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特開2023-29980物品の保管、取り扱い、及び回収システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023029980
(43)【公開日】2023-03-07
(54)【発明の名称】物品の保管、取り扱い、及び回収システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230228BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022195419
(22)【出願日】2022-12-07
(62)【分割の表示】P 2017564111の分割
【原出願日】2016-06-08
(31)【優先権主張番号】1509921.1
(32)【優先日】2015-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュウ・ジョン・イングラム-テッド
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スバーカー・トゥーレ・リンボ
(72)【発明者】
【氏名】パウエル・カロリンクザク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、保管システムからユニットを回収するための保管システム及び方法を提供する。
【解決手段】格子状のレールと、直交するレール上を移動するための4セットの車輪を備える積荷取扱装置とを含む保管システムである。システムは、さらに、仕分けフレーム(150)を含む配列及び一時保管部分(150,160)を有する。仕分けフレーム(150)は、運ばれたターゲットコンテナ(10)を受け取り、コンピューターユーティリティの制御の下で仕分けフレームの出力ポート(148)にターゲットコンテナを移動させることが可能な一連の移動手段(160)を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管システムと、複数の積荷取扱装置と、降下ポイントと、ワークステーションとを具備する、物品取扱い及び回収システムであって、
前記保管システムは、ワークスペースの上方に格子を形成する2つのセットの実質的に直交するレールを有し、前記ワークスペースは、複数の積み重ねられたコンテナを含み、前記ロボット積荷取扱装置は、前記ワークスペースの上方の前記格子上で動作し、前記積荷取扱装置は、複数の車輪に取り付けられたボディを有し、第1のセットの車輪が、第1のセットのレールのうちの少なくとも2本のレールと係合するように配置され、第2のセットの車輪が、第2のセットのレールのうちの少なくとも2本のレールと係合するように配置され、動作時に1つのセットの車輪のみがどの時点においても前記格子と係合され、それによって、前記レールと係合した前記1つのセットの車輪のみを駆動させることにより、コンテナの任意の積み重ねの上方の前記格子上の任意の点への、前記レールに沿った前記積荷取扱装置の移動を可能にするように、前記第1のセットの車輪は、前記第2のセットの車輪に対して独立して移動可能かつ駆動可能であり、
ここにおいて、少なくとも1つの降下ポイントが、配列部分と係合するように構成され、前記配列部分は、積荷取扱装置によって前記少なくとも1つの降下ポイントに運ばれたコンテナを受け取り、前記運ばれたコンテナを所定の順番で前記ワークステーションに移動させるように構成されており、
前記配列部分は、前記保管システムに隣接して位置するフレームを有し、前記フレームには、複数のコンテナ保管場所が設けられ、前記配列部分には、さらに、所定の順番で、コンテナを前記コンテナ保管場所から前記ワークステーションに移動させるための移動手段が設けられ、前記所定の順番は、前記コンテナが前記降下ポイントに到着した順番とは無関係であり、これにより、前記コンテナ内に位置する物品が前記ワークステーションにおいてアクセスされることができる、物品取扱いシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの降下ポイント又は各降下ポイントは、配列部分と係合するように構成されている、請求項1に記載の物品取扱いシステム。
【請求項3】
前記移動手段は、前記フレーム内に移動可能に位置する複数の車両を含み、前記車両は、前記フレームを周回してコンテナを運ぶ、請求項1又は2に記載の物品取扱いシステム。
【請求項4】
前記移動手段は、前記フレーム内の補助軌道上に位置する一連のシャトルを含み、各シャトルは、前記フレームを周回してコンテナを運ぶように構成されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
【請求項5】
前記フレームは、ワークステーションに隣接しているアクセスポートを有し、
前記コンテナは、前記移動手段上で前記フレームを周回し、
各コンテナは、前記コンテナが前記ワークステーションにおけるアクセスポートに隣接しているときに、そのコンテナが位置している前記移動手段上にありながらアクセス可能である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
【請求項6】
前記保管及び配列部分は、さらに、転換手段を有し、
前記転換手段は、コンテナを、前記移動手段から前記保管場所へ、及び、前記保管場所から前記移動手段へと転換させるように構成されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
【請求項7】
前記転換手段は、押し引き手段を含む、請求項6に記載の物品取扱いシステム。
【請求項8】
前記移動手段は、前記フレームに隣接して位置する少なくとも1つのピッキング手段を含み、前記ピッキング手段は、前記フレームから所定のコンテナを選択し、前記コンテナを前記ワークステーションに搬送するように構成されている、請求項1又は2に記載の物品取扱いシステム。
【請求項9】
前記ピッキング手段は、前記フレーム内に位置するコンテナの積み重ねの内部から所定のコンテナを取り出すための取り出し手段を含む、請求項8に記載の物品取扱いシステム。
【請求項10】
前記ピッキング手段は、さらに、前記フレーム内に位置するコンテナの積み重ねにおける前記所定のコンテナを置き換えるための置き換え手段を含む、請求項8又は9に記載の物品取扱いシステム。
【請求項11】
前記所定のコンテナの前記選択は、ワークステーションにおけるコンテナの到着を正しく配列するように作動するユーティリティによって制御される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
【請求項12】
前記システムは、コンテナを選択するように構成された選択手段をさらに具備し、これにより、任意のコンテナが、ワークステーションへの移動のために選択されることができ、
前記選択手段は、前記システム内の全てのコンテナの位置を制御及び監視するための制御ユーティリティを含む、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
【請求項13】
コンテナ保管システムからコンテナを回収し、前記コンテナをワークステーションに搬送する方法であって、
(a)ターゲットコンテナを識別するステップと、
(b)積荷取扱装置を使用して前記保管システムから前記ターゲットコンテナを回収するステップと、
(c)前記積荷取扱装置を使用して降下ポイントに前記コンテナを搬送するステップであって、前記降下ポイントは、配列部分と関連付けられ、前記配列部分は、移動手段を含む、搬送するステップと、
(d)前記移動手段を使用して前記ワークステーションに隣接している位置への移動のために前記ターゲットコンテナを配列するステップであって、前記コンテナは、所定の順番で、ワークステーションと関連付けられたコンテナアクセスポイントに到着し、前記所定の順番は、前記コンテナが前記配列部分に到着した順番とは無関係である、配列するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
(e)前記保管システムの前記配列部分と関連付けられた、前記移動手段にアクセス可能な保管場所に前記ターゲットコンテナを配置するさらなるステップを含む、請求項13に記載のコンテナを回収する方法。
【請求項15】
前記保管システムの各ターゲットコンテナの位置を監視する制御手段を使用して、前記コンテナの前記配列を制御するさらなるステップを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管システムからユニットを回収するための保管システム及び方法に関する。特に、これに限定しないが、本発明は、格子状の積み重ねられたユニットを備える倉庫において、集積貯蔵容器(bin)を取り扱うためのロボットシステムに関する。
【0002】
本出願は、米国特許第7,861,844号明細書、PCT出願の国際公開第2013/167907号及び国際公開第2015/019055号を参照によりここに組み込む。これらの出願及び文献の内容がこれによって本出願に含まれることが考慮される。
【0003】
