照)
、MF59(Novartis)、AS03(GlaxoSmithKline)、AS04(GlaxoSmithKline)、ポリソルベート80
(Tween 80; ICL Americas社)、イミダゾピリジン化合物(国際公開WO2007/109812として公
開された国際出願PCT/US2007/064857号を参照)、イミダゾキノキサリン化合物(国際公開W
O2007/109813として公開された国際出願PCT/US2007/064858号を参照)、及びQS21などのサ
ポニン(Kensilらの文献、ワクチン設計:サブユニット及びアジュバントアプローチ(Vacci
ne Design: The Subunit and Adjuvant Approach)(Powell及びNewman編、Plenum Press,
NY, 1995);米国特許第5,057,540号を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。いく
つかの実施態様において、該アジュバントは、フロイントアジュバント(完全又は不完全)
である。他のアジュバントは、モノホスホリルリピドAなどの免疫刺激剤と任意に組み合
わせた水中油型エマルジョン(例えば、スクアレン又はピーナッツ油)である(Stouteらの
文献、N. Engl. J. Med. 336, 86-91(1997)を参照)。
【0173】
該組成物は、単独で又は医薬として許容し得る担体及び/もしくは化学療法剤と一緒に
、本明細書に記載される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を含む。遺伝子改変アレナ
ウイルス粒子の懸濁液又は分散液、とりわけ、等張水性懸濁液又は分散液を使用すること
ができる。該医薬組成物は滅菌することができ、かつ/或いは賦形剤、例えば、防腐剤、
安定剤、湿潤剤、並びに/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩、及び/もし
くは緩衝剤を含むことができ、それ自体公知の様式で、例えば、従来の分散及び懸濁プロ
セスによって調製される。ある実施態様において、そのような分散液又は懸濁液は、粘度
調節剤を含むことができる。該懸濁液又は分散液は、約2~8℃の温度で保持されるか、又
は長期保存については優先的に、凍結し、その後、使用直前に解凍することができる。注
射については、ワクチン又は免疫原性調製物は、水性溶液中で、好ましくは、ハンクス溶
液、リンガー溶液、又は生理食塩水緩衝液などの生理的に適合性のある緩衝液中で製剤化
することができる。該溶液は、懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤などの製剤化剤を含有
することができる。
【0174】
ある実施態様において、本明細書に記載される組成物は、防腐剤、例えば、水銀誘導体
のチメロサールをさらに含む。具体的な実施態様において、本明細書に記載される医薬組
成物は、0.001%~0.01%のチメロサールを含む。他の実施態様において、本明細書に記
載される医薬組成物は、防腐剤を含まない。
【0175】
該医薬組成物は、約103~約1011フォーカス形成単位の遺伝子改変アレナウイルスを含
む。非経口投与のための単位用量形態は、例えば、アンプル又はバイアル、例えば、約10
3~1010フォーカス形成単位又は105~1015個の物理的粒子の遺伝子改変アレナウイルス粒
子を含有するバイアルである。
【0176】
別の実施態様において、本明細書に提供されるワクチン又は免疫原性組成物は、限定さ
れないが、経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、局所、皮下、経皮、鼻腔内、及び吸入
経路を含む経路によって、並びにスカリフィケーション(例えば、二股針を用いて、皮膚
の最上層から傷を付けること)によって、対象に投与される。具体的には、皮下、筋肉内
、又は静脈内経路を使用することができる。
【0177】
鼻腔内への又は吸入による投与のために、本発明による使用のための調製物は、好適な
噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテト
ラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の好適なガスを用いて、加圧パック又はネブライ
ザーからエアロゾルスプレー提示の形態で好都合に送達することができる。加圧エアロゾ
ルの場合、投薬量単位は、定量を送達するためのバルブを提供することにより決定するこ
とができる。吸入器又は送気器で使用するための、例えば、ゼラチンのカプセル及びカー
トリッジは、化合物とラクトース又はデンプンなどの好適な粉末基剤の粉末混合物を含め
て製剤化することができる。
【0178】
活性成分の投薬量は、ワクチン接種の種類によって、並びに対象並びにその年齢、体重
、個々の状態、個々の薬物動態データ、及び投与様式によって決まる。
【0179】
ある実施態様において、該組成物は、治療有効量のアレナウイルス粒子及び/又は治療
有効量の化学療法剤を含む単一投薬量で患者に投与することができる。いくつかの実施態
様において、該アレナウイルス粒子は、各々治療有効量のアレナウイルス粒子及び化学療
法剤を含む単一用量で患者に投与することができる。
【0180】
ある実施態様において、該組成物は、単一用量として患者に投与され、続いて、3~6週
間後に第二の用量で投与される。これらの実施態様によれば、追加免疫接種は、第二の接
種後6~12カ月の間隔で対象に投与することができる。ある実施態様において、追加免疫
接種は、異なるアレナウイルス粒子又はその組成物を利用することができる。いくつかの
実施態様において、本明細書に記載される同じ組成物の投与を繰り返し、少なくとも1日
、2日、3日、4日、5日、10日、15日、30日、45日、2カ月、75日、3カ月、又は少なくとも
6カ月間隔を空けることができる。
【0181】
また提供されるのは、アレナウイルス粒子及び化学療法剤を活性成分として含む医薬調
製物の形態のワクチンの製造のためのプロセス並びにアレナウイルス粒子及び化学療法剤
の使用である。またさらに提供されるのは、本明細書に記載される新生物性疾患の治療に
おいて使用するための本明細書に提供されるアレナウイルス粒子と本明細書に提供される
化学療法剤の組合せである。ある実施態様において、該組合せは、同じ医薬組成物中にあ
る。ある実施態様において、該組合せは、例えば、アレナウイルス粒子及び化学療法剤が
別々に投与されることになっている場合、同じ医薬組成物中にない。本出願の医薬組成物
は、それ自体公知の様式で、例えば、従来の混合及び/又は分散プロセスによって調製さ
れる。
【0182】
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される方法を実施するために使用する
ことができる キットである。ある実施態様において、本明細書に提供されるキットは、1
以上の容器を含むことができる。これらの容器は、保存のために、本明細書に提供される
組成物(例えば、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物)を入れることができ
る。またキットに含まれるのは、使用説明書である。これらの説明書は、その中に含まれ
る組成物を使用するための治療プロトコルを十分に詳しく記載している。例えば、該説明
書は、新生物性疾患を治療する方法についての、本明細書に提供される投与(dosing)及び
投与(administration)説明書を含むことができる。
【0183】
ある実施態様において、本明細書に提供されるキットは、各々が本明細書に記載される
方法を実施するための活性成分を含有する容器を含む。したがって、ある実施態様におい
て、本明細書に提供されるキットは、2以上の容器及び使用説明書を含み、ここで、該容
器のうちの1つは、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を含み、
別の容器は、本明細書に提供される化学療法剤を含む。
【0184】
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるキットは、2以上の容器及び使用説
明書を含み、ここで、該容器のうちの1つは、本明細書に提供される感染性複製欠損性ア
レナウイルス粒子を含み、別の容器は、本明細書に提供される化学療法剤を含む。
【0185】
(g)アッセイ
(アレナウイルスベクターの感染力を測定するためのアッセイ)
当業者に公知の任意のアッセイを、アレナウイルスベクター調製物の感染力を測定する
ために使用することができる。例えば、ウイルス/ベクター力価の決定は、「フォーカス
形成単位アッセイ」(FFUアッセイ)によって行うことができる。簡潔に述べると、相補細
胞、例えば、LCMV GPタンパク質を発現するHEK 293細胞をプレーティングし、ウイルス/
ベクター試料の様々な希釈物を接種する。インキュベーション期間の後、細胞に単層を形
成させ、ウイルスを細胞に付着させるために、単層をメチルセルロースで覆う。プレート
をさらにインキュベートすると、もとの感染した細胞はウイルス子孫を放出する。メチル
セルロースが重層されるため、新しいウイルスの拡散は、隣接する細胞に制限される。結
果として、各々の感染性粒子は、フォーカスと呼ばれる感染した細胞の円形のゾーンを生
じさせる。そのようなフォーカスを、LCMV-NPに対する抗体及びHRPベースの呈色反応を用
いて可視化し、それにより、計数可能にすることができる。ウイルス/ベクターの力価は
、1ミリリットル当たりのフォーカス形成単位(FFU/mL)で計算することができる。
【0186】
導入遺伝子を担持するベクターの感染力価(FFU/mL)を決定するために、このアッセイを
、抗LCMV-NP抗体の代わりに、それぞれの導入遺伝子特異的抗体を用いて改変した。
【0187】
(血清ELISA)
動物(例えば、マウス、モルモット)のワクチン接種時の液性免疫応答の決定は、抗原特
異的血清ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)によって行うことができる。簡潔に述べると
、プレートを抗原(例えば、組換えタンパク質)でコーティングし、抗体の非特異的結合を
回避するためにブロッキングし、血清の連続希釈物とともにインキュベートする。インキ
ュベーション後、結合した血清抗体を、例えば、(全IgG又はIgGサブクラスを検出する)酵
素結合抗種(例えば、マウス、モルモット)特異的抗体及びその後の呈色反応を用いて検出
することができる。抗体力価は、例えば、終点幾何平均力価として決定することができる
【0188】
捕捉剤がビーズに架橋される免疫捕捉ELISA(IC-ELISA)を実施することもできる(Shanmu
ghamらの文献、2010, Clin. Vaccine Immunol. 17(8):1252-1260を参照)。
【0189】
捕捉剤がビーズに架橋される免疫捕捉ELISA(IC-ELISA)を実施することもできる(Shanmu
ghamらの文献、2010, Clin. Vaccine Immunol. 17(8):1252-1260を参照)。
【0190】
(ARPE-19細胞における中和アッセイ)
血清中の誘導抗体の中和活性の決定は、ATCCから得たARPE-19細胞とGFPタグ化ウイルス
とを用いる以下の細胞アッセイを用いて行う。さらに、外因性補体の源としての補助血清
を使用する。このアッセイは、中和に使用する1日又は2日前に、384ウェルプレートに6.5
×103細胞/ウェル(50μl/ウェル)を播種することにより開始する。中和は、細胞を含まな
い96ウェル滅菌組織培養プレート中、37℃で1時間行う。中和インキュベーション工程の
後、混合物を細胞に添加し、プレートリーダーによるGFP検出のために、さらに4日間イン
キュベートする。陽性の中和ヒト血清を各々のプレートでアッセイ陽性対照として用いて
、全ての結果の信頼性を確認する。力価(EC50)を4パラメータロジスティック曲線フィッ
ティングを用いて決定する。追加の検査として、ウェルを蛍光顕微鏡で確認する。
【0191】
(プラーク減少アッセイ)
簡潔に述べると、LCMVについてのプラーク減少(中和)アッセイを、緑色蛍光タンパク質
がタグ付けされている複製欠損性LCMVを用いて行い、5%ウサギ血清を外因性補体の源と
して使用することができ、プラークを蛍光顕微鏡観察によって数え上げることができる。
中和力価を、対照(免疫前)血清試料における希釈と比較して、プラークの50%、75%、90
%、又は95%減少をもたらす血清の最大希釈と定義することができる。
【0192】
(モルモット肺線維芽細胞(GPL)細胞における中和アッセイ)
簡潔に述べると、試験血清及び対照(ワクチン接種前)血清の連続希釈物を、補助ウサギ
血清(1%)を外因性補体の源として含むGPL完全培地中で調製した。希釈系列は、1:40から
1:5120に及んだ。血清希釈物をeGFPタグ化ウイルス(1ウェル当たり100~200pfu)とともに
37℃で30分間インキュベートし、その後、コンフルエントなGPL細胞を含む12ウェルプレ
ートに移した。試料を3連で処理した。37℃で2時間のインキュベーションの後、細胞をPB
Sで洗浄し、GPL完全培地を再供給し、37℃/5%CO2で5日間インキュベートした。プラーク
を蛍光顕微鏡観察により可視化し、計数し、対照ウェルと比較した。対照と比較してプラ
ーク数の50%減少をもたらすその血清希釈を中和力価と表した。
【0193】
(qPCR)
LCMV RNAゲノムを、製造元によって提供されるプロトコルに従って、QIAamp Viral RNA
ミニキット(QIAGEN)を用いて単離する。LCMV RNAゲノム相当物を、SuperScript(登録商標
) III Platinum(登録商標) One-Step qRT-PCRキット(Invitrogen)並びにLCMV NPコード領
域の一部に特異的なプライマー及びプローブ(FAMレポーター及びNFQ-MGBクエンチャー)を
用いるStepOnePlusリアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)で実施される定量的PC
Rによって検出する。反応の温度プロファイルは: 60℃で30分、95℃で2分の後、95℃で15
秒、56℃で30秒を45サイクルである。RNAを、試料の結果と、プライマー及びプローブ結
合部位を含むLCMV NPコード配列の断片に対応する、分光光学的に定量されたインビトロ
転写RNA断片のlog10希釈系列から作成された標準曲線との比較によって定量する。
【0194】
(モルモット肺線維芽細胞(GPL)細胞における中和アッセイ)
簡潔に述べると、試験血清及び対照(ワクチン接種前)血清の連続希釈物を、補助ウサギ
血清(1%)を外因性補体の源として含むGPL完全培地中で調製した。希釈系列は、1:40から
1:5120に及んだ。血清希釈物をeGFPタグ化ウイルス(1ウェル当たり100~200pfu)とともに
37℃で30分間インキュベートし、その後、コンフルエントなGPL細胞を含む12ウェルプレ
ートに移した。試料を3連で処理した。37℃で2時間のインキュベーションの後、細胞をPB
Sで洗浄し、GPL完全培地を再供給し、37℃/5%CO2で5日間インキュベートした。プラーク
を蛍光顕微鏡観察により可視化し、計数し、対照ウェルと比較した。対照と比較してプラ
ーク数の50%減少をもたらすその血清希釈を中和力価と表した。
【0195】
(ウェスタンブロッティング)
組織培養フラスコ中又は懸濁下で増殖させた感染細胞を、表示された感染後の時点でRI
PA緩衝液(Thermo Scientific)を用いて溶解させるか、又は細胞溶解なしでそのまま使用
する。試料を還元剤及びNuPage LDS試料緩衝液(NOVEX)とともに99℃に10分間加熱し、室
温に冷却した後、電気泳動のために4-12%SDS-ゲルに充填する。タンパク質を、Invitrog
ens iBlot Gel転写装置を用いて膜上にブロッティングし、ポンソー染色によって可視化
する。最後に、調製物を対象となるタンパク質に対する一次抗体及びアルカリホスファタ
ーゼコンジュゲート二次抗体でプロービングし、その後、1-Step NBT/BCIP溶液(INVITROG
EN)で染色する。
【0196】
(抗原特異的CD8+ T細胞増殖の検出のためのMHC-ペプチド多量体染色アッセイ)
当業者に公知の任意のアッセイを用いて、抗原特異的CD8+ T細胞応答を試験することが
できる。例えば、MHC-ペプチド四量体染色アッセイを使用することができる(例えば、Alt
man J.D.らの文献、Science. 1996; 274:94-96;及びMurali-Krishna K.らの文献、Immuni
ty. 1998; 8:177-187を参照)。簡潔に述べると、このアッセイは、以下の工程を含み、四
量体アッセイを用いて、抗原特異的T細胞の存在を検出する。T細胞がそれに対して特異的
なペプチドを検出するために、T細胞は、ペプチドと(通常、蛍光標識されている)抗原特
異的T細胞用の特別仕様のMHC分子の四量体の両方を認識しなければならない。その後、四
量体を、蛍光標識を介するフローサイトメトリーによって検出する。
【0197】
(抗原特異的CD4+ T細胞増殖の検出のためのELISPOTアッセイ)
当業者に公知の任意のアッセイを用いて、抗原特異的CD4+ T細胞応答を試験することが
できる。例えば、ELISPOTアッセイを使用することができる(例えば、Czerkinsky C.C.ら
の文献、J Immunol Methods. 1983; 65:109-121;及びHutchings P.R.らの文献、J Immuno
l Methods. 1989; 120:1-8を参照)。簡潔に述べると、このアッセイは、以下の工程を含
む:免疫スポットプレートを抗サイトカイン抗体でコーティングする。細胞を免疫スポッ
トプレート中でインキュベートする。細胞はサイトカインを分泌し、その後、洗い落とさ
れる。その後、プレートを第二のビオチン化抗サイトカイン抗体でコーティングし、アビ
ジン-HRPシステムで可視化する。
【0198】
(CD8+及びCD4+ T細胞応答の機能性の検出のための細胞内サイトカインアッセイ)
当業者に公知の任意のアッセイを用いて、CD8 +及びCD4+ T細胞応答の機能性を試験す
ることができる。例えば、フローサイトメトリーと組み合わせた細胞内サイトカインアッ
セイを使用することができる(例えば、Suni M.A.らの文献、J Immunol Methods. 1998; 2
12:89-98; Nomura L.E.らの文献、Cytometry. 2000; 40:60-68;及びGhanekar S.A.らの文
献、Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology. 2001; 8:628-63を参照)。簡潔に
述べると、このアッセイは、以下の工程を含む:特異的ペプチド又はタンパク質による細
胞の活性化、タンパク質輸送のインヒビター(例えば、ブレフェルジンA)を添加して、サ
イトカインを細胞内に保持すること。洗浄後、他の細胞マーカーに対する抗体を細胞に添
加することができる。その後、細胞を固定し、透過処理する。抗サイトカイン抗体を添加
し、細胞をフローサイトメトリーによって解析することができる。
【0199】
(ウイルスベクターの複製欠損性を確認するためのアッセイ)
感染性かつ複製可能なウイルス粒子の濃度を決定する当業者に公知の任意のアッセイを
用いて、試料中の複製欠損性ウイルス粒子を測定することもできる。例えば、非相補細胞
を用いるFFUアッセイをこの目的で使用することができる。
【0200】
さらに、プラークベースのアッセイは、ウイルス濃度をウイルス試料中のプラーク形成
単位(PFU)に換算して決定するために使用される標準的な方法である。具体的には、非相
補宿主細胞のコンフルエントな単層に様々な希釈のウイルスを感染させ、寒天などの半固
形培地で覆って、ウイルス感染が無制限に拡大するのを防ぐ。ウイルスが感染し、固定さ
れた細胞単層内の細胞でそれ自体を複製するのに成功すると、ウイルスプラークが形成さ
れる(例えば、Kaufmann, S.H.; Kabelitz, D.の文献(2002)、微生物学の方法(Methods in
Microbiology)、第32巻:感染の免疫学(Immunology of Infection)、Academic Press. IS
BN 0-12-521532-0を参照)。プラーク形成は、解析されているウイルスによって、3~14日
間かかることがある。プラークを大まかに手作業で計数し、その結果を、プレートを調製
するために使用した希釈係数と組み合わせて用いて、試料単位容量当たりのプラーク形成
単位の数(PFU/mL)を計算する。PFU/mLの結果は、試料中の感染性複製可能粒子の数を表す
【0201】
(ウイルス抗原の発現についてのアッセイ)
当業者に公知の任意のアッセイを、ウイルス抗原の発現を測定するために使用すること
ができる。例えば、FFUアッセイを実施することができる。検出のために、それぞれのウ
イルス抗原に対するモノクローナル又はポリクローナル抗体調製物を使用する(導入遺伝
子特異的FFU)。
【0202】
(動物モデル)
本明細書に記載される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現する感
染性複製欠損性アレナウイルスを含むワクチン又はその組成物の安全性、忍容性、及び免
疫学的有効性を動物モデルで試験することができる。ある実施態様において、本明細書で
使用されるワクチン及びその組成物の安全性、忍容性、及び免疫学的有効性を試験するた
めに使用することができる動物モデルとしては、マウス、モルモット、ラット、サル、及
びチンパンジーが挙げられる。好ましい実施態様において、本明細書で使用されるワクチ
ン及びその組成物の安全性、忍容性、及び免疫学的有効性を試験するために使用すること
ができる動物モデルとしては、マウスが挙げられる。
【0203】
(化学療法剤アッセイ)
【0204】
提案された化学療法剤の特性を評価することができるいくつかのアッセイが考案されて
いる。本明細書に開示される方法及び組成物を試験するために使用することができる腫瘍
モデルとしては、Colon26(CT26)、MC38(マウス結腸腺癌)、B16F10(B16)、ルイス肺(LLC)
、Madison109(Mad 109)、EMT-6(マウス乳癌)、4T1(4T1)(マウス乳癌)、HCmel3(マウス黒
色腫)、HgfxCDK4R24C/R24C(マウス黒色腫)、及び(RENCA)(マウス腎臓癌)が挙げられる。
【0205】
ある実施態様において、これらのモデル系において、「移植可能な腫瘍」は、齧歯類へ
の、例えば、成体雌マウスにおける、腫瘍細胞株の皮下接種(例えば、CT26、4T1、MAD109
、RENCA、LLC、もしくはB16)又は脳内接種(例えば、GL261、ONC26M4)によって作製するこ
とができる。腫瘍は、所定の時間間隔、例えば、数日間かけて発症し得る。これらの腫瘍
を、同系の免疫適格性齧歯類、例えば、マウスの系統で増殖させる。例えば、CT26、4T1
、MAD109、及びRENCAをBALB/cマウスで増殖させることができ、LLC、B16、及びGL261をC5
7BL/6マウスで増殖させることができ、ONC26M4をFVBNマウスで増殖させることができる。
「自然発生腫瘍」は、いくつか(例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれより多く)の癌遺伝子
をコードし、かつ1以上のレポーター、例えば、ホタルルシフェラーゼレポーターをコー
ドするDNAプラスミドを新生仔C57BL/6又はFVBNマウスに脳内注射して、内因性脳細胞を形
質転換することにより作製することができる。神経膠腫の増殖は、当技術分野で公知の技
法、例えば、生物発光イメージングによってモニタリングすることができる。皮下腫瘍の
増殖は、当技術分野で公知の技法、例えば、規定の時間間隔での三次元キャリパー測定に
よってモニタリングすることができる。
【0206】
(5.2 3セグメント型アレナウイルス粒子)
ある実施態様において、化学療法剤と組み合わせた、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はそ
の抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む3セグメント型アレナウイルス粒子は
、癌などの新生物性疾患を治療するための免疫療法として使用することができる。「新生
物性」又は「新生物」という用語は、細胞又は組織の異常な新しい増殖を指す。この異常
な新しい増殖は、腫瘍又は新生物形成としても知られる塊を形成することができる。新生
物には、良性新生物、上皮内新生物、悪性新生物、及び挙動が不確定又は不明の新生物が
含まれる。ある実施態様において、本明細書に記載される方法及び組成物を用いて治療さ
れる新生物性疾患は癌である。
【0207】
本明細書に提供されるのは、癌などの新生物性疾患の治療及び/又は予防のための組合
せ治療である。具体的には、そのような組合せ治療は、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子又はウイ
ルスベクターを1以上の化学療法剤と組み合わせて投与することを含む。これらの遺伝子
改変ウイルスは、癌などの新生物性疾患の治療のために対象に投与することができる。腫
瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、本明
細書に提供されるアレナウイルスの詳細な説明は、第5.2節(a)、第5.2節(b)、及び第5.2
節(c)に見出すことができる。非天然位置にオープンリーディングフレームを含むアレナ
ウイルスは、第5.2節(a)に記載されている。3セグメント型アレナウイルスは、第5.2節(b
)に記載されている。本方法及び組成物とともに使用することができる腫瘍抗原は、第5.2
節(c)に見出すことができる。さらに、本明細書に記載される方法及び組成物において使
用するためのアレナウイルス粒子又はウイルスベクターの作製方法は、第5.2節(d)でより
詳細に記載されている。
【0208】
アレナウイルス粒子又はウイルスベクターを対象に投与することに加えて、本明細書に
提供される新生物性疾患を治療するための免疫療法は、化学療法剤を含むことができる。
「化学療法剤」は細胞傷害性抗癌剤であり、細胞内でのその活性様式によって、例えば、
それらがどの段階で細胞周期に影響を及ぼすかということによって分類することができる
(例えば、有糸分裂阻害剤)。或いは、化学療法剤は、DNAを架橋する能力、DNAにインター
カレートする能力、又は核酸合成に影響を及ぼすことにより染色体異常を誘発する能力(
例えば、アルキル化剤)、とりわけ、作用機序に基づいて分類することができる。化学療
法剤は、化学的な成分又は構造に基づいて分類することもできる(例えば、白金系治療剤)
。したがって、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子又は
ウイルスベクター及び化学療法剤を用いて、新生物性疾患を治療するための方法及び組成
物である。したがって、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス
粒子又はウイルスベクター及び化学療法剤を用いて、新生物性疾患を治療するための方法
及び組成物である。また、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、腫瘍抗原
、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイル
ス粒子又はウイルスベクター及び化学療法剤を含む組成物である。ある実施態様において
、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子又はウイルスベクターは、腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列とORFの野生型位置以外の位
置にある少なくとも1つのアレナウイルスオープンリーディングフレーム(「ORF」)とを有
するアレナウイルスゲノムセグメントを含有するように改変されている。ある実施態様に
おいて、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子又はウイルスベクターは、感染性複製
欠損性アレナウイルス粒子又はウイルスベクターである。他の実施態様において、本明細
書に提供されるアレナウイルス粒子は、複製欠損性又は複製可能であることができる3セ
グメント型アレナウイルス粒子又はウイルスベクターである。さらに他の実施態様におい
て、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子又はウイルスベクターは、
増幅したときに、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じない。本明細書に提供さ
れるアレナウイルス粒子又はウイルスベクター及び化学療法剤を使用するための方法及び
組成物は、第5.2節(f)及び第5.2節(g)でより詳細に記載されている。
【0209】
アレナウイルス粒子又はウイルスベクターを、対象に、化学療法剤と組み合わせて投与
することに加えて、本明細書に提供される新生物性疾患を治療するための免疫療法は、免
疫チェックポイントモジュレーターも含むことができる。「免疫チェックポイントモジュ
レーター」(「チェックポイントモジュレーター」又は「チェックポイントレギュレータ
ー」とも呼ばれる)という用語は、1以上のチェックポイント分子の機能を調節する(例え
ば、全体的に又は部分的に低下させるか、阻害するか、妨害するか、活性化するか、刺激
するか、増大させるか、補強するか、又は支持する)分子又は化合物を指す。したがって
、免疫チェックポイントモジュレーターは、免疫チェックポイントインヒビター又は免疫
チェックポイントアクチベーターであり得る。
【0210】
「免疫チェックポイントインヒビター」は、負のチェックポイントレギュレーターの活
性を阻害するか、減少させるか、又は妨害する分子を指す。ある実施態様において、本明
細書に開示される方法及び組成物とともに使用するための免疫チェックポイントインヒビ
ターは、負のチェックポイントレギュレーターの活性を直接阻害するか、又は負のチェッ
クポイントレギュレーターの発現を減少させるか、又は負のチェックポイントレギュレー
ターと結合パートナー(例えば、リガンド)の相互作用を妨害することができる。本明細書
に開示される方法及び組成物とともに使用するための免疫チェックポイントインヒビター
には、負のチェックポイントレギュレーターの発現を標的とするタンパク質、ポリペプチ
ド、ペプチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、抗体断片、又は抑制性RNA分子
が含まれる。
【0211】
「負のチェックポイントレギュレーター」は、リガンド又はカウンター受容体によるそ
のエンゲージメントの後のT細胞への負のシグナルの送達によって、免疫応答(例えば、T
細胞活性化)を下方調節する分子を指す。負のチェックポイントレギュレーターの例示的
な機能は、不釣り合いな免疫活性化を妨げること、付随的な傷害を最小限に抑えること、
及び/又は末梢自己寛容を維持することである。ある実施態様において、負のチェックポ
イントレギュレーターは、抗原提示細胞によって発現されるリガンド又は受容体である。
ある実施態様において、負のチェックポイントレギュレーターは、T細胞によって発現さ
れるリガンド又は受容体である。ある実施態様において、負のチェックポイントレギュレ
ーターは、抗原提示細胞とT細胞の両方によって発現されるリガンド又は受容体である。
【0212】
(a)非天然位置にオープンリーディングフレームを有するアレナウイルス
そのORFの再配列及び本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片をコードするヌクレオチド配列を有するアレナウイルスは、本明細書に提供される方
法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せとともに使用することができる。ある実施
態様において、そのようなアレナウイルスは複製可能であり、かつ感染性である。したが
って、ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、アレナウイルスゲノムセグメ
ントであって、それぞれの遺伝子が、ORFのLCMV-MPなどの野外から単離されたウイルスに
見られる位置(本明細書においては「野生型位置」と呼ばれる)以外の位置(すなわち、非
天然位置)にあるアレナウイルスORFと本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又
はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列とを担持するように改変されている、ア
レナウイルスゲノムセグメントである。
【0213】
野生型アレナウイルスゲノムセグメント及びORFは、当技術分野で公知である。特に、
該アレナウイルスゲノムは、Sセグメント及びLセグメントからなる。該Sセグメントは、G
P及びNPをコードするORFを担持する。該Lセグメントは、Lタンパク質及びZタンパク質を
コードする。両方のセグメントは、それぞれの5'UTR及び3'UTRに隣接している。
【0214】
ある実施態様において、アレナウイルスゲノムセグメントは、野生型位置以外の位置に
2以上のアレナウイルスORFを担持するように改変することができる。他の実施態様におい
て、該アレナウイルスゲノムセグメントは、野生型位置以外の位置に2つのアレナウイル
スORF、又は3つのアレナウイルスORF、又は4つのアレナウイルスORFを担持するように改
変することができる。
【0215】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルスゲノムセグメントは:
(xix)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイルスSセグ
メント;
(xx)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイ
ルスSセグメント;
(xxi)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイ
ルスSセグメント;
(xxii)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウイルスSセ
グメント;
(xxiii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウ
イルスSセグメント;
(xxiv)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウ
イルスSセグメント;
(xxv)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイルスLセグ
メント;
(xxvi)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイルスLセ
グメント;
(xxvii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウ
イルスLセグメント;
(xxviii)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウイルスL
セグメント;
(xxix)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウイルスLセ
グメント;及び
(xxx)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウイ
ルスLセグメント
であることができる。
【0216】
ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルスゲノムセグメントの非天
然位置にあるORFは、アレナウイルスの3'UTR又はアレナウイルスの5'UTRの制御下にある
ことができる。より具体的な実施態様において、該アレナウイルスの3'UTRは、アレナウ
イルスSセグメントの3'UTRである。別の具体的な実施態様において、該アレナウイルスの
3'UTRは、アレナウイルスLセグメントの3'UTRである。より具体的な実施態様において、
該アレナウイルスの5'UTRは、アレナウイルスSセグメントの5'UTRである。他の具体的な
実施態様において、5'UTRは、Lセグメントの5'UTRである。
【0217】
他の実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルスゲノムセグメントの非天
然位置にあるORFは、アレナウイルスの保存された末端配列エレメント(5'-及び3'-末端の
19~20-nt領域)の制御下にあることができる(例えば、Perez及びde la Torreの文献、200
3, J Virol. 77(2): 1184-1194を参照)。
【0218】
ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントの非天然位置にあるORFは
、5'UTRのプロモーターエレメントの制御下にあることができる(例えば、Albarinoらの文
献、2011, J Virol., 85(8):4020-4を参照)。別の実施態様において、該アレナウイルス
ゲノムセグメントの非天然位置にあるORFは、3'UTRのプロモーターエレメントの制御下に
あることができる(例えば、Albarinoらの文献、2011, J Virol., 85(8):4020-4を参照)。
より具体的な実施態様において、5'UTRのプロモーターエレメントは、Sセグメント又はL
セグメントの5'UTRプロモーターエレメントである。別の具体的な実施態様において、3'U
TRのプロモーターエレメントは、Sセグメント又はLセグメントの3'UTRプロモーターエレ
メントである。
【0219】
ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントの非天然位置にあるORFは
、切断型アレナウイルスの3'UTR又は切断型アレナウイルスの5'UTRの制御下にあることが
できる(例えば、Perez及びde la Torreの文献、2003, J Virol. 77(2): 1184-1194; Alba
rinoらの文献、2011, J Virol., 85(8):4020-4を参照)。より具体的な実施態様において
、該切断型3'UTRは、アレナウイルスSセグメント又はLセグメントの3'UTRである。より具
体的な実施態様において、該切断型5'UTRは、アレナウイルスSセグメント又はLセグメン
トの5'UTRである。
【0220】
また本明細書に提供されるのは、アレナウイルス粒子がSセグメント及びLセグメントを
含むように、ORFの野生型位置以外の位置にORFを担持するように改変されている第一のゲ
ノムセグメントと第二のアレナウイルスゲノムセグメントとを含むアレナウイルス粒子で
ある。具体的な実施態様において、ORFの野生型位置以外の位置にあるORFは、アレナウイ
ルスORFのうちの1つである。
【0221】
ある具体的な実施態様において、該アレナウイルス粒子は、4つ全てのアレナウイルスO
RFの完全な相補体を含むことができる。具体的な実施態様において、該第二のアレナウイ
ルスゲノムセグメントは、ORFの野生型位置以外の位置にORFを担持するように改変されて
いる。別の具体的な実施態様において、該第二のアレナウイルスゲノムセグメントは、野
生型ゲノムセグメントであることができる(すなわち、野生型位置に該セグメント上のORF
を含む)。
【0222】
ある実施態様において、該第一のアレナウイルスゲノムセグメントはLセグメントであ
り、該第二のアレナウイルスゲノムセグメントはSセグメントである。他の実施態様にお
いて、該第一のアレナウイルスゲノムセグメントはSセグメントであり、該第二のアレナ
ウイルスゲノムセグメントはLセグメントである。
【0223】
ORFの野生型位置以外の位置にORFを有するゲノムセグメントと第二のゲノムセグメント
とを含むアレナウイルス粒子の非限定的な例を表1に示す。
表1
アレナウイルス粒子
*位置1は、アレナウイルスSセグメントの5'UTRの制御下にあり;位置2は、アレナウイルス
Sセグメントの3'UTRの制御下にあり;位置3は、アレナウイルスLセグメントの5'UTRの制御
下にあり;位置4は、アレナウイルスLセグメントの3'UTRの制御下にある。
【表2】
【0224】
また本明細書に提供されるのは、ORFの野生型位置以外の位置にあるORFと本明細書に提
供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と
を担持するように改変されたアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAである。より具体的
な実施態様において、本明細書に提供されるのは、表1に記載されているアレナウイルス
ゲノムのcDNA又はcDNAのセットである。
【0225】
ある実施態様において、ORFの野生型位置以外の位置にORFを担持するように改変された
アレナウイルスゲノムセグメントのcDNAは、DNA発現ベクターの一部であるか、又はDNA発
現ベクターに組み込まれている。具体的な実施態様において、ORFの野生型位置以外の位
置にORFを担持するように改変されているアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAは、本
明細書に記載されるアレナウイルスゲノムセグメントの産生を促進するDNA発現ベクター
の一部であるか、又は該DNA発現ベクターに組み込まれている。別の実施態様において、
本明細書に記載されるcDNAは、プラスミドに組み込むことができる。cDNA又は核酸及び発
現系のより詳細な説明は、第5.2節(e)に提供されている。cDNAの産生のための技法は、分
子生物学並びにDNAの操作及び産生の日常的かつ従来的な技法である。当業者に公知の任
意のクローニング技法を使用することができる。そのような技法は周知であり、Sambrook
及びRussellの文献、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A labo
ratory Manual)」、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory N.Y.(2001)などの実験室マ
ニュアルで当業者に利用可能である。
【0226】
ある実施態様において、ORFの野生型位置以外の位置にあるORFと本明細書に提供される
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列とを担持す
るように改変されているアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAは、宿主細胞に導入(例
えば、トランスフェクト)される。したがって、いくつかの実施態様において、本明細書
に提供されるのは、ORFの野生型位置(すなわち、該ゲノムセグメントのcDNA)以外の位置
にあるORFを担持するように改変されているアレナウイルスゲノムセグメントのcDNA及び
本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレ
オチド配列を含む宿主細胞である。他の実施態様において、本明細書に記載されるcDNAは
、DNA発現ベクターの一部であるか、又はDNA発現ベクターに組み込み、宿主細胞に導入す
ることができる。したがって、いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは
、ベクターに組み込まれる本明細書に記載されるcDNAを含む宿主細胞である。他の実施態
様において、本明細書に記載されるアレナウイルスゲノムセグメントは、宿主細胞に導入
される。
【0227】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、本明細書に提供される腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス
ゲノムセグメントを産生する方法であって、該アレナウイルスゲノムセグメントのcDNAを
転写することを含む、方法である。ある実施態様において、ウイルスポリメラーゼタンパ
ク質は、インビトロ又はインビボでのアレナウイルスゲノムセグメントの転写中に存在す
ることができる。
【0228】
ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントの転写は、二方向性プロモ
ーターを用いて行われる。他の実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントの
転写は、二方向性発現カセットを用いて行われる(例えば、Ortiz-Rianoらの文献、2013,
J Gen Virol., 94(Pt 6): 1175-1188を参照)。より具体的な実施態様において、該二方向
性発現カセットは、それぞれ、挿入されたアレナウイルスゲノムセグメントの両側から2
つの末端へと読み取るポリメラーゼIプロモーターとポリメラーゼIIプロモーターの両方
を含む。さらにより具体的な実施態様において、pol-I及びpol-IIプロモーターを有する
二方向性発現カセットは、両側からLセグメント及びSセグメントへと読み取る。
【0229】
他の実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルスゲノムセグメントのcDNA
の転写は、プロモーターを含む。プロモーターの具体的な例としては、RNAポリメラーゼI
プロモーター、RNAポリメラーゼIIプロモーター、RNAポリメラーゼIIIプロモーター、T7
プロモーター、SP6プロモーター、又はT3プロモーターが挙げられる。
【0230】
ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントを産生する方法は、本明細
書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド
配列を含むアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAを宿主細胞に導入することをさらに含
むことができる。ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントを産生する
方法は、宿主細胞に、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断
片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAを導入す
ること(ここで、該宿主細胞は、該アレナウイルスゲノムセグメントの産生のための他の
全ての構成要素を発現する);及び該宿主細胞の上清から該アレナウイルスゲノムセグメン
トを精製することをさらに含むことができる。そのような方法は、当業者に周知である。
【0231】
本明細書に提供されるのは、細胞株、培養物、並びに本明細書に提供される核酸、ベク
ター、及び組成物に感染した細胞を培養する方法である。本明細書に記載される核酸、ベ
クター系、及び細胞株のより詳細な説明は、第5.2節(e)に提供されている。
【0232】
ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子は、感染性かつ複製
可能なアレナウイルス粒子を生じる。具体的な実施態様において、本明細書に記載される
アレナウイルス粒子は弱毒化されている。特定の実施態様において、該アレナウイルス粒
子は、ウイルスが、少なくとも部分的には、拡大することができる状態のままであり、イ
ンビボで複製することができるが、非病原性である無症状レベルの感染をもたらす低いウ
イルス負荷しか発生させることができないように弱毒化されている。そのような弱毒化ウ
イルスは、免疫原性組成物として使用することができる。本明細書に提供されるのは、第
(g)節に記載される非天然位置にあるORFを有するアレナウイルスを含む免疫原性組成物で
ある。
【0233】
(i)非天然位置にオープンリーディングフレームを有する複製欠陥性アレナウイルス粒子
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、(i)ORFがORFの野生型位置以外の
位置にあり;かつ(ii)得られるウイルスがさらなる感染性子孫ウイルス粒子を産生するこ
とができないように、GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードするORFが除去さ
れているか又は機能的に不活化されているアレナウイルス粒子である。1以上のORFが欠失
しているか又は機能的に不活化されている遺伝子改変ゲノムを含むアレナウイルス粒子は
、相補細胞(すなわち、欠失しているか又は機能的に不活化されているアレナウイルスORF
を発現する細胞)で産生されることができる。得られるアレナウイルス粒子の遺伝物質は
、宿主細胞の感染時に、遺伝物質を発現し、それを増幅することができる宿主細胞に移さ
れることができる。さらに、本明細書に記載される遺伝子改変アレナウイルス粒子のゲノ
ムは、アレナウイルス粒子以外の生物由来の非相同ORFをコードすることができる。
【0234】
ある実施態様において、該アレナウイルスのORFは欠失しているか又は機能的に不活化
され、本明細書に記載される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原をコードするヌクレオチド配列と
置き換えられている。具体的な実施態様において、該アレナウイルスの糖タンパク質GPを
コードするORFは欠失しているか又は機能的に不活化されている。ある実施態様において
、遺伝子の機能的不活化は、任意の翻訳産物を消失させる。ある実施態様において、機能
的不活化は、ある程度の翻訳を可能にする遺伝子変化を指すが、翻訳産物は、もはや機能
的でなく、野生型タンパク質に取って代わることができない。
【0235】
ある実施態様において、GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする4つのORF
のうちの少なくとも1つは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又
はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施態様に
おいて、GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする少なくとも1つのORF、少な
くとも2つのORF、少なくとも3つのORF、又少なくとも4つのORFは除去され、本明細書に提
供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と
置き換えられることができる。具体的な実施態様において、GP、NP、Zタンパク質、及びL
タンパク質をコードする4つのORFのうちの1つだけが除去され、本明細書に提供される腫
瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えら
れている。より具体的な実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントのGPをコ
ードするORFが除去されている。別の具体的な実施態様において、該アレナウイルスゲノ
ムセグメントのNPをコードするORFが除去されている。より具体的な実施態様において、
該アレナウイルスゲノムセグメントのZタンパク質をコードするORFが除去されている。さ
らに別の具体的な実施態様において、Lタンパク質をコードするORFが除去されている。
【0236】
したがって、ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、(i
)非天然位置にORFを担持するように改変され;(ii)GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク
質をコードするORFが除去され;(iii)除去されるORFが、本明細書に提供される腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている
ゲノムセグメントを含む。
【0237】
ある実施態様において、該腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の断片は、それが、(i)宿主(例え
ば、マウス、ウサギ、ヤギ、ロバ、又はヒト)で抗体免疫応答を誘発することができる(こ
こで、得られる抗体は、新生物性細胞(例えば、癌細胞)の中もしくは表面で発現される免
疫原性タンパク質に特異的に結合する);及び/又は(ii)特異的なT細胞免疫応答を誘発する
ことができるとき、抗原性である。
【0238】
ある実施態様において、本明細書に提供される抗原性断片をコードするヌクレオチド配
列は、8~100ヌクレオチド長、15~100ヌクレオチド長、25~100ヌクレオチド長、50~20
0ヌクレオチド長、50~400ヌクレオチド長、200~500ヌクレオチド長、又は400~600ヌク
レオチド長、500~800ヌクレオチド長である。他の実施態様において、本明細書に提供さ
れる抗原性断片をコードするヌクレオチド配列は、750~900ヌクレオチド長、800~100ヌ
クレオチド長、850~1000ヌクレオチド長、900~1200ヌクレオチド長、1000~1200ヌクレ
オチド長、1000~1500ヌクレオチドもしくは10~1500ヌクレオチド長、1500~2000ヌクレ
オチド長、1700~2000ヌクレオチド長、2000~2300ヌクレオチド長、2200~2500ヌクレオ
チド長、2500~3000ヌクレオチド長、3000~3200ヌクレオチド長、3000~3500ヌクレオチ
ド長、3200~3600ヌクレオチド長、3300~3800ヌクレオチド長、4000ヌクレオチド長~44
00ヌクレオチド長、4200~4700ヌクレオチド長、4800~5000ヌクレオチド長、5000~5200
ヌクレオチド長、5200~5500ヌクレオチド長、5500~5800ヌクレオチド長、5800~6000ヌ
クレオチド長、6000~6400ヌクレオチド長、6200~6800ヌクレオチド長、6600~7000ヌク
レオチド長、7000~7200ヌクレオチド長、7200~7500ヌクレオチド長、又は7500ヌクレオ
チド長である。いくつかの実施態様において、該ヌクレオチド配列は、5~10アミノ酸長
、10~25アミノ酸長、25~50アミノ酸長、50~100アミノ酸長、100~150アミノ酸長、150
~200アミノ酸長、200~250アミノ酸長、250~300アミノ酸長、300~400アミノ酸長、400
~500アミノ酸長、500~750アミノ酸長、750~1000アミノ酸長、1000~1250アミノ酸長、
1250~1500アミノ酸長、1500~1750アミノ酸長、1750~2000アミノ酸長、2000~2500アミ
ノ酸長、又は2500アミノ酸長以上であるペプチド又はポリペプチドをコードする。いくつ
かの実施態様において、該ヌクレオチド配列は、2500アミノ酸長を超えないポリペプチド
をコードする。具体的な実施態様において、該ヌクレオチド配列は終止コドンを含有しな
い。ある実施態様において、該ヌクレオチド配列はコドン最適化されている。ある実施態
様において、ヌクレオチド組成、ヌクレオチド対組成、又はその両方を最適化することが
できる。そのような最適化のための技法は当技術分野で公知であり、本明細書に提供され
る腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を最適化
するために適用することができる。
【0239】
ある実施態様において、該アレナウイルス粒子の増殖及び感染力は、本明細書に提供さ
れる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列に影響
されない。
【0240】
当業者に公知の技法を用いて、野生型位置以外の位置にあるアレナウイルスORFと本明
細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチ
ド配列とを担持するように改変されたアレナウイルスゲノムセグメントを含むアレナウイ
ルス粒子を産生することができる。例えば、リバースジェネティクスの技法を用いて、そ
のようなアレナウイルス粒子を作製することができる。他の実施態様において、複製欠陥
性アレナウイルス粒子(すなわち、アレナウイルスORFを野生型位置以外の位置に担持する
ように改変されたアレナウイルスゲノムセグメントであって、GP、NP、Zタンパク質、Lタ
ンパク質をコードするORFが欠失している、アレナウイルスゲノムセグメント)は、相補細
胞で産生することができる。
【0241】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子
又はアレナウイルスゲノムセグメントは、少なくとも1つの免疫調節性ペプチド、ポリペ
プチド、又はタンパク質をコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列をさらに含む。
ある実施態様において、該免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、カル
レティキュリン(CRT)もしくはその断片;ユビキチンもしくはその断片;顆粒球-マクロファ
ージコロニー刺激因子(GM-CSF)もしくはその断片;インバリアント鎖(CD74)もしくはその
抗原性断片;結核菌熱ショックタンパク質70もしくはその抗原性断片;単純ヘルペスウイル
ス1タンパク質VP22もしくはその抗原性断片;CD40リガンドもしくはその抗原性断片;又はF
ms関連チロシンキナーゼ3(Flt3)リガンドもしくはその抗原性断片である。
【0242】
ある実施態様において、本出願に従って使用されるアレナウイルスゲノムセグメント又
はアレナウイルス粒子は、旧世界ウイルス、例えば、ラッサウイルス、リンパ球性脈絡髄
膜炎ウイルス(LCMV)、モバラウイルス、モペイアウイルス、もしくはイッピーウイルス、
又は新世界ウイルス、例えば、アマパリウイルス、フレクサルウイルス、グアナリトウイ
ルス、フニンウイルス、ラチノウイルス、マチュポウイルス、オリベロスウイルス、パラ
ナウイルス、ピチンデウイルス、ピリタルウイルス、サビアウイルス、タカリベウイルス
、タミアミウイルス、ベアキャニオンウイルス、もしくはホワイトウォーターアロヨウイ
ルスであることができる。
【0243】
ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子は、ワクチンとして
の使用に好適であり、そのようなアレナウイルス粒子を、新生物性疾患、例えば、癌のた
めのワクチン接種及び治療において使用する方法が提供される。本明細書に記載されるア
レナウイルス粒子を使用する方法のより詳細な説明は、第5.2節(f)に提供されている。
【0244】
ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子は、医薬組成物とし
ての使用に好適であり、そのようなアレナウイルス粒子を、新生物性疾患、例えば、癌の
ためのワクチン接種及び治療において使用する方法が提供される。本明細書に記載される
アレナウイルス粒子を使用する方法のより詳細な説明は、第5.2節(g)に提供されている。
【0245】
(b)3セグメント型アレナウイルス粒子
ある実施態様において、そのORFの再配列及び本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を有する3セグメント型アレ
ナウイルス粒子は、本明細書に提供される方法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合
せとともに使用することができる。一態様において、本明細書に提供されるのは、1つのL
セグメント及び2つのSセグメント又は2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セ
グメント型アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、該3セグメント型アレナ
ウイルス粒子は、複製可能な2セグメント型アレナウイルス粒子に組み換わらない。より
具体的には、ある実施態様において、該ゲノムセグメントのうちの2つ(例えば、それぞれ
、2つのSセグメント又は2つのLセグメント)は、2つの親セグメントに取って代わり得る単
一のウイルスセグメントを生じるように組み換わることができない。具体的な実施態様に
おいて、該3セグメント型アレナウイルス粒子は、ORFの野生型位置以外の位置にあるORF
及び本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌ
クレオチド配列とを含む。さらに別の具体的な実施態様において、該3セグメント型アレ
ナウイルス粒子は、4つ全てのアレナウイルスORFを含む。したがって、ある実施態様にお
いて、該3セグメント型アレナウイルス粒子は複製可能であり、かつ感染性である。他の
実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子は、4つのアレナウイルスORFの
うちの1つを欠いている。したがって、ある実施態様において、該3セグメント型アレナウ
イルス粒子は感染性であるが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫を産生することができ
ない。
【0246】
ある実施態様において、本明細書に記載される3セグメント型アレナウイルス粒子のGP
、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードするORFは、アレナウイルスの3'UTR又はア
レナウイルスの5'UTRの制御下にあることができる。より具体的な実施態様において、該3
セグメント型アレナウイルスの3'UTRは、アレナウイルスSセグメントの3'UTRである。別
の具体的な実施態様において、該3セグメント型アレナウイルスの3'UTRは、3セグメント
型アレナウイルスLセグメントの3'UTRである。より具体的な実施態様において、該3セグ
メント型アレナウイルスの5'UTRは、アレナウイルスSセグメントの5'UTRである。他の具
体的な実施態様において、該5'UTRは、該Lセグメントの5'UTRである。
【0247】
他の実施態様において、本明細書に記載される3セグメント型アレナウイルス粒子のGP
、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードするORFは、アレナウイルスの保存された
末端配列エレメント(5'-及び3'-末端の19~20-nt領域)の制御下にあることができる(例え
ば、Perez及びde la Torreの文献, 2003, J Virol. 77(2): 1184-1194を参照)。
【0248】
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質又
はLタンパク質をコードするORFは、5'UTRのプロモーターエレメントの制御下にあること
ができる(例えば、Albarinoらの文献、2011, J Virol., 85(8):4020-4を参照)。別の実施
態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質、Lタンパク
質をコードするORFは、3'UTRのプロモーターエレメントの制御下にあることができる(例
えば、Albarinoらの文献、2011, J Virol., 85(8):4020-4を参照)。より具体的な実施態
様において、5'UTRのプロモーターエレメントは、Sセグメント又はLセグメントの5'UTRプ
ロモーターエレメントである。別の具体的な実施態様において、3'UTRのプロモーターエ
レメントは、Sセグメント又はLセグメントの3'UTRプロモーターエレメントである。
【0249】
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子のGP、NP、Zタンパク質又
はLタンパク質をコードするORFは、切断型アレナウイルスの3'UTR又は切断型アレナウイ
ルスの5'UTRの制御下にあることができる(例えば、Perez及びde la Torreの文献、2003,
J Virol. 77(2): 1184-1194; Albarinoらの文献、2011, J Virol., 85(8):4020-4を参照)
。より具体的な実施態様において、該切断型3'UTRは、該アレナウイルスSセグメント又は
Lセグメントの3'UTRである。より具体的な実施態様において、該切断型5'UTRは、該アレ
ナウイルスSセグメント又はLセグメントの5'UTRである。
【0250】
また本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又は
その抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む3セグメント型アレナウイルス粒子
のcDNAである。より具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、表2又は表3
に記載される3セグメント型アレナウイルス粒子をコードするDNAヌクレオチド配列又はDN
Aヌクレオチド配列のセットである。
【0251】
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルスゲノムをコードする核酸は、1
以上のDNA発現ベクターの一部であるか、又は1以上のDNA発現ベクターに組み込まれてい
る。具体的な実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子のゲノムをコード
する核酸は、本明細書に記載される3セグメント型アレナウイルス粒子の産生を促進する1
以上のDNA発現ベクターの一部であるか、又は該1以上のDNA発現ベクターに組み込まれて
いる。別の実施態様において、本明細書に記載されるcDNAは、プラスミドに組み込むこと
ができる。cDNA及び発現系のより詳細な説明は、第5.2節(e)に提供されている。cDNAの産
生のための技法は、分子生物学並びにDNAの操作及び産生の日常的かつ従来的な技法であ
る。当業者に公知の任意のクローニング技法を使用することができる。そのような技法は
周知であり、Sambrook及びRussellの文献、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molec
ular Cloning: A laboratory Manual)」、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory N.Y.(
2001)などの実験室マニュアルで当業者に利用可能である。
【0252】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を含む3セグメント型アレナウイルスのcDNAは、宿
主細胞に導入(例えば、トランスフェクト)される。したがって、いくつかの実施態様にお
いて、本明細書に提供されるのは、該3セグメント型アレナウイルス粒子のcDNA(すなわち
、該3セグメント型アレナウイルス粒子のゲノムセグメントのcDNA)及び本明細書に提供さ
れる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む
宿主細胞である。他の実施態様において、本明細書に記載されるcDNAは、DNA発現ベクタ
ーの一部であるか、又はDNA発現ベクターに組み込み、宿主細胞に導入することができる
。したがって、いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、ベクターに組
み込まれる本明細書に記載されるcDNAを含む宿主細胞である。他の実施態様において、本
明細書に記載される3セグメント型アレナウイルスゲノムセグメント(すなわち、単数もし
くは複数のLセグメント及び/又は単数もしくは複数のSセグメント)は、宿主細胞に導入さ
れる。
【0253】
ある実施態様において、本明細書に記載されるのは、該3セグメント型アレナウイルス
粒子を産生する方法であって、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその
抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む3セグメント型アレナウイルス粒子のcDN
Aを転写することを含む、方法である。ある実施態様において、ウイルスポリメラーゼタ
ンパク質は、インビトロ又はインビボでの該3セグメント型アレナウイルス粒子の転写中
に存在することができる。ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントの
転写は、二方向性プロモーターを用いて行われる。
【0254】
他の実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントの転写は、二方向性発現カ
セットを用いて行われる(例えば、Ortiz-Rianoらの文献、2013, J Gen Virol., 94(Pt 6)
: 1175-1188を参照)。より具体的な実施態様において、該二方向性発現カセットは、それ
ぞれ、挿入されたアレナウイルスゲノムセグメントの両側から2つの末端へと読み取るポ
リメラーゼIプロモーターとポリメラーゼIIプロモーターの両方を含む。
【0255】
他の実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルスゲノムセグメントのcDNA
の転写は、プロモーターを含む。プロモーターの具体的な例としては、RNAポリメラーゼI
プロモーター、RNAポリメラーゼIIプロモーター、RNAポリメラーゼIIIプロモーター、T7
プロモーター、SP6プロモーター、又はT3プロモーターが挙げられる。
【0256】
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子を産生する方法は、本明
細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチ
ド配列を含む3セグメント型アレナウイルス粒子のcDNAを宿主細胞に導入することをさら
に含むことができる。ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子を産
生する方法は、宿主細胞に、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む3セグメント型アレナウイルス粒子のcDNA
を導入すること(ここで、該宿主細胞は、3セグメント型アレナウイルス粒子の産生のため
の他の全ての構成要素を発現する);及び該宿主細胞の上清から該3セグメント型アレナウ
イルス粒子を精製することをさらに含むことができる。そのような方法は、当業者に周知
である。
【0257】
本明細書に提供されるのは、細胞株、培養物、並びに本明細書に提供される核酸、ベク
ター、及び組成物に感染した細胞を培養する方法である。本明細書に記載される核酸、ベ
クター系及び細胞株のより詳細な説明は、第5.2節(e)に提供されている。
【0258】
ある実施態様において、本明細書に記載される3セグメント型アレナウイルス粒子は、
感染性複製可能アレナウイルス粒子を生じる。具体的な実施態様において、本明細書に記
載されるアレナウイルス粒子は弱毒化されている。特定の実施態様において、該3セグメ
ント型アレナウイルス粒子は、ウイルスが、少なくとも部分的には、複製可能な状態のま
まであり、インビボで複製することができるが、非病原性である無症状レベルの感染をも
たらす低いウイルス負荷しか発生させることができないように弱毒化されている。そのよ
うな弱毒化ウイルスは、免疫原性組成物として使用することができる。
【0259】
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子は、該2セグメント型アレ
ナウイルス粒子と同じ向性を有する。
【0260】
また本明細書に提供されるのは、第5.2節(g)に記載される3セグメント型アレナウイル
ス粒子を含む組成物である。
【0261】
(i)1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子
本明細書に提供されるのは、複製可能である3セグメント型アレナウイルス粒子である
。ある具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、複製欠陥性である3セグ
メント型アレナウイルス粒子である。本明細書に提供される3セグメント型アレナウイル
ス粒子は、その全体が本明細書中に組み込まれる、国際公開:WO 2016/075250 A1号及び国
際特許出願PCT/EP2017/061865号に記載されている通りに作製することができる。
【0262】
一態様において、本明細書に提供されるのは、1つのLセグメント及び2つのSセグメント
を含む3セグメント型アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、1つのLセグメ
ント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖は、複製可能
な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない。具体的な実施態様において、1つのLセグ
メント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖は、I型イン
ターフェロン受容体、II型インターフェロン受容体、及び組換え活性化遺伝子(RAG1)を欠
如し、かつ104PFUの3セグメント型アレナウイルス粒子に感染しているマウス(第5.2節(h)
(vii)を参照)における持続性感染の少なくとも10日、少なくとも20日、少なくとも30日、
少なくとも40日、少なくとも50日、少なくとも60日、少なくとも70日、少なくとも80日、
少なくとも90日、又は少なくとも100日後に、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生
じさせない。他の実施態様において、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セ
グメント型アレナウイルス粒子の増殖は、少なくとも10継代、少なくとも20継代、少なく
とも30継代、少なくとも40継代、又は少なくとも50継代後に、複製可能な2セグメント型
ウイルス粒子を生じさせない。
【0263】
全てのウイルス遺伝子をそれぞれの野生型位置に有する3セグメント型アレナウイルス
粒子は、当技術分野で公知である(例えば、Emonetらの文献、2011 J. Virol., 85(4):147
3; Popkinらの文献、2011, J. Virol, 85(15):7928)。特に、該3セグメント型アレナウイ
ルスゲノムは、1つのLセグメント及び2つのSセグメントからなり、ここで、本明細書に提
供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列は
、各々のSセグメント上の1つの位置に挿入されている。より具体的には、1つのSセグメン
トは、それぞれ、GP及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする。他
のSセグメントは、それぞれ、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片及びNPをコ
ードする。該Lセグメントは、Lタンパク質及びZタンパク質をコードする。全てのセグメ
ントは、それぞれ、5'UTR及び3'UTRに隣接している。
【0264】
ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子の2つ
のSセグメントのセグメント間組換えであって、2つのアレナウイルスORFを、2つの別々の
セグメント上にではなく、1つのセグメント上にまとめる、セグメント間組換えは、非機
能的なプロモーター(すなわち、構造: 5'UTR-----------5'UTR又は3'UTR------------3'U
TRのゲノムセグメント)を生じさせ、ここで、該ゲノムの一方の末端を形成する各々のUTR
は、同じゲノムのもう一方の末端の逆方向反復配列である。
【0265】
ある実施態様において、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型
アレナウイルス粒子は、ORFの野生型位置以外の位置にあるアレナウイルスORFと本明細書
に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配
列とを担持するように改変されている。他の実施態様において、1つのLセグメント及び2
つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子は、2つのアレナウイルスORF又
は3つのアレナウイルスORF又は4つのアレナウイルスORF又は5つのアレナウイルスORF又は
6つのアレナウイルスORFを野生型位置以外の位置に担持するように改変されている。具体
的な実施態様において、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型ア
レナウイルス粒子は、4つ全てのアレナウイルスORFの完全な相補体を含む。したがって、
いくつかの実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子は、感染性かつ複製
可能な3セグメント型アレナウイルス粒子である。具体的な実施態様において、該3セグメ
ント型アレナウイルス粒子の2つのSセグメントは、そのORFのうちの1つを野生型位置以外
の位置に担持するように改変されている。より具体的な実施態様において、2つのSセグメ
ントは、SセグメントのORFの完全な相補体を含む。ある具体的な実施態様において、該L
セグメントは、ORFを野生型位置以外の位置に担持するように改変されているか、又は該L
セグメントは、野生型ゲノムセグメントであることができる。
【0266】
ある実施態様において、2つのSセグメントのうちの1つは:
(i)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイル
スSセグメント;
(ii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイ
ルスSセグメント;
(iii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるアレナウイルスSセグ
メント;
(iv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウイルスSセグ
メント;
(v)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウイル
スSセグメント;及び
(vi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるアレナウイ
ルスSセグメント;
であることができる。
【0267】
ある実施態様において、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型
アレナウイルス粒子は、重複ORF(すなわち、2つの野生型SセグメントのORF、例えば、GP
又はNP)を含むことができる。具体的な実施態様において、1つのLセグメント及び2つのS
セグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子は、1つの重複ORF(例えば、(GP、GP)
)又は2つの重複ORF(例えば、(GP、GP)及び(NP、NP))を含むことができる。
【0268】
下の表2Aは、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイ
ルス粒子のゲノム編成を示したものであり、ここで、該3セグメント型アレナウイルスゲ
ノム中の2つのSセグメントのセグメント間組換えは、複製可能な2セグメント型ウイルス
粒子を生じさせず、アレナウイルスプロモーター活性を無効にする(すなわち、得られる