本出願は、2015年6月8日に出願された英国特許出願第1509921.1号に基づく優先権を主張し、その内容が参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
一部の商業活動や産業活動は、多数の異なる製品の保管及び回収を可能にするシステムを必要とする。多数の製品ラインにおける品物の保管及び回収のためのある既知のシステムは、通路に配置された棚の列に保管用集積貯蔵容器又はコンテナを配置することを含む。各集積貯蔵容器又はコンテナは、1つの製品タイプである複数の製品を保持する。通路は、必要な製品が、通路を巡回する作業員またはロボットによって回収され得るように、棚の列同士の間におけるアクセスを提供する。しかしながら、製品にアクセスするための通路空間を設ける必要があるということは、このようなシステムの保管密度が比較的低いことを意味することが認識される。換言すれば、製品の保管のために実際に使用される空間の大きさは、保管システム全体として必要な空間の大きさと比較すると、比較的小さい。
【0005】
上述のシステムのさらなる欠点は、いくつかの物品を含む顧客の注文を少なくとも1つの配送にまとめるためには、単一の注文のためにいくつかの通路にアクセスすることを必要とし得るという要件に起因する。まとめられることになる注文の量が多い場合、これは特に問題になる。
【0006】
保管密度の著しい改良を提案する代替手法では、コンテナは、互いの上に積み重ねられ、これら積み重ねが、列をなして配置されている。コンテナは、上方からアクセスされ、列同士の間の通路の必要性をなくし、より多くのコンテナが所定の空間に保管されることを可能にする。
【0007】
以下により詳細に説明されるこの方法は、保管システムの全ての部分にアクセスし、かつ、積荷取扱装置を介して全てのワークステーションに全ての物品を移動させる能力を提供するものであるが、これは、格子の上部での積荷取扱装置間の輻輳を引き起こし得る。
【0008】
列をなして積み重ねられたコンテナを取り扱う方法は、数十年にわたり周知である。いくつかのそのようなシステムでは、例えば、米国特許第2,701,065号明細書に述べられているように、コンテナの自立型の積み重ねが、依然として、必要に応じて特定のコンテナへのアクセスを提供しながら、このようなコンテナの保管と関連付けられた保管体積を減少させるために、列をなして配置されている。所定のコンテナへのアクセスは、コンテナを積み重ねるために、および積み重ねから所定のコンテナを取り出すために使用されることができる比較的複雑な巻上機構を設けることによって可能となる。しかしながら、このようなシステムのコストは、多くの状況において非実用的であり、それらは、主として、大きな運送用コンテナの保管及び取扱いのために商用化されている。
【0009】
コンテナの自立型の積み重ねを使用し、特定のコンテナを回収及び保管するための機構を設ける構想は、例えば、欧州特許第0767113号明細書(Cimcorp)に述べられているように、さらに発展されてきた。Cimcorpは、コンテナの積み重ねのまわりで下げられ、積み重ねの任意の高さでコンテナを把持することができるように構成された矩形チューブの形態のロボット積荷取扱装置を使用して、複数の積み重ねられたコンテナを取り出すための機構を開示している。この方法では、いくつかのコンテナが、積み重ねから一度に持ち上げられ得る。移動可能なチューブは、1つの積み重ねの上部から他の積み重ねの上部にいくつかのコンテナを移動させるために、又は、積み重ねから外部の位置に、また、その逆にコンテナを移動させるために使用されることができる。このようなシステムは、単一の積み重ねの全てのコンテナが同じ製品を含む場合に(単一製品の積み重ねとして知られている)、特に有用であり得る。この積荷取扱装置は、例えば、単一のタイプの製品を含む複数のコンテナを倉庫に追加するために、及び、複数製品の出荷積み重ねを作成するために、2つ以上の単一製品の積み重ねから1つ以上のコンテナを選び出すために、単一製品の積み重ね同士の間でコンテナを移動させるために使用され得る。この一例は、小売店への配送のための複数製品の注文を作成するための中央倉庫における野菜クレートのピッキングである。
【0010】
Cimcorpに述べられているシステムでは、チューブの高さは、最も高い積み重ねのコンテナが単独操作で抽出され得るように、コンテナの最も高い積み重ねの高さと少なくとも同じ高さでなければならい。従って、倉庫のような囲われている空間で使用されるとき、積み重ねの最大高さは、積荷取扱装置のチューブを収容する必要性によって制限される。さらに、システムは、複数製品の積み重ねからの単一のコンテナの選択に対してうまく適合されていない。
【0011】
オンライン食料品店及びスーパーマーケットのような、多数の製品ラインを販売しているオンライン小売りビジネスは、何万から何十万もの異なる製品ラインを保管することができるシステムを必要とする。このような場合における単一製品の積み重ねの使用は、非常に大きな床面積が、必要とされる積み重ねを全て収容するために必要とされるので、非実用的であり得る。さらに、これは、痛みやすいものやめったに注文されない商品など、一部の品物は少量だけ保管することが望ましいことがあり得、単一製品の積み重ねを非効率的な解決策にしている。
【0012】
参照としてその内容がここに組み込まれる、国際公開第98/049075号(Autostore)は、コンテナの複数製品の積み重ねがフレーム構造内に配置されたシステムを説明している。
【0013】
PCT出願の国際公開第2015/185628号(Ocado)は、集積貯蔵容器の積み重ね又はコンテナの積み重ねがフレームワーク構造内に配置されているさらなる周知の保管及びフルフィルメントシステムを説明している。集積貯蔵容器又はコンテナは、フレーム構造の上部に位置する軌道上で動作する積荷取扱装置によってアクセスされる。積荷取扱装置は、積み重ねから集積貯蔵容器又はコンテナを持ち上げて取り出し、複数の積荷取扱装置が、積み重ねの最も低い位置に位置する集積貯蔵容器又はコンテナにアクセスするために協働する。このタイプのシステムが、添付図面の図1ないし図4に概略的に示される。
【0014】
図1及び図2に示されるように、集積貯蔵容器10として知られている積み重ね可能なコンテナが、積み重ね12を形成するために互いの上に積み重ねられている。積み重ね12は、倉庫又は製造環境に格子フレームワーク構造14で配置されている。図1は、フレームワーク構造14の概略的な斜視図であり、図2は、フレームワーク構造14内に配置された集積貯蔵容器10の積み重ね12を示す上面図である。各集積貯蔵容器10は、典型的には、複数の製品の品物(図示せず)を保持しており、集積貯蔵容器10内の製品の品物は同一であり得、または、用途に応じて異なる製品タイプのものであり得る。
【0015】
フレームワーク構造14は、横架材18、20を支持する複数の直立部材16を含む。直立部材16で支持された複数の水平な格子構造を形成するために、第1のセットの平行な横架材18が、第2のセットの平行な横架材20に直交するように配置されている。部材16、18、20は、典型的には、金属で製造される。集積貯蔵容器10は、フレームワーク構造14の部材16、18、20の間に積み重ねられ、これにより、フレームワーク構造14は、集積貯蔵容器10の積み重ね12の水平移動を防ぎ、集積貯蔵容器10の垂直移動をガイドする。
【0016】
フレーム構造14の最上部は、積み重ね12の最上部にわたって格子パターンに配置されたレール22を含む。図3及び図4をさらに参照すると、レール22は、複数のロボット積荷取扱装置30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の最上部にわたって第1の方向(X)における積荷取扱装置30の移動をガイドし、第1のセット22aに直交するように配置された、平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に直交する第2の方向(Y)における積荷取扱装置30の移動をガイドする。このように、レール22は、水平なX‐Y平面において二次元での横方向への積荷取扱装置30の移動を可能にするものであり、これにより、積荷取扱装置30は、任意の積み重ね12の上方の位置へと移動されることができる。
【0017】
積荷取扱装置30の一形態は、さらに、ノルウェー特許第317366号明細書に説明されており、その内容が参照によりここに組み込まれる。図3a及び図3bは、それぞれ、背面及び正面からの積荷取扱装置30の概略的な斜視図であり、図3cは、集積貯蔵容器10を持ち上げる積荷取扱装置30の概略的な正面の斜視図である。しかしながら、ここに記述されたシステムと組み合わせて使用されることができる積荷取扱装置の他の形態がある。例えば、ロボット積荷取扱装置のさらなる形態は、参照によりここに組み込まれる、PCTの国際公開第2015/019055号(Ocado)に開示されており、ここで、各ロボット積荷取扱装置は、フレームワーク構造の1つの格子空間のみをカバーし、したがって、所定のサイズのシステムについて、より高い密度の積荷取扱装置を可能にし、よって、より高いスループットを可能にする。
【0018】