組換えSセグメントは、3'UTR及び5'UTRの代わりに、2つの3'UTRから構成されている)。
(表2A)
1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子
位置1はアレナウイルスSセグメントの5'UTRの制御下にあり;位置2はアレナウイルスSセグ
メントの3'UTRの制御下にあり;位置3はアレナウイルスSセグメントの5'UTRの制御下にあ
り;位置4はアレナウイルスSセグメントの3'UTRの制御下にあり;位置5はアレナウイルスL
セグメントの5'UTRの制御下にあり;位置6はアレナウイルスLセグメントの3'UTRの制御下
にある。
*ORFは、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列が挿入されていることを示す。
【表3】
【0269】
ある実施態様において、位置1と位置2と間のIGRは、アレナウイルスSセグメント又はL
セグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、アレナウイルスSセグメン
ト又はLセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナウイルス
LセグメントのIGRであることができる。具体的な実施態様において、位置1と位置2の間の
IGRは、アレナウイルスSセグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、
アレナウイルスSセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナ
ウイルスLセグメントのIGRであることができる。ある実施態様において、他の組合せも可
能である。例えば、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナ
ウイルス粒子(ここで、該3セグメント型アレナウイルスゲノム中の2つのSセグメントのセ
グメント間組換えは、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせず、アレナウイ
ルスプロモーター活性を無効にする(すなわち、得られる組換えSセグメントは、3'UTR及
び5'UTRの代わりに、2つの5'UTRで構成されている))。
【0270】
ある実施態様において、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型
アレナウイルス粒子中のSセグメントとLセグメントのセグメント間組換えは、2つのウイ
ルス遺伝子を、2つの別々のセグメント上にではなく、ただ1つのセグメント上に有する機
能的セグメントを復元する。他の実施態様において、1つのLセグメント及び2つのSセグメ
ントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子中のSセグメントとLセグメントのセグメン
ト間組換えは、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない。
【0271】
下の表2Bは、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイ
ルス粒子のゲノム編成を示したものであり、ここで、該3セグメント型アレナウイルスゲ
ノム中の1つのSセグメントと1つのLセグメントのセグメント間組換えは、複製可能な2セ
グメント型ウイルス粒子を生じさせず、アレナウイルスプロモーター活性を無効にする(
すなわち、得られる組換えSセグメントは、3'UTR及び5'UTRの代わりに、2つの3'UTRから
構成されている)。
(表2B)
1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子
位置1はアレナウイルスSセグメントの5'UTRの制御下にあり;位置2はアレナウイルスSセグ
メントの3'UTRの制御下にあり;位置3はアレナウイルスSセグメントの5'UTRの制御下にあ
り;位置4はアレナウイルスSセグメントの3'UTRの制御下にあり;位置5はアレナウイルスL
セグメントの5'UTRの制御下にあり;位置6はアレナウイルスLセグメントの3'UTRの制御下
にある。
*ORFは、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列が挿入されていることを示す。
【表4】
【0272】
ある実施態様において、位置1と位置2と間のIGRは、アレナウイルスSセグメント又はL
セグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、アレナウイルスSセグメン
ト又はLセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナウイルス
LセグメントのIGRであることができる。具体的な実施態様において、位置1と位置2の間の
IGRは、アレナウイルスSセグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、
アレナウイルスSセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナ
ウイルスLセグメントのIGRであることができる。ある実施態様において、他の組合せも可
能である。例えば、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナ
ウイルス粒子(ここで、該3セグメント型アレナウイルスゲノム中の2つのSセグメントのセ
グメント間組換えは、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせず、アレナウイ
ルスプロモーター活性を無効にする(すなわち、得られる組換えSセグメントは、3'UTR及
び5'UTRの代わりに、2つの5'UTRで構成されている))。
【0273】
ある実施態様において、当業者であれば、表2A又は2Bに示され、かつ本明細書に記載さ
れる編成を有するアレナウイルスゲノムを構築し、その後、第5.2節(h)に記載されるアッ
セイを用いて、該3セグメント型アレナウイルス粒子が遺伝的に安定であるかどうか、す
なわち、本明細書で論じられる複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせないか
どうかを決定することができるであろう。
【0274】
(ii)2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子
本明細書に提供されるのは、複製可能である3セグメント型アレナウイルス粒子である
。ある具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、複製欠陥性である3セグ
メント型アレナウイルス粒子である。本明細書に提供される3セグメント型アレナウイル
ス粒子は、その全体が本明細書中に組み込まれる、国際公開:WO 2016/075250 A1号及び国
際特許出願PCT/EP2017/061865号に記載されている通りに作製することができる。
【0275】
一態様において、本明細書に提供されるのは、2つのLセグメント及び1つのSセグメント
を含む3セグメント型アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、2つのLセグメ
ント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖は、複製可能
な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない。具体的な実施態様において、2つのLセグ
メント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子の増殖は、I型イン
ターフェロン受容体、II型インターフェロン受容体、及び組換え活性化遺伝子1(RAG1)を
欠如し、かつ104PFUの3セグメント型アレナウイルス粒子に感染しているマウス(第5.2節(
h)(vii)参照)における持続性の少なくとも10日、少なくとも20日、少なくとも30日、少な
くとも40日、又は少なくとも50日、少なくとも60日、少なくとも70日、少なくとも80日、
少なくとも90日、少なくとも100日後に、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさ
せない。他の実施態様において、2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメ
ント型アレナウイルス粒子の増殖は、少なくとも10継代、20継代、30継代、40継代、又は
50継代後に、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない。
【0276】
ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイルス粒子の2つ
のLセグメントのセグメント間組換えであって、2つのアレナウイルスORFを、2つの別々の
セグメント上にではなく、1つのセグメント上にまとめるセグメント間組換えは、非機能
的なプロモーター(すなわち、構造: 5'UTR------------5'UTR又は3'UTR------------3'UT
Rのゲノムセグメント)を生じさせ、ここで、該ゲノムの一方の末端を形成する各々のUTR
は、同じゲノムのもう一方の末端の逆方向反復配列である。
【0277】
ある実施態様において、2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型
アレナウイルス粒子は、ORFの野生型位置以外の位置にあるアレナウイルスORFと本明細書
に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配
列とを担持するように改変されている。他の実施態様において、2つのLセグメント及び1
つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子は、2つのアレナウイルスORF又
は3つのアレナウイルスORF又は4つのアレナウイルスORF又は5つのアレナウイルスORF又は
6つのアレナウイルスORFを野生型位置以外の位置に担持するように改変されている。具体
的な実施態様において、2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型ア
レナウイルス粒子は、4つ全てのアレナウイルスORFの完全な相補体を含む。したがって、
いくつかの実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子は、感染性かつ複製
可能な3セグメント型アレナウイルス粒子である。具体的な実施態様において、該3セグメ
ント型アレナウイルス粒子の2つのLセグメントは、そのORFのうちの1つを野生型位置以外
の位置に担持するように改変されている。より具体的な実施態様において、2つのLセグメ
ントは、LセグメントのORFの完全な相補体を含む。ある具体的な実施態様において、該S
セグメントは、そのORFのうちの1つを野生型位置以外の位置に担持するように改変されて
いるか、又は該Sセグメントは、野生型ゲノムセグメントであることができる。
【0278】
ある実施態様において、2つのLセグメントのうちの1つは:
(xxxi)GPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xxxii)NPをコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xxxiii)Lタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの5'UTRの制御下にあるLセグメ
ント;
(xxxiv)GPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;
(xxxv)NPをコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメント;及び
(xxxvi)Zタンパク質をコードするORFがアレナウイルスの3'UTRの制御下にあるLセグメ
ント
であることができる。
【0279】
ある実施態様において、1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型
アレナウイルス粒子は、重複ORF(すなわち、2つの野生型LセグメントのORF、例えば、Zタ
ンパク質又はLタンパク質)を含むことができる。具体的な実施態様において、2つのLセグ
メント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子は、1つの重複ORF(
例えば、(Zタンパク質、Zタンパク質))又は2つの重複ORF(例えば、(Zタンパク質、Zタン
パク質)及び(Lタンパク質、Lタンパク質))を含むことができる。
【0280】
下の表3は、2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイル
ス粒子のゲノム編成を示したものであり、ここで、該3セグメント型アレナウイルスゲノ
ム中の2つのLセグメントのセグメント間組換えは、複製可能な2セグメント型ウイルス粒
子を生じさせず、アレナウイルスプロモーター活性を無効にする(すなわち、該Sセグメン
トは、3'UTR及び5'UTRの代わりに、2つの3'UTRから構成されている)。表3に基づいて、3'
UTR及び5'UTRの代わりに、2つの5'UTRから構成されたアレナウイルス粒子を作製するため
に、同様の組合せを予測することができるであろう。
(表3)
2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子
*位置1アレナウイルスLセグメントの5'UTRの制御下にあり;位置2アレナウイルスLセグメ
ントの3'UTRの制御下にあり;位置3アレナウイルスLセグメントの5'UTRの制御下にあり;位
置4アレナウイルスLセグメントの3'UTRの制御下にあり;位置5アレナウイルスSセグメント
の5'UTRの制御下にあり;位置6アレナウイルスSセグメントの3'UTRの制御下にある。
*ORFは、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列が挿入されていることを示す。
【表5】
【0281】
ある実施態様において、位置1と位置2と間のIGRは、アレナウイルスSセグメント又はL
セグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、アレナウイルスSセグメン
ト又はLセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナウイルス
LセグメントのIGRであることができる。具体的な実施態様において、位置1と位置2の間の
IGRは、アレナウイルスLセグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、
アレナウイルスLセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナ
ウイルスSセグメントのIGRであることができる。ある実施態様において、他の組合せも可
能である。
【0282】
ある実施態様において、2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型
アレナウイルス粒子由来のLセグメントとSセグメントのセグメント間組換えは、2つのウ
イルス遺伝子を、2つの別々のセグメント上にではなく、ただ1つのセグメントの上に有す
る機能的セグメントを復元する。他の実施態様において、2つのLセグメント及び1つのSセ
グメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子中のLセグメントとSセグメントのセグ
メント間組換えは、複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせない。
【0283】
下の表3Bは、2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイ
ルス粒子のゲノム編成を示したものであり、ここで、該3セグメント型アレナウイルスゲ
ノム中のLセグメントとSセグメントのセグメント間組換えは、複製可能な2セグメント型
ウイルス粒子を生じさせず、アレナウイルスプロモーター活性を無効にする(すなわち、
得られる組換えセグメントは、3'UTR及び5'UTRの代わりに、2つの3'UTRから構成されてい
る)。
(表3B)
2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子
*位置1はアレナウイルスLセグメントの5'UTRの制御下にあり;位置2はアレナウイルスLセ
グメントの3'UTRの制御下にあり;位置3はアレナウイルスLセグメントの5'UTRの制御下に
あり;位置4はアレナウイルスLセグメントの3'UTRの制御下にあり;位置5はアレナウイルス
Sセグメントの5'UTRの制御下にあり;位置6はアレナウイルスSセグメントの3'UTRの制御下
にある。
*ORFは、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列が挿入されていることを示す。
【表6】
【0284】
ある実施態様において、位置1と位置2と間のIGRは、アレナウイルスSセグメント又はL
セグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、アレナウイルスSセグメン
ト又はLセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナウイルス
LセグメントのIGRであることができる。具体的な実施態様において、位置1と位置2の間の
IGRは、アレナウイルスLセグメントのIGRであることができ;位置2と位置3の間のIGRは、
アレナウイルスLセグメントのIGRであることができ;位置5及び位置6の間のIGRは、アレナ
ウイルスSセグメントのIGRであることができる。ある実施態様において、他の組合せも可
能である。
【0285】
ある実施態様において、当業者であれば、表3A又は3Bに示され、かつ本明細書に記載さ
れる編成を有するアレナウイルスゲノムを構築し、その後、第5.2節(h)に記載されるアッ
セイを用いて、該3セグメント型アレナウイルス粒子が遺伝的に安定であるかどうか、す
なわち、本明細書で論じられる複製可能な2セグメント型ウイルス粒子を生じさせないか
どうかを決定することができるであろう。
【0286】
(iii)複製欠陥性3セグメント型アレナウイルス粒子
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、(i)ORFが該ORFの野生型位置以外
の位置にあり;かつ(ii)得られるウイルスがさらなる感染性子孫ウイルス粒子を産生する
ことができない(すなわち、複製欠陥性である)ように、GP、NP、Zタンパク質、又はLタン
パク質をコードするORFが除去されているか又は機能的に不活化されている3セグメント型
アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、該第三のアレナウイルスセグメント
はSセグメントであることができる。他の実施態様において、該第三のアレナウイルスセ
グメントはLセグメントであることができる。より具体的な実施態様において、該第三の
アレナウイルスセグメントは、ORFを該ORFの野生型位置以外の位置に担持するように改変
することができるか、又は該第三のアレナウイルスセグメントは、野生型アレナウイルス
ゲノムセグメントであることができる。さらにより具体的な実施態様において、該第三の
アレナウイルスセグメントは、GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードするアレ
ナウイルスORFを欠いている。
【0287】
ある実施態様において、3セグメント型ゲノムセグメントは、S又はLセグメントハイブ
リッド(すなわち、SセグメントとLセグメントの組合せであり得るゲノムセグメント)であ
り得る。他の実施態様において、該ハイブリッドセグメントは、LセグメントのIGRを含む
Sセグメントである。別の実施態様において、該ハイブリッドセグメントは、Sセグメント
のIGRを含むLセグメントである。他の実施態様において、該ハイブリッドセグメントは、
LセグメントのIGRを有するSセグメントのUTRである。別の実施態様において、該ハイブリ
ッドセグメントは、SセグメントのIGRを有するLセグメントのUTRである。具体的な実施態
様において、該ハイブリッドセグメントは、LセグメントのIGRを有するSセグメントの5'U
TR又はLセグメントのIGRを有するSセグメントの3'UTRである。他の具体的な実施態様にお
いて、該ハイブリッドセグメントは、SセグメントのIGRを有するLセグメントの5'UTR又は
SセグメントのIGRを有するLセグメントの3'UTRである。
【0288】
1以上のORFが欠失しているか又は機能的に不活化されている遺伝子改変ゲノムを含む3
セグメント型アレナウイルス粒子は、相補細胞(すなわち、欠失しているか又は機能的に
不活化されているアレナウイルスORFを発現する細胞)で産生されることができる。得られ
るアレナウイルス粒子の遺伝物質は、宿主細胞の感染時に、遺伝物質を発現し、それを増
幅することができる宿主細胞に移されることができる。さらに、本明細書に記載される遺
伝子改変アレナウイルス粒子のゲノムは、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むことができる。
【0289】
ある実施態様において、GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする4つのORF
のうちの少なくとも1つは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又
はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。別の実施態様に
おいて、GP、NP、Zタンパク質、及びLタンパク質をコードする少なくとも1つのORF、少な
くとも2つのORF、少なくとも3つのORF、又は少なくとも4つのORFは除去され、本明細書に
提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列
と置き換えられることができる。具体的な実施態様において、GP、NP、Zタンパク質、及
びLタンパク質をコードする4つのORFのうちの1つだけが除去され、本明細書に提供される
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換え
られている。より具体的な実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントのGPを
コードするORFが除去されている。別の具体的な実施態様において、該アレナウイルスゲ
ノムセグメントのNPをコードするORFが除去されている。より具体的な実施態様において
、該アレナウイルスゲノムセグメントのZタンパク質をコードするORFが除去されている。
さらに別の具体的な実施態様において、Lタンパク質をコードするORFが除去されている。
【0290】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、1つのLセグメント及び2つのSセグ
メントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子であって、(i)ORFが該ORFの野生型位置以
外の位置にあり;かつ(ii)得られるウイルスが複製欠陥性であり、かつ感染性ではないよ
うに、GP又はNPをコードするORFが除去されているか又は機能的に不活化されている、3セ
グメント型アレナウイルス粒子である。具体的な実施態様において、1つのORFは除去され
、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌク
レオチド配列と置き換えられている。別の具体的な実施態様において、2つのORFは除去さ
れ、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌ
クレオチド配列と置き換えられている。他の具体的な実施態様において、3つのORFは除去
され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする
ヌクレオチド配列と置き換えられている。具体的な実施態様において、GPをコードするOR
Fは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコ
ードするヌクレオチド配列と置き換えられている。他の具体的な実施態様において、NPを
コードするORFは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。さらにより具体的な実施
態様において、NPをコードするORF及びGPをコードするORFは除去され、本明細書に提供さ
れる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする1つ又は2つのヌクレオチ
ド配列と置き換えられている。したがって、ある実施態様において、該3セグメント型ア
レナウイルス粒子は、(i)1つのLセグメント及び2つのSセグメント;(ii)ORFの野生型位置
以外の位置にあるORF;(iii)本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードする1以上のヌクレオチド配列を含む。
【0291】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、2つのLセグメント及び1つのSセグ
メントを含む3セグメント型アレナウイルス粒子であって、(i)ORFが該ORFの野生型位置以
外の位置にあり;かつ(ii)得られるウイルスが複製欠陥性であり、かつ感染性ではないよ
うに、Zタンパク質及び/又はLタンパク質をコードするORFが除去されているか又は機能的
に不活化されている、3セグメント型アレナウイルス粒子である。具体的な実施態様にお
いて、1つのORFは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。別の具体的な実施態様に
おいて、2つのORFは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその
抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。具体的な実施態様にお
いて、Zタンパク質をコードするORFは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。他の
具体的な実施態様において、Lタンパク質をコードするORFは除去され、本明細書に提供さ
れる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き
換えられている。さらにより具体的な実施態様において、Zタンパク質をコードするORF及
びLタンパク質をコードするORFは除去され、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗
原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換えられている。したがっ
て、ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子は、(i)2つのLセグメン
ト及び1つのSセグメント;(ii)ORFの野生型位置以外の位置にあるORF;(iii)本明細書に提
供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を
含む。
【0292】
したがって、ある実施態様において、本明細書に提供される3セグメント型アレナウイ
ルス粒子は、i)非天然位置にORFを担持するように改変され; ii)GP、NP、Zタンパク質、
又はLタンパク質をコードするORFが除去され; iii)除去されるORFが本明細書に提供され
る腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする1以上のヌクレオチド配列
と置き換えられている、3セグメント型アレナウイルス粒子(すなわち、1つのLセグメント
及び2つのSセグメント又は2つのLセグメント及び1つのSセグメント)を含む。
【0293】
ある実施態様において、本明細書に提供される抗原性断片をコードするヌクレオチド配
列は、8~100ヌクレオチド長、15~100ヌクレオチド長、25~100ヌクレオチド長、50~20
0ヌクレオチド長、50~400ヌクレオチド長、200~500ヌクレオチド長、又は400~600ヌク
レオチド長、500~800ヌクレオチド長である。他の実施態様において、本明細書に提供さ
れる抗原性断片をコードするヌクレオチド配列は、750~900ヌクレオチド長、800~100ヌ
クレオチド長、850~1000ヌクレオチド長、900~1200ヌクレオチド長、1000~1200ヌクレ
オチド長、1000~1500ヌクレオチドもしくは10~1500ヌクレオチド長、1500~2000ヌクレ
オチド長、1700~2000ヌクレオチド長、2000~2300ヌクレオチド長、2200~2500ヌクレオ
チド長、2500~3000ヌクレオチド長、3000~3200ヌクレオチド長、3000~3500ヌクレオチ
ド長、3200~3600ヌクレオチド長、3300~3800ヌクレオチド長、4000ヌクレオチド長~44
00ヌクレオチド長、4200~4700ヌクレオチド長、4800~5000ヌクレオチド長、5000~5200
ヌクレオチド長、5200~5500ヌクレオチド長、5500~5800ヌクレオチド長、5800~6000ヌ
クレオチド長、6000~6400ヌクレオチド長、6200~6800ヌクレオチド長、6600~7000ヌク
レオチド長、7000~7200ヌクレオチド長、7200~7500ヌクレオチド長、又は7500ヌクレオ
チド長である。いくつかの実施態様において、該ヌクレオチド配列は、5~10アミノ酸長
、10~25アミノ酸長、25~50アミノ酸長、50~100アミノ酸長、100~150アミノ酸長、150
~200アミノ酸長、200~250アミノ酸長、250~300アミノ酸長、300~400アミノ酸長、400
~500アミノ酸長、500~750アミノ酸長、750~1000アミノ酸長、1000~1250アミノ酸長、
1250~1500アミノ酸長、1500~1750アミノ酸長、1750~2000アミノ酸長、2000~2500アミ
ノ酸長、又は2500アミノ酸長以上であるペプチド又はポリペプチドをコードする。いくつ
かの実施態様において、該ヌクレオチド配列は、2500アミノ酸長を超えないポリペプチド
をコードする。具体的な実施態様において、該ヌクレオチド配列は終止コドンを含有しな
い。ある実施態様において、該ヌクレオチド配列はコドン最適化されている。ある実施態
様において、ヌクレオチド組成、ヌクレオチド対組成、又はその両方を最適化することが
できる。そのような最適化のための技法は当技術分野で公知であり、本明細書に提供され
る腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を最適化
するために適用することができる。
【0294】
本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする任意
のヌクレオチド配列を3セグメント型アレナウイルス粒子に含めることができる。一実施
態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコ
ードするヌクレオチド配列は、免疫応答を誘発することができる。
【0295】
ある実施態様において、該アレナウイルス粒子の増殖及び感染力は、本明細書に提供さ
れる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列に影響
されない。
【0296】
当業者に公知の技法を用いて、野生型位置以外の位置にあるアレナウイルスORFと本明
細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチ
ド配列とを担持するように改変されたアレナウイルスゲノムセグメントを含むアレナウイ
ルス粒子を産生することができる。例えば、リバースジェネティクスの技法を用いて、そ
のようなアレナウイルス粒子を作製することができる。他の実施態様において、複製欠陥
性アレナウイルス粒子(すなわち、アレナウイルスORFを野生型位置以外の位置に担持する
ように改変されたアレナウイルスゲノムセグメントであって、GP、NP、Zタンパク質、Lタ
ンパク質をコードするORFが欠失している、アレナウイルスゲノムセグメント)は、相補細
胞で産生することができる。
【0297】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、本明細書に提供される3セグメント型アレ
ナウイルス粒子は、少なくとも1つの免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク
質をコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列をさらに含む。ある実施態様において
、該免疫調節性ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質は、カルレティキュリン(CRT)も
しくはその断片;ユビキチンもしくはその断片;顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(
GM-CSF)もしくはその断片;インバリアント鎖(CD74)もしくはその抗原性断片;結核菌熱シ
ョックタンパク質70もしくはその抗原性断片;単純ヘルペスウイルス1タンパク質VP22もし
くはその抗原性断片; CD40リガンドもしくはその抗原性断片;又はFms関連チロシンキナー
ゼ3(Flt3)リガンドもしくはその抗原性断片である。
【0298】
本明細書に提供される方法及び組成物とともに使用するためのアレナウイルスは、旧世
界ウイルス、例えば、ラッサウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、モバラウ
イルス、モペイアウイルス、もしくはイッピーウイルス、又は新世界ウイルス、例えば、
アマパリウイルス、フレクサルウイルス、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラチノ
ウイルス、マチュポウイルス、オリベロスウイルス、パラナウイルス、ピチンデウイルス
、ピリタルウイルス、サビアウイルス、タカリベウイルス、タミアミウイルス、ベアキャ
ニオンウイルス、もしくはホワイトウォーターアロヨウイルスであることができる。
【0299】
ある実施態様において、本明細書に記載される3セグメント型アレナウイルス粒子は、
ワクチンとしての使用に好適であり、そのようなアレナウイルス粒子を、新生物性疾患、
例えば、癌のためのワクチン接種及び治療において使用する方法が提供される。本明細書
に記載されるアレナウイルス粒子を使用する方法のより詳細な説明は、第5.2節(f)に提供
されている。
【0300】
ある実施態様において、本明細書に記載される3セグメント型アレナウイルス粒子は、
医薬組成物としての使用に好適であり、そのようなアレナウイルス粒子を、新生物性疾患
、例えば、癌のためのワクチン接種及び治療において使用する方法が提供される。本明細
書に記載されるアレナウイルス粒子を使用する方法のより詳細な説明は、第5.2節(g)に提
供されている。
【0301】
(c)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、及び抗原性断片
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を有するアレナウイルス粒子は、本明細書に提供さ
れる方法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せとともに使用することができる。あ
る実施態様において、本明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための腫瘍
抗原又は腫瘍関連抗原は、新生物性細胞又は腫瘍、例えば、癌細胞又は悪性腫瘍の中又は
表面で発現される免疫原性タンパク質である。ある実施態様において、本明細書に記載さ
れる方法及び組成物とともに使用するための腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、新生物性細胞
又は腫瘍と正常細胞又は組織の両方に存在することができる、非特異的タンパク質、突然
変異体タンパク質、過剰発現タンパク質、又は異常発現タンパク質である。ある実施態様
において、本明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための腫瘍抗原又は腫
瘍関連抗原は、腫瘍細胞に限定される腫瘍特異的抗原である。ある実施態様において、本
明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための腫瘍抗原は、癌細胞に限定さ
れる癌特異的抗原である。
【0302】
ある実施態様において、腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、以下の特徴のうちの全てを含む
、1つ、2つ、3つ、又はそれより多くを示すことができる:過剰発現される/蓄積される(す
なわち、正常組織と新生物性組織の両方によって発現されるが、新生物形成で高度に発現
される)、癌胎児性(すなわち、通常、胎児組織及び癌性体細胞でのみ発現される)、腫瘍
ウイルス又は腫瘍原性ウイルス(すなわち、腫瘍原性形質転換ウイルスによってコードさ
れる)、癌-精巣性(すなわち、癌細胞及び成体生殖組織、例えば、精巣によってのみ発現
される)、系譜制限的(すなわち、主に、単一の癌組織型によって発現される)、突然変異
する(すなわち、転写における遺伝子突然変異もしくは変化の結果として新生物性組織で
のみ発現される)、翻訳後変化する(例えば、腫瘍と関連するグリコシル化の変化)、又は
イディオタイプ性(すなわち、BもしくはTリンパ球の悪性クローン性増殖から発生する)。
【0303】
ある実施態様において、本明細書に記載される方法及び組成物とともに使用するための
腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原としては、急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球性リンパ
腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎皮質癌;エ
イズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/ラブドイド
腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳腫瘍
(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪性神経膠腫
脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍;脳腫瘍
、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイド;気管支腫
瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成人の癌、原
発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;子宮頸癌;
小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血病;慢性骨
髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukem
ia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;線維形成性
小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファミリー腫瘍
におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;胃(ga
stric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍;胚細
胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位不明;神経
膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部癌;心
臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠腫;眼内黒
色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス細胞組織球
症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リ
ンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の乳癌;骨/骨
肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メルケル細胞癌;
メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;口腔癌;
多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形成症候群;骨
髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨髄性白血病、
小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌
;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(oral cancer);口
腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;卵巣上皮
癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、膵島細胞;乳
頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果体星状細胞腫;
松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始神経外胚葉性腫
瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発性中枢神経系リ
ンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;第15番染色体上
のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;肉腫、ユーイ
ングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);小細胞肺癌;小
腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁平上皮頸部癌;
胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リンパ腫、皮膚(菌
状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;甲状
腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉腫;膣癌;外陰癌
;及びウィルムス腫瘍を含む新生物性疾患由来の抗原が挙げられる。
【0304】
ある実施態様において、本明細書に開示される方法及び組成物とともに使用するための
腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原としては、発癌ウイルス抗原、癌精巣抗原、癌胎児性抗原、組
織分化抗原、突然変異体タンパク質抗原、アディポフィリン、AIM-2、ALDH1AI、BCLX(L)
、BING-4、CALCA、CD45、CPSF、サイクリンD1、DKKI、ENAH(hMcna)、Ga733(EpCAM)、EphA
3、EZH2、FGF5、グリピカン-3、G250/MN/CAIX、HER-2/neu、IDO1、IGF2B3、IL13Rα2、腸
カルボキシルエステラーゼ、α-フェトプロテイン、カリクレイン4、KIF20A、レングシン
、M-CSF、MCSP、mdm-2、Meloe、MMP-2、MMP-7、MUC1、MUC5AC、p53(非突然変異体)、PAX5
、PBF、PRAME、PSMA、RAGE、RAGE-1、RGS5、RhoC、RNF43、RU2AS、セセルニン1、SOX1O、
STEAP1(前立腺6回膜貫通上皮抗原1)、サバイビン、テロメラーゼ、VEGF、WT1、EGF-R、CE
A、CD20、CD33、CD52、MELANA/MART1、MART2、NY-ESO-1、p53、MAGE A1、MAGE A3、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、CDK4、α-アクチニン-4、ARTC1、BCR-ABL、BCR-ABL融合タンパク質(
b3a2)、B-RAF、CASP-5、CASP-8、β-カテニン、Cdc27、CDK4、CDKN2A、CLPP、COA-1、dek
-can融合タンパク質、EFTUD2、伸長因子2、ETV6-AML、ETV6-AML1融合タンパク質、FLT3-I
TD、FN1、GPNMB、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、NFYC、OGT、OS-9
、pml-RARα融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、H-ras、K-ras(V-Ki-ras2 カーステンラット
肉腫ウイルス癌遺伝子)、N-ras、RBAF600、SIRT2、SNRPDl、SSX、SSX2、SYT-SSX1又はSYT
-SSX2融合タンパク質、TGF-βRII、トリオースリン酸イソメラーゼ、ormdm-2、LMP2、HPV
E6/E7、EGFRvIII(上皮増殖因子変異体III)、イディオタイプ、GD2、ガングリオシドG2)
、Ras-突然変異体、p53(突然変異体)、プロテイナーゼ3(PR1)、チロシナーゼ、PSA、hTER
T、肉腫転座切断点、EphA2、前立腺酸性ホスファターゼPAP、ネオ-PAP、ML-IAP、AFP、ER
G(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポ
リシアル酸、MYCN、TRP2、TRP2-Int2、GD3、フコシルGM1、メソテリン、PSCA、sLe(a)、c
yp1B1、PLAC1、GM3、BORIS、Tn、グロボH、NY-BR-1、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、OY-T
ES1、精子タンパク質17、LCK、高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA)、AKAP-4、SSX2、XAGE 1
、B7H3、レグマイン、Tie 2、Page4、VEGFR2、MAD-CT-1、FAP、PDGFR-β、MAD-CT-2、For
関連抗原1、TRP-1、GP100、CA-125、CA19-9、カルレチニン、上皮膜抗原(EMA)、上皮腫瘍
抗原(ETA)、CD19、CD34、CD99、CD117、クロモグラニン、サイトケラチン、デスミン、グ
リア線維性酸性タンパク質(GFAP)、肉眼的嚢胞性疾患液体タンパク質(GCDFP-15)、HMB-45
抗原、Myo-D1、筋肉特異的アクチン(MSA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エ
ノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリホスファターゼ、シナプトフィシス、サイログロブリン、
甲状腺転写因子1、ピルビン酸キナーゼアイソザイムタイプM2の二量体形態(腫瘍M2-PK)、
BAGE BAGE-1、CAGE、CTAGE、FATE、GAGE、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GA
GE-6、GAGE-7、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC、NA88、NY-SAR-35、SPANXB1
、SPA17、SSX、SYCP1、TPTE、炭水化物/ガングリオシドGM2(癌胎児性抗原-免疫原性-1 OF
A-I-1)、GM3、CA 15-3(CA 27.29/BCAA)、CA 195、CA 242、CA 50、CAM 43、CEA、EBNA、E
F2、エプスタイン-バーウイルス抗原、HLA-A2、HLA-A11、HSP70-2、KIAAO205、MUM-1、MU
M-2、MUM-3、ミオシンクラスI、GnTV、Herv-K-mel、LAGE-1、LAGE-2、(精子タンパク質)S
P17、SCP-1、P15(58)、Hom/Mel-40、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、TSP-180、P18
5erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、TAG-72、TAG-72-4、CA-72-4、CAM 17.1、NuMa、1
3-カテニン、P16、TAGE、CT7、43-9F、5T4、791Tgp72、13HCG、BCA225、BTAA、CD68/KP1
、CO-029、HTgp-175、M344、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90
、TAAL6、TLP、TPS、CD22、CD27、CD30、CD70、プロステイン、TARP(T細胞受容体γ選択
的リーディングフレームタンパク質)、Trp-p8、インテグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン
、又はRal-B、CD123、CLL-1、CD38、CS-1、CD138、及びROR1が挙げられる。
【0305】
ある実施態様において、該腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は新生抗原である。本明細書で使
用される「新生抗原」は、腫瘍細胞における突然変異によって生じる抗原を意味し、その
ような抗原は、通常は、正常細胞でも正常組織でも発現されない。理論に束縛されるもの
ではないが、健康な組織は、通常、これらの抗原を保有しないので、新生抗原は、好まし
い標的となる。さらに、理論に束縛されるものではないが、本発明との関連において、新
生抗原を認識するT細胞は負の胸腺選択を受けていない可能性があるので、そのような細
胞は、抗原に対する高い結合力を有し、腫瘍に対する強い免疫応答を開始することができ
る一方で、正常組織の破壊及び自己免疫損傷を誘発するリスクを欠如している。ある実施
態様において、新生抗原は、MHCクラスI拘束性新生抗原である。ある実施態様において、
新生抗原は、MHCクラスII拘束性新生抗原である。ある実施態様において、患者の腫瘍細
胞における突然変異は、新生抗原を生じる新規タンパク質を生じさせる。
【0306】
ある実施態様において、該腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原は、抗原オルソログ、例えば、哺
乳動物(すなわち、非霊長類、ブタ、イヌ、ネコ、又はウマ)からヒトまでの腫瘍抗原又は
腫瘍関連抗原であることができる。
【0307】
ある実施態様において、本明細書に記載される腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の抗原性断片
は、該アレナウイルスに含まれるヌクレオチド配列によってコードされる。ある実施態様
において、断片は、それが、(i)宿主(例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、ロバ、もしくはヒ
ト)で抗体免疫応答を誘発することができる(ここで、得られる抗体は、新生物性細胞(例
えば、癌細胞)の中もしくは表面で発現される免疫原性タンパク質に特異的に結合する);
及び/又は(ii)特異的なT細胞免疫応答を誘発することができるとき、抗原性である。
【0308】
ある実施態様において、腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原の抗原性断片をコードするヌクレオ
チド配列は、8~100ヌクレオチド長、15~100ヌクレオチド長、25~100ヌクレオチド長、
50~200ヌクレオチド長、50~400ヌクレオチド長、200~500ヌクレオチド長、又は400~6
00ヌクレオチド長、500~800ヌクレオチド長である。他の実施態様において、該非相同OR
Fは、750~900ヌクレオチド長、800~100ヌクレオチド長、850~1000ヌクレオチド長、90
0~1200ヌクレオチド長、1000~1200ヌクレオチド長、1000~1500ヌクレオチドもしくは1
0~1500ヌクレオチド長、1500~2000ヌクレオチド長、1700~2000ヌクレオチド長、2000
~2300ヌクレオチド長、2200~2500ヌクレオチド長、2500~3000ヌクレオチド長、3000~
3200ヌクレオチド長、3000~3500ヌクレオチド長、3200~3600ヌクレオチド長、3300~38
00ヌクレオチド長、4000ヌクレオチド長~4400ヌクレオチド長、4200~4700ヌクレオチド
長、4800~5000ヌクレオチド長、5000~5200ヌクレオチド長、5200~5500ヌクレオチド長
、5500~5800ヌクレオチド長、5800~6000ヌクレオチド長、6000~6400ヌクレオチド長、
6200~6800ヌクレオチド長、6600~7000ヌクレオチド長、7000~7200ヌクレオチド長、72
00~7500ヌクレオチド長、又は7500ヌクレオチド長である。いくつかの実施態様において
、該非相同ORFは、5~10アミノ酸長、10~25アミノ酸長、25~50アミノ酸長、50~100ア
ミノ酸長、100~150アミノ酸長、150~200アミノ酸長、200~250アミノ酸長、250~300ア
ミノ酸長、300~400アミノ酸長、400~500アミノ酸長、500~750アミノ酸長、750~1000
アミノ酸長、1000~1250アミノ酸長、1250~1500アミノ酸長、1500~1750アミノ酸長、17
50~2000アミノ酸長、2000~2500アミノ酸長、又は2500アミノ酸長以上であるペプチド又
はポリペプチドをコードする。いくつかの実施態様において、該ヌクレオチド配列は、25
00アミノ酸長を超えないポリペプチドをコードする。具体的な実施態様において、該ヌク
レオチド配列は終止コドンを含有しない。ある実施態様において、該ヌクレオチド配列は
コドン最適化されている。ある実施態様において、ヌクレオチド組成、ヌクレオチド対組
成、又はその両方を最適化することができる。そのような最適化のための技法は当技術分
野で公知であり、腫瘍抗原又は腫瘍関連抗原のヌクレオチド配列を最適化するために適用
することができる。
【0309】
ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメント、該アレナウイルス粒子、
又は該3セグメント型アレナウイルス粒子は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片をコードする1以上のヌクレオチド配列を含むことができる。他の実施態様において
、該アレナウイルスゲノムセグメント、該アレナウイルス粒子、又は該3セグメント型ア
レナウイルス粒子は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片をコードする少
なくとも1つのヌクレオチド配列、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を
コードする少なくとも2つのヌクレオチド配列、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片をコードする少なくとも3つのヌクレオチド配列、又は腫瘍抗原、腫瘍関連抗
原、もしくはその抗原性断片をコードするそれより多くのヌクレオチド配列を含むことが
できる。
【0310】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列を含むアレナウイルス粒子は、少なくとも1つの免
疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコードする少なくとも1つのヌクレ
オチド配列をさらに含む。ある実施態様において、該免疫調節性ペプチド、ポリペプチド
、又はタンパク質は、カルレティキュリン(CRT)もしくはその断片;ユビキチンもしくはそ
の断片;顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)もしくはその断片;インバリア
ント鎖(CD74)もしくはその抗原性断片;結核菌熱ショックタンパク質70もしくはその抗原
性断片;単純ヘルペスウイルス1タンパク質VP22もしくはその抗原性断片;CD40リガンドも
しくはその抗原性断片;又はFms関連チロシンキナーゼ3(Flt3)リガンドもしくはその抗原
性断片である。
【0311】
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子は、a)野生型形態の
ゲノムセグメントに存在するORFが除去されているか又は機能的不活化されており;かつb)
(センス又はアンチセンスのいずれかで):(i)本明細書に提供される1以上の腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片、及び(ii)本明細書に提供される1以上の免疫調節性ペ
プチド、ポリペプチド、又はタンパク質をコードするゲノムセグメントを含む。
【0312】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリ
ペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、ウイルスゲノムの同じ位置
にある。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はそ
の抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド
、ポリペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、ウイルスゲノムの異
なる位置にある。
【0313】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片をコードするヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリ
ペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、スペーサー配列によって隔
てられている。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、
又はその抗原性断片をコードする配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリ
ペプチド、又はタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、内部リボソーム進入部位、
又はプロテアーゼ切断部位をコードする配列によって隔てられている。ある実施態様にお
いて、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードする
ヌクレオチド配列と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタン
パク質をコードするヌクレオチド配列は、リンカー又は自己切断ペプチドをコードするヌ
クレオチド配列によって隔てられている。当業者に公知の任意のリンカーペプチド又は自
己切断ペプチドは、本明細書に提供される組成物及び方法とともに使用することができる
。ペプチドリンカーの非限定的な例はGSGである。自己切断ペプチドの非限定的な例は、
ブタテシオウイルス-1 2Aペプチド、トセアアシグナウイルス2Aペプチド、又は口蹄疫ウ
イルス2Aペプチドである。
【0314】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、
直接的に融合されている。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍
関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチ
ド、又はタンパク質は、ペプチドリンカーを介して融合されている。ある実施態様におい
て、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提
供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、自己切断ペプチドを介
して互いに隔てられている。ペプチドリンカーの非限定的な例はGSGである。自己切断ペ
プチドの非限定的な例は、ブタテシオウイルス-1 2Aペプチド、トセアアシグナウイルス2
Aペプチド、又は口蹄疫ウイルス2Aペプチドである。
【0315】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原
性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、
同じアレナウイルス粒子上に発現される。ある実施態様において、本明細書に提供される
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチ
ド、ポリペプチド、又はタンパク質は、異なるアレナウイルス(areanavirus)粒子上に発
現される。ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又は
その抗原性断片と本明細書に提供される免疫調節性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパ
ク質は、同じ株の異なるウイルス上に発現される。ある実施態様において、本明細書に提
供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片と本明細書に提供される免疫調節
性ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質は、異なる株の異なるウイルス上に発現され
る。
【0316】
ある実施態様において、1以上の腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコー
ドするように作製されたアレナウイルス粒子は、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関
連抗原、又はその抗原性断片をコードする1以上のヌクレオチド配列を含む。具体的な実
施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片は
、本明細書に記載される様々な1以上のリンカー、スペーサー、又は切断部位によって隔
てられている。
【0317】
(d)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子及び3セ
グメント型アレナウイルス粒子
通常、本明細書に提供される方法及び組成物、例えば、化学療法剤との組合せにおいて
使用するためのアレナウイルス粒子は、LCMVについて記載されている標準的なリバースジ
ェネティクスの技法によって組換え産生することができる(引用により本明細書中に組み
込まれる、Flatzらの文献、2006, Proc Natl Acad Sci USA 103:4663-4668; Sanchezらの
文献、2006, Virology 350:370; Ortiz-Rianoらの文献、2013, J Gen Virol. 94:1175-88
を参照)。本明細書に提供されるアレナウイルス粒子を作製するために、これらの技法を
下記の通りに適用することができる。該ウイルスのゲノムは、本明細書に記載される通り
に改変することができる。
【0318】
(i)非天然位置のオープンリーディングフレーム
ORFの野生型位置以外の位置にあるウイルスORFと腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗
原性断片をコードするヌクレオチド配列とを担持するように改変されているゲノムセグメ
ントを含むアレナウイルス粒子の作製は、当業者に公知の任意のリバースジェネティクス
の技法によって組換え産生することができる。
【0319】
(A)感染性かつ複製可能なアレナウイルス粒子
ある実施態様において、アレナウイルス粒子を作製する方法は、(i)宿主細胞に、第一
のアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAをトランスフェクトすること;(ii)宿主細胞に
、第二のアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAをトランスフェクトすること;(iii)宿主
細胞に、アレナウイルスの最小限のトランス作用因子NP及びLを発現するプラスミドをト
ランスフェクトすること;(iv)該宿主細胞をウイルス形成に好適な条件下で維持すること;
及び(v)アレナウイルス粒子を回収することを含む。あるより具体的な実施態様において
、該cDNAはプラスミド中に含まれる。
【0320】
一旦cDNAから生成されると、アレナウイルス粒子(例えば、感染性かつ複製可能なもの)
は増殖することができる。ある実施態様において、該アレナウイルス粒子は、本明細書に
記載されるウイルスの使用を可能にする力価までウイルスが増殖するのを可能にする任意
の宿主細胞で増殖することができる。一実施態様において、該宿主細胞は、対応する野生
型について決定される力価に匹敵する力価までアレナウイルス粒子が増殖するのを可能に
する。
【0321】
ある実施態様において、該アレナウイルス粒子は、宿主細胞で増殖することができる。
使用することができる宿主細胞の具体的な例としては、BHK-21、HEK 293、VERO又はその
他が挙げられる。具体的な実施態様において、該アレナウイルス粒子は、細胞株で増殖す
ることができる。
【0322】
ある実施態様において、該宿主細胞は培養下で維持され、1以上のプラスミドでトラン
スフェクトされる。該プラスミドは、作製されることになるアレナウイルスゲノムセグメ
ントを、哺乳動物細胞における発現に好適な、例えば、ポリメラーゼIのプロモーター及
びターミネーターからなる、1以上の発現カセットの制御下で発現する。
【0323】
アレナウイルス粒子の作製に使用することができるプラスミドは: i)Sゲノムセグメン
ト、例えば、pol-I Sをコードするプラスミド、ii)Lゲノムセグメント、例えば、pol-I L
をコードするプラスミドを含むことができる。ある実施態様において、ウイルスのL及びS
セグメントの細胞内合成を導くアレナウイルスポリメラーゼをコードするプラスミドは、
トランスフェクション混合物に組み込むことができる。例えば、Lタンパク質をコードす
るプラスミド及び/又はNPをコードするプラスミド(それぞれ、pC-L及びpC-NP)が存在する
ことができる。Lタンパク質及びNPは、ウイルスRNAの転写及び複製に必要な最小限のトラ
ンス作用因子である。或いは、NP及びLタンパク質と一緒の、ウイルスのL及びSセグメン
トの細胞内合成は、それぞれ、両側から2つの別々のプラスミドのL及びSセグメントのcDN
Aへと読み取るpol-I及びpol-IIプロモーターを有する発現カセットを用いて行うことがで
きる。
【0324】
ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントは、プロモーターの制御下
にある。通常、RNAポリメラーゼI駆動性発現カセット、RNAポリメラーゼII駆動性カセッ
ト、又はT7バクテリオファージRNAポリメラーゼ駆動性カセットを使用することができる
。ある実施態様において、該アレナウイルスゲノムセグメントをコードするプラスミドは
同じであることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用因子は、1つのプラス
ミド由来のプロモーターによって転写されることができる。プロモーターの具体的な例と
しては、RNAポリメラーゼIプロモーター、RNAポリメラーゼIIプロモーター、RNAポリメラ
ーゼIIIプロモーター、T7プロモーター、SP6プロモーター、又はT3プロモーターが挙げら
れる。
【0325】
さらに、該プラスミドは、哺乳動物細胞における遺伝子発現に好適な発現カセット、例
えば、上記のようなポリメラーゼII発現カセットの制御下にある、哺乳動物選択マーカー
、例えば、ピューロマイシン耐性を特徴とすることができるか、又はウイルス遺伝子転写
物の後ろに、脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位などの、内部リボソーム進入部
位があり、その後ろに、哺乳動物耐性マーカーがある。大腸菌内での産生のために、該プ
ラスミドはさらに、アンピシリン耐性カセットなどの、細菌選択マーカーを特徴とする。
【0326】
プラスミドによる宿主細胞のトランスフェクションは、リン酸カルシウム、リポソーム
に基づくプロトコル、又はエレクトロポレーションなどの一般的に使用される戦略のいず
れかを用いて行うことができる。数日後、好適な選択薬剤、例えば、ピューロマイシンを
漸増濃度で添加する。生存しているクローンを単離し、標準的な手順に従ってサブクロー
ニングし、対象となるウイルスタンパク質に対する抗体とともにウェスタンブロット法又
はフローサイトメトリー法を用いて、高発現するクローンを同定する。
【0327】
本明細書に記載されるアレナウイルス粒子の回収のために、以下の手順が想定される。
1日目: M6-ウェルプレート中の通常80%コンフルエントな細胞に、プラスミドの混合物を
、上記のようにトランスフェクトする。このために、リン酸カルシウム、リポソームに基
づくプロトコル、又はエレクトロポレーションなどの任意の一般に使用される戦略を利用
することができる。
【0328】
3~5日後:培養上清(アレナウイルスベクター調製物)を回収し、分注し、使用前にアレ
ナウイルスベクターをどのくらい長く保存するべきかに応じて、4℃、-20℃、又は-80℃
で保存する。該アレナウイルスベクター調製物の感染力価をイムノフォーカスアッセイに
よって評価する。或いは、トランスフェクトされた細胞及び上清を、トランスフェクショ
ン後3~5日目により大きい容器(例えば、T75組織培養フラスコ)に継代することができ、
培養上清を継代後5日までに回収する。
【0329】
本出願はさらに、非相同ORFの発現に関するものであり、ここで、ゲノムセグメントを
コードするプラスミドは、非相同ORFを組み込むように改変されている。該非相同ORFは、
制限酵素を用いてプラスミドに組み込むことができる。
【0330】
(B)感染性複製欠陥性アレナウイルス粒子
感染性複製欠陥性アレナウイルス粒子は、上記のようにレスキューすることができる。
しかしながら、一旦cDNAから生成されると、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレ
ナウイルスは、相補細胞で増殖することができる。相補細胞は、そのゲノムの改変によっ
て、複製欠損性アレナウイルスから除去されている機能性を提供する細胞である(例えば
、GPタンパク質をコードするORFが欠失しているか又は機能的に不活化されている場合、
相補細胞がGPタンパク質を提供する)。
【0331】
アレナウイルスベクター中のORFのうちの1つ又は複数の除去又は機能的不活化(ここで
は、糖タンパク質GPの欠失を例に取る)のため、アレナウイルスベクターを、欠失したウ
イルス遺伝子、例えば、本例では、GPをトランスに提供する細胞で生成させ、それを増殖
させることができる。以後、C-細胞と呼ばれる、そのような相補細胞株は、BHK-21、HEK
293、VERO、又はその他などの細胞株に、対象となるウイルス遺伝子の発現のための1以上
のプラスミド遺伝子(C-プラスミドと呼ばれる相補性プラスミド)をトランスフェクトする
ことにより作製される。C-プラスミドは、作製されることになるアレナウイルスベクター
で欠失しているウイルス遺伝子を、哺乳動物細胞における発現に好適な1以上の発現カセ
ット、例えば、ポリアデニル化シグナルを有するEF1αプロモーターなどの哺乳動物ポリ
メラーゼIIプロモーターの制御下で発現する。さらに、相補性プラスミドは、哺乳動物細
胞における遺伝子発現に好適な発現カセット、例えば、上記のようなポリメラーゼII発現
カセットの制御下にある、哺乳動物選択マーカー、例えば、ピューロマイシン耐性を特徴
とするか、又はウイルス遺伝子転写物の後ろに、脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入
部位などの、内部リボソーム進入部位があり、その後ろに、哺乳動物耐性マーカーがある
。大腸菌内での産生のために、該プラスミドはさらに、アンピシリン耐性カセットなどの
、細菌選択マーカーを特徴とする。
【0332】
使用することができる細胞、例えば、BHK-21、HEK 293、MC57G、又はその他を培養下で
維持し、リン酸カルシウム、リポソームに基づくプロトコル、又はエレクトロポレーショ
ンなどの一般に使用される戦略のいずれかを用いて、相補性プラスミドでトランスフェク
トする。数日後、好適な選択薬剤、例えば、ピューロマイシンを漸増濃度で添加する。生
存しているクローンを単離し、標準的な手順に従ってサブクローニングし、対象となるウ
イルスタンパク質に対する抗体とともにウェスタンブロット法又はフローサイトメトリー
法を用いて、高発現するC-細胞クローンを同定する。安定にトランスフェクトされたC-細
胞の使用の代替法として、正常細胞の一過性トランスフェクションは、以下でC-細胞が使
用されることになる段階の各々において、失われたウイルス遺伝子を相補することができ
る。さらに、ヘルパーウイルスを用いて、失われた機能性をトランスに提供することがで
きる。
【0333】
プラスミドは、2種類のものであることができる: i)本例では、例えば、LCMVのNP及びL
タンパク質に由来するアレナウイルスの最小トランス作用因子をC-細胞で細胞内発現させ
るための、TF-プラスミドと呼ばれる、2つのプラスミド;並びにii)アレナウイルスベクタ
ーゲノムセグメント、例えば、設計された改変を有するセグメントをC-細胞で細胞内発現
させるための、GS-プラスミドと呼ばれるプラスミド。TF-プラスミドは、哺乳動物細胞に
おけるタンパク質発現に好適な発現カセット、通常、例えば、哺乳動物ポリメラーゼIIプ
ロモーター、例えば、そのうちのどちらか一方がポリアデニル化シグナルと優先的に組み
合わさったCMV又はEF1αプロモーターの制御下で、それぞれのアレナウイルスベクターの
NP及びLタンパク質を発現する。GS-プラスミドは、該ベクターの小さい(S)ゲノムセグメ
ント及び大きい(L)ゲノムセグメントを発現する。通常、ポリメラーゼI駆動性発現カセッ
ト又はT7バクテリオファージRNAポリメラーゼ(T7-)駆動性発現カセットを使用することが
でき、後者は、3'-末端リボソームを一次転写物のプロセシングに優先的に用いて、正確
な末端を生じさせる。T7に基づく系を使用する場合、C-細胞におけるT7の発現は、TF-プ
ラスミドと同様に構築されてT7を提供する追加の発現プラスミドをリカバリープロセスで
含めるか、又は安定な形でT7をさらに発現するようにC-細胞を構築するかのいずれかによ
って提供しなければならない。ある実施態様において、TFプラスミドとGSプラスミドは同
じであることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用因子は、1つのプラスミ
ド由来のT7、polI、及びpolIIプロモーターによって転写されることができる。
【0334】
該アレナウイルスベクターの回収のために、以下の手順を使用することができる。1日
目: M6-ウェルプレート中の通常80%コンフルエントなC-細胞に、2つのTF-プラスミド+2
つのGS-プラスミドの混合物をトランスフェクトする。ある実施態様において、TFプラス
ミドとGSプラスミドは同じであることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用
因子は、1つのプラスミド由来のT7、polI、及びpolIIプロモーターによって転写されるこ
とができる。このために、リン酸カルシウム、リポソームに基づくプロトコル、又はエレ
クトロポレーションなどの一般に使用される戦略のいずれかを使用することができる。
【0335】
3~5日後:培養上清(アレナウイルスベクター調製物)を回収し、分注し、使用前にアレ
ナウイルスベクターをどのくらい長く保存するべきかに応じて、4℃、-20℃、又は-80℃
で保存する。その後、該アレナウイルスベクター調製物の感染力価をC-細胞に対するイム
ノフォーカスアッセイによって評価する。或いは、トランスフェクトされた細胞及び上清
を、トランスフェクション後3~5日目により大きい容器(例えば、T75組織培養フラスコ)
に継代することができ、培養上清を継代後5日までに回収する。
【0336】
本発明はさらに、細胞培養物における抗原の発現に関するものであり、ここで、該細胞
培養物は、抗原を発現する感染性複製欠損性アレナウイルスに感染している。培養細胞に
おける抗原の発現のために使用される場合、以下の2つの手順を使用することができる:
i)対象となる細胞型を、1以上、例えば、2、3、又は4の感染多重度(MOI)で、本明細書
に記載されるアレナウイルスベクター調製物に感染させ、感染直後に既に、全ての細胞で
抗原の産生をもたらす。
ii)或いは、より低いMOIを使用することができ、個々の細胞クローンを、そのウイルス
駆動性抗原発現のレベルについて選択することができる。その後、アレナウイルスベクタ
ーが非細胞溶解性であるため、個々のクローンを無限に増殖させることができる。本手法
とは無関係に、抗原は、その後、産生される抗原の性質に応じて、培養上清又は細胞それ
自体のいずれかから回収(及び精製)することができる。しかしながら、本発明は、これら
2つの戦略に限定されず、感染性複製欠損性アレナウイルスをベクターとして用いて、抗
原の発現を駆動する他の方法を検討してもよい。
【0337】
(ii)3セグメント型アレナウイルス粒子の作製
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む3
セグメント型アレナウイルス粒子は、例えば、引用により本明細書中に組み込まれる、Em
onetらの文献、2008, PNAS, 106(9):3473-3478; Popkinらの文献、2011, J. Virol., 85(
15):7928-7932によって記載されているような、当技術分野で公知の任意のリバースジェ
ネティクスの技法によって組換え産生することができる。本明細書に提供される3セグメ
ント型アレナウイルス粒子の作製は、第5.2節(b)に記載されている通りに改変することが
できる。
【0338】
(A)感染性かつ複製可能な3セグメント型アレナウイルス粒子
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子を作製する方法は、(i)宿
主細胞に、1つのLセグメント及び2つのSセグメント又は2つのLセグメント及び1つのSセグ
メントcDNAをトランスフェクトすること;(ii)宿主細胞に、アレナウイルスの最小トラン
ス作用因子NP及びLを発現するプラスミドをトランスフェクトすること;(iii)該宿主細胞