各積荷取扱装置30は、積み重ね12の上方で、フレーム構造14のレール22上をX方向及びY方向に移動するように配置された車両32を含む。車両32の前方にある1対の車輪34と、車両32の後方にある1対の車輪34とからなる第1のセットの車輪34は、レール22の第1のセット22aの2本の隣接するレールと係合するように配置されている。同様に、車両32の両側にある1対の車輪36からなる第2のセットの車輪36は、レール22の第2のセット22bの2本の隣接するレールと係合するように配置されている。車輪34、36の各セットは、第1のセットの車輪34又は第2のセットの車輪36のいずれかが、どの時点においてもそれぞれのレールのセット22a、22bと係合されるように、持ち上げられたり下ろされたりすることができる。
【0019】
第1のセットの車輪34が第1のレールのセット22aと係合され、第2のセットの車輪36がレール22から離れて持ち上げられるとき、車輪34は、X方向に積荷取扱装置30を移動させるために、車両32に収容された駆動機構(図示せず)によって駆動されることができる。Y方向に積荷取扱装置30を移動させるためには、第1のセットの車輪34が、レール22から離れて持ち上げられ、第2のセットの車輪36が、第2のレールのセット22aと係合するように下げられる。そして、駆動機構は、Y方向における移動を達成するように、第2のセットの車輪36を駆動させるために使用されることができる。
【0020】
積荷取扱装置30にはリフト装置が装備されている。リフト装置40は、4本のケーブル38によって積荷取扱装置32のボディから懸吊された把持板39を含む。ケーブル38は、車両32の内部に収容された巻き上げ機構(図示せず)に連結されている。ケーブル38は、積荷取扱装置32に巻かれる又は積荷取扱装置32から巻き戻されることができ、これにより、車両32に対する把持板39の位置が、Z方向において調節されることができる。
【0021】
把持板39は、集積貯蔵容器10の最上部と係合するように構成されている。例えば、把持板39は、集積貯蔵容器10の上面を形成している、リムにおける対応する孔(図示せず)と合う複数のピン(図示せず)と、集積貯蔵容器10を把持するためにリムと係合することができるスライドクリップ(図示せず)とを含むことができる。クリップは、把持板39内に収容された適切な駆動機構によって集積貯蔵容器10と係合するように駆動され、ケーブル38自体を通って、又は個別の制御ケーブル(図示せず)を通って伝達される信号によって、電力供給及び制御される。
【0022】
積み重ね12の最上部から集積貯蔵容器10を取り出すために、積荷取扱装置30は、必要に応じてX方向及びY方向に移動され、これにより、把持板39は、積み重ね12の上方に位置付けられる。そして、把持板39は、図3cに示されるように、積み重ね12の最上部にある集積貯蔵容器10と係合するために、Z方向に垂直に下げられる。把持板39は、集積貯蔵容器10を把持し、次いで、集積貯蔵容器10が取り付けられている状態で、ケーブル38で上向きに引っ張り上げられる。その垂直移動の最上部で、集積貯蔵容器10は、車両ボディ32内に収容され、レール22の高さよりも上に保持される。このようにして、積荷取扱装置30は、他の位置へ集積貯蔵容器10を搬送するために、それと共に集積貯蔵容器10を運んで、X-Y平面における他の位置に移動されることができる。ケーブル38は、積荷取扱装置30が、床面高さを含む、積み重ね12の任意の高さから集積貯蔵容器を回収する及び置くことを可能にするのに十分な長さがある。車両32は、集積貯蔵容器10の重量と釣り合うように、かつ、持ち上げプロセスの間に安定したままであるように、十分に重い。車両32の重量は、車輪34、36のための駆動機構に電力供給するために使用されるバッテリーから一部構成され得る。
【0023】
図4に示されるように、複数の同一の積荷取扱装置30が、各積荷取扱装置30がシステムのスループットを増加させるために同時に動作することができるように、設けられている。図4に示されるシステムは、ポート24として知られている2つの特定の位置を含み、その位置で、集積貯蔵容器10は、システムの内外に移送されることができる。例えば、さらなるコンベヤシステム(図示せず)が、各ポート24に関連付けられており、これにより、積荷取扱装置30によってポート24に搬送された集積貯蔵容器10は、コンベヤシステムによって他の位置へ、例えばピッキングステーション(図示せず)へ移送されることができる。同様に、集積貯蔵容器10は、コンベヤシステムによって外部の位置からポート24へ、例えば集積貯蔵容器充填ステーション(図示せず)へ移動され、システムにおける在庫を補充するために、積荷取扱装置30によって積み重ね12へと搬送されることができる。
【0024】
各積荷取扱装置30は、一度に1つの集積貯蔵容器10を持ち上げて移動させることができる。積み重ね12の最上部に位置していない集積貯蔵容器10(「ターゲット集積貯蔵容器」)を回収することが必要な場合、上に重なっている集積貯蔵容器10(「ターゲットでない集積貯蔵容器」)は、ターゲット集積貯蔵容器10へのアクセスを可能にするために最初に移動されなければならない。これは、以下において「掘り出し」(digging)と称される操作で達成される。
【0025】
図4を参照すると、掘り出し操作中、積荷取扱装置30のうちの1つは、ターゲット集積貯蔵容器10bを含む積み重ね12から各ターゲットでない集積貯蔵容器10aを連続して持ち上げて、他の積み重ね12内の空の位置にそれを置く。その後、ターゲット集積貯蔵容器10bは、積荷取扱装置30によってアクセスされることができ、さらなる搬送のためのポート24に移動される。
【0026】
積荷取扱装置30の各々は、中央コンピューターの制御下にある。システムの個々の集積貯蔵容器10が追跡され、これにより、適切な集積貯蔵容器10が、必要に応じて回収され、搬送され、置き換えられることができる。例えば、掘り出し操作中、ターゲットでない集積貯蔵容器10aの各々の位置が記録され、これにより、ターゲットでない集積貯蔵容器10aが追跡されることができる。
【0027】
図1ないし図4を参照して説明されたシステムは、多くの利点を有し、広範な保管及び回収操作に適している。特に、このシステムは、製品の非常に密な保管を可能にし、集積貯蔵容器10において幅広い異なる品物を保管する非常に経済的な方法を提供するとともに、ピッキングのために必要とされるときに、全ての集積貯蔵容器10への合理的に経済的なアクセスを可能にする。
【0028】
しかしながら、このようなシステムにはいくつかの欠点があり、それらは全て、ターゲット集積貯蔵容器10bが積み重ね12の最上部にない場合に行なわれなければならない上述の掘り出し操作に起因する。
【0029】
典型的な設置形態では、積み重ね12は、最大24個までの集積貯蔵容器の高さであることができる。これは、積み重ね12の底部のほうにあるターゲット集積貯蔵容器10bにアクセスするためには、多数のターゲットでない集積貯蔵容器10aを最初に取り出すことが必要であることを意味する。掘り出しプロセスは、複数の積荷取扱装置30の動作時間の大部分を消費し、遅延を回避するためには数多くの積荷取扱装置30を設けることが必要になるので、システムの効率を下げ及びコストを増加させる。
【0030】
掘り出し操作は比較的遅く、積み重ね12の底部のほうに位置しているターゲット集積貯蔵容器10bにアクセスするのに何分もの時間がかかり得る。複数の掘り出し操作がシステムの効率に累積的な負の影響を及ぼすことが認識される。掘り出し操作により引き起こされる遅延を緩和するために、ピッキングプロセスは、前々から、典型的には少なくとも30分、画策される必要がある。その結果、システムは、生産性を著しく損なうことなしには、要求の変化に迅速に対応することができない。
【0031】
掘り出し操作に費やされる時間を最小限にするための他の戦略が、最も頻繁にアクセスされる集積貯蔵容器10が積み重ね12の最上部に近いところにあるように、積み重ね12において集積貯蔵容器10を配置することである。しかしながら、このアプローチは、かなり多数の製造ラインから選択された比較的多い数の製品からなる注文を組み立てるために製品が選び出される用途では制限され、これは、時間を消費する掘り出し操作を必要とする、少数の比較的稀にしか注文されない製品が、常に各注文に存在することになる可能性が高いからである。
【0032】
こうした背景から、上述の問題のうちのいくつかを低減する又は緩和するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【0033】
従って、いくつかの用途については、各積み重ねを形成するコンテナが異なる製品を保持し得る複数製品の積み重ねの使用は、システムの保管密度を最大にするために、有利である。保管された品物は、たとえ必要とされる品物のうちのいくつかが、積み重ねのより低い高さにおいて、他のいくつかのコンテナの真下に保管されていても、顧客の注文を履行するのに必要な複数の異なる品物が、効率的なやり方で保管システムから選び出されることができるように、合理的に速く簡単にアクセス可能なままでなければならない。
【0034】
上述のシステムの欠点は、保管システムのコンテナ内に保管された、回転が速い品物又は頻繁にアクセスされる品物は、積荷取扱装置によって、絶えず取り出され及び置き換えられなければならないことである。これは、積荷取扱装置を過度に使用することにつながり、効率を下げる。
【0035】
こうした背景から、上述の問題のうちのいくつかを低減する又は緩和するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0036】
第1の態様によれば、本発明は、保管システムと、複数の積荷取扱装置と、降下ポイントと、ワークステーションとを具備する、物品取扱い及び回収システムに存在し、保管システムは、ワークスペースの上方に格子を形成する2つのセットの実質的に直交するレールを有し、ワークスペースは、複数の積み重ねられたコンテナを含み、ロボット積荷取扱装置は、ワークスペースの上方の格子上で動作し、積荷取扱装置は、複数の車輪に取り付けられたボディを有し、第1のセットの車輪が、第1のセットのレールのうちの少なくとも2本のレールと係合するように配置され、第2のセットの車輪が、第2のセットのレールのうちの少なくとも2本のレールと係合するように配置され、動作時に1つのセットの車輪のみがどの時点においても格子と係合され、それによって、レールと係合した1つのセットの車輪のみを駆動させることにより、コンテナの任意の積み重ねの上方の格子上の任意の点への、レールに沿った積荷取扱装置の移動を可能にするように、第1のセットの車輪は、第2のセットの車輪に対して独立して移動可能かつ駆動可能であり、ここにおいて、少なくとも1つの降下ポイントが、配列部分と係合するように構成され、配列部分は、積荷取扱装置によって少なくとも1つの降下ポイント又は各降下ポイントに運ばれたコンテナを受け取り、前記運ばれたコンテナを所定の順番でワークステーションに移動させるように構成されている。配列部分は、さらに、保管システムに隣接して位置するフレームを有し、フレームには、複数のコンテナ保管場所が設けられ、配列部分には、さらに、所定の順番で、コンテナをフレーム内のコンテナ保管場所からワークステーションに移動させるための移動手段が設けられ、前記所定の順番は、コンテナが降下ポイントに到着した順番とは無関係であり、これにより、コンテナ内に位置する物品がワークステーションにおいてアクセスされることができる。
【0037】
その中に保管場所を有する配列部分を設けることは、頻繁に必要とされる物品を含む少数の集積貯蔵容器に絶えずアクセスする積荷取扱装置の問題の解決策を提供する。このような場合には、積荷取扱装置は、頻繁に必要とされる物品を含む集積貯蔵容器を一度だけ持ち上げさえすればよく、前記集積貯蔵容器は、物品がそのワークステーションへの移送を必要とするワークステーションに隣接して、必要に応じてワークステーションに到着するように配列されることができる迅速にアクセス可能な保管場所に配置可能である。
【0038】
好ましくは、コンテナ又は各コンテナが保管システムから配列及び保管部分に移送されることができるいくつかの降下ポイントが存在する。所定の配列及び保管部分で所定時間に複数のコンテナを降下させる能力は、格子上の積荷取扱装置の輻輳の影響をさらに低減する。
【0039】
好ましくは、各配列及び保管部分は、それと関連付けられた複数の降下ポイントを有することができる。しかしながら、配列及び保管部分の構成に応じて、単一の降下ポイントのみが設けられ得ることが認識される。
【0040】
有利には、これは、格子上の積荷取扱装置の輻輳を低減させる。
【0041】
この目的のために、配列及び保管部分は、頻繁に必要とされる物品を含むいくつかの集積貯蔵容器を保管するように構成されることができる。
【0042】
好ましくは、配列及び保管部分内の移動手段は、フレーム内に移動可能に位置する複数の車両を含むことができ、車両は、フレームを周回してコンテナを運ぶことができる。移動手段は、フレーム内の補助軌道(track)に位置する一連のシャトル(shuttle)を含むことができ、各シャトルは、フレームを周回してコンテナを運ぶように構成されている。
【0043】
保管及及び配列部分のフレームは、好ましくは、ワークステーションに隣接しているアクセスポートを有することができ、これにより、移動手段上でフレームを周回しているコンテナは、前記コンテナがワークステーションにおけるアクセスポートに隣接しているときに、移動手段上にありながらアクセス可能である。
【0044】
好ましくは、保管及び配列部分は、さらに、転換手段を有し、前記転換手段は、コンテナを、移動手段から保管場所へ、及び、保管場所から移動手段へと転換させるように構成されている。
【0045】
このように、保管及び配列部分に保管されているコンテナは、一時保管場所と、ワークステーションからアクセス可能な位置との間で移送されることができる。
【0046】
好ましくは、転換手段は、コンテナに対して作動する押し引き機構を有し、これにより、移動手段のコンテナは、軌道から保管場所へと押される、又は、保管場所から軌道上へと引っ張られることができる。
【0047】
本発明の第2の実施形態では、移動手段は、フレームに隣接して位置する少なくとも1つのピッキング手段を含み、ピッキング手段は、フレームから所定のコンテナを選択し、このコンテナをワークステーションに搬送するように構成されている。
【0048】
本発明のこの実施形態では、コンテナが、修正されたコンテナの積み重ねから取り出されるおよび/または置き換えられることができる。好ましくは、修正されたコンテナの積み重ねは、移動手段の上へとターゲットコンテナを取り出している間、ターゲットコンテナの上方の全てコンテナを支持するための手段を使用して、移動手段によって一方の側からアクセスされ得る。同様にして、コンテナは、修正されたコンテナの積み重ねにおいて置き換えられることができる。
【0049】
好ましくは、物品取扱いシステムは、さらに、コンテナを選択して、ワークステーションポートへのそれらの到着を必要とされる順番で配列するための制御ユーティリティを含む。
【0050】
好ましくは、物品取扱いシステムは、さらに、コンテナを選択するように構成された選択手段を有し、これにより、任意のコンテナが、ワークステーションへの移動のために選択されることができ、前記選択手段は、システム内の全てのコンテナの位置を制御及び監視するための制御ユーティリティを含む。
【0051】
このようにして、物品取扱いシステムの配列及び保管部分への1つ又は複数のコンテナの到着の順番は重要ではなく、配列及び保管部分内のコンテナに対して作動する選択手段及び制御ユーティリティは、正しいコンテナが正しい時間に正しい順番でワークステーションに到着することを確実にし、積荷取扱装置によって必要とされる持ち上げ操作数をかなり減少させる。
【0052】
本発明のさらなる態様では、コンテナ保管システムからコンテナを回収し、コンテナをワークステーションに搬送する方法であって、(a)ターゲットコンテナを識別するステップと、(b)積荷取扱装置を使用して保管システムからターゲットコンテナを回収するステップと、(c)積荷取扱装置を使用して降下ポイントにコンテナを搬送するステップであって、降下ポイントは、配列部分と関連付けられている、搬送するステップと、を含む。配列部分は、移動手段を使用してワークステーションに隣接している位置への移動のためにターゲットコンテナを配列するための移動手段を備え、コンテナは、所定の順番で、ワークステーションと関連付けられたコンテナアクセスポイントに到着し、所定の順番は、コンテナが配列部分に到着した順番とは無関係である。
【0053】
好ましくは、コンテナを回収する方法は、保管システムの配列部分と関連付けられた、移動手段にアクセス可能な保管場所にターゲットコンテナを配置するステップをさらに含む。
【0054】
好ましくは、方法は、保管システムの各ターゲットコンテナの位置を監視する制御手段を使用して、コンテナの配列を制御するステップをさらに含む。
【0055】
本発明が、添付図面を参照して説明される。本発明の実施形態は、添付図面の図5a~図13を参照して、単なる例として説明され、ここで、同様の参照符号が同様の特徴に対して使用される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1図1は、既知の保管システムにおける集積貯蔵容器の複数の積み重ねを収容するためのフレーム構造の概略的な斜視図である。
図2図2は、図1のフレームワーク構造の一部の概略的な平面図である。
図3a図3aは、図1及び図2のフレーム構造とともに使用する積荷取扱装置の一形態の後方からの概略的な斜視図である。
図3b-3c】図3bは、図1及び図2のフレーム構造とともに使用する積荷取扱装置の一形態の前方からの概略的な斜視図である。図3cは、集積貯蔵容器を持ち上げる際に使用する既知の積荷取扱装置の概略的な斜視図である。
図4図4は、図1及び図2のフレーム構造に設置された、図3a、図3b及び図3cに示されるタイプの複数の積荷取扱装置を含む既知の保管システムの概略的な斜視図であり、保管システムは、複数の降下ポイント又は出力ポートを含む。
図5a図5aは、本発明の第1の実施形態の概略的な斜視図であり、図1ないし図4に示される形態の保管及び取扱いシステムに隣接する保管及び配列部分を示している。
図5b図5bは、図5aに示される本発明の実施形態の代替の概略的な斜視図であり、集積貯蔵容器が保管システムから保管及び配列部分へと移送されることを可能にする降下ポイント及びピックアップポイントを示している。