をウイルス形成に好適な条件下で維持すること;並びに(iv)該アレナウイルス粒子を回収
することを含む。
【0339】
一旦cDNAから生成されると、該3セグメント型アレナウイルス粒子(すなわち、感染性か
つ複製可能なもの)は増殖することができる。ある実施態様において、3セグメント型アレ
ナウイルス粒子は、本明細書に記載されるウイルスの使用を可能にする力価までウイルス
が増殖するのを可能にする任意の宿主細胞で増殖することができる。一実施態様において
、該宿主細胞は、対応する野生型について決定される力価に匹敵する力価まで該3セグメ
ント型アレナウイルス粒子が増殖するのを可能にする。
【0340】
ある実施態様において、該3セグメント型アレナウイルス粒子は、宿主細胞で増殖する
ことができる。使用することができる宿主細胞の具体的な例としては、BHK-21、HEK 293
、VERO又はその他が挙げられる。具体的な実施態様において、該3セグメント型アレナウ
イルス粒子は、細胞株で増殖することができる。
【0341】
ある実施態様において、該宿主細胞は培養下で維持され、1以上のプラスミドでトラン
スフェクトされる。該プラスミドは、作製されることになるアレナウイルスゲノムセグメ
ントを、哺乳動物細胞における発現に好適な、例えば、ポリメラーゼIのプロモーター及
びターミネーターからなる、1以上の発現カセットの制御下で発現する。
【0342】
具体的な実施態様において、該宿主細胞は培養下で維持され、1以上のプラスミドでト
ランスフェクトされる。該プラスミドは、作製されることになるウイルス遺伝子を、哺乳
動物細胞における発現に好適な、例えば、ポリメラーゼIのプロモーター及びターミネー
ターからなる、1以上の発現カセットの制御下で発現する。
【0343】
1つのLセグメント及び2つのSセグメントを含む3セグメント型アレナウイルスを作製す
るために使用することができるプラスミドは: i)Sゲノムセグメント、例えば、pol-I Sを
各々コードする2つのプラスミド、ii)Lゲノムセグメント、例えば、pol-I Lをコードする
プラスミドを含むことができる。2つのLセグメント及び1つのSセグメントを含む3セグメ
ント型アレナウイルスに必要なプラスミドは、i)Lゲノムセグメント、例えば、pol-Lを各
々コードする2つのプラスミド、ii)Sゲノムセグメント、例えば、pol-I Sをコードするプ
ラスミドである。
【0344】
ある実施態様において、ウイルスのL及びSセグメントの細胞内合成を導くアレナウイル
スポリメラーゼをコードするプラスミドは、トランスフェクション混合物に組み込むこと
ができる。例えば、Lタンパク質をコードするプラスミド及び/又はNPをコードするプラス
ミド(それぞれ、pC-L及びpC-NP)。Lタンパク質及びNPは、ウイルスRNAの転写及び複製に
必要な最小限のトランス作用因子である。或いは、NP及びLタンパク質と一緒の、ウイル
スのL及びSセグメントの細胞内合成は、それぞれ、両側から2つの別々のプラスミドのL及
びSセグメントのcDNAへと読み取るpol-I及びpol-IIプロモーターを有する発現カセットを
用いて行うことができる。
【0345】
さらに、該プラスミドは、哺乳動物細胞における遺伝子発現に好適な発現カセット、例
えば、上記のようなポリメラーゼII発現カセットの制御下にある、哺乳動物選択マーカー
、例えば、ピューロマイシン耐性を特徴とするか、又はウイルス遺伝子転写物の後ろに、
脳心筋炎ウイルスの内部リボソーム進入部位などの、内部リボソーム進入部位があり、そ
の後ろに、哺乳動物耐性マーカーがある。大腸菌内での産生のために、該プラスミドはさ
らに、アンピシリン耐性カセットなどの、細菌選択マーカーを特徴とする。
【0346】
プラスミドによるBHK-21細胞のトランスフェクションは、リン酸カルシウム、リポソー
ムに基づくプロトコル、又はエレクトロポレーションなどの一般に使用される戦略のいず
れかを用いて行うことができる。数日後、好適な選択薬剤、例えば、ピューロマイシンを
漸増濃度で添加する。生存しているクローンを単離し、標準的な手順に従ってサブクロー
ニングし、対象となるウイルスタンパク質に対する抗体とともにウェスタンブロット法又
はフローサイトメトリー法を用いて高発現するクローンを同定する。
【0347】
通常、RNAポリメラーゼI駆動性発現カセット、RNAポリメラーゼII駆動性発現カセット
、又はT7バクテリオファージRNAポリメラーゼ駆動性発現カセットを使用することができ
、後者は、3'-末端リボソームを一次転写物のプロセシングに優先的に用いて、正確な末
端を生じさせる。ある実施態様において、アレナウイルスゲノムセグメントをコードする
プラスミドは同じであることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用因子は、
1つのプラスミド由来のT7、polI、及びpolIIプロモーターによって転写されることができ
る。
【0348】
アレナウイルスの3セグメント型アレナウイルスベクターの回収のために、以下の手順
が想定される。1日目: M6-ウェルプレート中の通常80%コンフルエントな細胞に、プラス
ミドの混合物を、上記のようにトランスフェクトする。このために、リン酸カルシウム、
リポソームに基づくプロトコル、又はエレクトロポレーションなどの任意の一般に使用さ
れる戦略を利用することができる。
【0349】
3~5日後:培養上清(アレナウイルスベクター調製物)を回収し、分注し、使用前にアレ
ナウイルスベクターをどのくらい長く保存するべきかに応じて、4℃、-20℃、又は-80℃
で保存する。該アレナウイルスベクター調製物の感染力価をイムノフォーカスアッセイに
よって評価する。或いは、トランスフェクトされた細胞及び上清を、トランスフェクショ
ン後3~5日目により大きい容器(例えば、T75組織培養フラスコ)に継代することができ、
培養上清を継代後5日までに回収する。
【0350】
ある実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌ
クレオチド配列の発現が提供され、ここで、該ゲノムセグメントをコードするプラスミド
は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を組み
込むように改変されている。該腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードす
るヌクレオチド配列は、制限酵素を用いてプラスミドに組み込むことができる。
【0351】
(B)感染性複製欠陥性3セグメント型アレナウイルス粒子
感染性複製欠陥性3セグメント型アレナウイルス粒子は、上記のようにレスキューする
ことができる。しかしながら、一旦cDNAから生成されると、本明細書に提供される感染性
複製欠損性アレナウイルスは、相補細胞で増殖することができる。相補細胞は、そのゲノ
ムの改変によって、複製欠損性アレナウイルスから除去されている機能性を提供する細胞
である(例えば、GPタンパク質をコードするORFが欠失しているか又は機能的に不活化され
ている場合、相補細胞がGPタンパク質を提供する)。
【0352】
アレナウイルスベクター中のORFのうちの1つ又は複数の除去又は機能的不活化(ここで
は、糖タンパク質GPの欠失を例に取る)のため、アレナウイルスベクターを、欠失したウ
イルス遺伝子、例えば、本例では、GPをトランスに提供する細胞で生成させ、それを増殖
させることができる。以後、C-細胞と呼ばれる、そのような相補細胞株は、BHK-21、HEK
293、VERO、又はその他などの細胞株に、対象となるウイルス遺伝子の発現のための1以上
のプラスミド遺伝子(C-プラスミドと呼ばれる相補性プラスミド)をトランスフェクトする
ことにより作製される。C-プラスミドは、作製されることになるアレナウイルスベクター
で欠失しているウイルス遺伝子を、哺乳動物細胞における発現に好適な1以上の発現カセ
ット、例えば、ポリアデニル化シグナルを有するCMV又はEF1αプロモーターなどの、哺乳
動物ポリメラーゼIIプロモーターの制御下で発現する。さらに、相補性プラスミドは、哺
乳動物細胞における遺伝子発現に好適な発現カセット、例えば、上記のようなポリメラー
ゼII発現カセットの制御下にある、哺乳動物選択マーカー、例えば、ピューロマイシン耐
性を特徴とするか、又はウイルス遺伝子転写物の後ろに、脳心筋炎ウイルスの内部リボソ
ーム進入部位などの、内部リボソーム進入部位があり、その後ろに、哺乳動物耐性マーカ
ーがある。大腸菌内での産生のために、該プラスミドはさらに、アンピシリン耐性カセッ
トなどの、細菌選択マーカーを特徴とする。
【0353】
使用することができる細胞、例えば、BHK-21、HEK 293、MC57G、又はその他を培養下で
維持し、リン酸カルシウム、リポソームに基づくプロトコル、又はエレクトロポレーショ
ンなどの一般に使用される戦略のいずれかを用いて、相補性プラスミドでトランスフェク
トする。数日後、好適な選択薬剤、例えば、ピューロマイシンを漸増濃度で添加する。生
存しているクローンを単離し、標準的な手順に従ってサブクローニングし、対象となるウ
イルスタンパク質に対する抗体とともにウェスタンブロット法又はフローサイトメトリー
法を用いて、高発現するC-細胞クローンを同定する。安定にトランスフェクトされたC-細
胞の使用の代替法として、正常細胞の一過性トランスフェクションは、以下でC-細胞が使
用されることになる段階の各々において、失われたウイルス遺伝子を相補することができ
る。さらに、ヘルパーウイルスを用いて、失われた機能性をトランスに提供することがで
きる。
【0354】
2種類のプラスミドを使用することができる: i)本例では、例えば、LCMVのNP及びLタン
パク質に由来するアレナウイルスの最小トランス作用因子をC-細胞で細胞内発現させるた
めの、TF-プラスミドと呼ばれる、2つのプラスミド;並びにii)アレナウイルスベクターゲ
ノムセグメント、例えば、設計された改変を有するセグメントをC-細胞で細胞内発現させ
るための、GS-プラスミドと呼ばれるプラスミド。TF-プラスミドは、哺乳動物細胞におけ
るタンパク質発現に好適な発現カセット、通常、例えば、哺乳動物ポリメラーゼIIプロモ
ーター、例えば、そのうちのどちらか一方がポリアデニル化シグナルと優先的に組み合わ
さったCMV又はEF1αプロモーターの制御下で、それぞれのアレナウイルスベクターのNP及
びLタンパク質を発現する。GS-プラスミドは、該ベクターの小さい(S)ゲノムセグメント
及び大きい(L)ゲノムセグメントを発現する。通常、ポリメラーゼI駆動性発現カセット又
はT7バクテリオファージRNAポリメラーゼ(T7-)駆動性発現カセットを使用することができ
、後者は、3'-末端リボソームを一次転写物のプロセシングに優先的に用いて、正確な末
端を生じさせる。T7に基づく系を使用する場合、C-細胞におけるT7の発現は、TF-プラス
ミドと同様に構築されてT7を提供する追加の発現プラスミドをリカバリープロセスで含め
るか、又は安定な形でT7をさらに発現するようにC-細胞を構築するかのいずれかによって
提供しなければならない。ある実施態様において、TFプラスミドとGSプラスミドは同じで
あることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用因子は、1つのプラスミド由
来のT7、polI、及びpolIIプロモーターによって転写されることができる。
【0355】
該アレナウイルスベクターの回収のために、以下の手順を使用することができる。1日
目: M6-ウェルプレート中の通常80%コンフルエントなC-細胞に、2つのTF-プラスミド+2
つのGS-プラスミドの混合物をトランスフェクトする。ある実施態様において、TFプラス
ミドとGSプラスミドは同じであることができる、すなわち、ゲノム配列及びトランス作用
因子は、1つのプラスミド由来のT7、polI、及びpolIIプロモーターによって転写されるこ
とができる。このために、リン酸カルシウム、リポソームに基づくプロトコル、又はエレ
クトロポレーションなどの一般に使用される戦略のいずれかを使用することができる。
【0356】
3~5日後:培養上清(アレナウイルスベクター調製物)を回収し、分注し、使用前にアレ
ナウイルスベクターをどのくらい長く保存するべきかに応じて、4℃、-20℃、又は-80℃
で保存する。その後、該アレナウイルスベクター調製物の感染力価をC-細胞に対するイム
ノフォーカスアッセイによって評価する。或いは、トランスフェクトされた細胞及び上清
を、トランスフェクション後3~5日目により大きい容器(例えば、T75組織培養フラスコ)
に継代することができ、培養上清を継代後5日までに回収する。
【0357】
本発明はさらに、細胞培養物における抗原の発現に関するものであり、ここで、該細胞
培養物は、抗原を発現する感染性複製欠損性アレナウイルスに感染している。培養細胞に
おけるCMV抗原の発現のために使用される場合、以下の2つの手順を使用することができる
:
i)対象となる細胞型を、1以上、例えば、2、3、又は4の感染多重度(MOI)で、本明細書
に記載されるアレナウイルスベクター調製物に感染させ、感染直後に既に、全ての細胞で
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片の産生をもたらす。
ii)或いは、より低いMOIを使用することができ、個々の細胞クローンを、その腫瘍抗原
、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片のそのウイルス駆動性発現のレベルについて選択す
ることができる。その後、アレナウイルスベクターが非細胞溶解性であるため、個々のク
ローンを無限に増殖させることができる。本手法とは無関係に、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片は、その後、産生される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片の性質に応じて、培養上清又は細胞それ自体のいずれかから回収(及び精製)すること
ができる。しかしながら、本発明は、これら2つの戦略に限定されず、感染性複製欠損性
アレナウイルスをベクターとして用いて、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
の発現を駆動する他の方法を検討してもよい。
【0358】
(e)核酸、ベクター系、及び細胞株
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される方法及び組
成物、例えば、化学療法剤との組合せとともに使用することができる、本明細書に記載さ
れるアレナウイルスゲノムセグメントを含むかもしくはそれからなるcDNA又は3セグメン
ト型アレナウイルス粒子である。
【0359】
(i)非天然位置のオープンリーディングフレーム
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、第5.2節(a)に記載されているアレナ
ウイルスゲノムセグメントをコードする核酸である。より具体的な実施態様において、本
明細書に提供されるのは、表1に記載されているDNAヌクレオチド配列又はDNAヌクレオチ
ド配列のセットである。そのような核酸を含む宿主細胞も第5.2節(a)に提供されている。
【0360】
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、ORFの野生型位置以外の位置
にあるORFと腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配
列とを担持するように改変されたアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAであり、ここで
、該アレナウイルスゲノムセグメントは、第5.2節(a)に記載される非相同ORFをコードす
る。
【0361】
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、ORFの野生型位置以外の位置にあるO
RFと腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列とを担
持するように改変されたアレナウイルスゲノムセグメントをコードするDNA発現ベクター
系である。具体的に、本明細書に提供されるのは、1以上のベクターが、本明細書に記載
されるアレナウイルス粒子の2つのアレナウイルスゲノムセグメント、すなわち、Lセグメ
ント及びSセグメントをコードするDNA発現ベクター系である。そのようなベクター系は、
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列をコードす
ることができる。
【0362】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、野生型位置以外の位置にあるORF
とDNA発現系の一部であるか又はDNA発現系に組み込まれている腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、
又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列とを担持するように改変されているア
レナウイルスSセグメントのcDNAである。他の実施態様において、本明細書に提供される
のは、野生型位置以外の位置にあるORFとDNA発現系の一部であるか又はDNA発現系に組み
込まれている腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配
列とを担持するように改変されているアレナウイルスLセグメントのcDNAである。ある実
施態様において、(i)ORFの野生型位置以外の位置にあるORFを担持するように改変されて
おり;かつ(ii)GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコードするORFが除去され、かつ
腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列と置き換え
られている、アレナウイルスゲノムセグメントのcDNAである。
【0363】
ある実施態様において、本明細書に提供されるcDNAは、LCMVの特定の株に由来すること
ができる。LCMVの株としては、クローン13、MP株、Arm CA 1371、Arm E-250、WE、UBC、T
raub、Pasteur、810885、CH-5692、Marseille #12、HP65-2009、200501927、810362、811
316、810316、810366、20112714、Douglas、GR01、SN05、CABN、及びこれらの派生物が挙
げられる。具体的な実施態様において、該cDNAは、LCMVクローン13に由来する。他の具体
的な実施態様において、該cDNAは、LCMV MP株に由来する。
【0364】
ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子又は3セグメント型
アレナウイルス粒子をコードするように作製されたベクターは、LCMVの特定株に基づくこ
とができる。LCMVの株としては、クローン13、MP株、Arm CA 1371、Arm E-250、WE、UBC
、Traub、Pasteur、810885、CH-5692、Marseille #12、HP65-2009、200501927、810362、
811316、810316、810366、20112714、Douglas、GR01、SN05、CABN、及びこれらの派生物
が挙げられる。ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子又は3
セグメント型アレナウイルス粒子は、LCMVクローン13に基づくことができる。他の実施態
様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子又は3セグメント型アレナウイル
ス粒子をコードするように作製されたベクターは、LCMV MP株に基づくことができる。
【0365】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、この節で上に記載されているcDNA
又はベクター系を含む細胞である。そのような細胞に由来する細胞株、そのような細胞を
含む培養物、感染したそのような細胞を培養する方法も本明細書に提供される。ある実施
態様において、本明細書に提供されるのは、ORFの野生型位置以外の位置にあるORFと腫瘍
抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列とを担持するよ
うに改変されているアレナウイルスゲノムセグメントのcDNAを含む細胞である。いくつか
の実施態様において、該細胞は、Sセグメント及び/又はLセグメントを含む。
【0366】
(ii)3セグメント型アレナウイルス粒子
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、第5.2節(b)に記載されている3セグ
メント型アレナウイルス粒子をコードする核酸である。より具体的な実施態様において、
本明細書に提供されるのは、例えば、表2又は表3に記載されているDNAヌクレオチド配列
又はDNAヌクレオチド配列のセットである。そのような核酸を含む宿主細胞も、第5.2節(b
)に提供されている。
【0367】
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、ORFの野生型位置以外の位置
にORFを担持するように改変されている3セグメント型アレナウイルス粒子のcDNAからなる
cDNAである。他の実施態様において、(i)ORFの野生型位置以外の位置にアレナウイルスOR
Fを担持するように改変されている3セグメント型アレナウイルス粒子のcDNAであり;かつ(
ii)該3セグメント型アレナウイルス粒子は、第5.2節(b)に記載されている非相同ORFをコ
ードする。
【0368】
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される腫瘍抗原、腫
瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む3セグメント型ア
レナウイルス粒子をまとめてコードするDNA発現ベクター系である。具体的に、本明細書
に提供されるのは、1以上のベクターが、本明細書に記載される3セグメント型アレナウイ
ルス粒子の3つのアレナウイルスゲノムセグメント、すなわち、1つのLセグメント及び2つ
のSセグメント又は2つのLセグメント及び1つのSセグメントをコードするDNA発現ベクター
系である。そのようなベクター系は、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコ
ードすることができる。
【0369】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、野生型位置以外の位置にあるORF
及びDNA発現系の一部であるか又はDNA発現系に組み込まれている腫瘍抗原、腫瘍関連抗原
、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を担持するように改変されているア
レナウイルスSセグメントのcDNAである。他の実施態様において、本明細書に提供される
のは、野生型位置以外の位置にあるORF及びDNA発現系の一部であるか又はDNA発現系に組
み込まれている腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド
配列を担持するように改変されているアレナウイルスLセグメントのcDNAである。ある実
施態様において、本明細書に提供されるのは、(i)ORFの野生型位置以外の位置にORFを担
持するように改変されており;かつ(ii)GP、NP、Zタンパク質、又はLタンパク質をコード
するORFが除去され、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレ
オチド配列と置き換えられている、3セグメント型アレナウイルス粒子のcDNAである。
【0370】
ある実施態様において、本明細書に提供されるcDNAは、LCMVの特定の株に由来すること
ができる。LCMVの株としては、クローン13、MP株、Arm CA 1371、Arm E-250、WE、UBC、T
raub、Pasteur、810885、CH-5692、Marseille #12、HP65-2009、200501927、810362、811
316、810316、810366、20112714、Douglas、GR01、SN05、CABN、及びこれらの派生物が挙
げられる。具体的な実施態様において、該cDNAは、LCMVクローン13に由来する。他の具体
的な実施態様において、該cDNAは、LCMV MP株に由来する。
【0371】
ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子又は3セグメント型
アレナウイルス粒子をコードするように作製されたベクターは、LCMVの特定株に基づくこ
とができる。LCMVの株としては、クローン13、MP株、Arm CA 1371、Arm E-250、WE、UBC
、Traub、Pasteur、810885、CH-5692、Marseille #12、HP65-2009、200501927、810362、
811316、810316、810366、20112714、Douglas、GR01、SN05、CABN、及びこれらの派生物
が挙げられる。ある実施態様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子又は3
セグメント型アレナウイルス粒子は、LCMVクローン13に基づくことができる。他の実施態
様において、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子又は3セグメント型アレナウイル
ス粒子をコードするように作製されたベクターは、LCMV MP株に基づくことができる。
【0372】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、この節で上に記載されているcDNA
又はベクター系を含む細胞である。そのような細胞に由来する細胞株、そのような細胞を
含む培養物、及び感染したそのような細胞を培養する方法も本明細書に提供される。ある
実施態様において、本明細書に提供されるのは、3セグメント型アレナウイルス粒子のcDN
Aを含む細胞である。いくつかの実施態様において、該細胞は、Sセグメント及び/又はLセ
グメントを含む。
【0373】
(f)使用方法
ワクチン、例えば、ポリオウイルス及び麻疹用のワクチンは、感染性疾患の予防及び/
又は治療に成功している。しかしながら、癌を含む、確立した慢性疾患の状態における治
療的免疫はあまり成功していない。化学療法剤と組み合わせて使用されるアレナウイルス
粒子を作製する能力は、新たな新規ワクチン戦略を表す。
【0374】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方
法である。そのような方法は、それを必要としている対象に、本明細書に提供されるアレ
ナウイルス粒子及び本明細書に提供される化学療法剤を投与することを含むことができる
。ある実施態様において、本方法において使用されるアレナウイルス粒子は、本明細書に
提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子である。ある実施態様において、本方法
において使用されるアレナウイルス粒子は、感染性複製欠損性3セグメント型アレナウイ
ルス粒子又は複製可能な3セグメント型アレナウイルス粒子を含む、本明細書に提供され
る3セグメント型アレナウイルス粒子である。したがって、ある実施態様において、本方
法において使用される、3セグメント型アレナウイルス粒子を含む、アレナウイルス粒子
は複製欠損性であり、ここで、該アレナウイルス粒子は、(1)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、
又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列;及び(2)感染細胞でその遺伝情報を増
幅し、それを発現する能力を含むが、非相補細胞ではさらなる感染性子孫粒子を産生する
ことができないゲノムを含有するように改変されている。さらに、ある実施態様において
、本方法において使用される3セグメント型アレナウイルス粒子は複製可能であり、ここ
で、該アレナウイルス粒子は:(1)腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコード
するヌクレオチド配列;(2)感染細胞でその遺伝情報を増幅し、それを発現する能力;及び(
3)遺伝子改変されていない正常細胞でさらなる感染性子孫粒子を産生する能力を含むゲノ
ムを含有するように改変されている。
【0375】
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象の新生物性疾患を治療する方法
であって、該対象に、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原
性断片を発現する1以上のアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される
免疫療法剤を投与することを含む、方法である。具体的な実施態様において、本明細書に
記載される新生物性疾患を治療する方法は、それを必要としている対象に、本明細書に提
供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現する1以上のアレナウ
イルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される免疫療法剤の治療有効量を投与する
ことを含む。該対象は、哺乳動物、例えば、限定されないが、ヒト、マウス、ラット、モ
ルモット、家畜、例えば、限定されないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ネコ、イ
ヌ、ハムスター、ロバであることができる。具体的な実施態様において、該対象はヒトで
ある。
【0376】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における新生物性細胞又は組
織、例えば、癌細胞又は腫瘍に対する免疫応答を誘導する方法であって、該対象に、本明
細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナウ
イルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤を投与することを含む、
方法である。
【0377】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤が投与される対象は、新生物性疾患を有するか、それを起こしやすいか、又はその
リスクに曝されている。
【0378】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤が投与される対象は、癌などの新生物性疾患を有するか、それを起こしやすいか、
もしくはそれを発症するリスクに曝されているか、又は前癌組織病変を示す。別の具体的
な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原
性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法
剤が投与される対象は、癌などの新生物性疾患と診断されているか、又は前癌組織病変を
示す。
【0379】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤が投与される対象は、限定されないが、急性リンパ芽球性白血病;急性リンパ芽球
性リンパ腫;急性リンパ性白血病;急性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病(成人/小児);副腎
皮質癌;エイズ関連癌;エイズ関連リンパ腫;肛門癌;虫垂癌;星状細胞腫;非定型奇形腫様/
ラブドイド腫瘍;基底細胞癌;胆管癌、肝外(胆管細胞癌);膀胱癌;骨肉腫/悪性線維性組織
球腫;脳腫瘍(成人/小児);脳腫瘍、小脳星状細胞腫(成人/小児);脳腫瘍、脳星状細胞腫/悪
性神経膠腫脳腫瘍;脳腫瘍、上衣腫;脳腫瘍、髄芽腫;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性
腫瘍;脳腫瘍、視経路及び視床下部神経膠腫;脳幹神経膠腫;乳癌;気管支腺腫/カルチノイ
ド;気管支腫瘍;バーキットリンパ腫;小児癌;カルチノイド胃腸腫瘍;カルチノイド腫瘍;成
人の癌、原発部位不明;原発不明癌;中枢神経系胎児性腫瘍;中枢神経系リンパ腫、原発性;
子宮頸癌;小児副腎皮質癌;小児癌;小児大脳星状細胞腫;脊索腫、小児;慢性リンパ性白血
病;慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia);慢性骨髄性白血病(chronic myelo
id leukemia);慢性骨髄増殖性障害;結腸癌;結腸直腸癌;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;
線維形成性小円形細胞腫瘍;肺気腫;子宮内膜癌;上衣芽腫;上衣腫;食道癌;ユーイングファ
ミリー腫瘍におけるユーイング肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;胆
嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;胃カルチノイド;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質
腫瘍;胚細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣妊娠性絨毛腫瘍;妊娠性絨毛腫瘍、原発部位
不明;神経膠腫;脳幹の神経膠腫;神経膠腫、小児視経路及び視床下部;有毛細胞白血病;頭
頸部癌;心臓癌;肝細胞(肝臓)癌;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部及び視経路神経膠
腫;眼内黒色腫;膵島細胞癌(内分泌膵臓);カポジ肉腫;腎臓癌(腎細胞癌);ランゲルハンス
細胞組織球症;喉頭癌;口唇及び口腔癌;脂肪肉腫;肝臓癌(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、
小細胞;リンパ腫、原発中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンストレーム;男性の
乳癌;骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫;髄芽腫;髄上皮腫;黒色腫;黒色腫、眼内(眼);メル
ケル細胞癌;メルケル細胞皮膚癌;中皮腫;中皮腫、成人悪性;原発不明転移性扁平上皮頸部
癌;口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症、骨髄異形
成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、成人急性;骨
髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性(骨髄の癌);骨髄増殖性障害、慢性;鼻腔及び副鼻
腔癌;鼻咽頭癌;神経芽腫、非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫;乏突起神経膠腫;口腔癌(or
al cancer);口腔癌(oral cavity cancer);中咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵
巣癌;卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍);卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌
、膵島細胞;乳頭腫症;副鼻腔及び鼻腔の癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;松果
体星状細胞腫;松果体胚細胞腫;中間分化の松果体実質腫瘍;松果体芽腫及びテント上原始
神経外胚葉性腫瘍;下垂体腫瘍;下垂体腺腫;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;原発
性中枢神経系リンパ腫;前立腺癌;直腸癌;腎細胞癌(腎臓癌);腎盂及び尿管、移行上皮癌;
第15番染色体上のNUT遺伝子が関与する気道癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌
;肉腫、ユーイングファミリー腫瘍;セザリー症候群;皮膚癌(黒色腫);皮膚癌(非黒色腫);
小細胞肺癌;小腸癌軟部組織肉腫;軟部組織肉腫;脊髄腫瘍;扁平上皮癌;原発不明転移性扁
平上皮頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;テント上原始神経外胚葉性腫瘍; T細胞リン
パ腫、皮膚(菌状息肉腫及びセザリー症候群);精巣癌;咽喉癌;胸腺腫;胸腺腫及び胸腺癌;
甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂及び尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌、子宮内膜;子宮肉
腫;膣癌;外陰癌;及びウィルムス腫瘍から選択される新生物性疾患を患っているか、それ
を起こしやすいか、又はそのリスクに曝されている。
【0380】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝さ
れている任意の年齢層の対象に投与される。具体的な実施態様において、本明細書に提供
される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子
又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤は、免疫系不全を有する対象、妊娠
している対象、臓器もしくは骨髄移植を受けている対象、免疫抑制薬を服用している対象
、血液透析を受けている対象、癌を有する対象、又は新生物性疾患を患っているか、それ
を起こしやすいか、もしくはそのリスクに曝されている対象に投与される。より具体的な
実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性
断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤
は、新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝されてい
る0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17歳の小児である
対象に投与される。さらに別の具体的な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗
原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成
物及び本明細書に提供される化学療法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起こし
やすいか、又はそのリスクに曝されている幼児である対象に投与される。さらに別の具体
的な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗
原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療
法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又はそのリスクに曝され
ている0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12カ月齢の幼児である対象に投与さ
れる。さらに別の具体的な実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細