図6a図6aは、本発明の第2の実施形態の概略的な斜視図であり、物品取扱い及び保管システムとワークステーションとの間の配列及び保管部分を示しており、配列及び保管部分は、その上に複数の集積貯蔵容器保管場所を有するフレームを含み、フレームは、さらに、集積貯蔵容器がその上を移動可能な軌道をさらに含む。
図6b図6bは、図6aの実施形態の代替の概略的な斜視図である。
図7図7は、本発明の第2の実施形態のさらなる形態による、物品取扱いシステムの配列及び保管部分の概略的な斜視図であり、図6a及び図6bに示されるタイプの2つの相互作用するフレームを含む配列及び保管部分が、物品取扱いシステムと2つのワークステーションとの間に位置している。
図8a図8aは、物品取扱い及び保管システムとワークステーションとの間の保管及び配列部分を示す、本発明の第3の実施形態の概略的な斜視図であり、配列部分は、物品取扱い及び保管システムの修正された部分における集積貯蔵容器の積み重ねの内部から集積貯蔵容器を係合させる及び取り出すための移動手段を含む。
図8b図8bは、集積貯蔵容器が、物品取扱い及び保管システムの配列及び保管部分内の荷物の積み重ね内部から取り出されているところを示す、図8aの移動手段の拡大図である。
図9a図9aは、保管及び配列部分の一部を示す、本発明の第4の実施形態の概略的な斜視図であり、この部分は、それに取り付けられた車両手段を備えた軌道を有するフレームを有し、車両は、保管用集積貯蔵容器を運ぶように構成されている。
図9b図9bは、物品取扱い及び保管システムのワークステーションに隣接して位置する、図9aのフレームの概略的な斜視図であり、フレームには、さらに、その上に保管場所が設けられ、軌道機構が、フレームの出力ポートにおいて集積貯蔵容器が提示されることを可能にし、これにより、その中の物品がワークステーションからアクセスされることができる。
図9c図9cは、図9bの配列及び保管部分の概略的な平面図であり、保管場所にある複数の集積貯蔵容器と、軌道機構上の複数の集積貯蔵容器とを示している。
図9d図9dは、ワークステーションに隣接する、運転中の図9a、図9b及び図9cの本発明の第4の実施形態を示す図である。
図10図10は、保管及び配列部分の一部を示す、本発明の第5の実施形態による概略的な斜視図であり、この部分は、それに取り付けられた車両手段を備えた軌道を有するフレームを有し、車両手段は、保管用集積貯蔵容器を運ぶように構成されている。
図11図11は、図10に示されるような配列及び保管部分のフレームを概略的に示す側面図であり、フレームは、入力ポートと出力ポートとを有し、これらポートは、集積貯蔵容器がフレーム上に位置するときに、集積貯蔵容器内に保管されている物品にアクセスするためのフレーム上の位置を提供する。
図12図12は、本発明の第5の実施形態による配列及び保管部分の概略的な斜視図であり、図10及び図11に示されるフレームは、出力ポートを含み、集積貯蔵容器に保管された物品は、出力ポートからアクセスされることができる。
図13図13は、物品取扱い及び保管システムに隣接して位置する、図10図11及び図12の配列及び保管フレームの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図5aは、本発明の第1の実施形態による物品取扱い、保管及び回収システム100の配列及び保管部分の斜視図である。保管システム100は、概して、図1ないし図4を参照して上述された既知のシステムと同様であり、複数の積み重ね12を形成するために互いの上に積み重ねられた複数の保管コンテナ又は集積貯蔵容器10を含む。積み重ね12は、フレーム構造14内に配置されている。
【0058】
フレーム構造14は、Z方向に延び横架材18、20を支持している複数の直立部材16を有する。X方向に配置された第1のセットの平行な横架材18が、Y方向に配置された第2のセットの平行な横架材20(図5に図示せず)に直交するように配置されている。横架材18、20は、直立部材16に支持された複数の水平な格子構造を形成している。集積貯蔵容器10は、フレーム構造14の部材16、18、20間に積み重ねられる、これにより、フレーム構造14は、集積貯蔵容器10の積み重ね12の水平移動を防ぎ、集積貯蔵容器10の垂直移動をガイドする。
【0059】
フレーム構造14の最上部は、積み重ね12の最上部にわたって格子パターンに配置されたレール22を含む。平行なレール22の第1のセット22aと平行なレール22の第2のセット22bは、フレーム構造14の最上部にわたって、それぞれ、X方向及びY方向における積荷取扱装置の移動をガイドするように設けられている。
【0060】
図5aは、さらに、物品取扱い、保管及び回収システム100に隣接して位置する、本発明の第1の形態による配列及び保管部分を示している。配列及び保管部分は、保管システム100と、ユーザーが保管コンテナ10から配送コンテナDTに入れる物品を選び出すワークステーション120との間に配置された一連のコンベヤ110を有する。図5a及び図5bの実施形態では、保管コンテナ10は、ユーザーが保管コンテナ10から正しい配送コンテナDTに入れる必要な物品を直接選び出すことができるように、ワークステーションへの到着のために配列される。選び出される物品を含む保管コンテナ10は、コンベヤ110’上を移動し、顧客の注文を含む配送コンテナDTは、別個であるが隣接するコンベヤ110’’上を移動する。
【0061】
選び出される物品を含む保管コンテナ10は、物品取扱い及び保管システム100に位置している。
【0062】
使用時には、コンピューター制御ユーティリティの制御下で動作する積荷取扱装置30が、保管システム100内の積み重ね12からターゲットコンテナ10を選び出す。積荷取扱装置30は、コンテナ10を降下ポイント130に運ぶ。降下ポイント130は、(図4に示されるような)ポート24を含むことができ、あるいは、図5bに示されるようなコンベヤ110の上方のシュート手段を含むことができる。保管コンテナ10は、積荷取扱装置からコンベヤ110’の上へと下ろされる。保管コンテナ10が、ワークステーションにおいて直ちに選び出され配送コンテナDTに入れられる必要がある物品を含む場合、コンテナ10は、コンベヤ手段110によってワークステーション120に移送される。しかしながら、別の物品を含む保管コンテナ10が、今し方説明された保管コンテナ10より前にワークステーションにおいて必要とされる場合、転換手段(図示せず)が、いくつかの一時保管場所ポイント140’のうちの1つへと現在の保管コンテナ10を転換させるために、ターゲットコンテナに対して作動する。今し方説明されたターゲット保管コンテナ10がワークステーション120において必要であると制御ユーティリティが判断した場合、転換手段は、この保管コンテナを、一時保管場所140’から、ワークステーション120への搬送のために保管コンテナコンベヤ110’の上に戻すように移動させるために、逆のやり方で作動する。
【0063】
同様にして、配送コンテナDTが保管システム100からワークステーション120に移動されるとき、所定の配送コンテナDTの到着は、コンピューターユーティリティ(図示せず)の制御下で、保管コンテナ10に関して説明されたものと同様の方法で、配列されることができる。配送コンテナDTは、配送コンテナコンベヤ110’’に隣接する一時保管場所140’’に保管されることができ、適切な転換手段(図示せず)によってコンベヤ110’’から保管場所140’’へと転換されることができる。再び、保管コンテナ10を参照して説明されたのと同様の方法で、配送コンテナDTがワークステーションにおいて必要とされるとき、転換手段は、配送コンテナDTを、一時保管場所から、ワークステーション120への前進移動のために配送コンベヤ手段110’’へと移動させるように、コンピューターユーティリティの制御下で作動する。
【0064】
図5a及び図5bに示されるように、配送コンテナコンベヤ110’’及び保管コンテナコンベヤ110’は、コンベヤのループを含み、これにより、保管コンテナ10及び配送コンテナDTは、保管システムから出発して、積荷取扱装置30及びコンベヤ手段110’、110’’を介して、ワークステーション120へ及び保管システム100に戻るように移動する。しかしながら、コンベヤ110’、110’’は、保管システムに戻すのではなく、代替位置からコンテナ10、DTを受け取り、代替位置にコンテナ10、DTを戻し得ることが認識される。
【0065】
本実施形態は、配送コンテナコンベヤ110’’及び保管コンテナコンベヤ110’の両方が、それぞれ、複数の一時保管場所140’’及び140’を含むシステムについて説明していることが認識される。しかしながら、コンベヤ手段110’’、110’の両方が一時保管場所を含む必要はなく、コンベヤ手段110のうちのいずれか一方が一時保管場所140を含み得る。
【0066】
本発明の第2の実施形態が、添付の概略的な図面の図6a、図6b及び図7を参照して説明される。
【0067】
図6aは、本発明のさらなる形態による、配列及び保管部分145に隣接して位置する、保管システム100のフレームワーク14を示している。図6aに示されるように、フレーム150が、保管システム100とワークステーション120との間に位置している。フレーム150は、その上に保管コンテナ10が位置する軌道160を含む。図6a及び図6bにさらに示されるように、第2の実施形態のフレーム150は、その上にコンテナ配置位置155を有する軌道160を含む。
【0068】
使用時には、保管システム100で動作可能な積荷取扱装置30は、ターゲットコンテナ10を捜し出し、積み重ね12からそのターゲットコンテナ10を持ち上げる。積荷取扱装置30は、配列及び保管部分145のフレーム150の上方の降下ポイント171にコンテナ10を搬送する。フレーム150の上方の所定位置にくると、積荷取扱装置は、フレーム150上の1つの位置に保管コンテナ10を下ろす。フレーム150は、保管システム100からの回転が速い品物又は頻繁に必要とされる品物を含むコンテナ10を保管するために使用されることができるいくつかの位置を含む。軌道160は、フレーム150を周回することができ、それによって、その上に位置するコンテナ10を移動させる。コンテナ10は、ストラット、車両又はシャトル170などの配置手段によって軌道上に配置される。フレーム150を周回するとき、軌道160及び関連する配置手段は、コンテナ10にフレーム150を周回させる。
【0069】
フレーム150は、出力ポイント148を含み、コンテナ10は、コンテナ10が出力ポイントに隣接しているときに、出力ポイントからワークステーション120へと出力されることができる。出力ポイントは、コンテナ10をフレーム150からワークステーション120に向かって移動させるための、前述されたような転換手段を含むことができる。出力されたコンテナ10は、コンベヤ手段のような任意の適切な手段によって、ワークステーション120に向かって移動されることができる。図6aは、矢印によって、ターゲットコンテナ10が取り得る、ワークステーションを通るルートを示している。
【0070】
前の実施形態を参照して上述されたのと同様の方法で、コンテナ10は、コンテナ10がワークステーションで必要であることを制御ユーティリティが決定するまで、フレーム150内の一時保管場所にとどまる。この時点で、必要なターゲットコンテナが、フレーム150から、所望の物品が選び出されて配送コンテナDTに入れられるワークステーションへとコンテナ10を搬送する手段上に転換される。所望の物品が選び出されると、コンテナ10は、ワークステーション120で再び必要とされるまで、フレーム150に戻される。保管コンテナ10の中身が空にされると、保管コンテナ10は、フレーム150の、又はワークステーションのデカントステーション(decant station)(図示せず)で補充されることができる。
【0071】
図6a、図6b及び図7を参照して説明される実施形態では、フレーム150は、保管コンテナ10のみを取り扱う。図6a及び図6bに示されるように、配送コンテナDTは、保管システム100における降下ポイント171を介してワークステーション120に到着する。積荷取扱装置30は、上方からワークステーション120に配送コンテナDTを下ろす。しかしながら、配送コンテナDTは、任意の適切な手段によって、保管システム100からワークステーションに到着し得ることが認識される。さらに、保管コンテナ10を参照して説明されたような保管及び配列フレーム150が使用され得る。
【0072】
図7に示されるように、2つのつながったフレームを含む2つの配列及び保管部分が、単一のワークステーション120の間で共有されている。第2の実施形態のこの形態では、フレーム内の一時的な位置に保管された保管コンテナ10は、一方又は両方のワークステーション120によって必要とされる物品を含む。制御ユーティリティ(図示せず)が、フレームに位置する全てのコンテナ10の位置を監視し、コンテナ10は、関連するワークステーション120と関連付けられたフレーム出力ポートを介して適切なワークステーション120に移動される。複数の垂直ガイドプロファイルがここに説明されるシステムに設けられることが認識される。しかしながら、明瞭化のために、これらのガイドプロファイルは図示されない。図8a及び図8bは、保管システム100とワークステーション120との間に位置する保管及び配列部分145を含む、本発明の第3の実施形態を示している。
【0073】
図8aに示されるように、保管及び配列部分145は、コンテナ10の積み重ね12が側方からアクセスされることを可能にする、フレームワーク14の修正された部分を含む。コンテナ移動装置170は、モーター付き支柱165上に位置し、これにより、装置170は、フレームワークの修正された部分において、任意のコンテナ10にアクセスすることができる。コンテナ移動装置170は、ターゲットコンテナ10より上にあるターゲットでないコンテナを完全に取り出す必要なく、積み重ね12からターゲットコンテナ10を取り出すように作動する。図8bに示されるように、コンテナ移動装置170は、ターゲットコンテナ10に隣接して位置付けられ、次いで、ターゲットコンテナ10のまわりに挿入され、これにより、ターゲットコンテナ10より上にあるターゲットでないコンテナが、ターゲットコンテナから持ち上げられるとともに、ターゲットコンテナより下にあるターゲットでないコンテナは、所定の位置に保持される。次いで、ターゲットコンテナ10は、コンテナ移動装置170上へと移動されて、積み重ね12から引き出される。引き出されると、ターゲットコンテナは、モーター付き支柱165を介してワークステーション120の降下ポイントに移動される。
【0074】
コンテナ移動手段170が、ターゲットコンテナ10からターゲットでないコンテナを分離するための手段を含むことが認識される。さらに、コンテナ移動手段170は、積み重ねの外部にコンテナを移動させるためのコンベヤ手段172を含む。積み重ねからコンテナを分離することが可能な分離手段174と、コンテナを積み重ね12の外部に移動することが可能なコンベヤ手段との任意の適切な形態が使用され得ることが認識される。
【0075】
モーター付き支柱165が、保管システム100とワークステーション120との間の保管システムのベースに隣接して位置する軌道上を移動可能であることが認識される。コンテナ移動装置170は、適切な駆動手段によって、モーター付き支柱165を上下に移動可能である。さらに、モーター付き支柱165は、適切な軌道手段によって保管システムの側面に沿って移動可能である。
【0076】
再び、この実施形態が保管コンテナ10を参照して説明されているが、本発明は、配送コンテナDTの移動に同様に適用可能である。
【0077】
図9a、図9b、図9c及び図9dは、本発明の第4の実施形態を示しており、この実施形態では、保管システム100の配列及び保管部分145は、フレーム250を有し、フレームは、軌道260を有し、車両270がその上で駆動される。車両270は、一時保管場所240を有し、コンテナ10は、ワークステーション120に移動する前にそこに保管されることができる。フレーム250及び関連する軌道と車両は、コンピューター制御されたユーティリティが、コンテナが保管システム100から保管及び配列部分に到着する順番に関係なく、ワークステーション120へのコンテナ10の到着を配列する(順番に並べる)ことを可能にする。図9bに示されるように、追加の保管場所240’がフレームの上面に隣接して設けられ、保管場所240、240’は、回転が速い又は頻繁に必要とされるコンテナ10がワークステーション120の近くに配置されることを可能にして、そのようなコンテナが保管システム100から積荷取扱装置30によって持ち上げられなければならない回数を減らす。
【0078】
本発明の前述の実施形態を参照して上述されたのと同様の方法で、フレーム250には、保管システム100上で動作可能な積荷取扱装置30によってフレーム250に運ばれたコンテナ10が載せられる。
【0079】
例えば、ワークステーション120で必要とされる物品を含むターゲットコンテナ10が、保管システム100に位置し、積荷取扱装置30によって、それが位置する積み重ね12から選び出される。積荷取扱装置30は、積荷取扱装置30の車両のボディの内部のコンテナ10を、保管システム100の降下ポイント24まで搬送する。
【0080】
コンテナ10は、積荷取扱装置30からフレーム250に隣接する保管場所に降ろされる。あるいは、積荷取扱装置30は、フレーム250の軌道260上の車両位置270によって定義された保管場所240’の1つにコンテナ10を直接降ろすことが可能である。
【0081】
保管場所240又は270に降ろされたコンテナ10は、適切な転換手段によって位置間を移動可能である。
【0082】
軌道260は、コンピューターユーティリティの制御下でフレーム250を周回する。コンテナ10は、必要に応じて軌道260上へ又は軌道260外へと移動される。フレーム250は、さらに、ワークステーション120に隣接して配置可能な部分を含む。コンテナ10は、車両270上でフレーム250を周回し、車両270は、軌道260上を移動する。フレーム及び軌道は、コンテナ10がワークステーション120に隣接するポイントで、コンテナ10内にある物品が、容易に手を伸ばして取ることができるようにして提示されるように、コンテナ10がワークステーションにおけるオペレーターに提示されるように、相互作用する。このようにして、オペレーターは必要とされる物品を取り出すことができる。図9a、図9b、図9c及び図9dに示されるように、フレーム250、軌道260及び車両270の構成は、安全上の理由から完全に覆われていることが認識される。コンテナ10がアクセス可能な唯一のポイントは、コンテナ10がワークステーション120に隣接しているポイントである。