書に提供される化学療法剤は、新生物性疾患を患っているか、それを起こしやすいか、又
はそのリスクに曝されている高齢対象に投与される。より具体的な実施態様において、本
明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナ
ウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤は、65、66、67、68、
69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、
89、又は90歳の高齢者対象である対象に投与される。本明細書に提供されるのは、新生物
性疾患を起こしやすいか又はそのリスクに曝されている対象の癌を予防する方法である。
【0381】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、癌転移のリスクが高まっている対象に投与される。具体的な実施態様において
、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するア
レナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤は、新生児の、そ
れゆえ、未成熟な免疫系を有する、新生児期の対象に投与される。
【0382】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、悪性度0(すなわち、上皮内新生物)、悪性度1、悪性度2、悪性度3、もしくは悪
性度4の癌、又はこれらの下位カテゴリー、例えば、悪性度3A、3B、もしくは3C、又はそ
の相当物を有する対象に投与される。
【0383】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、腫瘍T1、T2、T3、及びT4、並びに結節N0、N1、N2、又はN3、並びに転移M0及び
M1から選択される任意の組合せの腫瘍、結節、転移(TNM)ステージの癌を有する対象に投
与される。
【0384】
癌患者の治療の成功は、予想生存率の延長、抗腫瘍免疫応答の誘導、又は癌の特定の特
徴の改善として評価することができる。改善され得る癌の特徴の例としては、腫瘍径(例
えば、T0、T is、又はT1~4)、転移の状態(例えば、M0、M1)、観測可能な腫瘍の数、結節
病変(例えば、N0、N1~4、Nx)、悪性度(すなわち、悪性度1、2、3、又は4)、ステージ(例
えば、0、I、II、III、又はIV)、細胞表面又は体液中の特定のマーカー(例えば、AFP、B2
M、β-HCG、BTA、CA 15-3、CA 27.29、CA 125、CA 72.4、CA 19-9、カルシトニン、CEA、
クロモグラニンA、EGFR、ホルモン受容体、HER2、HCG、免疫グロブリン、NSE、NMP22、PS
A、PAP、PSMA、S-100、TA-90、及びサイログロブリン)の存在又は濃度、及び/或いは関連
する病的状態(例えば、腹水もしくは浮腫)又は症状(例えば、悪液質、発熱、食欲不振、
もしくは疼痛)が挙げられる。この改善は、百分率で測定可能な場合、少なくとも5、10、
15、20、25、30、40、50、60、70、80、又は90%であることができる(例えば、生存、又
は腫瘍の容積もしくは線寸法)。
【0385】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、休止状態の癌を有する対象(例えば、対象は寛解期にある)に投与される。した
がって、本明細書に提供されるのは、癌の再活性化を予防する方法である。また本明細書
に提供されるのは、癌の再発の頻度を低下させる方法である。
【0386】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、再発癌を有する対象に投与される。
【0387】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、癌の遺伝的素質を有する対象に投与される。別の実施態様において、本明細書
に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナウイル
ス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学療法剤は、リスク因子を有する対象
に投与される。例示的なリスク因子としては、加齢、タバコ、日光曝露、放射線曝露、化
学物質曝露、家族歴、アルコール、貧しい食生活、身体活動の欠如、又は肥満が挙げられ
る。
【0388】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、1種類以上の癌を患っている対象に投与される。他の実施態様において、本明
細書に記載される組成物による治療の影響を受けやすい、任意のタイプの新生物性疾患、
例えば、癌を標的とし得る。
【0389】
別の実施態様において、提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片
を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物を対象に投与することにより、新生物性細
胞又は腫瘍、例えば、癌細胞又は腫瘍に対する細胞性免疫(CMI)が付与される。理論によ
って束縛されるものではないが、別の実施態様において、提供される腫瘍抗原、腫瘍関連
抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物は、主要組
織適合複合体(MHC)クラスI及びIIに対する抗原の直接提示のために、宿主の抗原提示細胞
(APC)(例えば、マクロファージ)に感染し、対象となる抗原を発現する。別の実施態様に
おいて、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現
するアレナウイルス粒子感染性複製欠損性アレナウイルス粒子又はその組成物を対象に投
与することにより、複数機能性のIFN-γ及びTNF-αを同時に産生する規模の大きい癌特異
的CD4+及びCD8+ T細胞応答が誘導され、新生物性疾患が治療される(IFN-γは、CD4+及びC
D8+ T細胞によって産生され、TNF-αはCD4+ T細胞によって産生される)。
【0390】
別の実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤を投与することにより、癌治療の1以上の臨床転帰が増大し又は改善される。その
ような転帰の非限定的な例は、全生存率、無増悪生存率、無増悪期間、治療成功期間、無
事象生存率、次の治療までの期間、全奏効率、及び奏効期間である。臨床転帰のうちの1
つ又は複数の増大又は改善は、そのような治療の非存在下の同じ新生物性疾患を有する患
者又は患者群と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少
なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも
約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%であるか、又はそれを
上回るものであることができる。
【0391】
対象において、提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現す
るアレナウイルス粒子又はその組成物を投与することにより誘導される、癌細胞又は腫瘍
を含む、新生物性細胞又は腫瘍に対する細胞性免疫(CMI)応答機能の変化は、限定されな
いが、フローサイトメトリー(例えば、Perfetto S.P.らの文献、Nat Rev Immun. 2004;
4(8):648-55を参照)、白血球増殖アッセイ(例えば、Bonilla F.A.らの文献、Ann Allergy
Asthma Immunol. 2008; 101:101-4;及びHicks M.J.らの文献、Am J Clin Pathol. 1983;
80:159-63を参照)、活性化後の表面マーカー発現の変化の決定又はTリンパ球のサイトカ
インの測定を含むリンパ球活性化を測定するアッセイ(例えば、Caruso A.らの文献、Cyto
metry. 1997;27:71-6を参照)、ELISPOTアッセイ(例えば、Czerkinsky C.C.らの文献、J I
mmunol Methods. 1983; 65:109-121;及びHutchings P.R.らの文献、J Immunol Methods.
1989; 120:1-8を参照)、又はナチュラルキラー細胞細胞傷害性アッセイ(例えば、Bonilla
F.A.らの文献、Ann Allergy Asthma Immunol. 2005 May; 94(5 Suppl 1):S1-63を参照)
を含む、当業者に公知の任意のアッセイによって測定することができる。
【0392】
本明細書に記載される化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)、白
金系治療剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、インターカレ
ート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せであることが
できる。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、
アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様に
おいて、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチ
ン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロ
ナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、ノブエンビキン
、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダ
ムスチン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムス
チン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、ストレプトズシン(s
treptozucin)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サト
ラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミ
トゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリ
スチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリ
ケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキサルビシン(doxarubicin)、ダウノ
ルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドー
パ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、
トリエチレンホスホラミド(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(
triethiylenethiophosphoramide)、トリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)、ブ
ラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン
、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチ
ン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サ
ルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノ
スタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン
、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリ
ン、クロモマイシニス(chromomycinis)、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイ
シン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノー
ル酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiro
mycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレ
プトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセー
ト、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、
フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザ
シチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフ
ルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノ
ロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン
、フロリン酸(frolinic acid)、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノ
レブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホ
ファミン、デメコルシン、ジアジコン、エルフォルミチン(elformithine)、酢酸エリプチ
ニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、
メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダンモール(mopidanmol)、ニトラエ
リン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン
酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、ス
ピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミ
ン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン
、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、ア
ラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド
、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例
えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(difluo
rometlhylornithine)(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリコマイシン(plicomycin
)、ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬
として許容し得る塩、酸、又は誘導体のうちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様に
おいて、該化学療法剤は、シクロホスファミドを含む。ある実施態様において、該窒素マ
スタードは、メクロレタミン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イ
ホスファミド、又はブスルファンである。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAを
アルキル化する。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(
「ICL」)の形成をもたらす。
【0393】
ある実施態様において、本明細書に記載される化学療法剤は、負のチェックポイントレ
ギュレーターの活性を阻害するか、低下させるか、又は妨害する免疫チェックポイントイ
ンヒビターと組み合わせて使用される。ある実施態様において、該負のチェックポイント
レギュレーターは、細胞傷害性T-リンパ球抗原-4(CTLA-4)、CD80、CD86、プログラム細胞
死1(PD-1)、プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、プログラム細胞死リガンド2(PD-L2)、
リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3;別名、CD223)、ガレクチン-3、B及びTリンパ球アテニュ
エーター(BTLA)、T細胞膜タンパク質3(TIM3)、ガレクチン-9(GAL9)、B7-H1、B7-H3、B7-H
4、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT/Vstm3/WUCAM/VSIG9)、T細胞活性
化のV-ドメインIgサプレッサー(VISTA)、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体
関連(GITR)タンパク質、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)、OX40、CD27、CD28
、CD137、CGEN-15001T、CGEN-15022、CGEN-15027、CGEN-15049、CGEN-15052、並びにCGEN
-15092からなる群から選択される。ある実施態様において、該免疫チェックポイントイン
ヒビターは抗PD-1抗体である。
【0394】
ある実施態様において、本明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその
抗原性断片を発現するアレナウイルス粒子又はその組成物及び本明細書に提供される化学
療法剤は、好ましくは、複数回の注射(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10
、12、14、16、18、20、25、30、40、45、もしくは50回の注射)で又は複数の部位(例えば
、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、12、もしくは14の部位)で
の(例えば、ポンプを使用する)連続注入によって投与される。ある実施態様において、本
明細書に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナ
ウイルス粒子又はその組成物は、2回以上の別々の注射で、6カ月の期間、12カ月の期間、
24カ月の期間、又は48カ月の期間をかけて投与される。ある実施態様において、本明細書
に提供される腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、もしくはその抗原性断片を発現するアレナウイル
ス粒子又はその組成物は、1回目の投与を選ばれた日に、2回目の投与を1回目の投与から
少なくとも2カ月後に、3回目の投与を1回目の投与から6カ月後にして投与される。
【0395】
1つの例において、皮膚注射を複数の身体部位で行って、局所皮膚反応の度合いを軽減
する。所与のワクチン接種日に、患者は、1本の注射器から投与される割り当てられた総
用量を、該用量の3~5回の別々の皮内注射(例えば、少なくとも0.4ml、0.2ml、又は0.1ml
)で、針の侵入地点において最も近接する注射部位から各々少なくとも約5cm(例えば、少
なくとも4.5、5、6、7、8、9、又はcm)の間隔を空けて、四肢に受容する。次のワクチン
接種日に、注射部位を時計回り又は反時計回りで異なる手足に回転させる。
【0396】
ある実施態様において、本方法は、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子と化学療
法剤の共投与を含む。ある実施態様において、該共投与は同時的である。別の実施態様に
おいて、該アレナウイルス粒子は、該化学療法剤の投与前に投与される。他の実施態様に
おいて、該アレナウイルス粒子は、該化学療法剤の投与後に投与される。ある実施態様に
おいて、該アレナウイルス粒子と該化学療法剤の投与間隔は、約1時間、約2時間、約3時
間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、又
は約12時間である。ある実施態様において、該アレナウイルス粒子と該化学療法剤の投与
間隔は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約8日、約9日、約10日
、約11日、約12日、約13日、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、
約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間である。ある実施態様において、該ア
レナウイルス粒子と該化学療法剤の投与間隔は、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約4カ月、
約5カ月、又は約6カ月である。いくつかの実施態様において、本方法は、少なくとも1つ
の追加の療法を投与することをさらに含む。
【0397】
別の実施態様において、2つのアレナウイルス粒子は、特に: 1:1の比、1:2の比、1:5の
比、1:10の比、1:20の比、1:50の比、1:100の比、1:200の比、1:300の比、1:400の比、1:
500の比、1:600の比、1:700の比、1:800の比、1:900の比、1:1000の比を含む、約1:1~1:
1000の範囲に及ぶモル比の治療レジメンで投与される。
【0398】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、新生物性疾患を治療する方法であ
って、第一のアレナウイルス粒子がまず「初回免疫」として投与され、第二のアレナウイ
ルス粒子が「追加免疫」として投与される、方法である。第一及び第二のアレナウイルス
粒子は、同じ又は異なる腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現することが
できる。その代わりに、又はさらに、いくつかのある実施態様において、「初回免疫」及
び「追加免疫」投与は、異なる種に由来するアレナウイルス粒子を用いて行われる。ある
具体的な実施態様において、「初回免疫」投与は、LCMVに由来するアレナウイルス粒子を
用いて行われ、「追加免疫」は、フニンウイルスに由来するアレナウイルス粒子を用いて
行われる。ある具体的な実施態様において、「初回免疫」投与は、フニンウイルスに由来
するアレナウイルス粒子を用いて行われ、「追加免疫」は、LCMVに由来するアレナウイル
ス粒子を用いて行われる。ある実施態様において、「初回免疫」投与は、ピチンデウイル
スに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われ、「追加免疫」は、LCMVに由来するアレ
ナウイルス粒子を用いて行われる。ある実施態様において、「初回免疫」投与は、ピチン
デウイルスに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われ、「追加免疫」は、フニンウイ
ルスに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われる。ある実施態様において、「初回免
疫」投与は、LCMVに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われ、「追加免疫」は、ピチ
ンデウイルスに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われる。ある実施態様において、
「初回免疫」投与は、フニンウイルスに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われ、「
追加免疫」は、ピチンデウイルスに由来するアレナウイルス粒子を用いて行われる。ある
実施態様において、「初回免疫」投与及び/又は「追加免疫」投与は、免疫調節性ペプチ
ド、ポリペプチド、又はタンパク質の投与と組み合わせて行われる。ある実施態様におい
て、「初回免疫」投与及び/又は「追加免疫」投与は、化学療法剤の投与と組み合わせて
行われる。
【0399】
ある実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第一
のアレナウイルス粒子を投与し、その後、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片
を発現する第二のアレナウイルス粒子を投与することにより、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、
又はその抗原性断片を発現する単一のアレナウイルス粒子を投与するよりも大きい抗原特
異的CD8+ T細胞応答がもたらされる。ある実施態様において、該抗原特異的CD8+ T細胞数
は、第一の投与と比較して、第二の投与の後、50%、100%、150%、又は200%増加する
。ある実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第三
のアレナウイルス粒子を投与することにより、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性
断片を発現する2つの連続したアレナウイルス粒子を投与するよりも大きい抗原特異的CD8
+ T細胞応答がもたらされる。ある実施態様において、該抗原特異的CD8+ T細胞数は、第
一の投与と比較して、第三の投与の後、約50%、約100%、約150%、約200%、又は約250
%増加する。
【0400】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、新生物性疾患を治療する方法であ
って、2以上のアレナウイルス粒子を投与することを含み、ここで、該2以上のアレナウイ
ルス粒子が相同であり、かつ各投与間の時間間隔が、約1週間、約2週間、約3週間、約4週
間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約3カ月、約4カ月、約5カ月、約6カ月、約7
カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、約12カ月、約18カ月、又は約24カ月であ
る、方法である。
【0401】
ある実施態様において、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第一
のアレナウイルス粒子及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片を発現する第二
の非相同なアレナウイルス粒子を投与することにより、腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はそ
の抗原性断片を発現する第一のアレナウイルス粒子及び腫瘍抗原、腫瘍関連抗原、又はそ
の抗原性断片を発現する第二の相同なアレナウイルス粒子を投与するよりも大きいCD8+ T
細胞応答が誘発される。
【0402】
(g)組成物、投与、及び投薬量
ある実施態様において、本明細書に提供されるアレナウイルス粒子を含む免疫原性組成
物(例えば、ワクチン製剤)及び医薬組成物は、本明細書に提供される方法及び組成物、例
えば、本明細書に提供される化学療法剤との組合せとともに使用することができる。その
ようなワクチン、免疫原性組成物、及び医薬組成物は、当技術分野の標準的な手順に従っ
て製剤化することができる。
【0403】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される感染性複製
欠損性アレナウイルス粒子、及びある実施態様においては、本明細書に提供される化学療
法剤を含む組成物である。そのような組成物は、新生物性疾患を治療する方法において使
用することができる。別の具体的な実施態様において、本明細書に提供される免疫原性組
成物を用いて、該組成物が投与される宿主で免疫応答を誘導することができる。本明細書
に記載される免疫原性組成物は、ワクチンとして使用することができ、それに応じて、医
薬組成物として製剤化することができる。具体的な実施態様において、本明細書に記載さ
れる免疫原性組成物は、対象(例えば、ヒト対象)の新生物性疾患の治療において使用され
る。他の実施態様において、該ワクチン、免疫原性組成物、又は医薬組成物は、動物及び
/又はヒトへの投与に好適である。
【0404】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるアレナウイ
ルス粒子(又は異なるアレナウイルス粒子の組合せ)を含む免疫原性組成物である。ある実
施態様において、そのような免疫原性組成物は、医薬として許容し得る賦形剤をさらに含
む。ある実施態様において、そのような免疫原性組成物はアジュバントをさらに含む。本
明細書に記載される組成物と組み合わせて投与するためのアジュバントは、該組成物の投
与前、該投与と同時、又は該投与後に投与することができる。いくつかの実施態様におい
て、「アジュバント」という用語は、本明細書に記載される組成物と併せて又はその一部
として投与された場合、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子に対する免疫応答を強化し
、増強し、及び/又は亢進するが、該化合物が単独で投与された場合には、感染性複製欠
損性アレナウイルス粒子に対する免疫応答を発生させない化合物を指す。いくつかの実施
態様において、該アジュバントは、感染性複製欠損性アレナウイルス粒子に対する免疫応
答を発生させ、アレルギー又は他の有害反応を生じさせない。アジュバントは、例えば、
リンパ球動員、B及び/又はT細胞の刺激、並びにマクロファージの刺激を含む、いくつか
のメカニズムによって免疫応答を増強することができる。本発明のワクチン又は免疫原性
組成物がアジュバントを含むか又は1以上のアジュバントと一緒に投与される場合、使用
することができるアジュバントとしては、無機塩アジュバント又は無機塩ゲルアジュバン
ト、粒子状アジュバント、微粒子状アジュバント、粘膜アジュバント、及び免疫刺激アジ
ュバントを挙げることができるが、これらに限定されない。アジュバントの例としては、
アルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、及び
硫酸アルミニウム)、3 De-O-アシル化モノホスホリルリピドA(MPL)(GB 2220211号を参照)
、MF59(Novartis)、AS03(GlaxoSmithKline)、AS04(GlaxoSmithKline)、ポリソルベート80
(Tween 80; ICL Americas社)、イミダゾピリジン化合物(国際公開WO2007/109812として公
開された国際出願PCT/US2007/064857号を参照)、イミダゾキノキサリン化合物(国際公開W
O2007/109813として公開された国際出願PCT/US2007/064858号を参照)、及びQS21などのサ
ポニン(Kensilらの文献、ワクチン設計:サブユニット及びアジュバントアプローチ(Vacci
ne Design: The Subunit and Adjuvant Approach)(Powell及びNewman編、Plenum Press,
NY, 1995);米国特許第5,057,540号を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。いく
つかの実施態様において、該アジュバントは、フロイントアジュバント(完全又は不完全)
である。他のアジュバントは、モノホスホリルリピドAなどの免疫刺激剤と任意に組み合
わせた水中油型エマルジョン(例えば、スクアレン又はピーナッツ油)である(Stouteらの
文献、N. Engl. J. Med. 336, 86-91(1997)を参照)。
【0405】
該組成物は、単独で又は医薬として許容し得る担体及び/もしくは化学療法剤と一緒に
、本明細書に記載される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を含む。遺伝子改変アレナ
ウイルス粒子の懸濁液又は分散液、とりわけ、等張水性懸濁液又は分散液を使用すること
ができる。該医薬組成物は滅菌することができ、かつ/或いは賦形剤、例えば、防腐剤、
安定剤、湿潤剤、並びに/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩、及び/もし
くは緩衝剤を含むことができ、それ自体公知の様式で、例えば、従来の分散及び懸濁プロ
セスによって調製される。ある実施態様において、そのような分散液又は懸濁液は、粘度
調節剤を含むことができる。該懸濁液又は分散液は、約2~8℃の温度で保持されるか、又
は長期保存については優先的に、凍結し、その後、使用直前に解凍することができる。注
射については、ワクチン又は免疫原性調製物は、水性溶液中で、好ましくは、ハンクス溶
液、リンガー溶液、又は生理食塩水緩衝液などの生理的に適合性のある緩衝液中で製剤化
することができる。該溶液は、懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤などの製剤化剤を含有
することができる。
【0406】
ある実施態様において、本明細書に記載される組成物は、防腐剤、例えば、水銀誘導体
のチメロサールをさらに含む。具体的な実施態様において、本明細書に記載される医薬組
成物は、0.001%~0.01%のチメロサールを含む。他の実施態様において、本明細書に記
載される医薬組成物は、防腐剤を含まない。
【0407】
該医薬組成物は、約103~約1011フォーカス形成単位の遺伝子改変アレナウイルスを含
む。非経口投与のための単位用量形態は、例えば、アンプル又はバイアル、例えば、約10
3~1010フォーカス形成単位又は105~1015個の物理的粒子の遺伝子改変アレナウイルス粒
子を含有するバイアルである。
【0408】
別の実施態様において、本明細書に提供されるワクチン又は免疫原性組成物は、限定さ
れないが、経口、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、局所、皮下、経皮、鼻腔内、及び吸入
経路を含む経路によって、並びにスカリフィケーション(例えば、二股針を用いて、皮膚
の最上層から傷を付けること)によって、対象に投与される。具体的には、皮下、筋肉内
、又は静脈内経路を使用することができる。
【0409】
鼻腔内への又は吸入による投与のために、本発明による使用のための調製物は、好適な
噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテト
ラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の好適なガスを用いて、加圧パック又はネブライ
ザーからエアロゾルスプレー提示の形態で好都合に送達することができる。加圧エアロゾ
ルの場合、投薬量単位は、定量を送達するためのバルブを提供することにより決定するこ
とができる。吸入器又は送気器において使用するための、例えば、ゼラチンのカプセル及
びカートリッジは、化合物とラクトース又はデンプンなどの好適な粉末基剤の粉末混合物
を含めて製剤化することができる。
【0410】
活性成分の投薬量は、ワクチン接種の種類によって、並びに対象並びにその年齢、体重
、個々の状態、個々の薬物動態データ、及び投与様式によって決まる。
【0411】
ある実施態様において、該組成物は、治療有効量のアレナウイルス粒子及び/又は治療
有効量の化学療法剤を含む単一投薬量で患者に投与することができる。いくつかの実施態
様において、該アレナウイルス粒子は、各々治療有効量のアレナウイルス粒子及び化学療
法剤を含む単一用量で患者に投与することができる。
【0412】
ある実施態様において、該組成物は、単一用量として患者に投与され、続いて、3~6週
間後に第二の用量で投与される。これらの実施態様によれば、追加免疫接種は、第二の接
種後6~12カ月の間隔で対象に投与することができる。ある実施態様において、追加免疫
接種は、異なるアレナウイルス粒子又はその組成物を利用することができる。いくつかの
実施態様において、本明細書に記載される同じ組成物の投与を繰り返し、少なくとも1日
、2日、3日、4日、5日、10日、15日、30日、45日、2カ月、75日、3カ月、又は少なくとも
6カ月間隔を空けることができる。
【0413】
ある実施態様において、アレナウイルス粒子を含むワクチン、免疫原性組成物、又は医
薬組成物は、生ワクチンとして使用することができる。生アレナウイルス粒子の例示的な
用量は、用量当たり10~100PFU、又はそれより多くの生ウイルスと様々であり得る。いく
つかの実施態様において、アレナウイルス粒子又は3セグメント型アレナウイルス粒子の
好適な投薬量は、102、5×102、103、5×103、104、5×104、105、5×105、106、5×106
、107、5×107、108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011、5×1011
又は1012pfuであり、対象に、必要なだけ間隔を空けて1回、2回、3回、又はそれより多く
の回数投与することができる。別の実施態様において、生アレナウイルスは、0.2mLの用
量が106.5~107.5蛍光フォーカス単位の生アレナウイルス粒子を含有するように製剤化さ
れる。別の実施態様において、不活化ワクチンは、それが約15μg~約100μg、約15μg~
約75μg、約15μg~約50μg、又は約15μg~約30μgのアレナウイルスを含有するように
製剤化される。
【0414】
また提供されるのは、アレナウイルス粒子及び化学療法剤を活性成分として含む医薬調
製物の形態のワクチンの製造のためのプロセス並びにアレナウイルス粒子及び化学療法剤
の使用である。またさらに提供されるのは、本明細書に記載される新生物性疾患の治療に
おいて使用するための本明細書に提供されるアレナウイルス粒子と本明細書に提供される
化学療法剤の組合せである。ある実施態様において、該組合せは、同じ医薬組成物中にあ
る。ある実施態様において、該組合せは、例えば、アレナウイルス粒子及び化学療法剤が
別々に投与されることになっている場合、同じ医薬組成物中にない。本出願の医薬組成物
は、それ自体公知の様式で、例えば、従来の混合及び/又は分散プロセスによって調製さ
れる。
【0415】
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される方法を実施するために使用する
ことができる キットである。ある実施態様において、本明細書に提供されるキットは、1
以上の容器を含むことができる。これらの容器は、保存のために、本明細書に提供される
組成物(例えば、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物)を入れることができ
る。またキットに含まれるのは、使用説明書である。これらの説明書は、その中に含まれ
る組成物を使用するための治療プロトコルを十分に詳しく記載している。例えば、該説明
書は、新生物性疾患を治療する方法についての、本明細書に提供される投与(dosing)及び
投与(administration)説明書を含むことができる。
【0416】
ある実施態様において、本明細書に提供されるキットは、各々が本明細書に記載される
方法を実施するための活性成分を含有する容器を含む。したがって、ある実施態様におい
て、本明細書に提供されるキットは、2以上の容器及び使用説明書を含み、ここで、該容