【0083】
この実施形態は、保管コンテナ10を参照して再び説明された。しかしながら、同様のシステムが、オンライン小売り環境によって注文された物品及び商品のフルフィルメントシステムの状況の中で、配送コンテナDTの保管及び配列のために使用されることができる。
【0084】
上述の実施形態は、オンライン注文のシナリオに関連して、注文を履行するために回収及びピッキングするための品物を含む保管システムの観点から説明されていることが認識される。しかしながら、このような保管システムは、他の多くの用途での使用のために適合され得、ここで説明される特定の例に限定される必要はないことが認識される。
【0085】
本発明の第5の実施形態では、配列及び保管部分は、保管システム100とワークステーション120との間に置かれている。図10図11図12及び図13に示されるような第5の実施形態では、保管及び配列フレーム350が示される。フレーム350は、シャトル370が装着されている軌道360を有する。本発明の第4の実施形態を参照して説明されたのと同様の方法で、コンテナ10は、積荷取扱装置30によって、保管システム100から配列及び保管フレーム350に運ばれる。フレーム350は、軌道360に隣接する固定保管場所340に複数のコンテナ10を保管し得るか、又はシャトル370と関連付けられた軌道360上に移動可能な保管場所にコンテナ10を保管し得る。コンテナ10は、適切な転換手段によって、固定保管場所340から軌道360上のシャトル370上へ、又はシャトル370から固定保管場所340に移動されることができる。
【0086】
コンテナ10は、第4の実施形態を参照して説明されたのと同様の方法で、ワークステーション120においてアクセスされ、すなわち、軌道360及びシャトル370は、使用時に、フレームを周回する軌道が、シャトルが各コンテナ10をワークステーションに隣接するポートに順番に提示するように配置されているように、構成されており、シャトル及び軌道は、コンテナ10が容易にアクセス可能なように提示されるように、ワークステーション120に隣接するポイントで相互作用する。
【0087】
この実施形態は、保管コンテナ10を参照して再び説明された。しかしながら、同様のシステムが、オンライン小売り環境によって注文された物品及び商品のフルフィルメントシステムの状況の中で、配送コンテナDTの保管及び配列のために使用されることができる。
【0088】
上述された全ての実施形態において、配列及び保管部分は、保管システムとワークステーションとの間に置かれている。上述された本発明の全ての実施形態の目的は、システム全体の効率を改良するように、主たる保管システムとワークステーションとの間の部分が作用することである。頻繁にアクセスされることが必要とされるコンテナ、またはワークステーションにおいて定期的に必要とされるコンテナをワークステーションの近くに保管するに際して、掘り出すことによって、又は単に積み重ねの最上部から持ち上げることによってのいずれかで、より少ないコンテナが、積荷取扱装置によるアクセスを必要とするようになる。これは、注文がワークステーションにおいて選び出されることができる速度を改良し、したがって、注文をピッキングするためのリードタイムを減少させる。これにより、システムは、納期により近い変更に対して、より応答性に優れたものになる。
【0089】
保管システムとワークステーションとの間に置かれた、仕分けて配列するフレームを使用してこの目的を達成する多くのやり方があることが認識される。上述された実施形態は、単なる例示であって、ここに具体化される本発明の主要な概念を逸脱することなく、特定の実施形態の変形及び変更が想到されうる。本発明の上述の実施形態による特定の機構は、当業者は限定的なものであると解釈するべきではなく、上述の一般的な概念から逸脱することなく、種々の手法によって本発明の機構を達成することができる。
【0090】
保管及び配列部分が保管システムとワークステーションとの間に置かれていると説明されたが、それは、保管システム又はワークステーションのより近くに物理的に位置し得ることが認識される。さらに、保管及び配列部分は、保管システムの、又はワークステーションの物理的な部分を形成し得る。実際、保管及び配列部分は、保管システムをワークステーションに物理的に接続するために使用され得る。
【0091】
さらに、システムの配列及び保管部分は、保管システムとワークステーションとの両方と物理的に分離され得ることが認識される。
【0092】
さらに、格子の一部が、積荷取扱装置からのコンテナの降下を容易にするために、配列及び保管部分の上に延在し得ることが認識される。あるいは、積荷取扱装置は、保管システムと配列及び保管部分との間の中間位置にコンテナ10を降ろし得る。
【0093】
上述された全ての実施形態では、保管コンテナ及び配送コンテナが参照される。これらのコンテナは、同じ形態又は異なる形態を取ることができ、保管及び配列部分は、コンテナの代替構成のために、適宜サイズ決め及び適合され得ることが認識される。
【0094】
さらに、フレームに、フレームワーク及び支柱についての全ての参照において、構造部材は、これに限定されないが、アルミニウム及び鋼などの金属、及び適切な構造プラスチック材料を含む任意の適切な材料から形成され得ることが認識される。
【0095】
さらに、上述のような保管及び配列部分は、記述された保管システムと全てのワークステーションとの間に、あるいは、ワークステーションの一部と記述されるような保管システムとの間にのみ配置され得ることが認識される。
【0096】
上述の実施形態は、食料品店のオンライン注文のシナリオに関連して、注文を履行するために回収及びピッキングするための品物を含む保管システムの観点から記述されていることが認識される。しかしながら、このような保管システムは、他の多くの用途での使用のために適合され得、ここで説明される特定の例に限定される必要はないことが認識される。例えば、このような保管システムは、郵便物(送付物)取扱いシステムでの小包仕分けに使用されることができる。
【0097】
説明された特定の実施形態は、ボディ内に位置するキャビティを有する積荷取扱装置を含むシステムであって、キャビティがコンテナを運ぶための手段を含むシステムに関するものであるが、積荷取扱装置の他の形態が想到されることができる。例えば、コンテナを持ち上げるためのカンチレバー部分及びウィンチ手段を有する積荷取扱装置が、上述の積荷取扱装置と置き換えられ得る。
【0098】
保管システムは、上述の積荷取扱装置のさまざまな組み合わせ及び配置を使用して、特定の用途のために設計されることができることが認識される。さらに、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、上には明示的には記述されない多くの変形及び修正が可能である。
図1
図2
図3a
図3b-3c】
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品取扱い及び回収システムのためのワークステーションであって、
必要な物品を保管コンテナから直接選び出すためのアクセスポイントを有するとともに、前記必要な物品を配送コンテナ(DT)に直接入れるための降下ポイントを有する、ピッキングエリアを備え、
第1の保管及び配列部分内で、保管コンテナは、前記保管コンテナが前記第1の保管及び配列部分に到着した順番とは無関係に、ピッキングエリアのアクセスポイントに提示されることになる所定の順番に配列され、
配送コンテナは、ユーザーが保管コンテナから正しい配送コンテナ(DT)へと前記必要な物品を直接選び出すことができるように、ピッキングエリアの降下ポイントに提示されることになる所定の順番に配列される、物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項2】
前記配送コンテナ(DT)は、前記ピッキングエリアに直接到着する、請求項1に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項3】
前記配送コンテナ(DT)は、第2の保管及び配列部分を介して前記ピッキングエリアに到着し、配送コンテナは、前記配送コンテナが前記第2の保管及び配列部分に到着した順番とは無関係に、ピッキングエリアの降下ポイントに提示されることになる所定の順番に配列される、請求項1に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項4】
前記第1の保管及び配列部分は、保管コンテナをピッキングステーションに搬送するための第1のコンベヤを備え、
前記第2の保管及び配列部分は、配送コンテナ(DT)を搬送するための、前記第1のコンベヤ(100’)に隣接した第2のコンベヤを備える、
請求項3に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項5】
前記アクセスポイントがポートであり、及び/又は、前記降下ポイントがポートである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項6】
前記ワークステーションへの前記保管コンテナ及び前記配送コンテナの到着を配列するためのコンピューター制御されたユーティリティをさらに備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項7】
前記第1、第2の保管及び配列部分は、フレームと、関連する軌道と、コンテナを移動させるための車両とを備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項8】
追加の保管場所が、回転が速い又は頻繁に必要とされる保管コンテナが前記ワークステーションの近くに配置されることを可能にする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項9】
前記ワークステーションのオペレーターは、前記コンテナ内にある前記物品に容易に手を伸ばして取ることができる形で、コンテナが提示される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項10】
前記コンテナがアクセス可能な唯一のポイントは、前記コンテナが前記ワークステーションに隣接しているときである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の物品取扱い及び回収システムのためのワークステーション。
【請求項11】
物品取扱い及び回収システムにおけるワークステーションにおいて物品をピッキングする方法であって、
前記物品取扱い及び回収システムは、少なくとも1つの積荷取扱装置を備え、
積荷取扱装置を使用して、第1の保管及び配列部分に保管コンテナを下ろすことと、
第1のコンベヤを介して前記ワークステーションに前記保管コンテナを移送すること、又は、転換手段を介して、いくつかの一時保管場所のうちの1つに前記保管コンテナを転換し、後に前記転換手段を逆のやり方で動作させて、前記保管コンテナを前記ワークステーションに移動させることと、
ユーザーが保管コンテナから正しい配送コンテナ(DT)へと必要な物品を直接選び出すことができるように、配送コンテナ(DT)を前記ワークステーションに移送することと、
を備える、ワークステーションにおいて物品をピッキングする方法。
【請求項12】
一旦前記物品が選び出されると、前記保管コンテナは、それが前記ワークステーションにおいて再び必要とされるまで一時保管場所に移動されるか、又は前記保管コンテナは、補充のために移動される、請求項11に記載のワークステーションにおいて物品をピッキングする方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
保管システムは、上述の積荷取扱装置のさまざまな組み合わせ及び配置を使用して、特定の用途のために設計されることができることが認識される。さらに、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、上には明示的には記述されない多くの変形及び修正が可能である。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]保管システムと、複数の積荷取扱装置と、降下ポイントと、ワークステーションとを具備する、物品取扱い及び回収システムであって、
前記保管システムは、ワークスペースの上方に格子を形成する2つのセットの実質的に直交するレールを有し、前記ワークスペースは、複数の積み重ねられたコンテナを含み、前記ロボット積荷取扱装置は、前記ワークスペースの上方の前記格子上で動作し、前記積荷取扱装置は、複数の車輪に取り付けられたボディを有し、第1のセットの車輪が、第1のセットのレールのうちの少なくとも2本のレールと係合するように配置され、第2のセットの車輪が、第2のセットのレールのうちの少なくとも2本のレールと係合するように配置され、動作時に1つのセットの車輪のみがどの時点においても前記格子と係合され、それによって、前記レールと係合した前記1つのセットの車輪のみを駆動させることにより、コンテナの任意の積み重ねの上方の前記格子上の任意の点への、前記レールに沿った前記積荷取扱装置の移動を可能にするように、前記第1のセットの車輪は、前記第2のセットの車輪に対して独立して移動可能かつ駆動可能であり、
ここにおいて、少なくとも1つの降下ポイントが、配列部分と係合するように構成され、前記配列部分は、積荷取扱装置によって前記少なくとも1つの降下ポイントに運ばれたコンテナを受け取り、前記運ばれたコンテナを所定の順番で前記ワークステーションに移動させるように構成されており、
前記配列部分は、前記保管システムに隣接して位置するフレームを有し、前記フレームには、複数のコンテナ保管場所が設けられ、前記配列部分には、さらに、所定の順番で、コンテナを前記コンテナ保管場所から前記ワークステーションに移動させるための移動手段が設けられ、前記所定の順番は、前記コンテナが前記降下ポイントに到着した順番とは無関係であり、これにより、前記コンテナ内に位置する物品が前記ワークステーションにおいてアクセスされることができる、物品取扱いシステム。
[C2] 前記少なくとも1つの降下ポイント又は各降下ポイントは、配列部分と係合するように構成されている、C1に記載の物品取扱いシステム。
[C3] 前記移動手段は、前記フレーム内に移動可能に位置する複数の車両を含み、前記車両は、前記フレームを周回してコンテナを運ぶ、C1又は2に記載の物品取扱いシステム。
[C4] 前記移動手段は、前記フレーム内の補助軌道上に位置する一連のシャトルを含み、各シャトルは、前記フレームを周回してコンテナを運ぶように構成されている、C1乃至3のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
[C5] 前記フレームは、ワークステーションに隣接しているアクセスポートを有し、
前記コンテナは、前記移動手段上で前記フレームを周回し、
各コンテナは、前記コンテナが前記ワークステーションにおけるアクセスポートに隣接しているときに、そのコンテナが位置している前記移動手段上にありながらアクセス可能である、C1乃至4のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
[C6] 前記保管及び配列部分は、さらに、転換手段を有し、
前記転換手段は、コンテナを、前記移動手段から前記保管場所へ、及び、前記保管場所から前記移動手段へと転換させるように構成されている、C1乃至5のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
[C7] 前記転換手段は、押し引き手段を含む、C6に記載の物品取扱いシステム。
[C8] 前記移動手段は、前記フレームに隣接して位置する少なくとも1つのピッキング手段を含み、前記ピッキング手段は、前記フレームから所定のコンテナを選択し、前記コンテナを前記ワークステーションに搬送するように構成されている、C1又は2に記載の物品取扱いシステム。
[C9] 前記ピッキング手段は、前記フレーム内に位置するコンテナの積み重ねの内部から所定のコンテナを取り出すための取り出し手段を含む、C8に記載の物品取扱いシステム。
[C10] 前記ピッキング手段は、さらに、前記フレーム内に位置するコンテナの積み重ねにおける前記所定のコンテナを置き換えるための置き換え手段を含む、C8又は9に記載の物品取扱いシステム。
[C11] 前記所定のコンテナの前記選択は、ワークステーションにおけるコンテナの到着を正しく配列するように作動するユーティリティによって制御される、C1乃至10のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
[C12] 前記システムは、コンテナを選択するように構成された選択手段をさらに具備し、これにより、任意のコンテナが、ワークステーションへの移動のために選択されることができ、
前記選択手段は、前記システム内の全てのコンテナの位置を制御及び監視するための制御ユーティリティを含む、C1乃至11のいずれか1項に記載の物品取扱いシステム。
[C13] コンテナ保管システムからコンテナを回収し、前記コンテナをワークステーションに搬送する方法であって、
(a)ターゲットコンテナを識別するステップと、
(b)積荷取扱装置を使用して前記保管システムから前記ターゲットコンテナを回収するステップと、
(c)前記積荷取扱装置を使用して降下ポイントに前記コンテナを搬送するステップであって、前記降下ポイントは、配列部分と関連付けられ、前記配列部分は、移動手段を含む、搬送するステップと、
(d)前記移動手段を使用して前記ワークステーションに隣接している位置への移動のために前記ターゲットコンテナを配列するステップであって、前記コンテナは、所定の順番で、ワークステーションと関連付けられたコンテナアクセスポイントに到着し、前記所定の順番は、前記コンテナが前記配列部分に到着した順番とは無関係である、配列するステップと、を含む、方法。
[C14](e)前記保管システムの前記配列部分と関連付けられた、前記移動手段にアクセス可能な保管場所に前記ターゲットコンテナを配置するさらなるステップを含む、C13に記載のコンテナを回収する方法。
[C15] 前記保管システムの各ターゲットコンテナの位置を監視する制御手段を使用して、前記コンテナの前記配列を制御するさらなるステップを含む、C13又は14に記載の方法。
【外国語明細書】