器のうちの1つは、本明細書に提供される感染性複製欠損性アレナウイルス粒子を含み、
別の容器は、本明細書に提供される化学療法剤を含む。
【0417】
(h)アッセイ
(i)アレナウイルス検出アッセイ
当業者であれば、当技術分野で公知の技法を用いて、本明細書に記載されるアレナウイ
ルスゲノムセグメント又は3セグメント型アレナウイルス粒子を検出することができるで
あろう。例えば、RT-PCRをアレナウイルスに特異的なプライマーとともに用いて、ORFの
野生型位置以外の位置にORFを担持するように改変されているアレナウイルスゲノムセグ
メント、又は3セグメント型アレナウイルス粒子を検出及び定量することができる。ウェ
スタンブロット、ELISA、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降、免疫細胞化学、又はFACSと
組み合わせた免疫細胞化学を用いて、該アレナウイルスゲノムセグメント又は3セグメン
ト型アレナウイルス粒子の遺伝子産物を定量することができる。
【0418】
(ii)感染力を測定するためのアッセイ
当業者に公知の任意のアッセイを、アレナウイルスベクター調製物の感染力を測定する
ために使用することができる。例えば、ウイルス/ベクター力価の決定は、「フォーカス
形成単位アッセイ」(FFUアッセイ)によって行うことができる。簡潔に述べると、相補細
胞、例えば、MC57細胞をプレーティングし、ウイルス/ベクター試料の様々な希釈物を接
種する。インキュベーション期間の後、細胞に単層を形成させ、ウイルスを細胞に付着さ
せるために、単層をメチルセルロースで覆う。プレートをさらにインキュベートすると、
もとの感染した細胞はウイルス子孫を放出する。メチルセルロースが重層されるため、新
しいウイルスの拡散は、隣接する細胞に制限される。結果として、各々の感染性粒子は、
フォーカスと呼ばれる感染した細胞の円形のゾーンを生じさせる。そのようなフォーカス
を、LCMV-NP又はアレナウイルス粒子もしくは3セグメント型アレナウイルス粒子によって
発現される別のタンパク質に対する抗体及びHRPベースの呈色反応を用いて可視化し、そ
れにより、計数可能にすることができる。ウイルス/ベクターの力価は、1ミリリットル当
たりのフォーカス形成単位(FFU/mL)で計算することができる。
【0419】
(iii)アレナウイルス粒子の増殖
本明細書に記載されるアレナウイルス粒子の増殖は、当技術分野で公知の又は本明細書
に記載される任意の方法(例えば、細胞培養)によって評価することができる。ウイルス増
殖は、本明細書に記載されるアレナウイルス粒子の連続希釈物を細胞培養物(例えば、Ver
o細胞又はBHK-21細胞)に接種することにより決定することができる。ウイルスを規定の時
間インキュベーションした後、ウイルスを標準的な方法を用いて単離する。
【0420】
(iv)血清ELISA
動物(例えば、マウス、モルモット)のワクチン接種時の液性免疫応答の決定は、抗原特
異的血清ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)によって行うことができる。簡潔に述べると
、プレートを抗原(例えば、組換えタンパク質)でコーティングし、抗体の非特異的結合を
回避するためにブロッキングし、血清の連続希釈物とともにインキュベートする。インキ
ュベーション後、結合した血清抗体を、例えば、(全IgG又はIgGサブクラスを検出する)酵
素結合抗種(例えば、マウス、モルモット)特異的抗体及びその後の呈色反応を用いて検出
することができる。抗体力価は、例えば、終点幾何平均力価として決定することができる

捕捉剤がビーズに架橋される免疫捕捉ELISA(IC-ELISA)を実施することもできる(Shanmu
ghamらの文献、2010, Clin. Vaccine Immunol. 17(8):1252-1260を参照)。
【0421】
(v)誘導抗体の中和活性を測定するためのアッセイ
血清中の中和抗体の決定は、ATCCから得たARPE-19細胞とGFPタグ化ウイルスとを用いる
以下の細胞アッセイを用いて行う。さらに、外因性補体の源としての補助モルモット血清
を使用する。このアッセイは、中和に使用する1日又は2日前に、384ウェルプレートに6.5
×103細胞/ウェル(50μl/ウェル)を播種することにより開始する。中和は、細胞を含まな
い96ウェル滅菌組織培養プレート中、37℃で1時間行う。中和インキュベーション工程の
後、混合物を細胞に添加し、プレートリーダーによるGFP検出のために、さらに4日間イン
キュベートする。陽性の中和ヒト血清を各々のプレートでアッセイ陽性対照として用いて
、全ての結果の信頼性を確認する。力価(EC50)を4パラメータロジスティック曲線フィッ
ティングを用いて決定する。追加の検査として、ウェルを蛍光顕微鏡で確認する。
【0422】
(A)プラーク減少アッセイ
簡潔に述べると、LCMVについてのプラーク減少(中和)アッセイを、緑色蛍光タンパク質
がタグ付けされている複製可能又は複製欠損性LCMVを用いて行い、5%ウサギ血清を外因
性補体の源として使用することができ、プラークを蛍光顕微鏡観察によって数え上げるこ
とができる。中和力価を、対照(免疫前)血清試料における希釈と比較して、プラークの50
%、75%、90%、又は95%減少をもたらす血清の最大希釈と定義することができる。qPCR
LCMV RNAゲノムを、製造元によって提供されるプロトコルに従って、QIAamp Viral RNA
ミニキット(QIAGEN)を用いて単離する。LCMV RNAゲノム相当物を、SuperScript(登録商標
) III Platinum(登録商標) One-Step qRT-PCRキット(Invitrogen)並びにLCMV NPコード領
域又はアレナウイルス粒子もしくは3セグメント型アレナウイルス粒子の別のゲノムスト
レッチの一部に特異的なプライマー及びプローブ(FAMレポーター及びNFQ-MGBクエンチャ
ー)を用いるStepOnePlusリアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)で実施される定
量的PCRによって検出する。反応の温度プロファイルは: 60℃で30分、95℃で2分の後、95
℃で15秒、56℃で30秒を45サイクルである。RNAを、試料の結果と、プライマー及びプロ
ーブ結合部位を含むLCMV NPコード配列又はアレナウイルス粒子もしくは3セグメント型ア
レナウイルス粒子の別のゲノムストレッチの断片に対応する、分光光学的に定量されたイ
ンビトロ転写RNA断片のlog10希釈系列から作成された標準曲線との比較によって定量する
【0423】
(B)モルモット肺線維芽細胞(GPL)細胞における中和アッセイ
簡潔に述べると、試験血清及び対照(ワクチン接種前)血清の連続希釈物を、補助ウサギ
血清(1%)を外因性補体の源として含むGPL完全培地中で調製した。希釈系列は、1:40から
1:5120に及んだ。血清希釈物をeGFPタグ化ウイルス(1ウェル当たり100~200pfu)とともに
37℃で30分間インキュベートし、その後、コンフルエントなGPL細胞を含む12ウェルプレ
ートに移した。試料を3連で処理した。37℃で2時間のインキュベーションの後、細胞をPB
Sで洗浄し、GPL完全培地を再供給し、37℃/5%CO2で5日間インキュベートした。プラーク
を蛍光顕微鏡観察により可視化し、計数し、対照ウェルと比較した。対照と比較してプラ
ーク数の50%減少をもたらすその血清希釈を中和力価と表した。
【0424】
(C)ウェスタンブロッティング
組織培養フラスコ中又は懸濁下で増殖させた感染細胞を、表示された感染後の時点でRI
PA緩衝液(Thermo Scientific)を用いて溶解させるか、又は細胞溶解なしでそのまま使用
する。試料を還元剤及びNuPage LDS試料緩衝液(NOVEX)とともに99℃に10分間加熱し、室
温に冷却した後、電気泳動のために4-12%SDS-ゲルに充填する。タンパク質を、Invitrog
ens iBlot Gel転写装置を用いて膜上にブロッティングし、ポンソー染色によって可視化
する。最後に、調製物を対象となるタンパク質に対する一次抗体及びアルカリホスファタ
ーゼコンジュゲート二次抗体でプロービングし、その後、1-Step NBT/BCIP溶液(INVITROG
EN)で染色する。
【0425】
(D)抗原特異的CD8+ T細胞増殖の検出のためのMHC-ペプチド多量体染色アッセイ
当業者に公知の任意のアッセイを用いて、抗原特異的CD8+ T細胞応答を試験することが
できる。例えば、MHC-ペプチド四量体染色アッセイを使用することができる(例えば、Alt
man J.D.らの文献、Science. 1996; 274:94-96;及びMurali-Krishna K.らの文献、Immuni
ty. 1998; 8:177-187を参照)。簡潔に述べると、このアッセイは、以下の工程を含み、四
量体アッセイを用いて、抗原特異的T細胞の存在を検出する。T細胞がそれに対して特異的
なペプチドを検出するために、T細胞は、ペプチドと(通常、蛍光標識されている)抗原特
異的T細胞用の特別仕様のMHC分子の四量体の両方を認識しなければならない。その後、四
量体を、蛍光標識を介するフローサイトメトリーによって検出する。
【0426】
(E)抗原特異的CD4+ T細胞増殖の検出のためのELISPOTアッセイ
当業者に公知の任意のアッセイを用いて、抗原特異的CD4+ T細胞応答を試験することが
できる。例えば、ELISPOTアッセイを使用することができる(例えば、Czerkinsky C.C.ら
の文献、J Immunol Methods. 1983; 65:109-121;及びHutchings P.R.らの文献、J Immuno
l Methods. 1989; 120:1-8を参照)。簡潔に述べると、このアッセイは、以下の工程を含
む:免疫スポットプレートを抗サイトカイン抗体でコーティングする。細胞を免疫スポッ
トプレート中でインキュベートする。細胞はサイトカインを分泌し、その後、洗い落とさ
れる。その後、プレートを第二のビオチン化抗サイトカイン抗体でコーティングし、アビ
ジン-HRPシステムで可視化する。
【0427】
(F)CD8+及びCD4+ T細胞応答の機能性の検出のための細胞内サイトカインアッセイ
当業者に公知の任意のアッセイを用いて、CD8 +及びCD4+ T細胞応答の機能性を試験す
ることができる。例えば、フローサイトメトリーと組み合わせた細胞内サイトカインアッ
セイを使用することができる(例えば、Suni M.A.らの文献、J Immunol Methods. 1998; 2
12:89-98; Nomura L.E.らの文献、Cytometry. 2000; 40:60-68;及びGhanekar S.A.らの文
献、Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology. 2001; 8:628-63を参照)。簡潔に
述べると、このアッセイは、以下の工程を含む:特異的ペプチド又はタンパク質による細
胞の活性化、タンパク質輸送のインヒビター(例えば、ブレフェルジンA)を添加して、サ
イトカインを細胞内に保持する。定義された時間、典型的には5時間のインキュベーショ
ンの後洗浄を行い、他の細胞マーカーに対する抗体を細胞に添加することができる。その
後、細胞を固定し、透過処理する。抗サイトカイン抗体を添加し、細胞をフローサイトメ
トリーによって解析することができる。
【0428】
(G)ウイルスベクターの複製欠損を確認するためのアッセイ
感染性かつ複製可能なウイルス粒子の濃度を決定する当業者に公知の任意のアッセイを
用いて、試料中の複製欠損性ウイルス粒子を測定することもできる。例えば、非相補細胞
を用いるFFUアッセイをこの目的で使用することができる。
【0429】
さらに、プラークベースのアッセイは、ウイルス濃度をウイルス試料中のプラーク形成
単位(PFU)に換算して決定するために使用される標準的な方法である。具体的には、非相
補宿主細胞のコンフルエントな単層に様々な希釈のウイルスを感染させ、寒天などの半固
形培地で覆って、ウイルス感染が無制限に拡大するのを防ぐ。ウイルスが感染し、固定さ
れた細胞単層内の細胞でそれ自体を複製するのに成功すると、ウイルスプラークが形成さ
れる(例えば、Kaufmann, S.H.; Kabelitz, D.の文献(2002)、微生物学の方法(Methods in
Microbiology)、第32巻:感染の免疫学(Immunology of Infection)、Academic Press. IS
BN 0-12-521532-0を参照)。プラーク形成は、解析されているウイルスによって、2~14日
間かかることがある。プラークを大まかに手作業で計数し、その結果を、プレートを調製
するために使用した希釈係数と組み合わせて用いて、試料単位容量当たりのプラーク形成
単位の数(PFU/mL)を計算する。PFU/mLの結果は、試料中の感染性複製可能粒子の数を表す
。C-細胞を使用する場合、同じアッセイを用いて、複製欠損性アレナウイルス粒子又は3
セグメント型アレナウイルス粒子の力価を測定することができる。
【0430】
(vi)ウイルス抗原の発現についてのアッセイ
当業者に公知の任意のアッセイを、ウイルス抗原の発現を測定するために使用すること
ができる。例えば、FFUアッセイを実施することができる。検出のために、それぞれのウ
イルス抗原に対するモノクローナル又はポリクローナル抗体調製物を使用する(導入遺伝
子特異的FFU)。
【0431】
(vii)動物モデル
本明細書に記載されるアレナウイルス粒子の組換え及び感染力を調べるために、インビ
ボ動物モデルを使用することができる。ある実施態様において、3セグメント型アレナウ
イルス粒子の組換え及び感染力を調べるために使用することができる動物モデルとしては
、マウス、モルモット、ウサギ、及びサルが挙げられる。好ましい実施態様において、ア
レナウイルスの組換え及び感染力を調べるために使用することができる動物モデルとして
は、マウスが挙げられる。より具体的な実施態様において、アレナウイルス粒子の組換え
及び感染力を調べるために使用することができるマウスは、I型インターフェロン受容体
、II型インターフェロン受容体、及び組換え活性化遺伝子1(RAG1)の3つを欠損している。
【0432】
ある実施態様において、動物モデルを用いて、アレナウイルスの感染力及び導入遺伝子
の安定性を決定することができる。いくつかの実施態様において、ウイルスRNAは、動物
モデルの血清から単離することができる。技法は、当業者によって容易に理解される。ウ
イルスRNAを逆転写することができ、アレナウイルスORFを担持するcDNAを、遺伝子特異的
プライマーを用いてPCR増幅することができる。フローサイトメトリーを用いて、アレナ
ウイルスの感染力及び導入遺伝子の安定性を調べることもできる。
【0433】
(A)化学療法剤アッセイ
提案された化学療法剤の特性を評価することができるいくつかのアッセイが考案されて
いる。本明細書に開示される方法及び組成物を試験するために使用することができる腫瘍
モデルとしては、Colon26(CT26)、MC38(マウス結腸腺癌)、B16F10(B16)、ルイス肺(LLC)
、Madison109(Mad 109)、EMT-6(マウス乳癌)、4T1(4T1)(マウス乳癌)、HCmel3(マウス黒
色腫)、HgfxCDK4R24C/R24C(マウス黒色腫)、及び(RENCA)(マウス腎臓癌)が挙げられる。
【0434】
ある実施態様において、これらのモデル系において、「移植可能な腫瘍」は、齧歯類へ
の、例えば、成体雌マウスにおける、腫瘍細胞株の皮下接種(例えば、CT26、4T1、MAD109
、RENCA、LLC、もしくはB16)又は脳内接種(例えば、GL261、ONC26M4)によって作製するこ
とができる。腫瘍は、所定の時間間隔、例えば、数日間かけて発症し得る。これらの腫瘍
を、同系の免疫適格性齧歯類、例えば、マウスの系統で増殖させる。例えば、CT26、4T1
、MAD109、及びRENCAをBALB/cマウスで増殖させることができ、LLC、B16、及びGL261をC5
7BL/6マウスで増殖させることができ、ONC26M4をFVBNマウスで増殖させることができる。
「自然発生腫瘍」は、内因性脳細胞を形質転換するために、いくつか(例えば、1つ、2つ
、3つ、又はそれより多く)の癌遺伝子をコードし、かつ1以上のレポーター、例えば、ホ
タルルシフェラーゼレポーターをコードするDNAプラスミドを新生仔C57BL/6又はFVBNマウ
スへと脳内注射することにより作製することができる。神経膠腫の増殖は、当技術分野で
公知の技法、例えば、生物発光イメージングによってモニタリングすることができる。皮
下腫瘍の増殖は、当技術分野で公知の技法、例えば、規定の時間間隔での三次元キャリパ
ー測定によってモニタリングすることができる。
【0435】
(5.3 非相同な初回免疫追加免疫)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される複製欠陥性
ウイルス又は3セグメント型複製可能ウイルス(第5.1節及び第5.2節を参照)を用いる非相
同な初回免疫/追加免疫に関する方法及び組成物である。具体的な実施態様において、そ
のような非相同な初回免疫/追加免疫治療レジメンは、併用化学療法なしで又は免疫チェ
ックポイントモジュレーターによる併用治療なしで実施される。他の実施態様において、
化学療法及び/又は免疫チェックポイントモジュレーターによる療法は、この節に記載さ
れる非相同な初回免疫/追加免疫レジメンの開始前に実施されている。さらに他の実施態
様において、非相同な初回免疫/追加免疫レジメンで治療されることになる患者は、現在
の状態について、これまでに、化学療法及び/又は免疫チェックポイントモジュレーター
による療法で治療を受けたことがなく、かつ現在、化学療法及び/又は免疫チェックポイ
ントモジュレーターによる療法で治療を受けてもいない。ある実施態様において、患者は
、複数の及び/又は連続する非相同な初回免疫/追加免疫レジメンで治療される。
【0436】
ある実施態様において、非相同な初回免疫/追加免疫レジメンは、本明細書に記載され
る第一のアレナウイルス駆動性コンストラクトを投与し、その後、本明細書に記載される
第二のアレナウイルス駆動性コンストラクトを投与することを含む。具体的な実施態様に
おいて、該第一及び該第二のアレナウイルスに基づくコンストラクトは、同じ腫瘍抗原、
腫瘍関連抗原、又はその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含む。該腫瘍抗原又
は腫瘍関連抗原は、第5.1節(a)、第5.1節(b)、第5.2節(a)、第5.2節(b)、又は第5.2節(c)
に列挙されている抗原であることができる。具体的な実施態様において、両方のアレナウ
イルス駆動性コンストラクトは、発癌ウイルスの抗原、例えば、HPV抗原、例えば、HPV16
E7/E6融合体(例えば、その全体が本明細書中に組み込まれるWO2015/082570号に記載され
ているもの)をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0437】
ある実施態様において、該第一及び該第二のアレナウイルスに基づくコンストラクトは
、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は少なくとも14日の間隔
を空けて;少なくとも1、2、3、4、5、6、7、又は少なくとも8週間の間隔を空けて;少なく
とも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は少なくとも12カ月の間隔を空けて投与さ
れる。ある実施態様において、該第一及び該第二のアレナウイルスに基づくコンストラク
トは、最大でも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13日、又は最大でも14日の間
隔を空けて;最大でも1、2、3、4、5、6、7週間、又は最大でも8週間の間隔を空けて;最大
でも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11カ月、又は最大でも12カ月の間隔を空けて投与
される。
【0438】
ある実施態様において、該第一のアレナウイルスに基づくコンストラクトは、図1に示
されるゲノム編成を有する(すなわち、GPタンパク質のオープンリーディングフレームが
欠失しているかもしくは機能的に不活化され、腫瘍抗原もしくは腫瘍関連抗原もしくは発
癌ウイルスの抗原のオープンリーディングフレームと置き換えられている)か、又はGFPを
コードするオープンリーディングフレームの代わりに、ウイルスが腫瘍抗原もしくは腫瘍
関連抗原もしくは発癌ウイルスの抗原のオープンリーディングフレームを有することを除
いて、r3LCMV-GFPartificialについて概説されているような図2に示されるゲノム編成を
有する。ある実施態様において、該第二のアレナウイルスに基づくコンストラクトは、図
1に示されるゲノム編成を有する(すなわち、GPタンパク質のオープンリーディングフレー
ムが欠失しているかもしくは機能的に不活化され、腫瘍抗原もしくは腫瘍関連抗原もしく
は発癌ウイルスの抗原のオープンリーディングフレームと置き換えられている)か、又はG
FPをコードするオープンリーディングフレームの代わりに、ウイルスが腫瘍抗原もしくは
腫瘍関連抗原もしくは発癌ウイルスの抗原のオープンリーディングフレームを有すること
を除いて、r3LCMV-GFPartificialについて概説されているような図2に示されるゲノム編
成を有する。具体的な実施態様において、該第一及び該第二のアレナウイルスに基づくコ
ンストラクトは、図1に示されるゲノム編成を有する(すなわち、GPタンパク質のオープン
リーディングフレームが欠失しているかもしくは機能的に不活化され、腫瘍抗原もしくは
腫瘍関連抗原もしくは発癌ウイルスの抗原のオープンリーディングフレームと置き換えら
れている)か、又はGFPをコードするオープンリーディングフレームの代わりに、ウイルス
が腫瘍抗原もしくは腫瘍関連抗原もしくは発癌ウイルスの抗原のオープンリーディングフ
レームを有することを除いて、r3LCMV-GFPartificialについて概説されているような図2
に示されるゲノム編成を有する。
【0439】
具体的な実施態様において、該第一及び該第二のアレナウイルスに基づくコンストラク
トは、GFPをコードするオープンリーディングフレームの代わりに、ウイルスが腫瘍抗原
又は腫瘍関連抗原又は発癌ウイルスの抗原(例えば、HPV16 E7/E6融合タンパク質)のオー
プンリーディングフレームを有することを除いて、r3LCMV-GFPartificialについて概説さ
れているような図2に示されるゲノム編成を有する。さらに、該第一のアレナウイルスに
基づくワクチンは、ピチンデ、フニン、又はLCMVに由来し;該第二のアレナウイルスに基
づくワクチンは、ピチンデ、フニン、又はLCMVに由来する(が、該第一のコンストラクト
のウイルス骨格とは異なる)。さらにより具体的な実施態様において、該第一のコンスト
ラクト(初回免疫)は、ピチンデウイルスに由来し、該第二のコンストラクト(追加免疫)は
、LCMVに由来する。該第一及び該第二のコンストラクトは、本明細書に記載されるウイル
ス粒子として投与することができる。
【0440】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される治療レジメ
ンの構成要素のうちの2つ以上を含むキットである。例えば、一実施態様において、その
ようなキットは、(i)本明細書に記載されるウイルス粒子(例えば、対象となる抗原をコー
ドするオープンリーディングフレームを含むアレナウイルスに基づくコンストラクト)を
含む容器;及び(ii)化学療法剤を含む容器を含む。別の実施態様において、そのようなキ
ットは、(i)第一のウイルス粒子(「初回免疫」用)を含む容器;及び(ii)第二のウイルスコ
ンストラクト(「追加免疫」用)を含む容器;及び任意に(iii)化学療法剤を含む容器を含む
【0441】
(6.等価物)
本明細書に開示されるウイルス、核酸、方法、宿主細胞、及び組成物は、本明細書に記
載される具体的な実施態様によって範囲を限定されるべきではない。実際、記載されてい
るものに加えた、ウイルス、核酸、方法、宿主細胞、及び組成物の様々な改変が、前述の
説明及び添付の図面から当業者に明らかになるであろう。そのような改変は、添付の特許
請求の範囲内に入ることが意図される。
【0442】
様々な刊行物、特許、及び特許出願が本明細書に引用されており、これらの開示は、そ
の全体が引用により組み込まれる。
【0443】
(7.配列)
表4の配列は、本明細書に記載される方法及び組成物とともに使用することができる例
示的なアミノ酸配列及びヌクレオチド配列である。ある場合には、DNA配列を用いて、ウ
イルスゲノムセグメントのRNA配列を説明する。RNA配列は、DNA配列から容易に推定する
ことができる。
(表4)
【表7】
【実施例0444】
(8.実施例)
(8.1 実施例1: r3LCMV処置と化学療法との間の効果)
r3LCMV処置と低用量化学療法(シクロホスファミド処置)との間の潜在的相乗効果をB16F
10マウス黒色腫モデルで評価した。
【0445】
0日目に、1×105個のB16F10腫瘍細胞をC57BL/6マウスに皮下移植した。その後、マウス
を処置しないで放置するか(第1群)、6日目に2mgのシクロホスファミドで腹腔内処置する
か(第2群)、7日目に2.1×105PFU(合計)のベクター混合物(7×104PFUの各々のr3LCMV-GP10
0、r3LCMV-Trp1、及びr3LCMV-Trp2)を静脈内注射するか(第3群)、又はシクロホスファミ
ド(6日目)とr3LCMV-ベクター混合物(7日目)の組合せで処置した(第4群)。r3LCMVコンスト
ラクトのゲノム編成は、該コンストラクトが、GFPオープンリーディングフレームの代わ
りに、対象となる抗原、すなわち、GP100、Trp1、及びTrp2をコードするオープンリーデ
ィングフレームを有することを除き、基本的には、r3LCMV-GFPartについて図2で示されて
いる通りである。腫瘍移植後の腫瘍増殖(図3A)並びに動物生存(図3B及びC)をモニタリン
グした。記号は、1群当たり3匹のマウス(第1群~第3群)又は4匹のマウス(第4群)の平均±
SEMを表している。r3LCMVベクター混合物による処置は、腫瘍増殖に対して、化学療法単
独よりも大きい効果を有した。最も優れた腫瘍制御は、化学療法とr3LCMVベクター混合物
による処置との組合せによって達成され、2つの組み合わされた処置が相乗効果を示すこ
とが示された。
【0446】
実験15日目及び22日目に、試験動物の血液中のT細胞頻度を四量体染色及びフローサイ
トメトリー解析によって解析した。結果は、r3LCMVベクターのみで処置された動物と比較
して、かなり高い相対数(図4A、左パネル)及び絶対数(図4A、右パネル)のTrp2特異的CD8+
T細胞が、シクロホスファミドとr3LCMV-ベクターの組合せで処置されたマウスで誘導さ
れたことを示している。GP100特異的CD8+ T細胞については、この相乗効果を本実験で観
察することができなかった(図4B)。
【0447】
(8.2 実施例2: HCmel3モデルにおけるr3LCMV処置と化学療法との間の効果)
r3LCMV処置と低用量化学療法(シクロホスファミド処置)との間の潜在的相乗効果をHCme
l3マウス黒色腫モデルで評価する。HCmel3腫瘍細胞は、初代Hgf-Cdk4R24C黒色腫に由来す
る。
【0448】
0日目に、HCmel3腫瘍細胞(4×105個の細胞)をC57BL/6マウスに皮下移植する。全ての腫
瘍が触知可能となる15日目に、第3群及び第4群のマウスを、2mgのシクロホスファミド(CT
X)で腹腔内処置する。16日目に、第2群及び第3群のマウスに、7×104 RCV FFUのr3LCMV-T
rp2を静脈内注射する。第4群のマウスを1×105 RCV FFUのr3PICV-Trp2で静脈内免疫する
【0449】
r3LCMVコンストラクトのゲノム編成は、該コンストラクトが、GFPオープンリーディン
グフレームの代わりに、対象となる抗原、すなわち、Trp2をコードするオープンリーディ
ングフレームを有することを除き、基本的には、r3LCMV-GFPartについて図2で示されてい
る通りである。腫瘍移植後の腫瘍増殖をモニタリングする。
【0450】
試験動物の血液中のTrp2特異的CD8+ T細胞頻度を四量体染色によって解析する。
【0451】
(8.3 実施例3: HgfxCDK4R24C/R24Cマウスにおけるr3LCMV処置と化学療法との間の効果)
HgfxCDK4R24C/R24Cモデルは、マウスがヒト黒色腫とのいくつかの類似性を示す自然発
生腫瘍を発症する同系モデルである(Landsbergらの文献、Hgf-Cdk4 R24Cマウスにおける
自発性原発性及び転移性黒色腫はT細胞媒介性免疫サーベイランスを回避する(Autochthon
ous primary and metastatic melanomas in Hgf-Cdk4 R24C mice evade T-cell-mediated
immune surveillance)、2010; Baldらの文献、免疫細胞に乏しい黒色腫は、I型IFN活性
化の標的化後、PD-1遮断から利益を得る(Immune cell-Poor Melanomas benefit from PD-
1 Blockade after targeted type I IFN activation)、2014.)。
【0452】
r3LCMV処置と低用量化学療法(シクロホスファミド処置)との間の潜在的相乗効果をHgfx
CDK4R24C/R24Cマウスモデルで評価する。マウスを処置しないで放置するか(第1群)、腫瘍
が触知可能になったとき(約60日目)に、2mgのシクロホスファミドで腹腔内処置するか(第
2群)、腫瘍が触知可能になったとき(約60日目)に、ベクター混合物(r3LCMV-GP100、r3LCM
V-Trp1、及びr3LCMV-Trp2)を静脈内注射するか(第3群)、又はシクロホスファミドとr3LCM
V-ベクター混合物の組合せで処置する(第4群)。r3LCMVコンストラクトのゲノム編成は、
該コンストラクトが、GFPオープンリーディングフレームの代わりに、対象となる抗原、
すなわち、GP100、Trp1、及びTrp2をコードするオープンリーディングフレームを有する
ことを除き、基本的には、r3LCMV-GFPartについて図2で示されている通りである。腫瘍増
殖及び動物生存をモニタリングする。
【0453】
実験15日目及び22日目に、試験動物の血液中のT細胞頻度を四量体染色及びフローサイ
トメトリー解析によって解析する。
【0454】
(8.4 実施例4:非相同な初回免疫追加免疫を用いるr3LCMV処置と化学療法との間の効果)
実施例1及び2の実験(B16F10マウスモデルとHCmel3マウスモデルの両方)を繰り返して、
以下のベクターの組合せ: r3LCMV/r3LCMV、r3JUNV/r3LCMV、及びr3PICV/r3LCMVと化学療
法(シクロホスファミド)とを用いる非相同な初回免疫追加免疫ワクチン接種後の免疫応答
を決定する。
【0455】
(8.5 実施例5:非相同な初回免疫追加免疫)
非相同な初回免疫-追加免疫の免疫と比べた相同な初回免疫-追加免疫の免疫の免疫原性
を調べるために、抗原特異的CD8+ T細胞応答の誘導を、(i)相同な初回免疫-追加免疫設定
においてr3LCMV-E7E6(ヒトパピローマウイルスタイプ16(HPV16)由来の抗原E7及びE6を発
現する複製可能なLCMVベクター)の2回の投与で処置されたマウスと(ii)非相同な初回免疫
-追加免疫設定においてr3PICV-E7E6(E7及びE6抗原を発現する複製可能なピチンデウイル
スベクター)で初回免疫され、r3LCMV-E7E6で追加免疫された動物との間で比較した。
【0456】
この実験の結果を図5に示す: 0日目に、C57BL/6マウス(1群当たり5匹のマウス)を、105
RCV FFUのr3LCMV-E7E6(第1群)もしくは105 RCV FFUのr3PICV-E7E6(第2群)で静脈内免疫
するか、又は処置しないで放置した(第3群)。r3LCMVコンストラクトのゲノム編成は、該
コンストラクトが、GFPオープンリーディングフレームの代わりに、対象となる抗原、す
なわち、E7E6(これは、HPVのE6タンパク質とE7タンパク質の融合タンパク質である)をコ
ードするオープンリーディングフレームを有することを除き、基本的には、r3LCMV-GFPar
tについて図2で示されている通りである。13日目に、第1群及び第2群のマウスを105 RCV
FFUのr3LCMV-E7E6で追加免疫した。第3群のマウスは再び、処置しないで放置した。その
後、E7特異的CD8+ T細胞頻度を、四量体染色(Db-E7(49-57)-四量体)によって、試験動物
の血液中で20日目及び42日目に、及び試験動物の脾臓で51日目に解析した。
【0457】
それぞれの結果は、強力でかつ持続的な抗原特異的CD8+ T細胞応答が、E7抗原を発現す
る複製可能なアレナウイルスベクターで処置された試験群1及び2の動物で誘導されること
を示した。r3LCMV-E7E6のみを用いる相同な免疫(第1群)と比較して、有意に高いCD8+ T細
胞頻度が、r3PICV-E7E6をr3LCMV-E7E6と組み合わせて用いる非相同な初回免疫-追加免疫
の組合せ(第2群)によって誘導された。
【0458】
相同な初回免疫-追加免疫ワクチン接種レジメン及び非相同な初回免疫-追加免疫ワクチ
ン接種レジメンをさらに解析し、TC-1マウス腫瘍モデルにおけるその抗腫瘍効果に関して
比較した(Linらの文献、1996, Cancer Res.;56(1):21-6)。(i)2用量のr3LCMV-E7E6(相同
な初回免疫-追加免疫)又は(ii)1用量のr3PICV-E7E6と、それに続く、1用量のr3LCMV-E7E6
(非相同な初回免疫-追加免疫)の投与後の腫瘍増殖阻害のレベルをTC-1腫瘍担持マウスで
比較した。
【0459】
これらの実験の結果を図6に示す:実験0日目に、雌C57BL/6マウス(実験群及びバッファ
ー群の1群当たり、それぞれ、n=5匹又はn=3匹の動物)に、HPV16 E6及びE7とc-Ha-ras癌
遺伝子で共形質転換された、マウス初代上皮細胞に由来する、1×105個のTC-1腫瘍細胞を
皮下移植した。10日後(実験10日目)、マウスを、バッファー(第1群)又は105 RCV FFUのr3
LCMV-E7E6(第2群)又は105 RCV FFUのr3PICV-E7E6(第3群)のいずれかで静脈内免疫した。
初回免疫から14日後(実験24日目)、第2群及び第3群のマウスは、105 RCV FFUのr3LCMV-E7
E6の追加免疫投与を受けた。その後、腫瘍増殖を経時的にモニタリングした。算術平均+/
-SEMを示す。矢印は、ワクチン接種の時点を示す。
【0460】
それぞれの結果は、腫瘍増殖が、対照群と比較して、HPV E7及びE6抗原を発現する複製
可能なアレナウイルスベクターで処置された全ての群で有意に遅延したことを示している
。より高いレベルの腫瘍増殖制御は、非相同な初回免疫-追加免疫の様式で、r3LCMV-E7E6
と組み合わせたr3PICV-E7E6で処置された試験群で観察された。
【0461】
(8.6 実施例6: B16F10マウス黒色腫モデルにおけるrLCMV処置と化学療法と免疫チェック
ポイントインヒビター処置との間の効果)
rLCMV処置と低用量化学療法(シクロホスファミド処置)と免疫チェックポイントインヒ
ビター(抗PD-1)処置との間の潜在的相乗効果をB16F10マウス黒色腫モデルで評価する。
【0462】
実験の結果を図7に示す。0日目に、1×105個のB16F10腫瘍細胞をC57BL/6マウスに皮下
移植した。その後、マウスを処置しないで放置するか(第1群)、6日目に2mgのシクロホス
ファミド(CTX)で腹腔内処置し、10、13、16、19、及び22日目に200μg毎の抗PD-1及び抗C
TLA-4で腹腔内処置するか(第2群)、6日目に2mgのシクロホスファミドで腹腔内処置し、7
日目に1.2×105 FFU(合計)のr3LCMVベクター混合物(r3LCMV-GP100、r3LCMV-Trp1、及びr3
LCMV-Trp2)を静脈内注射するか(第3群)、又は6日目にシクロホスファミドで処置し、7日
目にr3LCMV-ベクター混合物で処置し、10、13、16、19、及び22日目に抗PD-1及び抗CTLA-
4で処置した(第4群)。
【0463】
それぞれの結果は、チェックポイントインヒビター処置を化学療法とr3LCMVの組合せと
組み合わせることにより、腫瘍増殖阻害に対する追加の効果を達成することができないこ
とを示した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に実質的に記載された、新規な物、方法及び製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化学療法剤を複製欠損性アレナウ
イルス粒子と組み合わせて投与することにより、対象の新生物性疾患を治療する方法であ
る。ある実施態様において、該化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミ
ド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、イ
ンターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せで
ある。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、ア
ルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様にお
いて、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/
ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロナ
ファジン、エストラムスチン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、ト
ロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、ブスルファン、インプロスルフ
ァン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニ
ムスチン、ラニムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラ
チン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカル
バジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン
、ビンクリスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシ
ンD)、カリケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキルビシン、ダウノルビ
シン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、
カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリ
エチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチローメラミン、ブラ
タシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、
CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン
、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サル
コジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノス
タチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン、
ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン
、クロモマイシ、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、エソルビシン、
イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン
、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイ
シン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメ
クス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノ
プテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フルダラビン、6-メルカプトプリン、
チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフ
ール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウ
リジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオ
スタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フリン酸、アセグラトン、アルド
ホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサン
トレン、エダトラキセート、デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エフロチン
、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、
ロニダイニン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダモール、ニトラエ
リン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン
酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、ス
ピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミ
ン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン
、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、ア
ラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド
、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(例
えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)
、レチノイン酸、カペシタビン、プリマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、トランス
プラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体のう
ちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスファ
ミドを含む。ある実施態様において、該窒素マスタードは、メクロレタミン、シクロホス
ファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、又はブスルファンである。
ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化する。ある実施態様において、
該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物を含む、本
明細書に提供される組成物は、複製欠損性アレナウイルス粒子と組み合わせた化学療法剤
を含む。ある実施態様において、該化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスフ
ァミド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質
、インターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合
せである。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア
、アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様
において、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメ
チン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロ
ロナファジン、エストラムスチン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン
、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、ブスルファン、インプロス
ルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン
、ニムスチン、ラニムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリ
プラチン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダ
カルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラス
チン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマ
イシンD)、カリケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキルビシン、ダウノ
ルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドー
パ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、
トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチローメラミン、
ブラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチ
ン、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタ
チン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、
サルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジ
ノスタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリ
ン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィ
リン、クロモマイシ、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、エソルビシ
ン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイ
シン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラ
マイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベ
ニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル(5-FU)、
デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フルダラビン、6-メルカプトプリ
ン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カル
モフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロク
スウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピ
チオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フリン酸、アセグラトン、ア
ルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビ
サントレン、エダトラキセート、デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エフロ
ン、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナ
ン、ロニダイニン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダモル、ニト
ラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィ
リン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン
、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチル
アミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデ
シン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン
、アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポ
シド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン
(例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMF
O)、レチノイン酸、カペシタビン、プリマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、トラン
スプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体の
うちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスフ
ァミドを含む。ある実施態様において、該窒素マスタードは、メクロレタミン、シクロホ
スファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、又はブスルファンである
。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化する。ある実施態様において
、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、化学療法剤を3セグメント型アレ
ナウイルス粒子と組み合わせて投与することにより、対象の新生物性疾患を治療する方法
である。ある実施態様において、該化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスフ
ァミド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質
、インターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合
せである。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア
、アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様
において、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメ
チン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロ
ロナファジン、エストラムスチン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン
、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、ブスルファン、インプロス
ルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン
、ニムスチン、ラニムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリ
プラチン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダ
カルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラス
チン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマ
イシンD)、カリケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキルビシン、ダウノ
ルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドー
パ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、
トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチローメラミン、
ブラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチ
ン、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタ
チン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、
サルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジ
ノスタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリ
ン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィ
リン、クロモマイシ、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、エソルビシ
ン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイ
シン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラ
マイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベ
ニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル(5-FU)、
デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フルダラビン、6-メルカプトプリ
ン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カル
モフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロク
スウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピ
チオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フリン酸、アセグラトン、ア
ルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビ
サントレン、エダトラキセート、デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エフロ
ン、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナ
ン、ロニダイニン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダモル、ニト
ラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィ
リン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン
、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチル
アミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデ
シン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン
、アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポ
シド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン
(例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMF
O)、レチノイン酸、カペシタビン、プリマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、トラン
スプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体の
うちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスフ
ァミドを含む。ある実施態様において、該窒素マスタードは、メクロレタミン、シクロホ
スファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、又はブスルファンである
。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化する。ある実施態様において
、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
ある実施態様において、医薬組成物、免疫原性組成物、又はワクチン組成物を含む、本
明細書に提供される組成物は、化学療法剤を含む。ある実施態様において、該化学療法剤
は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)、白金系治療剤、代謝拮抗物質、トポイ
ソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、インターカレート剤、有糸分裂阻害剤、タキサ
ン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せである。ある実施態様において、該アルキル化
剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤
、又はトリアゼンである。ある実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスファミド
、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、
クロラムブシル、イホスファミド、クロロナファジン、エストラムスチン、ノブエンビキ
ン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベン
ダムスチン、ブスルファン、インプロスルファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロム
スチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ニムスチン、ラニムスチン、シスプラチン、カ
ルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチン
、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、パク
リタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カバジタ
キセル、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、カリケアマイシン、ダインマイシン、
アムサクリン、ドキルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イ
ダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、ア
ルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホ
スホラミド、トリメチローメラミン、ブラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、ト
ポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビ
ゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、
エレウテロビン、パンクラチスタチン、サルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロ
ネート、エスペラマイシン、ネオカルジノスタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacin
omysin)、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビ
シン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシ、デトルビシン、6-ジアゾ
-5-オキソ-L-ノルロイシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマ
イシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポ
ィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、
ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレ
キセート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセ
ート、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン
、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ド
キシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモ
スタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロ
スタン、フリン酸、アセグラトン、アルドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸
、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサントレン、エダトラキセート、デホファミン、
デメコルシン、ジアジコン、エフロン、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、硝酸
ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン、ロニダイニン、メイタンシン、アンサミトシ
ン、ミトグアゾン、モピダモル、ニトラエリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラ
ルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、
ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジ
コン、2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、
及びアングイジン、ウレタン、ビンデシン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラ
クトール、ピポブロマン、ガシトシン、アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、
ビノレルビン、ノバントロン、テニポシド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼロー
ダ、イバンドロネート、イリノテカン(例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 20
00、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)、レチノイン酸、カペシタビン、プリマイシ
ゲムシタビン、ナベルビン、トランスプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬と
して許容し得る塩、酸、又は誘導体のうちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様にお
いて、該化学療法剤は、シクロホスファミドを含む。ある実施態様において、該窒素マス
タードは、メクロレタミン、シクロホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホ
スファミド、又はブスルファンである。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをア
ルキル化する。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「
ICL」)の形成をもたらす。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0160
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0160】
本明細書に開示される化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)、白
金系治療剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、インターカレ
ート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せであることが
できる。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、
アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様に
おいて、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチ
ン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロ
ナファジン、エストラムスチン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、
トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、ブスルファン、インプロスル
ファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、
ニムスチン、ラニムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプ
ラチン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカ
ルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチ
ン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイ
シンD)、カリケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキルビシン、ダウノル
ビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ
、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、ト
リエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチローメラミン、
ラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン
、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチ
ン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サ
ルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノ
スタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン
、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリ
ン、クロモマイシ、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、エソルビシン
、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシ
ン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマ
イシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニ
メクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デ
ノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フルダラビン、6-メルカプトプリン
、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモ
フール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクス
ウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチ
オスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フリン酸、アセグラトン、アル
ドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサ
ントレン、エダトラキセート、デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エフロ
ン、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン
、ロニダイニン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダモル、ニトラ
エリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリ
ン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、
スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルア
ミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシ
ン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、
アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシ
ド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(
例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO
)、レチノイン酸、カペシタビン、プリマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、トラン
スプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体の
うちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスフ
ァミドを含む。ある実施態様において、該窒素マスタードは、メクロレタミン、シクロホ
スファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、又はブスルファンである
。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化する。ある実施態様において
、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0392
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0392】
本明細書に記載される化学療法剤は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド)、白
金系治療剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、インターカレ
ート剤、有糸分裂阻害剤、タキサン、又はこれらのうちの2つ以上の組合せであることが
できる。ある実施態様において、該アルキル化剤は、窒素マスタード、ニトロソウレア、
アルキルスルホネート、非古典的アルキル化剤、又はトリアゼンである。ある実施態様に
おいて、該化学療法剤は、シクロホスファミド、チオテパ、メクロレタミン(クロルメチ
ン/ムスチン)、ウラムスチン、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、クロロ
ナファジン、エストラムスチン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、
トロホスファミド、ウラシルマスタード、ベンダムスチン、ブスルファン、インプロスル
ファン、ピポスルファン、カルムスチン、ロムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、
ニムスチン、ラニムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプ
ラチン、サトラプラチン、四硝酸トリプラチン、プロカルバジン、アルトレタミン、ダカ
ルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチ
ン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カバジタキセル、ダクチノマイシン(アクチノマイ
シンD)、カリケアマイシン、ダインマイシン、アムサクリン、ドキルビシン、ダウノル
ビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ピラルビシン、ベンゾドーパ
、カルボコン、メツレドーパ、ウレドーパ、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、ト
リエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、トリメチローメラミン、
ラタシン、ブラタシノン、カンプトテシン、トポテカン、ブリオスタチン、カリスタチン
、CC-1065、アドゼレシン、カルゼレシン、ビゼレシン、クリプトフィシン、ドラスタチ
ン、デュオカルマイシン、KW-2189、CB1-TM1、エレウテロビン、パンクラチスタチン、サ
ルコジクチイン、スポンギスタチン、クロドロネート、エスペラマイシン、ネオカルジノ
スタチン発色団、アクラシノマイシン(aclacinomysin)、アントラマイシン、アザセリン
、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリ
ン、クロモマイシ、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、エソルビシン
、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシ
ン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマ
イシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニ
メクス、ジノスタチン、ゾルビシン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル(5-FU)、デ
ノプテリン、プテロプテリン、トリメトレキセート、フルダラビン、6-メルカプトプリン
、チアミプリン、チオグアニン、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモ
フール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクス
ウリジン、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチ
オスタン、テストラクトン、ミトタン、トリロスタン、フリン酸、アセグラトン、アル
ドホスファミドグリコシド、アミノレブリン酸、エニルウラシル、ベストラブシル、ビサ
ントレン、エダトラキセート、デホファミン、デメコルシン、ジアジコン、エフロ
ン、酢酸エリプチニウム、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシウレア、レンチナン
、ロニダイニン、メイタンシン、アンサミトシン、ミトグアゾン、モピダモル、ニトラ
エリン、ペントスタチン、フェナメット、ピラルビシン、ロソキサントロン、ポドフィリ
ン酸、2-エチルヒドラジド、PSK多糖複合体、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、
スピロゲルマニウム、テヌアゾン酸、トリアジコン、2,2',2''-トリクロロトリエチルア
ミン; T-2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン、ウレタン、ビンデシ
ン、マンノムスチン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ピポブロマン、ガシトシン、
アラビノシド(「Ara-C」)、エトポシド(VP-16)、ビノレルビン、ノバントロン、テニポシ
ド、エダトレキセート、アミノプテリン、ゼローダ、イバンドロネート、イリノテカン(
例えば、CPT-11)、トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000、ジフルオロメチルオルニチン(DMFO
)、レチノイン酸、カペシタビン、プリマイシン、ゲムシタビン、ナベルビン、トラン
スプラチナ、並びに上記のもののいずれかの医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体の
うちの1つ又は複数を含む。具体的な実施態様において、該化学療法剤は、シクロホスフ
ァミドを含む。ある実施態様において、該窒素マスタードは、メクロレタミン、シクロホ
スファミド、メルファラン、クロラムブシル、イホスファミド、又はブスルファンである
。ある実施態様において、該化学療法剤はDNAをアルキル化する。ある実施態様において
、該化学療法剤はDNAをアルキル化し、鎖間架橋(「ICL」)の形成をもたらす。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
2023029898000001.app
【外国語明細書】